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特開2024-178667警報装置、警報システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178667
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】警報装置、警報システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20241218BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
G08B25/10 B
G08B21/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096981
(22)【出願日】2023-06-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】523225195
【氏名又は名称】鳥井 健一
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鳥井 健一
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA26
5C086CA25
5C086DA15
5C086FA01
5C087AA03
5C087AA32
5C087AA42
5C087BB20
5C087BB76
5C087DD05
5C087EE18
5C087FF02
5C087FF05
5C087GG08
5C087GG10
5C087GG17
5C087GG70
5C087GG80
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】低コストで、ユーザ操作に応じて、予め登録された送信先に通知を行うことを目的とする。
【解決手段】警報を出力する警報装置であって、ユーザ操作を受け付ける操作部と、ユーザ操作を受け付けた場合に、警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部とを備える。ユーザ操作を受け付けた場合に、警報を出力する第1の出力部をさらに備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
警報を出力する警報装置であって、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部と
を備える、警報装置。
【請求項2】
前記ユーザ操作を受け付けた場合に、警報を出力する第1の出力部をさらに備える、請求項1に記載の警報装置。
【請求項3】
前記操作部は、ピンが収容される収容部を有し、
前記第1の通信部は、前記ピンが前記収容部から抜かれた場合に、前記装置識別情報と、前記通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する、請求項1に記載の警報装置。
【請求項4】
前記警報装置は、
前記通知先識別情報と、前記装置識別情報と、を記憶する記憶部と、
前記警報装置を、他の物体に取り付けるための取付部と、
を備え、
前記記憶部と前記取付部は、一体に設けられている、請求項1に記載の警報装置。
【請求項5】
前記第1の通信部は、さらに、前記通知先の携帯端末による送信指示を、前記通知先以外の他の携帯端末を介して受信した場合に、前記装置識別情報と、前記通知先識別情報と、を近距離通信で送信する、請求項1に記載の警報装置。
【請求項6】
前記警報装置の所持者の状態を記憶する記憶部をさらに有し、
前記第1の通信部は、さらに、前記状態が更新された場合に、前記装置識別情報と、前記通知先識別情報と、を近距離通信で送信する、請求項1に記載の警報装置。
【請求項7】
警報を出力する警報装置と、携帯端末と、を備えた、警報システムであって、
前記警報装置は、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部と
を有し、
前記通知先の携帯端末以外の他の携帯端末は、
前記他の携帯端末の位置を取得する位置取得部と、
前記装置識別情報と、前記通知先識別情報と、を受信した場合に、前記装置識別情報と、前記他の携帯端末の位置を示す位置情報と、を前記通知先の携帯端末へ、広域通信網を介して送信する第2の通信部と、
を有し、
前記通知先の携帯端末は、前記装置識別情報及び前記位置情報を受信すると、通知情報を出力する第2の出力部を有する、警報システム。
【請求項8】
警報を出力する警報装置のコンピュータを、
ユーザ操作を受け付ける操作部、及び
前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部と
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報装置、警報システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、子供などが携帯する通信機器として、防犯ブザーの機能を備え、防犯ブザーが鳴動した場合に、予め登録された送信先へ通知するものが知られている。例えば、特許文献1には、防犯ブザー機能が鳴動を開始すると、予め登録された送信先にテキストメッセージを送信し、さらに、防犯ブザーの鳴動中に音声通話が開始された場合には、防犯ブザーの鳴動を一時停止するか、または鳴動の音量を低減する技術が開示されている。
【0003】
一方で、紛失物を探す方法として、探索対象物にGPS(Global Positioning System)受信機を備えた機器を取り付けておく技術が知られている。ユーザは、機器から送信される位置情報を自身が所持する携帯端末で受信することで、探索対象物の位置を特定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-129778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された防犯ブザー機能を備えた通信機器を利用するためには、通信キャリアとの通信契約が必要となり、利用料が発生する。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、低コストで、ユーザ操作に応じて、予め登録された送信先に通知を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、警報を出力する警報装置であって、ユーザ操作を受け付ける操作部と、前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部とを備える。
【0008】
また、本発明の他の形態は、警報を出力する警報装置と、携帯端末と、を備えた、警報システムであって、前記警報装置は、ユーザ操作を受け付ける操作部と、前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部とを有し、前記通知先の携帯端末以外の他の携帯端末は、前記他の携帯端末の位置を取得する位置取得部と、前記装置識別情報と、前記通知先識別情報と、を受信した場合に、前記装置識別情報と、前記他の携帯端末の位置を示す位置情報と、を前記通知先の携帯端末へ、広域通信網を介して送信する第2の通信部と、を有し、前記通知先の携帯端末は、前記装置識別情報及び前記位置情報を受信すると、通知情報を出力する第2の出力部を有する。
【0009】
また、本発明の他の形態は、プログラムであって、警報を出力する警報装置のコンピュータを、ユーザ操作を受け付ける操作部、及び前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低コストで、ユーザ操作に応じて、予め登録された送信先に通知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】警報システムの全体図である。
図2】警報装置の概略外観図である。
図3】警報装置の構成図である。
図4】携帯端末の構成図である。
図5】第1の警報処理を示すフローチャートである。
図6】第2の警報処理を示すフローチャートである。
図7】第3の警報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、警報システム1の全体図である。警報システム1は、警報装置10と、携帯端末20と、を備えている。図1においては、2台の携帯端末20A、20Bを示している。警報装置10は、防犯ブザー機能を備え、ユーザ操作に応じて、警告音(ブザー音)を発する。また、警報装置10は、Bluetooth(登録商標)や、Bluetooth Low Energy等の近距離無線通信で、近くに位置する携帯端末20と通信を行うことができる。警報装置10は、ブザー音が発せられた場合には、近くの携帯端末20を介して、予め設定された通知先の携帯端末20に通知を行うことができる。本処理については、後に詳述する。
【0013】
警報システム1においては、例えば、監視対象者Cが警報装置10を所持し、監視対象者Cにおいて異常が生じた場合に、監視対象者Cが操作を行うと、ブザー音が鳴り、さらに、携帯端末20Aに通知される。監視対象者Cとしては、例えば、子供や老人などが挙げられる。また、携帯端末20Aは、例えば、監視対象者Cの保護者など、通知先として予め設定された人物Aが所持する携帯端末である。この携帯端末20Aへの通知は、監視対象者Cの近くに位置する携帯端末20Bを介してなされる。携帯端末20Bは、通知先の人物Aと異なる、他の人物Bが所持する携帯端末であり、通知先の携帯端末以外の他の携帯端末の一例である。
【0014】
図2は、警報装置10の概略外観図である。警報装置10は、本体ユニット130と、ピンユニット140と、を備えている。ピンユニット140は、本体ユニット130に着脱可能に設けられている。ピンユニット140には、ブザー音を発生させるためのピン141が設けられている。
【0015】
本体ユニット130には、例えばランドセルやカバン等に取り付けるための取付部131が設けられている。本体ユニット130には、また、スピーカ132と、発光部133a、133bとが設けられている。スピーカ132は、警報音を出力する。発光部133a及び発光部133bは、例えば青と赤など異なる色で発光するLED(light-emitting diode)である。また、本体ユニット130には、ピン141を収容するための収容部134が設けられている。ピン141が収容部134に挿入されている場合には、スピーカ132への電力供給が停止し、ピン141が収容部134から抜かれた場合には、スピーカ132へ通電し、警報音が出力される。
【0016】
このように、警報音を出力させるための操作部は、ピン15と収容部14により構成される。警報音を出力させるための操作部を、物理的なボタンやスイッチとした場合には、誤ってボタンが押され、意図しないタイミングで警報音が出力される可能性がある。これに対し、本実施形態においては警報音を出力させるための操作部がピン141と収容部134で構成されているので、誤作動を防ぐことができる。また、ピン141が抜かれた場合には、警報音の出力だけでなく、発光部133a、133bが発光してもよい。なお、スピーカ132からの警報音の出力や、発光部133a、133bの発光は、警報の出力の一例である。
【0017】
図3は、警報装置10の構成図である。警報装置10は、制御部100と、第1近距離通信部111と、第2近距離通信部112と、記憶部120と、を備えている。記憶部120には、各種情報が格納されている。記憶部120には、例えば、警報装置10の所持者を識別する装置識別情報(装置ID)と、異常が発生した場合の通知先を識別する通知先識別情報(通知先ID)が予め記憶されている。ここで、装置IDは、警報装置10の所持者の氏名など、所持者を識別する情報でもよく、警報装置10の製造番号など警報装置10を識別する情報でもよい。このように、装置IDは、警報装置10又はその所持者を特定できる情報であればよい。通知先IDも同様に、通知先の携帯端末20又はその所持者を特定できる情報であればよい。
【0018】
制御部100は、CPU、RAM、ROM等で実現される。制御部100は、記憶部120やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。制御部100は、機能構成として、通信処理部102と、出力処理部103と、を有している。通信処理部102及び出力処理部103は、CPUがプログラムを実行することで実現される。なお、制御部100は、CPUに替えてASICにより実現されてもよい。また、上記機能部の少なくとも一部は、ハードウェア回路により実現されてもよい。
【0019】
通信処理部102は、第1近距離通信部111や第2近距離通信部112による通信に係る処理を行う。出力処理部103は、スピーカ132や、発光部133a、133bの出力に係る処理を行う。
【0020】
第1近距離通信部111は、近距離通信を行う。具体的には、第1近距離通信部111は、Bluetoothや、Bluetooth Low Energy等により数メートルから100メートル程度の近距離通信を行う。警報装置10は、近くに存在する携帯端末との間で、近距離通信を行う。
【0021】
第2近距離通信部112は、例えば、NFC(Near Field Communication)チップであり、数センチから1メートル程度の極短距離で、NFCチップを搭載した機器間の双方向通信を実現する。例えば、保育園等、監視対象者Cの滞在場所や、滞在場所までの送迎バスなどの移動手段にNFCチップに対応したリーダ・ライタ機器が設置されている。そして、警報装置10のNFCチップがリーダ・ライタ機器にかざされることで、滞在場所への到着、出発、移動手段への乗車、降車、といった監視対象者Cの状態がNFCチップに書き込まれる。すなわち、状態が更新される。また、第2近距離通信部112は、RFID(radio frequency identification)タグであってもよい。RFIDタグの場合には、NFCチップよりも離れた距離においても、認識され得る。
【0022】
なお、制御部100、第1近距離通信部111及び第2近距離通信部112は、いずれも本体ユニット130内に設けられているものとする。これにより、ピン141が抜かれた場合にも、取付部131により本体ユニット130は、カバンなどに取り付けられており、ピンユニット140が持ち去られても、情報が漏洩することがない。
【0023】
図4は、携帯端末20の構成図である。携帯端末20は、制御部200と、近距離通信部211と、通信網通信部212と、記憶部220と、操作部230と、表示部240と、を備えている。記憶部220には、各種情報が格納されている。制御部200は、CPU、RAM、ROM等で実現される。制御部200は、記憶部220やROMに記憶された種々のプログラムを実行することができる。制御部200は、機能構成として、通信処理部202、表示処理部203、及び位置取得部204を有している。通信処理部202、表示処理部203及び位置取得部204は、CPUがプログラムを実行することで実現される。制御部200は、CPUに替えて、ASICにより実現されてもよい。また、制御部200は、CPUとASICにより実現されてもよい。また、上記機能部の少なくとも一部は、ハードウェア回路により実現されてもよい。
【0024】
通信処理部202は、近距離通信部211や通信網通信部212による通信に係る処理を行う。表示処理部203は、表示部250への表示に係る処理を行う。位置取得部204は、携帯端末20の位置を取得する。具体的には、位置取得部204は、基地局において三角法で特定された位置を示す位置情報を、通信網通信部212を介して基地局から取得する。また、携帯端末20は、不図示のGNSS受信部を備え、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信し、位置取得部204は、この信号に基づいて、携帯端末20の位置を取得する。
【0025】
近距離通信部211は、第1近距離通信部111と同じ通信規格による通信を行う。具体的には、近距離通信部211は、Bluetoothや、Bluetooth Low Energy等による通信を行う。通信網通信部212は、広域通信網を介した通信を行う。広域通信網には、移動体通信網、インターネットなどが含まれる。携帯端末20は、通信網通信部212による通信により、他の携帯端末20と通信を行うことができる。
【0026】
記憶部220は、各種情報を格納する。操作部230は、ユーザ操作を受け付けるためのユーザインタフェースである。表示部240は、情報を表示する。操作部230と表示部240は、タッチパネルとして一体に設けられていてもよい。
【0027】
図5は、第1の警報処理を示すフローチャートである。図6は、第2の警報処理を示すフローチャートである。図7は、第3の警報処理を示すフローチャートである。これらの処理は、並行して実行されるものとする。なお、ここでは、以下の状況を例に説明する。すなわち、子供が警報装置10を携帯し、保護者の携帯端末20Aが通知先として予め設定されているものとする。また、子供の近く(Bleutoothの通信範囲)には、携帯端末20Bを所持する人物Bが存在しているものとする。
【0028】
まず、ステップS100において、警報装置10の制御部100は、ユーザである子供の操作により、ピン141が本体ユニット130の収容部134から抜かれたか否かを確認する。制御部100は、ピン141が抜かれるまで待機し(ステップS100でN)、ピン141が抜かれると(ステップS100でY)、処理をステップS102へ進める。
【0029】
ステップS102において、出力処理部103は、スピーカ132にブザー音を出力させる。次に、ステップS104において、通信処理部102は、警報装置10に予め設定されている、装置ID及び通知先IDを、第1近距離通信部111を介してBluetoothを用いて送信する。これにより、装置ID及び通信先IDは、Bluetoothの通信距離内に存在する携帯端末20に送信される。ここでは、警報装置10の通信距離内に、人物Bの携帯端末20Bが存在しているので、携帯端末20Bは、装置ID及び通知先IDを受信する。
【0030】
なお、ステップS102の処理とステップS104の処理の処理順は実施形態に限定されるものではない。他の例としては、ステップS102の処理は、ステップS104の処理の後に実行されてもよく、ステップS102の処理とステップS104の処理は同時に実行されてもよい。
【0031】
携帯端末20Bの通信処理部202が装置ID及び通知先IDを受信すると、ステップS106において、位置取得部204は、携帯端末20Bの位置を取得する。位置は、例えば、基地局において三角法により特定された位置でもよく、Global Navigation Satellite Systemの信号により特定された位置でもよい。また、これら両方の位置でもよい。
【0032】
次に、ステップS108において、通信処理部202は、通知先IDで特定される通知先の携帯端末20Aに対して、警報装置10から受信した装置IDと、ステップS106において取得した位置を示す位置情報とを送信する。
【0033】
通知先の携帯端末20Aの通信処理部202が装置ID及び位置情報を受信すると、ステップS110において、表示処理部203は、第1通知情報を表示部240に表示する。ここで、第1通知情報は、監視対象者Cに異常が生じたことを示す情報である。表示処理部203は、第1通知状態として、例えば、「xxさん(監視対象者)の警報装置で警報音が発せられています」など、異常が生じたことを示すテキスト情報と共に、携帯端末20Bの位置情報を表示させる。また、他の例としては、表示処理部203は、地図画像上において、位置情報で示される位置に防犯ブザーのアイコンを表示させてもよい。
【0034】
次に、第2の警報処理について説明する。図6に示すように、ステップS200において、制御部100は、NFCチップに記載された状態の更新がなされたか否かを確認する。制御部100は、状態が更新されるまで待機し(ステップS200でN)、状態が更新された場合には(ステップS200でY)、処理をステップS202へ進める。ステップS202において、通信処理部102は、装置ID及び通知先IDと共に、状態を示す状態情報を、第1近距離通信部111を介してBluetoothを用いて送信する。これにより、状態情報、装置ID及び通信先IDは、Bluetoothの通信距離内に存在する携帯端末20に送信される。ここでは、警報装置10の通信距離内に、人物Bの携帯端末20Bが存在しているので、携帯端末20Bは、状態情報、装置ID及び通知先IDを受信する。
【0035】
携帯端末20Bの通信処理部202が、状態情報、装置ID及び通知先IDを受信すると、ステップS204において、位置取得部204は、携帯端末20Bの位置を取得する。本処理は、図5を参照しつつ説明したステップS106の処理と同様である。次に、ステップS206において、通信処理部202は、通知先IDで特定される通知先の携帯端末20Aに対して、状態情報と、装置IDと、ステップS106において取得した位置を示す位置情報と、を送信する。
【0036】
通知先の携帯端末20Aの通信処理部202が装置ID及び位置情報を受信すると、ステップS208において、表示処理部203は、第2通知情報を表示部240に表示する。ここで、第2通知情報は監視対象者Cの状態を知らせる情報である。表示処理部203は、第2通知状態として、例えば、「xxさん(監視対象者)は、保育園に登園しました」など、状態を知らせるテキスト情報を表示させる。
【0037】
次に、第3の警報処理について説明する。図7に示すように、ステップS300において、制御部100は、通知先として設定されている携帯端末20Aによる送信指示を受信したか否かを確認する。携帯端末20Aにおいて、保護者がユーザ操作を行うことで、監視対象者Cの所在確認の指示が入力されると、携帯端末20Aの通信網通信部212を介して送信指示が複数の他の携帯端末20に送信される。この送信指示には、警報装置10の装置IDが含まれる。他の携帯端末20は、送信指示を受信すると、送信指示を、第1近距離通信部111から送信する。警報装置10は、自身の装置IDを含む送信指示を受信した場合に、自身宛の送信指示を受信したと判断する。
【0038】
制御部100は、送信指示を受信するまで待機し(ステップS300でN)、送信指示を受信した場合には(ステップS300でY)、処理をステップS302へ進める。ステップS302~ステップS306の処理は、図5を参照しつつ説明したステップS104~ステップS108の処理と同様である。ステップS306において、装置IDと位置情報が携帯端末20Bから携帯端末20Aへ送信されると、ステップS308において、表示処理部203は、第3通知情報を表示部240に表示する。ここで、第3通知情報は、監視対象者Cの位置を知らせる情報である。表示処理部203は、第3通知情報として、例えば、「xxさん(監視対象者)は、yy(所在地の町名など)にいます」など、位置を知らせるテキスト情報を表示させる。また、他の例としては、表示処理部203は、地図画像上において、位置情報で示される位置に防犯ブザーのアイコンを表示させてもよい。
【0039】
なお、第1通知情報、第2通知情報及び第3通知情報は、いずれもその出力形態は表示に限定されるものではない。他の例としては、携帯端末20が備える不図示のスピーカからの音声出力でもよく、不図示の発光部が点灯、点滅してもよい。
【0040】
以上のように、本実施形態の警報システム1においては、監視対象者Cは、異常が生じた場合には、警報装置10のピン141を本体ユニット130の収容部134から抜く操作を行うことで、通知先へ通知することができる。
【0041】
さらに、本処理においては、警報装置10と携帯端末20の間の通信には、近距離通信を利用しているため、携帯キャリアとの契約が不要であり、通信費用が発生しない。さらに、日本以外においても、ローミング費用が発生することなく、海外においても、低コストで警報システム1を利用することができる。また、近くに存在する携帯端末の位置情報が、警報装置10の位置として取得されるので、警報装置10は、GPS受信機などを搭載する必要がない。したがって、コストを低減させることができる。さらに、警報装置10が動作するのは、ピン141が抜かれた場合、装置ID等を送信する場合に限られるため、消費電力も少なく抑えることができる。また、通知先からの送信指示に応じても、装置ID等を通知先の携帯端末に送信することができるので、例えば、徘徊者の捜索や、災害等での行方不明者の捜索にも利用することができる。
【0042】
また、携帯端末20Bにおいては、それを所持する人物Bによる操作を要することなく、自動で装置ID等が携帯端末20Aに転送される。したがって、監視対象者Cに関する情報が、第三者に伝わるのを避けることができる。
【0043】
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、例えばある実施形態の変形例を他の実施形態に適用するなど、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0044】
そうした変形例としては、本実施形態においては、異常が生じた場合に、監視対象者Cが操作する操作部は、ピン141と収容部134として構成されていたが、これに限定されるものではない。操作部は、ユーザが操作可能な物理的なユーザインタフェースであればよい。他の操作部としては、ボタンやスイッチ等が挙げられる。
【0045】
さらに、本発明の手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 警報システム
10 警報装置
20、20A、20B 携帯端末
100 制御部
102 通信処理部
103 出力処理部
111 第1近距離通信部
112 第2近距離通信歩
120 記憶部
200 制御部
202 通信処理部
203 表示処理部
204 位置主奥部
211 近距離通信部
212 通信網通信部
220 記憶部
230 操作部
240 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
警報を出力する警報装置であって、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部と、
前記警報装置の所持者の状態を記憶する記憶部と、
を備え、
前記第1の通信部は、前記状態が更新された場合に、前記装置識別情報及び前記通知先識別情報と共に、前記所持者の状態を示す状態情報を近距離通信で送信する、警報装置。
【請求項2】
前記ユーザ操作を受け付けた場合に、警報を出力する第1の出力部をさらに備える、請求項1に記載の警報装置。
【請求項3】
前記操作部は、ピンが収容される収容部を有し、
前記第1の通信部は、前記ピンが前記収容部から抜かれた場合に、前記装置識別情報と、前記通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する、請求項1に記載の警報装置。
【請求項4】
前記第1の通信部は、さらに、前記通知先の携帯端末による送信指示を、前記通知先以外の他の携帯端末を介して受信した場合に、前記装置識別情報と、前記通知先識別情報と、を近距離通信で送信する、請求項1に記載の警報装置。
【請求項5】
警報を出力する警報装置と、携帯端末と、を備えた、警報システムであって、
前記警報装置は、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部と、
前記警報装置の所持者の状態を記憶する記憶部と、
を有し、
前記通知先の携帯端末以外の他の携帯端末は、
前記他の携帯端末の位置を取得する位置取得部と、
前記装置識別情報と、前記通知先識別情報と、を受信した場合に、前記装置識別情報と、前記他の携帯端末の位置を示す位置情報と、を前記通知先の携帯端末へ、広域通信網を介して送信する第2の通信部と、
を有し、
前記通知先の携帯端末は、前記装置識別情報及び前記位置情報を受信すると、通知情報を出力する第2の出力部を有し、
前期警報装置の前記第1の通信部は、前記状態が更新された場合に、前記装置識別情報及び前記通知先識別情報と共に、前記所持者の状態を示す状態情報を近距離通信で送信し、
前記通知先の携帯端末の前記第2の出力部は、前記通知先の携帯端末が前記装置識別情報及び前記位置情報と共に、前記状態情報を受信した場合に、前記状態情報に示される状態を知らせる前記通知情報を表示する、警報システム。
【請求項6】
警報を出力する警報装置のコンピュータを、
ユーザ操作を受け付ける操作部、及び
前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部と
して機能させ
前記第1の通信部は、前記警報装置の所持者の状態を記憶する記憶部に記憶された前記状態が更新された場合に、前記装置識別情報及び前記通知先識別情報と共に、前記所持者の状態を示す状態情報を近距離通信で送信する、プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、警報を出力する警報装置であって、ユーザ操作を受け付ける操作部と、前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部と、前記警報装置の所持者の状態を記憶する記憶部と、を備え、前記第1の通信部は、前記状態が更新された場合に、前記装置識別情報及び前記通知先識別情報と共に、前記所持者の状態を示す状態情報を近距離通信で送信する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明の他の形態は、警報を出力する警報装置と、携帯端末と、を備えた、警報システムであって、前記警報装置は、ユーザ操作を受け付ける操作部と、前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部と、前記警報装置の所持者の状態を記憶する記憶部と、を有し、前記通知先の携帯端末以外の他の携帯端末は、前記他の携帯端末の位置を取得する位置取得部と、前記装置識別情報と、前記通知先識別情報と、を受信した場合に、前記装置識別情報と、前記他の携帯端末の位置を示す位置情報と、を前記通知先の携帯端末へ、広域通信網を介して送信する第2の通信部と、を有し、前記通知先の携帯端末は、前記装置識別情報及び前記位置情報を受信すると、通知情報を出力する第2の出力部を有し、前期警報装置の前記第1の通信部は、前記状態が更新された場合に、前記装置識別情報及び前記通知先識別情報と共に、前記所持者の状態を示す状態情報を近距離通信で送信し、前記通知先の携帯端末の前記第2の出力部は、前記通知先の携帯端末が前記装置識別情報及び前記位置情報と共に、前記状態情報を受信した場合に、前記状態情報に示される状態を知らせる前記通知情報を表示する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、本発明の他の形態は、プログラムであって、警報を出力する警報装置のコンピュータを、ユーザ操作を受け付ける操作部、及び前記ユーザ操作を受け付けた場合に、前記警報装置を識別する装置識別情報と、予め登録された通知先を識別する通知先識別情報と、を、近距離通信で送信する第1の通信部として機能させ、前記第1の通信部は、前記警報装置の所持者の状態を記憶する記憶部に記憶された前記状態が更新された場合に、前記装置識別情報及び前記通知先識別情報と共に、前記所持者の状態を示す状態情報を近距離通信で送信するプログラムである。