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特開2024-178798電力供給システムおよび自動切替分電盤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178798
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】電力供給システムおよび自動切替分電盤
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20241218BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20241218BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20241218BHJP
   H02B 1/40 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
H02J9/06 120
H02J3/38 180
H02J3/32
H02B1/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097220
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井出 一良
【テーマコード(参考)】
5G015
5G066
5G211
【Fターム(参考)】
5G015FA16
5G015GA06
5G015GA10
5G015HA13
5G015JA05
5G015JA32
5G015JA34
5G015JA52
5G066HA04
5G066HA11
5G066HB04
5G066HB09
5G066JA02
5G066JB03
5G211AA05
5G211AA07
5G211DD11
5G211DD22
5G211GG04
5G211GG10
(57)【要約】
【課題】系統出力と自立出力とを切り替える切替スイッチに故障が生じていても、負荷に安定して電力を供給することが可能な電力供給システムを提供する。
【解決手段】蓄電池12の充放電を行う充放電装置11と自動切替分電盤20Aとを備える電力供給システム1Aであって、自動切替分電盤20Aは、第1系統入力端T11と第1自立入力端T12とを切り替えて第1出力端T13に接続する第1切替スイッチSW1と、第2系統入力端T21と第2自立入力端T22とを切り替えて第2出力端T23に接続する第2切替スイッチSW2と、第1入力端T31と第2入力端T32とを切り替えて第3出力端T33に接続する第3切替スイッチSW3と、第1切替スイッチSW1、第2切替スイッチSW2および第3切替スイッチSW3を制御する制御部22Aと、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統に接続される交流端と、蓄電池に接続される直流端と、自立出力端とを備え、前記自立出力端から前記蓄電池の放電電力を出力する充放電装置と、
一方側に前記電力系統および前記充放電装置の前記自立出力端が接続され、他方側に負荷が接続される自動切替分電盤と、
を備える電力供給システムであって、
前記自動切替分電盤は、
前記電力系統に接続される第1系統入力端、前記自立出力端に接続される第1自立入力端、第1出力端を備え、前記第1系統入力端と前記第1出力端とが導通接続された状態と前記第1自立入力端と前記第1出力端とが導通接続された状態とに切り替える第1切替スイッチと、
前記電力系統に接続される第2系統入力端、前記自立出力端に接続される第2自立入力端、第2出力端を備え、前記第2系統入力端と前記第2出力端とが導通接続された状態と前記第2自立入力端と前記第2出力端とが導通接続された状態とに切り替える第2切替スイッチと、
前記第1出力端に接続される第1入力端、前記第2出力端に接続される第2入力端、前記負荷に接続される第3出力端を備え、前記第1入力端と前記第3出力端とが導通接続された状態と前記第2入力端と前記第3出力端とが導通接続された状態とに切り替える第3切替スイッチと、
前記負荷に対する給電経路が形成されるように、前記第1切替スイッチ、前記第2切替スイッチおよび前記第3切替スイッチを制御する制御部と、を備える
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
前記自動切替分電盤は、
前記第1出力端と前記第1入力端とを接続する第1電力線に介装され、前記第1電力線を導通状態と非導通状態とに切り替える第4切替スイッチと、
前記第2出力端と前記第2入力端とを接続する第2電力線に介装され、前記第2電力線を導通状態と非導通状態とに切り替える第5切替スイッチと、を備え、
前記制御部は、
前記第1電力線および前記第2電力線のいずれか一方を導通状態にして他方を非導通状態にするように、前記第4切替スイッチおよび前記第5切替スイッチを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1切替スイッチが切り替え不能の故障の場合、前記第4切替スイッチを制御して前記第1電力線を非導通状態にする一方、前記第5切替スイッチを制御して前記第2電力線を導通状態にし、
前記第2切替スイッチが切り替え不能の故障の場合、前記第5切替スイッチを制御して前記第2電力線を非導通状態にする一方、前記第4切替スイッチを制御して前記第1電力線を導通状態にする
ことを特徴とする請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1系統入力端が前記第1出力端に接続された状態において前記第1切替スイッチが切り替え不能の故障の場合、前記電力系統が通電状態の時には、前記第4切替スイッチを制御して前記第1電力線を導通状態にする一方、
前記第2自立入力端が前記第2出力端に接続された状態において前記第2切替スイッチが切り替え不能の故障の場合、前記電力系統が停電状態の時には、前記第5切替スイッチを制御して前記第2電力線を導通状態にする
ことを特徴とする請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1切替スイッチの前段および後段の電圧に応じて、前記第1切替スイッチの切り替え不能の故障を検出し、当該検出結果に応じて前記第4切替スイッチを制御する第1検出部と、
前記第2切替スイッチの前段および後段の電圧に応じて、前記第2切替スイッチの切り替え不能の故障を検出し、当該検出結果に応じて前記第5切替スイッチを制御する第2検出部と、を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記自動切替分電盤は、
前記第3出力端と前記負荷とを接続する第3電力線に介装され、前記第3電力線を導通状態と非導通状態とに切り替える第6切替スイッチをさらに備え、
前記制御部は、
前記第1切替スイッチおよび前記第2切替スイッチの双方が切り替え不能の故障の場合に、前記第6切替スイッチを制御して前記第3電力線を非導通状態にする
ことを特徴とする請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記自動切替分電盤は、
前記第1切替スイッチおよび前記第2切替スイッチの少なくとも一方が切り替え不能の故障の場合に、発光手段、表示手段または音声手段により当該故障をユーザに伝える故障表示部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項8】
一方側に電力系統および蓄電池の充放電装置が接続され、他方側に負荷が接続される自動切替分電盤であって、
前記充放電装置は、前記蓄電池の放電電力を出力する自立出力端を備え、
前記自動切替分電盤は、
前記電力系統に接続される第1系統入力端、前記自立出力端に接続される第1自立入力端、第1出力端を備え、前記第1系統入力端と前記第1出力端とが導通接続された状態と前記第1自立入力端と前記第1出力端とが導通接続された状態とに切り替える第1切替スイッチと、
前記電力系統に接続される第2系統入力端、前記自立出力端に接続される第2自立入力端、第2出力端を備え、前記第2系統入力端と前記第2出力端とが導通接続された状態と前記第2自立入力端と前記第2出力端とが導通接続された状態とに切り替える第2切替スイッチと、
前記第1出力端に接続される第1入力端、前記第2出力端に接続される第2入力端、前記負荷に接続される第3出力端を備え、前記第1入力端と前記第3出力端とが導通接続された状態と前記第2入力端と前記第3出力端とが導通接続された状態とに切り替える第3切替スイッチと、
前記負荷に対する給電経路が形成されるように、前記第1切替スイッチ、前記第2切替スイッチおよび前記第3切替スイッチを制御する制御部と、を備える
ことを特徴とする自動切替分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムおよび自動切替分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力供給システムとして、系統出力と自立出力とを切り替えて、重要負荷と一般負荷とを区別することなく全ての負荷(例えば、電化製品)に電力を供給することができる全負荷対応型のシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7に、全負荷対応型の電力供給システム1Dの構成を示す。電力供給システム1Dは、蓄電システム10と自動切替分電盤20Dとを備える。電力供給システム1Dは、電力系統2および蓄電システム10からの系統出力と蓄電システム10からの自立出力とを自動切替分電盤20Dで切り替えて、家庭用コンセントに接続された電化製品等の負荷3に電力を供給する。
【0004】
蓄電システム10は、充放電装置11と蓄電池12とを備える。充放電装置11は、蓄電池12の充放電を行うよう構成され、系統電力線L11に接続される交流端と、自立出力用の電力線(以下、自立出力線L12)に接続される自立出力端とを備える。充放電装置11は、電力系統2の通電時には、系統電力線L11に蓄電池12の放電電力を出力(系統出力)する一方、電力系統2の停電時には、自立出力線L12に蓄電池12の放電電力を出力(自立出力)する。
【0005】
自動切替分電盤20Dは、切替スイッチ21Dと、切替スイッチ21Dを制御する制御部22Dとを備える。自動切替分電盤20Dの出力側は、図示しない一般分電盤を介して負荷3に接続される。切替スイッチ21Dは、制御部22Dの制御下で、電力系統2の通電時には系統電力線L11側に接続され、電力系統2の停電時には自立出力線L12側に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-198203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自動切替分電盤20Dでは、切替スイッチ21Dに切り替え不能の故障が生じる場合がある。例えば、切替スイッチ21Dが系統電力線L11側に接続された状態で切り替え不能となった場合、従来の電力供給システム1Dでは、電力系統2の停電時に、充放電装置11の自立出力を負荷3に供給することができなくなる。
【0008】
また、切替スイッチ21Dが自立出力線L12側に接続された状態で切り替え不能となった場合、従来の電力供給システム1Dでは、電力系統2の通電時に、系統出力(電力系統2の系統電力や充放電装置11の交流端から出力される放電電力)を負荷3に供給することができなくなる。この場合、電力系統2の通電時に、充放電装置11の自立出力が負荷3に供給されるため、切替スイッチ21Dの故障の発見が遅れてしまうおそれがある。
【0009】
さらに、自立出力線L12に自立出力用ブレーカが介装されている場合、自立出力用ブレーカのブレーカ容量は、一般に充放電装置11の自立出力の定格値に見合った値に設定されており、自立出力の定格値は、充放電装置11の系統出力の定格値よりも小さい値となる。このため、切替スイッチ21Dが自立出力線L12側に接続された状態で切り替え不能となった場合、従来の電力供給システム1Dでは、電力系統2の通電時に負荷3に供給できる電力が充放電装置11の自立出力の定格値に制限されてしまい、負荷3が増大するとブレーカ落ちの頻度が高まるおそれがある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、系統出力と自立出力とを切り替える切替スイッチに故障が生じていても、負荷に安定して電力を供給することが可能な電力供給システムおよび自動切替分電盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る電力供給システムは、
電力系統に接続される交流端と、蓄電池に接続される直流端と、自立出力端とを備え、前記自立出力端から前記蓄電池の放電電力を出力する充放電装置と、
一方側に前記電力系統および前記充放電装置の前記自立出力端が接続され、他方側に負荷が接続される自動切替分電盤と、
を備える電力供給システムであって、
前記自動切替分電盤は、
前記電力系統に接続される第1系統入力端、前記自立出力端に接続される第1自立入力端、第1出力端を備え、前記第1系統入力端と前記第1出力端とが導通接続された状態と前記第1自立入力端と前記第1出力端とが導通接続された状態とに切り替える第1切替スイッチと、
前記電力系統に接続される第2系統入力端、前記自立出力端に接続される第2自立入力端、第2出力端を備え、前記第2系統入力端と前記第2出力端とが導通接続された状態と前記第2自立入力端と前記第2出力端とが導通接続された状態とに切り替える第2切替スイッチと、
前記第1出力端に接続される第1入力端、前記第2出力端に接続される第2入力端、前記負荷に接続される第3出力端を備え、前記第1入力端と前記第3出力端とが導通接続された状態と前記第2入力端と前記第3出力端とが導通接続された状態とに切り替える第3切替スイッチと、
前記負荷に対する給電経路が形成されるように、前記第1切替スイッチ、前記第2切替スイッチおよび前記第3切替スイッチを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
この構成では、自動切替分電盤において、第1切替スイッチを経由する第1給電経路と第2切替スイッチを経由する第2給電経路とが並列に形成され、第1切替スイッチおよび第2切替スイッチのそれぞれが電力系統および充放電装置の自立出力端の双方に接続される。したがって、この構成では、第1切替スイッチおよび第2切替スイッチのいずれか一方が故障しても、第1給電経路または第2給電経路を介して負荷に安定して電力を供給することが可能となる。
【0013】
前記電力供給システムにおいて、
前記自動切替分電盤は、
前記第1出力端と前記第1入力端とを接続する第1電力線に介装され、前記第1電力線を導通状態と非導通状態とに切り替える第4切替スイッチと、
前記第2出力端と前記第2入力端とを接続する第2電力線に介装され、前記第2電力線を導通状態と非導通状態とに切り替える第5切替スイッチと、を備え、
前記制御部は、
前記第1電力線および前記第2電力線のいずれか一方を導通状態にして他方を非導通状態にするように、前記第4切替スイッチおよび前記第5切替スイッチを制御するよう構成できる。
【0014】
前記電力供給システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1切替スイッチが切り替え不能の故障の場合、前記第4切替スイッチを制御して前記第1電力線を非導通状態にする一方、前記第5切替スイッチを制御して前記第2電力線を導通状態にし、
前記第2切替スイッチが切り替え不能の故障の場合、前記第5切替スイッチを制御して前記第2電力線を非導通状態にする一方、前記第4切替スイッチを制御して前記第1電力線を導通状態にするよう構成できる。
【0015】
前記電力供給システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1系統入力端が前記第1出力端に接続された状態において前記第1切替スイッチが切り替え不能の故障の場合、前記電力系統が通電状態の時には、前記第4切替スイッチを制御して前記第1電力線を導通状態にする一方、
前記第2自立入力端が前記第2出力端に接続された状態において前記第2切替スイッチが切り替え不能の故障の場合、前記電力系統が停電状態の時には、前記第5切替スイッチを制御して前記第2電力線を導通状態にするよう構成できる。
【0016】
前記電力供給システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1切替スイッチの前段および後段の電圧に応じて、前記第1切替スイッチの切り替え不能の故障を検出し、当該検出結果に応じて前記第4切替スイッチを制御する第1検出部と、
前記第2切替スイッチの前段および後段の電圧に応じて、前記第2切替スイッチの切り替え不能の故障を検出し、当該検出結果に応じて前記第5切替スイッチを制御する第2検出部と、を備えるよう構成できる。
【0017】
前記電力供給システムにおいて、
前記自動切替分電盤は、
前記第3出力端と前記負荷とを接続する第3電力線に介装され、前記第3電力線を導通状態と非導通状態とに切り替える第6切替スイッチをさらに備え、
前記制御部は、
前記第1切替スイッチおよび前記第2切替スイッチの双方が切り替え不能の故障の場合に、前記第6切替スイッチを制御して前記第3電力線を非導通状態にするよう構成できる。
【0018】
前記電力供給システムにおいて、
前記自動切替分電盤は、
前記第1切替スイッチおよび前記第2切替スイッチの少なくとも一方が切り替え不能の故障の場合に、発光手段、表示手段または音声手段により当該故障をユーザに伝える故障表示部を備えるよう構成できる。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る自動切替分電盤は、
一方側に電力系統および蓄電池の充放電装置が接続され、他方側に負荷が接続される自動切替分電盤であって、
前記充放電装置は、前記蓄電池の放電電力を出力する自立出力端を備え、
前記自動切替分電盤は、
前記電力系統に接続される第1系統入力端、前記自立出力端に接続される第1自立入力端、第1出力端を備え、前記第1系統入力端と前記第1出力端とが導通接続された状態と前記第1自立入力端と前記第1出力端とが導通接続された状態とに切り替える第1切替スイッチと、
前記電力系統に接続される第2系統入力端、前記自立出力端に接続される第2自立入力端、第2出力端を備え、前記第2系統入力端と前記第2出力端とが導通接続された状態と前記第2自立入力端と前記第2出力端とが導通接続された状態とに切り替える第2切替スイッチと、
前記第1出力端に接続される第1入力端、前記第2出力端に接続される第2入力端、前記負荷に接続される第3出力端を備え、前記第1入力端と前記第3出力端とが導通接続された状態と前記第2入力端と前記第3出力端とが導通接続された状態とに切り替える第3切替スイッチと、
前記負荷に対する給電経路が形成されるように、前記第1切替スイッチ、前記第2切替スイッチおよび前記第3切替スイッチを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、系統出力と自立出力とを切り替える切替スイッチに故障が生じていても、負荷に安定して電力を供給することが可能な電力供給システムおよび自動切替分電盤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係る電力供給システムを示す図である。
図2】第1実施形態の各スイッチSW1~SW5の制御状態を示す状態表である。
図3】本発明の第2実施形態に係る電力供給システムを示す図である。
図4】第2実施形態の各スイッチSW1~SW5の制御状態を示す状態表である。
図5】本発明の第3実施形態に係る電力供給システムを示す図である。
図6】本発明の第3実施形態に係る自動切替分電盤を示す図である。
図7】従来の電力供給システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る電力供給システムおよび自動切替分電盤の実施形態について説明する。
【0023】
[第1実施形態]
図1に、本発明の第1実施形態に係る電力供給システム1Aを示す。電力供給システム1Aは、家庭用の電力供給システムであり、蓄電システム10と自動切替分電盤20Aとを備える。また、電力供給システム1Aは、全負荷対応型であり、電力系統2および/または蓄電システム10の系統出力と蓄電システム10の自立出力とを自動切替分電盤20Aで切り替えて負荷3に供給する。
【0024】
電力系統2は、電力系統2と電力供給システム1Aとを接続する系統電力線L11に、交流の系統電力を供給する交流電力源である。電力系統2は、例えば、三相3線式の高圧の電力線、柱上トランス、単相3線式の低圧(AC100/200V)の電力線を介して、電力供給システム1Aに接続される。
【0025】
負荷3は、電力を消費する機器の総称である。負荷3には、例えば、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、パソコン、テレビ等の電化製品が含まれ、これらの負荷3は、例えば、家庭用コンセントから単相3線式の電力線に接続される。電力供給システム1Aは全負荷対応型であるため、本実施形態の負荷3には、重要負荷(電力系統2の停電時でも動作させたい負荷)と一般負荷(重要負荷以外の負荷)とを区別することなく全ての負荷が含まれる。なお、重要負荷対応型の電力供給システムの場合は、負荷3は重要負荷となり、一般負荷は自動切替分電盤20Aを介することなく系統電力線L11に接続される。
【0026】
蓄電システム10は、充放電装置11と蓄電池12とを備える。蓄電システム10は、電力系統2の通電時に、電力系統2から供給される割安な深夜電力で蓄電池12を充電し、蓄電池12に貯めた電力を昼間に利用することで、電気料金を節約することができる。また、蓄電システム10は、電力系統2の停電時にも、蓄電池12に貯めた電力を負荷3に供給することができる。
【0027】
充放電装置11は、交流端Ta、直流端Tbおよび自立出力端Tcと、開閉部11aと、電力変換部11bと、制御部11cとを備える。
【0028】
交流端Taは、系統電力線L11を介して電力系統2および自動切替分電盤20Aに接続される。直流端Tbは、蓄電池12に接続される。自立出力端Tcは、自立出力用の電力線(以下、自立出力線L12)を介して自動切替分電盤20Aに接続される。
【0029】
開閉部11aは、第1開閉器SW11と、第2開閉器SW12と、第3開閉器SW13と、第4開閉器SW14とを備える。開閉部11aは、電力系統2の通電時に、第1開閉器SW11および第2開閉器SW12が閉状態(ON状態)になり、第3開閉器SW13および第4開閉器SW14が開状態(OFF状態)になる。一方、電力系統2の停電時には、第1開閉器SW11および第2開閉器SW12が開状態(OFF状態)になり、第3開閉器SW13および第4開閉器SW14が閉状態(ON状態)になる。各開閉器SW11~SW14は、例えば、制御部11cの制御下で開閉するリレーで構成される。
【0030】
電力変換部11bは、双方向AC/DCインバータおよび双方向DC/DCコンバータを備える。双方向AC/DCインバータは、AC側が開閉部11aに接続され、DC側が双方向DC/DCコンバータの一方のDC側に接続される。双方向DC/DCコンバータの他方のDC側は、直流端Tbに接続される。電力変換部11bは、制御部11cの制御下で、蓄電池12に対する充電動作および放電動作を行う。充電動作時の電力変換部11bは、蓄電池12に直流の充電電力を供給する。放電動作時の電力変換部11bは、蓄電池12から直流の放電電力を取り出し、交流電力に変換して出力する。
【0031】
制御部11cは、開閉部11aの制御を行う開閉制御部と、電力変換部11bの制御を行う電力変換制御部とを備える。電力変換制御部は、例えば、マイクロコントローラやDSP等を使用したデジタル回路で構成されていてもよいし、デジタル回路とアナログ回路とを組み合わせた回路で構成されていてもよい。制御部11cは、さらに検出部を備える。検出部は、例えば、制御部11cの制御に必要な電流値および/または電圧値を検出する電流センサおよび/または電圧センサを含む。
【0032】
制御部11cは、充放電装置11の動作モードを設定する。動作モードには、電力系統2が通電状態の時に設定される連系運転モードと、電力系統2が停電状態の時に設定される自立運転モードとが含まれる。連系運転モードの場合、制御部11cは、第1開閉器SW11および第2開閉器SW12を閉状態(第3開閉器SW13および第4開閉器SW14を開状態)にして、電力変換部11bに交流端Taからの系統出力と自立出力端Tcからの自立出力とを行わせる。一方、自立運転モードの場合、制御部11cは、第3開閉器SW13および第4開閉器SW14を閉状態(第1開閉器SW11および第2開閉器SW12を開状態)にして、電力変換部11bに自立出力端Tcからの自立出力のみを行わせる。
【0033】
蓄電池12は、所定の場所に設置して用いる定置型蓄電地であって、充放電可能に構成された少なくとも1つの二次電池と、二次電池を管理するバッテリーマネジメントシステムとを含む。二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池が用いられるが、リチウムイオン二次電池以外の二次電池を用いてもよい。
【0034】
なお、蓄電システム10の自立出力線L12には、自立出力用ブレーカが介装されていてもよい。自立出力用ブレーカのブレーカ容量は、充放電装置11の自立出力の定格値に見合った値に設定されており、自立出力の定格値は、充放電装置11の系統出力の定格値よりも小さい値となる。
【0035】
自動切替分電盤20Aは、スイッチ部21Aと、スイッチ部21Aを制御する制御部22Aとを備える。自動切替分電盤20Aの一方側(交流入力側)は、系統電力線L11を介して電力系統2および蓄電システム10に接続されるとともに、自立出力線L12を介して蓄電システム10に接続される。自動切替分電盤20Aの他方側(交流出力側)は、図示しない一般分電盤を介して負荷3に接続される。
【0036】
スイッチ部21Aは、第1切替スイッチSW1と、第2切替スイッチSW2と、第3切替スイッチSW3と、第4切替スイッチSW4と、第5切替スイッチSW5とを備え、系統出力と自立出力とを切り替えて出力する。各スイッチSW1~SW5は、少なくとも1つのリレーで構成されていてもよいし、少なくとも1つの半導体スイッチで構成されていてもよい。
【0037】
スイッチ部21Aに入力される系統出力は、電力系統2から供給される交流の系統電力および/または充放電装置11の交流端Taから出力される交流電力である。また、スイッチ部21Aに入力される自立出力は、充放電装置11の自立出力端Tcから出力される交流電力である。
【0038】
第1切替スイッチSW1は、系統電力線L11に接続される第1系統入力端T11と、自立出力線L12に接続される第1自立入力端T12と、第1電力線L1に接続される第1出力端T13とを備える。第1切替スイッチSW1は、制御部22Aの制御下で、第1系統入力端T11と第1出力端T13とが導通接続した状態と、第1自立入力端T12と第1出力端T13とが導通接続した状態とに切り替わる。すなわち、第1切替スイッチSW1は、系統出力を第1電力線L1に供給する状態と自立出力を第1電力線L1に供給する状態とに切り替わる。
【0039】
第2切替スイッチSW2は、系統電力線L11に接続される第2系統入力端T21と、自立出力線L12に接続される第2自立入力端T22と、第2電力線L2に接続される第2出力端T23とを備える。第2切替スイッチSW2は、制御部22Aの制御下で、第2系統入力端T21と第2出力端T23とが導通接続した状態と、第2自立入力端T22と第2出力端T23とが導通接続した状態とに切り替わる。すなわち、第2切替スイッチSW2は、系統出力を第2電力線L2に供給する状態と自立出力を第2電力線L2に供給する状態とに切り替わる。
【0040】
第3切替スイッチSW3は、第1電力線L1に接続される第1入力端T31と、第2電力線L2に接続される第2入力端T32と、第3電力線L3に接続される第3出力端T33とを備える。第3切替スイッチSW3は、制御部22Aの制御下で、第1入力端T31と第3出力端T33とが導通接続した状態(以下、「上状態」という。)と、第2入力端T32と第3出力端T33とが導通接続した状態(以下、「下状態」という。)とに切り替わる。すなわち、第3切替スイッチSW3は、第1電力線L1から供給された交流電力を第3電力線L3に供給する状態(上状態)と第2電力線L2から供給された交流電力を第3電力線L3に供給する状態(下状態)とに切り替わる。
【0041】
第4切替スイッチSW4は、第1電力線L1に介装される。第4切替スイッチSW4は、制御部22Aの制御下で、ON状態とOFF状態とが切り替わり、ON状態の時に第1電力線L1を導通状態にする一方、OFF状態の時に第1電力線L1を非導通状態にする。
【0042】
第5切替スイッチSW5は、第2電力線L2に介装される。第5切替スイッチSW5は、制御部22Aの制御下で、ON状態とOFF状態とが切り替わり、ON状態の時に第2電力線L2を導通状態にする一方、OFF状態の時に第2電力線L2を非導通状態にする。
【0043】
制御部22Aは、充放電装置11の動作モードを判定するモード判定部と、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2の切り替え不能の故障を判定する故障判定部と、各スイッチSW1~SW5を制御するスイッチ制御部とを備える。
【0044】
モード判定部は、蓄電システム10の制御部11cと通信を行うことで動作モードを判定するか、または、電力系統2から供給される系統電力の検出を行うことで動作モードを判定する。前者の場合、モード判定部は、制御部11cと通信を行うための通信手段を含み、当該通信手段により制御部11cから動作モードを取得する。後者の場合、モード判定部は、電圧センサを含み、当該電圧センサにより検出した第1系統入力端T11または第2系統入力端T21の電圧が所定の正常範囲に含まれている場合に連系運転モードと判定し、正常範囲に含まれていない場合に自立運転モードと判定する。モード判定部は、判定した動作モードをスイッチ制御部に出力する。
【0045】
故障判定部は、電圧センサにより、動作モードの切り替え前後の第1出力端T13の電圧を検出することで、第1切替スイッチSW1の切り替え不能の故障を判定し、動作モードの切り替え前後の第2出力端T23の電圧を検出することで、第2切替スイッチSW2の切り替え不能の故障を判定する。
【0046】
第4切替スイッチSW4がON状態、第5切替スイッチSW5がOFF状態、第3切替スイッチSW3が上状態の場合、故障判定部は、第1切替スイッチSW1の切り替え不能の故障について、次の(1)、(2)のように判定する。
(1)連系運転モード時において、第1出力端T13の電圧が所定の第1正常範囲に収まっており、かつ連系運転モードから自立運転モードへの切り替え時において、切り替え前後の第1出力端T13の電圧変化が所定の第2正常範囲から外れている状態が所定時間継続する場合、故障判定部は、第1切替スイッチSW1が第1系統入力端T11側に固定された状態で切り替え不能となった故障と判定する。
(2)自立運転モード時において、第1出力端T13の電圧が所定の第3正常範囲に収まっており、かつ自立運転モードから連系運転モードへの切り替え時において、切り替え前後の第1出力端T13の電圧変化が所定の第4正常範囲から外れている状態が所定時間継続する場合、故障判定部は、第1切替スイッチSW1が第1自立入力端T12側に固定された状態で切り替え不能となった故障と判定する。
【0047】
第4切替スイッチSW4がOFF状態、第5切替スイッチSW5がON状態、第3切替スイッチSW3が下状態の場合、故障判定部は、第2切替スイッチSW2の切り替え不能の故障について、次の(3)、(4)のように判定する。
(3)連系運転モード時において、第2出力端T23の電圧が所定の第1正常範囲に収まっており、かつ連系運転モードから自立運転モードへの切り替え時において、切り替え前後の第2出力端T23の電圧変化が所定の第2正常範囲から外れている状態が所定時間継続する場合、故障判定部は、第2切替スイッチSW2が第2系統入力端T21側に固定された状態で切り替え不能となった故障と判定する。
(4)自立運転モード時において、第2出力端T23の電圧が所定の第3正常範囲に収まっており、かつ自立運転モードから連系運転モードへの切り替え時において、切り替え前後の第2出力端T23の電圧変化が所定の第4正常範囲から外れている状態が所定時間継続する場合、故障判定部は、第2切替スイッチSW2が第2自立入力端T22側に固定された状態で切り替え不能となった故障と判定する。
【0048】
第1~第4正常範囲は、充放電装置11の系統出力の定格値、充放電装置11の自立出力の定格値、およびこれらの定格値の差分等から、制御部22Aにおいて適宜設定することができる。故障判定部は、判定結果をスイッチ制御部に出力する。
【0049】
スイッチ制御部は、モード判定部および故障判定部の判定結果に基づいて、各スイッチSW1~SW5を制御する。具体的には、スイッチ制御部は、図2に示すように各スイッチSW1~SW5を制御する。なお、以下では、切り替え不能となった故障を単に故障といい、第2実施形態および第3実施形態でも同様とする。
【0050】
(状態1-1)
状態1-1では、充放電装置11の動作モードが連系運転モードであり、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2はいずれも故障していない。
【0051】
連系運転モードの場合、第1系統入力端T11および第2系統入力端T21には、系統出力(系統電圧および/または交流端Taから出力される交流電圧)が印加され、第1自立入力端T12および第2自立入力端T22には、自立出力(自立出力端Tcから出力される交流電圧)が印加される。
【0052】
制御部22Aは、第1切替スイッチSW1を第1系統入力端T11と第1出力端T13とが導通接続した状態にして、第2切替スイッチSW2を第2系統入力端T21と第2出力端T23とが導通接続した状態にする。さらに、制御部22Aは、第4切替スイッチSW4をON状態、第5切替スイッチSW5をOFF状態、第3切替スイッチSW3を上状態にするか、または第4切替スイッチSW4をOFF状態、第5切替スイッチSW5をON状態、第3切替スイッチSW3を下状態にする。なお、スイッチSW3~SW5を前者の状態にするか後者の状態にするかについて、制御部22Aは、予め設定しておくことができる。
【0053】
(状態1-2)
状態1-2では、充放電装置11の動作モードが自立運転モードであり、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2はいずれも故障していない。
【0054】
自立運転モードの場合、第1系統入力端T11および第2系統入力端T21には、系統出力が印加されず、第1自立入力端T12および第2自立入力端T22には、自立出力が印加される。
【0055】
制御部22Aは、第1切替スイッチSW1を第1自立入力端T12と第1出力端T13とが導通接続した状態にして、第2切替スイッチSW2を第2自立入力端T22と第2出力端T23とが導通接続した状態にする。さらに、制御部22Aは、第4切替スイッチSW4をON状態、第5切替スイッチSW5をOFF状態、第3切替スイッチSW3を上状態にするか、または第4切替スイッチSW4をOFF状態、第5切替スイッチSW5をON状態、第3切替スイッチSW3を下状態にする。
【0056】
(状態1-3)
状態1-3では、充放電装置11の動作モードが自立運転モードであり、第1切替スイッチSW1が故障しており、第2切替スイッチSW2は故障していない。状態1-3では、第1切替スイッチSW1は第1系統入力端T11側に固定された状態で故障しているが、第1切替スイッチSW1が第1自立入力端T12側に固定された状態で故障した場合であっても、制御部22Aは同様の制御を行う。
【0057】
制御部22Aは、第2切替スイッチSW2を第2自立入力端T22と第2出力端T23とが導通接続した状態にして、第4切替スイッチSW4をOFF状態、第5切替スイッチSW5をON状態、第3切替スイッチSW3を下状態にする。これにより、自立出力は、第2切替スイッチSW2を経由した給電経路で負荷3に供給される。
【0058】
(状態1-4)
状態1-4では、充放電装置11の動作モードが連系運転モードであり、第1切替スイッチSW1が故障しており、第2切替スイッチSW2は故障していない。状態1-4では、第1切替スイッチSW1は第1系統入力端T11側に固定された状態で故障しているが、第1切替スイッチSW1が第1自立入力端T12側に固定された状態で故障した場合であっても、制御部22Aは同様の制御を行う。
【0059】
制御部22Aは、第2切替スイッチSW2を第2系統入力端T21と第2出力端T23とが導通接続した状態にして、第4切替スイッチSW4をOFF状態、第5切替スイッチSW5をON状態、第3切替スイッチSW3を下状態にする。これにより、系統出力は、第2切替スイッチSW2を経由した給電経路で負荷3に供給される。
【0060】
(状態1-5)
状態1-5では、充放電装置11の動作モードが自立運転モードであり、第2切替スイッチSW2が故障しており、第1切替スイッチSW1は故障していない。状態1-5では、第2切替スイッチSW2は第2系統入力端T21側に固定された状態で故障しているが、第2切替スイッチSW2が第2自立入力端T22側に固定された状態で故障した場合であっても、制御部22Aは同様の制御を行う。
【0061】
制御部22Aは、第1切替スイッチSW1を第1自立入力端T12と第1出力端T13とが導通接続した状態にして、第4切替スイッチSW4をON状態、第5切替スイッチSW5をOFF状態、第3切替スイッチSW3を上状態にする。これにより、自立出力は、第1切替スイッチSW1を経由した給電経路で負荷3に供給される。
【0062】
(状態1-6)
状態1-6では、充放電装置11の動作モードが連系運転モードであり、第2切替スイッチSW2が故障しており、第1切替スイッチSW1は故障していない。第2切替スイッチSW2は第2系統入力端T21側に固定された状態で故障しているが、第2切替スイッチSW2が第2自立入力端T22側に固定された状態で故障した場合であっても、制御部22Aは同様の制御を行う。
【0063】
制御部22Aは、第1切替スイッチSW1を第1系統入力端T11と第1出力端T13とが導通接続した状態にして、第4切替スイッチSW4をON状態、第5切替スイッチSW5をOFF状態、第3切替スイッチSW3を上状態にする。これにより、系統出力は、第1切替スイッチSW1を経由した給電経路で負荷3に供給される。
【0064】
以上のように、本実施形態に係る電力供給システム1Aでは、自動切替分電盤20Aにおいて、第1切替スイッチSW1を経由する第1給電経路(第1電力線L1)と第2切替スイッチSW2を経由する第2給電経路(第2電力線L2)とが並列に形成され、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2のそれぞれが系統電力線L11および自立出力線L12の双方に接続される。したがって、本実施形態に係る電力供給システム1Aでは、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2のいずれか一方が故障しても、第1給電経路(第1電力線L1)または第2給電経路(第2電力線L2)を介して負荷3に安定して電力を供給することが可能となる。
【0065】
なお、本実施形態の故障判定部は、スイッチSW1、SW2が系統電力線L11側と自立出力線L12側のどちら側に固定された状態で故障しているのかを検出できるよう構成されている。しかしながら、本実施形態に係る電力供給システム1Aでは、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2のいずれか一方が故障した場合、故障していない他方のスイッチを経由する給電経路で負荷3に電力供給を行うため、スイッチSW1、SW2の故障を検出できるのであれば、その故障が系統電力線L11側と自立出力線L12側のどちら側に固定された状態の故障なのかを検出する必要はない。よって、本実施形態の故障判定部は、構成を簡素化することができる。
【0066】
[第2実施形態]
図3に、本発明の第2実施形態に係る電力供給システム1Bを示す。電力供給システム1Bは、蓄電システム10と自動切替分電盤20Bとを備える。蓄電システム10は、第1実施形態と同じ構成である。
【0067】
自動切替分電盤20Bは、スイッチ部21Bと、スイッチ部21Bを制御する制御部22Bとを備える。スイッチ部21Bは、第1実施形態のスイッチ部21Aと同じ構成である。
【0068】
制御部22Bは、充放電装置11の動作モードを判定するモード判定部と、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2の切り替え不能の故障を判定する故障判定部と、各スイッチSW1~SW5を制御するスイッチ制御部とを備える。制御部22Bは、スイッチ制御部が行う制御を除き、第1実施形態の制御部22Aと同じ構成である。
【0069】
スイッチ制御部は、モード判定部および故障判定部の判定結果に基づいて、各スイッチSW1~SW5を制御する。具体的には、スイッチ制御部は、図4に示すように各スイッチSW1~SW5を制御する。
【0070】
(状態2-1)
状態2-1では、充放電装置11の動作モードが連系運転モードであり、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2はいずれも故障していない。制御部22Bは、第1切替スイッチSW1を第1系統入力端T11と第1出力端T13とが導通接続した状態、第2切替スイッチSW2を第2系統入力端T21と第2出力端T23とが導通接続した状態にして、第4切替スイッチSW4をON状態、第5切替スイッチSW5をOFF状態、第3切替スイッチSW3を上状態にする。
【0071】
(状態2-2)
状態2-2では、充放電装置11の動作モードが自立運転モードであり、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2はいずれも故障していない。制御部22Bは、第1切替スイッチSW1を第1自立入力端T12と第1出力端T13とが導通接続した状態、第2切替スイッチSW2を第2自立入力端T22と第2出力端T23とが導通接続した状態にして、第4切替スイッチSW4をOFF状態、第5切替スイッチSW5をON状態、第3切替スイッチSW3を下状態にする。
【0072】
(状態2-3)
状態2-3は、第1実施形態の状態1-3と同じである。すなわち、制御部22Bは、第1実施形態の制御部22Aと同じ制御を行う。
【0073】
(状態2-4)
状態2-4では、充放電装置11の動作モードが連系運転モードであり、第1切替スイッチSW1が第1系統入力端T11側に固定された状態で故障しており、第2切替スイッチSW2は故障していない。制御部22Bは、第2切替スイッチSW2を第2系統入力端T21と第2出力端T23とが導通接続した状態にして、第4切替スイッチSW4をON状態、第5切替スイッチSW5をOFF状態、第3切替スイッチSW3を上状態にする。これにより、系統出力は、故障した第1切替スイッチSW1を経由した第1給電経路で負荷3に供給される。
【0074】
(状態2-5)
状態2-5は、第1実施形態の状態1-5と同じである。すなわち、制御部22Bは、第1実施形態の制御部22Aと同じ制御を行う。
【0075】
(状態2-6)
状態2-6は、第1実施形態の状態1-6と同じである。すなわち、制御部22Bは、第1実施形態の制御部22Aと同じ制御を行う。
【0076】
(状態2-7)
状態2-7は、充放電装置11の動作モードが自立運転モードであり、第1切替スイッチSW1が第1自立入力端T12に固定された状態で故障しており、第2切替スイッチSW2は故障していない。この場合、制御部22Bは、故障していないスイッチSW2~SW5に対して、状態2-3(第1実施形態の状態1-3)と同様の制御を行う。
【0077】
(状態2-8)
状態2-8は、充放電装置11の動作モードが連系運転モードであり、第1切替スイッチSW1が第1自立入力端T12に固定された状態で故障しており、第2切替スイッチSW2は故障していない。この場合、制御部22Bは、故障していないスイッチSW2~SW5に対して、第1実施形態の状態1-4と同様の制御を行う。
【0078】
(状態2-9)
状態2-9では、充放電装置11の動作モードが自立運転モードであり、第2切替スイッチSW2が第2自立入力端T22側に固定された状態で故障しており、第1切替スイッチSW1は故障していない。制御部22Bは、第1切替スイッチSW1を第1自立入力端T12と第1出力端T13とが導通接続した状態にして、第4切替スイッチSW4をOFF状態、第5切替スイッチSW5をON状態、第3切替スイッチSW3を下状態にする。これにより、自立出力は、故障した第2切替スイッチSW2を経由した第2給電経路で負荷3に供給される。
【0079】
(状態2-10)
状態2-10では、充放電装置11の動作モードが連系運転モードであり、第2切替スイッチSW2が第2自立入力端T22側に固定された状態で故障しており、第1切替スイッチSW1は故障していない。この場合、制御部22Bは、故障していないスイッチSW1、SW3~SW5に対して、状態2-6(第1実施形態の状態1-6)と同様の制御を行う。
【0080】
以上のように、本実施形態に係る電力供給システム1Bでは、自動切替分電盤20Bにおいて、第1切替スイッチSW1を経由する第1給電経路(第1電力線L1)と第2切替スイッチSW2を経由する第2給電経路(第2電力線L2)とが並列に形成され、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2のそれぞれが系統電力線L11および自立出力線L12の双方に接続される。したがって、本実施形態に係る電力供給システム1Bでは、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2のいずれか一方が故障しても、第1給電経路(第1電力線L1)または第2給電経路(第2電力線L2)を介して負荷3に安定して電力を供給することが可能となる。
【0081】
さらに、本実施形態に係る電力供給システム1Bでは、充放電装置11の動作モードが連系運転モードで、かつ第1切替スイッチSW1が第1系統入力端T11側に固定された状態で故障している場合(状態2-4の場合)には、故障した第1切替スイッチSW1を経由した第1給電経路で負荷3に系統出力を供給している。このように、故障していないスイッチSW2~SW5に対して、第1切替スイッチSW1が故障していない場合(状態2-1の場合)と同様の制御を行うことで、制御の複雑化を抑制できる。
【0082】
同様に、本実施形態に係る電力供給システム1Bでは、充放電装置11の動作モードが自立運転モードで、かつ第2切替スイッチSW2が第2自立入力端T22側に固定された状態で故障している場合(状態2-9の場合)には、故障した第2切替スイッチSW2を経由した第2給電経路で負荷3に自立出力を供給している。このように、故障していないスイッチSW1、SW3~SW5に対して、第2切替スイッチSW2が故障していない場合(状態2-2の場合)と同様の制御を行うことで、制御の複雑化を抑制できる。
【0083】
[第3実施形態]
図5に、本発明の第3実施形態に係る電力供給システム1Cを示す。電力供給システム1Cは、蓄電システム10Cと自動切替分電盤20Cとを備える。
【0084】
蓄電システム10Cは、充放電装置11Cと蓄電池12とを備える。充放電装置11Cは、連系運転モード時に自立出力を行うことなく系統出力を行う点において、第1実施形態と異なり(例えば、開閉部の構成が第1実施形態とは異なり)、その他の点において第1実施形態と同じ構成である。蓄電池12は、第1実施形態と同じ構成である。
【0085】
自動切替分電盤20Cは、スイッチ部21Cと、スイッチ部21Cを制御する制御部22Cとを備える。スイッチ部21Cは、第3電力線L3に第6切替スイッチSW6が介装されている点を除いて、第1実施形態のスイッチ部21Aと同じ構成である。なお、本実施形態では、第4切替スイッチSW4、第5切替スイッチSW5および第6切替スイッチSW6は、リレーのスイッチ(接点)である。
【0086】
第6切替スイッチSW6は、制御部22Cの制御下でON状態とOFF状態とが切り替わり、ON状態の時に第3電力線L3を導通状態にする一方、OFF状態の時に第3電力線L3を非導通状態にする。第6切替スイッチSW6は、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2の双方が故障している場合にOFF状態となり、いずれか一方のみが故障している場合や双方が故障していない場合はON状態となる。
【0087】
制御部22Cは、図6に示すように、モード判定部23と、スイッチ制御部24と、第1検出部25と、第2検出部26と、故障判定部27と、故障表示部28とを備える。
【0088】
モード判定部23は、第1実施形態のモード判定部と同じ構成であり、充放電装置11Cの動作モードを判定する。モード判定部23は、判定した動作モードをスイッチ制御部24に出力する。
【0089】
スイッチ制御部24は、モード判定部23の判定結果と、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2の故障の有無とに応じて、各スイッチSW1~SW3を制御する。具体的には、スイッチ制御部24は、第1実施形態と同様に(図2に示すように)、各スイッチSW1~SW3を制御する。
【0090】
第1検出部25は、第1切替スイッチSW1の故障の有無を検出し、当該検出結果に応じて、第4切替スイッチSW4を制御する。第1検出部25は、第1切替スイッチSW1の故障を検出していない場合に第4切替スイッチSW4をON状態にする一方、第1切替スイッチSW1の故障を検出している場合に第4切替スイッチSW4をOFF状態にする。
【0091】
第1検出部25は、論理回路C1~C5と、トランジスタTR1と、第4切替スイッチSW4の駆動コイルRC1とを備える。論理回路C1はNAND回路、論理回路C2、C3、C5はAND回路、論理回路C4はOR回路であり、これらの論理回路はアナログ回路および/またはデジタル回路で構成される。トランジスタTR1は、NPN型のバイポーラトランジスタであり、トランジスタTR1のコレクタに駆動コイルRC1が接続される。トランジスタTR1と駆動コイルRC1との接続点P1からの出力信号(電圧信号)は、故障判定部27およびスイッチ制御部24に出力される。なお、論理回路C1~C3の入力部には、電力線(系統電力線L11および自立出力線L12)に設けられた図示しない検出回路(系統出力検出回路および自立出力検出回路)によって、交流電力(系統出力および自立出力)を直流の検出信号に変換することで、交流電力の入力有無に応じて2値化(例えば、入力有:1、入力無:0)された信号(系統出力信号および自立出力信号)が入力される。
【0092】
充放電装置11Cが連系運転モードの場合、系統電力線L11から第1検出部25および第2検出部26に入力される電圧信号は、ハイレベルの信号となる一方、自立出力線L12から第1検出部25および第2検出部26に入力される電圧信号は、ローレベルの信号となる。充放電装置11Cが自立運転モードの場合、系統電力線L11から第1検出部25および第2検出部26に入力される電圧信号は、ローレベルの信号となる一方、自立出力線L12から第1検出部25および第2検出部26に入力される電圧信号は、ハイレベルの信号となる。
【0093】
第1検出部25では、第1切替スイッチSW1の第1出力端T13の電圧レベルは、第1切替スイッチSW1が故障していない場合にハイレベルとなり、第1切替スイッチSW1が故障している場合にローレベルとなる。論理回路C1の出力は、第1切替スイッチSW1の故障の有無にかかわらずハイレベルとなる。第1切替スイッチSW1が故障していない場合、論理回路C4の出力はハイレベル、論理回路C5の出力もハイレベルとなり、トランジスタTR1がONして駆動コイルRC1に電流が流れ、第4切替スイッチSW4はON状態となる。これにより、接続点P1からの出力(接続点P1の電圧レベル)はローレベルとなる。一方、第1切替スイッチSW1が故障している場合、論理回路C4の出力はローレベル、論理回路C5の出力もローレベルとなり、トランジスタTR1がOFFして駆動コイルRC1に電流が流れず、第4切替スイッチSW4はOFF状態となる。これにより、接続点P1からの出力はハイレベルとなる。
【0094】
第2検出部26は、第2切替スイッチSW2の故障の有無を検出し、当該検出結果に応じて第5切替スイッチSW5を制御する。第2検出部26は、第2切替スイッチSW2の故障を検出していない場合に第5切替スイッチSW5をON状態にする一方、第2切替スイッチSW2の故障を検出している場合に第5切替スイッチSW5をOFF状態にする。
【0095】
第2検出部26は、論理回路C6~C10と、トランジスタTR2と、第5切替スイッチSW5の駆動コイルRC2とを備える。論理回路C6はNAND回路、論理回路C7、C8、C10はAND回路、論理回路C9はOR回路であり、これらの論理回路はアナログ回路および/またはデジタル回路で構成される。トランジスタTR2は、NPN型のバイポーラトランジスタであり、トランジスタTR2のコレクタに駆動コイルRC2が接続される。トランジスタTR2と駆動コイルRC2との接続点P2からの出力信号(電圧信号)は、故障判定部27およびスイッチ制御部24に出力される。なお、論理回路C6~C8の入力部には、電力線(系統電力線L11および自立出力線L12)に設けられた図示しない検出回路(系統出力検出回路および自立出力検出回路)によって、交流電力(系統出力および自立出力)を直流の検出信号に変換することで、交流電力の入力有無に応じて2値化(例えば、入力有:1、入力無:0)された信号(系統出力信号および自立出力信号)が入力される。
【0096】
第2検出部26では、第2切替スイッチSW2の第2出力端T23の電圧レベルは、第2切替スイッチSW2が故障していない場合にハイレベルとなり、第2切替スイッチSW2が故障している場合にローレベルとなる。論理回路C6の出力は、第2切替スイッチSW2の故障の有無にかかわらずハイレベルとなる。第2切替スイッチSW2が故障していない場合、論理回路C9の出力はハイレベル、論理回路C10の出力もハイレベルとなり、トランジスタTR2がONして駆動コイルRC2に電流が流れ、第5切替スイッチSW5はON状態となる。これにより、接続点P2からの出力(接続点P2の電圧レベル)はローレベルとなる。一方、第2切替スイッチSW2が故障している場合、論理回路C9の出力はローレベル、論理回路C10の出力もローレベルとなり、トランジスタTR2がOFFして駆動コイルRC2に電流が流れず、第5切替スイッチSW5はOFF状態となる。これにより、接続点P2からの出力はハイレベルとなる。
【0097】
故障判定部27は、第1切替スイッチSW1の故障を検出していない場合または第2切替スイッチSW2の故障を検出していない場合に第6切替スイッチSW6をON状態にする一方、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2の双方の故障を検出している場合に第6切替スイッチSW6をOFF状態にする。
【0098】
故障判定部27は、論理回路C11と、トランジスタTR3と、第6切替スイッチSW6の駆動コイルRC3とを備える。論理回路C11はNAND回路であり、アナログ回路および/またはデジタル回路で構成される。トランジスタTR3は、NPN型のバイポーラトランジスタであり、トランジスタTR3のコレクタに駆動コイルRC3が接続される。
【0099】
論理回路C11には、接続点P1からの出力信号および接続点P2からの出力信号が入力される。第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2の双方が故障していない場合(P1がローレベル、P2がローレベルの場合)、第1切替スイッチSW1のみ故障している場合(P1がハイレベル、P2がローレベルの場合)、第2切替スイッチSW2のみ故障している場合(P1がローレベル、P2がハイレベルの場合)、論理回路C11の出力はハイレベルとなり、トランジスタTR3がONして駆動コイルRC3に電流が流れ、第6切替スイッチSW6はON状態となる。一方、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2の双方が故障している場合(P1がハイレベル、P2がハイレベルの場合)、論理回路C11の出力はローレベルとなり、トランジスタTR3がOFFして駆動コイルRC3に電流が流れず、第6切替スイッチSW6はOFF状態となる。
【0100】
故障表示部28は、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2の少なくとも一方が故障している場合に、当該故障をユーザに知らせるよう構成される。本実施形態では、故障表示部28は、論理回路C12と、トランジスタTR4と、発光ダイオードLED1と、抵抗R1とを備える。論理回路C12はNAND回路であり、アナログ回路および/またはデジタル回路で構成される。トランジスタTR4は、NPN型のバイポーラトランジスタであり、トランジスタTR4のコレクタに抵抗R1および発光ダイオードLED1の直列回路が接続される。発光ダイオードLED1は、可視光を放射する少なくとも1つの発光ダイオードである。
【0101】
論理回路C12には、論理回路C4の出力信号および論理回路C9の出力信号が入力される。第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2が故障していない場合(C4の出力がハイレベル、C9の出力がハイレベルの場合)、論理回路C12の出力はローレベルとなり、トランジスタTR4がOFFして発光ダイオードLED1には電流が流れず、発光ダイオードLED1は発光しない。一方、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2の少なくとも一方が故障している場合(C4、C9の出力の少なくとも一方がローレベルの場合)、論理回路C12の出力はハイレベルとなり、トランジスタTR4がONして発光ダイオードLED1に電流が流れ、発光ダイオードLED1は発光する。これにより、故障をユーザに知らせることができ、ユーザは故障を早期に発見することができる。
【0102】
なお、本実施形態では、第1切替スイッチSW1および第2切替スイッチSW2の少なくとも一方が故障していることを、発光手段(発光ダイオードLED1)を用いてユーザに知らせているが、これに加えて、またはこれに替えて、タッチパネル等の表示手段を用いて故障の表示を行ってもよいし、任意の音声手段を用いて音声により故障の通知を行ってもよい。
【0103】
[変形例]
以上、本発明に係る電力供給システムおよび自動切替分電盤の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0104】
本発明に係る電力供給システムは、電力系統に接続される交流端と、蓄電池に接続される直流端と、自立出力端とを備え、前記自立出力端から前記蓄電池の放電電力を出力する充放電装置と、一方側に前記電力系統および前記充放電装置の前記自立出力端が接続され、他方側に負荷が接続される自動切替分電盤と、を備える電力供給システムであって、前記自動切替分電盤は、前記電力系統に接続される第1系統入力端、前記自立出力端に接続される第1自立入力端、第1出力端を備え、前記第1系統入力端と前記第1出力端とが導通接続された状態と前記第1自立入力端と前記第1出力端とが導通接続された状態とに切り替える第1切替スイッチと、前記電力系統に接続される第2系統入力端、前記自立出力端に接続される第2自立入力端、第2出力端を備え、前記第2系統入力端と前記第2出力端とが導通接続された状態と前記第2自立入力端と前記第2出力端とが導通接続された状態とに切り替える第2切替スイッチと、前記第1出力端に接続される第1入力端、前記第2出力端に接続される第2入力端、前記負荷に接続される第3出力端を備え、前記第1入力端と前記第3出力端とが導通接続された状態と前記第2入力端と前記第3出力端とが導通接続された状態とに切り替える第3切替スイッチと、前記負荷に対する給電経路が形成されるように、前記第1切替スイッチ、前記第2切替スイッチおよび前記第3切替スイッチを制御する制御部と、を備えるのであれば、適宜構成を変更することができる。
【0105】
例えば、上記各実施形態に係る電力供給システム1A~1Cは、第4切替スイッチSW4および第5切替スイッチSW5を備えていなくてもよい。
【0106】
本発明の充放電装置は、電気自動車等に搭載された蓄電池の充放電を行う充放電装置(例えば、V2H装置)でもよい。
【0107】
本発明の電力供給システムは、再生可能エネルギーを用いた発電装置(例えば、太陽光発電装置)の電力変換部(例えば、パワーコンディショナ装置)を含んでもよい。発電装置の電力変換部が、自立出力として交流電力を出力できる自立出力端を備える場合、当該自立出力端は、自動切替分電盤の出力側(例えば、上記実施形態の第3電力線L3)に接続することができる。
【符号の説明】
【0108】
1A~1C 電力供給システム
2 電力系統
3 負荷
10、10C 蓄電システム
11、11C 充放電装置
11a 開閉部
11b 電力変換部
11c 制御部
12 蓄電池
20A~20C 自動切替分電盤
21A~21C スイッチ部
22A~22C 制御部
23 モード判定部
24 スイッチ制御部
25 第1検出部
26 第2検出部
27 故障判定部
28 故障表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7