(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178636
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】投入口制御装置、回収装置、投入口制御方法
(51)【国際特許分類】
B65F 1/00 20060101AFI20241218BHJP
B65F 1/16 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
B65F1/00 A
B65F1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096921
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】久野 航輝
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 和義
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA14
3E023MB02
3E023MB10
3E023MC02
3E023MC10
(57)【要約】
【課題】回収箱に異物が入ることを低減する。
【解決手段】対象物を撮像する撮像部と、前記対象物が前記撮像部によって撮像可能な領域に存在することを検出する近接検出部と、前記近接検出部によって前記対象物が近接されたことが検出されたときに前記撮像部によって撮像された画像データから、前記対象物が回収対象の容器であるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果が回収対象の容器であると判定された場合に、収容部に容器を投入可能な投入口の蓋を開にする開閉制御部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を撮像する撮像部と、
前記対象物が前記撮像部によって撮像可能な領域に存在することを検出する近接検出部と、
前記近接検出部によって前記対象物が近接されたことが検出されたときに前記撮像部によって撮像された画像データから、前記対象物が回収対象の容器であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が回収対象の容器であると判定された場合に、収容部に容器を投入可能な投入口の蓋を開にする開閉制御部と、
を有する投入口制御装置。
【請求項2】
前記近接される対象物が当接される当接部と、
前記撮像部が撮像する焦点に対応する位置に、前記当接部が位置するように当該当接部が取り付けられる取付フレームと
を有する請求項1に記載の投入口制御装置。
【請求項3】
前記取付フレームは、前記当接部と前記撮像部との距離が維持された状態で、前記対象物が前記当接部に対して押し付けられたことに応じて、押し込み方向に可動することができ、
前記投入口制御装置は、
前記対象物が前記当接部に当接された状態で対象物が押し付けられ、前記取付フレームが押し込み位置まで到達したことを検出するスイッチ部を有し、
前記近接検出部は、前記スイッチ部によって、前記取付フレームが押し込み位置まで到達したことが検出されたことに基づいて、前記対象物が前記撮像部によって撮像可能な領域に存在することを検出する
請求項2に記載の投入口制御装置。
【請求項4】
前記当接部に設けられ、前記対象物が前記当接部に当接されたことを検出する当接検出部を有し、
前記近接検出部は、前記当接検出部によって、前記対象物が前記当接部に当接されたことが検出されたことに基づいて、前記対象物が前記撮像部によって撮像可能な領域に存在することを検出する
請求項2に記載の投入口制御装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記画像データから、前記回収対象の容器の外観に応じた画像が抽出された場合に、前記対象物が回収対象の容器であると判定する
請求項1に記載に投入口制御装置。
【請求項6】
前記撮像部が撮像する前記対象物を照明する照明部
を有する請求項1に記載の投入口制御装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載された投入口制御装置と、
前記投入口制御装置によって開閉が制御される蓋を有する蓋部と、
を有する回収装置。
【請求項8】
コンピュータにより実行される投入口制御方法であって、
対象物が撮像部によって撮像可能な領域に存在することを検出し、
前記対象物が近接されたことが検出されたときに撮像部によって撮像された画像データから、前記対象物が回収対象の容器であるか否かを判定し、
判定された結果が回収対象の容器であると判定された場合に、収容部に容器を投入可能な投入口の蓋を開にする
ことを含む投入口制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入口制御装置、回収装置、投入口制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットボトルやアルミ缶などの飲料容器は、回収され、資源として再利用されている。
このような容器を回収する場合、自治体が決められた曜日に、回収場所に集められた容器を回収する方法や、駅の構内や自動販売機の近傍に回収箱(リサイクルボックスとも呼ばれることがある)を設置し、消費者に容器を投入してもらい、蓄積された容器を回収する方法等がある。
回収箱には、投入口を2つ設け、一方からペットボトルを投入してもらい、もう一方から缶を投入してもらうことで、分別して蓄積できる回収箱がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、投入口から容器を投入することができるが、投入されない期間において投入口が開いていると、回収対象の容器以外の物が入る場合がある。そうすると、回収対象ではない物が収容されることになり、収容物を資源として利用しにくくなってしまう。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、回収箱に異物が入ることを低減することができる投入口制御装置、回収装置、投入口制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、対象物を撮像する撮像部と、前記対象物が前記撮像部によって撮像可能な領域に存在することを検出する近接検出部と、前記近接検出部によって前記対象物が近接されたことが検出されたときに前記撮像部によって撮像された画像データから、前記対象物が回収対象の容器であるか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果が回収対象の容器であると判定された場合に、収容部に容器を投入可能な投入口の蓋を開にする開閉制御部と、を有する投入口制御装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、コンピュータにより実行される投入口制御方法であって、対象物が撮像部によって撮像可能な領域に存在することを検出し、前記対象物が近接されたことが検出されたときに撮像部によって撮像された画像データから、前記対象物が回収対象の容器であるか否かを判定し、判定された結果が回収対象の容器であると判定された場合に、収容部に容器を投入可能な投入口の蓋を開にすることを含む投入口制御方法である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明によれば、回収箱に異物が入ることを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】投入口制御装置を用いた回収装置1の概略を示す斜視図である。
【
図3】撮像ユニット11の概略を示す斜視図である。
【
図4】撮像ユニットの概略を側方から見た断面図である。
【
図5】撮像ユニットの概略を上方から見た断面図である。
【
図6】回収装置1の機能を表す概略機能ブロック図である。
【
図8】回収装置1の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による投入口制御装置について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態による投入口制御装置を用いた回収装置1の概略を示す斜視図である。
図1に示す本実施形態に係る回収装置1は、投入された容器を収容して蓄積する。回収装置1に蓄積された容器は、回収担当者によって回収される。容器は、例えば、飲料等が入れられる容器である。飲料等が入れられる容器には、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶等、容器の素材に応じて分類される種類がある。容器は、例えば筒状(円筒状、角筒状)のものであってよい。
【0011】
回収装置1は、内部に空間がある箱体3を有する。箱体3の上部には、パネル部Pが設けられている。パネル部Pには複数の機能が搭載されている。
パネル部Pには、投入部10が設けられている。投入部10は、投入口10aを有する。投入口10aには、回収装置1を利用する消費者等の人物によって容器が投入される。投入口10aの形状は、任意であってよいが、本実施形態では略円形である。投入口10aの大きさは、一般的に流通しているペットボトル、アルミ缶、スチール缶の直径に応じた、容器を投入可能なサイズに設定されている。これにより、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶等の種々の容器を投入口10aに投入することができる。具体的に、筒状の容器は、その軸方向が投入口10aへの容器の投入方向に向くように、投入口10aに投入することができる。
【0012】
また、投入口10aは、上下方向(Z軸方向)に対して傾斜した向きに開口している。このため、筒状の容器は、その軸方向が上下方向に対して傾斜する方向に向く状態で、投入口10aに投入することができる。投入口10aに投入される容器の軸方向が上下方向に対して傾斜する傾斜角度は、0度よりも大きく90度以下であればよいが、容器を投入する投入者が投入し易い角度となるように設定されてもよい。
【0013】
パネル部Pには、撮像ユニット11が設けられている。撮像ユニット11は、投入口10aに投入される対象の容器を撮像する。撮像ユニット11は、例えば容器の外面に付帯されたバーコードを撮像してもよいし、容器の外面を撮像してもよい。また、撮像部13は、照明部13aを有する。この場合、撮像部13は、回収装置1の周囲が一定程度以下の明るさのときに照明部13aの光源を点灯させた状態で撮像してよい。
図1において、撮像部13は、投入口10aを正面から見て、投入口10aに対して左右方向(X軸方向)に並んでいるが、これに限ることはない。
【0014】
また、パネル部Pには、表示部193が設けられる。表示部193には各種情報を表示することができる。
【0015】
回収装置1において、投入部10の下方には、投入口10aから投入された容器を収容するための収容部20が配置されている。収容部20は、箱体3の内側に配置され、上方に開口している。収容部20は、投入口10aの下方に配置されている。このため、投入口10aに投入された容器は、収容部20に向けて落下することで収容される。
【0016】
箱体3の下部には、扉3aが設けられている。扉3aを開くことで、箱体3の内側に配置された収容部20が露出する。これにより、収容部20に蓄積された容器を回収することができる。
【0017】
図2は、パネル部Pの概略を示す正面図である。
図2に例示するように、投入部10は、投入口10aを開閉する蓋部12を有してよい。蓋部12が開状態であるときは、投入口10aから容器を投入可能であり、蓋部12が閉状態であるときは、投入口10aから容器を投入できない。また、閉状態においては、回収対象の容器以外である異物が投入口10aから入れられてしまうことを防止することができる。すなわち、容器を投入することができる期間において蓋部12を開状態とし、それ以外の期間においては閉状態とすることで、容器を回収するタイミング以外において、異物が投入されないようにすることができる。
【0018】
また、撮像ユニット11は、撮像部13を有する。撮像部13は、撮像する対象である対象物を撮像する。撮像部13は、例えば、投入口10aに投入される対象の容器100を撮像する。
【0019】
図3は、撮像ユニット11の概略を示す斜視図である。
図3に示すように、撮像ユニット11は、被押付部112と、撮像部13と、照明部13aと、取付フレーム114と、を備える。
被押付部112は、近接される対象物が当接される当接部の一例である。対象物は、被押付部112に当接されるものであればよいが、例えば対象物は、容器100である。
被押付部112には、容器を投入しようとする投入者によって投入対象の容器100が押し付けられる。被押付部112は、透明部材によって構成され、容器100が接触する接触面112aを有する。接触面112aは、例えば平坦であってよい。本実施形態において、接触面112aは、当該接触面112aに沿う第一方向D1において凹状に湾曲し、接触面112aに沿って第一方向D1に直交する第二方向D2において湾曲していない。すなわち、接触面112aは、第二方向D2から見て凹状に湾曲した円弧状、あるいは、これに類似した形状に形成されている。また、接触面112aは、円筒内面の周方向の一部に対応した形状である、とも言える。
図3から
図5においては、第一方向D1が左右方向に向いており、第二方向D2が上下方向に向いている。なお、第一方向D1は、例えば、左右方向、あるいは、上下方向及び左右方向に対して傾斜した方向に向いていてもよい。
【0020】
撮像部13は、被押付部112に押し付けられた容器100を撮像する。撮像部13は、例えば容器100の外面に付帯されたバーコードを撮像してもよいし、容器100の外面を撮像してもよい。撮像部13は、接触面112aと反対側に向く被押付部112の後面112b側に配置され、被押付部112の接触面112aに押し付けられた容器100を撮像する。撮像部13の撮像範囲(画角)は、例えば接触面112aの一部であってもよいが、接触面12a全体を含むことがより好ましい。
【0021】
取付フレーム114には、被押付部112、撮像部13、照明部13aが取り付けられる。ここでは、取付フレーム114は、撮像部13が撮像対象を撮像する焦点に対応する位置に、被押付部112が位置するように取り付けられている。そのため、被押付部112(特に接触面12a)と撮像部13との相対的な位置関係が変化することはない。
本実施形態において、取付フレーム114は、被押付部112と撮像部13との間の空間を覆うように構成されている。これにより、被押付部112を透過する光以外の光が撮像部13に到達することを抑制又は防止できる。
【0022】
図5は、撮像ユニット11の概略を上方から見た断面図である。
図4、
図5に示すように、本実施形態の撮像ユニット11では、上述した被押付部112、撮像部13、照明部13a及び取付フレーム114を含む撮像ユニット11全体が、容器100が被押付部112に押し付けられた際に、その押付力によって初期位置P1から押込み位置P2まで動く。また、撮像ユニット11では、ユニット本体11aが押込み位置P2に到達した際に、スイッチ18によって押込み位置P2に到達したことが検出され、検出されたことに応じて、撮像部13が被押付部112に押し付けられた容器100を撮像する。
【0023】
ここでは、被押付部112(特に接触面112a)に対して容器100が当接された場合であっても、被押付部112(特に接触面112a)と撮像部13との相対的な位置関係(例えば距離)は維持される。
また、被押付部112(特に接触面112a)に対して容器100が押し付けられ、その押付力によって初期位置P1から押込み位置P2まで動いた場合であっても、被押付部112(特に接触面112a)と撮像部13との相対的な位置関係は維持される。
そのため、容器100が被押付部112に当接または押し付けられた場合であっても、撮像部13が対象物(ここでは容器100)を撮像する場合であっても、合焦する位置に容器100が位置した状態を維持できるため、対象物に対して焦点があった状態で撮像することができる。
撮像部13がシャッターを切るタイミングとしては、対象物が被押付部112に当接されたことが検出されたとき(後述する)であってもよいし、対象物が被押付部112に押し付けられて、撮像ユニット11(または取付フレーム114)が初期位置P1から押込み位置P2に到達したことが検出されたとき(後述する)であってもよい。
【0024】
具体的に、撮像ユニット11は、ユニット本体11aと、付勢部材17と、スイッチ18と、を備える。
ユニット本体11aは、パネル部Pに対して初期位置P1から押込み位置P2との間で移動可能とされる。
図4、
図5において、ユニット本体11aは、回転軸16を中心として初期位置P1と押込み位置P2との間で回転する。回転軸16は、パネル部Pの外面に沿う方向(
図2において紙面に直交する方向)に延びている。
図4において、回転軸16は、ユニット本体11aのうちパネル部Pから内側に離れた部位に位置しているが、例えばパネル部Pの近い部位に位置してもよい。なお、ユニット本体11aは、例えば初期位置P1と押込み位置P2との間で直線的に移動してもよい。
【0025】
付勢部材17は、ユニット本体11aを押込み位置P2から初期位置P1に向かう方向に付勢する。付勢部材17は、例えばコイルばねやゴムなど、任意の弾性体であってよい。
スイッチ18は、ユニット本体11a(あるいは取付フレーム114)が押込み位置P2に到達したことを検知する。スイッチ18は、ユニット本体11a(あるいは取付フレーム114)が押込み位置P2に到達したことを検出すると、検出したことに基づいて、撮像部13に撮像を行わせる検出信号を撮像部13に送出する。これにより、ユニット本体11aが押込み位置P2に到達した際に、撮像部13によって被押付部112に押し付けられた容器100を撮像することができる。
【0026】
図3から
図5において、照明部13aは、例えば被押付部112の接触面112aに押し付けられた容器100に対して光を照射する。照明部13aは、例えば、スイッチ18からの検出信号に基づいて、容器100が被押付部112に押し付けられた際あるいは接触したことに応じて点灯し、容器100が被押付部112から離れた際に消灯してよい。この場合、例えば夜間において周囲が暗くても、撮像部13による容器100の撮像に際して光量が不足することを抑制又は防止できる。
【0027】
図6は、回収装置1の機能を表す概略機能ブロック図である。
この図では、回収装置1のうち、電気信号のやり取りを行われる機能について主に図示されている。
回収装置1は、投入口制御ユニット15、蓋部12、記憶部191、制御部192、表示部193を有する。
投入口制御ユニット15は、近接検出部151、撮像部13、照明部13a、判定部152、開閉制御部153を有する。
【0028】
近接検出部151は、対象物が撮像部13によって撮像可能な領域に存在することを検出する。近接検出部151は、例えばスイッチ18を有する。
スイッチ18は、対象物が当接部(例えば被押付部112)に当接された状態で対象物が押し付けられ、取付フレーム114が押し込み位置P2まで到達したことを検出し、検出信号を撮像部13と照明部13aに出力する。
【0029】
近接検出部151は、取付フレーム114が押し込み位置P2まで到達したことがスイッチ18によって検出されたことに基づいて、対象物が撮像部13によって撮像可能な領域に存在することを検出する。すなわち、近接検出部151は、対象物が撮像部13によって撮像可能な領域に存在し、かつ、撮像部13が撮像するピントが、被押付部112に接触している対象物に合う状態にあることを検出することができる。
【0030】
また、スイッチ18は、対象物が被押付部112に押し付けられて取付フレーム114が押し込み位置P2まで到達したときに、スイッチを押した感触(クリック感)を対象物を押し付けた利用者に伝えることができる。これにより、利用者は、クリック感があることで、押し込み度合いが必要な程度に到達したことを把握することができる。また、容器を押し付けることでスイッチが作動し、これに伴って蓋部12が開く、という一連の操作の流れを把握し易い。
スイッチ18は、例えば、マイクロスイッチを用いてもよい。
【0031】
撮像部13は、対象物が撮像部13によって撮像可能な領域に存在することを検出することが近接検出部151によって検出されると、対象物を撮像する。例えば、撮像部13は、近接検出部151によって対象物が検出されたタイミングでシャッターを切り、画像データを出力する。
【0032】
照明部13aは、光源を有しており、撮像部13が撮像する対象物を照明する。照明部13aは、撮像部13が対象物を撮像するタイミングに応じて光源を点灯させるようにしてもよい。例えば、照明部13aは、近接検出部151によって対象物が検出されたことを表す検出信号を取得し、この検出信号に基づいて光源を点灯させるようにしてもよい。
【0033】
判定部152は、近接検出部151によって対象物が近接されたことが検出されたときに撮像部13によって撮像された画像データから、対象物が回収対象の容器であるか否かを判定する。
【0034】
判定部152は、この判定処理を行うにあたり、記憶部191に記憶された商品データを参照することで、対象物が回収対象の容器であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0035】
開閉制御部153は、判定部152の判定結果が回収対象の容器であると判定された場合に、収容部20に容器を投入可能な投入口の蓋部12を開にする。
開閉制御部153は、蓋部12を開にし、一定時間が経過した場合に蓋部12を閉にする。また、開閉制御部153は、蓋部12を開にした後、投入口10aから容器100が投入されたことが検出されたことに応じて蓋部12を閉にするようにしてもよい。容器100が投入口10aから投入されたことは、例えば、センサによって検出するようにしてもよい。
【0036】
蓋部12は、開閉制御部153によって開状態と閉状態のいずれかの状態に制御される。蓋部12は、例えば、虹彩絞り構造の開閉蓋を用いることができる。蓋部12が、虹彩絞り構造の蓋である場合、開口径を大きくすることで開状態とすることができ、開口径を小さくすることで閉状態とすることができる。
蓋部12は、開状態において、投入口10aから容器100を投入可能であり、閉状態において、投入口10aからの容器100の投入ができない状態となる。また、閉状態においては、容器以外の異物が投入口10aから入れられてしまうことを防止することができる。すなわち、容器を投入することができる期間において蓋部を開状態とし、それ以外の期間においては閉状態とすることで、容器を回収(投入)するタイミング以外において、異物が投入されないようにすることができる。
【0037】
記憶部191は、各種データを記憶する。例えば記憶部191は、商品データを記憶する。商品データは、バーコードデータと商品情報とを含む。
記憶部191は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0038】
この記憶部191は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
図7は、商品データの一例を示す図である。
商品データは、バーコードデータと商品情報とが対応づけられたデータである。
バーコードデータは、異なる商品にそれぞれ個別に割り当てられた識別情報である。この識別情報は、商品に付される場合に、一次元バーコードとして表現されてフィルムに印刷されて容器にラベルとして付帯されたり、あるいは、容器に直接印刷されることで付帯される。
商品情報は、商品に関する情報であり、例えば、容器に入れられた飲料の商品に関する情報である。より具体的に、商品情報は、JAN(Japanese Article
Number)コード(バーコードの識別情報に相当)、飲料の名称(商品名等)、製造メーカー、容器の素材、内容量等を含む。また、商品情報は、容器の外観を表す商品画像を含むようにしてもよい。
【0039】
制御部192は、回収装置1の各部を制御する。
【0040】
表示部193は、制御部192からの表示信号に基づいて各種データを表示する。表示部193は、例えば液晶パネルを有するディスプレイである。
【0041】
上述の近接検出部151、判定部152、開閉制御部153、制御部192は、例えばCPU(中央処理装置)等の処理装置若しくは専用の電子回路で構成されてよい。
【0042】
次に、回収装置1の動作について説明する。
図8は、回収装置1の動作を説明するフローチャートである。
初期状態において、蓋部12は閉状態である。
近接検出部151は、スイッチ18の検出信号を監視し(ステップS101)、検出信号が得られたか否かを判定する(ステップS102)。
近接検出部151は、容器100が被押付部112に押し付けられていない状態では、スイッチ18がオンにはならず検出信号が出力されないため、近接検出部151は、検出信号が得られていないと判定する(ステップS102-NO)。ここでは、近接検出部151は、撮像可能な領域に容器が存在しないことを検出することができる。
一方、容器100が被押付部112に押し付けられ、ユニット本体11aが押込み位置P2に到達すると、スイッチ18がオンになり、スイッチ18から検出信号が出力される。近接検出部151は、検出信号が得られたと判定する(ステップS102-YES)。これにより、近接検出部151は、撮像可能な領域に容器が存在することを検出することができる。
【0043】
照明部13aは、近接検出部151によって、容器が撮像部13によって撮像可能な領域に存在することが検出されると、光源を点灯させる(ステップS103)。
また、撮像部13は、近接検出部151によって、容器が撮像部13によって撮像可能な領域に存在することが検出されると、撮像領域を撮像する(ステップS104)。ここでは、照明部13aによって容器100が照明された状態において撮像することができる。
ここで、照明部13aと撮像部13は、近接検出部151の検出結果を取得したことに応じて動作してもよいし、スイッチ18から出力される検出信号に基づいて動作してもよい。
【0044】
判定部152は、撮像部13によって撮像されると、撮像結果である画像データに基づいて、対象物が回収対象の容器であるか否かを判定する(ステップS105)。
例えば、判定部152は、画像データから、回収対象の容器の外観に応じた画像が抽出された場合に、対象物が回収対象の容器であると判定する(ステップS106-YES)。また、判定部152は、画像データから一次元バーコードを抽出し、抽出された一次元バーコードが割り当てられた商品を特定し、特定された商品が回収対象の容器に該当する場合に、対象物が回収対象の容器であると判定してもよい。
【0045】
一方、判定部152は、画像データから一次元バーコードを抽出することができない場合には、対象物が回収対象の容器ではないと判定する(ステップS106-NO)。回収対象の容器ではないと判定された場合、制御部192は、処理をステップS101に移行させる。これにより、蓋部12が閉じた状態を維持することができ、回収対象ではない物が投入されないようにすることができる。
【0046】
ここで例えば、判定部152は、対象物が、一次元バーコードが付帯されていない物体である場合には、回収対象の容器ではないと判定する。また、判定部152は、一次元バーコードが抽出された場合であって、当該一次元バーコードが示す商品が、回収対象の容器に該当する商品ではない場合には、対象物が回収対象の容器ではないと判定する。例えば、一次元バーコードが付帯されているが、飲料等の容器ではない商品の場合がある。
ここでは、商品に一次元バーコードが付帯されている場合について説明しているが、商品を個別に識別することができれば、二次元バーコードであってもよい。
【0047】
また、判定部152は、一次元バーコードが抽出されない場合であっても、画像認識処理をし、画像データに、回収対象の商品に応じた画像が含まれているか否かに基づいて、対象物が回収対象の容器であるか否かを判定するようにしてもよい。例えば判定部152は、画像データから文字認識処理(OCR:Optical Character Reader)をすることで、画像データから文字情報を取得し、取得された文字情報が回収対象の容器が用いられた商品に該当するか否かを記憶部191の商品データを参照することで判定するようにしてもよい。ここでは判定部152は、取得された文字情報が示す商品名が、記憶部191の商品データに一致するものがあるか否かを判定し、一致するものがあれば、対象物が回収対象の容器であると判定し、一致するものがなければ、対象物が回収対象の容器ではないと判定するようにしてもよい。
【0048】
また、判定部152は、画像データの特徴量を求め、求められた特徴量が、記憶部191の商品データに記憶された商品の外観を表す商品画像から得られる特徴量と一致するか否か、あるいは一致度合いが予め定められた閾値以上であるか否かに基づいて、回収対象の容器であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、判定部152は、撮像された画像データの特徴量が、商品画像の特徴量と一致する場合、あるいは一致度合いが予め定められた閾値以上の場合に、回収対象の容器であると判定し、撮像された画像データの特徴量が、商品画像の特徴量と一致しない場合、あるいは一致度合いが予め定められた閾値未満の場合に、回収対象の容器ではないと判定するようにしてもよい。
このように、画像の特徴量を用いて判定する場合には、一次元バーコードや二次元バーコードが付帯されていないが、回収対象の素材が用いられた容器である場合には、蓋部12を開くことができる。また、一次元バーコードや二次元バーコードが付帯されていたとしても、バーコードの印刷部分が破損等していたとしても、蓋部12を開くことができる。
【0049】
判定部152によって、対象物が回収対象の容器であると判定されると、開閉制御部153は、蓋部12を開状態にする(ステップS107)。これにより、利用者は、被押付部112に押し付けていた容器100を投入口10aから投入することができる。
開閉制御部153は、蓋部12を開状態にした時点からの経過時間をカウントし、その経過時間が、予め決められた時間に到達したか否かを判定する(ステップS108)。ここでは、経過時間は、蓋部12を開状態にした時点からカウントされる場合について説明するが、投入口10aの近傍に通過センサを設け、投入口10aから投入された容器100を、この通過センサによって検出し、検出された時点からカウントするようにしてもよい。これにより、容器100が投入される前に蓋部12が閉状態となることを回避することができる。通過センサは、投入口10aの近傍であって、投入口10aから容器100が投入されて収容部20に収容されるまでの経路であって、回収装置1の内部側に設けられ、投入口10aから容器100が投入されたか否か検出する。通過センサは、例えば超音波センサであり、投入口10aの径方向の一方側から、投入口10aの径方向の中心を通るようにして超音波を出射し、その反射波を受信し、超音波を出射してから反射波が受信されるまでの時間を計測することで、容器が投入されたか否かを検出する。通過センサは、計測された時間が、容器100が投入されていない場合における計測時間よりも短い計測時間が得られた場合に、容器が投入されたことを検出する。
開閉制御部153は、経過時間が予め決められ時間に到達していないと判定された場合には(ステップS108-NO)、一定のウエイト時間が経過した後、再度ステップS108の判定を行う。一方、開閉制御部153は、経過時間が予め決められ時間に到達したと判定された場合には(ステップS108-YES)、蓋部12を閉状態にする(ステップS109)。
ここで、蓋部12が開状態となっている時間は、容器100を被押付部112から離して投入口10aに投入する動作を行うことが可能な時間に応じて定められていてもよい。
また、容器100が投入口10aから投入されたことをセンサによって検出した場合、開閉制御部153は、経過時間が予め決められ時間に到達していなかったとしても、蓋部12を閉状態にしてもよい。
【0050】
蓋部12が閉状態となると、制御部192は、電源をOFFにする操作入力がなされているかを判定し(ステップS110)、電源がOFFではない場合には処理をステップS101に移行させ、電源がOFFにされた場合には、処理を終了する。
【0051】
以上説明した実施形態によれば、近接された対象物を撮像し、回収対象の容器である場合に投入口の蓋を開くようにしたので、近接された対象物が回収対象の容器であることを確認した上で、蓋を開き、容器を受け入れることが可能であり、回収対象物ではない場合には、蓋が閉とすることができるため、異物が入れられないようにすることができる。
また、上述した実施形態によれば、取付フレーム114には、被押付部112及び撮像部13が取り付けられる。このため、被押付部112(特に接触面112a)と撮像部13との相対的な位置関係が変化することを抑制することができ、焦点距離に意識して合わせる必要がない。
【0052】
また、上述した実施形態において、撮像ユニット11は、容器100が被押付部112に押し付けられた際に、被押付部112、撮像部13及び取付フレーム114を含むユニット本体11aが付勢部材17の付勢力に抗って初期位置P1から押込み位置P2まで動く。また、ユニット本体11aが押込み位置P2に到達した際には、撮像部13が被押付部112に押し付けられた容器100を撮像する。このため、利用者が容器100を被押付部112に押し付けた際には、容器100を押し付けた感覚が利用者の手指に伝わる。これにより、利用者は、容器100が撮像ユニット11によって撮像されたという感覚を得ることができる。
【0053】
また、上述した撮像ユニット11においては、取付フレーム114によって被押付部112(特に接触面112a)と撮像部13との相対的な位置関係が固定されている。このため、容器100が被押付部112に押し付けられて被押付部112が動いても、撮像部13の焦点を被押付部112(接触面112a)にあわせた状態に維持できる。また、容器が被押付部112に接している状態となってから撮像することができる。これにより、撮像部13のピントが合う位置に容器がある状態を維持した上で、撮像することができる。そのため、撮像部13によって撮像された容器100の像がぼんやりすることを効果的に抑制又は防止することができる。
【0054】
また、上述した撮像ユニット11においては、被押付部112の接触面112aが、当該接触面12aに沿う第一方向D1において凹状に湾曲している。このため、容器100を被押付部112の接触面12aに押し付けたときに、第一方向D1の右側あるいは左側に寄った位置に容器が押し付けられたとしても、凹状の最も奥側に容器100が位置するように案内することができ、撮像部13の正面側(第一方向D1における中央側)に近づけることができる。また、利用者の手に保持された容器が撮影時に第一方向D1に動くことを抑制できる。これにより、撮像部13によって撮像された容器100の像がブレることを効果的に抑制することができる。
【0055】
また、接触面12aは、当該接触面12aに沿う第一方向D1において凹状に湾曲し、接触面12aに沿って第一方向D1に直交する第二方向D2においては湾曲しない、すなわち、円筒内面の周方向の一部に対応した形状に形成されている。このため、
図3から
図5に示すように、筒状の容器100の軸方向を第二方向D2に向けた状態で容器100を被押付部112の接触面12aに押し付けることを、利用者に直感的に把握してもらうことが可能である。
【0056】
さらに、本実施形態では、接触面112aは、第二方向D2から見て凹状に湾曲した円弧状であるため、容器100の開口100wを上側に向けた状態で容器100を被押付部112の接触面112aに押し付けるように、利用者を誘導することもできる。これにより、接触面112aが側方からみて凹状に湾曲した円弧状に形成される場合と比較して、容器100を被押付部112に押し付ける際に、容器100に収容された内容物(例えば液体)が不意に容器100の開口100wから出てしまうことも抑制できる。
【0057】
なお、上述の実施形態では、撮像ユニット11全体が押込み位置P2に到達したことをスイッチ18が検出する場合について説明したが、容器が接触面112aに接触していることをスイッチ18ではなく、タッチパネルによって検出するようにしてもよい。例えば、接触面112aにタッチパネルを設け、容器が接触面112aに接触されたことをタッチパネルによって検出された場合に、タッチパネルから撮像部13あるいは照明部13aに検出信号が供給するようにしてもよい。この場合、容器が接触面112aに接触された際に、撮像ユニット11が押込み位置P2に到達するような可動機構が設けられていなくてもよい。すなわち、撮像ユニット11のユニット本体11aは、例えばパネル部Pに対して移動不能に固定されてもよい。
このようにタッチパネルを用いる場合であっても、接触面112aと撮像部13との相対的な位置関係は維持されるため、対象物に対して焦点があった状態で撮像することができる。
【0058】
この場合、当接検出部(例えばタッチパネル)は、当接部(例えば、被押付部112)に設けられ、対象物が当接部に当接されたことを検出する。近接検出部151は、当接検出部によって、対象物が当接部に当接されたことが検出されたことに基づいて、対象物が撮像部によって撮像可能な領域に存在することを検出する。
【0059】
また、上述の回収装置1によれば、利用者は、容器100を被押付部112に押し付けることで、クリック感を得ることができ、これに応じて蓋部12が開く。そのため、単に容器を回収容器に入れる場合に比べて、容器100を回収装置1に投入することに対して利用者に興味を持ってもらうことができる。これにより、容器をリサイクルすることに対する意識が低い利用者であっても、容器をリサイクルすることに対する意識を高めてもらうことも可能となる。
【0060】
以上説明した実施形態において、投入口制御ユニット15を、投入口制御装置として、既存の回収容器に取り付け、開閉制御部153が、回収容器に設けられている蓋を開閉するようにしてもよい。また、投入口制御ユニット15は蓋部12を含むように構成され、投入口制御装置として、回収容器に取り付けるようにしてもよい。このように、投入口制御装置として構成することで、既存の回収容器であっても、容器が近接されたことに応じて蓋の開閉制御をすることができる。
【0061】
また、上述した実施形態において、撮像ユニット11を既存の回収容器に設けるようにしてもよい。
【0062】
上述した実施形態における近接検出部151、判定部152、開閉制御部153、制御部192をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0063】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1 回収装置
3 箱体
3a 扉
10 投入部
10a 投入口
11 撮像ユニット
11a ユニット本体
12 蓋部
12a 接触面
13 撮像部
13a 照明部
15 投入口制御ユニット
16 回転軸
17 付勢部材
18 スイッチ
20 収容部
100 容器
100w 開口
112 被押付部
112a 接触面
112b 後面
114 取付フレーム
151 近接検出部
152 判定部
153 開閉制御部
191 記憶部
192 制御部
193 表示部