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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178776
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】調光ガラス制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/11 20200101AFI20241218BHJP
   E06B 5/00 20060101ALI20241218BHJP
   E06B 9/24 20060101ALI20241218BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20241218BHJP
【FI】
H05B47/11
E06B5/00 D
E06B9/24 C
H05B47/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097173
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】523196600
【氏名又は名称】株式会社スポットライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】鎌形 俊裕
(72)【発明者】
【氏名】小濱 俊介
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA27
3K273QA28
3K273QA33
3K273RA12
3K273SA04
3K273SA05
3K273SA37
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA38
3K273TA49
3K273UA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】明るさに基づいて調光ガラスのON・OFF制御を行う場合、ユーザーの意図する切替制御を実現すると共に、頻繁な切替制御を防止する。
【解決手段】明るさの計測結果と明るさ閾値とを比較する比較手段と、調光ガラス部が透明な状態であり、かつ、計測結果が明るさ閾値より大の場合、調光ガラス部が不透明に状態変化するべきとの判定を行い、調光ガラス部が不透明な状態であり、かつ、計測結果が明るさ閾値より小の場合、調光ガラス部が透明に状態変化するべきとの判定を行う判定手段と、状態変化するべきとの判定が行われる場合、所定時間の計時を開始するタイマー手段と、タイマー手段による計時終了時点における判定手段による判定結果を調光ガラス部に通知する通知手段と、を有し、タイマー手段が、計時中に、判定手段によって状態変化するべきとの判定が行われるとき、所定時間の計時をリセットする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ON・OFF制御により透明・不透明と状態変化する調光フィルムを板ガラスで挟み込んでなる調光ガラス部と、前記調光ガラス部付近に設置され、前記調光ガラス部付近の明るさを計測するセンサー部と、前記センサー部の計測結果に基づいて、前記調光ガラス部に対しON・OFF制御を行うコントローラー部と、を含む調光ガラス制御システムであって、
前記コントローラー部が、
前記計測結果と前記調光ガラス部の透明・不透明を切り替えるための明るさ閾値とを比較する比較手段と、
前記調光ガラス部が透明な状態であり、かつ、前記計測結果が前記明るさ閾値より大の場合、前記調光ガラス部が不透明に状態変化するべきとの判定を行い、前記調光ガラス部が不透明な状態であり、かつ、前記計測結果が前記明るさ閾値より小の場合、前記調光ガラス部が透明に状態変化するべきとの判定を行う判定手段と、
前記状態変化するべきとの判定が行われる場合、所定時間の計時を開始するタイマー手段と、
前記タイマー手段による計時終了時点における前記判定手段による判定結果を前記調光ガラス部に通知する通知手段と、を有し、
前記タイマー手段が、前記計時中に、前記判定手段によって前記状態変化するべきとの判定が行われるとき、前記所定時間の計時をリセットすることを特徴とする調光ガラス制御システム。
【請求項2】
ON・OFF制御により透明・不透明と状態変化する調光フィルムを板ガラスで挟み込んでなる調光ガラス部と、前記調光ガラス部付近に設置され、前記調光ガラス部付近の明るさを計測するセンサー部と、を含む調光ガラス制御システムにおける、前記センサー部の計測結果に基づいて、前記調光ガラス部に対しON・OFF制御を行うコントローラー部であって、
前記計測結果と前記調光ガラス部の透明・不透明を切り替えるための明るさ閾値とを比較する比較手段と、
前記調光ガラス部が透明な状態であり、かつ、前記計測結果が前記明るさ閾値より大の場合、前記調光ガラス部が不透明に状態変化するべきとの判定を行い、前記調光ガラス部が不透明な状態であり、かつ、前記計測結果が前記明るさ閾値より小の場合、前記調光ガラス部が透明に状態変化するべきとの判定を行う判定手段と、
前記状態変化するべきとの判定が行われる場合、所定時間の計時を開始するタイマー手段と、
前記タイマー手段による計時終了時点における前記判定手段による判定結果を前記調光ガラス部に通知する通知手段と、を有し、
前記タイマー手段が、前記計時中に、前記判定手段によって前記状態変化するべきとの判定が行われるとき、前記所定時間の計時をリセットすることを特徴とするコントローラー部。
【請求項3】
ON・OFF制御により透明・不透明と状態変化する調光フィルムを板ガラスで挟み込んでなる調光ガラス部と、前記調光ガラス部付近に設置され、前記調光ガラス部付近の明るさを計測するセンサー部と、前記センサー部の計測結果に基づいて、前記調光ガラス部に対しON・OFF制御を行うコントローラー部と、を含む調光ガラス制御システムにおける調光ガラス制御方法であって、
前記コントローラー部において、
比較手段が、前記計測結果と前記調光ガラス部の透明・不透明を切り替えるための明るさ閾値とを比較するステップと、
判定手段が、前記調光ガラス部が透明な状態であり、かつ、前記計測結果が前記明るさ閾値より大の場合、前記調光ガラス部が不透明に状態変化するべきとの判定を行い、前記調光ガラス部が不透明な状態であり、かつ、前記計測結果が前記明るさ閾値より小の場合、前記調光ガラス部が透明に状態変化するべきとの判定を行うステップと、
タイマー手段が、前記状態変化するべきとの判定が行われる場合、所定時間の計時を開始するステップと、
通知手段が、前記タイマー手段による計時終了時点における前記判定手段による判定結果を前記調光ガラス部に通知するステップと、を含み、
前記タイマー手段が、前記計時中に、前記判定手段によって前記状態変化するべきとの判定が行われるとき、前記所定時間の計時をリセットすることを特徴とする調光ガラス制御方法。
【請求項4】
ON・OFF制御により透明・不透明と状態変化する調光フィルムを板ガラスで挟み込んでなる調光ガラス部と、前記調光ガラス部付近に設置され、前記調光ガラス部付近の明るさを計測するセンサー部と、を含む調光ガラス制御システムにおける、前記センサー部の計測結果に基づいて、前記調光ガラス部に対しON・OFF制御を行うコントローラー部において行われる制御方法であって、
比較手段が、前記計測結果と前記調光ガラス部の透明・不透明を切り替えるための明るさ閾値とを比較するステップと、
判定手段が、前記調光ガラス部が透明な状態であり、かつ、前記計測結果が前記明るさ閾値より大の場合、前記調光ガラス部が不透明に状態変化するべきとの判定を行い、前記調光ガラス部が不透明な状態であり、かつ、前記計測結果が前記明るさ閾値より小の場合、前記調光ガラス部が透明に状態変化するべきとの判定を行うステップと、
タイマー手段が、前記状態変化するべきとの判定が行われる場合、所定時間の計時を開始するステップと、
通知手段が、前記タイマー手段による計時終了時点における前記判定手段による判定結果を前記調光ガラス部に通知するステップと、を含み、
前記タイマー手段が、前記計時中に、前記判定手段によって前記状態変化するべきとの判定が行われるとき、前記所定時間の計時をリセットすることを特徴とする制御方法。
【請求項5】
コンピューターに、請求項4に記載の方法を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
調光ガラスの透明・不透明の制御を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
建物に設置される透明なガラスや窓は、内外部問わず見通しが良く、室内を広く感じさせてくれる。一方、人には他人に見られたくないというニーズがあり、透明なガラスや窓では、プライバシーが保護されないと感じさせられる場面もある。他方、カーテンやブラインドは、透明なガラスや窓の長所を承継し、その短所も解決している。
しかし、そのカーテンやブラインドであっても、設置場所を取ってしまいデッドスペースを生んでしまう、開閉の操作が面倒である等の短所もある。
【0003】
その様な背景下、ON・OFF制御により透明・不透明となり、ガラスや窓と共に利用可能な調光フィルム(調光ガラス)が開発されている。例えば、特許文献1では、建物内に存在する複数のセンサから得られるセンサ情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記センサ情報に基づいて、前記建物の一部の開口部に設置された調光フィルムの透過率を制御する制御部と、を備える調光制御装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-136006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術においては、室外の明るさに基づいて、窓ガラスの透明・不透明を変化させる場合、人などの通過による光の遮断や自動車のライトなどの特殊要因による明るさの変化に基づく意図しない切替動作が起こってしまうという問題点があった。加えて、上記の従来技術においては、そのような切替動作が頻繁に起こり、関連機器の短寿命化を招いてしまうという問題点もあった。
【0006】
そこで本発明では、上記問題点を鑑み、明るさに基づいて調光ガラスのON・OFF制御を行う場合、ユーザーの意図する切替制御を実現すると共に、頻繁な切替制御に伴う関連機器の短寿命化を防止する調光ガラス制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する調光ガラス制御システムの一形態は、ON・OFF制御により透明・不透明と状態変化する調光フィルムを板ガラスで挟み込んでなる調光ガラス部と、前記調光ガラス部付近に設置され、前記調光ガラス部付近の明るさを計測するセンサー部と、前記センサー部の計測結果に基づいて、前記調光ガラス部に対しON・OFF制御を行うコントローラー部と、を含む調光ガラス制御システムであって、前記コントローラー部が、前記計測結果と前記調光ガラス部の透明・不透明を切り替えるための明るさ閾値とを比較する比較手段と、前記調光ガラス部が透明な状態であり、かつ、前記計測結果が前記明るさ閾値より大の場合、前記調光ガラス部が不透明に状態変化するべきとの判定を行い、前記調光ガラス部が不透明な状態であり、かつ、前記計測結果が前記明るさ閾値より小の場合、前記調光ガラス部が透明に状態変化するべきとの判定を行う判定手段と、前記状態変化するべきとの判定が行われる場合、所定時間の計時を開始するタイマー手段と、前記タイマー手段による計時終了時点における前記判定手段による判定結果を前記調光ガラス部に通知する通知手段と、を有し、前記タイマー手段が、前記計時中に、前記判定手段によって前記状態変化するべきとの判定が行われるとき、前記所定時間の計時をリセットすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示する調光ガラス制御システムは、明るさに基づいて調光ガラスのON・OFF制御を行う場合、ユーザーの意図する切替制御を実現すると共に、頻繁な切替制御に伴う関連機器の短寿命化を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る調光ガラス制御システムの全体概要を説明する図である。
図2】本実施の形態に係る調光ガラス部の概要を説明する図である。
図3】本実施の形態に係るセンサー部の概要を説明する図である。
図4】本実施の形態に係る調光ガラス制御システムの機能ブロック図である。
図5】本実施の形態に係る調光ガラス制御システムの動作概要を説明するための図である。
図6】本実施の形態に係る判定手段、タイマー手段及び通知手段の処理を説明するための図である。
図7】本実施の形態に係る判定手段、タイマー手段及び通知手段の処理を説明するための図である。
図8】本実施の形態に係る判定手段、タイマー手段及び通知手段の処理を説明するための図である。
図9】本実施の形態に係る判定手段、タイマー手段及び通知手段の処理を説明するための図である。
図10】本実施の形態に係るコントローラー部のハードウエア構成例を示す図である。
図11】本実施の形態に係る調光ガラス制御システムによる処理例の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る調光ガラス制御システムの動作原理)
【0011】
図1乃至9を用いて、本実施の形態に係る調光ガラス制御システム(以下、単に「本システム」という。)100の動作原理について説明する。図1は、本システム100の全体概要を説明する図であり、図2及び3は、本システム100の構成要素である調光ガラス部110及びセンサー部120それぞれの模式図であり、図4は、本システム100の機能ブロック図である。
【0012】
図1で示すように、本システム100は、調光ガラス部110、センサー部120、コントローラー部130を有し、調光ガラス部110とコントローラー部130とが接続され、センサー部120とコントローラー部130とが接続される。
【0013】
図2で示すように、調光ガラス部110は、電気信号のON・OFF制御により透明な状態と不透明な状態とが切り替わる調光フィルム210を板ガラス220で挟み込んで構成される。調光フィルム210は、電気信号のON・OFF制御によって透明・不透明が切替われば良く、ON・OFFのどちらが透明又は不透明なのかは、どちらでも良く、限定されない。調光フィルム210は、後述するように、コントローラー部130からのON・OFF指示に基づいて、透明・不透明が切り替わる仕組みである。図5で示すように、調光ガラス部110は、明るさが基準値270を下回る(暗い)とき、外部からの光を透過させる透明な状態230となり、明るさが基準値270を上回る(明るい)とき、外部からの光を遮断する不透明な状態240となる。
【0014】
図1及び3で示すように、センサー部120は、調光ガラス部110付近に設置され、調光ガラス部110付近の明るさを計測し、その計測結果260をコントローラー部130に通知する。従って、センサー部120は、コントローラー部130に接続される。センサー部120は、明るさを計測するためのセンサー面250を備える。
【0015】
センサー部120を垂直な面(壁面等)に設置するとき、明るさセンサー面250が斜め上方を向いていることが好適である。これは、太陽光を効率良く受光するためであり、また、本システム100に関しユーザーの体感に合わせた制御を行うためである。
なお、センサー部120が計測する明るさは、例えば、照度(ルクス)、光度(カンデラ)、光束(ルーメン)等であり、これらに限定するものではない。
コントローラー部130は、センサー部120の計測結果260に基づいて、調光ガラス部110に対しON・OFF制御を行う。
図4で示すように、コントローラー部130は、比較手段140、判定手段150、タイマー手段160、通知手段170を有する。
【0016】
比較手段140は、計測結果260と、調光ガラス部110の透明・不透明を切り替える明るさの基準となる明るさ閾値270と、を比較する。計測結果260及び明るさ閾値270の単位は、明るさセンサー面250が測定した計測結果を表す電気信号(電圧等)のように、明るさを表す情報であれば良く、その単位は特に限定されない。
【0017】
判定手段150は、調光ガラス部110が透明な状態230であり、かつ、計測結果260が明るさ閾値270より大のとき、調光ガラス部110が不透明な状態240に変化するべきと判定する。また、判定手段150は、調光ガラス部110が不透明な状態240であり、かつ、計測結果260が明るさ閾値270より小のとき、調光ガラス部110が透明な状態230に変化するべきと判定する。
【0018】
タイマー手段160は、判定手段150によって、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべきとの判定が行われる場合、所定時間の計時を開始する。また、タイマー手段160は、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべきとの判定が行われる場合、所定時間の計時を開始する。
【0019】
さらに、タイマー手段160は、タイマー手段160による所定時間の計時処理中に、判定手段150によって、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべきとの判定が行われるとき、所定時間の計時をリセットする。つまり、このようなとき、タイマー手段160は、判定手段150による判定のタイミングにおいて、所定時間の計時を行っているタイマーを零(初期値)に戻し、再度、零(初期値)から所定時間の計時を開始する。
【0020】
また、タイマー手段160は、タイマー手段160による所定時間の計時処理中に、判定手段150によって、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべきとの判定が行われるとき、所定時間の計時をリセット280する。つまり、このようなとき、タイマー手段160は、判定手段150による判定のタイミングにおいて、所定時間の計時を行っているタイマーを零(初期値)に戻し、再度、零(初期値)から所定時間の計時を開始する。
【0021】
通知手段170は、タイマー手段160による所定時間の計時処理が終了したとき、その計時処理終了時点における判定手段150による判定結果を調光ガラス部110に通知する。ここで、判定手段150による判定結果とは、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべきとの判定、又は、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべきとの判定、のことである。
【0022】
このとき、調光ガラス部110は、通知手段170によって通知される判定手段150の判定結果に従い、透明な状態230から不透明な状態240へ、又は、不透明な状態240から透明な状態230へ、と状態変化する。このように、調光ガラス部110(調光フィルム210)は、コントローラー部130からのON・OFF指示に基づいて、透明・不透明が切り替わる。
【0023】
図6を用いて、調光ガラス部110が透明な状態230を維持するときの判定手段150、タイマー手段160及び通知手段170の処理を説明する。図6は、調光ガラス部110が透明な状態230を維持するときの処理例を示す図である。
【0024】
図6で示すように、調光ガラス部110は当初、透明な状態230であるが、判定手段150によって、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべきと判定されると、タイマー手段160が所定時間の計時を開始する。
【0025】
また、タイマー手段160による所定時間の計時処理中に、判定手段150によって再度、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべきとの判定が行われるとき、タイマー手段160は、所定時間の計時をリセットする。
【0026】
そして、タイマー手段160の計時処理終了時、通知手段170は、その計時処理終了時点における判定手段150による判定結果(調光ガラス部110は状態変化する必要が無いとの判定)を調光ガラス部110に通知する。この場合、調光ガラス部110において透明な状態230が維持される。
【0027】
このように、本システム100は、タイマー手段160によるリトリガー処理を導入する。それによって、本システム100は、夜間などに調光ガラス部110が透明な状態230で、自動車のヘッドライトなどの強力な光がセンサー部120に照射される場合などに起こる不必要で一時的な透明/不透明の切替動作の発生を低減させることができる。
【0028】
図7を用いて、透明な状態230から不透明な状態240へと状態変化するときの判定手段150、タイマー手段160及び通知手段170の処理を説明する。図7は、調光ガラス部110が透明な状態230から不透明な状態240へと状態変化するときの処理例を示す図である。
【0029】
図7で示すように、調光ガラス部110は当初、透明な状態230であるが、判定手段150によって、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべきと判定されると、タイマー手段160が所定時間の計時を開始する。
【0030】
そして、タイマー手段160の計時処理終了時、通知手段170は、その計時処理終了時点における判定手段150による判定結果(調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべきとの判定)を調光ガラス部110に通知する。この場合、調光ガラス部110は、透明な状態230から不透明な状態240へと状態変化する。
【0031】
このように、本システム100は、タイマー手段160の計時時間を適切に(短く)設定することによって、特殊要因・一時的要因以外の本来意図する調光ガラス部110の状態変化動作をユーザーに違和感を感じさせることなく実現することができる。
【0032】
図8を用いて、調光ガラス部110が不透明な状態240を維持するときの判定手段150、タイマー手段160及び通知手段170の処理を説明する。図8は、調光ガラス部110が不透明な状態240を維持するときの処理例を示す図である。
【0033】
図8で示すように、調光ガラス部110は当初、不透明な状態240であるが、判定手段150によって、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべきと判定されると、タイマー手段160が所定時間の計時を開始する。
【0034】
また、タイマー手段160による所定時間の計時処理中に、判定手段150によって再度、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべきとの判定が行われるとき、タイマー手段160は、所定時間の計時をリセットする。
【0035】
そして、タイマー手段160の計時処理終了時、通知手段170は、その計時処理終了時点における判定手段150による判定結果(調光ガラス部110は状態変化する必要が無いとの判定)を調光ガラス部110に通知する。この場合、調光ガラス部110において不透明な状態240が維持される。
【0036】
このように、本システム100は、タイマー手段160によるリトリガー処理を導入する。それによって、本システム100は、明るい昼間に人・動物がセンサー部120の前を横切り、一時的に光を遮ることなどによる不必要で一時的な透明/不透明の切替動作の発生を低減させることができる。
【0037】
図9を用いて、調光ガラス部110が不透明な状態240から透明な状態230へと状態変化するときの判定手段150、タイマー手段160及び通知手段170の処理を説明する。図8は、調光ガラス部110が不透明な状態240から透明な状態230へと状態変化するときの処理例を示す図である。
【0038】
図9で示すように、調光ガラス部110は当初、不透明な状態240であるが、判定手段150によって、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべきと判定されると、タイマー手段160が所定時間の計時を開始する。
【0039】
そして、タイマー手段160の計時処理終了時、通知手段170は、その計時処理終了時点における判定手段150による判定結果(調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべきとの判定)を調光ガラス部110に通知する。この場合、調光ガラス部110は、不透明な状態240から透明な状態230へと状態変化する。
【0040】
このように、本システム100は、タイマー手段160の計時時間を適切に(短く)設定することによって、特殊要因・一時的要因以外の本来意図する調光ガラス部110の状態変化動作をユーザーに違和感を感じさせることなく実現することができる。
【0041】
上記のような動作原理に基づいて、本システム100は、例えば、室外(太陽光)等における明るさに基づいて調光ガラスのON・OFF制御を行う場合、ユーザーの意図する切替制御を実現すると共に、頻繁な切替制御に伴う関連機器の短寿命化を防止する。
【0042】
上記のような動作原理に基づいて、本システム100は、特殊要因や一時的要因による明るさの変化に基づく調光ガラス部110の切替動作、及び頻繁な切替動作を防止する。
【0043】
上記のような動作原理に基づいて、本システム100は、特殊要因や一時的要因による調光ガラス部110の切替動作を極力回避することによって、ユーザーの意図する調光ガラス部110の制御を実現する。
【0044】
上記のような動作原理に基づいて、本システム100は、特殊要因や一時的要因による調光ガラス部110の切替動作及び頻繁な切替動作を極力回避することによって、調光フィルム210や周辺機器の短寿命化を防止する。
(本実施の形態に係るコントローラー部のハードウエア構成)
【0045】
図10を用いて、コントローラー部130のハードウエア構成例について説明する。図10は、コントローラー部130のハードウエア構成の一例を示す図である。図10で示すように、コントローラー部130は、CPU(Central Processing Unit)410、ROM(Read-Only Memory)420、RAM(Random Access Memory)430、補助記憶装置440、通信I/F450、入力装置460、表示装置470、記録媒体I/F480を有する。
【0046】
CPU410は、ROM420に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM430に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、コントローラー部130全体を制御する。ROM420は、CPU410が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM430は、CPU410でROM420に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0047】
補助記憶装置440は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。補助記憶装置440は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0048】
通信I/F450は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワークに接続し、通信機能を提供する他装置110、120とデータの授受を行うためのインターフェースである。
【0049】
入力装置460は、キーボードなどコントローラー部130にデータ入力を行うための装置である。表示装置(出力装置)470は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される装置であり、コントローラー部130が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する装置である。記憶媒体I/F480は、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリなどの記憶媒体490とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0050】
コントローラー部130が有する各手段は、CPU410が、ROM420又は補助記憶装置440に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、コントローラー部130が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウエア(電子回路等)として実現される形態としても良い。また、通信I/F450を介して外部サーバー装置から本発明に係るプログラムを読み込ませたり、記憶媒体I/F480を介して記憶媒体490から本発明に係るプログラムを読み込ませたりして、コントローラー部130に当該プログラムを実行させる形態としても良い。
(本実施の形態に係る調光ガラス制御システムによる処理例)
【0051】
図11を用いて、本システム100による処理例について説明する。図11は、本システム100による処理例の流れを示すフローチャートである。なお、図11においては、調光ガラス部110が当初、透明な状態230のときと、不透明な状態240のときと、を同じフローチャートにて説明している。
【0052】
S10でセンサー部120が、調光ガラス部110付近の明るさを計測し、その計測結果260をコントローラー部130に通知する。続いて、S10で比較手段140が、計測結果260と明るさ閾値270とを比較する。計測結果260及び明るさ閾値270の単位は、明るさセンサー面250が測定した計測結果を表す電気信号(電圧等)のように、明るさを表す情報であれば良く、その単位は特に限定されない。
【0053】
そして、S10で判定手段150が、調光ガラス部110が状態変化すべきか否かを判定する。ここで、判定手段150は、調光ガラス部110が透明な状態230であり、かつ、計測結果260が明るさ閾値270より大のとき、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべきと判定する。また、判定手段150は、調光ガラス部110が不透明な状態240であり、かつ、計測結果260が明るさ閾値270より小のとき、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべきと判定する。
【0054】
S20で判定手段150による判定結果が、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべき、又は、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべき、という判定の場合(S20でYes)、処理はS30に移行する。また、S20で判定手段150による判定結果が、調光ガラス部110は状態変化すべきとの判定でない場合(S20でNo)、処理はS10へ移行する。
S30でタイマー手段160が、計測時間(タイマー)を零とし、所定時間の計時を開始する。
【0055】
S40でセンサー部120が、調光ガラス部110付近の明るさを計測し、その計測結果260をコントローラー部130に通知し、比較手段140が、計測結果260と明るさ閾値270とを比較する。
【0056】
S40で判定手段150が、調光ガラス部110が状態変化すべきか否かを判定する。ここでもまた、判定手段150は、調光ガラス部110が透明な状態230であり、かつ、計測結果260が明るさ閾値270より大のとき、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべきと判定する。また、判定手段150は、調光ガラス部110が不透明な状態240であり、かつ、計測結果260が明るさ閾値270より小のとき、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべきと判定する。
【0057】
S50で判定手段150による判定結果が、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべき、又は、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべき、という判定の場合(S50でYes)、処理はS30に移行する。また、S50で判定手段150による判定結果が、調光ガラス部110は状態変化すべきとの判定でない場合(S50でNo)、処理はS60へ移行する。
【0058】
S60でタイマー手段160による所定時間の計時処理が終了する場合(S60でYes)、処理はS70へ移行し、S60でタイマー手段160による所定時間の計時処理が終了していない場合(S60でNo)、処理はS40へ移行する。
【0059】
S70でセンサー部120が、調光ガラス部110付近の明るさを計測し、その計測結果260をコントローラー部130に通知し、比較手段140が、計測結果260と明るさ閾値270とを比較する。さらに、S70で判定手段150が、調光ガラス部110が状態変化すべきか否かを判定する。判定手段150は、計測結果260が明るさ閾値270より大のとき、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべきと判定する。また、判定手段150は、計測結果260が明るさ閾値270より小のとき、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべきと判定する。
【0060】
S80で判定手段150による判定結果が、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべき、又は、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべき、という判定の場合(S80でYes)、処理はS90に移行する。
【0061】
S90で通知手段170が、タイマー手段160による計時処理終了時点における判定手段150による判定結果を調光ガラス部110に通知する。ここで、判定手段150による判定結果とは、調光ガラス部110は透明な状態230に変化するべきとの判定、又は、調光ガラス部110は不透明な状態240に変化するべきとの判定、のことである。
【0062】
そして、S90で調光ガラス部110が、S90において通知される判定手段150の判定結果に従い、透明な状態230から不透明な状態240へ、又は、不透明な状態240から透明な状態230へ、と変化する。
【0063】
上記のように、本システム100は、タイマー手段160の計時時間を適切に(短く)設定することによって、特殊要因・一時的要因以外の本来意図する調光ガラス部110の状態変化動作をユーザーに違和感を感じさせることなく実現することができる。
【0064】
上記のような処理によって、本システム100は、例えば、室外(太陽光)等における明るさに基づいて調光ガラスのON・OFF制御を行う場合、ユーザーの意図する切替制御を実現すると共に、頻繁な切替制御に伴う関連機器の短寿命化を防止する。
【0065】
上記のような処理によって、本システム100は、特殊要因や一時的要因による明るさの変化に基づく調光ガラス部110の切替動作、及び頻繁な切替動作を防止する。
【0066】
上記のような処理によって、本システム100は、特殊要因や一時的要因による調光ガラス部110の切替動作を極力回避することによって、ユーザーの意図する調光ガラス部110の制御を実現する。
【0067】
上記のような処理によって、本システム100は、特殊要因や一時的要因による調光ガラス部110の切替動作及び頻繁な切替動作を極力回避することによって、調光フィルム210や周辺機器の短寿命化を防止する。
【0068】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
100 調光ガラス制御システム
110 調光ガラス部
120 センサー部
130 コントローラー部
140 比較手段
150 判定手段
160 タイマー手段
170 通知手段
210 調光フィルム
220 板ガラス
230 透明な状態
240 不透明な状態
250 明るさセンサー面
260 センサー部の計測結果
270 明るさ閾値
280 タイマーリセット
410 CPU
420 ROM
430 RAM
440 補助記憶装置
450 通信インターフェース
460 入力装置
470 出力装置
480 記憶媒体インターフェース
490 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11