(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178761
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】蓄電モジュール製造装置、及び、蓄電モジュール製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20241218BHJP
H01G 11/10 20130101ALI20241218BHJP
H01G 13/00 20130101ALI20241218BHJP
H01G 11/84 20130101ALI20241218BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01G11/10
H01G13/00 381
H01G11/84
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097147
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】衣川 達哉
(72)【発明者】
【氏名】河端 栄克
(72)【発明者】
【氏名】平松 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】森 健晴
【テーマコード(参考)】
5E078
5E082
5H028
【Fターム(参考)】
5E078AA14
5E078AB02
5E078LA07
5E082AB09
5H028AA05
5H028BB11
5H028BB19
5H028CC01
5H028CC08
5H028CC19
(57)【要約】
【課題】積層時におけるワークの位置ズレを抑制可能な蓄電モジュール製造装置、及び、蓄電モジュール製造方法を提供する。
【解決手段】蓄電モジュール製造装置100は、搬送対象である第3電極ユニット62を検出するセンサC4と、積層対象である第3電極ユニット62を検出するセンサC5と、調整機構G5と、を備える。センサC4は、ハンド部H4に保持された第3電極ユニット62を検出し、センサC5は、ステージT5に載置された第3電極ユニット62を検出する。調整機構G5は、センサC4による検出結果とセンサC5による検出結果とに基づいてステージT5を移動させることにより、第3電極ユニット62の相対位置を調整する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電モジュールの構成部品である第1ワークが載置された第1装置と、
前記蓄電モジュールの構成部品である第2ワークが載置された第2装置と、
前記第1装置に載置された前記第1ワークを前記第2装置へ搬送し、第1方向に沿って前記第1ワークを前記第2装置に載置された前記第2ワークに積層する搬送装置と、
前記第1ワークを検出する第1センサと、
前記第2ワークを検出する第2センサと、
前記第2装置において前記第1ワークに対する前記第2ワークの位置を調整する調整機構と、
を備え、
前記搬送装置は、
前記第1装置において前記第1ワークをピックアップして保持するハンド部と、
前記第1ワークを保持した状態の前記ハンド部を、前記第2装置のステージに載置された前記第2ワーク上の所定位置に移動させることで、前記第1ワークを前記所定位置に搬送する移動部と、
を含み、
前記第1センサは、前記ハンド部に保持された前記第1ワークの当該ハンド部に対する位置を検出し、
前記第2センサは、前記ステージに載置された前記第2ワークの当該ステージに対する位置を検出し、
前記調整機構は、前記第2装置に設けられており、前記第1センサによる前記第1ワークの検出結果と前記第2センサによる前記第2ワークの検出結果とに基づいて前記ステージを移動させることにより、前記所定位置において前記ハンド部に保持された前記第1ワークに対する前記第2ワークの位置を調整する、
蓄電モジュール製造装置。
【請求項2】
前記第2ワークは、前記第1方向からみて、矩形状であって、互いに交差する方向に延びる第1エッジ及び第2エッジを含み、
前記第2センサは、少なくとも前記第1エッジ内の1点、及び、前記第2エッジ内の互いに離間した2点を検出することで、前記第2ワークの前記ステージに対する位置を検出し、
前記調整機構は、前記第1方向に交差する面内の互いに交差する2方向に前記ステージを移動させると共に、前記第1方向に交差する前記面内において前記ステージを回転させることにより、前記第1ワークに対する前記第2ワークの位置を調整する、
請求項1に記載の蓄電モジュール製造装置。
【請求項3】
前記第1ワークは、前記第1方向からみて、矩形状であって、互いに交差する方向に延びる第3エッジ及び第4エッジを含み、
前記第1センサは、少なくとも前記第3エッジ内の1点、及び、前記第4エッジ内の互いに離間した2点を検出することで、前記第1ワークの前記ハンド部に対する位置を検出する、
請求項2に記載の蓄電モジュール製造装置。
【請求項4】
前記ハンド部には、前記第1方向に沿って当該ハンド部を貫通する第1貫通部が設けられており、
前記第1センサは、前記ハンド部に保持された前記第1ワークの前記第3エッジ内の前記1点、及び、前記第2エッジ内の互いに離間した前記2点を、前記第1貫通部を介して検出することで、前記第1ワークの前記ハンド部に対する位置を検出する、
請求項3に記載の蓄電モジュール製造装置。
【請求項5】
前記ステージには、前記第1方向に当該ステージを貫通する第2貫通部が設けられており、
前記第2センサは、前記ステージに載置された前記第2ワークの前記第1エッジ内の前記1点、及び前記第2エッジ内の互いに離間した前記2点を、前記第2貫通部を介して検出することで、前記第2ワークの前記ステージに対する位置を検出する、
請求項2に記載の蓄電モジュール製造装置。
【請求項6】
前記ハンド部における前記第1センサに対向する面において、前記第1方向からみて前記第1ワークのエッジの外側から内側にわたる少なくとも一部の領域は、前記第1ワークの前記エッジと異なる色に着色されており、
前記ステージにおける前記第2センサに対向する面において、前記第1方向からみて前記第2ワークのエッジの外側から内側にわたる少なくとも一部の領域は、前記第2ワークの前記エッジと異なる色に着色されている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電モジュール製造装置。
【請求項7】
第1装置に配置された蓄電モジュールの構成部品である第1ワークを、第2ワークが載置された第2装置へ搬送し、第1方向に沿って前記第1ワークを前記第2ワークに積層する搬送工程を備え、
前記搬送工程は、
前記第1装置においてハンド部により前記第1ワークをピックアップして保持する第1工程と、
前記第1工程の後に、前記第1工程で保持された前記第1ワークの前記ハンド部に対する位置を検出する第2工程と、
前記第2工程の後に、前記ハンド部を、前記第2装置のステージに載置された前記第2ワーク上の所定位置に移動させることで、前記第1ワークを前記所定位置に搬送する第3工程と、
前記ステージに載置された前記第2ワークの当該ステージに対する位置を検出する第4工程と、
前記第3工程及び第4工程の後に、前記第2工程での前記第1ワークの検出結果と前記第4工程での前記第2ワークの検出結果とに基づいて前記ステージを移動させることにより、前記第1ワークに対する前記第2ワークの位置を調整する第5工程と、
を含む、
蓄電モジュール製造方法。
【請求項8】
前記第2ワークは、前記第1方向からみて、互いに交差する方向に延びる第1エッジ及び第2エッジを含み、
前記第4工程では、少なくとも前記第1エッジ内の1点、及び、前記第2エッジ内の互いに離間した2点を同時に検出することで、前記第2ワークの前記ステージに対する位置を検出し、
前記第5工程では、前記第1方向に交差する面内の互いに交差する2方向に前記ステージを移動させると共に、前記第1方向に交差する前記面内において前記ステージを回転させることにより、前記第1ワークに対する前記第2ワークの位置を調整する、
請求項7に記載の蓄電モジュール製造方法。
【請求項9】
前記第1ワークは、前記第1方向からみて、互いに交差する方向に延びる第3エッジ及び第4エッジを含み、
前記第2工程では、少なくとも前記第3エッジ内の1点、及び、前記第4エッジ内の互いに離間した2点を同時に検出することで、前記第1ワークの前記ハンド部に対する位置を検出する、
請求項7に記載の蓄電モジュール製造方法。
【請求項10】
前記第2工程と前記第4工程とが同時に実施される、
請求項7~9のいずれか一項に記載の蓄電モジュール製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電モジュール製造装置、及び、蓄電モジュール製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、正極と負極とをセパレータで挟んで積層することで構造体を形成する電極積層装置が記載されている。この電極積層装置は、構造体の構成部品である正極、負極、及びセパレータといったワークを長手方向に搬送するコンベアと、各ワークを1枚ずつ積層部に移送し、積層を行うハンド装置と、を備えている。また、電極積層装置は、各ワークが移送される位置よりも長手方向上流側の位置で、各ワークを撮像する撮像カメラと、撮像により取得した画像データに基づいて、ハンド装置の駆動を制御する制御装置と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、ハンド装置によるワークの移送中に、ハンド装置によってワークを正しい向きに直すことで、積層部におけるワークの積層を正確に行い得るとされている。しかしながら、ワークが大型化した場合、搬送するワークの重量も重くなるため、搬送に伴うハンド装置への負荷が大きくなり、ハンド装置の位置調整の精度が安定しないおそれがある。
【0005】
本開示は、積層時におけるワークの位置ズレを抑制可能な蓄電モジュール製造装置、及び、蓄電モジュール製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る蓄電モジュール製造装置は、蓄電モジュールの構成部品である第1ワークが載置された第1装置と、蓄電モジュールの構成部品である第2ワークが載置された第2装置と、第1装置に載置された第1ワークを第2装置へ搬送し、第1方向に沿って第1ワークを第2装置に載置された第2ワークに積層する搬送装置と、第1ワークを検出する第1センサと、第2ワークを検出する第2センサと、第2装置において第1ワークに対する第2ワークの位置を調整する調整機構と、を備え、搬送装置は、第1装置において第1ワークをピックアップして保持するハンド部と、第1ワークを保持した状態のハンド部を、第2装置のステージに載置された第2ワーク上の所定位置に移動させることで、第1ワークを所定位置に搬送する移動部と、を含み、第1センサは、ハンド部に保持された第1ワークの当該ハンド部に対する位置を検出し、第2センサは、ステージに載置された第2ワークの当該ステージに対する位置を検出し、調整機構は、第2装置に設けられており、第1センサによる第1ワークの検出結果と第2センサによる第2ワークの検出結果とに基づいてステージを移動させることにより、所定位置においてハンド部に保持された第1ワークに対する第2ワークの位置を調整する、蓄電モジュール製造装置。
【0007】
この装置では、第1ワークの搬送元である第1装置において、ハンド部にピックアップされて保持された状態の第1ワークの当該ハンド部に対する位置が第1センサにより検出される。また、第1ワークの搬送先である第2装置において、当該第2装置のステージに載置された第2ワークの当該ステージに対する位置が第2センサにより検出される。そして、これらの第1センサ及び第2センサの検出結果に基づいてステージを移動させることにより、第1ワークに対する第2ワークの相対位置が調整される。よって、積層時におけるワークの位置ズレが抑制される。また、一般に、ハンド部等によって吊り下げられたワークを搬送する搬送装置において、ワークの重量が増加すると、搬送装置側の位置調整の精度が低下する。これに対して、この装置によれば、ステージの移動によって第1ワークに対する第2ワークの位置の調整を行うため、搬送装置の可搬重量の増加に伴う位置調整の精度の低下の影響を受けることなく、積層時におけるワークの位置ズレを確実に抑制可能である。
【0008】
本開示に係る蓄電モジュール製造装置では、第2ワークは、第1方向からみて、矩形状であって、互いに交差する方向に延びる第1エッジ及び第2エッジを含み、第2センサは、少なくとも第1エッジ内の1点、及び、第2エッジ内の互いに離間した2点を検出することで、第2ワークのステージに対する位置を検出し、調整機構は、第1方向に交差する面内の互いに交差する2方向にステージを移動させると共に、第1方向に交差する面内においてステージを回転させることにより、第1ワークに対する第2ワークの位置を調整してもよい。
【0009】
本開示に係る蓄電モジュール製造装置では、第1ワークは、第1方向からみて、矩形状であって、互いに交差する方向に延びる第3エッジ及び第4エッジを含み、第1センサは、少なくとも第3エッジ内の1点、及び、第4エッジ内の互いに離間した2点を検出することで、第1ワークのハンド部に対する位置を検出してもよい。
【0010】
本開示に係る蓄電モジュール製造装置では、ハンド部には、第1方向に沿って当該ハンド部を貫通する第1貫通部が設けられており、第1センサは、ハンド部に保持された第1ワークの第3エッジ内の1点、及び、第2エッジ内の互いに離間した2点を、第1貫通部を介して検出することで、第1ワークのハンド部に対する位置を検出してもよい。
【0011】
本開示に係る蓄電モジュール製造装置では、ステージには、第1方向に当該ステージを貫通する第2貫通部が設けられており、第2センサは、ステージに載置された第2ワークの第1エッジ内の1点、及び第2エッジ内の互いに離間した2点を、第2貫通部を介して検出することで、第2ワークのステージに対する位置を検出してもよい。
【0012】
本開示に係る蓄電モジュール製造装置では、ハンド部における第1センサに対向する面において、第1方向からみて第1ワークのエッジの外側から内側にわたる少なくとも一部の領域は、第1ワークのエッジと異なる色に着色されており、ステージにおける第2センサに対向する面において、第1方向からみて第2ワークのエッジの外側から内側にわたる少なくとも一部の領域は、第2ワークのエッジと異なる色に着色されていてもよい。
【0013】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法は、第1装置に配置された蓄電モジュールの構成部品である第1ワークを、第2ワークが載置された第2装置へ搬送し、第1方向に沿って第1ワークを第2ワークに積層する搬送工程を備え、搬送工程は、第1装置においてハンド部により第1ワークをピックアップして保持する第1工程と、第1工程の後に、第1工程で保持された第1ワークのハンド部に対する位置を検出する第2工程と、第2工程の後に、ハンド部を、第2装置のステージに載置された第2ワーク上の所定位置に移動させることで、第1ワークを所定位置に搬送する第3工程と、ステージに載置された第2ワークの当該ステージに対する位置を検出する第4工程と、第3工程及び第4工程の後に、第2工程での第1ワークの検出結果と第4工程での第2ワークの検出結果とに基づいてステージを移動させることにより、第1ワークに対する第2ワークの位置を調整する第5工程と、を含む。
【0014】
この方法では、第1ワークの搬送元である第1装置において、ハンド部にピックアップされて保持された状態の第1ワークの当該ハンド部に対する位置が検出される。また、第1ワークの搬送先である第2装置において、当該第2装置のステージに載置された第2ワークの当該ステージに対する位置が検出される。そして、これらの検出結果に基づいてステージを移動させることにより、第1ワークに対する第2ワークの位置が調整される。よって、積層時における第1ワークの位置ズレが抑制される。また、この方法では、ステージの移動によって第1ワークに対する第2ワークの位置の調整を行うため、ワークの重量の増加に伴う搬送装置側の位置調整の精度の低下の影響を受けることなく、積層時における第1ワークの位置ズレを確実に抑制可能である。
【0015】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法では、第2ワークは、第1方向からみて、互いに交差する方向に延びる第1エッジ及び第2エッジを含み、第4工程では、少なくとも第1エッジ内の1点、及び、第2エッジ内の互いに離間した2点を同時に検出することで、第2ワークのステージに対する位置を検出し、第5工程では、第1方向に交差する面内の互いに交差する2方向にステージを移動させると共に、第1方向に交差する面内においてステージを回転させることにより、第1ワークに対する第2ワークの位置を調整してもよい。
【0016】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法では、第1ワークは、第1方向からみて、互いに交差する方向に延びる第3エッジ及び第4エッジを含み、第2工程では、少なくとも第3エッジ内の1点、及び、第4エッジ内の互いに離間した2点を同時に検出することで、第1ワークのハンド部に対する位置を検出してもよい。
【0017】
本開示に係る蓄電モジュール製造方法では、第2工程と第4工程とが同時に実施されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、積層時におけるワークの位置ズレを抑制可能な蓄電モジュール製造装置、及び、蓄電モジュール製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る蓄電モジュールを示す模式的な断面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る蓄電モジュール製造装置の概略平面図である。
【
図3】
図3は、蓄電モジュール製造方法の概略を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図3に示されたセパレータを設置する工程の詳細を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図4に示された一部の工程を示す模式的な側面図である。
【
図6】
図6は、ハンド部に保持されたセパレータ、及びステージに載置された電極ユニットを示す模式図である。
【
図7】
図7は、
図4に示された一部の工程を示す模式的な側面図である。
【
図8】
図8は、
図3に示されたスペーサを設置する工程の詳細を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、
図8に示された一部の工程を示す模式的な側面図である。
【
図10】
図10は、ハンド部に保持されたスペーサ、及びステージに載置された電極ユニットを示す模式図である。
【
図12】
図12は、
図3に示された電極ユニットを積層する工程の詳細を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、ハンド部に保持された電極ユニット、及びステージに載置された電極ユニットを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して蓄電モジュール製造装置、及び蓄電モジュール製造方法の一実施形態について説明を行う。なお、各図の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る蓄電モジュールを示す模式的な断面図である。
図1に示される蓄電モジュール1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリに用いられ得る。蓄電モジュール1は、例えばニッケル水素二次電池又はリチウムイオン二次電池等の二次電池である。蓄電モジュール1は、電気二重層キャパシタであってもよいし、全固体電池であってもよい。本実施形態では、蓄電モジュール1がリチウムイオン二次電池である場合を例示する。
【0022】
図1に示されるように、蓄電モジュール1は、積層体10と封止体20とを備える。積層体10は、複数の第1電極ユニット12と、1つの負極終端電極ユニット13と、1つの正極終端電極ユニット14と、複数のセパレータ51と、を備えている。積層体10は、全体として例えば直方体形状を呈している。積層体10は、第1電極ユニット12、負極終端電極ユニット13、及び正極終端電極ユニット14をスペーサ52及びセパレータ51を介在させつつZ軸方向に沿って積層することにより構成されている。
【0023】
第1電極ユニット12は、バイポーラ電極21と、封止部材22と、を有している。複数の第1電極ユニット12は、一の第1電極ユニット12の正極活物質層24と、別の第1電極ユニット12の負極活物質層25とが対向するように、Z軸方向に沿って積層されている。すなわち、Z軸方向は、積層体10における第1電極ユニット12の積層方向である。また、X軸方向及びY軸方向は、当該積層方向に交差(直交)する面内の互いに交差(直交)する2方向である。各バイポーラ電極21は、集電体23と、正極活物質層24と、負極活物質層25と、を有している。
【0024】
集電体23は、例えばシート状を呈しており、例えばZ軸方向から見て例えば矩形状を呈している。集電体23は、Z軸方向の一方を向く一方面23aと、Z軸方向の他方を向く他方面23bと、を有している。集電体23は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、正極活物質層24及び負極活物質層25に電流を流し続けるための化学的に不活性な電気伝導体であるとよい。集電体23の材料は、例えば、金属材料、導電性樹脂材料又は導電性無機材料等を含む。導電性樹脂材料としては、例えば、導電性高分子材料又は非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂等が挙げられる。集電体23は、複数の層を備えていてもよい。この場合、集電体23の各層は、上記の金属材料又は導電性樹脂材料を含んでいてもよい。
【0025】
集電体23の表面には、被覆層が形成されていてもよい。当該被覆層は、例えばメッキ処理又はスプレーコート等の公知の方法によって形成されていてもよい。集電体23は、例えば、板状、箔状(例えば金属箔)、フィルム状又はメッシュ状等を呈していてもよい。金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、チタン箔又はステンレス鋼箔等が挙げられる。ステンレス鋼箔としては、例えば、JIS G 4305:2015にて規定されるSUS304、SUS316又はSUS301等が挙げられる。集電体23としてステンレス鋼箔などの金属箔を用いる場合、集電体23の機械的強度を確保することができる。集電体23は、上記の金属の合金箔又は複数枚の上記の金属箔を一体化させたものであってもよい。集電体23が箔状を呈している場合、集電体23の厚さは、例えば、1μm~100μmであってもよい。
【0026】
正極活物質層24は、集電体23の一方面23aに設けられている。正極活物質層24は、Z軸方向から見て例えば矩形状を呈している。本実施形態では、正極活物質層24は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出し得る正極活物質を含んでいる。正極活物質としては、例えば、層状岩塩構造(stratified rock salt type structure)を有するリチウム複合金属酸化物、スピネル構造を有する金属酸化物、ポリアニオン系化合物等が挙げられる。正極活物質は、リチウムイオン二次電池に使用可能なものであればよい。正極活物質層24は、複数の正極活物質を含んでいてもよい。本実施形態では、正極活物質層24は、複合酸化物としてのオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)を含んでいる。
【0027】
負極活物質層25は、集電体23の他方面23bに設けられている。負極活物質層25は、Z軸方向から見て例えば矩形状を呈している。負極活物質層25は、Z軸方向から見て正極活物質層24よりも一回り大きい。つまり、Z軸方向から見た平面視において、正極活物質層24の形成領域の全体が負極活物質層25の形成領域内に位置している。各バイポーラ電極21は、正極活物質層24と負極活物質層25とが互いに対向するようにZ軸方向に沿って積層されている。
【0028】
負極活物質層25は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出し得る負極活物質を含んでいる。負極活物質は、単体、合金又は化合物のいずれであってもよい。負極活物質としては、例えば、Li、炭素、金属化合物等が挙げられる。負極活物質は、リチウムと合金化可能な元素もしくはその化合物等であってもよい。炭素としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン(難黒鉛化性炭素)又はソフトカーボン(易黒鉛化性炭素)等が挙げられる。人造黒鉛としては、例えば、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ等が挙げられる。リチウムと合金化可能な元素としては、ケイ素又はスズ等が挙げられる。本実施形態では、負極活物質層25は、炭素系材料としての黒鉛を含んでいる。
【0029】
第1電極ユニット12の封止部材22は、バイポーラ電極21における集電体23の周縁部において、集電体23の一方面23a及び他方面23bに接合されている。なお、封止部材22は、集電体23の一方面23a及び他方面23bの少なくとも一方に接合されていればよい。封止部材22は、集電体23の厚さ方向から見て活物質層を囲う矩形枠状を呈している。Z軸方向から見て、封止部材22の外縁は、集電体23の外縁よりも外側に位置しており、封止部材22の内縁は、集電体23の外縁よりも内側に位置している。
【0030】
負極終端電極ユニット13は、負極終端電極31と、封止部材22と、を有している。負極終端電極31は、集電体23と、負極活物質層25と、を有している。負極終端電極31は、正極活物質層24を有していない。つまり、負極終端電極31の集電体23の一方面23aには、活物質層が設けられていない。負極終端電極31の集電体23の一方面23aは、封止部材22から露出している。負極終端電極ユニット13は、積層体10のZ軸方向の一端に配置されている。負極終端電極ユニット13は、その負極活物質層25が、第1電極ユニット12の正極活物質層24に対向するように第1電極ユニット12に積層されている。
【0031】
負極終端電極ユニット13の封止部材22は、負極終端電極31における集電体23の周縁部において、集電体23の一方面23a及び他方面23bに接合されている。なお、封止部材22は、集電体23の一方面23a及び他方面23bの少なくとも一方に接合されていればよい。負極終端電極ユニット13の封止部材22は、集電体23の厚さ方向から見て活物質層を囲う矩形枠状を呈している。負極終端電極ユニット13においても、Z軸方向からみたとき、封止部材22の外縁が集電体23の外縁よりも外側に位置しており、封止部材22の内縁が集電体23の外縁よりも内側に位置している。
【0032】
正極終端電極ユニット14は、正極終端電極41と、封止部材22と、を有している。正極終端電極41は、集電体23と、正極活物質層24と、を有している。正極終端電極41は、負極活物質層25を有していない。つまり、正極終端電極41の集電体23の他方面23bには、活物質層が設けられていない。正極終端電極41の集電体23の他方面23bは、封止部材22から露出している。正極終端電極ユニット14は、積層体10のZ軸方向の他端に配置されている。正極終端電極ユニット14は、その正極活物質層24が、第1電極ユニット12の負極活物質層25に対向するように第1電極ユニット12に積層されている。
【0033】
正極終端電極ユニット14の封止部材22は、正極終端電極41における集電体23の周縁部において、集電体23の一方面23a及び他方面23bに接合されている。なお、封止部材22は、集電体23の一方面23a及び他方面23bの少なくとも一方に接合されていればよい。正極終端電極ユニット14の封止部材22は、集電体23の厚さ方向から見て活物質層を囲う矩形枠状を呈している。正極終端電極ユニット14においても、Z軸方向からみたとき、封止部材22の外縁が集電体23の外縁よりも外側に位置しており、封止部材22の内縁が集電体23の外縁よりも内側に位置している。
【0034】
正極活物質層24及び負極活物質層25のそれぞれ(以下、単に「活物質層」ともいう)は、必要に応じて電気伝導性を高めるための導電助剤、結着剤、電解質(ポリマーマトリクス、イオン伝導性ポリマー、電解液等)、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)等をさらに含み得る。導電助剤は、各バイポーラ電極21、負極終端電極31、正極終端電極41の導電性を高めるために添加される。導電助剤は、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック又はグラファイト等である。
【0035】
活物質層に含まれる成分又は当該成分の配合比及び活物質層の厚さは特に限定されず、リチウムイオン二次電池についての従来公知の知見が適宜参照され得る。活物質層の厚さは、例えば2~150μmである。活物質層は、ロールコート法等の公知の方法によって集電体23の表面に形成されていてもよい。集電体23の表面(片面又は両面)又は活物質層の表面には、各バイポーラ電極21、負極終端電極31、正極終端電極41の熱安定性を向上させるために、耐熱層が設けられていてもよい。耐熱層は、例えば、無機粒子と結着剤とを含み、その他に増粘剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0036】
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、アクリル酸又はメタクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン-アクリル酸グラフト重合体等が挙げられる。これらの結着剤は、単独で又は複数で用いられ得る。溶媒には、例えば、水、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等が用いられる。
【0037】
セパレータ51は、隣り合うバイポーラ電極21の間、負極終端電極31とバイポーラ電極21の間、及び、正極終端電極41とバイポーラ電極21との間に配置されている。セパレータ51の縁部は、隣り合う封止部材22の一方と、スペーサ52との間に配置されている。セパレータ51は、正極活物質層24と負極活物質層25との間に介在している。セパレータ51は、正極活物質層24と負極活物質層25とを隔離することで、隣り合う電極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオン等の電荷担体を通過させる。
【0038】
セパレータ51は、例えば、電解質を吸収保持するポリマーを含む多孔性シート又は不織布であってもよい。セパレータ51の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリエステル等が挙げられる。セパレータ51は、単層構造又は多層構造を有していてもよい。多層構造は、例えば、接着層又は耐熱層としてのセラミック層等を有していてもよい。セパレータ51には、電解質が含浸されていてもよい。セパレータ51は、高分子電解質又は無機型電解質等の電解質によって構成されていてもよい。セパレータ51に含浸される電解質としては、例えば、非水溶媒と非水溶媒に溶解された電解質塩とを含む液体電解質(電解液)、又はポリマーマトリクス中に保持された電解質を含む高分子ゲル電解質等が挙げられる。
【0039】
セパレータ51に電解液が含浸される場合、その電解質塩としては、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(FSO2)2、LiN(CF3SO2)2等の公知のリチウム塩が用いられていてもよい。また、非水溶媒としては、環状カーボネート類、環状エステル類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、エーテル類等の公知の溶媒が用いられていてもよい。なお、二種以上のこれらの公知の溶媒材料が組合せて用いられていてもよい。
【0040】
スペーサ52は、集電体23の厚さ方向(Z軸方向)から見て活物質層を囲う矩形枠状を呈している。スペーサ52は、隣り合う封止部材22の間に配置されている。封止部材22及びスペーサ52の外縁は、Z軸方向から見て互いに略一致している。スペーサ52の内縁は、Z軸方向から見て封止部材22の内縁よりも外側に位置している。
【0041】
蓄電モジュール1の製造過程において、積層体10を形成する工程の後に、封止部材22及びスペーサ52が一体化されて封止体20が形成される。一例として封止部材22及びスペーサ52のうち、Z軸方向からみて集電体23の外縁よりも外側に位置する封止部材22及びスペーサ52の外縁が溶融される。すなわち、封止部材22及びスペーサ52の外縁が互いに溶着されることで一体化される。封止部材22、スペーサ52、及び封止体20は、バイポーラ電極21、負極終端電極31、正極終端電極41間の短絡を防止すると共に、収容空間S内に配置された電解質を封止している。よって、封止部材22及びスペーサ52は、絶縁材料を含んでいる。封止部材22及びスペーサ52の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂等の樹脂、並びにこれらの樹脂を変性させた樹脂等、種々の樹脂材料が挙げられる。
【0042】
図1の例では、封止部材22と封止部材22に隣り合うスペーサ52との間、及び、封止部材22及びスペーサ52の収容空間Sと反対側の端面と封止体20との間には、実線により境界が図示されている。しかしながら、上記説明したとおり、封止部材22及びスペーサ52は、少なくとも部分的に互いに溶着されている。また、封止体20は、封止部材22及びスペーサ52の外縁同士が溶着されて形成されている。したがって、実際には、封止部材22、スペーサ52、及び封止体20の境界は、少なくとも部分的に図示のように明確に確認されない箇所もあり得る。
【0043】
上述したように、本実施形態に係る蓄電モジュール1は、各種車両のバッテリに用いられ得る。したがって、蓄電モジュール1の各構成部品(第1電極ユニット12、負極終端電極ユニット13、正極終端電極ユニット14、セパレータ51、及びスペーサ52)は、大型のものが用いられ得る。各構成部品におけるX軸方向の長さは、一例として1m以上であり、且つ、各構成部品におけるY軸方向の長さは、一例として1m以上である。
【0044】
なお、第1電極ユニット12と、当該第1電極ユニット12の正極活物質層24上に配置された1つのセパレータ51とは、第2電極ユニット61を構成している。また、第2電極ユニット61と、当該第2電極ユニット61のセパレータ51を第1電極ユニット12との間で挟持する1つのスペーサ52とは、第3電極ユニット62を構成している。後述する蓄電モジュール1の製造時には、この第3電極ユニット62(及び負極終端電極ユニット13、正極終端電極ユニット14)をZ軸方向に積層することにより、積層体10を構成する。
【0045】
引き続いて、以上のように構成される蓄電モジュール1を製造するための蓄電モジュール製造装置、及び蓄電モジュール製造方法の一例について説明する。
[蓄電モジュール製造装置の概略]
【0046】
まず、本実施形態に係る蓄電モジュール製造装置の概略について説明する。
図2は、本実施形態に係る蓄電モジュール製造装置の概略平面図であるなお、以降の図面においては、理解の容易化のため、搬送及び積層に係るワークに、便宜的にハッチングを付している。
図2に示されるように、蓄電モジュール製造装置100は、セパレータ製造装置D1、セパレータ溶着装置D2、スペーサ製造装置D3、スペーサ溶着装置D4、及び、積層装置D5を備えている。また、蓄電モジュール製造装置100は、搬送装置R12,R24,R34,R45を備えている。
【0047】
セパレータ製造装置D1とセパレータ溶着装置D2は、Z軸方向に交差(直交)する面内の一方向であるY軸方向に沿って配列されている。セパレータ溶着装置D2、スペーサ溶着装置D4、及び積層装置D5は、Z軸方向に交差する面内の別の一方向であってY軸方向に交差(直交)するX軸方向に沿って配列されている。スペーサ製造装置D3及びスペーサ溶着装置D4は、Y軸方向に沿って配列されている。なお、一例として、Z軸方向は鉛直方向であり、Y軸方向及びX軸方向は水平方向である。
【0048】
セパレータ製造装置D1は、所定の母材をカットすることにより、セパレータ51を製造する。セパレータ溶着装置D2は、外部より第1電極ユニット12の搬入を受ける。搬送装置R12は、アーム部M1(移動部)の先端に設置されたハンド部H1によってセパレータ51を保持し、セパレータ51をセパレータ溶着装置D2に搬送して第1電極ユニット12に積層する。セパレータ溶着装置D2は、セパレータ51を第1電極ユニット12(封止部材22)に仮溶着することにより、セパレータ51と第1電極ユニット12とをアッシー化して第2電極ユニット61を形成する。
【0049】
このように、セパレータ51は、蓄電モジュール製造装置100における搬送対象の第1ワークW1であり、第1電極ユニット12は第1ワークW1の積層対象の第2ワークW2である。また、セパレータ製造装置D1は、第1ワークW1の搬送元の第1装置AP1であり、セパレータ溶着装置D2は、第1ワークW1の搬送先の第2装置AP2である。
【0050】
搬送装置R24は、アーム部M2(移動部)の先端に設置されたハンド部H2によって第2電極ユニット61を保持し、第2電極ユニット61をスペーサ溶着装置D4に搬送してスペーサ溶着装置D4に配置する。スペーサ製造装置D3は、所定の母材から枠状のスペーサ52を製造する。搬送装置R34は、アーム部M3(移動部)の先端に設置されたハンド部H3によってスペーサ52を保持し、スペーサ52をスペーサ溶着装置D4に搬送して第2電極ユニット61に積層する。スペーサ溶着装置D4は、スペーサ52を第2電極ユニット61(封止部材22)に仮溶着することにより、スペーサ52と第2電極ユニット61とをアッシー化して第3電極ユニット62を形成する。
【0051】
このように、スペーサ52は、蓄電モジュール製造装置100における搬送対象の第1ワークW3であり、第2電極ユニット61は、スペーサ52の積層対象である第2ワークW4である。また、スペーサ製造装置D3は、第1ワークW3の搬送元の第1装置AP3であり、スペーサ溶着装置D4は、第1ワークW3の搬送先の第2装置AP4aである。
【0052】
搬送装置R45は、アーム部M4(移動部)の先端に設置されたハンド部H4によって第3電極ユニット62を保持し、第3電極ユニット62を積層装置D5に搬送して積層装置D5に予め載置された部材に積層する。積層装置D5には、後述するパレット70や、パレット70に積層された正極終端電極ユニット14(又は負極終端電極ユニット13(以下同様))、或いは、パレット70及び正極終端電極ユニット14上にさらに積層された別の第3電極ユニット62が配置されている。
【0053】
積層装置D5では、パレット70、正極終端電極ユニット14、及び複数の第3電極ユニット62の積層が行われる。さらに、積層装置D5では、全ての第3電極ユニット62の積層が完了した後に、最上層の第3電極ユニット62に対して、さらに負極終端電極ユニット13(又は正極終端電極ユニット14)の積層が行われる。積層装置D5では、以上の積層が完了した後に、構成された積層体がパレット70ごと外部に搬出される。
【0054】
このように、第3電極ユニット62は、蓄電モジュール製造装置100における搬送対象の第1ワークW5aである。また、第3電極ユニット62は、さらに別の第3電極ユニット62の積層対象である第2ワークW5bでもあり得る。また、スペーサ溶着装置D4は、第3電極ユニット62の搬送元の第1装置AP4bでもあり、積層装置D5は、第3電極ユニット62の搬送先の第2装置AP5である。
[電モジュール製造方法の概略]
【0055】
引き続いて、本実施形態に係る蓄電モジュール製造方法の概略について説明する。
図3は、蓄電モジュール製造方法の概略を示すフローチャートである。
図3に示されるように、本実施形態に係る蓄電モジュール製造方法では、まず、バイポーラ電極21に封止部材22を設けることにより、第1電極ユニット12を用意する(工程S1)。なお、負極終端電極ユニット13及び正極終端電極ユニット14は既に用意され、それらのうちの一方が積層装置D5に配置されているものとする。用意された第1電極ユニット12は、セパレータ溶着装置D2に搬入される。
【0056】
続いて、セパレータ製造装置D1において製造されたセパレータ51を、セパレータ溶着装置D2に搬送して第1電極ユニット12に積層し、第1電極ユニット12(封止部材22)に仮溶着して設置する(工程S2)。これにより、セパレータ51と第1電極ユニット12とがアッシー化されて第2電極ユニット61が構成される。構成された第2電極ユニット61は、スペーサ溶着装置D4に搬送される。
【0057】
続いて、スペーサ製造装置D3において製造されたスペーサ52を、スペーサ溶着装置D4に搬送して第2電極ユニット61に積層し、第2電極ユニット61(封止部材22)に仮溶着により設置する(工程S3)。これにより、スペーサ52と第2電極ユニット61とがアッシー化されて第3電極ユニット62が構成される。
【0058】
続いて、スペーサ溶着装置D4において構成された第3電極ユニット62を、積層装置D5に搬送し、積層装置D5に既に積層されている積層対象に積層する(工程S4)。既定の層数だけ積層装置D5での積層が完了すると、積層装置D5において構成された積層体をパレット70ごと搬出する(工程S5)。
[蓄電モジュール製造装置及び蓄電モジュール製造方法の詳細]
【0059】
引き続いて、以上の蓄電モジュール製造装置100及び蓄電モジュール製造方法の詳細について説明する。
[セパレータアッシー工程]
【0060】
図4は、
図3に示されたセパレータを設置する工程の詳細を示すフローチャートである。
図5は、
図4に示された一部の工程を示す模式的な側面図である。
図4,5に示されるように、まず、セパレータ溶着装置D2に第1電極ユニット12(第2ワークW2)が搬入される(工程S21)。セパレータ溶着装置D2は、ステージT2と、ステージT2を移動可能に支持する調整機構G2と、ステージT2の上面T2sに臨むように配置されたセンサC2(第2センサ)と、を含む。センサC2は、例えばカメラや赤外線センサを含む。セパレータ溶着装置D2に搬入された第1電極ユニット12は、ステージT2の上面T2sに載置される。
【0061】
調整機構G2は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに沿ってステージT2を移動させると共に、Z軸方向(第1方向)に交差する面内においてステージT2を回転させる。これにより、調整機構G2は、ステージT2に載置された第1電極ユニット12の位置を、Z軸方向に交差する面内において任意に調整することができる。なお、調整機構G2は、Z軸方向に沿ってステージT2を移動可能に構成されていてもよい。
【0062】
続いて、セパレータ製造装置D1が、所定の母材のカットによりセパレータ51を用意する(工程S22)。セパレータ製造装置D1は、ステージT1と、ステージT1と反対側に臨む、すなわち、ハンド部H1のステージT1に臨む面に臨むセンサC1(第1センサ)と、を備える。用意されたセパレータ51は、ステージT1に載置される。センサC1は、例えばカメラや赤外線センサを含む。
【0063】
続いて、搬送装置R12が、セパレータ製造装置D1に配置されたセパレータ51(第1ワークW1)を、セパレータ51の積層対象の第2ワークW2である第1電極ユニット12が配置されたセパレータ溶着装置D2へ搬送する。より具体的には、まず、搬送装置R12が、アーム部M1の駆動によりハンド部H1を移動させ、セパレータ製造装置D1においてハンド部H1によりセパレータ51をピックアップして保持する(工程S23、搬送工程、第1工程)。ハンド部H1は、表面H1sの全体にわたって無数の小穴(例えばφ1mm)が形成された多孔質状とされており、当該小穴を用いてセパレータ51を吸着保持する。よって、セパレータ製造装置D1においてハンド部H1によりセパレータ51を吸着して保持している。
【0064】
続いて、センサC1が、セパレータ製造装置D1において、ハンド部H1により保持されたセパレータ51の当該ハンド部H1に対する位置を検出する(工程S24、搬送工程、第2工程)。
図6の(a)に示されるように、セパレータ51は、セパレータ51と第1電極ユニット12との積層方向(Z軸方向、第1方向)からみて、互いに交差する方向に延びるエッジ51a(第3エッジ)及びエッジ51b(第4エッジ)を含む。より具体的には、セパレータ51は長方形状を呈しており、その長辺の1つに対応するエッジ51aと、短辺の1つに対応するエッジ51bとを含む。そして、センサC1は、少なくともエッジ51a内の1点の領域A1、及び、エッジ51b内の互いに離間した2点の領域A1を検出することにより、セパレータ51のハンド部H1に対する位置を検出する。
【0065】
なお、ハンド部H1は、Z軸方向からみてセパレータ51よりも大きく構成されている。したがって、ハンド部H1がセパレータ51を保持した状態において、セパレータ51のエッジがハンド部H1のエッジよりも内側に位置させられる。ハンド部H1の表面H1sは、センサC1に対向する面であって、セパレータ51を保持したときにセパレータ51のエッジに重なる領域、すなわち、セパレータ51のエッジの外側から内側にわたる領域H1pがセパレータ51のエッジと異なる色(例えば黒色等の暗い色)に着色されている。このため、エッジ51aの1点の領域A1、及び、エッジ51bの2点の領域A1の検出の際に、セパレータ51とハンド部H1の表面H1sとのコントラストが確保される。
【0066】
続いて、センサC2が、セパレータ溶着装置D2において、ステージT2に載置された第1電極ユニット12の当該ステージT2に対する位置を検出する(工程S25、搬送工程、第4工程)。
図6の(b)に示されるように、第1電極ユニット12は、Z軸方向からみて、互いに交差する方向に延びるエッジ12a及びエッジ12bを含む。より具体的には、第1電極ユニット12は長方形状を呈しており、その長辺の1つに対応するエッジ12a(第1エッジ)と、短辺の1つに対応するエッジ12b(第2エッジ)とを含む。そして、センサC2は、少なくともエッジ12a内の1点の領域A2、及び、エッジ12b内の互いに離間した2点の領域A2を検出することにより、第1電極ユニット12の当該ステージT2に対する位置を検出する。
【0067】
なお、ステージT2は、Z軸方向からみて第1電極ユニット12よりも大きく構成されている。したがって、第1電極ユニット12がステージT2に載置された状態において、第1電極ユニット12のエッジがステージT2のエッジよりも内側に位置させられる。ステージT2の上面T2sは、センサC2に対向する面であって、第1電極ユニット12が載置されたときに第1電極ユニット12のエッジに重なる領域、すなわち、第1電極ユニット12のエッジの外側から内側にわたる領域T2pが第1電極ユニット12のエッジと異なる色(例えば黒色等の暗い色)に着色されている。このため、エッジ12aの1点の領域A2、及び、エッジ12bの2点の領域A2の検出の際に、第1電極ユニット12とステージT2の上面T2sとのコントラストが確保される。
【0068】
なお、工程S25は、工程S21の後に実施されればよく、工程S22~S24よりも前に実施されてもよい。一例として、工程S25は、工程S24と同時に実施されてもよい。また、一例として、工程S24では、1又は複数のセンサC1を用いて、3つの領域A1を同時に検出してもよく、工程S25では、1又は複数のセンサC2を用いて、3つの領域A2を同時に検出してもよい。
【0069】
続いて、
図5及び
図7に示されるように、搬送装置R12のアーム部M1が、セパレータ51を保持した状態のハンド部H1をセパレータ製造装置D1からセパレータ溶着装置D2に向けて移動させることにより、ハンド部H1(セパレータ51)をセパレータ製造装置D1からセパレータ溶着装置D2のステージT2に載置された第1電極ユニット12上の所定位置に搬送する(工程S26、搬送工程、第3工程)。なお、一例として、アーム部M1は、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向のそれぞれに沿った平行移動と、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向のそれぞれに沿った回転軸の周りの回転とによって、ハンド部H1を任意の姿勢及び場所となるように3次元的に移動させることが可能とされてもよい。
【0070】
続いて、調整機構G2が、センサC1によるセパレータ51の検出結果と、センサC2による第1電極ユニット12の検出結果と、に基づいてステージT2を移動させることにより、セパレータ51に対する第1電極ユニット12の位置を調整する(工程S27、搬送工程、第5工程)。具体的には、調整機構G2は、センサC1によるセパレータ51の検出結果に基づいて、Z軸方向に交差する面内におけるセパレータ51の搬送完了位置(ハンド部H1が停止したときのセパレータ51の位置)を計算し、ステージT2に載置された第1電極ユニット12のZ軸方向に交差する面内の位置が当該搬送完了位置となるように、ステージT2を移動させて第1電極ユニット12の位置を調整することができる。
【0071】
また、調整機構G2は、Z軸方向に交差する面内の互いに交差する2方向(例えばX軸方向及びY軸方向)にステージT2を移動させると共に、Z軸方向に交差する面内においてステージT2を回転させることにより、第1電極ユニット12の位置を調整することができる。
【0072】
続いて、搬送装置R12のアーム部M1がハンド部H1をステージT2側に移動させることにより、セパレータ51を第1電極ユニット12に積層する(工程S28、搬送工程)。その後、ハンド部H1によるセパレータ51の保持を解除し(例えば吸着を解除し)、セパレータ51を第1電極ユニット12側に残存させつつハンド部H1を退避させる。
【0073】
そして、セパレータ51を第1電極ユニット12に仮溶着する(工程S29)。このとき、セパレータ51における第1電極ユニット12の封止部材22と重なる領域において点溶着を行うことができる。以上により、セパレータ51と第1電極ユニット12とがアッシー化されて第2電極ユニット61が構成される。
[スペーサアッシー工程]
【0074】
図8は、
図3に示されたスペーサを設置する工程の詳細を示すフローチャートである。
図9は、
図8に示された一部の工程を示す模式的な側面図である。
図8,9に示されるように、まず、スペーサ溶着装置D4に第2電極ユニット61(第2ワークW4)が搬入される(工程S31)。スペーサ溶着装置D4は、ステージT4と、ステージT4を移動可能に支持する調整機構G4と、ステージT4の上面T4sに臨むように配置されたセンサC4(第2センサ)と、を含む。センサC4は、例えばカメラや赤外線センサを含む。スペーサ溶着装置D4に搬入された第2電極ユニット61は、ステージT4の上面T4sに載置される。
【0075】
調整機構G4は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに沿ってステージT4を移動させると共に、Z軸方向に交差する面内においてステージT4を回転させる。これにより、調整機構G4は、ステージT4に載置された第2電極ユニット61の位置を、Z軸方向に交差する面内において任意に調整することができる。なお、調整機構G4は、Z軸方向に沿ってステージT4を移動可能に構成されていてもよい。
【0076】
続いて、スペーサ製造装置D3が、所定の母材から枠状のスペーサ52を用意する(工程S32)。スペーサ製造装置D3は、ステージT3と、ステージT3に臨むセンサC3(第1センサ)と、を備える。用意されたスペーサ52は、ステージT3に載置される。センサC3は、例えばカメラや赤外線センサを含む。
【0077】
続いて、搬送装置R34が、スペーサ製造装置D3に配置されたスペーサ52(第1ワークW3)を、スペーサ52の積層対象の第2ワークW4である第2電極ユニット61が配置されたスペーサ溶着装置D4へ搬送する。より具体的には、まず、搬送装置R34が、アーム部M3の駆動によりハンド部H3を移動させ、スペーサ製造装置D3においてハンド部H3によりスペーサ52をピックアップして保持する(工程S33、搬送工程、第1工程)。ハンド部H3は、スペーサ52と略同一形状の枠状のフレームと当該フレームの複数の位置に設けられた吸着パッドとを含み、当該吸着パッドを用いてスペーサ52を吸着保持する。
【0078】
続いて、センサC3が、スペーサ製造装置D3において、ハンド部H3により保持されたスペーサ52の当該ハンド部H3に対する位置を検出する(工程S34、搬送工程、第2工程)。
図10の(a)に示されるように、スペーサ52は、スペーサ52と第2電極ユニット61との積層方向(Z軸方向、第1方向)からみて、互いに交差する方向に延びるエッジ52a(第3エッジ)及びエッジ52b(第4エッジ)を含む。より具体的には、スペーサ52は長方形枠状を呈しており、その外縁の長辺の1つに対応するエッジ51aと、その外縁の短辺の1つに対応するエッジ51bとを含む。そして、センサC3は、少なくともエッジ52a内の1点の領域A3、及び、エッジ52b内の互いに離間した2点の領域A3を検出することにより、スペーサ52のハンド部H3に対する位置を検出する。
【0079】
なお、ハンド部H3は、Z軸方向からみてスペーサ52よりも大きく構成されている。したがって、ハンド部H3がスペーサ52を保持した状態において、Z軸方向からみてスペーサ52のエッジがハンド部H3のエッジよりも内側に位置させられる。さらに、ハンド部H3には、Z軸方向にハンド部H3を貫通する複数の貫通部H3p(第1貫通部)が形成されている。それぞれの貫通部H3pには、スペーサ52のエッジ52a,52bが露出させられている。そして、センサC3は、ハンド部H3のステージT3と反対側に位置しており、ハンド部H3に保持されたスペーサ52を、貫通部H3pを介して検出する。
【0080】
続いて、センサC4が、スペーサ溶着装置D4において、ステージT4に載置された第2電極ユニット61の当該ステージT4に対する位置を検出する(工程S35、搬送工程、第4工程)。
図10の(b)に示されるように、第2電極ユニット61は、Z軸方向からみて、互いに交差する方向に延びるエッジ61a及びエッジ61bを含む。より具体的には、第2電極ユニット61は長方形状を呈しており、その長辺の1つに対応するエッジ61a(第1エッジ)と、短辺の1つに対応するエッジ61b(第2エッジ)とを含む。そして、センサC4は、少なくともエッジ61aの1点の領域A4、及び、エッジ61bの2点の領域A4を検出することにより、第2電極ユニット61のステージT4に対する位置を検出する。
【0081】
なお、ステージT4は、Z軸方向からみて第2電極ユニット61よりも大きく構成されている。したがって、第2電極ユニット61がステージT4に載置された状態において、第2電極ユニット61のエッジがステージT4のエッジよりも内側に位置させられる。ステージT4の上面T4sは、センサC4に対向する面であって、第2電極ユニット61が載置されたときに第2電極ユニット61のエッジに重なる領域、すなわち、第2電極ユニット61のエッジの外側から内側にわたる領域T4pが第2電極ユニット61のエッジと異なる色(例えば黒色等の暗い色)に着色されている。このため、エッジ61aの1点の領域A4、及び、エッジ61bの2点の領域A4の検出の際に、第2電極ユニット61とステージT4の上面T4sとのコントラストが確保される。
【0082】
なお、工程S35は、工程S31の後に実施されればよく、工程S32~S34よりも前に実施されてもよい。一例として、工程S35は、工程S34と同時に実施されてもよい。また、一例として、工程S34では、1又は複数のセンサC3を用いて、3つの領域A3を同時に検出してもよく、工程S35では、1又は複数のセンサC4を用いて、3つの領域A4を同時に検出してもよい。
【0083】
続いて、
図8及び
図11に示されるように、搬送装置R34のアーム部M3が、スペーサ52を保持した状態のハンド部H3をスペーサ製造装置D3からスペーサ溶着装置D4に向けて移動させることにより、ハンド部H3(スペーサ52)をスペーサ製造装置D3からスペーサ溶着装置D4のステージT4に載置された第2電極ユニット61上の所定位置に搬送する(工程S36、搬送工程、第3工程)。なお、一例として、アーム部M3は、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向のそれぞれに沿った平行移動と、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向のそれぞれに沿った回転軸の周りの回転とによって、ハンド部H3を任意の姿勢及び場所となるように3次元的に移動させることが可能とされてもよい。
【0084】
続いて、調整機構G4が、センサC3によるスペーサ52の検出結果と、センサC4による第2電極ユニット61の検出結果と、に基づいてステージT4を移動させることにより、スペーサ52に対する第2電極ユニット61の位置を調整する(工程S37、搬送工程、第5工程)。具体的には、調整機構G4は、センサC3によるスペーサ52の検出結果に基づいて、Z軸方向に交差する面内におけるスペーサ52の搬送完了位置(ハンド部H3が停止したときのスペーサ52の位置)を計算し、ステージT4に載置された第2電極ユニット61のZ軸方向に交差する面内の位置が当該搬送完了位置となるように、ステージT4を移動させて第2電極ユニット61の位置を調整することができる。
【0085】
また、調整機構G4は、Z軸方向に交差する面内の互いに交差する2方向(例えばX軸方向及びY軸方向)にステージT4を移動させると共に、Z軸方向に交差する面内においてステージT4を回転させることにより、第2電極ユニット61の位置を調整することができる。
【0086】
続いて、搬送装置R34のアーム部M3がハンド部H3をステージT4側に移動させることにより、スペーサ52を第2電極ユニット61に積層する(工程S38、搬送工程)。その後、ハンド部H3によるスペーサ52の保持を解除し(例えば吸着を解除し)、スペーサ52を第2電極ユニット61側に残存させつつハンド部H3を退避させる。
【0087】
そして、スペーサ52を第2電極ユニット61に仮溶着する(工程S39)。このとき、スペーサ52における第2電極ユニット61の封止部材22と重なる領域(さらには、セパレータ51に重ならない領域)において点溶着を行うことができる。以上により、スペーサ52と第2電極ユニット61とがアッシー化されて第3電極ユニット62が構成される。
[積層工程]
【0088】
図12は、
図3に示された電極ユニットを積層する工程の詳細を示すフローチャートである。
図13は、
図12に示された一部の工程を示す模式的な側面図である。
図12,13に示されるように、スペーサ溶着装置D4のステージT4には、先の工程S39において作製された第3電極ユニット62(第1ワークW5a)が載置されている。スペーサ溶着装置D4は、上述したようにセンサC4(第1センサ)を含む。
【0089】
ここで、搬送装置R45が、スペーサ溶着装置D4に配置された第3電極ユニット62を、第3電極ユニット62の積層対象の第2ワークW5bである別の第3電極ユニット62が配置された積層装置D5へ搬送する。より具体的には、まず、搬送装置R45が、アーム部M4の駆動によりハンド部H4を移動させ、スペーサ溶着装置D4においてハンド部H4により第3電極ユニット62をピックアップして保持する(工程S41、搬送工程、第1工程)。ハンド部H4は、矩形板状のフレームと当該フレームに設けられた吸着パッドとを有しており、当該吸着パッドを用いて第3電極ユニット62を吸着保持する。
【0090】
続いて、センサC4が、スペーサ溶着装置D4において、ハンド部H4により保持された第3電極ユニット62の当該ハンド部H4に対する位置を検出する(工程S42、搬送工程、第2工程)。
図14の(a)に示されるように、第3電極ユニット62は、第3電極ユニット62と別の第3電極ユニット62との積層方向(Z軸方向)からみて、互いに交差する方向に延びるエッジ62a及びエッジ62bを含む。より具体的には、第3電極ユニット62は長方形状を呈しており、その長辺の1つに対応するエッジ62a(第3エッジ)と、短辺の1つに対応するエッジ62b(第4エッジ)とを含む。そして、センサC4は、少なくともエッジ62a内の1点の領域A4、及び、エッジ62b内の互いに離間した2点の領域A4を検出することにより、第3電極ユニット62のハンド部H4に対する位置を検出する。
【0091】
なお、ステージT4は、Z軸方向からみて第3電極ユニット62よりも大きく構成されている。したがって、Z軸方向からみたとき、ハンド部H4が第3電極ユニット62を保持した状態において、第3電極ユニット62のエッジがステージT4のエッジよりも内側に位置させられる。ステージT4の上面T4sは、センサC4に対向する面であって、第3電極ユニット62がハンド部H4に保持されたときに第3電極ユニット62のエッジに重なる領域、すなわち、第3電極ユニット62のエッジの外側から内側にわたる領域T4pが第3電極ユニット62のエッジと異なる色(例えば黒色等の暗い色)に着色されている。このため、エッジ62aの1点の領域A4、及び、エッジ62bの2点の領域A4の検出の際に、第3電極ユニット62とステージT4の上面T4sとのコントラストが確保される。
【0092】
続いて、センサC5(第2センサ)が、積層装置D5において、ステージT5に載置された第3電極ユニット62(第2ワークW5b)の当該ステージT5に対する位置を検出する(工程S43、搬送工程、第4工程)。なお、ここでは、積層装置D5のステージT5に対して、予め、パレット70、正極終端電極ユニット14(不図示)、及び別の第3電極ユニット62(第2ワーク5b)が積層されているものとする。
【0093】
図14の(b)に示されるように、第3電極ユニット62は、Z軸方向からみて、互いに交差する方向に延びるエッジ62a及びエッジ62bを含む。より具体的には、第3電極ユニット62は長方形状を呈しており、その長辺の1つに対応するエッジ62a(第1エッジ)と、短辺の1つに対応するエッジ62b(第2エッジ)とを含む。そして、センサC5は、少なくともエッジ62a内の1点の領域A5、及び、エッジ62b内の互いに離間した2点の領域A5を検出することにより、第3電極ユニット62のステージT5に対する位置を検出する。
【0094】
なお、ステージT5及びパレット70は、Z軸方向からみて第3電極ユニット62よりも大きく構成されている。したがって、第3電極ユニット62がステージT5及びパレット70に載置された状態において、第3電極ユニット62のエッジがステージT5及びパレット70のエッジよりも内側に位置させられる。さらに、ステージT5には、Z軸方向にステージT5を貫通する複数の貫通部T5p(第2貫通部)が形成されており、パレット70には、Z軸方向にパレット70を貫通する複数の貫通部70pが貫通部T5pと重なる位置に形成されている。それぞれの貫通部T5p,70pには、第3電極ユニット62のエッジ62a,62bが露出させられている。そして、センサC5は、ステージT5の第3電極ユニット62と反対側に位置しており、ステージT5及びパレット70に載置された第3電極ユニット62を、貫通部T5p,70pを介して検出する。
【0095】
なお、工程S43は、工程S41,S42よりも前に実施されてもよい。一例として、工程S43は、工程S42と同時に実施されてもよい。また、一例として、工程S42では、1又は複数のセンサC4を用いて、3つの領域A4を同時に検出してもよく、工程S43では、1又は複数のセンサC5を用いて、3つの領域A5を同時に検出してもよい。
【0096】
続いて、
図12及び
図13に示されるように、搬送装置R45のアーム部M4が、第3電極ユニット62を保持した状態のハンド部H4をスペーサ溶着装置D4から積層装置D5に向けて移動させることにより、ハンド部H4(第3電極ユニット62)をスペーサ溶着装置D4から積層装置D5のステージT5に載置された別の第3電極ユニット62上の所定位置に搬送する(工程S44、搬送工程、第3工程)。なお、一例として、アーム部M4は、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向のそれぞれに沿った平行移動と、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向のそれぞれに沿った回転軸の周りの回転とによって、ハンド部H4を任意の姿勢及び場所となるように3次元的に移動させることが可能とされてもよい。
【0097】
続いて、調整機構G5が、センサC4による第3電極ユニット62の検出結果と、センサC5による別の第3電極ユニット62の検出結果と、に基づいてステージT5を移動させることにより、第3電極ユニット62に対する別の第3電極ユニット62の位置を調整する(工程S45、搬送工程、第5工程)。具体的には、調整機構G5は、センサC4による第3電極ユニット62の検出結果に基づいて、Z軸方向に交差する面内における第3電極ユニット62の搬送完了位置(ハンド部H4が停止したときの第3電極ユニット62の位置)を計算し、ステージT5に載置された別の第3電極ユニット62のZ軸方向に交差する面内の位置が当該搬送完了位置となるように、ステージT5を移動させて別の第3電極ユニット62の位置を調整することができる。
【0098】
また、調整機構G5は、Z軸方向に交差する面内の互いに交差する2方向(例えばX軸方向及びY軸方向)にステージT5を移動させると共に、Z軸方向に交差する面内においてステージT5を回転させることにより、第3電極ユニット62の位置を調整することができる。
【0099】
続いて、搬送装置R45のアーム部M4がハンド部H4をステージT5側に移動させることにより、第3電極ユニット62を別の第3電極ユニット62に積層する(工程S46、積層工程)。その後、ハンド部H4による第3電極ユニット62の保持を解除し(例えば吸着を解除し)、第3電極ユニット62を別の第3電極ユニット62側に残存させつつハンド部H4を退避させる。
【0100】
さらに、積層装置D5では、全ての第3電極ユニット62の積層が完了した後に、最上層の第3電極ユニット62に対して、さらに負極終端電極ユニット13の積層が行われる。積層装置D5では、以上の積層が完了した後に、構成された積層体がパレット70ごと外部に搬出される。
[作用・効果]
【0101】
以下、本実施形態に係る蓄電モジュール製造装置、及び蓄電モジュール製造方法の作用・効果について説明するが、セパレータアッシー工程、スペーサアッシー工程、及び積層工程で共通する効果については、積層工程(スペーサ溶着装置D4、及び積層装置D5)を代表として説明し、その他の効果については、各工程(及び各工程の装置)を使用して説明する。
【0102】
本実施形態に係る蓄電モジュール製造装置100及び蓄電モジュール製造方法では、第3電極ユニット62の搬送元であるスペーサ溶着装置D4において、ハンド部H4にピックアップされて保持された状態の第3電極ユニット62のハンド部H4に対する位置がセンサC4により検出される。また、第3電極ユニット62の搬送先である積層装置D5において、当該積層装置D5のステージT5に載置された別の第3電極ユニット62のステージT5に対する位置がセンサC5により検出される。そして、これらのセンサC4及びセンサC5の検出結果に基づいてステージT5を移動させることにより、第3電極ユニット62に対する別の第3電極ユニット62の位置が調整される。
【0103】
よって、積層時におけるワークの位置ズレが抑制される。なお、一般に、ハンド部等によって吊り下げてワークを搬送する搬送装置において、ワークの重量が増加すると、搬送装置側の位置調整の精度が低下する。これに対して、この蓄電モジュール製造装置100によれば、ステージT5の移動によって第3電極ユニット62の位置の調整を行うため、搬送装置の可搬重量の増加に伴う位置調整の精度の低下の影響を受けることなく、積層時におけるワークの位置ズレを確実に抑制可能である。
【0104】
また、本実施形態に係る蓄電モジュール製造装置100では、搬送対象である第3電極ユニット62、及び、その積層対象である別の第3電極ユニット62は、Z軸方向からみて、矩形枠状であって、互いに交差する方向に延びるエッジ62a及びエッジ62bを含み、センサC4,C5は、少なくともエッジ62a内の1点、及び、エッジ62b内の互いに離間した2点を検出し、調整機構G5は、Z軸方向に交差する面内の互いに交差する2方向にステージT4を移動させると共に、Z軸方向に交差する面内においてステージT5を回転させることにより、当該第3電極ユニット62の位置を調整する。このため、Z軸方向に交差する面内での平行移動、及び回転を含む位置ズレを確実に抑制可能となる。
【0105】
また、本実施形態に係る蓄電モジュール製造装置100では、スペーサ製造装置D3のハンド部H3には、Z軸方向に当該ハンド部H3を貫通する貫通部H3pが設けられており、スペーサ製造装置D3のセンサC3は、ハンド部H3に保持されたスペーサ52を、貫通部H3pを介して検出する。ここでは、ハンド部H3に保持されたスペーサ52のエッジ52a内の1点、及び、エッジ52b内の互いに離間した2点を、貫通部H3pを介して検出することで、スペーサ52のハンド部H3に対する位置を検出する。このため、スペーサ52よりも大きなハンド部H3を用いてスペーサ52の全体を保持することでスペーサ52の撓みを抑制しつつ、貫通部H3pを介してスペーサ52のエッジを検出することが可能となる。
【0106】
また、本実施形態に係る蓄電モジュール製造装置100では、ステージT5には、Z軸方向に当該ステージT5を貫通する貫通部T5pが設けられており、センサC5は、ステージT5に載置された第3電極ユニット62を、貫通部T5pを介して検出する。ここでは、センサC5は、ステージT5に載置された第3電極ユニット62のエッジ62a内の1点、及びエッジ62b内の互いに離間した2点を、貫通部T5pを介して検出することで、第3電極ユニット62のステージT5に対する位置を検出する。このため、ステージT5における第3電極ユニット62と反対側にセンサC5を設置しつつ、貫通部T5pを介して第3電極ユニット62のエッジの検出が可能となる。よって、ステージT5における第3電極ユニット62側にセンサC5を設ける必要がないので、第3電極ユニット62の積層が容易となる。なお、センサC5は、ステージT5のZ軸方向の下方に設けられており、ステージT5の下方側からステージT5の貫通部T5pを介して第3電極ユニット62を検出している。
【0107】
また、本実施形態に係る蓄電モジュール製造装置100では、セパレータ製造装置D1のハンド部H1におけるセンサC1に対向する表面H1sにおいて、Z軸方向からみてセパレータ51のエッジの外側から内側にわたる少なくとも一部の領域H1pは、セパレータ51のエッジと異なる色に着色されている。また、セパレータ溶着装置D2のステージT2におけるセンサC2に対向する上面T2sにおいて、Z軸方向からみて第1電極ユニット12のエッジの外側から内側にわたる少なくとも一部の領域T2pは、第1電極ユニット12のエッジと異なる色に着色されている。このため、セパレータ51のエッジとハンド部H1との間、及び、第1電極ユニット12のエッジとステージT2との間においてコントラストが確保される。この結果、当該エッジの検出精度が向上される。
【0108】
本実施形態に係る蓄電モジュール製造方法では、工程S42,S43では、第3電極ユニット62の少なくともエッジ62a内の1点、及び、エッジ62b内の互いに離間した2点を同時に検出してもよく、工程S42と工程43とが同時に実施されてもよい。これらの場合、蓄電モジュールの製造に係る時間を短縮することができる。
【0109】
以上の実施形態は、本発明に係る蓄電モジュール製造装置、及び、蓄電モジュール製造方法の一態様について説明したものである。したがって、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、任意に変形され得る。
【0110】
例えば、セパレータアッシー工程、スペーサアッシー工程、及び積層工程のそれぞれで使用される装置の間で、各要素を任に組み合わせ、或いは交換して適用することができる。一例として、スペーサ溶着装置D4を、セパレータ製造装置D1のように、第1ワークW5a(第3電極ユニット62)よりも大きなハンド部H4とし、ハンド部H4の表面の第3電極ユニット62のエッジに係る部分が着色されていてもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、積層工程の説明として、積層装置D5のステージT5上に予めパレット70及び正極終端電極ユニット14が載置されている状態について説明した。しかし、積層装置D5のステージT5にパレット70を積層するとき、及び、パレット70に正極終端電極ユニット14を積層するときに、それぞれのセンサでの検出結果に基づいてステージT5を移動させて相対位置を調整するようにされてもよい(すなわち、本発明が適用され得る)。
【0112】
以上の実施形態について、以下に付記する。
【0113】
[付記1]蓄電モジュールの構成部品である第1ワークが載置された第1装置と、前記蓄電モジュールの構成部品である第2ワークが載置された第2装置と、前記第1装置に載置された前記第1ワークを前記第2装置へ搬送し、第1方向に沿って前記第1ワークを前記第2装置に載置された前記第2ワークに積層する搬送装置と、前記第1ワークを検出する第1センサと、前記第2ワークを検出する第2センサと、前記第2装置において前記第1ワークに対する前記第2ワークの位置を調整する調整機構と、を備え、前記搬送装置は、前記第1装置において前記第1ワークをピックアップして保持するハンド部と、前記第1ワークを保持した状態の前記ハンド部を、前記第2装置のステージに載置された前記第2ワーク上の所定位置に移動させることで、前記第1ワークを前記所定位置に搬送する移動部と、を含み、前記第1センサは、前記ハンド部に保持された前記第1ワークの当該ハンド部に対する位置を検出し、前記第2センサは、前記ステージに載置された前記第2ワークの当該ステージに対する位置を検出し、前記調整機構は、前記第2装置に設けられており、前記第1センサによる前記第1ワークの検出結果と前記第2センサによる前記第2ワークの検出結果とに基づいて前記ステージを移動させることにより、前記所定位置において前記ハンド部に保持された前記第1ワークに対する前記第2ワークの位置を調整する、蓄電モジュール製造装置。
【0114】
[付記2]前記第2ワークは、前記第1方向からみて、矩形状であって、互いに交差する方向に延びる第1エッジ及び第2エッジを含み、前記第2センサは、少なくとも前記第1エッジ内の1点、及び、前記第2エッジ内の互いに離間した2点を検出することで、前記第2ワークの前記ステージに対する位置を検出し、前記調整機構は、前記第1方向に交差する面内の互いに交差する2方向に前記ステージを移動させると共に、前記第1方向に交差する前記面内において前記ステージを回転させることにより、前記第1ワークに対する前記第2ワークの位置を調整する、付記1に記載の蓄電モジュール製造装置。
【0115】
[付記3]前記第1ワークは、前記第1方向からみて、矩形状であって、互いに交差する方向に延びる第3エッジ及び第4エッジを含み、前記第1センサは、少なくとも前記第3エッジ内の1点、及び、前記第4エッジ内の互いに離間した2点を検出することで、前記第1ワークの前記ハンド部に対する位置を検出する、付記2に記載の蓄電モジュール製造装置。
【0116】
[付記4]前記ハンド部には、前記第1方向に沿って当該ハンド部を貫通する第1貫通部が設けられており、前記第1センサは、前記ハンド部に保持された前記第1ワークの前記第3エッジ内の前記1点、及び、前記第2エッジ内の互いに離間した前記2点を、前記第1貫通部を介して検出することで、前記第1ワークの前記ハンド部に対する位置を検出する付記3に記載の蓄電モジュール製造装置。
【0117】
[付記5]前記ステージには、前記第1方向に当該ステージを貫通する第2貫通部が設けられており、前記第2センサは、前記ステージに載置された前記第2ワークの前記第1エッジ内の前記1点、及び前記第2エッジ内の互いに離間した前記2点を、前記第2貫通部を介して検出することで、前記第2ワークの前記ステージに対する位置を検出する、付記2に記載の蓄電モジュール製造装置。
【0118】
[付記6]前記ハンド部における前記第1センサに対向する面において、前記第1方向からみて前記第1ワークのエッジの外側から内側にわたる少なくとも一部の領域は、前記第1ワークの前記エッジと異なる色に着色されており、前記ステージにおける前記第2センサに対向する面において、前記第1方向からみて前記第2ワークのエッジの外側から内側にわたる少なくとも一部の領域は、前記第2ワークの前記エッジと異なる色に着色されている、付記1~5のいずれかに記載の蓄電モジュール製造装置。
【0119】
[付記7]第1装置に配置された蓄電モジュールの構成部品である第1ワークを、第2ワークが載置された第2装置へ搬送し、第1方向に沿って前記第1ワークを前記第2ワークに積層する搬送工程を備え、前記搬送工程は、前記第1装置においてハンド部により前記第1ワークをピックアップして保持する第1工程と、前記第1工程の後に、前記第1工程で保持された前記第1ワークの前記ハンド部に対する位置を検出する第2工程と、前記第2工程の後に、前記ハンド部を、前記第2装置のステージに載置された前記第2ワーク上の所定位置に移動させることで、前記第1ワークを前記所定位置に搬送する第3工程と、前記ステージに載置された前記第2ワークの当該ステージに対する位置を検出する第4工程と、前記第3工程及び第4工程の後に、前記第2工程での前記第1ワークの検出結果と前記第4工程での前記第2ワークの検出結果とに基づいて前記ステージを移動させることにより、前記第1ワークに対する前記第2ワークの位置を調整する第5工程と、を含む、蓄電モジュール製造方法。
【0120】
[付記8]前記第2ワークは、前記第1方向からみて、互いに交差する方向に延びる第1エッジ及び第2エッジを含み、前記第4工程では、少なくとも前記第1エッジ内の1点、及び、前記第2エッジ内の互いに離間した2点を同時に検出することで、前記第2ワークの前記ステージに対する位置を検出し、前記第5工程では、前記第1方向に交差する面内の互いに交差する2方向に前記ステージを移動させると共に、前記第1方向に交差する前記面内において前記ステージを回転させることにより、前記第1ワークに対する前記第2ワークの位置を調整する、付記7に記載の蓄電モジュール製造方法。
【0121】
[付記9]前記第1ワークは、前記第1方向からみて、互いに交差する方向に延びる第3エッジ及び第4エッジを含み、前記第2工程では、少なくとも前記第3エッジ内の1点、及び、前記第4エッジ内の互いに離間した2点を同時に検出することで、前記第1ワークの前記ハンド部に対する位置を検出する、付記7又は8に記載の蓄電モジュール製造方法。
【0122】
[付記10]前記第2工程と前記第4工程とが同時に実施される、付記7~9のいずれかに記載の蓄電モジュール製造方法。
【符号の説明】
【0123】
100…蓄電モジュール製造装置、AP1,AP3,AP4b…第1装置、AP2,AP4a,AP5…第2装置、W1,W3,W5a…第1ワーク、W2,W4,W5b…第2ワーク、H1,H2,H3,H4…ハンド部、M1,M2,M3,M4…アーム部(移動部)、R12,R24,R34,R45…搬送装置、C1,C3…センサ(第1センサ)、C2,C4,C5…センサ(第2センサ)、T2,T4,T5…ステージ、G2,G4,G5…調整機構。