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  • 特開-電子写真用部材及び現像ローラ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178775
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】電子写真用部材及び現像ローラ
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20241218BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241218BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20241218BHJP
   G03G 15/02 20060101ALI20241218BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
G03G15/08 235
G03G21/00 312
G03G15/20 515
G03G15/02 103
G03G15/00 551
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097171
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 雄作
【テーマコード(参考)】
2H033
2H077
2H134
2H171
2H200
【Fターム(参考)】
2H033BB29
2H033BB30
2H077AD02
2H077AD06
2H077FA22
2H077FA26
2H134HA01
2H134HA02
2H134HA03
2H134HA05
2H134KD02
2H134KD05
2H134KD06
2H134KD07
2H134KD08
2H171FA13
2H171FA17
2H171FA19
2H171FA24
2H171FA25
2H171FA26
2H171FA27
2H171QB35
2H171QB47
2H171QC23
2H171QC25
2H171QC40
2H171TA03
2H171TA07
2H171TA17
2H171TB12
2H171UA02
2H171UA03
2H171UA04
2H171UA12
2H171XA02
2H171XA12
2H171XA14
2H171XA15
2H200LB15
2H200LB33
2H200LB35
2H200LB36
2H200LB37
2H200MA03
2H200MA04
2H200MA20
2H200MB06
2H200MC02
(57)【要約】
【課題】フィルミングが改善された電子写真用部材及び現像ローラを提供する。
【解決手段】本発明は、ハンセン溶解度パラメータの分散項δDが、17.0MPa0.5以下であり、極性項δPが、8.0MPa0.5以下であり、水素結合項δHが、7.0MPa0.5以下である電子写真用部材である。また、本発明の現像ローラは、本発明の電子写真部材を被覆層に用いたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンセン溶解度パラメータの分散項δDが、17.0MPa0.5以下であり、極性項δPが、8.0MPa0.5以下であり、水素結合項δHが、7.0MPa0.5以下である電子写真用部材。
【請求項2】
ウレタン樹脂を含む請求項1記載の電子写真用部材。
【請求項3】
軸体と、該軸体の外側に設けられる弾性層と、該弾性層の外側に設けられる被覆層とを備え、
前記被覆層のハンセン溶解度パラメータの分散項δDが、17.0MPa0.5以下であり、極性項δPが、8.0MPa0.5以下であり、水素結合項δHが、7.0MPa0.5以下である現像ローラ。
【請求項4】
前記被覆層の硬度Hが、1.5GPa以下である請求項3記載の現像ローラ。
【請求項5】
前記被覆層の複合弾性率Erが、7.0GPa以下である請求項3記載の現像ローラ。
【請求項6】
前記被覆層の荷重除荷曲線の最大荷重Pmaxが、200μN以下である請求項3記載の現像ローラ。
【請求項7】
前記被覆層が、ウレタン樹脂を含む請求項3から6のいずれか1項記載の現像ローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真用部材及び現像ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像ローラは、トナーに均一な摩擦電荷を付与し、かつ、所定量のトナーを現像領域に安定して搬送する機能を有する。近年の電子写真装置の高速化、長寿命化、高画質化への対応の過程で、トナーの性能が進化したため、現像ローラを構成する各種材料の電気的特性を調整することにより、現像ローラの現像剤搬送性を向上させることが検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1及び2には、ウレタン系樹脂皮膜の最外層にシランカップリング剤を積層コートして、耐久性に優れた柔軟性と低摩擦係数を両立し、優れた帯電特性を有する半導電性ロールが提案されている。
【0004】
現像ローラは、長期間使用された場合、その表面に現像剤が固着する(以下、「フィルミング」とも記載する。)ことがある。フィルミングは、現像剤を帯電又は付着させる際に現像ローラと圧接する被当接体との摺動ストレスによって現像剤が変形又は破壊されること、更には、ブレード等との摩擦熱による現像剤の溶融に起因して生じるものと考えられている。
また、現像剤の変形に起因して記録画像に縦スジが入る場合がある。このようなことから、フィルミングの発生が極力抑制され、耐久印字性能が安定化した現像ローラが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-318249号公報
【特許文献2】特開2003-98782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献における従来技術では、接触帯電量を制御できるという効果はあるものの、近年の高速化及び高耐久性が求められる状況下では、さらに高いレベルでフィルミングの抑制が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フィルミングを改善することができる電子写真用部材及び現像ローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ハンセン溶解度パラメータの分散項δDが、17.0MPa0.5以下であり、極性項δPが、8.0MPa0.5以下であり、水素結合項δHが、7.0MPa0.5以下である電子写真用部材である。
【0008】
本発明の電子写真用部材は、ウレタン樹脂を含むことが好ましい。
【0009】
本発明は、軸体と、軸体の外側に設けられる弾性層と、弾性層の外側に設けられる被覆層とを備え、被覆層のハンセン溶解度パラメータの分散項δDが、17.0MPa0.5以下であり、極性項δPが、8.0MPa0.5以下であり、水素結合項δHが、7.0MPa0.5以下である現像ローラである。
【0010】
被覆層の硬度Hは、1.5GPa以下であることが好ましい。
【0011】
被覆層の複合弾性率Erは、7.0GPa以下であることが好ましい。
【0012】
被覆層の荷重除荷曲線の最大荷重Pmaxは、200μN以下であることが好ましい。
【0013】
被覆層は、ウレタン樹脂を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フィルミングを改善することができる電子写真用部材及び現像ローラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の現像ローラの一実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[電子写真用部材]
本発明の電子写真用部材は、ハンセン溶解度パラメータの分散項δDが、17.0MPa0.5以下であり、極性項δPが、8.0MPa0.5以下であり、水素結合項δHが、7.0MPa0.5以下である。
【0017】
(ハンセン溶解度パラメータ)
ここで、ハンセン溶解度パラメータ(以下「HSP値」ということがある。)について説明する。
ハンセン溶解度パラメータは、下記式(I)で算出される値である。
HSP値=(δD)+(δP)+(δH) ・・・(I)
式(I)中、δD、δP、及びδHは、以下の3次元のパラメータである。
δD:分散項
δP:極性項
δH:水素結合項
【0018】
δD、δP、及びδHは、例えば、A User’s Handbook,Second Edition,C.M.Hansen(2007),Taylor and Francis Group,LLC(HSPiPマニュアル)を参照して算出することができる。具体的には、ハンセン溶解度パラメータが確定している種々の溶媒に、被覆層に対して膨潤度試験を行い、膨潤するかどうかの判定を行う。その後、測定結果を、コンピュータソフトウェアHansen Solubility Parameters in Practice(HSPiP)で計算し、分散項δD、極性項δP、及び水素結合項δHをそれぞれ算出する。
溶媒として、アセトン、アセトニトリル、1-ブタノール、n-酢酸ブチル、クロロホルム、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、DMF、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ヘキサン、メタノール、メチルエチルケトン、1-プロパノール、2-プロパノール、t-ブチルアルコール、テトラヒドロフラン、トルエン等を使用することができる。
【0019】
本発明の電子写真用部材は、後述する現像ローラ1の被覆層形成用組成物を硬化させることにより作製することができる。
【0020】
本発明の電子写真用部材は、電子写真方式の画像形成装置、例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ等の現像ローラ、加圧ローラ、クリーニングローラ等の表層(被覆層ともいう。)に用いることができる。これらのローラの表層が、本発明の電子写真用部材であることにより、フィルミングを良好に抑制することができる。
【0021】
[現像ローラ]
図1に示すように、本発明の現像ローラ1は、軸体2と、軸体2の外側に設けられる弾性層3と、弾性層3の外側に設けられる被覆層4とを備える。以下、各構成要素の詳細について説明する。
【0022】
(軸体)
軸体2は、好ましくは、導電特性を有する、従来公知の現像ローラに用いられる軸体を用いることができる。軸体2は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、及び真鍮からなる群より選択される少なくとも1種の金属で構成されていることが好ましい。なお、このような軸体2は、一般に、「芯金」の名称でも知られている。
【0023】
軸体2は、絶縁性樹脂を含むものであってもよい。絶縁性樹脂は、例えば、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。軸体2は、例えば、絶縁性樹脂からなる芯体と、この芯体上に設けられたメッキ層と、を備えるものであってよい。このような軸体2は、例えば、絶縁性樹脂からなる芯体にメッキを施して導電化することにより得ることができる。
軸体2は、良好な導電特性を得るために、芯金であることが好ましい。
【0024】
軸体2の形状は、例えば、棒状、管状等であることが好ましい。軸体2の断面形状は、例えば、円形、楕円形であってもよく、多角形等の非円形であってもよい。軸体2の外周面には、洗浄処理、脱脂処理、プライマー処理等の処理が施されていてもよい。
【0025】
軸体2の軸方向の長さは特に限定されず、設置される画像形成装置の形態に応じて適宜調整してもよい。また、軸体2の直径(外接円の直径)も特に限定されず、設置される画像形成装置の形態に応じて適宜調整すればよい。
【0026】
(弾性層)
弾性層3は、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを過不足なく供給することができるように、適切なニップ幅とニップ圧をもって感光体に押圧可能な硬度や弾性を現像ローラ1に付与するために設けられる。
弾性層3は種々のゴム材を用いることができる。ゴム材に使用するゴムとしては、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、ウレタンゴム以下が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、トナーダメージの軽減、及び押圧による圧縮応力歪みを小さくする観点から、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、これらのシロキサンの共重合体が挙げられる。
弾性層3がシリコーンゴムからなる場合は、以下に示すゴム組成物の硬化物であってもよい。
【0027】
(ゴム組成物)
ゴム組成物としては、架橋によりシリコーンゴムを構成するゴム成分を含有することが好ましい。このようなゴム成分としては、例えば、オルガノポリシロキサン等のシリコーン生ゴムが挙げられる。
【0028】
オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式で表されるオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
RnSiO(4-n)/2
[Rは、置換されていてもよい一価の炭化水素基を示す。炭化水素基の炭素数は、1以上12以下が好ましく、1以上8以下がより好ましい。複数のRは同一でも異なっていてもよい。nは1.95以上2.05以下の数を示す。]
【0029】
上記式中のRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、β-フェニルプロピル基等のアラルキル基、及びクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等、上記の基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子又はシアノ基等で置換された有機基を挙げることができる。
【0030】
オルガノポリシロキサンは、一分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンであることが好ましい。例えば、上記式中、少なくとも2個のRが上記アルケニル基を有することが好ましい。オルガノポリシロキサンは、ビニル基を有することが更に好ましい。
【0031】
オルガノポリシロキサンの具体例としては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等が挙げられる。オルガノポリシロキサンは、分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基、トリビニルシリル基等で封鎖されていることが好ましい。
【0032】
ゴム組成物は、各種の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、導電性付与剤、鎖延長剤、及び架橋剤等の助剤、付加反応触媒等の触媒、反応制御剤、分散剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤などを挙げることができる。
【0033】
ゴム組成物は、液状のゴム組成物であってよく、ミラブル型のゴム組成物であってもよい。
【0034】
弾性層形成用のゴム組成物は、各種の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、導電性付与剤、鎖延長剤、及び架橋剤等の助剤、付加反応触媒等の触媒、反応制御剤、分散剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤などを挙げることができる。
【0035】
シリコーンゴムからなる弾性層3を形成する場合、液状シリコーンゴム組成物を用いて、LIMS(Liquid Injection Molding System)方式で形成してもよく、ミラブル型シリコーンゴム組成物を用いた射出成形で形成してもよい。ミラブル型シリコーンゴム組成物を用いた場合は、弾性層の表面は研磨されることが好ましい。
【0036】
弾性層3は、中実な層が好ましく、層の内部に中空を有していないことが好ましい。本明細書において「中実」とは、層の内部に0.1mm/個以上の中空を有しないことを意味する。
【0037】
弾性層3のJIS A硬度(JIS K 6301)は、20以上55以下であることが好ましい。弾性層3のJIS A硬度が、上記範囲内であることにより、現像ローラ1と被当接体(例えば、感光体等の像担持体)との接触面積(ニップ幅)が大きくなるため、転写効率、帯電効率、及び現像効率等の性能が一層向上する傾向にある。また、被当接体に機械的ダメージを与える可能性が低減される。
【0038】
弾性層3の厚さは、被当接体との当接状態において被当接体との均一なニップ幅を確保することができる等の観点から、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることがより好ましい。
なお、本発明における「厚さ」とは、現像ローラ1の軸方向に垂直な方向の厚さを意味する。
弾性層3の外径は、特に限定されない。外径は、例えば、5mm以上20mm以下であってもよい。なお、本明細書において、「外径」とは、現像ローラ1の軸方向に垂直な断面における外径を意味する。
弾性層3の厚さ及び外径は、弾性層3を形成する際に用いるゴム組成物の量を調整する、弾性層3の形成後に弾性層3の外周面を研磨又は研削する、等の方法により調整することができる。
【0039】
弾性層3の外周面には、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、エキシマ処理、UV処理、イトロ処理、フレーム処理等の表面処理が施されていてもよい。
【0040】
(弾性層の抵抗値)
弾性層3の抵抗値は、1×10Ω以上1×10Ω以下である。弾性層3の抵抗値を当該範囲に調整することにより、特に初期段階(例えば1枚から500枚程度)における現像剤の帯電性を安定させ、印字濃度の低下を抑制することができる。弾性層3の抵抗値は、1×10Ω以上1×10Ω以下であることが好ましく、1×10Ω以上5×10Ω以下であることがより好ましい。
弾性層の抵抗値は、後述の実施例における測定方法で測定する。
【0041】
(被覆層)
被覆層4は、フィルミングの発生を防止するため、ウレタン樹脂を含むことが好ましく、下記(A)成分から(D)成分の混合物(以下、被覆層形成用組成物という。)を塗布して硬化したものとすることができる。
(A)両末端変性シリコーンオイル及び第一のイソシアネート化合物からなる組成物を重合したバインダー主剤(以下、単にバインダー主剤と記載する。)
(B)第二のイソシアネート化合物
(C)粒子径が0.2μm以上10μm以下である、シリコーンゴム粒子及び/又はアクリル粒子
(D)希釈溶剤
【0042】
なお、上記の混合物は、加熱硬化される前には液状の状態のものである。
【0043】
((A)バインダー主剤)
バインダー主剤は、両末端変性シリコーンオイル及び第一のイソシアネート化合物からなる組成物を重合させたものである。この組成物は、必要に応じて、更に、片末端ジオール変性シリコーンオイル、ポリオール、及び、四フッ化エチレン共重合体等のフッ素樹脂を含んでいてもよい。
【0044】
(両末端変性シリコーンオイル)
両末端変性シリコーンオイルは、いわゆる、反応性シリコーンオイルの1種であり、イソシアネート化合物と重合する特性を有する。よって、両末端変性シリコーンオイルは、アミノ基(1級又は2級アミノ基)、メルカプト基、又はヒドロキシル基により、シリコーン鎖の両末端が変性されていることが好ましい。これらの両末端変性シリコーンオイルは、両末端アミノ変性シリコーンオイル、両末端メルカプト変性シリコーンオイル、両末端カルボキシル変性シリコーンオイル、両末端フェノール変性シリコーンオイル、両末端カルビノール変性シリコーンオイルとして市販されている。
【0045】
ここで、本発明で用いられる好ましい両末端変性シリコーンオイルとしては、以下の一般式(1)で示される両末端変性シリコーンオイルを挙げることができる。
【0046】
【化1】
【0047】
一般式(1)において、Rは、-COCOH、又は-COCH-C(CHOH)を示し、nは、20以下の整数を表す。
【0048】
一般式(1)で示される両末端変性シリコーンオイルの中でも、特に、両末端のRが、-COCOHであり、nが約10であるシリコーンオイルを用いることが好ましい。このようなシリコーンオイルについては、市販のものを適宜入手することができる。
【0049】
なお、一般式(1)においては、ケイ素原子に結合する官能基は、メチル基となっているが、このメチル基が水素原子で置換された両末端変性シリコーンオイルであってもよい。
【0050】
被覆層4を形成するための混合物に両末端変性シリコーンオイルを含有することにより、被覆層4に適度な弾性を付与することができるとともに、被覆層4の電気的特性を調整して、被覆層4の比誘電率を低下させることができ、フィルミングの発生を有効に抑制することができる。
【0051】
(第一のイソシアネート化合物)
本発明において、バインダー主剤の調製のために使用する第一のイソシアネート化合物としては、シリコーンオイルに導入された反応性基との反応性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等のジイソシアネート、及びこれらのイソシアネートの変性体である、アダクト型、ビュレット型、イソシアヌレート型、アロファネート型等を挙げることができる。これらのイソシアネート化合物の中でも、イソシアヌレート型イソシアネート化合物とアダクト型イソシアネート化合物であることが好ましく、これらを単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
第一のイソシアネート化合物は、その分子鎖が長いほど、より高い柔軟性を有するポリウレタンを生成することができる。
【0052】
本発明において、バインダー主剤の調製のために使用する第一のイソシアネート化合物は、両末端変性シリコーンオイル100質量部に対して、7.78質量部以上23.30質量部以下であることが好ましく、11.67質量部以上19.45質量部以下であることがより好ましい。両末端変性シリコーンオイルに対する第一のイソシアネート化合物の使用量を上記の範囲内のものとすることにより、被覆層4を形成するための混合物の粘度を好適なものとして、作業性を向上させることができる。
【0053】
(ポリオール)
ポリオールとしては、アクリル系ポリオール、シリコーン系ポリオール等を用いることができる。
カーボネートポリオール、フッ素ポリオール、水添ブタジエンポリオールは、上述の第一のイソシアネート化合物や後述する第二のイソシアネート化合物と反応して、ポリウレタンを形成するものである。本発明おいて、これらのポリオールを単独で用いてもよいし、複数のポリオールを組み合わせて用いることもできる。用いるポリオールとしては、カーボネートポリオール、フッ素ポリオールを単独で用いるか、組み合わせて用いることが好ましい。
【0054】
カーボネートポリオール及び/又はフッ素ポリオールは、両末端変性シリコーンオイル100質量部に対して5質量部以上40質量部以下であることが好ましく、15質量部以上25質量部以下であることがより好ましい。これらのポリオールとしては、市販のものを使用することができる。
【0055】
((B)第二のイソシアネート化合物)
被覆層形成用組成物に用いる(B)第二のイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの調製に通常使用される各種イソシアネート化合物(例えば、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環式イソシアネート化合物)を用いることができる。芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’-MDI)、1,4-フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート等を挙げることができる。また、脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアナートメチル(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等を挙げることができる。さらに、脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、トランスシクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)、4,4’-ジシクロへキシルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0056】
本発明において、被覆層4を形成するために使用する混合液における第二のイソシアネート化合物の使用量は、第二のイソシアネート化合物の反応率が80%以上126%以下、好ましくは95%以上112%以下となるように使用されることが好ましい。
【0057】
((C)シリコーンゴム粒子、アクリル粒子)
被覆層4を形成するための混合液は、シリコーンゴム粒子及び/又はアクリル粒子を含有する。このシリコーンゴム粒子及びアクリル粒子の粒子径は、0.2μm以上10μm以下であることが好ましく、0.8μm以上5μm以下であることがより好ましい。シリコーンゴム粒子及びアクリル粒子の粒子径を上記の範囲内のものとすることにより、現像ローラ1の表面粗さが適切に維持され、現像剤搬送性が良好に保たれる一方で、解像度を高い水準に維持して、画質の悪化を防止することができる。シリコーンゴム粒子及びアクリル粒子の粒径は、現像ローラ1を切断処理した後に、顕微鏡により断面を観察することにより測定することができる。
【0058】
本発明において使用するシリコーンゴム粒子及びアクリル粒子は、100℃以上の温度でも変形又は溶融等しない耐熱性を有することが好ましく、130℃から180℃での耐熱性を有することがより好ましい。これにより、被覆層4の架橋温度においても、これらのシリコーンゴム粒子及びアクリル粒子が、変形することを防止することができる。シリコーンゴム粒子及びアクリル粒子の耐熱性は、メルトフローインデクサーにおいて、圧力と熱を与えてもシリコーンゴム粒子やアクリル粒子が溶けて流れ出すことがないことを確認することにより、評価することができる。
【0059】
シリコーンゴム粒子及びアクリル粒子は、被覆層4中に存在(埋没)していてもよく、その一部が被覆層4の表面に突出していてもよい。また、被覆層4において不均一に分散していてもよく、被覆層4の表面側に偏在していてもよい。
【0060】
シリコーンゴム粒子及びアクリル粒子のうち、シリコーンゴム粒子については、ジメチルポリシロキサン等、オルガノポリシロキサン、ポリオルガノシルセスオキサンを架橋した構造が好ましく、アクリル粒子としては、市販のアクリル粒子を使用することができる。
【0061】
なお、シリコーンゴム粒子については、有機基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;β-フェニルエチル基、β-フェニルプロピル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等の1価ハロゲン化炭化水素基;エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等の反応性基含有有機基から選択される1種又は2種以上の炭素数1以上20以下の1価の有機基から選択される基を有するオルガノポリシロキサン又はオルガノポリシルセスキオキサンから調製することが好ましく、これら、オルガノポリシロキサン又はオルガノポリシルセスキオキサンから調製される粒子を、オルガノアルコキシシランで表面処理した粒子であってもよい。このようなシリコーンゴム粒子としては、例えば、信越化学工業株式会社製の「KMP-597」や、東レ・ダウコーニング株式会社製の「EP-5500」、「EP-2600」、「EP-2601」、「E-2720」、「DY 33-430M」、「EP-2720」、「EP-9215Cosmetic Powder」、「9701Cosmetic Powder」等を使用することができる。
【0062】
シリコーンゴム粒子及び/又はアクリル粒子の使用量は、バインダー主剤100質量部に対して、15質量部以上40質量部以下であることが好ましく、20質量部以上35質量部以下であることがより好ましい。シリコーンゴム粒子及び/又はアクリル粒子の使用量を、上記使用量の範囲内のものとすることにより、現像ローラ1の表面粗さが適切に維持され、現像剤搬送性が良好に保たれる一方で、解像度を高い水準に維持して、画質の悪化を防止することができる。
【0063】
((D)希釈溶剤)
希釈溶剤としては、水系溶剤、及び有機系溶剤を使用することができ、求められる乾燥速度に応じて、低沸点溶剤、高沸点溶剤等を組み合わせて使用することができる。
【0064】
本発明において、被覆層4を形成するための混合物においては、固形分濃度が、被覆層形成用組成物全量に対し、10質量%以上50質量%以下の範囲内であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下の範囲内であることがより好ましい。固形分濃度が低いと、塗布時に液ダレが起こり易く、乾燥に時間がかかるとともに、固形分濃度が高いと、塗布表面のザラツキを生じたり、厚み制御が難しくなったりする。
【0065】
本発明において、希釈溶剤としては、上述のシリコーンゴム粒子又はアクリル粒子を膨潤させる希釈溶剤を使うことが好ましい。これにより、混合液中でシリコーンゴム粒子やアクリル粒子が膨潤し、被覆層4を、はじきや凹みのないものとすることができるとともに、混合液中でのシリコーンゴム粒子やアクリル粒子の沈降を抑制することができる。
【0066】
このような希釈溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、ヘプタン、シクロヘキサノン、イソホロン等の有機溶剤を用いることが好ましい。
【0067】
(被覆層の複合弾性率Er)
被覆層の複合弾性率Erは、7.0GPa以下であることが好ましく、6.0GPa以下であることがより好ましい。
【0068】
(被覆層の硬度)
被覆層の硬度Hは、1.5GPa以下であることが好ましく、1.0GPa以下であることがより好ましい。
【0069】
(被覆層の荷重除荷曲線の最大荷重Pmax)
被覆層の荷重除荷曲線の最大荷重Pmaxは、200μN以下であることが好ましく、190μN以下であることがより好ましい。
【0070】
フィルミングを防止するために、HSP値を低くすると、樹脂硬度が上がり、印刷時に記録画像に縦スジが入る場合がある。本発明の被覆層は、上記被覆層の硬度、複合弾性率Er、及び荷重除荷曲線の最大荷重Pmaxが、それぞれ上記範囲にすることにより、フィルミングを防止できるうえ、縦スジをも抑えることができる。
【0071】
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた発明も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【実施例0072】
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
【0073】
[実施例1~10及び比較例1~5]
以下の手順により、現像ローラを作製した。
【0074】
(プライマー層の形成)
無電解ニッケルメッキ処理が施された軸体(SUM22製、直径7.5mm、長さ274.1mm)をエタノールで洗浄し、その表面にシリコーン系プライマー(商品名「プライマーNo.16」、信越化学工業株式会社製)を塗布した。プライマー処理した軸体を、ギヤオーブンを用いて、150℃の温度にて10分焼成処理した後、常温にて30分以上冷却し、軸体の外周面にプライマー層を形成した。
【0075】
(弾性層の形成)
シリコーンゴムから形成されたゴム組成物を用いた押出成形により、軸体の外周面上にゴム材料からなる弾性体を成形した。なお、押出成形では、シリコーンゴムから形成されたゴム組成物を、赤外線加熱炉(IR炉)を用いて360℃で5分間加熱し、さらに、ギヤオーブンを用いて200℃で4時間加熱して硬化させた。これにより、プライマー処理された軸体の外周面上にゴム組成物の硬化物からなる弾性層を形成した。
弾性層は中実な層であり、弾性層の厚さは4.25mmであった。
【0076】
(被覆層の形成)
<(A)バインダー主剤の調製>
まず、被覆層形成用樹脂組成物に用いるバインダー主剤(A1)から(A15)を、下記の材料を用いて調製した。配合を表1に示す。
・両末端カルビノール変性シリコーンオイル(KF-6000、信越化学工業株式会社製)
・イソシアヌレート(デュラネート TPA-100、旭化成株式会社製)
・アロファネート変性2官能型イソシアネート(デュラネート A201H、旭化成株式会社製)
・2官能型イソシアネート(デュラネート D101、旭化成株式会社製)
・2官能型イソシアネート(デュラネート D201、旭化成株式会社製)
【0077】
<被覆層形成用組成物の調製>
次に、上記バインダー主剤(A1)~(A15)と、下記に示す(B)から(D)を用いて、被覆層形成用組成物を調製した。配合を表2に示す。
【0078】
(B)第二のイソシアネート化合物
(B1)イソシアヌレート型イソシアネート(デュラネート TPA-100、旭化成株式会社製)
(B2)アダクト型イソシアネート(デュラネート E402-80B、旭化成株式会社製)
(B3)ビウレット型イソシアネート(デュラネート 24A-100、旭化成株式会社製)
【0079】
(C)シリコーンゴム粒子
(C1)シリコーンゴム球状粒子(EP-2601、平均粒子径2μm、ダウ・東レ株式会社製)
【0080】
(D)希釈溶剤
(D1)酢酸ブチル
【0081】
上記被覆層用樹脂組成物を弾性層の外周面にスプレーコーティング法によって塗布し、170℃で20分間加熱して、層厚10μmの被覆層を形成した。このようにして、軸体、弾性層及び被覆層を備えた現像ローラを製造した。
【0082】
[評価]
上記実施例及び比較例について、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0083】
(印字濃度とフィルミング量の評価)
製造した各現像ローラについて、以下のようにして、印字濃度及びフィルミング量を測定した。用いた画像形成装置は、型番:HL-L2360DN(ブラザー工業株式会社製)であった。この画像形成装置の現像ローラとして、製造した各現像ローラを現像装置内に装着した。次いで、温度23℃湿度55%の条件で、ベタ画像を形成し、印字評価を確認した。1.0%dutyで4000枚印刷後のフィルミング状況と、4000枚印刷後の画像品質(ベタ印字の初期印字形成部分と終期印字形成部分との濃度段差率)を評価した。濃度測定にはX-Rite社製のX-Rite504分光濃度計を使用した。
【0084】
<印字濃度>
温度23℃、湿度55%RHの条件下で、それぞれベタ画像を印字後に、X-Rite社製の504分光濃度計を用いてベタ画像の印字濃度を測定した。具体的には、1.35以上を〇とし、1.30以上1.35未満を△とし、1.30未満を×とし、評価A以上を合格とした。
〇:1.35以上
△:1.30以上1.35未満
×:1.30未満
【0085】
<フィルミング量>
現像ローラの表面に付着している現像剤を吸引後、フィルミング重量測定ジグに転写した質量を測定した。転写した現像剤の質量を以下の評価基準で評価した。フィルミング評価は、○であると合格である。
-評価基準-
○:0.00mg/cm以上0.03mg/cm以下
△:0.03mg/cmより多く0.06mg/cm以下
×:0.06mg/cmより多い
【0086】
(縦スジの抑制)
モノクロ画像形成装置(型番:HL-L2360DN(ブラザー工業株式会社製))に、上記実施例及び比較例の現像ローラをカートリッジに装着し、1.0%dutyの印字23℃55%RH環境条件下4000枚印刷後の縦スジ発生状況を評価した。印字した画像に白線の縦スジが生じなかったものを○、白線の縦スジが生じたものを×とした。
【0087】
(弾性層の抵抗値)
弾性層を形成後、R8340 ULTRA HIGH RESISTANCE METER(ADVANTEST株式会社製)を使用して、弾性層の抵抗値を測定した。
【0088】
(被覆層のHSP値)
縦5mm、横10mm、厚さ0.5mmのサイズの被覆層のフィルム状サンプルを作製し、ハンセン溶解度パラメータが確定している種々の溶媒に対して浸漬させて潤度試験を行い、膨潤するかどうかの判定を行った。その後、測定結果をコンピュータソフトウェアHansen Solubility Parameters in Practice(HSPiP)で計算し、分散項δD、極性項δP、水素結合項δHをそれぞれ算出した。溶媒として、アセトン、アセトニトリル、1-ブタノール、n-酢酸ブチル、クロロホルム、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、DMF、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ヘキサン、メタノール、メチルエチルケトン、1-プロパノール、2-プロパノール、t-ブチルアルコール、テトラヒドロフラン、トルエンを使用した。
【0089】
(ナノインデンター測定:複合弾性率Er、硬度H、最大荷重)
ナノインデンテーション法により、測定装置として、ナノインデンター測定装置(商品名:Hysitron TI Premier, Bruker社製)を、測定端子として、バーコビッチ圧子を用い、測定時の押し込み深さを5μmとし、複合弾性率Er(GPa)、硬度H(GPa)、最大荷重(μN)を測定した。














































【0090】
【表1】



【0091】
【表2】



【0092】
ハンセン溶解度パラメータの分散項δDが、17.0MPa0.5以下であり、極性項δPが、8.0MPa0.5以下であり、水素結合項δHが、7.0MPa0.5以下である部材を被覆層に用いた実施例は、印字濃度、フィルミング量、及び縦スジの評価が良好であった。
【符号の説明】
【0093】
1 現像ローラ
2 軸体
3 弾性層
4 被覆層
図1