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特開2024-178707店舗運営支援装置および店舗運営支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178707
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】店舗運営支援装置および店舗運営支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0203 20230101AFI20241218BHJP
【FI】
G06Q30/0203
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097057
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 達矢
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB02
5L030BB05
5L049BB02
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】店舗における顧客の購買行動をユーザが客観的に把握することを可能にする。
【解決手段】店舗運営支援装置5において、プロセッサ41は、店舗2の中を撮影して得られた店内映像を取得し、店内映像に含まれる1以上の人物および複数の物体の認識処理を行い、人物ごとに認識処理の結果を記憶装置44に蓄積し、認識処理の結果に基づき、各人物の購買行動に関する人物行動表示画像をそれぞれ生成し、人物行動表示画像を店内映像に重畳した行動観察用映像を生成し、行動観察用映像を前記店舗運営支援情報としてディスプレイに表示させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の運営を支援するための店舗運営支援情報をユーザに提供するための処理を実行するプロセッサを備えた店舗運営支援装置であって、
前記プロセッサは、
前記店舗の中を撮影して得られた店内映像を取得し、
前記店内映像に含まれる1以上の人物および複数の物体の認識処理を行い、
前記人物ごとに前記認識処理の結果を記憶装置に蓄積し、
前記認識処理の結果に基づき、前記各人物の購買行動に関する人物行動表示画像をそれぞれ生成し、
前記人物行動表示画像を前記店内映像に重畳した行動観察用映像を生成し、
前記行動観察用映像を前記店舗運営支援情報としてディスプレイに表示させる、店舗運営支援装置。
【請求項2】
前記人物行動表示画像は、前記店内映像における前記各人物とそれに対応する前記物体とに重なるように配置される、請求項1に記載の店舗運営支援装置。
【請求項3】
前記人物行動表示画像は、前記店内映像における前記各人物とそれに対応する前記物体との間を結ぶように配置される線分の画像を含む、請求項2に記載の店舗運営支援装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記各人物の購買行動に応じて前記線分の画像の表示態様を変更し、
前記表示態様の変更には、前記線分の画像における線の太さの変更、線の形状の変更、及び線の色の変更のうちの少なくとも1つが含まれる、請求項3に記載の店舗運営支援装置。
【請求項5】
前記人物行動表示画像は、前記各人物及びそれに対応する前記物体の少なくとも一部を囲む枠の画像を含む、請求項2に記載の店舗運営支援装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記認識処理の結果に基づき、前記各人物の代表位置を決定し、
前記人物行動表示画像は、前記各人物の代表位置を示す画像を含む、請求項2から請求項5の何れか1項に記載の店舗運営支援装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記各人物の対応する前記物体に対する購買行動に基づき算出される興味度、
前記各人物が対応する前記物体のために費やした時間に基づき算出される滞在時間、及び
前記各人物の対応する前記物体に対する購買行動に基づき算出される前記各人物の不審度のうちの少なくとも1つを、前記認識処理の結果に基づき取得し、
その取得した前記興味度、前記滞在時間、及び前記不審度のうちの少なくとも1つに基づき、前記人物行動表示画像の表示態様を変更する、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の店舗運営支援装置。
【請求項8】
前記各人物に対応する前記物体には、前記各人物の手によって扱われた所持物が含まれる、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の店舗運営支援装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記所持物の種類に基づき、前記人物行動表示画像の表示態様を変更する、請求項8に記載の店舗運営支援装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記各人物の性別の情報および年齢の情報の少なくとも一方を、前記認識処理の結果に基づき取得し、
その取得した前記性別の情報および前記年齢の情報の少なくとも一方に基づき、前記人物行動表示画像の表示態様を変更する、請求項1に記載の店舗運営支援装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記行動観察用映像において、前記店内映像に含まれる前記各人物の画像領域を、マスク画像またはアバター画像に変更する、請求項1に記載の店舗運営支援装置。
【請求項12】
店舗の運営を支援するための店舗運営支援情報をユーザに提供するための店舗運営支援装置による店舗運営支援方法であって、
前記店舗運営支援装置が、
前記店舗の中を撮影して得られた店内映像を取得し、
前記店内映像に含まれる1以上の人物および複数の物体の認識処理を行い、
前記人物ごとに前記認識処理の結果を記憶装置に蓄積し、
前記認識処理の結果に基づき、前記各人物の購買行動に関する人物行動表示画像をそれぞれ生成し、
前記人物行動表示画像を前記店内映像に重畳した行動観察用映像を生成し、
前記行動観察用映像を前記店舗運営支援情報としてディスプレイに表示させる、店舗運営支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、店舗の運営を支援するための店舗運営支援情報をユーザに情報を提供する店舗運営支援装置および店舗運営支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗運営者は、店舗を利用する人物の購買行動(すなわち、商品やサービスの購入に関する顧客の行動)を把握することにより、商品等の販売促進や顧客の満足度の向上のための施策を策定する。
【0003】
従来、顧客の購買行動を把握するために、店内を撮影するカメラと、そのカメラの映像を取り込んでその映像を解析する映像解析装置とを備えた顧客の購買行動の分析システムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-106628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示された従来の分析システムでは、映像解析装置は、カメラ映像に映し出された顧客がどのような仕草をしているかを分析する。更に、その分析システムは、顧客の仕草が予め設定された特定の仕草であると判断した場合、特定の顧客が注目した商品を購入するか否かを判定する。この従来技術では、顧客の購買行動の分析結果に含まれる映像は、顧客の特定の仕草や顧客が手にした商品に限定される。
【0006】
ところで、店舗運営者には、店舗における顧客の様々な購買行動を客観的に把握したいという要望がある。しかしながら、上記従来技術では、顧客の特定の仕草が過度に重視されているため、そのような店舗運営者の要望に応えることは難しい。
【0007】
そこで、本開示は、店舗における顧客の購買行動をユーザが客観的に把握することを可能にする店舗運営支援装置および店舗運営支援方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の店舗運営支援装置は、店舗の運営を支援するための店舗運営支援情報をユーザに提供するための処理を実行するプロセッサを備えた店舗運営支援装置であって、前記プロセッサは、前記店舗の中を撮影して得られた店内映像を取得し、前記店内映像に含まれる1以上の人物および複数の物体の認識処理を行い、前記人物ごとに前記認識処理の結果を記憶装置に蓄積し、前記認識処理の結果に基づき、前記各人物の購買行動に関する人物行動表示画像をそれぞれ生成し、前記人物行動表示画像を前記店内映像に重畳した行動観察用映像を生成し、前記行動観察用映像を前記店舗運営支援情報としてディスプレイに表示させる構成とする。
【0009】
本開示の店舗運営支援方法は、店舗の運営を支援するための店舗運営支援情報をユーザに提供するための店舗運営支援装置による店舗運営支援方法であって、前記店舗運営支援装置が、前記店舗の中を撮影して得られた店内映像を取得し、前記店内映像に含まれる1以上の人物および複数の物体の認識処理を行い、前記人物ごとに前記認識処理の結果を記憶装置に蓄積し、前記認識処理の結果に基づき、前記各人物の購買行動に関する人物行動表示画像をそれぞれ生成し、前記人物行動表示画像を前記店内映像に重畳した行動観察用映像を生成し、前記行動観察用映像を前記店舗運営支援情報としてディスプレイに表示させる構成とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ユーザは、店舗における顧客の購買行動を客観的に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る店舗運営支援システムの全体構成図
図2】店舗運営支援システムの機能ブロック図
図3】店舗運営支援装置のハードウェア構成を示すブロック図
図4】購買行動情報の生成処理の流れを示すフロー図
図5】行動観察用映像の出力処理の流れを示すフロー図
図6】行動確認画面の一例を示す説明図
図7】行動確認画面における人物行動表示画像の概要を示す説明図
図8】行動確認画面における人物及び商品の関係を示す線分の画像の変化の例を示す説明図
図9】行動確認画面における第1の表示形態設定フィールドに関する説明図
図10】行動確認画面における人物及び携帯物の関係を示す線分の画像の表示例を示す説明図
図11】行動確認画面における人物の滞在状態を示す人物行動表示画像の表示例を示す説明図
図12図6に示した行動確認画面における人物行動表示画像の変形例を示す説明図
図13】第2実施形態に係る店舗運営支援システムの機能ブロック図
図14】商品確認画面の出力処理の流れを示すフロー図
図15】販売管理画面の一例を示す説明図
図16】商品の関連度に基づく購買傾向確認画面の表示例を示す説明図
図17図16に示した購買傾向表示マップの構成に関する説明図
図18図17に示した購買傾向表示マップにおけるノード画像に関する説明図
図19】商品の類似度に基づく購買傾向確認画面の表示例を示す説明図
図20図19に示した購買傾向確認画面の他の表示例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、店舗の運営を支援するための店舗運営支援情報をユーザに提供するための処理を実行するプロセッサを備えた店舗運営支援装置であって、前記プロセッサは、前記店舗の中を撮影して得られた店内映像を取得し、前記店内映像に含まれる1以上の人物および複数の物体の認識処理を行い、前記人物ごとに前記認識処理の結果を記憶装置に蓄積し、前記認識処理の結果に基づき、前記各人物の購買行動に関する人物行動表示画像をそれぞれ生成し、前記人物行動表示画像を前記店内映像に重畳した行動観察用映像を生成し、前記行動観察用映像を前記店舗運営支援情報としてディスプレイに表示させる構成とする。
【0013】
これによると、ユーザは、行動観察用映像によって、店舗における顧客(すなわち、店内映像において認識された人物)の購買行動を客観的に把握することが可能となる。
【0014】
また、第2の発明は、前記人物行動表示画像は、前記店内映像における前記各人物とそれに対応する前記物体とに重なるように配置される構成とする。
【0015】
これによると、ユーザは、人物行動表示画像によって、各人物とそれに対応する物体(例えば、購買対象の商品や、買い物カゴなどの携帯物)との関連性を容易に把握することができる。
【0016】
また、第3の発明は、前記人物行動表示画像は、前記店内映像における前記各人物とそれに対応する前記物体との間を結ぶように配置される線分の画像を含む構成とする。
【0017】
これによると、ユーザは、視認性の高い線分の画像によって、各人物とそれに対応する物体との関連性を容易に把握することができる。
【0018】
また、第4の発明は、前記プロセッサは、前記各人物の購買行動に応じて前記線分の画像の表示態様を変更し、前記表示態様の変更には、前記線分の画像における線の太さの変更、線の形状の変更、及び線の色の変更のうちの少なくとも1つが含まれる構成とする。
【0019】
これによると、ユーザは、線分の画像の表示形態の変化によって、各物体に対する各人物の購買行動の内容やその変化を容易に把握することができる。
【0020】
また、第5の発明は、前記人物行動表示画像は、前記各人物及びそれに対応する前記物体の少なくとも一部を囲む枠の画像を含む構成とする。
【0021】
これによると、ユーザは、視認性の高い枠の画像によって、各人物とそれに対応する物体との関連性を容易に把握することができる。
【0022】
また、第6の発明は、前記プロセッサは、前記認識処理の結果に基づき、前記各人物の代表位置を決定し、前記人物行動表示画像は、前記各人物の代表位置を示す画像を含む構成とする。
【0023】
これによると、ユーザは、各人物の代表位置を示す画像によって、行動観察用映像における各人物や、各人物とそれに対応する物体との関連性を容易に把握することができる。
【0024】
また、第7の発明は、前記プロセッサは、前記各人物の対応する前記物体に対する購買行動に基づき算出される興味度、前記各人物が対応する前記物体のために費やした時間に基づき算出される滞在時間、及び前記各人物の対応する前記物体に対する購買行動に基づき算出される前記各人物の不審度のうちの少なくとも1つを、前記認識処理の結果に基づき取得し、その取得した前記興味度、前記滞在時間、及び前記不審度のうちの少なくとも1つに基づき、前記人物行動表示画像の表示態様を変更する構成とする。
【0025】
これによると、ユーザは、興味度、滞在時間、及び不審度のうちの少なくとも1つに基づく人物行動表示画像の表示態様の変化によって、各人物とそれに対応する物体との関連性を容易に把握することができる。
【0026】
また、第8の発明は、前記各人物に対応する前記物体には、前記各人物の手によって扱われた所持物が含まれる構成とする。
【0027】
これによると、ユーザは、各人物の手によって扱われた物体(すなわち、所持物)と各人物とを関連津付けることにより、各人物とそれに対応する物体とを容易に関連づけることができる。
【0028】
また、第9の発明は、前記プロセッサは、前記所持物の種類に基づき、前記人物行動表示画像の表示態様を変更する構成とする。
【0029】
これによると、ユーザは、所持物の種類に基づく人物行動表示画像の表示態様の変化によって、各人物の手によって扱われる所持物の種類を容易に把握することができる。
【0030】
また、第10の発明は、前記プロセッサは、前記各人物の性別の情報および年齢の情報の少なくとも一方を、前記認識処理の結果に基づき取得し、その取得した前記性別の情報および前記年齢の情報の少なくとも一方に基づき、前記人物行動表示画像の表示態様を変更する構成とする。
【0031】
これによると、ユーザは、各人物の属性(すなわち、性別及び年齢の少なくとも一方)に基づく人物行動表示画像の表示態様の変化によって、各人物の属性を容易に把握することができる。
【0032】
また、第11の発明は、前記プロセッサは、前記行動観察用映像において、前記店内映像に含まれる前記各人物の画像領域を、マスク画像またはアバター画像に変更する構成とする。
【0033】
これによると、行動観察用映像から各人物を特定可能な情報(すなわち、個人情報)を容易に排除することができる。
【0034】
また、第12の発明は、店舗の運営を支援するための店舗運営支援情報をユーザに提供するための店舗運営支援装置による店舗運営支援方法であって、前記店舗運営支援装置が、前記店舗の中を撮影して得られた店内映像を取得し、前記店内映像に含まれる1以上の人物および複数の物体の認識処理を行い、前記人物ごとに前記認識処理の結果を記憶装置に蓄積し、前記認識処理の結果に基づき、前記各人物の購買行動に関する人物行動表示画像をそれぞれ生成し、前記人物行動表示画像を前記店内映像に重畳した行動観察用映像を生成し、前記行動観察用映像を前記店舗運営支援情報としてディスプレイに表示させる構成とする。
【0035】
これによると、ユーザは、行動観察用映像によって、店舗における顧客(すなわち、店内映像において認識された人物)の購買行動を客観的に把握することが可能となる。
【0036】
以下、本開示の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0037】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る店舗運営支援システム1の全体構成図である。店舗運営支援システム1は、ユーザに対して店舗の運営を支援するための情報を提供する。ユーザには、店舗運営者や店舗スタッフなどが含まれる。運営支援対象となる店舗2には、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの小売チェーン店が含まれる。
【0038】
図1に示すように、店舗運営支援システム1は、複数のカメラ3、レコーダ4、店舗運営支援装置5、及び管理者端末6を含む。店舗2に設けられたカメラ3及びレコーダ4は、LAN(Local Area Network)7に接続されている。LAN7は、ゲートウェイやルータなどを含む接続機器8を介してインターネット等のWAN(Wide Area Network)9に接続される。店舗運営支援装置5及び管理者端末6は、WAN9に接続される。カメラ3、レコーダ4、店舗運営支援装置5、及び管理者端末6は相互に通信可能である。
【0039】
なお、店舗運営支援システム1の各構成要素(ここでは、カメラ3、レコーダ4、店舗運営支援装置5、及び管理者端末6)の数や配置は適宜変更することが可能である。店舗運営支援システム1には、店舗2と同様の複数の店舗が含まれてもよい。
【0040】
各カメラ3は、公知のハードウェアを備えたビデオカメラから構成される。各カメラ3は、店舗2内の適所に配置され、店舗2を利用する複数の人物(すなわち、顧客)の購買行動をそれぞれ撮影可能に設けられている。
【0041】
購買行動には、店舗2において買い物を行う人物の任意の行動が含まれ得る。例えば、購買行動には、人物が商品を手に取ってその購入を検討する行為、人物が購入を決めた商品を買い物カゴなどに収める行為、及び人物が所望の商品を求めて店内を移動する行為などが含まれる。
【0042】
各カメラ3は、各人物の購買行動をそれぞれ撮影することによって、各人物及びその購入対象となる商品や携帯物(買い物カゴなど)を含む撮影映像(すなわち、店内映像)をそれぞれ生成する。
【0043】
各カメラ3は、撮影によって生成した店内映像のデータおよびその付属情報をレコーダ4に順次送信することができる。付属情報には、カメラID(各カメラの識別子)、位置情報(各カメラの画像内の座標、各カメラの設置位置を含む)、撮影条件(画角を含む)などが含まれ得る。
【0044】
レコーダ4は、公知のハードウェアを備えた映像記録装置から構成される。レコーダ4は、各カメラ3から店内映像のデータをそれぞれ取得し、その映像データをストレージに保存する。店内映像の映像データには音声データが含まれてもよい。なお、レコーダ4は、店舗2の外に設置されてもよい。その場合、レコーダ4は、WAN9を介して他の電子機器と通信可能である。
【0045】
店舗運営支援装置5は、店舗2の運営を支援するための店舗運営支援情報をユーザに提供する。店舗運営支援装置5は、店舗運営支援情報を生成し、それをユーザに向けて出力するための処理を実行可能な1以上のコンピュータから構成される。本実施形態では、店舗運営支援装置5は、必要な処理を実行する1以上のサーバを含む。
【0046】
管理者端末6は、店舗運営支援情報を利用するユーザによって使用される。管理者端末6は、PC、タブレット端末、及びスマートフォンなどのディスプレイを備えた1以上のコンピュータを含む。なお、管理者端末6は、店舗2内に設置されてもよい。その場合、管理者端末6は、LAN7を介して他の電子機器と通信可能である。
【0047】
図2は、店舗運営支援システム1の機能ブロック図である。図3は、店舗運営支援装置5のハードウェア構成を示すブロック図である。図4は、店舗運営支援装置5による購買行動情報の生成処理の流れを示すフロー図である。図5は、店舗運営支援装置5による行動観察用映像の出力処理の流れを示すフロー図である。
【0048】
図2に示すように、店舗運営支援システム1では、カメラ3によって生成された店内映像のデータがレコーダ4に順次蓄積される。店舗運営支援装置5は、レコーダ4に蓄積された映像データを取得し、店舗運営支援情報を生成する。本実施形態では、店舗運営支援装置5は、生成した店舗運営支援情報を管理者端末6に送信(出力)する。店舗運営支援情報には、店内における顧客の購買行動をユーザが確認するための画面(以下、「行動確認画面」という。図6中の行動確認画面51を参照。)が含まれる。行動確認画面51には、人物の購買行動を観察するための映像(以下、「行動観察用映像」という。)が含まれる(図6中の行動観察用映像52を参照)。行動観察用映像52は、カメラ3によって撮影された所定期間の店内映像を含む。
【0049】
ユーザは、管理者端末6において、行動確認画面51に所望の行動観察用映像を表示させるための条件(以下、「ユーザ設定条件」という。)を設定し、店舗運営支援装置5に送信することができる。
【0050】
店舗運営支援装置5は、制御部11および記憶部12(記憶装置の一例)を有する。
【0051】
制御部11において、映像取得部21は、店内映像のデータを取得する処理(以下、「映像取得処理」という。)を実行する。映像取得処理では、レコーダ4に蓄積された店内の映像データが適宜送信され、映像データ31として記憶部12に記憶される。
【0052】
物体・行動認識部22は、所定期間の映像データ31に対し、店内映像における1以上の人物および複数の物体の認識処理(以下、「購買行動認識処理」という。)を行う。複数の物体には、各人物に関連する(すなわち、各人物の購入対象となる)1以上の商品が含まれる。また、複数の物体には、店舗2において各人物が利用する携帯物(例えば、買い物カゴ)が含まれ得る。
【0053】
購買行動認識処理は、記憶部12に予め記憶された購買行動認識モデル32を用いて実行される。購買行動認識モデル32は、ディープラーニングなどの機械学習によって予め生成された学習モデルを含む。購買行動認識処理には、店内映像における人物及び物体の抽出(人物及び物体の位置情報の取得を含む)や、移動する人物及び物体の追跡が含まれる。
【0054】
また、購買行動認識処理には、人物と物体との関連性(すなわち、人物が物体に対してどのような行為を行っているか)の認識が含まれる。購買行動認識処理では、認識対象の物体が商品である場合には、人物と物体との関連性の認識結果として、商品に対する興味度、商品のための滞留時間(すなわち、人物が商品を購入するか否かの判断に要した時間に相当)、及び不審度が取得される。
【0055】
商品に対する興味度は、例えば、人物が所定時間内において対象商品を手に取った回数や、対象商品を手に取った状態で目視した時間の長さなどに基づき算出することができる。商品のための滞留時間は、例えば、人物が対象商品を手に取った状態でその場に滞留した時間や、人物が対象商品を棚に戻した後に人物がその場に滞留した時間などに基づき算出することができる。不審度は、予め学習された人物の不審な行為(例えば、人物が対象商品を手に取った状態で周囲を警戒する行為や、人物が手に取った対象商品を衣服などに隠す行為)に基づき算出することができる。本実施形態では、商品に対する興味度、商品のための滞留時間、及び不審度は、それぞれ0-100の範囲の数値で示される。
【0056】
購買行動認識処理では、人物とそれに対応する物体(例えば、購買対象の商品や、買い物カゴなどの携帯物)との関連性の認識結果に基づき、各人物の購買行動を示すための画像(以下、「人物行動表示画像」という。)が生成される。人物行動表示画像は、店内映像に重畳されることにより、行動観察用映像の一部を構成する。このとき、抽出された物体の種別(例えば、商品の種別)が認識されてもよい。
【0057】
さらに、購買行動認識処理では、各人物に関する認識結果に基づき、各人物の代表位置が決定される。人物行動表示画像には、そのような各人物の代表位置を示す画像が含まれ得る。各人物の代表位置には、例えば、各人物の画像の重心や、各人物の所定の部位(例えば、頭部)などを用いることができる。
【0058】
店舗運営支援装置5は、上述のような購買行動認識処理の結果(物体関連性表示画を含む)を、購買行動情報33として記憶部12に記憶する。
【0059】
人物属性推定部23は、購買行動認識処理によって映像データ31から抽出された各人物に対し、その人物の属性を推定する処理(以下、「人物属性推定処理」という。)を行う。人物の属性には、各人物の性別および年齢の少なくとも一方が含まれる。
【0060】
人物属性推定処理は、記憶部12に予め記憶された人物属性推定モデル34を用いて実行される。人物属性推定モデル34は、ディープラーニングなどの機械学習によって予め生成された学習モデルを含む。人物属性推定処理によって得られた各人物の性別や年齢に関する情報は、購買行動情報33の一部として記憶部12に記憶される。
【0061】
商品識別部24は、購買行動認識処理によって映像データ31から抽出された物体(商品を含む)に対し、商品を識別する処理(以下、「商品識別処理」という。)を行う。商品識別処理では、映像データ31から抽出された物体の画像と、記憶部12に記憶された商品情報35(すなわち、商品データベース)に含まれる商品画像とが照合される。商品情報35には、店舗2で販売される各商品についての商品画像に加え、商品ID、商品名、及び商品種別などが含まれ得る。商品識別処理によって得られた各商品の識別結果に関する情報は、購買行動情報33の一部として記憶部12に記憶される。なお、商品識別部24による商品識別処理は、予め準備された学習モデルを用いて実行されてもよい。
【0062】
画面生成・出力部25は、管理者端末6に対して行動確認画面を出力する処理を行う。また、画面生成・出力部25は、購買行動情報33を用いて行動確認画面に表示される行動観察用映像を生成する処理を行う。画面生成・出力部25は、管理者端末6から受信したユーザ設定条件に基づき、管理者端末6のディスプレイにおける行動観察用映像の表示態様を適宜変更する。
【0063】
なお、店舗運営支援装置5は、管理者端末6を介することなくユーザによって直接操作されてもよい。その場合、画面生成・出力部25は、行動確認画面および行動観察映像を、店舗運営支援装置5のディスプレイ46(図3参照)に表示(すなわち、出力)することができる。
【0064】
図3に示すように、店舗運営支援装置5は、1以上のプロセッサ41(CPU、MPU等)、RAM(Random Access Memory)42、ROM(Read Only Memory)43、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等を含むストレージ44、及び通信インタフェース(I/F)45等を備え得る。さらに、店舗運営支援装置5は、ディスプレイ46を備えてもよい。
【0065】
上述の制御部11における各部21-25の機能の少なくとも一部は、プロセッサ41が所定の制御プログラムを実行することにより実現可能である。また、記憶部12は、ストレージ44を含む。
【0066】
図4に示すように、店舗運営支援装置5は、購買行動情報33を生成するための処理として、上述の映像取得処理(ST101)、購買行動認識処理(ST102)、人物属性推定処理(ST103)、及び商品識別処理(ST104)をそれぞれ実行する。さらに、店舗運営支援装置5は、それらの処理結果を購買行動情報33として記憶部12に記憶する(ST105)。
【0067】
さらに、図5に示すように、店舗運営支援装置5は、行動確認画面を出力するための処理を実行することができる。
【0068】
より詳細には、店舗運営支援装置5は、まず管理者端末6のディスプレイに行動確認画面を表示させる(ST201)。次に、店舗運営支援装置5は、管理者端末6におけるユーザの操作に基づき、ユーザ設定条件を取得する(ST202)。さらに、店舗運営支援装置5は、ユーザ設定条件を満たす(例えば、設定された表示期間に対応する)購買行動情報33を記憶部12から取得する(ST203)。
【0069】
そこで、店舗運営支援装置5は、ユーザ設定条件に基づき購買行動情報33から必要な情報を抽出し(ST203)、行動確認画面における行動観察用映像の表示態様を変更する(ST204)。
【0070】
上記ステップST202-ST204の一連の処理は、管理者端末6においてユーザ設定条件が更新される度に繰り返し実行される。
【0071】
次に、管理者端末6に表示される行動確認画面の詳細について説明する。
【0072】
図6は、行動確認画面51の一例を示す説明図である。図7は、行動確認画面51における人物行動表示画像の概要を示す説明図である。図8は、行動確認画面51における人物及び商品の関係を示す線分の画像の変化の例を示す説明図である。図9は、行動確認画面51における第1の表示形態設定フィールド75に関する説明図である。図10は、行動確認画面51における人物及び携帯物の関係を示す線分の画像の表示例を示す説明図である。図11は、行動確認画面51における人物の滞在状態を示す人物行動表示画像の表示例を示す説明図である。図12は、図6に示した行動確認画面51における人物行動表示画像の変形例を示す説明図である。
【0073】
図6に示すように、行動確認画面51は、行動観察用映像52を表示する映像表示領域を含む。また、行動確認画面51は、行動観察用映像52が撮影された期間(ここでは、2023年3月7日の12時~13時)をユーザが設定するための期間設定フィールド53を含む。さらに、行動確認画面51は、ユーザが行動観察用映像52の再生時の設定を行うための再生コントローラ54を含む。再生コントローラ54には、行動観察用映像52の再生を開始または終了するための再生ボタン、再生位置(時刻)を設定するためのタイムスライダー、及び再生速度を設定するための速度設定部などが含まれる。
【0074】
行動観察用映像52のベースとなる店内映像には、複数の人物61A-61Cが含まれる。また、その店内映像には、複数の人物61A-61Cの周辺に存在する複数の物体として、複数の商品棚60と、それら商品棚60にそれぞれ配置された複数の商品62とが含まれる。
【0075】
行動観察用映像52における人物61Aの周辺には、図7にも示すように、その人物61Aに対応する商品62A及び買い物カゴ63Aが含まれる。商品62Aは、人物61Aがそれを手に取って目視することにより、人物61Aの所持物の1つ(すなわち、商品)として認識されたものである。また、買い物カゴ63Aは、人物61Aがそれを手に持って移動することにより、人物61Aの所持物の1つ(すなわち、携帯物)として認識されたものである。
【0076】
行動観察用映像52には、店内映像に重畳された人物行動表示画像が含まれる。人物61Aに関する人物行動表示画像は、人物61Aとそれに対応する商品62Aとに重なるように配置される線分の画像65Aを含む。線分の画像65Aは、人物61Aとそれに対応する商品62Aとの間を結ぶように配置される。
【0077】
また、人物61Aに関する人物行動表示画像は、人物61Aとそれに対応する携帯物としての買い物カゴ63Aとに重なるように配置される線分の画像66Aを含む。
【0078】
行動観察用映像52には、店内映像に重畳された代表位置を示す画像が含まれる。人物61Aの代表位置を示す画像は、人物61Aの代表位置に配置された円の画像67Aである。
【0079】
人物61Aは、それに対応する商品62A及び買い物カゴ63Aが存在するため、円の画像67Aは、異なる直径を有する2つの同心円67Aa、67Abを含む(図7を参照)。実線で示される線分の画像65Aの一端は、同じく実線で示された大径(すなわち、外側)の円67Aaに接続される。なお、線分の画像65Aの他端は、商品62Aに接続される。また、破線で示される線分の画像66Aの一端は、同じく破線で示された小径(すなわち、内側)の円67Abに接続される。
【0080】
図7には、人物61Aが抽出された矩形の画像領域71、商品62Aが抽出された矩形の画像領域72、及び買い物カゴ63Aが抽出された矩形の画像領域73がそれぞれ示されている。ユーザは、そのような画像領域71-73を、必要に応じて図6中の行動観察用映像52にも表示させることができる。
【0081】
また、行動観察用映像52(図6参照)には、人物61B、61Cに関し、各人物61B、61Cの代表位置にそれぞれ配置された円の画像67B、67Cが含まれる。なお、代表位置を示す画像には、円の画像67A-67Cに代えて、他の形状(例えば、多角形)の画像が用いられてもよい。
【0082】
また、行動観察用映像52には、人物61Bに関し、人物61Bとその携帯物であるマイバッグ63Bとに重なるように配置される線分の画像66Bが含まれる。線分の画像66Bの一端は、円の画像67Bに接続される。なお、線分の画像69Bの他端は、マイバッグ63Bに接続される。
【0083】
また、行動確認画面51は、第1-第3の表示形態設定フィールド75-77を含む。ユーザは、第1-第3の表示形態設定フィールド75-77に対する操作を実行することにより、行動観察用映像52における人物行動表示画像の表示形態を変更することができる。
【0084】
第1の表示形態設定フィールド75において、ユーザは、商品に対する興味度、商品のための滞留時間、及び不審度のいずれかに基づき、人物行動表示画像の表示態様(ここでは、線分の画像の線の太さ)を変更することができる。図6では、ユーザが興味度を選択した例が示されている。
【0085】
例えば、図8(A)-(C)に示すように、線分の画像65Aにおける線の太さは、興味度の変化(ここでは、(A)興味度30、(B)興味度60、(C)興味度100)に応じて徐々に増大する。人物が対象商品を手に取った状態で目視した時間の長さに応じて興味度が増大するように設定された場合には、その時間の長さ(すなわち、時間経過)に応じて線の太さが徐々に増大する。同様に、ユーザが第1の表示形態設定フィールド75において滞留時間または不審度を選択した場合には、それらの値に応じて線分の画像65Aにおける線の太さが変化する。
【0086】
図9に示すように、ユーザは、第1の表示形態設定フィールド75において、興味度が変化しても線の太さを変化させない無効領域を設定することができる。図9では、ユーザがスライダ78を操作することにより、興味度が30未満の範囲が無効領域として設定された例を示している。この場合、興味度が0から30未満の範囲では、線の太さは初期の太さのまま変化しない。そして興味度が30以上になると(すなわち、興味度が30-100の範囲の有効領域では)、興味度の増大にともない線の太さが増大する。このように、ユーザは、線の太さを変化させない無効領域を適切に設定することにより、所望の興味度の範囲において、線分の太さ(すなわち、興味度)の変化を容易に把握することが可能となる。
【0087】
第2の表示形態設定フィールド76において、ユーザは、人物61A-61Cの所持物を確認するか、または、人物61A-61Cの滞在状態を確認するかを選択することができる。図6では、ユーザが所持物を確認することを選択した例を示している。更にここでは、表示対象の所持物として、購入対象の商品、買い物カゴ、買い物カート、及びマイバッグがユーザによって選択されている。ただし、ユーザは、第2の表示形態設定フィールド76において、一部の携帯物(例えば、買い物カゴ)のみにチェックを入れることで、当該携帯物を行動観察用映像52において容易に確認することが可能となる。
【0088】
行動観察用映像52には、ユーザが選択した所持物に関する人物行動表示画像(例えば、線分の画像65A、66A)が、所望の線の形状(すなわち、線種)によって表示される。ここでは、人物行動表示画像の線の形状について、商品については実線(線分の画像65Aを参照)に設定され、買い物カゴについては破線(線分の画像66Aを参照)に設定され、マイバッグについては二重線(線分の画像66Bを参照)に設定された例が示されている。
【0089】
このような第2の表示形態設定フィールド76におけるユーザの設定によれば、例えば図10(A)に示すように、人物61Dとその携帯物である買い物カート63Dとに重なるように線分の画像66Dが破線で示される。より詳細には、線分の画像66Dは、人物61Dの代表位置に配置された円の画像67Dと買い物カート63Dとを結ぶように配置される。
【0090】
同様に、図10(B)に示すように、人物61Bとその携帯物であるマイバッグ63Bとに重なるように線分の画像66Bが二重線で示される。より詳細には、線分の画像66Bは、人物61Bの代表位置に配置された円の画像67Bとマイバッグ63Bとを結ぶように配置される。
【0091】
第3の表示形態設定フィールド77において、ユーザは、人物行動表示画像(例えば、線分の画像65A)について、人物61A-61Cの属性を表示する線の色を設定することができる。図6では、ユーザが人物61A-61Cの属性として性別を選択し、男性および女性にそれぞれ対応する線の色を設定した例が示されている。
【0092】
これにより、例えば線分の画像65Aは、それに付された色によって対応する人物61Aの属性(ここでは、女性)を示すことができる。
【0093】
また、線分の画像65Aと同様に、人物61Aの代表位置を示す円の画像67Aは、その内側の領域に付された色によって対応する人物61Aの属性(ここでは、女性)を示すことができる。
【0094】
一方、第2の表示形態設定フィールド76において、ユーザが滞在状態を選択した場合には、例えば図11に示すような行動観察用映像52が表示される。ここでは、行動観察用映像52に表示されるべき人物の滞在状態として移動中および静止中の両方が選択されている。これにより、行動観察用映像52には、移動中の人物61Eと、静止中の人物61Fとが表示される。
【0095】
またここでは、人物行動表示画像(より厳密には、人物61E、61Fの代表位置を示す画像)の線の形状について、移動中が実線に設定され、静止中が破線に設定されている。これにより、図11では、移動中の人物61Eの代表位置を示す円の画像67Eは実線で示され、また、静止中の人物61Fの代表位置を示す円の画像67Fは破線で示されている。
【0096】
上述のように、ユーザが行動確認画面51の期間設定フィールド53および第1-第3の表示形態設定フィールド75-77において設定した条件は、ユーザ設定条件として店舗運営支援装置5に適宜送信される。
【0097】
なお、人物行動表示画像としては、上述の線分の画像(例えば、図6中の線分の画像65Aを参照)に代えて他の形態の画像が用いられてもよい。例えば図12に示すように、人物行動表示画像として、人物61A及びそれに対応する商品62A(すなわち、購入対象商品)を囲む枠の画像165Aや、人物61A及びそれに対応する買い物カゴ63A(すなわち、携帯物)を囲む枠の画像166Aが用いられてもよい。なお、枠の画像165Aは、人物61Aおよび商品62Aの少なくとも一部を囲む態様であればよい。同様に、枠の画像166Aは、人物61Aおよび買い物カゴ63Aの少なくとも一部を囲む態様であればよい。
【0098】
また、店舗運営支援装置5は、行動観察用映像52に含まれる各人物の画像領域を、マスク画像またはアバター画像に変更して表示してもよい。これにより、行動観察用映像52から各人物を特定可能な情報(すなわち、個人情報)を容易に排除することができ、個人のプライバシーを保護する形で行動観察用映像52を確認することが可能となる。
【0099】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る店舗運営支援システム1について説明する。第2実施形態に係る店舗運営支援システム1に関し、第1実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また、第2実施形態に係る店舗運営支援システム1について、以下で特に言及しない事項については、第1実施形態の場合と同様とする。
【0100】
図13は、第2実施形態に係る店舗運営支援システム1の機能ブロック図である。店舗運営支援装置5において、制御部11は、店舗2で販売される商品に関する管理情報(以下、「商品管理情報」という。)136を取得する商品管理情報取得部126を含む。商品管理情報136は、商品情報35に含まれる各商品に対応づけられて記憶部12に順次記憶される。商品管理情報136には、各商品についての売上情報(所定期間における売上数等を含む)、商品価格、セール情報(割引き情報)、販売開始時期、及び在庫情報などが含まれ得る。
【0101】
画面生成・出力部25は、管理者端末6に対して店舗2で販売される商品を確認するための商品確認画面を出力する処理を行う。商品確認画面には、各商品の関係性を示す商品表示マップが含まれる。また、画面生成・出力部25は、購買行動情報33を用いて商品表示マップに興味度等の情報を付加することができる。画面生成・出力部25は、管理者端末6から受信したマップ設定条件に基づき商品表示マップの表示態様を変更する。
【0102】
図14は、店舗運営支援装置5による商品確認画面の出力処理の流れを示すフロー図である。
【0103】
図14に示すように、まず、店舗運営支援装置5は、管理者端末6のディスプレイに商品確認画面を表示させる(ST301)。商品確認画面は、その初期画面として販売管理画面を含み、その販売管理画面には、ユーザが選択した商品(または商品種別)に関する売上情報等が表示される。
【0104】
次に、店舗運営支援装置5は、管理者端末6におけるユーザの操作に基づくマップ設定条件を取得する(ST302)。
【0105】
さらに、店舗運営支援装置5は、マップ設定条件を満たす(例えば、設定された表示期間に対応する)商品情報35および商品管理情報136をそれぞれ記憶部12から取得する(ST303、ST304)。さらに、店舗運営支援装置5は、マップ設定条件を満たす購買行動情報33を記憶部12から取得する(ST305)。
【0106】
そこで、店舗運営支援装置5は、マップ設定条件に基づき購買行動情報33から必要な情報を抽出し(ST306)、既に表示されている商品表示マップの表示形態を変更するか、または商品確認画面おける商品表示マップを新たに表示する(ST307)。
【0107】
上記ステップST302-ST307の一連の処理は、管理者端末6においてマップ設定条件が更新される度に繰り返し実行される。
【0108】
図15は、店舗運営支援システム1における販売管理画面151の一例を示す説明図である。
【0109】
図15に示すように、販売管理画面151は、商品売上表示領域152を含む。商品売上表示領域152には、ユーザによって選択された各商品、またはユーザによって選択された商品種別に属する各商品について、商品画像、商品名、及び所定期間の売上数等が表示される。
【0110】
また、販売管理画面151は、カテゴリ設定フィールド161、ソート設定フィールド162、及び商品状態設定フィールド163を含む。
【0111】
カテゴリ設定フィールド161において、ユーザは、商品売上表示領域152に表示させたい個別の商品を検索し、また、ユーザが表示させたい商品種別を選択することが可能である。ここでは、商品種別として「清涼飲料」が設定された例を示している。
【0112】
ソート設定フィールド162において、ユーザは、商品の売上数、所定期間の売上上昇率、商品の興味度(ここでは、複数の顧客による興味度の平均値)、及び商品の入荷日のいずれかに基づき、商品売上表示領域152に表示される各商品を降順又は昇順にソートすることができる。ここでは、ソートの基準として「売上数」が選択された例を示している。
【0113】
商品状態設定フィールド163において、ユーザは、商品売上表示領域152に表示させるべき各商品の状態を設定することができる。ここでは、ユーザは、商品の状態として、セール中の商品、新商品(すなわち、発売開始から所定期間内の商品)、及び品切れ中の商品(すなわち、在庫のない商品)のいずれかを選択することができる。ここでは、商品の状態として「セール中」が選択された例を示している。
【0114】
図16は、商品の関連度に基づく購買傾向確認画面171の表示例を示す説明図である。図17は、図16に示した商品表示マップの構成に関する説明図である。図18は、図17に示した商品表示マップにおけるノード画像に関する説明図である。図19は、商品の類似度に基づく購買傾向確認画面171の表示例を示す説明図である。図20は、図19に示した購買傾向確認画面171の他の表示例を示す説明図である。
【0115】
上述の図15に示した販売管理画面151において、ユーザがいずれかの商品を選択(例えば、所望の商品画像をクリック)すると、管理者端末6のディスプレイには、当該選択した商品に関する購買傾向確認画面171が表示される。
【0116】
図16に示すように、購買傾向確認画面171は、商品表示マップ173を含む。また、購買傾向確認画面171は、商品表示マップ173の表示対象の時期的条件をユーザが設定するための、時期設定フィールド174を含む。ここでは、時期設定フィールド174において、「現在」が選択された例が示されている。これにより、商品表示マップ173は、現在から所定期間(例えば、1週間)以内に取得された情報(例えば、商品情報35、商品管理情報136、及び購買行動情報33)に基づき生成される。
【0117】
また、購買傾向確認画面171は、販売管理画面151において、ユーザが選択した商品(ここでは、A県産じゃがいも、以下、「注目商品」という。)のが表示される注目商品表示領域175が含まれる。注目商品表示領域175には、例えば、注目商品の画像、商品名称、及び興味度の値が含まれる。例えば、対象商品に対して複数の人物に関する興味度のデータが存在する場合、それらの人物に関する興味度の平均値に基づき、興味度の値が決定される。
【0118】
商品表示マップ173には、注目商品に対応するノードを示す画像(以下、「ノード画像」という。)181Aと、その注目商品に直接関係する他の商品(以下、「第1の関係商品」という。)に対応するノード画像(例えば、にんじんに対応するノード画像)181Bとが含まれる。
【0119】
また、図16に示すように、ユーザは、例えばにんじんに対応するノード画像181Bに対してカーソルの操作(またはマウスオーバー操作)を行うことにより、ノード画像181Bに対応する商品に関する詳細情報を示すポップアップ画面182を表示させることができる。
【0120】
商品表示マップ173では、注目商品に対応するノード画像(ここでは、ノード画像181A)が中心に配置され、その周囲を囲むように第1の関係商品を示すノード画像(例えば、ノード画像181B)が配置される。注目商品を示すノード画像181Aと、第1の関係商品の各々を示すノード画像とは、エッジを示す画像(以下、「エッジ画像」という。)によって互いに接続される。例えば、ノード画像181Aとノード画像181Bとは、エッジ画像183Aによって互いに接続される。
【0121】
また、商品表示マップ173には、第1の関係商品に直接関係する他の商品(以下、「第2の関係商品」という。ただし、注目商品を除く。)に対応するノード画像が含まれる。例えば、商品表示マップ173には、にんじんに対応する第2の関係商品としてシチュールー、カレールー、及び牛肉が含まれ、それらに対応するノード画像181C、181D、181Eが表示される。ただし、図16では、にんじんに対応する第2の関係商品としてのパン粉に関するノード画像は省略されている。
【0122】
なお、商品表示マップ173には、第2の関係商品に直接関係する他の商品(以下、「第3の関係商品」という。ただし、注目商品および第1の関係商品を除く。)に対応するノード画像が更に含まれてもよい。
【0123】
図17に示すように、A県産じゃがいもの第1の関係商品には、にんじんに加え、牛肉、食パン、卵、及びバターなどが含まれる。また、例えば、商品表示マップ173には、第1の関係商品としての牛肉(図16中のノード画像181Eを参照)に直接関係する第2の関係商品としてにんじん、シチュールー、及び糸こんにゃくが含まれ、それらに対応するノード画像181B、181C、181G(図16参照)が表示される。
【0124】
図18に示すように、商品表示マップ173に示される各ノード画像181は、互いに異なる直径を有する2つの同心円191A、191B(第1の円、第2の円の一例)によって構成される。
【0125】
外側の円191Aの直径の大きさは、対象商品の興味度の大きさに応じて設定される。また、内側の円191Bの大きさは、顧客が対象商品の購入に至った割合(以下、「商品購入割合」という。)に応じて設定される。例えば、複数の人物が対象商品を手に取ることにより、当該対象商品が複数の人物に関連すると認識された場合、商品購入割合は、それらの複数の人物のうち対象商品をその後に実際に購入した人物の割合に相当する。なお、第2実施形態においては、商品表示マップ173に含まれるノード画像181として例示しているが、各商品間の関係性を考慮することなく、店舗経営者等が任意に選択した1以上の商品に対応したノード画像181を生成して、一覧表示させるようにしてもよい。この場合、店舗経営者等は、販売状況の気になる商品に限定して、そのノード画像181から商品の興味度と購入割合とを直感的に把握することができる。
【0126】
また、図16に示すように、購買傾向確認画面171は、マップタイプ設定フィールド192および商品状態設定フィールド163を含む。
【0127】
マップタイプ設定フィールド192において、ユーザは、商品表示マップ173に表示する関係商品のタイプを設定することができる。図16では、ユーザが「関連度」を選択した例が示されている。これにより、商品表示マップ173には、第1の関係商品として、注目商品との関連度が高い商品が表示される。
【0128】
同様に、商品表示マップ173では、第2の関連商品として、第1の関係商品との関連度が高い商品が表示される。商品間の関連度は、対象の2つの商品が同時に購入される度合に応じて設定される。より詳細には、商品間の関連度は、例えば、対象の2つの商品が過去の所定期間において同時に(すなわち、まとめて)購入された回数(または頻度)に応じて設定され得る。そのような関連度の情報(連係商品の情報の一例)は、商品管理情報136の一部として予め記憶される。
【0129】
なお、商品表示マップ173において、各商品を結ぶエッジ画像(例えば、エッジ画像183A)の太さ(すなわち、線の太さ)は、各エッジ画像によって結ばれる2つの商品の関連度の大きさに応じて設定される。
【0130】
商品状態設定フィールド163において、ユーザは、商品表示マップ173に表示する商品の状態を設定することができる。図16では、ユーザが「セール中」を選択した例が示されている。これにより、商品表示マップ173では、第1の関係商品および第2の関係商品として、セール中の状態にある商品のみが表示される。
【0131】
同様に、ユーザは、商品状態設定フィールド163において、「新商品」を選択することにより、第1の関係商品および第2の関係商品として、発売開始直後の商品のみを表示させることができる。また、ユーザは、商品状態設定フィールド163において、「品切れ」を選択することにより、第1の関係商品および第2の関係商品として、は在庫のない商品のみを表示させることができる。
【0132】
一方、マップタイプ設定フィールド192において、ユーザが「類似度」を選択した場合、例えば図19に示すように、商品表示マップ173には、第1の関係商品として、注目商品との類似度が高い商品が表示される。同様に、商品表示マップ173では、第2関連商品として、第1の関係商品との類似度が高い商品が表示される。商品間の類似度は、例えば、一方の商品に対して他方の商品が代替品(すなわち、代わりに購入される商品)となり得るか否かに応じて設定される。そのような類似度の情報(代替商品の情報の一例)は、商品管理情報136の一部として予め記憶される。
【0133】
図19に示された購買傾向確認画面171は、ユーザが注目商品としてA社カレールーをユーザが選択した例を示している。商品表示マップ173には、注目商品に対応するノード画像281Aと、第1の関係商品に対応するノード画像(例えば、ハヤシライスに対応するノード画像281B)とが含まれる。
【0134】
また、図19に示された商品表示マップ173には、図16の場合と同様に、第1の関係商品に直接関係する第2の関係商品に対応するノード画像が含まれる。なお、商品表示マップ173には、第2の関係商品に直接関係する第3の関係商品に対応するノード画像が更に含まれてもよい。
【0135】
また、ユーザは、例えば図20に示すように、図19に示した購買傾向確認画面171の時期設定フィールド174において「週間」を選択することができる。これにより、商品表示マップ173に用いられる興味度は、1週間前の情報(より厳密には、1週間前の時点において過去の所定期間(例えば、1週間)の間に取得された情報)に基づき取得された興味度と、現在の情報(より厳密には、現時点において過去の所定期間の間に取得された情報)に基づき取得された興味度との差分の値となる。
【0136】
図20において、各ノード画像の内側の領域の色は、図中の凡例290に示されるように、興味度の差分(すなわち、変化量)に応じてそれぞれ設定される。例えば、ノード画像281Aは、対応する商品(ここでは、A社カレールー)の現在の興味度の値が、1週間前の情報に基づく値に対して40上昇したことを示している。これにより、ユーザは、商品表示マップ173に表示された各商品に対する興味度の時間的変化を容易に把握することができる。
【0137】
なお、時期設定フィールド174において、ユーザが「日間」を選択した場合、商品表示マップ173に用いられる興味度は、1日前の情報(より厳密には、1日前の時点において過去の所定期間の間に取得された情報)に基づき取得された興味度と、現在の情報に基づき取得された興味度との差分の値となる。同様に、時期設定フィールド174において、ユーザが「月間」を選択した場合、商品表示マップ173に用いられる興味度は、1ヶ月前の情報(より厳密には、1ヶ月前の時点において過去の所定期間の間に取得された情報)に基づき取得された興味度と、現在の情報に基づき取得された興味度との差分の値となる。
【0138】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0139】
ユーザは、上述の実施形態で示した行動確認画面および商品確認画面を、リアルタイムで(すなわち、現時点で収集済みの情報に基づき)管理者端末6に表示させることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本開示に係る店舗運営支援装置および店舗運営支援方法は、ユーザが、店舗における顧客の購買行動を客観的に把握することを可能とし、店舗運営を支援するための店舗運営支援情報をユーザに情報を提供する店舗運営支援装置および店舗運営支援方法などとして有用である。
【符号の説明】
【0141】
1 :店舗運営支援システム
2 :店舗
3 :カメラ
4 :レコーダ
5 :店舗運営支援装置
6 :管理者端末
11 :制御部
12 :記憶部
21 :映像取得部
22 :行動認識部
23 :人物属性推定部
24 :商品識別部
25 :画面生成・出力部
31 :映像データ
32 :購買行動認識モデル
33 :購買行動情報
34 :人物属性推定モデル
35 :商品情報
41 :プロセッサ
46 :ディスプレイ
51 :行動確認画面
52 :行動観察用映像
53 :期間設定フィールド
54 :再生コントローラ
61 :人物
62 :商品
63 :形態物
75 :第1の表示形態設定フィールド
76 :第2の表示形態設定フィールド
77 :第3の表示形態設定フィールド
78 :スライダ
126:商品管理情報取得部
136:商品管理情報
151:販売管理画面
152:商品売上表示領域
161:カテゴリ設定フィールド
162:ソート設定フィールド
163:商品状態設定フィールド
171:購買傾向確認画面
173:商品表示マップ
174:時期設定フィールド
175:注目商品表示領域
181:ノード画像
182:ポップアップ画面
183:エッジ画像
192:マップタイプ設定フィールド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20