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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017871
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】電力増幅器
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/52 20060101AFI20240201BHJP
   H03F 3/20 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H03F1/52
H03F3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120804
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳原 真悟
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA41
5J500AC57
5J500AF10
5J500AH02
5J500AH25
5J500AH29
5J500PF01
5J500PG01
(57)【要約】
【課題】高周波入力信号が大きくなった場合に、ダメージを受けることを抑制する。
【解決手段】電力増幅器は、高周波入力信号を増幅する増幅回路と、増幅回路にバイアス電流を出力するバイアス回路と、高周波入力信号に基づいて、バイアス電流を抑制するバイアス抑制回路と、を含む。バイアス回路は、電流が入力される第1ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続され、第2ノードにエミッタが電気的に接続された第1トランジスタと、第2ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続された第2トランジスタと、第1ノードにベースが電気的に接続され、バイアス電流をエミッタから出力する第3トランジスタと、を含む。バイアス抑制回路は、高周波入力信号に基づいて、バイアス回路の第2ノードから電流を引き抜く。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースが入力端子に電気的に接続され、前記入力端子に入力される高周波入力信号を増幅する増幅トランジスタを含む、増幅回路と、
前記増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記増幅トランジスタのベースにバイアス電流を出力するバイアス回路と、
前記入力端子に電気的に接続され、前記高周波入力信号に基づいて、前記バイアス電流を抑制するバイアス抑制回路と、
を含み、
前記バイアス回路は、
電流が入力される第1ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続され、第2ノードにエミッタが電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第2ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続された第2トランジスタと、
前記第1ノードにベースが電気的に接続され、前記バイアス電流をエミッタから出力する第3トランジスタと、
を含み、
前記バイアス抑制回路は、
前記第2ノードに電気的に接続され、前記高周波入力信号に基づいて、前記バイアス回路の前記第2ノードから電流を引き抜く、
電力増幅器。
【請求項2】
請求項1に記載の電力増幅器であって、
前記バイアス抑制回路は、
前記増幅トランジスタの動作を模擬し、ベースが前記入力端子に電気的に接続され、前記高周波入力信号がベースに入力されるレプリカトランジスタを含み、前記レプリカトランジスタに流れる電流に基づいて、前記バイアス回路の前記第2ノードから電流を引き抜く、
電力増幅器。
【請求項3】
請求項1に記載の電力増幅器であって、
前記増幅回路は、
前記入力端子に電気的に接続され、前記高周波入力信号を増幅して高周波信号を出力する第1回路と、
前記第1回路に電気的に接続され、前記高周波信号を増幅する第2回路と、
を含み、
前記第1回路は、
並列接続され、ベースが前記入力端子に電気的に接続された第1増幅トランジスタ及び第2増幅トランジスタを含み、
前記第2回路は、
並列接続され、ベースが前記第1増幅トランジスタ及び前記第2増幅トランジスタのコレクタに電気的に接続された第3増幅トランジスタ及び第4増幅トランジスタを含み、
前記バイアス回路は、
前記第1増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第1増幅トランジスタのベースに第1バイアス電流を出力する第1バイアス回路と、
前記第2増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第2増幅トランジスタのベースに第2バイアス電流を出力する第2バイアス回路と、
前記第3増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第3増幅トランジスタのベースに第3バイアス電流を出力する第3バイアス回路と、
前記第4増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第4増幅トランジスタのベースに第4バイアス電流を出力する第4バイアス回路と、
を含み、
前記第1バイアス回路から前記第4バイアス回路の各々は、
電流が入力される第1ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続され、第2ノードにエミッタが電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第2ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続された第2トランジスタと、
前記第1ノードにベースが電気的に接続され、前記第1バイアス電流をエミッタから出力する第3トランジスタと、
を含み、
前記バイアス抑制回路は、
前記第1バイアス回路の前記第2ノード及び前記第2バイアス回路の前記第2ノードに電気的に接続されており、前記高周波信号に基づいて、前記第1バイアス回路の前記第2ノード及び前記第2バイアス回路の前記第2ノードから電流を引き抜く、
電力増幅器。
【請求項4】
請求項1に記載の電力増幅器であって、
前記増幅回路は、
前記入力端子に電気的に接続され、前記高周波入力信号を増幅して高周波信号を出力する第1回路と、
前記第1回路に電気的に接続され、前記高周波信号を増幅する第2回路と、
を含み、
前記第1回路は、
並列接続され、ベースが前記入力端子に電気的に接続された第1増幅トランジスタ及び第2増幅トランジスタを含み、
前記第2回路は、
並列接続され、ベースが前記第1増幅トランジスタ及び前記第2増幅トランジスタのコレクタに電気的に接続された第3増幅トランジスタ及び第4増幅トランジスタを含み、
前記バイアス回路は、
前記第1増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第1増幅トランジスタのベースに第1バイアス電流を出力する第1バイアス回路と、
前記第2増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第2増幅トランジスタのベースに第2バイアス電流を出力する第2バイアス回路と、
前記第3増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第3増幅トランジスタのベースに第3バイアス電流を出力する第3バイアス回路と、
前記第4増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第4増幅トランジスタのベースに第4バイアス電流を出力する第4バイアス回路と、
を含み、
前記第1バイアス回路から前記第4バイアス回路の各々は、
電流が入力される第1ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続され、第2ノードにエミッタが電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第2ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続された第2トランジスタと、
前記第1ノードにベースが電気的に接続され、前記第1バイアス電流をエミッタから出力する第3トランジスタと、
を含み、
前記バイアス抑制回路は、
前記第3バイアス回路の前記第2ノード及び前記第4バイアス回路の前記第2ノードに電気的に接続されており、前記高周波信号に基づいて、前記第3バイアス回路の前記第2ノード及び前記第4バイアス回路の前記第2ノードから電流を引き抜く、
電力増幅器。
【請求項5】
請求項1に記載の電力増幅器であって、
前記増幅回路は、
前記入力端子に電気的に接続され、前記高周波入力信号を増幅して高周波信号を出力する第1回路と、
前記第1回路に電気的に接続され、前記高周波信号を増幅する第2回路と、
を含み、
前記第1回路は、
並列接続され、ベースが前記入力端子に電気的に接続された第1増幅トランジスタ及び第2増幅トランジスタを含み、
前記第2回路は、
並列接続され、ベースが前記第1増幅トランジスタ及び前記第2増幅トランジスタのコレクタに電気的に接続された第3増幅トランジスタ及び第4増幅トランジスタを含み、
前記バイアス回路は、
前記第1増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第1増幅トランジスタのベースに第1バイアス電流を出力する第1バイアス回路と、
前記第2増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第2増幅トランジスタのベースに第2バイアス電流を出力する第2バイアス回路と、
前記第3増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第3増幅トランジスタのベースに第3バイアス電流を出力する第3バイアス回路と、
前記第4増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第4増幅トランジスタのベースに第4バイアス電流を出力する第4バイアス回路と、
を含み、
前記第1バイアス回路から前記第4バイアス回路の各々は、
電流が入力される第1ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続され、第2ノードにエミッタが電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第2ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続された第2トランジスタと、
前記第1ノードにベースが電気的に接続され、前記第1バイアス電流をエミッタから出力する第3トランジスタと、
を含み、
前記バイアス抑制回路は、
前記第1バイアス回路の前記第2ノード、前記第2バイアス回路の前記第2ノード、前記第3バイアス回路の前記第2ノード及び前記第4バイアス回路の前記第2ノードに電気的に接続されており、前記高周波信号に基づいて、前記第1バイアス回路の前記第2ノード、前記第2バイアス回路の前記第2ノード、前記第3バイアス回路の前記第2ノード及び前記第4バイアス回路の前記第2ノードから電流を引き抜く、
電力増幅器。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか1項に記載の電力増幅器であって、
相対的に高い第1出力電力での増幅を行う第1出力電力動作モードと、相対的に低い第2出力電力での増幅を行う第2出力電力動作モードと、を有し、
前記第1バイアス回路は、
前記第1出力電力動作モードの場合に、前記第1バイアス電流を前記第1増幅トランジスタに出力し、
前記第2バイアス回路は、
前記第1出力電力動作モード及び前記第2出力電力動作モードの両方の場合に、前記第2バイアス電流を前記第2増幅トランジスタに出力し、
前記第3バイアス回路は、
前記第1出力電力動作モードの場合に、前記第3バイアス電流を前記第3増幅トランジスタに出力し、
前記第4バイアス回路は、
前記第1出力電力動作モード及び前記第2出力電力動作モードの両方の場合に、前記第4バイアス電流を前記第4増幅トランジスタに出力する、
電力増幅器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、ミキサーと、ドライブアンプと、パワーアンプと、が直列接続された送信器が記載されている。パワーアンプは、出力トランジスタと、参照トランジスタと、を含む。参照トランジスタは、負荷の変動により出力トランジスタのコレクタ-エミッタ間に大きな電流が流れた場合に、電流源とバイアス回路との間から電流を引き抜く。これにより、パワーアンプは、出力トランジスタを過電流から保護することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-4987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のパワーアンプは、高周波入力信号が過入力になった場合の保護については、考慮されていない。また、特許文献1に記載のパワーアンプは、負荷が変動したときに電流源とバイアス回路との間から電流を引き抜くので、バイアス電流の微調整ができない。従って、特許文献1に記載のパワーアンプは、負荷が元に戻った場合に、バイアス回路が元に戻るのに時間が掛かってしまい、増幅動作が元に戻るのに時間が掛かってしまう。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、高周波入力信号が大きくなった場合に、ダメージを受けることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面の電力増幅器は、ベースが入力端子に電気的に接続され、入力端子に入力される高周波入力信号を増幅する増幅トランジスタを含む、増幅回路と、増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、増幅トランジスタのベースにバイアス電流を出力するバイアス回路と、入力端子に電気的に接続され、高周波入力信号に基づいて、バイアス電流を抑制するバイアス抑制回路と、を含む。バイアス回路は、電流が入力される第1ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続され、第2ノードにエミッタが電気的に接続された第1トランジスタと、第2ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続された第2トランジスタと、第1ノードにベースが電気的に接続され、バイアス電流をエミッタから出力する第3トランジスタと、を含む。バイアス抑制回路は、第2ノードに電気的に接続され、高周波入力信号に基づいて、バイアス回路の第2ノードから電流を引き抜く。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、高周波入力信号が大きくなった場合に、ダメージを受けることを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施の形態の電力増幅器の構成を示す図である。
図2図2は、第1の実施の形態の電力増幅器のバイアス抑制回路の構成を示す図である。
図3図3は、第2の実施の形態の電力増幅器の構成を示す図である。
図4図4は、第2の実施の形態の電力増幅器のバイアス抑制回路の構成を示す図である。
図5図5は、比較例の電力増幅器の回路シミュレーション結果を示す図である。
図6図6は、第2の実施の形態の電力増幅器の回路シミュレーション結果を示す図である。
図7図7は、第3の実施の形態の電力増幅器の構成を示す図である。
図8図8は、第3の実施の形態の電力増幅器のバイアス抑制回路の構成を示す図である。
図9図9は、第4の実施の形態の電力増幅器の構成を示す図である。
図10図10は、第4の実施の形態の電力増幅器のバイアス抑制回路の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本開示が限定されるものではない。各実施の形態は例示であり、異なる実施の形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもない。
【0010】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態の電力増幅器の構成を示す図である。電力増幅器1は、高周波入力信号RFinを増幅して、高周波出力信号RFoutを出力する。
【0011】
電力増幅器1は、増幅回路10と、バイアス回路20と、バイアス抑制回路31と、を含む。増幅回路10は、第1回路11を含む。バイアス回路20は、第1バイアス回路21を含む。
【0012】
増幅回路10は、第1回路11を含む1段の増幅回路である。
【0013】
第1回路11は、コンデンサC1と、抵抗R1及びR2と、トランジスタQ1と、抵抗R3と、を含む。
【0014】
トランジスタQ1が、本開示の「増幅トランジスタ」の一例に相当する。
【0015】
本開示では、各トランジスタは、バイポーラトランジスタとするが、本開示はこれに限定されない。バイポーラトランジスタは、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(Heterojunction Bipolar Transistor:HBT)が例示されるが、本開示はこれに限定されない。トランジスタは、例えば、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)であっても良い。トランジスタは、複数の単位トランジスタを電気的に並列接続した、マルチフィンガートランジスタであっても良い。単位トランジスタとは、トランジスタが構成される最小限の構成を言う。
【0016】
コンデンサC1と、抵抗R1及びR2と、トランジスタQ1とは、1個のセルCL1として半導体チップ上に形成されても良い。
【0017】
コンデンサC1の一端には、端子Pinを介して、高周波入力信号RFinが入力される。コンデンサC1は、高周波入力信号RFinの直流成分をカットするDCカットコンデンサである。
【0018】
抵抗R1の一端は、コンデンサC1の他端に電気的に接続されている。抵抗R1の他端は、トランジスタQ1のベースに電気的に接続されている。
【0019】
抵抗R2の一端には、バイアス電流BIAS1が、第1バイアス回路21から入力される。抵抗R2の他端は、抵抗R1の一端に電気的に接続されている。
【0020】
トランジスタQ1のエミッタは、抵抗R3を介して、基準電位に電気的に接続されている。基準電位は接地電位が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0021】
トランジスタQ1のベースには、抵抗R2及び抵抗R1を介して、バイアス電流BIAS1が入力される。また、トランジスタQ1のベースには、コンデンサC1及び抵抗R1を介して、高周波入力信号RFinが入力される。
【0022】
トランジスタQ1のコレクタには、端子T1を介して、電源電圧VCC1が入力される。
【0023】
トランジスタQ1は、高周波入力信号RFinを増幅して、高周波出力信号RFoutをコレクタから端子Poutに出力する。
【0024】
第1バイアス回路21には、端子T11を介して、外部からバイアス電流IB1が入力される。第1バイアス回路21は、バイアス電流IB1に基づいて、バイアス電流BIAS1を、第1回路11に出力する。
【0025】
第1バイアス回路21は、抵抗R11と、トランジスタQ11、Q12及びQ13と、コンデンサC11と、を含む。
【0026】
トランジスタQ11が、本開示の「第1トランジスタ」の一例に相当する。トランジスタQ12が、本開示の「第2トランジスタ」の一例に相当する。トランジスタQ13が、本開示の「第3トランジスタ」の一例に相当する。
【0027】
抵抗R11の一端には、端子T11を介して、バイアス電流IB1が入力される。抵抗R11の他端は、ノードN11に電気的に接続されている。
【0028】
ノードN11が、本開示の「第1ノード」の一例に相当する。
【0029】
トランジスタQ11のコレクタ及びベースは、ノードN11に電気的に接続されている。つまり、トランジスタQ11は、ダイオード接続されている。トランジスタQ11のエミッタは、ノードN12に電気的に接続されている。
【0030】
ノードN12が、本開示の「第2ノード」の一例に相当する。
【0031】
トランジスタQ12のコレクタ及びベースは、ノードN12に電気的に接続されている。つまり、トランジスタQ12は、ダイオード接続されている。トランジスタQ12のエミッタは、基準電位に電気的に接続されている。
【0032】
トランジスタQ11及びQ12は、一定の電圧を発生させる。トランジスタQ11及びQ12が発生させる電圧が、ノードN11の電圧である。
【0033】
コンデンサC11の一端は、ノードN11に電気的に接続されている。コンデンサC11の他端は、基準電位に電気的に接続されている。コンデンサC11は、ノードN11の電圧を安定化させる。
【0034】
トランジスタQ13のコレクタには、端子T21を介して、電源電圧Vbattが入力される。トランジスタQ13のベースは、ノードN11に電気的に接続されている。トランジスタQ13のエミッタは、抵抗R2の一端に電気的に接続されている。つまり、トランジスタQ13及び抵抗R2は、エミッタフォロワ接続されている。
【0035】
トランジスタQ13は、ノードN11の電圧に応じたバイアス電流BIAS1を、エミッタから抵抗R2の一端に出力する。
【0036】
なお、第1バイアス回路21の回路構成は、一例であり、本開示はこれに限定されない。例えば、第1バイアス回路21は、トランジスタQ13のエミッタをプッシュプルするプッシュプル回路を含んでも良い。
【0037】
バイアス抑制回路31は、高周波入力信号RFinの大きさに基づいて、バイアス電流BIAS1を抑制する。
【0038】
バイアス抑制回路31には、接続点Pin_repを介して、高周波入力信号RFinが入力される。なお、接続点Pin_repは、説明の便宜上のものであり、実際の回路では無くても良い(単なる配線で良い)。
【0039】
バイアス抑制回路31は、接続点Vsink1を介して、ノードN12に電気的に接続されている。なお、接続点Vsink1は、説明の便宜上のものであり、実際の回路では無くても良い(単なる配線で良い)。
【0040】
バイアス抑制回路31は、高周波入力信号RFinに基づいて、ノードN12から電流を引き抜く。これにより、ノードN11の電圧、つまりトランジスタQ13のベース電圧が低下する。また、ノードN11からトランジスタQ13に流れるベース電流が低下する。従って、バイアス抑制回路31は、トランジスタQ13のエミッタから出力されるバイアス電流BIAS1を抑制できる。
【0041】
図2は、第1の実施の形態の電力増幅器のバイアス抑制回路の構成を示す図である。
【0042】
バイアス抑制回路31は、設定回路31aと、差動反転回路31bと、電流引き抜き回路31cと、を含む。
【0043】
設定回路31aは、差動反転回路31b及び電流引き抜き回路31cの動作点(バイアス)を設定する。
【0044】
差動反転回路31bは、接続点Pin_repから入力される高周波入力信号RFinに基づいて、信号S11を電流引き抜き回路31cに出力する。
【0045】
電流引き抜き回路31cは、信号S11に基づいて、接続点Vsink1(つまり、ノードN12(図1参照))から電流を引き抜く。
【0046】
設定回路31aは、定電流源A21と、抵抗R21、R22及びR23と、トランジスタQ21及びQ22と、を含む。
【0047】
定電流源A21は、ノードN21に定電流を出力する。抵抗R21の一端は、ノードN21に電気的に接続されている。抵抗R21の他端は、ノードN22に電気的に接続されている。
【0048】
トランジスタQ21のコレクタ及びベースは、ノードN22に電気的に接続されている。つまり、トランジスタQ21は、ダイオード接続されている。トランジスタQ21のエミッタは、ノードN23に電気的に接続されている。
【0049】
トランジスタQ22のコレクタ及びベースは、ノードN23に電気的に接続されている。つまり、トランジスタQ22は、ダイオード接続されている。トランジスタQ22のエミッタは、基準電位に電気的に接続されている。
【0050】
トランジスタQ21及びQ22は、一定の電圧を発生させる。トランジスタQ21及びQ22が発生させる電圧が、ノードN22の電圧である。
【0051】
抵抗R22の一端は、ノードN22に電気的に接続されている。抵抗R22の他端は、ノードN24に電気的に接続されている。抵抗R23の一端は、ノードN24に電気的に接続されている。抵抗R23の他端は、ノードN23に電気的に接続されている。
【0052】
抵抗R22及びR23は、ノードN22とノードN23との間の電圧を抵抗分圧した電圧を発生させる。抵抗R22及びR23が発生させる電圧が、ノードN24の電圧である。
【0053】
差動反転回路31bは、抵抗R31から抵抗R37までと、コンデンサC31及びC32と、トランジスタQ31、Q32及びQ33と、を含む。
【0054】
抵抗R31の一端は、ノードN21に電気的に接続されている。抵抗R31の他端は、ノードN31に電気的に接続されている。コンデンサC31の一端は、ノードN31に電気的に接続されている。コンデンサC31の他端は、基準電位に電気的に接続されている。コンデンサC31は、ノードN31の高周波信号を基準電位に落とす。
【0055】
トランジスタQ31のコレクタは、ノードN31に電気的に接続されている。トランジスタQ31のコレクタには、ノードN31からバイアス電圧が入力される。
【0056】
トランジスタQ31は、トランジスタQ1(図1参照)の動作を模擬するレプリカトランジスタである。
【0057】
トランジスタQ31が、本開示の「レプリカトランジスタ」の一例に相当する。
【0058】
コンデンサC32の一端は、接続点Pin_repに電気的に接続されている。コンデンサC32の一端には、接続点Pin_repを介して、高周波入力信号RFinが入力される。コンデンサC32は、高周波入力信号RFinの直流成分をカットするDCカットコンデンサである。
【0059】
抵抗R34の一端は、コンデンサC32の他端に電気的に接続されている。抵抗R34の他端は、トランジスタQ31のベースに電気的に接続されている。
【0060】
抵抗R35の一端は、ノードN24に電気的に接続されている。抵抗R35の他端は、抵抗R34の一端に電気的に接続されている。
【0061】
コンデンサC32、抵抗R34、抵抗R35及びトランジスタQ31は、1個のセルCL31として半導体チップ上に形成されても良い。
【0062】
セルCL31と、セルCL1(図1参照)とは、同じ型のセルが配置されていることが例示される。
【0063】
トランジスタQ31は、トランジスタQ1(図1参照)の近傍に配置されることが好ましい。これにより、トランジスタQ31とトランジスタQ1との間の温度差が抑制され、トランジスタQ31とトランジスタQ1との間の特性の差が抑制される。
【0064】
トランジスタQ31がトランジスタQ1の近傍に配置されるとは、例えば、セルCL31がセルCL1(図1参照)に隣接して配置されることが例示される。また、例えば、セルCL31とセルCL1との間に他の素子が無いことが例示される。
【0065】
トランジスタQ31のベースには、抵抗R35及び抵抗R34を介して、バイアス電圧がノードN24から入力される。また、トランジスタQ31のベースには、コンデンサC32及び抵抗R34を介して、高周波入力信号RFinが入力される。
【0066】
トランジスタQ31のエミッタは、抵抗R36の一端に電気的に接続されている。抵抗R36の他端は、ノードN33に電気的に接続されている。
【0067】
抵抗R32の一端は、ノードN21に電気的に接続されている。抵抗R32の他端は、ノードN32に電気的に接続されている。ノードN32の電圧が、信号S11である。
【0068】
トランジスタQ32のコレクタは、ノードN32に電気的に接続されている。トランジスタQ32のコレクタには、ノードN32からバイアス電圧が入力される。
【0069】
抵抗R33の一端は、ノードN22に電気的に接続されている。抵抗R33の他端は、トランジスタQ32のベースに電気的に接続されている。
【0070】
トランジスタQ32のベースには、抵抗R33を介して、ノードN22からバイアス電圧が入力される。
【0071】
トランジスタQ32のエミッタは、抵抗R37の一端に電気的に接続されている。抵抗R37の他端は、ノードN33に電気的に接続されている。
【0072】
トランジスタQ33のコレクタは、ノードN33に電気的に接続されている。トランジスタQ33のエミッタは、基準電位に電気的に接続されている。トランジスタQ33のベースは、ノードN23に電気的に接続されている。つまり、トランジスタQ33は、トランジスタQ22とカレントミラー接続されている。
【0073】
電流引き抜き回路31cは、定電圧源B41と、トランジスタQ41、Q42及びQ43と、抵抗R41及びR42と、を含む。
【0074】
定電圧源B41は、トランジスタQ41のコレクタに定電圧を出力する。
【0075】
トランジスタQ41のベースは、ノードN32に電気的に接続されており、信号S11が入力される。トランジスタQ41のエミッタは、抵抗R41の一端に電気的に接続されている。抵抗R41の他端は、ノードN41に電気的に接続されている。
【0076】
トランジスタQ42のコレクタは、ノードN41に電気的に接続されている。トランジスタQ42のエミッタは、基準電位に電気的に接続されている。トランジスタQ42のベースは、ノードN23に電気的に接続されている。つまり、トランジスタQ42は、トランジスタQ22とカレントミラー接続されている。
【0077】
トランジスタQ43のエミッタは、基準電位に電気的に接続されている。トランジスタQ43のベースは、ノードN41に電気的に接続されている。トランジスタQ43のコレクタは、抵抗R42の一端に電気的に接続されている。抵抗R42の他端は、接続点Vsink1に電気的に接続されている。つまり、抵抗R42の他端は、ノードN12(図1参照)に電気的に接続されている。
【0078】
バイアス抑制回路31の動作について説明する。
【0079】
高周波入力信号RFinが相対的に大きい場合(例えば、過入力である場合)、トランジスタQ31のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に大きくなる。従って、トランジスタQ32のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に小さくなる。これにより、抵抗R32での電圧降下が相対的に小さくなる。従って、ノードN32の電位は、相対的に高くなる。つまり、信号S11は、相対的に高電位になる。
【0080】
信号S11がトランジスタQ41のベースの閾値電圧以上になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値以上になると)、トランジスタQ41がオンし、ノードN41の電位が相対的に高くなる。これにより、トランジスタQ43がオンし、トランジスタQ43のコレクタ、即ち接続点Vsink1(つまり、ノードN12(図1参照))からエミッタに電流が流れる。つまり、トランジスタQ43は、ノードN12から電流を引き抜く。
【0081】
これにより、ノードN11(図1参照)の電圧、つまりトランジスタQ13(図1参照)のベース電圧が低下する。また、ノードN11からトランジスタQ13に流れるベース電流が低下する。従って、トランジスタQ13のエミッタから出力されるバイアス電流BIAS1(図1参照)が抑制される。
【0082】
なお、バイアス抑制回路31は、各素子の素子値を調整することにより、ノードN12から引き抜く電流を微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31は、トランジスタQ13のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。従って、バイアス抑制回路31は、バイアス電流BIAS1をゼロにするのではなく、微調整することができる。
【0083】
一方、高周波入力信号RFinが相対的に小さい場合、トランジスタQ31のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に小さくなる。従って、トランジスタQ32のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に大きくなる。これにより、抵抗R32での電圧降下が相対的に大きくなる。従って、ノードN32の電位は、相対的に低くなる。つまり、信号S11は、相対的に低電位になる。
【0084】
信号S11がトランジスタQ41のベースの閾値電圧未満になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値未満になると)、トランジスタQ41がオフし、ノードN41の電位が相対的に低くなる。これにより、トランジスタQ43がオフし、トランジスタQ43のコレクタ、即ち接続点Vsink1(つまり、ノードN12(図1参照))からエミッタに電流が流れない。つまり、トランジスタQ43は、ノードN12から電流を引き抜かない。
【0085】
(効果)
バイアス抑制回路31が無いとすると、電力増幅器1は、高周波入力信号RFinが大きくなり(例えば、過入力となり)、且つ、負荷の変動が加わると(例えば、軽負荷になると)、トランジスタQ1のコレクタ-エミッタ間の電流が大きくなり、トランジスタQ1がダメージを受ける可能性がある。
【0086】
しかし、電力増幅器1は、バイアス抑制回路31を含む。そして、バイアス抑制回路31は、高周波入力信号RFinが閾値以上になった場合(例えば、過入力となった場合)、バイアス電流BIAS1を抑制する。
【0087】
これにより、電力増幅器1は、トランジスタQ1のコレクタ-エミッタ間の電流が抑制されるので、トランジスタQ1がダメージを受けることを抑制できる。
【0088】
また、高周波入力信号RFinが閾値以上である場合に、バイアス抑制回路31は、ノードN12から電流を引き抜く。しかし、バイアス抑制回路31は、トランジスタQ13のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31は、バイアス電流BIAS1をゼロにせずに、微調整することができる。即ち、トランジスタQ1は、オフ状態にならずに、オン状態を維持することができる。
【0089】
従って、電力増幅器1は、高周波入力信号RFinが閾値以上から閾値未満に戻った場合に、トランジスタQ1が元の増幅動作に直ぐに戻ることができる。
【0090】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態の構成要素のうち、第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
図3及び図4は、第2の実施の形態の電力増幅器の構成を示す図である。電力増幅器1Aは、増幅回路10Aと、バイアス回路20Aと、バイアス抑制回路31Aと、を含む。図3は、増幅回路10A及びバイアス回路20Aを示す図である。図4は、バイアス抑制回路31Aを示す図である。
【0092】
増幅回路10Aは、第1回路11Aと、整合回路12と、第2回路13と、を含む。
【0093】
バイアス回路20Aは、第1バイアス回路21と、第2バイアス回路22と、第3バイアス回路23と、第4バイアス回路24と、を含む。
【0094】
増幅回路10Aは、ドライブ段の増幅回路である第1回路11Aと、パワー段の増幅回路である第2回路13と、を含む2段の増幅回路である。
【0095】
電力増幅器1Aは、相対的に高い第1出力電力での増幅を行う第1出力電力動作モード(以下、「ハイパワーモード」と称する。)と、相対的に低い第2出力電力での増幅を行う第2出力電力動作モード(以下、「ローパワーモード」と称する。)と、を有する。
【0096】
図3を参照すると、第1回路11Aは、コンデンサC1と、抵抗R1及びR2と、トランジスタQ1と、コンデンサC2と、抵抗R4及びR5と、トランジスタQ2と、抵抗R3と、を含む。
【0097】
トランジスタQ1は、ハイパワーモードの場合に、高周波入力信号RFinを増幅し、高周波信号RF1を出力する。
【0098】
トランジスタQ2は、ハイパワーモード及びローパワーモードの両方の場合に、高周波入力信号RFinを増幅し、高周波信号RF1を出力する。
【0099】
コンデンサC2、抵抗R4及びR5、並びに、トランジスタQ2の接続関係、動作、及び、機能は、コンデンサC1、抵抗R1及びR2、並びに、トランジスタQ1の接続関係、動作、及び、機能と同様であるので、説明を省略する。
【0100】
トランジスタQ1が、本開示の「第1増幅トランジスタ」の一例に相当する。トランジスタQ2が、本開示の「第2増幅トランジスタ」の一例に相当する。
【0101】
コンデンサC2の一端は、コンデンサC1の一端に電気的に接続されている。トランジスタQ2のコレクタは、トランジスタQ1のコレクタに電気的に接続されている。トランジスタQ2のエミッタは、抵抗R3の一端に電気的に接続されている。
【0102】
つまり、トランジスタQ1とトランジスタQ2とは、並列接続されている。
【0103】
コンデンサC2と、抵抗R4及びR5と、トランジスタQ2とは、1個のセルCL2として半導体チップ上に形成されても良い。
【0104】
整合回路12は、第1回路11Aと第2回路13との間のインピーダンス整合を行う。
【0105】
整合回路12は、インダクタ12aと、抵抗12bと、コンデンサ12cと、を含む。コンデンサ12cの一端は、トランジスタQ1のコレクタ及びトランジスタQ2のコレクタに電気的に接続されている。インダクタ12aの一端は、コンデンサ12cの他端に電気的に接続されている。インダクタ12aの他端は、抵抗12bの一端に電気的に接続されている。抵抗12bの他端は、基準電位に電気的に接続されている。
【0106】
整合回路12の回路構成は、一例であり、本開示はこれに限定されない。
【0107】
第2回路13は、コンデンサC51と、抵抗R51及びR52と、トランジスタQ51と、コンデンサC52と、抵抗R54及びR55と、トランジスタQ52と、抵抗R53と、を含む。
【0108】
トランジスタQ51は、ハイパワーモードの場合に、高周波信号RF1を増幅し、高周波出力信号RFoutを出力する。
【0109】
トランジスタQ52は、ハイパワーモード及びローパワーモードの両方の場合に、高周波信号RF1を増幅し、高周波出力信号RFoutを出力する。
【0110】
コンデンサC51、抵抗R51及びR52、並びに、トランジスタQ51の接続関係、動作、及び、機能は、コンデンサC1、抵抗R1及びR2、並びに、トランジスタQ1の接続関係、動作、及び、機能と同様であるので、説明を省略する。コンデンサC51と、抵抗R51及びR52と、トランジスタQ51とは、1個のセルCL4として半導体チップ上に形成されても良い。
【0111】
トランジスタQ51が、本開示の「第3増幅トランジスタ」の一例に相当する。
【0112】
コンデンサC51の一端は、インダクタ12aの一端に電気的に接続されている。トランジスタQ51のコレクタには、端子T2を介して、電源電圧VCC2が入力される。トランジスタQ51のコレクタは、端子Poutに電気的に接続されている。トランジスタQ51のエミッタは、抵抗R53の一端に電気的に接続されている。抵抗R53の他端は、基準電位に電気的に接続されている。
【0113】
コンデンサC52、抵抗R54及びR55、並びに、トランジスタQ52の接続関係、動作、及び、機能は、コンデンサC1、抵抗R1及びR2、並びに、トランジスタQ1の接続関係、動作、及び、機能と同様であるので、説明を省略する。コンデンサC52と、抵抗R54及びR55と、トランジスタQ52とは、1個のセルCL5として半導体チップ上に形成されても良い。
【0114】
トランジスタQ52が、本開示の「第4増幅トランジスタ」の一例に相当する。
【0115】
コンデンサC52の一端は、コンデンサC51の一端に電気的に接続されている。トランジスタQ52のコレクタは、トランジスタQ51のコレクタに電気的に接続されている。トランジスタQ52のエミッタは、抵抗R53の一端に電気的に接続されている。
【0116】
つまり、トランジスタQ51とトランジスタQ52とは、並列接続されている。
【0117】
第1バイアス回路21には、ハイパワーモードの場合に、端子T11を介して、外部からバイアス電流IB1が入力される。第1バイアス回路21は、ハイパワーモードの場合に、バイアス電流IB1に基づいて、バイアス電流BIAS1を、セルCL1に出力する。
【0118】
第2バイアス回路22には、ハイパワーモード及びローパワーモードの両方の場合に、端子T12を介して、外部からバイアス電流IB2が入力される。第2バイアス回路22は、ハイパワーモード及びローパワーモードの両方の場合に、バイアス電流IB2に基づいて、バイアス電流BIAS2を、セルCL2に出力する。
【0119】
第2バイアス回路22は、抵抗R61と、トランジスタQ61、Q62及びQ63と、コンデンサC61と、を含む。
【0120】
抵抗R61、トランジスタQ61、Q62及びQ63、並びに、コンデンサC61の接続関係、動作、及び、機能は、抵抗R11、トランジスタQ11、Q12及びQ13、並びに、コンデンサC11の接続関係、動作、及び、機能と同様であるので、説明を省略する。
【0121】
トランジスタQ61のエミッタとトランジスタQ62のコレクタ及びベースとの接続点であるノードN62は、接続点Vsink2に電気的に接続されている。なお、接続点Vsink2は、説明の便宜上のものであり、実際の回路では無くても良い(単なる配線で良い)。
【0122】
第3バイアス回路23には、ハイパワーモードの場合に、端子T13を介して、外部からバイアス電流IB3が入力される。第3バイアス回路23は、ハイパワーモードの場合に、バイアス電流IB3に基づいて、バイアス電流BIAS3を、セルCL4に出力する。
【0123】
第3バイアス回路23は、抵抗R71と、トランジスタQ71、Q72及びQ73と、コンデンサC71と、を含む。
【0124】
抵抗R71、トランジスタQ71、Q72及びQ73、並びに、コンデンサC71の接続関係、動作、及び、機能は、抵抗R11、トランジスタQ11、Q12及びQ13、並びに、コンデンサC11の接続関係、動作、及び、機能と同様であるので、説明を省略する。
【0125】
第4バイアス回路24には、ハイパワーモード及びローパワーモードの両方の場合に、端子T14を介して、外部からバイアス電流IB4が入力される。第4バイアス回路24は、ハイパワーモード及びローパワーモードの両方の場合に、バイアス電流IB4に基づいて、バイアス電流BIAS4を、セルCL5に出力する。
【0126】
第4バイアス回路24は、抵抗R81と、トランジスタQ81、Q82及びQ83と、コンデンサC81と、を含む。
【0127】
抵抗R81、トランジスタQ81、Q82及びQ83、並びに、コンデンサC81の接続関係、動作、及び、機能は、抵抗R11、トランジスタQ11、Q12及びQ13、並びに、コンデンサC11の接続関係、動作、及び、機能と同様であるので、説明を省略する。
【0128】
図4を参照すると、バイアス抑制回路31Aは、バイアス抑制回路31(図2参照)と比較して、電流引き抜き回路31cに代えて、電流引き抜き回路31dを含む。
【0129】
電流引き抜き回路31dは、電流引き抜き回路31cと比較して、トランジスタQ44、Q45及びQ46、並びに、抵抗R43及びR44を更に含む。
【0130】
トランジスタQ44、Q45及びQ46、並びに、抵抗R43及びR44の接続関係、動作、及び、機能は、トランジスタQ41、Q42及びQ43、並びに、抵抗R41及びR42の接続関係、動作、及び、機能と同様であるので、説明を省略する。
【0131】
抵抗R44の他端は、接続点Vsink2に電気的に接続されている。つまり、抵抗R44の他端は、ノードN62(図3参照)に電気的に接続されている。
【0132】
なお、第2の実施の形態では、トランジスタQ46のベースが、抵抗R43の他端とトランジスタQ45のコレクタとの接続点であるノードN42に電気的に接続されていることとしたが、ノードN41に電気的に接続されることとしても良い。これにより、トランジスタQ44及びQ45、並びに、抵抗R43を削除することができ、素子数を抑制できる。
【0133】
バイアス抑制回路31Aの動作について説明する。
【0134】
高周波入力信号RFinが相対的に大きい場合(例えば、過入力である場合)、トランジスタQ31のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に大きくなる。従って、トランジスタQ32のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に小さくなる。これにより、抵抗R32での電圧降下が相対的に小さくなる。従って、ノードN32の電位は、相対的に高くなる。つまり、信号S11は、相対的に高電位になる。
【0135】
信号S11がトランジスタQ41のベースの閾値電圧以上になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値以上になると)、トランジスタQ41がオンし、ノードN41の電位が相対的に高くなる。これにより、トランジスタQ43がオンし、トランジスタQ43のコレクタ、即ち接続点Vsink1(つまり、ノードN12(図3参照))からエミッタに電流が流れる。つまり、トランジスタQ43は、ノードN12から電流を引き抜く。
【0136】
これにより、ノードN11(図3参照)の電圧、つまりトランジスタQ13(図3参照)のベース電圧が低下する。また、ノードN11からトランジスタQ13に流れるベース電流が低下する。従って、トランジスタQ13のエミッタから出力されるバイアス電流BIAS1(図3参照)が抑制される。これにより、高周波信号RF1が抑制される。
【0137】
なお、バイアス抑制回路31Aは、各素子の素子値を調整することにより、ノードN12から引き抜く電流を微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31Aは、トランジスタQ13のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。従って、バイアス抑制回路31Aは、バイアス電流BIAS1をゼロにするのではなく、微調整することができる。
【0138】
信号S11がトランジスタQ44のベースの閾値電圧以上になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値以上になると)、トランジスタQ44がオンし、ノードN42の電位が相対的に高くなる。これにより、トランジスタQ46がオンし、トランジスタQ46のコレクタ、即ち接続点Vsink2(つまり、ノードN62(図3参照))からエミッタに電流が流れる。つまり、トランジスタQ46は、ノードN62から電流を引き抜く。
【0139】
これにより、ノードN61(図3参照)の電圧、つまりトランジスタQ63(図3参照)のベース電圧が低下する。また、ノードN61からトランジスタQ63に流れるベース電流が低下する。従って、トランジスタQ63のエミッタから出力されるバイアス電流BIAS2(図3参照)が抑制される。これにより、高周波信号RF1が抑制される。
【0140】
なお、バイアス抑制回路31Aは、各素子の素子値を調整することにより、ノードN62から引き抜く電流を微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31Aは、トランジスタQ63のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。従って、バイアス抑制回路31Aは、バイアス電流BIAS2をゼロにするのではなく、微調整することができる。
【0141】
一方、高周波入力信号RFinが相対的に小さい場合、トランジスタQ31のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に小さくなる。従って、トランジスタQ32のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に大きくなる。これにより、抵抗R32での電圧降下が相対的に大きくなる。従って、ノードN32の電位は、相対的に低くなる。つまり、信号S11は、相対的に低電位になる。
【0142】
信号S11がトランジスタQ41のベースの閾値電圧未満になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値未満になると)、トランジスタQ41がオフし、ノードN41の電位が相対的に低くなる。これにより、トランジスタQ43がオフし、トランジスタQ43のコレクタ、即ち接続点Vsink1(つまり、ノードN12(図3参照))からエミッタに電流が流れない。つまり、トランジスタQ43は、ノードN12から電流を引き抜かない。
【0143】
信号S11がトランジスタQ44のベースの閾値電圧未満になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値未満になると)、トランジスタQ44がオフし、ノードN42の電位が相対的に低くなる。これにより、トランジスタQ46がオフし、トランジスタQ46のコレクタ、即ち接続点Vsink2(つまり、ノードN62(図3参照))からエミッタに電流が流れない。つまり、トランジスタQ46は、ノードN62から電流を引き抜かない。
【0144】
(効果)
バイアス抑制回路31Aが無いとすると、電力増幅器1Aは、高周波入力信号RFinが大きくなり(例えば、過入力となり)、即ち高周波信号RF1が大きくなり、且つ、負荷の変動が加わると(例えば、軽負荷になると)、トランジスタQ51及びトランジスタQ52がダメージを受ける可能性がある。
【0145】
しかし、電力増幅器1Aは、バイアス抑制回路31Aを含む。そして、バイアス抑制回路31Aは、高周波入力信号RFinが閾値以上になった場合(例えば、過入力となった場合)、バイアス電流BIAS1及びバイアス電流BIAS2を抑制する。
【0146】
これにより、電力増幅器1Aは、高周波信号RF1が抑制され、トランジスタQ51及びトランジスタQ52のコレクタ-エミッタ間の電流が抑制されるので、トランジスタQ51及びトランジスタQ52がダメージを受けることを抑制できる。
【0147】
また、高周波入力信号RFinが閾値以上である場合に、バイアス抑制回路31Aは、ノードN12及びノードN62から電流を引き抜く。しかし、バイアス抑制回路31Aは、トランジスタQ13及びトランジスタQ63のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31Aは、バイアス電流BIAS1及びバイアス電流BIAS2をゼロにせずに、微調整することができる。即ち、トランジスタQ1及びトランジスタQ2は、オフ状態にならずに、オン状態を維持することができる。
【0148】
従って、電力増幅器1Aは、高周波入力信号RFinが閾値以上から閾値未満に戻った場合に、トランジスタQ1及びトランジスタQ2が元の増幅動作に直ぐに戻ることができる。
【0149】
(回路シミュレーション結果)
図5及び図6は、比較例の電力増幅器および第2の実施の形態の電力増幅器の回路シミュレーション結果を示す図である。
【0150】
図5は、比較例の電力増幅器の回路シミュレーション結果である。図5は、バイアス抑制回路31Aが無い場合の、トランジスタQ51及びQ52(図3参照)のロードライン(高周波出力信号RFoutの電流及び電圧のリサージュ波形)を示す図である。
【0151】
図6は、第2の実施の形態の電力増幅器の回路シミュレーション結果である。図6は、バイアス抑制回路31Aがある場合の、トランジスタQ51及びQ52のロードラインを示す図である。
【0152】
図5及び図6では、電力増幅器1Aの後段に接続される負荷のインピーダンスを変化させた場合の複数の波形を網掛けで示している。
【0153】
図5を参照すると、太い実線201は、トランジスタQ51及びトランジスタQ52のロードラインの一例である。細い実線202は、10W(ワット)の等電力線である。
【0154】
太い実線201は、領域203において、細い実線202よりも図中上側となっており、第2回路13が過出力電力(過入力電力による)となっている。
【0155】
図6を参照すると、太い実線204は、トランジスタQ51及びトランジスタQ52のロードラインの一例である。
【0156】
太い実線204は、領域205において、細い実線202よりも図中下側となっており、第2回路13が過出力電力(過入力電力による)となっていない。
【0157】
このように、バイアス抑制回路31Aは、第2回路13が過入力電力になることを抑制できる。これにより、バイアス抑制回路31Aは、第2回路13がダメージを受けることを抑制できる。
【0158】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態の構成要素のうち、他の実施の形態の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0159】
図7及び図8は、第3の実施の形態の電力増幅器の構成を示す図である。電力増幅器1Bは、増幅回路10Aと、バイアス回路20Bと、バイアス抑制回路31Bと、を含む。図7は、増幅回路10A及びバイアス回路20Bを示す図である。図8は、バイアス抑制回路31Bを示す図である。
【0160】
図7を参照すると、バイアス回路20Bは、バイアス回路20A(図3参照)と比較して、ノードN12が接続点Vsink1に接続されていない。また、ノードN62が接続点Vsink2に接続されていない。一方、ノードN72が接続点Vsink3に電気的に接続されている。また、ノードN82が接続点Vsink4に電気的に接続されている。なお、接続点Vsink3及び接続点Vsink4は、説明の便宜上のものであり、実際の回路では無くても良い(単なる配線で良い)。
【0161】
図8を参照すると、バイアス抑制回路31Bは、バイアス抑制回路31A(図4参照)と比較して、抵抗R42の他端が接続点Vsink1に代えて、接続点Vsink3に電気的に接続されている。また、抵抗R44の他端が接続点Vsink2に代えて、接続点Vsink4に電気的に接続されている。
【0162】
バイアス抑制回路31Bの動作について説明する。
【0163】
高周波入力信号RFinが相対的に大きい場合(例えば、過入力である場合)、トランジスタQ31のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に大きくなる。従って、トランジスタQ32のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に小さくなる。これにより、抵抗R32での電圧降下が相対的に小さくなる。従って、ノードN32の電位は、相対的に高くなる。つまり、信号S11は、相対的に高電位になる。
【0164】
信号S11がトランジスタQ41のベースの閾値電圧以上になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値以上になると)、トランジスタQ41がオンし、ノードN41の電位が相対的に高くなる。これにより、トランジスタQ43がオンし、トランジスタQ43のコレクタ、即ち接続点Vsink3(つまり、ノードN72(図7参照))からエミッタに電流が流れる。つまり、トランジスタQ43は、ノードN72から電流を引き抜く。
【0165】
これにより、ノードN71(図7参照)の電圧、つまりトランジスタQ73(図7参照)のベース電圧が低下する。また、ノードN71からトランジスタQ73に流れるベース電流が低下する。従って、トランジスタQ73のエミッタから出力されるバイアス電流BIAS3(図7参照)が抑制される。
【0166】
なお、バイアス抑制回路31Bは、各素子の素子値を調整することにより、ノードN72から引き抜く電流を微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31Bは、トランジスタQ73のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。従って、バイアス抑制回路31Bは、バイアス電流BIAS3をゼロにするのではなく、微調整することができる。
【0167】
信号S11がトランジスタQ44のベースの閾値電圧以上になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値以上になると)、トランジスタQ44がオンし、ノードN42の電位が相対的に高くなる。これにより、トランジスタQ46がオンし、トランジスタQ46のコレクタ、即ち接続点Vsink4(つまり、ノードN82(図7参照))からエミッタに電流が流れる。つまり、トランジスタQ46は、ノードN82から電流を引き抜く。
【0168】
これにより、ノードN81(図7参照)の電圧、つまりトランジスタQ83(図7参照)のベース電圧が低下する。また、ノードN81からトランジスタQ83に流れるベース電流が低下する。従って、トランジスタQ83のエミッタから出力されるバイアス電流BIAS4(図7参照)が抑制される。
【0169】
なお、バイアス抑制回路31Bは、各素子の素子値を調整することにより、ノードN82から引き抜く電流を微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31Bは、トランジスタQ83のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。従って、バイアス抑制回路31Bは、バイアス電流BIAS4をゼロにするのではなく、微調整することができる。
【0170】
一方、高周波入力信号RFinが相対的に小さい場合、トランジスタQ31のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に小さくなる。従って、トランジスタQ32のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に大きくなる。これにより、抵抗R32での電圧降下が相対的に大きくなる。従って、ノードN32の電位は、相対的に低くなる。つまり、信号S11は、相対的に低電位になる。
【0171】
信号S11がトランジスタQ41のベースの閾値電圧未満になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値未満になると)、トランジスタQ41がオフし、ノードN41の電位が相対的に低くなる。これにより、トランジスタQ43がオフし、トランジスタQ43のコレクタ、即ち接続点Vsink3(つまり、ノードN72(図7参照))からエミッタに電流が流れない。つまり、トランジスタQ43は、ノードN72から電流を引き抜かない。
【0172】
信号S11がトランジスタQ44のベースの閾値電圧未満になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値未満になると)、トランジスタQ44がオフし、ノードN42の電位が相対的に低くなる。これにより、トランジスタQ46がオフし、トランジスタQ46のコレクタ、即ち接続点Vsink4(つまり、ノードN82(図7参照))からエミッタに電流が流れない。つまり、トランジスタQ46は、ノードN82から電流を引き抜かない。
【0173】
(効果)
バイアス抑制回路31Bが無いとすると、電力増幅器1Bは、高周波入力信号RFinが大きくなり(例えば、過入力となり)、即ち高周波信号RF1が大きくなり、且つ、負荷の変動が加わると(例えば、軽負荷になると)、トランジスタQ51及びトランジスタQ52がダメージを受ける可能性がある。
【0174】
しかし、電力増幅器1Bは、バイアス抑制回路31Bを含む。そして、バイアス抑制回路31Bは、高周波入力信号RFinが閾値以上になった場合(例えば、過入力となった場合)、バイアス電流BIAS3及びバイアス電流BIAS4を抑制する。
【0175】
これにより、電力増幅器1Bは、トランジスタQ51及びトランジスタQ52のコレクタ-エミッタ間の電流が抑制されるので、トランジスタQ51及びトランジスタQ52がダメージを受けることを抑制できる。
【0176】
また、高周波入力信号RFinが閾値以上である場合に、バイアス抑制回路31Bは、ノードN72及びノードN82から電流を引き抜く。しかし、バイアス抑制回路31Bは、トランジスタQ73及びトランジスタQ83のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31Bは、バイアス電流BIAS3及びバイアス電流BIAS4をゼロにせずに、微調整することができる。即ち、トランジスタQ51及びトランジスタQ52は、オフ状態にならずに、オン状態を維持することができる。
【0177】
従って、電力増幅器1Bは、高周波入力信号RFinが閾値以上から閾値未満に戻った場合に、トランジスタQ51及びトランジスタQ52が元の増幅動作に直ぐに戻ることができる。
【0178】
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態の構成要素のうち、他の実施の形態の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0179】
図9及び図10は、第4の実施の形態の電力増幅器の構成を示す図である。電力増幅器1Cは、増幅回路10Aと、バイアス回路20Cと、バイアス抑制回路31Cと、を含む。図9は、増幅回路10A及びバイアス回路20Cを示す図である。図10は、バイアス抑制回路31Cを示す図である。
【0180】
図9を参照すると、バイアス回路20Cは、バイアス回路20A(図3参照)と比較して、ノードN72が接続点Vsink3に接続されている。また、ノードN82が接続点Vsink4に接続されている。
【0181】
図10を参照すると、バイアス抑制回路31Cは、バイアス抑制回路31A(図4参照)と比較して、電流引き抜き回路31dに代えて、電流引き抜き回路31eを含む。電流引き抜き回路31eは、電流引き抜き回路31dと比較して、抵抗R45及びR46と、トランジスタQ47及びQ48と、を更に含む。また、トランジスタQ46のベースが、ノードN41に電気的に接続されている。
【0182】
トランジスタQ47のエミッタは、基準電位に電気的に接続されている。トランジスタQ47のベースは、ノードN42に電気的に接続されている。トランジスタQ47のコレクタは、抵抗R45の一端に電気的に接続されている。抵抗R45の他端は、接続点Vsink3に電気的に接続されている。つまり、抵抗R45の他端は、ノードN72(図9参照)に電気的に接続されている。
【0183】
トランジスタQ48のエミッタは、基準電位に電気的に接続されている。トランジスタQ48のベースは、ノードN42に電気的に接続されている。トランジスタQ48のコレクタは、抵抗R46の一端に電気的に接続されている。抵抗R46の他端は、接続点Vsink4に電気的に接続されている。つまり、抵抗R46の他端は、ノードN82(図9参照)に電気的に接続されている。
【0184】
なお、第4の実施の形態では、トランジスタQ47のベース及びトランジスタQ48のベースが、ノードN42に電気的に接続されていることとしたが、ノードN41に電気的に接続されることとしても良い。これにより、トランジスタQ44及びQ45、並びに、抵抗R43を削除することができ、素子数を抑制できる。
【0185】
バイアス抑制回路31Cの動作について説明する。
【0186】
高周波入力信号RFinが相対的に大きい場合(例えば、過入力である場合)、トランジスタQ31のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に大きくなる。従って、トランジスタQ32のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に小さくなる。これにより、抵抗R32での電圧降下が相対的に小さくなる。従って、ノードN32の電位は、相対的に高くなる。つまり、信号S11は、相対的に高電位になる。
【0187】
信号S11がトランジスタQ41のベースの閾値電圧以上になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値以上になると)、トランジスタQ41がオンし、ノードN41の電位が相対的に高くなる。これにより、トランジスタQ43がオンし、トランジスタQ43のコレクタ、即ち接続点Vsink1(つまり、ノードN12(図9参照))からエミッタに電流が流れる。つまり、トランジスタQ43は、ノードN12から電流を引き抜く。
【0188】
これにより、ノードN11(図9参照)の電圧、つまりトランジスタQ13(図9参照)のベース電圧が低下する。また、ノードN11からトランジスタQ13に流れるベース電流が低下する。従って、トランジスタQ13のエミッタから出力されるバイアス電流BIAS1(図9参照)が抑制される。これにより、高周波信号RF1が抑制される。
【0189】
なお、バイアス抑制回路31Cは、各素子の素子値を調整することにより、ノードN12から引き抜く電流を微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31Cは、トランジスタQ13のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。従って、バイアス抑制回路31Cは、バイアス電流BIAS1をゼロにするのではなく、微調整することができる。
【0190】
信号S11がトランジスタQ41のベースの閾値電圧以上になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値以上になると)、トランジスタQ41がオンし、ノードN41の電位が相対的に高くなる。これにより、トランジスタQ46がオンし、トランジスタQ46のコレクタ、即ち接続点Vsink2(つまり、ノードN62(図9参照))からエミッタに電流が流れる。つまり、トランジスタQ46は、ノードN62から電流を引き抜く。
【0191】
これにより、ノードN61(図9参照)の電圧、つまりトランジスタQ63(図9参照)のベース電圧が低下する。また、ノードN61からトランジスタQ63に流れるベース電流が低下する。従って、トランジスタQ63のエミッタから出力されるバイアス電流BIAS2(図9参照)が抑制される。これにより、高周波信号RF1が抑制される。
【0192】
なお、バイアス抑制回路31Cは、各素子の素子値を調整することにより、ノードN62から引き抜く電流を微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31Cは、トランジスタQ63のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。従って、バイアス抑制回路31Cは、バイアス電流BIAS2をゼロにするのではなく、微調整することができる。
【0193】
信号S11がトランジスタQ44のベースの閾値電圧以上になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値以上になると)、トランジスタQ44がオンし、ノードN42の電位が相対的に高くなる。これにより、トランジスタQ47がオンし、トランジスタQ47のコレクタ、即ち接続点Vsink3(つまり、ノードN72(図9参照))からエミッタに電流が流れる。つまり、トランジスタQ47は、ノードN72から電流を引き抜く。
【0194】
これにより、ノードN71(図9参照)の電圧、つまりトランジスタQ73(図9参照)のベース電圧が低下する。また、ノードN71からトランジスタQ73に流れるベース電流が低下する。従って、トランジスタQ73のエミッタから出力されるバイアス電流BIAS3(図9参照)が抑制される。
【0195】
なお、バイアス抑制回路31Cは、各素子の素子値を調整することにより、ノードN72から引き抜く電流を微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31Cは、トランジスタQ73のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。従って、バイアス抑制回路31Cは、バイアス電流BIAS3をゼロにするのではなく、微調整することができる。
【0196】
信号S11がトランジスタQ44のベースの閾値電圧以上になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値以上になると)、トランジスタQ44がオンし、ノードN42の電位が相対的に高くなる。これにより、トランジスタQ48がオンし、トランジスタQ48のコレクタ、即ち接続点Vsink4(つまり、ノードN82(図9参照))からエミッタに電流が流れる。つまり、トランジスタQ48は、ノードN82から電流を引き抜く。
【0197】
これにより、ノードN81(図9参照)の電圧、つまりトランジスタQ83(図9参照)のベース電圧が低下する。また、ノードN81からトランジスタQ83に流れるベース電流が低下する。従って、トランジスタQ83のエミッタから出力されるバイアス電流BIAS4(図9参照)が抑制される。
【0198】
なお、バイアス抑制回路31Cは、各素子の素子値を調整することにより、ノードN82から引き抜く電流を微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31Cは、トランジスタQ83のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。従って、バイアス抑制回路31Cは、バイアス電流BIAS4をゼロにするのではなく、微調整することができる。
【0199】
一方、高周波入力信号RFinが相対的に小さい場合、トランジスタQ31のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に小さくなる。従って、トランジスタQ32のコレクタ-エミッタ間の電流は、相対的に大きくなる。これにより、抵抗R32での電圧降下が相対的に大きくなる。従って、ノードN32の電位は、相対的に低くなる。つまり、信号S11は、相対的に低電位になる。
【0200】
信号S11がトランジスタQ41のベースの閾値電圧未満になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値未満になると)、トランジスタQ41がオフし、ノードN41の電位が相対的に低くなる。これにより、トランジスタQ43がオフし、トランジスタQ43のコレクタ、即ち接続点Vsink1(つまり、ノードN12(図9参照))からエミッタに電流が流れない。つまり、トランジスタQ43は、ノードN12から電流を引き抜かない。
【0201】
信号S11がトランジスタQ41のベースの閾値電圧未満になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値未満になると)、トランジスタQ41がオフし、ノードN41の電位が相対的に低くなる。これにより、トランジスタQ46がオフし、トランジスタQ46のコレクタ、即ち接続点Vsink2(つまり、ノードN62(図9参照))からエミッタに電流が流れない。つまり、トランジスタQ46は、ノードN62から電流を引き抜かない。
【0202】
信号S11がトランジスタQ44のベースの閾値電圧未満になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値未満になると)、トランジスタQ44がオフし、ノードN42の電位が相対的に低くなる。これにより、トランジスタQ47がオフし、トランジスタQ47のコレクタ、即ち接続点Vsink3(つまり、ノードN72(図9参照))からエミッタに電流が流れない。つまり、トランジスタQ47は、ノードN72から電流を引き抜かない。
【0203】
信号S11がトランジスタQ44のベースの閾値電圧未満になると(即ち、高周波入力信号RFinが閾値未満になると)、トランジスタQ44がオフし、ノードN42の電位が相対的に低くなる。これにより、トランジスタQ48がオフし、トランジスタQ48のコレクタ、即ち接続点Vsink4(つまり、ノードN82(図9参照))からエミッタに電流が流れない。つまり、トランジスタQ48は、ノードN82から電流を引き抜かない。
【0204】
(効果)
バイアス抑制回路31Cが無いとすると、電力増幅器1Cは、高周波入力信号RFinが大きくなり(例えば、過入力となり)、即ち高周波信号RF1が大きくなり、且つ、負荷の変動が加わると(例えば、軽負荷になると)、トランジスタQ51及びトランジスタQ52のコレクタ-エミッタ間の電流が大きくなり、トランジスタQ51及びトランジスタQ52がダメージを受ける可能性がある。
【0205】
しかし、電力増幅器1Cは、バイアス抑制回路31Cを含む。そして、バイアス抑制回路31Cは、高周波入力信号RFinが閾値以上になった場合(例えば、過入力となった場合)、バイアス電流BIAS1、バイアス電流BIAS2、バイアス電流BIAS3及びバイアス電流BIAS4を抑制する。
【0206】
これにより、トランジスタQ51及びトランジスタQ52のコレクタ-エミッタ間の電流が抑制されるので、トランジスタQ51及びトランジスタQ52がダメージを受けることを抑制できる。
【0207】
また、高周波入力信号RFinが閾値以上である場合に、バイアス抑制回路31Cは、ノードN12、ノードN62、ノードN73及びノードN82から電流を引き抜く。しかし、バイアス抑制回路31Cは、トランジスタQ13、トランジスタQ63、トランジスタQ73及びトランジスタQ83のベース電圧及びベース電流をゼロにせずに、微調整することができる。つまり、バイアス抑制回路31Cは、バイアス電流BIAS1、バイアス電流BIAS2、バイアス電流BIAS3及びバイアス電流BIAS4をゼロにせずに、微調整することができる。即ち、トランジスタQ1、トランジスタQ2、トランジスタQ51及びトランジスタQ52は、オフ状態にならずに、オン状態を維持することができる。
【0208】
従って、電力増幅器1Cは、高周波入力信号RFinが閾値以上から閾値未満に戻った場合に、トランジスタQ1、トランジスタQ2、トランジスタQ51及びトランジスタQ52が元の増幅動作に直ぐに戻ることができる。
【0209】
<本開示の構成例>
本開示は、下記の構成をとることもできる。
【0210】
(1)
ベースが入力端子に電気的に接続され、前記入力端子に入力される高周波入力信号を増幅する増幅トランジスタを含む、増幅回路と、
前記増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記増幅トランジスタのベースにバイアス電流を出力するバイアス回路と、
前記入力端子に電気的に接続され、前記高周波入力信号に基づいて、前記バイアス電流を抑制するバイアス抑制回路と、
を含み、
前記バイアス回路は、
電流が入力される第1ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続され、第2ノードにエミッタが電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第2ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続された第2トランジスタと、
前記第1ノードにベースが電気的に接続され、前記バイアス電流をエミッタから出力する第3トランジスタと、
を含み、
前記バイアス抑制回路は、
前記第2ノードに電気的に接続され、前記高周波入力信号に基づいて、前記バイアス回路の前記第2ノードから電流を引き抜く、
電力増幅器。
【0211】
(2)
上記(1)に記載の電力増幅器であって、
前記バイアス抑制回路は、
前記増幅トランジスタの動作を模擬し、ベースが前記入力端子に電気的に接続され、前記高周波入力信号がベースに入力されるレプリカトランジスタを含み、前記レプリカトランジスタに流れる電流に基づいて、前記バイアス回路の前記第2ノードから電流を引き抜く、
電力増幅器。
【0212】
(3)
上記(1)又は(2)に記載の電力増幅器であって、
前記増幅回路は、
前記入力端子に電気的に接続され、前記高周波入力信号を増幅して高周波信号を出力する第1回路と、
前記第1回路に電気的に接続され、前記高周波信号を増幅する第2回路と、
を含み、
前記第1回路は、
並列接続され、ベースが前記入力端子に電気的に接続された第1増幅トランジスタ及び第2増幅トランジスタを含み、
前記第2回路は、
並列接続され、ベースが前記第1増幅トランジスタ及び前記第2増幅トランジスタのコレクタに電気的に接続された第3増幅トランジスタ及び第4増幅トランジスタを含み、
前記バイアス回路は、
前記第1増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第1増幅トランジスタのベースに第1バイアス電流を出力する第1バイアス回路と、
前記第2増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第2増幅トランジスタのベースに第2バイアス電流を出力する第2バイアス回路と、
前記第3増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第3増幅トランジスタのベースに第3バイアス電流を出力する第3バイアス回路と、
前記第4増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第4増幅トランジスタのベースに第4バイアス電流を出力する第4バイアス回路と、
を含み、
前記第1バイアス回路から前記第4バイアス回路の各々は、
電流が入力される第1ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続され、第2ノードにエミッタが電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第2ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続された第2トランジスタと、
前記第1ノードにベースが電気的に接続され、前記第1バイアス電流をエミッタから出力する第3トランジスタと、
を含み、
前記バイアス抑制回路は、
前記第1バイアス回路の前記第2ノード及び前記第2バイアス回路の前記第2ノードに電気的に接続されており、前記高周波信号に基づいて、前記第1バイアス回路の前記第2ノード及び前記第2バイアス回路の前記第2ノードから電流を引き抜く、
電力増幅器。
【0213】
(4)
上記(1)又は(2)に記載の電力増幅器であって、
前記増幅回路は、
前記入力端子に電気的に接続され、前記高周波入力信号を増幅して高周波信号を出力する第1回路と、
前記第1回路に電気的に接続され、前記高周波信号を増幅する第2回路と、
を含み、
前記第1回路は、
並列接続され、ベースが前記入力端子に電気的に接続された第1増幅トランジスタ及び第2増幅トランジスタを含み、
前記第2回路は、
並列接続され、ベースが前記第1増幅トランジスタ及び前記第2増幅トランジスタのコレクタに電気的に接続された第3増幅トランジスタ及び第4増幅トランジスタを含み、
前記バイアス回路は、
前記第1増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第1増幅トランジスタのベースに第1バイアス電流を出力する第1バイアス回路と、
前記第2増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第2増幅トランジスタのベースに第2バイアス電流を出力する第2バイアス回路と、
前記第3増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第3増幅トランジスタのベースに第3バイアス電流を出力する第3バイアス回路と、
前記第4増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第4増幅トランジスタのベースに第4バイアス電流を出力する第4バイアス回路と、
を含み、
前記第1バイアス回路から前記第4バイアス回路の各々は、
電流が入力される第1ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続され、第2ノードにエミッタが電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第2ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続された第2トランジスタと、
前記第1ノードにベースが電気的に接続され、前記第1バイアス電流をエミッタから出力する第3トランジスタと、
を含み、
前記バイアス抑制回路は、
前記第3バイアス回路の前記第2ノード及び前記第4バイアス回路の前記第2ノードに電気的に接続されており、前記高周波信号に基づいて、前記第3バイアス回路の前記第2ノード及び前記第4バイアス回路の前記第2ノードから電流を引き抜く、
電力増幅器。
【0214】
(5)
上記(1)又は(2)に記載の電力増幅器であって、
前記増幅回路は、
前記入力端子に電気的に接続され、前記高周波入力信号を増幅して高周波信号を出力する第1回路と、
前記第1回路に電気的に接続され、前記高周波信号を増幅する第2回路と、
を含み、
前記第1回路は、
並列接続され、ベースが前記入力端子に電気的に接続された第1増幅トランジスタ及び第2増幅トランジスタを含み、
前記第2回路は、
並列接続され、ベースが前記第1増幅トランジスタ及び前記第2増幅トランジスタのコレクタに電気的に接続された第3増幅トランジスタ及び第4増幅トランジスタを含み、
前記バイアス回路は、
前記第1増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第1増幅トランジスタのベースに第1バイアス電流を出力する第1バイアス回路と、
前記第2増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第2増幅トランジスタのベースに第2バイアス電流を出力する第2バイアス回路と、
前記第3増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第3増幅トランジスタのベースに第3バイアス電流を出力する第3バイアス回路と、
前記第4増幅トランジスタのベースに電気的に接続され、前記第4増幅トランジスタのベースに第4バイアス電流を出力する第4バイアス回路と、
を含み、
前記第1バイアス回路から前記第4バイアス回路の各々は、
電流が入力される第1ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続され、第2ノードにエミッタが電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第2ノードにコレクタ及びベースが電気的に接続された第2トランジスタと、
前記第1ノードにベースが電気的に接続され、前記第1バイアス電流をエミッタから出力する第3トランジスタと、
を含み、
前記バイアス抑制回路は、
前記第1バイアス回路の前記第2ノード、前記第2バイアス回路の前記第2ノード、前記第3バイアス回路の前記第2ノード及び前記第4バイアス回路の前記第2ノードに電気的に接続されており、前記高周波信号に基づいて、前記第1バイアス回路の前記第2ノード、前記第2バイアス回路の前記第2ノード、前記第3バイアス回路の前記第2ノード及び前記第4バイアス回路の前記第2ノードから電流を引き抜く、
電力増幅器。
【0215】
(6)
上記(3)から(5)のいずれか1つに記載の電力増幅器であって、
相対的に高い第1出力電力での増幅を行う第1出力電力動作モードと、相対的に低い第2出力電力での増幅を行う第2出力電力動作モードと、を有し、
前記第1バイアス回路は、
前記第1出力電力動作モードの場合に、前記第1バイアス電流を前記第1増幅トランジスタに出力し、
前記第2バイアス回路は、
前記第1出力電力動作モード及び前記第2出力電力動作モードの両方の場合に、前記第2バイアス電流を前記第2増幅トランジスタに出力し、
前記第3バイアス回路は、
前記第1出力電力動作モードの場合に、前記第3バイアス電流を前記第3増幅トランジスタに出力し、
前記第4バイアス回路は、
前記第1出力電力動作モード及び前記第2出力電力動作モードの両方の場合に、前記第4バイアス電流を前記第4増幅トランジスタに出力する、
電力増幅器。
【0216】
なお、上記した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0217】
1、1A、1B、1C 電力増幅器
10、10A 増幅回路
11、11A 第1回路
12 整合回路
13 第2回路
20、20A、20B、20C バイアス回路
21 第1バイアス回路
22 第2バイアス回路
23 第3バイアス回路
24 第4バイアス回路
31、31A、31B バイアス抑制回路
31a 設定回路
31b 差動反転回路
31c、31d、31e 電流引き抜き回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10