(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178650
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】乗物用照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/64 20170101AFI20241218BHJP
B60Q 3/74 20170101ALI20241218BHJP
【FI】
B60Q3/64
B60Q3/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096951
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野々山 肇
(72)【発明者】
【氏名】関谷 匡徳
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040CA05
3K040GA01
3K040GA04
3K040GB00
3K040GC01
(57)【要約】
【課題】複数の導光体を備える乗物用照明装置において暗部の発生を抑制する。
【解決手段】乗物用照明装置10は、光源21、22と、光源21、22からの光を導光する細長状の導光体23、24と、光源21、22、導光体23の一端部である第1端部23A、及び導光体24の一端部である第2端部24Aを収容する第1収容部25と、を備える。第1導光体23と第2導光体24とは、第1収容部25から異なる方向に向かって延びるように配置され、第1導光体23の第1端部23Aと、第2導光体24の第2端部24Aとは、第1収容部25において、細長状の長手方向について重なるように配置される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源と、
第2光源と、
前記第1光源からの光を導光する細長状の第1導光体と、
前記第2光源からの光を導光する細長状の第2導光体と、
前記第1光源、前記第2光源、前記第1導光体の一端部である第1端部、及び前記第2導光体の一端部である第2端部を収容する第1収容部と、を備え、
前記第1導光体と前記第2導光体とは、前記第1収容部から異なる方向に向かって延びるように配置され、
前記第1導光体の前記第1端部と、前記第2導光体の前記第2端部とは、前記第1収容部において、前記細長状の長手方向について重なるように配置される乗物用照明装置。
【請求項2】
前記第1導光体の前記第1端部は、前記第1光源の発光面と対向配置され、
前記第2導光体の前記第2端部は、前記第2光源の発光面と対向配置され、
前記第1光源と前記第2光源の前記各発光面は、互い違いに向かい合いあうように配置される請求項1に記載の乗物用照明装置。
【請求項3】
前記第2導光体の前記第2端部以外の部分を収容する第2収容部と、
前記第1収容部、及び前記第2収容部を支持する支持部と、をさらに備え、
前記第1収容部は、前記支持部の一端部側に設けられ、
前記第2収容部は、前記支持部の他端部側に設けられる請求項1又は請求項2に記載の乗物用照明装置。
【請求項4】
前記支持部は、乗物との接続部分を構成する請求項3に記載の乗物用照明装置。
【請求項5】
前記第1導光体、及び前記第2導光体を覆うレンズ部材をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の乗物用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、乗物用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等の乗物の乗物室には、夜間や暗所での視認性や利便性を高める目的で、あるいは意匠性を高める目的で、照明装置が取り付けられることが知られており、その一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の照明装置は、光源を内蔵した発光部材と、光源からの光を導光する導光体と、発光部材及び導光体を収容する収容体と、を備える。特許文献1では、導光体に含まれるコア層と保護層が剥離することで、導光体中に気泡が発生し、導光体の発光が暗くなることを回避するための技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで導光体内を伝播する光は減衰するため、照明装置を大型化しつつ発光強度を維持するには複数の光源及び複数の導光体を組み合わせることが有効である。しかしながら、複数の導光体を用いると、導光体間の繋ぎ目等に暗部が発生しやすくなってしまう。
【0005】
本技術は、複数の導光体を備える乗物用照明装置において暗部の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に関わる乗物用照明装置は、第1光源と、第2光源と、前記第1光源からの光を導光する細長状の第1導光体と、前記第2光源からの光を導光する細長状の第2導光体と、前記第1光源、前記第2光源、前記第1導光体の一端部である第1端部、及び前記第2導光体の一端部である第2端部を収容する第1収容部と、を備え、前記第1導光体と前記第2導光体とは、前記第1収容部から異なる方向に向かって延びるように配置され、前記第1導光体の前記第1端部と、前記第2導光体の前記第2端部とは、前記第1収容部において、前記細長状の長手方向について重なるように配置される。
【0007】
このように第1導光体の一端部(第1端部)と、第2導光体の一端部(第2端部)とを長手方向について重なるように配置することで、第1導光体と第2導光体の繋ぎ目に、導光体が存在しない部分をなくすようにできる。その結果、導光体が存在しない部分に発生してしまう暗部を抑制できる。
【0008】
また、前記第1導光体の前記第1端部は、前記第1光源の発光面と対向配置され、前記第2導光体の前記第2端部は、前記第2光源の発光面と対向配置され、前記第1光源と前記第2光源の前記各発光面は、互い違いに向かい合いあうように配置されてもよい。このようにすれば、第1導光体の第1端部と、第2導光体の第2端部とを長手方向に重なるように配置しやすくなる。
【0009】
また、前記第2導光体の前記第2端部以外の部分を収容する第2収容部と、前記第1収容部、及び前記第2収容部を支持する支持部と、をさらに備え、前記第1収容部は、前記支持部の一端部側に設けられ、前記第2収容部は、前記支持部の他端部側に設けられてもよい。このようにすれば、各光源及び各導光体を安定的に保持できる。
【0010】
前記支持部は、乗物との接続部分を構成してもよい。このようにすれば、支持部によって乗物に接続しやすくなる。
【0011】
前記第1導光体、及び前記第2導光体を覆うレンズ部材をさらに備えてもよい。このようにすれば、レンズ部材によって第1導光体及び第2導光体の出射光を拡散できると共に、第1導光体及び第2導光体を保護できる。
【発明の効果】
【0012】
本技術によれば、複数の導光体を備える乗物用照明装置において暗部の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1に係る乗物用照明装置が採用された車両の斜視図
【
図6】乗物用照明装置の組付け方法における一工程を示す斜視図
【
図17】乗物用照明装置の角部の輝度のシミュレーション結果を示す斜視図
【
図18】比較例1に係る乗物照明装置の角部の輝度のシミュレーション結果(暗部の発生)を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態1>
実施形態1に係る乗物用照明装置10について
図1から
図17を参照して説明する。一部の図に示した符号F,B,L,R,U,Dはそれぞれ、乗物用照明装置10が取り付けられた車両90の前後方向における前、後、正面から見たときの幅方向(左右方向)における左、右、鉛直方向(上下方向)の上、下を示している。また、上下方向と交わる水平面内の方向(前後方向、及び左右方向を座標軸とする面内方向)を水平方向と言うことがある。
【0015】
乗物用照明装置10は、
図1及び
図2に示すように、自動車等の車両1(乗物の一例)の天井材4の車室側の面(天井面)4Aに取り付けられ、主に天井面4Aを照明するために用いられる。車室は、大まかには、側壁材2、床材3、及び天井材4によって取り囲まれている。本実施形態に係る乗物用照明装置10は、天井材4に取付けられ、湾曲状の角部を有する矩形環状をなしている。乗物用照明装置10は、全体が長尺で大型でありながら、幅寸法及び高さ寸法がコンパクトに設計されている。ただし、乗物用照明装置10の照明対象及び形状はこれに限定されず、側壁材2や床材3、乗物シート等の他の部分を照明するために用いられ、他の形状をなすものであっても構わない。
【0016】
乗物用照明装置10は、
図2及び
図3に示すように、支持部11と、上下方向に僅かな間隔を空けて並ぶ上段照明部20及び下段照明部30と、をおおまかに備える。上段照明部20、及び下段照明部30は、平面視で湾曲状の角部を有する矩形環状をなしている。上段照明部20、及び下段照明部30は、実質的に同一の形状及び大きさを有するが、異なっていても構わない。
【0017】
支持部11は、天井材4との接続部分を構成しており、乗物用照明装置10の各角部10A、10B、10C、10Dに1つずつ、計4つ設けられている。支持部11は、平面視で細長い湾曲状をなす。支持部11は、その上面が天井面4Aに接触するように取り付けられる。支持部11は、上段照明部20の後述する第1収容部25、及び第2収容部26を上方から覆う。また、支持部11には、後述する光源基板41、42を上下方向に挿通する開口が形成されている。支持部11は、例えば天井材4の一部として車両1側に設けられていても構わない。
【0018】
上段照明部20は、
図4及び
図5に示すように、第1光源21と、第2光源22と、第1導光体23と、第2導光体24と、第1収容部25と、第2収容部26と、第1レンズ部材27と、第1遮光板28と、補助部材29と、を備える。以下、各部について詳しく説明する。
【0019】
第1光源21、及び第2光源22はそれぞれ、湾曲状をなす乗物用照明装置10の角部10A、10B、10C、10Dに1つずつ設けられている。本実施形態に係る第1光源21、及び第2光源22は、点光源であるLEDによって構成されている。第1光源21、及び第2光源22は、
図4に示すように、各発光面21A、22Aが上下方向に沿うように第1光源基板(LED基板)41、及び第2光源基板42にそれぞれ実装されている。
【0020】
各光源基板41、42は、上下方向に細長い板状をなし、支持部11から上段照明部20を通って下段照明部30まで延出している。また、光源基板41、42は、それぞれの実装面が向かい合うように配置されている。第1光源21、及び第2光源22は、各光源基板41、42の上部に実装され、後述する下段照明部30の第3光源31、及び第4光源32は、各光源基板41、42の下部に実装されている。第1光源基板41、並びにこれに実装される第1光源21及び第3光源31は、
図5に示すように、上段照明部20の矩形環状の外周側に配置されている。第2光源基板42、並びにこれに実装される第2光源22及び第4光源32は、矩形環状の内周側に配置されている。これにより、第1光源21の発光面21Aと、第2光源22の発光面22Aとは、互い違いに向かい合い、第3光源31の発光面と、第4光源32の発光面とは、互い違いに向かい合っている。各光源基板41、42には、電源を供給するための配線43、44が車両1から配索されている。
【0021】
第1導光体23、及び第2導光体24は、
図4に示すように、細長状の導光体(導光棒)である。第1導光体23、及び第2導光体24は、上段照明部20の環状方向(第1導光体23、及び第2導光体24の長手方向)に沿って交互に繋がるように、2つずつ設けられる。第1導光体23は、矩形環状の外周側に配置され、第2導光体24は矩形環状の内周側に配置されている。導光体23、24は、第1レンズ部材27の後述する溝27C、27D(
図10)に差し込まれて係合される形で取り付けられる。
【0022】
第1導光体23は、一端部である第1端部23Aが第1光源21の発光面21Aと対向配置されている。第1導光体23は、第1端部23Aから入射される第1光源21からの光を長手方向に沿って導光する。
図4に示す第1導光体23は、乗物用照明装置10(上段照明部20)の一角部10Aに配置された第1光源21から、隣り合う他角部10Bに配置される第1光源21まで延出している。
【0023】
第2導光体24は、一端部である第2端部24Aが第2光源22の発光面22Aと対向配置されている。第2導光体24は、第2端部24Aから入射される第2光源22からの光を長手方向に沿って導光する。第2導光体24は、環状方向について第1導光体23とは異なる逆方向に延びている。
図4に示す第2導光体24は、乗物用照明装置10(上段照明部20)の一角部10Aに配置された第2光源22から、隣り合う他角部10Dに配置される第2光源22まで延出している。
【0024】
第1導光体23は、
図5において上方視で時計回りに延びる一方、第2導光体24は上方視で反時計回りに延びている。すなわち、両者は第1収容部25から逆方向に延出している。第2導光体24の第2端部24A側の部分は、第1導光体23の第1端部23A側の部分と、長手方向について重なるように配置される。導光体23、24の重なり部分を
図5において符号90で示す。
【0025】
第1収容部25は、上段照明部20の各角部に1つずつ、計4つ設けられている。第1収容部25は、既述した支持部11に倣う平面形状を有し、支持部11と上下方向に重なっている。第1収容部25は、
図6に示すように、平面視で湾曲状の基部25Aと、基部25Aの一端部から上方に柱状に延びる突出部25Bと、基部25Aの他端部に形成される差込孔25Cと、を有する。第1収容部25の差込孔25Cには、柱状の第2収容部26の下部が差し込まれる。これにより、第2収容部26を突起部25Bと水平方向に所定の間隔を空けた位置に容易に配設できる。
【0026】
第1収容部25の突出部25Bは、光源21、22、第1導光体23の第1端部23A、及び第2導光体24の第2端部24Aを収容する。突出部25Bの側部には、
図7及び
図8に示すように、第1導光体23の第1端部23A、及び第2導光体24の第2端部24Aをそれぞれ係合するための切欠部25B1、25B2が形成されている。切欠部25B1、25B2は水平方向に沿って切り欠けられている。また、突出部25Bには、光源基板41、42を挿通するために上下方向に沿う貫通孔25B3、25B4が形成されている。
【0027】
第1収容部25の基部25Aの上面には、
図6及び
図9に示すように、第1遮光板28を介して第1レンズ部材27が載置される。また、基部25Aの下面には、
図12及び
図13に示すように、第2レンズ部材37が設置される。第1レンズ部材27と第2レンズ部材37との間隔は、基部25Aによって維持され、基部25Aはスペーサとしての役割も担っている。
【0028】
第2収容部26は、
図6及び
図8に示すように、柱状をなし、第2導光体24の第2端部24A以外の部分を収容する。第2収容部26の側部には、第2導光体24の第2端部24A以外の部分を係合するための切欠部26Aが形成されている。切欠部26Aは水平方向に沿って切り欠けられている。第2収容部26によって第2導光体24を安定的に支持できる。
【0029】
第1レンズ部材27は、第1導光体23、及び第2導光体24を上方及び側方から覆って、導光体23、24の出射光を拡散する。また第1レンズ部材27は、導光体23、24を保護する役割を担っている。第1レンズ部材27は、矩形環状をなし、上段照明部20に1つ設けられる。第1レンズ部材27は、
図10に示すように、第1挿通孔27Aと、第2挿通孔27Bと、第1溝27Cと、第2溝27Dと、を有する。第1挿通孔27Aには、
図9に示すように、第1収容部25の突出部25B、及び突出部25Bを取り囲む補助部材29が挿通される。第2挿通孔27Bには、第2収容部26が挿通される。溝27C、27Dには、導光体23、24がそれぞれ係合される。
【0030】
第1遮光板28は、第1レンズ部材27の下面を覆う形状及び大きさを有する。第1遮光板28は、
図6に示すように、第1収容部25の突出部25B、及び第2収容部26を挿通する開口28A、28Bが形成されている。第1遮光板28は、第1レンズ部材27から下方への照射光を遮る。これにより、第1レンズ部材27の上方及び側方からの照射光の輝度を向上し、意匠性を高めることができる。
【0031】
補助部材29は、枠状をなし、
図9に示すように、第1収容部25の突出部25Bを取り囲むように取り付けられる。補助部材29は、突出部25Bに係合された第1導光体23の第1端部23A、及び第2導光体24の第2端部24Aを側方から覆い、これらを突出部25Bと共に安定的に保持する。補助部材29は、透光性を有し、本実施形態では乳白色の樹脂材料から形成されている。補助部材29は、突出部25Bと第1レンズ部材27との間に介在するものとなるため、透光性を有することで、導光体23、24から第1レンズ部材27へ出射する光が補助部材29によって遮られてしまう事態を抑制できる。
【0032】
次に、下段照明部30について説明する。下段照明部30の基本的な構造は、既述した上段照明部20と類似しており、以下では同様の構成、及び作用効果について重複する説明は省略する。下段照明部30は、
図4に示すように、第3光源31と、第4光源32と、第3導光体33と、第4導光体34と、第3収容部35と、第4収容部36と、第2レンズ部材37と、第2遮光板38と、を備える一方、上段照明部20と異なり補助部材を備えない。
【0033】
第2レンズ部材37は、
図12に示すように、第3挿通孔37Aと、第2挿通孔37Bと、第3溝37Cと、第4溝37Dと、を有する。挿通孔37A、37Bには、第3収容部35、及び第4収容部36がそれぞれ挿通される。溝37C、37Dには、第3導光体33、及び第4導光体34がそれぞれ係合される。
【0034】
第3収容部35、及び第4収容部36は、
図13に示すように、柱状をなし、第2レンズ部材37の第3挿通孔37A、及び第4挿通孔37Bにそれぞれ挿通される。第3収容部35は、第1収容部25の突起部25Bと上下方向に重なるように、上下方向に間隔を空けて配設される。第4収容部36は、第2収容部26と上下方向に重なるように、上下方向に間隔を空けて配設される。
【0035】
第3収容部35の側部には、
図14に示すように、第3導光体33の第3端部33A、及び第4導光体34の第4端部34Aをそれぞれ係合するための切欠部35A、35Bが形成されている。また第4収容部36の側部には、第4導光体34の第4端部34A以外の部分を係合するための切欠部36Aが形成されている。切欠部35A、35B、36Aは、上下方向に沿って切り欠けられている。
【0036】
収容部35、36は、透光性を有し、本実施形態では乳白色の樹脂材料から形成されている。透光性を有することで、導光体33、34から第2レンズ部材37へ出射する光が遮られてしまう事態を抑制できる。
【0037】
第2遮光板38は、第1遮光板28と異なり、収容部35、36を挿通する開口を有しない。第2遮光板38は、
図15に示すように、第2レンズ部材37から下方への照射光を遮ると共に、第3導光体33、及び第4導光体34を下方から覆って支持する役割を担っている。
【0038】
次に、上記した乗物用照明装置10の各部の組付け方法について工程順に説明する。まず、
図6に示すように、第1収容部25の差込孔25Cに第2収容部26を上下方向に沿って上方から差し込んで固定する。次に、第1遮光板28の開口28A、28Bに対して第1収容部25の突起部25B、第2収容部26をそれぞれ挿通し、第1遮光板28を第1収容部25の基部25A上に載置する。
【0039】
続いて
図7に示すように、第1導光体23の第1端部23Aを、第1収容部25の突起部25の切欠部25B1に対して水平方向から係合する(第1係合工程)。また
図8に示すように、第2導光体24の第2端部24Aを、第1収容部25の突起部25の切欠部25B2に対して水平方向から係合すると共に(第2係合工程)、第2収容部26に対して第2導光体24の第2端部24A以外の一部を水平方向から係合する(第3係合工程)。
【0040】
続いて
図9に示すように、枠状の補助部材29を、第1収容部25の突起部25Bを取り囲むように第1収容部25に対して上下方向に沿って上方から取り付ける。また、第1レンズ部材27の挿通孔27A、27Bに対して第1収容部25の突起部25B及び補助部材29、第2収容部26をそれぞれ挿通し、第1レンズ部材27を第1収容部25の基部25A上に配置された第1遮光板28の上に載置して取り付ける(第1取付工程)。
【0041】
続いて
図11に示すように、支持部11を第1収容部25の突起部25Bが長手方向の一端部側、及び第2収容部26が他端部側となるように、上方から被せて、支持部11と第1収容部25及び第2収容部26とを締結部材45(具体的にはビス)によって固定する。
【0042】
続いて、上記したように組付けた部材を
図12に示すように上下反転させる。この状態で、第2レンズ部材37を第1収容部25の基部25Aの下面に載置する。また
図13に示すように、第2レンズ部材37の挿通孔37A、37Bに対して第3収容部35、第4収容部36をそれぞれ挿通して締結部材46(具体的にはビス)によって固定する。これにより、第2レンズ部材37、第3収容部35、及び第4収容部36が取り付けられる(第2取付工程)。
【0043】
続いて
図14に示すように、第3収容部35に対して、第3導光体33の第3端部33Aを上方から係合する(第4係合工程)。また、第4導光体34の第4端部34Aを、第3収容部35に対して上方から係合すると共に(第5係合工程)、第4収容部36に対して第4導光体34の第4端部34A以外の一部を上方から係合する(第6係合工程)。
【0044】
続いて
図15に示すように、第2レンズ部材37に対して第2遮光板38を貼り付け、第2遮光板38によって導光体33、34、収容部35、36を覆う。そして、組付けた部材を上下反転させ、
図16に示すように、光源基板41、42を上方から挿入する。
【0045】
続いて、本技術の作用効果について説明する。上記した構成によれば、
図5に示すように、第1導光体23と第2導光体24とは、第1収容部25から環状方向について異なる逆方向に延びるよう配置され、第1導光体23の第1端部23Aと、第2導光体24の第2端部24とは、第1収容部25において、細長状の長手方向について重なるように配置されている。
【0046】
このようにすれば、第1導光体23と第2導光体24の繋ぎ目に、導光体が存在しない部分をなくすようにできる。その結果、
図17にシミュレーション結果を示すように、導光体が存在しない部分に発生してしまう暗部を抑制できる。仮に、第1導光体23の第1端部23Aと、第2導光体24の第2端部24との間に、細長状の長手方向について重なり部分がない場合、
図18に比較例1に係るシミュレーション結果を示すように、導光体が存在しない部分に暗部が発生してしまう。
【0047】
また、第1導光体23の第1端部23Aは、第1光源21の発光面21Aと対向配置され、第2導光体24の第2端部24Aは、第2光源22の発光面22Aと対向配置され、
各発光面21A、22Aは、互い違いに向かい合いあうように配置されている。このようにすれば、第1導光体23の第1端部23Aと、第2導光体24の第2端部24Aとが長手方向に重なるように配置しやすくなる。
【0048】
また、第1収容部25は、支持部11の長手方向についての一端部側に設けられ、第2収容部26は他端部側に設けられる。このように収容部25、26、及び支持部11を設けることで、各光源21、22及び各導光体23、24を安定的に保持できる。
【0049】
<他の実施形態>
本技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本技術の技術的範囲に含まれる。
【0050】
(1)乗物用照明装置10は、上段照明部20及び下段照明部30を両方備えることで高い意匠性を実現しているが、いずれか一方のみ、又は上下3段以上の照明部を有していても構わない。
【0051】
(2)上記実施形態では、乗物用照明装置が取付けられる乗物として車両が例示されていたが、乗物用照明装置が取付けられる乗物は種々の乗物であってもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、無人走行車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても、ここに開示される照明装置を適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1:車両(乗物)、10:乗物用照明装置、11:支持部、21:第1光源、21A:発光面、22:第2光源、22A:発光面、23:第1導光体、23A:第1端部、24:第2導光体、24A:第2端部、25:第1収容部、26:第2収容部、27:第1レンズ部材