(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178687
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】現像剤収容体及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/12 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
G03G21/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097019
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】栗原 一晃
【テーマコード(参考)】
2H134
【Fターム(参考)】
2H134GA01
2H134GB02
2H134HD00
2H134JA02
2H134JA07
2H134JC02
2H134KH07
2H134KH12
(57)【要約】
【課題】現像剤を収容するため、画像形成装置本体に対して着脱自在に装着される現像剤収容体があるが、トナー導入口を開閉する開閉部材の開閉動作に伴って、現像剤による汚れが発生するという問題があった。
【解決手段】画像形成装置1の画像形成部から排出される廃トナーを排出するためのトナー排出ダクト41を水平方向に受け入れ可能な開口部51bと、トナー排出ダクト41から排出される廃トナー18を鉛直下方に導入する開口63aと、開口63aから導入される廃トナー18を収容する廃トナー収容部51fと、開口63aを、塞ぐ閉位置と開放する開位置との間で移動自在な廃トナーシャッタ61とを有し、廃トナーシャッタ61は、開口63aを閉じる下部平面61hを有し、下部平面61hは、廃トナーシャッタ61が開位置から閉位置まで移動する間に、少なくとも鉛直下方において移動する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を排出するための排出部を内部に受け入れ可能な現像剤収容体であって、
前記排出部を第1の方向に受け入れ可能な受入口と、
前記排出部から排出される前記現像剤を前記第1の方向に対して交差する第2の方向に導入する導入口と、
前記導入口から導入される前記現像剤を収容する現像剤収容部と、
前記導入口を塞ぐ閉位置と、前記導入口を開放する開位置との間で移動自在な開閉部材と
を有し、
前記開閉部材は、前記導入口を閉じる遮蔽面を有し、
前記遮蔽面は、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置まで移動する間に、少なくとも前記第2の方向において移動することを特徴とする現像剤収容体。
【請求項2】
前記導入口は、自身が該導入口の一部となる開口が形成されたシール部材によって囲まれ、前記開閉部材が前記開位置から閉位置まで移動する間において、前記遮蔽面が前記シール部材に当接する位置が前記閉位置であることを特徴とする請求項1記載の現像剤収容体。
【請求項3】
前記遮蔽面は、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置まで移動する間に、前記現像剤収容部に近づく方向に移動することを特徴とする請求項1又は2記載の現像剤収容体。
【請求項4】
前記開閉部材は、回動軸を中心に回動自在であり、
前記回動軸は、前記第1の方向及び前記第2の方向の双方向に対して略垂直に延在することを特徴とする請求項1記載の現像剤収容体。
【請求項5】
前記開閉部材は、前記排出部を前記内部に受け入れた場合に、前記閉位置から前記開位置まで回動し、前記第2の方向からみたときの、前記導入口が形成される領域内において、前記排出部を介した前記導入口とは反対側で前記排出部に当接することを特徴とする請求項4記載の現像剤収容体。
【請求項6】
前記導入口は、自身が前記導入口の一部となる開口が形成されたシール部材によって囲まれ、
前記遮蔽面における、前記開閉部材を閉じる方向の端部から前記回動軸までの距離をR1とし、前記開口の前記受入口側の縁部から前記回動軸までの距離をR2としたとき、
R1<R2
を満たすことを特徴とする請求項4記載の現像剤収容体。
【請求項7】
前記導入口が形成されて、前記現像剤収容部と連続する内部空間を有する筐体を備え、
前記開閉部材は、前記閉位置にある場合に前記筐体に設けられた被係合部と係合する係合部を有し、
前記係合部と前記被係合部とは、前記開閉部材が前記閉位置にある場合に、少なくとも前記第2の方向において対向することを特徴とする請求項4記載の現像剤収容体。
【請求項8】
前記係合部は、前記回動軸を中心とする所定の半径の円弧に沿って形成され、前記被係合部は、中心が前記回動軸からずれた前記所定の半径の円弧に沿って形成されたことを特徴とする請求項7記載の現像剤収容体。
【請求項9】
前記遮蔽面は、前記開閉部材が前記閉位置にある場合に、前記導入口に嵌入する凸部を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の現像剤収容体。
【請求項10】
付勢部材を備え、
前記開閉部材は、前記付勢部材によって前記開位置から前記閉位置に向かう方向に付勢されていることを特徴とする請求項1又は2記載の現像剤収容体。
【請求項11】
前記排出部は、画像形成部から廃棄される廃棄現像剤を排出するとともに、
請求項1又は2に記載の現像剤収容体を着脱自在に備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に現像剤を収容する現像剤収容体を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現像剤を排出するための排出部を受け入れる受入口と、受け入れた排出部から排出される現像剤を現像剤収容部に導入する導入口と、導入口を開閉可能な開閉部材とを備えた現像剤収容体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-85894号公報(第11頁、
図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、開閉部材の開閉に伴って、現像剤による汚れが発生する場合があるという問題があった。本発明は、この汚れを低減できる現像剤収容体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による現像剤収容体は、現像剤を排出するための排出部を内部に受け入れ可能な現像剤収容体であって、
前記排出部を第1の方向に受け入れ可能な受入口と、前記排出部から排出される前記現像剤を前記第1の方向に対して交差する第2の方向に導入する導入口と、前記導入口から導入される前記現像剤を収容する現像剤収容部と、前記導入口を塞ぐ閉位置と、前記導入口を開放する開位置との間で移動自在な開閉部材とを有し、
前記開閉部材は、前記導入口を閉じる遮蔽面を有し、前記遮蔽面は、前記開閉部材が前記開位置から閉位置まで移動する間に、少なくとも前記第2の方向において移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の現像剤収容体によれば、開閉部材が閉位置に移動する際に、導入口の周辺に付着する現像剤が外部に漏れて汚れが生ずるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明による現像剤収容体を備えた画像形成装置の要部構成を示す要部構成図である。
【
図2】現像装置の要部構成を示す要部構成図である。
【
図3】画像形成装置本体に対して、着脱可能な廃トナーボックスの装着、或いは取り出し時の一過程を示す外観斜視図である。
【
図4】廃トナーボックス単体を斜め下方からみた外観斜視図である。
【
図5】画像形成装置本体に装着された状態の廃トナーボック単体を斜め上方からみた外観斜視図である。但し、内部構成を示すため背面と反対側の前面を除いた状態となっている。
【
図6】
図5に示す開閉機構部の周辺を部分拡大した部分拡大図であり(a)は廃トナーシャッタが閉じた状態を示し、(b)は廃トナーシャッタが開いた状態を示す。
【
図7】廃トナーシャッタの幅方向(矢印X方向)の略中心部を含む開閉機構部の断面図であり、(a)は廃トナーシャッタが閉じた状態を示し、(b)は廃トナーシャッタが開いた状態を示す。
【
図8】廃トナーシャッタの回動軌跡とこの回動中心からシールスポンジの開口までの距離の関係についての説明に供する動作説明図である。
【
図9】廃トナーボックスが画像形成装置本体に装着された状態での、廃トナーシャッタの動作についての説明に供する動作説明図である。
【
図10】廃トナーシャッタに形成された係合突起と、廃トナー受入部に形成された被係合突起との関係についての説明に供する動作説明図である。
【
図11】変形例1の開閉機構部の構成を示す断面図であり、(a)は廃トナーシャッタが閉位置にある状態を示し、(b)は廃トナーシャッタが開位置にある状態を示している。
【
図12】変形例2の開閉機構部の要部構成を示す断面図であり、(a)は、廃トナーボックスが画像形成装置本体に装着された状態を示し、(b)は、廃トナーボックスが画像形成装置本体から外された単独の状態を示す。
【
図13】変形例3の開閉機構部の要部構成を示す断面図であり、(a)、(b)、(c)は、それぞれ廃トナーボックスが画像形成装置本体に装着される過程を示す。
【
図14】変形例4の開閉機構部の要部構成を示す断面図であり、(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ廃トナーボックスが画像形成装置本体に装着される過程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明による現像剤収容体を備えた画像形成装置1の要部構成を示す要部構成図である。
【0009】
同図において、搬送ローラ30a~30eは、装置内の下部に積層した状態で置かれる印刷媒体としての記録用紙28を、同図中に点線で示す搬送経路に沿って一枚ずつ矢印方向に搬送する。現像装置10は、搬送経路に沿って配設されている。
【0010】
ここで、現像装置10の構成について
図2を参照しながら説明する。
図2は、現像装置10の要部構成を示す要部構成図である。
【0011】
図2において、トナー18は、結着樹脂と内部添加剤として帯電制御剤、離型剤、着色剤、外部添加剤によって構成され、現像剤は、トナー18とキャリア17とを適切に混合したものである。静電担持体としての感光体ドラム11は、導電性支持体と光導電層によって構成され、導電性支持体としてのアルミニウムの金属パイプに、光導電層としての電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した有機系感光体であり、駆動のための図示しないギアを備えている。
【0012】
帯電装置としての帯電ローラ12は、金属シャフトに半導電性エピクロロヒドリンゴム層を被覆したものであり、露光装置としてのLEDヘッド13は、感光体ドラム11に対向して配設され、現像剤担持体としての現像スリーブ14は、内部に磁性体を有し、駆動のための図示しないギアを備えている。薄層形成器としてのドクターブレード16は、金属製であり、現像剤攪拌及び搬送部材としての攪拌及び搬送スパイラル21a,21bは、同じく駆動のための図示しないギアを備えている。
【0013】
クリーニングブレード15はウレタンゴム製であり、廃トナー搬送スパイラル25は、クリーニングブレード15で掻き落としたトナー18を後述する廃トナー収容部51f(
図5)へと搬送する。現像剤を収容する現像剤カートリッジ19から供給される現像剤は、トナー搬送経路を通過する際にアジテータ23によって攪拌され、トナーとキャリアの混合比が略一定となる。帯電ローラ清掃ローラ20は、帯電ローラ12に付着した外添剤などの付着物を除去する。
【0014】
図1において、転写ローラ31は、現像装置10の感光体ドラム11に対向して配設され、感光体ドラム11と共に、搬送経路を搬送される記録用紙28を挟持し、後述するように、感光体ドラム11に形成されたトナー画像を記録用紙28に転写し、且つ記録用紙28を下流に送り出す。この転写ローラ31は、金属シャフトにウレタンスポンジ層を被覆したものである。定着手段としての定着装置33は、加熱及び加圧によって、記録用紙28に転写されたトナー18を融着して定着させ、スタッカ部32は、印刷されて装置内から排出される記録用紙28を載置する。
【0015】
尚、
図1の画像形成装置1は、水平面上に載置されているものとし、感光体ドラム11の回転軸方向をY方向とし、水平面と平行で且つ感光体ドラム11の回転軸方向と直交する方向をX方向とし、これら両軸と直交する方向をZ方向としている。また、後述する他の図においてX、Y、Zの各方向が示される場合、これらの方向は、共通する方向を示すものとする。即ち、各図のXYZ方向は、各図の描写部分が、
図1に示す画像形成装置1を構成する際の配置方向を示している。従って、ここではZ方向が鉛直方向となる。
【0016】
次に、画像形成装置の印刷動作について
図1及び
図2を参照しながら説明する。
【0017】
図示せぬ上位装置、例えばパーソナルコンピュータ等から印刷命令が入力されると、画像形成装置1の印刷制御部が駆動制御部を介して図示しない駆動モータを駆動し、感光体ドラム11を矢印B方向に一定周速度で回転する。感光体ドラム11の回転を図示しないギア列によって伝達することにより、現像スリーブ14が矢印C方向に、攪拌及び搬送スパイラル21aが矢印E方向に、攪拌及び搬送スパイラル21bが矢印A方向に、そして帯電ローラ12が矢印D方向にそれぞれ回転駆動される。
【0018】
感光体ドラム11の表面に接触もしくは圧接して設けられた帯電ローラ12に電圧を印加し、感光体ドラム11の表面を一様均一に帯電させる。次にLEDヘッド13によって、画像信号に対応した光を感光体ドラム11に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、現像スリーブ14によってトナー18を付着させて現像する。
【0019】
一方、記録用紙28が搬送ローラ30a、30b、及び30cにより搬送されて転写部へと送られる。感光体ドラム11に対向して配置され、転写電圧が印加された転写ローラ31は、矢印H方向に回転し、感光体ドラム11上に形成されたトナー像を記録用紙28上に転写する。記録用紙28は、更に定着装置33に搬送され、加熱及び加圧によって溶融したトナー18がその繊維間に浸透し、定着が行われる。定着された記録用紙28は、搬送ローラ30d、30eにより画像形成装置1の外部のスタッカ部32へ送出される。
【0020】
また、感光体ドラム11には、記録用紙28へ転写仕切れなかった若干量の転写残トナー、非印刷部へ付着したカブリトナー、更に現像装置10が複数直列に配置されている場合には、トナー18が下流に配接した現像装置によって回収されてしまう逆転写トナー等のトナー残留があるが、この残留したトナー(以後、廃トナーと称す)18は、クリーニングブレード15によって除去され、廃トナー搬送スパイラル25によって後述するトナー排出ダクト41(
図4)内で搬送され、現像剤としての廃トナー18として廃トナーボックス51(
図4)へ格納される。このようにして感光体ドラム11は繰り返し利用される。
【0021】
尚、ここでは、現像装置10と転写ローラ31が現像剤としての廃トナー18を廃棄する画像形成部に相当する。しかしながら、現像装置10が複数直列に配置されたタンデム型の画像形成装置では、転写部として転写ローラ31の他に転写ベルトを備えたものが知られている。このような構成の画像形成装置の場合、転写ベルトに付着する廃トナーを除去して廃棄するので、転写ベルトを備える転写部と複数の現像装置とが画像形成部に相当するものである。
【0022】
図3は、画像形成装置1本体に対して、着脱可能な現像剤収容体としの廃トナーボックス51の装着、或いは取り出し時の一過程を示す外観斜視図であり、
図4は、廃トナーボックス51単体を斜め下方からみた外観斜視図である。尚、上記したように、例えば画像形成装置1の廃トナーボックス51等のように、着脱可能な或いは可動な構成要素の個々に対して、その構成要素を除いた部分を装置本体と称す場合がある。
【0023】
廃トナーボックス51は、画像形成装置1本体に装着されているとき、装置内部において矢印Y方向に突き出た排出部としてのトナー排出ダクト41の先端部が、廃トナーボックス51の背面51aに形成された受入口としての開口部51bに嵌入した状態で画像形成装置1の収容部2に収容され、パネル3が閉じられた状態となっている。
【0024】
この時、廃トナーボックス51の背面51aの下部に形成された一対の係合凹部51c,51dが画像形成装置1の収容部2内に形成された図示しない係合凸部と嵌合して位置決めされ、背面51aが、画像形成装置1本体の図示しない当接部に当接してX-Z面に平行な垂直状態を保つように配置される。
【0025】
尚、トナー排出ダクト41は、廃トナー搬送スパイラル25、或いは廃トナー搬送スパイラル25に連結した搬送スパイラルを備え、その先端部に向けて搬送されてくる廃トナー18を、後述するようにトナー排出口41a(
図7(a))から排出する。
【0026】
図5は、画像形成装置1本体に装着された状態の廃トナーボックス51単体を斜め上方からみた外観斜視図である。但し、内部構成を示すため背面51aと反対側の前面51g(
図8参照)を除いた状態となっている。
【0027】
同図に示すように、廃トナーボックス51の内部は、上下方向(矢印Z方向)の略中央部で水平に延在する隔壁部53によって、上半部と下半部とに分かれている。上半部の機構収納部51eには、後述するようにトナー排出ダクト41から排出される廃トナー18を受け入れる廃トナー受入口55aを開閉する開閉機構部52が配設され、下半部の現像剤収容部としての廃トナー収容部51fは、廃トナー受入口55aから受け入れた廃トナー18を最終的に収容する。
【0028】
開閉機構部52の、直方体状に形成され筐体としての廃トナー受入部55には、後述するようにその上面に廃トナー受入口55aが形成され、底面部には、下部の廃トナー収容部51fに通じる廃トナー通過孔55bが形成されている。従って、廃トナー受入口55aに入った廃トナー18は、そのまま廃トナー収容部51fに落下する。
【0029】
図6は、
図5に示す開閉機構部52の周辺を部分拡大した部分拡大図であり、同図(a)は廃トナーシャッタ61が閉じた状態を示し、同図(b)は廃トナーシャッタ61が開いた状態を示す。また
図7は、廃トナーシャッタ61の幅方向(矢印X方向)の略中心部を含む開閉機構部52の断面図であり、同図(a)は廃トナーシャッタ61が閉じた状態を示し、同図(b)は廃トナーシャッタ61が開いた状態を示す。
【0030】
これらの
図6、
図7に示すように、開閉部材としての廃トナーシャッタ61は、断面L字状に形成された主蓋部61a及び副蓋部61bを有し、主蓋部61a及び副蓋部61bの各両側において各側部間に形成された一対の補強面61c、61dが形成され、更に主蓋部61aの側部からは、副蓋部61bとは反対側において、主蓋部61aを介して対向するように一対の側腕部61e,61fが形成されている。副蓋部61bの先端部には、主蓋部61a及び副蓋部61bの各面と略平行な方向に延在する回動軸61gが配設されている。従って、この回動軸61gは、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着された状態では矢印X方向と略平行になる。
【0031】
廃トナーボックス51の背面51aの内側(
図5参照)には、廃トナーシャッタ61の回動軸61gを、その両端部で回動自在に支持する一対の軸支持部51h、51iが形成されている。そして、例えば廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着された状態では、これ等一対の軸支持部51h、51iが回動軸61gを、矢印X方向と略平行に、且つ廃トナーシャッタ61が閉じた状態となる後述する閉位置にあるとき、主蓋部61aの遮蔽面としての下部平面61hが廃トナー受入部55の上部面(X-Y平面と平行)と平行となる位置で回動自在に支持する。
【0032】
各図に示すように、回動軸61gが遊嵌するように配設された圧縮コイルスプリング62は、その両端が廃トナーボックス51の背面51aと廃トナーシャッタ61間に架けられ、廃トナーシャッタ61を閉じる方向に付勢する。
【0033】
廃トナー受入部55の上面には、廃トナー受入口55aを含んだシールスポンジ載置面が、段部を境にして形成され、このシールスポンジ載置面には、板状のシール部材としてのシールスポンジ63が接着配備されている。またこのシールスポンジ63には、X-Y平面上で、廃トナー受入口55aと同じ位置で同じ大きさの開口63aが形成されている。尚、ここでは廃トナー受入口55aとシールスポンジ63の開口63aとが導入口に相当するが、シールスポンジ63がない場合には廃トナー受入口55aが導入口に相当する。
【0034】
廃トナーシャッタ61の一対の側腕部61e,61fには、対向する位置に、円弧上に形成された一対の係合部としての係合突起61i,61jが形成され、廃トナー受入部55の対向する一対の側面55c、55dには、後述するように、廃トナーシャッタ61が後述する閉位置にあるとき、係合突起61i,61jとそれぞれ係合する被係合部としての被係合突起55e,55fが形成されている。尚、被係合突起55fは図示していない。
【0035】
次に、画像形成装置1本体に対して、廃トナーボックス51を着脱する際の動作について説明する。
【0036】
図6(a)及び
図7(a)は、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体から外された単独での開閉機構部52の状態に相当し、
図6(b)及び
図7(b)は、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着されたときの開閉機構部52の状態に相当する。
【0037】
廃トナーボックス51は、画像形成装置1本体から外されると、圧縮コイルスプリング62によって閉じる方向に付勢された廃トナーシャッタ61は、主蓋部61aの下部平面61hがシールスポンジ63の上面に対して、略平行となると同時に当接又は圧接した状態となってシールスポンジ63の開口63aを塞ぐ。本実施の形態では、廃トナーシャッタ61のこの回動位置を閉位置と称す場合がある。
【0038】
廃トナーシャッタ61が閉位置にあるとき、その副蓋部61bは、廃トナーボックス51の背面51aに形成された開口部51bに対峙し、外部から内部を臨めないようにしている。ここでは、回動軸61gが、矢印X方向と略平行に構成されているが、例えば回動軸61gが傾くことによって、開閉位置にある廃トナーシャッタ61とシールスポンジ63の開口63a間にトナーもれの要因となる隙間が生じたり、外部からみた副蓋部61bに顕著な傾きを感じさせない範囲で、矢印X方向と平行度を保つことが望ましい。
【0039】
廃トナーボックス51は、操作者により、例えば
図3に示すように、画像形成装置1の収容部2の近傍に持って来られた後、トナー排出ダクト41と略垂直な状態で収容部2に押し込まれると、トナー排出ダクト41が廃トナーボックス51の背面51aに形成された開口部51bから第1の方向としての矢印Y方向に嵌入し、背面51aの下部に形成された一対の係合凹部51c,51d(
図4参照)が画像形成装置1本体内に形成された図示しない係合凸部と嵌合して位置決めされ、背面51aが、画像形成装置1本体の図示しない当接部に当接してX-Z面に平行な垂直状態を保つように配置される。
【0040】
この過程で、廃トナーボックス51の内部では、
図7(a)に示すトナー排出ダクト41が相対的に右方向(矢印Y方向)に移動して開口部51bから内部に入り、廃トナーシャッタ61の副蓋部61bに当接する。更にシールスポンジ63の上面を摺動しながら同方向に移動し、廃トナーシャッタ61を付勢に抗して上方に押し上げる。この時、廃トナーシャッタ61は、回動軸61gを中心に矢印L方向(反時計回り)に回動し、その稜部61kがトナー排出ダクト41の上面に当接し、トナー排出ダクト41が更に右方向移動を続ける間、この上面を摺動しながら押圧する。この時の廃トナーシャッタ61の回動位置を以後開位置と称す場合がある。
【0041】
トナー排出ダクト41は、更なる同方向移動により、
図7(b)に示すように、やがてその先端部が廃トナーボックス51の前面51gに当接し、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着された状態となる。トナー排出ダクト41には、この状態において、廃トナー受入部55の廃トナー受入口55a及びシールスポンジ63の開口63aに対向するトナー排出口41aが形成されている。
【0042】
このトナー排出口41aは、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着されていない場合、トナー排出ダクト41内に配設されたシャッタ42によって閉じられている。シャッタ42は、トナー排出ダクト41の内部で摺動可能な断面コ字状の円筒形状を有し、図示しない付勢手段により、
図7(a)に示すようにトナー排出ダクト41の先端部に当接するように付勢されている。この状態で、トナー排出口41aは、シャッタ42の側面によって閉じられている。
【0043】
シャッタ42は、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着される過程で、トナー排出ダクト41の先端部に形成された貫通孔41bから嵌入する、廃トナーボックス51の前面51gに形成された押圧突起51jによって押され、
図7(b)に示すようにシャッタ42の側面に形成された開口42aがトナー排出ダクト41のトナー排出口41aと合致する位置まで押し戻される。
【0044】
これにより、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着された段階で、トナー排出ダクト41のトナー排出口41aが開き、ここまで廃トナー搬送スパイラル25(
図2)によって搬送されてきた内部の廃トナー18が、トナー排出口41aから、第2の方向としての鉛直下方に落下して廃トナーボックス51の廃トナー受入部55内に落下し、更に廃トナー通過孔55b(
図5)を経て廃トナー収容部51f内に収容されることが可能となる。
【0045】
一方、廃トナーボックス51が外される場合には、例えば
図7(b)から
図7(a)の状態に、廃トナーボックス51が移動することになる。従って、この移動過程において、トナー排出ダクト41のトナー排出口41aはシャッタ42によって塞がれ、廃トナーシャッタ61は、矢印M方向(時計回り)に回動して閉位置に戻って廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aを閉じる。
【0046】
ここで、廃トナーシャッタ61の回動軌跡とこの回動中心からシールスポンジ63の開口63aまでの距離の関係について説明する。
図8は、この説明に供する動作説明図である。
【0047】
図8に示すように、ここで、廃トナーシャッタ61の開位置から閉位置までの回動で、シールスポンジ63に当接する可能性のある個所は、廃トナーシャッタ61の稜部61kであり、この稜部61kの回動半径をR1とし、廃トナーシャッタ61の回動中心からシールスポンジ63の開口63aの背面51aに近い方の縁までの距離をR2としたとき、
R1<R2 ・・・(1)
となるように構成している。
【0048】
前記したような、画像形成装置1本体に対する廃トナーボックス51の着脱を行うと、トナー排出ダクト41のトナー排出口41aの周囲に付着した廃トナー18が、シールスポンジ63の開口63aの周囲に付着する。開口63aの周囲に付着した廃トナー18は、廃トナーシャッタ61の閉位置に向かう矢印M方向の回動によって、場合によっては背面51aの開口部51bから外部に押しやられることとなる。
【0049】
しかしながら、ここでは上不等式(1)に基づいて構成されているため、廃トナーシャッタ61の稜部61kが、廃トナー18が付着した開口63aの周囲よりも背面51aに近い位置でシールスポンジ63と当接することになる。従って、廃トナーシャッタ61は、開口63aの周囲の廃トナー18を擦ることなく閉位置に至るため、廃トナー18が背面51aの開口部51bから外部に漏れ出るのを防止することができる。実際には、
図7(a)に示すように、廃トナーシャッタ61が閉位置にあるとき、その下部平面61hが、シールスポンジ63の上面と平行になって当接或いは僅かに圧接するように配置するのが好ましい。
【0050】
次に、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着された状態での、廃トナーシャッタ61の動作について説明する。
図9は、この説明に供する動作説明図である。
【0051】
図9に示すように、この状態で、廃トナーシャッタ61は、その稜部61kがトナー排出ダクト41の上部に当接して開位置を保っている。ここでは、稜部61kとトナー排出ダクト41の上部との当接位置が、廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aの鉛直上方となるように構成されている。
【0052】
この場合、圧縮コイルスプリング62の付勢により廃トナーシャッタ61が、廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aの鉛直上方でトナー排出ダクト41を押圧するため、トナー排出ダクト41のトナー排出口41aとシールスポンジ63の開口63aとの密着性を高めることができる。
【0053】
次に、廃トナーシャッタ61に形成された係合突起61i,61jと、廃トナー受入部55に形成された被係合突起55e,55fとの関係について説明する。
図10は、この説明に供する動作説明図である。尚、係合突起61iと被係合突起55e、及び係合突起61jと被係合突起55fは、
図6に示すように(被係合突起55fは図示されていない)、互いに対向する位置にあって、同様の作用をするように構成されているため、ここでは、係合突起61iと被係合突起55eの関係のみを説明する。
【0054】
図10では、開位置にある廃トナーシャッタ61を実線で示し、閉位置ある廃トナーシャッタ61を点線で示している。同図に示すように、廃トナーシャッタ61の側腕部61eには、その回動中心から半径rの位置に、半径rの第1の円71の円弧に略沿った係合突起61iが形成されている。
【0055】
一方廃トナー受入部55には、廃トナーシャッタ61の回動中心からやや斜め下方(左下)にずれた仮想中心70を中心とする第2の円72の円弧に沿った被係合突起55eが形成されている。第1の円71と第2の円72とは、2箇所で交錯するが、被係合突起55eは、仮想中心70よりも右下で交錯する交錯点を中心に形成されている。
尚、仮想中心70は、例えば廃トナーシャッタ61が閉位置にあるときに係合突起61iが存在する領域内に交錯点が生じるように設定されるものとする。
【0056】
以上の構成により、廃トナーシャッタ61が閉位置(点線で示す)に至ると、係合突起61iと被係合突起55eとが圧接することが可能となる。この圧接は、圧縮コイルスプリング62による付勢と共に、廃トナーシャッタ61によって廃トナー受入口55aを塞ぐ際の密閉性を高め、廃トナーシャッタ61の閉位置での安定性を高めることができる。またここで生じる圧接力は、廃トナーシャッタ61の回動中心方向に働くため、これ等の効果を効率よく得ることができる。
【0057】
変形例1.
図11は、変形例1の開閉機構部52の構成を示す断面図であり、同図(a)は廃トナーシャッタ61が閉位置にある状態を示し、同図(b)は廃トナーシャッタ61が開位置にある状態を示している。
【0058】
これらの図から明らかなように、この変形例1では、廃トナーシャッタ61の下部平面61hに、閉位置にあるときに廃トナー受入部55の上面に配備されたシールスポンジ63の開口63aと勘合する凸部81が形成されている。廃トナーシャッタ61が閉じるときにこの凸部81がシールスポンジ63の開口63aに嵌入することにより、廃トナーシャッタ61によって廃トナー受入口55aを塞ぐ際の密閉性をより高めることができる。
【0059】
変形例2.
図12は、変形例2の開閉機構部の要部構成を示す断面図であり、同図(a)は、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着された状態を示し、同図(b)は、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体から外された単独の状態を示す。
【0060】
図12に示すように、変形例2では、廃トナーシャッタ102が、廃トナーボックス51の廃トナー受入部55の上部に位置して矢印X方向に延在する回動軸101によって回動自在に保持されている。この回動軸101は、廃トナー受入口55aを介して、トナー排出ダクト41が入り込む開口部51bとは反対側に配設されている。廃トナーシャッタ102は、回動軸側にある蓋部102aと、この蓋部102aから連続して断面がく字状に曲がって形成された当接部102bとからなり、図示しない付勢手段によって閉じる方向に付勢されているものとする。
【0061】
廃トナーシャッタ102は、
図12(b)に示すように、廃トナーボックス51が単独の状態では、その蓋部102aが、廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aを塞ぎ、その当接部102bが、トナー排出ダクト41が入り込む開口部51bに対向するように位置決めされる閉位置を保っている。
【0062】
従って、廃トナーボックス51が画像形成装置1に装着される過程で、相対的にトナー排出ダクト41が廃トナーボックス51に入り込むと、その先端部が当接部102bの傾斜した当接部102bに当接し、廃トナーシャッタ102を開ける方向に回動する。やがて同図(a)に示すように、廃トナーボックス51が装着状態となると、図示しないトナー排出口が廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aと対向し、廃トナーシャッタ102は開位置に至る。
【0063】
この変形例2の構成によれば、より簡単な構成により、後述する、
図11に示す実施の形態1の廃トナーボックス51と同様の効果を得ることができる。
【0064】
変形例3.
図13は、変形例3の開閉機構部の要部構成を示す断面図であり、同図(a)、(b)、(c)は、それぞれ廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着される過程を示す。即ち同図(a)は、トナー排出ダクト41が廃トナーボックス51に嵌入する直前の状態を示し、同図(b)は、トナー排出ダクト41が廃トナーボックス51に嵌入した直後の状態を示し、同図(c)は、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着された状態を示す。
【0065】
図13に示すように、変形例3では、廃トナーシャッタ111が廃トナー受入部55の上方で、上下方向にスライド移動可能に廃トナーボックス51本体によって保持されている。ここでの廃トナーシャッタ111は、断面台形状の変形した直方体であって、廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aに対向する下面111aとこの下面111aから廃トナーボックス51の背面51aに対向する側面にかけて、開口部51bに対向するように形成された傾斜面111bとを有する。この傾斜面111bは、Y-Z平面と垂直となっている。
【0066】
また廃トナーシャッタ111は、圧縮スプリング112によって、廃トナー受入部55に向かう方向に付勢され、廃トナーボックス51が単独状態では閉位置にあって、同図(a)に示すように、その下面111aが廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aを塞いでいる。
【0067】
廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着される過程で、相対的にトナー排出ダクト41が廃トナーボックス51に入り込むと、その先端が廃トナーシャッタ111の傾斜面111bに当接し、同図(b)に示すように、廃トナーシャッタ111を上方に押し上げる。やがて同図(c)に示すように、廃トナーボックス51が装着状態となると、図示しないトナー排出口が廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aと対向し、廃トナーシャッタ102は開位置を維持する。
【0068】
この変形例3の構成によれば、より簡単な構成より、後述する、
図11に示す実施の形態1の廃トナーボックス51と同様の効果を得ることができる。
【0069】
変形例4.
図14は、変形例4の開閉機構部の要部構成を示す断面図であり、同図(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着される過程を示す。即ち同図(a)は、トナー排出ダクト41が廃トナーボックス51に嵌入する直前の状態を示し、同図(b)は、トナー排出ダクト41が廃トナーボックス51に嵌入した直後の状態を示し、同図(c)は、廃トナーシャッタ121が斜め上方に移動する段階の状態を示し、同図(d)は、廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着された状態を示す。
【0070】
図14に示すように、変形例4では、廃トナーシャッタ121が、廃トナー受入部55の上面と平行に平行移動可能に廃トナーボックス51本体によって保持され、更に圧縮スプリング122によって、背面51aに向かう方向に付勢されている。これにより廃トナーシャッタ111は、廃トナーボックス51が単独状態では同図(a)に示すように閉位置にあって背面51aに当接し、背面51aに対向する当接面121bによって開口部51bを塞ぎ、且つ下面121aによって廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aを塞いでいる。
【0071】
廃トナーボックス51が画像形成装置1本体に装着される過程で、相対的にトナー排出ダクト41が廃トナーボックス51に入り込むと、その先端が廃トナーシャッタ121の当接面121bに当接し、同図(b)に示すように、廃トナーシャッタ121が廃トナー受入部55の上面を摺動しながら背面51aに対して離間する方向に移動する。
【0072】
更にトナー排出ダクト41が入り込むと、同図(c)に示すように、廃トナーシャッタ121は、その当接面121bが廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aに至る前に斜め上方に平行移動した後、再び廃トナー受入部55の上面と平行な方向に移動する。尚、廃トナーシャッタ121が、斜め上方に平行移する位置は、後述する理由により、その当接面121bが、廃トナー受入口55aの周辺に付着する廃トナー18が存在する領域に至る前とするのが好ましい。
【0073】
同図(d)に示すように、廃トナーボックス51が装着状態となると、図示しないトナー排出口が廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aと対向し、廃トナーシャッタ102は開位置に相当する退避位置に至る。
【0074】
一方、廃トナーボックス51が外される場合には、
図14(d)から
図14(a)まで、装着時とは逆に、廃トナーボックス51が各過程を経て移動することになる。従って、この移動過程において廃トナーシャッタ121は、その当接面121bが、廃トナー受入部55の廃トナー受入口55aを超えてから、廃トナー受入部55の上面に下面121aが接した後、背面51aに向けて摺動することになる。
【0075】
従って、この変形例4によれば、
図11に示す実施の形態1の廃トナーボックス51と同様に、開口63aの周囲の廃トナー18を擦ることなく閉位置に至るため、廃トナー18が背面51aの開口部51bから外部に漏れ出るのを防止することができる。
【0076】
以上のように、本実施の形態の廃トナーボックス51によれば、シールスポンジ63の開口63a又は廃トナー受入口55aの周囲に付着する廃トナー18が、画像形成装置1本体から取り出す際に、廃トナーボックス51の外部に漏れるのを抑制できる。
【0077】
尚、上記した実施の形態では、廃棄現像剤の搬送についての例を記載したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。即ち、現像剤を収容する現像剤カートリッジとトナー搬送路とを着脱自在に構成するとき、現像剤カートリッジ側から画像形成に用いるトナーを排出する排出部を持たせ、該排出部とトナー搬送路との接続部には、本発明による廃トナー搬送のように、前記画像形成に用いるトナーの排出部を第1の方向に受け入れ可能な受入口と、前記排出部から排出される前記現像剤を前記第1の方向に対して交差する第2の方向に導入する導入口と、前記導入口を塞ぐ閉位置と、前記導入口を開放する開位置との間で移動自在な開閉部材とを設けても良い。
【0078】
また、前記した特許請求の範囲、及び実施の形態の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」といった言葉を使用したが、これらは便宜上であって、廃トナーボックス51を配置する状態における絶対的な位置関係を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
前記した実施の形態では、現像装置10が1台のモノクロプリンタを例としての画像形成装置を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、現像装置を複数有するカラーの画像形成装置にも適用可能である。また、MFP(Multi Function Printer)やファクシミリ、複写機等にも利用できる。
【符号の説明】
【0080】
1 画像形成装置、 2 収容部、 3 パネル、 10 現像装置、 11 感光体ドラム、 12 帯電ローラ、 13 LEDヘッド、 14 現像スリーブ、 15 クリーニングブレード、 16 ドクターブレード、 17 キャリア、 18 トナー、 19 現像剤カートリッジ、 20 帯電ローラ清掃ローラ、 21a 攪拌及び搬送スパイラル、 21b 攪拌及び搬送スパイラル、 23 アジテータ、 25 廃トナー搬送スパイラル、 28 記録用紙、 30a~30e 搬送ローラ、 32 スタッカ部、 33 定着装置、 41 トナー排出ダクト、 41a トナー排出口、 41b 貫通孔、 42 シャッタ、 42a 開口、 51 廃トナーボックス、 51a 背面、 51b 開口部、 51c 係合凹部、 51d 係合凹部、 51e 機構収納部、 51f 廃トナー収容部、 51g 前面、 51h 軸支持部、 51i 軸支持部、 51j 押圧突起、 52 開閉機構部、 53 隔壁部、 55 廃トナー受入部、 55a 廃トナー受入口、 55b 廃トナー通過孔、 55c 側面、 55d 側面、 55e 被係合突起、 55f 被係合突起、 61 廃トナーシャッタ、 61a 主蓋部、 61b 副蓋部、 61c 補強面、 61d 補強面、 61e 側腕部、 61f 側腕部、 61g 回動軸、 61h 下部平面、 61i 係合突起、 61j 係合突起、 61k 稜部、 62 圧縮コイルスプリング、 63 シールスポンジ、 63a 開口、 70 仮想中心、 71 第1の円、 72 第2の円、 81 凸部、 101 回動軸、 102 廃トナーシャッタ、 102a 蓋部、 102b 当接部、 111 廃トナーシャッタ、 111b 傾斜面、 112 圧縮スプリング、 121 廃トナーシャッタ、 121a 下面、 121b 当接面、 122 圧縮スプリング。