(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017880
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】キャリアプレートおよびウインドレギュレータ
(51)【国際特許分類】
E05F 11/48 20060101AFI20240201BHJP
B60J 1/17 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
E05F11/48 D
B60J1/17 C
B60J1/17 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120821
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 信悟
【テーマコード(参考)】
3D127
【Fターム(参考)】
3D127AA19
3D127BB01
3D127CB05
3D127CC05
3D127DF26
3D127EE15
3D127EE25
3D127GG03
(57)【要約】
【課題】キャリアプレートにおける組付け作業性を上げることができるキャリアプレートおよびウインドレギュレータを提供する。
【解決手段】キャリアプレートは、駆動部の駆動力がケーブルにより伝達されることでガイドレール上を摺動案内されるキャリアプレートであって、基部と、ガイドレールと嵌合する嵌合部と、基部の幅方向の一方側において嵌合部から離間して設けられ、ガイドレールに対するキャリアプレートの嵌合部回りの回転を防止する回転防止爪と、嵌合部に対して基部の幅方向の他方側に設けられ、ケーブルの端部が収容される収容部と、基体をキャリアプレートの摺動方向に沿って見た場合に、摺動方向と幅方向とに直交する方向において回転防止爪と重なる位置に先端部が位置し、先端部がフランジ部に接触して、フランジ部を回転防止爪との間に挟み込む弾性爪とを有する。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部の駆動力がケーブルにより伝達されることで、基部と、前記基部から立設し一端が前記基部に接続する立設部と、前記立設部の他端に接続するフランジ部とを有するガイドレール上を摺動案内されるキャリアプレートであって、
基体と、
前記ガイドレールと嵌合する嵌合部と、
前記基部の幅方向の一方側において前記嵌合部から離間して設けられ、前記ガイドレールに対するキャリアプレートの前記嵌合部回りの回転を防止する回転防止爪と、
前記嵌合部に対して前記基部の幅方向の他方側に設けられ、前記ケーブルの端部が収容される収容部と、
前記基体を前記キャリアプレートの摺動方向に沿って見た場合に、前記摺動方向と前記幅方向とに直交する方向において前記回転防止爪と重なる位置に先端部が位置し、前記先端部が前記フランジ部に接触して、前記フランジ部を前記回転防止爪との間に挟み込む弾性爪とを有する、キャリアプレート。
【請求項2】
前記回転防止爪と前記弾性爪とが、前記キャリアプレートの厚さ方向と幅方向に直交する方向で見た場合に互いに重なる領域を有するように構成されている請求項1に記載のキャリアプレート。
【請求項3】
前記回転防止爪は、第1爪部と第2爪部とを有し、前記第1爪部と前記第2爪部とは前記基体の幅方向及び厚さ方向に直交する方向に離間して配置され、
前記弾性爪の先端部は前記第1爪部と前記第2爪部との間の領域に配置されている請求項1に記載のキャリアプレート。
【請求項4】
前記弾性爪と前記回転防止爪とは、前記ケーブルの外径よりも小さい隙間を形成するようにされている請求項1に記載のキャリアプレート。
【請求項5】
前記弾性爪は、前記基部の幅方向に延びる請求項1に記載のキャリアプレート。
【請求項6】
前記弾性爪は、前記基部の幅方向および前記キャリアプレートの厚さ方向のそれぞれに直交する方向に延びる請求項1に記載のキャリアプレート。
【請求項7】
前記弾性爪と前記回転防止爪との間に、前記キャリアプレートの厚さ方向から前記ケーブルが侵入しないような隙間が設けられる、請求項1に記載のキャリアプレート。
【請求項8】
前記弾性爪と前記回転防止爪との間に設けられた隙間は、前記キャリアプレートの厚さ方向で見た場合に曲線状の隙間である、請求項1に記載のキャリアプレート。
【請求項9】
キャリアプレートと、
前記キャリアプレートを案内し、基部と、前記基部から立設し一端が前記基部に接続する立設部と、前記立設部の他端に接続するフランジ部とを有するガイドレールと、
駆動部の駆動力をキャリアプレートに伝達するケーブルと、
前記ガイドレールの端部に設けられた方向転換部材と、を備え、
前記キャリアプレートは、
基体と、
前記ガイドレールと嵌合する嵌合部と、
前記基部の幅方向の一方側において前記嵌合部から離間して設けられ、前記ガイドレールに対するキャリアプレートの前記嵌合部回りの回転を防止する回転防止爪と、
前記嵌合部に対して前記基部の幅方向の他方側に設けられ、前記ケーブルの端部が収容される収容部と、
前記基体を前記キャリアプレートの摺動方向に沿って見た場合に、前記摺動方向と前記幅方向とに直交する方向において前記回転防止爪と重なる位置に先端部が位置し、前記先端部が前記フランジ部に接触して、前記フランジ部を前記回転防止爪との間に挟み込む弾性爪とを有し、
前記回転防止爪は、前記フランジ部の第1の面側から当該第1の面とは反対側の第2の面側に延び、前記第2の面と係止し、
前記弾性爪は、前記第1の面と接触する、ウインドレギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアプレートおよびウインドレギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両においては、窓ガラスを保持するキャリアプレートをケーブルで牽引してガイドレール上を摺動させ、窓ガラスを昇降させるウインドレギュレータが用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、駆動部と、キャリアプレートを上昇方向に牽引する上昇側ケーブルと、キャリアプレートを下降方向に牽引する下降側ケーブルと、ガイドレールの上端部に配置されるケーブルガイドと、ガイドレールの下端部に配置される下側プーリとを備え、上昇側ケーブルがケーブルガイドを介して駆動部のドラムに連結され、下降側ケーブルが駆動部のドラムに連結されるウインドレギュレータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ガイドレールに対してキャリアプレートを回転させながら、キャリアプレートをガイドレールに取り付ける際に、ケーブル(上昇側ケーブル又は下降側ケーブル)が回転防止爪とガタ止めの弾性爪との間の隙間に侵入していると、ケーブルが隙間から移動できずに、正しい位置に配索されないため、キャリアプレートの組付けをやり直す必要が生じて、組付け作業性を低下させるおそれがある。
【0006】
本発明では、キャリアプレートにおける組付け作業性を上げることができるキャリアプレートおよびウインドレギュレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明におけるキャリアプレートは、
駆動部の駆動力がケーブルにより伝達されることで、基部と、前記基部から立設し一端が前記基部に接続する立設部と、前記立設部の他端に接続するフランジ部とを有するガイドレール上を摺動案内されるキャリアプレートであって、
基体と、
前記ガイドレールと嵌合する嵌合部と、
前記基部の幅方向の一方側において前記嵌合部から離間して設けられ、前記ガイドレールに対するキャリアプレートの前記嵌合部回りの回転を防止する回転防止爪と、
前記嵌合部に対して前記基部の幅方向の他方側に設けられ、前記ケーブルの端部が収容される収容部と、
前記基体を前記キャリアプレートの摺動方向に沿って見た場合に、前記摺動方向と前記幅方向とに直交する方向において前記回転防止爪と重なる位置に先端部が位置し、前記先端部が前記フランジ部に接触して、前記フランジ部を前記回転防止爪との間に挟み込む弾性爪とを有する。
【0008】
本発明におけるウインドレギュレータは、
上記のキャリアプレートと、
前記キャリアプレートを案内し、基部と、前記基部から立設し一端が前記基部に接続する立設部と、前記立設部の他端に接続するフランジ部とを有するガイドレールと、
駆動部の駆動力をキャリアプレートに伝達するケーブルと、
前記ガイドレールの端部に設けられた方向転換部材と、を備え、
前記キャリアプレートは、
基体と、
前記ガイドレールと嵌合する嵌合部と、
前記基部の幅方向の一方側において前記嵌合部から離間して設けられ、前記ガイドレールに対するキャリアプレートの前記嵌合部回りの回転を防止する回転防止爪と、
前記嵌合部に対して前記基部の幅方向の他方側に設けられ、前記ケーブルの端部が収容される収容部と、
前記基体を前記キャリアプレートの摺動方向に沿って見た場合に、前記摺動方向と前記幅方向とに直交する方向において前記回転防止爪と重なる位置に先端部が位置し、前記先端部が前記フランジ部に接触して、前記フランジ部を前記回転防止爪との間に挟み込む弾性爪とを有し、
前記回転防止爪は、前記フランジ部の第1の面側から当該第1の面とは反対側の第2の面側に延び、前記第2の面と係止し、
前記弾性爪は、前記第1の面と接触する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るウインドレギュレータでは、キャリアプレートにおける組付け作業性を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係るウインドレギュレータの正面図である。
【
図2】
図2は、ウインドレギュレータの側面図である。
【
図3】
図3は、ガイドレールに組み付けられたキャリアプレートの斜視図である。
【
図4】
図4は、キャリアプレートを厚さ方向他側から見たときの矢視図である。
【
図5】
図5は、キャリアプレートを上方向から見たときの矢視図である。
【
図6A】
図6Aは、本実施の形態例におけるキャリアプレートの構造を示す部分断面図である。
【
図6B】
図6Bは、本実施の形態例における組付作業中のキャリアプレートを示す部分断面図である。
【
図7A】
図7Aは、比較例におけるキャリアプレートの構造を示す部分断面図である。
【
図7B】
図7Bは、比較例における組付作業中のキャリアプレートを示す部分断面図である。
【
図7C】
図7Cは、比較例における弾性爪を幅方向他側から見たときの矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)ウインドレギュレータ
本発明の一実施の形態に係るウインドレギュレータ1について
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るウインドレギュレータの正面図である。
図2はウインドレギュレータの側面図である。なお、以下の説明では、ウインドレギュレータ1の正面図を、ウインドレギュレータ1を平面視した場合の図として説明する。
図1には、X軸、Y軸およびZ軸が描かれている。
図1の紙面の奥行方向を厚さ方向又はX方向といい、手前側を厚さ方向一側又は「+X方向」、奥側を厚さ方向他側又は「-X方向」という。また、
図1において左右方向を幅方向又はY方向といい、左方向を幅方向一側又は「+Y方向」、右方向を幅方向他側又は「-Y方向」という。また、
図1において上下方向を長さ方向又はZ方向といい、上方向を「+Z方向」、下方向を「-Z方向」という。なお、窓ガラスの昇降方向を上下方向(Z方向)といい、窓ガラスの上昇方向を「+Z方向」、窓ガラスの下降方向を「-Z方向」という場合がある。
【0012】
ウインドレギュレータ1は、車両のドアパネル(図示せず)に支持される。ウインドレギュレータ1は、移動対象物である窓ガラス(図示せず)を昇降移動させる機構である。
【0013】
図1および
図2に示すように、ウインドレギュレータ1は、主に、ガイドレール31と、キャリアプレート32と、上昇側ケーブル33と、下降側ケーブル34と、駆動部35とを備えている。
【0014】
ガイドレール31は、窓ガラスの昇降方向(Z方向)に沿って設けられ、キャリアプレート32を窓ガラスの昇降方向に案内する部材である。ガイドレール31は、概ね車両上下方向(Z方向)に延びており、具体的には取り付けられる窓ガラスに対してわずかに斜めに傾斜するようにされている。
【0015】
図3は、ガイドレール31に組み付けられたキャリアプレート32の斜視図である。キャリアプレート32は、窓ガラスの下端部を保持するとともに、ガイドレール31に係合して窓ガラスの昇降方向に摺動案内される部材である。キャリアプレート32は、ガイドレール31の縁に沿って昇降する。キャリアプレート32の構造は後に詳細に説明する。
【0016】
ガイドレール31の上端部には、上昇側ケーブル33の移動方向を転換するための方向転換部材としての上部ケーブルガイド45(
図1を参照)が設けられている。
【0017】
図1および
図2に示すように、ガイドレール31の下端には、上昇側ケーブル33及び下降側ケーブル34の巻き取り及び繰り出しを行うための駆動部35が設けられている。駆動部35は、ドラムハウジング51と、ドラム(図示せず)と、駆動モータ56とを有している。ドラムハウジング51は、ガイドレール31の下端部に取り付けられ、車両のドアパネル(図示せず)にガイドレール31を固定する。
【0018】
ドラムハウジング51は、ドラムを回転自在に支持する。駆動モータ56は、ドラムハウジング51に一体的に取り付けられ、ドラムを正逆両方向に回転駆動する。
【0019】
上昇側ケーブル33及び下降側ケーブル34は、キャリアプレート32を上下方向(Z方向)に牽引するものであり、複数の金属素線または樹脂繊維素線を寄り合わせた公知のものを用いることができる。上昇側ケーブル33は、一端がキャリアプレート32に連結され、上部ケーブルガイド45に掛け回されて、他端がドラムに連結されている。下降側ケーブル34は、一端がキャリアプレート32に連結され、他端がドラムに連結されている。
【0020】
駆動モータ56は、ドラムを回転することにより、上昇側ケーブル33及び下降側ケーブル34を巻き取り及び繰り出を行う。
【0021】
図4は、キャリアプレートを厚さ方向他側から見たときの矢視図である。上昇側ケーブル33又は下降側ケーブル34の一端には、エンド33a(本発明の「ケーブルの端部」に対応する)およびエンド34a(本発明の「ケーブルの端部」に対応する)が設けられている。エンド33a及びエンド34aは、例えば、金属材料のダイカストにより形成されるものであり、上昇側ケーブル33又は下降側ケーブル34の一端が取り付けられる基端部と、基端部よりも大きい外径である鍔部とを有している。基端部は、円柱形状又は円錐台形状に形成され、接着、溶接、ボルト止め、その他の方法で上昇側ケーブル33又は下降側ケーブル34の一端が固定されている。
【0022】
エンド33a及びエンド34aには、それぞれコイルスプリング85及びコイルスプリング87が装着されている。コイルスプリング85及びコイルスプリング87は、上昇側ケーブル33及び下降側ケーブル34の弛みを取る方向にエンド33a及びエンド34aを付勢する付勢部材である。
【0023】
(2)ガイドレール
ガイドレール31は、自動車の窓ガラスの湾曲に合わせて緩く湾曲している。ガイドレール31は、例えば、ステンレススチール、アルミニウム合金、その他の硬質の材料で構成されている。
【0024】
図1に描かれたガイドレール31の正面図にガイドレール31を上方向から見たコ字形状の横断面Cを重ねて示す。ガイドレール31は、基部37と、両側壁部38a,38bと、フランジ部39a,39bとを有している。基部37は、幅方向(Y方向)に所定の長さを有し、上下方向(Z方向)に延在している。側壁部38aは、基部37の幅方向一端側(+Y方向)の端に位置し、基部37の長さ方向(Z方向)に沿って基部37の長辺から立設している。側壁部38bは、基部37の幅方向他端側(-Y方向)の端に位置し、基部37の長さ方向(Z方向)に沿って基部37の長辺から立設している。
【0025】
フランジ部39aは、側壁部38aから直角に屈曲して、基部37と平行に且つ幅方向一端側(+Y方向)に延びている。
【0026】
フランジ部39bは、側壁部38bから直角に屈曲して、基部37と平行に且つ幅方向他端側(-Y方向)に延びている。
【0027】
(3)ドラムハウジング
ドラムハウジング51は、ガイドレール31との嵌合部と円筒状のドラム収容部とを有する本体51aを有している。本体51aには、ドラムを収容する円柱状の凹所が形成されている。凹所から上昇側ケーブル33及び下降側ケーブル34をそれぞれ通して外部に導出するための上昇側ケーブル導出溝57及び下降側ケーブル導出溝59が本体51aに形成されている。
【0028】
(4)キャリアプレートの構造
次に、本実施の形態におけるキャリアプレート32の構造について
図4、
図5および
図6Aを参照して説明する。
図5は、キャリアプレート32を上方向から見たときの矢視図である。
図6Aは、本実施の形態におけるキャリアプレート32の構造を示す部分断面図である。
【0029】
キャリアプレート32は、本体32aを有している。本体32aは、基体であり、他の構造が形成される部分であればよい。
【0030】
本体32aに設けられた厚さ方向一側(+X方向)に位置する面32b(本発明の「第2の面」に対応する)には取付部71,73が設けられている。取付部71,73は、窓ガラス(図示せず)を保持するホルダ(図示せず)が取り付けられる。また、本体32aに設けられた厚さ方向他側(-X方向)に位置する面32cには、ガイド溝75(本発明の「嵌合部」に対応する)、回転防止爪77、弾性爪78、上昇側エンドホルダ79(本発明の「収容部」に対応する)および下降側エンドホルダ81(本発明の「収容部」に対応する)のそれぞれが設けられている。
【0031】
ガイド溝75は、幅方向(Y方向)の中央部に配置される。ガイド溝75は、本体32aの厚さ方向他側(-X方向)に開口する開口部75aと、開口部75aから厚さ方向一側(+X方向)に延在する溝75bと、溝75bの底から幅方向一側(+Y方向)に延在する溝75cとを有する。溝75bは、ガイドレール31の側壁部38a(
図6Aを参照)を摺動する溝である。また、溝75cは、ガイドレール31のフランジ部39a(
図6Aを参照)を摺動する溝である。
【0032】
キャリアプレート32がガイドレール31に組み付けられた
図6Aに示す状態において、換言すれば、ガイド溝75が側壁部38aおよびフランジ部39aを摺動可能な状態において、溝75bと側壁部38aとの間に設けられる隙間は小さい。また、溝75cとフランジ部39aとの間に設けられる隙間は小さい。側壁部38aおよびフランジ部39aは、XY平面の断面形状がL字状である。これにより、キャリアプレート32における幅方向中央に位置する中央部は、側壁部38aおよびフランジ部39aに対して、厚さ方向(X方向)および幅方向(Y方向)のガタツキが生じにくい。
【0033】
回転防止爪77は、ガイド溝75よりも幅方向他側(-Y方向)に配置される。回転防止爪77は、ガイド溝75回りのキャリアプレート32の回転を防止するものである。回転防止爪77は、本体32aに設けられた厚さ方向他側(-X方向)に位置する面32cから-X方向に延在する壁77aと、壁77aの先端から幅方向一側(+Y方向)に突出する突起77bとを有する。突起77bは、第1爪部77b1と第2爪部77b2とを有している。第1爪部77b1と第2爪部77b2とは、上下方向(Z方向)で離間して配置される。
【0034】
弾性爪78は、幅方向(Y方向)でガイド溝75と回転防止爪77との間に配置される。本体32aに設けられた厚さ方向他側(-X方向)の面32cに配置された基端部78aと、基端部78aから厚さ方向他側(-X方向)に対して幅方向他側(-Y方向)へ斜め方向に延在する延在部78bと、突起77bに近接するように延在部78bから幅方向他側(-Y方向)に突出する先端部78cとを有している。先端部78cは、厚さ方向からの平面視で第1爪部77b1と第2爪部77b2との間に配置される。また、先端部78cは、第1爪部77b1および第2爪部77b2よりも厚さ方向一側(+X方向)に位置している。
【0035】
弾性爪78は、弾性を有している。これにより、弾性爪78は、例えば外力等によって厚さ方向一側(+X方向)に撓んだ場合、厚さ方向他側(-X方向)に戻ろうとする復元力を有する。
【0036】
次に、回転防止爪77と弾性爪78との相互の位置関係について
図4、
図5、
図6Aおよび
図6Bを参照して説明する。
図6Bは、本実施の形態例における組付作業中のキャリアプレートを示す部分断面図である。回転防止爪77は、第1爪部77b1と第2爪部77b2を有する。弾性爪78は、厚さ方向からの平面視で第1爪部77b1と第2爪部77b2との間に配置される先端部78cを有する(
図4および
図6Bを参照)。
【0037】
なお、以下の本実施の形態におけるキャリアプレート32の組み付け作業および比較例におけるキャリアプレート320の組み付け作業においては、障害物との位置関係を上昇側ケーブル33に適用して説明するが、これに限定せず、下降側ケーブル34に適用してもよい。
【0038】
ウインドレギュレータ1の組立工程においては、キャリアプレート32がガイドレール31に組み付けられる前に、キャリアプレート32に上昇側ケーブル33のエンド33aが組み付けられる。さらに、ガイドレール31とキャリアプレート32との間に上昇側ケーブル33が配索される。これにより、従来のキャリアプレート320では、キャリアプレート32がガイドレール31に組み付けられる
図6Bに示す組付作業中に、上昇側ケーブル33が弾性爪78と回転防止爪77との間に侵入するおそれがあった。しかし、本実施の形態におけるキャリアプレート32では、厚さ方向からの平面視で第1爪部77b1と第2爪部77b2との間に先端部78cが配置されるため、上昇側ケーブル33が第1爪部77b1と第2爪部77b2との間に侵入することを防止することが可能となる。
【0039】
キャリアプレート32がガイドレール31に組み付けられた
図6Aに示す状態において、換言すれば、先端部78cと突起77bとの間に設けられた溝(隙間)がフランジ部39bを摺動可能な状態において、先端部78cは、突起77bとともにフランジ部39bを厚さ方向(X方向)で挟む。この場合、先端部78cは、フランジ部39bを突起77b側(-X方向)に押圧する。つまり、先端部78cは、フランジ部39bに設けられた厚さ方向一側(+X方向)に位置する面39b1(本発明の「第1の面」に対応する)に接する。また、突起77bは、フランジ部39bに設けられた厚さ方向他側(-X方向)に位置する面39b2(本発明の「第2の面」に対応する)に接する。これにより、キャリアプレート32における幅方向他側(-Y方向)端部は、フランジ部39bに対して厚さ方向(X方向)にガタツキが生じにくい。
【0040】
以上から、キャリアプレート32がガイドレール31に組み付けられた
図6Aに示す状態においては、ガイド溝75は、ガイドレール31に設けられたフランジ部39aを摺動する。突起77bと先端部78cとの間に設けられた溝(隙間)は、ガイドレール31に設けられたフランジ部39bを摺動する。キャリアプレート32は、フランジ部39bが突起77bにより厚さ方向(X方向)で係止されることで、フランジ部39a回りの回転を止められる。
【0041】
また、キャリアプレート32がガイドレール31に組み付けられた
図6Aに示す状態においては、キャリアプレート32とガイドレール31とによって閉空間CSが形成される。上昇側ケーブル33は、閉空間CS内の幅方向(Y方向)中央部の位置にあって、閉空間CS内を上下方向(Z方向)に通されている。閉空間CS内には、上昇側ケーブル33の幅方向(Y方向)の移動を妨げる障害物は存在しない。これにより、上昇側ケーブル33は、閉空間CS内を側壁部38a側に寄った位置と側壁部38b側に寄った位置とのいずれか一方の位置から他方の位置へ移動することが可能となる。閉空間CS内には、上昇側ケーブル33の幅方向(Y方向)の移動を妨げる障害物が存在しないため、仮に、キャリアプレート32の組付作業中に上昇側ケーブル33が側壁部38b側に寄って位置する場合であっても、キャリアプレート32の組付作業完了時までには、上昇側ケーブル33を、側壁部38b側に寄った位置から閉空間CS内の幅方向(Y方向)中央部の位置に移動させることが可能となる。以下の説明で、キャリアプレート32の組付作業完了時の上昇側ケーブル33の位置を「正しい位置」という。
図6Aに、正しい位置にある上昇側ケーブル33を実線で示す。また、正しい位置以外にある上昇側ケーブル33の位置を「誤り位置」という。
図6Aに、誤り位置にある上昇側ケーブル33を破線で示す。
【0042】
(比較例)
次に、比較例におけるキャリアプレート320の構造について
図7Aを参照して説明する。
図7Aは、比較例におけるキャリアプレート320の構造を示す部分断面図である。
図7Bは、比較例における組付作業中のキャリアプレート320を示す部分断面図である。
図7Cは、比較例における弾性爪を幅方向他側から見たときの矢視図である。なお、比較例の説明では、本実施の形態におけるキャリアプレート32の構造と異なる構成について説明し、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0043】
キャリアプレート320は、本体32aと、取付部71,73、ガイド溝75、回転防止爪77と、弾性爪780と、上昇側エンドホルダ79と、下降側エンドホルダ81とを有している。
【0044】
比較例における弾性爪780は、幅方向(Y方向)でガイド溝75と回転防止爪77との間に配置されている。弾性爪780は基端部780aを有し、基端部780aは、本体32aに設けられた厚さ方向他側(-X方向)に位置する面32cに配置されている。また、弾性爪780は延在部780b(
図7Cを参照)を有し、延在部780bは、基端部780aから下方向(-Z方向)に対して厚さ方向他側(-X方向)へ斜め方向に延在している。延在部780bが延在する先端は、厚さ方向一側(+X方向)に円弧状に曲げられている。比較例に係る延在部780bは、基端部780aから厚さ方向他側(-X方向)に対して幅方向他側(-Y方向)へ斜め方向に延在する本実施の形態における延在部78bと異なる。キャリアプレート320がガイドレール31に組み付けられた
図7Aに示す状態においては、延在部780bは、基部37に設けられた厚さ方向一側(+X方向)に位置する面に接している。つまり、弾性爪780は、本体32aに設けられた厚さ方向他側に位置する面32cと基部37に設けられた厚さ方向一側(+X方向)に位置する面とを連結するように配置される。
【0045】
キャリアプレート320がガイドレール31に組み付けられた
図7Aに示す状態においては、キャリアプレート32とガイドレール31とによって閉空間CSが形成される。閉空間CSは、弾性爪780によって、側壁部38a側に位置する空間CS1と、側壁部38b側に位置する空間CS2とに区分されている。
【0046】
閉空間CSが弾性爪780によって空間CS1と空間CS2とに区分されている中で、上昇側ケーブル33は側壁部38a側に位置する空間CS1内にあって、空間CS1内を上下方向(Z方向)に通されている。
【0047】
閉空間CS内には、上昇側ケーブル33の幅方向(Y方向)の移動を妨げる障害物である延在部780bが存在するため、上昇側ケーブル33は、側壁部38aに寄った位置(空間CS1)と側壁部38b側に寄った位置(空間CS2)とのいずれか一方の位置から他方の位置に移動することが妨げられる。なお、以下の説明では、キャリアプレート320が組付作業完了時にあるべき位置(正しい位置)は、側壁部38aに寄った位置(空間CS1)であるとして説明する。
図7Aに正しい位置にある上昇側ケーブル33を実線で示し、側壁部38bに寄った位置(誤り位置)にある上昇側ケーブル33を破線で示す。
【0048】
(比較例におけるキャリアプレートの組み付け作業)
次に、比較例におけるキャリアプレート320の組み付け作業について
図7Aおよび
図7Bを参照して説明する。
【0049】
キャリアプレート320の組み付け作業においては、
図7Bに示すように、ガイド溝75をガイドレール31に設けられた幅方向一側(+Y方向)に位置する端部である側壁部38aおよびフランジ部39aに嵌め込み、キャリアプレート320を幅方向一側の端部回りに
図7Bにおいて反時計回りに回転させる。このとき、上昇側ケーブル33が弛み等に起因して誤り位置である側壁部38b側に寄った位置にある場合がある。誤り位置にある上昇側ケーブルを
図7Bに破線で示す。
【0050】
次に、キャリアプレート320を幅方向一側の端部回りに反時計回りに回転させて、
図7Aに示すように、フランジ部39bを回転防止爪77に係止する。このようにして、キャリアプレート320がガイドレール31に組み付けられる。このとき、依然として、上昇側ケーブル33が誤り位置である側壁部38b側に寄った位置にある場合がある。換言すれば、上昇側ケーブル33が空間CS2内にある場合がある。
【0051】
キャリアプレート320がガイドレール31に組み付けられた後、上昇側ケーブル33に張力がかけられる。これにより、上昇側ケーブル33は、弛み等をなくして、誤り位置である側壁部38bに寄った位置から正しい位置である側壁部38a側に寄った位置(空間CS1)、言い換えると、ドラムハウジングの51aの上昇側ケーブル導出溝57と上部プーリ45の上昇側ケーブル33導出部とを繋ぐ直線上に向かって移動しようとする。この場合、閉空間CSが弾性爪780によって空間CS1と空間CS2とに区分されているため、弾性爪780が上昇側ケーブル33の移動を妨げる。これにより、上昇側ケーブル33が正しい位置に配索されないため、キャリアプレート320の組み付け作業をやり直す必要が生じて、キャリアプレート320の組付け作業性が低下するおそれがある。
【0052】
(本実施の形態におけるキャリアプレートの組み付け作業)
次に、本実施の形態におけるキャリアプレート32の組み付け作業について
図6Aおよび
図6Bを参照して説明する。
図6Bは、本実施の形態における取付作業中のキャリアプレートを示す部分断面図である。なお、以下の説明では、キャリアプレート32の取付作業完了時の位置(正しい位置)は、閉空間CS内の幅方向(Y方向)の中央部の位置であるとして説明する。
図6Bに、正しい位置にある上昇側ケーブル33を実線で示す。また、誤り位置である側壁部38b側に寄った位置にある上昇側ケーブル33を破線で示す。
【0053】
キャリアプレート32の組み付け作業においては、
図6Bに示すように、ガイド溝75を、ガイドレール31に設けられた幅方向一側(+Y方向)に位置する端部である側壁部38aおよびフランジ部39aに嵌め込み、キャリアプレート32を幅方向一側の端部回りに
図6Bにおいて反時計回りに回転させる。このとき、上昇側ケーブル33が弛み等に起因して誤り位置である側壁部38b側に寄った位置にある場合がある。
【0054】
次に、キャリアプレート32を幅方向一側の端部回りに反時計回りに回転させて、
図6Aに示すように、フランジ部39bを回転防止爪77に係止する。このようにしてキャリアプレート32がガイドレール31に組み付けられる。このとき、依然として、上昇側ケーブル33が誤り位置である側壁部38b側に寄った位置にある場合がある。
【0055】
キャリアプレート32がガイドレール31に組み付けられた後、上昇側ケーブル33に張力がかけられる。これにより、上昇側ケーブル33は、弛み等をなくして、誤り位置から正しい位置である側壁部38a側に寄った位置に移動しようとする。この場合、閉空間CS内に上昇側ケーブル33の移動を妨げる障害物が存在しないため、上昇側ケーブル33が誤り位置から正しい位置に配索される。これにより、キャリアプレート32の組み付け作業をやり直す必要がないため、キャリアプレート32の組付け作業性を上げることが可能となる。
【0056】
上記実施の形態におけるキャリアプレート32は、駆動部35の駆動力が上昇側ケーブル33および下降側ケーブル34により伝達されることでガイドレール31上を摺動案内されるキャリアプレートであって、基部37と、ガイドレール31と嵌合するガイド溝75と、基部37の幅方向の一方側においてガイド溝75から離間して設けられ、ガイドレール31に対するキャリアプレート32のガイド溝75回りの回転を防止する回転防止爪77と、ガイド溝75に対して基部37の幅方向の他方側に設けられ、上昇側ケーブル33部および下降側ケーブル34のそれぞれの端部が収容される上昇側エンドホルダ79および下降側エンドホルダ81と、フランジ部39bに設けられた厚さ方向一側(+X方向)に位置する面と接触する弾性爪78とを有する。
【0057】
上記構成により、キャリアプレート32がガイドレール31に組み付けられる取付作業中に、弾性爪78がフランジ部39bの面39b1と接触するため、閉空間CS内での上昇側ケーブル33の移動経路上で弾性爪78がガイドレール31の基部33の厚さ方向一側面とが接触する構造と比べて、上昇側ケーブル33が弾性爪78に移動を阻害されない。すなわち回転防止爪77と弾性爪78との間に侵入することが防止される。これにより、キャリアプレート32の組み付け作業をやり直す必要がないため、ガイドレール31に弾性爪78を接触させる構造であってもウインドレギュレータ1の組付け作業性を上げることが可能となる。
【0058】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32では、回転防止爪77は、第1爪部77b1と第2爪部77b2とを有し、第1爪部77b1と第2爪部77b2とは基部37の上下方向(Z方向)に離間して配置される。弾性爪78の先端部78cが第1爪部77b1と第2爪部77b2との間の領域、つまり、平面視において第1爪部77b1と第2爪部77b2との間に配置されている。上昇側ケーブル33が回転防止爪77と弾性爪78との間に侵入しようとしても、第1爪部77b1と第2爪部77b2との間に先端部78cが入り込んでいるため、上昇側ケーブル33が侵入することが防止可能となる。また、平面視において弾性爪78を第1位爪部b1と第2爪部b2とで挟むような構造となっているため、弾性爪78によるフランジ部39bの面39b1の押圧によるガタつき防止がより一層効果的となる。
【0059】
また、上記実施の形態におけるキャリアプレート32では、弾性爪78が基部37の幅方向(Y方向)に延びている。キャリアプレート32の組み付け作業時に、上昇側ケーブル33が幅方向に移動しようとする場合、上昇側ケーブル33が弾性爪78に沿って移動し易くなる。また、弾性爪78と回転防止爪77とがフランジ部39bにおいて基部37の上下方向(Z方向)に沿って配置される場合と比べてキャリアプレートを小型化することができる。さらに、本体32aに設けられた厚さ方向他側(-X方向)の面32cに配置された基端部78aから厚さ方向他側(-X方向)に対して幅方向他側(-Y方向)へ斜め方向に延在する延在部78bを有するため、キャリアプレート取付作業中に弾性爪78の基部33側の面に上昇用ケーブル33が接触したとしても、上昇用ケーブル33を基部33側に案内することができ、より一層弾性爪78の内側(弾性爪78の本体32a側の空間)に上昇用ケーブル33が入り込むのを防止することができる。
【0060】
(変形例1)
次に、上昇側ケーブル33が回転防止爪77と弾性爪78との間に侵入するのを防止する構造の変形例について説明する。
上記実施の形態では、回転防止爪77と弾性爪78とが、キャリアプレート32の厚さ方向(X方向)と幅方向(Y方向)に直交する方向すなわち上下方向(Z方向)で見た場合に互いに重なる領域を有してもよい。上昇側ケーブル33が回転防止爪77と弾性爪78との間に侵入しようとしても、回転防止爪77と弾性爪78とが上下方向(X方向)で重なっているため、上昇側ケーブル33が侵入することが防止可能となる。
【0061】
(変形例2)
上記実施の形態では、弾性爪78と回転防止爪77との間の隙間が上昇側ケーブル33の外径よりも小さい隙間を形成してもよい。言い換えると、弾性爪78の78cと回転防止爪77の突起77bとにより形成される隙間が上昇側ケーブル33の外径よりも小さい。これにより、上昇側ケーブル33がガイドレール31の本体部33の厚さ方向一側の面から離間してキャリアプレート32の面32c側、つまり、弾性爪78に近い位置に位置していても、上昇側ケーブル33が回転防止爪77と弾性爪78との間に侵入しようとしても、隙間を通過することができないため、上昇側ケーブル33が侵入することが防止可能となる。
【0062】
(変形例3)
上記実施の形態では、弾性爪78が基部37の幅方向(Y方向)に延びているが、本発明はこれに限らず、弾性爪78が基部37の幅方向(Y方向)およびキャリアプレート32の厚さ方向(X方向)のそれぞれに直交する方向すなわち上下方向(Z方向)に延びてもよい。この場合においても、回転防止爪77と弾性爪78とは、回転防止爪77と弾性爪78との間に上昇側ケーブル33が侵入するのを防止する構造を構成する。また、この場合、弾性爪と78と回転防止爪77とがフランジ部39bに沿って配置されることになるため、弾性爪78と回転防止爪77との間の隙間に上昇用ケーブル33が入り込みにくい構造となる。さらに、弾性爪78はフランジ部39bに沿って配置されているため、キャリアプレート32がガイドレール31を摺動する際に摺動抵抗となりにくい。
【0063】
(変形例4)
上記実施の形態では、回転防止爪77と弾性爪78との間に、キャリアプレート32の厚さ方向(X方向)から上昇側ケーブル33が侵入しないように隙間が設けられてもよい。これにより、上昇側ケーブル33が厚さ方向(X方向)から回転防止爪77と弾性爪78との間に侵入しようとしても、回転防止爪77と弾性爪78との間に上昇側ケーブル33が侵入するのを防止することが可能となる。具体的には、回転防止爪77と弾性爪78との間に設けられる隙間は、キャリアプレート32の厚さ方向(X方向)で見た場合に曲線状の隙間でもよい。これにより、直線状に配索される上昇側ケーブル33が厚さ方向(X方向)から隙間に侵入しようとする場合、隙間が曲線状であるため、上昇側ケーブル33が侵入するのを防止することが可能となる。
【0064】
(変形例5)
上記実施の形態では、回転防止爪77が有する突起77bは、上下方向(Z方向)に延在する先端縁を有し、その先端縁は、その上下方向の中央に位置する中央部が厚さ方向(X方向)からの平面視で幅方向他側(-Y方向)に凹入する凹部を有してもよい。かつ、弾性爪78が有する先端部78cは、厚さ方向からの平面視で凹部に入り込むように配置されてもよい。先端部78cが凹部に入り込むことで、回転防止爪77と弾性爪78との間に設けられた隙間が直線状にならないため、直線状に配索される上昇側ケーブル33が隙間に侵入するのを防止することが可能となる。
【0065】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、自動車の窓ガラスを昇降駆動するためのウインドレギュレータに適用できる。
【符号の説明】
【0067】
1 ウインドレギュレータ
31 ガイドレール
32 キャリアプレート
320 キャリアプレート
32a 本体
33 上昇側ケーブル
33a エンド
34 下降側ケーブル
34a エンド
35 駆動部
37 基部
38a 側壁部
38b 側壁部
39a フランジ部
39b フランジ部
39b1 面
39b2 面
45 上部ケーブルガイド
51 ドラムハウジング
51a 本体
56 駆動モータ
57 上昇側ケーブル導出溝
59 下降側ケーブル導出溝
71 取付部
73 取付部
75 ガイド溝
75a 開口部
75b 溝
75c 溝
77 回転防止爪
77a 壁
77b 突起
77b1 第1爪部
77b2 第2爪部
78 弾性爪
780 弾性爪
78a 基端部
780a 基端部
78b 延在部
780b 延在部
78c 先端部
79 上昇側エンドホルダ
81 下降側エンドホルダ
85 コイルスプリング
87 コイルスプリング