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特開2024-178560モルタルの落下時間の計測方法とモルタルの流動性試験装置
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  • 特開-モルタルの落下時間の計測方法とモルタルの流動性試験装置 図1
  • 特開-モルタルの落下時間の計測方法とモルタルの流動性試験装置 図2
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  • 特開-モルタルの落下時間の計測方法とモルタルの流動性試験装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178560
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】モルタルの落下時間の計測方法とモルタルの流動性試験装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/00 20060101AFI20241218BHJP
   G06T 7/254 20170101ALI20241218BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241218BHJP
   G01N 11/06 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
G01N11/00 E
G06T7/254 B
G06T7/00 610Z
G01N11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096778
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】久保田 恭行
(72)【発明者】
【氏名】北原 成郎
(72)【発明者】
【氏名】天下井 哲生
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA03
5L096CA04
5L096DA02
5L096FA69
5L096GA08
5L096GA51
5L096HA02
(57)【要約】
【課題】モルタルの落下時間を正確に計測する。
【解決手段】モルタルMの流動性を試験する試験装置10を、モルタルMを収納する試験容器11と、試験容器11に収納されたモルタルMが試験容器11の排出口11nから落下を開始してから落下が終了するまでの動画を撮影するカメラ14と、試験容器11のカメラ14とは反対側に設けられた、モルタルMとは明度の異なる仕切り板15と、この撮影された動画から、モルタルMが排出口から落下を開始してから落下が終了するまでの時間である落下時間Tを算出する落下時間算出手段16と、から構成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モルタルを収納する試験容器の背景に前記モルタルとは明度の異なる仕切り板を設置するとともに、前記モルタルが前記試験容器の排出口から落下を開始してから前記落下が終了するまでの動画を撮影し、前記撮影された動画から、前記モルタルの落下時間を算出するモルタルの落下時間の計測方法。
【請求項2】
前記試験容器の直下に、前記落下したモルタルを回収するための回収容器を設置するとともに、前記回収容器の側面に前記モルタルが全て落下したと仮定したときの前記モルタルの表面の位置に目印をつけ、
前記モルタルの前記回収容器内の高さが前記目印の位置になったときに、前記試験容器内のモルタルが全て落下したと判定することを特徴とする請求項1に記載のモルタルの落下時間の計測方法。
【請求項3】
モルタルを収納する試験容器と、
前記試験容器に収納されたモルタルが前記試験容器の排出口から落下を開始してから前記落下が終了するまでの動画を撮影する撮影手段と、
前記試験容器の前記撮影手段とは反対側に設けられた、前記モルタルとは明度の異なる仕切り板と、
前記撮影された動画から、前記モルタルが前記排出口から落下を開始してから落下が終了するまでの時間である落下時間を算出する落下時間算出手段と、
を備えたモルタルの流動性試験装置。
【請求項4】
前記試験容器の排出口側に、前記撮影装置の撮影開始に連動して前記排出口を開放する蓋部材を設けたことを特徴とする請求項3に記載のモルタルの流動性試験装置。
【請求項5】
前記落下時間を算出したモルタルの品名と前記算出された落下時間とを記録する管理表を記憶する記憶手段を設けたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のモルタルの流動性試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モルタルの品質管理試験に関するもので、特に、モルタルの落下時間の計測方法とモルタルの流動性試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モルタルの品質管理試験においては、漏斗状の試験容器にモルタルを摺切りまで入れた後、試験容器の下端に設けられた排出口からモルタルを落下させ、試験容器内のモルタルが試験容器の外部に排出されるまでの時間である落下時間を計測し、この落下時間を当該モルタルの流動性の指標としていた(例えば、特許文献1参照)。
実際には、作業現場の作業員が排出口の下側を塞いでいた手をどけることで、排水口を開放するとともに、ストップウォッチでモルタルが落下する時間を計測していた。
また、計測された落下時間は、作業員が野帳(field book)と呼ばれる調書を、手書きもしくはパソコンなどにより作成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4-323538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ストップウォッチによる測定は、突出口を手で塞いでいた作業員が行う場合も、突出口を手で塞いでいた作業員とは別の作業員が行う場合でも、落下開始のタイミングをうまく把握することが困難であるため、落下時間を正確に計測できないといった問題点があった。
また、作業員が調書へ落下時間を記入するため、記入ミス(入力ミス)をするおそれがあるだけでなく、調書の作成には手間がかかっていた。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、モルタルの落下時間を正確に計測する方法と、それに用いられるモルタルの流動性試験装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、モルタルの落下時間の計測方法であって、モルタルを収納する試験容器の背景に前記モルタルとは明度の異なる仕切り板を設置するとともに、前記モルタルが前記試験容器の排出口から落下を開始してから前記落下が終了するまでの動画を撮影し、前記撮影された動画から、前記モルタルの落下時間を算出することを特徴とする。
これにより、モルタルの落下時間を正確に求めることができるので、モルタルの流動性を精度よく評価することができる。
また、前記試験容器の前記撮影手段とは反対側に仕切り板を設けて、落下するモルタルの背景に落下するモルタル以外の動く物体が写らないようにしたので、モルタルの落下時間を正確に求めることができる。
また、仕切り板の明度とモルタルの明度とを異なるようにしたので、画像上、仕切り板モルタルとを明確に区別できる。したがって、モルタル落下状態を正確に撮影することができ、モルタルの落下時間を正確に求めることができる。
また、前記試験容器の直下に、前記落下したモルタルを回収するための回収容器を設置するとともに、前記回収容器の側面に前記モルタルが全て落下したと仮定したときの前記モルタルの表面の位置に目印をつけ、前記モルタルの前記回収容器内の高さが前記目印の位置になったときに、前記試験容器内のモルタルが全て落下したと判定するようにしたので、前記試験容器内にモルタルが残っているか否かを判別することができる。
【0007】
また、本発明は、モルタルの流動性試験装置を、モルタルを収納する試験容器と、前記試験容器に収納されたモルタルが前記試験容器の排出口から落下を開始してから前記落下が終了するまでの動画を撮影する撮影手段と、前記試験容器の前記撮影手段とは反対側に設けられた、前記モルタルとは明度の異なる仕切り板と、前記撮影された動画から、前記モルタルが前記排出口から落下を開始してから落下が終了するまでの時間である落下時間を算出する落下時間算出手段とから構成したので、モルタルの落下時間を正確に求めることができる。
また、前記試験容器の排出口側に、前記撮影装置の撮影開始に連動して前記排出口を開放する蓋部材を設けて、モルタルが自動的に落下するようにしたので、作業員の負担を軽減することができる。
また、前記落下時間を算出したモルタルの品名と前記算出された落下時間とを記録する管理表を記憶する記憶手段を設けたので、データの管理を効率よく行うことができるとともに、データの記入ミスをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係るモルタルの流動性試験装置を示す図である。
図2】蓋部材の一例を示す図である。
図3】背景差分法を説明するための図である。
図4】落下時間の計測方法を示すフローチャートである。
図5】落下するモルタルの写っているフレームを抽出する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本実施形態に係るモルタルの流動性試験装置(以下、試験装置10という)を示す図で、試験装置10は、試験容器11と、蓋部材12と、回収容器13と、動画撮影手段としてのカメラ14と、仕切り板15と、落下時間算出手段16と、表示手段17と、記憶手段18とを備える。落下時間算出手段16は、例えば、CPUを備えたコンピュータのソフトウェアで構成され、表示手段17は液晶ディスプレイから構成される。また、記憶手段18はコンピュータのRAM,ROMなどから構成される。
なお、カメラ14と落下時間算出手段16~記憶手段18を一体としたタブレットやパーソナルコンピューターを用いて、撮影、演算、データ保存を行ってもよい。
【0010】
試験容器11は、流動性試験を行うモルタルMを収納する容器本体11aと、容器本体11aを支持する支持部材11bと、蓋部材12を取付けるための蓋取付け部材11cとを備える。
容器本体11aは、上側の径が下側の径よりも大きな、上側と下側とに開口する漏斗状の部材で、モルタルMは、上側の開口部である注入口11mから注入されて容器本体11aの内部に収納される。落下試験時には、注入されたモルタルMは、下側の開口部である排出口11nから容器本体11aの下側に落下する。
支持部材11bは、容器本体11aの側面に、上から見たときに上端側が容器本体11aの中心に近く、下端側が中心から離れるように取付けられた棒材で、本例では、支持部材11bとして3本の棒材111~113を容器本体11aの軸に対して対象に配置している。3本の棒材111~113は、上から見ると正三角形をなしており、この正三角形の一辺に垂直な方向を前後方向とし、辺側を前側、頂点側を後側とする。すなわち、注入口11mが棒材113に隠れない側(カメラ14を設置する側)を前側とする。
蓋部材12は、図2(a),(b)に示すように、蓋部12aと、回転部12bと、連結板12cとを備える。
【0011】
蓋部12aは、径が容器本体11aの排出口11nの径よりも大きな円板状の部材である。また、連結板12cは、幅が蓋部12aの径よりも小さな平面視長方形の板状の部材で、一端が蓋部12aの側面に連結され、他端が回転部12bに連結されている。回転部12bは、回転軸12jが連結板12cの他端に連結された回転機構12mを備えたもので、回転機構12mの固定部は蓋取付け部材11cの下側に固定されている。なお、回転機構12mとしては、周知のモータと複数の歯車から成る減速機とを備えた周知の回転機構が好適に用いられる。
また、本例では、回転機構12mを、カメラ14の撮影開始信号に同期して作動するようにしている。
回収容器13は、図1に示すように、容器本体11aの直下に配置されて、排出口11nから落下したモルタルMを回収するための断面積が一定の透明な容器で、本例ではビーカーを用いた。
回収容器13の側面の、容器本体11a内に注入されたモルタルMが全て回収容器13内に収納された場合のモルタルMの高さhに相当する位置には、目印としての、周方向に沿って伸びるラインLが表示されている。
ラインLの回収容器13の底面から測った高さhは、容器本体11a内に注入されたモルタルMの体積をV、回収容器13の断面積をSとすると、h=V/Sで表せる。
これにより、回収容器13内のモルタルMの高さがラインLに達しているか否かを判定することで、試験容器11a内にモルタルMが残留しているか否かを判定できる。
なお、実際には、試験容器11a内には若干のモルタルMは残留するので、モルタルMの残留量の許容値ΔVに対応する高さをΔhとしたとき、ラインLを、[h-Δh,h]のような幅を持ったラインとすることが好ましい。
【0012】
カメラ14は、試験容器11の前側に設置されて、モルタルMが試験容器11の排出口11nから落下を開始してから落下が終了するまでの動画を撮影する。
仕切り板15は、試験容器11の後側である背景に設置される、高さが試験容器11の排出口11nの高さよりも高い平面視円弧状の板材で、本例では、仕切り板15の前側の面(試験容器11側の面)をモルタルMの色(ここでは、灰色)とは明度の異なる色(ここでは、白色)とした。
落下するモルタルMの背景を、無地でかつモルタルMの色とは明度の異なる色とすることで、落下するモルタルMと一定以上の明度差が生じるので、画像解析でモルタルMが落下しているか否かを、撮影した動画のフレーム単位で判別することができる。
【0013】
落下時間算出手段16は、画像処理部16aと落下時間算出部16bとを備え、カメラ14で撮影された動画から、試験容器11の排出口11nからモルタルMが落下を開始してから終了するまでの時間である落下時間を算出する。
画像処理部16aは、後述する背景差分法を用いて、撮影された動画から、連続的に落下するモルタルMの写っているフレームを抽出し、この抽出されたフレームを落下時間算出部16bに送る。上記の抽出されたフレームは複数の連続したフレームである。
落下時間算出部16bは、モルタルMの写っているフレーム数Nをカウントとし、このフレーム数Nを、以下の式(1)を用いて時間Tに換算するとともに、この換算された時間Tが落下時間とする。
T=N×フレームレート(fps=枚数/秒)…………(1)
落下時間Tは、試験したモルタルMの品名ととともに記憶手段18に送られる。
表示手段17は、落下時間算出手段16で算出した落下時間Tと試験したモルタルMの品名とが書き込まれた管理表18Tを、液晶ディスプレイ等の表示画面17Gに表示する。
記憶手段18は、落下時間算出手段16で算出した落下時間Tと、試験したモルタルMの品名と記録する管理表18Tを記憶する。
【0014】
ここで、背景差分法について説明する。
背景差分法は、移動体の存在しない画像(背景画像)と、カメラ位置と視野が同じで、かつ、撮影時刻の異なる画像(入力画像)との明度の差を比較し、入力画像に、明度の差が所定の閾値を超えた領域があるとき、その領域を移動体として検出する画像処理の手法である。
背景差分法では、例えば、図3(a)に示すような、モルタルMが落下する前のフレーム(静止画像G00)をグレースケール変換した画像を背景画像G01とし、図3(b)に示すような、モルタルMが落下開始後のフレーム(静止画像Gk)をグレースケール変換した画像を入力画像G1kとする。
そして、背景画像G01と入力画像G1kとの明度の差分から成る画像を求め、この画像を差分画像G2kとする。差分画像G2kは、図3(c)に示すような、移動体であるモルタルMのみが写った画像となる。
なお、グレースケール変換とは、RGB値の3次元の色情報を持つ画像を、白と黒の中間色であるグレーの色のみの一次元の情報を持つ画像に変換することである。
【0015】
次に、落下時間の計測方法について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、試験容器11の排出口11nを塞いだ状態で、容器本体11a内にモルタルMを摺切りまで注入する(ステップS10)。モルタルMの注入は作業員が行う。
次に、試験容器11の前方にカメラ14を設置するとともに、後方に仕切り板15を配置する(ステップS11)。
次に、動画の撮影を開始するとともに、蓋部材12を回転させて、容器本体11a中のモルタルMを排出口11nから回収容器13に落下させる(ステップS12)。
ステップS13では、背景差分法を用いて抽出した、連続的に落下するモルタルMの写っているフレーム数Nをカウントし、このカウントされたフレーム数Nから落下時間Tを算出する(ステップS14)。
落下時間Tの算出方法は以下の通りである。
なお、各フレーム(画像)は、予めグレースケール変換されているものとする。
まず、図5(a)に示すように、背景画像G01を作成した後、図5(b)に示すように、時間間隔Δt毎に入力画像を作成する。以下、撮影開始時刻をt0としたときの、時刻tk=t0+k・Δt(k=1~n)における入力画像をG1kとする。
なお、Δtはフレーム間隔(1/フレームレート)と同じでもよいが、2フレーム毎、あるいは、3フレーム毎に入力画像G1kを作成してもよい。
次に、図5(c)に示すように、時刻tkごとに差分画像G2kを作成した後、移動体である落下するモルタルMが写っている、連続する複数の差分画像G2k(例えば、G22~G25)を抽出し、この抽出された差分画像G2kの枚数Nを、モルタルMの写っているフレーム数Nとする。
そして、フレーム数Nを、時間Tに換算するとともに、この換算された時間Tを落下時間とする。以下に換算式(1)を再掲する。
T=N×フレームレート(fps=枚数/秒)…………(1)
次に、ステップS14で算出した落下時間Tと試験したモルタルMの品名とを管理表18Tに書き込み記憶するとともに、管理表18Tを表示画面17Gに表示する(ステップS15)。
最後に、容器本体11a内にモルタルMが残留しているか否かの確認作業を行う(ステップS16)。なお、容器本体11a内にモルタルMが残留しているか否かは画像上では判別できないので、本例では、落下時間Tの算出後に、回収容器13内のモルタルMの高さが、容器側面に表示されたラインLまで達したかどうかを調べることで、容器本体11a内のモルタルMの残留の有無を確認する。
ステップS16で、モルタルMの高さがラインLの幅内に入っている場合、すなわち、モルタルMの高さhとラインLの位置との差が許容量Δh以内である場合には、ステップS17に進んで、当該モルタルMの試験を終了する。一方、モルタルMの高さhがラインLよりも下にある場合には、管理表18Tに「再試験」と書き込んだ後、試験を終了するステップS18)。
なお、試験するモルタルの粘性の高い場合には、モルタルMは連続して落下せず、ぽたぽたと不連続に落下する場合がある。この場合は、撮影された動画から移動体であるモルタルMを検出すると、落下開始後に、モルタルMが検出されないフレームの後に落下するモルタルMが検出されたフレームが出現する。よって、モルタルMが不連続に落下する時間が一定値以上であれば、落下時間Tは算出できないと判定し、再試験を行う。
【0016】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
【0017】
例えば、前記実施の形態では、撮影開始に連動させて蓋部12aを回転させて、排出口11nを開放したが、排出口11nを開放は、カメラ14の撮影開始後であれば、所定時間後に行ってもよいし、任意のタイミングで行ってもよい。また、蓋部12aを水平方向にスライドさせて排出口11nを開放してもよい。
また、前記実施の形態では、回収容器13にラインLを設けて、試験容器11a内にモルタルMが残留しているか否かを判定したが、回収容器13の重量を計測してもよい。
また、試験容器11の上部からライトやレーザー光を照射し、注入口11mから見たときの容器本体11a内の色が、モルタルMの落下前から変化しているか否で、試験容器11a内にモルタルMが残留しているか否かを判定してもよい。
このとき、回収容器13のラインL付近や試験容器11を上部から撮影し、この撮影された画像から、容器本体11a内にモルタルMが残留しているか否かを判定すれば、作業員の負担を軽減することができる。
また、前記実施の形態では、表示手段17に表示した管理表18Tを記憶手段18に記憶したが、この記憶された管理表18Tを、現場から離れた管理センターに送れる形態とすれば、モルタルMの流動性試験のデータを共有することができる。
【符号の説明】
【0018】
10 モルタルの流動性試験装置、
11 試験容器、11a 容器本体、11b 支持部材、11c 蓋取付け部材、
11m 注入口、11n 排出口
12 蓋部材、12a 蓋部、12b 回転部、12c 連結板、
13 回収容器、14 カメラ、15 仕切り板、
16 落下時間算出手段、16a 画像処理部、16b 落下時間算出部、
17 表示手段、17G 表示画面、
18 記憶手段、18T 管理表、
M モルタル。
図1
図2
図3
図4
図5