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特開2024-178748学習装置、制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178748
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】学習装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/06 20060101AFI20241218BHJP
   G09B 7/00 20060101ALI20241218BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20241218BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241218BHJP
【FI】
G09B19/06
G09B7/00
G09B5/02
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097123
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 大介
(72)【発明者】
【氏名】赤穂 拓哉
【テーマコード(参考)】
2C028
5E555
【Fターム(参考)】
2C028AA03
2C028BB01
2C028BC01
2C028BC04
5E555AA17
5E555BA07
5E555BB07
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB33
5E555CC01
5E555CC03
5E555DA23
5E555DB04
5E555DB44
5E555DB45
5E555DC13
5E555DC63
5E555DD07
5E555EA08
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】辞書データを利用しつつも学習効果の高いテスト問題を表示させること。
【解決手段】ユーザ操作により、テスト形式の複数種類の学習パターン([スペル練習][語彙意味][コロケーション練習][品詞変換][語彙選択])のうち何れかの学習パターンが指定されると、学習対象の単語(見出し語)に対応する複数種類の関連情報(「単語名(スペル)」、「発音記号」、「意味」、「基本変化」、「コロケーション(連語)」、「品詞変換(品詞形)」、「例文」)のうち、指定が検出された種類のテストの答えが特定されない種類を選択して読み出し、ヒントとして左画面d1に表示させる。例えばスペル練習テスト画面G2では、左画面d1に単語の「意味」が表示され、右画面d2に問題文が表示され、下画面d3にスペル入力エリアAEが表示される。ユーザは左画面d1に表示された単語の「意味」をヒントと単語のスペルを入力して解答する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
見出し語と前記見出し語の複数種類の関連情報とを対応付けた辞書データを記憶部に記憶し、
前記見出し語に関連する複数種類のテストのうち特定の種類のテストの指定が検出されると、
前記記憶部に記憶されている辞書データの、前記見出し語に対応する関連情報の種類のうち、前記指定が検出された種類のテストの答えが特定されない種類を選択してヒントとして表示部に表示させる、
ように制御する制御部を備えることを特徴とする学習装置。
【請求項2】
前記制御部は更に、
前記指定された種類のテストの問題を前記表示部に表示させる、
ように制御することを特徴とする請求項1に記載の学習装置。
【請求項3】
前記制御部は更に、
前記テストの未実施または実施済みを示す情報を前記見出し語と対応付けて前記記憶部に記憶させることで管理する、
ように制御することを特徴とする請求項1に記載の学習装置。
【請求項4】
前記制御部は更に、
前記テストの正解または不正解を示す情報を前記見出し語および前記テストの種類と対応付けて前記記憶部に記憶させることで管理する、
ように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の学習装置。
【請求項5】
前記複数種類のテストには、択一式の問題が含まれることを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載の学習装置。
【請求項6】
前記複数種類のテストには、記述式の問題が含まれることを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載の学習装置。
【請求項7】
前記複数種類の関連情報は、前記見出し語の単語名、意味、コロケーション、品詞形を含むことを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載の学習装置。
【請求項8】
前記複数種類の関連情報は、前記記憶部に記憶される見出し語の音声データを含み、
前記制御部は、
前記複数種類のテストのうち前記見出し語のスペルを解答させるテストまたは前記意味を解答させるテストの種類が指定された場合に、前記見出し語の音声データを前記記憶部から読み出すように制御することを特徴とする、
請求項7に記載の学習装置。
【請求項9】
学習装置の制御方法であって、
見出し語に関連する複数種類のテストのうち特定のテストの種類の指定を検出するステップと、
予め見出し語と前記見出し語の複数種類の関連情報とを対応付けた辞書データを記憶した記憶部より、前記見出し語に対応する関連情報の種類のうち、指定が検出された種類のテストの答えが特定されない種類を選択して読み出し、ヒントとして表示部に表示させるステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
学習装置が備えるコンピュータを、
見出し語に関連する複数種類のテストのうち特定のテストの種類の指定を検出する検出手段、
予め見出し語と前記見出し語の複数種類の関連情報とを対応付けた辞書データを記憶した記憶部より、前記見出し語に対応する関連情報の種類のうち、指定が検出された種類のテストの答えが特定されない種類を選択して読み出し、ヒントとして表示部に表示させる表示制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、学習装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子辞書において、ユーザによりマーカーを付加した見出し語を抽出し、辞書データを利用して見出し語をマスクした単語テストのテスト問題を生成する技術が存在する。このような単語テストの場合、ユーザは、辞書データとして記憶されている見出し語に関する情報を見て参考としつつ、マスクされている単語(見出し語)を解答する(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-018359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の技術の場合、テスト問題の形式がパターン化され、学習効果が得難いという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、辞書データを利用し、且つ、学習効果の高いテスト問題を表示させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る学習装置は、
見出し語と前記見出し語の複数種類の関連情報とを対応付けた辞書データを記憶部に記憶し、
前記見出し語に関連する複数種類のテストのうち特定の種類のテストの指定が検出されると、
前記記憶部に記憶されている辞書データの、前記見出し語に対応する関連情報の種類のうち、前記指定が検出された種類のテストの答えが特定されない種類を選択してヒントとして表示部に表示させるように制御する制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、辞書データを利用しつつも学習効果の高いテスト問題を表示させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の学習装置、制御方法およびプログラムの実施形態に係る電子辞書10の外観構成を示す図。
図2】電子辞書10の学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」においてテスト形式の学習パターンを選択した場合の表示動作を示す図。
図3】電子辞書10の表示画面(左画面d1/右画面d2/下画面d3)に対し予め設定された動作モード(画面動作モード)の内容を示す図。
図4】電子辞書10の電子回路の構成を示すブロック図。
図5】電子辞書10の学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」に含まれる語彙練習表示制御情報Jmを示す図。
図6】電子辞書10の学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」に従い学習情報データ記憶領域22dに記憶される学習情報データ(22d)の内容を示す図。
図7】電子辞書10の学習情報データ記憶領域22dにおける単語毎の学習情報の記憶状態を示す図。
図8】電子辞書10の学習コンテンツ(22c)に基づいた単語学習処理を示すフローチャート。
図9】電子辞書10の学習コンテンツ(22c)に基づき選択された学習パターンでの表示画面(学習画面)を対象とする予め設定された画面動作モード(図3)に従った表示制御処理を示すフローチャート。
図10】電子辞書10の学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」においてテスト形式の学習パターン[コロケーション練習]を選択した場合の表示動作を示す図。
図11】電子辞書10の学習コンテンツ(22c)に基づいた学習情報更新処理を示すフローチャート。
図12】電子辞書10の学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」のトップ画面Gtにおいてテスト形式の学習パターン[スペル練習]T2~[語彙選択]T6を選択した場合の対象単語選択メニューW1,W2,W3t,W3fの表示動作を示す図。
図13】電子辞書10の学習コンテンツ(22c)に基づく学習情報削除処理に従った表示動作を示す図。
図14】本発明の学習装置、制御方法およびプログラムの他の実施形態に係る学習システムの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
(実施形態の構成)
図1は、本発明の学習装置、制御方法およびプログラムの実施形態に係る電子辞書10の外観構成、及び、表示画面を示す図である。
【0011】
電子辞書10(学習装置)は、以下に説明する専用の電子辞書として構成されるか、辞書機能を備えたタブレット型のPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機などとして構成される。
【0012】
図1の(B)に示すように、電子辞書10は、その本体ケース11と蓋体ケース12とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型ケースを備えて構成される。折り畳み型ケースを展開した本体ケース11の表面には、[ホーム]キー14a、機能指定キー14b、文字入力キー14c、[決定]キー14d、[戻る]キー14e、カーソルキー14f、[削除]キー14g、などを含むキー入力部(キーボード)14、音声出力部15、および音声入力部16が設けられる。
【0013】
また、蓋体ケース12の表面には、タッチパネル式表示部(ディスプレイ)17が設けられる。タッチパネル式表示部17は、ユーザがタッチペンPや指などでタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、バックライト付きのカラー液晶表示画面(第1表示画面)に透明タッチパネルを重ねて構成される。
【0014】
タッチペンPは、矢印xに示すように、本体ケース11に対し、その右側面に設けた開口部から挿入されて収容される。
【0015】
キー入力部14の機能指定キー14bは、各キーに表記されている辞書コンテンツ([大百科事典][百科事典]など)、辞書コンテンツのカテゴリ([中国語][古語][英漢][漢英]など)、[コンテンツ一覧]、ツールの一つのカテゴリ[学習帳]を、それぞれ直接指定するためのキーである。
【0016】
[コンテンツ一覧]の操作に応じて一覧表示される複数種類のコンテンツには、英語、中国語などの言語を学習(語学学習)するための学習コンテンツが含まれ、実施形態では、例えば、語彙学習のカテゴリに属する学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」を含む。
【0017】
<学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」について>
図1の(A)は、学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」のトップ画面Gtをタッチパネル式表示部17に表示させた状態を示している。学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」は、大学(高校)入試に備えるための英単語(例えば4,259単語)を見出し語とする辞書データ(「単語名(スペル)」、「発音記号」、「意味」、「基本変化」、「コロケーション(連語)」、「品詞変換(品詞形)」、「例文」、「音声」が対応付けられる)を含み、6つの学習パターン(学習6パターン:[単語学習][スペル練習][語彙意味][コロケーション練習][品詞変換][語彙選択])を選択して単語(見出し語)毎に学習を行なうように構成される。
【0018】
[単語学習]は、ユーザが、単語に関する情報(「単語名(スペル)」、「発音記号」、「意味」、「基本変化」、「コロケーション(連語)」、「品詞変換(品詞形)」、「例文」、「音声」)を確認しつつ「単語」とその「例文」の「音声」を聞いて学習する、暗記形式の学習パターンである。
[スペル練習]は、ユーザが、「意味」を見て「例文」中の虫食い(単語が入る穴)に正しい単語スペルを入力して学習する、記述テスト形式(穴埋問題)の学習パターンである。
[語彙意味]は、ユーザが、「例文」を見てその単語の「意味」を例えば4択から答えることで学習する、択一テスト形式(選択問題)の学習パターンである。
[コロケーション練習]は、ユーザが、「例文」中の「コロケーション(連語)」の正しい使い方を例えば4択から答えることで学習する、択一テスト形式(選択問題)の学習パターンである。
[品詞変換]は、ユーザが、「例文」中の単語の正しい「品詞変換(品詞形)」を例えば4択から答えることで学習する、択一テスト形式(選択問題)の学習パターンである。
[語彙選択]は、ユーザが、「例文」中に出現する多義語の意味を例えば4択から答えることで学習する、択一テスト形式(選択問題)の学習パターンである。
なお、実施形態では、暗記形式の学習パターン[単語学習]を第1の学習モード、テスト形式の学習パターン[スペル練習][語彙意味][コロケーション練習][品詞変換][語彙選択]を第2の学習モードと定義する。
【0019】
学習6パターンは、トップ画面Gtに設けられた学習パターン選択タブ[単語学習]T1~[語彙選択]T6により選択される。トップ画面Gtには、学習対象の単語(見出し語)のグループを選択するための対象単語選択メニュー[全ての単語から学習]W1、[学習してない単語]W2、[学習済みの単語]W3が、学習パターン選択タブ[単語学習]T1~[語彙選択]T6に共通のメニューとして設けられる。
【0020】
学習6パターンの各々において、学習対象の単語を、全ての単語(例えば4,259単語)から指定する場合は対象単語選択メニュー[全ての単語から学習]W1を選択し、学習が未実施の単語から指定する場合は[学習してない単語]W2を選択し、学習が実施済みの単語から指定する場合は[学習済みの単語]W3を選択する。
【0021】
なお、テスト形式の学習パターン([スペル練習](T2)~[語彙選択](T6)を選択した場合、対象単語選択メニュー[学習済みの単語]W3は、[学習済みの正解の単語]W3tと[学習済みの不正解の単語]W3fとに区別される(図6および図12参照)。
【0022】
対象単語選択メニュー[全ての単語から学習]W1~[学習済みの単語]W3の右端には、現時点でそのそれぞれのグループに該当する単語の数を示す対象単語数Nwが表示される。
【0023】
図1の(B)は、トップ画面Gtの学習パターン選択タブ[単語学習]T1と対象単語選択メニュー[全ての単語から学習]W1を選択することに従い、ユーザ操作に応じて指定が検出された単語(ここでは“produce”)を対象とする単語学習画面G1をタッチパネル式表示部17に表示させた状態を示している。
【0024】
単語学習画面G1では、表示画面(第1表示画面)中の左画面d1(解説画面)に、指定が検出された単語の「単語名(スペル)」、「発音記号」、「意味」、「基本変化(左画面d1に収まる場合)」、「コロケーション(連語)」、「品詞変換(品詞形)」が表示され、右画面d2(解説補助画面)に、指定が検出された単語の「例文」が表示され、下画面d3(操作画面)に[音声再生]アイコンCp、[解説]アイコンCe、[次へ]アイコンCnが表示される。
【0025】
なお、単語学習画面G1では、単語の「基本変化」が左画面d1に収まらない場合、当該「基本変化」を右画面d2(解説補助画面)の下寄りに区切り線Lbを境界にして表示(矢印a1に示すように、左画面d1(解説画面)から右画面d2(解説補助画面)に移動して表示)させることで、単語の解説に関する情報の一覧性を確保する。
【0026】
下画面d3において、[音声再生]アイコンCpが押下されると、表示中の単語と例文の読み上げ音声が音声出力部15から再生され、[解説]アイコンCeが押下されると、内蔵の辞書データ(ここでは英漢辞典)から検索された単語とその中国語による説明が表示画面の全画面に展開されて表示され、[次へ]アイコンCnが押下されると、次の単語を対象とする表示画面(ここでは単語学習画面G1)に遷移する。
【0027】
なお、語学学習の場合、学習用の画面には、学習者の母国語に対応する第1言語と、学習者が学習対象とする第2言語との2種類の言語が表示されることになる。第1言語と第2言語との組み合わせは任意に選択できるようにしてもよい。図1の(B)、図2は、第1言語を中国語とし、第2言語を英語とした場合の表示例を示している。
【0028】
図2は、電子辞書10の学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」においてテスト形式の学習パターンを選択した場合の表示動作を示す図である。
図2の(A)は、図1で示したトップ画面Gtの学習パターン選択タブ[スペル練習]T2と対象単語選択メニューW1~W3の何れかを選択することに従い、全ての単語(W1)または学習が未実施の単語(W2)または学習が実施済みの単語(W3)からランダムに指定された単語を対象とするスペル練習テスト画面G2を示している。
【0029】
スペル練習テスト画面G2では、表示画面(第1表示画面)中の左画面d1(解説画面)に、指定が検出された単語の「意味」が表示され、右画面d2(テスト画面)に、指定が検出された単語の問題文である虫食い(穴開き)の「例文」が表示され、下画面d3(操作画面)に、スペル入力エリアAE、[音声再生]アイコンCp、[解説]アイコンCe、[次へ]アイコンCnが表示される。
すなわち、スペル練習テスト画面G2では、単語に関する情報(関連情報)の種類のうち、ユーザが問題の答え(ここでは単語のスペル)を特定できるようなものを除いた種類を選択してヒントとして表示させる。
ユーザは、下画面d3のスペル入力エリアAEに文字入力キー14cを操作して単語のスペルを入力し、[確定]ボタンBdを押下すると、電子辞書10は、入力されたスペルの正誤を判定し、正解の場合には正解マークMtを表示させ、不正解の場合は不正解マークMfを表示させる。
【0030】
図2の(B)は、図1で示したトップ画面Gtの学習パターン選択タブ[語彙意味]T3と対象単語選択メニューW1~W3の何れかを選択することに従い、全ての単語(W1)または学習が未実施の単語(W2)または学習が実施済みの単語(W3)からランダムに指定された単語を対象とする語彙意味テスト画面G3を示している。
語彙意味テスト画面G3では、表示画面(第1表示画面)中の左画面d1(解説画面)に、指定が検出された単語の「単語名(スペル)」、「発音記号」が表示され、右画面d2(テスト画面)に、指定が検出された単語の「例文」、答えの選択肢(ここでは4択)が表示され、下画面d3(操作画面)に、解答選択アイコン(ここでは[A]~[D])C1~C4、[音声再生]アイコンCp、[解説]アイコンCe、[次へ]アイコンCnが表示される。なお、解答選択アイコンC1~C4による解答の選択(入力)後は、右画面d2(テスト画面)にその答案も表示される。
すなわち、語彙意味テスト画面G3(解答入力前)では、単語に関する情報(関連情報)の種類のうち、ユーザが問題の答え(ここでは「例文」中の「単語」の語彙)を特定できるようなものを除いた種類を選択してヒントとして表示させる。
ユーザは、下画面d3の解答選択アイコンC1~C4を押下して解答を入力すると、電子辞書10は、入力された解答の正誤を判定し、正解の場合には正解マークMtを表示させ、不正解の場合は不正解マークMfを表示させる。
【0031】
なお、電子辞書10は、図1で示したトップ画面Gtの学習パターン選択タブ[コロケーション練習]T4、[品詞変換]T5、[語彙選択]T6の何れかを選択した場合でも、図2の(B)で示したテスト形式の学習パターン[語彙意味]での語彙意味テスト画面G3と同様に、各々の該当する学習パターンに応じた単語とその操作(ここでは4択)に関する情報を展開した学習画面Gn(例えば、コロケーション練習テスト画面G4、品詞変換テスト画面G5、語彙選択テスト画面G6:図示せず)を表示させる。
【0032】
図1の(B)で示した単語学習画面G1、図2の(A)で示したスペル練習テスト画面G2、図2の(B)で示した語彙意味テスト画面G3、およびコロケーション練習テスト画面G4、品詞変換テスト画面G5、語彙選択テスト画面G6では、何れの学習パターンの画面Gnでも、下画面d3の左端に、該当する単語の学習をその学習パターンにおいて未実施であるか実施済みであるかを識別するための記号(HsまたはHtまたはHf)が表示される。
【0033】
単語学習画面G1では、単語学習画面G1を表示させた時点で該当する単語の学習が実施されたと見做し実施済みを示す[正解]記号Htが表示される。
スペル練習テスト画面G2、語彙意味テスト画面G3、コロケーション練習テスト画面G4、品詞変換テスト画面G5、語彙選択テスト画面G6では、何れもその解答を入力した時点で該当する単語の学習が実施されたと見做し、解答が入力される前は未実施を示す[未学]記号Hsが表示され、解答が入力された以降はその正誤の判定結果も含めた実施済みを示す[正解]記号Htまたは[不正解]記号Hfが表示される。
【0034】
図3は、電子辞書10の表示画面(左画面d1/右画面d2/下画面d3)に対し予め設定された動作モード(画面動作モード)の内容を示す図である。
実施形態の電子辞書10は、左画面d1(左側)、右画面d2(右側)、下画面d3(下側)のうち、スクロール動作は右画面d2のみ可能(有)に初期設定され、また、拡大動作は左画面d1のみ可能(有)に初期設定され、また、領域間移動は左画面d1を移動元とし右画面d2を移動先として移動可能に初期設定される。
【0035】
暗記形式の学習パターンである単語学習画面G1では、単語の解説に関する複数の関連情報のうち、少なくともその「単語名(スペル)」、「発音記号」、「意味」を左画面d1(左側)に表示させる一方、複数の関連情報のうち、「基本変化」については、左画面d1を移動元とし右画面d2を移動先とする領域間移動によって、図1の(B)を参照して前述したように、右画面d2の下寄りに区切り線Lbを境界にして表示させる。これにより、単語の解説に関する情報の一覧性を確保し、単語の暗記に効果的に寄与できる。
【0036】
なお、電子辞書10の表示画面(左画面d1/右画面d2/下画面d3)に対する画面動作モードの設定の内容は、例えばユーザの操作に応じて、図3で示した初期設定とは異なる内容に変更してよい。
【0037】
実施形態の電子辞書10は、少なくとも以下の機能(a)~(e)を有する。
(a)タッチパネル式表示部17に、例えば学習コンテンツに関する情報を表示させる際に、表示画面をその左画面d1(第1表示領域)と、右画面d2(第2表示領域)と、下画面d3(第3表示領域)とに分割する機能。
実施形態では、左画面d1(第1表示領域)を「解説画面」、右画面d2(第2表示領域)を「テスト画面」([単語学習]の場合は「解説補助画面」)、下画面d3(第3表示領域)を「操作画面」と呼称してよい。
【0038】
(b)指定の単語(見出し語)とその操作に関する情報の種類毎に、学習6パターン([単語学習][スペル練習][語彙意味][コロケーション練習][品詞変換][語彙選択])の各々に応じて予め設定された語彙練習表示制御情報Jm(図5参照)に従い、単語とその操作に関する情報を、タッチパネル式表示部17の左画面d1と右画面d2と下画面d3とに振り分けて表示させる機能。
(c)タッチパネル式表示部17の表示画面を分割した左画面d1と右画面d2と下画面d3とを、予め設定された画面動作モード(図3参照)に従って動作させる機能。
【0039】
(d)学習コンテンツ(ここでは「大学(高校)入試語彙練習」)において学習の対象となる全ての単語(見出し語)毎に、学習6パターンの各々の学習パターンでの学習が未実施か実施済みかを示す学習情報(テスト形式の学習パターンの場合、実施済みを示す情報は正解と不正解を示す情報に区別される)を記憶して管理する機能。
(e)学習の対象となる全ての単語(見出し語)毎の学習6パターン各々の学習パターンにおける学習が未実施か、実施済み(正解または不正解)か、を示す学習情報に基づいて、単語の絞込みを行なう機能。
【0040】
図4は、電子辞書10の電子回路の構成を示すブロック図である。
電子辞書10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU:Central Processing Unit)21を備える。
制御部21は、フラッシュROMなどの記憶部(ストレージ)22に予め記憶された辞書制御プログラム22a、あるいはメモリカードなどの外部記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取られて記憶部22に記憶された辞書制御プログラム22a、あるいは通信ネットワークN上のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)30から通信部25を介してダウンロードされ記憶部22に記憶された辞書制御プログラム22a、に従って回路各部の動作を制御する。
制御部21には、データ及び制御バスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25を接続するほか、キー入力部14、音声出力部15、音声入力部16、タッチパネル式表示部17、を接続する。
【0041】
記憶部22は、辞書制御プログラム22aを記憶するプログラム記憶領域のほか、辞書データ記憶領域22b、学習コンテンツ記憶領域22c、学習情報データ記憶領域22d、作業データ記憶領域22eなどを備える。
【0042】
辞書制御プログラム22aは、電子辞書10の全体の動作を司るシステムプログラム、通信部25を介して外部の電子機器と通信接続するためのプログラム、辞書データ記憶領域22bに記憶されている各種の辞書データに基づいて見出し語検索を行なうためのプログラム、辞書データ記憶領域22bに記憶されている各種の辞書データおよび学習コンテンツ記憶領域22cに記憶されている各種の学習コンテンツと連携して、例えば学習対象である英単語(見出し語)の単語名を含む関連情報の表示、問題の表示、解答の受け付け、解答の判定、学習が未実施か実施済みかを示す学習情報の記憶(記録)とその更新、学習情報に基づく単語(見出し語)の絞込みなどを行なうためのプログラムなどを含む。
【0043】
辞書データ記憶領域22bは、例えば、中国語1事典、中国語2事典、英漢1辞典、英漢2事典、漢英辞典などの各種の辞書データ(辞書コンテンツ)を記憶する。
【0044】
学習コンテンツ記憶領域22cは、例えば、英語学習の学習コンテンツを記憶する英語学習データ記憶領域22c1、語彙学習の学習コンテンツを記憶する語彙学習データ記憶領域22c2、中国語学習の学習コンテンツを記憶する中国語学習データ記憶領域22c3を含み、それぞれその学習データ記憶領域22c1,22c2,22c3に複数種類の学習コンテンツを記憶する。
【0045】
学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」は、語彙学習データ記憶領域22c2に記憶される。学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」は、単語(見出し語)とその操作に関する情報を、タッチパネル式表示部17の左画面d1と右画面d2と下画面d3とに振り分けて表示させるための語彙練習表示制御情報Jm(図5参照)を含む。
【0046】
図5は、電子辞書10の学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」に含まれる語彙練習表示制御情報Jmを示す図である。
語彙練習表示制御情報Jmには、例えば、学習6パターンのうちの暗記形式の学習パターン[単語学習]では、複数種類の関連情報のうち、「単語名(スペル)」、「発音記号」、「意味」、「コロケーション(連語)」および「品詞変換(品詞形)」を左画面d1に、「例文」を右画面d2に、「基本変化」を左画面d1(第1表示領域)に収まらない場合に右画面d2(第2表示領域)への領域間移動で右画面d2に、[音声再生]アイコンCpおよび[解説]アイコンCeおよび[次へ]アイコンCnを下画面d3に表示し、それ以外の情報は表示しないよう設定される(図1の(B)参照)。
つまり、図5において、学習パターンと情報の種類との組み合わせを示す部分に「左画面」と記載されているのは、当該学習パターンにおいて当該種類の情報に対応する対象情報を表示させる場合は、対象情報を表示させる分割画面(表示領域)として常に左画面d1(第1表示領域)を選択することを示し、同様に「右画面」と記載されているのは、対象情報を表示させる分割画面(表示領域)として常に右画面d2(第2表示領域)を選択することを示し、同様に「右から左へ移動」と記載されているのは、対象情報を表示させる分割画面(表示領域)として第1優先で左画面d1(第1表示領域)を選択するが、条件に応じて選択する分割画面(表示領域)を左画面d1(第1表示領域)から右画面d2(第2表示領域)に切り替えることを示す。
ここで、左画面d1(第1表示領域)を選択して表示させる対象情報を第1領域選択情報、当該第1領域選択情報の表示制御を第1表示制御、右画面d2(第2表示領域)を選択して表示させる対象情報を第2領域選択情報、当該第2領域選択情報の表示制御を第2表示制御、第1領域選択情報を条件に応じて左画面d1(第1表示領域)から右画面d2(第2表示領域)に切り替えて表示させる表示制御を第3表示制御と定義する。
また、語彙練習表示制御情報Jmに従って左画面d1(第1表示領域)または右画面(第2表示領域)を選択して表示させる複数種類の情報は、当該情報の種類毎に順番に指定されながら表示制御されるので、第1領域選択情報は、左画面d1(第1表示領域)に表示させることが規定された複数種類の情報において既に指定された種類の情報と次に(新たに)指定された種類の情報とを含み、第2領域選択情報は、右画面d2(第2表示領域)に表示させることが規定された複数種類の情報において既に指定された種類の情報と次に(新たに)指定された種類の情報とを含むことになる。
なお、選択されなかった方の分割画面(表示領域)には対象情報を表示させない。
【0047】
また、右画面d2(第2表示領域)を選択して対象情報を表示させる場合は、対象情報の全てを必ず同時に表示させる必要はなく、選択された分割画面内(表示領域内)で対象情報をユーザ操作に応じてスクロールさせることにより対象情報の全てを必要に応じて必要なタイミングで表示させることができればよい。
また、左画面d1(第1表示領域)を選択して対象情報を表示させる場合は、対象情報の全てを必ず同時に表示させる必要はなく、選択された分割画面(表示領域)をユーザ操作に応じて一時的に拡大することによって、対象情報の全てを必要に応じて必要なタイミングで表示させることができればよい。
【0048】
なお、左画面d1(第1表示領域)をユーザ操作に応じて一時的に拡大する場合には、左画面d1(第1表示領域)とは異なる画面(表示領域)である拡大画面Gd1を一時的に表示する。つまり、左画面d1(第1表示領域)は、ユーザ操作に応じて対象情報がスクロールされることのない分割画面(表示領域)であり、対象情報の情報量が非常に多い場合には左画面d1(第1表示領域)を一時的に拡大しても対象情報の全てを同時に表示させることができない場合があるが、拡大画面Gd1についてはユーザ操作に応じてスクロールを行って対象情報の全てを表示させることができるようにする。拡大画面のスクロールが必要無い場合(拡大画面に重要な情報が表示できなくなるようなことが無い場合)には、右画面d2(第2表示領域)とは異なる拡大画面Gd1を新たに表示するのではなく、右画面d2(第2表示領域)そのものを拡大するようにしてもよい。
【0049】
また、テスト形式の学習パターン[スペル練習]では、意味を左画面d1に、「例文(問題文)」および解答受け付け後の答案を右画面d2に、解答入力用のスペル入力エリアAEおよび[音声再生]アイコンCpおよび[解説]アイコンCeおよび[次へ]アイコンCnを下画面d3に表示し、正解となる「単語名(スペル)」を含むそれ以外の情報は左画面d1に表示しないよう設定される(図2の(A)参照)。
【0050】
また、テスト形式の学習パターン[語彙意味]では、単語名および「発音記号」を左画面d1に、「例文(問題文)」および選択肢および解答受け付け後の答案を右画面d2に、解答選択アイコンC1~C4および[音声再生]アイコンCpおよび[解説]アイコンCeおよび[次へ]アイコンCnを下画面d3に表示し、その正解をユーザが特定できる「意味」を含むそれ以外の情報はヒントを確認する左画面d1に表示しないよう設定される(図2の(B)参照)。
【0051】
他のテスト形式の学習パターン[コロケーション練習][品詞変換][語彙選択]でも同様に、語彙練習表示制御情報Jmに従って、単語に関する複数種類の関連情報、及び、その操作に関する複数種類の関連情報の各々について、左画面d1、右画面d2、下画面d3の何れに表示するかまたは表示しないかが設定される。
【0052】
なお、実施形態では、単語に関する複数種類の関連情報(「単語名(スペル)」、「発音記号」、「意味」、「基本変化」、「コロケーション(連語)」、「品詞変換(品詞形)」、「例文」、「問題文」)のうち、「単語名(スペル)」、「発音記号」、「意味」、「コロケーション(連語)」、「品詞変換(品詞形)」の何れかを含む情報を第1種類の情報、「例文」、「問題文」の何れかを含む情報を第2種類の情報、「基本変化」を含む情報を第3種類の情報と定義する。
また、語彙練習表示制御情報Jmにおいて、選択された学習パターン毎に、単語に関する複数種類の関連情報のそれぞれについて、左画面d1と右画面d2のうち何れに表示させるかを規定する情報を第1表示条件、第1表示条件で規定された左画面d1または右画面d2に対する表示を無し(省略)に規定する情報(実施形態では[単語学習]の「基本変化」の領域間移動により左画面d1への表示を無しに規定する情報)を第2表示条件、第2表示条件で規定された左画面d1または右画面d2に対する表示を無し(省略)にする代わりに他方の表示領域に表示させるかを規定する情報(実施形態では[単語学習]の基本変化の領域間移動により右画面d2への表示を規定する情報)を第3表示条件と定義してよい。
【0053】
図6は、電子辞書10の学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」に従い学習情報データ記憶領域22dに記憶される学習情報データ(22d)の内容を示す図である。
学習情報データ記憶領域22dは、学習コンテンツ記憶領域22cに記憶された学習コンテンツ(ここでは「大学(高校)入試語彙練習」)において学習の対象となる単語(見出し語)毎に、学習6パターンの各々の学習パターンでの学習が未実施か、実施済み(正解または不正解)か、を示す学習情報(未実施(Z):実施済み正解(A):実施済み不正解(B))を記憶する。
【0054】
図7は、電子辞書10の学習情報データ記憶領域22dにおける単語毎の学習情報の記憶状態を示す図である。
単語の学習情報は、単語毎に、例えば1ワード(16bit)で構成され、0ビット目から5ビット目までの6ビット分が、そのビット単位でフラグ“1”にセットされることで、学習6パターン([単語学習][スペル練習][語彙意味][コロケーション練習][品詞変換][語彙選択])各々での実施済み([単語学習])あるいは実施済み正解([スペル練習][語彙意味][コロケーション練習][品詞変換][語彙選択])を示す。また、9ビット目から13ビット目までの5ビット分が、そのビット単位でフラグ“1”にセットされることで、テスト形式の学習パターン([スペル練習][語彙意味][コロケーション練習][品詞変換][語彙選択])各々での実施済み不正解を示す。
すなわち、[正解]と[不正解]のフラグが共に“0”である場合、該当する学習パターンでの単語の学習が未実施であることを示し、[正解]または[不正解]のフラグが“1”である場合、該当する学習パターンでの同単語の学習が実施済み正解または実施済み不正解であることを示す。暗記形式(テスト形式ではない)の学習パターン[単語学習]では、正解と不正解を区別する必要が無いので、実施済み不正解を示すビットは設けない。
【0055】
作業データ記憶領域22eは、制御部21による辞書制御プログラム22aに従った回路各部の動作の制御に伴い、ユーザ操作に応じて入力されたデータや制御部21により取得あるいは生成されるなどした各種のデータが必要に応じて一時記憶(保持)される。
【0056】
このように構成された電子辞書10は、制御部21が辞書制御プログラム22aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べるような、単語学習機能、表示制御機能、学習情報更新機能および学習情報削除機能を含む各種の機能を実現する。
【0057】
(実施形態の動作)
次に、実施形態に係る電子辞書10の動作について説明する。
【0058】
<単語学習機能>
図8は、電子辞書10の学習コンテンツ(22c)に基づいた単語学習処理を示すフローチャートである。
ここでは、電子辞書10の制御部21が、ユーザ操作に応じて指定が検出された学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」に従って単語学習処理を実行したと仮定する。
【0059】
キー入力部14の機能指定キー14b[コンテンツ一覧]の操作に応じてタッチパネル式表示部17に一覧表示される複数種類の学習コンテンツから、ユーザ操作により語彙学習のカテゴリに属する学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」の指定が検出されると、制御部21は、図1の(A)で示したように、指定が検出された学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」の学習パターンを学習パターン選択タブ[単語学習]T1~[語彙選択]T6により選択する(切換える)ためのトップ画面Gtをタッチパネル式表示部17に表示させる(ステップS1)。
【0060】
学習パターン選択タブ[単語学習]T1~[語彙選択]T6により、学習6パターンのうち、何れかの学習パターンが選択される(切換えられる)と共に、対象単語選択メニュー[全ての単語から学習]W1~[学習済みの単語]W3により、学習対象の単語のグループが選択され、[決定]キー14dが操作されると(ステップS2(Yes))、制御部21は、選択された学習パターンに基づいて、例えば図1の(B)または図2の(A)(B)で示したように、左画面d1(第1表示領域)と、右画面d2(第2表示領域)と、下画面d3(第3表示領域)と、に3分割された学習画面をタッチパネル式表示部17に表示させる(ステップS3)。
【0061】
制御部21は、選択された学習パターンにおいて、対象単語選択メニュー[全ての単語から学習]W1~[学習済みの単語]W3により選択された学習対象の単語(全ての単語/学習していな単語/学習済みの単語)を、学習情報データ記憶領域22dに記憶されている全ての単語(見出し語)毎の学習パターンそれぞれでの学習情報(未実施/実施済み(正解または不正解):図6図7参照)に基づき抽出し、抽出された学習対象の単語の中から今回の学習対象の単語を選択して指定する(ステップS4)。
【0062】
ここでは、暗記形式の学習パターン[単語学習](T1)の場合、選択された学習対象の単語(全ての単語/学習していな単語/学習済みの単語)のリストからユーザの任意の操作により単語が選択されて指定され、また、テスト形式の学習パターン[スペル練習](T2)~[語彙選択](T6)の場合、選択された学習対象の単語(全ての単語/学習していな単語/学習済みの単語)のリストからランダムに選択された単語が指定される。
【0063】
制御部21は、図5で示した学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」の語彙練習表示制御情報Jmに基づいて、学習対象として指定が検出された単語に関する複数種類の関連情報(「単語名(スぺル)」、「発音記号」、「意味」、「基本変化」、「コロケーション(連語)」、「品詞変換(品詞形)」、「例文」)、及び、その操作に関する複数種類の関連情報(「選択肢」、「答案」、「解答選択」、「解答入力」、「音声再生」、「解説」、「次へ」)のそれぞれについて、選択された学習パターンに応じた表示の有無を決定する(ステップS5)。
【0064】
また制御部21は、語彙練習表示制御情報Jmに基づき、選択された学習パターンでの表示が有ると決定された複数種類の関連情報について、3分割された学習画面(左画面d1(第1表示領域)、右画面d2(第2表示領域)、下画面d3(第3表示領域))の何れの分割画面(表示領域)に表示するかを決定する(ステップS6)。
また制御部21は、語彙練習表示制御情報Jmに基づき、3分割された学習画面(d1、d2、d3)の何れの分割画面(表示領域)に表示するかが決定された複数種類の関連情報のうち、領域間移動(図3参照)の移動条件を満たす情報があるか否かを決定する(ステップS7)。
【0065】
実施形態の語彙練習表示制御情報Jm(図5)では、学習パターン[単語学習]が選択された場合、単語に関する複数種類の関連情報のうち単語の「基本変化」が、左画面d1から右画面d2へ移動して表示させる移動条件を満たす情報であると決定される。
【0066】
制御部21は、移動条件を満たす情報がある場合(ステップS8(Yes))、移動条件を満たす情報の表示領域を変更する(ステップS9)。
【0067】
すなわち、学習パターン[単語学習]が選択された場合の単語学習画面G1(図1の(B)参照)では、単語の「基本変化」を右画面d2の下寄りに区切り線Lbを境界にして表示(左画面d1から右画面d2への領域間移動により表示)させることで、単語の解説に関する情報の一覧性を確保する(この区切り線Lbは、領域間移動があった場合のみ、移動により表示させた情報の上側に表示させてもよいし、領域間移動の有無にかかわらず情報の種類が切り替わる位置に表示させるようにしてもよい。)。
【0068】
制御部21は、ステップS6~S9にて決定した、複数種類の関連情報それぞれを表示する分割画面(左画面d1、右画面d2、下画面d3)に従って、選択された学習パターンに応じた学習画面をタッチパネル式表示部17に表示させ、学習対象として指定が検出された単語(見出し語)の学習処理を実行する(ステップAB)。
すなわち、暗記形式の学習パターン[単語学習]が選択された場合には、制御部21は、例えば図1の(B)で示したように、「単語名(スペル)」、「発音記号」、「意味」、「コロケーション(連語)」、および、「品詞変換(品詞形)」を左画面d1に、「例文」を右画面d2に、「基本変化」を左画面d1(第1表示領域)から右画面d2(第2表示領域)への領域間移動に従い右画面d2に、[音声再生]アイコンCpおよび[解説]アイコンCeおよび[次へ]アイコンCnを下画面d3に表示した単語学習画面G1をタッチパネル式表示部17に表示させ、指定が検出された単語の暗記形式の学習をユーザに行なわせる。
【0069】
従って、例えば単語学習画面G1では、単語に関する複数種類の情報のうち、ユーザが素早く参照できるように常に全体を表示させておいた方が好ましい情報であって、比較的に(他の種類の情報と比べて)情報量が少なく単語毎の情報量の変動が少ない情報(第1種類の情報)は、スクロールさせない左画面d1を常に選択して表示させ、ユーザが素早く参照できなくとも良いが、必要に応じて全体を表示できるようにした方が好ましい情報(第2種類の情報)は、スクロール可能な右画面d2を常に選択して表示させ、ユーザが素早く参照できるように常に全体を表示させておいた方が好ましいが、比較的に(他の種類の情報と比べて)単語毎の情報量の変動が大きい情報(第3種類の情報)は、第1優先で左画面d1に表示するが、左画面d1に情報の全体を表示できない場合には右画面d2に切り替えて(移動して)表示させるようにした。
【0070】
これにより、表示させる複数種類の情報を適切に分類し、それぞれの特性に合わせて表示制御を行うので、ユーザによる画面選択操作やスクロール操作などの手間を低減し、その場合であってもユーザによる情報の閲覧性を高めることが可能になる。
【0071】
また、テスト形式の学習パターン[スペル練習]が選択された場合には、制御部21は、例えば図2の(A)で示したように、意味を左画面d1に、「例文(問題文)」および解答受け付け後の答案を右画面d2に、解答入力用のスペル入力エリアAEおよび[音声再生]アイコンCpおよび[解説]アイコンCeおよび[次へ]アイコンCnを下画面d3に表示したスペル練習テスト画面G2をタッチパネル式表示部17に表示させ、指定が検出された単語のテスト形式の学習をユーザに行なわせる。
【0072】
また、テスト形式の学習パターン[語彙意味]が選択された場合には、制御部21は、例えば図2の(B)で示したように、「単語名(スペル)」、および、「発音記号」を左画面d1に、「例文(問題文)」、「選択肢」、および、「解答受け付け後の答案」を右画面d2に、解答選択アイコンC1~C4および[音声再生]アイコンCpおよび[解説]アイコンCeおよび[次へ]アイコンCnを下画面d3に表示した語彙意味テスト画面G3をタッチパネル式表示部17に表示させ、指定が検出された単語のテスト形式の学習をユーザに行なわせる。
【0073】
選択された学習パターンでの表示画面(学習画面)Gnが表示された状態で、学習対象の次の単語(見出し語)の指定が検出された場合(ステップS10(No))、制御部21は、次の単語の指定が検出される都度、当該指定が検出された次の単語を学習対象としてステップS4以降の処理を繰り返し実行する。
【0074】
<表示制御機能>
図9は、電子辞書10の学習コンテンツ(22c)に基づき選択された学習パターンでの表示画面(学習画面)を対象とする予め設定された画面動作モード(図3)に従った表示制御処理を示すフローチャートである。
選択された学習パターンでの表示画面(学習画面:図1の(B)で示した単語学習画面G1、図2の(A)で示したスペル練習テスト画面G2、図2の(B)で示した語彙意味テスト画面G3など)が表示された状態で、カーソルキー14f(上[↑]または下[↓])が押下された場合(ステップA1(上下キー))、制御部21は、右画面d2(第2表示領域)の表示を当該カーソルキー14fの押下状態に応じて上または下へスクロールさせる(ステップA2)。
【0075】
一方、カーソルキー14f(左[←]または右[→])が押下された場合(ステップA1(左右キー))、制御部21は、左画面d1(第1表示領域)および右画面d2(第2表示領域)ともに左または右へのスクロール動作は行わない(ステップA3)。
また、右画面d2(第2表示領域)がタッチされた場合(ステップA4(第2表示領域))、制御部21は、右画面d2(第2表示領域)の表示を当該タッチされた状態に応じて上または下へスクロールさせる(ステップA2)。
【0076】
ユーザは、選択された学習パターンに応じて右画面d2に表示されている単語に関する情報を、カーソルキー14f(上[↑]または下[↓])または当該右画面d2に対するタッチの操作に応じて、適宜上下にスクロールさせて確認できる。
また、左画面d1(第1表示領域)がタッチされた場合(ステップA4(第1表示領域))、制御部21は、左画面d1(第1表示領域)の表示をスクロールさせることなく、左画面d1(第1表示領域)の表示を、例えば図10の(A)→(B)に示すように、タッチパネル式表示部17の全画面に拡大した拡大画面Gd1(第2表示画面)にして表示させる(ステップA5)。
【0077】
図10は、電子辞書10の学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」においてテスト形式の学習パターン[コロケーション練習]を選択した場合の表示動作を示す図である。
図10の(A)は、選択された学習パターン[コロケーション練習]でのコロケーション練習テスト画面G4を示している。
コロケーション練習テスト画面G4では、制御部21は、語彙練習表示制御情報Jm(図5)に基づいて、「単語名」および「コロケーション(連語)」を左画面d1に、「例文(問題文)」、「選択肢」、および、「解答受け付け後の答案」を右画面d2に、解答選択アイコンC1~C4および[解説]アイコンCeおよび[次へ]アイコンCnを下画面d3に表示させ、指定が検出された単語のテスト形式の学習をユーザに行なわせる(ステップS1~S9,AB)。
【0078】
例えばコロケーション練習テスト画面G4において、左画面d1(第1表示領域)に表示するコロケーション(連語)の数が多く全てのコロケーション(連語)を表示し切れていない場合、ユーザは、左画面d1(第1表示領域)をタッチすることで、図10の(B)に示すように、左画面d1(第1表示領域)の表示を全画面に拡大した拡大画面Gd1にして表示させ、コロケーション(連語)の一覧を確認できる。
ここで、左画面d1(第1表示領域)の表示を全画面に拡大した拡大画面Gd1(例えば図10の(B))において、拡大画面Gd1(第2表示画面)がタッチされると(ステップA6(Yes))、制御部21は、拡大画面Gd1の表示(すなわち第1表示領域の表示)を当該タッチされた状態に応じて上または下へスクロールさせる(ステップA7)。
【0079】
ユーザは、選択された学習パターンに応じた表示画面(学習画面)Gnにおいて、その左画面d1に表示し切れていない単語に関する数多くの情報を、全画面に拡大した拡大画面Gd1にしてより多く確認できるだけなく、当該拡大画面Gd1に対するタッチの操作に応じて同拡大画面Gd1の表示を上下にスクロールさせ、そこに表示される全ての情報を確認できる。
【0080】
<学習情報更新機能>
図11は、電子辞書10の学習コンテンツ(22c)に基づいた学習情報更新処理を示すフローチャートである。
ここでは、電子辞書10の制御部21が、ユーザ操作に応じて指定された学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」に従って学習情報更新処理を実行したと仮定する。
【0081】
図1の(A)で示したように、学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」のトップ画面Gtの学習パターン選択タブ[単語学習]T1により、暗記形式の学習パターン[単語学習]が選択された場合(ステップB1(1:単語学習))、制御部21は、対象単語選択メニュー[全ての単語から学習]W1~[学習済みの単語]W3により選択された学習対象の単語(全ての単語/学習していな単語/学習済みの単語)の中からユーザ操作に応じて指定された単語を対象に、図1の(B)で示したように、単語学習画面G1をタッチパネル式表示部17に表示させる(ステップB2)。
【0082】
暗記形式の学習パターン[単語学習]の場合、単語学習画面G1を表示させた時点で該当する単語の学習が実施されたと見做し、制御部21は、単語学習画面G1の下画面d3の左端に、該当する単語の学習の実施済みを示す[正解]記号Htを表示させる(ステップB3)。
制御部21は、図7で示したように、学習情報データ記憶領域22dの該当する単語の学習パターン[単語学習]に対応するOKのビット(ここでは0ビット目)に、[正解](実施)のフラグ“1”をセットする(ステップB4)。
【0083】
また、トップ画面Gtの学習パターン選択タブ[スペル練習]T2~[語彙選択]T6により、テスト形式の何れかの学習パターン[スペル練習]~[語彙選択]が選択された場合(ステップB1(2:スペル練習~6:語彙選択))、制御部21は、対象単語選択メニューWnにより選択された学習対象の単語(全ての単語/学習していな単語/学習済みの単語(正解/不正解))の中からランダムに指定された単語を対象に、例えば図2の(A)で示したように、選択された学習パターン[スペル練習]のスペル練習テスト画面G2をタッチパネル式表示部17に表示させる(ステップB5)。
【0084】
スペル練習テスト画面G2において、下画面d3のスペル入力エリアAEに単語のスペルが解答として入力されると(ステップB6(Yes))、制御部21は、入力された解答が正解か不正解を判定する(ステップB7)。
ここで、入力された解答が正解と判定されると(ステップB7(Yes))、制御部21は、スペル練習テスト画面G2の中央に、正解マークMtを表示させると共に、下画面d3の左端に、該当する単語の学習の実施済み正解を示す[正解]記号Htを表示させる(ステップB8t)。
【0085】
制御部21は、図7で示したように、学習情報データ記憶領域22dの該当する単語の学習パターン(ここでは[スペル練習])に対応するOKのビット(ここでは1ビット目)に、[正解]のフラグ“1”をセットする(ステップB9t)。
一方、入力された解答が不正解と判定されると(ステップB7(No))、制御部21は、スペル練習テスト画面G2の中央に、不正解マークMfを表示させると共に、下画面d3の左端に、該当する単語の学習の実施済み不正解を示す[不正解]記号Hfを表示させる(ステップB8f)。
【0086】
制御部21は、図7で示したように、学習情報データ記憶領域22dの該当する単語の学習パターン(ここでは[スペル練習])に対応するNGのビット(ここでは9ビット目)に、[不正解]のフラグ“1”をセットする(ステップB9f)。
テスト形式の学習パターン[語彙意味]が選択された場合(ステップB1(3:語彙意味))、制御部21は、前述同様に、対象単語選択メニューWnにより選択された学習対象の単語(全ての単語/学習していな単語/学習済みの単語(正解/不正解))の中からランダムに指定された単語を対象に、例えば図2の(B)で示したように、選択された学習パターン[語彙意味]の語彙意味テスト画面G3をタッチパネル式表示部17に表示させる(ステップB5)。
【0087】
語彙意味テスト画面G3において、下画面d3の解答選択アイコンC1~C4が選択されてタッチされると(ステップB6(Yes))、制御部21は、入力された解答が正解か不正解を判定する(ステップB7)。
ここで、入力された解答が正解と判定されると(ステップB7(Yes))、制御部21は、語彙意味テスト画面G3の中央に、正解マークMtを表示させると共に、下画面d3の左端に、該当する単語の学習の実施済み正解を示す[正解]記号Htを表示させる(ステップB8t)。
【0088】
制御部21は、図7で示したように、学習情報データ記憶領域22dの該当する単語の学習パターン(ここでは[語彙意味])に対応するOKのビット(ここでは2ビット目)に、[正解]のフラグ“1”をセットする(ステップB9t)。
一方、入力された解答が不正解と判定されると(ステップB7(No))、制御部21は、語彙意味テスト画面G3の中央に、不正解マークMfを表示させると共に、下画面d3の左端に、該当する単語の学習の実施済み不正解を示す[不正解]記号Hfを表示させる(ステップB8f)。
制御部21は、図7で示したように、学習情報データ記憶領域22dの該当する単語の学習パターン(ここでは[語彙意味])に対応するNGのビット(ここでは10ビット目)に、[不正解]のフラグ“1”をセットする(ステップB9f)。
【0089】
テスト形式の他の学習パターン[コロケーション練習](T4)~[語彙選択](T6)の何れかを選択した場合でも、図2の(B)で示した学習パターン[語彙意味]での語彙意味テスト画面G3と同様に、制御部21は、各々の該当する学習パターンに応じた学習画面Gnを表示させ(ステップB5)、前述同様の学習情報更新処理を実行する(ステップB6~B9tまたはステップB6~B9f)。
【0090】
このように、電子辞書10は、学習情報更新処理により、学習コンテンツ(ここでは「大学(高校)入試語彙練習」)において学習の対象となる全ての単語(見出し語)毎に、学習6パターンの各々の学習パターンでの学習が未実施か、実施済み(正解または不正解)か、を示す学習情報を記憶して管理する。
これにより、電子辞書10は、図1の(A)で示したように、暗記形式の学習パターン[単語学習](T1)が選択された場合には、対象単語選択メニュー[全ての単語から学習]W1、[学習してない単語]W2、[学習済みの単語]W3の選択に従い、学習対象の単語を、全ての単語(ここでは4,259単語)、または学習が未実施の単語、または学習が実施済みの単語、の何れかに容易に絞り込んで単語学習処理を実行することができる。
【0091】
また電子辞書10は、図12に示すように、テスト形式の学習パターン[スペル練習](T2)~[語彙選択](T6)が選択された場合には、対象単語選択メニュー[全ての単語から学習]W1、[学習してない単語]W2、[学習済みの正解の単語]W3t、[学習済みの不正解の単語]W3fの選択に従い、学習対象の単語を、全ての単語(ここでは4,259単語)、または学習が未実施の単語、または学習が実施済みで正解であった単語、または学習が実施済みで不正解であった単語、の何れかに容易に絞り込んで単語学習処理を実行することができる。
図12は、電子辞書10の学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」のトップ画面Gtにおいてテスト形式の学習パターン[スペル練習]T2~[語彙選択]T6を選択した場合の対象単語選択メニューW1,W2,W3t,W3fの表示動作を示す図である。
【0092】
<学習情報削除機能>
図13は、電子辞書10の学習コンテンツ(22c)に基づく学習情報削除処理に従った表示動作を示す図である。
ここでは、電子辞書10の制御部21が、ユーザ操作に応じて指定された学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」に基づいて学習情報削除処理を実行したと仮定する。
【0093】
学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」のトップ画面Gt(図1の(A)参照)において、任意の学習パターン(ここでは[単語学習]T1)が選択されると、制御部21は、図13の(A)に示すように、学習対象の単語を例えば教科書の単元(UNIT)毎に分けて一覧にした学習単語単元一覧画面GLuをタッチパネル式表示部17に表示させる。
学習単語単元一覧画面GLuにおいて、カーソルキー14f[↓]が操作されると、制御部21は、図13の(B)に示すように、学習単語単元一覧画面GLuにて選択されている単元(ここではWelcom UNIT)に含まれる単語を一覧にした学習単語一覧画面GLwをタッチパネル式表示部17に表示させる。
【0094】
学習単語単元一覧画面GLuにおいて、[ゴミ箱]アイコンCdがタッチされるか、または[削除]キー14gが押下されると、制御部21は、図13の(C)に示すように、学習情報削除メニュー(単元単位)iu1~iu3を設けた学習情報削除画面(単元単位)GDuを表示させる。
学習情報削除画面(単元単位)GDuにおいて、学習情報削除メニュー(単元単位)の「選択中の進捗情報を全て削除(1項目)」iu1が選択されて[決定]キー14dが押下された場合、制御部21は、図13の(A)で示した学習単語単元一覧画面GLuにて選択された1つの単元(1項目)に含まれる全ての単語を対象に、学習情報データ記憶領域22dに記憶されている学習情報(図7で示した[正解]または[不正解]のフラグ“1”)をリセットして削除する。
【0095】
また、学習情報削除メニュー(単元単位)の「表示中の進捗情報を全て削除」iu2が選択されて[決定]キー14dが押下された場合、制御部21は、図13の(A)で示した学習単語単元一覧画面GLuにて一覧表示された全ての単元に含まれる全ての単語を対象に、学習情報データ記憶領域22dに記憶されている学習情報をリセットして削除する。
また、学習情報削除メニュー(単元単位)の「全ての進捗情報を削除」iu3が選択されて[決定]キー14dが押下された場合、制御部21は、学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」に含まれる学習対象の全ての単語を対象に、学習情報データ記憶領域22dに記憶されている学習情報をリセットして削除する。
【0096】
図13の(B)で示した学習単語一覧画面GLwにおいて、[ゴミ箱]アイコンCdがタッチされるか、または[削除]キー14gが押下されると、制御部21は、図13の(D)に示すように、学習情報削除メニュー(単語単位)iw1~iw3を設けた学習情報削除画面(単語単位)GDwを表示させる。
学習情報削除画面(単語単位)GDwにおいて、学習情報削除メニュー(単語単位)の「選択中の進捗情報を削除(1件)」iw1が選択されて[決定]キー14dが押下された場合、制御部21は、図13の(B)で示した学習単語一覧画面GLwにて選択された1つの単語(見出し語)を対象に、学習情報データ記憶領域22dに記憶されている学習情報をリセットして削除する。
【0097】
また、学習情報削除メニュー(単語単位)の「表示中の進捗情報を全て削除」iw2が選択されて[決定]キー14dが押下された場合、制御部21は、図13の(B)で示した学習単語一覧画面GLwにて一覧表示された全ての単語を対象に、学習情報データ記憶領域22dに記憶されている学習情報をリセットして削除する。
また、学習情報削除メニュー(単語単位)の「全ての進捗情報を削除」iw3が選択されて[決定]キー14dが押下された場合、制御部21は、学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」に含まれる学習対象の全ての単語を対象に、学習情報データ記憶領域22dに記憶されている学習情報をリセットして削除する。
【0098】
このように、電子辞書10は、学習対象の単語(見出し語)毎に学習情報データ記憶領域22dに記憶されている学習の実施済み正解または実施済み不正解を示す学習情報を、任意の単元単位あるいは任意の単語毎に容易に削除することができる。
これにより、例えば、ユーザが任意の単元に含まれる単語や個々の単語について学習が未実施の状態に戻して繰り返し学習したり、同一の電子辞書10を使用して新たなユーザが単語の学習を開始したりすることを、容易に行なうことができる。また、学習情報データ記憶領域22dの学習6パターンのフラグにおいて、未実施(Z)、実施済み不正解(B)が記憶された単語についてユーザ操作により学習の実施を指示された場合は、ユーザが問題の答えを特定できるようなものを除いた種類を選択してヒントとして表示させる一方、実施済み正解(A)が記憶された単語についてユーザ操作により再度学習の実施を指示された場合は、そのようなヒントは表示させないように制御してもよい。すなわち、一度正解した単語については、その学習の内容は反復演習の意味を兼ねるため、ヒントの表示は不要となるよう制御する。
【0099】
(実施形態のまとめ)
実施形態の電子辞書10(学習装置)によれば、制御部21は、学習パターン選択タブT2~T6により、テスト形式の複数種類の学習パターン([スペル練習][語彙意味][コロケーション練習][品詞変換][語彙選択])のうち何れかの学習パターンが選択されて指定されると、学習対象の単語(見出し語)に対応する複数種類の関連情報(単語名、発音記号、意味、基本変化、コロケーション(連語)、品詞変換、例文、音声)のうち、指定された学習パターンの問題には含まれない関連情報を除く関連情報を選択し、ユーザがヒントを確認する左画面d1(解説画面)に表示させる。
【0100】
例えば、学習パターン[スペル練習]が指定された場合のスペル練習テスト画面G2では、左画面d1(解説画面)に「発音記号(スペル)、「意味」、「基本変化」、「コロケーション(連語)」、「品詞変換(品詞形)」、「例文」、および、「音声」のうち、問題文として表示される例文を除いた関連情報の種類に含まれている「意味」が表示され、右画面d2(テスト画面)に問題文である虫食いの「例文」が表示され、下画面d3(操作画面)にスペル入力エリアAEが表示される。ユーザは左画面d1に表示された「意味」をヒントとして確認しつつ、スペル入力エリアAEにスペルを入力して解答する。
【0101】
また、学習パターン[語彙意味]が指定された場合の語彙意味テスト画面G3では、左画面d1(解説画面)に、複数種類の関連情報のうちの「意味」を除いた、他の関連情報、具体的には、単語の「単語名(スペル)」、「発音記号」が表示され、右画面d2(テスト画面)に問題文である「例文」、「答え」の選択肢が表示され、下画面d3(操作画面)に解答選択アイコンC1~C4が表示される。ユーザは左画面d1に表示された「単語名(スペル)」と「発音記号」をヒントにし、解答選択アイコンC1~C4を選択して解答する。
【0102】
これにより、ユーザは、学習対象の単語(見出し語)に対応する複数種類の関連情報のうち、複数種類の学習パターンに応じてそれぞれ異なる関連情報をテストの解答にすべく効率的且つ効果的に学習できる。
【0103】
また、実施形態の電子辞書10(学習装置)によれば、学習の対象となる全ての単語(見出し語)毎に、学習6パターンの各々の学習パターンでの学習が未実施か実施済みかを示す履行履歴(テスト形式の学習パターンの場合、実施済みを示す情報は正解と不正解を示す情報に区別される)を学習情報(22d)として管理する。
【0104】
これにより、ユーザは、テスト形式の学習パターンのそれぞれにおいて、対象単語選択メニュー[全ての単語から学習]W1、[学習してない単語]W2、[学習済みの正解の単語]W3t、[学習済みの不正解の単語]W3fを選択することにより、学習対象の単語を、全ての単語(ここでは4,259単語)、または学習が未実施の単語、または学習が実施済みで正解であった単語、または学習が実施済みで不正解であった単語、の何れかに容易に絞り込んで効率的且つ効果的に学習できる。
【0105】
よって、実施形態の電子辞書10(学習装置)によれば、辞書データを利用しつつも学習効果の高いテスト問題を生成してユーザに提供することが可能になる。
【0106】
(他の実施形態)
図14は、本発明の学習装置、制御方法およびプログラムの他の実施形態に係る学習システムの構成を示す図である。
前述した実施形態では、電子辞書10あるいは辞書機能を備えたタブレット型のPDA、PC、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機などの電子機器(学習装置)に辞書データ(22b)および学習コンテンツ(22c)を記憶させ、電子機器(10)の単体で、単語学習機能、表示制御機能、学習情報更新機能および学習情報削除機能を含む各種の機能を実現する構成とした。
これに限らず、例えば図14の学習システムに示すように、通信ネットワークN上に設けた学習サーバ40(学習装置)のデータベースDBに前述した辞書データ(22b)および学習コンテンツ(22c)を記憶させ、通信ネットワークNに接続可能なタブレット端末50やPC60などの通信端末(ユーザ端末)から学習サーバ40に通信接続し、前述した実施形態と同様の各種の機能を実現する構成としてもよい。
【0107】
また、前述した実施形態では、「単語」を学習対象とした場合について説明したが、例えば、「熟語」、「数学の公式」、「歴史の情報」などを学習対象としてもよい。
【0108】
以上の各実施形態において記載した電子辞書10(学習装置)による各処理の手法、すなわち、図8のフローチャートに示す単語学習処理、図9のフローチャートに示す表示制御処理、図11のフローチャートに示す学習情報更新処理、図13の表示動作に示す学習情報削除処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、学習装置(電子機器)の制御部(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、各実施形態において説明した各種の機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0109】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを学習装置(電子機器)に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述した各種の機能を実現することもできる。
【0110】
なお、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0111】
10 …電子辞書(学習装置)
14 …キー入力部
17 …タッチパネル式表示部
21 …制御部(CPU)
22 …記憶部
22a…辞書制御プログラム
22b…辞書データ記憶領域
22c…学習コンテンツ記憶領域
22d…学習情報データ記憶領域
25 …通信部
30 …Webサーバ
N …通信ネットワーク
Jm …語彙練習表示制御情報
Gt …学習コンテンツ「大学(高校)入試語彙練習」のトップ画面
T1~T6…学習パターン選択タブ
W1~W3(W3t,W3f)…対象単語選択メニュー
d1 …左画面(第1表示領域)
d2 …右画面(第2表示領域)
d3 …下画面(第3表示領域)
Lb …区切り線
G1 …単語学習画面
G2 …スペル練習テスト画面
G3 …語彙意味テスト画面
G4 …コロケーション練習テスト画面
AE …スペル入力エリア
C1~C4…解答選択アイコン
Mt …正解マーク
Mf …不正解マーク
Hs …[未学](学習未実施)記号
Ht …[正解](学習実施)記号
Hf …[不正解](学習実施)記号
Gd1…拡大画面
GLu…学習単語単元一覧画面
GLw…学習単語一覧画面
GDu…学習情報削除画面(単元単位)
GDw…学習情報削除画面(単語単位)
40 …学習サーバ(学習装置)
50 …タブレット端末(ユーザ端末)
60 …PC(ユーザ端末)
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
図8
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図10
図11
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図14