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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178674
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】遊技場用管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096997
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】山内 幸司
(72)【発明者】
【氏名】飯田 康晴
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA05
2C088CA07
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】新規導入日の稼動率を高い精度で算出する。
【解決手段】遊技場用管理システムにおいて、営業開始時点から1時間が経過する毎の各区間において、該当する機種IDの遊技機1の全てを対象とした遊技で消費された点数の平均である平均消費点数を、1区間における平均消費点数を平均遊技時間で除算した点数である区間絶対消費点数で除算することにより、区間稼動率を算出して表示する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置された複数機種の遊技機を管理対象とする遊技場用管理システムにおいて、
営業開始時点から所定の除外期間が経過した後の対象期間において、遊技が実行された時間を遊技時間として算出する遊技時間算出手段と、
前記対象期間において遊技により消費された遊技価値を消費遊技価値として算出する消費遊技価値算出手段と、
特定機種の前記消費遊技価値算出手段により算出された前記消費遊技価値を前記遊技時間で除算することにより、1遊技時間あたりの消費遊技価値を基準消費遊技価値として算出する基準消費遊技価値算出手段と、
営業開始時点から所定時間が経過する毎に区切られた各区間において、特定機種の実際に消費された実消費遊技価値を、前記消費遊技価値算出手段により算出された前記基準消費遊技価値で除算することにより、特定機種の区間稼動率を算出する区間稼動率算出手段と、
前記区間稼動率算出手段により算出された前記区間稼動率を時系列に並べて表示する表示手段と、を備えた遊技場用管理システム。
【請求項2】
営業開始時点から所定時間が経過する毎に、営業開始時点から当該時点までの累積時間における累積消費遊技価値を、当該累計時間と前記基準消費遊技価値とを乗算した累積基準消費遊技価値で除算することにより、累積稼動率を算出する累積稼動率算出手段を備え、
前記表示手段は、前記区間稼動率と一緒に、前記累積稼動率算出手段により算出された前記累積稼動率を表示する請求項1に記載した遊技場用管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場においては、例えば特許文献1に記載されているように、各機種の稼動率に基づいて稼動状況の良し悪しを判断するのが通常である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-275224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に新規導入した機種については、高稼動が期待できる人気機種なのか、あるいは高稼動が期待できない不人気機種であるのかをできる限り早い段階で見極めることが肝要であるため、導入直後の稼動率は非常に重要な指標となる。したがって、新規導入日の稼動率としては精度の高い数値の算出が要求されるという事情がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされるものであり、その目的は、新規導入日の稼動率を高い精度で算出することができる遊技場用管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、遊技場に設置された複数機種の遊技機を管理対象とする遊技場用管理システムにおいて、営業開始時点から所定の除外期間が経過した後の対象期間において、遊技が実行された時間を遊技時間として算出する遊技時間算出手段(例えば管理装置6)と、前記対象期間において遊技により消費された遊技価値を消費遊技価値として算出する消費遊技価値算出手段(例えば管理装置6)と、特定機種の前記消費遊技価値算出手段により算出された前記消費遊技価値を前記遊技時間で除算することにより、1遊技時間あたりの消費遊技価値を基準消費遊技価値(例えば区間絶対消費点数)として算出する基準消費遊技価値算出手段(例えば管理装置6)と、営業開始時点から所定時間が経過する毎に区切られた各区間において、特定機種の実際に消費された実消費遊技価値(例えば図5に示す平均消費点数)を、前記消費遊技価値算出手段により算出された前記基準消費遊技価値で除算することにより、特定機種の区間稼動率(例えば図6に示す70%,68%,70%,75%)を算出する区間稼動率算出手段(例えば管理装置6)と、前記区間稼動率算出手段により算出された前記区間稼動率を時系列に並べて表示する表示手段(例えばモニタ6a)と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、営業開始時点から所定時間が経過する毎に区切られた各区間において、特定機種の実際に消費された実消費遊技価値を、基準消費遊技価値で除算することにより、特定機種の区間稼動率を算出して表示するようにしたので、新規導入初日の区間稼動率を確認することで、できる限り早い段階で新規導入機種の稼動状況を見極めることができる。又、区間稼動率を算出するための基準消費遊技価値を、開店から所定の除外時間が経過した後の期間を対象として算出するようにしたので、精度の高い区間稼動率を算出することができる。これにより、新規導入日の稼動率を高い精度で算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態の遊技場用管理システムの全体構成を示す図
図2】遊技機及び貸出ユニットの正面図
図3】遊技機及び貸出ユニットの電気的な構成を示す機能ブロック図
図4】遊技機別データを示す図
図5】機種別データを示す図
図6】機種別の区間稼動率データを示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、それら遊技機1と1対1で対応して貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3が付設されている。
【0010】
遊技機1は対応する貸出ユニット2に接続され、貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3は2台ずつ中継装置4と接続され、中継装置4はLAN5を介して遊技場管理装置(以下、管理装置と称する)6(遊技時間算出手段、消費遊技価値算出手段、基準消費遊技価値算出手段、区間稼動率算出手段、累積稼動率算出手段に相当する)と接続されている。
【0011】
中継装置4は、貸出ユニット2、遊技情報表示装置3及び管理装置6の間のデータ通信を中継する。遊技機1における遊技情報は、当該遊技機1から貸出ユニット2へ送信され、貸出ユニット2から中継装置4を経由して管理装置6にて受信される。又、管理装置6において設定される貸出ユニット2の各種設定情報は、当該管理装置6から中継装置4を経由して貸出ユニット2にて受信される。
【0012】
管理装置6は、モニタ6a(表示手段に相当する)を接続しており、遊技機1、貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3の稼動状況を管理し、各遊技機1から収集した遊技情報を集計してモニタ6aに表示すると共に、その集計した遊技情報を後述する管理サーバ8へ送信する。又、管理装置6は、管理サーバ8にて遊技情報に基づいて作成された各遊技場の集計データを当該管理サーバから受信し、その受信した集計データをモニタ6aに表示する。
【0013】
遊技場には、景品交換端末(以下、POSと称する)(図示せず)や精算機(図示せず)も設置されており、POSや精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。POSは、貸出ユニット2にて発行された会員カードや一般カードといったICカードを受付けると、その受付けたICカードにより特定される持点や貯点等の遊技価値に基づいて景品交換処理を行う。POSは、景品交換処理を行う場合、遊技者が獲得した持点をICカードから読取ったり、景品交換を希望する会員を特定することで当該会員としての遊技者が遊技場へ預入れた貯蓄価値(貯点)を管理装置6からオンラインで取得して景品交換可能な遊技価値を特定したりする。
【0014】
精算機は、ICカードを受付けると、その受付けたICカードにより特定される入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口から返却する。又、精算機には、紙幣が投入される紙幣投入口が設けられており、紙幣が紙幣投入口に投入されると、その投入金額をICカードに記録されている入金残高に加算する。
【0015】
管理装置6は、例えばインターネットを含む公衆通信回線7を介して管理サーバ8とデータ通信可能に接続される。管理サーバ8は、複数の遊技場を管理対象とし、各遊技場内に設置されている管理装置6から遊技情報を受信することで、各遊技場の遊技情報を集計して集計データを作成して管理すると共に、その作成した集計データを各遊技場の管理装置6へ配信する(フィードバックする)。
【0016】
遊技機1は、所謂封入式のパチンコ遊技機であり、遊技者が所有する残高、持点、貯点を換算した遊技点を記憶及び管理し、その記憶している遊技点が残っていることを条件として内部のパチンコ玉を発射装置に供給して盤面に発射し、入賞すると、パチンコ玉を払出すことなくデータ上の獲得玉として加算する等して遊技点を管理する。
【0017】
図2に示すように、遊技機1は、パチンコ玉が発射される盤面9、発射装置を構成する発射ハンドル10、遊技情報を表示するタッチパネル式の情報表示部11、演出音等を出力するスピーカ12、装飾ランプ13等を有する。盤面9には、普図表示部14と特図表示部15とを含む図柄表示部16、スルー式の普図始動口17、特図始動口18、大入賞口19、アウト口20等を有する。
【0018】
貸出ユニット2は、遊技機1の遊技状態や貸出ユニット2の状態を示す状態ランプ21、紙幣が挿入される紙幣挿入口22、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技情報を表示するタッチパネル式の液晶表示部23、貸出操作を受付ける貸出ボタン24、再遊技操作を受付ける再遊技ボタン25、返却操作を受付ける返却ボタン26、ICカードが挿入されるカード挿入口27を有する。尚、貸出ユニット2は、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ、従業員が携帯する従業員リモコン(図示せず)からのリモコン信号を受信するリモコン受光部等を有していても良い。
【0019】
遊技機1は以下のように動作する。カードユニット2から遊技点数を受信すると、その遊技点数分のパチンコ玉を発射することが可能となり、遊技点数がゼロになった時点で発射が不可能となる。普図始動口17へ入賞すると、普図抽選を実行すると共に、普図の図柄変動を開始する。普図抽選で当選すると、電動役物を開放して特図始動口18への入賞を容易にする。特図始動口18へ入賞すると、特図抽選を実行すると共に、特図の図柄変動を開始する。特図抽選で当選すると、大当たり図柄を停止表示し、大当たり状態へ移行する。大当たり状態では大入賞口20を規定回数開放して入賞率を大幅に向上させる。
【0020】
各始動口17,18への入賞に応じて所定の得点を付与する。遊技状態として、通常状態、確変状態、大当たり状態がある。大当たり終了後は70%で確変状態へ移行し、30%で通常状態へ移行する。確変状態では、通常状態よりも特図抽選及び普図抽選の当選確率が高まる。
【0021】
情報表示部11のタッチパネルによる計数操作に応じて遊技点数をカードユニット2へ送信し、遊技点数を減算する。計数操作は短タッチで1点ずつをカードユニット2へ送信し、長タッチで全点を一括してカードユニット2へ送信する。以上の説明は一例であり、機種によって、大当たり、確変状態、時短状態の当選確率、入賞時の付与点数、図柄変動の態様等、性能や遊技性が異なる。
【0022】
貸出ユニット2は以下のように動作する。遊技機1から遊技情報を受信すると、その受信した遊技情報を集計して記憶すると共に、遊技情報を中継装置4経由で管理装置6へ随時送信する。遊技者の入金残高、得点数も随時管理装置6へ送信する。
【0023】
管理装置6から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価等)を受信して記憶する。紙幣が紙幣挿入口22に挿入されると、入金残高に加算して記憶する。入金残高の上限は例えば10000円である。
【0024】
ICカードがカード挿入口27に挿入されると、カードIDに基づいて管理装置6が記憶しているカード情報と照合し、照合結果が正のときは入金残高及び持点数を読出して表示する。貸出ボタン24が操作されると、一定金額(例えば1000円)ずつ遊技点数(例えば250点)に変換して遊技機1へ送信する。再遊技ボタン25が操作されると、持点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。
【0025】
持点数、遊技点数、全得点数(持点数+遊技点数)を記憶して表示する。遊技機1から得点の加算情報及び減算情報を受信し、記憶している得点数を更新する。得点数を更新すると、得点数情報を中継装置4へ送信する。入金残高及び持点数のうち少なくとも何れか一方が存在する状態で返却ボタン26が操作されると、その入金残高及び持点数をICカードに記録して発行する。遊技点数は記録せず、遊技機側に残る。本体内にICカードが最大10枚ストックされている。
【0026】
遊技機1及び貸出ユニット2の電気的な構成について図3を参照して説明する。遊技機1は、主制御部28と、貸出ユニット2とデータ通信を行うI/F部29とを備える。主制御部28は、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えるマイクロコンピュータにより構成され、電源回路部30から電源が供給される。主制御部28は、普図入賞センサ31から入力する検出信号に基づいて普図始動口17への玉の通過を検出し、特図入賞センサ32から入力する検出信号に基づいて特図始動口18への入賞を検出し、大入賞センサ33から入力する検出信号に基づいて大入賞口19への入賞を検出する。
【0027】
主制御部28は、普図始動口17への玉の通過を検出すると、図柄変動開始信号を普図表示部14へ出力し、普図の図柄変動を開始し、普図抽選で当選すると、駆動信号を特図始動ソレノイド34へ出力し、特図始動口18を開放する。主制御部28は、特図始動口18への入賞を検出すると、図柄変動開始信号を特図表示部15へ出力し、特図の図柄変動を開始し、特図抽選で当選すると、駆動信号を大入賞口ソレノイド35へ出力し、大入賞口20を開放する。
【0028】
主制御部28は、演出指示信号を演出制御部36へ出力する。演出制御部36は、主制御部28から演出指示信号を入力すると、その入力した演出指示信号をアンプ37を介してスピーカ12、装飾ランプ13、表示制御部38を介して図柄表示部16へ出力し、スピーカ12、装飾ランプ13及び図柄表示部16により図柄変動パターン等にしたがって演出を行う。
【0029】
設定操作部39は、例えば遊技場の従業員による設定操作を受付け、その受付けた設定操作を特定可能な設定操作検出信号を主制御部28へ出力する。タッチパネル40は、例えば遊技者による各種操作を受付け、その受付けた操作を特定可能な操作検出信号を主制御部28へ出力する。主制御部28は、表示指示信号を情報表示部11へ出力し、各種遊技情報を情報表示部11に表示させる。
【0030】
貸出ユニット2は、制御部41と、遊技機1とデータ通信を行うI/F部42とを備える。制御部41は、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えるマイクロコンピュータにより構成されている。制御部41は、駆動信号を状態ランプ21へ出力し、遊技機1の遊技状態や貸出ユニット2の状態を状態ランプ21により表示させる。紙幣処理部43は、紙幣挿入口22に挿入された紙幣の真贋を判定し、その判定結果を制御部41へ出力する。
【0031】
貸出ボタン24は、遊技者により押下されると、貸出操作を特定可能な操作検出信号を制御部41へ出力する。再遊技ボタン25は、遊技者により押下されると、再遊技操作を特定可能な操作検出信号を制御部41へ出力する。返却ボタン26は、遊技者により押下されると、返却操作を特定可能な操作検出信号を制御部41へ出力する。カード処理部44は、ICカードがカード挿入口27に挿入されると、その挿入されたICカードから各種情報を読取ったり、各種情報をICカードに書込んだりするカードRW(リーダライタ)として機能する。制御部41は、表示指示信号を液晶表示部43へ出力し、各種遊技情報を液晶表示部43に表示させる。
【0032】
遊技機1は、遊技者による玉の打ち込みや入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技情報を出力する。
消費遊技点情報=遊技で消費された遊技点数(アウト)を示す情報を示す。
付与遊技点情報=入賞により付与された遊技点数(セーフ)を示す情報を示す。
スタート情報=大当たり抽選及び図柄変動が実行されたことを示す情報を示す。
大当たり情報=大当たり状態であることを示す情報を示す。
確変情報=確変状態であることを示す情報を示す。
以上の説明は一例であり、機種によって、出力する遊技情報が異なる。尚、遊技機1は、これらの遊技情報を、当該遊技情報を特定可能な電文のようなデータ信号として前回送信時からの累計データを一定間隔(例えば200ミリ秒周期)で貸出ユニット2へ出力する。
【0033】
管理装置6が管理する遊技情報について図4から図7を参照して説明する。管理装置6は、管理対象の遊技情報として、遊技機別データ、機種別データ、遊技機購入履歴データ及び機種別遊技機利益データを管理する。以下、例えば店舗「AAA」の管理装置6が管理する各種データについて説明する。
【0034】
(1)遊技機別データ(図4参照)
管理装置6は、遊技機1から受信する遊技情報に基づいて台番別の遊技機別データを管理する。管理装置6は、遊技機別データを一定時間(例えば5分)間隔で管理サーバ8へ送信する。遊技機別データは、台番、機種ID、消費点数、付与点数、遊技時間、スタート及び大当たりの項目をレコード単位とする。各項目は以下の通りである。
【0035】
機種ID=機種を特定するためのIDを示す。
売上=売上金額を示す。
消費点数=遊技で消費された点数を示す。発射した玉数に等しい。
付与点数=入賞により付与された点数を示す。
遊技時間=一定時間以内に消費点数又は図柄変動が継続して発生した時間(遊技しているとみなす時間)を示す。具体的には、消費点数又は図柄変動が発生した時点で例えば2分のタイマをスタートし、そのタイマがタイムアップする前に再度消費点数又は図柄変動が発生したときはタイマをリスタートすると共に遊技時間を加算する。タイマがタイムアップするまでに次の消費点数又は図柄変動が発生しなかったときは最後の消費点数又は図柄変動が発生した後の時間は非遊技時間となる。
スタート=通常状態における図柄変動回数(大当たりの抽選回数)を示す。
大当たり=大当たりの発生回数を示す。
【0036】
(2)機種別データ(図5参照)
管理装置6は、機種別に各種の遊技データの平均を算出して記憶する。機種別データは、機種ID、台数、消費点数、付与点数、出玉率、遊技時間及び絶対消費点数の項目をレコード単位とする。各項目は以下の通りである。
【0037】
台数=該当する機種IDの遊技機1の台数を示す。
平均消費点数(実消費遊技価値に相当する)=該当する機種IDの遊技機1の全てを対象とした遊技で消費された点数の平均を示す。
平均付与点数=該当する機種IDの遊技機1の全てを対象とした入賞により付与された点数の平均を示す。
出玉率=平均付与点数/平均消費点数を示す。例えば機種ID「1」の場合、43,210/45,678=94.6%が求まる。
平均遊技時間=該当する機種IDの遊技機1の全てを対象とした遊技時間の平均を示す。
絶対消費点数=平均消費点数/平均遊技時間(1遊技時間あたりの平均消費点数)を示す。例えば機種ID「1」の場合、45,628/{(9×60+31)/60}=4800が求まる。
【0038】
(3)機種別の区間稼動率データ(図6参照)
管理装置6は、機種別に、区間絶対消費点数を算出し、開店時刻(9時)から1時間経過する毎に当該1時間における区間稼動率を算出して記憶すると共に、当該時刻までの累積稼動率も算出して記憶する。図6では、13時までの区間稼動率及び累積稼動率を例示しているが、13時以降の区間稼動率及び累積稼動率を算出して記憶することもでき、閉店時刻までの区間稼動率及び累積稼動率を算出して記憶することもできる。
【0039】
区間絶対消費点数(基準消費遊技価値に相当する)=10時~11時の1時間における平均消費点数を平均遊技時間で除算した値を示す(1遊技時間あたりの消費遊技価値を基準消費遊技価値として算出する)。この場合、10時~11時の1時間における平均消費点数を採用するのは、開店直後(9時直後)では全台が通常状態から一斉に稼動を開始するため絶対消費点数が本来の数値よりも高くなる傾向があり、精度の低下を招く要因となり得るという事情による。即ち、本来の数値よりも高くなる傾向の影響を除外すべく、開店直後の1時間(9時~10時、除外期間に相当する)が経過した後の区間(対象区間)で区間絶対消費点数を求める。
区間稼動率=1区間(1時間)における平均消費点数を区間絶対消費点数で除算した値を示す(実消費遊技価値を基準消費遊技価値で除算することにより、区間稼動率を算出する)。
累積稼動率=開店時刻から当該時刻までの平均消費点数を、区間絶対消費点数と営業時間との積で除算した値を示す(累積消費遊技価値を累計時間と基準消費遊技価値とを乗算した累積基準消費遊技価値で除算することにより、累積稼動率を算出する)。
【0040】
以上に説明した本実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
遊技場用管理システムにおいて、営業開始時点から1時間が経過する毎の各区間において、平均消費点数を区間絶対消費点数で除算することにより、区間稼動率を算出して表示するようにしたので、新規導入初日の区間稼動率を確認することで、できる限り早い段階で新規導入機種の稼動状況を見極めることができる。又、区間稼動率を算出するための区間絶対消費点数を、開店直後の1時間(9時~10時)が経過した後の区間(10時~11時)を対象として算出するようにしたので、精度の高い区間稼動率を算出することができる。これにより、新規導入日の稼動率を高い精度で算出することができる。
【0041】
区間稼動率を算出することに加え、営業開始時点から1時間が経過する毎に、営業開始時点から当該時点までの累積時間における累積の平均消費点数を、当該累計時間と区間絶対消費点数とを乗算した累積の区間絶対消費点数で除算することにより、累積稼動率を算出し、区間稼動率と累積稼動率とを一緒に表示するようにしたので、累積稼動率を確認することでも、新規導入機種の稼動状況を見極めることができる。
【0042】
図6に示した機種別の区間稼動率データにおいて、1時間単位の各区間の区間稼動率が増減することに追従し、当該時刻までの累積稼動率が増減していることで、稼動率の推移を適切に把握することができる。
【0043】
本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張することができる。又、例示した構成は変形例も含め、どのように組み合わせても良いし、適宜採用しない構成としても良い。
【0044】
本実施形態で説明した遊技機別データや機種別データ等は単なる例示であり、様々な種類の遊技情報を項目として作成することが可能である。例えば付与点数と消費点数との差を示す差点数、スタート回数に対する大当たり回数の割合を示す大当たり確率等を算出しても良い。
【0045】
入賞に応じて遊技点を付与する封入式のパチンコ遊技機を例示したが、遊技機はこれに限定されることなく、入賞に応じてパチンコ玉を払出す方式のパチンコ遊技機であっても良い。又、パチスロ遊技機やジャン球遊技機等であっても良い。遊技に使用される遊技価値は、電子データとして扱われる得点の他、実体のある玉やメダル等が相当する。
【0046】
区間稼動率を1時間経過毎に算出する構成を例示したが、区間稼動率を任意の時間(例えば30分)が経過する毎に算出しても良い。又、区間絶対消費点数を開店後1~2時間(10時~11時)の平均消費点数及び平均遊技時間に基づいて算出する構成を例示したが、区間絶対消費点数を開店後の十分な時間が経過した後の期間の平均消費点数及び平均遊技時間に基づいて算出しても良い。
【符号の説明】
【0047】
図面中、1は遊技機、6は管理装置(遊技時間算出手段、消費遊技価値算出手段、基準消費遊技価値算出手段、区間稼動率算出手段、累積稼動率算出手段)、6aはモニタ(表示手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6