(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178569
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】膜分離装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/44 20230101AFI20241218BHJP
B01D 63/08 20060101ALI20241218BHJP
B01D 65/02 20060101ALI20241218BHJP
C02F 3/12 20230101ALI20241218BHJP
【FI】
C02F1/44 F
B01D63/08
B01D65/02 520
C02F3/12 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096792
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100107478
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100117972
【弁理士】
【氏名又は名称】河崎 眞一
(72)【発明者】
【氏名】岡島 康信
(72)【発明者】
【氏名】田中 健
【テーマコード(参考)】
4D006
4D028
【Fターム(参考)】
4D006GA02
4D006HA44
4D006HA93
4D006JA02A
4D006JA03A
4D006JA03C
4D006JA07A
4D006JA07C
4D006JA08A
4D006JA08C
4D006JA13A
4D006JA19A
4D006JA25A
4D006JA25C
4D006JA31Z
4D006JA51A
4D006JA51C
4D006JA53Z
4D006KA01
4D006KA72
4D006KB14
4D006KB22
4D006KC02
4D006KC14
4D006MA03
4D006MA09
4D006MC09
4D006PA01
4D006PB08
4D006PC62
4D028BC17
4D028BD17
(57)【要約】
【課題】膜分離装置のみが受注される場合でも、適切な位置に適切な篩渣捕捉手段が取り付けられた膜分離装置を提供する。
【解決手段】上下が開口した筒状の膜ケーシング11と、前記膜ケーシング11に内設される半透膜と、前記半透膜の下方に設置される散気装置12とを備え、有機性の排水と活性汚泥の混合液である被処理水に浸漬させてろ過する膜分離装置10であって、前記散気装置12の下方に格子状の篩渣捕捉手段Fを備える膜分離装置10。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下が開口した筒状の膜ケーシングと、前記膜ケーシングに内設される半透膜と、前記半透膜の下方に設置される散気装置とを備え、有機性の排水と活性汚泥の混合液である被処理水に浸漬させてろ過する膜分離装置であって、
前記散気装置の下方に格子状の篩渣捕捉手段を備えることを特徴とする膜分離装置。
【請求項2】
前記半透膜は板状の膜エレメントに備えた膜支持体の両面に接合され、前記膜エレメントは各膜面が縦姿勢となるように所定間隔Mを隔てて配列されていることを特徴とする請求項1記載の膜分離装置。
【請求項3】
前記篩渣捕捉手段の格子幅Wは、前記所定間隔Mに対してM<W≦5Mに設定されていることを特徴とする請求項2記載の膜分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下が開口した筒状の膜ケーシングと、前記膜ケーシングに内設される半透膜と、前記半透膜の下方に設置される散気装置とを備え、有機性の排水と活性汚泥の混合液である被処理水に浸漬させて、透過液と濁質成分とを分離する膜分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下水、畜産排水、し尿、食品工場で発生する排水などの有機性排水を浄化処理するために活性汚泥を用いた生物処理が行われており、近年は上述した膜分離装置を生物処理槽に浸漬配置して固液分離する膜分離活性汚泥法が注目されている。
【0003】
ところで、有機性排水にはパルプ、毛髪、糸屑などの繊維状の夾雑物が混入しており、これらの繊維状の夾雑物が半透膜に絡み付くと、膜面への被処理水の流れが阻害され、適切な膜ろ過性能が損なわれる虞がある。
【0004】
そこで、有機性排水に含まれる大きな夾雑物を除去するために、生物処理槽の上流側にバースクリーンなどの除渣装置を備えている。しかし、このような除渣装置により繊維状の夾雑物を完全に取り除くことは困難であった。
【0005】
特許文献1には、微生物によって廃水を生物学的に処理する処理槽内に、生物処理後の廃水を透過液と所定粒径以上の懸濁成分を含む保持液とに分離する膜モジュールを浸漬した廃水処理装置において、この廃水処理装置は廃水を処理槽内で循環させる廃水循環手段を備え、また処理槽内に浸漬した膜モジュールの循環する廃水を基準として上流側に廃水中の夾雑物を捕捉する夾雑物捕捉手段を配置したことを特徴とする廃水処理装置が提案されている。
【0006】
上述した廃水循環手段は膜モジュールの下方に配置される曝気装置で構成され、夾雑物捕捉手段は膜モジュールと曝気装置との間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載された廃水処理装置では、廃水循環手段により処理槽内で循環する廃水の流れに対して膜モジュールの上流側、具体的には膜モジュールの下方に夾雑物捕捉手段が配置され、さらに夾雑物捕捉手段の下方に廃水循環手段として機能する曝気装置が配されているため、曝気装置から放出された気泡が夾雑物捕捉手段を通り抜けて上昇する際に、夾雑物捕捉手段で捕捉された篩渣が気泡の上昇に起因して剥離する虞があり、剥離した篩渣が膜モジュールに絡み付くことで膜ろ過性能が損なわれる虞があった。また、夾雑物捕捉手段により大量の篩渣が捕捉された状態では、曝気装置から放出された気泡の流れが夾雑物捕捉手段で阻害されて、廃水の良好な循環が妨げられるという問題もあった。
【0009】
ところで、膜分離装置を含む有機性排水の浄化のためのプラント全体を受注するのではなく、膜分離装置のみを受注する場合には、受注者サイドが膜分離装置に夾雑物捕捉手段を取り付ける必要がある。しかし、受注者サイドで夾雑物捕捉手段の取り付けを怠る場合も多く、また夾雑物捕捉手段を取り付けても不適切な夾雑物捕捉手段であれば、短期間に膜モジュールの膜ろ過性能が損なわれるという問題もあった。
【0010】
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、膜分離装置のみが受注される場合でも、適切な位置に適切な篩渣捕捉手段が取り付けられた膜分離装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、本発明による膜分離装置の第一の特徴構成は、上下が開口した筒状の膜ケーシングと、前記膜ケーシングに内設される半透膜と、前記半透膜の下方に設置される散気装置とを備え、有機性の排水と活性汚泥の混合液である被処理水に浸漬させてろ過する膜分離装置であって、前記散気装置の下方に格子状の篩渣捕捉手段を備える点にある。
【0012】
散気装置から放出される気泡により被処理水に生じる上向流が膜ケーシングに内設された半透膜に向かって上昇し、膜ケーシングの上部開口から流出する被処理水が膜ケーシングの外側を下降して散気装置に流れ込む循環流が形成される。散気装置に流れ込む被処理水が散気装置の下方に備える篩渣捕捉手段を通過する際に、被処理水に浮遊する繊維状の夾雑物が格子状の篩渣捕捉手段に適切に捕捉される。篩渣捕捉手段は散気装置の下方に設置されているので、篩渣捕捉手段に捕捉された繊維状の夾雑物が、散気装置から放出される気泡により剥離することがない。
【0013】
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記半透膜は板状の膜エレメントに備えた膜支持体の両面に接合され、前記膜エレメントは各膜面が縦姿勢となるように所定間隔Mを隔てて配列されている点にある。
【0014】
篩渣捕捉手段により繊維状の夾雑物が捕捉された被処理水の上向流が、膜面が縦姿勢となるように所定間隔Mを隔てて配列された膜エレメントの膜面に沿って流れる過程で膜面が良好に浄化される。そして、篩渣捕捉手段により大量の篩渣が捕捉された状態であっても、散気装置から放出される気泡により生じる被処理水の上向流が篩渣捕捉手段により妨げられることがない。
【0015】
同第三の特徴構成は、上述した第二の特徴構成に加えて、前記篩渣捕捉手段の格子幅Wは、前記所定間隔Mに対してM<W≦5Mに設定されている点にある。
【0016】
膜エレメントが配列された各膜面の所定間隔Mに対して篩渣捕捉手段の格子幅WをM<W≦5Mの範囲に設定することで、被処理水が篩渣捕捉手段を通過する際の通流抵抗を低減して良好な循環流を維持することを可能としながらも、格子状の篩渣捕捉手段により繊維状の夾雑物を適切に補足することができるようになる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明した通り、本発明によれば、膜分離装置のみが受注される場合でも、適切な位置に適切な篩渣捕捉手段が取り付けられた膜分離装置を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明による膜分離装置を説明する。
図1及び
図2に示すように、膜分離装置10は、上下が開口した断面矩形の筒状の膜ケーシング11と、膜ケーシング11に内設され、半透膜を備えた複数の膜モジュール20と、膜モジュール20の下方に設置される散気装置12とを備え、有機性の排水と活性汚泥の混合液である被処理水が充填された膜分離槽に浸漬配置されて、被処理水を固液分離してろ過する装置である。
【0020】
膜ケーシング11には、膜モジュール20が縦に8段、横に5列並設されるように組み込まれている。最下段の膜モジュール20の下方に散気用給気管を備えた散気装置12が設置され、散気用給気管から給気された散気エアにより、各膜モジュール20に縦姿勢で水平方向に並設された複数の膜エレメント21間に膜分離槽内の被処理水の上向流が発生し、各膜エレメント21の膜面を透過した処理水が集水管13を通じて槽外へ導出される。
【0021】
集水管13には、膜分離槽の外部に設置された処理水槽に到る処理水導出管(図示されていない)が連通され、その管路途中にポンプ装置が介装されている。散気用給気管にはブロワやコンプレッサなどの給気源が連通される。
【0022】
図3、
図4および
図5に示すように、各膜モジュール20は、前後一対の集水ケース22と左右一対のカバー部材23に区画される空間内に複数の膜エレメント21が配設されて構成されている。
【0023】
膜エレメント21は、膜支持体としての平板状のろ板21aの表裏両面に分離膜21bを備えている。分離膜21bは、ろ板21aの上辺部、及び、下辺部で折り返されてろ板21aの表裏両面に配置される。
【0024】
分離膜21bは、ろ板21aの周囲に巻きつけられて重合部が接着または溶着されて無端状に形成され、膜エレメント21の横方向側辺部またはその近傍でろ板21aに接着、溶着、または押圧されている。例えば、超音波溶着や熱溶着、接着剤による接着、押圧部材による押圧手段が採用され、当該接着、溶着、または押圧された箇所が接合部21cとなる。
【0025】
ろ板21aは、ABS樹脂等で形成され、分離膜21bは、基材となる不織布に多孔性樹脂が塗布及び含浸されて構成されている。即ち、分離膜21bが本発明の半透膜として機能する。なお、ろ板21aは、ABS樹脂等の剛性を有する材質に限らず、シート状の不織布やネット等のフレキシブルな材質を使用して構成してもよい。
【0026】
集水ケース22とカバー部材23は、ABS樹脂やポリプロピレン等の射出成形で得られる。集水ケース22は、分離膜21bの破損等による汚泥の集水ケース22への流入を確認し易いように、透光性を有するように構成されることが好ましい。
【0027】
ろ板21aの内部には、水平方向の流通路が縦方向に複数本並列して貫通形成されている。ろ板21aの表裏両面には、前記流通路と連通する複数の微細孔が形成されている。分離膜21bを透過した処理水は、前記微細孔から前記流通路を流通して、ろ板21aの両端部から流出することになる。
【0028】
各膜エレメント21の横方向中央部に各膜エレメント21の間隔を前記一定間隔で保持する間隔保持部24が設けられている。
【0029】
間隔保持部24には、縦方向のスリットが水平方向に複数本並列して備えられ、各膜エレメント21を各スリットに挿通することで、各膜エレメント21は前記一定間隔を隔てて縦姿勢で配列される。間隔保持部24は、各膜エレメント21の保持間隔を保ちつつ、上昇流による膜エレメント21の振動を吸収でき、接触による分離膜21bの摩耗が軽減されるように、合成ゴム等の弾性体で形成することが好ましい。
【0030】
すなわち、半透膜は板状の膜エレメント21に備えた膜支持体としてのろ板21aの両面に接合され、膜エレメント21は各膜面が縦姿勢となるように所定間隔Mを隔てて配列されている。所定間隔Mは特に限定されるのもではないが、5~10mm程度、本実施形態では6mmに設定されている。
【0031】
各膜エレメント21は、間隔保持部24により各膜エレメント21の分離膜21bが対向するように、一定間隔を隔てて縦姿勢で配列され、各膜エレメント21の横方向側辺部に、集水ケース22が接合されている。集水ケース22は、内部に集水空間を有する中空状に形成され、上下の夫々の面に前記集水空間に連通する連結部25,26が形成されている。
【0032】
一対の集水ケース22の対向面側には、間隔保持部24に備えられた各スリットと同じピッチで、複数のスリット22aが形成されている。
【0033】
ろ板21aとともに分離膜21bをもスリット22aに挿通した状態で、スリット22aに樹脂を充填して各膜エレメント21を集水ケース22に接合する。これにより、分離膜21bを透過した処理水がろ板21aに形成された流通路を通じて各集水ケース22内に導かれる。
【0034】
図2中、左側の最上段の膜モジュール20の上部連結部25、及び、右側の最下段の膜モジュール20の下部連結部26には、夫々集水管13が接続され、左側の最上段の膜モジュール20の下部連結部26、及び、右側の最下段の膜モジュール20の上部連結部25は、封止部材(図示されていない)で封止されている。なお、
図2では、上部連結部25及び下部連結部26の記載は省略し、処理水の通流方向は破線矢印で示されている。
【0035】
散気装置12から散気しつつ、処理水導出管に備えたポンプ装置を駆動するろ過運転と、ポンプ装置を停止して散気装置12による散気を継続することにより膜面を洗浄するリラクゼーション運転を所定時間サイクルで繰り返される。
【0036】
散気装置12による散気により気泡が上昇することにより処理水の上向流が形成され、膜ケーシング11の底部開口から流入した被処理水が膜ケーシング11内で膜エレメント21の間隙を上昇して、膜ケーシング11の上部開口から流出し、その後膜ケーシング11の側方に沿って下方に流れ、さらに膜ケーシング11の底部開口に流入するという被処理水の循環流が形成される。
【0037】
このとき、被処理水に浮遊する繊維状の夾雑物が膜エレメント21に絡み付くと、膜エレメント21に堆積する夾雑物により、膜エレメント21同士の間隙が閉塞され、被処理水の循環流が妨げられ、ろ過効率が低下する。
【0038】
このような状態に到ると、頻繁に膜分離装置10を膜分離槽から引き揚げて、夾雑物を除去する洗浄処理を行なうという、非常に煩雑なメンテナンスが必要になる。
【0039】
そこで、本発明による膜分離装置10は、散気装置12の下方に格子状の篩渣捕捉手段Fを備えている。
図2に示すように、篩渣捕捉手段Fは膜ケーシング11に備えた散気装置12の下方で、膜ケーシング11に底部開口を覆うように取り付けられている。
【0040】
散気装置12に流れ込む被処理水が散気装置12の下方に備えた篩渣捕捉手段Fを通過する際に、被処理水に浮遊する繊維状の夾雑物が格子状の篩渣捕捉手段Fに適切に捕捉される。篩渣捕捉手段Fは散気装置12の下方に設置され、散気装置12の上方に設置されてはいないので、篩渣捕捉手段Fに捕捉された繊維状の夾雑物が、散気装置12から放出される気泡により剥離するようなことがない。
【0041】
篩渣捕捉手段Fにより繊維状の夾雑物が捕捉された被処理水の上向流が、膜面が縦姿勢となるように所定間隔Mを隔てて配列された膜エレメント21の膜面に沿って流れる過程で膜面が良好に浄化される。そして、篩渣捕捉手段Fにより篩渣が捕捉された状態であっても、散気装置12から放出される気泡により生じる被処理水の上向流が篩渣捕捉手段Fにより妨げられることがない。
【0042】
篩渣捕捉手段Fとして、エクスパンドメタルFaやトリカルネット(登録商標)Fbなどを好適に用いることができる。エクスパンドメタルFaは、
図6(a)に示すように、ステンレス鋼板やアルミニウム、銅、チタンなどの非鉄金属、またそれらの合金でなる所定厚さの金属板をエキスパンド製造機によって千鳥状に切れ目を入れながら押し広げ、その切れ目を菱形や亀甲形に成形したメッシュ状の金属板である。トリカルネット(登録商標)Fbは、
図6(b)に示すように、連続押出成形によって製造される樹脂製(ポリエチレン製)の角目ネットである。
【0043】
篩渣捕捉手段Fの格子幅Wは、上述した膜エレメント21の膜面の間隔Mに対してM<W≦5Mに設定されていることが好ましい。本実施形態では、6mm<W≦30mmの範囲となる。
【0044】
膜エレメント21が配列された各膜面の所定間隔Mに対して篩渣捕捉手段Fの格子幅WをM<W≦5Mの範囲に設定することで、被処理水が篩渣捕捉手段Fを通過する際の通流抵抗を低減して良好な循環流を維持することを可能としながらも、格子状の篩渣捕捉手段Fにより繊維状の夾雑物を適切に補足することができるようになる。なお、格子幅Wは縦横のうち広い方の幅をいう。
【0045】
篩渣捕捉手段Fの格子幅WがW≦Mであれば、膜エレメント21同士の間隙の閉塞を招く可能性が低い短い繊維状の夾雑物まで捕捉することとなり、短期間に篩渣捕捉手段Fの除渣能力が低下する虞があり、篩渣捕捉手段Fの格子幅WがW≧5Mであれば、膜エレメント21同士の間隙の閉塞を招く虞のある長い繊維状の夾雑物が篩渣捕捉手段Fをすり抜ける虞がある。篩渣捕捉手段Fの格子幅WをM<W≦5Mの範囲に設定すると、比較的長期にわたり篩渣捕捉手段Fの除渣能力を維持することができ、1.5M≦W≦4.5Mの範囲に設定することがより好ましい。
【0046】
篩渣捕捉手段Fが大量の繊維状の夾雑物を捕捉することにより、捕捉能力が低下した場合には、膜分離装置を処理槽から引き上げて、篩渣捕捉手段Fを洗浄するか、または交換すればよい。
【0047】
上述した実施形態では、膜分離装置10として、上下が開口した略直方体の膜ケーシング11に、膜モジュール20が縦に8段、横に5列並設された例を説明したが、膜モジュール20の配列数は特に限定されるものではない。
【0048】
上述した実施形態では、膜分離装置10として、上下が開口した略直方体の膜ケーシング11に、複数の膜モジュール20が列並設され、各膜モジュール20が、前後一対の集水ケース22と左右一対のカバー部材23に区画される空間内に複数の膜エレメント21が配設されて構成された例を説明したが、膜モジュール20を備えることなく、上下が開口した筒状の膜ケーシング11に、複数の膜エレメント21が、各膜面が縦姿勢となるように所定間隔M隔てて配列され、各膜エレメント21がチューブを介して集水管13に接続されるような構成で、各膜エレメント21の下方に散気装置12が設置されたような膜分離装置10に本発明を適用することも可能である。この場合も、膜ケーシング11の下部開口の近傍で、散気装置12の下方に上述した篩渣捕捉手段Fを設置すればよい。
【0049】
上述した実施形態は本発明の一態様の説明であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0050】
10:膜分離装置
11:膜ケーシング
12:散気装置
20:膜モジュール
21:膜エレメント
21b分離膜(半透膜)
F:篩渣捕捉手段