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特開2024-178689取付部材、シート定着装置およびシート止め材の取付方法
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  • 特開-取付部材、シート定着装置およびシート止め材の取付方法 図1
  • 特開-取付部材、シート定着装置およびシート止め材の取付方法 図2
  • 特開-取付部材、シート定着装置およびシート止め材の取付方法 図3
  • 特開-取付部材、シート定着装置およびシート止め材の取付方法 図4
  • 特開-取付部材、シート定着装置およびシート止め材の取付方法 図5
  • 特開-取付部材、シート定着装置およびシート止め材の取付方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178689
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】取付部材、シート定着装置およびシート止め材の取付方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/14 20060101AFI20241218BHJP
   A01G 13/02 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
A01G9/14 P
A01G9/14 M
A01G13/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097022
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000221568
【氏名又は名称】東都興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(72)【発明者】
【氏名】窪田 亮
【テーマコード(参考)】
2B024
2B029
【Fターム(参考)】
2B024EC05
2B029BE03
2B029BE04
2B029CA25
(57)【要約】
【課題】
本発明では、シート止め材の取付け作業が容易となる取付部材、シート定着装置及びシート止め材の取付け方法の提供を目的とする。
【解決手段】
前記課題を解決するための手段は、地面から直線状に起立する一対の起立部Pa,Paと一対の起立部Pa,Paの上端同士を接続するアーチ状のアーチ部Pbとを有するとともに奥行方向に沿って並べて配置される複数の骨材Pと、各骨材Pのアーチ部Pbの地面側に配置されて各骨材Pのアーチ部Pb間に架け渡される母屋材Mとを備えるビニールハウスHに展張される屋根側シートS1を骨材Pの外側に定着させるシート止め材2の取付けを可能とし、シート止め材2に先行して母屋材Mに取付けられるとともにシート止め材2を母屋材Mから屋外側へ離間した位置に位置決め可能な取付部材3であって、シート止め材2を取付け可能な取付台30と、取付台30を母屋材Mに連結する連結具31とを備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面から直線状に起立する一対の起立部と前記一対の起立部の上端同士を接続するアーチ状のアーチ部とを有するとともに奥行方向に沿って並べて配置される複数の骨材と、前記各骨材の前記アーチ部の地面側に配置されて前記各骨材の前記アーチ部間に架け渡される母屋材とを備える簡易構築物に展張されるシートを前記骨材の外側に定着させるシート止め材の取付けを可能とし、前記シート止め材に先行して前記母屋材に取付けられるとともに前記シート止め材を前記母屋材から前記屋外側へ離間した位置に位置決め可能な取付部材であって、
前記シート止め材を取付け可能な取付台と、
前記取付台を前記母屋材に連結する連結具とを備える
ことを特徴とする取付部材。
【請求項2】
前記シート止め材は、前記母屋材の軸方向を横切る方向に沿って延びるフレーム材であって、
前記取付台は、前記シート止め材の底部に面接触可能な取付部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の取付部材。
【請求項3】
前記取付台が、前記簡易構築物の奥行方向から見て前記取付台の上部の前側と後側の一方側のみに設けられて前記シート止め材の前側と後側の一方に嵌合可能な嵌合部を有し、
前記シート止め材の前記前側と前記後側の他方を前記取付台へ固定する固定部材を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の取付部材。
【請求項4】
前記簡易構造物の奥行方向から見て前記骨材における前記アーチ部の頂部の左側又は右側のうちの一方側に左右に並べて配置される2つの前記母屋材に対してそれぞれ取付けられる請求項3に記載の取付部材と、
前記各取付部材に架け渡される前記シート止め材とを備え、
前記各取付部材のうち、一方の取付部材には前記取付台の上部の前記前側に前記嵌合部が設けられており、他方の取付部材には前記取付台の上部の前記後側に前記嵌合部が設けられている
ことを特徴とするシート定着装置。
【請求項5】
地面から直線状に起立する一対の起立部と前記一対の起立部の上端同士を接続するアーチ状のアーチ部とを有するとともに奥行方向に沿って並べて配置される複数の骨材と、前記各骨材の前記アーチ部の地面側に配置されて前記各骨材の前記アーチ部間に架け渡される母屋材とを備える簡易構築物の前記母屋材に対して前記簡易構築物に展張されるシートを前記骨材の外側に定着させるシート止め材を取付部材によって前記母屋材から屋外側へ離間した位置に位置決めして取付けるシート止め材の取付け方法であって、
前記取付部材は、前記シート止め材を取付け可能な取付台と、前記取付台を前記母屋材に連結する連結具とを備え、
前記シート止め材に先行して前記取付台を前記連結具によって前記母屋材に対して連結する工程と、
前記母屋材に連結された前記取付台に対して前記シート止め材を取付ける工程とを有する
ことを特徴とするシート止め材の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、取付部材、シート定着装置およびシート止め材の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビニールハウスや温室、簡易型の倉庫等の簡易構築物には、地面から直線状に起立する一対の起立部と起立部の上端同士を接続するアーチ状のアーチ部とを有するとともに奥行方向に沿って並べて配置される複数の骨材と、各骨材のアーチ部の地面側に配置されて各骨材のアーチ部間に架け渡されるとともに奥行方向から見て左右に並べて配置される複数の母屋材と、各母屋材に架け渡されるとともに奥行方向に沿って並べて配置される複数のシート止め材とを備え、各シート止め材にシートを定着することで、屋根面にシートが展張されるものがある。
【0003】
このような簡易構築物では、母屋材は骨材の屋内側に配置されているため、シート止め材が母屋材に直接連結されていると、シート止め材が骨材よりも屋内側に配置されてしまい、骨材よりも低い位置でシート止め材に定着されたシートが骨材に強く干渉して、シートが劣化してしまう。
【0004】
このような問題を解消するために、例えば、シート止め材を母屋材に取付けつつ、シート止め材を母屋材から簡易構築物の屋外側に離間した位置に配置する取付部材が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このような取付部材を利用してシート止め材を母屋材に連結すると、シート止め材に定着されたシートと骨材との干渉を緩和して、シートが骨材に強く接触するのを防止できるので、シートが劣化するのを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6789516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された取付部材は、具体的には、上下に並べて配置される上下一対の楔孔を有する一対の側部と、一対の側部の上端同士を接続するとともに開口を有する頂部とを有するコ字状の金具であって、頂部の開口から突出するように配置されたシート止め材を取付部材の頂部と上側の楔孔に挿入された楔とで挟持し、上側の楔孔に挿入された楔と下側の楔孔に挿入された楔とで母屋材を挟持することで、シート止め材を母屋材に連結している。
【0008】
また、特許文献1には他の例の取付部材も開示されており、他の例の取付部材は、シート止め材を載置可能な水平板状の台部と台部の一端から下向きに延びて下端に母屋材に引掛け可能なフックとを有する台材と、台部に載置されたシート止め材の上に重ねられてシート止め材を挟持する水平板状の挟持片と挟持片の一端から下向きに延びて母屋材に引掛け可能なフックとを有する係止材とを備える。そして、台材の台部と係止材の挟持片との間にシート止め材を挟持させた状態で、係止材のフックと台材のフックをそれぞれ母屋材に引掛けることで、シート止め材を母屋材に連結している。
【0009】
このように、従来の取付部材では、シート止め材が取付部材を母屋材に取付けるための構成の一部として機能しているので、取付部材を独立して母屋材に取付けることはできない。
【0010】
したがって、従来の取付部材では、取付部材をシート止め材とともに母屋材に取付ける必要があるため、作業者は取付部材とシート止め材の両方を手に持った状態で、シート止め材の取付け作業をしなければならず、シート止め材の取付け作業が非常に面倒であった。
【0011】
そこで、本発明は、シート止め材の母屋材への取付け作業が容易となる取付部材の提供と、シート止め材の母屋材への取付け作業が容易となる取付部材を備えたシート定着装置の提供と、シート止め材の母屋材への取付け作業が容易となるシート止め材の取付方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成させるための本発明の取付部材は、地面から直線状に起立する一対の起立部と一対の起立部の上端同士を接続するアーチ状のアーチ部とを有するとともに奥行方向に沿って並べて配置される複数の骨材と、各骨材のアーチ部の地面側に配置されて各骨材のアーチ部間に架け渡される母屋材とを備える簡易構築物に展張されるシートを骨材の外側に定着させるシート止め材の取付けを可能とし、シート止め材に先行して母屋材に取付けられるとともにシート止め材を母屋材から屋外側へ離間した位置に位置決め可能なものであって、シート止め材を取付け可能な取付台と、取付台を母屋材に連結する連結具とを備えることを特徴とする。この構成によると、シート止め材を母屋材から離間した位置に位置決め可能な取付部材をシート止め材に先行して母屋材Mに取付けできる。
【0013】
また、本発明の取付部材では、前記シート止め材は、前記母屋材の軸方向を横切る方向に沿って延びるフレーム材であって、前記取付台は、前記シート止め材の底部に面接触可能な取付部を有することを特徴とする。この構成によると、シート止め材を取付台に載置したときに、シート止め材の底部が取付台の取付部に対して面接触するので、シート止め材を取付台に対して安定した状態で載置できる。よって、シート止め材の取付け作業がより容易となる。
【0014】
また、本発明の取付部材は、前記取付台が、前記簡易構築物の奥行方向から見て前記取付台の上部の前側と後側の一方側のみに設けられて前記シート止め材の前側と後側の一方に嵌合可能な嵌合部を有し、前記シート止め材の前記前側と前記後側の他方を前記取付台へ固定する固定部材を備えることを特徴とする。この構成によると、シート止め材の一方が嵌合部に嵌合されると、シート止め材の一方側への移動とシート止め材の一方側の浮き上がりが規制されてシート止め材が取付台に対して強固に位置決めされる。よって、作業者は、シート止め材を取付台に対して強固に位置決めした状態で固定部材により固定できるので、シート止め材の取付け作業が容易となる。さらに、この構成では、取付台の上部の一方側のみに嵌合部が設けられているので、嵌合部が設けられていない取付台の上部の他方側からシート止め材の一方側を嵌合部に挿入して嵌合させつつシート止め材を取付台上に載置できる。したがって、取付台にシート止め材載置する際に、シート止め材を取付台の延長方向の上端或いは下端からスライドさせて嵌合部に挿入しなくて済むため、シート止め材の取付台への取付け作業が容易となる。
【0015】
また、本発明のシート定着装置は、前記簡易構造物の奥行方向から見て前記骨材における前記アーチ部の頂部の左側又は右側のうちの一方側に左右に並べて配置される2つの前記母屋材に対してそれぞれ取付けられる前記取付部材と、前記各取付部材に架け渡される前記シート止め材とを備え、前記各取付部材のうち、一方の取付部材には前記取付台の上部の前記前側に前記嵌合部が設けられており、他方の取付部材には前記取付台の上部の前記後側に前記嵌合部が設けられていることを特徴とする。この構成によると、各取付部材の取付台の上部の一方側のみに嵌合部を設けても、各取付部材の嵌合部によってシート止め材の前後方向の移動と前側と後側の浮き上がりを完全に規制した状態で、シート止め材を取付台に対して仮止めできる。よって、シート止め材を取付台に取付けする際に、シート止め材が取付台の上部に対してズレることがないので、シート止め材の取付け作業がより容易となる。
【0016】
また、本発明のシート止め材2の取付け方法は、地面から直線状に起立する一対の起立部と前記一対の起立部の上端同士を接続するアーチ状のアーチ部とを有するとともに奥行方向に沿って並べて配置される複数の骨材と、前記各骨材の前記アーチ部の地面側に配置されて前記各骨材の前記アーチ部間に架け渡される母屋材とを備える簡易構築物の前記母屋材に対して前記簡易構築物に展張されるシートを前記骨材の外側に定着させるシート止め材を取付部材によって前記母屋材から屋外側へ離間した位置に位置決めして取付ける方法であって、前記取付部材は、前記シート止め材を取付け可能な取付台と、前記取付台を前記母屋材に連結する連結具とを備え、前記シート止め材に先行して前記取付台を前記連結具によって前記母屋材に対して連結する工程と、前記母屋材に連結された前記取付台に対して前記シート止め材を取付ける工程とを有することを特徴とする。このような方法によると、シート止め材に先行して取付部材を母屋材に取付けできるため、作業者は、母屋材に取付けられた状態の取付台に対して、シート止め材の取付け作業を行うことができるので、シート止め材を母屋材に対して容易に取付けできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の取付部材によれば、シート止め材に先行して母屋材に取付けできるので、シート止め材の取付け作業が容易となる。また、本発明のシート定着装置によれば、取付部材をシート止め材に先行して母屋材に取付けできるので、シート止め材の取付け作業が容易となる。また、本発明のシート止め材の取付方法によれば、シート止め材を先行して母屋材に取付けするので、シート止め材の取付け作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施の形態の簡易構築物の斜視図である。
図2】本実施の形態の簡易構築物における母屋材とシート止め材の連結部分を拡大して示す斜視図である。
図3】本実施の形態の簡易構築物における母屋材とシート止め材の連結部分を拡大して示す側面側断面図である。
図4】本実施の形態の簡易構築物における母屋材とシート止め材の連結部分を拡大して示す正面図である。
図5】本実施の形態の取付部材の分解斜視図である。
図6】簡易構築物における左右に並べて配置される2つの母屋材とシート止め材の連結部分を拡大して上から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照しながら本実施の形態について説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は同じ部品を示す。
【0020】
簡易構造物は、本実施の形態ではビニールハウスHとされている。ビニールハウスHは、図1に示すように、地面から直線状に起立する一対の起立部Pa,Paと一対の起立部Pa,Paの上端同士を接続するアーチ状のアーチ部Pbとを有するとともに奥行方向に沿って並べて配置される複数の骨材Pと、各骨材Pのアーチ部Pbの地面を向く側つまり屋内側に配置されて各骨材Pのアーチ部Pb間に架け渡されるとともに奥行方向から見て左右に間隔をあけて並べて配置される複数の母屋材Mと、母屋材Mに対してビニールハウスHの屋根面に展張されるシートである屋根側シートS1を定着する複数のシート定着装置1とを備えている。
【0021】
つづいて、ビニールハウスHの各部について詳細に説明する。複数の骨材Pは、図1に示すように、各起立部Paの下端が地面に埋められて奥行方向に沿って整列して配置されている。なお、アーチ部Pbはアーチ状に形成されているが、ここで言うアーチ状には、図1に示すような円弧状だけでなく、例えば、各起立部Paの上端から互いに斜め内向きに傾斜して上端同士が接続される山型状も含まれる。また、各骨材Pの頂部の屋外側には奥行方向に沿って延びて屋根側シートS1を定着可能な頂部側フレームF1が連結されている。
【0022】
また、本実施の形態では、図1に示すように、母屋材Mは、奥行方向から見てアーチ部Pbにおける頂部の左側と右側のそれぞれに2つずつ左右に所定の間隔をあけて配置されている。なお、母屋材Mの数は、特に限定されず、ビニールハウスHの横幅に応じて適宜変更される。また、本実施の形態では、母屋材Mは、円筒状のパイプ材で構成されているが、母屋材Mの形状は特に限定されず、母屋材Mは、円筒状以外、例えば、四角筒状に形成されてもよい。
【0023】
また、詳細には説明しないが、ビニールハウスHの両方の妻側に配置される各骨材Pの上面には、図1に示すように、骨材Pに沿うように配置されたシート保持フレームF2が連結されている。このシート保持フレームF2には、後述する屋根側シートS1,側部側シートS2及び妻側シートの端部がそれぞれ定着される。
【0024】
また、図1に示すように、各骨材Pのアーチ部Pbの左右の下部同士の間と、起立部Paの下部同士の間には、それぞれ、ビニールハウスHの奥行方向に沿って延びる側部フレームF3,F4が架け渡されている。
【0025】
そして、側部側シートS2の上端と下端をそれぞれ上側の側部フレームF3と下側の側部フレームF4に定着し、側部側シートS2の各側端を妻側の各骨材Pに連結されたシート保持フレームF2にそれぞれ定着することで、側部側シートS2はビニールハウスHの側面に展張されている。
【0026】
また、図1では、ビニールハウスHの妻面の構成を省略しているが、実際には、ビニールハウスHの妻面には、ビニールハウスH内の出入口となる開口部と、ビニールハウスHの妻面の開口部以外を覆う妻側シートと、開口部を開閉する扉が設けられており、当該妻側シートの端部は骨材Pに連結されたシート保持フレームF2に定着されている。なお、開口部と扉はビニールハウスHの少なくとも一方の妻面に設けられていればよいが、両方の妻面に設けられていてもよい。
【0027】
つづいて、ビニールハウスHの屋根面に屋根側シートS1を展張するシート定着装置1について、詳細に説明する。本実施の形態のシート定着装置1は、図1に示すように、頂部側フレームF1と左右の各上側の側部フレームF3との間に架け渡される2つのシート止め材2と、各母屋材Mにおけるシート止め材2との交点にそれぞれ取付けられてシート止め材2を母屋材MからビニールハウスHの屋外側へ離間した位置に位置決めする複数の取付部材3とを備える。
【0028】
本実施の形態では、このようなシート定着装置1が、図1に示すように、ビニールハウスHの奥行方向に沿って複数並べて配置されている。そして、屋根側シートS1は、複数のシート定着装置1と頂部側フレームF1と上側の側部フレームF3によってビニールハウスHの屋根面に展張されている。
【0029】
シート止め材2は、図1図2図3図4に示すように、母屋材Mの軸方向を横切るよう骨材Pに対して上下方向に沿って延びるフレーム材であって、延長方向から見て、縦長であって上側に開口を有するC字状の本体部2aと、本体部2aの各端部からそれぞれ外側に向けてカールする支持部2bと、各支持部2bの先端からそれぞれ本体部2aの側部に当接しつつ本体部2aの下端と対向する位置まで傾斜する傾斜部2cと、各傾斜部2cの下端から反本体部側に向けて水平に延びる底部2dとを備える。
【0030】
そして、このシート止め材2には、図3に示すように、支持部2bの上端に屋根側シートS1を載置した状態で、屋根側シートS1の上から支持部2bの上端に略コ字状の押え材11を被せて、押え材11の上からネジ12を一対の支持部2b,2b間と本体部2aの開口にねじ込むことで、屋根側シートS1がシート止め材2と押え材11とで挟み込まれて定着される。なお、図2図4では、シート定着装置1の構造を理解しやすくするために、押え材11と屋根側シートS1を省略している。
【0031】
なお、上述したシート止め材2の形状は一例であって、屋根側シートS1を定着可能である限りにおいて特に限定されない。また、本実施の形態では、ビニールハウスHに展張される屋根側シートS1,側部側シートS2,妻側シートには、ポリエステルフィルム、フッ素フィルムなどの硬質シートが利用されているが、塩化ビニルフィルム、PETフィルム等のポリオレフィン系フィルムなどの軟質シートが利用されてもよい。
【0032】
また、屋根側シートS1を軟質シートとする場合には、図示しないが、例えば、シート止め材を、底部よりも開口の幅が狭く形成された溝を有するフレーム材として、この溝に屋根側シートS1を挿入した状態で、屋根側シートS1の上から波型の金属ばねからなる弾性部材を嵌め込むことで、屋根側シートS1を弾性部材の弾発力でシート止め材に定着するようにすればよい。
【0033】
つづいて、本実施の形態の取付部材3は、図2図3図5に示すように、シート止め材2を取付け可能な取付台30と、取付台30を母屋材Mに連結する連結具31とを備える。
【0034】
具体的には、取付台30は、図2図3図5に示すように、母屋材Mの軸方向を横切る方向に沿って延びてシート止め材2の底部2d,2dが面接触可能な平板状の取付部30aと、延長方向から見て取付部30aの左右端から垂直下向きに並行して延びて互いに対向する板状の一対の側片30b,30bと、各側片30b、30bの下端から互いに接近する方向に向けて水平に延びるとともに先端同士の間に隙間Oが形成される一対の板状の底片30c,30cと、各底片30c,30cの先端をそれぞれ取付部30a側となる上側に向けて折り曲げて形成された一対の曲げ片30d,30dとを備えて、断面C字状に形成されている。
【0035】
また、連結具31は、図3図4図5に示すように、互いに対向するとともに上端が開口するU字状の溝31a1を有する一対の抱持片31a,31aと、一対の抱持片31a,31aの下端同士を接続する水平板状の接続片31bと、各抱持片31aの上端からそれぞれ外側に向けて湾曲するフック片31cとを備える。
【0036】
次に、連結具31によって取付台30を母屋材Mに連結する手順について説明する。まず、図2図3図4に示すように、連結具31の抱持片31aの溝31a1内に母屋材Mを配置した状態で、取付台30を横方向から移動させて隙間Oを通じて取付台30の内部にフック片31cを挿入し、抱持片31aの上端に設けられた各フック片31cに取付台30の各底片30cの先端に設けられた曲げ片30dを引掛ける。この状態で、接続片31bと母屋材Mとの間に楔32を挿入すると、抱持片31aが母屋材Mから受ける反力によって下向きに引張られるので、取付台30は母屋材Mに対して強く押し付けられて連結される。
【0037】
また、詳しくは後述するが、前述したように、取付台30の取付部30aには、シート止め材2を取付可能となっており、シート止め材2は、取付台30の取付部30aに対して、ネジ13を介して取付けされる。
【0038】
したがって、本実施の形態のシート定着装置1では、取付部材3を母屋材Mに対してシート止め材2から独立して連結できる。換言すると、取付部材3とシート止め材2を同時に母屋材Mに連結する必要がない。よって、取付部材3をシート止め材2に先行して母屋材Mに連結できる。
【0039】
戻って、図3中右側をビニールハウスHの前方、図3中左側をビニールハウスHの後方とすると、取付台30は、図3図5に示すように、取付部30aの後端(図3中左端)に設けられて取付部30aの取付部30aとともにシート止め材2の後側(図3中左側)の底部2dの端部を嵌合可能な嵌合部Aを構成する押え片33と、取付部30aの前端(図3中右端)から垂直に起立する突起部34とを有している。なお、押え片33と突起部34が設けられる前後の位置は、逆であってもよい。
【0040】
詳細には、本実施の形態の押え片33は、図3図5に示すように、取付部30aの後端から突起部34と並行して垂直に延びる垂直部33aと、垂直部33aの上端から前方に向けて水平に延びて取付部30aと上下で対向する水平部33bとを有して、断面L字状に形成されており、突起部34と対向している。そして、水平部33bと取付部30aとの間に形成される隙間の高さは、シート止め材2の底部2dの厚みよりも僅かに大きくなるように設定されている。
【0041】
そのため、図3に示すように、シート止め材2の後側の底部2dの端部を、押え片33の水平部33bと取付台30の取付部30aとの間に形成される隙間に対して嵌合することができる。
【0042】
このように、シート止め材2の後側の底部2dの端部が、水平部33bと取付部30aとの間に形成される隙間に嵌合されると、シート止め材2の後方への移動が垂直部33aによって規制されるとともに、シート止め材2の後側の浮き上がりが水平部33bによって規制される。つまり、本実施の形態では、押え片33と取付台30の取付部30aとで、シート止め材2の後側の底部2dの端部を嵌合可能な嵌合部Aを構成している。
【0043】
なお、上述した押え片33の形状は、一例であって、取付台30に固定されるシート止め材の形状が図に示す形状と異なる場合には、そのシート止め材の形状に合わせて、押え片33の形状を適宜変更すればよい。
【0044】
また、前述したように、取付台30は、取付部30aの前端から垂直に起立する突起部34を有している。突起部34の上端には取付部30a側に向けて傾斜するテーパ面34aが設けられている。また、突起部34と押え片33の垂直部33aとの間の前後方向の幅は、シート止め材2の前後方向の幅(図3中で左側の底部2dの左端から右側の底部2dの右端までの幅)よりも僅かに長くなるように設定されている。
【0045】
したがって、シート止め材2の後側の底部2dの端部を嵌合部Aに嵌合すると、シート止め材2の前後方向(図3中左右方向)の移動が押え片33の垂直部33aと突起部34によって規制されるとともに、シート止め材2の後側の浮き上がりが押え片33の水平部33bによって規制されるので、シート止め材2が取付台30から脱落しにくく、シート止め材2を取付台30に対して強固に位置決めできる。
【0046】
なお、本実施の形態では、押え片33と突起部34は、取付部30aの後端と前端にそれぞれ設けられているが、押え片33と突起部34は取付部30aの後端と前端からそれぞれ内側に離間した位置に設けられてもよい。ただし、本実施の形態のように、押え片33と突起部34を取付部30aの後端と前端に設けた方が、取付部30aの前後方向の幅を必要最低限の長さにできるので、取付台30を形成するために必要な材料を少なくできる。
【0047】
また、このように、後端のみに押え片33によって形成される嵌合部Aが設けられた取付部30aにシート止め材2を載置する場合、まず、嵌合部Aが設けられていない取付部30aの前側から、シート止め材2を斜め姿勢にした状態で、シート止め材2の後側の底部2dの端部を嵌合部Aに挿入し、シート止め材2の前側の底部2dを突起部34の上端に載せる。この状態から、シート止め材2を取付部30a側に押し込むことで、シート止め材2は取付部30aの上に載置させられる。この際、突起部34の上端には取付部30a側に向けて傾斜するテーパ面34aが設けられているため、シート止め材2を取付部30a側に押し込む際には、テーパ面34aによってシート止め材2の移動がガイドされる。
【0048】
また、シート止め材2の底部2dは取付台30の平坦な取付部30aに対して面接触するので、シート止め材2は取付台30に対して安定した状態で載置される。
【0049】
また、突起部34に代えて取付部30aの前端にも水平部33bが後側に向けて延びる押え片33を設けることで、取付部30aの前端と後端の両方に嵌合部Aを設けて、シート止め材2の前側と後側の両方の浮き上がりを防止してもよい。
【0050】
ただし、取付部30aの前端と後端の両方に嵌合部Aを設けた場合、シート止め材2を取付部30a上に載置する際に、シート止め材2を取付台30の延長方向の上端或いは下端から各押え片33と取付部30aの間にスライドさせて挿入しなければならない。
【0051】
対して、本実施の形態のように、取付部30aの前後と後側の片側のみに押え片33を設けると、前述したように、シート止め材2を取付部30aの上方から取付部30aの上に載置できるため、シート止め材2の取付部30aへの取付け作業が容易となる。
【0052】
そして、このように、取付台30上に強固に位置決めされて載置されたシート止め材2の各底部2dと取付部30aに対して固定部材としてのネジ13をねじ込むことで、作業者はシート止め材2を取付台30に対して容易に取付けることができる。なお、取付部30aにおけるネジ13がねじ込まれる部分は、他の部分よりも肉厚な肉厚部30a1となっており、ネジ13のねじ込み用の肉厚が確保されている。本実施の形態では、シート止め材2を取付台30に対して固定する固定部材をネジ13としているが、固定部材はシート止め材2を取付台30に対して固定可能であればネジ13には限定されず、例えば、固定部材は、取付台30とシート止め材2の底部2dとを抱持する断面C字状の抱持金具と、抱持金具の底部と取付台30との間に挿入されて取付台30とシート止め材2を連結する楔とで構成されてもよい。
【0053】
また、本実施の形態では、シート止め材2の前後両方の底部2dにそれぞれネジ13をねじ込んで、シート止め材2を取付部30aに固定しているが、嵌合部Aを構成する押え片33によって取付部30aの後側の浮き上がりが防止されているので、シート止め材2の押え片33で押え込まれていない前側の底部2dのみにネジ13をねじ込んでシート止め材2を取付部30aに固定するようにしてもよい。このようにすると、シート止め材2を取付部30aに固定するためのネジ13の数と、作業者の手間を減らすことができる。
【0054】
また、シート止め材2は母屋材Mの屋外側に配置された取付台30に取付けられるので、シート止め材2は取付台30の取付部30aから底片30cまでの上下方向の長さの分だけ母屋材Mから屋外側へ離間した位置に位置決めされる。
【0055】
ここで、本実施の形態では、取付台30の取付部30aから底片30cまでの上下方向の長さは、取付部30aに固定されたシート止め材2に屋根側シートS1を定着したときに、その屋根側シートS1が骨材Pよりも屋外側の高い位置に配置される長さに設定されている。そのため、屋根側シートS1が骨材Pに干渉して劣化するのを防止できる。
【0056】
ただし、取付台30の取付部30aから底片30cまでの上下方向の長さは、取付部30aに固定されたシート止め材2に定着された屋根側シートS1が骨材Pと同じ高さ位置あるいは骨材Pよりも低い位置に配置される長さであってもよい。そのような場合であっても、シート止め材2を母屋材Mに対して直接連結する場合に比べて、屋根側シートS1の張力が緩和されるので、屋根側シートS1が骨材Pに対して強く接触するのを防止して、屋根側シートS1の劣化を抑制できる。
【0057】
なお、本実施の形態の取付台30では、取付部30aの前端に突起部34が設けられているが、突起部34を省略しても、押え片33によって形成される嵌合部Aが設けられていれば、シート止め材2の前後方向のうちの一方向、この場合後方向への移動を規制できるとともに、シート止め材2の後側の浮き上がりを防止できるので、シート止め材2は取付台30に対して十分に強固に位置決めされる。
【0058】
ただし、シート止め材2の取付台30に対する位置決めが不要な場合には、押え片33と突起部34を省略してもよい。なお、本実施の形態の取付台30の構成は一例であって、シート止め材2を取付け可能である限りにおいて特に限定されない。また、本実施の形態の連結具31の構成は一例であって、取付台30をシート止め材2から独立して母屋材Mに連結できる限りにおいて特に限定されない。
【0059】
また、図6に示すように、ビニールハウスHの奥行方向から見て骨材Pにおけるアーチ部Pbの頂部の左側又は右側のうちの一方側に左右に並べて配置される2つの母屋材Mに対してそれぞれ取付けられる取付部材3のうち、一方の取付部材3である図6中上側の取付部材3の取付台30の上部である取付部30aの前端に嵌合部Aを設け、他方の取付部材3である図6中下側の取付部材3の取付台30の上部である取付部30aの後端に嵌合部Aを設けてもよい。
【0060】
このようにすると、各取付部材3の取付台30の取付部30aの前側と後側の片側のみに嵌合部Aを設けても、各取付部材3の嵌合部Aによってシート止め材2の前後方向の移動と前側と後側の浮き上がりを完全に規制した状態で、シート止め材2を取付台30に対して仮止めできる。よって、シート止め材2をネジ13で取付台30に固定する際に、シート止め材2が取付台30の取付部30aに対してズレることがないので、シート止め材2の取付け作業がより容易となる。なお、図6では、シート定着装置1の構造を理解しやすくするために、屋根側シートS1と押え材11を省略している。
【0061】
また、ビニールハウスHの奥行方向から見て左右に並べて配置される取付部材3のうち図6中上側の取付部材3の取付台30の取付部30aの後端に嵌合部Aを設け、図6中下側の取付部材3の取付台30の取付部30aの前端に嵌合部Aを設けてもよい。
【0062】
ただし、図6中上側の取付部材3と図6中下側の取付部材3の取付台30の取付部30aに設けられる嵌合部Aの前後の位置は互いに同じであってもよい。
【0063】
つづいて、シート止め材2を取付部材3を介して母屋材Mに取付ける際の手順について詳細に説明する。まず、取付台30を母屋材Mの軸方向を横切る向きで母屋材Mに重ねた状態で、連結具31の抱持片31aの溝内に母屋材Mを配置しつつ、抱持片31aの上端に設けられた一対のフック片31cを取付台30の一対の底片30c,30cの先端に設けられた曲げ片30dに引っ掛ける。そして、この状態で、接続片31bと母屋材Mとの間に楔32を挿入して、取付台30をシート止め材2に先行して母屋材Mに連結する。
【0064】
次に、取付部30aの後端に設けられた嵌合部Aにシート止め材2の後側の底部2dの端部を嵌合しつつシート止め材2を取付台30の取付部30a上に載置した状態で、底部2dに固定部材としてのネジ13をねじ込むことで、シート止め材2を母屋材Mに連結された取付台30に取付ける。
【0065】
このように、本実施の形態では、シート止め材2に先行して取付部材3を母屋材Mに取付けできる。したがって、作業者は、母屋材Mに取付けられた状態の取付台30に対して、シート止め材2の取付け作業を行うことができるので、シート止め材2を母屋材Mに対して容易に取付けできる。
【0066】
前述したように、本実施の形態の取付部材3は、地面から直線状に起立する一対の起立部Pa,Paと一対の起立部Pa,Paの上端同士を接続するアーチ状のアーチ部Pbとを有するとともに奥行方向に沿って並べて配置される複数の骨材Pと、各骨材Pのアーチ部Pbの地面側に配置されて各骨材Pのアーチ部Pb間に架け渡される母屋材Mとを備える簡易構築物としてのビニールハウスHに展張されるシートとしての屋根側シートS1を骨材Pの外側に定着させるシート止め材2の取付けを可能とし、シート止め材2に先行して母屋材Mに取付けられるとともにシート止め材2を母屋材Mから屋外側へ離間した位置に位置決め可能なものであって、シート止め材2を取付け可能な取付台30と、取付台30を母屋材Mに連結する連結具31とを備えている。
【0067】
この構成によると、シート止め材2を母屋材Mから離間した位置に位置決め可能な取付部材3をシート止め材2に先行して母屋材Mに取付けできる、つまり、取付部材3を母屋材Mに対してシート止め材2から独立して連結できる。よって、作業者は、取付台30を連結具31を介して母屋材Mに連結した後に、取付台30に対してシート止め材2を取付けできるため、シート止め材2の取付け作業が容易となる。
【0068】
また、本実施の形態の取付部材3では、シート止め材2は母屋材Mの軸方向を横切る方向に沿って延びるフレーム材であって、取付台30はシート止め材2の底部2dに面接触可能な取付部30aを有している。
【0069】
この構成によると、シート止め材2を取付台30に載置したときに、シート止め材の底部2dが取付台30の取付部30aに対して面接触するので、シート止め材2を取付台30に対して安定した状態で載置できる。よって、シート止め材2の取付け作業がより容易となる。ただし、取付台30の取付部30aは、シート止め材2を支持可能であれば、シート止め材2の底部2dに対して面接触しなくともよい。
【0070】
また、本実施の形態の取付部材3は、取付台30が、ビニールハウスHの奥行方向から見て取付台30の上部である取付部30aの前側と後側の一方側のみに設けられてシート止め材2の前側と後側の一方に嵌合可能な嵌合部Aを有し、シート止め材2の前側と後側の他方を取付台30へ固定する固定部材としてのネジ13を備えている。
【0071】
この構成によると、シート止め材2の前側と後側の一方が嵌合部Aに嵌合されると、シート止め材2の一方側への移動とシート止め材2の前側と後側の他方の浮き上がりが規制されてシート止め材2が取付台30に対して強固に位置決めされる。よって、作業者は、シート止め材2を取付台30に対して強固に位置決めした状態でネジ13で固定できるので、シート止め材2の取付け作業が容易となる。
【0072】
また、このように構成された取付部材3では、取付台30の取付部30aの後側に設けられた嵌合部Aによって、シート止め材2の前側と後側の他方の浮き上がりが防止されている。したがって、シート止め材2の前側と後側の一方側のみに固定部材としてのネジ13をねじ込んでもシート止め材2を取付台30に固定することができる。このようにすると、シート止め材2を取付台30に固定するためのネジ13の数と、作業者の手間を減らすことができる。
【0073】
また、このように構成された取付台30では、取付部30aの前側と後側の一方側のみに嵌合部Aが設けられているので、嵌合部Aが設けられていない取付部30aの前側と後側の他方側からシート止め材2の前側と後側の他方を嵌合部Aに挿入して嵌合させつつシート止め材2を取付台30上に載置できる。
【0074】
したがって、取付台30にシート止め材2を載置する際に、シート止め材2を取付台30の延長方向の上端或いは後端からスライドさせて嵌合部Aに挿入しなくて済むため、シート止め材2の取付台30への取付け作業が容易となる。
【0075】
なお、シート止め材2の取付台30に対する位置決めが不要な場合には、嵌合部Aは省略されてもよい。
【0076】
また、本実施の形態のシート定着装置1は、ビニールハウスHの奥行方向から見て骨材Pにおけるアーチ部Pbの頂部の左側又は右側のうちの一方側に左右に並べて配置される2つの母屋材Mに対してそれぞれ取付けられる取付部材3と、各取付部材3に架け渡されるシート止め材2とを備え、各取付部材3のうち、一方の取付部材3には取付台30の上部である取付部30aの前側に嵌合部Aが設けられており、他方の取付部材3には取付台30の上部である取付部30aの後側に嵌合部Aが設けられてもよい。
【0077】
この構成によると、各取付部材3の取付台30の取付部30aの前側と後側の片側のみに嵌合部Aを設けても、各取付部材3の嵌合部Aによってシート止め材2の前後方向の移動と前側と後側の浮き上がりを完全に規制した状態で、シート止め材2を取付台30に対して仮止めできる。よって、シート止め材2を取付台30に取付けする際に、シート止め材2が取付台30の取付部30aに対してズレることがないので、シート止め材2の取付け作業がより容易となる。
【0078】
ただし、各取付部材3における取付部30aに設けられた嵌合部Aの前後の位置は互いに同じであってもよい。
【0079】
また、本実施の形態のシート止め材2の取付け方法は、地面から直線状に起立する一対の起立部Pa,Paと一対の起立部Pa,Paの上端同士を接続するアーチ状のアーチ部Pbとを有するとともに奥行方向に沿って並べて配置される複数の骨材Pと、各骨材Pのアーチ部Pbの地面側に配置されて各骨材Pのアーチ部Pb間に架け渡される母屋材Mとを備える簡易構築物としてのビニールハウスHの母屋材Mに対してビニールハウスHに展張されるシートを骨材Pの外側に定着させるシート止め材2を取付部材3によって母屋材Mから屋外側へ離間した位置に位置決めして取付けるシート止め材2の取付け方法であって、取付部材3は、シート止め材2を取付け可能な取付台30と、取付台30を母屋材Mに連結する連結具31とを備え、シート止め材2に先行して取付台30を連結具31によって母屋材Mに対して連結する工程と、母屋材Mに連結された取付台30に対してシート止め材2を取付ける工程とを有している。
【0080】
このような方法によると、シート止め材2に先行して取付部材3を母屋材Mに取付けできるため、作業者は、母屋材Mに取付けられた状態の取付台30に対して、シート止め材2の取付け作業を行うことができるので、シート止め材2を母屋材Mに対して容易に取付けできる。
【0081】
また、本実施の形態では、簡易構築物として、ビニールハウスHを例に説明したが、簡易構築物は温室や簡易型の倉庫等であってもよく、ビニールハウスHには限定されない。
【0082】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱なく改造、変形及び変更ができるのは当然である。
【符号の説明】
【0083】
1・・・シート定着装置、2・・・シート止め材、2d・・・底部、3・・・取付部材、13・・・ネジ(固定部材)、30・・・取付台、30a・・・取付部、31・・・連結具、A・・・嵌合部、H・・・ビニールハウス(簡易構築物)、、M・・・母屋材、P・・・骨材、Pa・・・起立部、Pb・・・アーチ部、S1・・・屋根側シート(シート)
図1
図2
図3
図4
図5
図6