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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178676
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】遊技場用管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023096999
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】山内 幸司
(72)【発明者】
【氏名】飯田 康晴
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA07
2C088CA30
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】遊技場の日々の営業利益を適切に管理する。
【解決手段】遊技場用管理システムにおいて、購入費用を対象期間における日数及び遊技機の設置台数で除算することにより、遊技機1台の1日あたりの遊技機費用(遊技機費用=1,193)を算出して表示する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置された遊技場に設けられ、各遊技機の稼動状況を管理する遊技場管理装置と、各遊技場に設けられた遊技場管理装置から各種の遊技情報を受信すると共に、当該遊技情報に基づいて作成した各種分析情報を各遊技場管理装置へ送信することが可能な管理サーバとを含む遊技場用管理システムにおいて、
所定の対象期間において遊技場が購入した全ての遊技機の購入費用を算出する購入費用算出手段と、
前記購入費用算出手段により算出された前記購入費用を、前記対象期間における日数及び遊技機の設置台数で除算することにより、遊技機1台の1日あたりの遊技機費用を算出する遊技機費用算出手段と、を備え、
前記管理サーバは、各遊技場における前記遊技機費用算出手段により算出された遊技機費用を含む一覧データを作成し、
前記遊技場管理装置は、前記管理サーバにより作成された前記一覧データを受信して表示する遊技場用管理システム。
【請求項2】
遊技機で発生した売上金額から遊技者が獲得した景品金額を減算することにより、遊技機1台の1日あたりの粗利益を算出する粗利益算出手段を備え、
前記管理サーバは、前記粗利益算出手段により算出された前記粗利益を前記一覧データに含んで作成する請求項1に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技場においては、例えば特許文献1に記載されるように営業利益をシミュレートするのが通常である。具体的には、遊技媒体の貸出金額、交換金額、出率、予想される売上金額等の各数値を入力し、これらの数値から営業利益を算出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-147627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、昨今の遊技場においては遊技機の入替を頻繁に行うため、遊技機の購入費用が膨大になっているという事情がある。したがって、遊技機の購入費用を固定費として捉えるのではなく変動費として捉え、利益管理を行うことが必要となっている。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされるものであり、その目的は、遊技場の日々の営業利益を適切に管理することができる遊技場用管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、複数の遊技機が設置された遊技場に設けられ、各遊技機の稼動状況を管理する遊技場管理装置(例えば管理装置6)、各遊技場に設けられた遊技場管理装置から各種の遊技情報を受信すると共に、当該遊技情報に基づいて作成した各種分析情報を各遊技場管理装置へ送信することが可能な管理サーバ(例えば管理サーバ8)とを含む遊技場用管理システムにおいて、所定の対象期間(例えば図7に示す2022年4月1日~2022年6月30日)において遊技場が購入した全ての遊技機の購入費用(例えば図7に示す遊技機費用(累計)=76,000,000)を算出する購入費用算出手段(例えば管理装置6)と、前記購入費用算出手段により算出された前記購入費用を、前記対象期間における日数(例えば図7に示す91日)及び遊技機の設置台数(例えば図7に示す400台)で除算することにより、遊技機1台の1日あたりの遊技機費用(例えば図7に示す遊技機費用=1,193)を算出する遊技機費用算出手段(例えば管理装置6)と、を備え、前記管理サーバは、各遊技場における前記遊技機費用算出手段により算出された遊技機費用を含む一覧データ(例えば図8に示す店舗別遊技機利益一覧データ)を作成し、前記遊技場管理装置は、前記管理サーバにより作成された前記一覧データを受信して表示する。
【0007】
このような構成によれば、遊技場が購入した全ての遊技機の購入費用を対象期間における日数及び遊技機の設置台数で除算することにより、遊技機1台の1日あたりの遊技機費用を算出して表示するようにしたので、遊技機の購入費用を固定費として捉えるのではなく変動費として捉え、遊技場の日々の営業利益を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態の遊技場用管理システムの全体構成を示す図
図2】遊技機及び貸出ユニットの正面図
図3】遊技機及び貸出ユニットの電気的な構成を示す機能ブロック図
図4】遊技機別データを示す図
図5】機種別データを示す図
図6】遊技機購入履歴データを示す図
図7】遊技機利益データを示す図
図8】店舗別遊技機利益一覧データを示す図
図9】店舗別遊技機利益一覧の表示を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、それら遊技機1と1対1で対応して貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3が付設されている。
【0010】
遊技機1は対応する貸出ユニット2に接続され、貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3は2台ずつ中継装置4と接続され、中継装置4はLAN5を介して遊技場管理装置(以下、管理装置と称する)6(粗利益算出手段、購入費用算出手段、遊技機費用算出手段、遊技機利益算出手段、粗利益算出手段、入替台数算出手段、入替回転率算出手段に相当する)と接続されている。
【0011】
中継装置4は、貸出ユニット2、遊技情報表示装置3及び管理装置6の間のデータ通信を中継する。遊技機1における遊技情報は、当該遊技機1から貸出ユニット2へ送信され、貸出ユニット2から中継装置4を経由して管理装置6にて受信される。又、管理装置6において設定される貸出ユニット2の各種設定情報は、当該管理装置6から中継装置4を経由して貸出ユニット2にて受信される。
【0012】
管理装置6は、モニタ6aを接続しており、遊技機1、貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3の稼動状況を管理し、各遊技機1から収集した遊技情報を集計してモニタ6aに表示すると共に、その集計した遊技情報を後述する管理サーバ8へ送信する。又、管理装置6は、管理サーバ8にて遊技情報に基づいて作成された各遊技場の集計データを当該管理サーバから受信し、その受信した集計データをモニタ6aに表示する。
【0013】
遊技場には、景品交換端末(以下、POSと称する)(図示せず)や精算機(図示せず)も設置されており、POSや精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。POSは、貸出ユニット2にて発行された会員カードや一般カードといったICカードを受付けると、その受付けたICカードにより特定される持点や貯点等の遊技価値に基づいて景品交換処理を行う。POSは、景品交換処理を行う場合、遊技者が獲得した持点をICカードから読取ったり、景品交換を希望する会員を特定することで当該会員としての遊技者が遊技場へ預入れた貯蓄価値(貯点)を管理装置6からオンラインで取得して景品交換可能な遊技価値を特定したりする。
【0014】
精算機は、ICカードを受付けると、その受付けたICカードにより特定される入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口から返却する。又、精算機には、紙幣が投入される紙幣投入口が設けられており、紙幣が紙幣投入口に投入されると、その投入金額をICカードに記録されている入金残高に加算する。
【0015】
管理装置6は、例えばインターネットを含む公衆通信回線7を介して管理サーバ8とデータ通信可能に接続される。管理サーバ8は、複数の遊技場を管理対象とし、各遊技場内に設置されている管理装置6から遊技情報を受信することで、各遊技場の遊技情報を集計して集計データを作成して管理すると共に、その作成した集計データを各遊技場の管理装置6へ配信する(フィードバックする)。
【0016】
遊技機1は、所謂封入式のパチンコ遊技機であり、遊技者が所有する残高、持点、貯点を換算した遊技点を記憶及び管理し、その記憶している遊技点が残っていることを条件として内部のパチンコ玉を発射装置に供給して盤面に発射し、入賞すると、パチンコ玉を払出すことなくデータ上の獲得玉として加算する等して遊技点を管理する。
【0017】
図2に示すように、遊技機1は、パチンコ玉が発射される盤面9、発射装置を構成する発射ハンドル10、遊技情報を表示するタッチパネル式の情報表示部11、演出音等を出力するスピーカ12、装飾ランプ13等を有する。盤面9には、普図表示部14と特図表示部15とを含む図柄表示部16、スルー式の普図始動口17、特図始動口18、大入賞口19、アウト口20等を有する。
【0018】
貸出ユニット2は、遊技機1の遊技状態や貸出ユニット2の状態を示す状態ランプ21、紙幣が挿入される紙幣挿入口22、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技情報を表示するタッチパネル式の液晶表示部23、貸出操作を受付ける貸出ボタン24、再遊技操作を受付ける再遊技ボタン25、返却操作を受付ける返却ボタン26、ICカードが挿入されるカード挿入口27を有する。尚、貸出ユニット2は、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ、従業員が携帯する従業員リモコン(図示せず)からのリモコン信号を受信するリモコン受光部等を有していても良い。
【0019】
遊技機1は以下のように動作する。カードユニット2から遊技点数を受信すると、その遊技点数分のパチンコ玉を発射することが可能となり、遊技点数がゼロになった時点で発射が不可能となる。普図始動口17へ入賞すると、普図抽選を実行すると共に、普図の図柄変動を開始する。普図抽選で当選すると、電動役物を開放して特図始動口18への入賞を容易にする。特図始動口18へ入賞すると、特図抽選を実行すると共に、特図の図柄変動を開始する。特図抽選で当選すると、大当たり図柄を停止表示し、大当たり状態へ移行する。大当たり状態では大入賞口20を規定回数開放して入賞率を大幅に向上させる。
【0020】
各始動口17,18への入賞に応じて所定の得点を付与する。遊技状態として、通常状態、確変状態、大当たり状態がある。大当たり終了後は70%で確変状態へ移行し、30%で通常状態へ移行する。確変状態では、通常状態よりも特図抽選及び普図抽選の当選確率が高まる。
【0021】
情報表示部11のタッチパネルによる計数操作に応じて遊技点数をカードユニット2へ送信し、遊技点数を減算する。計数操作は短タッチで1点ずつをカードユニット2へ送信し、長タッチで全点を一括してカードユニット2へ送信する。以上の説明は一例であり、機種によって、大当たり、確変状態、時短状態の当選確率、入賞時の付与点数、図柄変動の態様等、性能や遊技性が異なる。
【0022】
貸出ユニット2は以下のように動作する。遊技機1から遊技情報を受信すると、その受信した遊技情報を集計して記憶すると共に、遊技情報を中継装置4経由で管理装置6へ随時送信する。遊技者の入金残高、得点数も随時管理装置6へ送信する。
【0023】
管理装置6から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価等)を受信して記憶する。紙幣が紙幣挿入口22に挿入されると、入金残高に加算して記憶する。入金残高の上限は例えば10000円である。
【0024】
ICカードがカード挿入口27に挿入されると、カードIDに基づいて管理装置6が記憶しているカード情報と照合し、照合結果が正のときは入金残高及び持点数を読出して表示する。貸出ボタン24が操作されると、一定金額(例えば1000円)ずつ遊技点数(例えば250点)に変換して遊技機1へ送信する。再遊技ボタン25が操作されると、持点数を250点ずつ遊技点数に変換して遊技機1へ送信する。
【0025】
持点数、遊技点数、全得点数(持点数+遊技点数)を記憶して表示する。遊技機1から得点の加算情報及び減算情報を受信し、記憶している得点数を更新する。得点数を更新すると、得点数情報を中継装置4へ送信する。入金残高及び持点数のうち少なくとも何れか一方が存在する状態で返却ボタン26が操作されると、その入金残高及び持点数をICカードに記録して発行する。遊技点数は記録せず、遊技機側に残る。本体内にICカードが最大10枚ストックされている。
【0026】
遊技機1及び貸出ユニット2の電気的な構成について図3を参照して説明する。遊技機1は、主制御部28と、貸出ユニット2とデータ通信を行うI/F部29とを備える。主制御部28は、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えるマイクロコンピュータにより構成され、電源回路部30から電源が供給される。主制御部28は、普図入賞センサ31から入力する検出信号に基づいて普図始動口17への玉の通過を検出し、特図入賞センサ32から入力する検出信号に基づいて特図始動口18への入賞を検出し、大入賞センサ33から入力する検出信号に基づいて大入賞口19への入賞を検出する。
【0027】
主制御部28は、普図始動口17への玉の通過を検出すると、図柄変動開始信号を普図表示部14へ出力し、普図の図柄変動を開始し、普図抽選で当選すると、駆動信号を特図始動ソレノイド34へ出力し、特図始動口18を開放する。主制御部28は、特図始動口18への入賞を検出すると、図柄変動開始信号を特図表示部15へ出力し、特図の図柄変動を開始し、特図抽選で当選すると、駆動信号を大入賞口ソレノイド35へ出力し、大入賞口20を開放する。
【0028】
主制御部28は、演出指示信号を演出制御部36へ出力する。演出制御部36は、主制御部28から演出指示信号を入力すると、その入力した演出指示信号をアンプ37を介してスピーカ12、装飾ランプ13、表示制御部38を介して図柄表示部16へ出力し、スピーカ12、装飾ランプ13及び図柄表示部16により図柄変動パターン等にしたがって演出を行う。
【0029】
設定操作部39は、例えば遊技場の従業員による設定操作を受付け、その受付けた設定操作を特定可能な設定操作検出信号を主制御部28へ出力する。タッチパネル40は、例えば遊技者による各種操作を受付け、その受付けた操作を特定可能な操作検出信号を主制御部28へ出力する。主制御部28は、表示指示信号を情報表示部11へ出力し、各種遊技情報を情報表示部11に表示させる。
【0030】
貸出ユニット2は、制御部41と、遊技機1とデータ通信を行うI/F部42とを備える。制御部41は、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えるマイクロコンピュータにより構成されている。制御部41は、駆動信号を状態ランプ21へ出力し、遊技機1の遊技状態や貸出ユニット2の状態を状態ランプ21により表示させる。紙幣処理部43は、紙幣挿入口22に挿入された紙幣の真贋を判定し、その判定結果を制御部41へ出力する。
【0031】
貸出ボタン24は、遊技者により押下されると、貸出操作を特定可能な操作検出信号を制御部41へ出力する。再遊技ボタン25は、遊技者により押下されると、再遊技操作を特定可能な操作検出信号を制御部41へ出力する。返却ボタン26は、遊技者により押下されると、返却操作を特定可能な操作検出信号を制御部41へ出力する。カード処理部44は、ICカードがカード挿入口27に挿入されると、その挿入されたICカードから各種情報を読取ったり、各種情報をICカードに書込んだりするカードRW(リーダライタ)として機能する。制御部41は、表示指示信号を液晶表示部43へ出力し、各種遊技情報を液晶表示部43に表示させる。
【0032】
遊技機1は、遊技者による玉の打ち込みや入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技情報を出力する。
消費遊技点情報=遊技で消費された遊技点数(アウト)を示す情報を示す。
付与遊技点情報=入賞により付与された遊技点数(セーフ)を示す情報を示す。
スタート情報=大当たり抽選及び図柄変動が実行されたことを示す情報を示す。
大当たり情報=大当たり状態であることを示す情報を示す。
確変情報=確変状態であることを示す情報を示す。
以上の説明は一例であり、機種によって、出力する遊技情報が異なる。尚、遊技機1は、これらの遊技情報を、当該遊技情報を特定可能な電文のようなデータ信号として前回送信時からの累計データを一定間隔(例えば200ミリ秒周期)で貸出ユニット2へ出力する。
【0033】
管理装置6が管理する遊技情報について図4から図7を参照して説明する。管理装置6は、管理対象の遊技情報として、遊技機別データ、機種別データ、遊技機購入履歴データ及び遊技機利益データを管理する。以下、例えば店舗「AAA」の管理装置6が管理する各種データについて説明する。
【0034】
(1)遊技機別データ(図4参照)
管理装置6は、遊技機1から受信する遊技情報に基づいて台番別の遊技機別データを管理する。管理装置6は、遊技機別データを一定時間(例えば5分)間隔で管理サーバ8へ送信する。遊技機別データは、台番、機種ID、消費点数、付与点数、遊技時間、スタート及び大当たりの項目をレコード単位とする。各項目は以下の通りである。
【0035】
機種ID=機種を特定するためのIDを示す。
売上=売上金額を示す。
消費点数=遊技で消費された点数を示す。発射した玉数に等しい。
付与点数=入賞により付与された点数を示す。
遊技時間=一定時間以内に消費点数又は図柄変動が継続して発生した時間(遊技しているとみなす時間)を示す。具体的には、消費点数又は図柄変動が発生した時点で例えば2分のタイマをスタートし、そのタイマがタイムアップする前に再度消費点数又は図柄変動が発生したときはタイマをリスタートすると共に遊技時間を加算する。タイマがタイムアップするまでに次の消費点数又は図柄変動が発生しなかったときは最後の消費点数又は図柄変動が発生した後の時間は非遊技時間となる。
スタート=通常状態における図柄変動回数(大当たりの抽選回数)を示す。
大当たり=大当たりの発生回数を示す。
【0036】
(2)機種別データ(図5参照)
管理装置6は、機種別に各種の遊技データの平均を算出して記憶する。機種別データは、機種ID、台数、消費点数、付与点数、出玉率、遊技時間及び絶対消費点数の項目をレコード単位とする。各項目は以下の通りである。
【0037】
台数=該当する機種IDの遊技機1の台数を示す。
平均消費点数=該当する機種IDの遊技機1の全てを対象とした遊技で消費された点数の平均を示す。
平均付与点数=該当する機種IDの遊技機1の全てを対象とした入賞により付与された点数の平均を示す。
出玉率=平均付与点数/平均消費点数を示す。例えば機種ID「1」の場合、43,210/45,678=94.6%が求まる。
平均遊技時間=該当する機種IDの遊技機1の全てを対象とした遊技時間の平均を示す。
絶対消費点数=平均消費点数/平均遊技時間(1遊技時間あたりの平均消費点数)を示す。例えば機種ID「1」の場合、45,628/{(9×60+31)/60}=4800が求まる。
【0038】
(3)遊技機購入履歴データ(図6参照)
管理装置6は、遊技機1の購入履歴を記録する都度、遊技機購入履歴データを管理サーバ8へ送信する。遊技機購入履歴データは、日付、機種、台数、単価、合計費用をレコード単位とする。各項目は以下の通りである。
【0039】
日付=遊技場内に設置し、稼動を開始した日を示す。
機種=購入した機種を示す。
台数=購入した台数を示す。
単価=購入した遊技機1の単価を示す
合計費用=単価×台数を示す。例えば機種「パチンコA」の場合、400,000×10=4,000,000が求まる。
【0040】
(4)遊技機利益データ(図7参照)
管理装置6は、遊技機利益一覧データを作成して管理サーバ8へ送信する。遊技機利益一覧データは、台数、入替台数、遊技機費用(累計)、遊技機費用(日/台)、台粗利、遊技機利益、遊技時間、遊技時間粗利、売上、利益率、入替回転率をレコード単位とする。図7は、例えば店舗「AAA」について、対象期間を「2022年4月1日~2022年6月30日」とし、対象日数を「91日」とした場合を例示している。各項目は以下の通りである。
【0041】
台数=店舗「AAA」の設置台数を示す。
入替台数=対象期間において入れ替えた台数を示す(所定の対象期間において遊技場が新規導入した遊技機の台数を入替台数として算出する)。
遊技機費用(累計)(購入費用に相当する)=対象期間において入れ替えた全ての遊技機の合計費用であり、入替台数×単価を示す(所定の対象期間において遊技場が購入した全ての遊技機の購入費用を算出する)。この場合、190×400,000=76,000,000が求まる。
遊技機費用(日/台)=遊技機1台の1日あたりの費用であり、遊技機費用(累計)/対象日数/台数を示す。この場合、76,000,000/91/700=1,193が求まる(購入費用を対象期間における日数及び遊技機の設置台数で除算することにより、遊技機1台の1日あたりの遊技機費用を算出する)。
台粗利(粗利益に相当する)=遊技機1台あたりの売上金額-景品金額(獲得点数×単価)を示す。獲得点数=売上点数+付与点数-消費点数であり、単価=4円である(遊技機1台あたりの売上金額から景品金額を減算した粗利益を算出する)。この場合、2,500を算出している。
遊技機利益=台粗利-遊技機費用(日/台)を示す。この場合、2,500-1,193=1,307が求まる(粗利益から遊技機費用を減算することにより、遊技機1台の1日あたりの遊技機利益を算出する)。
遊技時間=遊技機1台あたりの遊技時間を示す。この場合、3時間45分を算出している。
遊技時間粗利=台粗利/遊技時間を示す。この場合、2,500/{(3×60+45)/60}=667が求まる。
売上=遊技機1台あたりの売上金額を示す。この場合、16,000を算出している。
利益率=台粗利/売上を示す。この場合、2,500/16,000=15.6%が求まる。
入替回転率=入替台数/台数を示す。(全ての遊技機の総台数に対する入替台数の割合を入替回転率として算出する)。この場合、190/700=27.1%が求まる。
【0042】
次に、管理サーバ8が管理する店舗別遊技機利益一覧データについて図8を参照して説明する。
管理サーバ8は、例えば店舗「AAA」、「BBB」、「CCC」を含む複数の店舗の管理装置6から遊技機利益データを受信する。管理サーバ8は、複数の店舗の管理装置6から遊技機利益データを受信すると、図8に示すように、その受信した遊技機利益データを集計して店舗毎の店舗別遊技機利益一覧データを作成する(遊技機利益、遊技機利益の順位に関する情報、遊技機費用、粗利益、入替台数、入替回転率を含む一覧データを作成する)。この場合、管理サーバ8は、ランクの項目を付与すると共に、各項目の並び順を、左から順に、店舗、台数、ランク、遊技機利益、台粗利、遊技機費用(日/台)、遊技時間、遊技時間粗利、売上、利益率、入替台数、入替回転率、遊技機費用(累計)とする。
【0043】
ランクは、遊技機利益のランクを示し、各店舗の遊技機利益を順位付けする指標であり、上位から10%ずつ区切った「10」~「1」のランクを示す。例えば店舗「AAA」の遊技機利益が上位から「20%~30%」の区分に属していると仮定すると、上位から3番目の「8」を付与し、例えば店舗「BBB」の遊技機利益が上位から「30%~40%」の区分に属していると仮定すると、上位から4番目の「7」を付与する。
【0044】
又、管理サーバ8は、企業全体のデータと業界平均のデータとを同時に作成して店舗別遊技機利益一覧データに含め、店舗別遊技機利益一覧データを各店舗の管理装置6へ送信する。企業全体のデータは、該当する一つの企業が管理する複数の店舗を対象とする指標であり、台数、入替台数及び遊技機費用(累計)の項目が合計値を示し、それ以外の項目が平均値を示す。業界平均のデータは、複数の企業を対象とする指標であり、全ての項目が平均値を示す。
【0045】
管理装置6は、管理サーバ8から店舗別遊技機利益一覧データを受信すると、図9に示すように、自店舗が属する企業名、対象期間及び対象日数と共に、その受信した店舗別遊技機利益一覧データにより特定される店舗別遊技機利益一覧をモニタ6aに表示する。この場合、店舗別遊技機利益一覧に表示される企業名は例えば「○○ホールディングス」であり、対象店舗は例えば店舗「AAA」、「BBB」、「CCC」である。管理装置6は、店舗別遊技機利益一覧を印字出力することも可能である。遊技場の管理者は、この店舗別遊技機利益一覧を確認することにより、自企業が経営する全ての店舗の遊技機利益を把握することができる。
【0046】
尚、以上は、台粗利、遊技時間、売上を管理装置6が算出する場合を例示したが、台粗利、遊技時間、売上を管理サーバ8が算出しても良く、その場合、図7に示した遊技機利益データを管理サーバ8が作成しても良い。又、各遊技場の管理装置6が算出する項目と管理サーバ8が算出する項目とを分散し、各遊技場の管理装置6と管理サーバ8とが協調して遊技機利益データや店舗別遊技機利益一覧データを作成しても良い。更に、管理装置6にて表示される店舗別遊技機利益一覧において、各項目の並び順はどのような並び順で良い。
【0047】
以上に説明した本実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
遊技場用管理システムにおいて、遊技場が購入した全ての遊技機1の購入費用を対象期間における日数及び遊技機の設置台数で除算することにより、遊技機1台の1日あたりの遊技機費用を算出して表示するようにしたので、遊技機費用を評価基準として遊技場の日々の営業利益を適切に管理することができる。又、各店舗の遊技機費用を表示するようにしたので、各店舗の遊技機費用を比較することができ、自店の遊技機費用が店舗全体の中でどの程度であるかを相対的に評価することができる。
【0048】
遊技機1で発生した売上金額から遊技者が獲得した景品金額を減算することにより、遊技機1台の1日あたりの台粗利を算出して表示するようにしたので、台粗利を評価基準としても遊技場の日々の営業利益を適切に管理することができる。又、各店舗の台粗利を表示するようにしたので、各店舗の台粗利を比較することができ、自店の台粗利が店舗全体の中でどの程度であるかを相対的に評価することができる。
【0049】
遊技機費用及び台粗利に加え、遊技機1台の1日あたりの遊技機利益を算出して表示するようにしたので、遊技機利益を評価基準としても遊技場の日々の営業利益を適切に管理することができる。又、各店舗の遊技機利益を表示するようにしたので、各店舗の遊技機利益を比較することができ、自店の遊技機利益が店舗全体の中でどの程度であるかを相対的に評価することができる。
【0050】
遊技場の遊技機利益をランクにより順位付けして表示するようにしたので、各店舗の遊技機利益をランクにより容易に比較することができ、自店の遊技機利益が店舗全体の中でどの程度であるかを容易に評価することができる。
【0051】
更に、所定の対象期間において遊技場が新規導入した遊技機1の台数を示す入替台数、遊技場に設置される全ての遊技機1の総台数に対する入替台数の割合を示す入替回転率を算出して表示するようにしたので、入替台数、入替回転率を評価基準としても遊技場の日々の営業利益を適切に管理することができる。又、各店舗の入替台数、入替回転率を表示するようにしたので、各店舗の入替台数、入替回転率を比較することができ、自店の入替台数、入替回転率が店舗全体の中でどの程度であるかを相対的に評価することができる。
【0052】
例えば店舗「AAA」や「BBB」と、店舗「CCC」とを比較すると、店舗「CCC」では、店舗「AAA」や「BBB」よりも台粗利が少ないが、入替台数や入替回転率を低く抑え、遊技機費用(日/台)を低く抑えているので、店舗「AAA」や「BBB」と同等の遊技機利益を得ていると評価することができる。
【0053】
本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張することができる。又、例示した構成は変形例も含め、どのように組み合わせても良いし、適宜採用しない構成としても良い。
【0054】
本実施形態で説明した遊技機別データや機種別データ等は単なる例示であり、様々な種類の遊技情報を項目として作成することが可能である。例えば付与点数と消費点数との差を示す差点数、スタート回数に対する大当たり回数の割合を示す大当たり確率等を算出しても良い。
【0055】
入賞に応じて遊技点を付与する封入式のパチンコ遊技機を例示したが、遊技機はこれに限定されることなく、入賞に応じて遊技玉を払い出す方式のパチンコ遊技機であっても良い。又、パチスロ遊技機やジャン玉遊技機等であっても良い。遊技に使用される遊技価値は、電子データとして扱われる得点の他、実体のある玉やメダル等が相当する。
【符号の説明】
【0056】
図面中、1は遊技機、6は管理装置(遊技場管理装置、粗利益算出手段、購入費用算出手段、遊技機費用算出手段、遊技機利益算出手段、粗利益算出手段、入替台数算出手段、入替回転率算出手段)、8管理サーバである。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
図9