(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178577
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】加湿器
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20241218BHJP
F24F 6/12 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
F24F6/00 B
F24F6/00 E
F24F6/12 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096813
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 大河
(72)【発明者】
【氏名】前田 潤哉
(72)【発明者】
【氏名】久野 翔一
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055BB15
3L055BC01
3L055CA04
3L055DA05
(57)【要約】
【課題】 設置場所が水滴の落下によって濡れてしまうことを抑制することが可能な加湿器を提供すること。
【解決手段】 加湿器A1は、本体1と、吸込口151および吹出口54と、タンク2と、プール61、加熱部62、およびミスト発生部63、を含む加湿部6と、吸込口151から吸入した空気を加熱部62側に導く開口部122と、開口部122を通過して加熱部62により昇温された空気を送り出す送風部7と、送風部7により送風された空気が流れる風路が形成された第1風路形成部8Aと、第1風路形成部8Aからの空気と加湿部6によって発生した蒸気およびミストとが混合された混合空気が流れ且つ吹出口54に導かれる風路が形成される第2風路形成部8Bと、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の下部に配置された空気の吸込口、および前記本体の上部に配置された吹出口と、
前記本体内に配置され且つ水を供給するタンクと、
前記タンクから供給される水を貯留可能なプール、前記プール内の水を加熱して蒸気を発生させる加熱部、および前記プール内の水をミスト化するミスト発生部、を含む加湿部と、
前記吸込口から吸入した空気を前記加熱部側に導く開口部と、
前記開口部を通過して前記加熱部により昇温された空気を送り出す送風部と、
前記送風部により送風された空気が流れる風路が形成された第1風路形成部と、
前記第1風路形成部からの空気と前記加湿部によって発生した蒸気およびミストとが混合された混合空気が流れ且つ前記吹出口に導かれる風路が形成される第2風路形成部と、を備える、加湿器。
【請求項2】
前記第2風路形成部は、上端部分が前記吹出口を構成する筒部を含み、
前記吹出口の断面積は、前記筒部のうち前記吹出口よりも下方に位置する部位の断面積よりも小さい、請求項1に記載の加湿器。
【請求項3】
前記吹出口は、水平方向に対して上側であって水平方向において前記吸込口とは反対側に向けて前記混合空気を吹き出し、
前記吸込口から前記開口部に至る経路に湿度測定部が配置されている、
請求項1に記載の加湿器。
【請求項4】
前記本体は、水平方向に沿う天面を有し、
前記吹出口は、前記天面に開口しており、
前記混合空気が吹き出される方向と前記天面とがなす角度は、30°以上60°未満である、請求項1に記載の加湿器。
【請求項5】
前記送風部は、シロッコファンを含む、請求項1に記載の加湿器。
【請求項6】
前記開口部は、
前記加熱部の下方に位置し、前記加熱部の中心よりも前記送風部から離れた側に位置する第1開口部と、
前記加熱部の下方に位置し、前記加熱部の中心よりも前記送風部に近い側に位置する第2開口部と、
を含む、請求項1に記載の加湿器。
【請求項7】
前記加熱部を下方から支持するヒータ支持部材と、
前記加熱部に取り付けられる温度センサと、
前記温度センサを支持するセンサ支持部材と、を備え、
前記ヒータ支持部材は、前記温度センサを挟持する挟持部を有する、請求項1に記載の加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
室内等における空気の湿度を所望の状態に高めるための器具として、加湿器が広く用いられている。特許文献1には、従来の加湿器の一例が開示されている。同文献の加湿器は、いわゆる超音波式の加湿器である。タンクから給水された水に超音波発振機を作用させることによりミストを発生させる。このミストを排出口から外部に排出することにより、周辺の空気の湿度を上昇させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排出口から排出された空気には、ミストの状態とされた多数の微小な水滴が含まれている。これらの水滴が、周辺の空気において気化する前に、加湿器の周辺の床等に落下してしまう場合がある。このようなことでは、加湿器が設置された床等が不当に濡れてしまうという不具合が生じる。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、設置場所が水滴の落下によって濡れてしまうことを抑制することが可能な加湿器を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される加湿器は、本体と、前記本体の下部に配置された空気の吸込口、および前記本体の上部に配置された吹出口と、前記本体内に配置され且つ水を供給するタンクと、前記タンクから供給される水を貯留可能なプール、前記プール内の水を加熱して蒸気を発生させる加熱部、および前記プール内の水をミスト化するミスト発生部、を含む加湿部と、前記吸込口から吸入した空気を前記加熱部側に導く開口部と、前記開口部を通過して前記加熱部により昇温された空気を送り出す送風部と、前記送風部により送風された空気が流れる風路が形成された第1風路形成部と、前記第1風路形成部からの空気と前記加湿部によって発生した蒸気およびミストとが混合された混合空気が流れ且つ前記吹出口に導かれる風路が形成される第2風路形成部と、を備える。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2風路形成部は、上端部分が前記吹出口を構成する筒部を含み、前記吹出口の断面積は、前記筒部のうち前記吹出口よりも下方に位置する部位の断面積よりも小さい。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記吹出口は、水平方向に対して上側であって水平方向において前記吸込口とは反対側に向けて前記混合空気を吹き出し、前記吸込口から前記開口部に至る経路に湿度測定部が配置されている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記本体は、水平方向に沿う天面を有し、前記吹出口は、前記天面に開口しており、前記混合空気が吹き出される方向と前記天面とがなす角度は、30°以上60°未満である。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記送風部は、シロッコファンを含む。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記開口部は、前記加熱部の下方に位置し、前記加熱部の中心よりも前記送風部から離れた側に位置する第1開口部と、前記加熱部の下方に位置し、前記加熱部の中心よりも前記送風部に近い側に位置する第2開口部と、を含む。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記加熱部を下方から支持するヒータ支持部材と、前記加熱部に取り付けられる温度センサと、前記温度センサを支持するセンサ支持部材と、を備え、前記ヒータ支持部材は、前記温度センサを挟持する挟持部を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、設置場所が水滴の落下によって濡れてしまうことを抑制することができる。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る加湿器を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る加湿器を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る加湿器を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る加湿器を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る加湿器を示す要部平面図である。
【
図6】
図5のVI-VI線に沿う要部断面図である。
【
図7】
図5のVII-VII線に沿う要部断面図である。
【
図8】
図5のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図9】
図5のIX-IX線に沿う要部断面斜視図である。
【
図11】
図5のXI-XI線に沿う要部断面図である。
【
図12】
図5のXII-XII線に沿う断面図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係る加湿器を示す分解斜視図である。
【
図14】本発明の第2実施形態に係る加湿器を示す要部断面斜視図である。
【
図15】本発明の第3実施形態に係る加湿器を示す要部底面図である。
【
図16】本発明の第3実施形態に係る加湿器を示す要部底面図である。
【
図17】本発明の第3実施形態に係る加湿器を示す要部斜視図である。
【
図18】本発明の第3実施形態に係る加湿器の加熱部を示す(a)は斜視図であり、(b)は底面図である。
【
図19】(a)は
図18のXIXa-XIXa線に沿う断面図であり、(b)はXIXb-XIXb線に沿う断面図であり、(c)はXIXc-XIXc線に沿う断面図である。
【
図20】本発明の第3実施形態に係る加湿器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1~
図12は、本発明の第1実施形態に係る加湿器を示している。本実施形態の加湿器A1は、本体1、タンク2、加湿部6、送風部7、第1風路形成部8Aおよび第2風路形成部8Bを備え、さらに後述の吸込口151および吹出口54を備える。図示された例の加湿器A1は、加湿部6、送風部7、第1風路形成部8Aおよび第2風路形成部8Bを構成するための具体的な部材の例として、下側構造体3、中間構造体4および上側構造体5を備える。さらに、加湿器A1は、制御部91、表示部92、電源コード93および温湿度センサ94を備える。
図5、
図7、
図8および
図10~
図12においては、理解の便宜上、本体1およびタンク2を省略している。
【0017】
各図におけるz方向は、加湿器A1を通常の使用において設置された場合の上下方向に相当し、上方側をz1側、下方側をz2側と称する場合がある。x方向およびy方向は、いずれもがz方向に直交し且つ互いに直交する方向であり、水平方向に相当する。x方向の一方側をx1側、他方側をx2側を称する場合がある。また、y方向の一方側をy1側、他方側をy2側を称する場合がある。
【0018】
〔本体1〕
本体1は、
図1~
図3に示すように、加湿器A1の外観のほとんどを構成している。また、本体1は、
図4、
図6および
図9に示すように、加湿器A1のその他のほとんどの構成要素を収容している。本体1の形状および大きさ等の具体的構成は何ら限定されない。本体1の材質は何ら限定されず、たとえばプラスチック等の樹脂や金属等が適宜選択される。本体1は、全体が一体的に形成されていてもよいし、組み立てや分解整備等の便宜から複数の部材によって構成されていてもよい。
【0019】
図示された例においては、本体1は、胴部11、底部12、天面パネル13、側パネル14および底面パネル15を具備する。
【0020】
胴部11は、本体1の大部分をなしており、全体としてz方向に延びる筒状である。底部12は、胴部11のz方向のz2側に取り付けられており、胴部11のz2側を塞いでいる。
図4、
図6および
図9に示すように、底部12は、吸込用凹部121および開口部122を有する。吸込用凹部121は、z方向のz1側に凹んだ部位であり、後述の吸込口151から吸い込まれた空気の通路である。開口部122は、吸込用凹部121のx方向におけるx2側であってy方向のy1側に設けられており、z方向に開口した部位である。開口部122は、後述の加熱部62の裏面部622のz方向のz2側に位置する。
【0021】
天面パネル13は、胴部11のz1側に取り付けられており、胴部11のz1側を塞いでいる。天面パネル13は、天面131および吹出孔132を有する。天面131は、z方向のz1側を向く平面であり、z方向において加湿器A1の最上位に位置する面である。吹出孔132は、天面131に開口しており、後述の吹出口54を外部に臨ませるための部位である。吹出孔132は、天面131においてx方向のx1側に配置されている。なお、
図12においては理解の便宜上、天面131および吹出孔132を想像線で示している。
【0022】
側パネル14は、胴部11のz方向のz2側の開口部分を塞ぐ部材である。側パネル14には開口が設けられており、この開口に表示部92が配置されている。
【0023】
底面パネル15は、底部12の吸込用凹部121を塞ぐように底部12に取り付けられている。底面パネル15は、吸込口151を有する。吸込口151は、送風部7が送風する風を吸い込む部位である。本実施形態においては、底面パネル15は、本体1のz方向のz2側端部に設けられており、x方向のx1側であってy方向のy2側に配置されている。
【0024】
〔タンク2〕
タンク2は、加湿器A1が加湿機能を果たすために必要な水を貯留および供給するものである。タンク2の具体的構成は何ら限定されない。
図4および
図6に示すように、本実施形態のタンク2は、タンク本体21、ハンドル22、フィルタ部23、水質改善部24および給水弁25を有する。
【0025】
タンク本体21は、水を貯留する部位であり、本体1の胴部11に着脱可能に収容されている。図示された例においては、タンク本体21は、z方向を深さ方向とする有底容器形状である。タンク本体21の材質は何ら限定されず、たとえば樹脂等が用いられる。ハンドル22は、タンク本体21を使用者が持ち運ぶために用いられる。図示された例においては、ハンドル22は、タンク本体21の内面に取り付けられており、回動可能である。
【0026】
フィルタ部23は、タンク本体21から供給される水の埃等を除去するためのものであり、タンク本体21のz方向のz2側端部に配置されている。水質改善部24は、タンク本体21に貯留される水の水質を改善する機能を果たし、たとえばAg(銀)イオンを発生する等の構成である。
【0027】
給水弁25は、タンク本体21からの水を供給するものであり、タンク本体21のz方向のz2側端部の開口に取り付けられている。タンク本体21の水の貯留状態を維持する場合、給水弁25が閉状態とされる。タンク本体21の水を供給する場合、給水弁25が開状態とされる。給水弁25の動作機構は何ら限定されず、本実施形態においては、後述の第1貯留部31に配置されたフロート26によって開閉動作が実現されている。
【0028】
〔下側構造体3〕
下側構造体3は、
図4、
図6および
図9に示すように、タンク2のz方向のz2側に配置されており、本体1のz方向のz2側に収容されている。下側構造体3の材質は何ら限定されず、たとえば樹脂等が用いられる。下側構造体3の具体的構造は、何ら限定されない。
図4、
図5~
図12に示すように、本実施形態の下側構造体3は、第1貯留部31、第2貯留部32、第3貯留部33、流路34、上昇筒部35および堰部36を有する。
【0029】
第1貯留部31は、
図6に示すように、タンク本体21から供給された水を貯留する部位である。
図5に示すように、本実施形態においては、第1貯留部31は、下側構造体3におけるy方向のy2側に配置されている。本実施形態においては、第1貯留部31の水位に応じて、フロート26が上下に回動する。この機構により、第1貯留部31の水位が低下した場合に、フロート26によって給水弁25が開状態とされタンク本体21から給水される。第1貯留部31の水位が適正な水位以上となった場合、フロート26によって給水弁25が閉状態とされ、タンク本体21からの給水が停止する。
【0030】
第2貯留部32は、タンク本体21から供給された水を加熱するための部位である。第2貯留部32は、第1貯留部31に対して、y方向のy1側に配置されており、また、x方向のx2側に配置されている。本実施形態においては、第2貯留部32の容量は、第1貯留部31の容量よりも小さい。
【0031】
第3貯留部33は、タンク本体21から供給された水をミスト化するための部位である。第3貯留部33は、y方向において第1貯留部31と第2貯留部32との間に配置されており、下側構造体3のy方向における略中央に位置している。また、第3貯留部33は、下側構造体3においてx方向の中心に対して若干x1側に配置されている。第3貯留部33は、第1貯留部31と繋がっている。第2貯留部32から第3貯留部33へは、蒸気が流れ込む。また、本実施形態においては、第3貯留部33に貯められた水の温度を測定する温度センサ(図示略)が設けられていてもよい。
【0032】
流路34は、第1貯留部31と流路34とを繋ぐ流路である。
図5および
図7に示すように、流路34は、y方向に延びている。また、流路34のz方向のz2側の底は、第1貯留部31および第2貯留部32のz方向のz2側の底よりもz1側に位置している。
【0033】
上昇筒部35は、
図4、
図5および
図9~
図11に示すように、z方向のz2側に開放しており、z1側に延びる筒状の部位である。上昇筒部35は、第2貯留部32に対してx方向のx1側に位置しており、第3貯留部33に対してy方向のy1側に位置している。
【0034】
上昇筒部35のz方向のz1側端部には、複数の開口部351が設けられている。開口部351は、第1貯留部31のz方向のz1側を塞ぐ部位に設けられた開口部分である。開口部351の個数、位置および形状等は何ら限定されない。図示された例においては、上昇筒部35は、複数の開口部351を有する。z方向に視て複数の開口部351は、互いに異なる向きに開口している。また、開口部351は、上昇筒部35のうちz方向に延びる筒状の部分と、z方向のz1側において塞ぐ部分との境界に形成されている。
【0035】
堰部36は、
図8に示すように、第2貯留部32と第3貯留部33との間に配置されている。堰部36の上端(z方向において最もz1側に位置する部分)のz方向における位置は、第2貯留部32の上端(z方向において最もz1側に位置する部分)のz方向における位置と略同じである。
【0036】
〔中間構造体4〕
中間構造体4は、
図4~
図12に示すように、下側構造体3に対してz方向のz1側から載置された構造体である。中間構造体4の材質は何ら限定されず、たとえば樹脂等が用いられる。中間構造体4の具体的構造は、何ら限定されない。本実施形態の中間構造体4は、第1シェル部41、第2シェル部42、第3シェル部43、隔壁部44、内側筒部45、テーパ開口部46および接続部47を有する。
【0037】
第1シェル部41は、下側構造体3の流路34に嵌まり込んだ部位である。
図12に示すように、流路34と第1シェル部41との間には、隙間が設けられている。この隙間(流路34)を通じて、第1貯留部31から第2貯留部32に水が供給される。
【0038】
第2シェル部42は、第2貯留部32をz方向のz1側から覆う部位であり、たとえばz方向のz1側に膨出した形状である。第2シェル部42が第2貯留部32を覆うことにより、第2貯留部32の密閉性が高められている。
【0039】
第3シェル部43は、
図4、
図5、
図8、
図11および
図12に示すように、第3貯留部33をz1側から覆う部位である。また、第3シェル部43は、下側構造体3の上昇筒部35をz方向に挿通させる開口部431を有する。
【0040】
隔壁部44は、z方向およびx方向に沿った板状の部位であり、y方向に略直交している。
図11に示すように、隔壁部44は、第3シェル部43からz方向のz1側に延びている。
【0041】
内側筒部45は、
図4および
図12に示すように、第3貯留部33のz方向のz1側に位置しており、第3シェル部43からz方向のz1側に延びている。内側筒部45は、z方向のz1側に向かうほど断面が小さくなるテーパ形状の筒状である。内側筒部45は、z方向のz2側が開放されている。内側筒部45には、開口部451が形成されている。開口部451は、内側筒部45のz方向のz1側に設けられており、z方向に貫通している。
【0042】
テーパ開口部46は、
図4および
図11に示すように、隔壁部44に対してy方向のy2側に位置しており、内側筒部45に対してx方向のx2側に位置している。テーパ開口部46は、z方向においてz1側からz2側に向かうほど断面が小さくなるテーパ形状である。テーパ開口部46のz方向のz2側端部は、開口している。
【0043】
接続部47は、
図4、
図5および
図8に示すように、第2シェル部42と第3シェル部43とを繋いでいる。接続部47は、堰部36に対してz方向のz1側に離隔している。このため、堰部36と接続部47との間には、第2貯留部32と第3貯留部33とにz方向のz1側から繋がる通路が形成されている。
【0044】
〔上側構造体5〕
上側構造体5は、
図4~
図12に示すように、下側構造体3および中間構造体4に対してz方向のz1側から載置された構造体である。上側構造体5の材質は何ら限定されず、たとえば樹脂等が用いられる。上側構造体5の具体的構造は、何ら限定されない。本実施形態の中間構造体4は、下降筒部51、外側筒部53、吹出口54および中間室部55を有する。
【0045】
下降筒部51は、
図4、
図5、
図10および
図11に示すように、下側構造体3の上昇筒部35を外側および上側から覆うように配置されている。すなわち、下降筒部51は、上昇筒部35をz方向のz1側から覆う部分と、上昇筒部35をz方向と直交する方向において上昇筒部35を包囲する部分と、を有する。下降筒部51と上昇筒部35との間には、x方向、y方向およびz方向において所定の隙間が設けられている。
図11に示すように、下降筒部51の一部は、隔壁部44に対してz方向のz1側に繋がっている。
【0046】
外側筒部53は、本発明における「筒部」に相当し、
図4、
図5および
図12に示すように、中間構造体4の内側筒部45を外側および上側から覆うように配置されている。すなわち、外側筒部53は、内側筒部45をz方向のz1側から覆う部分と、内側筒部45をz方向と直交する方向において上昇筒部35を包囲する部分と、を有する。外側筒部53と内側筒部45との間には、x方向およびy方向において所定の隙間が設けられている。また、内側筒部45のz方向のz1側端部と外側筒部53のz方向のz1側端部とは、所定の距離をおいて配置されている。
【0047】
吹出口54は、外側筒部53の上端部分に形成されており、外側筒部53を流れてきた混合空気が吹き出される部位である。吹出口54の断面積は、外側筒部53のうち吹出口54よりもz方向のz2側(下方)に位置する部位の断面積よりも小さい。また、外側筒部53のうち吹出口54に繋がる部位には、接続部531が形成されている。接続部531は、z方向において吹出口54に近づくほど、断面積が小となるテーパ形状の部位である。
【0048】
図1に示すように、吹出口54は、本体1のz方向の上部に配置されており、天面パネル13の吹出孔132から外部に臨んでいる。また、
図1、
図2および
図12に示すように、吹出口54からは、z方向のz1側であってx方向のx1側に混合空気が吹き出される。すなわち、x方向(水平方向)において、吹出口54から吹き出される混合空気は、吸込口151とは反対側に向けて吹き出される。また、
図12に示すように、吹出口54から吹き出される混合空気と天面131とがなす角度αは、30°以上60°未満であり、好ましくは40°以上50°以下である。
【0049】
中間室部55は、
図4、
図5、
図11および
図12に示すように、中間構造体4のテーパ開口部46をz方向のz1側から覆っている。中間室部55は、z方向における上端(z1側)の位置が、開口部351および下降筒部51のz方向における上端(z1側)の位置よりも低い。中間室部55は、たとえば、後述のミスト発生部63で発生するミストが上昇して衝突する邪魔板として機能する。ミストが中間室部55の内面から落下すると、テーパ開口部46の傾斜に沿ってミスト発生部63へ流れ込む。
【0050】
〔加湿部6〕
加湿部6は、タンク2から供給された水を用いて加湿機能を果たす部位であり、本実施形態においては、プール61、加熱部62およびミスト発生部63を含む。
【0051】
プール61は、タンク2から供給された水を所望の位置に所望の状態で貯留するためのものである。プール61は、単独の部材や専用の部材によって構成されていてもよいし、複数の部材によって構成されていてもよい。本実施形態においては、プール61は、上述の第1貯留部31、第2貯留部32、第3貯留部33および流路34によって構成されている。
【0052】
加熱部62は、
図4および
図7~
図10に示すように、プール61の第2貯留部32のz方向のz2側に形成された開口部に密閉状態で取り付けられている。加熱部62は、たとえば電気ヒータ等を備えており、電力を熱に変換することにより加熱する機能を果たす。
【0053】
加熱部62は、表面部621および裏面部622を有する。表面部621は、z方向のz1側を向く部位であり、第2貯留部32に露出している。これにより、第2貯留部32は、貯められた水が加熱部62の表面部621によって加熱される加熱プールとして位置付けられる。裏面部622は、表面部621とは反対側であるz方向のz2側を向く部位である。裏面部622は、第2貯留部32に対して外部に位置しており、第2貯留部32内に対して区画されている。裏面部622のz方向のz2側には、開口部122が設けられている。
【0054】
ミスト発生部63は、
図4、
図8、
図11および
図12に示すように、プール61の第3貯留部33のz方向のz2側に形成された開口部に密閉状態で取り付けられている。ミスト発生部63は、たとえば超音波振動器を備えており、電力が投入されることにより、超音波振動を生じるように構成されている。これにより、第3貯留部33は、貯められた水がミスト発生部63の超音波振動によってミスト化されるミスト化プールとして位置付けられる。
【0055】
〔送風部7〕
送風部7は、吸込口151から吸い込まれ、加熱部62によって加熱された空気を送り出すものである。
図4、
図9~
図11に示すように、本実施形態の送風部7は、上昇筒部35のz方向のz2側に設けられた開口に配置されており、上昇筒部35に向けて、z方向のz2側からz1側に空気を吐出する。送風部7は、たとえばシロッコファンを含んで構成されている。
【0056】
図1~
図4および
図6に示すように、吸込口151から吸い込まれた空気は、吸込用凹部121を通じて、開口部122から吸入される。この際、吸込用凹部121内において、温湿度センサ94は吸い込まれる空気に曝されている。
図9に示すように、開口部122から吸い込まれた空気は、加熱部62の裏面部622に導かれる。これにより、空気が、加熱部62の裏面部622によって加熱される。加熱された空気は、送風部7に吸入され、z方向のz1側に向けて吐出される。
【0057】
〔第1風路形成部8A〕
第1風路形成部8Aは、送風部7により送風された空気が上向きに流れる風路が形成された部位である。第1風路形成部8Aの具体的構成は何ら限定されず、単独の部材や専用の部材によって構成されていてもよいし、複数の部材によって構成されていてもよい。本実施形態においては、第1風路形成部8Aは、
図4および
図9~
図11に示すように、上述の上昇筒部35、下降筒部51および隔壁部44を含んで構成されている。
【0058】
上昇筒部35は、送風部7から送り出された空気をz方向のz1側に向けて進行させる風路を構成している。上昇筒部35をz1側に上昇した空気は、複数の開口部351を通じて下降筒部51に進行する。下降筒部51内においては、進行方向を折り返された空気が、z方向のz2側に向けて下降する。この空気は、一部において隔壁部44によってガイドされつつ、第3貯留部33に到達する。
【0059】
〔第2風路形成部8B〕
第2風路形成部8Bは、第1風路形成部8Aからの空気と、加湿部6によって発生した蒸気およびミストの少なくともいずれかと、が混合された混合空気がz方向のz1側に向き(上向き)に流れ且つ吹出口54に導かれる風路が形成される部位である。第2風路形成部8Bの具体的構成は何ら限定されず、単独の部材や専用の部材によって構成されていてもよいし、複数の部材によって構成されていてもよい。本実施形態においては、第2風路形成部8Bは、
図4、
図5および
図12に示すように、上述の内側筒部45および外側筒部53を含んで構成されている。
【0060】
本実施形態においては、第2風路形成部8Bは、ミスト発生部63および第3貯留部33に対して、x方向のx1側にずれた位置(風下位置)に配置されている。ミスト発生部63のz方向のz1側の直上には、テーパ開口部46が配置されている。ただし、第2風路形成部8Bのz方向のz1側の部分は、第3貯留部33と空間を共有するように隣り合っている。このような配置は、たとえばテーパ開口部46から落下した水滴を、ミスト発生部63によって確実に回収することが可能であり、この水滴を用いてミストを生成することができる。また、このミストは、ミスト発生部63に隣り合う第2風路形成部8Bに速やかに導かれる。
【0061】
第1風路形成部8Aからの空気が混合空気となって、第3貯留部33を経由して内側筒部45にz方向のz2側から流入する。この混合空気は、内側筒部45内をz方向のz1側に上昇し、開口部451を通じて、外側筒部53にz方向のz2側から流入する。そして、外側筒部53内をz方向のz1側に上昇した混合空気は、外側筒部53の上端に位置する吹出口54から外部へと吹き出される。第2風路形成部8Bは、z方向の上方へ直線的に延びているため、混合空気が直線的に流れやすい。したがって、本実施形態とは異なり、風路が曲がっている場合に比べて、本実施形態においては、混合空気が第2風路形成部8Bの壁面に衝突しにくく、壁面に水滴が付きにくい。その結果、加湿量の低下を抑制することができる。
【0062】
〔制御部91〕
制御部91は、加湿器A1の各部を制御するものであり、たとえばCPUによって構成される。制御部91の制御例として、たとえば加熱部62の加熱制御が挙げられる。上述のように第3貯留部33に温度センサ(図示略)が設けられている場合、この温度センサによって測定された水温にもとづいて、加熱部62の加熱状態を制御してもよい。具体的には、第3貯留部33の水温が高すぎると、ミスト発生部63の故障を誘引するおそれがある。一方、水温が低下しすぎると、加湿部6における加湿量が不足してしまう。このため、第3貯留部33の水温を、100℃未満(たとえば50℃程度)となるように、加熱部62を制御することが好ましい。
【0063】
制御部91の制御の他の例としては、温湿度センサ94による吸い込まれた空気の湿度に応じて、加湿部6の加湿状態を制御することが挙げられる。温湿度センサ94によって測定された湿度が低い場合、加湿器A1外の空気が乾燥状態であることが想定される。このため、加湿部6の加湿量が多くなるように、加湿部6を制御する。一方、温湿度センサ94によって測定された湿度が高い場合、加湿器A1外の空気が湿った状態であることが想定される。このため、加湿部6による加湿量を低く抑えるか、加湿部6の動作を停止させる制御を行う。
【0064】
なお、制御部91による加湿部6の制御は、加熱部62の加熱状態とミスト発生部63のミスト発生量との双方を調整する制御が好ましい。一方のみの調整では、たとえば吹出口54からの吹き出し温度が適切に制御されず、床濡れ等の問題が生じることが懸念される。
【0065】
〔表示部92〕
表示部92は、加湿器A1の運転状態等を表示するものであり、たとえば側パネル14から外部に露出している。表示部92は、たとえば液晶パネルや有機ELパネルである。また、表示部92は、タッチセンサ等を具備することにより、加湿器A1の操作部を兼ねてもよい。
【0066】
〔電源コード93〕
電源コード93は、加湿器A1の動作に必要な電力を受けるためのものである。電源コード93は、たとえば商用100V電源コンセントに差し込むことが可能な仕様とされている。
【0067】
次に、加湿器A1の動作例について説明する。
【0068】
図5および
図6に示すように、タンク2から供給された水は、第1貯留部31に貯留される。次いで、第1貯留部31から第2貯留部32および第3貯留部33に水が流入する。
図5および
図7~
図10に示すように、第2貯留部32では、加熱部62によって水が加熱される。これにより、水が蒸発して蒸気が発生する。
図8に示すように、第2貯留部32で生じた蒸気は、接続部47を通じて第3シェル部43内へと進入する。
【0069】
また、
図8、
図11および
図12に示すように、第3貯留部33においては、ミスト発生部63にミストが発生する。次いで、第1風路形成部8Aを流れてきた空気と蒸気およびミストとが、第3貯留部33および第3シェル部43内において混合される。そして、これらが混合された混合空気が、第2風路形成部8Bを通じて吹出口54から吹き出される。
【0070】
次に、加湿器A1の作用について説明する。
【0071】
本実施形態によれば、
図9に示すように、開口部122を通過して加熱部62側に導かれた空気が加熱部62(裏面部622)によって加熱された後に、送風部7によって吸入され、第1風路形成部8Aへと吐出される。第1風路形成部8Aを経由した空気は、蒸気およびミストを含む混合空気となって第2風路形成部8Bを経由して吹出口54から吹き出される。このため、混合空気を構成する空気をより昇温することが可能である。これにより、吹出口54から吹き出された混合空気に含まれる水分が、加湿器A1の外部においてより速やかに気化することが可能である。これにより、加湿器A1の設置場所が水滴の落下によって濡れてしまうことを抑制することができる。また、開口部122から加熱部62に空気が導かれることにより、加熱部62や加熱部62の近傍が、過加熱によって熱破損することを抑制することができる。
【0072】
吹出口54の断面積は、第2風路形成部8Bを構成する外側筒部53の断面積よりも小さい。これにより、吹出口54からの吹き出し速度を向上させることが可能であり、加湿器A1の周辺に水滴が落下することをさらに抑制することができる。
【0073】
図12に示すように、吹出口54からは、天面131に対して角度αをなして混合空気が吹き出される。また、
図1および
図2に示すように、吹出口54からの吹き出し方向は、x方向において吸込口151とは反対側である。したがって、吹出口54からの混合空気が、吸込口151から吸い込まれることを抑制することが可能であり、加湿器A1の周辺の実際の環境湿度に基づいた加湿量の制御に好ましい。
【0074】
また、吹出口54から吹き出される空気の角度αが30°以上60°未満であることにより、混合空気をz方向における適切な高さ範囲であって、x方向において適切な広さの範囲に行き渡らせることができる。角度αが40°以上50°以下であれば、混合空気をより好ましい範囲に吹き出すことができる。
【0075】
送風部7がシロッコファンであることにより、吹出口54からの吹き出し量を多く設定した場合であっても、周辺への騒音を低下させることが可能であるという利点がある。また、シロッコファンは、静圧が高く、圧力損失が大きい風路であっても、適用可能であるという利点がある。
【0076】
<第2実施形態>
図13および
図14は、本発明の第2実施形態に係る加湿器を示している。本実施形態の加湿器A2は、補助送風部7Aをさらに備えている。
【0077】
補助送風部7Aは、吸込口151から吸い込んだ空気を加熱部62に向けてプール61(第2貯留部32)とは反対側から送風するものである。補助送風部7Aは、加熱部62に対してz方向のz2側に配置されており、加熱部62の裏面部622と対向している。本実施形態の補助送風部7Aは、z方向のz2側(開口部122)から吸い込んだ空気をz方向のz1側に吐出するものであり、たとえばプロペラファンを含んで構成されている。
【0078】
本実施形態においては、送風部7は、補助送風部7Aから送り出され、加熱部62によって加熱された空気を送り出す。補助送風部7Aから吐出された空気は、加熱部62の裏面部622に吹き付けられる。これにより、空気が、加熱部62の裏面部622によって加熱される。加熱された空気は、第2送風部7Bに吸入され、z方向のz1側に向けて吐出される。
【0079】
本実施形態によっても、加湿器A1の設置場所が水滴の落下によって濡れてしまうことを抑制することが可能であり、加熱部62や加熱部62の近傍が、過加熱によって熱破損することを抑制することができる。また、補助送風部7Aを備えることにより、より多くの風量の空気を加熱部62側へと導くことが可能である。これは、水滴落下の抑制や加熱部62等の過加熱の抑制に好ましい。
【0080】
補助送風部7Aがプロペラファンであることにより、より大きな風量で加熱部62に向けて空気を送ることができる。これにより、加熱部62からより多くの熱を空気によって奪うことが可能である。
【0081】
<第3実施形態>
図15~
図20は、本発明の第3実施形態に係る加湿器A3を示している。
【0082】
図15および
図16に示すように、本実施形態においては、底部12が、第1開口部1221、第2開口部1222および第2開口部1223を有する。第1開口部1221、第2開口部1222および第2開口部1223は、加熱部62に対してz方向のz2側(下方側)に位置する。第1開口部1221、第2開口部1222および第2開口部1223は、各々がz方向に開口しており、互いに離れて配置されている。
【0083】
図16に示す中心620は、z方向から視た加熱部62の中心である。第1開口部1221は、中心620よりも送風部7から離れた側(x方向のx2側)に位置する。第2開口部1222は、中心620よりも送風部7に近い側(x方向のx1側)に位置する。図示された例においては、第1開口部1221および第2開口部1222と送風部7とは、x方向に並んでいる。第2開口部1223は、中心620よりも送風部7に近い側(x方向のx1側)に位置する。図示された例においては、第2開口部1223は、第1開口部1221、第2開口部1222および送風部7に対して、y方向のy2側に位置している。第2開口部1222と第2開口部1223のx方向における位置は、ほぼ同じである。
【0084】
図16~
図19に示すように、加湿器A3は、ヒータ支持部材641、温度センサ642、温度センサ643およびセンサ支持部材644を備える。
【0085】
ヒータ支持部材641は、加熱部62をz方向のz2側(下方)から支持しており、加熱部62を下側構造体3に対して固定している。本実施形態においては、ヒータ支持部材641は、複数のねじ649によって加熱部62とともに下側構造体3に取り付けられている。ヒータ支持部材641の材質は何ら限定されず、樹脂、金属等が適宜選択される。本実施形態においては、ヒータ支持部材641の材質は、樹脂である。
【0086】
図18および
図19に示すように、ヒータ支持部材641は、平坦部6411、開口部6412、一対の挟持部6413、一対の挟持部6414、一対の挟持部6415および一対の挟持部6416を有する。平坦部6411は、xy平面に沿って広がる部分がほとんどを占める部位であり、z方向から視て加熱部62のほぼ全てと重なっている。開口部6412は、平坦部6411をz方向に貫通しており、平坦部6411のz方向のz1側とz2側とを通じさせている。図示された例においては、開口部6412は、平坦部6411のx方向およびy方向の中央に重なる位置に設けられており、y方向に長く延びた形状である。
【0087】
一対の挟持部6413、一対の挟持部6414、一対の挟持部6415および一対の挟持部6416は、温度センサ642および温度センサ643をより確実に所望の位置に固定するためのものである。一対の挟持部6413、一対の挟持部6414、一対の挟持部6415および一対の挟持部6416は、それぞれが平坦部6411からz方向のz2側に突出している。一対の挟持部6413および一対の挟持部6415は、開口部6412に対してy方向のy2側に配置されている。一対の挟持部6414および一対の挟持部6416は、開口部6412に対してy方向のy1側に配置されている。一対の挟持部6413と一対の挟持部6414とは、x方向における位置が同じである。一対の挟持部6415と一対の挟持部6416とは、x方向における位置が同じである。
【0088】
一対の挟持部6413、一対の挟持部6414、一対の挟持部6415および一対の挟持部6416の形状および大きさ等は、共通であってもよいし、互いに異なっていてもよい。図示された例においては、一対の挟持部6413の間隔および一対の挟持部6414の間隔が、一対の挟持部6415の間隔および一対の挟持部6416の間隔より狭く、その他については共通の構成である。
【0089】
一対の挟持部6413を例に具体的構成を説明する。一対の挟持部6413は、x方向に互いに離れている。一対の挟持部6413は、それぞれが突起6417を有する。突起6417は、一対の挟持部6413が向かい合う側(x方向における内側)に向かって突出しており、y方向における位置が同じである。
【0090】
温度センサ642および温度センサ643は、加熱部62の温度を検出したり、加熱部62の温度に応じて所定の機能を果たしたりするものである。加熱部624および温度センサ643の種類や個数は、何ら限定されない。温度センサ642および温度センサ643のいずれか一つのみを備える構成であってもよいし、さらに追加の1以上の温度センサを備える構成であってもよい。本実施形態においては、温度センサ642は、サーミスタであり、温度センサ643は、温度ヒューズである。
図16~
図19においては、温度センサ642および温度センサ643は、加熱部62付近に固定された部分が示されており、その他の部分が省略されている。
【0091】
温度センサ642は、一部が開口部6412に進入しており、
図19(b)に示すように、この部位が加熱部62の裏面部622に接近している。本実施形態においては、温度センサ642は、保護チューブ6421によって覆われている。保護チューブ6421は、たとえばシリコーン樹脂等からなる筒状の部材であり、温度センサ642を保護するためのものである。温度センサ642のうち裏面部622に接近した部分を挟んでy方向の両側に位置する部分が、一対の挟持部6413および一対の挟持部6414のそれぞれの間に位置している。本実施形態においては、これらの部分を覆う保護チューブ6421が、一対の挟持部6413および一対の挟持部6414のそれぞれに挟まれている。また、一対の挟持部6413および一対の挟持部6414それぞれの突起6417が、保護チューブ6421を強く押圧している。なお、保護チューブ6421を備えない構成においては、温度センサ642が、一対の挟持部6413および一対の挟持部6414のそれぞれに挟まれていてもよい。
【0092】
温度センサ643は、一部が開口部6412に進入しており、
図19(b)に示すように、この部位が加熱部62の裏面部622に接近している。本実施形態においては、温度センサ643は、保護チューブ6431によって覆われている。保護チューブ6431は、たとえばシリコーン樹脂等からなる筒状の部材であり、温度センサ643を保護するためのものである。温度センサ643のうち裏面部622に接近した部分を挟んでy方向の両側に位置する部分が、一対の挟持部6415および一対の挟持部6415のそれぞれの間に位置している。本実施形態においては、これらの部分を覆う保護チューブ6431が、一対の挟持部6415および一対の挟持部6416のそれぞれに挟まれている。また、一対の挟持部6415および一対の挟持部6416それぞれの突起6417が、保護チューブ6431を強く押圧している。なお、保護チューブ6431を備えない構成においては、温度センサ643が、一対の挟持部6415および一対の挟持部6416のそれぞれに挟まれていてもよい。
【0093】
センサ支持部材644は、
図18および
図19に示すように、温度センサ642および温度センサ643を支持するためのものである。センサ支持部材644の具体的な構成は何ら限定されず、本実施形態においては、主部6441および凸部6442を有する。センサ支持部材644の材質は何ら限定されず、たとえば金属板材料が用いられている。
【0094】
主部6441は、xy平面に沿った部分である。図示された例においては、主部6441は、z方向に視て、開口部6412を挟んでx方向およびy方向に対して傾いた方向における両側に延びている。主部6441が、ねじ649によってヒータ支持部材641および下側構造体3に対して固定されている。
【0095】
凸部6442は、z方向に視て開口部6412と重なる位置に設けられており、主部6441に対してz方向のz1側に突出している。
【0096】
図19(b)に示すように、本実施形態においては、凸部6442が、開口部6412に侵入しており、保護チューブ6421に対してz方向のz2側から当接している。また、主部6441が、保護チューブ6431に対してz方向のz2側から当接している。なお、凸部6442が、保護チューブ6421および保護チューブ6431の双方に当接する構成であってもよい。
【0097】
図20に示すように、加湿器A3においては、表示部92は、いわゆる透過型ディスプレイとして構成されている。すなわち、表示部92は、非表示の状態においては、側パネル14の他の部分等と同様の外観であり、文字等の情報を表示する部位とは視認されない。一方、内部に配置された発光部が発光すると、この光が透過することにより、文字等の情報が外観に表れる。
【0098】
また、加湿器A3においては、制御部91は、送風部7の動作状態に応じて加熱部62およびミスト発生部63を制御する。たとえば、送風部7を駆動するためのモータが意図しない原因により回転していないことが、加熱部62およびミスト発生部63の動作を停止させる。
【0099】
加湿器A3においては、
図15および
図16に示すように、第1開口部1221と第2開口部1222および第2開口部1223が設けられている。第1開口部1221は、中心620よりも送風部7から離れている。このため、第1開口部1221から導かれた空気は、加熱部62の全体を横断した後に、送風部7に吸い込まれる。第1開口部1221から導かれた空気は、加熱部62を横断するに従い温度が上昇する。一方、第2開口部1222および第2開口部1223は、中心620よりも送風部7に近い位置に設けられている。このため、第2開口部1222および第2開口部1223から導かれた空気は、第1開口部1221から導かれた空気と比べて、温度上昇の度合いが小さい。これにより、加熱部62の周辺部位のうち加熱部62(中心620)に対して送風部7が位置する側(x方向のx1側)に位置する部位を、より効率よく冷却することが可能であり、各部の温度をより均一化することができる。
【0100】
本実施形態においては、加熱部62の周辺に複数のねじ649が配置されている。ねじ649の温度が過度に上昇すると、たとえばねじ649を受けている下側構造体3の樹脂製のねじ受け部が膨張収縮に起因して強度が劣化したり、亀裂が生じたりするといった不具合が生じうる。本実施形態によれば、複数のねじ649のいずれかが過度に高温となることを抑制することが可能である。
【0101】
また、
図18および
図19に示すように、温度センサ642および温度センサ643は、一対の挟持部6413、一対の挟持部6414、一対の挟持部6415および一対の挟持部6416によって固定されている。これにより、加湿器A3の組立時またはメンテナンス時等において、温度センサ642および温度センサ643が引っ張られる等の事象が生じたとしても、ヒータ支持部材641等に擦れたり当接したりすることを低減可能である。したがって、温度センサ642および温度センサ643の損傷を抑制することができる。一対の挟持部6413、一対の挟持部6414、一対の挟持部6415および一対の挟持部6416のそれぞれに突起6417が設けられていることは、温度センサ642および温度センサ643をより確実に挟持するのに好ましい。
【0102】
本発明に係る加湿器は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る加湿器の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0103】
A1 :加湿器
1 :本体
2 :タンク
3 :下側構造体
4 :中間構造体
5 :上側構造体
6 :加湿部
7 :送風部
7A :補助送風部
8A :第1風路形成部
8B :第2風路形成部
11 :胴部
12 :底部
13 :天面パネル
14 :側パネル
15 :底面パネル
21 :タンク本体
22 :ハンドル
23 :フィルタ部
24 :水質改善部
25 :給水弁
26 :フロート
31 :第1貯留部
32 :第2貯留部
33 :第3貯留部
34 :流路
35 :上昇筒部
36 :堰部
41 :第1シェル部
42 :第2シェル部
43 :第3シェル部
44 :隔壁部
45 :内側筒部
46 :テーパ開口部
47 :接続部
51 :下降筒部
53 :外側筒部(筒部)
54 :吹出口
55 :中間室部
61 :プール
62 :加熱部
63 :ミスト発生部
91 :制御部
92 :表示部
93 :電源コード
94 :湿度センサ
100V :商用
121 :吸込用凹部
122 :開口部
131 :天面
132 :吹出孔
151 :吸込口
351,431,451:開口部
531 :接続部
620 :中心
621 :表面部
622 :裏面部
641 :ヒータ支持部材
642 :温度センサ
643 :温度センサ
644 :センサ支持部材
6411 :平坦部
6412 :開口部
6413,6414,6415,6416:挟持部
6417 :突起
6421 :保護チューブ
6431 :保護チューブ
6441 :主部
6442 :凸部
649 :ねじ
1221 :第1開口部
1222,1223:第2開口部
α :角度