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特開2024-178597情報提供装置、情報提供方法、およびプログラム
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  • 特開-情報提供装置、情報提供方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178597
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241218BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096855
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉森 洋一
(72)【発明者】
【氏名】磯 景之
(72)【発明者】
【氏名】田中 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】大向 真哉
(72)【発明者】
【氏名】兼平 祐己朗
(72)【発明者】
【氏名】山根 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 亮
(72)【発明者】
【氏名】岩撫 直臣
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】温暖化ガス排出量の削減に関連した多面的な情報を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の情報提供装置は、複数の事業者で構成されるサプライチェーンに関する情報を提供する。情報提供装置は、作成部と、抽出部と、情報提供部とを持つ。作成部は、前記サプライチェーンにおける前記複数の事業者間の関係を規定する需要/供給モデルを作成する。抽出部は、前記モデルデータに基づいて、Scope3の温暖化ガス排出量を前記複数の事業者ごとに計算する排出量計算部を含み、前記需要/供給モデルにおける前記複数のレイヤに関する情報を抽出する。情報提供部は、前記抽出された情報を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の事業者で構成されるサプライチェーンに関する情報を提供する情報提供装置であって、
前記サプライチェーンにおける前記複数の事業者間の関係を規定する需要/供給モデルを作成する作成部と、
前記需要/供給モデルに基づいて、Scope3の温暖化ガス排出量を前記複数の事業者ごとに計算する排出量計算部を含み、前記需要/供給モデルにおける前記複数のレイヤに関する情報を抽出する抽出部と、
前記抽出された情報を提供する情報提供部と、
を備える情報提供装置。
【請求項2】
複数の事業者で構成されるサプライチェーンに関する情報を提供する情報提供装置が、
前記サプライチェーンにおける前記複数の事業者間の関係を規定する需要/供給モデルを作成し、
前記需要/供給モデルに基づいて、Scope3の温暖化ガス排出量を前記複数の事業者ごとに計算し、
前記需要/供給モデルにおける前記複数のレイヤに関する情報を抽出し、
前記抽出された情報を提供する、
情報提供方法。
【請求項3】
複数の事業者で構成されるサプライチェーンに関する情報を提供する情報提供装置にプロセッサに、
前記サプライチェーンにおける前記複数の事業者間の関係を規定する需要/供給モデルを作成する処理と、
前記需要/供給モデルに基づいて、Scope3の温暖化ガス排出量を前記複数の事業者ごとに計算する処理と、
前記需要/供給モデルにおける前記複数のレイヤに関する情報を抽出する処理と、
前記抽出された情報を提供する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品についてカーボンフットプリントを定義する方法の発明が開示されている。従来の技術では、単に温暖化ガス排出量をScope3に基づいて追跡するのに留まっており、関連する他のレイヤ(側面)に関する情報を提供することができない場合があった。このため、従来の技術では、温暖化ガス排出量の削減に関連した多面的な情報を提供することができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/073935号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、温暖化ガス排出量の削減に関連した多面的な情報を提供することができる情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報提供装置は、複数の事業者で構成されるサプライチェーンに関する情報を提供する。情報提供装置は、作成部と、抽出部と、情報提供部とを持つ。作成部は、前記サプライチェーンにおける前記複数の事業者間の関係を規定する需要/供給モデルを作成する。抽出部は、前記モデルデータに基づいて、Scope3の温暖化ガス排出量を前記複数の事業者ごとに計算する排出量計算部を含み、前記需要/供給モデルにおける前記複数のレイヤに関する情報を抽出する。情報提供部は、前記抽出された情報を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】情報提供装置1の構成と使用環境の一例を示す図。
図2】サプライチェーンモデルデータ82の概念図。
図3】収支モデル82Cの内容の一例を示す図。
図4】Scopeごと排出量計算部50の計算内容について説明するための図。
図5】情報提供部60が提供する画像の内容の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、情報提供装置1の構成と使用環境の一例を示す図である。情報提供装置1は、例えば、通信部10と、データ連携部20と、モデル作成/変更部30と、Scopeごと排出量計算部40と、レイヤごと情報抽出部50と、情報提供部60と、記憶部80とを備える。記憶部80には、サプライチェーンモデルデータ82などのデータが格納される。通信部10と記憶部80以外の構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。記憶部80は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。
【0009】
なお、情報提供装置1のハードウェアを保有する事業者と、プログラムなどを実行する事業者は同じでなくてもよい。例えば、情報提供装置1は、クラウドサービスとして提供されるレンタルサーバに、レンタルサーバの提供者とは異なる事業者がプログラムなどをインストールすることで動作するものであってもよい。
【0010】
通信部10は、ネットワークNWを介して端末装置200や情報提供元装置300と通信する。通信部10は、例えば、ネットワークカードである。端末装置200は、情報提供装置1が提供する情報を表示部に表示させる。情報提供元装置300は、情報提供装置1が提供する情報の元となる情報(事業者ごとの製造工程や需要、供給を示す情報など)を情報提供装置1に提供する。
【0011】
データ連携部20は、情報提供元装置300から提供された情報を、サプライチェーンモデルデータ82の元情報となるように加工したり、サプライチェーンモデルデータ82のパラメータとしてマッピングしたりする。
【0012】
モデル作成/変更部30は、データ連携部20により加工等された情報に基づいて、サプライチェーンモデルデータ82を作成または変更(編集)する。
【0013】
図2は、サプライチェーンモデルデータ82の概念図である。サプライチェーンモデルデータ82は、ある製品を製造するのに関与する複数の事業者の関係を示すデータである。サプライチェーンモデルデータ82は、例えば、ベースとなる需要/供給モデル82Aに対して、複数のレイヤに関する情報82Bが対応付けられたものである。需要/供給モデル82Aと複数のレイヤに関する情報82Bのそれぞれは、共通する事業者の識別情報で対応付けられている。複数のレイヤは、エネルギー、温暖化ガス排出量、および費用を少なくとも含む。サプライチェーンモデルデータ82は、その他のレイヤを含んでもよい。図2において事業者Aが最も上流側の工程を行う事業者であり、事業者Eが最終工程を行う事業者である。
【0014】
需要/供給モデル82Aにおける各事業者のシンボルは、素材やエネルギーの収支を規定する収支モデル82Cを含む。図3は、収支モデル82Cの内容の一例を示す図である。収支モデル82Aは、例えば、供給される一次エネルギー、ガス、電力(供給)に基づいて、それらの配分を任意に変えることで、製造する中間製品あるいは最終製品の数(需要)を出力するように規定されたモデルである。モデル作成/変更部30は、例えば、需要を入力値とし、供給および途中の配分をソルバー等で決定することで、必要な需要を満たす事業者の状態を決定する。
【0015】
レイヤごと情報抽出部40は、需要/供給モデル82Aからレイヤごとの情報を抽出してサプライチェーンモデルデータ82におけるレイヤごとの情報82Bにマッピングする。特に、温暖化ガス排出量のレイヤに関しては、Scopeごと排出量計算部50がScope3の温暖化ガス排出量を前記複数の事業者ごとに計算する。図4は、Scopeごと排出量計算部50の計算内容について説明するための図である。図中、S1はScope1、S2はScope2、S3はScope3を、C*(*は数字)は当該事業者が使用する工程ごとの温暖化ガス排出量である。Scopeごと排出量計算部50は、上流側における温暖化ガス排出量は最下流側まで、下流側における温暖化ガス排出量は一つ上流側まで多重カウントして、事業者ごとの温暖化ガス排出量を計算する。
【0016】
その他のレイヤに関して、レイヤごと情報抽出部40は、予め定められている工程の変化とレイヤごとの情報の変化との対応関係に基づいて、需要/供給モデル82Aからレイヤごとの情報を抽出する。
【0017】
情報提供部60は、例えば、ウェブサーバの機能を有する。情報提供部60は、レイヤごと情報抽出部40によって抽出されたレイヤごとの情報に基づく情報(例えば画像)を端末装置200に提供する。図5は、情報提供部60が提供する画像の内容の一例を示す図である。これを視認した利用者は、例えば着目点1に着目することで、事業者Aと事業者Cのどちらの工程を調整すれば費用対効果が大きいのかを理解することができる。また、着目点2に着目することで、最終消費者に渡る商品のトータルとしての温暖化ガス排出量や費用に与える影響を理解することができる。このように、情報提供装置1によれば、温暖化ガス排出量の削減に関連した多面的な情報を提供することができる。
【0018】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、サプライチェーンにおける複数の事業者間の関係を規定する需要/供給モデルを作成する作成部(30)と、需要/供給モデルに基づいて、Scope3の温暖化ガス排出量を複数の事業者ごとに計算する排出量計算部(50)を含み、需要/供給モデルにおける複数のレイヤに関する情報を抽出する抽出部(40)と、抽出された情報を提供する情報提供部(60)を持つことにより、温暖化ガス排出量の削減に関連した多面的な情報を提供することができる。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0020】
1 情報提供装置
10 通信部
20 データ連携部
30 モデル作成/変更部
40 Scopeごと排出量計算部
50 レイヤごと情報抽出部
60 情報提供部
80 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5