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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178612
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】カゴ受け具
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/02 20060101AFI20241218BHJP
   A01G 18/62 20180101ALI20241218BHJP
【FI】
B65D21/02 301
A01G18/62
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096881
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】513038727
【氏名又は名称】株式会社エフテック
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】白羽根 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】堀川 浩司
【テーマコード(参考)】
3E006
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006BA02
3E006EA01
(57)【要約】
【課題】取り付け作業と取り外し作業を容易かつスピーディに行うことが可能で、かつ、キノコの収穫作業等が終了した後に、収穫カゴ等内にコンパクトに収納しておくことが可能なカゴ受け具を低コストで提供する。
【解決手段】カゴ受け具1は、下側のカゴ6bの上縁部6fに掛止される掛止部1aと、掛止部1aが下側のカゴ6bの上縁部6fに掛止された状態で、掛止部1aの一方の端部から下側のカゴ6bの内方に略水平に延びる受け部1bと、を備えている。掛止部1aの受け部1bと反対側の端部に、掛止部1aが下側のカゴ6bの上縁部6fに掛止された状態で、当該上縁部6fの持ち手の溝6gに入り込むことが可能な抜け止め部1cが形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカゴを上下に積み重ねる際に、下側のカゴに取り付けて、上側のカゴを支持するために用いられるカゴ受け具であって、
前記下側のカゴの上縁部に掛止される掛止部と、
前記掛止部が前記下側のカゴの前記上縁部に掛止された状態で、前記掛止部の一方の端部から前記下側のカゴの内方に略水平に延びる受け部と、
を備えたことを特徴とするカゴ受け具。
【請求項2】
前記掛止部の前記受け部と反対側の端部には、前記掛止部が前記下側のカゴの前記上縁部に掛止された状態で、当該上縁部の持ち手の溝内に入り込むことが可能な抜け止め部が形成されている、請求項1に記載のカゴ受け具。
【請求項3】
前記掛止部には、前記カゴ受け具を前記下側のカゴに取り付ける際に、当該下側のカゴの前記上縁部の持ち手の溝から下方に延びるスタッキング用のスペーサを挟み込む所定長さのスリットが形成されている、請求項1に記載のカゴ受け具。
【請求項4】
前記掛止部の前記受け部と同じ側の端部には、当該受け部と略垂直に下方に延びる当接部が形成されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカゴ受け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカゴを上下に積み重ねる際に、下側のカゴに取り付けて、上側のカゴを支持するために用いられるカゴ受け具に関する。更に詳細には、本発明は、例えば、シイタケやマイタケ等のキノコを収穫したり、キノコ種菌が接種された菌床を充填した菌床栽培用袋を収容したりする際のカゴ用として用いられるカゴ受け具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の複数のカゴを上下に積み重ねる際には、下側のカゴの四方(内側コーナー部分)に棚部材をビス止めしたり、図12に示すように、複数のカゴ6a,6bをそのまま互い違いに重ねて積み上げたりするようにされていた。なお、図12では、図面を見やすくするために、カゴ6a,6bの左右側面6c、前後側面6d及び底面6eの網目(開口)の図示を省略している。
しかし、複数のカゴを上下に積み重ねる際に、下側のカゴの四方(内側コーナー部分)に棚部材をビス止めするようにした場合には、棚部材の取り付け作業に時間がかかるという課題があった。また、キノコの収穫作業等が終了した後は、図7に示すように、複数のカゴ6a,6bを重ね合わせて保管しておくために、ビス止めを解除して棚部材を取り外す必要があるが、これでは、棚部材の取り外し作業に時間がかかるという課題があった。更に、複数のカゴ6a,6bをそのまま互い違いに重ねて積み上げる方法では、積み重ねた状態で運搬する際に上側のカゴ6aが滑り落ちる虞があった。
【0003】
そこで、最近、一般的な角形の複数のカゴを上下に積み重ねて使用するために、上側のカゴと下側のカゴとの間に差し入れて使用されるカゴ受け具が提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
特許文献1で提案されているカゴ受け具は、使用するカゴの上部幅に合わせた長さで、上面が凸型で、概ねカゴの長さの2/5程度の間隔とした2本の受け梁の両端を、中央の高さを受け梁の下端程度とした形状の繋ぎ梁で接続した構成となっている(特許文献1の請求項1及び図1乃至図3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3240828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1で提案されているカゴ受け具の構成では、構造上大掛かりなものとなり、キノコの収穫作業等が終了した後に、収穫カゴ等内にコンパクトに収納しておくことができず、取り扱い上不便である。また、このように、構造上大掛かりなものとなるため、コストがかかるという課題もある。
【0006】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、取り付け作業と取り外し作業を容易かつスピーディに行うことが可能で、かつ、キノコの収穫作業等が終了した後に、収穫カゴ等内にコンパクトに収納しておくことが可能なカゴ受け具を低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明に係るカゴ受け具の構成は、
(1)複数のカゴを上下に積み重ねる際に、下側のカゴに取り付けて、上側のカゴを支持するために用いられるカゴ受け具であって、
前記下側のカゴの上縁部に掛止される掛止部と、
前記掛止部が前記下側のカゴの前記上縁部に掛止された状態で、前記掛止部の一方の端部から前記下側のカゴの内方に略水平に延びる受け部と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のカゴ受け具は、3つ以上のカゴを上下に積み重ねる場合にも使用される。そこで、本願では、カゴ受け具が取り付けられているか否かに関わらず、支持する側のカゴを「下側のカゴ」と呼び、支持される側のカゴを「上側のカゴ」と呼ぶこととする。
複数のカゴを上下に積み重ねる際には、下側のカゴ1つ当たり少なくとも3個のカゴ受け具が使用される。
【0009】
本発明のカゴ受け具の上記(1)の構成は、次のような作用効果を奏する。
すなわち、上記(1)の構成によれば、掛止部を下側のカゴの上縁部に掛止させるだけで、カゴ受け具を下側のカゴに容易かつスピーディに取り付けることができる。また、掛止部の掛止状態を解除するだけで、カゴ受け具を下側のカゴから容易かつスピーディに取り外すことができる。
また、上記(1)の構成によれば、1つ1つのカゴ受け具がコンパクトな構造となっていることから、キノコの収穫作業等が終了した後に、下側のカゴの上縁部からカゴ受け具を取り外して、複数のカゴを重ね合わせ(スタッキングし)、一番上のカゴ等内にカゴ受け具をコンパクトに収納しておくことができる。また、このように、1つ1つのカゴ受け具がコンパクトな構造となっており、かつ、これらコンパクトな構造のカゴ受け具を下側のカゴの上縁部の少なくとも3か所に取り付けるだけでよいので、コストを低く抑えることができる。
しがって、上記(1)の構成によれば、取り付け作業と取り外し作業を容易かつスピーディに行うことが可能で、かつ、キノコの収穫作業等が終了した後に、収穫カゴ等内にコンパクトに収納しておくことが可能なカゴ受け具を低コストで提供することができる。
【0010】
本発明のカゴ受け具の上記(1)の構成においては、以下の(2)乃至(4)のような構成にすることが好ましい。
【0011】
(2)上記(1)の構成において、前記掛止部の前記受け部と反対側の端部には、前記掛止部が前記下側のカゴの前記上縁部に掛止された状態で、当該上縁部の持ち手の溝内に入り込むことが可能な抜け止め部が形成されている。
上記(2)の好ましい構成によれば、カゴ受け具の使用中に当該カゴ受け具が下側のカゴの上縁部から意図せずに外れてしまうことを防止することができる。
【0012】
(3)上記(1)の構成において、前記掛止部には、前記カゴ受け具を前記下側のカゴに取り付ける際に、当該下側のカゴの前記上縁部の持ち手の溝から下方に延びるスタッキング(重ね合わせ)用のスペーサを挟み込む所定長さのスリットが形成されている。
上記(3)の好ましい構成によれば、下側のカゴに取り付けられたカゴ受け具を、横方向に固定することができるので、横方向の揺れや振動に強いカゴ受け具を実現することができる。
【0013】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれか1つの構成において、前記掛止部の前記受け部と同じ側の端部には、当該受け部と略垂直に下方に延びる当接部が形成されている。
上記(4)の好ましい構成によれば、下側のカゴの上縁部にカゴ受け具を取り付けたときに、当該カゴ受け具の当接部を下側のカゴの内面に当接させて、カゴ受け具の姿勢を安定させることができる。
なお、この当接部は、カゴ受け具を下側のカゴに取り付ける際の把持部として機能させることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、取り付け作業と取り外し作業を容易かつスピーディに行うことが可能で、かつ、キノコの収穫作業等が終了した後に、収穫カゴ等内にコンパクトに収納しておくことが可能なカゴ受け具を低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の構成を示す斜視図((a)は正面側の右斜め上方から見た図、(b)は背面側の右斜め上方から見た図、(c)は背面側の左斜め下方から見た図)である。
図2図2は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の構成を示す六面図((a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は底面図、背面図は正面図と対称につき省略)である。
図3図3は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の使用状態を示す斜視図((a)は下側のカゴにカゴ受け具を取り付けた状態、(b)は上側のカゴを下側のカゴの上に積み重ねた状態)である。
図4図4(a)は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具を下側のカゴに取り付けた状態を示す平面図、図4(b)は、図4(a)のA-A線矢視部分拡大断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の取り付け方法を説明するための部分断面図((a)は第1工程、(b)は第2工程)である。
図6図6は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の取り付け方法を説明するための部分断面図((c)は第3工程、(d)は第4工程)である。
図7図7は、複数のカゴを重ね合わせた状態を示す斜視図及びその一部拡大斜視図である。
図8図8は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の他の3つの構成を示す斜視図である。
図9図9は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の更に他の2つの構成を示す斜視図である。
図10図10は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の他の使用状態を示す斜視図((a)は下側のカゴにカゴ受け具を取り付けた状態、(b)は上側のカゴを下側のカゴの上に積み重ねた状態)である。
図11図11は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の、下側のカゴへの取り付け状態の他の態様を示す平面図である。
図12図12は、従来技術における、複数のカゴをそのまま互い違いに重ねて積み上げた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、好適な実施形態を用いて本発明を更に具体的に説明する。但し、下記の実施形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
[カゴ受け具の構成]
まず、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の構成について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の構成を示す斜視図((a)は正面側の右斜め上方から見た図、(b)は背面側の右斜め上方から見た図、(c)は背面側の左斜め下方から見た図)、図2は、当該カゴ受け具の構成を示す六面図((a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は底面図、背面図は正面図と対称につき省略)、図3は、当該カゴ受け具の使用状態を示す斜視図((a)は下側のカゴにカゴ受け具を取り付けた状態、(b)は上側のカゴを下側のカゴの上に積み重ねた状態)、図4(a)は、当該カゴ受け具を下側のカゴに取り付けた状態を示す平面図、図4(b)は、図4(a)のA-A線矢視部分拡大断面図である。
【0019】
図3に示すように、本実施形態のカゴ受け具1は、複数のカゴ6a,6bを上下に積み重ねる際に、下側のカゴ6bに取り付けて、上側のカゴ6aを支持するために用いられるものである。
【0020】
なお、図3では、2つのカゴ6a,6bを上下に積み重ねる場合を示しているが、本実施形態のカゴ受け具1は、3つ以上のカゴを上下に積み重ねる場合にも使用される。そこで、本願では、カゴ受け具1が取り付けられているか否かに関わらず、支持する側のカゴを「下側のカゴ」と呼び、支持される側のカゴを「上側のカゴ」と呼ぶこととする。
また、図3では、下側のカゴ6bに4個のカゴ受け具1が使用されているが、後述するように、少なくとも3か所に取り付けられていれば十分である(図11を参照)。
【0021】
また、図3では、図面を見やすくするために、カゴ6a,6bの左右側面6c、前後側面6d及び底面6eの網目(開口)の図示を省略している(後述する図7図10においても同様である)。
カゴ6a,6bは、角形のカゴ(角カゴ)であり、成人の身幅ほどの大きさで、軽量なプラスチック素材からなっている。そして、スタッキングが出来るように、上面よりも底面の面積が小さい逆四角錐体状に形成されている。また、カゴ6a,6bの上縁部6fには、持ち手の溝6gが形成され、スタッキングされたカゴ6a,6bを上から取りやすくなっている。更に、カゴ6a,6bの4つのコーナー部には、持ち手の溝6gから下方に延びるスタッキング用のスペーサ6hが設けられている(以上、図4及び、後述する図7を参照)。
【0022】
図1乃至図4に示すように、カゴ受け具1は、下側のカゴ6bの上縁部6fに掛止される掛止部1aと、掛止部1aが下側のカゴ6bの上縁部6fに掛止された状態で、掛止部1aの一方の端部から下側のカゴ6bの内方に略水平に延びる受け部1bと、を備えている。
【0023】
本実施形態のカゴ受け具1のかかる構成は、次のような作用効果を奏する。
すなわち、かかる構成によれば、掛止部1aを下側のカゴ6bの上縁部6fに掛止させるだけで、カゴ受け具1を下側のカゴ6bに容易かつスピーディに取り付けることができる。また、掛止部1aの掛止状態を解除するだけで、カゴ受け具1を下側のカゴ6bから容易かつスピーディに取り外すことができる。
また、かかる構成によれば、1つ1つのカゴ受け具1がコンパクトな構造となっていることから、キノコの収穫作業等が終了した後に、下側のカゴ6bの上縁部6fからカゴ受け具1を取り外して、複数のカゴ6a,6bを重ね合わせ(スタッキングし)、一番上のカゴ等内にカゴ受け具1をコンパクトに収納しておくことができる。また、このように、1つ1つのカゴ受け具1がコンパクトな構造となっており、かつ、これらコンパクトな構造のカゴ受け具1を下側のカゴ6bの上縁部6fの少なくとも3か所に取り付けるだけでよいので、コストを低く抑えることができる。
したがって、かかる構成によれば、取り付け作業と取り外し作業を容易かつスピーディに行うことが可能で、かつ、キノコの収穫作業等が終了した後に、収穫カゴ等内にコンパクトに収納しておくことが可能なカゴ受け具を低コストで提供することができる。
【0024】
以下、更に詳細に説明する。
本実施形態のカゴ受け具1の構成においては、図1図2図4に示すように、掛止部1aの受け部1bと反対側の端部に、掛止部1aが下側のカゴ6bの上縁部6fに掛止された状態で、当該上縁部6fの持ち手の溝6g内に入り込むことが可能な抜け止め部1cが形成されていることが好ましい。
かかる好ましい構成によれば、カゴ受け具1の使用中に当該カゴ受け具1が下側のカゴ6bの上縁部6fから意図せずに外れてしまうことを防止することができる。
【0025】
本実施形態のカゴ受け具1の構成においては、図1乃至図4に示すように、掛止部1aに、カゴ受け具1を下側のカゴ6bに取り付ける際に、当該下側のカゴ6bの上縁部6fの持ち手の溝6gから下方に延びるスタッキング用のスペーサ6hを挟み込む所定長さのスリット1dが形成されていることが好ましい。
かかる好ましい構成によれば、下側のカゴ6bに取り付けられたカゴ受け具1を、横方向に固定することができるので、横方向の揺れや振動に強いカゴ受け具1を実現することができる。
【0026】
本実施形態のカゴ受け具1の構成においては、同じく図1乃至図4に示すように、掛止部1aの受け部1bと同じ側の端部に、当該受け部1bと略垂直に下方に延びる当接部1eが形成されていることが好ましい。
かかる好ましい構成によれば、下側のカゴ6bの上縁部6fにカゴ受け具1を取り付けたときに、当該カゴ受け具1の当接部1eを下側のカゴ6bの内面に当接させて、カゴ受け具1の姿勢を安定させることができる。
なお、図4(b)では、図面を見やすくするために、当接部1eを下側のカゴ6bの内面から浮かせた状態で描いているが、実際には当接している。
また、この当接部1eは、カゴ受け具1を下側のカゴ6bに取り付ける際の把持部として機能させることもできる。
【0027】
本実施形態のカゴ受け具1は、プラスチック製であり、一体成形されている。
カゴ受け具1の掛止部1aは、カゴ6a,6bの上縁部6fの断面形状に合わせて、略逆U字状に湾曲して形成された平板状部材からなっている。掛止部1aは、厚みが約3.0mm、幅が約25.0mm、曲率半径Rが約12.0mmである。
【0028】
カゴ受け具1の受け部1bは、矩形の平板状部材からなっている。受け部1bは、厚みが約3.5mm、幅が約25.0mm、長さが約20.0mmである。
【0029】
カゴ受け具1の抜け止め部1cは、掛止部1aの受け部1bと反対側の端部を略J字状に折り曲げて形成されている。抜け止め部1cの高さは、約7.0mmである。
【0030】
カゴ受け具1のスリット1dは、抜け止め部1cの先端を起点として、掛止部1aの幅方向の中央に沿って形成されている。スリット1dの幅は、約5.0mmである。
【0031】
カゴ受け具1の当接部1eは、略長方形の平板状部材からなっている。当接部1eは、厚みが約3.0mm、幅が約25.0mm、長さが約65.0mmである。
【0032】
[カゴ受け具の取り付け方法]
次に、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の取り付け方法について、図5図6を参照しながら説明する。
【0033】
図5は、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の取り付け方法を説明するための部分断面図((a)は第1工程、(b)は第2工程)、図6も同じく、当該カゴ受け具の取り付け方法を説明するための部分断面図((c)は第3工程、(d)は第4工程)である。
【0034】
まず、図5(a)に示すように、カゴ受け具1の当接部1eを手で持って、掛止部1aの受け部1bと反対側の端部(抜け止め部1cを含む)を、下側のカゴ6bの上縁部6fのコーナー部の持ち手の溝6gに入れ込む。このとき、掛止部1aのスリット1dが、スタッキング用のスペーサ6hを挟み込んだ状態となる。
【0035】
次いで、図5(a),図5(b)に示すように、掛止部1aの受け部1bと反対側の端部(抜け止め部1cを含む)を持ち手の溝6gに入れ込んだまま、カゴ受け具1を下側のカゴ6bの内側方向に倒していく(図5(a)の矢印イを参照)。
【0036】
次いで、図5(b),図6(c)に示すように、同じく、掛止部1aの受け部1bと反対側の端部(抜け止め部1cを含む)を持ち手の溝6gに入れ込んだまま、カゴ受け具1を更に倒し(図5(b)の矢印ロを参照)、カゴ受け具1の当接部1eを下側のカゴ6b内に入れる。
【0037】
最後に、図6(c),図6(d)に示すように、同じく、掛止部1aの受け部1bと反対側の端部(抜け止め部1cを含む)を持ち手の溝6gに入れ込んだまま、カゴ受け具1を更に倒し(図6(c)の矢印ハを参照)、当接部1eを下側のカゴ6bの内面に当接させる。これにより、カゴ受け具1の取り付け作業が完了する。なお、図6(d)では、図面を見やすくするために、当接部1eを下側のカゴ6bの内面から浮かせた状態で描いているが、実際には当接している。
このとき、掛止部1aの受け部1bと反対側の端部に形成された抜け止め部1cが、下側のカゴ6bの上縁部6fの持ち手の溝6g内に入り込んだ状態(上縁部6fの外側の縁に係合した状態)となり、カゴ受け具1の使用中に当該カゴ受け具1が下側のカゴ6bの上縁部6fから意図せずに外れてしまうことを防止することが可能となる。
【0038】
また、上記したカゴ受け具1の取り付け作業と逆の動作(図6(d)→図6(c)→図5(b)→図5(a))を行えば、下側のカゴ6bの上縁部6fからカゴ受け具1を取り外すことができる。
【0039】
以上のように、本実施形態のカゴ受け具1の構成によれば、取り付け作業と取り外し作業を容易かつスピーディに行うことが可能となる。
【0040】
[カゴ受け具の使用方法]
次に、本発明の一実施形態におけるカゴ受け具の使用方法について、キノコを収穫する場合を例に挙げて、図7をも参照しながら説明する。
【0041】
図7は、複数のカゴを重ね合わせた状態を示す斜視図及びその一部拡大斜視図である。
【0042】
まず、収穫カゴ(下側のカゴ6b)を用いて、キノコの収穫を行う。
次いで、下側のカゴ6bがキノコでいっぱいになったら、上記のようにして、当該下側のカゴ6bの上縁部6fの4つのコーナー部にカゴ受け具1を取り付ける(図3(a),図4乃至図6を参照)。
【0043】
次いで、収穫カゴ(上側のカゴ6a)を用いて、次のキノコの収穫を行う。
次いで、上側のカゴ6aがキノコでいっぱいになったら、図3(b)に示すように、上側のカゴ6aを下側のカゴ6bのカゴ受け具1の受け部1bの上に積み重ねる。
【0044】
以上の作業を繰り返し行う。
【0045】
キノコの収穫作業が終了したら、各収穫カゴ(上側のカゴ6a、下側のカゴ6b)からカゴ受け具1を取り外し、図7に示すように、複数の収穫カゴ(上側のカゴ6a、下側のカゴ6b)を重ね合わせて(スタッキングして)保管しておく。また、取り外したカゴ受け具1は、重ね合わせた一番上のカゴ内に収納しておく。
【0046】
なお、上記実施形態においては、カゴ受け具1が、下側のカゴ6bの上縁部6fに掛止される掛止部1aと、掛止部1aが下側のカゴ6bの上縁部6fに掛止された状態で、掛止部1aの一方の端部から下側のカゴ6bの内方に略水平に延びる受け部1bと、掛止部1aの受け部1bと反対側の端部に形成され、掛止部1aが下側のカゴ6bの上縁部6fに掛止された状態で、当該上縁部6fの持ち手の溝6g内に入り込むことが可能な抜け止め部1cと、掛止部1aに形成され、カゴ受け具1を下側のカゴ6bに取り付ける際に、当該下側のカゴ6bの上縁部6fの持ち手の溝6gから下方に延びるスタッキング用のスペーサ6hを挟み込む所定長さのスリット1dと、掛止部1aの受け部1bと同じ側の端部に形成され、当該受け部1bと略垂直に下方に延びる当接部1eと、を備える場合を例に挙げて説明した(図1図2図4を参照)。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。
【0047】
例えば図8(a)に示すカゴ受け具7のように、当接部1eは任意の構成要素である。
また、カゴ受け具を、例えば図10に示すように、下側のカゴ6bの上縁部6fの4つの辺のそれぞれの略中央部に取り付ける場合には、例えば図8(b)に示すカゴ受け具8のように、スリット1dも任意の構成要素となる。
また、多少のガタツキを許容できるのであれば、例えば図8(c)に示すカゴ受け具9のように、抜け止め部1cも任意の構成要素とすることができる。
【0048】
また、図8(b),(c)の場合であっても、図9(d),(e)に示すように、当接部1eは備えていてもよい。
【0049】
また、上記実施形態においては、カゴ受け具1の掛止部1aが略逆U字状に湾曲して形成された平板状部材からなる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。掛止部の形状は、カゴの上縁部の断面形状に合わせて適宜変更することができる。
また、上記実施形態においては、カゴ受け具1の受け部1bが矩形の平板状部材からなる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。受け部は、例えば、半楕円形の平板状部材からなっていてもよい。
【0050】
また、上記実施形態においては、カゴ受け具1を下側のカゴ6bの上縁部6fの4つのコーナー部に取り付ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような使用態様に限定されるものではない。例えば図10に示すように、カゴ受け具1は、下側のカゴ6bの上縁部6fの4つの辺のそれぞれの略中央部に取り付けるようにしてもよい。
また、このように上記実施形態においては、カゴ受け具1を下側のカゴ6bの上縁部6fの4か所に取り付ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような使用態様に限定されるものではない。例えば、図11に示すように、カゴ受け具1を下側のカゴ6bの上縁部6fの少なくとも3か所に取り付ければ十分である。
【0051】
また、上記実施形態においては、カゴ受け具1を角カゴに取り付ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような使用態様に限定されるものではない。本発明のカゴ受け具は、例えば丸カゴ等に取り付けて使用することもできる。
【0052】
また、上記実施形態においては、カゴ受け具1を、キノコを収穫する収穫カゴに取り付ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような使用態様に限定されるものではない。本発明のカゴ受け具は、上下に積み重ねる必要があるカゴ一般に使用することができ、例えば、キノコ種菌が接種された菌床を充填した菌床栽培用袋を収容する際のカゴ用として使用することもできる。
【符号の説明】
【0053】
1,7,8,9,10,11 カゴ受け具
1a 掛止部
1b 受け部
1c 抜け止め部
1d スリット
1e 当接部
6a カゴ(上側のカゴ)
6b カゴ(下側のカゴ)
6f カゴの上縁部
6g カゴの持ち手の溝
6h カゴのスタッキング用のスペーサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカゴを上下に積み重ねる際に、下側のカゴに取り付けて、上側のカゴを支持するために用いられる収穫カゴ受け具であって、
前記下側のカゴの上縁部に掛止される掛止部と、
前記掛止部が前記下側のカゴの前記上縁部に掛止された状態で、前記掛止部の一方の端部から前記下側のカゴの内方に略水平に延びる受け部と、
を備え、
前記掛止部の前記受け部と反対側の端部には、前記掛止部が前記下側のカゴの前記上縁部に掛止された状態で、当該上縁部の持ち手の溝内に入り込むことが可能な抜け止め部が形成されていることを特徴とする収穫カゴ受け具。
【請求項2】
前記掛止部の前記受け部と同じ側の端部には、当該受け部と略垂直に下方に延びる当接部が形成されている、請求項1に記載の収穫カゴ受け具。