IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本製紙株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178782
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】塗工紙
(51)【国際特許分類】
   D21H 19/28 20060101AFI20241218BHJP
   D21H 19/82 20060101ALI20241218BHJP
   D21H 19/44 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
D21H19/28
D21H19/82
D21H19/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097194
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100194803
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 理弘
(72)【発明者】
【氏名】角田 浩佑
【テーマコード(参考)】
4L055
【Fターム(参考)】
4L055AG27
4L055AG64
4L055AG82
4L055AH02
4L055AH37
4L055AJ01
4L055AJ04
4L055BE08
4L055EA10
4L055EA30
4L055EA32
4L055FA19
4L055FA30
4L055GA05
4L055GA30
(57)【要約】
【課題】良好な耐温水性を保ち、ふやけにくいPHBH塗工層を有する塗工紙を提供すること。
【解決手段】紙基材の少なくとも一方の面上に、PHBH(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート))と無機顔料と接着剤を含むアンダー塗工層と、PHBHを含むトップ塗工層とを有し、
前記接着剤が、ケン化度90%以上のポリビニルアルコール系樹脂を含み、
接触時間30分における90℃温水のCobb吸水度が、25g/m以下である塗工紙。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材の少なくとも一方の面上に、PHBH(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート))と無機顔料と接着剤を含むアンダー塗工層と、PHBHを含むトップ塗工層とを有し、
前記接着剤が、ケン化度90%以上のポリビニルアルコール系樹脂を含み、
接触時間30分における90℃温水のCobb吸水度が、25g/m以下であることを特徴とする塗工紙。
【請求項2】
前記ポリビニルアルコール系樹脂の重合度が、250以上3000以下であることを特徴とする請求項1に記載の塗工紙。
【請求項3】
前記ポリビニルアルコール系樹脂が、疎水性基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の塗工紙。
【請求項4】
前記アンダー塗工層において、前記PHBHと前記無機顔料との合計100重量部に対して、前記接着剤を0.1重量部以上60重量部以下含むことを特徴とする請求項3に記載の塗工紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PHBHを含む塗工液を塗工した塗工紙に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックごみによる環境破壊を防ぐための動きが始まっており、プラスチック製使い捨て製品を、環境への負荷の小さな材料で代替することが求められている。プラスチックの代替材料としては、生分解性プラスチック、木材、紙等が挙げられる。
紙に樹脂を塗工した塗工紙は、塗工された樹脂に応じて様々な機能を発揮することができる。しかし、塗工される樹脂が、化石資源由来や非生分解性であると、紙を用いたことによる環境負荷低減効果を損ねてしまう。そのため、紙基材に、生分解性プラスチックの水性分散液を塗工した塗工紙が求められている。
生分解性プラスチックとして、ポリ乳酸やポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルが知られている。しかし、脂肪族ポリエステルは、温度が低いと生分解に時間がかかり、海洋などの自然環境での分解速度が遅いという問題がある。
【0003】
一方、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂は、好気性、嫌気性下での分解性に優れた、微生物産生の熱可塑性プラスチックであり、海洋中などの水中でも微生物により短期間で分解されるという特筆すべき性能を有している。
特許文献1には、3-ヒドロキシブチレートと3-ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体であるPHBH(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート))を含む生分解性ポリエステル水性分散液が、成膜性に優れ、かつ、塗料、接着剤、繊維加工、シート・フィルム加工、紙加工等に適用する際、柔軟で伸びがよく、折り曲げに対して強い樹脂塗膜を与えることが記載されている。しかし、PHBHの水分散液を塗工した塗工層は、クラック、ピンホール等の塗工欠陥が生じやすい。そのため、特許文献2には、PHBHと接着剤とを、固形分重量比99.9/0.1~60.0/40.0で混合して塗工することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2004/041936号
【特許文献2】特開2021-195717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、従来技術を参考に、アンダー塗工層にPHBHとPVAを、トップ塗工層にPHBHを用いた紙コップ用原紙について耐水性を検討した。その結果、塗工面である接液側について、冷たい液体や常温の液体に対する耐水性に問題ないことを確認した。一方、紙コップは、茶、コーヒー等の熱い飲料等を入れる場合もあるため、発明者らは、塗工層面である接液側に対して温水を接触させ評価したところ、温水に接触する面から温水が徐々に浸透して紙が湿ることを発見した。
紙コップは、茶、コーヒー、スープ等の加温された飲料を内部に保持することも多く、湿りは把持性にも大きく影響するため、紙コップ用原紙には耐温水性が求められる。
本発明は、このような背景に基づいて検討されたものであり、良好な耐温水性を保ち、ふやけにくいPHBH塗工層を有する塗工紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
1.紙基材の少なくとも一方の面上に、PHBH(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート))と無機顔料と接着剤を含むアンダー塗工層と、PHBHを含むトップ塗工層とを有し、
前記接着剤が、ケン化度90%以上のポリビニルアルコール系樹脂を含み、
接触時間30分における90℃温水のCobb吸水度が、25g/m以下であることを特徴とする塗工紙。
2.前記ポリビニルアルコール系樹脂の重合度が、250以上3000以下であることを特徴とする1.に記載の塗工紙。
3.前記ポリビニルアルコール系樹脂が、疎水性基を有することを特徴とする1.または2.に記載の塗工紙。
4.前記アンダー塗工層において、前記PHBHと前記無機顔料との合計100重量部に対して、前記接着剤を0.1重量部以上60重量部以下含むことを特徴とする3.に記載の塗工紙。
【発明の効果】
【0007】
本発明の塗工紙は、低温~高温の水に対する耐水性に優れている。本発明の塗工紙は、低温~高温の水と接触しても強度を維持することができるため、特に高温の水を入れたときの安全性に優れている。
本発明の塗工紙は、塗工紙全体に対する生分解性材料の比率が高く、仮に環境中に流出しても、迅速に分解される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の塗工紙は、紙基材の少なくとも一方の面上に、PHBH(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート))と無機顔料と接着剤を含むアンダー塗工層と、PHBHを含むトップ塗工層とを有し、
接着剤が、ケン化度90%以上のポリビニルアルコール系樹脂を含み、
接触時間30分における90℃温水のCobb吸水度が、25g/m以下である。
なお、本明細書において「A~B」(A、Bは数値)との記載は、A、Bを含む数値範囲、すなわち「A以上B以下」を意味する。
【0009】
(紙基材)
紙基材は、主としてパルプからなるシート(以下、「基紙」ともいう。)であり、さらに填料、各種助剤等を含む紙料を抄紙して得られる。
パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未漂白パルプ(NUKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプなどの木材繊維、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維などが挙げられ、これらの1種または2種以上を適宜配合して用いることができる。これらの中でも、紙基材中への異物混入が発生し難いこと、古紙原料としてリサイクル使用する際に経時変色が発生し難いこと、高い白色度を有するため印刷時の面感が良好となり、特に包装材として使用した場合の使用価値が高くなることなどの理由から、木材繊維の化学パルプ、木材繊維の機械パルプを用いることが好ましく、木材繊維の化学パルプを用いることがより好ましい。具体的には、全パルプに対するLBKP、NBKP等の木材繊維の化学パルプの配合量は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上がさらに好ましく、100重量%が最も好ましい。
【0010】
填料としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの無機填料、尿素-ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール系樹脂、微小中空粒子等の有機填料等の公知の填料を使用することができる。なお、填料は、必須材料ではなく、使用しなくてもよい。
【0011】
各種助剤としては、ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)などのサイズ剤、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化澱粉、各種変性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂などの乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、歩留剤、濾水性向上剤、凝結剤、硫酸バンド、嵩高剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、紫外線防止剤、退色防止剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等が例示可能であり、必要に応じて適宜選択して使用可能である。
【0012】
紙基材は、その表面が各種薬剤で処理されていてもよい。薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などを例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。さらに、これらの各種薬剤と顔料を併用してもよい。顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。
【0013】
紙基材の坪量は、所望される各種品質やその用途等により適宜選択可能であるが、通常は20g/m以上600g/m以下が好ましく、25g/m以上600g/m以下がより好ましい。
例えば、包装紙、紙袋、蓋材、敷き紙、牛乳パックなどの液体紙容器等の包装材、屋外で使用されるポスター等に使用する場合、紙基材の坪量は、20g/m以上350g/m以下が好ましい。軟包装材として使用する場合、紙基材の坪量は、20g/m以上100g/m以下が好ましく、20g/m以上80g/m以下がより好ましい。なお、軟包装材とは、包装材の中でも、特に20g/mから100g/m程度の薄手の紙を用いた、柔軟性に富んだ包装材である。また、紙コップ、紙容器、紙箱、紙皿、紙トレー等に使用する場合、紙基材の坪量は、150g/m以上300g/m以下が好ましい。
また、紙基材の密度は、所望される各種品質や取り扱い性等により適宜選択可能であるが、通常は0.5g/cm以上1.0g/cm以下のものが好ましい。
【0014】
紙基材の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、長網抄紙機、円網抄紙機、短網抄紙機、ギャップフォーマー型、ハイブリッドフォーマー型(オントップフォーマー型)等のツインワイヤー抄紙機等、公知の製造(抄紙)方法、抄紙機が選択可能である。また、抄紙時のpHは酸性領域(酸性抄紙)、疑似中性領域(疑似中性抄紙)、中性領域(中性抄紙)、アルカリ性領域(アルカリ性抄紙)のいずれでもよく、酸性領域で抄紙した後、紙層の表面にアルカリ性薬剤を塗工してもよい。また、紙基材は1層であってもよく、2層以上の多層で構成されていてもよい。
また、紙基材の表面を薬剤で処理する場合、表面処理の方法は特に限定されるものでなく、ロッドメタリングサイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロールコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなど公知の塗工装置を用いることができる。
【0015】
(アンダー塗工層)
アンダー塗工層は、PHBHと無機顔料と接着剤を含む。なお、アンダー塗工層は、PHBH、無機顔料、接着剤の他に、必要に応じて、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸等の他の生分解性樹脂、分散剤、粘性改良剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、蛍光染料、着色染料、着色顔料、界面活性剤、pH調整剤、カチオン性樹脂、アニオン性樹脂、紫外線吸収剤、金属塩など、製紙分野において塗工液に配合される各種助剤を含むことができる。
【0016】
<PHBH>
PHBHは、3-ヒドロキシブチレート(以下、3HBともいう。)と3-ヒドロキシヘキサノエート(以下、3HHともいう。)との共重合体であり、微生物が産生することが知られている生分解性樹脂である。本発明において、PHBHは、微生物由来のものを用いてもよく、石油資源由来のものを用いてもよいが、微生物由来のものを用いることが環境負荷低減の点から好ましい。
【0017】
PHBHを産生する微生物としては、細胞内にPHBHを蓄積する微生物であればとくに限定されないが、A.lipolytica、A.eutrophus、A.latusなどのアルカリゲネス属(Alcaligenes)、シュウドモナス属(Pseudomonas)、バチルス属(Bacillus)、アゾトバクター属(Azotobacter)、ノカルディア属(Nocardia)、アエロモナス属(Aeromonas)などの菌が挙げられる。なかでも、PHBHの生産性の点で、とくにアエロモナス・キャビエなどの菌株、さらにはPHA合成酵素群の遺伝子を導入したアルカリゲネス・ユウトロファス AC32(受託番号FERM BP-6038、寄託日平成9年8月7日、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、あて名;日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)(J.Bacteriol.,179,4821-4830頁(1997))などが好ましい。また、アエロモナス属の微生物であるアエロモナス・キャビエ(Aeromonas.caviae)からPHBHを得る方法は、たとえば、特開平05-093049号公報に開示されている。なお、これらの微生物は、適切な条件下で培養して、菌体内にPHBHを蓄積させて用いられる。
培養に用いる炭素源、培養条件は、特開平05-093049号公報、特開2001-340078号公報等に記載の方法に従い得ることができるが、これらには限定されない。
【0018】
PHBHの組成比(モル%)は、3HB:3HH=97:3~75:25が好ましく、95:5~85:15がより好ましい。3HHの組成が3モル%未満ではPHBHの特性が3HBホモポリマーの特性に近くなり柔軟性が失われるとともに成膜加工温度が高くなりすぎて好ましくない傾向がある。3HHの組成が25モル%を超えると結晶化速度が遅くなりすぎ成膜加工に適さず、また、結晶化度が下がることで、樹脂が柔軟になり曲げ弾性率が低下する傾向がある。PHBHの組成比は、水性分散液を遠心分離したのち、乾燥させて得られたパウダーをNMR分析により測定することができる。
微生物産生PHBHはランダム共重合体である。共重合体のモル比を調整するために、菌体の選択、原料となる炭素源の選択、異なるモル比のPHBHとのブレンド、3HBホモポリマーとのブレンドなどの方法がある。
【0019】
PHBHの重量平均分子量は、5万~150万が好ましい。PHBHの重量平均分子量がこの範囲内であると、塗工後に乾燥する際に、低温での成膜が可能となる。PHBHの重量平均分子量は、10万~50万がより好ましく、15万~45万がさらに好ましい。なお、PHBHの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC、昭和電工社製「Shodex GPC-101」等)によって、カラムにポリスチレンゲル(昭和電工社製「Shodex K-804」等)を用い、クロロホルムを移動相とし、ポリスチレン換算した場合の分子量として求めることができる。なお、測定用試料としては、PHBHを含む水性分散液を遠心分離した後、乾燥させて得られたパウダーを用いる。
【0020】
PHBHの平均粒子径は、0.1~50μmであることが好ましい。平均子粒径が0.1μm未満のPHBHは微生物産生では生成困難であり、また、化学合成法で得る場合にも、微粒子化するという操作が必要となる。平均粒子径が50μmを超えるとPHBHを含有する塗工液を塗布した場合に表面に塗布むらが起こる場合がある。PHBHの平均粒子径は、0.5~10μmであることがより好ましい。なお、PHBHの平均粒子径は、マイクロトラック粒度計(日機装製、FRA)など汎用の粒度計を用い、PHBHの水懸濁液を所定濃度に調整し、正規分布の全粒子の50%蓄積量に対応する粒径をいう。
塗工液中のPHBHの固形分濃度は、特に制限されず、その塗工方法等に適した粘度等となるように調整することができるが、例えば、5~70重量%が好ましい。固形分濃度が5重量%未満では塗膜の形成がうまくいかない傾向があり、70重量%を超えると塗工液の粘度が高くなりすぎ、塗工が困難になる傾向がある。塗工液中のPHBHの固形分濃度は、10~55重量%がより好ましい。
【0021】
<無機顔料>
無機顔料としては、紙への塗工に用いられているものを特に制限することなく使用することができ、例えば、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、ベントナイト、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中で、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、ベントナイトの1種以上が好ましい。
【0022】
無機顔料は、体積50%平均粒子径(D50)(以下、「平均粒子径」ともいう。)が7.0μm以下であることが、アンダー塗工層上にトップ塗工層を設けた場合の耐油性、耐水性の点から好ましい。無機顔料の平均粒子径は、6.0μm以下がより好ましく、5.0μm以下がさらに好ましく、4.5μm以下がよりさらに好ましく、4.0μm以下がよりさらに好ましい。無機顔料の平均粒子径の下限は特に制限されないが、分散性等の点から、例えば、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましい。2種以上の無機顔料を含む場合は、少なくとも1種の平均粒子径が上記した数値範囲であることが好ましく、無機顔料全体に対するこの平均粒子径を満足する無機顔料の割合が50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
【0023】
無機顔料は、アスペクト比が60以下であることが、アンダー塗工層上にトップ塗工層を設けた場合の耐油性、耐水性の点から好ましい。無機顔料のアスペクト比は、40以下がより好ましく、30以下がさらに好ましく、25以下がよりさらに好ましく、20以下がよりさらに好ましい。無機顔料のアスペクト比の下限は特に制限されない。2種以上の無機顔料を含む場合は、少なくとも1種のアスペクト比が上記した数値範囲であることが好ましく、無機顔料全体に対するこのアスペクト比を満足する無機顔料の割合が50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
【0024】
<接着剤>
接着剤は、PHBH、無機顔料、紙基材等を接着するものである。本発明の塗工紙は、アンダー塗工層が接着剤を含むことにより、クラック、ピンホール等の塗工欠陥が抑制された均一なアンダー塗工層を得ることができる。
接着剤は、ケン化度90%以上のポリビニルアルコール系樹脂を含む。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ケン化度90%以上であればよく、ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体の1種または2種以上を使用することができる。これらの中で、疎水性基を有するポリビニルアルコール系樹脂が耐水性の点から好ましい。疎水性基を有するポリビニルアルコール系樹脂としては、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。これらの中で、オレフィン変性ポリビニルアルコールが好ましい。オレフィン変性ポリビニルアルコールにおけるα-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン等が挙げられ、エチレンが好ましい。
【0025】
ケン化度90%以上のポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、92%以上が好ましく、94%以上がより好ましく、96%以上がさらに好ましく、97%以上がよりさらに好ましい。
また、ケン化度90%以上のポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、250以上3000以下が好ましく、300以上がより好ましく、400以上がさらに好ましく、また、2700以下がより好ましく、2400以下がさらに好ましく、2000以下がよりさらに好ましい。
【0026】
接着剤としては、ケン化度90%以上であるポリビニルアルコール系樹脂のほかに、ケン化度90%未満のポリビニルアルコール系樹脂、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉などの澱粉類、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース、ナノセルロースなどのセルロース誘導体、部分ケン化エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン-無水マレイン酸共重合体ラテックス、ポリ塩化ビニルラテックス、ポリ酢酸ビニルラテックス等から選ばれる1種以上を含むことができる。ただし、接着剤全量に対するケン化度90%以上であるポリビニルアルコール系樹脂の割合は50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、95重量%以上がよりさらに好ましく、98重量%以上がよりさらに好ましく、99重量%以上がよりさらに好ましい。
【0027】
アンダー塗工層におけるPHBHと無機顔料との固形分重量比(PHBH:無機顔料)は、85:15~0.01:99.99が好ましい。そのメカニズムは不明であるが、PHBHと接着剤を含む塗工液に、さらに無機顔料を配合することにより、得られるアンダー塗工層の定着性が向上する。PHBHと無機顔料との固形分重量比(PHBH:無機顔料)は、65:35~5:95がより好ましく、45:55~25:75がさらに好ましい。特に、無機顔料の平均粒子径が7.0μmを超える場合は、PHBHと無機顔料との固形分重量比(PHBH:無機顔料)は、65:35~40:60がより好ましく、55:45~45:55がさらに好ましい。
塗工層の固形分全体に対するPHBHと無機顔料の合計の割合は60重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましい。
【0028】
アンダー塗工層は、PHBHと無機顔料との合計100重量部に対して、接着剤を0.1重量部以上60重量部以下含有することが好ましい。この接着剤の含有量が0.1重量部未満では接着剤による定着性向上効果がほとんど発揮できない場合があり、60重量部を超えると耐水性が不足する場合がある。
接着剤として、ケン化度90%以上の疎水性基を有するポリビニルアルコール系樹脂を含む場合は、PHBHと無機顔料との合計100重量部に対する接着剤の含有量は、1重量部以上がより好ましく、2重量部以上がさらに好ましく、また、50重量部以下がより好ましく、40重量部以下がさらに好ましい。
接着剤として、ケン化度90%以上の疎水性基を有するポリビニルアルコール系樹脂を含まない場合は、PHBHと無機顔料との合計100重量部に対する接着剤の含有量は、1重量部以上がより好ましく、2重量部以上がさらに好ましく、また、30重量部以下がより好ましく、25重量部以下がさらに好ましく、20重量部以下がよりさらに好ましい。
【0029】
(トップ塗工層)
本発明の塗工紙において、アンダー塗工層上にPHBHを含むトップ塗工層を形成することができる。無機顔料を含むアンダー塗工層上に、トップ塗工層を形成することにより、ヒートシール強度が向上する。これは、無機顔料は、PHBHや接着剤と比較して熱伝導性に優れるため、無機顔料を含むアンダー塗工層は高温に達するまでの時間が短く、熱融着加工の際にトップ塗工層がより長い時間高温に晒されるためであると推測される。
【0030】
トップ塗工層は、上記したPHBHと重量平均分子量の範囲以外は同等のものを含むことができ、トップ塗工層のPHBHは重量平均分子量が5万~150万であることが好ましい。
トップ塗工層のPHBHは、アンダー塗工層のPHBHよりも重量平均分子量が大きいことが好ましい。PHBHは、分子量が大きいほどMFRが小さくなりヒートシール加工に高温が必要となるが、本発明のトップ塗工層はヒートシール性に優れているため、高分子量のPHBHも好適に用いることができる。そして、トップ塗工層が重量平均分子量の大きなPHBHを含むことにより、PHBHに由来する耐油性、耐水性等の性質をより発揮することができる。
【0031】
トップ塗工層は、PHBHを50重量%以上含むことが好ましく、70重量%以上含むことがより好ましく、90重量%以上含むことがさらに好ましく、95重量%以上含むことがよりさらに好ましく、98重量%以上含むことがよりさらに好ましく、99重量%以上含むことがよりさらに好ましい。トップ塗工層は、PHBHの他に、必要に応じて、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸等の他の生分解性樹脂、接着剤、無機顔料、分散剤、粘性改良剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、蛍光染料、着色染料、着色顔料、界面活性剤、pH調整剤、カチオン性樹脂、アニオン性樹脂、紫外線吸収剤、金属塩、滑剤、撥水剤など、製紙分野において塗工液に配合される各種助剤を含むことができる。
【0032】
(アンダー塗工層、トップ塗工層の塗工)
本発明において、アンダー塗工層とトップ塗工層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置及び塗工系で塗工することができる。例えば、塗工装置としてはブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工系としては、水等の溶媒を使用した水系塗工、有機溶剤等の溶媒を使用した溶剤系塗工などが挙げられるが、水系であることが好ましい。
アンダー塗工層とトップ塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
また、トップ塗工層は、アンダー塗工層と同時に塗工することもでき、アンダー塗工層の乾燥前に塗工することもでき、アンダー塗工層の乾燥後に塗工することもできる。
【0033】
アンダー塗工層の塗工量は、乾燥重量で1g/m以上50g/m以下とすることが好ましい。アンダー塗工層の塗工量が1g/m未満であると、アンダー塗工層による効果がほとんど見込めない場合がある。一方、50g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなる。アンダー塗工層の塗工量は、3g/m以上がより好ましく、5g/m以上がさらに好ましく、40g/m以下がより好ましく、30g/m以下がさらに好ましい。
【0034】
トップ塗工層の塗工量は、0.5g/m以上20g/m以下とすることが好ましい。トップ塗工層の塗工量が0.5g/m未満であると、トップ塗工層による効果がほとんど見込めない場合がある。一方、20g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなる。トップ塗工層の塗工量は、1g/m以上がより好ましく、3g/m以上がさらに好ましく、17g/m以下がより好ましく、14g/m以下がさらに好ましい。
【0035】
・塗工紙
本発明の塗工紙は、接触時間30分における90℃温水のCobb吸水度(以下Cobb吸水度(90℃)ともいう)が、25g/m以下である。なお、このCobb吸水度(90℃)は、JIS P 8140:1998に規定される「紙及び板紙-吸水度試験方法-コッブ法」に準拠して、90℃の水、接触時間30分の条件で測定される値である。本発明の塗工紙は、Cobb吸水度(90℃)の値が22g/m以下が好ましく、19g/m以下がより好ましく、16g/m以下がさらに好ましく、13g/m以下がよりさらに好ましく、10g/m以下がよりさらに好ましい。
【0036】
本発明の塗工紙は、アンダー塗工層とトップ塗工層がPHBHを含むため、PHBHの有する機能性を発揮させることができ、例えば、ヒートシール層、耐油層、耐水層等として用いることができる。なお、アンダー塗工層は、紙基材の片面のみ、または両面に設けることができる。また、アンダー塗工層が両面に設けられている場合に、トップ塗工層は、一方のアンダー塗工層上、または両方のアンダー塗工層上に設けることができる。
【0037】
ヒートシール層とは、ヒートシール適性を有する層であり、具体的には、加熱圧着することで接着対象に接着することができる層である。
耐油層とは、J.TAPPI No.41:2000に規定される「紙及び板紙-はつ油度試験方法-キット法」に準拠して、層表面の任意の5点で測定したキットナンバーの平均値が4以上の層である。
耐水層とは、JIS P 8140:1998に規定される「紙及び板紙-吸水度試験方法-コッブ法」に準拠して、23℃の水、接触時間30分の条件でCobb吸水度(以下、Cobb吸水度(23℃)ともいう)が20g/m以下の層である。Cobb吸水度(23℃)は、10g/m以下が好ましく、5g/m以下がより好ましく、3g/m以下がさらに好ましく、2g/m以下がよりさらに好ましい。
【0038】
本発明の塗工紙は、成形、形状の維持、密封性の確保が容易であるため、紙袋、紙容器、紙箱、紙コップ、(軟)包装材、蓋材等として好適に用いることができる。
塗工層がヒートシール層である本発明の塗工紙は、包装紙、紙容器、紙箱、紙コップ、(軟)包装材、紙皿、紙トレー等として好適に用いることができる。
塗工層が、ヒートシール層かつ耐油層でもある本発明の塗工紙は、ハンバーガー、ホットドッグ、フライドポテト、唐揚げ、ポテトチップス等の油分を多く含む食品用の(軟)包装材や包装紙、天ぷら等の揚げ物用の敷き紙、紙皿、紙トレー、紙コップ等として好適に用いることができる。
【実施例0039】
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、もちろんこれらの例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞれ重量部、重量%を示す。
【0040】
・無機顔料
カオリン:白石工業社、KCS、平均粒子径3.6μm、アスペクト比10~15
・PHBH
特許文献1に記載の方法で、PHBHの固形分濃度が50重量%の重量平均分子量60万のPHBH水性分散液を得た。
・接着剤
PVA1:クラレ社、5-88、ケン化度88モル%、重合度500
PVA2:クラレ社、22-88、ケン化度88モル%、重合度1700
PVA3:クラレ社、60-98、ケン化度98モル%、重合度2400
PVA4:クラレ社、28-98、ケン化度98モル%、重合度1700
PVA5:クラレ社、5-98、ケン化度98モル%、重合度500
PVA6:クラレ社、3-98、ケン化度98モル%、重合度300
オレフィン変性PVA1:クラレ社、RS-2117(エチレン変性PVA)、ケン化度98モル%、重合度1700
オレフィン変性PVA2:クラレ社、HR-3010(エチレン変性PVA)、ケン化度99モル%、重合度1000
【0041】
(評価方法)
・ピンホール試験(青水)
5cm×10cmの寸法の紙を用意し、塗工面を上にして台上に置き、青水(ブリリアントブルー染色液:表面張力:29.6mN/m)を浸した綿棒を塗工面全体にわたってジグザグ上に走らせ、30秒間放置後の、染みた点(ピンホール)の数を目視で確認した。試験は3回行い、その平均値を以下の基準で評価した。
[評価基準]
○ :ピンホールの平均値が0個
○△:ピンホールの平均値が0個を超え、10個未満。
△ :ピンホールの平均値が、10個を超える。
× :ピンホール(点)ではなく、全体的に染み込む。
【0042】
・ヒートシール性
得られた塗工紙から1辺100mmの正方形の試験片を2枚切り出し、塗工層同士を接触させて、加圧温度130℃、加圧圧力2kgf/cm、加圧時間1秒でヒートシールした。
ヒートシールした試験片を手で剥離させた際の、剥離部分を目視で観察し、以下の基準でヒートシール性を評価した。評価が〇△であれば実用上問題がない
[評価基準]
〇:紙基材内で剥離する(紙基材が破壊される)。
△:大部分が紙基材内で剥離する(紙基材が破壊される)。
×:塗工層間で剥離する。
【0043】
・水、温水Cobb吸水試験
JIS P8140:1998に準拠し、23℃または90℃の水、接触時間30分で測定した。なお、90℃の水は試験中は温度を維持しておらず、徐々に放熱して冷たくなる。また、上記ピンホール試験(青水)が「×」評価だったものは、Cobb吸水試験を行っていない。
・紙のコシ
Cobb吸水試験後の紙のコシを以下の基準に従って評価した。
[評価基準]
〇:ふやけなし
△:少しふやけている
×:湿っている
【0044】
[実施例1~9、比較例1~10]
表1、2に示す固形分重量比となるように、無機顔料、PHBH、接着剤を加え、さらに水を加えて撹拌し、固形分濃度が40重量%のアンダー層用塗工液を得た。また、PHBHに水を加えて撹拌し、固形分濃度が40重量%のトップ層用塗工液を得た。
紙基材(坪量220g/m)の片面上に、アンダー層用塗工液を塗工し、105℃で1分間乾燥させた。さらに、トップ層用塗工液を塗工し、160℃で3分間乾燥して、アンダー塗工層とトップ塗工層とを有する塗工紙を得た。
得られた塗工紙について、上記した評価試験を行った。結果を表1、2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
接着剤としてケン化度90%以上のPVAを含ませることにより、90℃の温水での耐水性に優れた塗工紙が得られることが確かめられた。
【0048】
[実施例10~14、比較例11~13]
表3に示す固形分重量比となるように、無機顔料、PHBH、接着剤を加え、さらに水を加えて撹拌し、固形分濃度が40重量%のアンダー層用塗工液を得た。また、PHBHに水を加えて撹拌し、固形分濃度が40重量%のトップ層用塗工液を得た。
紙基材(坪量220g/m)の片面上に、アンダー層用塗工液を塗工し、105℃で1分間乾燥させた。さらに、トップ層用塗工液を塗工し、160℃で3分間乾燥して、アンダー塗工層とトップ塗工層とを有する塗工紙を得た。
得られた塗工紙について、上記した評価試験を行った。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
接着剤としてオレフィン変性PVAを含ませることにより、より広い接着剤の配合割合において、温水での耐水性に優れていた。