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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178642
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】振り分け装置
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/00 20060101AFI20241218BHJP
   B65F 1/14 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
B65F1/00 E
B65F1/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096932
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】523216687
【氏名又は名称】株式会社テクノクラート
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】久野 航輝
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 和義
(72)【発明者】
【氏名】小川 鉄夫
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA14
3E023AA18
3E023AA19
3E023AA20
3E023MC02
(57)【要約】
【課題】容器を正しく分別して回収することを可能とする振り分け装置を提供する。
【解決手段】振り分け装置5は、回収装置の投入口10aから投入された容器100を、投入口の下方において上下方向に直交する一方向の一方側に順番に並べて配置された第一収容部20Aと第二収容部20Bとに振り分ける振り分け装置であって、第一収容部の上側の第一空間21Aと第二収容部の上側の第二空間21Bとを仕切る第一仕切位置51P1と、上下方向において投入口と第一収容部との間に位置すると共に、上側に向く面であって一方向の一方側に向かうにしたがって下方に傾斜する第一傾斜面51aが形成されるように配置される第一傾斜位置51P2と、の間で移動可能とされた第一振り分け板51、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収装置の投入口から投入された容器を、前記投入口の下方において上下方向に直交する一方向の一方側に順番に並べて配置された第一収容部と第二収容部とに振り分ける振り分け装置であって、
前記第一収容部の上側の第一空間と前記第二収容部の上側の第二空間とを仕切る第一仕切位置と、上下方向において前記投入口と前記第一収容部との間に位置すると共に、上側に向く面であって前記一方向の一方側に向かうにしたがって下方に傾斜する第一傾斜面が形成されるように配置される第一傾斜位置と、の間で移動可能とされた第一振り分け板、を備える振り分け装置。
【請求項2】
前記第一傾斜位置に配置された前記第一振り分け板の前記第一傾斜面は、前記一方向に対して所定の傾斜角度で傾斜した第一傾斜領域と、前記第一傾斜領域に対して前記一方向の一方側に位置して前記第一傾斜領域よりも傾斜角度が小さい第二傾斜領域と、を含む請求項1に記載の振り分け装置。
【請求項3】
前記投入口から投入された容器を、前記投入口の下方において上下方向に直交する一方向の一方側に順番に並べて配置された第一収容部、第二収容部及び第三収容部に振り分ける振り分け装置であって、
前記第二収容部の上側の第二空間と前記第三収容部の上側の第三空間とを仕切る第二仕切位置と、前記第二収容部の上側に位置すると共に、上側に向く面であって前記一方向の一方側に向かうにしたがって下方に傾斜する第二傾斜面が形成されるように配置される第二傾斜位置と、の間で移動可能とされた第二振り分け板、をさらに備え、
前記第二傾斜位置に配置された前記第二振り分け板の前記第二傾斜面は、前記第一傾斜位置に配置された前記第一振り分け板の前記第一傾斜面の下端よりも下側に位置する請求項1又は請求項2に記載の振り分け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振り分け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットボトルやアルミ缶などの飲料容器は、回収され、資源として再利用されている。このような容器を回収する場合、自治体が決められた曜日に、回収場所に集められた容器を回収する方法や、駅の構内や自動販売機の近傍に回収箱(リサイクルボックスとも呼ばれることがある)を設置し、消費者に容器を投入してもらい、蓄積された容器を回収箱から回収する方法等がある。
特許文献1には、投入口を2つ設け、一方の投入口からペットボトルを投入してもらい、もう一方の投入口から缶を投入してもらうことで、容器を分別して蓄積できる回収箱が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-098570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような回収箱においては、消費者が容器を種類に応じて正しい投入口に投入するとは限らない。このため、回収箱において容器を正しく分別できない可能性がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、容器を正しく分別して回収することを可能とする振り分け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、回収装置の投入口から投入された容器を、前記投入口の下方において上下方向に直交する一方向の一方側に順番に並べて配置された第一収容部と第二収容部とに振り分ける振り分け装置であって、前記第一収容部の上側の第一空間と前記第二収容部の上側の第二空間とを仕切る第一仕切位置と、上下方向において前記投入口と前記第一収容部との間に位置すると共に、上側に向く面であって前記一方向の一方側に向かうにしたがって下方に傾斜する第一傾斜面が形成されるように配置される第一傾斜位置と、の間で移動可能とされた第一振り分け板、を備える振り分け装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、容器を正しく分別して回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る回収装置1の外観を示す斜視図である。
図2】回収装置1のパネル部Pの外観を示す平面図である。
図3】振り分け装置5及びその動作を模式的に示す側面図である。
図4】振り分け装置5の動作を模式的に示す側面図である。
図5】振り分け装置5の動作を模式的に示す側面図である。
図6】回収装置1の機能を示す概略機能ブロック図である。
図7】記憶部151に記憶されるデータの一例を示す図である。
図8】記憶部151に記憶されるデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図8を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態に係る回収装置1は、投入された容器を収容して蓄積する。回収装置1に蓄積された容器は、回収担当者によって回収される。容器は、例えば、飲料等が入れられる容器である。飲料等が入れられる容器には、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶等、容器の素材に応じて分類される種類がある。容器は、例えば筒状(円筒状、角筒状)のものであってよい。
【0010】
回収装置1は、内部に空間がある箱体3を有する。箱体3の上部には、パネル部Pが設けられている。パネル部Pには複数の機能が搭載されている。
パネル部Pには、投入部10が設けられている。投入部10は、投入口10aを有する。投入口10aには、回収装置1を利用する消費者等の人物によって容器が投入される。投入口10aの形状は、任意であってよいが、本実施形態では略円形である。投入口10aの大きさは、一般的に流通しているペットボトル、アルミ缶、スチール缶の直径に応じた、容器を投入可能なサイズに設定されている。これにより、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶等の種々の容器を投入口10aに投入することができる。具体的に、筒状の容器は、その軸方向が投入口10aへの容器の投入方向に向くように、投入口10aに投入することができる。
【0011】
また、投入口10aは、上下方向(Z軸方向)に対して傾斜した向きに開口している。このため、筒状の容器は、その軸方向が上下方向に対して傾斜する方向に向く状態で、投入口10aに投入することができる。投入口10aに投入される容器の軸方向が上下方向に対して傾斜する傾斜角度は、0度よりも大きく90度以下であればよいが、この範囲内でなるべく大きい(例えば45度以上である)ことが好ましい。すなわち、容器は投入口10aに対して横向きで投入されることが好ましい。
【0012】
パネル部Pには、撮像部11が設けられている。撮像部11は、投入口10aに投入される対象の容器を撮像する。撮像部11は、例えば容器の外面に付帯されたバーコードを撮像してもよいし、容器の外面を撮像してもよい。また、図示しないが、撮像部11は、照明を有してよい。この場合、撮像部11は、回収装置1の周囲が一定程度以下の明るさのときに照明を点灯させた状態で撮像してよい。
図1において、撮像部11は、投入口10aを正面から見て、投入口10aに対して左右方向(X軸方向)に並んでいるが、これに限ることはない。
【0013】
回収装置1において、投入部10の下方には、投入口10aから投入された容器を収容するための複数の収容部20が配置されている。複数の収容部20は、箱体3の内側に配置され、上方に開口している。複数の収容部20は、上下方向(Z軸方向)に直交する一方向に並べて配置されている。図1において、複数の収容部20が並ぶ一方向は、左右方向(X軸方向)となっている。
【0014】
複数の収容部20には、第一収容部20Aと、第二収容部20Bと、第三収容部20Cと、がある。第一収容部20Aは、投入口10aの下方に配置されている。このため、投入口10aに投入された容器は、自重によって第一収容部20Aに向けて落下する。第二収容部20Bは、第一収容部20Aに対して一方向の一方側(X軸正方向側)に隣接して配置されている。また、第三収容部20Cは、第二収容部20Bに対して一方向の一方側(X軸正方向側)に隣接して配置されている。
【0015】
箱体3の下部には、扉3aが設けられている。扉3aを開くことで、箱体3の内側に配置された複数の収容部20が露出する。これにより、収容部20に蓄積された容器を回収することができる。
【0016】
回収装置1において、上下方向に並ぶ投入部10と複数の収容部20との間には、振り分け装置5が設けられている。振り分け装置5は、投入口10aから投入された容器を、複数の収容部20に振り分ける。本実施形態の振り分け装置5は、投入口10aから投入された容器を、後述する容器判別部152(図6参照)において判別された容器の種類に対応する収容部20に振り分ける。
【0017】
図2に例示するように、投入部10は、投入口10aを開閉する蓋部12を有してよい。蓋部12が開状態であるときは、投入口10aから容器を投入可能であり、蓋部12が閉状態であるときは、投入口10aから容器を投入できない。また、閉状態においては、容器以外の異物が投入口10aから入れられてしまうことを防止することができる。すなわち、容器を投入することができる期間において蓋部12を開状態とし、それ以外の期間においては閉状態とすることで、容器を回収するタイミング以外において、異物が投入されないようにすることができる。
【0018】
図3図5に示すように、振り分け装置5は、第一振り分け板51と、第二振り分け板52と、を有する。
第一振り分け板51は、第一仕切位置51P1と第一傾斜位置51P2との間で移動可能とされている。第一仕切位置51P1は、第一収容部20Aの上側の第一空間21Aと、第二収容部20Bの上側の第二空間21Bとを仕切る第一振り分け板51の位置である。第一傾斜位置51P2は、上下方向において投入口10aと第一収容部20Aとの間に位置する第一振り分け板51の位置である。また、第一傾斜位置51P2は、上側に向く面であって一方向の一方側(X軸正方向側)に向かうにしたがって下方に傾斜する第一傾斜面51aが形成されるように配置される第一振り分け板51の位置である。すなわち、第一傾斜面51aは、第二収容部20Bに向かうように下方に傾斜している。
【0019】
第一傾斜位置51P2に配置された第一振り分け板51の第一傾斜面51aは、傾斜角度が互いに異なる第一傾斜領域51a1と第二傾斜領域51a2とを含む。これら第一、第二傾斜領域51a1,51a2は、いずれも一方向の一方側(X軸正方向側)に向かうにしたがって下方に傾斜している。第一傾斜領域51a1は、一方向に対して所定の傾斜角度で傾斜している。第二傾斜領域51a2は、第一傾斜領域51a1に対して一方向の一方側(X軸正方向側)に位置する。第二傾斜領域51a2の傾斜角度は、前記第一傾斜領域51a1の傾斜角度よりも小さい。一方向(X軸方向)に対する第一傾斜領域51a1の傾斜角度は、少なくとも90度よりも小さければよい。
【0020】
本実施形態の第一振り分け板51は、上下方向及び一方向に直交する直交方向(Y軸方向)に延びる第一回転軸511を中心に、第一仕切位置51P1と第一傾斜位置51P2との間で回転可能とされている。第一回転軸511は、複数の収容部20の上側において、第一収容部20Aと第二収容部20Bとの間に位置する。上下方向における複数の収容部20と第一回転軸511との間隔は、これらの間に容器が入らない程度に小さいことが好ましい。
第一仕切位置51P1に配置された第一振り分け板51は、第一回転軸511から上方に延びる。また、第一傾斜位置51P2に配置された第一振り分け板51は、第一回転軸511から一方向の他方側(X軸負方向側)に向かうにしたがって上方に傾斜するように延びる。
【0021】
第一振り分け板51を回転駆動する駆動部は、例えばソレノイドアクチュエータ及び弾性部材を含んでよい。この場合、ソレノイドアクチュエータがオフの状態において、第一振り分け板51が弾性部材の弾性力によって第一仕切位置51P1に保持されてよい。また、ソレノイドアクチュエータをオンすることで、第一振り分け板51が弾性部材の弾性力に抗って第一仕切位置51P1から第一傾斜位置51P2まで移動してよい。このような構成では、回収装置1の電源をオフにした状態において、第一振り分け板51を第一仕切位置51P1に保持できる利点がある。
なお、第一振り分け板51を回転駆動する駆動部は、ソレノイドアクチュエータに限らず、ステッピングモータなどを含んでもよい。
【0022】
第二振り分け板52は、第二仕切位置52P1と第二傾斜位置52P2との間で移動可能とされている。第二仕切位置52P1は、第二収容部20Bの上側の第二空間21Bと、第三収容部20Cの上側の第三空間21Cとを仕切る第二振り分け板52の位置である。第二傾斜位置52P2は、第二収容部20Bの上側に位置する第二振り分け板52の位置である。また、第二傾斜位置52P2は、上側に向く面であって一方向の一方側(X軸正方向側)に向かうにしたがって下方に傾斜する第二傾斜面52aが形成されるように配置される第二振り分け板52の位置である。すなわち、第二傾斜面52aは、第三収容部20Cに向かうように下方に傾斜している。
【0023】
第二傾斜位置52P2に配置された第二振り分け板52の第二傾斜面52aは、第一傾斜位置51P2に配置された第一振り分け板51の第一傾斜面51aの下端よりも下側に位置する。図3図5において、一方向(X軸方向)に対する第二傾斜面52aの傾斜角度は、第一傾斜面51a(特に第二傾斜領域51a2)の傾斜角度と同等であるが、例えば第一傾斜面51aの傾斜角度よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0024】
本実施形態の第二振り分け板52は、上下方向及び一方向に直交する直交方向(Y軸方向)に延びる第二回転軸521を中心に、第二仕切位置52P1と第二傾斜位置52P2との間で回転可能とされている。第二回転軸521は、複数の収容部20の上側において、第二収容部20Bと第三収容部20Cとの間に位置する。上下方向における複数の収容部20と第二回転軸521との間隔は、これらの間に容器が入らない程度に小さいことが好ましい。
第二仕切位置52P1に配置された第二振り分け板52は、第二回転軸521から上方に延びる。また、第二傾斜位置52P2に配置された第二振り分け板52は、第二回転軸521から一方向の他方側(X軸負方向側)に向かうにしたがって上方に傾斜するように延びる。
【0025】
第二回転軸521は、前述した第一回転軸511よりも下方に位置する。これにより、第二傾斜位置52P2に配置された第二振り分け板52の第二傾斜面52aを、第一傾斜位置51P2に配置された第一振り分け板51の第一傾斜面51aの下端よりも下側に位置させることができる。
【0026】
第二振り分け板52を回転駆動する駆動部は、例えばソレノイドアクチュエータ及び弾性部材を含んでよい。このような構成では、例えば、前述した第一振り分け板51の場合と同様に、回収装置1の電源をオフにした状態において、第二振り分け板52を第二仕切位置52P1に保持することができる。
なお、第二振り分け板52を回転駆動する駆動部は、ソレノイドアクチュエータに限らず、ステッピングモータなどを含んでもよい。
【0027】
図6に示すように、回収装置1では、撮像部11と、蓋部12と、振り分け装置5と、制御ユニット15とがバス19を介して接続されており、信号(電気信号)の送受信が可能である。
撮像部11は、撮像結果を表す画像データを制御ユニット15に出力する。
制御ユニット15は、例えば箱体3(図1参照)の内側に配置される。制御ユニット15は、記憶部151と、容器判別部152と、駆動制御部153と、を有する。
【0028】
記憶部151は、バーコードデータ及び商品情報に応じた容器の種類を記憶する。記憶部151は、図7に例示するように、バーコードデータと商品情報と容器の種類名とを対応付けた商品データテーブルを記憶する。
バーコードは、異なる商品にそれぞれ個別に割り当てられた識別情報である。この識別情報は、商品に付される場合に、一次元バーコードとして表現されてフィルムに印刷されて容器にラベルとして付帯されたり、あるいは、容器に直接印刷されることで付帯される。
【0029】
商品情報は、商品に関する情報であり、例えば、容器に入れられた飲料の商品に関する情報である。より具体的に、商品情報は、JAN(Japanese Article Number)コード(バーコードの識別情報に相当)、飲料の名称(製品名等)、製造メーカー、内容量等を含む。
容器の種類名は、容器の種類の名称を表す。容器の種類名には、例えば、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶等がある。
【0030】
図6に示す記憶部151は、容器の種類に応じた容器の収容先を記憶する。記憶部151は、図8に例示するように、容器の種類と容器の収容先とを対応付けたデータテーブルを記憶する。容器の収容先は、回収装置1に設けられた各収容部20を表している。図8に例示するデータテーブルでは、ペットボトルが第一収容部20Aに対応し、アルミ缶が第二収容部20Bに対応し、スチール缶が第三収容部20Cに対応している。
【0031】
図6に示す容器判別部152は、撮像部11から出力された画像データ(撮像部11の撮像結果)に基づいて容器の種類を判別する。画像データは、バーコードデータであってもよいし、容器の外面であってもよい。また、画像データは、バーコードデータ及び容器の外面の両方を含んでもよい。
【0032】
画像データに判別可能なバーコードデータが含まれる場合、容器判別部152は、記憶部151に記憶された商品データテーブル(例えば図7参照)から所定のバーコードデータに対応する容器の種類を特定してよい。また、画像データに容器の外面が含まれる場合、容器判別部152は、容器の外面に表示された文字や模様などに基づいて商品情報(製品名、製造メーカー、内容量など)を推定あるいは特定し、記憶部151に記憶された商品データテーブルから所定の商品情報に対応する容器の種類を特定してよい。
【0033】
駆動制御部153は、容器判別部152で判別された容器の種類に応じて、振り分け装置5の第一振り分け板51及び第二振り分け板52の動作を制御して、投入口10aから投入された容器を所定の収容部20に収容させる。言い換えれば、駆動制御部153は、記憶部151に記憶されたデータテーブル(例えば図8参照)を参照して、容器判別部152で判別された容器の種類に対応する容器の収容先(所定の収容部20)を特定し、投入口10aから投入された容器が所定の収容部20に収容されるように、第一振り分け板51及び第二振り分け板52の動作を制御する。本実施形態の駆動制御部153は、第一、第二振り分け板51,52を回転駆動する駆動部を制御する。
【0034】
例えば、容器判別部152によって容器の種類がペットボトル(第一種類)であると判別された場合、駆動制御部153は、記憶部151に記憶されたデータテーブル(例えば図8)を参照して、ペットボトルに対応する収容部20が第一収容部20Aであることを特定し、図3に示すように、第一振り分け板51を第一仕切位置51P1に配置させる。これにより、投入口10aから投入されたペットボトル100A(第一種類の容器100A)は、落下して第一収容部20Aに収容される。
【0035】
また、容器判別部152によって容器の種類がアルミ缶(第二種類)であると判別された場合、駆動制御部153は、記憶部151に記憶されたデータテーブル(図8)を参照して、アルミ缶に対応する収容部20が第二収容部20Bであることを特定し、図4に示すように、第一振り分け板51を第一傾斜位置51P2に配置させ、かつ、第二振り分け板52を第二仕切位置52P1に配置させる。
これにより、投入口10aから投入されたアルミ缶100B(第二種類の容器100B)は、第一傾斜位置51P2に配置された第一振り分け板51上に落下する。その後、当該アルミ缶100Bは、自重によって第一傾斜面51a上において転がってあるいは滑って第二収容部20Bに向けて下方に移動し、第二収容部20Bに収容される。
【0036】
また、容器判別部152によって容器の種類がスチール缶(第三種類)であると判別された場合、駆動制御部153は、記憶部151に記憶されたデータテーブル(図8)を参照して、スチール缶に対応する収容部20が第三収容部20Cであることを特定し、図5に示すように、第一振り分け板51を第一傾斜位置51P2に配置させ、かつ、第二振り分け板52を第二傾斜位置52P2に配置させる。
これにより、投入口10aから投入されたスチール缶100C(第三種類の容器100C)は、第一傾斜位置51P2に配置された第一振り分け板51上に落下する。次いで、当該スチール缶100Cは、自重によって第一傾斜面51a上において転がってあるいは滑って下方に移動して、第二傾斜位置52P2に配置された第二振り分け板52の第二傾斜面52aに受け渡される。その後、当該スチール缶100Cは、自重によって第二傾斜面52a上において転がってあるいは滑って第三収容部20Cに向けて下方に移動し、第三収容部20Cに収容される。
以上のようにして、投入口10aから投入された容器100(100A,100B,100C)は、容器の種類(第一~第三種類)に対応する収容部20(第一~第三収容部20A~20C)に振り分けられる。
【0037】
また、本実施形態の駆動制御部153は、容器判別部152による容器の判別結果に応じて、蓋部12(図2参照)の動作を制御する。具体的に、駆動制御部153は、容器判別部152において容器の種類が特定された場合に蓋部12を開状態として、投入口10aに容器を投入できるようにする。また、駆動制御部153は、容器判別部152において容器の種類が特定されなかった場合に蓋部12を閉状態として、投入口10aに容器などを投入できないようにする。
【0038】
次に、本実施形態の回収装置1において容器を振り分ける方法の一例について説明する。
はじめに、撮像部11において投入対象の容器を撮像する。この際、容器判別部152は、撮像部11の撮像結果に基づいて容器の種類を判別する。容器判別部152において容器の種類が特定された場合には、駆動制御部153が蓋部12を開状態として、投入口10aに容器を投入できるようにする。また、駆動制御部153は、前述したように、容器判別部152において判別された容器の種類に応じて振り分け装置5の第一、第二振り分け板51,52の動作を制御する。これにより、投入口10aに投入された容器が、振り分け装置5によって、容器の種類(第一~第三種類)に対応する収容部20(第一~第三収容部20A~20C)に振り分けられる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の回収装置1では、振り分け装置5が、投入口10aから投入された容器を、容器判別部152において判別された容器の種類に対応する収容部20に振り分ける。これにより、容器を正しく分別して回収することができる。
【0040】
また、本実施形態の回収装置1では、第二収容部20Bと第三収容部20Cとが、投入口10aの下方に配置された第一収容部20Aに対して、上下方向に直交する一方向の一方側(X軸正方向側)に順番に隣接して配置されている。
【0041】
そして、容器の種類が第一種類(例えばペットボトル)である場合には、図3に示すように、振り分け装置5の第一振り分け板51が、第一収容部20A上の第一空間21Aと第二収容部20B上の第二空間21Bとを仕切る第一仕切位置51P1に配置される。この状態では、投入口10aから投入された第一種類の容器100Aが第一収容部20Aに向けて落下する。また、第一仕切位置51P1に配置された第一振り分け板51によって、投入口10aから投入された第一種類の容器100Aが誤って第二収容部20Bに収容されることを抑制又は防止することができる。すなわち、投入口10aから投入された第一種類の容器100Aを確実に第一収容部20Aに収容することができる。
【0042】
また、容器の種類が第二種類(例えばアルミ缶)である場合には、図4に示すように、第一振り分け板51が、上下方向において投入口10aと第一収容部20Aとの間に位置した第一傾斜位置51P2に配置される。この状態では、当該第一振り分け板51によって、投入口10aから投入された第二種類の容器100Bが誤って第一収容部20Aに収容されることを抑制又は防止することができる。
さらに、第一傾斜位置51P2に配置された第一振り分け板51には、上側に向く面であって一方向の一方側(X軸正方向側)に向かうにしたがって下方に傾斜する第一傾斜面51aが形成される。これにより、第一振り分け板51上に落下した第二種類の容器100Bを第一傾斜面51a上において下方に移動させて、第二収容部20Bに向かわせることができる。
また、容器の種類が第二種類(例えばアルミ缶)である場合には、第二振り分け板52が第二収容部20B上の第二空間21Bと第三収容部20C上の第三空間21Cとを仕切る第二仕切位置52P1に配置される。このため、第二振り分け板52によって、第一振り分け板51の第一傾斜面51a上において下方に移動する第二種類の容器100Bが誤って第三収容部20Cに収容されることを抑制又は防止できる。
以上のことから、第二種類の容器100Bを確実に第二収容部20Bに収容することができる。
【0043】
また、容器の種類が第三種類(例えばスチール缶)である場合には、図5に示すように、第一振り分け板51が第一収容部20Aの上側を覆う第一傾斜位置51P2に配置され、かつ、第二振り分け板52が第二収容部20Bの上側を覆う第二傾斜位置52P2に配置される。この状態では、これら第一振り分け板51及び第二振り分け板52によって、投入口10aから投入された第三種類の容器100Cが誤って第一、第二収容部20A,20Bに収容されることを抑制又は防止することができる。
また、第一傾斜位置51P2に配置された第一振り分け板51には、前述した第一傾斜面51aが形成され、第二傾斜位置52P2に配置された第二振り分け板52には、上側に向く面であって一方向の一方側(X軸正方向側)に向かうにしたがって下方に傾斜する第二傾斜面52aが形成される。さらに、当該第二傾斜面52aは、第一傾斜面51aの下端よりも下側に位置する。これにより、第一振り分け板51上に落下した第三種類の容器100Cを第一傾斜面51a上と第二傾斜面52a上とにおいて下方に移動させて、第三収容部20Cに向かわせることができる。
以上のことから、第三種類の容器100Cを確実に第三収容部20Cに収容することができる。
したがって、3つの異なる種類の容器100A,100B,100Cを正しく分別した状態で収容部20に収容することができる。
【0044】
また、本実施形態の振り分け装置5では、第一振り分け板51の第一傾斜面51aが、一方向に対して所定の傾斜角度で傾斜した第一傾斜領域51a1と、第一傾斜領域51a1に対して一方向の一方側(X軸正方向側)に位置して第一傾斜領域51a1よりも一方向に対する傾斜角度が小さい第二傾斜領域51a2と、を含む。このため、容器が、投入口10aから第一振り分け板51の第一傾斜面51aに向けて落下した際に、はじめに傾斜角度が大きい第一傾斜領域51a1に接触することで、容器が上方に跳ね返ることを効果的に抑制できる。そして、容器が第一傾斜領域51a1から傾斜角度の小さい第二傾斜領域51a2に受け渡されることで、容器を滑らかに第一傾斜面51a上において下方に移動させることができる。これにより、容器をスムーズに第二、第三収容部20B,20Cに向けて移動させることができる。
【0045】
また、本実施形態の回収装置1において、駆動制御部153は、容器判別部152において容器の種類が特定された場合に蓋部12を開状態とし、容器判別部152において容器の種類が特定されなかった場合に蓋部12を閉状態とする。これにより、容器判別部152において容器の種類が特定されなかった容器あるいは異物が、誤って投入口10aから投入され、収容部20に収容されることを防ぐことができる。
【0046】
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0047】
本発明において、一方向に並ぶ収容部20の数は、例えば2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
収容部20の数が2つである場合、振り分け装置5は、振り分け板(第一振り分け板51)を1つだけ備えていればよい。この場合には、2つの異なる種類の容器を正しく分別した状態で収容部20に収容することができる。
また、収容部20の数4つ以上である場合、振り分け装置5は、第二振り分け板52を複数備えているとよい。第二振り分け板52の数は、収容部20の数をn(nは3以上の整数)として、(n-2)個とすればよい。また、複数の第二振り分け板52は、上記実施形態において説明した態様で、一方向に並んでいればよい。この場合には、n種類の容器を正しく分別した状態で収容部20に収容することができる。
【0048】
本発明の回収装置においては、例えば、容器判別部152において容器の種類が特定されなかった容器を第一収容部20Aに収容し、容器判別部152において容器の種類が特定された容器をその他の収容部20(例えば第二、第三収容部20B,20C)に収容してもよい。この場合、第一振り分け板51を回転駆動する駆動部をソレノイドアクチュエータによって構成することで、回収装置1の電源をオフにした状態において第一振り分け板51を第一仕切位置51P1に保持するとよい。これにより、省電力で容器を正しく分別して回収することができる。また、このような構成では、回収装置が蓋部12を備えなくても、容器を正しく分別して回収することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 回収装置
5 振り分け装置
10a 投入口
20A 第一収容部
20B 第二収容部
20C 第三収容部
21A 第一空間
21B 第二空間
21C 第三空間
51 第一振り分け板
51a 第一傾斜面
51a1 第一傾斜領域
51a2 第二傾斜領域
51P1 第一仕切位置
51P2 第一傾斜位置
52 第二振り分け板
52a 第二傾斜面
52P1 第二仕切位置
52P2 第二傾斜位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8