(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178576
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】はんだボール搭載装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20241218BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20241218BHJP
H01L 21/68 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
H05K3/34 505A
H01L21/68 B
H01L21/68 G
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096809
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】須永 弘二
【テーマコード(参考)】
5E319
5F131
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319BB04
5E319CC33
5E319CD21
5E319CD26
5E319GG15
5F131AA12
5F131BA35
5F131CA18
5F131DA20
5F131DB22
5F131DB25
5F131FA10
5F131FA22
5F131FA25
5F131FA39
(57)【要約】
【課題】はんだボールの搭載対象である基板の電極に、はんだボールを安定して搭載できるはんだボール搭載装置等を提供する。
【解決手段】はんだボールの搭載対象である基板の電極に合わせた位置を含む複数の箇所に複数の孔が形成され、真空源による排気によって内部を減圧可能な吸着ブロックと、吸着ブロックの下面に配置され、基板の電極の位置に合わせた位置に複数の吸着孔が形成された薄板と、吸着ブロックの下面から薄板を上下方向に離脱着させる押し出しユニットと、押し出しユニットを上下動させる上下駆動源と、を備えるはんだボール搭載装置とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだボールの搭載対象である基板の電極に合わせた位置を含む複数の箇所に複数の孔が形成され、真空源による排気によって内部を減圧可能な吸着ブロックと、
前記吸着ブロックの下面に配置され、前記基板の電極の位置に合わせた位置に複数の吸着孔が形成された薄板と、
前記吸着ブロックの下面から前記薄板を上下方向に離脱着させる押し出しユニットと、
前記押し出しユニットを上下動させる上下駆動源と、を備えるはんだボール搭載装置。
【請求項2】
前記押し出しユニットは、
前記吸着ブロックの下面に形成された複数の孔のうちいずれかに挿入され、前記薄板の上面に下端が接続された少なくとも一つの押し出しピンと、
前記吸着ブロックの上面に形成された複数の孔に挿入され、前記押し出しピンを上下動可能に支持する少なくとも一つの押し出しシャフトと、
前記吸着ブロックの上面に配置され、前記押し出しシャフトの上端が固定された連結プレートと、を有する請求項1に記載のはんだボール搭載装置。
【請求項3】
前記吸着ブロックの下面には、
前記基板の電極の位置に合わせて形成された少なくとも一つの第1孔と、
前記薄板を吸引するために形成された少なくとも一つの第2孔と、
前記押し出しピンが挿入される少なくとも一つの第3孔と、
前記吸着ブロックの4隅に対応付けて形成された第4孔と、が開口する請求項2に記載のはんだボール搭載装置。
【請求項4】
前記押し出しユニットは、
前記第4孔の内部に配置され、前記薄板の上面に固定された少なくとも一つの支持具を有し、
少なくとも一つの前記押し出しピンは、
前記支持具によって下端が支持された少なくとも一つの第1押し出しピンと、
前記第3孔に挿入され、前記薄板の上面に下端が固定された少なくとも一つの第2押し出しピンと、を有する請求項3に記載のはんだボール搭載装置。
【請求項5】
前記押し出しシャフトは、
前記押し出しピンの上端部分が収納される収納空間を有し、
前記収納空間の天井面と前記押し出しピンの上面との間に圧縮ばねが配置された請求項4に記載のはんだボール搭載装置。
【請求項6】
前記第4孔の内部に配置され、前記薄板の上面に固定された少なくとも一つの第1支持具と、
少なくとも一つの前記押し出しシャフトのいずれかの下端を支持する第2支持具と、
前記第2支持具が上面に固定された連結板と、を備え、
少なくとも一つの前記押し出しピンは、
前記第1支持具によって下端が支持された少なくとも一つの第1押し出しピンと、
前記連結板の下面に上端が接続され、前記第3孔に挿入され、前記薄板の上面に下端が固定された少なくとも一つの第2押し出しピンと、を有し、
前記押し出しシャフトは、
前記第1支持具に下端が支持された少なくとも一つの第1押し出しシャフトと、
前記連結プレートの下面の中央部分に上端が接続され、前記吸着ブロックの上面の中央に形成された孔に挿入され、前記第2支持具によって下端が支持された第2押し出しシャフトと、を有する請求項3に記載のはんだボール搭載装置。
【請求項7】
前記第1押し出しシャフトは、
前記第1押し出しピンの上端部分が収納される収納空間を有し、
前記第2押し出しシャフトは、
下方部分にくびれた部分を有し、
前記収納空間の天井面と前記押し出しピンの上面との間と、前記第2押し出しシャフトのくびれた部分の上面と前記第2支持具の上面との間とに、圧縮ばねが配置された請求項6に記載のはんだボール搭載装置。
【請求項8】
前記上下駆動源および前記真空源を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記吸着ブロックの下方にはんだボールがセットされた状態において、前記真空源を動作させ、
前記基板が下方に位置合わせされた状態において、前記上下駆動源を駆動させて前記押し出しユニットを下方に移動させ、
前記基板の電極に対するはんだボールの付着に応じて、前記真空源を停止させ、
前記上下駆動源を駆動させて前記押し出しユニットを上方に移動させる請求項1乃至7のいずれか一項に記載のはんだボール搭載装置。
【請求項9】
はんだボールの搭載対象である基板の電極に合わせた位置を含む複数の箇所に複数の孔が形成され、真空源による排気によって内部を減圧可能な吸着ブロックと、前記吸着ブロックの下面に配置され、前記基板の電極の位置に合わせた位置に複数の吸着孔が形成された薄板と、前記吸着ブロックの下面から前記薄板を上下方向に離脱着させる押し出しユニットと、前記押し出しユニットを上下動させる上下駆動源と、を備えるはんだボール搭載装置の制御方法であって、
コンピュータが、
前記吸着ブロックの下方にはんだ前記ボールがセットされた状態において、前記真空源を動作させ、
前記基板が下方に位置合わせされた状態において、前記上下駆動源を駆動させて前記押し出しユニットを下方に移動させ、
前記基板の電極に対する前記はんだボールの付着に応じて、前記真空源を停止させ、
前記上下駆動源を駆動させて前記押し出しユニットを上方に移動させる制御方法。
【請求項10】
はんだボールの搭載対象である基板の電極に合わせた位置を含む複数の箇所に複数の孔が形成され、真空源による排気によって内部を減圧可能な吸着ブロックと、前記吸着ブロックの下面に配置され、前記基板の電極の位置に合わせた位置に複数の吸着孔が形成された薄板と、前記吸着ブロックの下面から前記薄板を上下方向に離脱着させる押し出しユニットと、前記押し出しユニットを上下動させる上下駆動源と、を備えるはんだボール搭載装置を制御するプログラムであって、
前記吸着ブロックの下方にはんだ前記ボールがセットされた状態において、前記真空源を動作させる処理と、
前記基板が下方に位置合わせされた状態において、前記上下駆動源を駆動させて前記押し出しユニットを下方に移動させる処理と、
前記基板の電極に対する前記はんだボールの付着に応じて、前記真空源を停止させる処理と、
前記上下駆動源を駆動させて前記押し出しユニットを上方に移動させる処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、はんだボール搭載装置、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
はんだボールは、BGA(Ball grid array)などのパッケージ(基板)の電極に搭載される。はんだボールの搭載においては、吸着ブロックにはんだボールを真空吸着させ、フラックスが塗布された電極の上方にはんだボールを搬送する。電極の上方にはんだボールが位置した状態で真空吸着をオフにすると、はんだボールが電極に搭載される。はんだボールは、フラックスの粘着力によって、端子に付着する。
【0003】
パッケージには、ある程度の反りが発生していることがある。そのようなパッケージに関しては、はんだボールの搭載時に、はんだボールとフラックスとが十分に接しない箇所が発生しうる。このような箇所では、はんだボールと吸着ブロックとの接触面の引っ掛かりや静電気などが原因で、真空吸着をオフにしても、はんだボールが吸着ブロックに付着したままになることがある。このような事象が発生したパッケージは、電極の一部にバンプが形成されず、不良品になる。
【0004】
特許文献1には、パッケージに導電性ボールを搭載する導電性ボール搭載装置について開示されている。特許文献1の装置には、はんだボールを吸着保持する整列マスクを有する。整列マスク内には、摺動可能に支持した複数の押し出しピンの上端を覆うシートが配置される。特許文献1の装置は、所要の圧力に調整された圧縮空気でシートを抑えるピンホルダを有する。
【0005】
特許文献2には、はんだボールを基板の上に搭載するボール搭載治具について開示されている。特許文献2の治具は、はんだボールを吸着する面に、弾性材料を有する。
【0006】
特許文献3には、ボールマウントツールを有する半導体製造装置について開示されている。ボールマウントツールの本体の下面には、可撓性の変形板が配置される。特許文献3の手法では、はんだボールの搭載段階において、はんだボールと接している変形板をエアーで押して変形させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-110234号公報
【特許文献2】特開2000-340935号公報
【特許文献3】特開2001-351938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の装置には、吸着保持されるはんだボール1つに対し、1つの押し出しピンが配置される。一般に、パッケージに一度に搭載されるはんだボールの数は、数百から数千に及ぶ。このようなパッケージに対応するためには、特許文献1の装置には、数百から数千の押し出しピンが配置される。これらのピンを装置に組み込むためには、膨大なコストがかかる。
【0009】
特許文献2の治具は、弾性材料の変形によって、基板の反りを吸収する。弾性材料は、はんだボールの吸着段階において、変形する。また、弾性材料は、はんだボールの搭載段階においても、パッケージの反り形状に応じて、変形する。そのため、特許文献2の治具には、弾性材料の穴径が広がって、はんだボールが吸着穴にはまり込む可能性がある。
【0010】
特許文献3の手法では、はんだボールの搭載段階において、はんだボールと接している変形板をエアーで押して変形させ、パッケージ反りにならわせる。特許文献3の手法によれば、吸着ブロックの吸着を解除すると、半数以上のはんだボールは、吸着ブロックから離れてパッケージ側に落下して搭載される。この段階で正の圧力のエアーが吸着口から出ると、パッケージに搭載されたはんだボールの位置がずれてしまう。
【0011】
本開示の目的は、はんだボールの搭載対象である基板の電極に、はんだボールを安定して搭載できるはんだボール搭載装置、制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様のはんだボール搭載装置は、はんだボールの搭載対象である基板の電極に合わせた位置を含む複数の箇所に複数の孔が形成され、真空源による排気によって内部を減圧可能な吸着ブロックと、吸着ブロックの下面に配置され、基板の電極の位置に合わせた位置に複数の吸着孔が形成された薄板と、吸着ブロックの下面から薄板を上下方向に離脱着させる押し出しユニットと、押し出しユニットを上下動させる上下駆動源と、を備える。
【0013】
本開示の一態様のはんだボールの搭載対象である基板の電極に合わせた位置を含む複数の箇所に複数の孔が形成され、真空源による排気によって内部を減圧可能な吸着ブロックと、吸着ブロックの下面に配置され、基板の電極の位置に合わせた位置に複数の吸着孔が形成された薄板と、吸着ブロックの下面から薄板を上下方向に離脱着させる押し出しユニットと、押し出しユニットを上下動させる上下駆動源と、を備えるはんだボール搭載装置の制御方法であって、吸着ブロックの下方にはんだボールがセットされた状態において、真空源を動作させ、基板が下方に位置合わせされた状態において、上下駆動源を駆動させて押し出しユニットを下方に移動させ、基板の電極に対するはんだボールの付着に応じて、真空源を停止させ、上下駆動源を駆動させて押し出しユニットを上方に移動させる。
【0014】
本開示の一態様のプログラムは、はんだボールの搭載対象である基板の電極に合わせた位置を含む複数の箇所に複数の孔が形成され、真空源による排気によって内部を減圧可能な吸着ブロックと、吸着ブロックの下面に配置され、基板の電極の位置に合わせた位置に複数の吸着孔が形成された薄板と、吸着ブロックの下面から薄板を上下方向に離脱着させる押し出しユニットと、押し出しユニットを上下動させる上下駆動源と、を備えるはんだボール搭載装置を制御するプログラムであって、吸着ブロックの下方にはんだボールがセットされた状態において、真空源を動作させる処理と、基板が下方に位置合わせされた状態において、上下駆動源を駆動させて押し出しユニットを下方に移動させる処理と、基板の電極に対するはんだボールの付着に応じて、真空源を停止させる処理と、上下駆動源を駆動させて押し出しユニットを上方に移動させる処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、はんだボールの搭載対象である基板の電極に、はんだボールを安定して搭載できるはんだボール搭載装置、制御方法、およびプログラムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の構成の一例を示す概念図である。
【
図2】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置を上方の視座から見た平面図である。
【
図3】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の吸着ブロックを下方の視座から見た下面図である。
【
図4】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の薄板を下方の視座から見た下面図である。
【
図5】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の押し出しピンと薄板との連結部分を拡大した概念図である。
【
図6】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の押し出しピンと薄板との連結部分を拡大した概念図である。
【
図7】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の下面にはんだボールが吸着された状態の一例を示す概念図である。
【
図8】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の下方に基板が配置された状態の一例を示す概念図である。
【
図9】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の下方に配置された基板の電極にはんだボールを付着させた状態の一例を示す概念図である。
【
図10】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の下方に配置された基板の電極にはんだボールが搭載された状態の一例を示す概念図である。
【
図11】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の下方に配置された基板の電極にはんだボールを付着させた状態の別の一例を示す概念図である。
【
図12】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の下方に配置された基板の電極にはんだボールが搭載された状態の別の一例を示す概念図である。
【
図13】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の下方に配置された基板の電極にはんだボールを付着させた状態のさらに別の一例を示す概念図である。
【
図14】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の下方に配置された基板の電極にはんだボールが搭載された状態の一例を示す概念図である。
【
図15】第1実施形態に係るはんだボール搭載装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図16】第2実施形態に係るはんだボール搭載装置の構成の一例を示す概念図である。
【
図17】第2実施形態に係るはんだボール搭載装置の構成の一例を示す概念図である。
【
図18】第2実施形態に係るはんだボール搭載装置を上方の視座から見た平面図である。
【
図19】第2実施形態に係るはんだボール搭載装置の吸着ブロックを下方の視座から見た下面図である。
【
図20】第2実施形態に係るはんだボール搭載装置の薄板を下方の視座から見た下面図である。
【
図21】第3実施形態に係るはんだボール搭載装置の構成の一例を示す概念図である。
【
図22】第3実施形態に係るはんだボール搭載装置の構成の一例を示す概念図である。
【
図23】各実施形態に係る制御や処理を実行するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0018】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係るはんだボール搭載装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態のはんだボール搭載装置は、BGA(Ball grid array)などの半導体パッケージ(以下、パッケージや基板とも呼ぶ)の電極に、はんだボールを搭載する製造工程で用いられる。以下の説明で用いられる図面は、概念的な図であって、構成要素の大きさや形状、位置関係等が正確に示されていない場合がある。
【0019】
(構成)
図1は、本実施形態のはんだボール搭載装置10の構成の一例を示す概念図である。
図1は、はんだボール搭載装置10の内部を側方の視座から見た断面図である。
図1は、直線的な切断線によって切断された断面ではなく、代表的な部分の断面を示す。
【0020】
はんだボール搭載装置10は、吸着ブロック11、薄板13、連結プレート120、上下駆動源15、第1支持具130、第2支持具152、制御部16、および真空源17を備える。さらに、はんだボール搭載装置10は、第1押し出しシャフト121、第1圧縮ばね123、第2押し出しシャフト126、第2圧縮ばね127、第1押し出しピン131、連結板150、および第2押し出しピン151を備える。
【0021】
連結プレート120、第1押し出しシャフト121、第1圧縮ばね123、第1支持具130、および第1押し出しピン131は、第1押し出しユニットを構成する。第2押し出しシャフト126、第2圧縮ばね127、連結板150、第2押し出しピン151、および第2支持具152は、第2押し出しユニットを構成する。第1押し出しユニットおよび第2押し出しユニットは、連結プレート120の動きに連動して上下動する。第1押し出しユニットおよび第2押し出しユニットの上下動に連動して、薄板13が上下動する。はんだボールの搭載対象である基板の反りに倣って、第1圧縮ばね123と第2圧縮ばね127とが独立して伸縮する。そのため、はんだボールが基板の搭載される際に、薄板13は、基板の反りに倣って変形する。
【0022】
吸着ブロック11は、はんだボールの吸着に用いられる筐体である。吸着ブロック11の内部は、空洞である。吸着ブロック11の内部には、はんだボール搭載装置10の構成要素の一部が収納される。吸着ブロック11の側面(壁)には、吸着ブロック11の内圧の調整に用いられる排気口Vが開口する。排気口Vは、吸着ブロック11の上面(天井)に形成されてもよい。排気口Vは、エアーホース175を介して、真空源17と接続される。例えば、真空源17は、真空ポンプによって実現される。真空源17を動作させると、排気口Vを介した排気によって、吸着ブロック11の内部が負圧になる。そのため、吸着ブロック11の下面に形成された孔を通じた吸引力が発生する。例えば、真空源17の排気量の制御によって、吸着ブロック11の内部の圧力が調整されてもよい。真空源17やエアーホース175については、特に限定を加えない。
【0023】
図2は、はんだボール搭載装置10を上方の視座から見た平面図である。吸着ブロック11の上面には、第1押し出しシャフト121および第2押し出しシャフト126を挿入するための貫通孔が形成される。第1押し出しシャフト121および第2押し出しシャフト126の上端は、連結プレート120の下面に接続される。
図2のように、連結プレート120の4隅の各々には、第1押し出しシャフト121が連結される。また、連結プレート120の中心には、第2押し出しシャフト126が連結される。第1押し出しシャフト121および第2押し出しシャフト126は、吸着ブロック11の上面に形成された貫通孔の内部で上下動可能に配置される。第1押し出しシャフト121および第2押し出しシャフト126の下方の部分は、吸着ブロック11の内部に配置される。
【0024】
図3は、薄板13が取り外された状態のはんだボール搭載装置10(吸着ブロック11)を、下方の視座から見た下面図である。吸着ブロック11の下面には、第1孔h
1、第2孔h
2、第3孔h
3、および第4孔h
4が開口する。第1孔h
1は、はんだボールの吸着に用いられる孔である。
図3の例では、吸着ブロック11の下面に、格子状に配列された25個の第1孔h
1が開口する。第2孔h
2は、薄板13の吸着に用いられる孔である。
図3の例では、はんだ吸着ブロック11の下面に、4個の第2孔h
2が開口する。第3孔h
3は、第2押し出しピン151が貫通する孔である。第2押し出しピン151は、第3孔h
3の内部で上下動する。
図3の例では、吸着ブロック11の下面に、4個の第3孔h
3が開口する。第4孔h
4は、第1支持具130が配置される孔である。
図3の例では、吸着ブロック11の下面に、4個の第4孔h
4が開口する。
図3に示す第1孔h
1、第2孔h
2、第3孔h
3、および第4孔h
4は、一例であって、吸着ブロック11の下面に形成される孔の位置や数、大きさ、形状等を限定するものではない。はんだボールの搭載対象である基板(パッケージ)の大きさや種類に応じて、吸着ブロック11の下面に形成される孔の位置や数、大きさ、形状等が設定される。
【0025】
薄板13は、吸着ブロック11の下面に配置される。薄板13は、吸着ブロック11の下面から遊離可能である。薄板13は、可撓性を有する。例えば、薄板13は、たわみやすい金属板によって実現される。薄板13は、たわみやすい樹脂板によって実現されてもよい。薄板13には、吸着ブロック11の下面に形成された第1孔h1に対応する位置に、吸着孔Hが形成される。薄板13の吸着孔Hの形成方法については、限定を加えない。薄板13が金属の場合、例えば、エッチングやアディティブ法などの手法によって、吸着孔Hが形成される。
【0026】
図4は、薄板13が取り付けられたはんだボール搭載装置10(薄板13)を下方の視座から見た下面図である。
図4の例では、格子状に配列された25個の吸着孔Hが薄板13に形成されている。また、
図4には、吸着ブロック11の下面に形成された第1孔h
1、第2孔h
2、第3孔h
3、および第4孔h
4に対応する位置を示す。複数の吸着孔Hは、複数の第1孔h
1に対応する位置に形成される。
【0027】
上下駆動源15は、制御部16の制御に応じて、連結プレート120を上下動させる。上下駆動源15が連結プレート120を上下動させる機構については、限定を加えない。例えば、上下駆動源15は、空気圧によって伸縮するエアシリンダによって実現される。連結プレート120の上下動に応じて、その連結プレート120の下方に連結された第1押し出しシャフト121および第2押し出しシャフト126が上下動する。第1押し出しシャフト121および第2押し出しシャフト126の上下動に応じて、薄板13が上下動する。すなわち、連結プレート120の上下動に連動して、薄板13が上下動する。
【0028】
第1押し出しシャフト121の上端は、連結プレート120の下面に接続される。第1押し出しシャフト121の下部には、収納空間が形成される。収納空間には、第1圧縮ばね123および第1押し出しピン131の上端が収納される。第1圧縮ばね123は、第1押し出しシャフト121の収納空間の上面と、第1押し出しピン131の上面との間に配置される。第1圧縮ばね123は、第1押し出しピン131を下方に押圧する。第1押し出しピン131は、第1押し出しシャフト121と薄板13との間に配置される。第1押し出しピン131の上端および下端は、主軸と比べて、断面積が大きい。第1押し出しピン131の上端は、第1押し出しシャフト121の収納空間に収納される。第1押し出しピン131の下端は、第1支持具130によって支持される。第1支持具130は、薄板13の上面に配置される。第1支持具130は、吸着ブロック11の下面に形成された第4孔h4の内部に配置される。はんだボール搭載装置10は、4つの第1支持具130を備える。4つの第1支持具130の各々は、薄板13の上面の4隅に対応付けて、配置される。第1支持具130は、第1押し出しピン131の下端を、包み込むように支持する。
【0029】
第2押し出しシャフト126の上端は、上下駆動源15の下端に接続される。第2押し出しシャフト126の下端は、第2支持具152によって支持される。第2押し出しシャフト126の下部には、上部および下端と比べて断面積が小さいくびれた部分が形成される。第2押し出しシャフト126のくびれた部分には、第2圧縮ばね127が配置される。第2圧縮ばね127は、第2押し出しシャフト126のくびれた部分の上端と、第2支持具152の上面との間に配置される。第2圧縮ばね127は、第2支持具152を下方に押圧する。第2支持具152は、連結板150の上面に配置される。第2支持具152は、吸着ブロック11の下面に形成された第3孔h3の上方に配置される。はんだボール搭載装置10は、4つの第3孔h3を有する。4つの第3孔h3の各々には、第2押し出しピン151が配置される。第2押し出しピン151の上端は、連結板150の下面に接続される。第2押し出しピン151の下端は、第3孔h3を介して、薄板13の上面に接続される。
【0030】
例えば、薄板13の厚みが0.2ミリメートル(mm)、基板180の外形に応じた薄板13の外形寸法が60mm×60mm、基板180の反り量が0.2mmであると仮定する。基板180の反りに合わせて薄板を0.2mm撓ませるためには、複数の第1押し出しピン131および複数の第2押し出しピン151の各々には、1ニュートン(N)程度の力が印加されることになる。この場合、第1圧縮ばね123および第2圧縮ばね127には、複数の第1押し出しピン131および複数の第2押し出しピン151の各々に対して、1ニュートン(N)程度の力を発生させることができるばねが使用される。
【0031】
図5~
図6は、第1押し出しピン131と薄板13との連結部分を拡大した概念図である。
図5は、吸着ブロック11の下面に薄板13が密着した状態である。
図6は、吸着ブロック11の下面から薄板13が遊離した状態である。第1支持具130は、第1押し出しピン131の下端Lが収まる第4孔h
4に配置される。第1支持具130は、薄板13に固定される。第1押し出しピン131の上端Tは、第1押し出しシャフト121の下部の収納空間に収納される。第1押し出しピン131の下端Lは、第1支持具130の内部空間に収納される。第1押し出しピン131の下端Lが収納された状態で、第1支持具130の内部空間には隙間がある。第1支持具130の内部空間の隙間があるため、薄板13の垂直方向の変形に起因した水平方向への変形が許容される。吸着ブロック11の第4孔h
4の内側下部には、下方から上方に向けて先細るテーパ部分T
1が形成される。また、第1支持具130の外側下部には、下方から上方に向けて先細るテーパ部分T
2が形成される。
図5のように、吸着ブロック11の下面に薄板13が密着した状態において、テーパ部分T
1とテーパ部分T
2とが当接することによって、薄板13の垂直方向の変形に起因した水平方向への変形が元に戻る。
【0032】
上下駆動源15の駆動に応じて第1押し出しシャフト121および第2押し出しシャフト126が上下動することによって、吸着ブロック11の下面と薄板13との位置関係が変化する。第1圧縮ばね123および第2圧縮ばね127は、互いに独立して伸縮する。そのため、薄板13の周縁部分と中央部分とは、吸着ブロック11の下面に対して異なる距離を取りうる。そのため、薄板13は、はんだボールの搭載対象である基板の反りに倣って変形しうる。
【0033】
図7は、はんだボール搭載装置10の下面に、はんだボール100が吸着された状態の一例を示す概念図である。排気口Vからの排気によって吸着ブロック11の内部が減圧されると、吸着ブロック11の内部が負圧になる。その結果、薄板13に形成された複数の吸着孔Hの各々において、吸着ブロック11の内部に向けた吸引力が発生する。そのため、薄板13に形成された複数の吸着孔Hの各々には、下方に配置されたはんだボール100が吸着される。
【0034】
図8は、はんだボール搭載装置10の下方に基板180が配置された状態の一例を示す概念図である。基板180の上面には、複数の電極181が形成される。複数の電極181の各々は、複数のはんだボール100のうちいずれか1つの下方に位置合わせされる。複数の電極181の各々には、フラックス185が塗布されている。なお、複数の電極181の各々には、フラックス185の代わりに、はんだペーストが塗布されてもよい。フラックス185が塗布された複数の電極181の上方には、吸着ブロック11の下面に吸い付けられたはんだボール100が対応付けられる。
【0035】
図9は、基板180の電極181にはんだボール100を付着させた状態の一例を示す概念図である。
図9の例では、基板180に撓みがない。
図9の例においては、上下駆動源15による連結プレート120の下方への駆動に応じて、フラックス185が塗布された複数の電極181の各々に、はんだボール100が付着する。全てのはんだボール100が電極181に接触した状態で連結プレート120をさらに下方に移動させると、第1圧縮ばね123および第2圧縮ばね127が圧縮される。そのため、第1圧縮ばね123および第2圧縮ばね127の変形可能範囲であれば、全てのはんだボール100が電極181に接触した状態から連結プレート120を下方に移動させても、薄板13が下降しない。
【0036】
図10は、
図9の例において、基板180の電極181にはんだボール100が搭載された状態の一例を示す概念図である。真空源17を停止させて、上下駆動源15による連結プレート120の上方に移動させると、フラックス185が塗布された複数の電極181の各々に、はんだボール100が搭載される。はんだボール100が電極181に搭載された状態で基板180をリフローすることによって、はんだボール100が電極181に実装される。
【0037】
図11は、基板180の電極181にはんだボール100を付着させた状態の別の一例を示す概念図である。
図11の例では、基板180の中央部分が、周縁部分に対して上方に反っている。
図11の例においては、上下駆動源15による連結プレート120の下方への駆動に応じて、フラックス185が塗布された複数の電極181の各々に、はんだボール100が付着する。薄板13は、基板180の反りに応じて、周縁部分に対して中央部分が上方に反っている。第1圧縮ばね123と比べて第2圧縮ばね127の方が大きく変形することによって、基板180の反りに沿って、薄板13が変形する。その結果、基板180の全ての電極181にはんだボール100が付着する。
【0038】
図12は、
図11の例において、基板180の電極181にはんだボール100が搭載された状態の別の一例を示す概念図である。上下駆動源15による連結プレート120の上方への駆動に応じて、フラックス185が塗布された複数の電極181の各々に、はんだボール100が搭載される。基板180の反りに応じて薄板13が変形するため、はんだボール100がはんだボール搭載装置10の側に残ることはない。はんだボール100が電極181に搭載された状態でリフローすることによって、はんだボール100が電極181にはんだ付けされる。
【0039】
図13は、基板180の電極にはんだボール100を付着させた状態のさらに別の一例を示す概念図である。
図13の例では、基板180の周縁部分が、中央部分に対して上方に反っている。
図13の例においては、上下駆動源15による連結プレート120の下方への駆動に応じて、フラックス185が塗布された複数の電極181の各々に、はんだボール100が付着する。薄板13は、基板180の反りに応じて、中央部分に対して周縁部分が上方に反っている。第2圧縮ばね127と比べて第1圧縮ばね123の方が大きく変形することによって、基板180の反りに沿って、薄板13が変形する。その結果、基板180の全ての電極181にはんだボール100が付着する。
【0040】
図14は、
図13の例において、基板180の電極181にはんだボール100が搭載された状態の一例を示す概念図である。上下駆動源15による連結プレート120の上方への駆動に応じて、フラックス185が塗布された複数の電極181の各々に、はんだボール100が搭載される。基板180の反りに応じて薄板13が変形するため、はんだボール100がはんだボール搭載装置10の側に残ることはない。はんだボール100が電極181に搭載された状態でリフローすることによって、はんだボール100が電極181にはんだ付けされる。
【0041】
制御部16(コントローラ)は、真空源17および上下駆動源15を制御する。例えば、制御部16は、プロセッサとメモリを含むマイクロコンピュータによって実現される。制御部16は、真空源17を制御して、吸着ブロック11の内圧を調節する。制御部16は、真空源17を駆動させて、吸着ブロック11の内部から排気することによって、吸着ブロック11の内部を減圧する。制御部16は、真空源17による排気の度合を制御することによって、吸着ブロック11の内部の圧力を調節する。制御部16は、真空源17による排気を停止させて、吸着ブロック11の内部の圧力を常圧に戻す。
【0042】
制御部16は、上下駆動源15を駆動させて、垂直方向における連結プレート120の位置(高さ)を制御する。制御部16は、上下駆動源15を下方に移動させて、連結プレート120を下方に移動させる。その結果、連結プレート120に連動して動く薄板13が下方に移動する。制御部16は、上下駆動源15を上方に移動させて、連結プレート120を上方に移動させる。その結果、連結プレート120に連動して動く薄板13が上方に移動する。
【0043】
はんだボール搭載装置10の下方にはんだボール100がセットされると、制御部16は、真空源17を動作させる。例えば、はんだボール100は、搬送装置(図示しない)によって、はんだボール搭載装置10の下方にセットされる。はんだボール100は、作業者によって、はんだボール搭載装置10の下方にセットされてもよい。真空源17の動作に応じて、吸着ブロック11の内部が負圧になり、薄板13の吸着孔Hから吸着ブロック11の内部に向けた吸引力が発生する。その結果、薄板13の下方に配置されたはんだボール100が、薄板13の吸着孔Hに吸着される。また、第2孔h2を介した吸引力によって、吸着ブロック11の下面に薄板13が密着する。このように、はんだボール100の吸着に合わせて、吸着ブロック11が薄板13に密着することによって、薄板13のうねりがなくなる。
【0044】
はんだボール搭載装置10の下方に基板180がセットされると、制御部16は、真空源17による排気を弱める。真空源17による排気は、薄板13を下方に移動できる程度に弱められる。吸着ブロック11の内部が減圧された状態が維持される場合、制御部16は、真空源17を停止させてもよい。例えば、基板180は、搬送装置(図示しない)によって、はんだボール搭載装置10の下方にセットされる。例えば、搬送装置は、制御部16によって制御されてもよい。例えば、基板180は、作業者によって、はんだボール搭載装置10の下方にセットされてもよい。制御部16は、真空源17による排気を弱めると、上下駆動源15を駆動させて、連結プレート120を下方に押し下げる。連結プレート120の動きに連動して、薄板13の吸着孔Hにはんだボール100が吸着したままで、吸着ブロック11の下面から薄板13が遊離する。例えば、真空源17による排気を弱めなくても薄板13を下方に移動できる場合、制御部16は、真空源17による排気を弱めずに、上下駆動源15を駆動させて、連結プレート120を下方に押し下げてもよい。
【0045】
基板180の電極181にはんだボール100が付着する位置まで連結プレート120を下降させると、制御部16は、真空源17を停止させる。その後、制御部16は、上下駆動源15を駆動させて、連結プレート120を上方に移動させる。連結プレート120の上方への動きに連動して、薄板13が上方に向けて移動する。制御部16は、吸着ブロック11の下面に薄板13が密着する位置まで、連結プレート120を上方に移動させる。このような手順で、基板180の電極181にはんだボールが搭載される。
【0046】
(動作)
次に、本実施形態に係るはんだボール搭載装置10の動作の一例について図面を参照しながら説明する。以下においては、はんだボール搭載装置10が備える制御部16による制御例について説明する。
図15は、はんだボール搭載装置10の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図15のフローチャートに沿った処理の説明においては、制御部16を動作主体として説明する。
【0047】
図15において、まず、制御部16は、はんだボール100が下方にセットされた状態で真空源17を動作させる(ステップS11)。その結果、吸着ブロック11の内部が減圧されて、はんだボール100が吸着孔Hに吸着する。また、第2孔h
2を通じた吸引力によって、吸着ブロック11の下面に薄板13が密着する。この状態で、はんだボール100の搭載対象である基板180の電極181とはんだボール100の位置が合わせられる。例えば、搬送装置(図示しない)によって、基板180の電極181とはんだボール100の位置が合わせられる。例えば、制御部16の制御によって、基板180の電極181とはんだボール100の位置が合わせられてもよい。
【0048】
次に、制御部16は、吸着ブロック11の下方に基板180が位置合わせされた状態で、真空源17による排気を弱める(ステップS12)。制御部16は、吸着ブロック11の下方から薄板13が遊離できる程度に、真空源17による排気を弱める。真空源17による排気を弱めなくても、吸着ブロック11の下方から薄板13が遊離できる場合は、ステップS12は省略されてもよい。
【0049】
次に、制御部16は、上下駆動源15を駆動させて、連結プレート120を下方に移動させる(ステップS13)。制御部16は、第1圧縮ばね123および第2圧縮ばね127が圧縮される位置まで、連結プレート120を下方に移動させる。その結果、薄板13の吸着孔Hに吸着した全てのはんだボール100が、基板180の電極181(フラックス185)に付着する。
【0050】
次に、制御部16は、真空源17を停止させる(ステップS14)。真空源17の停止に応じて、吸着ブロック11の減圧が解かれると、薄板13の吸着孔Hにおける吸引力がなくなる。
【0051】
次に、制御部16は、上下駆動源15を駆動させて、連結プレート120を上方に移動させる(ステップS15)。その結果、基板180の電極181にはんだボール100が搭載された状態で、薄板13が上方に移動する。
図5~
図6に示すように、第1支持具130のテーパ部分T
2は、吸着ブロック11の第4孔h
4のテーパ部分T
1に沿って上方へ移動する。そのため、第1支持具130および薄板13の水平方向における位置が、吸着ブロック11の下面に薄板13が密着していた状態における元の位置に戻る。
【0052】
以上のように、本実施形態のはんだボール搭載装置は、吸着ブロック、押し出しユニット、薄板、上下駆動源、制御部、および真空源を備える。吸着ブロックは、はんだボールの搭載対象である基板の電極に合わせた位置を含む複数の箇所に複数の孔が形成され、真空源による排気によって内部を減圧可能である。吸着ブロックの下面には、第1孔、第2孔、第3孔、および第4孔が開口する。第1孔は、基板の電極の位置に合わせて形成される。第2孔は、薄板を吸引するために形成される。第3孔には、押し出しピンが挿入される。第4孔には、吸着ブロックの4隅に対応付けて形成される。押し出しユニットは、吸着ブロックの下面から薄板を上下方向に離脱着させる。薄板は、吸着ブロックの下面に配置され、基板の電極の位置に合わせた位置に複数の吸着孔が形成される。制御部は、上下駆動源および真空源を制御する。上下駆動源は、制御部の制御に応じて、押し出しユニットを上下動させる。真空源は、制御部の制御に応じて動作する。
【0053】
押し出しユニットは、押し出しピン、押し出しシャフト、連結プレート、第1支持具、第2支持具、および連結板を有する。押し出しピンは、吸着ブロックの下面に形成された複数の孔のうちいずれかに挿入され、薄板の上面に下端が接続される。押し出しピンは、第1押し出しピンおよび第2押し出しピンを有する。第1押し出しピンは、第1支持具によって下端が支持される。第2押し出しピンは、連結板の下面に上端が接続され、第3孔に挿入され、薄板の上面に下端が固定される。押し出しシャフトは、吸着ブロックの上面に形成された複数の孔に挿入され、押し出しピンを上下動可能に支持する。押し出しシャフトは、第1押し出しシャフトおよび第2押し出しシャフトを有する。第1押し出しシャフトは、第1支持具に下端が支持される。第2押し出しシャフトは、連結プレートの下面の中央部分に上端が接続され、吸着ブロックの上面の中央に形成された孔に挿入され、第2支持具によって下端が支持される。連結プレートは、吸着ブロックの上面に配置され、押し出しシャフトの上端が固定される。第1支持具は、第4孔の内部に配置され、薄板の上面に固定される。第2支持具は、押し出しシャフトのいずれかの下端を支持する。連結板の上面には、第2支持具が固定される。
【0054】
本実施形態のはんだボール搭載装置が備える吸着ブロックの下面には、変形可能な薄板が配置される。吸着ブロックの内部には、適切な荷重で薄板を上下動させる機構が配置される。はんだボールの搭載時において、下方に押し出された薄板が基板(パッケージ)の反りに倣って変形することによって、基板の電極に塗布されたフラックスがはんだボールに接触する。本実施形態によれば、はんだボールの搭載対象である基板に反りがあっても、フラックスが塗布された電極にはんだボールが十分に接触する。そのため、本実施形態によれば、はんだボールの搭載対象である基板の電極に、はんだボールを安定して搭載できる。
【0055】
はんだボールが搭載される基板は、ある程度の反りを有することがある。基板の反りが大きいと、はんだボールの搭載時において、電極に塗布されたフラックスがはんだボールと十分に接しない状況が発生しうる。このような状況が発生すると、真空吸着をオフにしても、はんだボールと吸着ブロックとの接触面の引っ掛かりや静電気などが原因で、はんだボールが吸着ブロックに付着したままになってしまう。はんだボールが吸着ブロックに付着したままになると、基板の電極の一部にはんだボールが搭載されていない不良が発生する。
【0056】
本実施形態の一態様において、第1押し出しシャフトは、第1押し出しピンの上端部分が収納される収納空間を有する。第2押し出しシャフトは、下方部分にくびれた部分を有する。収納空間の天井面と押し出しピンの上面との間と、第2押し出しシャフトのくびれた部分の上面と第2支持具の上面との間とに、圧縮ばねが配置される。本態様によれば、第1押し出しピンおよび第2押し出しピンが独立して伸縮することによって、はんだボールの搭載対象である基板の電極に、はんだボールを安定して搭載できる。
【0057】
本実施形態の一態様において、制御部は、吸着ブロックの下方にはんだボールがセットされた状態において、真空源を動作させる。制御部は、基板が下方に位置合わせされた状態において、上下駆動源を駆動させて押し出しユニットを下方に移動させる。制御部は、基板の電極に対するはんだボールの付着に応じて、真空源を停止させる。制御部は、上下駆動源を駆動させて押し出しユニットを上方に移動させる。本態様によれば、制御部の制御によって、はんだボールの搭載対象である基板の電極に、はんだボールを安定して搭載できる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るはんだボール搭載装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態のはんだボール搭載装置は、第1実施形態のはんだボール搭載装置とは、押し出しユニットの構造が異なる。本実施形態においては、はんだボール搭載装置によるはんだボールの搭載の様子を示す図は省略する。はんだボールの搭載に関しては、第1実施形態と同様である。
【0059】
(構成)
図16~
図17は、本実施形態のはんだボール搭載装置20の構成の一例を示す概念図である。
図16~
図17は、はんだボール搭載装置20の内部を側方の視座から見た断面図である。
図16~
図17は、同一の切断線によって切断された断面ではなく、代表的な部分の断面を示す。
【0060】
はんだボール搭載装置20は、吸着ブロック21、薄板23、連結プレート220、上下駆動源25、支持具230、制御部26、および真空源27を備える。さらに、はんだボール搭載装置20は、押し出しシャフト221、圧縮ばね223、第1押し出しピン231、および第2押し出しピン251を備える。
【0061】
連結プレート220、押し出しシャフト221、圧縮ばね223、支持具230、第1押し出しピン231、および第2押し出しピン251は、押し出しユニットを構成する。押し出しユニットは、吸着ブロック21の下面から薄板23を上下方向に離脱着させる。
図17は、押し出しユニットが下方に押し出された状態を示す。押し出しユニットは、連結プレート220の動きに連動して上下動する。押し出しユニットの上下動に連動して、薄板23が上下動する。はんだボールの搭載対象である基板の反りに倣って、複数の圧縮ばね223が独立して伸縮する。そのため、はんだボールが基板の搭載される際に、薄板23は、基板の反りに倣って変形する。
【0062】
吸着ブロック21は、第1実施形態の吸着ブロック11と同様の構成である。吸着ブロック21は、はんだボールの吸着に用いられる筐体である。吸着ブロック21の内部は、空洞である。吸着ブロック21の内部には、はんだボール搭載装置20の構成要素の一部が収納される。吸着ブロック21の側面(壁)には、吸着ブロック21の内圧の調整に用いられる排気口Vが開口する。排気口Vは、吸着ブロック21の上面(天井)に形成されてもよい。排気口Vは、エアーホース275を介して、真空源27と接続される。例えば、真空源27は、真空ポンプによって実現される。真空源27を動作させると、排気口Vを介した排気によって、吸着ブロック21の内部が負圧になる。そのため、吸着ブロック21の下面に形成された孔を通じた吸引力が発生する。例えば、真空源27の排気量の制御によって、吸着ブロック21の内部の圧力が調整されてもよい。真空源27やエアーホース275については、特に限定を加えない。
【0063】
図18は、はんだボール搭載装置20を上方の視座から見た平面図である。吸着ブロック21の上面には、押し出しシャフト221を挿入するための貫通孔が形成される。押し出しシャフト221の上端は、連結プレート220の下面に接続される。押し出しシャフト221は、吸着ブロック21の上面に形成された貫通孔の内部で上下動可能に配置される。押し出しシャフト221の下方の部分は、吸着ブロック21の内部に配置される。
【0064】
図19は、薄板23が取り外された状態のはんだボール搭載装置20(吸着ブロック21)を、下方の視座から見た下面図である。吸着ブロック21の下面には、第1孔h
1、第2孔h
2、第3孔h
3、および第4孔h
4が開口する。第1孔h
1は、はんだボールの吸着に用いられる孔である。
図19の例では、吸着ブロック21の下面に、格子状に配列された100個の第1孔h
1が開口する。第2孔h
2は、薄板23の吸着に用いられる孔である。
図19の例では、はんだ吸着ブロック21の下面に、20個の第2孔h
2が開口する。第3孔h
3は、第2押し出しピン251が貫通する孔である。第2押し出しピン251は、第3孔h
3の内部で上下動する。
図19の例では、吸着ブロック21の下面に、5個の第3孔h
3が開口する。第4孔h
4は、支持具230が配置される孔である。
図19の例では、吸着ブロック21の下面に、4個の第4孔h
4が開口する。
図19に示す第1孔h
1、第2孔h
2、第3孔h
3、および第4孔h
4は、一例であって、吸着ブロック21の下面に形成される孔の位置や数、大きさ、形状等を限定するものではない。はんだボールの搭載対象である基板(パッケージ)の大きさや種類に応じて、吸着ブロック21の下面に形成される孔の位置や数、大きさ、形状等が設定される。
【0065】
薄板23は、吸着ブロック21の下面に配置される。薄板23は、吸着ブロック21の下面から遊離可能である。薄板23は、可撓性を有する。例えば、第1実施形態の薄板13と同様に、薄板23は、たわみやすい金属板等によって実現される。薄板23は、たわみやすい樹脂板によって実現されてもよい。薄板23には、吸着ブロック21の下面に形成された第1孔h1に対応する位置に、吸着孔Hが形成される。薄板23の吸着孔Hの形成方法については、特に限定を加えない。
【0066】
図20は、はんだボール搭載装置20(薄板23)を下方の視座から見た下面図である。
図20の例では、格子状に配列された100個の吸着孔Hが薄板23に形成されている。また、
図20には、吸着ブロック21の下面に形成された第1孔h
1、第2孔h
2、第3孔h
3、および第4孔h
4に対応する位置を示す。複数の吸着孔Hは、複数の第1孔h
1に対応する位置に形成される。
【0067】
上下駆動源25は、第1実施形態の上下駆動源15と同様の構成である。上下駆動源25は、制御部26の制御に応じて、連結プレート220を上下動させる。例えば、上下駆動源25は、空気圧によって伸縮するエアシリンダによって実現される。連結プレート220を上下動させることができれば、上下駆動源25の機構には限定を加えない。連結プレート220の上下動に応じて、その連結プレート220の下方に連結された押し出しシャフト221が上下動する。押し出しシャフト221の上下動に応じて、薄板23が上下動する。すなわち、連結プレート220の上下動に連動して、薄板23が上下動する。
【0068】
押し出しシャフト221は、第1実施形態の第1押し出しシャフト121と同様の構成である。押し出しシャフト221の上端は、連結プレート220の下面に接続される。押し出しシャフト221の下部には、収納空間が形成される。連結プレート220の4隅の下面に接続された押し出しシャフト221の収納空間には、圧縮ばね223および第1押し出しピン231の上端が収納される。連結プレート220の4隅以外の下面に接続された押し出しシャフト221の収納空間の内部には、圧縮ばね223および第2押し出しピン251の上端が収納される。圧縮ばね223は、押し出しシャフト221の収納空間に配置される。圧縮ばね223は、押し出しシャフト221に対して、第1押し出しピン231または第2押し出しピン251を下方に押圧する。
【0069】
第1押し出しピン231は、押し出しシャフト221と薄板23との間に配置される。第1押し出しピン231の上端および下端は、主軸と比べて、断面積が大きい。第1押し出しピン231の上端は、押し出しシャフト221の収納空間に収納される。第1押し出しピン231の上面には、圧縮ばね223によって下向きの応力が印加される。第1押し出しピン231の下端は、支持具230によって支持される。支持具230は、薄板23の上面に配置される。支持具230は、吸着ブロック21の下面に形成された第4孔h4の内部に配置される。はんだボール搭載装置20は、4つの支持具230を備える。4つの支持具230の各々は、薄板23の上面の4隅に対応付けて、配置される。支持具230は、第1押し出しピン231の下端を、包み込むように支持する。
【0070】
第2押し出しピン251は、押し出しシャフト221と薄板23との間に配置される。第2押し出しピン251の上端は、主軸と比べて、断面積が大きい。第2押し出しピン251の上端は、押し出しシャフト221の収納空間に収納される。第2押し出しピン251の上面には、圧縮ばね223によって下向きの応力が印加される。第2押し出しピン251の下部は、吸着ブロック21の下面に形成された第3孔h3の内部に挿入される。第2押し出しピン251の下端は、薄板23の上面に接続される。
【0071】
上下駆動源25の駆動に応じて押し出しシャフト221が上下動することによって、吸着ブロック21の下面と薄板23との位置関係が変化する。複数の圧縮ばね223は、互いに独立して伸縮する。そのため、薄板23の周縁部分と中央部分とは、吸着ブロック21の下面に対して異なる距離を取りうる。そのため、薄板23は、はんだボールの搭載対象である基板の反りに沿って変形しうる。
【0072】
制御部26(コントローラ)は、第1実施形態の制御部16と同様の構成である。制御部26は、真空源27および上下駆動源25を制御する。例えば、制御部26は、プロセッサとメモリを含むマイクロコンピュータによって実現される。制御部26は、真空源27を制御して、吸着ブロック21の内圧を調節する。制御部26は、真空源27を駆動させて、吸着ブロック21の内部から排気することによって、吸着ブロック21の内部を減圧する。制御部26は、真空源27による排気の度合を制御することによって、吸着ブロック21の内部の圧力を調節する。制御部26は、真空源27による排気を停止させて、吸着ブロック21の内部の圧力を常圧に戻す。
【0073】
制御部26は、上下駆動源25を駆動させて、垂直方向における連結プレート220の位置(高さ)を制御する。制御部26は、上下駆動源25を下方に移動させて、連結プレート220を下方に移動させる。その結果、連結プレート220に連動して動く薄板23が下方に移動する。制御部26は、上下駆動源25を上方に移動させて、連結プレート220を上方に移動させる。その結果、連結プレート220に連動して動く薄板23が上方に移動する。
【0074】
はんだボール搭載装置20の下方にはんだボールがセットされると、制御部26は、真空源27を駆動させ、吸着ブロック21の内部を排気する。真空源27の駆動に応じて、吸着ブロック21の内部が負圧になり、薄板23の吸着孔Hから吸着ブロック21の内部に向けた気流が発生する。その結果、薄板23の下方に配置されたはんだボールが、薄板23の吸着孔Hに吸着する。また、第2孔h2を介した吸引力によって、吸着ブロック21の下面に薄板23が密着する。このように、はんだボールの吸着に合わせて、吸着ブロック21が薄板23に密着することによって、薄板23のうねりがなくなる。
【0075】
はんだボール搭載装置20の下方に基板がセットされると、制御部26は、真空源27による排気を弱める。制御部26は、真空源27による排気を弱めると、上下駆動源25を駆動させて、連結プレート220を下方に押し下げる。連結プレート220の動きに連動して、薄板23の吸着孔Hにはんだボールが吸着したままで、吸着ブロック21の下面から薄板23が遊離する。制御部26は、真空源27による排気を弱めずに、上下駆動源25を駆動させて、連結プレート220を下方に押し下げてもよい。
【0076】
基板の電極にはんだボールが付着する位置まで連結プレート220を下降させると、制御部26は、真空源27を停止させる。その後、制御部26は、上下駆動源25を駆動させて、連結プレート220を上方に移動させる。連結プレート220の上方への動きに連動して、薄板23が上方に向けて移動する。制御部26は、吸着ブロック21の下面に薄板23が密着する位置まで、連結プレート220を上方に移動させる。このような手順で、基板の電極に、はんだボールが搭載される。
【0077】
以上のように、本実施形態のはんだボール搭載装置は、吸着ブロック、押し出しユニット、薄板、支持具、上下駆動源、制御部、および真空源を備える。吸着ブロックは、はんだボールの搭載対象である基板の電極に合わせた位置を含む複数の箇所に複数の孔が形成され、真空源による排気によって内部を減圧可能である。吸着ブロックの下面には、第1孔、第2孔、第3孔、および第4孔が開口する。第1孔は、基板の電極の位置に合わせて形成される。第2孔は、薄板を吸引するために形成される。第3孔には、押し出しピンが挿入される。第4孔には、吸着ブロックの4隅に対応付けて形成される。押し出しユニットは、吸着ブロックの下面から薄板を上下方向に離脱着させる。薄板は、吸着ブロックの下面に配置され、基板の電極の位置に合わせた位置に複数の吸着孔が形成される。制御部は、上下駆動源および真空源を制御する。上下駆動源は、制御部の制御に応じて、押し出しユニットを上下動させる。真空源は、制御部の制御に応じて動作する。
【0078】
押し出しユニットは、押し出しピン、押し出しシャフト、連結プレート、支持具、および連結板を有する。押し出しピンは、吸着ブロックの下面に形成された複数の孔のうちいずれかに挿入され、薄板の上面に下端が接続される。押し出しピンは、第1押し出しピンおよび第2押し出しピンを有する。第1押し出しピンは、支持具によって下端が支持される。第2押し出しピンは、第3孔に挿入され、薄板の上面に下端が固定される。押し出しシャフトは、吸着ブロックの上面に形成された複数の孔に挿入され、押し出しピンを上下動可能に支持する。連結プレートは、吸着ブロックの上面に配置され、押し出しシャフトの上端が固定される。第1支持具は、第4孔の内部に配置され、薄板の上面に固定される。
【0079】
本実施形態のはんだボール搭載装置が備える吸着ブロックの下面には、変形可能な薄板が配置される。吸着ブロックの内部には、適切な荷重で薄板を上下動させる機構が配置される。はんだボールの搭載時において、下方に押し出された薄板が基板(パッケージ)の反りに倣って変形することによって、基板の電極に塗布されたフラックスがはんだボールに接触する。本実施形態によれば、はんだボールの搭載対象である基板に反りがあっても、フラックスが塗布された電極にはんだボールが十分に接触する。そのため、本実施形態によれば、はんだボールの搭載対象である基板の電極に、はんだボールを安定して搭載できる。
【0080】
本実施形態の一態様において、押し出しシャフトは、押し出しピンの上端部分が収納される収納空間を有する。収納空間の天井面と押し出しピンの上面との間に、圧縮ばねが配置される。本態様によれば、複数の押し出しピンが独立して伸縮することによって、はんだボールの搭載対象である基板の電極に、はんだボールを安定して搭載できる。
【0081】
本実施形態の一態様において、制御部は、吸着ブロックの下方にはんだボールがセットされた状態において、真空源を動作させる。制御部は、基板が下方に位置合わせされた状態において、上下駆動源を駆動させて押し出しユニットを下方に移動させる。制御部は、基板の電極に対するはんだボールの付着に応じて、真空源を停止させる。制御部は、上下駆動源を駆動させて押し出しユニットを上方に移動させる。本態様によれば、制御部の制御によって、はんだボールの搭載対象である基板の電極に、はんだボールを安定して搭載できる。
【0082】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るはんだボール搭載装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態のはんだボール搭載装置は、第1~第2実施形態のはんだボール搭載装置を簡略化した構成である。
【0083】
図21~
図22は、本実施形態のはんだボール搭載装置30の構成の一例を示す概念図である。はんだボール搭載装置30は、吸着ブロック31、押し出しユニット32、薄板33、および上下駆動源35を備える。
図22は、押し出しユニット32が下方に押し出された状態を示す。
【0084】
吸着ブロック31は、はんだボールの搭載対象である基板の電極に合わせた位置を含む複数の箇所に複数の孔が形成され、真空源による排気によって内部を減圧可能である。押し出しユニット32は、吸着ブロック31の下面から薄板33を上下方向に離脱着させる。薄板33は、吸着ブロック31の下面に配置され、基板の電極の位置に合わせた位置に複数の吸着孔Hが形成される。上下駆動源35は、押し出しユニット32を上下動させる。
【0085】
本実施形態のはんだボール搭載装置は、吸着ブロックの下面から離脱着可能な薄板を備える。はんだボールが基板に搭載される際に、基板の反りに沿って薄板が変形する。そのため、基板の反りに合わせて、複数のはんだボールが均一な力で電極に押しあてられる。本実施形態によれば、はんだボールが安定して電極に付着するため、吸着ブロックの側にはんだボールが持ち去られることなく、はんだボールの搭載対象である基板の電極に、はんだボールを安定して搭載できる。
【0086】
(ハードウェア)
次に、本開示の各実施形態に係る制御や処理を実行するハードウェア構成について、図面を参照しながら説明する。ここでは、そのようなハードウェア構成の一例として、
図23の情報処理装置90(コンピュータ)をあげる。
図23の情報処理装置90は、各実施形態の制御や処理を実行するための構成例であって、本開示の範囲を限定するものではない。
【0087】
図23のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96を備える。
図23においては、インターフェースをI/F(Interface)と略記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96は、バス98を介して、互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
【0088】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラム(命令)を、主記憶装置92に展開する。例えば、プログラムは、各実施形態の制御や処理を実行するためのソフトウェアプログラムである。プロセッサ91は、主記憶装置92に展開されたプログラムを実行する。プロセッサ91は、プログラムを実行することによって、各実施形態に係る制御や処理を実行する。
【0089】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92には、プロセッサ91によって、補助記憶装置93等に格納されたプログラムが展開される。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリによって実現される。また、主記憶装置92として、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリが構成/追加されてもよい。
【0090】
補助記憶装置93は、プログラムなどの種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって実現される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
【0091】
入出力インターフェース95は、規格や仕様に基づいて、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。外部機器と接続されるインターフェースとして、入出力インターフェース95と通信インターフェース96とが共通化されてもよい。
【0092】
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器が接続されてもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。入力機器としてタッチパネルが用いられる場合、タッチパネルの機能を有する画面がインターフェースになる。プロセッサ91と入力機器とは、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0093】
情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器が備え付けられてもよい。表示機器が備え付けられる場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられる。情報処理装置90と表示機器は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0094】
情報処理装置90には、ドライブ装置が備え付けられてもよい。ドライブ装置は、プロセッサ91と記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体に格納されたデータやプログラムの読み込みや、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みを仲介する。情報処理装置90とドライブ装置は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0095】
以上が、本開示の各実施形態に係る制御や処理を可能とするためのハードウェア構成の一例である。
図23のハードウェア構成は、各実施形態に係る制御や処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本開示の範囲を限定するものではない。各実施形態に係る制御や処理をコンピュータに実行させるプログラムも、本開示の範囲に含まれる。
【0096】
各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も、本開示の範囲に含まれる。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体によって実現されてもよい。また、記録媒体は、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現されてもよい。プロセッサが実行するプログラムが記録媒体に記録されている場合、その記録媒体はプログラム記録媒体に相当する。
【0097】
各実施形態の構成要素は、任意に組み合わせられてもよい。各実施形態の構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよい。各実施形態の構成要素は、回路によって実現されてもよい。
【0098】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0099】
10、20、30 はんだボール搭載装置
11、21 吸着ブロック
13、23 薄板
15、25、35 上下駆動源
16、26 制御部
17、27 真空源
32 押し出しユニット
120、220 連結プレート
121 第1押し出しシャフト
123 第1圧縮ばね
126 第2押し出しシャフト
127 第2圧縮ばね
130 第1支持具
131、231 第1押し出しピン
150 連結板
151、251 第2押し出しピン
152 第2支持具
175、275 エアーホース
221 押し出しシャフト
223 圧縮ばね
230 支持具