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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178749
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/04 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
A47F3/04 E
A47F3/04 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097124
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 昂平
【テーマコード(参考)】
3B110
【Fターム(参考)】
3B110AA07
3B110AA12
3B110BA04
3B110CA05
3B110DA03
3B110GA20
(57)【要約】
【課題】装置自体の大型化や商品収納数の低減化を抑制しながら、消費電力の低減化を図ること。
【解決手段】前面開口10aを有するケース本体10の内部の収納室11に上下方向に沿って複数段設けられるとともに各段において左右方向に並設された商品載置棚12と、収納室11の空気の温度を冷却する蒸発器15とを備え、前面開口10aの上縁部及び下縁部に配設された上レール部材21及び下レール部材22と、商品載置棚12の左右幅寸法よりも小さい左右幅寸法を有し、上レール部材21と下レール部材22との間にて、任意の複数段の商品載置棚12の前方域に配置される閉塞位置と該前方域から離脱する開放位置との間で左右方向に沿ってスライド可能に設けられた複数の前面扉23と、可撓性を有し、複数の前面扉23が閉塞位置に配置される場合に、前面扉23とケース本体10の側面部10dとの隙間Sを閉塞するスリットカーテン部材30とを備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に前面開口が形成されたケース本体の内部に、前記前面開口を臨む態様で設けられた収納室と、
前記収納室に上下方向に沿って複数段設けられるとともに、各段において左右方向に並設された商品載置棚と、
前記収納室の空気の温度を調整する温度調整手段と
を備え、
前記商品載置棚を構成するとともに、前記前面開口を通じて前後方向に沿ってスライド可能な棚板に載置された商品を所望の温度に調整するショーケースであって、
前記前面開口の上縁部に配設され、かつ左右方向に沿って延在する上レール部材と、
前記前面開口の下縁部に配設され、かつ左右方向に沿って延在する下レール部材と、
前記商品載置棚の左右幅寸法よりも小さい左右幅寸法を有し、かつ前記上レール部材と前記下レール部材との相互間において、任意の複数段の商品載置棚の前方域に配置される閉塞位置と当該複数段の商品載置棚の前方域から離脱する開放位置との間で左右方向に沿ってスライド可能に設けられた複数の前面扉と、
可撓性を有し、かつ前記複数の前面扉が前記閉塞位置に配置される場合に、該前面扉と前記ケース本体の側面部との隙間を閉塞する閉塞部材と
を備えたことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記閉塞部材は、前記ケース本体の左右の両側面の前端部に取り付けられた上下方向に沿って延在する長尺状部材に対し、複数の短冊状のシートが上下方向に沿って並設されて構成されたことを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項3】
前記シートは、透光性を有する材料により構成されたことを特徴とする請求項2に記載のショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ショーケースとして、ケース本体の前面開口を臨む収納室に商品載置棚が上下方向に沿って複数段設けられ、外気侵入や冷気漏洩等を抑制して消費電力の低減化を図るために前面開口が透明扉により開閉されるものが知られている。商品載置棚は、商品を載置する棚板が前後方向に沿ってスライド可能なものである。透明扉は、ヒンジ装置に回動自在に軸支されており、ヒンジ装置が棚板のスライド可能な領域から外方となる側方領域に配置されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-146862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に提案されているショーケースでは、透明扉が回動するものであったが、ショーケースにおいては、透明扉が左右方向に沿ってスライドことにより、前面開口を開閉するものが知られている。
【0005】
そのような透明扉がスライドするショーケースにおいては、透明扉が棚板のスライドと干渉することを防止するため、ケース本体の左右寸法を拡大させたり、ケース本体の左右寸法を維持しながら商品載置棚の左右寸法を縮小させたりしており、結果的に、装置自体の大型化又は商品収納数の低減化を招来していた。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、装置自体の大型化や商品収納数の低減化を抑制しながら、消費電力の低減化を図ることができるショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るショーケースは、前面に前面開口が形成されたケース本体の内部に、前記前面開口を臨む態様で設けられた収納室と、前記収納室に上下方向に沿って複数段設けられるとともに、各段において左右方向に並設された商品載置棚と、前記収納室の空気の温度を調整する温度調整手段とを備え、前記商品載置棚を構成するとともに、前記前面開口を通じて前後方向に沿ってスライド可能な棚板に載置された商品を所望の温度に調整するショーケースであって、前記前面開口の上縁部に配設され、かつ左右方向に沿って延在する上レール部材と、前記前面開口の下縁部に配設され、かつ左右方向に沿って延在する下レール部材と、前記商品載置棚の左右幅寸法よりも小さい左右幅寸法を有し、かつ前記上レール部材と前記下レール部材との相互間において、任意の複数段の商品載置棚の前方域に配置される閉塞位置と当該複数段の商品載置棚の前方域から離脱する開放位置との間で左右方向に沿ってスライド可能に設けられた複数の前面扉と、可撓性を有し、かつ前記複数の前面扉が前記閉塞位置に配置される場合に、該前面扉と前記ケース本体の側面部との隙間を閉塞する閉塞部材とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記ショーケースにおいて、前記閉塞部材は、前記ケース本体の左右の両側面の前端部に取り付けられた上下方向に沿って延在する長尺状部材に対し、複数の短冊状のシートが上下方向に沿って並設されて構成されたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記ショーケースにおいて、前記シートは、透光性を有する材料により構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、左右方向に沿って延在する上レール部材が前面開口の上縁部に配設され、左右方向に沿って延在する下レール部材が前面開口の下縁部に配設され、商品載置棚の左右幅寸法よりも小さい左右幅寸法を有する複数の前面扉が、上レール部材と下レール部材との相互間において、任意の複数段の商品載置棚の前方域に配置される閉塞位置と当該複数段の商品載置棚の前方域から離脱する開放位置との間で左右方向に沿ってスライド可能に設けられ、閉塞部材が、可撓性を有し、かつ複数の前面扉が閉塞位置に配置される場合に、該前面扉とケース本体の側面部との隙間を閉塞するので、ケース本体の左右寸法を拡大させたり商品載置棚の左右寸法を縮小させたりすることなく、棚板をスライドさせることができる。しかも、複数の前面扉が閉塞位置に配置される場合には、前面開口を閉塞することができ、外気侵入や冷気漏洩等を抑制し、消費電力の低減化を図ることができる。従って、装置自体の大型化や商品収納数の低減化を抑制しながら、消費電力の低減化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態であるショーケースを示す正面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態であるショーケースを示す右側面図である。
図3図3は、本発明の実施の形態であるショーケースの内部構造を示す正面図である。
図4図4は、本発明の実施の形態であるショーケースの内部構造を模式的に示す断面側面図である。
図5図5は、図1図4に示したショーケースの要部の横断面図である。
図6図6は、図1図4に示したショーケースの要部の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るショーケースの好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1図4は、それぞれ本発明の実施の形態であるショーケースを示すものであり、図1は正面図、図2は右側面図、図3は内部構造を示す正面図、図4は内部構造を模式的に示す断面側面図である。ここで例示するショーケース1は、ケース本体10を備えている。
【0014】
ケース本体10は、前面に開口(以下、前面開口ともいう)10aが形成された略直方状の断熱筐体である。このケース本体10は、収納室11、通風路13、扉体ユニット20及びスリットカーテン部材(閉塞部材)30が設けられている。
【0015】
収納室11は、前面開口10aを臨む態様で形成された室である。この収納室11には、複数の商品載置棚12が上下方向に沿って複数段設けられているとともに、各段において左右方向に並設されている。
【0016】
これら商品載置棚12は、従来公知のものであり、それぞれ棚板12aを備えて構成されている。棚板12aは、略平板状の部材であり、上面が商品を載置する載置面を構成している。この棚板12aは、図示せぬスライド機構を介して左右一対のブラケット部材12bに架設されている。
【0017】
かかる棚板12aは、ブラケット部材12bに対して前後方向に沿ってスライド可能である。つまり、棚板12aは、収納室11の内部に配置される収納位置と、前面開口10aより収納室11の外部に配置される引出位置との間で前後方向に沿ってスライド可能である。
【0018】
通風路13は、ケース本体10の内部であって収納室11の外部に形成されており、吸込口13aから吹出口13bに至る空気の通路である。
【0019】
吸込口13aは、収納室11の内部の空気を吸い込むための開口であり、左右方向に沿って延在するよう設けられた長尺状のものである。この吸込口13aは、収納室11の下側前方縁部、すなわち収納室11の前方下部に開口している。
【0020】
吹出口13bは、収納室11の内部に空気を吹き出すための開口である。この吹出口13bは、左右方向に沿って延在するよう設けられており、収納室11の上側前方縁部、すなわち収納室11の前方上部に設けられている。尚、この吹出口13bには、ハニカム構造の整流部材(図示せず)が該吹出口13bを閉塞する態様で設けられている。
【0021】
このような通風路13は、収納室11の外部であってその下方にある下側ダクト131と、収納室11の外部であってその背面側にある背面側ダクト132と、収納室11の外部であってその上方にある上側ダクト133とを備え、これら下側ダクト131、背面側ダクト132及び上側ダクト133が互いに連通して構成されている。
【0022】
そのような通風路13の内部には、送風ファン14及び蒸発器15が設置されている。送風ファン14は、空気を循環させるものである。上記ショーケース1においては、送風ファン14が駆動することにより、吸込口13aを通じて通風路13に吸い込んだ空気を吹出口13bまで送出し、該吹出口13bより収納室11に吹き出すことにより、収納室11と通風路13との間で空気を循環させるものである。
【0023】
蒸発器15は、図示せぬ圧縮機、凝縮器及び電子膨張弁と冷媒管路で環状に接続されることで、冷媒を循環させる冷媒回路を構成している。この蒸発器15は、自身に供給された冷媒と、送風ファン14が駆動することにより通風路13を通過する空気とを熱交換させるもの、より詳細には、冷媒を蒸発させることにより通風路13を通過する空気を冷却する温度調整手段である。
【0024】
扉体ユニット20は、上レール部材21と、下レール部材22と、前面扉23とを備えて構成されている。上レール部材21は、左右方向が長手方向となる長尺状部材である。この上レール部材21は、ケース本体10に取り付けられたキャノピ16の前方側において、左右方向に沿って延在する態様で複数の上側取付部材17aを介してケース本体10の天面部10bに取り付けられている。つまり、上レール部材21は、前面開口10aの上縁部に配設され、かつ左右方向に沿って延在するものであり、その左右方向の延在長さは、ケース本体10の天面部10bの左右方向の長さに略等しい。
【0025】
上記上レール部材21における下方を臨む部分には、前後一対の上レール部21a,21bが形成されている。それぞれ上レール部21a,21bは、左右方向に沿って延在しており、上レール部材21の全長に亘って形成されている。
【0026】
下レール部材22は、左右方向が長手方向となる長尺状部材である。この下レール部材22は、ケース本体10の底面部10cの前方側において、左右方向に沿って延在する態様で複数の下側取付部材17bを介して該底面部10cに配設された脚部18に取り付けられている。つまり、下レール部材22は、前面開口10aの下縁部に配設され、かつ左右方向に沿って延在するものであり、その左右方向の延在長さは、ケース本体10の底面部10cの左右方向の長さに略等しく、より詳細に説明すると、上レール部材21の左右方向の延在長さに等しい。
【0027】
上記下レール部材22における上方を臨む部分、すなわち上レール部材21に対向する部分には、前後一対の下レール部22a,22bが形成されている。それぞれ下レール部22a,22bは、左右方向に沿って延在しており、下レール部材22の全長に亘って形成されている。
【0028】
これら下レール部22a,22bは、上レール部21a,21bに対向しており、前方側の下レール部22aは、前方側の上レール部21aに対向し、かつ後方側の下レール部22bは、後方側の上レール部21bに対向している。
【0029】
ところで、ケース本体10の左右の側面部10dは、天面部10b及び底面部10cよりも前方に向けて突出しており、上レール部材21及び下レール部材22の側方まで延在している。また、ケース本体10の側面部10dは、底面部10cよりも下方に向けて延在している。
【0030】
前面扉23は、左右2枚の断熱扉により構成され、透光性材料から構成された面材を有している。この前面扉23は、上レール部材21と下レール部材22との相互間において左右方向に沿ってスライド可能である。より詳細に説明すると、左側の前面扉23(以下、左側扉23Lともいう)は、後方側の上レール部21bと後方側の下レール部22bとに跨る態様で配設され、これら上レール部21b及び下レール部22bの延在方向(左右方向)に沿ってスライド可能なものである。
【0031】
右側の前面扉23(以下、右側扉23Rともいう)は、前方側の上レール部21aと前方側の下レール部22aとに跨る態様で配設され、これら上レール部21a及び下レール部22aの延在方向(左右方向)に沿ってスライド可能なものである。
【0032】
これら左側扉23Lと右側扉23Rとは、互いに一部が重なった状態でスライド可能なものであり、それぞれ棚板12a(商品載置棚12)の左右幅寸法よりも小さい左右幅寸法を有している。
【0033】
そして、左側扉23Lは、左側の複数段の商品載置棚12の前方域に配置される閉塞位置と、左側の複数段の商品載置棚12の前方域から右側に離脱する開放位置との間で左右方向に沿ってスライド可能である。この左側扉23Lが閉塞位置に配置される場合、ケース本体10の左側の側面部10dとの間には隙間Sが形成されている。
【0034】
右側扉23Rは、右側の複数段の商品載置棚12の前方域に配置される閉塞位置と、右側の複数段の商品載置棚12の前方域から左側に離脱する開放位置(図6参照)との間で左右方向に沿ってスライド可能である。この右側扉23Rが閉塞位置に配置される場合、ケース本体10の右側の側面部10dとの間には隙間Sが形成されている。尚、図5中の符号24は、ストッパ部材である。
【0035】
スリットカーテン部材30は、左右2つ設けられている。左側のスリットカーテン部材30aは、左側取付棒状体31aと、複数の左側シート32aとを備えて構成されている。
【0036】
左側取付棒状体31aは、図5において上下方向に沿って延在する長尺状部材であり、その上下方向の延在長さは、上レール部材21と下レール部材22との相互間の長さよりも大きいものである。この左側取付棒状体31aは、例えば磁力等によりケース本体10の左側の側面部10dにおける前端面に取り付けられるものである。
【0037】
左側シート32aは、例えば透光性材料から構成された可撓性を有するものであり、左右寸法が上下寸法よりも大きい短冊状を成している。これら左側シート32aは、左側取付棒状体31aに対して右側に突出するよう左端部分が取り付けられている。またこれら左側シート32aは、上下方向に沿って並設されている。ところで、左側シート32aにおける左右寸法であるが、閉塞位置に配置された左側扉23Lの左端部分を覆うことが可能な大きさである。
【0038】
右側のスリットカーテン部材30bは、右側取付棒状体31bと、複数の右側シート32bとを備えて構成されている。
【0039】
右側取付棒状体31bは、図5において上下方向に沿って延在する長尺状部材であり、その上下方向の延在長さは、上レール部材21と下レール部材22との相互間の長さよりも大きいものである。この右側取付棒状体31bは、例えば磁力等によりケース本体10の右側の側面部10dにおける前端面に取り付けられるものである。
【0040】
右側シート32bは、例えば透光性材料から構成された可撓性を有するものであり、左右寸法が上下寸法よりも大きい短冊状を成している。これら右側シート32bは、右側取付棒状体31bに対して左側に突出するよう右端部分が取り付けられている。またこれら右側シート32bは、上下方向に沿って並設されている。ところで、右側シート32bにおける左右寸法であるが、閉塞位置に配置された右側扉23Rの右端部分を覆うことが可能な大きさである。
【0041】
このようにスリットカーテン部材30は、可撓性を有し、かつ複数の前面扉23が閉塞位置に配置される場合に、該前面扉23とケース本体10の側面部10dとの隙間Sを閉塞するものである。
【0042】
以上のような構成を有するショーケース1においては、前面扉23が閉塞位置に配置される場合、スリットカーテン部材30が前面扉23とケース本体10の側面部10dとの隙間Sを閉塞し、これにより、ケース本体10の前面開口10aが閉塞される。
【0043】
そして、圧縮機が駆動するとともに送風ファン14が駆動することにより、吸込口13aを通じて通風路13の下側ダクト131に吸い込まれた空気が、該下側ダクト131を通過した後に、背面側ダクト132を通過する。背面側ダクト132を通過した空気が、蒸発器15で冷却し、上側ダクト133を経由して吹出口13bから吹き出される。
【0044】
この吹出口13bから吹き出させた空気が、商品載置棚12の前方域を通過してから吸込口13aより通風路13に吸い込まれることにより、該空気を収納室11と通風路13とで循環させることができる。
【0045】
これにより、収納室11における前面には、蒸発器15で冷却された空気によるエアカーテンを形成することができ、収納室11の内部雰囲気を冷却することができ、これにより、商品載置棚12に載置された商品を所望の温度状態に冷却することができる。
【0046】
そのようなショーケース1においては、利用者により前面扉23の一方(左側扉23L又は右側扉23R)が閉塞位置から開放位置にスライドさせられることにより、前面開口10aの一部が開放され、商品載置棚12に載置された商品を取り出されることを許容する。
【0047】
そして、ショーケース1においては、店舗の従業員等の作業者により、右側の任意の商品載置棚12に対して商品の補充作業が行われる場合、図6に示したように、右側扉23Rが閉塞位置から開放位置まで左方に向けてスライドさせられてから任意の棚板12aが前方にスライドさせられ、当該棚板12aに対して商品の補充作業が行われることを許容する。
【0048】
この場合において、右側扉23Rは、右側の複数段の商品載置棚12の前方域から左側に離脱する開放位置に配置されているので、前方にスライドさせられる棚板12aと干渉するおそれがない。しかも、右側のスリットカーテン部材30bを構成する右側シート32bは可撓性を有しているので、図6に示したように、棚板12aに押圧されて変形し、棚板12aのスライドを阻害するおそれがない。
【0049】
上記ショーケース1においては、店舗の従業員等の作業者により、左側の任意の商品載置棚12に対して商品の補充作業が行われる場合、左側扉23Lが閉塞位置から開放位置までスライドさせられてから任意の棚板12aが前方にスライドさせられ、当該棚板12aに対して商品の補充作業が行われることを許容する。
【0050】
この場合において、左側扉23Lは、左側の複数段の商品載置棚12の前方域から右側に離脱する開放位置に配置されているので、前方にスライドさせられる棚板12aと干渉するおそれがない。しかも、左側のスリットカーテン部材30aを構成する左側シート32aは可撓性を有しているので、棚板12aに押圧されて変形し、棚板12aのスライドを阻害するおそれがない。
【0051】
以上説明したように、本発明の実施の形態であるショーケース1によれば、左右方向に沿って延在する上レール部材21が前面開口10aの上縁部に配設され、左右方向に沿って延在する下レール部材22が前面開口10aの下縁部に配設され、商品載置棚12の左右幅寸法よりも小さい左右幅寸法を有する複数の前面扉23が、上レール部材21と下レール部材22との相互間において、任意の複数段の商品載置棚12の前方域に配置される閉塞位置と当該複数段の商品載置棚12の前方域から離脱する開放位置との間で左右方向に沿ってスライド可能に設けられ、スリットカーテン部材30が、可撓性を有し、かつ複数の前面扉23が閉塞位置に配置される場合に、該前面扉23とケース本体10の側面部10dとの隙間Sを閉塞するので、ケース本体10の左右寸法を拡大させたり商品載置棚12の左右寸法を縮小させたりすることなく、棚板12aをスライドさせることができる。しかも、複数の前面扉23が閉塞位置に配置される場合には、前面開口10aを閉塞することができ、外気侵入や冷気漏洩等を抑制し、消費電力の低減化を図ることができる。従って、装置自体の大型化や商品収納数の低減化を抑制しながら、消費電力の低減化を図ることができる。
【0052】
上記ショーケース1によれば、前面扉23が透光性材料から構成された面材を有しているとともに、スリットカーテン部材30を構成するシート(左側シート32a及び右側シート32b)が透光性材料から構成されているので、前面開口10aを閉塞する状態であっても、該棚板12aに載置された商品を外部より視認させることができる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0054】
上述した実施の形態では、スリットカーテン部材30がケース本体10の側面部10dに取り付けられていたが、本発明においては、閉塞部材(スリットカーテン部材)が前面扉の先端部分(左側の前面扉であれば左端部分、右側の前面扉であれば右端部分)に取り付けられていてもよい。
【0055】
上述した実施の形態では、スリットカーテン部材30が閉塞部材の一例として説明したが、本発明においては、閉塞部材は、複数のシートを有している必要はなく、1枚のシート状部材を備えて構成されていてもよい。
【0056】
上述した実施の形態では、前面扉23が左右2枚の断熱扉により構成されていたが、本発明においては、3枚以上の断熱扉により構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…ショーケース、10…ケース本体、10a…前面開口、10b…天面部、10c…底面部、10d…側面部、11…収納室、12…商品載置棚、12a…棚板、13…通風路、13a…吸込口、13b…吹出口、14…送風ファン、15…蒸発器、20…扉体ユニット、21…上レール部材、21a,21b…上レール部、22…下レール部材、22a,22b…下レール部、23…前面扉、30…スリットカーテン部材(閉塞部材)、30a…左側のスリットカーテン部材、30b…右側のスリットカーテン部材、31a…左側取付棒状体、31b…右側取付棒状体、32a…左側シート、32b…右側シート、S…隙間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6