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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178590
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】植物栽培装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20241218BHJP
【FI】
A01G9/02 103G
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096843
(22)【出願日】2023-06-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】523224981
【氏名又は名称】榎本 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】榎本 正美
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327ND01
2B327NE02
2B327QA05
2B327QD03
2B327VA01
(57)【要約】
【課題】土の収容室を形成する壁が、土の圧力で外側へ傾くことを抑制可能な植物栽培装置を提供する。
【解決手段】高さ方向に延ばされ、かつ、土28を収容する収容室15を形成する壁13を備えた植物栽培装置10であって、壁13の外側を囲むように配置されて壁13を支持する枠11と、枠11に接続されて高さ方向に延ばされる支柱12と、を有し、壁13は、収容室15を隔てて配置される第1構成板22及び第2構成板23を備え、収容室15に配置され、かつ、第1構成板22と第2構成板23とを接続する脚部14を有する、植物栽培装置10を構成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向に延ばされ、かつ、土を収容する収容室を形成する壁を備えた植物栽培装置であって、
前記壁の外側を囲むように配置されて前記壁を支持する枠と、
前記枠に接続されて高さ方向に延ばされる支柱と、
を有し、
前記壁は、前記収容室を隔てて配置される複数の構成板を備え、
前記収容室に配置され、かつ、複数の構成板同士を接続する連結部材を有する、植物栽培装置。
【請求項2】
請求項1記載の植物栽培装置であって、
前記壁は、前記収容室内の水を前記収容室の下方へ排出する排水口を備えている、植物栽培装置。
【請求項3】
請求項2記載の植物栽培装置であって、
前記排水口と地面との間に空間を形成する空間形成部材が設けられている、植物栽培装置。
【請求項4】
請求項3記載の植物栽培装置であって、
前記枠は、高さ方向に間隔をおいて配置された複数の分割枠を有し、
前記連結部材は、高さ方向で前記壁の下端、及び前記枠の下端を支持し、
前記連結部材は、前記空間形成部材を兼ねている、植物栽培装置。
【請求項5】
請求項3記載の植物栽培装置であって、
前記支柱の下端が地面に接触され、
前記支柱が前記空間形成部材を兼ねている、植物栽培装置。
【請求項6】
請求項1または2記載の植物栽培装置であって、
前記連結部材は、前記高さ方向で前記壁の上端と下端との間で水平方向に配置されている、植物栽培装置。
【請求項7】
請求項1または2記載の植物栽培装置であって、
高さ方向で前記支柱の下端に、地面に埋め込まれる杭部が設けられている、植物栽培装置。
【請求項8】
請求項2記載の植物栽培装置であって、
前記排水口は、前記収容室の平面視で前記収容室の全体に亘って設けられている、植物栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、収容室に収容された土で植物を栽培することができる植物栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
収容室に収容された土で植物、例えば、野菜を栽培することができる植物栽培容器の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された植物栽培容器は、底材と、底材の上に立てて平行に置かれる2枚の側壁と、底材の上に平行に立てて置かれる2枚の外壁と、底材の上に平行に立てて置かれる2枚の仕切り壁と、を有する。2枚の仕切り壁は、2枚の外壁と平行に配置され、2枚の仕切り壁の間に、角型箱状の主根張室が形成されている。主根張室に土が入れられ、かつ、土に植物が植えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5674702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、特許文献1に記載されている植物栽培容器は、2枚の側壁、及び2枚の外壁が、土の圧力で外側へ傾く可能性がある、という課題を認識した。
【0005】
本開示の目的は、土の収容室を形成する壁が、土の圧力で外側へ傾くことを抑制可能な植物栽培装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、高さ方向に延ばされ、かつ、土を収容する収容室を形成する壁を備えた植物栽培装置であって、前記壁の外側を囲むように配置されて前記壁を支持する枠と、前記枠に接続されて高さ方向に延ばされる支柱と、を有し、前記壁は、前記収容室を隔てて配置される複数の構成板を備え、前記収容室に配置され、かつ、複数の構成板同士を接続する連結部材を有する。
【0007】
また、前記壁は、前記収容室内の水を前記収容室の下方へ排出する排水口を備えていてもよい。
【0008】
さらに、前記排水口と地面との間に空間を形成する空間形成部材が設けられていてもよい。
【0009】
さらに、前記枠は、高さ方向に間隔をおいて配置された複数の分割枠を有し、前記連結部材は、高さ方向で前記壁の下端、及び前記枠の下端を支持し、前記連結部材は、前記空間形成部材を兼ねていてもよい。
【0010】
さらに、前記支柱の下端が地面に接触され、前記支柱が前記空間形成部材を兼ねていてもよい。
【0011】
さらに、前記連結部材は、前記高さ方向で前記壁の上端と下端との間で水平方向に配置されていてもよい。
【0012】
さらに、高さ方向で前記支柱の下端に、地面に埋め込まれる杭部が設けられていてもよい。
【0013】
さらに、前記排水口は、前記収容室の平面視で前記収容室の全体に亘って設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本開示の植物栽培装置の壁は、収容室を隔てて配置される複数の構成板を備え、複数の構成板同士を接続する連結部材を有する。したがって、壁が収容室内の土の圧力で外側へ傾くことを抑制できる。
【0015】
また、壁が、収容室内の水を収容室の下方へ排出する排水口を備えていると、収容室内の水分量が増加することを抑制できる。さらに、収容室内の水圧で壁が外側へ傾くことを抑制できる。
【0016】
さらに、排水口と地面との間に空間を形成する空間形成部材が設けられていると、空間へ透水性の敷設物を敷設できる。したがって、地面に生えた草が収容室内へ進入することを抑制できる。
【0017】
さらに、枠は、高さ方向に間隔をおいて配置された複数の分割枠を有し、連結部材は、高さ方向で壁の下端、及び前記枠の下端を支持し、連結部材が空間形成部材を兼ねていると、連結部材と空間形成部材とをそれぞれ設けずに済む。したがって、部品点数が増加することを抑制できる。
【0018】
さらに、支柱の下端が地面に接触され、支柱が空間形成部材を兼ねていると、連結部材と空間形成部材とをそれぞれ設けずに済む。したがって、部品点数が増加することを抑制できる。
【0019】
さらに、連結部材が、高さ方向で壁の上端と下端との間で水平方向に配置されていると、連結部材が土の中に配置される。したがって、壁の外側で作業を行う作業者の邪魔にならない。また、収容室内の土の重量が連結部材へ加わる。したがって、壁を地面上で不用意に移動させようとする外力が加わった場合に、壁が地面上で移動してしまうことを抑制できる。
【0020】
さらに、高さ方向で支柱の下端に、地面に埋め込まれる杭部が設けられていると、植物栽培装置を地面に対して固定する強度が増加する。
【0021】
さらに、排水口が、収容室の平面視で収容室の全体に亘って設けられていると、収容室の排水性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】植物栽培装置の第1具体例を示す平面図である。
図2図1に示された植物栽培装置の正面図である。
図3図1に示された植物栽培装置の側面図である。
図4図1のIV-IV線における側面断面図である。
図5】植物栽培装置の第2具体例を示す平面図である。
図6図5のVI-VI線における側面断面図である。
図7】植物栽培装置の第3具体例を示す正面図である。
図8図7に示された植物栽培装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(概要)
本開示の植物栽培装置は、収容室に収容した土を利用して、植物、例えば、食用の野菜及び果物、観葉植物、樹木等を栽培することができる。土は、基本用土(培養土)、改良用土の何れであってもよい。本開示では、植物栽培装置に含まれるいくつかの具体例が、図面に基づいて説明されている。
【0024】
(第1具体例)
図1図2図3図4には、植物栽培装置10の第1具体例が示されている。植物栽培装置10は、枠11、支柱12、壁13、脚部14を有する。植物栽培装置10を真上から平面視すると、枠11の内側に、支柱12及び壁13が設けられている。植物栽培装置10を平面視すると、壁13の内側に収容室15が形成されている。植物栽培装置10を平面視すると、植物栽培装置10全体の外周形状、及び収容室15の外周形状は、四角形、例えば、長方形である。枠11は、高さ方向で異なる位置に配置された複数段の分割枠、例えば、2段の第1分割枠16及び第2分割枠17を有する。第1分割枠16は、高さ方向A1で第2分割枠17より上に設けられている。高さ方向A1は、鉛直方向、つまり、重力の作用方向である。第1分割枠16及び第2分割枠17の材質は、木材、錆びにくいステンレス等のうちの何れでもよい。
【0025】
第1分割枠16及び第2分割枠17の構造及び形状は同じであるため、便宜上、第1分割枠16を例として説明する。第1分割枠16は、第1構成部18、第2構成部19、第3構成部20、第4構成部21を有する。植物栽培装置10を平面視すると、第1構成部18と第2構成部19とが平行に配置され、かつ、第3構成部20と第4構成部21とが平行に配置されている。植物栽培装置10を平面視すると、第1構成部18及び第2構成部19の長さは同じであり、第3構成部20及び第4構成部21の長さは同じである。第1構成部18及び第2構成部19の長さは、第3構成部20及び第4構成部21の長さを超えている。第3構成部20は、第1構成部18及び第2構成部19の第1端部に固定され、第4構成部21は、第1構成部18及び第2構成部19の第2端部に固定されている。
【0026】
支柱12は、複数設けられており、複数の支柱12は、植物栽培装置10の高さ方向A1に沿って延ばされている。植物栽培装置10を真上から平面視すると、複数の支柱12は、枠11の内側に立てて設けられ、かつ、複数の支柱12同士が間隔をおいて配置されている。各支柱12の上端は、第1分割枠16に固定され、各支柱12の下端は、第2分割枠17に固定されている。複数の支柱12の材質は、木材、錆びにくいステンレス等のうちの何れでもよい。
【0027】
壁13は、土等を収容する収容室15を形成するために高さ方向A1、つまり、鉛直方向に延ばされている。植物栽培装置10を真上から平面視すると、壁13は、各支柱12の内側に配置されている。壁13は、第1構成板22、第2構成板23、第3構成板24、第4構成板25を有する。植物栽培装置10を平面視すると、第1構成板22と第2構成板23とが平行に配置され、かつ、第3構成板24と第4構成板25とが平行に配置されている。
【0028】
植物栽培装置10を平面視すると、第1構成板22と第2構成板23とが、収容室15を隔てて配置され、第3構成板24と第4構成板25とが、収容室15を隔てて配置されている。植物栽培装置10を平面視すると、第1構成板22及び第2構成板23の長さは同じであり、第3構成板24及び第4構成板25の長さは同じである。第1構成板22及び第2構成板23の長さは、第3構成板24及び第4構成板25の長さを超えている。第3構成板24は、第1構成板22及び第2構成板23の第1端部に接触され、第4構成板25は、第1構成板22及び第2構成板23の第2端部に接触されている。
【0029】
第1構成板22乃至第4構成板25は、それぞれプレート材で構成されている。各プレート材は、立てられた状態で並べて配置されている。プレート材の単体を平面視すると、プレートの外周形状は、例えば、長方形、または正方形である。プレート材の単体の寸法は、例えば、短辺が0.6m、長辺が1.8mに設定することができる。プレート材の短辺が、高さ方向A1に沿って配置されるように、各プレート材が配置されている。第1構成板22及び第2構成板23は、植物栽培装置10の長手方向に2枚のプレート材がそれぞれ並べて配置され、第3構成板24及び第4構成板25は、植物栽培装置10の幅方向に1枚のプレート材がそれぞれ並べて配置されている。各プレート材は、それぞれ支柱12に固定されている。また、プレート材の単体の寸法は、上記に限らず、任意に設定できる。なお、プレート材の材質は、木材、錆びにくいステンレス、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics )等のうちの何れでもよい。収容室15を真上から平面視すると収容室15の全体に亘って排水口34が設けられている。排水口34は、壁13の下端に設けられ、かつ、収容室15につながっている。
【0030】
脚部14は、植物栽培装置10の高さ方向A1において枠11、支柱12及び壁13より下に設けられている。脚部14は、複数設けられ、かつ、第2分割枠17の長手方向に間隔をおいて設けられた棒状の部材である。脚部14の両端部は、第2分割枠17の第1構成部18及び第2構成部19にそれぞれ固定されている。つまり、脚部14は、第2分割枠17の下端及び壁13の下端を支持する。また、脚部14の材質は、木材、錆びにくいステンレス等のうちの何れでもよい。脚部14は、地面26に並べて配置される。
【0031】
植物栽培装置10が地面26へ置かれると、収容室15と地面26との間に空間(隙間)27が形成される。この空間27の高さは、脚部14の寸法(厚さ)に応じて定まる。そして、収容室15へ土28を投入する前に、収容室15の下部へ、敷設物29、例えば、もみ殻、ウッドチップ等を敷き詰める。敷設物29は、透水性を有する。敷設物29は、第2分割枠17と地面との間の空間27が埋まる程度の高さまで敷き詰める。次いで、収容室15から敷設物29の上へ土28が入れられる。土28は、壁13の上端付近まで入れられる。その後、土28へ植物の種を撒く作業、土28へ植物の苗を植える作業等を行うことができる。
【0032】
植物栽培装置10では、収容室15へ収容される土28の圧力は、壁13及び支柱12を介して枠11に伝達され、その圧力は、主として第2分割枠17が受ける。そして、第2分割枠17の第1構成部18と第2構成部19とが、脚部14により連結されている。したがって、第1構成板22及び第2構成板23が外側へ傾くことを抑制できる。
【0033】
また、土28の上に雨水が降り注いだり、作業者が土28の上に水を供給すると、その水は土28を浸透し、収容室15の下部の排水口34から排出される。排水口34から排出された水は、地面26へ浸透する。また、第2分割枠17と地面26との間に空間27があるため、排水口34から排水される水の一部は、空間27へ排出される。したがって、収容室15の水掃け性能を確保できる。このように、脚部14は、第2分割枠17同士を接続する役割と、空間27を形成する役割とを兼ねている。このため、それぞれの役割を果たす要素を別々に設けずに済む。したがって、植物栽培装置10の部品点数が増加することを抑制できる。
【0034】
さらに、土28の最上部が、植物栽培装置10の高さ方向A1において壁13の上端付近に位置するため、地面26に立つ作業者は、腰曲げずに種まき、苗植え、植物の手入れ、等の作業を行うことができ、作業者の腰の負担を軽減できる。さらに、作業者は、第1分割枠16に腰掛けて作業を行うこと、第1分割枠16に手をついて作業を行うこと、第1分割枠16に物を置いて作業を行うこと、等ができる。さらに、収容室15の下部に敷設物29が敷き詰められるため、地面26に生える草が、草が収容室15へ進入することを抑制できる。
【0035】
(第2具体例)
植物栽培装置10の第2具体例が、図5及び図6に示されている。植物栽培装置10の第1具体例で説明した脚部14は設けられていない。植物栽培装置10の平面視で、四隅に配置されている4本の支柱12の長さは、他の支柱12の長さを超えている。このため、植物栽培装置10の平面視で、四隅に配置されている4本の支柱12の下端が地面26に置かれて、空間27が形成される。つまり、4本の支柱12が、脚部14の役割を果たす。
【0036】
また、1本の支柱12及び壁13の第1構成板22と、1本の支柱12及び第2構成板23と、を接続する連結部材30が設けられている。連結部材30は、収容室15内に複数設けられる。連結部材30は、2つの棒材と、2つの棒材を接続したターンバックル31と、を有する。さらに、植物栽培装置10の平面視で、植物栽培装置10の四隅の対角線上に位置する2本の支柱12同士を接続する連結部材32が、2本設けられている。連結部材32は、収容室15内に設けられる。連結部材32は、2つの棒材と、2つの棒材を接続したターンバックル33と、を有する。連結部材30,32は、高さ方向A1において壁13の上端と下端との間へ水平に配置される。
【0037】
作業者は、収容室15に土28が入れられる前、または、収容室15に入れられる土28が、連結部材30,32よりも下にある状態で、ターンバックル31を操作して、連結部材30の全長を調整できる。このため、壁13の上端付近まで収容室15へ土28が入れられた場合に、土28から壁13の第1構成板22と第2構成板23へ加わる圧力を連結部材30が受ける。したがって、第1構成板22及び第2構成板23が外側へ傾くことを抑制できる。
【0038】
また、作業者は、作業者は、収容室15に土28が入れられる前、または、収容室15に入れられる土28が、連結部材30,32よりも下にある状態で、ターンバックル33を操作して、連結部材30の全長を調整できる。このため、壁13の上端付近まで収容室15へ土28が入れられた場合に、土28から壁13へ加わる圧力を連結部材32が受ける。したがって、壁13の第1構成板22、第2構成板23、第3構成板24、第4構成板25が、それぞれ外側に向けて傾くことを抑制できる。なお、連結部材30,32を構成する棒材に代えて、チェーンが用いられていてもよい。また、連結部材30,32を構成する棒材、チェーンの材質は、錆びにくいステンレス等である。
【0039】
(第3具体例)
植物栽培装置10の第3具体例が、図7及び図8に示されている。植物栽培装置10の第1具体例で説明した支柱12の長さを変更したものである。支柱12は、第2分割枠17の下面から突出した個所に杭部12Aを有する。杭部12Aの長さは、脚部14の厚さを超えている。杭部12Aが、地面26へ打ち込まれ、植物栽培装置10を地面26に固定する強度が確保される。つまり、杭部12Aは、地中へ埋まる。植物栽培装置10に対して、略水平方向の外力が加わった場合に、杭部12Aが荷重を受けるため、植物栽培装置10が地面26上で移動することを防止できる。なお、植物栽培装置10の第2具体例で説明した図5及び図6の支柱12の下端に杭部12Aが設けられていてもよい。
【0040】
(効果)
本開示の植物栽培装置10の壁13は、収容室15を隔てて配置される第1構成板22及び第2構成板23を備え、第1構成板22と第2構成板23とを接続する脚部14を有する。したがって、壁13が収容室15内の土28の圧力で外側へ傾くことを抑制できる。
【0041】
また、壁13が、収容室15内の水を収容室15の下方へ排出する排水口34を備えているため、収容室15内の水分量が増加することを抑制できる。さらに、収容室15内の水圧で壁13が外側へ傾くことを抑制できる。
【0042】
さらに、排水口34と地面26との間に空間27を形成する脚部14または杭部12Aが設けられていると、空間27へ透水性の敷設物29を敷設できる。したがって、地面26に生えた草が収容室15内へ進入することを抑制できる。
【0043】
さらに、枠11は、高さ方向A1で間隔をおいて配置された第1分割枠16及び第2分割枠17を有し、脚部14は、高さ方向A1で壁13の下端、及び第2分割枠17の下端を支持し、脚部14が空間形成部材を兼ねている。したがって、連結部材と空間形成部材とをそれぞれ設けずに済む。したがって、部品点数が増加することを抑制できる。
【0044】
さらに、支柱12の下端が地面26に接触され、支柱12が空間形成部材を兼ねていると、連結部材と空間形成部材とをそれぞれ設けずに済む。したがって、部品点数が増加することを抑制できる。
【0045】
さらに、連結部材30,32が、高さ方向A1で壁13の上端と下端との間で水平方向に配置されており、連結部材32,32が土28の中に配置される。したがって、連結部材32,32が、壁13の外側で作業を行う作業者の邪魔になることを防止できる。また、収容室15内の土28の重量が連結部材32,32へ加わる。したがって、壁13を地面上で不用意に移動させようとする外力が加わった場合に、壁13が地面上で移動してしまうことを抑制できる。
【0046】
さらに、高さ方向A1で支柱12の下端に、地面26に埋め込まれる杭部12Aが設けられていると、植物栽培装置10を地面26に対して固定する強度が増加する。
【0047】
さらに、排水口34が、収容室15の平面視で収容室15の全体に亘って設けられていると、収容室15の排水性を確保できる。
【0048】
(補足説明)
本開示において、枠11、支柱12、脚部14をそれぞれ構成する要素、角材に代えて、建築現場の仮設材として利用される単管を使用してもよい。枠11、支柱12、脚部14をそれぞれ構成する要素同士は、組み立て及び分解可能であってもよい。枠11、支柱12、脚部14をそれぞれ構成する要素同士を組み立て及び分解可能とする手段は、ボルト、ナット、連結具、ブラケット等を含む。また、複数の分割枠は、高さ方向に3段以上設けられていてもよい。さらに、支柱の数は限定されず、単数の支柱、または、複数の支柱であってもよい。また、支柱と枠とが一体化された構造であってもよい。さらに、植物栽培装置の高さ、植物栽培装置の平面視における長さ、幅等は、任意に変更できる。平面視で、枠の外周形状、及び収容室の外周形状は、四角形に限定されず、円形、楕円形、三角形、五角形、六角形等であってもよい。植物栽培装置の高さ、植物栽培装置の平面視における長さ、幅、短軸の長さ、長軸の長さ、直径等は、任意に変更できる。さらに、収容室の平面視で、排水口は、収容室の全体につながる構造、または、収容室の一部につながる構造の何れであってもよい。
【0049】
本実施形態に開示されている技術事項の意味の一例は、次の通りである。植物栽培装置10は、植物栽培装置の一例である。収容室15は、収容室の一例である。壁13は、壁の一例である。枠11は、枠の一例である。第1分割枠16及び第2分割枠17は、分割枠の一例である。支柱12は、支柱の一例である。排水口34は、排水口の一例である。第1構成板22、第2構成板23、第3構成板24、第4構成板25は、構成板の一例である。脚部14、連結部材30,32は、それぞれ連結部材の一例である。空間27は、空間の一例である。脚部14は、空間形成部材の一例である。杭部12Aを有する支柱12は、空間形成部材の一例である。杭部12Aは、杭部の一例である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本開示は、収容室に収容された土で植物を栽培することができる植物栽培装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
10…植物栽培装置、11…枠、12…支柱、12A…杭部、13…壁、14…脚部、15…収容室、16…第1分割枠、17…第2分割枠、22…第1構成板、23…第2構成板、24…第3構成板、25…第4構成板、27…空間、30,32…連結部材、34…排水口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向に延ばされ、かつ、土を収容する収容室を形成する壁を備えた植物栽培装置であって、
前記壁の外側を囲むように配置されて前記壁を支持する枠と、
前記枠に接続されて高さ方向に延ばされる支柱と、
を有し、
前記壁は、前記収容室を隔てて配置される複数の構成板を備え、
前記収容室に配置され、かつ、複数の構成板同士を接続する連結部材を有する、植物栽培装置。
【請求項2】
請求項1記載の植物栽培装置であって、
前記壁は、前記収容室内の水を前記収容室の下方へ排出する排水口を備えている、植物栽培装置。
【請求項3】
請求項2記載の植物栽培装置であって、
前記排水口と地面との間に空間を形成する空間形成部材が設けられている、植物栽培装置。
【請求項4】
請求項3記載の植物栽培装置であって、
前記支柱の下端が地面に接触され、
前記支柱が前記空間形成部材を兼ねている、植物栽培装置。
【請求項5】
請求項1または2記載の植物栽培装置であって、
前記連結部材は、前記高さ方向で前記壁の上端と下端との間で水平方向に配置されている、植物栽培装置。
【請求項6】
請求項1または2記載の植物栽培装置であって、
高さ方向で前記支柱の下端に、地面に埋め込まれる杭部が設けられている、植物栽培装置。