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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178655
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】給紙装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/12 20060101AFI20241218BHJP
   B65H 1/14 20060101ALI20241218BHJP
   B65H 3/06 20060101ALI20241218BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
B65H1/12 310B
B65H1/12 310C
B65H1/14 310C
B65H3/06 A
G03G15/00 405
G03G15/00 473
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096962
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】武智 太郎
【テーマコード(参考)】
2H072
3F343
【Fターム(参考)】
2H072BA13
2H072BA17
2H072CA01
2H072HA06
2H072JA02
3F343FA17
3F343FB01
3F343FC04
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HD09
3F343HD17
3F343JA01
3F343JA21
3F343KB03
3F343LA04
3F343LA15
3F343LC04
3F343LC16
3F343LD04
(57)【要約】
【課題】任意サイズの多数枚の用紙束を一度に給紙できる給紙装置を提供すること。
【解決手段】給紙装置1は、積層された用紙束3の最上面の用紙2から順に給送する。給紙装置1は、用紙束3の下面を支持する底板部201と、底板部201に直接または間接に配置され、底板部201を上方へ付勢する弾性部材SPと、を備えている。弾性部材SPは、当該弾性部材SPの第1位置にかかるモーメント力を調整可能な支持力可変手段60,130と、を備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された用紙束の最上面の用紙から順に給送する給紙装置であって、
前記用紙束の下面を支持する底板部と、
前記底板部に直接または間接に配置され、前記底板部を上方へ付勢する弾性部材と、を備え、
前記弾性部材は、当該弾性部材の第1位置にかかるモーメント力を調整可能な支持力可変手段と、を備えている、
給紙装置。
【請求項2】
前記支持力可変手段は、前記用紙が積載される用紙積載部の下方に設置されたバネである、
請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記バネは、テコ状の支持部の端部に設置されて、前記支持力可変手段で当該バネの角度が変更されることで、モーメントが調整可能である、
請求項2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記バネは、引っ張り角度を変えることでバネ力を調整可能である、
請求項2に記載の給紙装置。
【請求項5】
前記支持力可変手段は、前記用紙積載部の下方に設置されたブロックに支持されている、
請求項2に記載の給紙装置。
【請求項6】
前記ブロックは、高さが異なるものが複数用意されており、前記用紙束の態様に合わせて前記高さの異なる前記ブロックを選択的に設定可能である、
請求項5に記載の給紙装置。
【請求項7】
前記弾性部材のバネ力と前記ブロックの高さを、前記用紙の態様に合わせて変更可能である、
請求項5に記載の給紙装置。
【請求項8】
前記用紙は、封筒である、
請求項1に記載の給紙装置。
【請求項9】
前記バネ及び前記ブロックは、1つのユニットとして構成され、
前記ユニットは、磁力で基部に固定されている、
請求項5に記載の給紙装置。
【請求項10】
前記支持力可変手段は、
前記封筒は、最上部の前記封筒が水平に配置されるように、前記弾性部材の第1位置にかかるモーメント力を調整する、
請求項8に記載の給紙装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の給紙装置と、
前記給紙装置から供給された前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
を備える、
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
封筒は、フラップや折り返しがあり、厚さが不均一である。そのため、多数の封筒を積載した場合、フラップ側が下に沈んで、用紙束の最上面が斜めになる。このような厚さが不均一な封筒等の用紙を給紙することが可能にしたものとしては、特許文献1に記載されている給紙装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-4731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の給紙装置は、標準対応しているサイズの封筒等の用紙を給紙することは可能である。しかし、特許文献1に記載の給紙装置は、標準対応しているサイズ以外の任意サイズの封筒等の用紙の場合、給紙台上の封筒の厚さの不均一な部分によって重さが可変するので、給紙トレイの底板部が傾く。このため、特許文献1に記載の給紙装置は、給紙する用紙束の最上面の用紙を水平にすることができないので、任意サイズの用紙を給紙することができないという問題点があった。
【0005】
また、封筒を中心に印刷を行う事業者は、多数枚の封筒を連続印刷して高い生産性で成果物を作成したいという希望がある。しかし、一般のペーパーフィーダーユニット(PFU)では、給紙トレイに収容した封筒を一度に給紙できるのは100枚までであり、100枚を印刷するごとに給紙動作を繰り返す必要があり、生産性が低いという課題がある。
【0006】
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、任意サイズの多数枚の用紙束を、一度に給紙できる給紙装置及び画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明は、以下の構成を備える。
(1) 積層された用紙束の最上面の用紙から順に給送する給紙装置であって、前記用紙束の下面を支持する底板部と、前記底板部に直接または間接に配置され、前記底板部を上方へ付勢する弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、当該弾性部材の第1位置にかかるモーメント力を調整可能な支持力可変手段と、を備えている、給紙装置。
【0008】
(2) 前記支持力可変手段は、前記用紙が積載される用紙積載部の下方に設置されたバネである、請求項1に記載の給紙装置。
【0009】
(3) 前記バネは、テコ状の支持部の端部に設置されて、前記支持力可変手段で当該バネの角度が変更されることで、モーメントが調整可能である、請求項2に記載の給紙装置。
【0010】
(4) 前記バネは、引っ張り角度を変えることでバネ力を調整可能である、請求項2に記載の給紙装置。
【0011】
(5) 前記支持力可変手段は、前記用紙積載部の下方に設置されたブロックに支持されている、請求項2に記載の給紙装置。
【0012】
(6) 前記ブロックは、高さが異なるものが複数用意されており、前記用紙束の態様に合わせて前記高さの異なる前記ブロックを選択的に設定可能である、請求項5に記載の給紙装置。
【0013】
(7) 前記弾性部材のバネ力と前記ブロックの高さを、前記用紙の態様に合わせて変更可能である、請求項5に記載の給紙装置。
【0014】
(8) 前記用紙は、封筒である、請求項1に記載の給紙装置。
【0015】
(9) 前記バネ及び前記ブロックは、1つのユニットとして構成され、前記ユニットは、磁力で基部に固定されている、請求項5に記載の給紙装置。
【0016】
(10) 前記支持力可変手段は、前記封筒は、最上部の前記封筒が水平に配置されるように、前記弾性部材の第1位置にかかるモーメント力を調整する、請求項8に記載の給紙装置。
【0017】
(11) 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の給紙装置と、前記給紙装置から供給された前記用紙に画像を形成する画像形成部と、を備える、画像形成装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、任意サイズの多数枚の用紙束を、一度に給紙することができる給紙装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る給紙装置を模式的に示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る給紙装置を模式的に示す側面図(図1のII-II線断面図)である。
図3】本発明の実施形態に係る給紙装置で用いられる用紙支持台セットによる、角形和封筒の支持状態の例を模式的に示す平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る給紙装置で用いられる用紙支持台セットを模式的に示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る給紙装置で用いられる用紙支持台セットを模式的に示す側面図である。
図6】用紙支持台の第二の支持部に設けられた支持力可変手段の設置状態を示す要部斜視図である。
図7】支持力可変手段の原理を示す説明図である。
図8】補助用用紙支持台に設けられた支持力可変手段の設置状態を示す平面図である。
図9】補助用用紙支持台に設けられた支持力可変手段の設置状態を示す側面図である。
図10A】用紙の一例としての角形の和封筒を模式的に示す背面図である。
図10B】用紙の一例としてのカマス外貼りの洋封筒を模式的に示す背面図である。
図10C】用紙の一例としての右サイド外貼りの和封筒を模式的に示す背面図である。
図11A】比較例の給紙トレイ内に積層された封筒の状態を示す説明図である。
図11B】長形三号の和封筒及び角形二号の和封筒を本発明の給紙トレイ内に設けたカスタマイズキットに積層したときの状態を示す説明図である。
図11C】本発明の給紙トレイ内に設けたカスタマイズキットに積層した長形三号の和封筒及び角形二号の和封筒の高さが低くなったときの状態を示す説明図である。
図12A】用紙支持台セットによる、角形和封筒の支持状態の例を模式的に示す平面図である。
図12B】用紙支持台セットによる、角形和封筒の支持状態の例を模式的に示す側面図である。
図12C】用紙支持台セットに積層された角形和封筒の高さが低くなったときの状態を模式的に示す側面図である。
図13A】用紙支持台による、カマス外貼りタイプの洋封筒の支持状態の例を模式的に示す平面図である。
図13B】用紙支持台による、カマス外貼りタイプの洋封筒の支持状態の例を模式的に示す側面図である。
図14A】用紙支持台による、スミ貼タイプの長形和封筒の支持状態の例を模式的に示す平面図である。
図14B】用紙支持台による、スミ貼タイプの長形和封筒の支持状態の例を模式的に示す側面図である。
図15】本発明の実施形態に係る画像形成装置を模式的に示す側面図である。
図16】本発明の実施形態に係る給紙装置の変形例を示す図であって、補助用用紙支持台に設けられた支持力可変手段の設置状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、参照図面において、「前後」は、用紙2の給送方向(下流側が前、上流側が後)を示し、「左右」は、用紙2の幅方向(給送方向及び上下方向に直交する方向)をそれぞれ示している。
図1は、本発明の実施形態に係る給紙装置1を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る給紙装置1を模式的に示す側面図(図1のII-II線断面図)である。
【0021】
≪給紙装置≫
図1または図2に示すように、本発明の実施形態に係る給紙装置1は、上下方向に複数枚積層された用紙束3の最上部(上面)の用紙2に空気を吹き付けることによって用紙2を浮上させて分離し、分離した用紙2を搬送して外部に供給する空気分離方式の装置である。給紙装置1は、基本構成として、図2に示す底板部201と、図4に示す弾性部材SPと、前壁部202と、昇降板部203と、位置規制部204と、左右一対の浮上部205,205と、前方の浮上部206と、図3に示す支持力可変手段60,130と、を備える。また、給紙装置1は、センサ221,222と、制御部223と、を備える。
【0022】
≪底板部≫
底板部201は、給紙トレイに収容した用紙束3の下面を支持する部材である。底板部201は、水平方向(前後方向及び左右方向)に延在しており、給紙装置1の床面を構成する。
【0023】
≪前壁部≫
前壁部202は、底板部201の前端部から上方に延設されている。前壁部202は、昇降板部203上に設けられた用紙2の前端部の位置(すなわち、用紙2の前方への移動)を規制する位置規制部である。
【0024】
≪昇降板部≫
昇降板部203は、底板部201の上側に設けられており、水平方向に延在し、上下方向に移動可能に構成されている板状の金属製部材である。昇降板部203には、位置規制部204及び浮上部205の移動を許容するための孔部、切欠部等が形成されている。
【0025】
≪位置規制部≫
位置規制部204は、底板部201の上側において、昇降板部203から上方に突出するように設けられており、昇降板部203上に設けられた用紙2の後端部の位置(すなわち、用紙2の後方への移動)を規制する。位置規制部204は、底板部201に対して手動によって前後方向に移動可能に構成されており、任意サイズの用紙2に対応可能である。
【0026】
≪左右の浮上部≫
浮上部205は、底板部201の上側において、昇降板部203から上方に突出するように設けられており、昇降板部203上に設けられた用紙2のうち、最上部の用紙2に側方から空気を吹き付け、用紙2を浮上させるファンである。浮上部205は、底板部201に対して手動によって左右方向に移動可能に構成されており、任意サイズの用紙2に対応可能である。一対の浮上部205において、ファンが収容される筐体部は、昇降板部203上に設けられた用紙2の幅方向端部の位置(すなわち、用紙2の幅方向への移動)を規制する位置規制部としても機能する。
【0027】
≪前方の浮上部≫
浮上部206は、昇降板部203上に設けられた用紙2のうち、最上部の用紙2に前方から空気を吹き付け、用紙2を浮上させるファンである。
【0028】
≪給送部≫
給送部210は、前壁部202の上方に設けられており、浮上部206によって浮上した用紙2をエアーで吸着した状態で搬送して給紙装置1の外部(前方)に給送する。給送部210は、駆動ローラ211及び従動ローラ212と、駆動ローラ211及び従動ローラ212に巻回される、複数の孔部を有する無端ベルトである吸引ベルト213と、吸引ベルト213の内周部に設けられている吸引部214と、を備える。
【0029】
≪センサ≫
センサ221は、昇降板部203に設けられており、当該センサ221の上方に設けられた用紙2の有無を検知し、検知結果を制御部223へ出力する。センサ222は、前壁部202の上部に設けられており、当該センサ222と同じ高さに存在する用紙2の有無を検知し、検知結果を制御部223へ出力する。
【0030】
≪制御部≫
制御部223は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力回路等によって構成されている。制御部223は、センサ221によって用紙2が検知された場合に、図示しない機構(モータ等)を制御することにより、昇降板部203を上昇させる。ここで、制御部223は、センサ222によって用紙2が検知された場合に、図示しない機構を停止することにより、昇降板部203(すなわち、最上部の用紙2)を所望の高さに設定する。ここで、最上部の用紙2と給送部210(吸引ベルト213の下面)との隙間Cは、所定の値に設定される。かかる状態において、浮上部205,206は、最上部の用紙2に対して空気を吹付可能に構成されている。また、吸引ベルト213は、最上部の用紙2から所定高さだけ上方に位置する。
【0031】
続いて、制御部223は、浮上部205,206を制御することによって、最上部の用紙2を浮上させる。また、制御部223は、吸引部214を制御することで、浮上した用紙2を吸引して吸引ベルト213に吸着させる(エアーによる吸着)と共に、駆動ローラ211を回転させるためのモータ等を制御することによって、吸引ベルト213に吸着された用紙2を搬送して給紙装置1の外部に供給する。
【0032】
図3は、本発明の実施形態に係る給紙装置1で用いられる用紙支持台セット4による、角形の和封筒2Aの支持状態の例を模式的に示す平面図である。図4は、本発明の実施形態に係る給紙装置1で用いられる用紙支持台セット4を模式的に示す斜視図である。
【0033】
<用紙支持台セット>
図3または図4に示すように、用紙支持台セット4は、封筒等の部分的に厚さが異なる用紙2を給紙装置1によって供給する場合に、昇降板部203上に設けられ、複数の用紙2の積層体である用紙束3を支持するために用いられる。用紙支持台セット4は、中央に位置する用紙支持台5と、その左右に位置する一対の補助用用紙支持台6,6と、を備える。
【0034】
図3に示すように、用紙支持台セット4には、第1支持領域SA1,SA1と、第2支持領域SA2と、第3支持領域SA3と、第4支持領域SA4と、が配置されている。
第1支持領域SA1,SA1は、左右の補助用用紙支持台6,6の支持部120,120によって用紙束3を支持する部位である。第1支持領域SA1,SA1は、角形二号の和封筒2Aや、洋形三号の洋封筒2B(図13A参照)等の横幅の広い封筒を支持する際に利用される。
第2支持領域SA2は、用紙支持台5の第二の支持部50及び嵩上げ部70によって用紙束3を支持する部位である。第3支持領域SA3は、用紙支持台5の第三の支持部80によって用紙束3を支持する部位である。第4支持領域SA4は、用紙支持台5の連結部30によって用紙束3を支持する部位である。第2支持領域SA2、第3支持領域SA3及び第4支持領域SA4は、どのようなサイズの封筒であっても、前後端部を支持すことができる。
【0035】
≪用紙支持台≫
図3または図4に示すように、用紙支持台5は、一対の基部10,10と、位置規制部20と、連結部30と、を備える。また、用紙支持台5は、基部10ごとに、第一の支持部40と、第二の支持部50と、支持力可変手段60と、嵩上げ部70と、前後一対の第三の支持部80,80と、を備える。
【0036】
≪基部≫
基部10は、用紙2の給送方向すなわち前後方向に延びる長板状の金属製部材である。基部10は、磁力によって昇降板部203に固定可能である。一対の基部10,10は、幅方向に所定の間隔を空けて互いに平行に設けられている。本実施形態において、一対の基部10,10は、矩形枠形状を呈する金属製部材の互いに対向する2辺である。すなわち、一対の基部10,10の前端部同士は、左右方向に延びる前辺部11によって一体に繋がっており、一対の基部10,10の後端部同士は、幅方向に延びる後辺部12によって一体に繋がっている。
【0037】
≪位置規制部≫
位置規制部20は、一対の基部10,10の前端部同士を互いに連結すると共に、用紙支持台5によって支持された複数の用紙2の積層体である用紙束3の前端部の位置を規制する樹脂製部材である。位置規制部20は、底部分に設けられた壁状の底壁部21と、底壁部21の前端部から上方に延設される前壁部22と、前壁部22の上端部における幅方向中間部から上方に延設される延出壁部23と、を一体に備える。底壁部21の後端部は、一対の基部10,10の前端部及び前辺部11に対して固定されている。図5で示すように、前壁部22及び延出壁部23の後面は、側面視で回動軸A1,A2を中心とする円弧形状を呈する。
【0038】
また、位置規制部20は、前壁部22及び延出壁部23の後面から後方に立設される複数のリブ24を備える。リブ24は、上下方向に延びており、複数のリブ24は、幅方向に等間隔に配置されている。図5に示すように、リブ24の先端部(後端面)は、側面視で回動軸A1,A2を中心とする円弧形状を呈する。
【0039】
≪連結部≫
連結部30は、一対の基部10,10の後端部同士を互いに連結する樹脂製部材である。連結部30は、底壁部31と、底壁部31の後端部から上方に延設される後壁部32と、を一体に備える。底壁部31の前端部は、一対の基部10,10の後端部及び後辺部12に対してマグネットMG3(図5参照)、あるいは、ねじ(図示省略)によって着脱可能に固定されている。後壁部32の上部には、取手部33が形成されている。取手部33は、後壁部32を前後方向に貫通する孔部を有し、利用者によって把持可能に構成されている。
【0040】
連結部30は、底壁部31から下方に延設される下突部を備える。下突部は、昇降板部203の幅方向中央部において前後方向に延びる溝部に内嵌されることによって、連結部30の幅方向の移動を規制し、用紙支持台5の幅方向における位置決めを行う。
【0041】
≪第一の支持部≫
第一の支持部40は、底壁部41と、底壁部41の幅方向両端部から上方に延設される一対の側壁部42,42と、を一体に備える樹脂製部材である。底壁部41は、基部10と略同一の幅寸法に形成されており、基部10の長手方向中間部に取り付けられている。第一の支持部40は、側壁部42の上面において、用紙束3のうち、用紙2の薄い部位2X(図10A図10C参照)が重ねられた部分を支持する。
【0042】
図5は、本発明の実施形態に係る給紙装置1で用いられる用紙支持台セット4を模式的に示す側面図である。
図5に示すように、側壁部42は、前後方向に幅広の下部42aと、下部42aの上端部から上方に延設されており、上方に行くにつれて後方へ幅狭となる傾斜部42bと、傾斜部42bから上方に延設されており、下部42aよりも前後方向に幅狭の上部42cと、を一体に備える。傾斜部42bは、後記する第二の支持部50の中間部52との干渉を避けるための部位であり(図3及び図4参照)、上部42cは、後記する嵩上げ部70が装着される部位である。
【0043】
≪第二の支持部≫
図3または図4に示すように、第二の支持部50は、給紙トレイに収容した用紙束3を下側から支えるときに、用紙束3の荷重を支えるメインとなる箇所である。第二の支持部50は、前後方向に延びており、後方から順に、基端部51と、中間部52と、先端部53と、を一体に備える縦断面視して逆凹形状の樹脂製部材である。
【0044】
基端部51は、一対の側壁部42,42間に収容されており、一対の側壁部42,42に対して回動軸A1周りに回動可能に軸支されている。基端部51は、用紙束3の未支持状態において、側面視で前方に行くにつれて上方に向かうように傾斜している。
中間部52は、用紙束3の未支持状態において、側面視で前方に行くにつれて上方に向かうように傾斜している。また、中間部52は、平面視で前方に行くにつれて幅方向内側に向かうように傾斜している。
【0045】
先端部53は、用紙束3の未支持状態において、側面視で略水平方向に延びている。第二の支持部50は、先端部53の上面において、用紙束3のうち、用紙2の厚い部位2Y(図10A図10C参照)が重ねられた部分を支持する。また、第一の支持部40及び/又は第二の支持部50には、用紙束3の未支持状態において、先端部53が水平よりも上方に移動するような第二の支持部50の回動を規制する支持ブロック54が設けられている。
【0046】
先端部53は、センサ221(図2参照)を保持可能な凹部であるセンサ保持部53aと、センサ保持部53aの底面に形成された貫通孔部53bと、載置された用紙束3を下側から支持する用紙積載部53cと、を備える。センサ221は、昇降板部203及び先端部53のセンサ保持部53aのそれぞれに対して着脱可能である(図2参照)。センサ保持部53aに収容されて保持されたセンサ221は、貫通孔部53bを通る配線によって制御部223と接続される(図2参照)。用紙積載部53cは、先端部53の上面に水平に形成されている。
【0047】
図6は、用紙支持台5の第二の支持部50に設けられた支持力可変手段60の設置状態を示す要部斜視図である。
図6に示すように、支持ブロック54は、第二の支持部50の回動を規制する回動規制部54aを有する部材である。支持ブロック54は、第二の支持部50の先端部53が、予め設定した所定範囲だけ回動可能に嵌め入れられた縦断面視して凹形状の部材から成る。支持ブロック54には、回動規制部54aと、回動軸A1が挿通される回動軸設置孔54bと、が形成されている。支持ブロック54の左右側面は、図4に示すように、逆凹形状に形成された第一の支持部40の左右の側壁部42,42間に設置されている。支持ブロック54の上方には、側壁部42,42の上端部に設置された嵩上げ部70が配置されている。支持ブロック54は、基部10に載設されている。
【0048】
≪支持力可変手段≫
支持力可変手段60は、給紙装置1の底板部201(図2参照)を上方向に付勢する弾性部材SPの第1位置にかかるモーメント力を調整可能なモーメント力可変手段である。支持力可変手段60は、用紙支持台5の第二の支持部50,50の基端部51,51に配置されている。支持力可変手段60は、用紙2が積載される用紙積載部53cの下方に設置されたバネSP1から成る。支持力可変手段60は、用紙積載部53cの下方に設置されたブロック64(図6及び図7参照)に支持されている。
【0049】
図3または図4に示すように、支持力可変手段60は、用紙束3の最上部の用紙2が鉛直方向において所定範囲R(図12B参照)内となるように、第二の支持部50の先端部53の高さを調節する。すなわち、最上部の用紙2は、その面内の各位置の高さの差が所定範囲R以下であり、略水平な姿勢となる。一方、最下部の用紙2は、高さが異なる第一の支持部40(嵩上げ部70)及び第二の支持部50によって支持されているため、その面内の各位置の高さの差が所定範囲Rを超えており、傾斜した姿勢となる。
【0050】
図7は、支持力可変手段60の原理を示す説明図である。
図6及び図7に示すように、本実施形態において、支持力可変手段60は、支持軸61と、一対のリンク62と、連結軸63と、ブロック64と、弾性部材SP(バネSP1)と、備えて構成されている。
【0051】
支持軸61は、弾性部材SP(バネSP1)の一端部を支持するための部材である。支持軸61は、縦断面視して逆凹形状の第二の支持部50の基端部51に架設された棒状部材から成る。
【0052】
リンク62は、上端部が、支持軸61の両側先端にそれぞれ回動自在に連結され、下端部が、連結軸63の両側先端部にそれぞれ回動自在に連結された一対の長板状のリンク部材から成る。このため、リンク62は、上端部が、支持軸61を中心として揺動自在に配置されて、揺動することで、下端部が、バネSP1の下端を支持している連結軸63の位置を変更することで、バネSP1の作用する向きを変更可能である。リンク62は、前後方向に揺動することによって、バネSP1の作用する向きを変更させることができ、これに伴い、第二の支持部50のバネ力Fを調整可能である。
【0053】
連結軸63は、バネSP1の下端部が掛止される連結部材である。連結軸63は、左右両端部に、一対のリンク62,62を連結した棒状部材から成る。連結軸63は、支持軸61を中心として前後方向に揺動することで、バネSP1の回動軸A1に対する引っ張り角度θ1,θ2を変更することができる。
【0054】
図7に示すように、ブロック64は、連結軸63に連結されて、連結軸63及びリンク62の揺動に伴って前後方向に距離Lだけ移動する摺動部材である。ブロック64は、連結軸63が上下動自在に係合される連結溝64aと、ブロック64を前後方向に移動する際に把持する取手部64bと、を有している。ブロック64は、前後方向に摺動させることによって、連結軸63を前後に移動させて、バネSP1の引っ張り角度θ1,θ2を変えることで、バネSP1のバネ力Fを可変させることができる。ブロック64は、高さHが異なるものを複数持つ。つまり、ブロック64は、高さHが異なるものを複数用意しておき、用紙束3の態様に合わせて変更すべく高さHの異なるブロック64を選択的に設定するようにしている。取手部64bの上面には、用紙束3を載置することが可能である。取手部64bの下端部は、基部10に前後方向に延設されたブロック摺動溝101(図3及び図6参照)に、摺動自在に係合されて、リンク62が揺動すると、ブロック摺動溝101にガイドされて前後方向に移動するように配置されている。
【0055】
<弾性部材>
図6に示すように、弾性部材SPは、底板部201(図2参照)を間接的または直接的に上方へ付勢する付勢部材である。弾性部材SPは、底板部201に直接または間接に配置されている。弾性部材SPは、支持軸61と連結軸63とに掛止されたバネSP1と、後記するバネSP2(図9参照)と、で構成されている。弾性部材SPは、第二の支持部50を上方へ弾性的に付勢する部材から成る。弾性部材SPのバネ力Fとブロック64とは、用紙2によって変更する。つまり、弾性部材SPのバネ力Fは、用紙束3の高さ合わせて、リンク62及び連結軸63を揺動させることで、変更することが好ましい。
【0056】
<バネ>
図7に示すように、バネSP1は、テコ状の第二の支持部50の端部に設置されて、支持力可変手段60(バネSP1を掛けた一方の軸を移動すること)でバネSP1の引っ張り角度θ1,θ2が変更されることで、モーメントが調整される。バネSP1は、第二の支持部50にバネ性を持たせるための引っ張りコイルばねから成る。前記したように、バネSP1は、引っ張り角度θ1,θ2を変えることで、バネ力Fを調整することが可能になっている。
【0057】
≪ユニット≫
図6に示すように、ユニットU1は、少なくともバネSP1とブロック64とを、1つにまとめてユニット化したものである。ユニットU1は、マグネットMG1の磁力で基部10に着脱可能に固定されている。このため、ユニットU1は、適宜なバネ力Fを有するバネSP1と、適宜な高さに形成されたブロック64と、を有するものに交換することが可能になっている。
【0058】
図14Bは、用紙支持台による、スミ貼タイプの長形和封筒の支持状態の例を模式的に示す側面図である。
図14Bに示す所定範囲Rは、対象となる用紙2の厚さ、用紙2の供給先の通路の上下方向の寸法等に基づいて予め設定された値である。用紙支持台5において、支持力可変手段60の付勢力、第一の支持部40の側壁部42及び第二の支持部50の先端部53の距離等は、最上部の用紙2が所定範囲R内となるように適宜設定されている(図3及び図4参照)。
【0059】
図10Aは、用紙2の一例としての角形の和封筒2Aを模式的に示す背面図である。図10Bは、用紙2の一例としてのカマス外貼りの洋封筒2Bを模式的に示す背面図である。図10Cは、用紙2の一例としての右サイド外貼りの和封筒2Cを模式的に示す背面図である。
【0060】
図3、または、図10A図10Cに示すように、かかる支持力可変手段60は、用紙束3における最上部の用紙2の薄い部位2Xと厚い部位2Yの高さの差が、用紙束3における最下部の用紙2の薄い部位2Xと厚い部位2Yの高さの差よりも小さくなるように、第二の支持部50の先端部53の高さを調節する。
【0061】
≪嵩上げ部≫
図4に示すように嵩上げ部70は、第一の支持部40の一対の側壁部42,42の上端部に着脱可能な樹脂製部材である。嵩上げ部70は、上壁部71と、上壁部71の前端部から下方に延設される前壁部72と、上壁部71の後端部から下方に延設される後壁部73と、を一体に備える。嵩上げ部70は、側壁部42,42に対して前後方向に移動不能に嵌合される。
【0062】
≪第三の支持部≫
図3または図4に示すように、第三の支持部80は、底壁部81と、底壁部81の幅方向両端部から上方に延設される一対の側壁部82,82と、を一体に備える樹脂製部材である。底壁部81は、基部10と略同一の幅寸法に形成されており、基部10の長手方向後部に対してマグネットMG4(図5参照)によって着脱可能に取り付けられている。第三の支持部80は、第一の支持部40の後方に設けられており、側壁部82の上面において、用紙束3のうち、用紙2の薄い部位2Xが重ねられた部分を支持する(図3図10A図10C参照)。
【0063】
≪補助用用紙支持台≫
補助用用紙支持台6は、用紙支持台5の幅方向外側に設けられており、基部110と、支持部120と、支持力可変手段130と、を備える。
【0064】
≪基部≫
基部110は、前後方向に延びる長板状の底壁部111と、底壁部111の前後方向中間部において幅方向両端部から上方に延設される一対の側壁部112,112と、底壁部111の後部において上方に延設される取手部113と、を一体に備える樹脂製部材である。底壁部111の下面には、昇降板部203(図2参照)に対して磁力によって着脱自在に固定するためのマグネットMG2,MG2が取り付けられている。
【0065】
≪支持部≫
図8は、補助用用紙支持台6に設けられた支持力可変手段130の設置状態を示す平面図である。図9は、補助用用紙支持台6に設けられた支持力可変手段130の設置状態を示す側面図である。
図4図5図8及び図9に示すように、支持部120は、前後方向に延びており、後方から順に、基部121と、先端部122と、を一体に備える。基部121の後端部は、一対の側壁部112,112間に収容されており、一対の側壁部112,112に対して回動軸A2周りに回動可能に軸支されている。
【0066】
図4に示すように、基部121は、用紙束3(図1参照)の未支持状態において、第二の支持部50の基端部51及び中間部52と同様に、側面視で前方に行くにつれて上方に向かうように傾斜している。
【0067】
先端部122は、用紙束3の未支持状態において、第二の支持部50の先端部53と同様に、側面視で略水平方向に延びている。支持部120は、先端部122の上面において、用紙束3のうち、用紙2の厚い部位2Yが重ねられた部分を下側から支持する用紙積載部53cを有する(図3図10A図10C参照)。また、基部110及び/又は支持部120には、用紙束3(図1参照)の未支持状態において、先端部122が水平よりも上方に移動するような支持部120の回動を規制する回動規制部が設けられている。用紙積載部122cは、先端部122の上面に水平に形成されている。
【0068】
≪支持力可変手段≫
図4図5図8及び図9に示すように、支持力可変手段130は、前記した支持力可変手段60と同様、給紙装置1の底板部201(図2参照)を上方向に付勢する弾性部材SPの第1位置にかかるモーメント力を調整可能なモーメント力可変手段である。また、支持力可変手段130は、用紙束3の最上部の用紙2が鉛直方向において所定範囲R(図12B参照)内となるように、支持部120の先端部122の高さを調節する。支持力可変手段130は、支持部120の用紙積載部122aを上方へ弾性的に付勢する付勢部であり、例えば、補助用用紙支持台6,6の支持部120の基部121に配置されている。支持力可変手段130は、用紙2が積載される用紙積載部122aの下方に設置されたバネSP2から成る。支持力可変手段130は、用紙積載部122aの下方に設置されたブロック134に支持されている。
【0069】
図8及び図9に示すように、本実施形態において、支持力可変手段130は、支持軸131と、一対のリンク132と、連結軸133と、ブロック134と、弾性部材SP(バネSP2)と、備えて構成されている。
【0070】
支持軸131は、弾性部材SP(バネSP2)の上端部を支持するための部材である。支持軸131は、縦断面視して逆凹形状の支持部120の基部121に架設された棒状部材から成る。
【0071】
リンク132は、上端部が、支持軸131の両側先端にそれぞれ回動自在に連結され、下端部が、連結軸133の両側先端部にそれぞれ回動自在に連結された一対の長板状のリンク部材から成る。このため、リンク132は、上端部が、支持軸131を中心として揺動自在に配置されて、揺動することで、下端部が、バネSP2の下端を支持している連結軸133の位置を変更することによって、バネSP2の作用する向きを変更可能にするための部材である。リンク132は、バネSP2の作用する向きを変更可可能にしたことで、これにつれて、支持部120のバネ力Fを調整可能にしたものである。
【0072】
連結軸133は、バネSP2の下端部が掛止される連結部材である。連結軸133は、左右両端部に、一対のリンク132,132を連結した棒状部材から成る。連結軸133は、支持軸131を中心として前後方向に揺動することで、バネSP2の回動軸A2に対する引っ張り力の角度を変更することができる。
【0073】
図8及び図9に示すように、ブロック134は、ブロック64(図7参照)と同様、連結軸133に連結されて、連結軸133及びリンク132の揺動に伴って前後方向に移動する摺動部材である。連結軸133が上下動自在に係合される連結溝(図示省略)と、ブロック64を前後方向に移動する際に把持すると共に、用紙束3を載置することが可能な取手部113と、を有している。ブロック134は、前後方向に摺動させることによって、連結軸133を前後に移動させて、バネSP2の引っ張り角度を変えることで、バネSP2のバネ力を可変させることができる。ブロック134は、高さが異なるものを複数持つ。つまり、ブロック134は、高さが異なるものを複数用意しておき、用紙束3の態様に合わせて変更すべく高さの異なるブロック134を選択的に設定するようにしている。
【0074】
<弾性部材>
図8及び図9に示すように、前記したように弾性部材SPは、支持軸131と連結軸133とに掛止されたバネSP2と、前記したバネSP1(図7参照)と、で構成されている。支持力可変手段130の弾性部材SPは、支持部120を上方へ弾性的に付勢する付勢部材から成る。弾性部材SPのバネ力Fとブロック134とは、用紙2によって変更する。つまり、弾性部材SPのバネ力Fは、用紙束3の高さ合わせて、リンク132及び連結軸133を揺動させることで、変更することが好ましい。
【0075】
バネSP2は、テコ状の支持部120の端部に設置されて、支持力可変手段130(バネSP2を掛けた一方の軸を移動すること)で、バネSP2の角度を変更することによって、モーメントを調整する。バネSP2は、支持部120にバネ性を持たせるための引っ張りコイルばねから成る。前記したように、バネSP2は、バネSP1(図7参照)と同様、引っ張り角度を変えることで、バネ力Fを調整することが可能になっている。
【0076】
<ユニット>
ユニットU2は、前記したユニットU1と同様に、少なくともバネSP2とブロック134とを、1つにまとめてユニット化したものである。ユニットU2は、マグネットMG2の磁力によって基部10に着脱自在に固定されている。このため、ユニットU1は、適宜なバネ力Fを有するバネSP1と、適宜な高さに形成されたブロック64と、を有するものに交換することが可能になっている。
【0077】
このように、給紙装置1は、支持力可変手段60,130を有していることで、封筒の厚みのアンバランスを吸収して、給紙面の姿勢を安定させることができるため、任意サイズの封筒を給紙することができる。
【0078】
<支持部の位置及び高さの関係>
図4あるいは図5に示すように、用紙束3の未支持状態において、第一の支持部40の側壁部42に外嵌めされた嵩上げ部70の上壁部71の上面、第二の支持部50の先端部53の上面、第三の支持部80の側壁部82の上面、支持部120の先端部122の上面、及び、延出壁部43の上縁部は、同じ高さに設定されている。また、第二の支持部50の先端部53及び支持部120の先端部122は、前後方向において同じ位置に存在し、幅方向に配列されている。一対の第二の支持部50の先端部53の間隔は、一対の第一の支持部40の内側の側壁部42,42の間隔、及び、一対の第三の支持部80の内側の側壁部82,82の間隔よりも狭い。換言すると、一対の第一の支持部40の間隔、及び、一対の第三の支持部80の間隔は、位置規制部204が配置可能な寸法に設定されている。
【0079】
≪用紙≫
用紙2は、図10A図10Cに示すように、厚い部位2Yと、薄い部位2Xと、を有するものであればよく、その種類等は特に限定されない。用紙2は、例えば、和封筒2A,2C、洋封筒2B等の封筒である。
以下、用紙2の一例として、角形二号の和封筒2Aと、洋形三号の洋封筒2Bと、右サイド外貼りの長形三号の和封筒3Cと、を例に挙げて説明する。
【0080】
図11Aは、比較例の給紙トレイ内に積層された封筒の状態を示す説明図である。
図11Aに示すように、弾性部材SPとブロック64,134とを使用せずに封筒等の用紙束3を昇降板部203で支持する比較例の給紙トレイの場合は、封筒を大量に積載すると、重ね代がある厚い部位2Y側の最上面が高くなり、フラップがある薄い部位2X側の最上面が低くなる。このため、用紙束3の最上部の封筒は、傾斜した状態に配置されるので、エアー給紙することができなくなる。
【0081】
図11Bは、長形三号封筒及び角形二号封筒を本発明の給紙トレイ内に設けたカスタマイズキットに積層したときの状態を示す説明図である。図11Cは、本発明の給紙トレイ内に設けたカスタマイズキットに積層した長形三号封筒及び角形二号封筒が低くなったときの状態を示す説明図である。
【0082】
図11B及び図11Cに示すように、用紙2(封筒)は、給紙装置1の昇降板部203上に用紙束3を形成するように積層される。昇降板部203上に積層された封筒(和封筒2A,2C、洋封筒2B)は、弾性部材SPとブロック64,134とによって、積層された最上部のエアー給紙を安定的にするために、最上部の用紙2(封筒)が水平に配置されている。弾性部材SPとブロック64,134とは、封筒の重ね代によって、用紙束3の厚い部位2Y側の最上面が高くなっても、弾性部材SPで高くなった厚い部位2Yの荷重を吸収すると共に、高さの低い薄い部位2Xをブロック64,134で支持して、最上面の封筒を水平にすることができる。
【0083】
このため、図11Bに示すように、給紙トレイ内に収容する用紙2は、用紙束3を昇降板部203上に高く積層することができるので、給紙トレイに収容する用紙2の枚数を大幅に増やすことができる。その結果、用紙2を給紙トレイに入れる作業回数及び作業時間を低減させて、生産性を向上させることができる。具体例を挙げると、給紙装置1は、給紙トレイ内に弾性部材SPとブロック64,134を設けることで、給紙トレイの給紙上限200枚を、300枚まで伸ばすことが検証されている。
なお、ブロック64,134は、用紙束3の下面を直接、あるいは、間接的に支持できるものであればよく、その形状及び材質は特に限定されない。
【0084】
<角形の和封筒>
図10Aに示すように、用紙2の一例としての角形の和封筒2Aは、幅方向に直交する方向において、重ね代によって閉部が形成されている底部が厚い部位2Yとなり、底部以外の部位が薄い部位2Xとなる。
【0085】
<カマス外貼りタイプの洋封筒>
図10Bに示すように、用紙2の一例としてのカマス外貼りタイプの洋封筒2Bは、幅方向において、重ね代によって閉部が形成されている左右両側が厚い部位2Yとなり、左右両側以外の部位が薄い部位2Xとなる。
【0086】
<スミ貼タイプの長形の和封筒>
図10Cに示すように、用紙2の一例としてのスミ貼タイプの長形の和封筒2Cは、幅方向に直交する方向において、重ね代によって閉部が形成されている底部が厚い部位2Yとなり、底部以外の部位が薄い部位2Xとなる。また、スミ貼タイプの長形の和封筒2Cは、幅方向において、重ね代によって閉部が形成されている幅方向一端部が厚い部位2Yとなり、その他の部位が薄い部位2Xとなる。
【0087】
≪和封筒(角形)の支持手法≫
図12Aは、用紙支持台セット4による、角形の和封筒2Aの支持状態の例を模式的に示す平面図である。図12Bは、用紙支持台セット4による、角形の和封筒2Aの支持状態の例を模式的に示す側面図である。
図12Aまたは図12Bに示すように、角形の和封筒2Aが積層された用紙束3は、用紙支持台セット4によって支持されると共に、第一の支持部40、並びに、和封筒2Aのサイズに応じて位置が調整された位置規制部204及び浮上部205,205によって位置決めされる。図12Aに示すように、和封筒2Aの用紙束3は、左右の補助用用紙支持台6,6の第1支持領域SA1,SA1と、用紙支持台5の第2支持領域SA2及び第3支持領域SA3と、の上に載置されて支持される。
【0088】
図12Aまたは図12Bに示すように、角形の和封筒2Aが積層された用紙束3において、薄い部位2Xが重ねられた部分は、第一の支持部40上に設けられた嵩上げ部70の上壁部71、及び、第三の支持部80の側壁部82,82上に載置されて支持される。また、角形の和封筒2Aが積層された用紙束3において、厚い部位2Yが重ねられた部分は、支持力可変手段60,130によって付勢された第二の支持部50の先端部53上、及び、支持部120の先端部122上に載置されて支持される。
【0089】
ここで、第二の支持部50は、厚い部位2Yの重みによって、支持力可変手段60のバネ力F(図11B及び図11C参照)に抗しながら先端部53が下がるように回動軸A1周りに回動する。また、支持部120は、厚い部位2Yの重みによって、支持力可変手段130のバネ力F(図11B及び図11C参照)に抗しながら先端部122が下がるように回動軸A2周りに回動する。かかる状態において、先端部53,122(の上面)は、側面視で前方に行くにつれて下方に向かうように傾斜した姿勢で、用紙束3のうち厚い部位2Yが重ねられた部分を支持する。
【0090】
かかる状態では、用紙束3の最下部の和封筒2Aにおいて、厚い部位2Yは、薄い部位2Xよりも低い位置となる。また、用紙束3の最上部の和封筒2Aにおいて、厚い部位2Yは、薄い部位2Xと略同じ高さとなる。すなわち、最上部の和封筒2Aにおいて、薄い部位2X及び厚い部位2Yは、鉛直方向における位置が所定範囲R内(略水平)に収まる(図12B参照)。すなわち、用紙支持台セット4によって支持された状態で、用紙束3の最上部の和封筒2Aの薄い部位2Xと厚い部位2Yの高さの差は、用紙束3の最下部の和封筒2Aの薄い部位2Xと厚い部位2Yの高さの差よりも小さくなる。また、用紙束3の最上部の和封筒2Aと給送部210との間の隙間Cは、所定の値に設定されている。
【0091】
図12Cは、用紙支持台セット4に積層された角形の和封筒2Aの最上面が低くなったときの状態を模式的に示す側面図である。
また、図12Cに示すように、用紙束3の上部の和封筒2Aが外部に供給されて用紙束3が薄くなった場合には、制御部223(図1参照)は、昇降板部203を上昇させる。また、第二の支持部50(図10A参照)は、用紙束3が軽くなったことによって、先端部53が上がるように回動軸A1周りに回動する。同様に、支持部120は、用紙束3が軽くなったことによって、先端部122が上がるように回動軸A2周りに回動する。この際に、和封筒2Aの前端部は、リブ44に対して摺動する。これにより、用紙束3の最上部の和封筒2Aと給送部210との間の隙間Cは、所定の値に維持される。
【0092】
また、用紙束3の積層枚数が少ない場合には、左右の嵩上げ部70を取り外してもよい。この場合には、用紙束3のうち薄い部位2Xが重ねられた部分は、第一の支持部40の側壁部42,42上に載置されて支持される。
【0093】
なお、用紙束3の和封筒2Aが全て外部に供給された場合には、制御部223は、センサ222が延出壁部43を検知することによって、昇降板部203の上昇を停止することができる。
【0094】
≪洋封筒(洋形・カマス外貼)の支持手法≫
図13Aは、用紙支持台5による、カマス外貼りタイプの洋封筒2Bの支持状態の例を模式的に示す平面図である。図13Bは、用紙支持台5による、カマス外貼りタイプの洋封筒2Bの支持状態の例を模式的に示す側面図である。
続いて、カマス外貼りタイプの洋封筒2B(図13A参照)を支持する手法について、角形の和封筒2Aを支持する場合との相違点を中心に説明する。なお、以下の説明において参照する図面では、浮上部205,206、給送部210は、適宜省略されている。図13Aに示すように、洋封筒2Bの用紙束3は、左右の補助用用紙支持台6,6の第1支持領域SA1,SA1と、用紙支持台5の第2支持領域SA2と、の上に載置されて支持される。
【0095】
図13A及び図13Bに示すように、カマス外貼りタイプの洋封筒2Bが積層された用紙束3は、用紙支持台5によって支持されると共に、位置規制部20、並びに、洋封筒2Bのサイズに応じて位置が調整された位置規制部204及び浮上部205,205によって位置決めされる。カマス外貼りタイプの洋封筒2Bにおいて、幅方向両端部の厚い部位2Yは、左右一対の支持部120と、左右方向一対の先端部53,53の間と、に位置するため、最上部の洋封筒2Bの姿勢に与える影響は少ない。
【0096】
≪和封筒(長形・スミ貼)の支持手法≫
続いて、スミ貼タイプの長形の和封筒2Cを支持する手法について説明する。図14Aに示すように、和封筒2Cの用紙束3は、用紙支持台5の第2支持領域SA2及び第3支持領域SA3上に載置されて支持される。図14A及び図14Bに示すように、スミ貼タイプの長形の和封筒2Cが積層された用紙束3は、用紙支持台5によって支持されると共に、位置規制部20、並びに、和封筒2Cのサイズに応じて位置が調整された位置規制部204及び浮上部205,205によって位置決めされる。また、用紙支持台5において、和封筒2Cの幅方向一端部の厚い部位2Yに対応する側の嵩上げ部70及び第三の支持部80は、取り外されている。かかる構成により、用紙支持台5は、給送方向における和封筒2Cの厚さの違いだけでなく、幅方向における和封筒2Cの厚さにも対応し、最上部の和封筒2Cの姿勢を略水平とすることができる。
【0097】
このように、図3に示す用紙支持台セット4は、左右一対の第1支持領域SA1と、第2支持領域SA2と、第3支持領域SA3と、第4支持領域SA4と、を有することで、大きい角0号の封筒から一番小さい洋形二号の封筒まで、任意サイズの封筒の用紙束3を載置して支持することができる。具体例を挙げると、手前方向の長さが330mm、長手方向の長さが487mm以内の寸法の封筒ならば収容可能である。その場合、封筒を横向きにしても縦向きにしても、キット内に収容することができるときは、どちらの向きに収容してもよい。
【0098】
≪画像形成装置≫
図15は、本発明の実施形態に係る画像形成装置301を模式的に示す側面図である。
前記した給紙装置1は、画像形成装置301へ用紙2を供給する装置として好適に用いられる。このような画像形成装置301として、複写機、プリンタ装置、ファクシミリ装置、印刷機、複合機等を例示することができる。以下、給紙装置1を備える画像形成装置301を複写機に適用した場合を例にとって説明する。
【0099】
図15に示すように、本発明の実施形態に係る画像形成装置301は、画像形成装置本体310、画像読取装置320、自動原稿送り装置330及び給紙装置1を備える。
【0100】
画像形成装置本体310は、例えば、収容部311、供給部312、画像形成部313及び排出部314を備える。収容部311は、複数枚の用紙2が積層された用紙束3を収容する。供給部312は、収容部311に収容された用紙2を、収容部311から取り出して画像形成部313に搬送する。
【0101】
画像形成部313は、画像読取装置320から送信された画像信号に基づいて、給紙装置1の供給部312から搬送された用紙2に画像を形成する部分である。この画像形成部313における画像形成方式としては、例えば、電子写真方式、インクジェット方式等が採用可能である。一例として、画像形成部313が電子写真方式である場合には、画像形成部313は、トナー画像形成ユニット、中間転写ベルト、定着部等を備え、用紙2の一主面上にトナー画像を形成する。また、画像形成部313がインクジェット方式である場合には、画像形成部313は、インクジェットヘッドを備え、用紙2の一主面上にインク画像を形成する。
【0102】
排出部314は、画像形成部313において画像が形成された用紙2を、画像形成装置本体310の外部へ排出する。
【0103】
画像読取装置320は、自動原稿送り装置330から搬送された原稿から、光学的に画像を読み取り、読み取った画像信号を処理して画像形成部313に送信する。
【0104】
自動原稿送り装置330は、原稿台を備え、原稿台上に載置された原稿を画像読取装置320に搬送する。
【0105】
給紙装置1は、画像形成装置本体310に接続されて、画像形成装置本体310に用紙2を供給する。本実施形態において、画像形成装置301は、複数の給紙装置1を備えており、各給紙装置1は、画像形成装置本体310の供給部312に、用紙2を1枚ずつ分離して供給する。
【0106】
用紙支持台セット4又は用紙支持台5によって支持された用紙2は、厚い部位2Yが前となる姿勢で、供給部312に供給される。厚い部位2Yが前となる姿勢での用紙2の供給は、供給部312におけるローラでの搬送、センサでの検知等に好適である。
【0107】
図3図11B図11C図12B図12C図13B及び図14Bに示すように、本発明は、積層された用紙束3の最上面の用紙2から順に給送する給紙装置1であって、用紙束3の下面を支持する底板部201と、底板部201に直接または間接に配置され、底板部201を上方へ付勢する弾性部材SPと、を備え、弾性部材SPは、当該弾性部材SPの第1位置にかかるモーメント力を調整可能な支持力可変手段60,130と、を備えている。
かかる構成によれば、給紙装置1は、底板部201を上方へ付勢する弾性部材SPにかかるモーメント力を支持力可変手段60,130で調整することで、サイズの異なる用紙束3や多量の用紙束3であっても、最上部の用紙2が水平になるようにバネ力Fを調整して対応することできる。給紙装置1は、給紙台上の用紙2が厚さの不均一であっても、給紙台を上下調整して傾くことを防止することができるため、任意のサイズの用紙2であっても、封筒の厚みによる重量アンバランスの変化を柔軟に吸収し、給紙面の姿勢を水平に保つことができるので、常に安定した状態で給紙することができる。その結果、給紙装置1は、1つのアタッチメントであっても、多種の用紙2に対応させることができる。
【0108】
また、図5図6図9及び図13Bに示すように、支持力可変手段60,130は、用紙2が積載される用紙積載部53c,122aの下方に設置されたバネSP1,SP2である。
かかる構成によれば、支持力可変手段60,130は、バネSP1,SP2によって用紙2が積載される用紙積載部53c,122aの支持力を調整することができる。
【0109】
また、図5図6図7あるいは図9に示すように、バネSP1,SP2は、テコ状の支持部120(第二の支持部50)の端部に設置されて、支持力可変手段60,130で当該バネSP1,SP2の引っ張り角度θ1,θ2が変更されることで、モーメントが調整である。
かかる構成によれば、バネSP1,SP2は、支持力可変手段60,130によってバネSP1,SP2の引っ張り角度θ1,θ2を調整可能にすることで、支持部120(第二の支持部50)のモーメントを調整することができる。このため、支持部120(第二の支持部50)は、任意サイズの用紙2の用紙束3を好適な支持力で支持することができる。
【0110】
また、図5図6図9あるいは図7に示すように、バネSP1,SP2は、引っ張り角度θ1,θ2を変えることでバネ力Fを調整可能である。
かかる構成によれば、バネSP1,SP2は、引っ張り角度θ1,θ2を変えてバネ力Fを調整可能にすることで、サイズや部分的に厚さが相違することで、部分的に重さの違う用紙束3であっても、支持力を調整することができるので、任意サイズの用紙束3を好適な状態で支持することができる。
【0111】
また、図6図7あるいは図9に示すように、支持力可変手段60,130は、用紙積載部53c,122aの下方に設置されたブロック64,134に支持されている。
かかる構成によれば、支持力可変手段60,130は、用紙積載部53c,122aの下方に設置されたブロック64,134に支持されていることで、用紙束3の重さに合わせて適宜支持力を調整して支持することができる。
【0112】
また、図11A及び図11Bに示すブロック64,134は、高さHが異なるものが複数用意されており、用紙束3の態様に合わせて高さHの異なるブロック64,134を選択的に設定可能である。
かかる構成によれば、ブロック64,134は、高さHが異なるものを複数用意して、用紙束3の態様に合わせてブロック64,134を選択して換えることによって、部分的に厚さが異なる任意サイズの用紙2であっても、好適に支持することができる。
【0113】
また、図11A及び図11Bに示す弾性部材SPのバネ力Fとブロック64,134の高さHを、用紙2の態様に合わせて変更可能である。
かかる構成によれば、弾性部材SPのバネ力Fとブロック64,134の高さHは、用紙2の態様に合わせて変更することで、どのような用紙2であっても、常に、安定した状態に支持することができる。
【0114】
また、図12A図13Aあるいは図14Aに示すように、用紙2は、封筒(和封筒2A,2C、洋封筒2B)である。
かかる構成によれば、用紙支持台5は、部分的に厚さが異なる任意サイズの封筒であっても、容易に支持することができる。
【0115】
また、図5図6あるいは図9に示すように、バネSP1,SP2及びブロック64,134は、1つのユニットU1,U2として構成され、ユニットU1,U2は、磁力で基部10に固定されている。
かかる構成によれば、ユニットU1,U2は、磁力で基部10に固定されることで、バネSP1,SP2及びブロック64,134をワンタッチで基部10に着脱することができる。このため、バネSP1,SP2及びブロック64,134は、用紙2のサイズ等が変わった場合、用紙2に適合したバネSP1,SP2及びブロック64,134に容易に交換して支持することが可能となる。
【0116】
また、図11B図11C図12B図12B図13Bあるいは図14Bに示すように、支持力可変手段60,130は、最上部の封筒(和封筒2A,2C、洋封筒2B)が水平に配置されるように、弾性部材SPの第1位置にかかるモーメント力を調整する。
かかる構成によれば、、支持力可変手段60,130は、封筒が水平に配置されるように、弾性部材SPの第1位置にかかるモーメント力を調整することで、封筒のサイズや種類がかわっても、常に、給紙することができる。
【0117】
また、図15に示すように、本発明の実施形態に係る画像形成装置301は、給紙装置1と、給紙装置1から供給された用紙2に画像を形成する画像形成部313と、を備える。
かかる構成によれば、画像形成装置301は、画像形成対象である最上部の用紙2が任意サイズのものであっても、好適な姿勢で支持されているので、用紙2を好適に供給して当該用紙2に好適に画像を形成することができる。
【0118】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。なお、既に説明した構成は、同じ符号を付してその説明を省略する。
図16本発明の実施形態に係る給紙装置1の変形例を示す図であって、補助用用紙支持台6に設けられた支持力可変手段130Aの設置状態を示す側面図である。
【0119】
前記実施形態で説明した図9に示す支持力可変手段130のブロック134は、図6及び図7に示すブロック64と同様、溝を摺動するように構成してもよい。
この場合、図16に示すように、支持力可変手段130Aのブロック134Aは、底壁部111に前後方向に延設したブロック摺動溝114に、ブロック134A、及び、ブロック134Aに一体形成した連結部134Aaを摺動自在に配置する。連結部134Aaの前端部には、連結軸133が係合する長孔134Abを形成する。
【0120】
かかる構成によれば、ブロック134Aは、ブロック134Aの取手部113を前後方向に操作すると、連結部134Aaが一体に前後方向に移動して、リンク132を前後方向に搖動させる。リンク132は、揺動することによって、バネSP2の引っ張り角度を調整することができるので、支持部120のモーメントを調整することができる。このため、支持部120は、取手部113を前後方向に操作することで、任意サイズの用紙2の用紙束3を好適な支持力で支持することができるように調整することが可能である。
【符号の説明】
【0121】
1 給紙装置
2 用紙
2A 和封筒(封筒)
2B 洋封筒(封筒)
2C 和封筒(封筒)
3 用紙束
10 基部
50 第二の支持部(支持部)
53c,122a 用紙積載部
60,130,130A 支持力可変手段
64,134,134A ブロック
120 支持部
201 底板部
301 画像形成装置
313 画像形成部
F バネ力
H 高さ
SP 弾性部材
SP1,SP2 バネ
U1,U2 ユニット
θ1,θ2 引っ張り角度(角度)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16