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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178564
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】暖房システム
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/22 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
B60H1/22 651C
B60H1/22 651A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096785
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】道川内 亮
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211AA11
3L211BA02
3L211CA17
3L211CA18
3L211CA19
3L211DA28
3L211EA50
3L211EA83
3L211EA90
3L211FB05
3L211GA43
3L211GA45
(57)【要約】
【課題】車室内の空調快適性の低下を抑制する暖房システムを提供する。
【解決手段】暖房システムは、流路FP1~FP3と、電池163と、チラー142と、LTラジエータ122と、五方弁180とを備える。電池163は、流路FP1の熱媒体と熱交換可能である。チラー142は、流路FP2に設けられている。LTラジエータ122は、流路FP3に設けられ、車両の外気から吸熱する。五方弁180は、流路FP1~FP3の間の接続状態を切り替えるように構成されている。接続状態は、第1状態と、第2状態と、第3状態とを含む。五方弁180は、暖房運転中に第1状態および第2状態のうち一方の状態から他方の状態に接続状態を切り替える場合に、一方の状態から第3状態に接続状態を切り替えた後、第3状態から他方の状態に接続状態を切り替える動作を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される暖房システムであって、
熱媒体が流通可能な第1流路、第2流路、および第3流路と、
前記第1流路の前記熱媒体と熱交換可能な蓄電装置と、
前記第2流路に設けられたチラー装置と、
前記第3流路に設けられ、前記車両の外気から吸熱するように構成された吸熱装置と、
前記車両の車室を暖房する暖房回路と、
前記第2流路の前記熱媒体から前記チラー装置を介して熱を受けるとともに前記暖房回路に前記熱を伝達する暖房運転を行うヒートポンプサイクルと、
前記第1流路、前記第2流路、および前記第3流路の間の接続状態を切り替えるように構成された切替装置とを備え、
前記接続状態は、
前記第1流路が前記第2流路および前記第3流路から切り離され、かつ、前記第2流路が前記第3流路に接続された第1状態と、
前記第1流路が前記第2流路に接続されるとともに前記第3流路から切り離されて、かつ、前記第2流路が前記第3流路から切り離された第2状態と、
前記第1流路が前記第2流路および前記第3流路に接続され、かつ、前記第2流路が前記第3流路に接続された第3状態とを含み、
前記切替装置は、前記暖房運転中に前記第1状態および前記第2状態のうち一方の状態から他方の状態に前記接続状態を切り替える場合に、前記一方の状態から前記第3状態に前記接続状態を切り替えた後、前記第3状態から前記他方の状態に前記接続状態を切り替える動作を実行する、暖房システム。
【請求項2】
前記第2流路の前記熱媒体の温度または前記第3流路の前記熱媒体の温度と、前記第1流路の前記熱媒体の温度との温度差を第1温度差とすると、
前記切替装置は、前記第1状態から前記第2状態に前記接続状態を切り替える場合に、
前記第1温度差が第1しきい値以上であるときに前記動作を実行し、
前記第1温度差が前記第1しきい値未満であるときに、前記接続状態を前記第1状態から前記第3状態に切り替えることなく前記第2状態に切り替える、請求項1に記載の暖房システム。
【請求項3】
前記第1流路の前記熱媒体の温度または前記第2流路の前記熱媒体の温度と、前記第3流路の前記熱媒体の温度との温度差を第2温度差とすると、
前記切替装置は、前記第2状態から前記第1状態に前記接続状態を切り替える場合に、
前記第2温度差が第2しきい値以上であるときに前記動作を実行し、
前記第2温度差が前記第2しきい値未満であるときに、前記接続状態を前記第2状態から前記第3状態に切り替えることなく前記第1状態に切り替える、請求項1に記載の暖房システム。
【請求項4】
バイパス流路をさらに備え、
前記バイパス流路は、前記第1流路のうち前記蓄電装置よりも下流部分と、前記第2流路のうち前記チラー装置よりも上流部分とに位置する接続部に接続され、かつ、前記第3流路のうち前記吸熱装置よりも下流部分に接続可能に構成されており、
前記第3状態は、前記第3流路、前記バイパス流路、および前記接続部を通じて前記熱媒体が前記チラー装置に流入する第1経路と、前記第3流路、前記第1流路、および前記接続部を通じて前記熱媒体が前記チラー装置に流入する第2経路とが形成された状態を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の暖房システム。
【請求項5】
前記切替装置は、
前記第1流路に接続可能な第1ポートと、
前記第2流路に接続可能な第2ポートと、
前記第3流路のうち前記吸熱装置よりも上流部分に接続可能な第3ポートと、
前記第3流路のうち前記吸熱装置よりも下流部分に接続可能な第4ポートと、
前記バイパス流路に接続可能な第5ポートとを有し、
前記第1状態は、前記第1ポートが前記第2から第5ポートから切り離され、前記第2ポートが前記第3ポートに連通し、かつ、前記第4ポートが前記第5ポートに連通する状態を含み、
前記第2状態は、前記第1ポートが前記第2ポートに連通し、前記第3ポートが前記第4ポートに連通し、かつ、前記第5ポートが前記第1から第4ポートから切り離された状態を含み、
前記第3状態は、前記第1ポートが前記第4および第5ポートに連通し、かつ、前記第2ポートが前記第3ポートに連通する状態を含む、請求項4に記載の暖房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-165604号公報(特許文献1)は、車両に搭載される空調装置を開示する。空調装置は、ヒートポンプサイクル(HPC:Heat Pump Cycle)と、高温側熱媒体回路(暖房回路)と、低温側熱媒体回路とを備える。HPCは、チラーと、凝縮器とを有する。チラーは、低温側熱媒体回路から吸熱する。凝縮器は、HPCの熱を高温側熱媒体回路に伝達する。低温側熱媒体回路は、電池と、外気熱交換機器と、三方弁(切り替え装置)とを有する。電池および外気熱交換機器の各々は、吸熱用機器として機能する。三方弁は、低温側熱媒体からHPCへの熱伝達量を調整するために用いられる。空調装置のモードは、暖房モードと、冷却暖房モードとを含む。暖房モードにおいて、外気熱交換機器により吸熱された熱がチラーおよびHPCを介して高温側熱媒体回路に伝達される(外気が暖房熱源として用いられる)。冷却暖房モードにおいて、電池の熱がチラーおよびHPCを介して高温側熱媒体回路に伝達される(電池が暖房熱源として用いられる)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-165604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外気または電池のいずれが暖房熱源として用いられる場合であっても、HPCは、チラー装置を介して熱を受けるとともに車両の暖房回路に熱を伝達する(暖房運転)。切り替え装置は、暖房運転中に暖房熱源を変化させる時、熱媒体の各流路の間の接続状態を切り替える。この場合、暖房風の吹出口における温度が大きく変化して、車室内の空調快適性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、車室内の空調快適性の低下を抑制する暖房システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の暖房システムは、車両に搭載される。この暖房システムは、第1流路、第2流路、および第3流路と、蓄電装置と、チラー装置と、吸熱装置と、暖房回路と、ヒートポンプサイクルと、切替装置とを備える。第1流路、第2流路、および第3流路では、熱媒体が流通可能である。蓄電装置は、第1流路の熱媒体と熱交換可能である。チラー装置は、第2流路に設けられる。吸熱装置は、第3流路に設けられ、車両の外気から吸熱するように構成されている。暖房回路は、車両の車室を暖房する。ヒートポンプサイクルは、第2流路の熱媒体からチラー装置を介して熱を受けるとともに暖房回路に熱を伝達する暖房運転を行う。切替装置は、第1流路、第2流路、および第3流路の間の接続状態を切り替えるように構成されている。接続状態は、第1状態と、第2状態と、第3状態とを含む。第1状態において、第1流路が第2流路および第3流路から切り離され、かつ、第2流路が第3流路に接続されている。第2状態において、第1流路が第2流路に接続されるとともに第3流路から切り離されて、かつ、第2流路が第3流路から切り離されている。第3状態において、第1流路が第2流路および第3流路に接続され、かつ、第2流路が第3流路に接続されている。切替装置は、暖房運転中に第1状態および第2状態のうち一方の状態から他方の状態に接続状態を切り替える場合に、一方の状態から第3状態に接続状態を切り替えた後、第3状態から他方の状態に接続状態を切り替える動作を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車室内の空調快適性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態の熱管理システム(暖房システム)の全体構成の一例を示す図である。
図2】実施の形態におけるECU(Electronic Control Unit)による五方弁の制御を説明するための図である。
図3】比較例におけるによる五方弁の制御を説明するための図である。
図4】暖房運転中の電池の冷却開始時の流路間の接続状態の切り替えを説明するためのタイムチャートである。
図5】電池の冷却開始時に五方弁を用いて各流路間の接続状態を切り替える制御の処理手順を示すフローチャートである。
図6】暖房運転中の電池の冷却終了時の五方弁の制御を説明するためのタイムチャートである。
図7】電池の冷却終了時に五方弁を用いて各流路間の接続状態を切り替える制御の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明を繰り返さない。
【0010】
図1は、実施の形態の熱管理システム(暖房システム)の全体構成の一例を示す図である。図1を参照して、熱管理システム1は、車両5に搭載されている。車両5は、電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)などの電動車両である。熱管理システム1は、ECU50と、熱管理回路100とを備える。
【0011】
ECU50は、CPU(Central Processing Unit)51と、メモリ52とを含む。CPU51は、各種の演算処理を実行する。メモリ52は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、CPU51により実行されるプログラムを記憶する。ECU50は、熱管理回路100からのセンサ値に応じた制御指令を熱管理回路100に出力することによって、熱管理回路100を制御する。
【0012】
熱管理回路100は、熱媒体(冷媒)が流通するよう構成されている。熱管理回路100は、HT(High Temperature)回路110と、ラジエータ120と、LT(Low Temperature)回路130と、水冷コンデンサ141と、チラー(チラー装置)142と、ヒートポンプサイクル(HPC)150と、電池回路160と、ポートP1~P5を有する五方弁180と、温度センサ192~195とを含む。
【0013】
HT回路110は、ウォータポンプ(W/P)111と、ヒータ112と、三方弁113と、ヒータコア114とを含む。ラジエータ120は、高温(HT)ラジエータ121と、低温(LT)ラジエータ122とを含む。LT回路130は、流路FP3と、W/P131と、PCU(Power Control Unit)133とを含む。HPC150は、コンプレッサ151と、膨張弁152,155と、エバポレータ153と、EPR(Evaporative Pressure Regulator)154とを含む。電池回路160は、流路FP1,FP2と、W/P161と、電池163と、接続部165と、流路BPとを含む。
【0014】
流路FP1,FP2の各々において、熱媒体が流通可能である。流路FP1は、ポートP1から接続部165までの流路である。流路FP2は、ポートP2から接続部165までの流路である。W/P111は、HT回路110内で熱媒体を循環させる。水冷コンデンサ141は、HPC150の熱媒体から放出された熱を受けることによって、HT回路110の熱媒体を加熱する。ヒータ112は、HT回路110の熱媒体を加熱する。三方弁113は、熱媒体の流入先をヒータコア114とHTラジエータ121との間で切り替える。ヒータコア114は、HT回路110の熱媒体と車室内に吹き出される空気との間の熱交換より当該空気を暖める。これにより、車室が暖房される。HT回路110は、車室を暖房する暖房回路である。
【0015】
LTラジエータ122は、流路FP3に設けられる。流路FP3は、ポートP3からポートP4までの流路であり、熱媒体が流通可能である。LTラジエータ122は、流路FP3の熱媒体の温度が車両5の外気の温度よりも低い場合に外気から吸熱する吸熱装置として機能する。W/P131は、流路FP3において熱媒体を循環させる。PCU133は、電池163からの直流電力を交流電力に変換して車両5の走行用モータに供給する。
【0016】
水冷コンデンサ141は、HPC150の熱媒体からの熱をHT回路110の熱媒体に放出する。チラー142は、流路FP2に設けられており、HPC150の熱媒体と、電池回路160(流路FP2)の熱媒体との間で熱交換する。
【0017】
HPC150の熱媒体(気相冷媒または液相冷媒)は、エバポレータ153を通過する回路、または、水冷コンデンサ141を通過する回路内で循環する。HPC150は、流路FP2の熱媒体からチラー142を介して熱を受けるとともにHT回路110に熱を伝達する暖房運転を行うよう構成されている。
【0018】
コンプレッサ151は、HPC150を循環する気相冷媒を圧縮する。コンプレッサ151の回転速度は、吹出温度の目標値と現在値との偏差に応じて制御される。水冷コンデンサ141は、圧縮されて高温高圧となった気相冷媒から熱を放出することによって気相冷媒を液相冷媒に凝縮する。コンプレッサ151で圧縮された高温高圧の冷媒は、水冷コンデンサ141における熱交換によってHT回路110を循環する熱媒体(温水)に放熱する。温められた温水の熱がヒータコア114で放熱されて暖められた空気(暖房風)が吹出口から車室内に送られて車室が暖房される。膨張弁152,155の各々は、高圧の液相冷媒を膨張させることによって液相冷媒を減圧する。EPR154は、エバポレータ153から流入する熱媒体の流量を制御することで、エバポレータ153内の圧力を略一定に調整する。チラー142は、膨張弁155により減圧された液相冷媒を蒸発させる。その結果、電池回路160を循環する熱媒体から熱が奪われ、この熱媒体が冷却される。
【0019】
電池回路160を循環する熱媒体は、第1循環回路および第2循環回路のうちの一方または両方を流通する。第1循環回路とは、W/P161-チラー142-五方弁180-電池163-W/P161の経路である。第2循環回路とは、W/P161-チラー142-五方弁180-流路BP-W/P161の経路である。
【0020】
W/P161は、電池回路160内で熱媒体を循環させる。チラー142は、HPC150を循環する熱媒体と電池回路160を循環する熱媒体との間の熱交換により、電池回路160を循環する熱媒体を冷却する。電池163は、流路FP1に設けられており、流路FP1の熱媒体と熱交換可能である。電池163は、車両5の走行用の電力を蓄える。電池163は、流路FP1の熱媒体により冷却され得る。
【0021】
流路BPは、ポートP5から接続部165までの流路であって、熱媒体が流通可能である。流路BPは、熱媒体が電池163をバイパスするバイパス流路である。流路BPは、接続部165に接続されている。接続部165は、流路FP1のうち電池163よりも下流部分と、流路FP2のうちチラー142よりも上流部分とに位置している。流路BPは、流路FP3のうちLTラジエータ122よりも下流部分に五方弁180を通じて接続可能に構成されている。
【0022】
五方弁180は、ポートP1~P5を有する。ポートP1は、流路FP1に接続可能である。ポートP2は、流路FP2に接続可能である。ポートP3,P4は、それぞれ、流路FP3のうちLTラジエータ122よりも上流部分および下流部分に接続可能である。ポートP5は、流路BPに接続可能である。五方弁180は、流路FP1~FP3,BPの間の接続状態を切り替える切替装置であり、ECU50により制御される。
【0023】
温度センサ192は、LTラジエータ122を流通する熱媒体の温度(流路FP3の熱媒体の温度)としてのラジエータ水温Trを検出する。ラジエータ水温Trは、流路FP3のうちLTラジエータ122の下流部分の熱媒体の温度に相当する。温度センサ193は、流路FP2の熱媒体の温度(チラー水温Tc)を検出する。この例では、チラー水温Tcは、流路FP2のうちチラー142の上流部分の熱媒体の温度に相当する。温度センサ194は、流路FP1の熱媒体の温度(電池水温Tb)を検出する。温度センサ195は、PCU133を流通する熱媒体の温度(パワトレ水温Tp)を検出する。パワトレ水温Tpが流路FP3の熱媒体の温度として用いられてもよい。
【0024】
図2は、実施の形態におけるECU50による五方弁180の制御を説明するための図である。図2を参照して、ECU50は、流路FP1,FP2,FP3およびBPの間の接続状態が第1状態、第2状態または第3状態になるように五方弁180を制御する。
【0025】
第1状態(図2の上部分)は、外気が暖房熱源として用いられる時の各流路間の接続状態に相当する。第1状態において、流路FP1が流路FP2,FP3,BPから切り離され、流路FP2が流路FP3,BPに接続され、かつ流路FP3が流路BPに接続されている。チラー142を通過する熱媒体は、流路FP2,FP3,BPにより形成される閉回路を循環する。ECU50は、ポートP1がポートP2~P5から切り離され、ポートP2,P3が連通し、かつ、ポートP4,P5が連通するように五方弁180を制御することによって第1状態を達成する。第1状態において、HPC150が暖房運転を行っており、かつ、電池163の冷却は行われていない。
【0026】
第1状態において、流路FP1は、流路FP2,FP3,BPから切り離されている。よって、電池水温Tbは、チラー水温Tc、またはラジエータ水温Tr(もしくはパワトレ水温Tp)から乖離している可能性がある。例えば、冬期の低温環境下で外気が暖房熱源として用いられる時、ラジエータ水温Trは、外気温(例えば、0℃)よりも低い。その結果、第1状態における電池水温Tbは、ラジエータ水温Trよりも顕著に高くなる可能性がある。ラジエータ水温Trと電池水温Tbとの乖離は、省エネの観点から電池163の冷却開始温度が高く設定されて電池163の冷却頻度が低い場合により顕著になる。
【0027】
第2状態(図2の下部分)は、電池163が暖房熱源として用いられる時の各流路間の接続状態に相当する。第2状態において、流路FP1が流路FP2に接続されて流路FP3から切り離され、流路FP2が流路FP3から切り離されて、かつ、流路FP3が流路BPから切り離されている。チラー142を通過する熱媒体は、流路FP1,FP2により形成される閉回路(一点鎖線)を循環する。ECU50は、ポートP1,P2が連通し、ポートP3,P4が連通し、かつ、ポートP5がポートP1~P4から切り離されるよう五方弁180を制御することによって第2状態を達成する。第2状態において、電池163の熱が流路FP1の熱媒体、流路FP2の熱媒体、チラー142、HPC150(図1)を介してHT回路110に供給されて(HPC150が暖房運転を行い)、かつ、電池163の冷却が行われる。
【0028】
第2状態において、流路FP3は、流路FP1,FP2,BPから切り離されている。よって、ラジエータ水温Tr(もしくはパワトレ水温Tp)は、電池水温Tb、またはチラー水温Tcから乖離している可能性がある。
【0029】
ECU50は、暖房運転中の電池163の冷却開始時または冷却終了時、各流路間の接続状態が第1状態および第2状態の一方の状態から他方の状態に切り替わるように五方弁180を制御する。例えば、電池163の冷却開始時、ECU50は、暖房熱源を外気から電池163に変化させるために、接続状態が第1状態から第2状態に切り替わるように五方弁180を制御する。電池163の冷却終了時、暖房熱源を電池163から外気に変化させるために、ECU50は、接続状態が第2状態から第1状態に切り替わるように五方弁180を制御する。
【0030】
上記のようにECU50が第1状態から第2状態へ、または第2状態から第1状態へ接続状態を切り替える時、チラー水温Tcが急激に変化して空調快適性が低下する可能性がある(詳しくは後述)。
【0031】
そこで、ECU50は、暖房運転中に第1状態および第2状態の一方の状態から他方の状態に各流路間の接続状態を切り替える場合(電池163の冷却を開始または終了する場合)、特定の切り替え動作を実行するように五方弁180を制御する。この動作は、上記一方の状態から第3状態(図2の真ん中部分)に接続状態を切り替えた後、第3状態から上記他方の状態に接続状態を切り替える動作である。
【0032】
第3状態において、流路FP1が流路FP2,FP3,BPに接続され、流路FP2が流路FP3,BPに接続され、かつ、流路FP3が流路BPに接続されている。ECU50は、ポートP1,P4,P5が連通し、かつ、ポートP2,P3が連通するように五方弁180を制御することによって第3状態を達成する。
【0033】
第3状態では、経路R1,R2が形成される。経路R1は、流路FP3,BPおよび接続部165を通じて熱媒体がチラー142に流入する経路である。経路R2は、流路FP3,FP1および接続部165を通じて熱媒体がチラー142に流入する経路である。
【0034】
前述の特定の切り替え動作は、電池163の冷却開始時に実行される第1動作と、電池163の冷終了始時に実行される第2動作とを含む。第1動作は、第1状態から第3状態に接続状態を切り替えた後に、第3状態から第2状態に接続状態を切り替える動作である(ハッチング矢印)。第2動作は、第2状態から第3状態に接続状態を切り替えた後に、第3状態から第1状態に接続状態を切り替える動作である(白抜き矢印)。
【0035】
第1動作によれば、電池163の冷却開始時、接続状態は、第1状態から第2状態に切り替えられる前に暫定的に第3状態を取る。第3状態においては、チラー142および電池163を通過する熱媒体が循環する閉回路(チラー-電池循環回路)が、第2状態におけるチラー-電池循環回路(1点鎖線)よりも流路FP3を含む点において大きい。よって、第3状態のチラー-電池循環回路の熱媒体の量は、第2状態のチラー-電池循環回路の熱媒体の量よりも多い。したがって、第1状態が第3状態に切り替えられた直後のチラー-電池循環回路の熱媒体の温度変化(流路FP1,FP2の接続に伴う温度変化)は、第1状態が第2状態に直接切り替えられた直後のチラー-電池循環回路の熱媒体の温度変化よりも小さい。これにより、電池163の冷却開始時に流路FP2の熱媒体が電池163の熱から受ける影響を軽減できる。したがって、チラー水温Tcの変化を低減できる。
【0036】
第2動作によれば、電池163の冷却終了時には、接続状態は、第2状態から第1状態に切り替えられる前に暫定的に第3状態を取る。第3状態において、チラー142およびLTラジエータ122を通過する熱媒体が循環する閉回路(チラー-ラジエータ循環回路)が、第1状態におけるチラー-ラジエータ循環回路(実線)よりも流路FP1を含む点において大きい。よって、第3状態のチラー-ラジエータ循環回路の熱媒体の量は、第1状態のチラー-ラジエータ循環回路の熱媒体の量よりも多い。したがって、第2状態が第3状態に切り替えられた直後のチラー-電池循環回路の熱媒体の温度変化(流路FP2,FP3の接続に伴う温度変化)は、第2状態が第1状態に直接切り替えられた直後のチラー-電池循環回路の熱媒体の温度変化よりも小さい。これにより、電池163の冷却終了時に流路FP2の熱媒体が流路FP3の熱媒体の熱から受ける影響を軽減できる。したがって、チラー水温Tcの変化を低減できる。
【0037】
このように、第1動作および第2動作によれば、チラー水温Tcの急激な変化を軽減できる。その結果、車室内の空調快適性の低下を抑制できる。さらに、チラー水温Tcの急激な変化に起因する空調快適性の低下を補うためのヒータ112の作動を要せず、高効率なHPC150を活用できる。よって、車室の暖房時の電力消費を節約できる。
【0038】
実施の形態では、第3状態において、経路R1および経路R2の双方が形成されている。よって、流路FP3の熱媒体は、流路FP1,FP2の双方を通じてチラー142に流入する。この場合、流路FP1のうち電池163よりも下流部分の熱媒体と、流路BPの熱媒体とが接続部165で混合され、混合後の熱媒体がチラー142に流入する。混合後の熱媒体の温度は、熱媒体が経路R1,R2の一方のみを通じてチラー142に流入するケースにおける接続部165での熱媒体の温度よりも、接続状態の切替前のチラー水温Tcに近い。よって、上記ケースよりもチラー水温Tcの変化をより効果的に低減できる。
【0039】
例えば、電池163の冷却開始時(第1状態→第3状態)、仮に熱媒体が経路R1のみを通じてチラー142に流入するケースでは、流路FP1において電池163を通過した相対的に高温の熱媒体のみが接続部165を通じてチラー142に流入する。他方、実施の形態では、流路FP3から流路BPを通じて供給される相対的に低温の熱媒体も接続部165に流入し、相対的に高温の熱媒体と接続部165において混ざる。その結果、混合後の中温の熱媒体がチラー142に流入するため、高温の熱媒体のみがチラー142に流入する上記ケースよりもチラー水温Tcの急激な変化をより効果的に軽減できる。
【0040】
同様に、電池163の冷却終了時(第2状態→第3状態)、仮に熱媒体が経路R1のみを通じてチラー142に流入するケースでは、流路FP1において電池163を通過した相対的に低温の熱媒体のみが接続部165を通じてチラー142に流入する。他方、実施の形態では、流路FP3から流路BPを通じて供給される相対的に高温の熱媒体も接続部165に流入し、相対的に低温の熱媒体と接続部165において混ざる。その結果、中温の熱媒体がチラー142に流入し、チラー水温Tcの急激な変化を効果的に軽減できる。
【0041】
図3は、比較例におけるECUによる五方弁180の制御を説明するための図である。この比較例では、暖房運転中の電池163の冷却開始時または冷却終了時、各流路間の接続状態が第1状態および第2状態のうち一方の状態から他方の状態に直接切り替わる。
【0042】
図3を参照して、電池163の冷却開始時、比較例のECUは、各流路間の接続状態が第1状態から第2状態に直接切り替わるように五方弁180を制御する(ハッチング矢印)。これにより、流路FP2が流路FP1に接続されて流路FP3から切り離される。その結果、チラー142を流通する熱媒体がLTラジエータ122を流通しなくなり、それに代えて電池163を流通する(流路FP1,FP2により形成される閉回路を循環する)。よって、電池163の冷却開始時に電池水温Tbがチラー水温Tcから乖離している場合には、第1状態から第2状態への切り替え直後にチラー水温Tcが電池水温Tbにより影響されて急激に変化する可能性がある。
【0043】
電池163の冷却終了時には、ECUは、各流路間の接続状態が第2状態から第1状態に直接切り替わるように五方弁180を制御する(白抜き矢印)。これにより、流路FP2が流路FP1から切り離されて流路FP3に接続される。その結果、チラー142を流通する熱媒体が電池163を流通しなくなり、それに代えてLTラジエータ122を流通する(流路FP2,FP3,BPにより形成される閉回路を循環する)。よって、電池163の冷却終了時にラジエータ水温Tr(パワトレ水温Tp)がチラー水温Tcから乖離している場合には、第2状態から第1状態への切り替え直後にチラー水温Tcがラジエータ水温Trにより影響されて急激に変化する可能性がある。
【0044】
チラー水温Tcの急激な変化は、HPC150を介してHT回路110に影響を及ぼし、暖房風の吹出口における温度の大きな変化を招く。その結果、車室内の空調快適性が低下する可能性がある。空調快適性の低下を補うためにヒータ112を作動させることもできるが、HPC150を用いた高効率の暖房と比較して電力消費が増大する。
【0045】
前述のように、暖房風の吹出口における温度の目標値と現在値との偏差に応じてコンプレッサ回転速度が制御されるが、チラー吸熱量が急激に変化すると、この偏差の拡大が検知されてからコンプレッサ回転速度が上昇する。つまり、第1状態と第2状態との間の切替タイミングに対してコンプレッサ回転速度の上昇が遅れる。よって、第1状態から第2状態、または第2状態から第1状態への切替後にコンプレッサ回転速度を調整することによってチラー吸熱量(チラー水温Tc)の急激な変化を抑制することは困難である。
【0046】
加えて、チラー吸熱量が急激に変化した場合、冷媒乾き度が変化して熱媒体がチラー142により完全には気化されなくなる可能性がある。すなわち、コンプレッサ151の入口における熱媒体が気液混相状態(気相冷媒と液相冷媒とが混ざった状態)になり得る。これは、コンプレッサ151の保護の観点から好ましくない。
【0047】
このように、比較例では、電池163の冷却開始時または冷却終了時に、空調快適性の低下、電力消費の増大、コンプレッサ151の入口における熱媒体の気液混相などの問題が引き起こされ得る。他方、実施の形態(図2)では、そのような問題を抑制できる。
【0048】
図4は、暖房運転中の電池163の冷却開始時の流路FP1~FP3,BP間の接続状態の切り替えを説明するためのタイムチャートである。図4を参照して、横軸は経過時間を表す。縦軸は、上から順に、電池163の冷却要求の有り/無し、チラー142が接続される回路(LT回路130/電池回路160)、チラー水温Tc、電池水温Tb、ラジエータ水温Tr、パワトレ水温Tp、および各流路間の接続状態を表す。
【0049】
実施の形態および比較例での各パラメータの時間変化を、それぞれ、実線および1点鎖線で示す。この比較例では、接続状態が第1状態から第2状態に直接切り替えられる。
【0050】
時刻taよりも前の期間TP1において、接続状態は、第1状態である。時刻taでは、電池水温Tbが冷却開始温度TSまで上昇し、電池163の冷却要求が生成される。実施形態のECU50は、冷却要求に応答して、第1動作を実行するように五方弁180を制御する。具体的には、ECU50は、時刻taで各流路間の接続状態を第1状態から第3状態に切り替えた後、期間TP2中に第3状態を保つ。期間TP2は、チラー水温Tcが基準温度ΔPT1だけ上昇するまで(時刻tbまで)継続する。時刻tbでは、ECU50は、接続状態を第3状態から第2状態に切り替え、期間TP3中、第2状態に保つ。
【0051】
電池水温Tbと、チラー水温Tcまたはラジエータ水温Tr(パワトレ水温Tp)との温度差を温度差ΔT1(=|Tb-Tc|,|Tb-Tr|または|Tb-Tp|)とも表す。温度差ΔT1は、電池163の冷却開始時のチラー水温Tcの変化に関係している。例えば、電池163の冷却開始前に第1状態において温度差ΔT1がしきい値TH1以上であるほど大きい場合、電池163の冷却開始時に第1状態から第2状態に接続状態が直接切り替えられるとチラー水温Tcが急激に変化すると予測される。そうでない場合、温度差ΔT1が小さいため、切替時にチラー水温Tcが急激に変化しないと予測される。
【0052】
そこで、ECU50は、第1状態から第2状態に接続状態を切り替える場合に、温度差ΔT1がしきい値TH1以上であるときに、第1動作を実行するように五方弁180を制御してもよい。他方、温度差ΔT1がしきい値TH1未満であるときに、ECU50は、接続状態を第1状態から第3状態に切り替えることなく第2状態に直接切り替えるように五方弁180を制御してもよい。
【0053】
このような制御によれば、チラー水温Tcの急激な変化が起こらないと予測される場合には、電池163を暖房熱源とする車室の暖房を直ちに開始できる。
【0054】
図5は、電池163の冷却開始時に五方弁180を用いて各流路間の接続状態を切り替える制御の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、電池163の冷却要求に応答して開始される。以下、ステップをSと略す。
【0055】
図5を参照して、S105において、ECU50は、温度差ΔT1がしきい値TH1以上であるか否かを判定する(S105)。
【0056】
温度差ΔT1がしきい値TH1未満である場合(S105においてNO)、ECU50は、流路FP1~FP3,BPの接続状態を第1状態から第3状態に切り替えることなく第2状態に直接切り替えるように五方弁180を制御する(S120)。そうでない場合(S105においてYES)、ECU50は、流路FP1~FP3,BPの接続状態を第1状態から第3接続状態に切り替えるように五方弁180を制御する(S110)。その後、ECU50は、流路FP1~FP3,BPの接続状態を第3状態から第2接続状態に切り替えるように五方弁180を制御する(S115)。
【0057】
図6は、暖房運転中の電池163の冷却終了時の五方弁180の制御を説明するためのタイムチャートである。図6を参照して、横軸および縦軸のパラメータは、図4において示されたものと同じである。
【0058】
実施の形態および比較例での各パラメータの時間変化を、それぞれ、実線および1点鎖線で示す。この比較例では、接続状態が第2状態から第1状態に直接切り替えられる。
【0059】
時刻tcの前の期間TP1aにおいて、接続状態は、第2状態である。時刻tcでは、電池163の冷却要求が消失する。これにより、実施形態のECU50は、第2動作を実行するように五方弁180を制御する。具体的には、ECU50は、時刻tcで各接続状態を第2状態から第3状態に切り替えた後、期間TP2a中に第3状態を保つ。期間TP2aは、チラー水温Tcが基準温度ΔPT2だけ低下するまで(時刻tdまで)継続する。時刻tdでは、ECU50は、接続状態を第3状態から第1状態に切り替え、期間TP3a中、第1状態に保つ。
【0060】
この例では、電池冷却終了のチラー水温Tcが電池冷却開始時(図4)のものよりも低いが、そうでない場合でも第2動作によりチラー水温Tcの急激な変化を抑制できる。
【0061】
ラジエータ水温Tr(パワトレ水温Tp)と、電池水温Tbまたはチラー水温Tcとの温度差を温度差ΔT2(=|Tr-Tb|,|Tr-Tc|,|Tp-Tb|または|Tp-Tc|)とも表す。温度差ΔT2は、電池163の冷却終了時のチラー水温Tcの変化に関係する。例えば、電池163の冷却終了前に第2状態において温度差ΔT2がしきい値TH2以上であるほど大きい場合、電池163の冷却終了時に第2状態から第1状態に接続状態が直接切り替えられるとチラー水温Tcが急激に変化すると予測される。そうでない場合、温度差ΔT2が小さく、チラー水温Tcが急激に変化しないと予測される。
【0062】
そこで、ECU50は、第2状態から第1状態に接続状態を切り替える場合に、温度差ΔT2がしきい値TH2以上であるときに、第2動作を実行するように五方弁180を制御してもよい。他方、温度差ΔT2がしきい値TH2未満であるときに、ECU50は、接続状態を第2状態から第3状態に切り替えることなく第1状態に直接切り替えるように五方弁180を制御してもよい。
【0063】
このような制御によれば、チラー水温Tcの急激な変化が起こらないと予測される場合には、暖房熱源を電池163から外気に早期に切り替えることができる。
【0064】
図7は、電池163の冷却終了時に五方弁180を用いて各流路間の接続状態を切り替える制御の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、電池163の冷却要求の消失に応答して開始される。
【0065】
図7を参照して、S205において、ECU50は、温度差ΔT2がしきい値TH2以上であるか否かを判定する(S205)。
【0066】
温度差ΔT2がしきい値TH2未満である場合(S205においてNO)、ECU50は、流路FP1~FP3,BPの接続状態を第2状態から第3状態に切り替えることなく第1状態に直接切り替えるように五方弁180を制御する(S220)。そうでない場合(S205においてYES)、ECU50は、流路FP1~FP3,BPの接続状態を第2状態から第3接続状態に切り替えるように五方弁180を制御する(S210)。その後、ECU50は、流路FP1~FP3,BPの接続状態を第3状態から第1接続状態に切り替えるように五方弁180を制御する(S215)。
【0067】
以上のように、実施の形態によれば、車室内の空調快適性の低下を抑制できる。
【0068】
<その他の変形例>
熱管理回路100が室内コンデンサを含む場合、電池回路160の熱媒体の熱がチラー142および室内コンデンサを介して車室に放熱されて車室が暖房されてもよい。
【0069】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0070】
1 熱管理システム、5 車両、50 ECU、100 熱管理回路、122 LTラジエータ、142 チラー、163 電池、180 五方弁、BP,FP1,FP2,FP3 流路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7