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特開2024-178787判定装置、判定方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178787
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20241218BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241218BHJP
【FI】
G06T7/70 A
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097205
(22)【出願日】2023-06-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】500149555
【氏名又は名称】株式会社サイバーエージェント
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(72)【発明者】
【氏名】近藤 信輝
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
5L096
【Fターム(参考)】
5L049CC18
5L050CC18
5L096AA06
5L096BA02
5L096CA05
5L096DA01
5L096DA02
5L096FA35
5L096FA52
5L096FA62
5L096FA67
5L096FA69
5L096HA04
5L096HA11
5L096JA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】競技において移動体にセンサーを取り付けなくても移動に関する情報を取得することを可能にすること。
【解決手段】競技において移動する複数の移動体を複数の視点から同じタイミングで撮影することによって得られる複数の競技場画像のそれぞれにおいて、前記移動体の画像である移動体画像を検出する移動体画像検出部と、前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を判定する位置判定部と、前記位置判定部によって判定された三次元空間の位置の時間変化量に基づいて前記移動体の速さの値を算出する関連情報取得部と、を備える判定装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技において移動する複数の移動体を複数の視点から同じタイミングで撮影することによって得られる複数の競技場画像のそれぞれにおいて、前記移動体の画像である移動体画像を検出する移動体画像検出部と、
前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を判定する位置判定部と、
前記位置判定部によって判定された三次元空間の位置の時間変化量に基づいて前記移動体の速さの値を算出する関連情報取得部と、
を備える判定装置。
【請求項2】
前記位置判定部は、前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を示す第一位置を判定し、所定の基準位置と前記第一位置とを含む直線と、前記競技が行われる競技場の床面と、の交点を示す第二位置を前記移動体の三次元空間における位置として判定する、請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記関連情報取得部によって取得された前記移動体の速さの値に関する画像を含む映像を生成する映像生成部をさらに備える請求項1に記載の判定装置。
【請求項4】
前記映像生成部は、前記移動体のうち、選択された一部の移動体についてのみ前記移動体の速さの値に関する画像を含む映像を生成する、請求項3に記載の判定装置。
【請求項5】
競技において移動する複数の移動体を複数の視点から同じタイミングで撮影することによって得られる複数の競技場画像のそれぞれにおいて、前記移動体の画像である移動体画像を検出する移動体画像検出ステップと、
前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を判定する位置判定ステップと、
前記位置判定ステップにおいて判定された三次元空間の位置の時間変化量に基づいて前記移動体の速さの値を算出する関連情報取得ステップと、
を有する判定方法。
【請求項6】
競技において移動する複数の移動体を複数の視点から同じタイミングで撮影することによって得られる複数の競技場画像のそれぞれにおいて、前記移動体の画像である移動体画像を検出する移動体画像検出部と、
前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を判定する位置判定部と、
前記位置判定部によって判定された三次元空間の位置の時間変化量に基づいて前記移動体の速さの値を算出する関連情報取得部と、
を備える判定装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置、判定方法及びコンピュータープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、競輪や競馬やカーレース等の移動体(例えば自転車や競走馬や自動車)の移動時間や順位を競う競技が行われている。このような競技には多くの観客が存在し、観客に対して競技に関する情報を提供する技術が提案されている。例えば特許文献1には、所定の競技者が審議対象になりかつ失格にならなかった出場者であるか否かを判定し、非失格審議対象回数を出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-116331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、競技の観客に対して提供される情報は必ずしも十分とはいえなかった。例えば、移動体の移動に関する情報(例えば速さや加速度)を提供したくても、競技や移動体の事情によってセンサーを取り付けることが難しい場合があった。そのような場合には、移動体の移動に関する情報を取得することが難しい場合があった。このような問題は、移動体が人である場合の競技(例えば短距離走やスケート等)でも同様に生じる問題である。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、競技において移動体にセンサーを取り付けなくても移動に関する情報を取得することを可能にする技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、競技において移動する複数の移動体を複数の視点から同じタイミングで撮影することによって得られる複数の競技場画像のそれぞれにおいて、前記移動体の画像である移動体画像を検出する移動体画像検出部と、前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を判定する位置判定部と、前記位置判定部によって判定された三次元空間の位置の時間変化量に基づいて前記移動体の速さの値を算出する関連情報取得部と、を備える判定装置である。
【0007】
本発明の一態様は、上記の判定装置であって、前記位置判定部は、前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を示す第一位置を判定し、所定の基準位置と前記第一位置とを含む直線と、前記競技が行われる競技場の床面と、の交点を示す第二位置を前記移動体の三次元空間における位置として判定する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の判定装置であって、前記関連情報取得部によって取得された前記移動体の速さの値に関する画像を含む映像を生成する映像生成部をさらに備える。
【0009】
本発明の一態様は、上記の判定装置であって、前記映像生成部は、前記移動体のうち、選択された一部の移動体についてのみ前記移動体の速さの値に関する画像を含む映像を生成する。
【0010】
本発明の一態様は、競技において移動する複数の移動体を複数の視点から同じタイミングで撮影することによって得られる複数の競技場画像のそれぞれにおいて、前記移動体の画像である移動体画像を検出する移動体画像検出ステップと、前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を判定する位置判定ステップと、前記位置判定ステップにおいて判定された三次元空間の位置の時間変化量に基づいて前記移動体の速さの値を算出する関連情報取得ステップと、を有する判定方法である。
【0011】
本発明の一態様は、競技において移動する複数の移動体を複数の視点から同じタイミングで撮影することによって得られる複数の競技場画像のそれぞれにおいて、前記移動体の画像である移動体画像を検出する移動体画像検出部と、前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を判定する位置判定部と、前記位置判定部によって判定された三次元空間の位置の時間変化量に基づいて前記移動体の速さの値を算出する関連情報取得部と、を備える判定装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、移動体のレースにおいて移動体にセンサーを取り付けなくても移動に関する情報を取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の判定システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】撮像システム10の設置の具体例を示す図である。
図3】学習装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図4】教師データとして用いられる移動体の画像の具体例を示す図である。
図5】学習装置20の処理の具体例を示すフローチャートである。
図6】判定装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図7】移動体情報の具体例を示す図である。
図8】競技場画像の具体例を示す図である。
図9】移動体画像の具体例を示す図である。
図10】第一位置判定部333の処理の具体例を示す図である。
図11】第二位置判定部334の処理の具体例を示す図である。
図12】映像生成部336が生成する映像のうち、競技終了後に生成する映像の具体例を示す図である。
図13】制御部33の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
図14】本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の判定システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。判定システム100は、移動体が移動している姿を撮像して得られる画像(以下「競技画像」という。)に基づいて、移動体の移動に関する情報(以下「移動情報」という。)を判定する際に使用される。移動体は、競技において移動する物体である。競技が競輪や自転車競技である場合には、移動体は競技者によって運転(操縦)される自転車である。競技が競馬等の馬の競走である場合には、移動体は騎手によって乗馬される競走馬である。競技が短距離走や中距離走や長距離走などの人が走る競技である場合には、移動体は人自身である。競技がボートレースである場合には、移動体は人によって操縦されるボートである。競技がスケート競技(スピードスケートやショートトラック等)である場合には、移動体はスケートで移動する人である。
【0015】
判定システム100は、複数の撮像システム10と学習装置20と判定装置30とを含む。複数の撮像システム10と判定装置30とは、ネットワーク70を介して通信可能に接続される。学習装置20と判定装置30とは、ネットワーク70を介して通信可能に接続されもよい。ネットワーク70は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク70は、例えばインターネットを用いて構成されてもよいし、ローカルエリアネットワーク(LAN)を用いて構成されてもよい。ネットワーク70は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0016】
撮像システム10は、競技が行われる競技場に設置され、競技場内を移動する移動体を含む空間の画像(以下「競技場画像」という。)を撮像する。撮像システム10は、例えばスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置を用いて構成される。撮像システム10は、所定の時間間隔で連続して静止画像を撮像してもよいし、動画像を撮像してもよい。撮像システム10の撮像装置は、競技場を所定の視点位置から所定の画角で撮像するように設置され予めカメラキャリブレーションが実行されてもよい。
【0017】
図2は、撮像システム10の設置の具体例を示す図である。図2には、競技場の具体例としてトラック81と、撮像システム10によって形成される視点101と、が示される。視点101は、撮像システム10によって撮影が行われる際の視点を示す。視点101毎に撮像システム10が設定されている。複数の撮像システム10は、例えば一つの競技場において、それぞれ異なる位置から重複する空間を撮像してもよい。撮像システム10は、撮像することによって得られた競技場画像を示すデータを判定装置30に送信する。例えば撮像システム10は、撮像によって競技場画像のデータを得たタイミングから競技場画像のデータを送信するまでのタイムラグを可能な限り短くなるように、撮像された競技場画像のデータを判定装置30に送信してもよい。
【0018】
図3は、学習装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。学習装置20は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。学習装置20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備える。
【0019】
通信部21は、通信機器である。通信部21は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部21は、制御部23の制御に応じて、ネットワーク70を介して他の装置とデータ通信する。通信部21は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0020】
記憶部22は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部22は、制御部23によって使用されるデータを記憶する。記憶部22は、例えば教師データ記憶部221及び学習済モデル記憶部222として機能してもよい。
【0021】
教師データ記憶部221は、学習装置20において実行される学習処理に用いられる教師データを記憶する。教師データ記憶部221が記憶する教師データは、移動体の画像を含む。教師データは、移動体の画像又は移動体以外の物体の画像と、その画像が移動体の画像か否かを示すラベル情報と、の組み合わせであってもよい。教師データに用いられる移動体の画像は、学習済モデルを用いて検出される対象の移動体の画像である。教師データに用いられる移動体の画像は、対象となる競技において撮影された様々な移動体の画像が用いられることが望ましい。
【0022】
図4は、教師データとして用いられる移動体の画像の具体例を示す図である。例えば対象となる競技が自転車競技である場合には、競技において自転車をこいでいる様々な選手の画像が用いられることが望ましい。図4は、自転車をこいでいる選手の背中を後から撮影することによって得られる画像を示す。また、教師データに用いられる移動体の画像は、様々な角度から移動体が撮影された画像が用いられることが望ましい。このような画像が教師データとして使用されることによりロバスト性を高めることが可能となる。例えば移動体の画像の検出結果の画像平面上の位置情報として画像の中心が用いられる場合には、教師データとして用いられる移動体の画像は、その中心に移動体の中心が位置している画像が用いられることが望ましい。
【0023】
学習済モデル記憶部222は、教師データ記憶部221に記憶されている教師データを用いた学習処理によって得られる学習済モデルを記憶する。
【0024】
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリー(主記憶装置)とを用いて構成される。制御部23は、プロセッサーがプログラムを実行することによって情報制御部231及び学習制御部232として機能する。なお、制御部23の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0025】
情報制御部231は、情報の入出力を制御する。例えば、情報制御部231は、他の機器(情報処理装置や記憶媒体)から教師データを取得し、教師データ記憶部221に記録する。例えば、情報制御部231は、学習済モデル記憶部222に記憶されている学習済モデルを、他の装置(例えば判定装置30)に対して送信する。
【0026】
学習制御部232は、教師データ記憶部221に記憶されている教師データを用いて学習処理を実行する。このような学習処理の具体例として、例えば、サポートベクトルマシンやランダムフォレストやニューラルネットワーク等の分類のための教師あり学習が用いられてもよい。学習制御部232は、例えば教師あり学習を行うことによって、入力される画像に移動体の画像が含まれているか否かを判定するための学習済モデルを生成する。学習制御部232は、生成された学習済モデルを学習済モデル記憶部222に記録する。学習制御部232によって得られた学習済モデルは、判定装置30に対して送信され、判定装置30の判定モデル記憶部321に記録されてもよい。このような学習済モデルは、入力として画像を与えることによって、出力としてその画像に移動体の画像が含まれているか否かを示す値を得ることが可能である。
【0027】
図5は、学習装置20の処理の具体例を示すフローチャートである。まず、情報制御部231は教師データを取得する(ステップS101)。教師データは、例えばユーザーによって入力されてもよいし、他の情報機器から通信によって取得されてもよいし、学習装置20に接続された記録媒体から取得されてもよい。学習制御部232は、教師データを用いて学習処理を実行し、学習済モデルを学習済モデル記憶部222に記録する(ステップS102)。
【0028】
図6は、判定装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。判定装置30は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。判定装置30は、通信部31、記憶部32及び制御部33を備える。
【0029】
通信部31は、通信機器である。通信部31は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部31は、制御部33の制御に応じて、ネットワーク70を介して他の装置とデータ通信する。通信部31は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0030】
記憶部32は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部32は、制御部33によって使用されるデータを記憶する。記憶部32は、例えば判定モデル記憶部321、撮像装置情報記憶部322、空間情報記憶部323、移動体画像情報記憶部324及び移動体情報記憶部325として機能してもよい。
【0031】
判定モデル記憶部321は、移動体画像検出部332が競技場画像から移動体の画像(以下「移動体画像」という。)を検出する際に使用する判定モデルを記憶する。判定モデルは、例えば予め上述した学習処理を実行することによって生成された学習済モデルの情報であってもよい。このような学習処理は、例えば他の装置(例えば学習装置20)によって実行されてもよいし、自装置(判定装置30)によって実行されてもよい。判定モデルは、例えば検出対象となる移動体の画像のパターンを示すパターン情報であってもよい。このようなパターン情報は、例えばパターンマッチング処理に用いられることによって移動体画像を検出可能である。判定モデルは、移動体画像を検出可能であればどのように構成されてもよい。
【0032】
撮像装置情報記憶部322は、判定システム100に用いられている各撮像システム10の撮像装置に関する情報(以下「撮像装置情報」という。)を記憶する。撮像装置情報は、例えば撮像装置のカメラパラメータを含んでもよい。カメラパラメータは、例えば撮像装置の視点位置を示す三次元座標の値、画角を示す情報等を含む。
【0033】
空間情報記憶部323は、判定システム100が処理の対象とする競技で使用される競技場の空間を示す情報を(以下「競技空間情報」という。)を記憶する。競技空間情報は、例えば競技場において競技が行われる床面(例えば後述するトラック81の表面)の三次元情報を含んでもよい。例えば競技が自転車競技である場合には、移動体(自転車)が競技において走行する走路の路面の三次元情報が競技空間情報に含まれても良い。なお、撮像装置情報におけるカメラパラメータが含む三次元の情報と、競技空間情報が示す三次元の情報とは、同じ座標系で示されてもよいし、互いに変換可能な座標系で示されてもよい。
【0034】
移動体画像情報記憶部324は、競技場画像から検出された各移動体画像に関する情報を記憶する。移動体画像情報記憶部324は、各移動体画像について、その移動体画像が検出された競技場画像を示す情報と、移動体を示す識別情報(例えば、選手番号、ゼッケン番号、選手名、移動体名など)と、移動体画像の画像平面上における位置を示す情報(例えばx座標とy座標の値)と、を対応付けて記憶する。競技場画像を示す情報は、例えばどの撮像システム10によって撮像された画像であるかを示す情報(例えば撮像システム10を示す識別情報)と、その競技場画像が撮像されたタイミングに関連する情報(例えば、フレーム番号、経過時間など)と、を含む。
【0035】
移動体情報記憶部325は、所定のタイミング毎に判定される各移動体に関する情報を記憶する。図7は、移動体情報の具体例を示す図である。移動体情報は、複数の移動体情報レコードを含む。移動体情報レコードは、フレーム番号、経過時間、選手番号、位置情報、速度及び絶対時間を含む。
【0036】
フレーム番号は、その移動体情報レコードが含む情報の基となった移動体画像が検出された競技場画像の撮像タイミングを示す情報である。フレーム番号は、例えば競技場画像として撮像されている動画像のフレーム数を示す番号であってもよい。経過時間は、ある所定のタイミングから経過した時間である。例えば、所定のタイミングは撮像が開始されてから経過した時間であってもよい。この場合、各撮像システム10において撮像開始のタイミングの同期がとられることが望ましい。所定のタイミングは競技(例えばレースや試合)が開始されたタイミングであってもよい。
【0037】
選手番号は、各移動体の識別情報の具体例であり、各移動体(選手)に予め割り当てられた番号である。図7の例では、各撮像タイミングで検出された移動体に関する移動体情報レコードが連続して記録され、次の撮像タイミングの移動体情報レコードが記録されている。そのため、図7の例では、一つの競技(レース)に4つの移動体が出場していることがわかる。
【0038】
位置情報は、各撮像タイミングで検出された各移動体の三次元空間での位置情報を示す。本実施形態では、後述するように位置情報として第一位置情報と第二位置情報とが用いられる。移動体情報レコードが含む位置情報は、例えば第二位置情報であってもよい。その後の処理で移動体の三次元位置の情報として使用される位置情報が、移動体情報レコードの位置情報として記録されることが望ましい。
【0039】
速度は、各撮像タイミングで検出された各移動体の三次元空間での移動速度を示す。絶対時間は、各撮像タイミングにおける時刻を示す。絶対時間は、日を示す情報を含んでもよい。
【0040】
制御部33は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部33は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報制御部331、移動体画像検出部332、第一位置判定部333、第二位置判定部334、関連情報取得部335及び映像生成部336として機能する。なお、制御部33の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0041】
情報制御部331は、撮像システム10から競技場画像を取得する。情報制御部331は、映像生成部336によって生成された映像のデータを、競技の視聴者が使用する端末装置等の他の装置に対して情報を送信する。このような情報制御部331による他の装置との間の情報のやりとりは、例えば通信部31による通信によって行われてもよい。
【0042】
移動体画像検出部332は、判定モデル記憶部321に記憶される判定モデルを用いることによって、競技場画像から移動体画像を検出する。移動体画像検出部332は、例えば競技が開始されてから所定の時間間隔で、出場している移動体の数以下の移動体画像を各競技場画像から検出する。移動体画像検出部332は、一つの競技場画像(一つの撮像システム10によって撮像された競技場画像)から出場している移動体よりも多い移動体画像の候補が検出された場合には、例えばそれらの移動体画像の候補の中から尤度(移動体の画像らしさを示す値)が高いものから順に移動体の出場数を最大として移動体画像を検出してもよい。
【0043】
移動体画像検出部332は、予め各撮像システム10で競技開始前に撮像された競技場画像(以下「背景画像」という。)と、処理対象の競技場画像との差分画像を取得し、差分画像(背景画像から違いが生じている部分の画像)において移動体画像を検出してもよい。このように構成されることによって、より精度良く競技場画像から移動体画像を検出することが可能となる。この場合、例えば各撮像システム10で予め撮影された背景画像は記憶部32によって記憶されてもよい。
【0044】
図8は、競技場画像の具体例を示す図である。図9は、移動体画像の具体例を示す図である。図8に示されるように、撮像システム10によって撮像された競技場の画像(競技場画像800)が移動体画像検出部332の処理の対象となる。移動体画像検出部332は、競技場画像800において、移動体画像801を検出する。移動体画像801の大きさは、移動体によって異なってもよい。図9の例では、1つの競技場画像800において7つの移動体画像が検出されている。
【0045】
移動体画像検出部332は、各競技場画像において検出された各移動体画像について、出場しているどの移動体の画像であるかを判定する。例えば、出場している各移動体が異なる色の物体(例えばゼッケン、ユニフォーム、体毛、車体など)を有している場合には、その色に基づいて各移動体画像がどの移動体の画像であるか判定されてもよい。このような場合には、例えば各移動体画像において色のヒストグラムを生成し、ヒストグラムと各移動体が有している色とに基づいて各移動体画像がどの移動体の画像であるか判定されてもよい。例えば、出場している各移動体が異なる外観のパターン(例えば、形状、模様、数字、文字など)を有している場合には、各移動体画像において外観のパターンを示す特徴量が取得され、その特徴量に基づいて各移動体画像がどの移動体の画像であるか判定されてもよい。
【0046】
移動体画像検出部332は、検出された各移動体画像について、その移動体画像が検出された競技場画像を示す情報と、移動体を示す識別情報と、移動体画像の画像平面上における位置を示す情報と、を対応付けて移動体画像情報記憶部324に記録する。移動体画像の画像平面上における位置は、移動体画像の所定の位置を用いて表されてもよい。例えば、移動体画像の左上の角の位置が移動体画像の画像平面上における位置として用いられてもよいし、移動体画像の中心の位置が移動体画像の画像平面上における位置として用いられてもよい。
【0047】
第一位置判定部333は、移動体画像の検出結果に基づいて、各移動体の三次元空間における位置を示す第一位置を判定する。第一位置は、検出された移動体画像の一部が三次元空間において存在している位置を示す。移動体画像の一部として、例えば移動体画像の中心部分が用いられてもよいし、移動体画像の左上の部分が用いられてもよいし、他の部分が用いられてもよい。
【0048】
図10は、第一位置判定部333の処理の具体例を示す図である。判定システム100では、複数の視点101で同一の移動体が撮像される。例えば、第一視点101_1から移動体を撮像したときに競技場画像800_1が生成され、画像平面上の位置(X1,Y1)に移動体画像801_1が検出されている。画像平面上の位置は、上述した移動体画像の一部の位置を示す。第二視点101_2及び第三視点101_3においてもそれぞれ競技場画像800_2及び競技場画像800_3が生成されている。第一位置判定部333は、各視点101で撮影された競技場画像800における移動体画像の画像平面上の位置と、各視点101における撮像装置のカメラパラメータと、に基づいて移動体の一部の三次元空間における位置(Xr,Yr,Zr)を算出する。このような処理で算出される位置が第一位置103である。このような処理は、少なくとも2つの視点101における上記情報があれば実行可能であるが、図10のように3つ以上の視点101における上記情報を用いて算出されてもよい。
【0049】
第二位置判定部334は、各移動体の第一位置に基づいて、各移動体の三次元空間における第二位置を判定する。第二位置は、各第一位置に関連する位置であって、競技場において競技が行われる床面の高さから所定の高さにおける三次元空間の位置を示す。例えば、競技が行われる床面の表面における三次元空間の位置が第二位置として判定されてもよい。
【0050】
図11は、第二位置判定部334の処理の具体例を示す図である。第二位置判定部334は、三次元空間において予め定められた所定の基準位置102から、第一位置103に向けて直線ベクトルを放ち、第一位置103を通過した直線ベクトルが三次元空間上に予めモデリングされたトラック81の表面(例えば走路面)と交わった点を第二位置(Xc,Yc,Zc)104として判定する。言い換えれば、第二位置判定部334は、所定の基準位置102と第一位置103とを含む直線と、トラック81の表面と、の交点を第二位置として判定する。
【0051】
第二位置104は、移動体そのものの三次元空間位置ではなく、トラック81の表面上の位置として定義される。所定の基準位置102の座標は、図11において(Xvp,Yvp,Zvp)として表している。所定の基準位置102は、いずれか一つの撮像システム10の視点の位置であってもよいし、撮像システム10によらずに仮想的に定められた位置であってもよい。所定の基準位置102は、図11に示されるように環状の競技場(トラック)の内側の上空に設けられてもよいし、環状の競技場の外側の上空に設けられてもよい。第二位置判定部334は、第二位置の位置情報を算出すると、算出された位置情報を移動体情報レコードの位置情報として記録する。なお、図10及び図11において、第一位置をかがんだ移動体の背中の部分として定義しているが、第一位置はこのような位置に限定されない。例えば、第一位置は移動体の中心に近い位置に設定されてもよい。
【0052】
関連情報取得部335は、第二位置判定部334によって判定された各移動体の第二位置に基づいて移動体に関連する情報を取得する。例えば、関連情報取得部335は、第二位置の時間変化量に基づいて移動体の速さの値を算出してもよい。例えば、関連情報取得部335は、第二位置の時間変化量に基づいて移動体の加速度の値を算出してもよい。例えば、関連情報取得部335は、移動体の加速度の値に基づいて、移動体において出力されている力の大きさを算出してもよい。
【0053】
映像生成部336は、制御部33の処理によって得られた情報を示す画像を含んだ映像を生成する。制御部33の処理によって得られた情報の具体例として、各移動体の第一位置又は第二位置、速さ、加速度、力の大きさ等の情報がある。映像生成部336が生成する映像には、競技中にリアルタイムで生成する映像と、競技終了後に生成する映像とがある。図12は、映像生成部336が生成する映像のうち、競技終了後に生成する映像の具体例を示す図である。図12には、競技の様子を示す動画像が表示される表示領域61と、並び予想を示す画像が表示される表示領域62と、一部の移動体(選手)の速さを示す画像が表示される表示領域63と、一部の移動体(選手)の速さの時系列変化のグラフが表示される表示領域64と、が示されている。表示領域64に示される一部の移動体(選手)は、例えば判定装置30の管理者等の人物によって選択されてもよい。この場合、判定装置30は入力装置や出力装置等のユーザーインターフェースを備え、ユーザーインターフェースを介して選択が受け付けられてもよい。表示領域64には、時系列変化のグラフとして、現時点で表示領域61に表示されている動画像の時間までの値を示すグラフと、それ以降の時間における値を示すグラフとは、異なる態様で表示されている。
【0054】
図13は、制御部33の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。情報制御部331は競技場画像を取得する(ステップS201)。移動体画像検出部332は、各競技場画像から移動体画像を検出する(ステップS202)。第一位置判定部333は、検出された各移動体画像の移動体画像の位置に基づいて、各移動体の三次元空間における位置である第一位置を判定する(ステップS203)。第二位置判定部334は、各移動体の第一位置に基づいて、各移動体の三次元空間における位置である第二位置を判定する(ステップS204)。関連情報取得部335は、各移動体の第二位置等の情報を用いることによって、関連情報を取得する(ステップS205)。映像生成部336は、取得された情報を用いて映像を生成する(ステップS206)。映像生成部336は、生成された映像を所定の装置に出力する。所定の装置は、例えば複数のユーザー端末に対して映像を配信する配信装置であってもよい。
【0055】
図14は、本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。情報処理装置90は、プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94、入出力インターフェース95及び内部バス96を備える。プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94及び入出力インターフェース95は、内部バス96を介して互いに通信可能に接続される。情報処理装置90は、例えば学習装置20及び判定装置30に適用されてもよい。この場合、例えば通信部21及び通信部31は通信インターフェース93を用いて構成されてもよい。例えば記憶部22及び記憶部32は補助記憶装置94を用いて構成されてもよい。また、制御部23及び制御部33は、プロセッサー91及び主記憶装置92を用いて構成されてもよい。
【0056】
(変形例)
学習装置20は、複数の情報処理装置を用いて実装されてもよい。例えば、クラウド等の装置を用いて学習装置20が実装されてもよい。例えば、学習装置20において、記憶部22と制御部23とがそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。例えば、学習装置20の記憶部22が複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。判定装置30は、複数の情報処理装置を用いて実装されてもよい。例えば、クラウド等の装置を用いて判定装置30が実装されてもよい。例えば、判定装置30において、記憶部32と制御部33とがそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。例えば、判定装置30の記憶部32が複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。例えば、判定装置30の制御部33が複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。
【0057】
上述した判定装置30の関連情報取得部335は、各移動体の第二位置に基づいて移動体に関連する情報を取得した。しかしながら、判定装置30の関連情報取得部335は、各移動体の第一位置に基づいて移動体に関連する情報を取得してもよい。
【0058】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0059】
100…判定システム, 101…視点, 102…基準位置, 103…第一位置, 104…第二位置, 10…撮像システム, 20…学習装置, 21…通信部, 22…記憶部, 221…教師データ記憶部, 222…学習済モデル記憶部, 23…制御部, 231…情報制御部, 232…学習制御部, 30…判定装置, 31…通信部, 32…記憶部, 321…判定モデル記憶部, 322…撮像装置情報記憶部, 323…空間情報記憶部, 324…移動体画像情報記憶部, 325…移動体情報記憶部, 33…制御部, 331…情報制御部, 332…移動体画像検出部, 333…第一位置判定部, 334…第二位置判定部, 335…関連情報取得部, 336…映像生成部, 800…競技場画像, 801…移動体画像, 81…トラック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技において移動する複数の移動体を複数の視点から同じタイミングで撮影することによって得られる複数の競技場画像のそれぞれにおいて、前記移動体の画像である移動体画像を検出する移動体画像検出部と、
前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を判定する位置判定部と、
前記位置判定部によって判定された三次元空間の位置の時間変化量に基づいて前記移動体の速さの値を算出する関連情報取得部と、
を備え
前記位置判定部は、前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を示す第一位置を判定し、所定の基準位置と前記第一位置とを含む直線と、前記競技が行われる競技場の床面と、の交点を示す第二位置を前記移動体の三次元空間における位置として判定する、判定装置。
【請求項2】
前記関連情報取得部によって取得された前記移動体の速さの値に関する画像を含む映像を生成する映像生成部をさらに備える請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記映像生成部は、前記移動体のうち、選択された一部の移動体についてのみ前記移動体の速さの値に関する画像を含む映像を生成する、請求項に記載の判定装置。
【請求項4】
競技において移動する複数の移動体を複数の視点から同じタイミングで撮影することによって得られる複数の競技場画像のそれぞれにおいて、前記移動体の画像である移動体画像を検出する移動体画像検出ステップと、
前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を判定する位置判定ステップと、
前記位置判定ステップにおいて判定された三次元空間の位置の時間変化量に基づいて前記移動体の速さの値を算出する関連情報取得ステップと、
を有し、
前記位置判定ステップにおいて、前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を示す第一位置を判定し、所定の基準位置と前記第一位置とを含む直線と、前記競技が行われる競技場の床面と、の交点を示す第二位置を前記移動体の三次元空間における位置として判定する、判定方法。
【請求項5】
競技において移動する複数の移動体を複数の視点から同じタイミングで撮影することによって得られる複数の競技場画像のそれぞれにおいて、前記移動体の画像である移動体画像を検出する移動体画像検出部と、
前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を判定する位置判定部と、
前記位置判定部によって判定された三次元空間の位置の時間変化量に基づいて前記移動体の速さの値を算出する関連情報取得部と、
を備え
前記位置判定部は、前記移動体画像のうち、同じタイミングで撮影された複数の競技場画像から検出された複数の移動体画像であって、同一の移動体の画像である複数の移動体画像に基づいて、前記移動体の三次元空間の位置を示す第一位置を判定し、所定の基準位置と前記第一位置とを含む直線と、前記競技が行われる競技場の床面と、の交点を示す第二位置を前記移動体の三次元空間における位置として判定する判定装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。