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特開2024-178744推論装置、学習装置及び冷蔵庫システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178744
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】推論装置、学習装置及び冷蔵庫システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20241218BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20241218BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20241218BHJP
【FI】
G06Q10/04
F25D11/00 101B
G16Y20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097118
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 成彦
(72)【発明者】
【氏名】添田 舞子
(72)【発明者】
【氏名】松本 真理子
【テーマコード(参考)】
3L045
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045BA03
3L045BA05
3L045CA09
3L045DA02
3L045EA01
3L045LA11
3L045MA02
3L045MA16
3L045PA01
3L045PA03
5L010AA04
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】使用者がいつ調理を行うのかに応じて使用者の生活を支援できる推論装置等を提供する。
【解決手段】推論装置70は、推論用データを取得する推論用データ取得部71と、推論用データから調理時刻を推論するための学習済モデルを用いて、推論用データ取得部71が取得した推論用データから調理時刻を出力する推論部72とを備える。推論用データは、冷蔵庫1に関する冷蔵庫動作情報を含む。冷蔵庫動作情報は、冷蔵庫1の扉開閉情報、冷蔵庫1の庫内温度情報、冷蔵庫1の圧縮機動作情報及び冷蔵庫1の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含む。調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
推論用データを取得するデータ取得部と、
前記推論用データから調理時刻を推論するための学習済モデルを用いて、前記データ取得部が取得した前記推論用データから前記調理時刻を出力する推論部と、を備え、
前記推論用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報を含み、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む推論装置。
【請求項2】
前記推論用データは、調理機器に関する調理機器動作情報をさらに含み、
前記調理機器動作情報は、前記調理機器の動作開始及び動作終了の一方又は両方に関する情報、並びに、前記調理機器の温度情報の少なくとも1つを含む請求項1に記載の推論装置。
【請求項3】
前記推論用データは、キッチンに関するキッチン環境情報をさらに含み、
前記キッチン環境情報は、前記キッチン内の温度情報、前記キッチン内の臭気情報、前記キッチン内の照度情報、前記キッチン内の音情報、前記キッチンの水道使用情報、前記キッチンの電力使用情報及び前記キッチンのガス使用情報の少なくとも1つを含む請求項1又は請求項2に記載の推論装置。
【請求項4】
前記推論用データは、使用者が操作する端末装置に関する端末装置情報をさらに含み、
前記端末装置情報は、前記端末装置におけるレシピ表示に関する情報、前記端末装置におけるキッチンタイマーの動作情報及び前記端末装置の温度情報の少なくとも1つを含む請求項1又は請求項2に記載の推論装置。
【請求項5】
前記推論用データは、使用者に関する使用者情報をさらに含み、
前記使用者情報は、前記使用者の位置情報及び前記使用者の生体情報の少なくとも1つを含む請求項1又は請求項2に記載の推論装置。
【請求項6】
前記使用者情報は、前記使用者の調理頻度情報及び前記使用者の家族構成情報の一方又は両方をさらに含む請求項5に記載の推論装置。
【請求項7】
学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と調理時刻とを含み、
前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む学習装置。
【請求項8】
学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と調理機器に関する調理機器動作情報とを含み、
前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記調理機器動作情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記調理機器動作情報は、前記調理機器の動作開始及び動作終了の一方又は両方に関する情報、並びに、前記調理機器の温度情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む学習装置。
【請求項9】
学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報とキッチンに関するキッチン環境情報とを含み、
前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記キッチン環境情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記キッチン環境情報は、前記キッチン内の温度情報、前記キッチン内の臭気情報、前記キッチン内の照度情報、前記キッチン内の音情報、前記キッチンの水道使用情報、前記キッチンの電力使用情報及び前記キッチンのガス使用情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む学習装置。
【請求項10】
学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と使用者が操作する端末装置に関する端末装置情報とを含み、
前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記端末装置情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記端末装置情報は、前記端末装置におけるレシピ表示に関する情報、前記端末装置におけるキッチンタイマーの動作情報及び前記端末装置の温度情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む学習装置。
【請求項11】
学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と使用者に関する使用者情報とを含み、
前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記使用者情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記使用者情報は、前記使用者の位置情報及び前記使用者の生体情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む学習装置。
【請求項12】
前記使用者情報は、前記使用者の調理頻度情報及び前記使用者の家族構成情報の一方又は両方をさらに含む請求項11に記載の学習装置。
【請求項13】
請求項1又は請求項2に記載の前記推論装置と、
貯蔵室が形成された前記冷蔵庫の本体と、
前記貯蔵室内を冷却する冷却手段と、
前記冷却手段を制御する制御装置と、
前記推論装置の前記推論部から出力された前記調理時刻から、調理が行われている調理期間及び調理が行われていない非調理期間を特定する特定部と、を備え、
前記制御装置は、前記特定部により特定された調理期間に第1制御で前記冷却手段を制御し、前記特定部により特定された非調理期間に、前記第1制御と異なる第2制御で前記冷却手段を制御する冷蔵庫システム。
【請求項14】
請求項1又は請求項2に記載の前記推論装置と、
貯蔵室が形成された前記冷蔵庫の本体と、
前記貯蔵室内を冷却する冷却手段と、
前記推論装置の前記推論部から出力された前記調理時刻から、調理が行われていない非調理期間を特定する特定部と、を備え、
前記冷却手段は、前記特定部により特定された非調理期間に、前記貯蔵室内の食品の少なくとも一部を凍結させる第1工程と、前記第1工程の終了の後に開始され、前記食品の凍結部分を融解させる第2工程とを行う冷蔵庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、推論装置、学習装置及び冷蔵庫システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫のドアの開閉に関する開閉情報を取得する開閉情報取得手段と、冷蔵庫のドアの開閉と冷蔵庫のユーザの調理に関する傾向との関係を学習した学習済モデルに基づいて、開閉情報からユーザの調理に関する傾向を推論する推論手段とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-191712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるような技術においては、例えば「効率重視」、「栄養バランス重視」、「自炊頻度低」等の使用者の調理に関する傾向を推論するにとどまり、使用者がいつ調理を行うのかに応じた支援、冷蔵庫の制御等を行うことが難しい。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、使用者がいつ調理を行うのかに応じて使用者の生活を支援できる推論装置、学習装置及び冷蔵庫システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る推論装置は、推論用データを取得するデータ取得部と、前記推論用データから調理時刻を推論するための学習済モデルを用いて、前記データ取得部が取得した前記推論用データから前記調理時刻を出力する推論部と、を備え、前記推論用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報を含み、前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む。
【0007】
本開示に係る学習装置は、学習用データを取得するデータ取得部と、前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と調理時刻とを含み、前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む。
【0008】
あるいは、本開示に係る学習装置は、学習用データを取得するデータ取得部と、前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と調理機器に関する調理機器動作情報とを含み、前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記調理機器動作情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、前記調理機器動作情報は、前記調理機器の動作開始及び動作終了の一方又は両方に関する情報、並びに、前記調理機器の温度情報の少なくとも1つを含み、前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む。
【0009】
あるいは、本開示に係る学習装置は、学習用データを取得するデータ取得部と、前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報とキッチンに関するキッチン環境情報とを含み、前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記キッチン環境情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、前記キッチン環境情報は、前記キッチン内の温度情報、前記キッチン内の臭気情報、前記キッチン内の照度情報、前記キッチン内の音情報、前記キッチンの水道使用情報、前記キッチンの電力使用情報及び前記キッチンのガス使用情報の少なくとも1つを含み、前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む。
【0010】
あるいは、本開示に係る学習装置は、学習用データを取得するデータ取得部と、前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と使用者が操作する端末装置に関する端末装置情報とを含み、前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記端末装置情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、前記端末装置情報は、前記端末装置におけるレシピ表示に関する情報、前記端末装置におけるキッチンタイマーの動作情報及び前記端末装置の温度情報の少なくとも1つを含み、前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む。
【0011】
あるいは、本開示に係る学習装置は、学習用データを取得するデータ取得部と、前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と使用者に関する使用者情報とを含み、前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記使用者情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、前記使用者情報は、前記使用者の位置情報及び前記使用者の生体情報の少なくとも1つを含み、前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む。
【0012】
本開示に係る冷蔵庫システムは、上記のように構成された推論装置と、貯蔵室が形成された前記冷蔵庫の本体と、前記貯蔵室内を冷却する冷却手段と、前記冷却手段を制御する制御装置と、前記推論装置の前記推論部から出力された前記調理時刻から、調理が行われている調理期間及び調理が行われていない非調理期間を特定する特定部と、を備え、前記制御装置は、前記特定部により特定された調理期間に第1制御で前記冷却手段を制御し、前記特定部により特定された非調理期間に、前記第1制御と異なる第2制御で前記冷却手段を制御する。
【0013】
あるいは、本開示に係る冷蔵庫システムは、上記のように構成された推論装置と、貯蔵室が形成された前記冷蔵庫の本体と、前記貯蔵室内を冷却する冷却手段と、前記推論装置の前記推論部から出力された前記調理時刻から、調理が行われていない非調理期間を特定する特定部と、を備え、前記冷却手段は、前記特定部により特定された非調理期間に、前記貯蔵室内の食品の少なくとも一部を凍結させる第1工程と、前記第1工程の終了の後に開始され、前記食品の凍結部分を融解させる第2工程とを行う。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る推論装置、学習装置及び冷蔵庫システムによれば、使用者がいつ調理を行うのかに応じて使用者の生活を支援できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態1に係る冷蔵庫システムが備える冷蔵庫の構成を示す正面図である。
図2】実施の形態1に係る冷蔵庫の構成を示す縦断面図である。
図3】実施の形態1に係る冷蔵庫システムの構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態1に係る推論装置の構成を示すブロック図である。
図5】冷蔵庫の扉開閉回数と調理期間との関係の一例を示す図である。
図6】実施の形態1に係る冷蔵庫における各種温度の経時変化の一例を示す図である。
図7】実施の形態1に係る冷蔵庫システムの動作例を示すフロー図である。
図8】実施の形態1に係る学習装置の構成を示すブロック図である。
図9】実施の形態1に係る学習装置におけるニューラルネットワークの一例を示す図である。
図10】実施の形態1に係る学習装置の動作の一例を示すフロー図である。
図11】実施の形態1に係る推論装置及び学習装置の機能を実現する構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示に係る推論装置、学習装置及び冷蔵庫システムを実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0017】
実施の形態1.
図1から図11を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。図1は冷蔵庫システムが備える冷蔵庫の構成を示す正面図である。図2は冷蔵庫の構成を示す縦断面図である。図3は冷蔵庫システムの構成を示すブロック図である。図4は推論装置の構成を示すブロック図である。図5は冷蔵庫の扉開閉回数と調理期間との関係の一例を示す図である。図6は冷蔵庫における各種温度の経時変化の一例を示す図である。図7は冷蔵庫システムの動作例を示すフロー図である。図8は学習装置の構成を示すブロック図である。図9は学習装置におけるニューラルネットワークの一例を示す図である。図10は学習装置の動作の一例を示すフロー図である。図11は推論装置及び学習装置の機能を実現する構成の一例を示す図である。
【0018】
この実施の形態に係る冷蔵庫システムは、食品を冷蔵温度帯又は冷凍温度帯等に冷却して保存する冷蔵庫1を備えている。図1及び図2に示すのは、この実施の形態に係る冷蔵庫システムが備える冷蔵庫1の一例である。本開示では、原則として、冷蔵庫1が使用可能な状態に設置されたときを基準として、各方向を定義する。また、図1及び図2によって示される冷蔵庫1を構成する各部材の寸法、位置関係及び形状等は、実際のものとは必ずしも完全に一致しない場合がある。冷蔵庫1の構成は、図1及び図2によって示されるものに限定されるものではない。
【0019】
この実施の形態に係る冷蔵庫1は、断熱箱体8を有している。断熱箱体8は、外箱、内箱及び断熱材によって構成される。外箱は、例えば、鋼鉄製である。内箱は、例えば、樹脂製である。内箱は、外箱の内側に配置される。断熱材は、例えば、発泡ウレタン、真空断熱材等である。断熱材は、外箱と内箱との間に充填されている。
【0020】
断熱箱体8の正面は開口している。断熱箱体8の内部には、貯蔵空間が形成されている。貯蔵空間は、食品等の被貯蔵物が収納される空間である。断熱箱体8の内部に形成された貯蔵空間は、1つ又は複数の仕切り部材によって、食品を収納保存するための複数の貯蔵室に区画されている。例えば、冷蔵庫1は、図1及び図2に示すように、複数の貯蔵室として、冷蔵室10、切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50を備えている。これらの各貯蔵室は、断熱箱体8において、上下方向に4段構成となって配置されている。このように、冷蔵庫1は、食品を内部に収納する貯蔵室が設けられた冷蔵庫本体を備えている。
【0021】
冷蔵室10は、断熱箱体8の最上段に配置されている。図2に示すように、冷蔵室10の内部には、例えば、複数の棚板が設けられている。冷蔵室10の内部は、これらの棚板によって、上下方向に複数の空間に仕切られている。
【0022】
切替室20は冷蔵室10の下方における左右の一側に配置されている。切替室20内の温度帯は、複数の温度帯のうちのいずれかに選択的に切り替えることが可能である。切替室20内の温度帯として選択可能な複数の温度帯は、例えば、冷凍温度帯、ソフト冷凍温度帯、チルド温度帯、冷蔵温度帯等である。冷凍温度帯は、例えば、-18℃程度の温度帯である。ソフト冷凍温度帯は、例えば、-7℃程度の温度帯である。チルド温度帯は、例えば、0℃程度の温度帯である。冷蔵温度帯は、例えば、3℃程度の温度帯である。
【0023】
製氷室30は、切替室20の側方に隣接して配置される。製氷室30は、切替室20と並列に配置される。すなわち、製氷室30は、冷蔵室10の下方における左右の他側に配置されている。冷凍室40は、切替室20及び製氷室30の下方に配置されている。冷凍室40は、被貯蔵物を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いられる。また、野菜室50は、冷凍室40の下方の配置されている。野菜室50は、断熱箱体8の最下段に配置されている。野菜室50には、例えば、野菜及び容量の大きなペットボトル等が収納される。
【0024】
冷蔵室10の正面部には、当該冷蔵室10を開閉するための冷蔵室扉2が設けられている。冷蔵室扉2は、例えば、両開き式の回転式の扉である。両開き式の冷蔵室扉2は、冷蔵室右扉2a及び冷蔵室左扉2bにより構成されている。冷蔵室扉2の外側表面には、操作パネル3が設けられている。図示の構成例では、操作パネル3は、冷蔵室左扉2bに設けられている。操作パネル3は、各貯蔵室の保冷温度等の設定及び各貯蔵室の温度等の各種情報の表示のためのものである。
【0025】
切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50は、例えば、それぞれ、引出し式の扉によって開閉される。これらの引出し式の扉は、各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに沿って冷蔵庫1の奥行方向にスライドできるようになっている。この実施の形態に係る冷蔵庫1の使用者は、引出し式の扉をスライドさせることで、切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50を開閉する。
【0026】
切替室20の内部及び冷凍室40の内部には、食品等を内部に収納できる切替室収納ケース21及び冷凍室収納ケース41が、それぞれ引き出し自在に格納されている。同様に、野菜室50内には、食品等を内部に収納できる野菜室収納ケース51が、引き出し自在に格納されている。
【0027】
切替室収納ケース21は、切替室20を開閉する扉に設けられたフレームによって支持される。切替室収納ケース21は、切替室20を開閉する扉に連動して引き出される。冷凍室収納ケース41は、冷凍室40を開閉する扉に設けられたフレームによって支持される。冷凍室収納ケース41は、冷凍室40を開閉する扉に連動して引き出される。同様に、野菜室収納ケース51は、野菜室50を開閉する扉に設けられたフレームによって支持される。野菜室収納ケース51は、野菜室50を開閉する扉に連動して引き出される。
【0028】
なお、冷蔵庫1に備えられた貯蔵室の数、貯蔵室の配置、貯蔵室を開閉するための扉の構成等は、以上で説明した例に限定されるものではない。例えば、冷蔵室10を開閉するための扉は、スライド式であってもよい。また、切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50を開閉するための扉は、回転式であってもよい。切替室収納ケース21、冷凍室収納ケース41及び野菜室収納ケース51は、それぞれ、2つ以上設けられてもよい。
【0029】
冷蔵庫1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却するための冷凍機構として、圧縮機4、冷却器5、送風ファン6及び風路9等を備えている。圧縮機4及び冷却器5は、図示を省略している凝縮器及び絞り装置等とによって、冷凍サイクル回路を構成している。圧縮機4は、冷凍サイクル回路内の冷媒を、圧縮して吐出する。凝縮器は、圧縮機4から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器5は、絞り装置で膨張した冷媒によって、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機4は、例えば、図2に示すように、冷蔵庫1の背面側の下部に配置される。
【0030】
風路9は、冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するためのものである。風路9は、断熱箱体8の内部に形成されている。風路9は、例えば、冷蔵庫1の背面側に配置されている。冷凍サイクル回路を構成している冷却器5は、この風路9内に設置される。また、風路9内には、冷却器5で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風ファン6も設置されている。
【0031】
送風ファン6が動作すると、冷却器5で冷却された空気、すなわち冷気が、風路9を通って、冷凍室40、切替室20、製氷室30及び冷蔵室10へ送られる。これにより、各貯蔵室内が冷却される。また、野菜室50には、冷蔵室10から戻った冷気が図示しない風路を介して導入される。これにより、野菜室50内が冷却される。野菜室50を通過した空気は、冷却器5が設置されている風路9内へと戻される。風路9内へと戻された空気は、再び冷却器5によって冷却され、冷蔵庫1内を循環する。なお、ここで説明した空気の循環経路は一例であり、どのような経路であってもよい。
【0032】
また、風路9からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、ダンパが設けられている。このダンパは、図1及び図2においては図示を省略する。各ダンパの開閉状態が変化することで、各貯蔵室へと供給される冷気の風量が調節される。貯蔵室へと供給される冷気の風量は、送風ファン6の運転が制御されることによっても調節される。また、各貯蔵室へと供給される空気の温度は、圧縮機4の運転が制御されることで調節される。
【0033】
各貯蔵室には、内部の温度を検知するサーミスタが設置される。このサーミスタは、図1及び図2においては図示を省略する。上記のダンパ、送風ファン6及び圧縮機4は、サーミスタの検知結果に基づいて制御される。ダンパ、送風ファン6及び圧縮機4は、各貯蔵室内の温度が予め設定された設定温度になるように制御される。本実施の形態において、以上のように設けられた圧縮機4と冷却器5とを含む冷凍サイクル回路、送風ファン6、風路9及びダンパは、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段の一例である。
【0034】
冷蔵庫1は、図示しない扉開閉検知スイッチを備えている。扉開閉検知スイッチは、貯蔵室の扉の開閉を検知する開閉検知手段である。扉開閉検知スイッチは、例えば、冷蔵室10の冷蔵室扉2の開閉を検知する。扉開閉検知スイッチは、例えば、一般的なマグネット方式のスイッチである。すなわち、扉開閉検知スイッチは、例えば、冷蔵室扉2に埋め込まれた磁石の近接を、冷蔵庫1の本体側に設置されたリードスイッチによって検出する。
【0035】
この実施の形態に係る冷蔵庫1は、制御装置7を備えている。制御装置7は、例えば、図2に示すように、冷蔵庫1の背面側の上部に設けられる。制御装置7には、冷蔵庫1の動作を制御するための制御回路等が備えられている。制御装置7の各機能は、この制御回路によって実現される。制御装置7は、冷却手段を制御する制御手段の一例である。
【0036】
図3は、この実施の形態に係る冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。制御装置7の制御回路には、例えば、制御用プロセッサ7a及び制御用メモリ7bが備えられている。制御装置7は、制御用メモリ7bに記憶されたプログラムを制御用プロセッサ7aが実行することによって予め設定された処理を実行し、冷蔵庫1を制御する。
【0037】
制御用プロセッサ7aは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。制御用メモリ7bには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
【0038】
なお、制御装置7の制御回路は、例えば、専用のハードウェアとして形成されてもよい。制御装置7の制御回路の一部が専用のハードウェアとして形成され、且つ、当該制御回路に制御用プロセッサ7a及び制御用メモリ7bが備えられていてもよい。一部が専用のハードウェアとして形成される制御回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0039】
制御装置7には、各貯蔵室の内部の温度を検知する前述のサーミスタから信号が入力される。また、制御装置7には、前述した扉開閉検知スイッチからの検知信号も入力される制御装置7は、入力された信号に基づいて、各貯蔵室内の温度が設定温度に維持されるように、圧縮機4、送風ファン6及びダンパ等を制御する。すなわち、制御装置7は前述した冷却手段等を制御して、冷蔵庫1の動作を制御する。
【0040】
また、この実施の形態の操作パネル3は、例えば、図3に示すように、操作部3a及び表示部3bを備えている。操作部3aは、各貯蔵室の設定温度及び冷蔵庫1の動作モードを設定するためのスイッチ等を備えている。表示部3bは、冷蔵庫1に関する各種の情報を表示する液晶ディスプレイ及びLEDの表示灯等を備えている。なお、操作パネル3は、操作部3aと表示部3bとを兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。また、操作パネル3には、音声報知を行うスピーカ等が備えられていてもよい。
【0041】
制御装置7には、操作パネル3の操作部3aからの信号が入力される。操作部3aは、使用者による当該操作部3aの操作に応じた信号を、制御装置7へ出力する。制御装置7は、操作部3aから入力された信号に基づいた処理を実行する。また、制御装置7は、操作パネル3の表示部3bの動作も制御する。
【0042】
この実施の形態に係る冷蔵庫システムは、以上のような冷蔵庫1の他に、図3に示すように、推論装置70、非調理期間特定部61、記憶部62及び通信部63を備えている。推論装置70、非調理期間特定部61及び記憶部62の一部又は全部は、冷蔵庫1と通信可能に設けられたサーバ装置等に設けられてもよいし、冷蔵庫1に内蔵されていてもよい。
【0043】
この実施の形態に係る推論装置70は、調理時刻を推論するものである。調理時刻とは、調理が行われる時刻である。調理時刻には、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方が含まれている。推論装置70の構成例を図4に示す。同図に示すように、推論装置70は、推論用データ取得部71及び推論部72を備えている。推論装置70には、推論用データが入力される。推論用データ取得部71は、推論装置70に入力された推論用データを取得する。推論装置70に入力される推論用データには、冷蔵庫1についての冷蔵庫動作情報が含まれている。冷蔵庫動作情報は、冷蔵庫1の動作に関する情報である。
【0044】
図3に示すように、冷蔵庫1の制御装置7と、推論装置70とは、通信部63を介して通信可能に接続されている。通信部63を介した制御装置7と推論装置70との間の通信は、有線方式であっても無線方式であってもよい。通信部63を介した通信により、制御装置7から冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報が推論装置70に送信される。推論装置70の推論用データ取得部71は、制御装置7から送信された、冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報を推論用データとして取得する。
【0045】
推論用データである冷蔵庫動作情報は、具体的には、冷蔵庫1の扉開閉情報、冷蔵庫1の庫内温度情報、冷蔵庫1の圧縮機動作情報及び冷蔵庫1の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含んでいる。扉開閉情報は、冷蔵庫1の各貯蔵室の扉の開閉状態に関する情報である。扉開閉情報は、例えば、冷蔵庫1の前述した扉開閉検知スイッチによる検知結果に基づいている。扉開閉情報は、冷蔵庫1の扉が開いた回数、閉じた回数、又は、その両方である。冷蔵庫の扉が開いた後に閉じるまでを1回とカウントしてもよい。また、冷蔵庫の各貯蔵室の扉開閉をそれぞれ別でカウントしてもよいし、すべての貯蔵室の扉開閉を合わせてカウントしてもよい。ただし、より望ましくは、各貯蔵室それぞれの扉開閉をカウントするのがよい。また、扉開閉情報は、扉開閉回数の絶対値でなく、扉開閉回数の時間変化であってもよい。
【0046】
庫内温度情報は、冷蔵庫1の各貯蔵室の内部の温度に関する情報である。庫内温度情報は、例えば、冷蔵庫1の前述したサーミスタによる検出結果に基づいている。調理期間中は冷蔵庫1の開閉が多くなることが予想され、それに伴い冷蔵庫1の庫内温度が急激に変化(温度上昇)する。この温度の変化をトリガーに、調理期間・非調理期間を推定することができる。例えば、調理中は何度も扉開閉したり、長時間扉を開けたままにしたりするため、庫内温度は通常よりも大きく上昇する。このように、庫内温度情報と調理期間・非調理期間とは相関がある。
【0047】
圧縮機動作情報は、冷蔵庫1の圧縮機4の動作、例えば、圧縮機4のON/OFF、回転数に関する情報である。送風ファン動作情報は、冷蔵庫1の送風ファン6の動作、例えば、送風ファン6のON/OFF、ファン回転数に関する情報である。調理中は、冷蔵庫1の扉開閉回数が増加し、扉を開けたままにする時間が長くなるため、庫内の温度が上昇する。その後、圧縮機4の回転数を増加させ、又は、送風ファン6の回転数を増加させ、あるいは、その両方を行い、速やかに庫内温度を規定の温度まで冷却する必要がある。このように、圧縮機4又は送風ファン6の動作データと、調理期間・非調理期間とは相関がある。
【0048】
学習済モデル記憶部90には、学習済モデルが記憶されている。学習済モデル記憶部90に記憶される学習済モデルは、推論用データから調理時刻すなわち調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を推論するためのものである。学習済モデル記憶部90に記憶される学習済モデルは、例えば、後述する学習装置80により生成される。学習済モデル記憶部90は、例えば、推論装置70と通信可能に設けられたサーバ装置等に備えられる。また、学習済モデル記憶部90を推論装置70に設けてもよい。さらに、学習済モデル記憶部90は、前述した記憶部62であってもよい。
【0049】
推論装置70の推論部72は、学習済モデル記憶部90に記憶されている学習済モデルを用いて、推論用データ取得部71が取得した推論用データすなわち冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報から、調理時刻すなわち調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を推論する。推論部72は、推論用データ取得部71が取得した入力データを、学習済モデルに入力することで、入力データから推論される調理時刻を出力することができる。このようにして、推論部72は、入力データから調理時刻を推論するための学習済モデルを用いて、推論用データ取得部71が取得した入力データから調理時刻を出力する。
【0050】
推論用データは、調理機器に関する調理機器動作情報をさらに含んでいてもよい。調理機器は、例えば、IHクッキングヒータ、炊飯器、電子レンジ、オーブントースター、自動調理器等である。調理機器動作情報は、調理機器の動作開始及び動作終了の一方又は両方に関する情報、並びに、調理機器の温度情報の少なくとも1つを含んでいる。なお、調理機器の温度情報は、調理機器がIHクッキングヒータであれば天板(加熱部)の温度及び天板上の鍋等の調理器具の温度の一方又は両方、調理機器が炊飯器であれば炊飯釜の内部の温度、調理機器が電子レンジ、オーブントースターであれば庫内の温度、調理機器が自動調理器であれば調理容器の内部の温度の情報である。
【0051】
この場合、学習済モデル記憶部90に記憶される学習済モデルは、推論用データ、すなわち、冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報及び調理機器動作情報から調理時刻を推論するためのものである。また、推論装置70は、例えば通信部63を介して調理機器と通信可能である。そして、推論用データ取得部71は、通信部63を介した通信により、調理機器から調理機器動作情報を取得する。
【0052】
調理開始時刻及び調理終了時刻に応じて、すなわち、現在調理中であるか否かに応じて、調理機器の動作状態、調理機器の内部温度は変化する。このため、推論用データが調理機器動作情報をさらに含み、つまり、調理機器動作情報をさらに用いて調理時刻を推論することで、推論精度向上を図ることができる。
【0053】
推論用データは、キッチンに関するキッチン環境情報をさらに含んでいてもよい。キッチン環境情報は、キッチン内の温度情報、キッチン内の臭気情報、キッチン内の照度情報、キッチン内の音情報、キッチンの水道使用情報、キッチンの電力使用情報及びキッチンのガス使用情報の少なくとも1つを含んでいる。この場合、学習済モデル記憶部90に記憶される学習済モデルは、推論用データ、すなわち、冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報及びキッチン環境情報から調理時刻を推論するためのものである。
【0054】
キッチン内の温度情報は、例えばキッチンに設けられた室温センサにより検出する。キッチン内の臭気情報は、例えばキッチンに設けられた臭気物質センサにより検出する。キッチン内の照度情報は、例えばキッチンに設けられた照度センサにより検出する。キッチン内の音情報は例えば、キッチンに設けられたマイク等により検出する。キッチンの水道使用情報は、例えばキッチンの水栓(蛇口)の開閉状態を検出する水栓使用検知器を用いることで取得できる。キッチンの電力使用情報は、例えばコンセント単位での電力使用量を検出可能なスマートメーター等を用いることで取得できる。キッチンのガス使用情報は、例えばキッチン内のガスコンロ等のガス器具の使用状態を監視するガス監視器等を用いることで取得できる。そして、推論用データ取得部71は、通信部63を介した通信により、キッチンに設けられた各種センサ、マイク、水栓使用検知器、スマートメーター、ガス監視器等からキッチン環境情報を取得する。
【0055】
調理開始時刻及び調理終了時刻に応じて、すなわち、現在調理中であるか否かに応じて、キッチン内の温度、臭気物質濃度、照度、音の発生状況、水道使用状況、電力使用状況、ガス使用状況は変化する。例えば、調理に伴いコンロ等で食材を加熱すると、キッチン内の温度が上昇し、煙、臭い等が生じる。また、調理のためにキッチンに人が立つことで、キッチン内の照度が変化する。調理に伴い、例えば、まな板の上で食材を包丁で切ったり、コンロで食材を炒めたりすると特徴的な音が出る。そして、調理のために水道、電力、ガスが使用されることでこれらの使用状況が変化する。このように、これらのキッチン情報と現在調理中であるか否かとは一定の相関があると考えられる。このため、推論用データがキッチン環境情報をさらに含み、つまり、キッチン環境情報をさらに用いて調理時刻を推論することで、推論精度向上を図ることができる。
【0056】
推論用データは、使用者が操作するスマートフォン、タブレット端末、PC等の端末装置に関する端末装置情報をさらに含んでいてもよい。端末装置情報は、端末装置におけるレシピ表示に関する情報、端末装置におけるキッチンタイマーの動作情報及び端末装置の温度情報の少なくとも1つを含んでいる。端末装置におけるレシピ表示に関する情報には、例えば、端末装置においてレシピを表示したこと、端末装置においてレシピの検索を行ったこと、端末装置においてレシピアプリを起動・使用したこと等についての情報が含まれ得る。端末装置の温度情報は、端末装置自体の温度、例えば、端末装置のCPU温度に関する情報である。この場合、学習済モデル記憶部90に記憶される学習済モデルは、推論用データ、すなわち、冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報及び端末装置情報から調理時刻を推論するためのものである。推論用データ取得部71は、通信部63を介した通信により、端末装置から端末装置情報を取得する。
【0057】
端末装置でレシピを表示、検索等したり、端末装置でキッチンタイマーを動作させたりしているとき、調理中である可能性が高くなる。また、調理中のキッチンという比較的に高温になりやすい環境中において端末装置でレシピを表示、検索等する処理を行うことで、端末装置自体の温度も上昇しやすい。このように、これらの端末装置情報と現在調理中であるか否かとは一定の相関があると考えられる。このため、推論用データが端末装置情報をさらに含み、つまり、端末装置情報をさらに用いて調理時刻を推論することで、推論精度向上を図ることができる。
【0058】
推論用データは、使用者に関する使用者情報をさらに含んでもよい。使用者情報は、使用者の位置情報及び使用者の生体情報の少なくとも1つを含んでいる。この場合、学習済モデル記憶部90に記憶される学習済モデルは、推論用データ、すなわち、冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報及び使用者情報から調理時刻を推論するためのものである。使用者の位置情報は、例えば、使用者が所持するスマートフォン等の端末装置、使用者が着用するスマートウォッチ等のウェアラブルデバイスのGPS機能により検出できる。建物内の設けられた赤外線センサ、カメラ、超音波センサ等により、使用者の位置を検出してもよい。また、使用者の生体情報は、例えば、当該使用者の歩数、体温、心拍数、姿勢等のうちの少なくとも1つを含むデータである。使用者の生体情報は、例えば、前述したウェアラブルデバイスに搭載された生体情報センサ等により検出できる。そして、推論用データ取得部71は、通信部63を介した通信により、端末装置、ウェアラブルデバイス、各種センサから使用者情報を取得する。
【0059】
使用者がキッチンにいるとき、調理中である可能性が高くなる。また、使用者の生体情報は、当該使用者の活動状況、例えば、屋外を徒歩等により移動中であるのか、あるいは、屋内で調理等の活動をしているのか等により変化する。例えば、調理中は暑いので調理作業者の体温が上昇する。運動等の激しく身体を動かすような活動でも体温上昇がみられるが、運動等では体温とともに心拍数も上昇するのに対し、調理中には運動等よりは心拍数は上昇しないと考えられる。つまり、体温及び心拍数を含む生体情報は、当該使用者が調理中か運動中か、あるいは、安静にしているのか等に応じて異なる。このように、これらの使用者情報と現在調理中であるか否かとは一定の相関があると考えられる。このため、推論用データが使用者情報をさらに含み、つまり、使用者情報をさらに用いて調理時刻を推論することで、調理時刻の推論精度向上を図ることができる。
【0060】
なお、推論用データに含まれる使用者情報は、使用者の調理頻度情報及び使用者の家族構成情報の一方又は両方をさらに含んでいてもよい。使用者の調理頻度情報は、当該使用者個人が、一定期間内に調理を行う頻度に関する情報である。使用者の家族構成情報は、使用者が同居している家族構成に関する情報である。例えば、使用者の家族構成情報は、当該使用者が父、母、子供、祖父、祖母等のいずれであるのかを特定する情報である。
【0061】
例えば、冷蔵庫動作情報だけでは、調理しているか否か正確に判断できないケースも考えられる。冷蔵庫1が置かれている家に、家族複数人が暮らしている場合を考えると、冷蔵庫1の使用者は、調理ユーザと非調理ユーザに分けることができる。冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報には、調理ユーザの冷蔵庫1の操作によるものだけでなく、非調理ユーザの冷蔵庫1の操作によるものも含まれている。そこで、使用者の調理頻度、あるいは、使用者が父、母、子供等のいずれであるのかを推論に活用することで、当該使用者が調理ユーザであるのか非調理ユーザであるのかを推論結果に反映し、調理時刻の推論精度のさらなる向上を図ることができる。
【0062】
推論用データに含まれる使用者情報は、使用者が在宅しているか否か等を示すスケジュール情報、使用者の周囲の温度情報等をさらに含んでいてもよい。使用者のスケジュール情報は、例えば、前述した端末装置、あるいは、スケジュール情報が格納されているクラウドサーバ等から取得する。使用者の周囲の温度情報は、例えば、使用者が着用している前述したウェアラブルデバイスに搭載された温度センサ等により検出できる。スケジュール情報を活用することで、当該使用者がキッチンにいるか否かをより正確に推論結果に反映できる。また、使用者の周囲の温度情報は、例えば当該使用者の生体情報等の使用者情報と併せて活用することが有効である。例えば、使用者の周囲の温度が急激に上昇し、かつ、当該使用者の体温上昇もみられたのならば、当該使用者がキッチンで調理している可能性が高いと考えられる。このように、使用者の周囲の温度情報を推論に活用することで、調理時刻の推論精度のさらなる向上を図ることができる。
【0063】
非調理期間特定部61は、推論装置70の推論部72から出力された調理時刻から、非調理期間を特定する。非調理期間とは調理が行われていない期間のことである。また、逆に調理期間は調理が行われている期間を指す。したがって、非調理期間を特定することと、調理期間を特定することとは、表裏一体の関係にあり、調理期間を特定することは、非調理期間を特定することと実質的に同じである。
【0064】
推論装置70から出力された調理時刻に調理開始時刻及び調理終了時刻の両方が含まれている場合、非調理期間特定部61は、推論された調理開始時刻から調理終了時刻までを期間を調理期間として特定する。そして、非調理期間特定部61は、調理期間でない期間を非調理期間として特定する。すなわち、調理終了時刻から次の調理開始時刻までの期間を非調理期間として特定する。
【0065】
推論装置70の推論部72から出力された調理時刻に調理開始時刻は含まれているが調理終了時刻が含まれていない場合、非調理期間特定部61は、調理開始時刻から予め設定された時間が経過した時刻が調理終了時刻であると仮定する。非調理期間特定部61は、推論された調理開始時刻から仮定した調理終了時刻までを期間を調理期間として特定する。そして、非調理期間特定部61は、調理期間でない期間を非調理期間として特定する。すなわち、仮定した調理終了時刻から次の調理開始時刻までの期間を非調理期間として特定する。
【0066】
推論装置70の推論部72から出力された調理時刻に調理終了時刻は含まれているが調理開始時刻が含まれていない場合、非調理期間特定部61は、調理終了時刻から予め設定された時間だけ遡った時刻が調理開始時刻であると仮定する。非調理期間特定部61は、仮定した調理開始時刻から推論された調理終了時刻までを期間を調理期間として特定する。そして、非調理期間特定部61は、調理期間でない期間を非調理期間として特定する。すなわち、推論された調理終了時刻から、仮定した次の調理開始時刻までの期間を非調理期間として特定する。
【0067】
記憶部62は、推論装置70の推論用データ取得部71が取得した推論用データ、推論装置70の推論部72から出力された調理時刻、非調理期間特定部61が特定した非調理期間等の情報を記憶する。また、前述したように、記憶部62が学習済モデル記憶部90を兼ねてもよい。
【0068】
図4に、一例として、冷蔵室10、野菜室50、冷凍室40の1日の扉開閉カウントサイクルを示す。朝食・昼食・夕食を家で調理する場合、これらの調理期間では、それ以外の期間(非調理期間)と比較して扉開閉の回数が多い。逆に、非調理期間では扉開閉の回数が少ない。したがって、扉開閉に関するデータから調理期間・非調理期間を推論できる。
【0069】
この実施の形態に係る冷蔵庫システムにおいては、制御装置7は、非調理期間特定部61による調理期間/非調理期間の特定結果に応じて、冷蔵庫1の冷却手段を制御する。より詳しくは、制御装置7は、調理期間においては、第1制御を行う。そして、制御装置7は、非調理期間においては、第2制御を行う。第2制御は、原則として第1制御とは異なる制御である。ただし、第2制御が第1制御と同一の制御内容となることは妨げられない。一例として、調理期間において行われる第1制御は、貯蔵室内を設定温度に維持させる通常制御である。そして、非調理期間において行われる第2制御は、凍結融解制御である。
【0070】
凍結融解制御においては、制御装置7は、冷蔵庫1の冷却手段を制御して、食品の保存期間を延長させる処理工程を実行させる。処理工程は、第1工程と第2工程とを有する。冷却工程、昇温工程は、それぞれ第1工程、第2工程に相当する。第1工程は、貯蔵室内の食品の一部又は全部を凍結させる工程である。第2工程は、第1工程の終了の後に開始される。第2工程は、食品の第1工程で凍結された部分を融解させる工程である。
【0071】
図6に示すように、時間TSにおいて対象の食品が冷蔵庫1の貯蔵室内に投入されると、制御装置7は凍結融解制御を開始する。凍結融解制御を開始すると、制御装置7はまず冷却工程を開始する。冷却工程においては、制御装置7は、食品が保存されている貯蔵室の設定温度を第1温度θLに設定する。第1温度θLは食品を凍結可能な温度で、例えば-20℃である。冷却工程を開始すると、制御装置7は当該貯蔵室に通じるダンパを開き、当該貯蔵室内に冷気が流入して当該貯蔵室内の温度(以下、庫内温度ともいう)が急速に低下する。制御装置7は、庫内温度が基準温度以下になった時点T0で、冷却工程の経過時間計測を開始する。基準温度は例えば、第2温度θHである。
【0072】
制御装置7は、庫内温度が第1温度θLに到達した後は、ダンパを制御することで庫内温度が第1温度θLで維持されるようにする。冷却工程を開始してから一定時間ΔTLが経過すると、制御装置7は冷却工程を終了し、次の昇温工程に移行する。ΔTLは、例えば60分である。
【0073】
昇温工程においては、制御装置7は、当該貯蔵室の設定温度を第2温度θHに設定する。第2温度θHは、第1温度θL及び食品の凍結点θfよりも高い温度であり、例えば4℃である。昇温工程を開始すると、制御装置7は当該貯蔵室に通じるダンパを閉じる。これにより庫内温度が急速に上昇する。制御装置7は、庫内温度が第2温度θHに到達した後は、ダンパを制御することで庫内温度が第2温度θHで維持されるようにする。昇温工程を開始してから一定時間ΔTHが経過すると、制御装置7は昇温工程を終了する。ΔTHは、例えば60分である。
【0074】
このようにして、冷蔵庫1の冷却手段は、非調理期間特定部61により特定された非調理期間に、貯蔵室内の食品の少なくとも一部を凍結させる第1工程と、第1工程の終了の後に開始され、食品の凍結部分を融解させる第2工程とを行う。制御装置7は、凍結融解工程を、非調理期間の間、可能な限り繰り返す。すなわち、非調理期間が開始してから終了するまでの間、凍結と融解を繰り返し行う。これにより、食品の表面に存在する細菌、真菌類等に物理的な損傷を与え、これらの菌類の増殖速度を低下させることで、食品の腐敗の進行を抑制できる。つまり、食品の保存期間を延長させることが可能となる。また、食品の凍結と融解が複数回繰り返されることで、食品表面に存在する細菌、真菌類等に物理的な損傷を与える回数が増えることとなり、より食品の腐敗の進行を抑制できる。つまり、食品の保存期間をさらに延長させることが可能となる。
【0075】
なお、制御装置7は、非調理期間終了時、すなわち調理期間の開始時に、食品の融解が完了しているように冷却手段を制御することが望ましい。より望ましくは、制御装置7は、非調理期間終了時に食品温度が通常制御時の温度に戻っているように冷却手段を制御するとよい。例えば、制御装置7は、非調理期間の終了後、調理期間において、庫内温度をθRに設定し、庫内温度がθRで維持されるように、ダンパを制御する。θRは、第2温度θHより低く、第1温度θL及び食品の凍結点θfよりも高い温度である。θRは、例えば-0.5℃である。
【0076】
凍結融解制御においては、前述したように、第1工程及び第2工程を非調理期間の間、可能な限り繰り返すとよい。ただし、非調理期間の間における第1工程及び第2工程の実行回数は複数回に限られない。すなわち、制御装置7は、非調理期間における第2制御で、第1工程及び第2工程を1回ずつ行うようにしてもよい。この場合、制御装置7は、非調理期間が始まると、第1工程すなわち前述した冷却工程を開始させ、貯蔵室内の食品を凍結させる。その後、食品を凍結させた状態を維持する。そして、非調理期間が終了する一定時間前になったら、制御装置7は、第2工程すなわち前述した昇温工程を開始させ、貯蔵室内の食品を解凍させる。このようにすることで、非調理期間中は食品を冷凍保存し、調理開始時には当該食品が解凍された状態にすることができる。このため、食品の品質保持と調理時の利便性とを両立することが可能である。
【0077】
また、非調理期間における第2制御は前述した凍結融解制御に限られない。他に例えば、制御装置7は、非調理期間における第2制御で、貯蔵室内を冷蔵温度帯に維持させる通常制御を行った後、非調理期間が終了するまでに冷却して食品を凍結させてもよい。このようにすることで、調理時には冷凍した状態で使用したい商品を冷凍させずに生のまま保存でき、鮮度よく保てる。
【0078】
次に、以上のように構成された、推論装置70及び冷蔵庫1を備えたシステムの動作例ついて、図7のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS11において、推論装置70の推論用データ取得部71は、冷蔵庫動作情報である入力データを、通信部63を介した通信により冷蔵庫1の制御装置7から取得する。続くステップS12において、推論装置70の推論部72は、ステップS11で取得した入力データを学習済モデルに入力する。さらに続くステップS13において、推論部72は、ステップS12で学習済モデルに入力データを入力して得られた推論結果である、調理時刻のデータを出力する。
【0079】
ステップS13で推論部72から出力されたデータは、非調理期間特定部61に入力される。ステップS13の後、非調理期間特定部61及び制御装置7は、ステップS14の処理を行う。ステップS14においては、非調理期間特定部61は、ステップS13で入力された、調理時刻のデータに基づいて非調理期間を特定する。そして、制御装置7は、非調理期間特定部61により特定された非調理期間に基づいて、冷蔵庫1の冷却手段を制御する。ステップS14の処理が完了すれば、一連の動作は終了となる。
【0080】
この実施の形態に係る冷蔵庫システムは、図8に示すような学習装置80をさらに備えてもよい。この実施の形態に係る学習装置80は、前述した調理時刻を学習するものである。次に、図8を参照しながら、この実施の形態に係る学習装置80の構成について説明する。同図に示すように、学習装置80は、学習用データ取得部81及びモデル生成部82を備えている。
【0081】
学習用データ取得部81は、学習用データを取得する。学習用データには、冷蔵庫1の前述した冷蔵庫動作情報と、前述した調理時刻とが含まれている。学習用データは、冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報と、調理時刻とを互いに関連付けたデータである。
【0082】
モデル生成部82は、冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報と、調理時刻との組み合わせに基づいて作成された前述の学習用データから、調理時刻を学習する。すなわち、モデル生成部82は、学習用データ取得部81が取得した学習用データを用いて、冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報から調理時刻を推論する学習済モデルを生成する。
【0083】
モデル生成部82が用いる学習アルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習、半教師あり学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、ニューラルネットワークを適用した場合について説明する。モデル生成部82は、例えば、ニューラルネットワークモデルに従って、いわゆる教師あり学習により、調理時刻を学習する。ここで、教師あり学習とは、入力と結果(ラベル)のデータの組を学習装置80に与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習し、入力から結果を推論する手法をいう。
【0084】
ニューラルネットワークは、複数のニューロンからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層(隠れ層)、及び、複数のニューロンからなる出力層で構成される。中間層は、1層又は2層以上でもよい。例えば、図9に示すような3層のニューラルネットワークであれば、複数の入力が入力層(X1-X3)に入力されると、その値に重みW1(w11-w16)を掛けて中間層(Y1-Y2)に入力され、その結果にさらに重みW2(w21-w26)を掛けて出力層(Z1-Z3)から出力される。この出力結果は、重みW1とW2の値によって変わる。
【0085】
本開示において、ニューラルネットワークは、学習用データ取得部81によって取得された冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報と調理時刻との組み合わせに基づいて作成された前述の学習用データに基づいて、いわゆる教師あり学習により、調理時刻を学習する。すなわち、ニューラルネットワークは、冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報を入力層に入力して出力層から出力された結果が、調理時刻に近くなるように重みW1とW2を調整することで学習する。
【0086】
モデル生成部82は、以上のような学習を実行することで学習済モデルを生成し、出力する。学習済モデル記憶部90は、モデル生成部82から出力された学習済モデルを記憶する。学習済モデル記憶部90は、前述したように、例えば、推論装置70と通信可能に設けられたサーバ装置等、又は、推論装置70に備えられてもよいし、前述した記憶部62であってもよい。また、学習済モデル記憶部90を学習装置80に設けてもよい。なお、学習装置80で用いられる学習アルゴリズムとしては、特徴量そのものの抽出を学習する、深層学習(Deep Learning)を用いることもでき、他の公知の方法でもよい。
【0087】
次に、以上のように構成された学習装置80の動作例ついて、図10のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS21において、学習用データ取得部81は、学習用データを取得する。なお、学習用データに含まれる冷蔵庫1の冷蔵庫動作情報と、調理時刻のデータを同時に取得するものとしたが、これらのデータを関連づけて入力できればよく、冷蔵庫動作情報と調理時刻のデータとをそれぞれ別のタイミングで取得してもよい。
【0088】
ステップS21の後、学習装置80は次にステップS22の処理を行う。ステップS22においては、モデル生成部82は、ステップS21で取得された学習用データを用いて、いわゆる教師あり学習により、調理時刻を学習し、学習済モデルを生成する。続くステップS23において、学習済モデル記憶部90は、ステップS22で生成された学習済モデルを記憶する。ステップS23の処理が完了すれば、一連の動作は終了となる。
【0089】
なお、モデル生成部82は、外部から学習済モデルを取得して用いてもよい。また、モデル生成部82は、複数の冷蔵庫1に対して作成される学習用データに従って、調理時刻を学習するようにしてもよい。なお、モデル生成部82は、同一のエリアで使用される複数の冷蔵庫1から学習用データを取得してもよいし、異なるエリアで独立して動作する複数の冷蔵庫1から収集される学習用データを利用して調理時刻を学習してもよい。また、学習用データを収集する冷蔵庫1を途中で対象に追加したり、対象から除去したりすることも可能である。さらに、ある冷蔵庫1に関して調理時刻を学習した学習装置80を、これとは別の冷蔵庫1に適用し、当該別の冷蔵庫1に関して調理時刻を再学習して更新するようにしてもよい。
【0090】
また、以上においては、モデル生成部82が用いる学習アルゴリズムに教師あり学習を適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。学習アルゴリズムについては、教師あり学習以外にも、教師なし学習、又は、半教師あり学習等を適用することも可能である。
【0091】
次に、モデル生成部82が用いる学習アルゴリズムに教師なし学習を適用した場合について説明する。学習用データ取得部81は、冷蔵庫動作情報、調理機器動作情報を学習用データとして取得する。モデル生成部82は、学習用データ取得部81から出力される冷蔵庫動作情報及び調理機器動作情報の組合せに基づいて作成される学習用データに基づいて、調理時刻を学習する。すなわち、モデル生成部82は、冷蔵庫動作情報、調理機器動作情報から調理時刻を推論する学習済モデルを生成する。ここで、学習用データは、冷蔵庫動作情報及び調理機器動作情報を互いに関連付けたデータである。
【0092】
モデル生成部82が用いる学習アルゴリズムとして、教師なし学習であるK平均法(クラスタリング)を適用した場合について説明する。教師なし学習とは、結果(ラベル)を含まない学習用データを学習装置80に与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習する手法をいう。モデル生成部82は、例えば、K平均法によるグループ分け手法に従って、いわゆる教師なし学習により、調理中であるか否かを学習する。K平均法とは、非階層型クラスタリングのアルゴリズムであり、クラスタの平均を用い、与えられたクラスタ数をk個に分類する手法である。
【0093】
具体的に、K平均法は以下のような流れで処理される。まず、各データxiに対してランダムにクラスタを割り振る。次いで、割り振ったデータをもとに各クラスタの中心Vjを計算する。次いで、各xiと各Vjとの距離を求め、xiを最も近い中心のクラスタに割り当て直す。そして、上記の処理で全てのxiのクラスタの割り当てが変化しなかった場合、あるいは変化量が事前に設定した一定の閾値を下回った場合に、収束したと判断して処理を終了する。
【0094】
ここで、K平均法による調理中であるか否かの分類結果は、学習済モデルにおける中間出力である。学習済モデルは、調理中でない状態から調理中の状態に移行する時刻を調理開始時刻として最終的に出力するように構成される。また、学習済モデルは、調理中の状態から調理中でない状態に移行する時刻を調理終了時刻として最終的に出力するように構成される。このようにして、モデル生成部82は、冷蔵庫動作情報、及び、調理機器動作情報から、最終的に調理時刻を推論する学習済モデルを生成する。
【0095】
なお、学習用データは、冷蔵庫1に関する冷蔵庫動作情報とキッチンに関する前述のキッチン環境情報とを含むものであってもよい。この場合、学習済モデルは、冷蔵庫動作情報及びキッチン環境情報から調理時刻を推論するためのモデルである。また、学習用データは、冷蔵庫1に関する冷蔵庫動作情報と使用者が操作する端末装置に関する前述の端末装置情報とを含むものであってもよい。この場合、学習済モデルは、冷蔵庫動作情報及び端末装置情報から調理時刻を推論するためのモデルである。また、学習用データは、冷蔵庫1に関する冷蔵庫動作情報と使用者に関する前述の使用者情報とを含むものであってもよい。この場合、学習済モデルは、冷蔵庫動作情報及び使用者情報から調理時刻を推論するためのモデルである。
【0096】
さらに、学習用データは、調理機器動作情報、キッチン環境情報、端末装置情報及び使用者情報のうちの2つ以上と、冷蔵庫動作情報とを含むものであってもよい。この場合においても学習済モデルは、学習用データに含まれる各情報から調理時刻を推論するためのモデルである。
【0097】
本実施形態における教師なし学習を実現する場合、上記のようなK平均(k-means)法による非階層型クラスタリングに限らず、クラスタリング可能な他の公知の方法であればよい。例えば、最短距離法等の階層型クラスタリングであってもよい。
【0098】
以上のように構成された推論装置70、学習装置80及び冷蔵庫システムによれば、冷蔵庫1の動作情報から調理時刻を推論でき、使用者がいつ調理を行うのかに応じて使用者の生活を支援することが可能である。特に、推論した調理時刻を用いて冷蔵庫1を制御することで、冷蔵庫1に収納された食品の調理への使用を妨げることなく、食品の保存期間を延長させることが可能である。
【0099】
図11は、この実施の形態における推論装置70及び学習装置80のそれぞれの機能を実現する構成の一例を示す図である。推論装置70及び学習装置80のそれぞれの機能は、例えば、処理回路により実現される。処理回路は、プロセッサ101及びメモリ102を備えていてもよい。処理回路は、専用ハードウェア103であってもよい。処理回路の一部が専用ハードウェア103として形成され、かつ、当該処理回路はさらにプロセッサ101及びメモリ102を備えていてもよい。同図に示す例においては、処理回路の一部は専用ハードウェア103として形成されている。また、同図に示す例において、処理回路は、プロセッサ101及びメモリ102をさらに備えている。
【0100】
一部が少なくとも1つの専用ハードウェア103である処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。処理回路が少なくとも1つのプロセッサ101及び少なくとも1つのメモリ102を備える場合、推論装置70及び学習装置80のそれぞれの機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。
【0101】
ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ102に格納される。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ102には、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
【0102】
このようにして、推論装置70及び学習装置80のそれぞれの処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、推論装置70及び学習装置80のそれぞれの各機能を実現することができる。推論装置70及び学習装置80のそれぞれの処理回路が少なくともプロセッサ101及びメモリ102を備える場合、推論装置70及び学習装置80のそれぞれにおいてメモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行し、推論装置70及び学習装置80のそれぞれのハードウェアとソフトウェアとが協働することによって、推論装置70及び学習装置80のそれぞれが備える各部の機能が実現される。
【0103】
なお、本開示においては、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態を任意に組み合わせてもよい。以下に、本開示の諸態様の例を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
推論用データを取得するデータ取得部と、
前記推論用データから調理時刻を推論するための学習済モデルを用いて、前記データ取得部が取得した前記推論用データから前記調理時刻を出力する推論部と、を備え、
前記推論用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報を含み、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む推論装置。
(付記2)
前記推論用データは、調理機器に関する調理機器動作情報をさらに含み、
前記調理機器動作情報は、前記調理機器の動作開始及び動作終了の一方又は両方に関する情報、並びに、前記調理機器の温度情報の少なくとも1つを含む付記1に記載の推論装置。
(付記3)
前記推論用データは、キッチンに関するキッチン環境情報をさらに含み、
前記キッチン環境情報は、前記キッチン内の温度情報、前記キッチン内の臭気情報、前記キッチン内の照度情報、前記キッチン内の音情報、前記キッチンの水道使用情報、前記キッチンの電力使用情報及び前記キッチンのガス使用情報の少なくとも1つを含む付記1又は付記2に記載の推論装置。
(付記4)
前記推論用データは、使用者が操作する端末装置に関する端末装置情報をさらに含み、
前記端末装置情報は、前記端末装置におけるレシピ表示に関する情報、前記端末装置におけるキッチンタイマーの動作情報及び前記端末装置の温度情報の少なくとも1つを含む付記1から付記3のいずれか一項に記載の推論装置。
(付記5)
前記推論用データは、使用者に関する使用者情報をさらに含み、
前記使用者情報は、前記使用者の位置情報及び前記使用者の生体情報の少なくとも1つを含む付記1から付記4のいずれか一項に記載の推論装置。
(付記6)
前記使用者情報は、前記使用者の調理頻度情報及び前記使用者の家族構成情報の一方又は両方をさらに含む付記5に記載の推論装置。
(付記7)
学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と調理時刻とを含み、
前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む学習装置。
(付記8)
学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と調理機器に関する調理機器動作情報とを含み、
前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記調理機器動作情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記調理機器動作情報は、前記調理機器の動作開始及び動作終了の一方又は両方に関する情報、並びに、前記調理機器の温度情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む学習装置。
(付記9)
学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報とキッチンに関するキッチン環境情報とを含み、
前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記キッチン環境情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記キッチン環境情報は、前記キッチン内の温度情報、前記キッチン内の臭気情報、前記キッチン内の照度情報、前記キッチン内の音情報、前記キッチンの水道使用情報、前記キッチンの電力使用情報及び前記キッチンのガス使用情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む学習装置。
(付記10)
学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と使用者が操作する端末装置に関する端末装置情報とを含み、
前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記端末装置情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記端末装置情報は、前記端末装置におけるレシピ表示に関する情報、前記端末装置におけるキッチンタイマーの動作情報及び前記端末装置の温度情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む学習装置。
(付記11)
学習用データを取得するデータ取得部と、
前記学習用データを用いて、学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備え、
前記学習用データは、冷蔵庫に関する冷蔵庫動作情報と使用者に関する使用者情報とを含み、
前記学習済モデルは、前記冷蔵庫動作情報及び前記使用者情報から調理時刻を推論するためのモデルであり、
前記冷蔵庫動作情報は、前記冷蔵庫の扉開閉情報、前記冷蔵庫の庫内温度情報、前記冷蔵庫の圧縮機動作情報及び前記冷蔵庫の送風ファン動作情報の少なくとも1つを含み、
前記使用者情報は、前記使用者の位置情報及び前記使用者の生体情報の少なくとも1つを含み、
前記調理時刻は、調理開始時刻及び調理終了時刻の一方又は両方を含む学習装置。
(付記12)
前記使用者情報は、前記使用者の調理頻度情報及び前記使用者の家族構成情報の一方又は両方をさらに含む付記11に記載の学習装置。
(付記13)
付記1から付記6のいずれか一項に記載の前記推論装置と、
貯蔵室が形成された前記冷蔵庫の本体と、
前記貯蔵室内を冷却する冷却手段と、
前記冷却手段を制御する制御装置と、
前記推論装置の前記推論部から出力された前記調理時刻から、調理が行われている調理期間及び調理が行われていない非調理期間を特定する特定部と、を備え、
前記制御装置は、前記特定部により特定された調理期間に第1制御で前記冷却手段を制御し、前記特定部により特定された非調理期間に、前記第1制御と異なる第2制御で前記冷却手段を制御する冷蔵庫システム。
(付記14)
付記1から付記6のいずれか一項に記載の前記推論装置と、
貯蔵室が形成された前記冷蔵庫の本体と、
前記貯蔵室内を冷却する冷却手段と、
前記推論装置の前記推論部から出力された前記調理時刻から、調理が行われていない非調理期間を特定する特定部と、を備え、
前記冷却手段は、前記特定部により特定された非調理期間に、前記貯蔵室内の食品の少なくとも一部を凍結させる第1工程と、前記第1工程の終了の後に開始され、前記食品の凍結部分を融解させる第2工程とを行う冷蔵庫システム。
【符号の説明】
【0104】
1 冷蔵庫
2 冷蔵室扉
2a 冷蔵室右扉
2b 冷蔵室左扉
3 操作パネル
3a 操作部
3b 表示部
4 圧縮機
5 冷却器
6 送風ファン
7 制御装置
7a 制御用プロセッサ
7b 制御用メモリ
8 断熱箱体
9 風路
10 冷蔵室
11 チルド室
20 切替室
21 切替室収納ケース
30 製氷室
40 冷凍室
41 冷凍室収納ケース
50 野菜室
51 野菜室収納ケース
61 非調理期間特定部
62 記憶部
63 通信部
70 推論装置
71 推論用データ取得部
72 推論部
80 学習装置
81 学習用データ取得部
82 モデル生成部
90 学習済モデル記憶部
101 プロセッサ
102 メモリ
103 専用ハードウェア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11