(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178547
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】端子台及び端子本体の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01R 9/18 20060101AFI20241218BHJP
H01R 13/631 20060101ALI20241218BHJP
H01R 43/16 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
H01R9/18
H01R13/631
H01R43/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096754
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100154900
【弁理士】
【氏名又は名称】関 京悟
(72)【発明者】
【氏名】芦部 健太
【テーマコード(参考)】
5E021
5E063
5E086
【Fターム(参考)】
5E021FA02
5E021FA03
5E021FA14
5E021FC40
5E021HA05
5E063GA01
5E063XA20
5E086CC22
5E086DD05
5E086JJ03
5E086LL17
(57)【要約】
【課題】端子台の小型化に寄与する端子台を実現する。
【解決手段】本開示の一形態に係る端子台(1)において、端子本体(6)は、第1の平板部(6a)と重ねて配置される第2の平板部(6b)と、第1の平板部(6a)の一方の端部と第2の平板部(6b)の一方の端部とを繋ぐ第1の繋ぎ部(6c)と、第1の平板部(6a)と第2の平板部(6b)との間に配置される第3の平板部(6d)と、第1の平板部(6a)の他方の端部と第3の平板部(6d)の一方の端部とを繋ぐ第2の繋ぎ部(6e)と、第1の平板部(6a)に形成される貫通孔(6f)と、を有する。第3の平板部(6d)に貫通孔(6f)を介して第1の導電部材(2)が電気的に接続される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子と、
前記端子を収容するハウジングと、
を備え、
前記端子は、
導電材料の折り曲げ体である端子本体と、
前記端子本体の一方の端部に配置され、第1の導電部材が電気的に接続される第1の接続部と、
前記端子本体の他方の端部に配置され、第2の導電部材が電気的に接続される第2の接続部と、
を有し、
前記端子本体は、
第1の軸と直交する面と平行な第1の平板部と、
前記第1の軸と直交する面と平行であって、前記第1の軸が延びる方向で前記第1の平板部と重ねて配置される第2の平板部と、
前記第1の平板部における前記第1の軸と直交する第2の軸が延びる方向の一方の端部と前記第2の平板部における前記第2の軸が延びる方向の一方の端部とを繋ぐ第1の繋ぎ部と、
前記第1の平板部と前記第2の平板部との間に配置され、前記第1の軸と直交する面と平行な第3の平板部と、
前記第1の平板部における前記第2の軸が延びる方向の他方の端部と前記第3の平板部における前記第2の軸が延びる方向の一方の端部とを繋ぐ第2の繋ぎ部と、
前記第1の平板部に形成される貫通孔と、
を有し、
前記第3の平板部に前記第1の接続部が配置され、前記第3の平板部に前記貫通孔を介して前記第1の導電部材が電気的に接続される、端子台。
【請求項2】
前記端子本体は、前記第3の平板部と前記第2の繋ぎ部と前記第1の平板部と前記第1の繋ぎ部と前記第2の平板部とのいずれか1箇所以上に形成されるスリット部を有する、請求項1に記載の端子台。
【請求項3】
前記端子本体は、前記第3の平板部と前記第2の繋ぎ部と前記第1の平板部と前記第1の繋ぎ部と前記第2の平板部とのいずれか2箇所以上に連続するように形成されるスリット部を有する、請求項2に記載の端子台。
【請求項4】
前記端子本体は、前記第2の平板部に形成される貫通孔を有する、請求項1に記載の端子台。
【請求項5】
前記第1の平板部は、前記第1の平板部における前記第2の軸が延びる方向の他方の端部の側に向かうのに従って前記第1の軸と前記第2の軸とに直交する第3の軸が延びる方向の幅寸法が狭くなるように形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の端子台。
【請求項6】
前記第3の平板部には、前記第1の導電部材が電気的に接続される接続部材が前記第1の接続部として固定され、
前記接続部材は、前記第1の平板部の貫通孔から前記第3の平板部の側に対して逆側に突出している、請求項1又は2に記載の端子台。
【請求項7】
前記ハウジングは、
前記端子を収容し、前記第1の導電部材が通される貫通孔を有する本体部と、
前記第1の導電部材が前記本体部の貫通孔に通された状態で前記第1の導電部材の振れを制限するために、前記本体部から前記第1の軸が延びる方向に突出する突出部と、
を有する、請求項6に記載の端子台。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記第2の軸が延びる方向において、前記本体部の貫通孔及び突出部の内部に前記接続部材を通しつつ、前記本体部の内部に前記端子を挿入するために、前記本体部に形成される挿入部を有する、請求項7に記載の端子台。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記端子本体の前記第1の平板部と前記第1の繋ぎ部と前記第2の平板部とに連続するように形成されたスリット部に通される補強リブを有し、
前記補強リブは、前記第3の平板部における前記第2の軸が延びる方向の他方の端部に対して前記第2の平板部の側に配置される水平部を有し、
前記第3の平板部における前記第2の軸が延びる方向の他方の端部が予め設定された変位量で前記第2の平板部の側に変位した場合、前記第3の平板部における前記第2の軸が延びる方向の他方の端部が前記水平部に接触する、請求項1又は2に記載の端子台。
【請求項10】
請求項1から4のいずれか1項に記載の端子台に用いられる端子本体の製造方法であって、
一軸方向に長い導電材料から成る帯状素材を平坦な渦巻き状に折り曲げて、前記端子本体の前記第3の平板部、前記第2の繋ぎ部、前記第1の平板部、前記第1の繋ぎ部及び前記第2の平板部を形成する、端子本体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子台及び端子本体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に端子台は、第1の導電部材と第2の導電部材とを電気的に接続するために用いられる。例えば、特許文献1の端子台100は、
図42に示すように、第1の端子101と第2の端子102とが編組線103で電気的に接続された状態でメインハウジング104に挿入された構成である。
【0003】
このとき、第1の端子101のボルト挿入孔101aの貫通方向に対して直交する方向に第1の端子101が移動可能に、第1の端子101が第1のサブハウジング105を介してメインハウジング104に保持されている。また、第2の端子102のボルト挿入孔102aの貫通方向に対して直交する方向に第2の端子102が移動可能に、第2の端子102が第2のサブハウジング106を介してメインハウジング104に保持されている。
【0004】
これにより、第1の端子101に電気的に接続される第1の導電部材の位置が第1の端子101に対して位置ずれしていても、編組線103が変形して第1の端子101がメインハウジング104に対して移動し、第1の導電部材と第1の端子101との位置ずれを吸収して相互を良好に第1のサブハウジング105に設けられたナット107に電気的に接続することができる。
【0005】
また、第2の端子102に電気的に接続される第2の導電部材の位置が第2の端子102に対して位置ずれしていても、編組線103が変形して第2の端子102がメインハウジング104に対して移動し、第2の導電部材と第2の端子102との位置ずれを吸収して相互を良好に第2のサブハウジング106に設けられたナット108に電気的に接続することができる。このような端子台100は、フランジ部材109を介して機器へ取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の端子台100は、第1の端子101に対する第1の導電部材の位置ずれや第2の端子102に対する第2の導電部材の位置ずれを、編組線103が変形することで吸収する構成である。このように編組線103が相互の位置ずれを吸収する場合、編組線103の長さが必要となり、端子台100が大型化する課題を有する。
【0008】
本開示の目的は、端子台の小型化に寄与する端子台及び端子本体の製造方法を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る端子台は、
端子と、
前記端子を収容するハウジングと、
を備え、
前記端子は、
導電材料の折り曲げ体である端子本体と、
前記端子本体の一方の端部に配置され、第1の導電部材が電気的に接続される第1の接続部と、
前記端子本体の他方の端部に配置され、第2の導電部材が電気的に接続される第2の接続部と、
を有し、
前記端子本体は、
第1の軸と直交する面と平行な第1の平板部と、
前記第1の軸と直交する面と平行であって、前記第1の軸が延びる方向で前記第1の平板部と重ねて配置される第2の平板部と、
前記第1の平板部における前記第1の軸と直交する第2の軸が延びる方向の一方の端部と前記第2の平板部における前記第2の軸が延びる方向の一方の端部とを繋ぐ第1の繋ぎ部と、
前記第1の平板部と前記第2の平板部との間に配置され、前記第1の軸と直交する面と平行な第3の平板部と、
前記第1の平板部における前記第2の軸が延びる方向の他方の端部と前記第3の平板部における前記第2の軸が延びる方向の一方の端部とを繋ぐ第2の繋ぎ部と、
前記第1の平板部に形成される貫通孔と、
を有し、
前記第3の平板部に前記第1の接続部が配置され、前記第3の平板部に前記貫通孔を介して前記第1の導電部材が電気的に接続される。
【0010】
上述の端子台において、前記端子本体は、前記第3の平板部と前記第2の繋ぎ部と前記第1の平板部と前記第1の繋ぎ部と前記第2の平板部とのいずれか1箇所以上に形成されるスリット部を有することが好ましい。
【0011】
上述の端子台において、前記端子本体は、前記第3の平板部と前記第2の繋ぎ部と前記第1の平板部と前記第1の繋ぎ部と前記第2の平板部とのいずれか2箇所以上に連続するように形成されるスリット部を有することが好ましい。
【0012】
上述の端子台において、前記端子本体は、前記第2の平板部に形成される貫通孔を有することが好ましい。
【0013】
上述の端子台において、前記第1の平板部は、前記第1の平板部における前記第2の軸が延びる方向の他方の端部の側に向かうのに従って前記第1の軸と前記第2の軸とに直交する第3の軸が延びる方向の幅寸法が狭くなるように形成されていることが好ましい。
【0014】
上述の端子台において、
前記第3の平板部には、前記第1の導電部材が電気的に接続される接続部材が前記第1の接続部として固定され、
前記接続部材は、前記第1の平板部の貫通孔から前記第3の平板部の側に対して逆側に突出していることが好ましい。
【0015】
上述の端子台において、前記ハウジングは、
前記端子を収容し、前記第1の導電部材が通される貫通孔を有する本体部と、
前記第1の導電部材が前記本体部の貫通孔に通された状態で前記第1の導電部材の振れを制限するために、前記本体部から前記第1の軸が延びる方向に突出する突出部と、
を有することが好ましい。
【0016】
上述の端子台において、前記ハウジングは、前記第2の軸が延びる方向において、前記本体部の貫通孔及び突出部の内部に前記接続部材を通しつつ、前記本体部の内部に前記端子を挿入するために、前記本体部に形成される挿入部を有することが好ましい。
【0017】
上述の端子台において、前記ハウジングは、前記端子本体の前記第1の平板部と前記第1の繋ぎ部と前記第2の平板部とに連続するように形成されたスリット部に通される補強リブを有し、
前記補強リブは、前記第3の平板部における前記第2の軸が延びる方向の他方の端部に対して前記第2の平板部の側に配置される水平部を有し、
前記第3の平板部における前記第2の軸が延びる方向の他方の端部が予め設定された変位量で前記第2の平板部の側に変位した場合、前記第3の平板部における前記第2の軸が延びる方向の他方の端部が前記水平部に接触することが好ましい。
【0018】
本開示の一態様に係る端子本体の製造方法、上述の端子台に用いられる端子本体の製造方法であって、
一軸方向に長い導電材料から成る帯状素材を平坦な渦巻き状に折り曲げて、前記端子本体の前記第3の平板部、前記第2の繋ぎ部、前記第1の平板部、前記第1の繋ぎ部及び前記第2の平板部を形成する。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、端子台の小型化に寄与する端子台及び端子本体の製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施の形態1の端子台をZ軸+側から見た斜視図である。
【
図2】実施の形態1の端子台をZ軸+側から見た図である。
【
図5】実施の形態1の端子台における端子本体をZ軸+側から見た斜視図である。
【
図6】実施の形態1の端子台における端子本体をZ軸-側から見た斜視図である。
【
図7】実施の形態1の端子台における端子本体をZ軸+側から見た図である。
【
図8】実施の形態1の端子台における端子本体を製造する流れを説明するための図である。
【
図9】実施の形態1の端子台における端子本体を製造する流れを説明するための図である。
【
図10】実施の形態1の端子台における端子本体を製造する流れを説明するための図である。
【
図11】実施の形態1の端子台における端子本体を製造する流れを説明するための図である。
【
図12】実施の形態1の端子台におけるハウジングをZ軸+側から見た斜視図である。
【
図13】実施の形態1の端子台におけるハウジングをZ軸-側から見た斜視図である。
【
図14】実施の形態1の端子台におけるハウジングをY軸+側から見た図である。
【
図15】実施の形態1の端子台における端子がZ軸-側に変形した状態をX軸+側から見た図である。
【
図16】実施の形態1の端子台における端子がX軸-側に変形した状態をZ軸+側から見た図である。
【
図17】実施の形態1の端子台における端子本体がX軸-側に変形した状態をX軸+側から見た図である。
【
図18】実施の形態1の端子台における端子がY軸+側に変形した状態をX軸+側から見た図である。
【
図19】実施の形態2の端子台をZ軸+側から見た斜視図である。
【
図20】実施の形態2の端子台をZ軸+側から見た図である。
【
図22】実施の形態2の端子台の分解斜視図である。
【
図23】実施の形態2の端子台をZ軸-側から見た図である。
【
図24】実施の形態2の端子台における端子本体をZ軸+側から見た斜視図である。
【
図25】実施の形態2の端子台における端子本体をZ軸-側から見た斜視図である。
【
図26】実施の形態2の端子台における端子本体をZ軸+側から見た図である。
【
図27】実施の形態2の端子台における端子本体をX軸+側から見た図である。
【
図28】実施の形態2の端子台におけるハウジングをZ軸-側から見た斜視図である。
【
図29】実施の形態2の端子台におけるハウジングをZ軸-側から見た異なる斜視図である。
【
図30】実施の形態2の端子台におけるハウジングをZ軸-側から見た図である。
【
図31】実施の形態3の端子台をZ軸+側から見た斜視図である。
【
図32】実施の形態3の端子台をZ軸-側から見た斜視図である。
【
図33】実施の形態3の端子台をZ軸+側から見た図である。
【
図35】実施の形態3の端子台における端子本体をZ軸+側から見た斜視図である。
【
図36】実施の形態3の端子台における端子本体をZ軸-側から見た斜視図である。
【
図37】実施の形態3の端子台における端子本体をZ軸+側から見た図である。
【
図38】実施の形態3の端子台における端子本体をZ軸-側から見た図である。
【
図39】実施の形態3の端子台におけるハウジングをZ軸+側から見た斜視図である。
【
図40】実施の形態3の端子台におけるハウジングをZ軸-側から見た斜視図である。
【
図41】実施の形態3の端子台におけるハウジングに端子が収容された状態をZ軸+側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。ここで、以下の説明では、説明を明確にするために、三次元(XYZ)座標系を用いて説明する。なお、Z軸が第1の軸であり、Y軸が第2の軸であり、X軸が第3の軸である。
【0022】
<実施の形態1>
本実施の形態の端子台の構成を説明する。
図1は、本実施の形態の端子台をZ軸+側から見た斜視図である。
図2は、本実施の形態の端子台をZ軸+側から見た図である。
図3は、
図2のIII-III断面図である。
図4は、本実施の形態の端子台の分解斜視図である。
【0023】
端子台1は、
図1から
図4に示すように、第1の導電部材2と第2の導電部材3とを電気的に接続するために用いられる。ここで、第1の導電部材2は、例えば、Z軸方向に延びる略円柱形状のバスバーである。また、第2の導電部材3は、例えば、XY平面と略平行な平板形状のバスバーであり、Y軸方向に延びている。
【0024】
端子台1は、
図1から
図4に示すように、端子4と、ハウジング5と、を備えている。端子4は、
図3及び
図4に示すように、端子本体6と、第1の接続部7と、第2の接続部8と、を備えている。端子本体6は、詳細は後述するが、Y軸方向に延びる帯状の金属板などの導電材料を平坦な略渦巻き状に折り曲げた折り曲げ体である。
【0025】
図5は、本実施の形態の端子台における端子本体をZ軸+側から見た斜視図である。
図6は、本実施の形態の端子台における端子本体をZ軸-側から見た斜視図である。
図7は、本実施の形態の端子台における端子本体をZ軸+側から見た図である。
【0026】
端子本体6は、
図4から
図7に示すように、第1の平板部6aと、第2の平板部6bと、第1の繋ぎ部6cと、第3の平板部6dと、第2の繋ぎ部6eと、を備えている。第1の平板部6aは、XY平面と略平行であり、Y軸方向に延びている。第1の平板部6aは、例えば、Z軸方向から見て、Y軸+側に向かうのに従ってX軸方向の幅寸法が狭くなる略台形状である。
【0027】
第1の平板部6aには、
図1から
図7に示すように、第1の平板部6aをZ軸方向に貫通する第1の貫通孔6fが形成されている。第1の貫通孔6fは、例えば、Z軸方向から見て略円形状である。第1の貫通孔6fは、例えば、Z軸方向から見て第1の平板部6aの略中央に配置されている。
【0028】
第2の平板部6bは、
図4から
図7に示すように、大凡、XY平面と略平行であり、Y軸方向に延びている。第2の平板部6bは、Z軸方向から見て略矩形状である。第2の平板部6bのX軸方向の幅寸法は、第1の平板部6aのY軸-側の端部のX軸方向の幅寸法と略等しい。第2の平板部6bは、第1の平板部6aとZ軸方向で重ねられている。
【0029】
詳細には、第2の平板部6bは、
図3から
図7に示すように、第1の平板部6aに対してZ軸-側に配置されている。第2の平板部6bのY軸-側の端部は、Z軸方向から見て第1の平板部6aのY軸-側の端部と略等しい位置に配置されている。第2の平板部6bのY軸+側の端部は、Z軸方向から見て第1の平板部6aのY軸+側の端部に対してY軸+側に突出している。
【0030】
第2の平板部6bには、
図3から
図6に示すように、第2の平板部6bをZ軸方向に貫通する第2の貫通孔6gが形成されている。第2の貫通孔6gは、例えば、Z軸方向から見て略円形状であり、第1の貫通孔6fと略重なるように配置されている。
【0031】
第2の平板部6bのY軸+側の端部には、
図3から
図6に示すように、第2の平板部6bをZ軸方向に貫通する第3の貫通孔6hが形成されている。第3の貫通孔6hは、後述するように第2の接続部8として機能する。
【0032】
ここで、第2の平板部6bのY軸+側の端部は、
図3に示すように、他の部分に対してX軸方向に拡幅しているとよい。そして、第2の平板部6bのY軸+側の端部は、
図4から
図6に示すように、Y軸方向から見て倒C字形状であるとよい。つまり、第2の平板部6bのY軸+側の端部におけるX軸方向の両端部から立ち上がり部6iがZ軸+側に向かって立ち上がっているとよい。立ち上がり部6iは、例えば、X軸方向から見て略矩形状である。
【0033】
なお、第2の平板部6bには、
図4から
図6に示すように、Z軸方向から見て第2の平板部6bのY軸+側の端部における立ち上がり部6iが形成されている部分に向かうのに従ってX軸方向の幅寸法が狭くなるように略直角三角形状の切り欠き部6jが形成されているが省略されてもよい。
【0034】
第1の繋ぎ部6cは、
図3から
図6に示すように、第1の平板部6aのY軸-側の端部と第2の平板部6bのY軸-側の端部とを繋ぐ。第1の繋ぎ部6cは、例えば、大凡、XZ平面と略平行な平板形状である。第1の繋ぎ部6cは、Y軸方向から見て略矩形状である。
【0035】
第1の繋ぎ部6cのX軸方向の幅寸法は、
図7に示すように、第1の平板部6aのY軸-側の端部のX軸方向の幅寸法と略等しい。第1の繋ぎ部6cのZ軸+側の端部は、
図3から
図6に示すように、第1の平板部6aのY軸-側の端部と連続し、第1の繋ぎ部6cのZ軸-側の端部は、第2の平板部6bのY軸-側の端部と連続している。
【0036】
第3の平板部6dは、
図3から
図6に示すように、XY平面と略平行であり、Y軸方向に延びている。第3の平板部6dは、Z軸方向から見て略矩形状である。第3の平板部6dのX軸方向の幅寸法は、第1の平板部6aのY軸+側の端部のX軸方向の幅寸法と略等しい。第3の平板部6dは、第1の平板部6aと第2の平板部6bとの間に配置されている。
【0037】
第3の平板部6dのY軸方向の長さは、
図3から
図6に示すように、第1の平板部6aのY軸方向の長さに対して短い。そして、第3の平板部6dのY軸+側の端部は、Z軸方向から見て第1の平板部6aのY軸+側の端部と略等しい位置に配置されている。また、第3の平板部6dのY軸-側の端部は、Z軸方向から見て第1の貫通孔6fに対してY軸-側に配置されている。
【0038】
第3の平板部6dには、
図3から
図6に示すように、第3の平板部6dをZ軸方向に貫通する第4の貫通孔6kが形成されている。第4の貫通孔6kは、例えば、Z軸方向から見て略円形状であり、第1の貫通孔6fと略同心上に配置されているとよい。第4の貫通孔6kは、第1の導電部材2のZ軸-側の端部に形成された雄ねじ部2aを通すことができる広さを有する。
【0039】
第2の繋ぎ部6eは、
図3から
図6に示すように、第1の平板部6aのY軸+側の端部と第3の平板部6dのY軸+側の端部とを繋ぐ。第2の繋ぎ部6eは、例えば、X軸方向から見てY軸+側に凸状の湾曲形状である。
【0040】
第2の繋ぎ部6eのX軸方向の幅寸法は、
図7に示すように、第1の平板部6aのY軸+側の端部のX軸方向の幅寸法と略等しい。第2の繋ぎ部6eのZ軸+側の端部は、
図3から
図6に示すように、第1の平板部6aのY軸+側の端部と連続し、第2の繋ぎ部6eのZ軸-側の端部は、第3の平板部6dのY軸-側の端部と連続している。
【0041】
このような端子本体6は、第1の平板部6aと、第2の平板部6bと、第3の平板部6dと、がZ軸方向で重ねられ、且つ相互が略平行に配置された形状である。そして、端子本体6は、第3の平板部6dと、第2の繋ぎ部6eと、第1の平板部6aと、第1の繋ぎ部6cと、第2の平板部6bと、が連続する平坦な渦巻き状に折り曲げられた形状である。
【0042】
ここで、本実施の形態の端子台1における端子本体6を製造する流れを説明する。
図8から
図11は、本実施の形態の端子台における端子本体を製造する流れを説明するための図である。先ず、
図8に示すように、第4の貫通孔6k、第1の貫通孔6f、第2の貫通孔6g、第3の貫通孔6hが順に形成され、且つ切り欠き部6jが所定の位置に形成された帯状素材9を金属板などの導電材料から打ち抜く。
【0043】
次に、
図9及び
図10に示すように、帯状素材9における第4の貫通孔6kと第1の貫通孔6fとの間の部分を折り曲げて、第3の平板部6d及び第2の繋ぎ部6eを形成する。そして、
図11に示すように、帯状素材9における第1の貫通孔6fと第2の貫通孔6gとの間の部分を折り曲げて、第1の平板部6aを形成する。
【0044】
次に、帯状素材9における第1の平板部6aを形成するために折り曲げられた部分に対して第2の貫通孔6gの側の部分を折り曲げて、即ち、第3の平板部6dを巻き込むように折り曲げて、第1の繋ぎ部6c及び第2の平板部6bを形成する。
【0045】
その後、第2の平板部6bのY軸+側の端部に立ち上がり部6iを形成すると、
図5から
図7に示すような端子本体6を製造することができる。このように帯状素材9を平坦な渦巻き状に折り曲げることで、端子本体6を簡単に製造することができる。なお、立ち上がり部6iは、帯状素材9を折り曲げる前に形成してもよい。
【0046】
第1の接続部7は、
図3に示すように、端子本体6の一方の端部である第3の平板部6dに配置されている。第1の接続部7は、例えば、第1の導電部材2の雄ねじ部2aがねじ込まれる接続部材の代表例であるナットで構成されている。第1の接続部7は、例えば、Z軸方向から見て、第4の貫通孔6kと略同心上に配置された状態で、第3の平板部6dのZ軸+側の面に固定されている。
【0047】
このとき、第1の接続部7のZ軸+側の端部は、
図3に示すように、端子本体6の第1の貫通孔6fに通された状態で第1の貫通孔6fからZ軸+側に突出しているとよい。そして、第1の接続部7の外周側面と端子本体6の第1の貫通孔6fの周縁部との間には、第1の接続部7のX軸方向及びY軸方向の変位を許容するための隙間が形成されているとよい。
【0048】
第2の接続部8は、
図6及び
図7に示すように、端子本体6の他方の端部である第2の平板部6bのY軸+側の端部に配置されている。第2の接続部8は、例えば、
図3に示すように、第3の貫通孔6hで構成され、第2の導電部材3に形成された貫通孔3aに通されたボルト10が通される。
【0049】
ハウジング5は、
図1から
図3に示すように、端子4を収容する。ハウジング5は、例えば、樹脂などの絶縁材料の成形品である。
図12は、本実施の形態の端子台におけるハウジングをZ軸+側から見た斜視図である。
図13は、本実施の形態の端子台におけるハウジングをZ軸-側から見た斜視図である。
図14は、本実施の形態の端子台におけるハウジングをY軸+側から見た図である。
【0050】
ハウジング5は、
図12から
図14に示すように、中空の略直方体形状であり、ハウジング5のY軸+側及びZ軸+側が開放されている。つまり、ハウジング5は、第1の側壁部5aと、第2の側壁部5bと、第3の側壁部5cと、底部5dと、を備えている。第1の側壁部5aは、YZ平面と略平行な平板形状であり、Y軸方向に延びている。
【0051】
第2の側壁部5bは、
図12から
図14に示すように、第1の側壁部5aとX軸方向で向かい合うように配置されており、第1の側壁部5aに対してX軸-側に配置されている。第2の側壁部5bは、YZ平面と略平行な平板形状であり、Y軸方向に延びている。第1の側壁部5aと第2の側壁部5bとのX軸方向の間隔は、例えば、
図1に示すように、端子4の第2の平板部6bのY軸+側の端部の幅寸法と略等しい。
【0052】
このとき、
図12から
図14に示すように、第1の側壁部5aのY軸+側であって、且つZ軸+側の角部及び第2の側壁部5bのY軸+側であって、且つZ軸+側の角部には、X軸方向で向かい合うように突出する第1の突出部5eが夫々、形成されているとよい。第1の突出部5eは、例えば、X軸方向から見て略矩形状である。
【0053】
第1の突出部5eのX軸方向の厚さは、
図1に示すように、端子4の立ち上がり部6iのX軸方向の厚さと略等しいとよい。また、第1の突出部5eのZ軸+側の端部には、Z軸-側に向かうのに従って他方の第1の突出部5eの側に向かって傾斜する傾斜面5fが形成されているとよい。
【0054】
第3の側壁部5cは、
図12から
図14に示すように、XZ平面と略平行な平板形状であり、X軸方向に延びている。第3の側壁部5cのX軸+側の端部は、第1の側壁部5aのY軸-側の端部と連続し、第3の側壁部5cのX軸-側の端部は、第2の側壁部5bのY軸-側の端部と連続している。そのため、Z軸方向から見て、第1の側壁部5aと、第2の側壁部5bと、第3の側壁部5cと、で略C字形状を形成している。
【0055】
底部5dは、
図12及び
図13に示すように、Z軸方向から見て略矩形状である。底部5dは、大凡、XY平面と略平行な平板形状である。底部5dのX軸+側の端部から第1の側壁部5aがZ軸+側に突出し、底部5dのX軸-側の端部から第2の側壁部5bがZ軸+側に突出し、底部5dのY軸-側の端部から第3の側壁部5cがZ軸+側に突出している。
【0056】
底部5dのZ軸+側の面は、
図12に示すように、段差形状とされている。つまり、底部5dのZ軸+側の面には、第1の部分5gと、第1の部分5gに対してZ軸+側に配置された第2の部分5hと、が形成されている。第1の部分5gは、例えば、Z軸方向から見て略矩形状である。
【0057】
第1の部分5gに対してZ軸+側の空間には、
図1から
図3に示すように、端子4における第2の平板部6bのY軸+側の端部に対してY軸-側の部分が配置される。第1の部分5gには、
図12に示すように、Z軸+側に突出する第2の突出部5iが形成されている。第2の突出部5iは、例えば、Z軸方向から見て円環形状であり、第2の突出部5iの外径が端子4の第2の貫通孔6gの直径に対して小さい。
【0058】
第2の部分5hは、
図12に示すように、第1の部分5gに対してY軸+側に配置されており、例えば、Z軸方向から見て略矩形状である。第2の部分5hに対してZ軸+側の空間には、
図1から
図3に示すように、端子4における第2の平板部6bのY軸+側の端部が配置される。
【0059】
第2の部分5hには、
図3、
図12及び
図13に示すように、端子4の第3の貫通孔6hに通されたボルト10が通される貫通孔5jが形成されている。ここで、第2の部分5hのZ軸+側の面と、第1の突出部5eのZ軸-側の端部と、の間隔は、
図1に示すように、端子4の立ち上がり部6iのZ軸方向の高さと略等しいとよい。
【0060】
このようなハウジング5の内部に端子4が収容された状態で、
図1に示すように、端子4の第2の平板部6bのY軸+側の端部がハウジング5の底部5dの第2の部分5hのZ軸+側の面に載せられ、端子4の立ち上がり部6iが第2の部分5hと第1の突出部5eとの間に挿入されている。このとき、ハウジング5の底部5dの第2の部分5hのZ軸+側の面は、端子4におけるハウジング5の内部でのZ軸方向の高さ位置を定める規定面として機能する。
【0061】
そして、
図3に示すように、Z軸方向から見て、端子4の第3の貫通孔6hと、ハウジング5の貫通孔5jと、は略同心上に配置されている。また、Z軸方向において、端子4の第2の平板部6bと、ハウジング5の底部5dの第1の部分5gと、の間に隙間が開いた状態で、ハウジング5の第2の突出部5iが端子4の第2の貫通孔6gに通されている。
【0062】
このとき、端子4とハウジング5の内周側面との間には、端子4における第2の平板部6bのY軸+側の端部に対してY軸-側の部分がX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に変形可能な隙間が形成されている。
【0063】
次に、本実施の形態の端子台1を組み立てる流れを説明する。先ず、Z軸+側から端子4をハウジング5の内部に収容しつつ、端子4の立ち上がり部6iがハウジング5の第1の突出部5eをZ軸-側に乗り越えるように、端子4をZ軸-側に押し込む。このとき、第1の突出部5eに傾斜面5fが形成されている場合、端子4をZ軸-側にスムーズに押し込むことができる。
【0064】
そして、端子4の第2の平板部6bのY軸+側の端部をハウジング5の底部5dの第2の部分5hのZ軸+側の面に載せつつ、端子4の立ち上がり部6iを第2の部分5hと第1の突出部5eとの間に挿入する。それと共に、ハウジング5の第2の突出部5iを端子4の第2の貫通孔6gに通しつつ、Z軸方向から見て、端子4の第3の貫通孔6hと、ハウジング5の貫通孔5jと、を略同心上に配置する。これにより、端子台1の組み立てが完了する。
【0065】
このとき、ハウジング5の第1の側壁部5aと第2の側壁部5bとのX軸方向の間隔が端子4の第2の平板部6bのY軸+側の端部の幅寸法と略等しく、且つ、ハウジング5の底部5dの第2の部分5hのZ軸+側の面と、第1の突出部5eのZ軸-側の端部と、の間隔が、端子4の立ち上がり部6iのZ軸方向の高さと略等しい場合、端子台1を組み立てた際にハウジング5によって端子4のX軸方向及びZ軸方向の位置を拘束することができる。
【0066】
次に、本実施の形態の端子台1に第1の導電部材2及び第2の導電部材3を電気的に接続する流れを説明する。先ず、例えば、Z軸+側から第1の導電部材2を端子4の第1の貫通孔6fに通しつつ、第1の導電部材2の雄ねじ部2aを端子4の第1の接続部7にねじ込む。このとき、第1の導電部材2の雄ねじ部2aのZ軸+側の端部を端子4の第4の貫通孔6kに通すとよい。
【0067】
一方、例えば、Z軸+側から第2の導電部材3を端子4の第2の平板部6bのY軸+側の端部に載せて、Z軸方向から見て、第2の導電部材3の貫通孔3aと、端子4の第3の貫通孔6hと、ハウジング5の貫通孔5jと、を略同心上に配置する。
【0068】
そして、Z軸+側からボルト10を第2の導電部材3の貫通孔3aと、端子4の第3の貫通孔6hと、ハウジング5の貫通孔5jと、に通し、例えば、図示を省略した電子部品の雌ねじ部にねじ込む。これにより、端子台1に第1の導電部材2及び第2の導電部材3を電気的に接続すると共に、端子台1を電子部品に固定することができる。
【0069】
次に、本実施の形態の端子台1における端子4の変形状態を説明する。
図15は、本実施の形態の端子台における端子がZ軸-側に変形した状態をX軸+側から見た図である。
図16は、本実施の形態の端子台における端子がX軸-側に変形した状態をZ軸+側から見た図である。
図17は、本実施の形態の端子台における端子本体がX軸-側に変形した状態をX軸+側から見た図である。
図18は、本実施の形態の端子台における端子がY軸+側に変形した状態をX軸+側から見た図である。
【0070】
図15に示すように、端子4の第1の接続部7にZ軸-側に向かって力が作用して第1の接続部7がZ軸-側に変位した場合、端子4の第3の平板部6dがZ軸-側に押し込まれる。それに伴い、端子4の第1の平板部6aがY軸+側に向かうのに従ってZ軸-側に向かって傾くように変形すると共に、端子4の第2の平板部6bがY軸-側に向かうのに従ってZ軸-側に向かって傾くように変形する。
【0071】
このように第1の平板部6aと、第2の平板部6bと、が異なる方向に変形し、相互の変形が相殺されることで、第3の平板部6dは、XY平面と略平行な状態に維持される。このとき、第3の平板部6dがハウジング5の第2の突出部5iに接触し、第3の平板部6dのZ軸-側への変形が制限されるとよい。
【0072】
図16及び
図17に示すように、端子4の第1の接続部7にX軸-側に向かって力が作用して第1の接続部7がX軸-側に変位した場合、端子4の第3の平板部6dがX軸-側に押し込まれる。それに伴い、Z軸+側から見て第1の平板部6aが反時計回りに回転するように変形すると共に、第2の平板部6bが時計回りに回転するように変形する。
【0073】
そして、
図17に示すように、Y軸+側から見て、端子4の第1の平板部6a及び第2の平板部6bがY軸-側に向かうのに従って時計回りに捻れると共に、端子4の第3の平板部6dがY軸-側に向かうのに従って反時計回りに捻れる。
【0074】
このように第1の平板部6a及び第2の平板部6bと、第3の平板部6dと、が異なる方向に捻れ、相互の捻れが相殺されることで、第3の平板部6dは、XY平面と略平行な状態に維持される。
【0075】
このとき、端子4の第1の平板部6aがY軸+側に向かってX軸方向の幅寸法が狭くなる略台形状である場合、第1の接続部7がX軸方向に変位した際に、第1の平板部6aがハウジング5に接触することを抑制でき、第1の接続部7を良好にX軸方向に変位させることができる。
【0076】
図18に示すように、端子4の第1の接続部7にY軸+側に向かって力が作用して第1の接続部7がY軸+側に変位した場合、端子4の第3の平板部6dがY軸+側に押し込まれる。それに伴い、端子4の第3の平板部6dがY軸+側に押し込まれると共に、第1の平板部6a及び第2の平板部6bがY軸-側に向かうのに従ってZ軸+側に向かって傾くように変形する。そして、端子4の第3の平板部6dがY軸-側に向かうのに従ってZ軸-側に向かって傾くように変形する。
【0077】
このように第1の平板部6a及び第2の平板部6bと、第3の平板部6dと、が異なる方向に変形し、相互の変形が相殺されることで、第3の平板部6dは、XY平面と略平行な状態に維持される。
【0078】
本実施の形態の端子台1は、端子本体6がX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に全体的に変形して、端子台1に対する第1の導電部材2の位置ずれを吸収することができる構成である。そのため、本実施の形態の端子台1は、第1の導電部材2を端子台1に良好に接続することができる。
【0079】
しかも、本実施の形態の端子本体6は、第1の平板部6aと、第2の平板部6bと、第3の平板部6dと、がZ軸方向で重ねられ、且つ相互が略平行に配置された形状である。そのため、端子本体6の平板部相互の変形が相殺され、上述のように第3の平板部6dをXY平面と略平行に維持することができ、第1の導電部材2を端子4の第1の接続部7に容易に接続することができる。つまり、本実施の形態の端子台1は、第1の導電部材2の接続性が高い。
【0080】
また、本実施の形態の端子本体6は、上述のように、第3の平板部6dと、第2の繋ぎ部6eと、第1の平板部6aと、第1の繋ぎ部6cと、第2の平板部6bと、が連続する平坦な渦巻き状に折り曲げられた形状である。つまり、第3の平板部6dが端子本体6の内側に向かって折り返されているため、端子本体6、しいては端子台1の大型化を抑制しつつ、端子台1に対する第1の導電部材2の位置ずれを吸収可能である。そのため、端子台1の小型化に寄与することができる。
【0081】
また、本実施の形態の端子本体6は、帯状素材9を平坦な渦巻き状に折り曲げることで、端子本体6を簡単に製造することができる。
【0082】
<実施の形態2>
本実施の形態の端子台の構成を説明する。
図19は、本実施の形態の端子台をZ軸+側から見た斜視図である。
図20は、本実施の形態の端子台をZ軸+側から見た図である。
図21は、
図20のXXI-XXI断面図である。
図22は、本実施の形態の端子台の分解斜視図である。
図23は、本実施の形態の端子台をZ軸-側から見た図である。なお、本実施の形態の端子台21は、実施の形態1の端子台1と略等しい構成とされているため、重複する説明は省略する。
【0083】
端子台21は、
図19から
図23に示すように、端子22と、ハウジング23と、を備えている。端子22は、端子本体24と、第1の接続部25と、第2の接続部26と、を備えている。端子本体24も、帯状の金属板などの導電材料を略渦巻き状に折り曲げた折り曲げ体である。
【0084】
図24は、本実施の形態の端子台における端子本体をZ軸+側から見た斜視図である。
図25は、本実施の形態の端子台における端子本体をZ軸-側から見た斜視図である。
図26は、本実施の形態の端子台における端子本体をZ軸+側から見た図である。
図27は、本実施の形態の端子台における端子本体をX軸+側から見た図である。
【0085】
端子本体24は、
図24から
図27に示すように、第1の平板部24aと、第2の平板部24bと、第1の繋ぎ部24cと、第3の平板部24dと、第2の繋ぎ部24eと、を備え、さらに、第1のスリット部24fと、第2のスリット部24gと、を備えている。
【0086】
第1のスリット部24fは、
図24から
図26に示すように、第1の平板部24aのY軸-側の端部から第1の繋ぎ部24cを介して第2の平板部24bのY軸-側の端部まで到達するように、第1の平板部24aと第1の繋ぎ部24cと第2の平板部24bとに連続するように形成されている。
【0087】
第1のスリット部24fは、例えば、
図24から
図26に示すように、第1の平板部24aと第1の繋ぎ部24cと第2の平板部24bとの表面を通り、且つ、第1の平板部24aの第1の貫通孔24hの中心と、第2の平板部24bの第2の貫通孔24iの中心と、を結ぶ線上に配置されている。
【0088】
ここで、第2の平板部24bのY軸+側の端部には、
図24から
図26に示すように、折り曲げ部24jが形成されている。折り曲げ部24jは、例えば、Z軸方向から見て略L字形状であり、X軸+側に延び、さらにY軸+側に延びている。
【0089】
折り曲げ部24jの先端側(Y軸+側)の端部には、
図24から
図26に示すように、第3の貫通孔24kが形成されている。また、折り曲げ部24jの根元側(Y軸-側)の端部には、X軸方向に間隔を開けて第4の貫通孔24lが形成されている。
【0090】
第2のスリット部24gは、例えば、
図24から
図26に示すように、第1の平板部24aの第1の貫通孔24hから第2の繋ぎ部24eを介して第3の平板部24dのY軸+側の端部まで到達するように、第1の平板部24aと第2の繋ぎ部24eと第3の平板部24dとに連続するように形成されている。
【0091】
第2のスリット部24gは、例えば、
図24から
図26に示すように、第1の平板部24aと第2の繋ぎ部24eと第3の平板部24dとの表面を通り、且つ、第1の平板部24aの第1の貫通孔24hの中心と、第3の平板部24dの第5の貫通孔24mの中心と、を結ぶ線上に配置されている。
【0092】
第1の接続部25は、
図21に示すように、第1の導電部材27のZ軸-側の端部に形成された雌ねじ部27aにねじ込まれる接続部材の代表例であるボルトで構成されている。第1の接続部25は、Z軸-側から第1の接続部25の軸部25aが端子本体24の第5の貫通孔24mに通された状態で、端子本体24の第1の貫通孔24h及び第2の貫通孔24iに通された圧着治具によってZ軸方向から挟み込まれることで、端子本体24の第3の平板部24dに固定されている。
【0093】
第2の接続部26は、
図21に示すように、第2の導電部材28のY軸-側の端部に形成された貫通孔28a及び端子本体24の第3の貫通孔24kに通される接続部材の代表例であるボルトで構成されている。第2の接続部26は、Z軸-側から第2の接続部26の軸部26aが端子本体24の第3の貫通孔24kに通された状態で、圧着治具によってZ軸方向から挟み込まれることで、端子本体24の第2の平板部24bに固定されている。
【0094】
ハウジング23は、
図21及び
図23に示すように、端子22を収容する。
図28は、本実施の形態の端子台におけるハウジングをZ軸-側から見た斜視図である。
図29は、本実施の形態の端子台におけるハウジングをZ軸-側から見た異なる斜視図である。
図30は、本実施の形態の端子台におけるハウジングをZ軸-側から見た図である。
【0095】
ハウジング23は、
図28から
図30に示すように、大凡、中空の略直方体形状であり、ハウジング23のZ軸-側が開放されている。つまり、ハウジング23は、第1の側壁部23aと、第2の側壁部23bと、第3の側壁部23cと、第4の側壁部23dと、天井部23eと、を備えている。
【0096】
第1の側壁部23aと第2の側壁部23bとは、
図28から
図30に示すように、X軸方向で向かい合うように配置されている。第3の側壁部23cと第4の側壁部23dとは、Y軸方向で向かい合うように配置されている。
【0097】
Y軸+側に配置された第4の側壁部23dのZ軸-側の端部には、
図19及び
図23に示すように、端子22の折り曲げ部24jの先端部をハウジング23からY軸+側に突出させるための切り欠き部23fが形成されている。切り欠き部23fのZ軸+側の面は、例えば、
図28から
図30に示すように、XY平面と略平行な平坦面である。
【0098】
切り欠き部23fのZ軸+側の面からは、
図28から
図30に示すように、端子22の第4の貫通孔24lに通されるボス23gがZ軸-側に突出している。ボス23gは、
図21及び
図23に示すように、ボス23gが端子22の第4の貫通孔24lに通されて端子22の第2の平板部24bがハウジング23の切り欠き部23fのZ軸+側の面に略面接触した状態で、ボス23gのZ軸-側の端部が熱によって潰されることで、端子22をハウジング23に固定している。このとき、切り欠き部23fのZ軸+側の面は、端子22におけるハウジング23の内部でのZ軸方向の高さ位置を定める規定面として機能する。
【0099】
ここで、第3の側壁部23cには、
図28から
図30に示すように、第1の補強リブ23hが第3の側壁部23cからY軸+側に突出するように形成されているとよい。第1の補強リブ23hは、Z軸方向に延在しており、X軸方向から見て略矩形状である。第1の補強リブ23hは、
図21及び
図23に示すように、端子22の第1のスリット部24fの内部に配置されている。
【0100】
また、第4の側壁部23dには、
図28から
図30に示すように、第2の補強リブ23iが第4の側壁部23dからY軸-側に突出するように形成されているとよい。第2の補強リブ23iは、Z軸方向に延在しており、X軸方向から見て略矩形状である。第2の補強リブ23iは、
図21に示すように、端子22の第2のスリット部24gの内部に配置されている。
【0101】
このようにハウジング23に第1の補強リブ23h及び第2の補強リブ23iを形成することで、ハウジング23の剛性を向上させることができる。しかも、第1の補強リブ23hが端子22の第1のスリット部24fの内部に配置され、第2の補強リブ23iが端子22の第2のスリット部24gの内部に配置されているため、端子台21の大型化を抑制することができる。
【0102】
第4の側壁部23dには、
図28から
図30に示すように、第4の側壁部23dのX軸-側の端部からY軸+側に突出する固定部23jが形成されている。固定部23jは、XY平面と略平行な平板形状であり、Z軸方向から見て略矩形状である。このとき、固定部23jのY軸+側の端部には、面取部23kが形成されているとよい。
【0103】
また、固定部23jは、
図28及び
図29に示すように、固定部23jのX軸方向の両側から第3の補強リブ23lによって補強されているとよい。第3の補強リブ23lは、例えば、X軸方向から見て略直角三角形状である。
【0104】
固定部23jには、
図28から
図30に示すように、第1の貫通孔23mが形成されている。第1の貫通孔23mの内部には、
図23に示すように、端子台21を電子部品に固定するために用いるボルト29が通されるカラー30が配置されている。
【0105】
天井部23eには、
図28及び
図30に示すように、第2の貫通孔23nが形成されている。第2の貫通孔23nには、
図19から
図21に示すように、第1の導電部材27が通される。
【0106】
次に、本実施の形態の端子台21を組み立てる流れを説明する。先ず、Z軸-側から端子22における折り曲げ部24jに対してY軸-側の部分をハウジング23の内部に収容しつつ、端子22の折り曲げ部24jの先端部をハウジング23の切り欠き部23fからY軸+側に突出させる。
【0107】
このとき、ハウジング23のボス23gを端子22の第4の貫通孔24lに通すと共に、端子22の第2の平板部24bをハウジング23の切り欠き部23fのZ軸+側の面に略面接触させる。また、ハウジング23の第1の補強リブ23hを端子22の第1のスリット部24fの内部に配置すると共に、ハウジング23の第2の補強リブ23iを端子22の第2のスリット部24gの内部に配置する。
【0108】
次に、ハウジング23のボス23gのZ軸-側の端部を熱によって潰し、ハウジング23のボス23gのZ軸-側の端部と切り欠き部23fのZ軸+側の面とで端子22の折り曲げ部24jを挟み込んで、端子22をハウジング23に固定する。これにより、端子台21の組み立てが完了する。
【0109】
次に、本実施の形態の端子台21を電子部品に固定し、端子台21に第1の導電部材27及び第2の導電部材28を電気的に接続する流れを説明する。先ず、ハウジング23の第1の貫通孔23mの内部にカラー30を配置し、カラー30にボルト29を通して電子部品の雌ねじ部にねじ込み、端子台21を電子部品に固定する。
【0110】
次に、例えば、Z軸+側から第1の導電部材27をハウジング23の第2の貫通孔23n及び端子22の第1の貫通孔24hに通しつつ、第1の導電部材27の雌ねじ部27aに端子22の第1の接続部25の軸部25aをねじ込み、端子台21に第1の導電部材27を電気的に接続する。
【0111】
一方、例えば、Z軸+側から第2の導電部材28の貫通孔28aに第2の接続部26の軸部26aを通して第2の導電部材28を端子22の折り曲げ部24jの先端部に載せ、第2の接続部26の軸部26aにナット31をねじ込み、端子台21に第2の導電部材28を電気的に接続する。これにより、端子台21を電子部品に固定すると共に、端子台21に第1の導電部材27及び第2の導電部材28を電気的に接続することができる。
【0112】
このような端子台21も、実施の形態1の端子台1と同様に、端子本体24がX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に全体的に変形して、端子台21に対する第1の導電部材27の位置ずれを吸収することができる構成である。そのため、本実施の形態の端子台21は、第1の導電部材27を端子台21に良好に接続することができる。
【0113】
しかも、本実施の形態の端子本体24も、第1の平板部24aと、第2の平板部24bと、第3の平板部24dと、がZ軸方向で重ねられ、且つ相互が略平行に配置された形状である。そのため、端子本体24の平板部相互の変形が相殺され、第3の平板部24dをXY平面と略平行に維持することができ、第1の導電部材27を端子22の第1の接続部25に容易に接続することができる。つまり、本実施の形態の端子台21も、第1の導電部材27の接続性が高い。
【0114】
また、本実施の形態の端子本体24も、第3の平板部24dが端子本体24の内側に向かって折り返されているため、端子本体24、しいては端子台21の大型化を抑制しつつ、端子台21に対する第1の導電部材27の位置ずれを吸収可能である。そのため、端子台21の小型化に寄与することができる。
【0115】
特に、本実施の形態の端子本体24には、第1のスリット部24f及び第2のスリット部24gが形成されているため、端子本体24が実施の形態1の端子本体6に比べて変形し易い。そのため、本実施の形態の端子台21は、実施の形態1の端子台1に比べて、端子台21に対する第1の導電部材27の位置ずれを吸収し易く、第1の導電部材27を端子台21に良好に接続することができる。
【0116】
また、ハウジング23に第1の補強リブ23h及び第2の補強リブ23iが形成されている場合、ハウジング23の剛性を向上させることができる。しかも、第1の補強リブ23hが端子22の第1のスリット部24fの内部に配置され、第2の補強リブ23iが端子22の第2のスリット部24gの内部に配置されている場合、端子台21の大型化を抑制することができる。
【0117】
なお、本実施の形態の端子本体24には、第1のスリット部24fと第2のスリット部24gとが形成されているが、何れか一方でもよく、又は省略してもよい。また、第1のスリット部24fは、端子本体24の第1の平板部24aと第1の繋ぎ部24cと第2の平板部24bとに連続するように形成されているが、連続していなくてもよく、少なくとも第1の平板部24aと第1の繋ぎ部24cと第2の平板部24bとの何れか1箇所に形成されていればよい。
【0118】
同様に、第2のスリット部24gは、端子本体24の第1の平板部24aと第2の繋ぎ部24eと第3の平板部24dとに連続するように形成されているが、連続していなくてもよく、少なくとも第1の平板部24aと第2の繋ぎ部24eと第3の平板部24dとの何れか1箇所に形成されていればよい。
【0119】
<実施の形態3>
本実施の形態の端子台の構成を説明する。
図31は、本実施の形態の端子台をZ軸+側から見た斜視図である。
図32は、本実施の形態の端子台をZ軸-側から見た斜視図である。
図33は、本実施の形態の端子台をZ軸+側から見た図である。
図34は、
図33のXXXIV-XXXIV断面図である。なお、本実施の形態の端子台41は、実施の形態1の端子台1などと略等しい構成とされているため、重複する説明は省略する。
【0120】
端子台41は、
図31から
図34に示すように、X軸+側及びX軸-側の端子42と、ハウジング43と、を備えている。ここで、X軸+側の端子42と、X軸-側の端子42と、は等しい構成とされているため、X軸+側の端子42の構成を代表して説明する。
【0121】
端子42は、
図34に示すように、実施の形態2の端子22と略同様の構成とされており、端子本体44と、第1の接続部45と、第2の接続部46と、を備えている。端子本体44も、帯状の金属板などの導電材料を略渦巻き状に折り曲げた折り曲げ体である。
【0122】
図35は、本実施の形態の端子台における端子本体をZ軸+側から見た斜視図である。
図36は、本実施の形態の端子台における端子本体をZ軸-側から見た斜視図である。
図37は、本実施の形態の端子台における端子本体をZ軸+側から見た図である。
図38は、本実施の形態の端子台における端子本体をZ軸-側から見た図である。
【0123】
端子本体44は、
図34から
図38に示すように、第1の平板部44aと、第2の平板部44bと、第1の繋ぎ部44cと、第3の平板部44dと、第2の繋ぎ部44eと、第1のスリット部44fと、第2のスリット部44gと、を備えている。
【0124】
第1の平板部44aには、
図34から
図38に示すように、第1の導電部材27、及び第1の接続部45を第3の平板部44dに固定するためのZ軸+側の圧着治具が通される第1の貫通孔44hが形成されている。第2の平板部44bには、第1の接続部45を第3の平板部44dに固定するためのZ軸-側の圧着治具が通される第2の貫通孔44iが形成されている。ここで、第1の接続部45は、例えば、実施の形態2の第1の接続部25と同様にボルトで構成することができる。
【0125】
また、第2の平板部44bのY軸+側の端部には、
図34から
図38に示すように、第3の貫通孔44jが形成されており、第2の接続部46の軸部46aが第3の貫通孔44jに通された状態で第2の接続部46が固定されている。ここで、第2の接続部46は、例えば、実施の形態2の第2の接続部26と同様にボルトで構成することができる。
【0126】
第2の平板部44bのY軸+側の端部は、
図35から
図38に示すように、実施の形態2の端子本体24に対して折り曲げ部24j及び第4の貫通孔24lが省略されている。そして、第2の平板部44bのY軸+側の端部には、他の部分に対してX軸方向に拡幅する拡幅部44kが形成されている。
【0127】
拡幅部44kは、例えば、
図37及び
図38に示すように、Z軸方向から見て略三角形状である。このとき、拡幅部44kは、Z軸方向から見てY軸+側に向かうのに従ってX軸方向の幅寸法が広くなるように傾斜部を備えているとよい。
【0128】
そして、
図37及び
図38に示すように、X軸+側の拡幅部44kがY軸方向に間隔を開けて配置され、X軸-側の拡幅部44kがY軸方向に間隔を開けて配置されている。また、X軸+側の拡幅部44kとX軸-側の拡幅部44kとは、X軸方向で向かい合うように配置されている。
【0129】
第3の平板部44dには、
図34から
図38に示すように、第4の貫通孔44lが形成されており、第1の接続部45の軸部45aが第4の貫通孔44lに通された状態で第1の接続部45が固定されている。
【0130】
第1のスリット部44fは、第1の平板部44aと第1の繋ぎ部44cと第2の平板部44bとに連続するように形成されている。このとき、第1のスリット部44fは、例えば、
図36及び
図38に示すように、第2の平板部44bにおける第2の貫通孔44iをY軸+側に超えた位置まで形成されているとよい。第2のスリット部44gは、第1の平板部44aと第2の繋ぎ部44eと第3の平板部44dとに連続するように形成されている。
【0131】
ハウジング43は、
図31及び
図32に示すように、端子42を収容する。ハウジング43は、端子42の数に応じてX軸方向に並べられた複数(例えば、2つ)の収容部47と、固定部48と、を備えている。ここで、各々の収容部47は、等しい形状とされているため、X軸+側の収容部47を代表して説明する。
【0132】
図39は、本実施の形態の端子台におけるハウジングをZ軸+側から見た斜視図である。
図40は、本実施の形態の端子台におけるハウジングをZ軸-側から見た斜視図である。
図41は、本実施の形態の端子台におけるハウジングに端子が収容された状態をZ軸+側から見た斜視図である。
【0133】
収容部47は、
図39及び
図40に示すように、本体部47aと、突出部47bと、補強リブ47cと、挿入部47dと、を備えている。本体部47aは、大凡、中空の直方体形状である。本体部47aは、第1の側壁部47eと、第2の側壁部47fと、第3の側壁部47gと、天井部47hと、底部47iと、を備えている。
【0134】
第1の側壁部47eと第2の側壁部47fとは、
図39から
図41に示すように、X軸方向で向かい合うように配置されている。第1の側壁部47eと第2の側壁部47fとのX軸方向の間隔は、端子42におけるX軸+側の拡幅部44kのX軸+側の端部からX軸-側の拡幅部44kのX軸-側の端部までのX軸方向の幅寸法と略等しい。ここで、第2の側壁部47fは、X軸-側で隣接する本体部47aの第1の側壁部47eと共通である。
【0135】
第3の側壁部47gは、
図39及び
図40に示すように、第1の側壁部47eのY軸-側の端部と第2の側壁部47fのY軸-側の端部とに連続している。天井部47hは、第1の側壁部47eと第2の側壁部47fと第3の側壁部47gとで囲まれた空間におけるY軸-側の部分をZ軸+側から覆う。そのため、本体部47aのY軸+側及び天井部47hに対してY軸+側には、連続する第1の開口部47jが形成されている。
【0136】
天井部47hには、
図39から
図41に示すように、貫通孔47kと、切り欠き部47lと、が形成されている。貫通孔47kには、第1の接続部45の軸部45aが通されている。このとき、Z軸方向から見て、貫通孔47kと、端子42の第1の貫通孔44hと、第1の接続部45の軸部45aと、は略同心上に配置されている。貫通孔47kは、例えば、Z軸方向から見て略円形状であり、貫通孔47kの直径が第1の導電部材27の直径に対して、若干、大きい。
【0137】
切り欠き部47lは、
図39から
図41に示すように、天井部47hに形成されており、貫通孔47kからY軸+側に延びて天井部47hのY軸+側の端部まで到達している。切り欠き部47lのX軸方向の幅寸法は、第1の接続部45の軸部45aの直径に対して、若干、広い。
【0138】
底部47iは、
図39及び
図40に示すように、第1の側壁部47eのY軸+側であって、且つZ軸-側の角部と、第2の側壁部47fのY軸+側であって、且つZ軸-側の角部と、を掛け渡している。そのため、本体部47aにおける底部47iに対してY軸-側には、第2の開口部47mが形成されている。
【0139】
底部47iのZ軸+側の面には、
図41に示すように、端子42の第2の平板部44bのY軸+側の端部が載せられている。このとき、底部47iのZ軸+側の面は、端子42における本体部47aの内部でのZ軸方向の高さ位置を定める規定面として機能する。
【0140】
突出部47bは、
図39から
図41に示すように、天井部47hから貫通孔47kを囲むようにZ軸+側に突出している。突出部47bは、例えば、Z軸方向から見て略円環形状であり、突出部47bの外周側面がZ軸+側に向かうのに従って縮径する略円錐形状であるとよい。突出部47bには、貫通孔47nと、切り欠き部47oと、が形成されている。
【0141】
貫通孔47nは、
図39から
図41に示すように、突出部47bの内部に形成されており、本体部47aの貫通孔47kとZ軸方向で連続している。貫通孔47nには、第1の接続部45の軸部45aが通されている。貫通孔47nの直径は、本体部47aの貫通孔47kの直径と略等しい。
【0142】
切り欠き部47oは、
図39から
図41に示すように、突出部47bをY軸+側に向かって切り欠いている。切り欠き部47oは、本体部47aの切り欠き部47lとZ軸方向で連続している。切り欠き部47oのX軸方向の幅寸法は、本体部47aの切り欠き部47lのX軸方向の幅寸法と略等しい。
【0143】
補強リブ47cは、実施の形態2のハウジング23の第1の補強リブ23hと同様に、
図39及び
図40に示すように、本体部47aの第3の側壁部47gからY軸+側に突出している。補強リブ47cは、
図32及び
図34に示すように、端子42の第1のスリット部44fの内部に配置されている。
【0144】
このとき、補強リブ47cには、
図39及び
図40に示すように、補強リブ47cのZ軸-側の端部からY軸+側に突出する水平部47pが形成されているとよい。水平部47pは、
図32及び
図34に示すように、端子42の第3の平板部44dのY軸-側の端部に対してZ軸-側に配置されている。
【0145】
水平部47pは、端子42の第3の平板部44dのY軸-側の端部が所定の変位量でZ軸-側に変位した際に第3の平板部44dのY軸-側の端部に接触する。これにより、第3の平板部44dのY軸-側の端部の変位量を制限することができる。
【0146】
挿入部47dは、後述するように端子22を本体部47aの内部に挿入する際に用いられる。挿入部47dは、
図39から
図41に示すように、本体部47aの第1の開口部47jと、本体部47aの切り欠き部47lと、突出部47bの切り欠き部47oと、で形成されている。
【0147】
固定部48は、
図39から
図41に示すように、実施の形態2のハウジング23の固定部23jと略等しい形状とされており、例えば、X軸-側の収容部47からX軸-側に突出している。固定部48には、貫通孔48aが形成されている。貫通孔48aの内部には、
図32に示すように、端子台41を電子部品に固定するために用いるボルト49が通されるカラー50が配置されている。
【0148】
次に、本実施の形態の端子台41を組み立てる流れを説明する。先ず、端子42をハウジング43の挿入部47dにおける本体部47aの第1の開口部47jからY軸-側に向かって本体部47aの内部に挿入する。
【0149】
そして、端子42の第1の接続部45の軸部45aをハウジング43の挿入部47dにおける本体部47aの切り欠き部47l及び突出部47bの切り欠き部47oに通し、さらに、端子42の第1の接続部45の軸部45aを本体部47aの貫通孔47k及び突出部47bの貫通孔47nに通す。
【0150】
このとき、Z軸方向から見て、端子42の第1の接続部45の軸部45aと、端子42の第1の貫通孔44hと、本体部47aの貫通孔47k及び突出部47bの貫通孔47nと、は略同心上に配置する。
【0151】
それと共に、端子42の第2の平板部44bのY軸+側の端部を本体部47aの底部47iのZ軸+側の面に載せる。このとき、ハウジング43における本体部47aの第1の側壁部47eと第2の側壁部47fとのX軸方向の間隔は、端子42におけるX軸+側の拡幅部44kのX軸+側の端部からX軸-側の拡幅部44kのX軸-側の端部までのX軸方向の幅寸法と略等しい。
【0152】
そのため、端子42の第2の平板部44bのY軸+側の端部がハウジング43における本体部47aの第1の側壁部47eと第2の側壁部47fとで挟み込まれて保持され、その結果、端子42をハウジング43に拘束することができる。これにより、端子台41の組み立てが完了する。
【0153】
次に、本実施の形態の端子台41を電子部品に固定し、端子台41に第1の導電部材27及び第2の導電部材28を電気的に接続する流れを説明する。先ず、ハウジング43の固定部48の貫通孔48aの内部にカラー50を配置し、カラー50にボルト49を通して電子部品の雌ねじ部にねじ込み、端子台41を電子部品に固定する。
【0154】
次に、例えば、第1の導電部材27を、Z軸+側からハウジング43の本体部47aの貫通孔47k及び突出部47bの貫通孔47nと、端子42の第1の貫通孔44hと、に通しつつ、第1の導電部材27の雌ねじ部27aに端子42の第1の接続部45の軸部45aをねじ込み、端子台41に第1の導電部材27を電気的に接続する。
【0155】
このとき、第1の導電部材27は、収容部47の突出部47bで囲まれ、第1の導電部材27に振れが生じた際に第1の導電部材27が突出部47bに接触する。これにより、第1の導電部材27の振れを制限することができる。
【0156】
一方、例えば、ハウジング43の挿入部47dにおける本体部47aの第1の開口部47jを介して、Z軸+側から第2の導電部材28の貫通孔28aに第2の接続部46の軸部46aを通して第2の導電部材28を端子42の第2の平板部44bのY軸+側の端部に載せる。
【0157】
そして、第2の接続部46の軸部46aにナット51をねじ込み、端子台41に第2の導電部材28を電気的に接続する。これにより、端子台41を電子部品に固定すると共に、端子台41に第1の導電部材27及び第2の導電部材28を電気的に接続することができる。
【0158】
このような端子台41も、実施の形態1の端子台1と同様に、端子本体44がX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に全体的に変形して、端子台41に対する第1の導電部材27の位置ずれを吸収することができる構成である。そのため、本実施の形態の端子台41は、第1の導電部材27を端子台41に良好に接続することができる。
【0159】
しかも、本実施の形態の端子本体44も、第1の平板部44aと、第2の平板部44bと、第3の平板部44dと、がZ軸方向で重ねられ、且つ相互が略平行に配置された形状である。そのため、端子本体44の平板部相互の変形が相殺され、第3の平板部44dをXY平面と略平行に維持することができ、第1の導電部材27を端子42の第1の接続部45に容易に接続することができる。つまり、本実施の形態の端子台41も、第1の導電部材27の接続性が高い。
【0160】
また、本実施の形態の端子本体44も、第3の平板部44dが端子本体44の内側に向かって折り返されているため、端子本体44、しいては端子台41の大型化を抑制しつつ、端子台41に対する第1の導電部材27の位置ずれを吸収可能である。そのため、端子台41の小型化に寄与することができる。
【0161】
特に、本実施の形態の端子台41のハウジング43には、突出部47bが形成されているため、第1の導電部材27に振れが生じた際に第1の導電部材27が突出部47bに接触し、第1の導電部材27の振れを制限することができる。しかも、端子台41のハウジング43の補強リブ47cには、水平部47pが形成されているため、端子42の第3の平板部44dのY軸-側の端部が所定の変位量でZ軸-側に変位した際に水平部47pが第3の平板部44dのY軸-側の端部に接触し、第3の平板部44dのY軸-側の端部の変位量を制限することができる。
【0162】
また、本実施の形態の端子台41のハウジング43には、挿入部47dが形成されているため、端子42をY軸-側に向かってハウジング43の収容部47の内部に簡単に挿入することができる。そのため、端子台41の組み立てが簡単である。
【0163】
本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0164】
上記実施の形態の端子台1、21、41の端子4、22、42の個数は、例示であり、適宜、変更することができる。その場合、端子4、22、42の個数に応じて、端子4、22、42を収容できるように、ハウジングの形状を適宜、変更することができる。
【0165】
上記実施の形態の端子台1、21、41は、電子部品に固定しているが、固定される固定部品は問わない。また、ハウジングの固定部の個数、配置又は形状などは、端子台を固定部品に固定できれば問わない。しかも、端子台を固定部品に固定する手段も問わない。
【0166】
上記実施の形態の端子台1、21、41に電気的に接続される第1の導電部材2、27及び第2の導電部材3、28は、例示であり、端子4、22、42に電気的に接続可能な形状であればよい。また、第1の導電部材や第2の導電部材が端子に電気的に接続される手段も問わない。
【0167】
上記実施の形態の端子台1、21、41の端子本体6、24、44の形状やハウジング5、23、43の形状は、例示であり、要するに、第3の平板部と、第2の繋ぎ部と、第1の平板部と、第1の繋ぎ部と、第2の平板部と、が平坦な渦巻き状に折り曲げられ、第1の平板部に形成された貫通孔を介して第1の導電部材が第3の平板部に電気的に接続可能な端子を備えていればよい。
【符号の説明】
【0168】
1 端子台
2 第1の導電部材、2a 雄ねじ部
3 第2の導電部材、3a 貫通孔
4 端子
5 ハウジング、5a 第1の側壁部、5b 第2の側壁部、5c 第3の側壁部、5d 底部、5e 第1の突出部、5f 傾斜面、5g 第1の部分、5h 第2の部分、5i 第2の突出部、5j 貫通孔
6 端子本体、6a 第1の平板部、6b 第2の平板部、6c 第1の繋ぎ部、6d 第3の平板部、6e 第2の繋ぎ部、6f 第1の貫通孔、6g 第2の貫通孔、6h 第3の貫通孔、6i 立ち上がり部、6j 切り欠き部、6k 第4の貫通孔
7 第1の接続部
8 第2の接続部
9 帯状素材
10 ボルト
21 端子台
22 端子
23 ハウジング、23a 第1の側壁部、23b 第2の側壁部、23c 第3の側壁部、23d 第4の側壁部、23e 天井部、23f 切り欠き部、23g ボス、23h 第1の補強リブ、23i 第2の補強リブ、23j 固定部、23k 面取部、23l 補強リブ、23m 第1の貫通孔、23n 第2の貫通孔
24 端子本体、24a 第1の平板部、24b 第2の平板部、24c 第1の繋ぎ部、24d 第3の平板部、24e 第2の繋ぎ部、24f 第1のスリット部、24g 第2のスリット部、24h 第1の貫通孔、24i 第2の貫通孔、24j 折り曲げ部、24k 第3の貫通孔、24l 第4の貫通孔、24m 第5の貫通孔
25 第1の接続部、25a 軸部、25b ボルト頭
26 第2の接続部、26a 軸部、26b ボルト頭
27 第1の導電部材、27a 雌ねじ部
28 第2の導電部材、28a 貫通孔
29 ボルト
30 カラー
31 ナット
41 端子台
42 端子
43 ハウジング
44 端子本体、44a 第1の平板部、44b 第2の平板部、44c 第1の繋ぎ部、44d 第3の平板部、44e 第2の繋ぎ部、44f 第1のスリット部、44g 第2のスリット部、44h 第1の貫通孔、44i 第2の貫通孔、44j 第3の貫通孔、44k 拡幅部、44l 第4の貫通孔
45 第1の接続部、45a 軸部、45b ボルト頭
46 第2の接続部、46a 軸部、46b ボルト頭
47 収容部、47a 本体部、47b 突出部、47c 補強リブ、47d 挿入部、47e 第1の側壁部、47f 第2の側壁部、47g 第3の側壁部、47h 天井部、47i 底部、47j 第1の開口部、47k 貫通孔、47l 切り欠き部、47m 第2の開口部、47n 貫通孔、47o 切り欠き部、47p 水平部
48 固定部、48a 貫通孔
49 ボルト
50 カラー
51 ナット
100 端子台
101 第1の端子、101a ボルト挿入孔
102 第2の端子、102a ボルト挿入孔
103 編組線
104 メインハウジング
105 第1のサブハウジング
106 第2のサブハウジング
107 ナット
108 ナット
109 フランジ部材