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▶ 小松 大助の特許一覧

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  • 特開-播種機と播種方法 図1
  • 特開-播種機と播種方法 図2
  • 特開-播種機と播種方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178750
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】播種機と播種方法
(51)【国際特許分類】
   A01C 7/04 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
A01C7/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097126
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】723006639
【氏名又は名称】小松 大助
(72)【発明者】
【氏名】小松 大助
【テーマコード(参考)】
2B054
【Fターム(参考)】
2B054AA15
2B054AA17
2B054BA01
2B054BB01
2B054CA06
2B054DD12
2B054DD22
(57)【要約】
【課題】複雑・高コストな装置を使わずとも、シンプルかつ低コストな播種機で、特定の並びに播種する際に係る工数の削減を可能にする。
【解決手段】
気流を発生させる吸引装置(5)、その気流で負圧を保つための負圧室(3)、ならびにその負圧を利用して種子を吸着するための孔(1)を有する多孔板(2)で構成する播種機の吸引装置を作動させ、負圧室内を負圧状態にし、負圧室から孔を経て伝達する気流の力で、あらかじめバラ撒いておいたトレー内の種子を多孔板の孔に吸着。目標とする播き床へ播種機を移動させ、吸引装置を停止、種子を多孔板の孔から離脱・落下させることにより、特定の並びに播種を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流を発生させる吸引装置、その気流で負圧を保つための負圧室、ならびにその負圧を利用して種子を吸着するための孔を有する多孔板で構成することを特徴とする播種機。
【請求項2】
種子を吸着するための孔が、播き床と作物の特性に合わせ特定の並びに配置され、種子の最小径より小さく形成されていることを特徴とする請求項1の播種機。
【請求項3】
請求項1に記載の播種機の吸引装置を作動させて負圧室内を負圧状態にし、負圧室から孔を経て伝達する気流の力で、あらかじめバラ撒いておいたトレー内の種子を多孔板の孔に吸着・保持し、目標とする播き床へ播種機を移動させ、吸引装置を停止、種子を多孔板の孔から離脱・落下させることにより、特定の並びに播種を行うことを特徴とする播種方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物の種子を特定の並びに播種する際に係る工数を削減するのに効果的な、シンプルかつ低コストな播種機およびこの播種機を用いた播種方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の播種機として、以下特許文献(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)の播種機が公知である。
特許文献1、特許文献2、特許文献3では、当該特許文献内の図に示す通り、等間隔に設けられた吸着孔を持つ回転体とその他部品で構成されており、複雑・高コストになることが容易に想像できる。
特許文献4については、吸引装置の作動・停止により、種子を板に吸着・落下させる点では本発明と同じであるが、当該特許文献内の図に示す通り、本発明とは異なり、ガイド板を介して種子を位置決め・落下させるため、種子形状・大きさのバラツキ、ガイド板との摩擦の影響により、安定的に特定の並びに播種することは難しく、本発明に比べ、条件が限定されると考えられる。
その他、シンプルな種蒔き具では、特許文献5に関する商品(特許6859171)が公知であるが、使用者の手ぶれ、力加減などに左右されやすい上に大量播種には適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-172320公報
【特許文献2】特開2008-131905公報
【特許文献3】実全昭54-155813公報
【特許文献4】特開平05-161407公報
【特許文献5】特開2018-174853公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複雑・高コストな装置を使わずとも、シンプルかつ低コストな播種機で、特定の並びに播種する際に係る工数の削減を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図1に示すように、吸引装置(5)を作動させて負圧室(3)内を負圧状態にし、播種機を種子(7)に近づけた際、孔(1)を経て、負圧による気流の力が種子に伝達し、種子が、多孔板に引付けられて、吸着・保持されるよう、吸引装置と負圧室、負圧室と多孔板が、密に連結される形で構成する。
【0006】
図2に示すように、孔(1)は、吸引装置(5)の作動中、種子(7)が孔内部に吸い込まれることなく、多孔板(2)に吸着・保持されるよう、種子の最小径より小さくする。
好ましくは、孔は、極力小さく、種子を一粒吸着するのに必要十分な大きさとする。
また、孔が多孔板の面より先に種子に接触するよう、下に突き出た形に形成するのが好ましい。
例:うるち米の種籾の場合、種子の形状が楕円形で、長軸方向の両端が細く尖ったようになっているため、複数の種子が吸着しやすい。そのため、孔の大きさは、直径0.5mm程度が好ましい。
【0007】
孔(1)は、播き床ならびに作物の特性に合わせて特定の並びに配置する。
例:図2に示すように、うるち米の種籾を、育苗のため乾田苗代に播種する場合、等間隔(15mm~30mmの範囲)で1粒ずつ。野菜の種を、育苗のため連結ポットに播種する場合、連結ポット毎に、1~5粒ずつ。(図3では例として3粒)
【0008】
孔(1)ならびにその外周は、吸引装置(5)の停止時に、種子(7)が抵抗なく離脱するように、なめらかな仕上げとする。
【0009】
孔(1)は、吸引装置(5)の能力で、全ての孔に種子(7)が吸着できる数に設定する。
【0010】
好ましくは、播種機本体は、土などで汚れにくく、かつ種子(7)が多孔板(2)に吸着しているか確認しやすいように、透明な部材で構成される。
【0011】
本発明に係る播種方法は、前記の播種機の吸引装置(5)を作動させて負圧室(3)内を負圧状態にし、負圧室から孔(1)を経て伝達する気流の力で、あらかじめバラ撒いておいたトレー(6)内の種子(7)を多孔板(2)の孔に吸着。目標とする播き床へ播種機を移動させ、吸引装置を停止、種子を多孔板の孔から離脱・落下させることにより、特定の並びに播種を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、手軽に(省力・低コストで)、作物の種子を特定の並びに播種可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る播種機の斜視図である。
図2図1における、A-A線断面図である。(例:うるち米の種籾1粒ずつの場合)
図3図1における、A-A線断面図である。(例:野菜の種3粒ずつの場合)
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明に係る播種機の実施例を示す。孔・多孔板・負圧室・吸引装置で構成する。
【産業上の利用可能性】
【0015】
例えば、苗代・苗床への播種、連結ポットへの播種、圃場への直播に利用される。
【符号の説明】
【0016】
1 孔
2 多孔板
3 負圧室
4 吸引装置接続部
5 吸引装置
6 トレー
7 種子
図1
図2
図3