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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178698
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】駆動装置及び駆動方法
(51)【国際特許分類】
   H02N 2/12 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
H02N2/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097037
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】北島 暁
(72)【発明者】
【氏名】土屋 聡司
(72)【発明者】
【氏名】小田 悠貴
【テーマコード(参考)】
5H681
【Fターム(参考)】
5H681AA01
5H681BB02
5H681BB14
5H681BB20
5H681BC01
5H681CC02
5H681DD23
5H681DD35
5H681DD73
5H681EE03
5H681EE12
(57)【要約】
【課題】1つの振動型アクチュエータが故障した場合においても、駆動装置の動作不良を抑制できる技術を提供する。
【解決手段】出力軸150と、出力軸150に対して回転可能に構成された第1部材110及び第2部材120と、出力軸150に固着された第3部材130と、第1部材110を出力軸150の周りで回転駆動させる第1の振動型アクチュエータ10-1と、第2部材120を出力軸150の周りで回転駆動させる第2の振動型アクチュエータ10-2と、第2部材120に回転可能に保持されるとともに、第1部材110と第3部材130とに接して挟持された転動体140と、を備え、第1の振動型アクチュエータ10-2及び第2の振動型アクチュエータ10-2のうちの少なくとも1つが駆動することによって、第3部材130及び出力軸150が一体で回転する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力軸と、
前記出力軸に対して回転可能に構成された第1部材および第2部材と、
前記出力軸に固着された第3部材と、
前記第1部材を前記出力軸の周りで回転駆動させる第1の振動型アクチュエータと、
前記第2部材を前記出力軸の周りで回転駆動させる第2の振動型アクチュエータと、
前記第2部材に回転可能に保持されるとともに、前記第1部材と前記第3部材とに接して挟持された転動体と、
を備え、
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうちの少なくとも1つが駆動することによって、前記第3部材および前記出力軸が一体で回転する
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記第3部材および前記出力軸は、前記少なくとも1つが駆動することによって前記転動体を介して、前記一体で回転する
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第1部材、前記第2部材および前記第3部材は、それぞれ、前記出力軸に挿通されている
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第2の振動型アクチュエータは、前記第1の振動型アクチュエータよりも前記出力軸から離れた位置に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうち、一方が駆動停止の状態で他方が駆動することによって、前記第3部材および前記出力軸が前記一体で回転する
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうち、両方が駆動することによって、前記第3部材および前記出力軸が前記一体で回転する
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記出力軸の軸方向を基準として前記第1部材が反時計回りに回転するときを正として前記第1部材の回転数をN1とし、
前記出力軸の軸方向を基準として前記第2部材が反時計回りに回転するときを正として前記第2部材の回転数をN2とした場合、
N2/N1>0.5を満たす
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記N1と前記N2において、N2≧N1を満たす
ことを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記出力軸の軸方向を基準として前記第1部材が反時計回りに回転するときを正として前記第1部材のトルクをT1とし、
前記出力軸の軸方向を基準として前記第2部材が反時計回りに回転するときを正として前記第2部材のトルクをT2とした場合、
(T1・N1+T2・N2)/(2・N2-N1)≧T1を満たす
ことを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうちの少なくとも1つは、矩形状または環状である
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうちの少なくとも1つは、複数設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記転動体は、球の形状、円筒の形状または円柱の形状である
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記転動体は、歯車を含み構成されており、
前記歯車と接する前記第1部材および前記第3部材の部位には、歯が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項14】
出力軸と、
前記出力軸に対して回転可能に構成された第1部材および第2部材と、
前記出力軸に固着された第3部材と、
前記第1部材を前記出力軸の周りで回転駆動させる第1の振動型アクチュエータと、
前記第2部材を前記出力軸の周りで回転駆動させる第2の振動型アクチュエータと、
前記第2部材に回転可能に保持されるとともに、前記第1部材と前記第3部材とに接して挟持された転動体と、
を備える駆動装置の駆動方法であって、
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうちの少なくとも1つが駆動することによって、前記第3部材および前記出力軸が一体で回転する
ことを特徴とする駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置及び駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動装置に含まれうる振動型アクチュエータは、低速で大トルク、無通電時の保持トルクを有するなどの特徴から、例えば、一眼レフカメラの撮影レンズにおけるオートフォーカスの駆動用モータとして実用化されている。また、近年では、振動型アクチュエータは、カメラ以外の様々な駆動装置への適用も期待されている。例えば、振動型アクチュエータは、ロボットアームの関節駆動やロボットハンドの回転駆動、宇宙環境などの遠隔地でのリモート操作を行うものへの適用が期待されている。
【0003】
近年、駆動装置の大型化など、より大きいトルクが必要とされるとともに、駆動装置の高密度化により、振動型アクチュエータのコンパクト化が求められている。例えば、特許文献1に記載の出力装置(駆動装置)のように、1つの出力軸に対して複数の振動型アクチュエータを連結させて、トルクを増大しつつも省スペースを達成する技術が挙げられる。具体的に、特許文献1では、複数の振動型アクチュエータの駆動電圧を固定して、各々に適した駆動周波数に変更することにより、出力軸の回転数制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-205190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、1つの出力軸に対して複数の振動型アクチュエータを連結させているため、1つの振動型アクチュエータが故障した場合、正常に動作している他の振動型アクチュエータの負荷となってしまう。これにより、駆動装置による駆動効率が低下し、駆動装置の動作不良(故障を含む)につながるという課題がある。特に、宇宙空間をはじめとする遠隔地で駆動装置を使用する条件下では、駆動装置を回収して修理を行うことが困難である。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、1つの振動型アクチュエータが故障した場合においても、駆動装置の動作不良を抑制できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の駆動装置は、出力軸と、前記出力軸に対して回転可能に構成された第1部材および第2部材と、前記出力軸に固着された第3部材と、前記第1部材を前記出力軸の周りで回転駆動させる第1の振動型アクチュエータと、前記第2部材を前記出力軸の周りで回転駆動させる第2の振動型アクチュエータと、前記第2部材に回転可能に保持されるとともに、前記第1部材と前記第3部材とに接して挟持された転動体と、を備え、前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうちの少なくとも1つが駆動することによって、前記第3部材および前記出力軸が一体で回転する。
また、本発明は、上述した駆動装置の駆動方法を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、1つの振動型アクチュエータが故障した場合においても、駆動装置の動作不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る振動型アクチュエータの概略構成の一例を示す分解斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る駆動装置の概略構成の第1例を示す断面図である。
図3】第1の実施形態に係る駆動装置の概略構成の第1例を示す分解斜視図である。
図4】第1の実施形態に係る駆動装置の概略構成の第2例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る駆動装置の概略構成の第3例を示す分解斜視図である。
図6】第2の実施形態に係る駆動装置の概略構成の一例を示す断面図である。
図7】第3の実施形態を示し、第1及び第2の実施形態で説明した駆動装置を複数備える雲台装置の概略構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、第1の実施形態に係る振動型アクチュエータ10の概略構成の一例を示す分解斜視図である。振動型アクチュエータ10は、図1に示すように、振動体13、フェルト14、押圧部材15、及び、基台16を備える。
【0013】
振動体13は、図1に示す弾性体11及び圧電体12に加えて、圧電体12に電力を供給する不図示の給電部材(フレキシブルプリント基板)を有して構成されている。図1に示す例では、振動体13の弾性体11は、矩形状の部分を有する。弾性体11の矩形状の部分において、一方の面(図1では上面)には2つの突起11aが形成されており、他方の面(図1では下面)には圧電体12が接着又はその他の手段によって固着されている。圧電体12は、電気-機械エネルギー変換素子であり、圧電体12に電力を供給する不図示の給電部材が接着又はその他の手段によって固着されている。
【0014】
図1に示す振動型アクチュエータ10では、フェルト14を介して押圧部材15が、不図示のバネによって、弾性体11の突起11aと接触する不図示の接触体(移動体)の方向に押圧されている。また、弾性体11は、図1に示すように、長手方向の両端部に固定部11bを備えており、この固定部11bが基台16に固着される。
【0015】
振動体13は、弾性体11に固着された圧電体12に対して、不図示の給電部材から電力として交流電圧である駆動電圧が印加され、2つの曲げ振動を励振させることによって突起11aの先端に楕円運動を発生させる。振動体13の突起11aと接触する不図示の接触体(移動体)は、突起11aの先端に生じた楕円運動によって相対的に移動する。
【0016】
図2は、第1の実施形態に係る駆動装置100の概略構成の第1例を示す断面図である。以下の説明では、この図2に示す第1の実施形態の第1例に係る駆動装置100を「駆動装置100-11」として記載する。また、図2において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
【0017】
駆動装置100-11は、図2に示すように、図1に示す振動型アクチュエータ10として、2つの振動型アクチュエータ10である第1の振動型アクチュエータ10-1及び第2の振動型アクチュエータ10-2を備える。また、駆動装置100-11は、図2に示すように、第1部材110、第2部材120、第3部材130、転動体140、出力軸150、ベアリング161,162、止め螺子163、バネ171,172、ハウジング180、及び、カバー190を備える。
【0018】
駆動装置100-11では、第1部材110、第2部材120及び第3部材130は、それぞれ、出力軸150に挿通されている。第1部材110は、出力軸150に対してベアリング161を介して回転可能に構成されている。第2部材120は、出力軸150に対してベアリング162を介して回転可能に構成されている。第3部材130は、出力軸150に止め螺子163を介して固着されている。
【0019】
図3は、第1の実施形態に係る駆動装置100の概略構成の第1例を示す分解斜視図である。この図3において、図2に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。なお、図3に示す駆動装置100-11では、簡単化のため、図2に示すハウジング180及びカバー190は図示を省略している。
【0020】
第1の振動型アクチュエータ10-1の突起11aには、図2に示すように、図3に示す円環形状からなる第1部材110が接触している。即ち、第1部材110は、第1の振動型アクチュエータ10-1の突起11aと接触する接触体(移動体)である。この第1部材110は、第1の振動型アクチュエータ10-1の突起11aに発生する楕円運動によって出力軸150を中心に回転運動を行う。第1部材110と出力軸150との間には、図2に示すように、ベアリング161が配置されており、出力軸150に対して第1部材110は回転自由である。以上のことから、第1の振動型アクチュエータ10-1は、第1部材110を出力軸150の周りで回転駆動させる。
【0021】
第2の振動型アクチュエータ10-2の突起11aには、図2に示すように、図3に示す円環形状からなる第2部材120が接触している。即ち、第2部材120は、第2の振動型アクチュエータ10-2の突起11aと接触する接触体(移動体)である。この第2部材120は、第2の振動型アクチュエータ10-2の突起11aに発生する楕円運動によって出力軸150を中心に回転運動を行う。第2部材120と出力軸150との間には、図2に示すように、ベアリング162が配置されており、出力軸150に対して第2部材120は回転自由である。以上のことから、第2の振動型アクチュエータ10-2は、第2部材120を出力軸150の周りで回転駆動させる。
【0022】
第3部材130は、第1部材110と同軸上に配置されており、出力軸150に止め螺子163で固着されている。
【0023】
転動体140は、第2部材120における複数の穴121に回転可能(回転自由)に保持されるとともに、図2に示すように第1部材110と第3部材130とに接して挟持されている。ここで、本実施形態では、図3に示すように、第2部材120における複数の穴121は、出力軸150に対して同軸上に配置されている。具体的に、第1部材110と第3部材130との間には、例えば金属球の転動体140が、出力軸150を中心として同心円状に複数個配置されている。転動体140は、第1の振動型アクチュエータ10-1と第1部材110を加圧するバネ171によって、軸方向(図1では、鉛直方向)に圧力がかかった状態で、第1部材110と第3部材130に挟持されている。
【0024】
なお、図2及び図3に示す転動体140としては、金属球を用いる例を説明したが、本実施形態においてはこの金属球に限定されるものではなく、例えば、サーメット球やセラミック球、樹脂球などを適用することも可能である。また、転動体140の形状としては、図2及び図3に示す球の形状に限定されるものではなく、例えば円筒の形状や円柱の形状も、本実施形態に適用可能である。この場合、第2部材120に、転動体140の形状に応じた穴121を設け、この穴121に転動体140を嵌め込むことにより同様の効果が得られる。
【0025】
ハウジング180及びカバー190は、駆動装置100-11の筐体を構成する。カバー190には、駆動装置100-11を軸方向に見た場合に、第1の振動型アクチュエータ10-1の投影部位に突起191が設けられているとともに、第2の振動型アクチュエータ10-2の投影部位に突起192が設けられている。駆動装置100-11では、カバー190の突起191と第1の振動型アクチュエータ10-1との距離を調整することにより、バネ171の加圧力を適切な大きさに調整している。同様に、駆動装置100-11では、カバー190の突起192と第2の振動型アクチュエータ10-2との距離を調整することにより、バネ172の加圧力を適切な大きさに調整している。
【0026】
駆動装置100-11の通常の使用状態では、2つの振動型アクチュエータ10-1及び10-2のうち、一方の第2の振動型アクチュエータ10-2を駆動停止の状態とし、他方の第1の振動型アクチュエータ10-1を駆動させる。第1の振動型アクチュエータ10-1が駆動すると、その突起11aと接触している第1部材110が出力軸150の周り(以下、必要に応じて、出力軸150の周りを「軸周り」と記載する)に回転する。この際、第2の振動型アクチュエータ10-2が停止しているため、第2部材120は、第2の振動型アクチュエータ10-2の保持力によって停止している。この場合、転動体140は、回転駆動する第1部材110と接触し、不動である第2部材120の穴121に回転自由に保持されていることから、軸周りの位置を変えることなく自転を行う。一方、第3部材130は、転動体140の自転する力を受けるため、第1部材110とは反対の方向に回転する。また、第3部材130が止め螺子163によって出力軸150と固着されていることから、出力軸150は、第3部材130と同一方向に回転する。ここで、第1部材110の回転速度をN1[rpm]とし、第3部材130の回転速度をN3[rpm]とした場合、N1=-N3となる(回転方向が逆)。第1の振動型アクチュエータ10-1の駆動力は、第1部材110から転動体140を介して第3部材130に伝わり、且つ、第2部材120と転動体140との滑りの摩擦力といった最低限の損失だけで伝達する。このことから、駆動装置100-11(第1の振動型アクチュエータ10-1)は、高効率で駆動することができる。
【0027】
本実施形態では、第1の振動型アクチュエータ10-1に何らかのトラブルが発生して動作しなくなった場合(第1の振動型アクチュエータ10-1が故障した場合)、補助機構である第2の振動型アクチュエータ10-2を駆動させる。第2の振動型アクチュエータ10-2が駆動すると、その突起11aと接触している第2部材120が出力軸150を中心に回転するが、第2部材120の穴121に嵌め込まれている転動体140も同様に出力軸150を中心に公転する。この際、転動体140は、第1の振動型アクチュエータ10-1に保持されて不動の第1部材110と接触しており、公転しながら自転も行う。同時に、第3部材130とも接触している転動体140の自転する力によって、第3部材130は、第2部材120と同方向に回転し、その結果、止め螺子163で固定されている第3部材130と出力軸150は、同一方向に回転する。また、転動体140は、第2部材120による出力軸150の周りの回転に伴って出力軸150の周りを公転しており、それと同時に固定されている第1部材110と接触していることから自転を行う。この転動体140による公転と自転により、第3部材130は、第2部材120の2倍の回転速度で回転する。ここで、第2部材120の回転速度をN2[rpm]とし、第3部材130の回転速度をN3[rpm]とした場合、2N2=N3となる(回転方向が同じ)。このように、第2の振動型アクチュエータ10-2の駆動による第3部材130の回転速度が2倍になるため、第3部材130の回転力(トルク)は0.5倍になる。
【0028】
駆動装置100-11では、図2に示すように、第2の振動型アクチュエータ10-2は、第1の振動型アクチュエータ10-1よりも出力軸150から離れた位置に配置されている。即ち、第2の振動型アクチュエータ10-2は、出力軸150を基準として第1の振動型アクチュエータ10-1よりも外径方向に位置する。このため、第1の振動型アクチュエータ10-1と第2の振動型アクチュエータ10-2の駆動力が同等であっても、第2の振動型アクチュエータ10-2による出力軸150の回転力(トルク)は第1の振動型アクチュエータ10-1と同等に設定可能である。
【0029】
また、第1の振動型アクチュエータ10-1と第2の振動型アクチュエータ10-2の関係は、上述した態様と逆でもよく、通常動作は第2の振動型アクチュエータ10-2で行い、不測の事態には第1の振動型アクチュエータ10-1が動作してもよい。また、第1の振動型アクチュエータ10-1と第2の振動型アクチュエータ10-2との両方を同時に駆動させて、負荷が大きい時に出力補助をする形態も、本実施形態に適用可能である。即ち、第1の実施形態に係る駆動装置100-11では、第1の振動型アクチュエータ10-1及び第2の振動型アクチュエータ10-2のうちの少なくとも1つが駆動することによって、第3部材130及び出力軸150が一体で回転する形態であればよい。この場合、具体的に、第3部材130及び出力軸150は、第1の振動型アクチュエータ10-1及び第2の振動型アクチュエータ10-2のうちの少なくとも1つが駆動することによって、転動体140を介して、一体で回転する。
【0030】
次に、第1の振動型アクチュエータ10-1と第2の振動型アクチュエータ10-2を同時に動作させた場合の回転数及びトルクについて説明する。第1の振動型アクチュエータ10-1によって駆動される第1部材110、第2の振動型アクチュエータ10-2によって駆動される第2部材120、及び、出力軸150と一体的に回転する第3部材130における回転数とトルクを以下のように定義する。
第1部材110:回転数N1、トルクT1
第2部材120:回転数N2、トルクT2
第3部材130:回転数N3、トルクT3
【0031】
なお、回転数の単位はrpmであり、トルクの単位はNmである。回転数N1、N2及びN3と、トルクT1、T2及びT3は、図1図3の紙面の上側から見て反時計回りに回る方向、即ち回転座標系におけるθ方向を正とする。具体的に、出力軸150の回転軸(図2において一点鎖線で示す)を基準として第1部材110が反時計回りに回転するときを正として、第1部材110の回転数をN1とし、第1部材110のトルクをT1とする。同様に、出力軸150の回転軸(図2において一点鎖線で示す)を基準として第2部材120が反時計回りに回転するときを正として、第2部材120の回転数をN2とし、第2部材120のトルクをT2とする。同様に、出力軸150の回転軸(図2において一点鎖線で示す)を基準として第3部材130が反時計回りに回転するときを正として、第3部材130の回転数をN3とし、第3部材130のトルクをT3とする。
【0032】
まず、回転数について説明する。
ここでは、転動体140と第1部材110及び第3部材130との間で、滑りは生じないものとする。このとき、転動体140は、第1部材110と第3部材130によって挟持された状態で出力軸150の回転軸(図2において一点鎖線で示す)を中心に公転する。このため、転動体140の公転の回転数は、第1部材110の回転数N1と第3部材130の回転数N3との平均となる。また、転動体140の公転の回転数は、転動体140を保持する第2部材120の回転数N2と等しい。つまり、第2部材120の回転数N2は、第1部材110の回転数N1と第3部材130の回転数N3との平均となる。その関係は、以下の(1)式で表される。
N2=(N1+N3)/2 ・・・(1)
【0033】
(1)式より、第3部材130の回転数N3は、以下の(2)式で表される。
N3=2・N2-N1 ・・・(2)
【0034】
(2)式より、第3部材130の回転数N3は、第2部材120の回転数N2と第1部材110の回転数N1との関係によって回転方向が変化することが分かる。例えば、N1>0で且つN2>0として、N2>N1/2のときにN3は正となり、第3部材130及び出力軸150は上側から見て反時計回りに回転する。また、N1>0で且つN2>0として、N2=N1/2のときにN3=0rpmとなり、第3部材130及び出力軸150は回転しない。また、N1>0で且つN2>0として、N2<N1/2のときにN3は負となり、第3部材130及び出力軸150は上側から見て時計回りに回転する。
【0035】
次いで、トルクについて説明する。
第1部材110、第2部材120及び第3部材130の回転における運動エネルギー(W)は、トルクと回転数の関係で、それぞれ、以下の(3)式~(5)式で表される。
第1部材110の運動エネルギー:W1=2π・T1・N1/60 ・・・(3)
第2部材120の運動エネルギー:W2=2π・T2・N2/60 ・・・(4)
第3部材130の運動エネルギー:W3=2π・T3・N3/60 ・・・(5)
【0036】
なお、第3部材130の運動エネルギーW3は、出力軸150の運動エネルギーと等しい。転動体140やベアリング161及び162などによるエネルギー損失が極めて小さく無視できる場合、第3部材130の運動エネルギーW3は、第1部材110の運動エネルギーW1と第2部材120の運動エネルギーW2の和となり、以下の(6)式となる。
W3=W1+W2 ・・・(6)
【0037】
そして、上述した(3)式~(6)式より、以下の(7)式となる。
T3・N3=T1・N1+T2・N2 ・・・(7)
【0038】
(2)式と(7)式より、第3部材130のトルクT3は、以下の(8)式となる。
T3・(2・N2-N1)=T1・N1+T2・N2
T3=(T1・N1+T2・N2)/(2・N2-N1) ・・・(8)
【0039】
次に、第3部材130(出力軸150)の回転数N3による回転を第1部材110の回転数N1と同じ方向に回転させる駆動方法について説明する。つまり、N3/N1>0となるので、上述した(2)式より、以下の(9)式となる。
N3/N1=2・N2/N1-1>0
N2/N1>0.5 ・・・(9)
この(9)式を満たすとき、第3部材130(出力軸150)を第1部材110と同じ方向に駆動させることができる。
【0040】
また、N2/N1=0.5、つまり、N2=N1/2のとき、第3部材130(出力軸150)の回転数N3は0rpmになる。また、N2/N1<0.5のとき、第3部材130(出力軸150)を第1部材110と逆の方向に回転させることができる。
【0041】
次に、第3部材130(出力軸150)の回転数N3を第1部材110の回転数N1よりも増大させる駆動方法(同じ回転数を含む)について説明する。つまり、N3がN1以上となるので、上述した(2)式より、以下の(10)式となる。
N3=2・N2-N1≧N1
N2≧N1 ・・・(10)
この(10)式を満たすとき、第3部材130(出力軸150)の回転数N3を第1部材110の回転数N1よりも増大させることができる。
【0042】
また、N2=N1/2のときに第3部材130(出力軸150)の回転数N3=0rpmとなることも含めて考えると、N1/2≦N2≦N1のとき、第3部材130(出力軸150)の回転数N3を第1部材110の回転数N1よりも減少させることができる。
【0043】
次に、第3部材130(出力軸150)のトルクT3を第1部材110のトルクT1よりも増大させる駆動方法(同じトルクを含む)について説明する。つまり、T3≧T1となるので、上述した(8)式より、以下の(11)式となる。
【数1】
この(11)式を満たすとき、第3部材130(出力軸150)のトルクT3を第1部材110のトルクT1よりも増大させることができる。
【0044】
次に、第1の実施形態に係る駆動装置100の概略構成における他の例について説明する。
【0045】
図4は、第1の実施形態に係る駆動装置100の概略構成の第2例を示す図である。以下の説明では、この図4に示す第1の実施形態の第2例に係る駆動装置100を「駆動装置100-12」として記載する。また、図4において、図1図3に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
【0046】
図2及び図3に示す駆動装置100-11では、第1の振動型アクチュエータ10-1及び第2の振動型アクチュエータ10-2をそれぞれ1つずつ備える構成であった。これに対して、図4に示す駆動装置100-12では、必要な回転力(トルク)に応じて、第1の振動型アクチュエータ10-1及び第2の振動型アクチュエータ10-2を複数設ける構成である。図4に示す例では、第1の振動型アクチュエータ10-1及び第2の振動型アクチュエータ10-2のそれぞれを複数設ける構成であるが、本実施形態においてはこれに限定されるものではない。本実施形態においては、第1の振動型アクチュエータ10-1及び第2の振動型アクチュエータ10-2のうちの少なくとも1つを複数設ける構成も適用可能である。
【0047】
図5は、第1の実施形態に係る駆動装置100の概略構成の第3例を示す分解斜視図である。以下の説明では、この図5に示す第1の実施形態の第3例に係る駆動装置100を「駆動装置100-13」として記載する。また、図5において、図1図4に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
【0048】
図2及び図3に示す駆動装置100-11では、球の形状の転動体140を備えるものであったが、図5に示す駆動装置100-13では、球の形状の転動体140に替えて歯車の形状を含み構成された転動体141を備える。そして、図5に示す駆動装置100-13では、転動体141の歯車の形状と接する第1部材110の部分には、転動体141の歯車の形状に合わせた形状の歯111が形成されている。同様に、図5に示す駆動装置100-13では、転動体141の歯車の形状と接する第3部材130の部分には、転動体141の歯車の形状に合わせた形状の歯131が形成されている。図5に示す転動体141の歯車の形状と第1部材110の歯111の形状及び第3部材130の歯131の形状とが噛み合うことにより、滑りなく動力の伝達が可能となる。
【0049】
以上説明した第1の実施形態に係る駆動装置100は、出力軸150と、出力軸150に対して回転可能に構成された第1部材110及び第2部材120と、出力軸150に固着された第3部材130を備える。さらに、第1の実施形態に係る駆動装置100は、第1部材110を出力軸150の周りで回転駆動させる第1の振動型アクチュエータ10-1と、第2部材120を出力軸150の周りで回転駆動させる第2の振動型アクチュエータ10-2を備える。さらに、第1の実施形態に係る駆動装置100は、第2部材120に回転可能に保持されるとともに、第1部材110と第3部材130とに接して挟持された転動体140を備える。そして、第1の実施形態に係る駆動装置100は、第1の振動型アクチュエータ10-1及び第2の振動型アクチュエータ10-2のうちの少なくとも1つが駆動することによって、第3部材130及び出力軸150が一体で回転する。
かかる構成によれば、1つの振動型アクチュエータ10が故障した場合においても、他の振動型アクチュエータ10の負荷とならないように差動機構を組み込んだため、駆動装置100の動作不良を抑制することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
【0051】
図6は、第2の実施形態に係る駆動装置100の概略構成の一例を示す断面図である。以下の説明では、この図6に示す第2の実施形態に係る駆動装置100を「駆動装置100-2」として記載する。また、図6において、図1図5に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
【0052】
図2図5に示す第1の実施形態に係る第1の振動型アクチュエータ10-1は、その形状が矩形状であったが、図6に示す第2の実施形態に係る第1の振動型アクチュエータ20-1は、その形状が環状となっている。具体的に、図6に示す第2の実施形態に係る第1の振動型アクチュエータ20-1では、振動体23として円環型振動体を用いる。また、第2の実施形態に係る第1の振動型アクチュエータ20-1は、図6に示すように、振動体23、及び、櫛歯部24を備える。
【0053】
振動体23は、図6に示す弾性体21及び圧電体22に加えて、圧電体22に電力を供給する不図示の給電部材(フレキシブルプリント基板)を有して構成されている。図6に示す例では、振動体23の弾性体21は、円環状の形状となっている。弾性体21において、一方の面(図1では下面)には複数の溝を有する櫛歯部24が形成されており、他方の面(図1では上面)には圧電体22が接着又はその他の手段によって固着されている。圧電体22は、電気-機械エネルギー変換素子であり、圧電体22に電力を供給する不図示の給電部材が接着又はその他の手段によって固着されている。
【0054】
駆動装置100-2では、第1部材210において第1の振動型アクチュエータ20-1と接触する側には、接触バネ201が設けられている。接触バネ201は、第1の振動型アクチュエータ20-1で発生する振動を効率良く受けて、スムーズに第1部材210等を回転させることが可能となる。また、図6に示す駆動装置100-2において、第2の振動型アクチュエータ10-2、第2部材120、第3部材130、転動体140,出力軸150、ベアリング161,162、及び、止め螺子163の構成は、上述した第1実施形態と同じである。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第3の実施形態の説明では、上述した第1及び第2の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1及び第2の実施形態と異なる事項について説明を行う。
【0056】
第3実施形態では、第1及び第2の実施形態で説明した駆動装置100を備える装置として、監視カメラ等の撮像装置における雲台装置(回転台と回転台に設けられた複数の駆動装置100を備える旋回装置)を適用した例について説明する。
【0057】
図7は、第3の実施形態を示し、第1及び第2の実施形態で説明した駆動装置100を複数備える雲台装置300の概略構成の一例を示す図である。図7(a)に示す雲台装置300と図7(b)に示す雲台装置300は、第3の実施形態に係る雲台装置300を異なる方向から見たものである。例えば、図7(a)は、雲台装置300を正面から見た図であり、図7(b)は、雲台装置300を側面から見た図である。
【0058】
雲台装置300は、図7(a)及び図7(b)に示すように、2つの駆動装置100-P及び100-T、ヘッド部310、ベース部320、Lアングル部330、撮像装置340を備える。
【0059】
ヘッド部310は、図7(a)に示すように、2つの駆動装置100であるパン用の駆動装置100-P及びチルト用の駆動装置100-Tを備える。ベース部320は、ヘッド部310を支持する構成部である。Lアングル部330は、ヘッド部310に取り付けられており、撮像装置340を固定するための構成部である。
【0060】
パン用の駆動装置100-Pは、上述した第1の実施形態に係る駆動装置100-1又は第2の実施形態に係る駆動装置100-2のいずれかを適用可能である。パン用の駆動装置100-Pは、出力軸150がベース部320と連結されており、ヘッド部310とLアングル部330と撮像装置340とを、ベース部320に対してパン軸の周りに回転させるための駆動装置である。
【0061】
チルト用の駆動装置100-Tは、上述した第1の実施形態に係る駆動装置100-1又は第2の実施形態に係る駆動装置100-2のいずれかを適用可能である。チルト用の駆動装置100-Tは、出力軸150がLアングル部330と連結されており、Lアングル部330と撮像装置340とを、ヘッド部310に対してチルト軸の周りに回転させるための駆動装置である。
【0062】
図7に示す雲台装置300は、2つの駆動装置100-P及び100-Tを備えることにより、撮像装置340の向きを、高速、高応答、静粛、高精度で変えることが可能となる。また、駆動装置100に含まれる振動型アクチュエータ10は、無通電時でも高い保持トルクを持つため、撮像装置340のチルト軸の周りの重心ずれがあっても、振動型アクチュエータ10の電力を消費することなく撮像装置340の向きを維持できる。その他、ユーザが所望する部材と、その部材に設けられた駆動装置100を備える電子機器を提供することもできる。
【0063】
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0064】
本発明の実施形態の開示は、以下の構成及び方法を含む。
[構成1]
出力軸と、
前記出力軸に対して回転可能に構成された第1部材および第2部材と、
前記出力軸に固着された第3部材と、
前記第1部材を前記出力軸の周りで回転駆動させる第1の振動型アクチュエータと、
前記第2部材を前記出力軸の周りで回転駆動させる第2の振動型アクチュエータと、
前記第2部材に回転可能に保持されるとともに、前記第1部材と前記第3部材とに接して挟持された転動体と、
を備え、
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうちの少なくとも1つが駆動することによって、前記第3部材および前記出力軸が一体で回転する
ことを特徴とする駆動装置。
[構成2]
前記第3部材および前記出力軸は、前記少なくとも1つが駆動することによって前記転動体を介して、前記一体で回転する
ことを特徴とする構成1に記載の駆動装置。
[構成3]
前記第1部材、前記第2部材および前記第3部材は、それぞれ、前記出力軸に挿通されている
ことを特徴とする構成1または2に記載の駆動装置。
[構成4]
前記第2の振動型アクチュエータは、前記第1の振動型アクチュエータよりも前記出力軸から離れた位置に配置されている
ことを特徴とする構成1乃至3のいずれか1項に記載の駆動装置。
[構成5]
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうち、一方が駆動停止の状態で他方が駆動することによって、前記第3部材および前記出力軸が前記一体で回転する
ことを特徴とする構成1乃至4のいずれか1項に記載の駆動装置。
[構成6]
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうち、両方が駆動することによって、前記第3部材および前記出力軸が前記一体で回転する
ことを特徴とする構成1乃至4のいずれか1項に記載の駆動装置。
[構成7]
前記出力軸の軸方向を基準として前記第1部材が反時計回りに回転するときを正として前記第1部材の回転数をN1とし、
前記出力軸の軸方向を基準として前記第2部材が反時計回りに回転するときを正として前記第2部材の回転数をN2とした場合、
N2/N1>0.5を満たす
ことを特徴とする構成1乃至6のいずれか1項に記載の駆動装置。
[構成8]
前記N1と前記N2において、N2≧N1を満たす
ことを特徴とする構成7に記載の駆動装置。
[構成9]
前記出力軸の軸方向を基準として前記第1部材が反時計回りに回転するときを正として前記第1部材のトルクをT1とし、
前記出力軸の軸方向を基準として前記第2部材が反時計回りに回転するときを正として前記第2部材のトルクをT2とした場合、
(T1・N1+T2・N2)/(2・N2-N1)≧T1を満たす
ことを特徴とする構成7または8に記載の駆動装置。
[構成10]
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうちの少なくとも1つは、矩形状または環状である
ことを特徴とする構成1乃至9のいずれか1項に記載の駆動装置。
[構成11]
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうちの少なくとも1つは、複数設けられている
ことを特徴とする構成1乃至10のいずれか1項に記載の駆動装置。
[構成12]
前記転動体は、球の形状、円筒の形状または円柱の形状である
ことを特徴とする構成1乃至11のいずれか1項に記載の駆動装置。
[構成13]
前記転動体は、歯車を含み構成されており、
前記歯車と接する前記第1部材および前記第3部材の部位には、歯が形成されている
ことを特徴とする構成1乃至11のいずれか1項に記載の駆動装置。
[方法1]
出力軸と、
前記出力軸に対して回転可能に構成された第1部材および第2部材と、
前記出力軸に固着された第3部材と、
前記第1部材を前記出力軸の周りで回転駆動させる第1の振動型アクチュエータと、
前記第2部材を前記出力軸の周りで回転駆動させる第2の振動型アクチュエータと、
前記第2部材に回転可能に保持されるとともに、前記第1部材と前記第3部材とに接して挟持された転動体と、
を備える駆動装置の駆動方法であって、
前記第1の振動型アクチュエータおよび前記第2の振動型アクチュエータのうちの少なくとも1つが駆動することによって、前記第3部材および前記出力軸が一体で回転する
ことを特徴とする駆動方法。
【符号の説明】
【0065】
10,20:振動型アクチュエータ、11,21:弾性体、11a:突起、11b:固定部、12,22:圧電体、13,23:振動体、14:フェルト、15:押圧部材、16:基台、24:櫛歯部、100:駆動装置、110,210:第1部材、111:歯、120:第2部材、121:穴、130:第3部材、131:歯、140,141:転動体、150:出力軸、161,162:ベアリング、163:止め螺子、171,172:バネ、180:ハウジング、190:カバー、191,192:突起、201:接触バネ、300:雲台装置、310:ヘッド部、320:ベース部、330:Lアングル部、340:撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7