(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178790
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】電動工具用集塵アタッチメント及び電動工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20241218BHJP
B25D 17/18 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
B25F5/00 H
B25F5/00 G
B25D17/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097208
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 斉
(72)【発明者】
【氏名】古澤 正規
【テーマコード(参考)】
2D058
3C064
【Fターム(参考)】
2D058AA14
2D058CA05
2D058CB06
2D058CB07
2D058DA23
3C064AA04
3C064AB01
3C064AB02
3C064AC02
3C064AC03
3C064BA11
3C064BA32
3C064BB08
3C064BB52
3C064BB82
3C064CA03
3C064CA08
3C064CA26
3C064CA53
3C064CA58
3C064CA60
3C064CA61
3C064CB05
3C064CB06
3C064CB08
3C064CB17
3C064CB19
3C064CB63
3C064CB73
(57)【要約】
【課題】集塵用モータ及びファンを有する自己吸引式であっても、複数種類の電動工具に対してそれぞれ機械的に結合可能となると共に、電気的な接続も可能とする。
【解決手段】ケーシング61がハンマドリル1に取り付け可能な集塵アタッチメント60は、ケーシング61が、ハンマドリル1Aに取付可能となるアダプタ200を着脱可能に備え、アダプタ200は、ケーシング61及びハンマドリル1Aと結合可能な前側結合部14A及び後側結合部66Aと、ハンマドリル1Aとの結合と共に集塵アタッチメント60とハンマドリル1Aとを電気的に接続させる接続金具205とを含んでなる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、吸引部と、前記吸引部から吸引された粉塵を捕捉する集塵部と、前記吸引部に吸引力を発生させるファンと、前記ファンを回転させる集塵用モータと、を含み、前記ケーシングが第1の電動工具に取り付け可能な集塵アタッチメントであって、
前記ケーシングが、少なくとも第2の電動工具に取付可能となるアダプタを着脱可能に備え、前記アダプタは、
前記ケーシング及び前記第2の電動工具と結合可能な機械的結合部と、前記第2の電動工具との結合と共に前記集塵アタッチメントと前記第2の電動工具とを電気的に接続させる電気的接続部と、を含んでなることを特徴とする電動工具用集塵アタッチメント。
【請求項2】
前記電気的接続部は、前記第2の電動工具に設けられたスイッチと、前記ケーシング内に設けられて前記集塵用モータを制御する集塵側コントローラとを電気的に接続させることを特徴とする請求項1に記載の電動工具用集塵アタッチメント。
【請求項3】
前記電気的接続部は、前記第2の電動工具から電源を供給可能とするものであることを特徴とする請求項2に記載の電動工具用集塵アタッチメント。
【請求項4】
前記第2の電動工具には、電源となる本機側バッテリが設けられ、前記ケーシングには、前記本機側バッテリと同じ定格電圧の集塵側バッテリが設けられて、
前記集塵側コントローラは、前記本機側バッテリと前記集塵側バッテリとの何れのバッテリによっても作動して前記集塵用モータを制御可能であることを特徴とする請求項3に記載の電動工具用集塵アタッチメント。
【請求項5】
前記第2の電動工具には、電源となる本機側バッテリが設けられ、前記ケーシングには、前記本機側バッテリと定格電圧が異なる集塵側バッテリが設けられて、
前記アダプタには、前記本機側バッテリの定格電圧を前記集塵側バッテリの定格電圧に変換するコンバータが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電動工具用集塵アタッチメント。
【請求項6】
前記アダプタは、前記ケーシングと前記第2の電動工具とに対して、同一方向の相対移動によりそれぞれ取り付け可能であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電動工具用集塵アタッチメント。
【請求項7】
前記同一方向と交差する方向で、前記アダプタにおける前記ケーシングとの取付面の反対側に、前記第2の電動工具との取付面が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電動工具用集塵アタッチメント。
【請求項8】
前記アダプタにおける前記機械的結合部と前記電気的接続部とは、互いに異なる面に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電動工具用集塵アタッチメント。
【請求項9】
前記ケーシングは、前記第2の電動工具の前側から下側に跨がる形状を有し、前記アダプタの前記機械的結合部は、前記ケーシングの後面と前記第2の電動工具の前面との間に設けられていると共に、前記電気的接続部は、前記ケーシングの上面と前記第2の電動工具の下面との間に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の電動工具用集塵アタッチメント。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れかに記載の電動工具用集塵アタッチメントが前記アダプタを介して取り付けられてなる電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動工具の使用時に発生する粉塵を集塵するために電動工具に取り付けられる集塵アタッチメントと、当該集塵アタッチメントが取り付けられる電動工具とに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンマドリル等の電動工具を用いてコンクリートや石材等の被加工材を加工する場合、被加工材から発生した粉塵が飛散しないように、電動工具には、集塵アタッチメントが取り付けられる。この集塵アタッチメントは、特許文献1に開示されるように、粉塵を吸引する吸引部と、吸引された粉塵を貯留する集塵部とを備えている。特許文献1のシステムでは、集塵装置が電動工具に取り付けられると、集塵装置内の集塵経路が、ファンを有する電動工具の内部と連通する。よって、電動工具の駆動に伴ってファンが回転すると、集塵装置の吸引部に吸引力が発生し、吸い込まれた粉塵を集塵部で集塵するようになっている。
また、特許文献1のシステムでは、電動工具ごとに集塵装置の取付部の位置や形状が異なるため、電動工具ごとに集塵装置を製作する必要があって集塵装置の汎用性が低下することを鑑みて、集塵装置と電動工具とを連結するアダプタを介在させている。このアダプタにより、複数種類の電動工具に対して共通の集塵装置が取付可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のシステムでは、電動工具と集塵アタッチメントとを機械的に結合するにとどまる。よって、集塵アタッチメント自体が集塵用モータとファンとを有する自己吸引式である場合、電動工具から集塵アタッチメントへの信号伝達や電源供給が行えず、アダプタの使用ができないという問題があった。
【0005】
そこで、本開示は、集塵用モータ及びファンを有する自己吸引式であっても、複数種類の電動工具に対してそれぞれ機械的に結合可能となると共に、電気的な接続も可能となる集塵アタッチメント及び電動工具を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の第1の構成は、ケーシングと、吸引部と、吸引部から吸引された粉塵を捕捉する集塵部と、吸引部に吸引力を発生させるファンと、ファンを回転させる集塵用モータと、を含み、ケーシングが第1の電動工具に取り付け可能な集塵アタッチメントであって、
ケーシングが、少なくとも第2の電動工具に取付可能となるアダプタを着脱可能に備え、アダプタは、
ケーシング及び第2の電動工具と結合可能な機械的結合部と、第2の電動工具との結合と共に集塵アタッチメントと第2の電動工具とを電気的に接続させる電気的接続部と、を含んでなることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本開示の第2の構成は、電動工具であって、第1の構成の電動工具用集塵アタッチメントがアダプタを介して取り付けられてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、集塵用モータ及びファンを有する自己吸引式であっても、電動工具及び第2の電動工具に対してそれぞれ機械的に結合可能となると共に、電気的な接続も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電動工具用集塵アタッチメントを直接ハンマドリルに取り付けた電動工具用集塵システムの中央縦断面図である。
【
図4】アダプタ付き電動工具用集塵アタッチメントを別のハンマドリルに取り付けた電動工具用集塵システムの中央縦断面図である。
【
図6】実施例2のアダプタ付き電動工具用集塵アタッチメントを別のハンマドリルに取り付けた電動工具用集塵システムの中央縦断面図である。
【
図8】実施例3のアダプタ付き電動工具用集塵アタッチメントを別のハンマドリルに取り付けた電動工具用集塵システムの中央縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一実施形態において、電気的接続部は、第2の電動工具に設けられたスイッチと、ケーシング内に設けられて集塵用モータを制御する集塵側コントローラとを電気的に接続させるものであってもよい。
この構成によれば、第2の電動工具のスイッチのON/OFF操作に連動して集塵用モータを駆動させることができる。
本開示の一実施形態において、電気的接続部は、第2の電動工具から電源を供給可能とするものであってもよい。
この構成によれば、アダプタを用いても第2の電動工具の電源を集塵アタッチメントの電源に利用でき、使い勝手が向上する。
本開示の一実施形態において、第2の電動工具には、電源となる本機側バッテリが設けられ、ケーシングには、本機側バッテリと同じ定格電圧の集塵側バッテリが設けられて、集塵側コントローラは、本機側バッテリと集塵側バッテリとの何れのバッテリによっても作動して集塵用モータを制御可能であってもよい。
この構成によれば、集塵側バッテリの残容量がなくなっても本機側バッテリを電源として集塵用モータを駆動させることができる。
本開示の一実施形態において、第2の電動工具には、電源となる本機側バッテリが設けられ、ケーシングには、本機側バッテリと定格電圧が異なる集塵側バッテリが設けられて、アダプタには、本機側バッテリの定格電圧を集塵側バッテリの定格電圧に変換するコンバータが設けられていてもよい。
この構成によれば、第2の電動工具が異なる定格電圧の本機側バッテリを有していても、その電源を集塵アタッチメントで利用できる。
【0010】
本開示の一実施形態において、アダプタは、ケーシングと第2の電動工具とに対して、同一方向の相対移動によりそれぞれ取り付け可能であってもよい。
この構成によれば、アダプタを用いても第2の電動工具へのケーシングの取り付けが短時間でスムーズに行える。
本開示の一実施形態において、当該同一方向と交差する方向で、アダプタにおけるケーシングとの取付面の反対側に、第2の電動工具との取付面が設けられていてもよい。
この構成によれば、両取付面が容易に区別でき、アダプタのケーシングへの取り付けと、アダプタの第2の電動工具への取り付けとが誤りなく順番に行える。
本開示の一実施形態において、アダプタにおける機械的結合部と電気的接続部とは、互いに異なる面に設けられていてもよい。
この構成によれば、ケーシング及び第2の電動工具への機械的結合部と電気的接続部とを互いに干渉することなく配置できる。
本開示の一実施形態において、ケーシングは、第2の電動工具の前側から下側に跨がる形状を有し、アダプタの機械的結合部は、ケーシングの後面と第2の電動工具の前面との間に設けられていると共に、電気的接続部は、ケーシングの上面と第2の電動工具の下面との間に設けられていてもよい。
この構成によれば、ケーシング及び第2の電動工具への機械的結合部と電気的接続部とがケーシングの形状を利用して省スペースで容易に行える。
【実施例0011】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、ハンマドリル1に、後述するアダプタを介さずに集塵アタッチメント60を直接取り付けて、電動工具用集塵システム(以下単に「集塵システム」という。)Sを形成した一例を示す中央縦断面図である。
まず、ハンマドリル1について説明する。ハンマドリル1は、本開示の第1の電動工具の一例である。
ハンマドリル1は、ハウジングとして、内側ハウジング2と、モータハウジング3と、上外側ハウジング4と、下外側ハウジング5とを有している。内側ハウジング2は、前後方向に延びる打撃機構部6を収容している。モータハウジング3は、内側ハウジング2の下側に連結され、モータ7を収容している。モータ7は、モータハウジング3内で回転軸8を上向きとした姿勢で保持されている。回転軸8の上部は、内側ハウジング2に保持された軸受9に支持されて、上端に設けたピニオン10を内側ハウジング2内に突出させている。
上外側ハウジング4は、モータハウジング3の上側で内側ハウジング2の外側を覆っている。
【0012】
下外側ハウジング5は、前筒部11とハンドル部12とを有している。前筒部11は、モータハウジング3の外側を下方から覆っている。モータハウジング3の後側で前筒部11内には、図示しない制御回路基板を備えた本機側コントローラ13が上下方向に収容されている。
前筒部11の前面で左右方向の中央には、本機側結合部14が設けられている。本機側結合部14は、
図2に示すように、前後左右方向の横断面がT字状となって上下方向に延びる突条である。本機側結合部14の左右には、前筒部11の下端から上方へ延びる一対の係止溝15,15が形成されている。本機側結合部14内で左右方向の中央には、前方が開口する有底孔16が前後方向に形成されている。有底孔16内には、ボール17が収容されている。有底孔16の開口径は、ボール17の直径よりもやや小さくなっている。ボール17の後方で有底孔16内には、コイルバネ18が収容されている。よって、ボール17は、コイルバネ18により、有底孔16の開口から部分的に突出する突出位置に付勢される。
前筒部11の左右の側面には、
図3に示すように、集塵アタッチメント60の取付け用の係止凹部19が前後方向に形成されている。
【0013】
ハンドル部12は、前筒部11の下部と繋がって後方へ延びた後、上方へ延びて上外側ハウジング4の後端と繋がっている。
ハンドル部12の下部には、電源コード20が接続されている。電源コード20は、本機側コントローラ13へ電気的に接続されている。電源コード20の上方でハンドル部12内には、メインスイッチ21とサブスイッチ22とが設けられている。メインスイッチ21は、プランジャ23を前方へ突出させている。メインスイッチ21には、メインリード線24が接続されている。メインリード線24は、本機側コントローラ13へ電気的に接続されて、プランジャ23の押し込みに伴うON信号を本機側コントローラ13へ入力可能となっている。
サブスイッチ22も、プランジャ25を前方へ突出させると共に、その前方にレバー26を備えている。サブスイッチ22には、サブリード線27が接続されている。サブリード線27は、メインスイッチ21とハンドル部12の内面との間を通過してハンドル部12内を下方へ引き出されている。
下外側ハウジング5の前筒部11の下面で本機側コントローラ13の下方には、下方へ開口する接続口28が設けられている。接続口28には、メスコネクタ29が下向きに設けられている。サブリード線27は、メスコネクタ29に接続されている。
【0014】
メインスイッチ21とサブスイッチ22との前方には、スイッチレバー30が設けられている。スイッチレバー30は、下端を中心として前後へ揺動可能にハンドル部12へ設けられている。スイッチレバー30は、常態では、メインスイッチ21のプランジャ23が当接して、ハンドル部12から前方へ突出する突出姿勢となっている。スイッチレバー30におけるプランジャ23の当接部位よりも上側には、サブスイッチ22のレバー26の前方に位置する押圧部31が設けられている。
よって、スイッチレバー30を突出姿勢から後方へ押し込むと、プランジャ23を押し込んでメインスイッチ21をONさせると共に、押圧部31がレバー26を介してプランジャ25を押し込んでサブスイッチ22もONさせることになる。但し、押圧部31の長さの設定により、サブスイッチ22がONするタイミングの方が、メインスイッチ21がONするタイミングよりも早くなっている。
【0015】
打撃機構部6は、ツールホルダ35を有している。ツールホルダ35は、内側ハウジング2の前側で回転可能に保持されて前後方向に延びる筒状である。内側ハウジング2内で回転軸8の前側には中間軸36が、後側にはクランク軸37がそれぞれ上下方向に支持されている。中間軸36及びクランク軸37には、それぞれギヤ38及びギヤ39が設けられている。ギヤ38及びギヤ39は、回転軸8のピニオン10と噛合している。中間軸36は、上端に第1ベベルギヤ40を有している。
ツールホルダ35には、切替スリーブ41がスプライン結合されている。切替スリーブ41の後方でツールホルダ35の後端には、第2ベベルギヤ42が回転可能に外装されている。第2ベベルギヤ42は、中間軸36の第1ベベルギヤ40と噛合している。第2ベベルギヤ42は、切替スリーブ41が後退位置で係合することで、第1ベベルギヤ40の回転をツールホルダ35へ伝達する。切替スリーブ41の前後位置は、上外側ハウジング4の後面に設けられた切替ツマミ56で切替操作可能となっている。
【0016】
内側ハウジング2の後部内には、シリンダ43が保持されている。シリンダ43は、ツールホルダ35の後部に同軸で挿入されている。シリンダ43には、ピストン44が前後移動可能に収容されている。クランク軸37の上部には、偏心ピン45が突設されている。ピストン44と偏心ピン45とは、コネクティングロッド46により連結されている。シリンダ43内でピストン44の前方には、空気室47を介してストライカ48が前後移動可能に収容されている。ストライカ48の前方でツールホルダ35内には、インパクトボルト49が設けられている。インパクトボルト49には、ツールホルダ35の前端に挿入されたビットBが当接する。ツールホルダ35の前部には、ビットBを着脱操作するための操作スリーブ50が外装されている。
【0017】
ハンマドリル1では、スイッチレバー30を押し込み操作すると、メインスイッチ21がONする。本機側コントローラ13は、メインスイッチ21のON信号をメインリード線24を介して得ると、モータ7へ給電して回転軸8を回転させる。すると、クランク軸37が回転し、コネクティングロッド46を介してピストン44を前後移動させる。よって、連動したストライカ48がインパクトボルト49を介してビットBを打撃する。切替ツマミ56の操作により、切替スリーブ41を後退位置へ切り替えると、中間軸36から第2ベベルギヤ42を介してツールホルダ35に回転が伝達されるハンマドリルモードとなる。切替スリーブ41を前進位置へ切り替えると、ツールホルダ35が回転せず打撃のみを行うハンマモードとなる。
【0018】
次に、集塵アタッチメント60について説明する。
集塵アタッチメント60は、箱状のケーシング61を有する。ケーシング61は、本体部62と、前突出部63と、後突出部64とを備えている。本体部62は、上下方向に延び、前突出部63は、本体部62の上部から前方に延びている。本体部62の前側と前突出部63の下側とにダストボックス65が着脱可能となっている。後突出部64は、本体部62の下部から後方に延びている。本体部62と後突出部64とがハンマドリル1に取り付け可能となっている。
本体部62の後面で左右方向の中央には、一対の集塵側結合部66,66が設けられている。集塵側結合部66,66は、後突出部64の上面から上方へ延びる横断面L字のレール状で、
図2に示すように、本機側結合部14の係止溝15,15にそれぞれ下方から係止する。この係止状態で、本機側結合部14の係止溝15,15より前側部分は集塵側結合部66,66の間に位置し、前筒部11とケーシング61とが前後方向に一体化される。本体部62の後面には、集塵アタッチメント60の取り付け位置でボール17が嵌合する嵌合凹部67が形成されている。
【0019】
本体部62の後面から後突出部64の上面にかけて、左右両側には一対の側板68,68が設けられている。側板68,68の間には、ハンマドリル1の前筒部11が上方から嵌合可能となっている。
各側板68の外面には、上下方向に延びる凹部70が形成されている。凹部70には、フック板71が収容されている。フック板71は、凹部70に嵌合して上下方向に延びる帯板状で、
図3に示すように、中間部の内側が凹部70内で前後方向の軸72を中心に回転可能に結合されている。フック板71の下部は、凹部70の内面との間に設けたコイルバネ73によって、左右外側へ押圧されている。よって、フック板71は、
図3に実線で示すように、上部が左右内側へ付勢されるロック位置となる。フック板71の上端には、内側へ突出する係止爪74が設けられている。係止爪74は、ロック位置で凹部70に設けた透孔75を貫通して側板68の内側に突出する。係止爪74は、ハンマドリル1への集塵アタッチメント60の取り付け位置で、前筒部11の係止凹部19に係止可能となっている。フック板71の下部を凹部70側へ押圧すると、フック板71は、
図3に二点鎖線で示すように、係止爪74が係止凹部19から離れるロック解除位置へ傾倒する。
【0020】
後突出部64の上面には、受け部76が設けられている。受け部76は、集塵アタッチメント60の取り付け位置で前筒部11の下面と当接する。受け部76の後方で後突出部64の上面には、接続筒77が上向きに突設されている。接続筒77は、後突出部64の左右方向の中央に位置してオスコネクタ78を上向きに保持している。接続筒77は、集塵アタッチメント60の取り付け位置で前筒部11の下面の接続口28に接続されて、オスコネクタ78を接続口28のメスコネクタ29に接続する。
【0021】
前突出部63には、ダクト80が設けられている。ダクト80の前端は、前突出部63の前面で前向きに開口している。ダクト80は、前突出部63内で後方に引き回されて本体部62内でUターンし、下端を前突出部63の下方で本体部62の前面に開口させている。ダクト80の前端は、本開示の吸引部の一例である。
ダストボックス65は、前突出部63の下側でケーシング61に前方から装着される箱状体である。ダストボックス65は、蓋体81とボックス本体82とを下端同士でヒンジ結合してなる。蓋体81は、前側内面にフィルタ83を有し、ボックス本体82は、フィルタ83を前方から覆う。ダストボックス65は、本開示の集塵部の一例である。
本体部62の前面下端には、左右方向に係止軸84が設けられている。ボックス本体82の下面には、左右方向に受け凹部85が形成されている。ダストボックス65は、係止軸84に受け凹部85を係合させて、蓋体81の上端に設けた弾性片86を前突出部63の下面に係止させることで、ケーシング61へ着脱可能に装着される。蓋体81には、上側に入口87が、下側に出口88がそれぞれ設けられている。入口87は、ダクト80の下端に接続されている。出口88は、フィルタ83の後側に設けられている。
【0022】
出口88の後側で本体部62内には、モータ収容室90が仕切形成されている。出口88は、ダストボックス65の装着状態で、モータ収容室90の前側に設けられた開口部91に当接してモータ収容室90に接続される。
モータ収容室90には、集塵用モータ92が収容されている。集塵用モータ92は、回転軸93を下向きにした姿勢で保持されている。回転軸93には、集塵ファン94が固定されている。集塵ファン94の径方向外側となる本体部62の左右の側面には、図示しない排気口が形成されている。集塵ファン94は、本開示のファンの一例である。
集塵用モータ92に接続される正負のリード線95,95は、本体部62と後突出部64との間の仕切を貫通して後突出部64内に引き出されている。後突出部64内には、図示しない制御回路基板を備えた集塵側コントローラ96が設けられている。リード線95,95は、集塵側コントローラ96へに電気的に接続されている。集塵側コントローラ96は、オスコネクタ78と信号用リード線97を介して電気的に接続されている。
【0023】
後突出部64には、バッテリ装着部100が設けられている。バッテリ装着部100に、集塵アタッチメント60の電源となるバッテリパック101が後方からスライド装着可能となっている。バッテリ装着部100内には、装着されたバッテリパック101と電気的に接続する端子台102が設けられている。端子台102は、集塵側コントローラ96と電源用リード線103を介して電気的に接続されている。
集塵側コントローラ96には、後突出部64の側面に露出する報知ランプ98が設けられている。報知ランプ98には、例えばLEDが使用される。集塵側コントローラ96は、バッテリ装着部100にバッテリパック101が装着されると、バッテリパック101の電圧を監視する。集塵側コントローラ96は、バッテリパック101の電圧値が所定値以下になると、報知ランプ98を点灯又は点滅させて電圧低下を報知する。
【0024】
以上の如く構成された集塵システムSにおいて、集塵アタッチメント60は、ハンマドリル1の前筒部11の下方に後突出部64を位置させた状態で、本機側結合部14の係止溝15,15と集塵側結合部66,66とを上下に合わせて、ハンマドリル1に対して上下方向へ相対移動させる。すると、係止溝15,15に集塵側結合部66,66が下方から嵌合する。
このとき、側板68,68のフック板71,71は、相対的に下方へ移動する前筒部11と干渉してロック位置からロック解除位置へ揺動して集塵アタッチメント60の相対移動を許容する。そして、集塵アタッチメント60の取り付け位置では、ロック位置に戻った各フック板71の係止爪74が前筒部11の係止凹部19にそれぞれ係止する。よって、ハンマドリル1に対する集塵アタッチメント60の下方への移動が規制されて集塵アタッチメント60の取り付けが完了する。このとき本機側結合部14のボール17は、集塵アタッチメント60の取り付け位置で本体部62の嵌合凹部67に嵌合してクリック作用を生じさせると共に、本体部62を押圧して結合状態のがたつきを抑える。
この取り付け完了と同時に後突出部64の接続筒77が、前筒部11の接続口28に接続されて、オスコネクタ78をメスコネクタ29に接続する。よって、サブスイッチ22が、サブリード線27及び信号用リード線97を介して集塵側コントローラ96へ電気的に接続されることになる。
【0025】
ここでハンマドリル1に装着されるビットBは、前端に吸込口が開口する吸塵路を軸心に有して外周に図示しないホース取付部が外装される吸塵ビットとなっている。よって、集塵アタッチメント60において吸引力が発生するダクト80の前端と、ホース取付部との間にフレキシブルホース105が接続される。
このフレキシブルホース105で接続することで、ビットBと集塵アタッチメント60とに跨がって空気が流れる集塵経路Rが形成される。この集塵経路Rは、
図1に点線矢印で示すように、ビットBから、フレキシブルホース105、ダクト80、ダストボックス65、モータ収容室90を介して排気口に至る経路である。
【0026】
集塵システムSを使用して作業を行う際、ビットBの先端を被加工材の被加工面に押し当てた状態でハンマドリル1のスイッチレバー30を押し込み操作する。すると、前述のようにサブスイッチ22が先にONする。このON信号は、サブリード線27及び信号用リード線97を介して集塵側コントローラ96へ入力される。集塵側コントローラ96は、ON信号を得ると、端子台102から電源用リード線103を介して得られるバッテリパック101の電源を、リード線95,95を介して集塵用モータ92へ供給する。よって、集塵用モータ92が駆動して回転軸93が回転し、集塵ファン94を回転させる。すると、集塵経路Rが負圧となってビットBの先端開口に吸引力が発生する。
【0027】
サブスイッチ22に続いてメインスイッチ21がONする。このON信号は、メインリード線24を介して本機側コントローラ13へ入力される。本機側コントローラ13は、ON信号を得ると、電源コード20から得られる商用電源から作動電源をモータ7へ供給する。よって、モータ7が駆動して回転軸8が回転し、中間軸36及びクランク軸37を回転させる。ここではハンマドリルモードとハンマモードとの何れを選択してもピストン44は常に往復動するため、連動するストライカ48によってインパクトボルト49を介してビットBは打撃される。
ここでは電源コード20から本機側コントローラ13を介してモータ7に至る電源経路と、バッテリパック101から集塵側コントローラ96を介して集塵用モータ92に至る電源経路とが電気的に分離している。そして、メインスイッチ21の信号経路と電気的に分離した状態で、メインスイッチ21のON/OFF操作に連動して集塵用モータ92を駆動/駆動停止させる連動手段(サブスイッチ22、サブリード線27、信号用リード線97)が設けられている。
よって、集塵用モータ92でノイズが発生しても、発生したノイズがハンマドリル1の電源経路に伝搬することを防止できる。よって、EMI規格試験をクリアでき、ノイズ対策が不要となる。
【0028】
被加工材から生じた粉塵は、ビットB内の吸塵路に吸い込まれてフレキシブルホース105を介してダクト80内に進入する。そして、粉塵は、集塵経路Rを通ってダストボックス65内に進入し、フィルタ83に捕捉されてボックス本体82内に貯留する。
作業終了に伴い、スイッチレバー30の押し込み操作を解除すると、メインスイッチ21がOFFする。本機側コントローラ13は、メインスイッチ21のOFFを確認すると、モータ7への電源供給を停止してハンマドリル1の作動を停止させる。
一方、スイッチレバー30の押し込み操作の解除に伴い、サブスイッチ22がOFFすると、集塵側コントローラ96は、サブスイッチ22のOFFを確認した後、予め設定した数秒間の遅延時間の経過を待って集塵用モータ92への電源供給を停止する。よって、ハンマドリル1の作動停止時に集塵経路R内に残留していた粉塵をダストボックス65に貯留することができる。
【0029】
集塵アタッチメント60をハンマドリル1から取り外す際は、左右のフック板71,71の下部を押し込んで各フック板71をロック解除位置へ移動させる。すると、各係止爪74が前筒部11の係止凹部19から外れて集塵アタッチメント60の相対移動が許容される。よって、取り付け時と逆に集塵アタッチメント60をハンマドリル1からの離間方向へ相対移動させる。すると、集塵側結合部66,66が本体側結合部14の係止溝15,15から外れて下方へ離間する。こうして集塵アタッチメント60の取り外しが完了する。
ダストボックス65内に貯留した粉塵を廃棄する際には、弾性片86を押し下げて前突出部63との係止を解除させる。そして、ダストボックス65をそのまま係止軸84を中心に前方へ倒すようにすれば、ダストボックス65をケーシング61から取り外すことができる。蓋体81を開放すれば、ボックス本体82の内部に貯留した粉塵を廃棄することができる。
【0030】
次に、アダプタを用いて、形態が異なるハンマドリルに集塵アタッチメント60を取り付ける場合を説明する。
図4に示すハンマドリル1Aは、前筒部11の前面に先に説明したハンマドリル1と同じ本機側結合部14を有している。ハンマドリル1Aは、本開示の第1の構成における第2の電動工具の一例であり、第2の構成に係る電動工具の一例である。
ハンマドリル1Aは、ハンマドリル1よりも前筒部11の上下寸法が短く、集塵アタッチメント60の後突出部64の上面に設けた受け部76が前筒部11の下面に当接した状態で、フック板71の係止爪74と前筒部11の係止凹部19との位置が上下にずれ、係止凹部19が係止爪74よりも下方に位置する。また、本機側結合部14を集塵側結合部66に係止させた状態で、係止爪74と係止凹部19との位置が前後にずれ、係止凹部19が係止爪74よりも前方に位置する。
【0031】
よって、ここではアダプタ200が用いられる。アダプタ200は、縦板部201と横板部202とを備えている。縦板部201は、前筒部11と本体部62との間に位置する。横板部202は、前筒部11と後突出部64との間に位置する。
図5に示すように、縦板部201は、前側結合部14Aと後側結合部66A,66Aとを備えている。前側結合部14Aは、ハンマドリル1の本機側結合部14と同じ形態で、左右には、係止溝15,15と同じ係止溝15A,15Aが形成されている。後側結合部66A,66Aは、集塵側結合部66,66と同じ形態となっている。縦板部201の後面には、本機側結合部14のボール17が嵌合する嵌合凹部67Aが形成されている。前側結合部14Aの係止溝15Aと後側結合部66Aとの前後方向の間隔は、アダプタ200を使用せずに本機側結合部14と集塵側結合部66とを直接結合させた状態で係止凹部19よりも係止爪74が後方にずれる前後方向の間隔と一致している。
【0032】
横板部202は、上面に受け部76と同じ形状の上受け部203を有している。横板部202の下面から上受け部203の上面までの上下方向の間隔は、アダプタ200を使用せずに本機側結合部14と集塵側結合部66とを直接結合させた状態で係止凹部19よりも係止爪74が上方にずれる上下方向の間隔と一致している。
上受け部203の後側で横板部202の左右方向の中央部には、中間筒204が上下方向に設けられている。中間筒204の上端は、ハンマドリル1Aの接続口28に嵌合可能である。中間筒204の下端には、集塵アタッチメント60の接続筒77が嵌合可能である。
中間筒204には、接続金具205が保持されている。接続金具205は、上端がオス部206、下端がメス部207となっている。オス部206は、接続口28のメスコネクタ29に差し込み接続可能となっている。メス部207には、接続筒77のオスコネクタ78が差し込み接続可能となっている。
【0033】
このアダプタ200を用いてハンマドリル1Aに集塵アタッチメント60を取り付ける場合、まず、集塵アタッチメント60にアダプタ200を取り付ける。アダプタ200の縦板部201の前側結合部14Aを、集塵側結合部66,66の上方から相対的に下方へ移動させて、横板部202の下面に後突出部64の受け部76が当接するまでスライドさせる。すると、前側結合部14Aの係止溝15A,15Aに集塵側結合部66,66が係止して縦板部201が本体部62に結合されると共に、接続筒77が中間筒204に差し込まれて、オスコネクタ78が接続金具205のメス部207に差し込み接続される。
【0034】
次に、ハンマドリル1Aの本機側結合部14を、アダプタ200の後側結合部66A,66Aの上方から相対的に下方へ移動させて、前筒部11の下面に横板部202の上受け部203が当接するまでスライドさせる。すると、後側結合部66A,66Aが本機側結合部14の係止溝15,15に係止して縦板部201が前筒部11に結合されると共に、フック板71の係止爪74が係止凹部19に係止してハンマドリル1Aに集塵アタッチメント60が取り付けられる。同時に中間筒204が接続口28に差し込まれて、接続金具205のオス部206がメスコネクタ29に差し込み接続される。
こうしてハンマドリル1Aと集塵アタッチメント60とがアダプタ200を介して結合される。同時にハンマドリル1Aのサブスイッチ22と集塵側コントローラ96とが、サブリード線27、接続金具205、信号用リード線97を介して電気的に接続される。アダプタ200の前側結合部14A及び後側結合部66Aは、本開示の機械的結合部の一例である。アダプタ200の接続金具205は、本開示の電気的接続部の一例である。
【0035】
上記実施例1の集塵アタッチメント60及び集塵システムSは、ケーシング61が、ハンマドリル1Aに取付可能となるアダプタ200を着脱可能に備え、アダプタ200は、ケーシング61及びハンマドリル1Aと結合可能な前側結合部14A及び後側結合部66Aと、ハンマドリル1Aとの結合と共に集塵アタッチメント60とハンマドリル1Aとを電気的に接続させる接続金具205とを含んでなる。
この構成によれば、集塵用モータ92及び集塵ファン94を有する自己吸引式であっても、ハンマドリル1及びハンマドリル1Aに対してそれぞれ機械的に結合可能となると共に、電気的な接続も可能となる。
【0036】
接続金具205は、ハンマドリル1Aに設けられたメインスイッチ21と、ケーシング61内に設けられて集塵用モータ92を制御する集塵側コントローラ96とを電気的に接続させる。
よって、ハンマドリル1Aのメインスイッチ21のON/OFF操作に連動して集塵用モータ92を駆動させることができる。
アダプタ200は、ケーシング61とハンマドリル1Aとに対して、同一方向である上下方向の相対移動によりそれぞれ取り付け可能である。
よって、アダプタ200を用いてもハンマドリル1Aへのケーシング61の取り付けが短時間でスムーズに行える。
【0037】
前後方向で、アダプタ200におけるケーシング61との取付面の反対側に、ハンマドリル1Aとの取付面が設けられている。本実施例では前側となるケーシング61との取付面の後側に、ハンマドリル1Aとの取付面が設けられている。
よって、両取付面が容易に区別でき、アダプタ200のケーシング61への取り付けと、アダプタ200のハンマドリル1Aへの取り付けとが誤りなく順番に行える。
アダプタ200における前側結合部14A及び後側結合部66Aと接続金具205とは、互いに異なる面に設けられている。
よって、ケーシング61及びハンマドリル1Aへの機械的結合部と電気的接続部とを互いに干渉することなく配置できる。
ケーシング61は、ハンマドリル1Aの前側から下側に跨がる形状を有し、アダプタ200の前側結合部14A及び後側結合部66Aは、ケーシング61の後面とハンマドリル1Aの前面との間に設けられていると共に、接続金具205は、ケーシング61の上面とハンマドリル1Aの下面との間に設けられている。
よって、ケーシング61及びハンマドリル1Aへの機械的結合部と電気的接続部とがケーシング61の形状を利用して省スペースで容易に行える。
ハンドル部12内には、サブスイッチが設けられておらず、メインスイッチ21のみが設けられている。メインスイッチ21と本機側コントローラ13とは、メインリード線24を介して電気的に接続されている。本機側バッテリ装着部52には、装着された2つの本機側バッテリパック53,53が電気的に接続される図示しない端子台が前後に設けられている。この端子台は、それぞれ本機側第2リード線54,54を介して本機側コントローラ13と電気的に接続されている。
接続口28は、下側ハウジング51の前部下側に設けられている。接続口28のメスコネクタ29は、本機側第3リード線55を介して本機側コントローラ13と電気的に接続されている。
アダプタ200Aは、縦板部201が実施例1のアダプタ200と同じ構造となっている。横板部202は、内部にコンバータ208を収容している。横板部202の後部下面で左右方向の中央には、接続凹部209が形成されている。接続凹部209には、後突出部64の接続筒77が嵌合可能となっている。接続凹部209には、接続筒77のオスコネクタ78が差し込み接続されるメス端子210が設けられている。
横板部202の前部上面で左右方向の中央部には、接続凸部211が形成されている。接続凸部211は、前筒部11の接続口28に嵌合可能となっている。接続凸部211には、接続口28のメスコネクタ29に差し込み接続されるオス端子212が設けられている。メス端子210とオス端子212とは、それぞれ内部リード線213,213によってコンバータ208と電気的に接続されている。
よって、ハンマドリル1Bと集塵アタッチメント60とがアダプタ200Aを介して結合される。同時に本機側コントローラ13と集塵側コントローラ96とが、本機側第3リード線55、内部リード線213、コンバータ208、内部リード線213、信号用リード線97を介して電気的に接続される。
この実施例2では、集塵アタッチメント60側のバッテリパック101の残容量が低下して集塵用モータ92が駆動できる電圧が得られなくなると、集塵側コントローラ96から情報を得た本機側コントローラ13は、本機側バッテリパック53からの電源を集塵用モータ92へ供給する。このとき、本機側バッテリパック53の電源電圧は、コンバータ208で降圧されて集塵用モータ92に適した電源電圧で印加されることになる。
上記実施例2の集塵アタッチメント60及び集塵システムSにおいても、ケーシング61が、ハンマドリル1Bに取付可能となるアダプタ200Aを着脱可能に備え、アダプタ200Aは、ケーシング61及びハンマドリル1Bと結合可能な前側結合部14A及び後側結合部66Aと、ハンマドリル1Bとの結合と共に集塵アタッチメント60とハンマドリル1Bとを電気的に接続させる電気的接続部(メス端子210、内部リード線213、コンバータ208、内部リード線213、オス端子212)とを含んでなる。
この構成によれば、集塵用モータ92及び集塵ファン94を有する自己吸引式であっても、ハンマドリル1及びハンマドリル1Bに対してそれぞれ機械的に結合可能となると共に、電気的な接続も可能となる。
特に、電気的接続部(メス端子210、内部リード線213、コンバータ208、内部リード線213、オス端子212)は、ハンマドリル1Bから電源を供給可能とするものである。
よって、アダプタ200Aを用いてもハンマドリル1Bの電源を集塵アタッチメント60の電源に利用でき、使い勝手が向上する。
ハンマドリル1Bには、電源となる本機側バッテリパック53が設けられ、ケーシング61には、本機側バッテリパック53と定格電圧が異なるバッテリパック101が設けられて、アダプタ200Aには、本機側バッテリパック53の定格電圧をバッテリパック101の定格電圧に変換するコンバータ208が設けられている。
よって、ハンマドリル1Bが異なる定格電圧の本機側バッテリパック53を有していても、その電源を集塵アタッチメント60で利用できる。