(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178566
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】コーヒーメーカー
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
A47J31/44 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096788
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 康幸
(72)【発明者】
【氏名】服部 和則
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA12
4B104BA53
4B104BA66
4B104BA77
4B104EA36
4B104EA40
(57)【要約】
【課題】サーバーを備えるコーヒーメーカーは、屋外へ持ち運ぶ場合や車両に搭載して持ち運ぶ場合に振動や衝撃によりサーバーがサーバー収容部から不用意に脱落しやすい。本開示ではサーバー式コーヒーメーカーの可搬性を良くすることを目的とする。
【解決手段】サーバー50は、ハンドル53が上面視でコーヒーメーカー1の最外郭Kよりも内周側に位置するようにサーバー収容部20に収容される。これによりハンドル53に周囲の部材等が干渉することが防止されて、サーバー収容部20からサーバー50が不用意に脱落することが防止される。これによりコーヒーメーカー1を屋外へ持ち出すことが可能となって持ち運び時の可搬性が改善される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒーメーカーであって、
抽出物を収容する抽出容器と、
水を加熱するヒータと、
前記ヒータで前記水を加熱することで発生した熱湯を利用して前記抽出物から抽出されたコーヒーを受けるサーバーと、
前記サーバーを取り出し可能に収容するサーバー収容部を有し、
前記サーバーは、前記サーバー収容部から取り出される際に使用されるハンドルを有し、抽出されたコーヒーを受けるセット位置に前記サーバーが設置された際に、上面視の前記コーヒーメーカーの最外郭よりも前記ハンドルが内周側に位置するコーヒーメーカー。
【請求項2】
請求項1のコーヒーメーカーであって、
前記サーバーを前記セット位置に保持するセット保持機構を有し、
前記セット保持機構は、前記サーバー収容部が形成されたハウジングと、前記サーバーの2部材の一方に設けられた凸部と、前記2部材の他方に設けられかつ前記凸部が解除可能に嵌合される凹部を有するコーヒーメーカー。
【請求項3】
請求項2記載のコーヒーメーカーであって、
前記凸部又は前記凹部の少なくも一方を嵌合状態において他方に向けて付勢する付勢部材を有するコーヒーメーカー。
【請求項4】
請求項3記載のコーヒーメーカーであって、
前記サーバーは、抽出されたコーヒーを受け入れる受入口と、前記受入口を開閉する開閉蓋と、前記開閉蓋と連動するボタンと、前記ボタンを上方に付勢する付勢部材を有し、
前記セット保持機構は、前記ボタンの上部に形成された前記凹部を有するコーヒーメーカー。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載のコーヒーメーカーであって、
前記サーバーが前記セット位置から取り出し方向に移動した際に前記サーバーの移動を規制する脱落規制機構を有し、前記脱落規制機構は、前記サーバー収容部を備えるハウジングに形成された規制凹部と、前記サーバーに形成され、前記規制凹部に解除可能に係合する規制凸部を有するコーヒーメーカー。
【請求項6】
請求項5記載のコーヒーメーカーであって、
前記サーバーは、抽出されたコーヒーを受け入れる受入口と、前記受入口を開閉する開閉蓋と、前記開閉蓋と連動するボタンを有し、
前記ボタンに前記規制凸部が設けられるコーヒーメーカー。
【請求項7】
請求項6記載のコーヒーメーカーであって、
前記サーバーは、前記ボタンから延出するレバーを有し、前記レバーの操作により前記ボタンが操作されて前記規制凸部が前記規制凹部から解除されるコーヒーメーカー。
【請求項8】
請求項5記載のコーヒーメーカーであって、
前記サーバーは、抽出されたコーヒーを受け入れる受入口と、前記受入口を開閉する開閉蓋と、前記開閉蓋と連動するボタンと、前記ボタンから延出するレバーを有し、
前記レバーに前記規制凸部が設けられ、前記レバーの操作により前記ボタンが操作され、かつ前記規制凸部が前記規制凹部から解除されるコーヒーメーカー。
【請求項9】
請求項7又は8記載のコーヒーメーカーであって、
前記サーバーは、前記レバーを上方に付勢する付勢部材を有し、前記レバーを押し下げることで前記規制凸部が前記規制凹部から解除されるコーヒーメーカー。
【請求項10】
請求項5~9のいずれか1つに記載のコーヒーメーカーであって、
前記規制凹部は、前記サーバーを前記セット位置から取り出し方向へ移動した際に、前記サーバーの前記規制凸部が通過する途中に位置するコーヒーメーカー。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1つに記載のコーヒーメーカーであって、
前記サーバー収容部を備えるハウジングを有し、
前記ハウジングには、前記サーバーを前記サーバー収容部から脱落することを規制するストッパまたは扉が移動可能に設けられているコーヒーメーカー。
【請求項12】
請求項11記載のコーヒーメーカーであって、
前記扉は、前記ハウジングに回動可能に設けられて前記サーバー収容部の開口を開閉するコーヒーメーカー。
【請求項13】
請求項12記載のコーヒーメーカーであって、
前記扉には、前記サーバー収容部の前記開口を密閉するシール部材が設けられるコーヒーメーカー。
【請求項14】
請求項13記載のコーヒーメーカーであって、
前記ストッパは、前記ハウジングに対して上下動可能に取り付けられ、前記サーバー収容部から前記サーバーを取り出す方向への移動を規制する脱落防止位置と、前記サーバー収容部から前記サーバーを取り出すことを許容する開放位置との間で移動可能であるコーヒーメーカー。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1つに記載のコーヒーメーカーであって、
電動工具用のバッテリが取り外し可能に装着されるバッテリ取付部を有し、
前記バッテリ取付部に取り付けた前記バッテリの電力を電源とするコーヒーメーカー。
【請求項16】
請求項15記載のコーヒーメーカーであって、
前記バッテリ取付部は、前記バッテリ取付部に取り付けられた前記バッテリが前記コーヒーメーカーのハウジングの下面にほぼ一致する高さに配置されるように設けられたコーヒーメーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば挽豆等の抽出物に熱湯を注いでコーヒーを抽出するコーヒーメーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、保温性及び保冷性の高いサーバー(ポット本体)にコーヒーが抽出されるサーバー式のコーヒーメーカーが記載されている。このコーヒーメーカーでは、サーバーの上部開口を塞ぐ外蓋と、外蓋の内周側を塞ぐ内蓋が設けられる。内蓋を開いてサーバーを抽出機器にセットすることで、抽出されたコーヒーが内蓋を経てサーバーに流入する。内蓋を閉じ、外蓋を開いてサーバーを傾けることで内部のコーヒーを注ぎ口から注ぐことができる。外蓋と内蓋をともに閉じておくことで、転倒時や車両搬送時の振動等により内部のコーヒーが洩れ出ることが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般にコーヒーメーカーは、抽出機器をテーブル等の平坦な部位に設置して、サーバーを抽出機器のサーバー収容部内のセット位置に載置することで利用される。このため振動や衝撃によってサーバーがサーバー収容部から外れやすいため、屋外への持ち運び時あるいは車両での搬送時にはサーバーを予め抽出機器から取り外して別の部位に保管しておく等の対策が求められる。この点で従来のコーヒーメーカーの持ち運び時の利便性を改善する必要があった。本開示では、サーバーの抽出機器からの不用意な脱落を防止するための対策を施して屋外への持ち運び時の利便性を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの局面によれば、例えばコーヒーメーカーは、抽出物を収容する抽出容器と、水を加熱するヒータと、ヒータで水を加熱することで発生した熱湯を利用して抽出物から抽出されたコーヒーを受けるサーバーと、サーバーを取り出し可能に収容するサーバー収容部を有する。例えばサーバーは、サーバー収容部から取り出される際に使用されるハンドルを有する。例えば抽出されたコーヒーを受けるセット位置にサーバーが設置された際に、上面視のコーヒーメーカーの最外郭よりもハンドルが内周側に位置する。
【0006】
従って、ハンドルに周囲の部材等が干渉することが防止されて、サーバー収容部からサーバーが不用意に脱落することが防止される。これによりサーバーをサーバー収容部に収容した状態のままコーヒーメーカーを屋外へ持ち出すことが可能となって持ち運び時の可搬性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図9】サーバーの上部のセット保持機構の縦断面図である。
【
図10】脱落規制機構の縦断面図である。本図はサーバーがセット位置に保持された状態を示している。
【
図11】脱落規制機構の縦断面図である。本図はサーバーがセット位置から取り出し方向に移動した状態を示している。
【
図12】
図5中XII-XII線断面矢視図であって、蒸気孔の縦断面図である。
【
図13】コーヒーメーカーの斜視図である。本図は、蓋を取り外した状態を示している。
【
図14】コーヒーメーカーの縦断面図である。本図では、抽出容器と給水タンクとサーバーがそれぞれ縦断面で示されている。
【
図16】蓋の下面側から見た斜視図である。本図では、給水タンク用の防水シートを取り付けた形態が示されている。
【
図17】蓋の下面側から見た斜視図である。本図では、給水タンク用の防水パッキンを取り付けた形態が示されている。
【
図18】コーヒーメーカーの全体斜視図である。本図は、サーバー収容部の開口に脱落防止用のストッパを取り付けた形態を示している。
【
図20】
図19中XX-XX線矢視図であって、ストッパ保持部の前面図である。
【
図23】さらに別形態のストッパの横断面図である。
【
図24】コーヒーメーカーの全体斜視図である。本図は、サーバー収容部の開口に扉を取り付けた形態を示している。
【
図25】コーヒーメーカーの縦断面図である。本図は、給水タンクに代えてペットボトルから給水する形態を示している。
【
図27】ペットボトルの接続口を差し込み式の給水弁に接続した状態の縦断面図である。
【
図28】コーヒーメーカーの右側面図である。本図は、回転式の給水弁にペットボトルを接続した状態であって、ペットボトルを脱着位置に位置させた状態を示している。
【
図29】コーヒーメーカーの右側面図である。本図は、回転式の給水弁にペットボトルを接続した状態であって、ペットボトルを給水位置に回転させた状態を示している。
【
図30】回転式の給水弁の動作状態を示す図である。本図において、左側は脱着位置を示し、右側は給水位置を示している。
【
図31】コーヒーメーカーの右側面図である。本図は、別形態の回転式の給水弁にペットボトルを接続した状態であって、ペットボトルを脱着位置に位置させた状態を示している。
【
図32】コーヒーメーカーの右側面図である。本図は、別形態の回転式の給水弁にペットボトルを接続した状態であって、ペットボトルを給水位置に回転させた状態を示している。
【
図33】エスプレッソ抽出用の蓋を備えたコーヒーメーカーの上部の縦断面図である。本図は、蒸気弁を閉じた状態を示している。
【
図34】エスプレッソ抽出用の蓋を備えたコーヒーメーカーの上部の縦断面図である。本図は、蒸気弁を開いた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えばサーバーをセット位置に保持するセット保持機構を有する。例えばセット保持機構は、サーバー収容部が形成されたハウジングと、サーバーの2部材の一方に設けられた凸部と、2部材の他方に設けられかつ凸部が解除可能に嵌合される凹部を有する。従って、セット保持機構によりサーバー収容部からサーバーが不用意に脱落することが防止される。この点でも持ち運び時の利便性が改善される。
【0009】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば凸部又は凹部の少なくも一方を嵌合状態において他方に向けて付勢する付勢部材を有する。従って、付勢部材の付勢力により凸部と凹部の嵌合状態が維持される。
【0010】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えばサーバーは、抽出されたコーヒーを受け入れる受入口と、受入口を開閉する開閉蓋と、開閉蓋と連動するボタンと、ボタンを上方に付勢する付勢部材を有する。例えばセット保持機構は、ボタンの上部に形成された凹部を有する。従って、ボタンが付勢力に抗して下方へ押し下げられてセット保持機構の凹部と凸部が嵌合される。
【0011】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えばサーバーがセット位置から取り出し方向に移動した際にサーバーの移動を規制する脱落規制機構を有する。例えば脱落規制機構は、サーバー収容部を備えるハウジングに形成された規制凹部と、サーバーに形成され、規制凹部に解除可能に係合する規制凸部を有する。従って、セット位置から移動したサーバーがサーバー収容部から不用意に脱落することが防止される。
【0012】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えばサーバーは、抽出されたコーヒーを受け入れる受入口と、受入口を開閉する開閉蓋と、開閉蓋と連動するボタンを有する。例えばボタンに規制凸部が設けられる。従って、サーバーがセット位置から移動してボタンの規制凸部がサーバー収容部の規制凹部に係合されることでサーバーの脱落が防止される。
【0013】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えばサーバーは、ボタンから延出するレバーを有する。例えばレバーの操作によりボタンが操作されて規制凸部が規制凹部から解除される。従って、レバーの操作によりサーバーをサーバー収容部から取り出すことができる。
【0014】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えばサーバーは、抽出されたコーヒーを受け入れる受入口と、受入口を開閉する開閉蓋と、開閉蓋と連動するボタンと、ボタンから延出するレバーを有する。例えば、レバーに規制凸部が設けられ、レバーの操作によりボタンが操作され、かつ規制凸部が規制凹部から解除される。従って、サーバーがセット位置から移動してレバーの規制凸部がサーバー収容部の規制凹部に係合されることでサーバーの脱落が防止される。レバーの操作によりサーバーをサーバー収容部から取り出すことができる。
【0015】
1つ又はそれ以上の実施態様において、サーバーは、レバーを上方に付勢する付勢部材を有する。例えばレバーを押し下げることで規制凸部が規制凹部から解除される。従って、付勢部材の付勢力に抗してレバーを押し下げることでサーバーをサーバー収容部から取り出すことができる。
【0016】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば規制凹部は、サーバーをセット位置から取り出し方向へ移動した際に、サーバーの規制凸部が通過する途中に位置する。従って、サーバーの移動途中に規制凸部が規制凹部に係合されることで、サーバー収容部からサーバーが脱落することが防止される。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えばサーバー収容部を備えるハウジングを有する。例えばハウジングには、サーバーをサーバー収容部から脱落することを規制するストッパまたは扉が移動可能に設けられている。従って、ストッパまたは扉によりサーバーの不用意な脱落が規制される。
【0018】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば扉は、ハウジングに回動可能に設けられてサーバー収容部の開口を開閉する。従って、扉を回動させることでサーバー収容部の開口が開閉される。
【0019】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば扉には、サーバー収容部の開口を密閉するシール部材が設けられる。従って、サーバー収容部内の防塵性が高められる。
【0020】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えばストッパは、ハウジングに対して上下動可能に取り付けられている。例えばストッパは、サーバー収容部からサーバーを取り出す方向への移動を規制する脱落防止位置と、サーバー収容部からサーバーを取り出すことを許容する開放位置との間で移動可能である。従って、ストッパを上下動させることでサーバー収容部の開口が開閉される。ストッパを脱落防止位置に移動させることでサーバーの不用意な脱落が防止される。ストッパを開放位置に移動させることでサーバーを取り出すことができる。
【0021】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えば電動工具用のバッテリが取り外し可能に装着されるバッテリ取付部を有する。例えばバッテリ取付部に取り付けたバッテリの電力が電源とされる。従って、電動工具用バッテリを取り付けることで電力供給がなされる。
【0022】
1つ又はそれ以上の実施態様において、例えばバッテリ取付部は、バッテリ取付部に取り付けられたバッテリがコーヒーメーカーのハウジングの下面にほぼ一致する高さに配置されるように設けられる。従って、バッテリ取付部に取り付けたバッテリの下面が脚部として機能することによりコーヒーメーカーの転倒が防止される。
【実施例0023】
図1,2に示すようにコーヒーメーカー1は、抽出機器10と、抽出したコーヒーを貯留するサーバー50を有する。抽出機器10は、概ね角柱体形のハウジング11を有する。ハウジング11は上方に開放されている。ハウジング11の上部開口は矩形の蓋12により閉じられる。蓋12は、後部側に設けた左右のヒンジ部12d(
図16,17参照)を中心にして上下に回動させることで開閉される。
【0024】
図7,13,14に示すようにハウジング11の内部に、抽出物2(挽いたコーヒー豆、
図33,34参照)を収容する抽出容器13と、給水タンク14と、給水タンク14から給水される水を加熱するヒータ15と、ヒータ15で加熱された水(熱湯)を抽出容器13内に滴下するノズル16を有する。コーヒーメーカー1への電力供給は後述するバッテリ31,32,34からの直流電源、若しくは図示省略した電源コードを電源コンセントに接続して供給される交流電源の何れかを選択して利用できる。抽出容器13は、ドリッパとも称されるもので、逆円錐形を有し、下部に抽出弁13aを有する。抽出容器13の内面に沿って例えば紙製フィルタが敷かれ、その内部に適量の抽出物2が収容される。コーヒーメーカー1は、例えばテーブル等の設置面T上に設置して用いられる。
【0025】
図1,4,5,12に示すように蓋12の中央には一段低い矩形の凹部12aが設けられている。凹部12aの周縁に沿って傾斜面12bが設けられている。傾斜面12bに複数の蒸気孔12cが設けられている。各蒸気孔12cは、傾斜方向に沿って長い溝孔形状を有している。
図12に示すように各蒸気孔12cから噴き出す蒸気Sは、例えば傾斜面12bに沿って凹部12a内に滴下する。
【0026】
図7,14,16,17に示すように蓋12の内面には、円錐台形の給水受け部12eが設けられている。給水受け部12eは、抽出容器13に対してほぼ同心円状となる位置に設けられている。給水受け部12eの中央に複数の給水孔12fが設けられている。給水受け部12eの後部にはノズル16が進入されるノズル口12gが設けられている。ノズル16は上下に回動可能に設けられている。これによりノズル口12gにノズル16が進入させた状態のままで蓋12を上下に回動させて開閉可能となっている。ノズル16から流出する熱湯が給水受け部12eで受けられる。給水受け部12eに受けられた熱湯は給水孔12fを経て抽出容器13内に滴下される。滴下した熱湯により抽出物2(
図33,34参照)が蒸らされる。
【0027】
図1,2,5,7に示すようにハウジング11の前面上部に複数の押しボタン式のスイッチ17aを含む操作パネル17が配置されている。ハウジング11の前面に給水タンク14内の水の残量を示す残量表示部18が設けられている。
【0028】
蓋12の後方であって、ハウジング11の上部には、持ち運び時に把持するハンドル19が設けられている。ハンドル19はU字形を有し、左右のヒンジ部19aを介して上下に回動可能に設けられている。ハンドル19は上方へ回動して起立させることで使用者が把持できる。ハンドル19は下方へ回動させることでハウジング11の上部開口に沿った位置に収納できる。
【0029】
ハウジング11の前面にフロントパネル27が結合されている。ハウジング11の前面に、サーバー50を通過させる開口20aが設けられている。開口20aの奥部(後方)に、サーバー50を取り出し可能に収容するサーバー収容部20を有する。この明細書においてコーヒーメーカー1の前後方向については、操作者が位置する開口20a側を前側とし、サーバー収容部20の奥部を後方とする。左右方向及び上下方向については操作者を基準とする。
【0030】
図7に示すようにサーバー収容部20の上方に抽出容器13が収容される。抽出容器13の下部には閉じ方向にばね付勢された抽出弁13aが設けられている。サーバー収容部20の奥部(後方)にレバー22が設けられている。サーバー50がサーバー収容部20のセット位置に収容されるとレバー22の下部22aが後方に押される。レバー22は引っ張りばね22bより下部22aをサーバー収容部20内に変位させる方向に付勢されている。引っ張りばね22bの付勢力に抗して押されたレバー22により抽出弁13aが開かれる。抽出弁13aは圧縮ばね13bにより閉じ方向に付勢されている。抽出弁13aが開かれることで、抽出されたコーヒーが抽出容器13の下部から滴下される。抽出容器13の下部から滴下されるコーヒーがサーバー50に受けられる。
【0031】
図6,7に示すようにサーバー50は、保温性及び保冷性の高いステンレス製真空二重構造の本体51と、本体51の上部の開口51aを塞ぐ蓋52を有する。開口51aに受け口51bが後方へ突き出す状態に設けられている。本体51の上部にはL字形のハンドル53が設けられている。ハンドル53は本体51の上部から下方に向けて延在されている。ハンドル53を把持してサーバー50をサーバー収容部20に進退させることができる。
【0032】
図8に示すように蓋52は本体51の開口51aにねじ結合により脱着可能に取り付けられる。蓋52は回転させることで開口51aに取り付け、取り外しされる。蓋52には本体51の開口51aを開閉するサーバー弁52aが設けられている。サーバー弁52aはボタン52bの上下動により開閉される。ボタン52bは蓋52の上方へ突き出している。ボタン52bは圧縮ばね52cにより上方へ突き出す方向に付勢されている。圧縮ばね52cに抗してボタン52bが下方へ押し下げられるとサーバー弁52aが開き側に移動して開口51aが開かれる。サーバー弁52aは開かれた状態に保持される。サーバー弁52aが開かれた状態で、受け口51bを経て抽出されたコーヒーが本体51内に流入される。サーバー弁52aが開かれた状態で、本体51が傾けられると内部のコーヒーが受け口51bから流出される。
【0033】
サーバー弁52aが開かれた状態でボタン52bが圧縮ばね52cに抗して再度押し下げられるとサーバー弁52aが閉じられる。サーバー弁52aは、ボタン52bのプッシュプッシュ機構により開閉される。ボタン52bにはレバー52dが一体に設けられている。レバー52dは受け口51bとは反対方向(前方)に突き出されている。ハンドル53を把持した手の例えば親指でレバー52dを圧縮ばね52cに抗して押し下げることでボタン52bが下方へ変位してサーバー弁52aが開かれる。再度レバー52dが押し下げられると、サーバー弁52aが閉じられる。
【0034】
サーバー収容部20の上部に、天板部21が設けられている。サーバー収容部20にサーバー50を収容すると天板部21によりボタン52bが圧縮ばね52cに抗して下方へ押し下げられる。これによりサーバー弁52aが開かれる。サーバー50がサーバー収容部20の奥部(セット位置)にセットされると、レバー22を介して抽出容器13の抽出弁13aが開かれる。これにより抽出容器13から受け口51bを経てサーバー50内にコーヒーが流入される。サーバー50をサーバー収容部20から取り出すと天板部21によるボタン52bの押し下げが解除されるためサーバー弁52aが閉じられる。
【0035】
図9に示すように天板部21に凸部21aが設けられている。ボタン52bの上部には1つの凹部52eが設けられている。サーバー50がセット位置にセットされると、ボタン52bの凹部52eにサーバー収容部20側の凸部21aが嵌まり込む。この嵌まり込み状態は、ボタン52bを上方へ付勢する圧縮ばね52cにより保持される。上方へばね付勢されたボタン52bと凸部21aがサーバー50をセット位置に保持するためのセット保持機構55を構成する。凸部21aを下方に向けてばね付勢する構成としてもよい。何れか一方又は双方のばね付勢力により凸部21aと凹部52eの嵌まり込み状態が保持されて、サーバー50がセット位置に保持される。
【0036】
図7に示すようにサーバー収容部20の底部には一段高い円形の凸部20bが設けられている。サーバー50の底部外面には一段低い円形の凹部51cが設けられている。サーバー50がセット位置にセットされると、凹部51c内に凸部20bがほぼ隙間なく嵌まり込む。これによりサーバー50がセット位置において前後左右に位置ずれしないように保持される。サーバー50の凹部51cとサーバー収容部20の凸部20bが、サーバー50をセット位置に保持するためのセット保持機構55を構成する。サーバー50は上下のセット保持機構55によりセット位置に保持される。
【0037】
図3,5に示すようにサーバー50がサーバー収容部20のセット位置にセットされると、ハンドル53が平面的に見て(上面視で)ハウジング11の最外郭Kよりも内側に位置される。これによりハンドル53を含めたサーバー50の全体がサーバー収容部20からはみ出さない状態となる。ハンドル53がサーバー収容部20からはみ出さないことにより、コーヒーメーカー1を例えば屋外へ持ち出す場合において、ハンドル53に他者の手が触れたり、他の搬送物が干渉したりすることが抑制される。これによりサーバー50のサーバー収容部20からの不用意な脱落が防止される。
【0038】
図10,11に示すようにサーバー収容部20の天板部21には、サーバー50の取り出し方向への移動を規制する脱落規制機構23が設けられている。脱落規制機構23は、天板部21に形成された規制凹部23aを有する。規制凹部23aに、サーバー50のボタン52b(規制凸部)が解除可能に係合される。
図11に示すようにサーバー50がセット位置から外れて取り出し方向(開口20a側)に移動すると、規制凹部23aにボタン52b(規制凸部)が凹凸嵌合される。これによりサーバー50のそれ以上の取り出し方向へ移動が規制される。サーバー50の取り出し方向への移動途中において、脱落規制機構23により移動が規制されることにより、サーバー50のサーバー収容部20からの不用意な脱落がより一層確実に防止される。
【0039】
規制凹部23aにボタン52bが凹凸嵌合された状態では、操作者がハンドル53を把持しつつレバー52dを押し下げてボタン52bを規制凹部23aから離脱させることで、サーバー50をサーバー収容部20から取り出すことができる。
【0040】
規制凹部23aの後部側には後方へ下る方向に傾斜する案内面23bが形成されている。サーバー50が開口20aを経てサーバー収容部20の奥部へ移動させる際に、ボタン52b(規制凸部)が規制凹部23aに進入した場合であってもそのままサーバー50を押すことでボタン52bが案内面23bに案内されて押し込まれる。これによりサーバー50がセット位置までスムーズに移動する。
【0041】
脱落規制機構23の規制凹部23aに係合させる規制凸部を上記例示したようにボタン52bとする構成に代えて、レバー52dに規制凸部(図示省略)を設ける構成としてもよい。サーバー収容部20の規制凹部23aの位置に応じて、規制凸部を適切な位置に設けることで、サーバー50の不用意な脱落(セット位置からの変位)が早い段階で規制されるようにすることができる。この場合も、レバー52dを押し下げて規制凸部を規制凹部23aから離脱させることでサーバー50サーバー収容部20から取り出すことができる。
【0042】
レバー52dに設けた規制凸部とボタン52bの双方を規制凸部として規制凹部23aに係合させる構成としてもよい。これによりサーバー50のよりサーバー収容部20からの不用意な離脱が確実に防止される。いずれの構成の場合もレバー52dの押し下げにより規制凸部を規制凹部23aから離脱させることでサーバー収容部20からサーバー50をスムーズに取り出すことができる。
【0043】
図3,4に示すようにハウジング11の後面下部に、電源としてバッテリを取り付けることができる。ハウジング11の後面下部に3つのスライド取り付け形式のバッテリ取付部31~33が設けられている。各バッテリ取付部31~33にそれぞれスライド取り付け形式のバッテリ35(36)を1つずつ取り付けることができる。
【0044】
3つのバッテリ取付部31~33のうち、左右両側のバッテリ取付部31,33には、例えば出力電圧18Vのバッテリ35を2つ同時に取り付けることができる。2つのバッテリ35の電力がヒータ15の電源として給電される。中央のバッテリ取付部32には、例えば出力電圧36Vのバッテリ36を取り付けることができる。
【0045】
バッテリ36は左右のバッテリ取付部31,33からバッテリ35を取り外した状態でのみ中央のバッテリ取付部32に取り付け可能となっている。バッテリ36を中央のバッテリ取付部32に取り付けた状態では、左右のバッテリ取付部31,33にバッテリ35を取り付けることできない。出力電圧の異なる2種類のバッテリ35,36が相互に干渉して取り付けることができないことで排他使用されるようになっている。
【0046】
3つのバッテリ35(36)には、いずれもスライド取り付け形式のリチウムイオンバッテリが用いられる。バッテリ35(36)はバッテリ取付部31~33に対して下方へスライドさせて取り付けられる。バッテリ35(36)はバッテリ取付部31~33に対して上方へスライドさせて取り外される。取り外されたバッテリ35(36)は、別途用意した充電器で充電することで再使用することができる。取り外したバッテリ35(36)は、他の電動工具に電源として取り付け可能である。
【0047】
図3に示すようにバッテリ35若しくはバッテリ36は、いずれもその下面をハウジング11の下面にほぼ一致させた高さに取り付けられる。ハウジング11の下面には、5つのゴム製の脚部25と転倒検知スイッチ26が設けられている。取り付けたバッテリ35若しくはバッテリ36が下面をハウジング11の底面にほぼ一致させて後方へ張り出す状態に取り付けられることで、コーヒーメーカー1が転倒しにくくなる。これによりコーヒーメーカー1の設置の安定性が確保される。重量の大きなバッテリ35,36が設置面Tに近接して取り付けられることで抽出機器10の重心が下方に位置する。これによってもコーヒーメーカー1の設置の安定性が高められる。
【0048】
図13,14に示すように給水タンク14の開口付近に、タンク単体での持ち運び用のハンドル14dが設けられている。ハンドル14dは上下に回動させて取り出し、収納可能に設けられている。
図15に示すように給水タンク14には独自の蓋14aを取り付けることができる。蓋14aにより抽出機器10の持ち運び時の水漏れが防止される。蓋14aに代えて、例えば
図16に示すように抽出機器10の蓋12の内面に防水シート14bを貼り付けておくことができる。蓋12を閉じると防水シート14bにより給水タンク14の開口が水密に塞がれる。これによっても持ち運び時の給水タンク14の水漏れが防止される。
図17に示すように防水シート14bに代えてリング状の防水パッキン14cを蓋12の内面に貼り付けておくことができる。蓋12を閉じると防水パッキン14cが給水タンク14の開口に沿って押し当てられることで、持ち運び時の給水タンク14の水漏れが防止される。
【0049】
蓋12の内面に防水シート14b若しくは防水パッキン14cを貼り付けておくことで、蓋12を閉じれば給水タンク14の水漏れが防止される状態になる。これにより給水タンク14に独自の蓋14aを開閉する手間をかける必要がない。また蓋14aの場合における閉め忘れのトラブルが回避される。これらの点で、給水タンク14の使い勝手が高められる。
【0050】
図18,19に示すようにサーバー収容部20の開口20aにストッパ40を取り付けることができる。ストッパ40は帯板形状を有して、開口20aの左右縁間に跨って設けられている。ストッパ40により開口20aが塞がれることで、サーバー収容部20からサーバー50が不用意に脱落することが防止される。
【0051】
ストッパ40の左右端部は、ハウジング11の前面に設けた案内溝43に支持されている。案内溝43は、ハウジング11の前面に結合したフロントパネル27の端縁とハウジング11の端縁との間に沿って設けられている。左右の案内溝43は上下に長く延在され、相互に平行に設けられている。左右の案内溝43によりストッパ40は上下に平行可能に設けられている。ストッパ40の長手方向の中央部は緩やかに前方へ膨らむ方向に湾曲している。ストッパ40がサーバー50のハンドル53に当接されることで、サーバー50のセット位置でのガタツキが抑制される。
【0052】
図19に示すようにストッパ40の左右端部に、それぞれL字形に屈曲する支持部40aが設けられている。左右の支持部40aは相互に離間する方向に屈曲されている。支持部40aが案内溝43内に保持されている。
図20,21に示すように案内溝43の底部43a(フロントパネル27の端縁)にはU字形の打ち抜き43dにより板厚方向に弾性を有する係合部43bが設けられている。係合部43bの前面に係合凸部43cが設けられている。左右の係合部43b及び係合凸部43cは、ストッパ40がサーバー50のハンドル53に当接される位置(脱落防止位置)に保持されることとなる高さ位置に設定されている。
【0053】
係合凸部43cの上側に支持部40aが位置することでストッパ40が脱落防止位置(
図20,21中上側に示す位置)に保持される。ストッパ40は使用者の押し下げ操作により脱落防止位置から下方の開放位置に移動させることができる。ストッパ40は押し下げ操作されると、左右の係合部43bを弾性的に後方へ変位させつつ支持部40aが下方(
図20,21中下側に示す位置)へ変位することで、係合部43bによる係合状態が解除されてストッパ40を下方へ移動させることができる。ストッパ40が下方の開放位置に移動されると、開口20aが全開されてサーバー50をサーバー収容部20に出し入れ可能となる。
【0054】
ストッパ40は下方の使用者の押し上げ操作により下方の開放位置から上方の脱落防止位置に移動させることができる。押し上げ操作により左右の支持部40aがそれぞれ係合部43bを弾性的に後方へ変位させることで、ストッパ40が上側の脱落防止位置に移動される。
【0055】
係合凸部43cは前方へ突き出す山形を有している。係合凸部43cの下面は上面側よりも傾斜角度が緩やかになっている。これにより、係合凸部43cの上面側によるストッパ40(支持部40a)の脱落防止位置での保持力が確保される一方、係合凸部43cの下面側に支持部40aが摺接されることでストッパ40の下方から上方へのスムーズな通過が許容される。係合凸部43cは、山形あるいは三角形に代えて半円柱形あるいは半球形に変更してもよい。ストッパ40の位置保持をするための保持機構は上記例示した係合凸部43cに代えて、例えば抜き差しするストッパピンあるいはマグネットを用いる構成としてもよい。
【0056】
図18に示すように左右の案内溝43を開口20aの上方へ延在させることで、ストッパ40を脱落防止位置から上方へスライドさせて開口20aが全開される状態とすることができる。開口20aの上方に開放位置を設定する場合には、上記例示した係合部43b及び係合凸部43cを脱落防止位置に加えて左右の案内溝43の上方にも設定することで、ストッパ40が上方の開放位置に保持されるようにすることができる。ストッパ40の開放位置は、開口20aの上方又は下方あるいは双方に設けることができる。
【0057】
以上説明したストッパ40によりサーバー収容部20の開口20aが部分的に塞がれることでサーバー50の不用意な脱落が未然に回避される。これによりコーヒーメーカー1を屋外へ持ち出す場合や車両にて持ち運ぶ場合に振動や衝撃等によるサーバー50の脱落が防止されることから、コーヒーメーカー1の可搬性が一層高められる。
【0058】
ストッパ40の案内溝43に対する支持構造には変更を加えることができる。例えば
図22に示すようにストッパ41の左右の支持部41aは相互に接近する方向に屈曲されている。左右の支持部41aがフロントパネル27の端縁に係合されることで、ストッパ41が上下にスライド可能に支持される。
図23に示す支持構造では、フロントパネル27に設けた上下方向の案内溝27aに沿ってストッパ42の支持部42aがスライド可能に支持されている。
【0059】
帯板形のストッパ40,41,42に代えて、例えば
図24に示すようにサーバー収容部20の開口20aを扉45で開閉する構成としてもよい。扉45はヒンジ部45aを介して左右に回転可能に支持されている。扉45の内面には鉄板45bが取り付けられている。開口20aの右側部にはマグネット45cが取り付けられている。鉄板45bがマグネット45cで吸着されることで、扉45が閉じ位置に保持される。扉45が閉じられると、サーバー50のハンドル53が扉45にほぼ当接した状態となる。これによりサーバー50のセット位置からの位置ずれが規制される。閉じられた扉45によりサーバー50のサーバー収容部20からの不用意な脱落が防止される。
【0060】
扉45の内面に、例えばゴム製のシール部材45dが取り付けられている。シール部材45dは、扉45の周縁に沿ってほぼ全周にわたる範囲に取り付けられている。扉45が閉じられるとシール部材45dが開口20aの周縁に押圧される。これによりサーバー収容部20の高い防塵性が確保される。シール部材45dは開口20aの周縁に沿って取り付けてもよい。
【0061】
以上説明した実施例によれば、サーバー収容部20にサーバー50を収容した状態では、サーバー50のハンドル53が上面視でコーヒーメーカー1の最外郭Kよりも内周側に位置する(はみ出さない)。このため、ハンドル53に周囲の部材等が干渉することが防止されて、サーバー収容部20からサーバー50が不用意に脱落することが防止される。これによりサーバー50をサーバー収容部20に収容した状態のままコーヒーメーカー1を屋外へ持ち出すことが可能となって持ち運び時の利便性が改善される。
【0062】
実施例によれば、サーバー50をセット位置に保持するセット保持機構55を有する。従って、セット保持機構55によりサーバー収容部20からサーバー50が不用意に脱落することが防止される。この点でも持ち運び時の利便性が改善される。
【0063】
実施例によれば、凸部21a又は凹部52eの少なくも一方を嵌合状態において他方に向けて付勢する圧縮ばね52cを有する。従って、圧縮ばね52cの付勢力により凸部21aと凹部52eの嵌合状態が維持される。
【0064】
実施例によれば、サーバー50のボタン52bの上部に凹部52eを有する。従って、ボタン52bが圧縮ばね52cの付勢力に抗して下方へ押し下げられてセット保持機構55の凹部52eと凸部21aが嵌合される。
【0065】
実施例によれば、サーバー50の取り出し方向への移動を規制する脱落規制機構23を有する。脱落規制機構23によりセット位置から移動したサーバー50がサーバー収容部20から不用意に脱落することが防止される。これによりコーヒーメーカー1の可搬性を一層高めることができる。
【0066】
実施例によれば、サーバー50のボタン52bに脱落規制機構23の規制凸部が設けられる。従って、サーバー50がセット位置から移動してボタン52b(規制凸部)がサーバー収容部20の規制凹部23aに係合されることでサーバー50の脱落が防止される。
【0067】
実施例によれば、レバー52dの操作により規制凸部(ボタン52b)が規制凹部23aから解除される。従って、レバー52dの操作によりサーバー50をサーバー収容部20から取り出すことができる。
【0068】
実施例によれば、レバー52dに規制凸部を設ける構成としてもよい。この場合もサーバー50がセット位置から移動してレバー52dの規制凸部がサーバー収容部20の規制凹部23aに係合されることでサーバー50の脱落が防止される。レバー52dの操作によりサーバー50をサーバー収容部20から取り出すことができる。
【0069】
実施例によれば、ボタン52b及びレバー52dは圧縮ばね52cにより上方に付勢されている。レバー52dを押し下げることで規制凸部が規制凹部23aから解除される。これにより、サーバー50をサーバー収容部20から取り出すことができる。
【0070】
実施例によれば、規制凹部23aは、サーバー50をセット位置から取り出し方向へ移動した際に、サーバー50の規制凸部(ボタン52b又はレバー52d)が通過する途中に位置する。従って、サーバー50の移動途中に規制凸部が規制凹部23aに係合されることで、サーバー収容部20からサーバー50が脱落することが防止される。
【0071】
実施例によれば、ハウジング11には、サーバー50をサーバー収容部20から脱落することを規制するストッパ40(41,42)または扉45が移動可能に設けられている。従って、ストッパ40(41,42)または扉45によりサーバー50の不用意な脱落が規制される。
【0072】
実施例によれば、扉45は、ハウジング11に回動可能に設けられてサーバー収容部20の開口20aを開閉する。従って、扉45を回動させることでサーバー収容部20の開口20aが開閉される。扉45によりサーバー収容部20の防塵性が高められる。
【0073】
実施例によれば、扉にシール部材45dが設けられる。従って、サーバー収容部20内の防塵性が一層高められる。
【0074】
実施例によれば、ストッパ40(41,42)は、ハウジング11に対して上下動可能に取り付けられている。ストッパ40(41,42)は、サーバー収容部20からサーバー50を取り出す方向への移動を規制する脱落防止位置と、サーバー収容部20からサーバー50を取り出すことを許容する開放位置との間で移動可能である。従って、ストッパ40(41,42)を上下動させることでサーバー収容部の開口が開閉される。ストッパ40(41,42)を脱落防止位置に移動させることでサーバー50の不用意な脱落が防止される。ストッパ40(41,42)を開放位置に移動させることでサーバー50をサーバー収容部20から取り出すことができる。
【0075】
実施例によれば、コーヒーメーカー1は電動工具用バッテリ35,36が取り外し可能に装着されるバッテリ取付部31,32,33を有する。従って、電動工具用バッテリ35,36を取り付けることで電力供給がなされる。
【0076】
実施例によれば、バッテリ取付部31,32,33は、バッテリ取付部31,32,33に取り付けられたバッテリ35,36がコーヒーメーカー1の転倒防止用脚部として機能するように下位置に位置する。従って、バッテリ取付部31,32,33に取り付けたバッテリ35,36によりコーヒーメーカー1の転倒が防止される。これによりコーヒーメーカー1の設置の安定性が高められる。
【0077】
実施例には種々変更を加えることができる。例えば
図25にはペットボトル61を給水タンクとして利用するコーヒーメーカー60が示されている。変更を要しない部材及び構成については同位の符号を用いてその説明を省略する。ペットボトル61は、給水タンク14を収容するタンク収容部63に取り付けられる。タンク収容部63に収容可能なサイズのペットボトル61を利用することで蓋12によりタンク収容部63を閉じることができる。
【0078】
図26に示すようにペットボトル61の飲み口61aに接続具65が取り付けられる。接続具65は結合キャップ65aとスプール65bを有する。結合キャップ65aが飲み口61aのキャップ(図示省略)と同じくねじ結合される。スプール65bは、結合キャップ65aの挿通孔65fに軸方向に変位可能に支持されている。スプール65bは圧縮ばね65cにより下方へ変位する方向に付勢されている。スプール65bの上部にシール部材65dが装着されている。スプール65bには平面部65eが設けられている。スプール65bが圧縮ばね65cにより下方の閉じ位置に位置する状態では、シール部材65dが挿通孔65fに当接して接続具65が閉じられる。接続具65の閉じ状態ではペットボトル61の水が給水されない。
【0079】
図27に示すように圧縮ばね65cに抗してスプール65bが上方へ押し込まれると、シール部材65dが挿通孔65fから離間するとともに、平面部65eが挿通孔65fを経て結合キャップ65a内に進入する。これにより接続具65が開かれる。接続具65が開かれるとペットボトル61内の水が給水される。結合キャップ65aの下面に円筒形の差し込み口65gが設けられている。
【0080】
図25,27に示すようにタンク収容部63の底部63aに受け口62が設けられている。受け口62は、円形の差し込み孔62aと円筒形の本体部62bを有する。本体部62bの上面中心に当円筒形の当接部62cが設けられている。当接部62cの周囲に複数の給水孔62dが設けられている。差し込み孔62aに接続具65の差し込み口65gが差し込まれると、当接部62cによりスプール65bが押し上げられる。これにより接続具65が開かれる。接続具65が開かれるとペットボトル61内の水が挿通孔65fと給水孔62dを経てヒータ15側に流入する。
【0081】
本体部62bの下面中心に円筒形の保持部に球体を保持した逆止弁62eが設けられている。逆止弁62eを経て受け口62にヒータホース15aが接続されている。逆止弁62eにより水沸騰時のペットボトル61側へ逆流が防止される。
【0082】
図28,29には、別形態のペットボトル式のコーヒーメーカー70が示されている。変更を要しない部材及び構成については同位の符号を用いてその説明を省略する。タンク収容部の底部には受け口72が回転可能に設けられている。受け口72はヒータ15のヒータホース15aが接続されている。
【0083】
ハウジング11の例えば右側部には円板形の摘みダイヤル73が設けられている。摘みダイヤル73の外面には平板形の摘み部73cが設けられている。摘みダイヤル73は受け口72に連結されている。使用者が摘み部73cを把持して摘みダイヤル73を回転操作することで受け口72を上向きに開口する給水位置と下向きに開口する取付位置との間で回転させることができる。
図28に示すように受け口72を下向きの取付位置に位置させた状態で受け口72にペットボトル71が接続される。ペットボトル71の飲み口には前記例示した接続具65が取り付けられる。接続具65を介してペットボトル71が受け口72に接続される。受け口72に接続されることで接続具65が開かれる。
【0084】
図29に示すように使用者が摘み部73cを把持して摘みダイヤル73を図示反時計回り方向に半周程度回転操作することで受け口72が給水位置に移動するとともに、ペットボトル71が上下反転した給水姿勢に移動する。これによりペットボトル71から給水可能な状態となる。なお、ペットボトル71の脱着操作及び移動経路を確保するためハウジング11の後部と蓋12の一部について開口部が設けられる。
【0085】
図30に示すように摘みダイヤル73の周囲に2つストッパ部73a,73bが設けられている。ハウジング11の外面には突起74が一体に設けられている。
図30中左側に受け口72が取付位置に位置された状態が示されている。この状態では摘みダイヤル73の第1ストッパ部73aが突起74に対して下方から当接される。これにより取り付けたペットボトル71が上下に起立する取付姿勢に保持される。
【0086】
図30中右側に示すように摘みダイヤル73を図示反時計回り方向に回転させることでペットボトル71が上下反転姿勢に移動する。ペットボトル71の反転姿勢は突起74に対して第2ストッパ部73bが上方から当接されることで保持される。例えばペットボトル71は垂線Gをわずかに超えた傾斜姿勢に保持される。このため、摘みダイヤル73は
図30中左側に示す位置から半周を超える角度だけ回転操作される。これによりペットボトル71が取付姿勢から給水姿勢に移動する。
【0087】
図31,32には別形態の受け口82を備えたコーヒーメーカー80が示されている。変更を要しない部材及び構成については同位の符号を用いてその説明を省略する。タンク収容部84に受け口82が設けられている。受け口82に前記例示した接続具65を介してペットボトル81が接続される。
【0088】
受け口82は支軸部82aを介して上下に回転可能に設けられている。上記例示した受け口72と同じく下向きに開口する取付位置と上向きに開口する給水位置との間で回転させることができる。受け口82には第1ストッパ凹部82bと第2ストッパ凹部82cが設けられている。第1ストッパ凹部82bと第2ストッパ凹部82cは支軸部82aに対して相互に反対側に配置されている。第1ストッパ凹部82bと第2ストッパ凹部82cは
図31において下面と右側面に跨って開口する状態に設けられている。第1ストッパ凹部82bの上下方向の深さは、第2ストッパ凹部82cの上下方向の深さよりも浅くなっている。
【0089】
タンク収容部84の例えば右側部に突起83が設けられている。
図31に示すように取り付けたペットボトル81が上下に起立する取付姿勢では、第1ストッパ凹部82b内に突起83が進入した状態となる。これによりペットボトル81が
図31において時計回り方向へ回転することが規制される。
【0090】
図31に示す取付姿勢からペットボトル81を
図32に示す給水姿勢に回転させる。ペットボトル81の回転操作は例えば使用者の手操作によりなされる。これにより受け口82が支軸部82aを中心にして回転する。受け口82が上下ほぼ反転する位置まで回転されると、第2ストッパ凹部82c内に突起83が相対的に進入する。第2ストッパ凹部82cの底部に突起83が当接する状態まで受け口82が回転される。これによりペットボトル81が上下ほぼ反転した給水姿勢に保持される。前記と同様ペットボトル81は垂線Gをわずかに超えた傾斜姿勢に保持される。給水姿勢が垂線Gに対して傾斜姿勢となるように第2ストッパ凹部82cの深さが設定されている。ペットボトル81の給水姿勢が垂線Gを超えて傾斜する位置であることにより、振動や衝撃等に対してペットボトル81の給水姿勢がより確実に保持される。この点でコーヒーメーカー80のより高い可搬性が確保される。
【0091】
図33,34にはエスプレッソコーヒーを抽出するための構成が示されている。変更を要しない部材及び構成については同位の符号を用いて説明を省略する。抽出機器10は前記例示した蓋12に代えてエスプレッソ専用の蓋90を有する。蓋90の下面に密閉蓋部91が取り付けられている。熱水が噴射されるノズル16は密閉蓋部91の下面中央に開口されている。抽出容器13の開口周縁にシール部材93が取り付けられている。蓋90が閉じられると、密閉蓋部91がシール部材93に押圧されて抽出容器13の内部が密閉される。密閉状態において、ヒーター15で水を加熱することで発生した蒸気圧によって抽出容器13内の圧力が高くなる。抽出容器13内の圧力が高い状態で、抽出容器13内の抽出物2に熱湯が滴下されてエスプレッソコーヒーが抽出される。抽出されたエスプレッソコーヒーはサーバー50に流入する。
【0092】
蓋90は圧力切替スイッチ92を有する。圧力切替スイッチ92は蓋90の外部から使用者が操作可能である。
図33に示すように圧力切替スイッチ92を上方へ移動させると、抽出容器13内が密閉される。これにより抽出容器13内に高い蒸気圧が作用してエスプレッソコーヒーが抽出される。
図34に示すように圧力切替スイッチ92を下方へ押し込み操作すると、抽出容器13内の蒸気が外部に開放される。蒸気は例えば蒸気孔12cを経て外部に放出される。圧力切替スイッチ92を開放側に切り替えた状態では、蒸気圧により抽出容器13内の圧力が高くなることはなく、前記と同様ノズル16から抽出容器13内の抽出物2に熱湯が滴下されて通常のコーヒーが抽出される。
【0093】
実施例では挽いたコーヒー豆をそのまま抽出容器13内に入れる構成を例示したが、適量のコーヒー粉又は茶葉を予め袋状のフィルタに充填したカフェポッド仕様の抽出物、あるいはコーヒー粉又はコーヒーエキスを充填したカプセル仕様の抽出物を抽出容器にセットしてコーヒーを抽出する構成とてしてもよい。
【0094】
電源としてバッテリと交流電源のいずれも利用できる構成を例示したが、いずれか一方のみを電源とする構成に変更してもよい。
【0095】
実施例のコーヒーメーカー1,60,70,80が本開示の1つの局面におけるコーヒーメーカーの一例である。実施例の抽出物2が本開示の1つの局面における抽出物の一例である。実施例の抽出容器13が本開示の1つの局面における抽出容器の一例である。実施例のヒータ15が本開示の1つの局面におけるヒータの一例である。
【0096】
実施例のサーバー50が本開示の1つの局面におけるサーバーの一例である。実施例のサーバー収容部20が本開示の1つの局面におけるサーバー収容部の一例である。実施例のハンドル53が本開示の1つの局面におけるハンドルの一例である。実施例の最外郭Kが本開示の1つの局面における最外郭の一例である。