(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178807
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】料金中央データ処理サーバ、異常通信処理システム、および異常通信処理方法
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20241218BHJP
【FI】
G07B15/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097232
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】此内 慧士
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 俊介
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA21
3E127CA13
3E127CA14
3E127CA18
3E127CA23
3E127CA38
3E127DA22
3E127FA24
(57)【要約】
【課題】自動車有償貸渡事業者から車両を貸渡された利用者が有料道路を利用し、且つ当該利用者に対して正常な処理が行えなかった場合であっても利用者を特定すること。
【解決手段】実施形態に係る料金中央データ処理サーバは、有料道路を通行した車両が貸渡車両であり、且つ車両が料金所において異常通信をした車両であることを示す異常通信発生データを受信する料金中央受信部と、異常通信発生データに基づいて利用者免許証問合せデータを生成する料金中央生成部と、生成した利用者免許証問合せデータに対応して車両の利用者の運転免許証データを含む利用者免許証問合せ回答データを取得する料金中央取得部と、異常通信発生データに含まれる運転者画像と、運転免許証データに含まれる顔データとの顔認証を行い、異常通信が発生した車両の利用者を特定する料金中央制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路を通行した車両が貸渡車両であり、且つ前記車両が料金所において異常通信をした車両であることを示す異常通信発生データを受信する料金中央受信部と、
前記異常通信発生データに基づいて利用者免許証問合せデータを生成する料金中央生成部と、
生成した利用者免許証問合せデータに対応して前記車両の利用者の運転免許証データを含む利用者免許証問合せ回答データを取得する料金中央取得部と、
前記異常通信発生データに含まれる運転者画像と、前記運転免許証データに含まれる顔データとの顔認証を行い、異常通信が発生した前記車両の利用者を特定する料金中央制御部と、
を備える、料金中央データ処理サーバ。
【請求項2】
前記異常通信発生データは、少なくとも、発生日時、発生料金所、前記車両の車両番号、前記運転者画像を含む、
請求項1に記載の料金中央データ処理サーバ。
【請求項3】
前記利用者免許証問合せデータは、少なくとも発生日時および前記車両番号を含む、
請求項2に記載の料金中央データ処理サーバ。
【請求項4】
前記利用者免許証問合せ回答データに含まれる運転免許証データは、前記発生日時に前記車両を貸渡していた利用者に対応する運転免許証データである、
請求項3に記載の料金中央データ処理サーバ。
【請求項5】
前記料金所は、入口料金所であり、前記有料道路を通行する際の通行料金は、単一料金であり、前記料金中央制御部は、前記単一料金と前記特定された利用者を紐付ける、
請求項1に記載の料金中央データ処理サーバ。
【請求項6】
前記料金所は、出口料金所であり、前記有料道路を利用する際の通行料金は、対距離制料金制であり、
前記車両が入口料金所を通行した記憶を記憶する記憶部をさらに備え、
前記料金中央制御部は、前記入口料金所を通行した記憶と、前記異常通信が発生した前記出口料金所から前記通行料金を算出し、前記算出された通行料金と前記利用者を紐付ける、
請求項1に記載の料金中央データ処理サーバ。
【請求項7】
前記車両を利用する利用者が複数である場合、前記料金中央制御部は、前記利用者のうちの代表者と前記通行料金を紐付ける、
請求項5または6のいずれか1項に記載の料金中央データ処理サーバ。
【請求項8】
料金所を管理する料金所サーバと、
前記料金所サーバに接続された料金中央データ処理サーバと
を備え、前記料金所サーバは、
前記料金所を通行する車両に対して異常通信が発生したことを検知する検知部と、
前記異常通信が発生した発生日時、前記車両の車両番号、および前記車両を運転する運転者の運転者画像を取得する料金所取得部と、
前記車両番号から前記車両が貸渡車両であるかどうかを判定する料金所判定部と、
前記車両が貸渡車両であると判定した場合、前記発生日時、前記車両番号、前記運転者画像を含む異常通信発生データを生成する料金所生成部と、
前記異常通信発生データを送信する料金所通信部と、
を備え、前記料金中央データ処理サーバは、
異常通信発生データを受信する料金中央受信部と、
前記異常通信発生データに基づいて利用者免許証問合せデータを生成する料金中央生成部と、
生成した利用者免許証問合せデータに対応して前記車両の利用者の運転免許証データを含む利用者免許証問合せ回答データを取得する料金中央取得部と、
前記運転者画像と、前記運転免許証データに含まれる顔データとの顔認証を行い、異常通信が発生した前記車両の利用者を特定する料金中央制御部と、
を備える異常通信処理システム。
【請求項9】
料金中央データ処理サーバが実行する異常通信処理方法であって、
前記料金中央データ処理サーバの料金中央受信部が、有料道路を通行した車両が貸渡車両であり、且つ前記車両が料金所において異常通信をした車両であることを示す異常通信発生データを受信することと、
前記料金中央データ処理サーバの料金中央生成部が、前記異常通信発生データに基づいて利用者免許証問合せデータを生成することと、
前記料金中央データ処理サーバの料金中央取得部が、生成した利用者免許証問合せデータに対応して前記車両の利用者の運転免許証データを含む利用者免許証問合せ回答データを取得することと、
前記料金中央データ処理サーバの料金中央制御部が、前記異常通信発生データに含まれる運転者画像と、前記運転免許証データに含まれる顔データとの顔認証を行い、異常通信が発生した前記車両の利用者を特定することと、
を備える、異常通信処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、料金中央データ処理サーバ、異常通信処理システム、および異常通信処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の有料道路における通行料金は、基本的に入口料金所から出口料金所までの距離に応じて決められている。現在、ETC(Electronic Toll Collection)システムを用いた自動料金収受が主流となっている。また、近年、ETC専用の料金所の設置も進められている。
【0003】
さらに、近年、レンタカーおよびシェアカー等を含む自動車有償貸渡業においても車両に車載器が搭載され、利用者がETCシステムを利用するのが一般的となってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-052136号公報
【特許文献2】特開2009-252093号公報
【特許文献3】特開平08-287308号公報
【特許文献4】特開2015-133022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レンタカー等の自動車有償貸渡事業者が貸渡した車両を利用する利用者が料金所で正常な処理が行えず、その後、利用者からも申告がなかった場合、ナンバープレートに基づいて車籍照会を実施しても、当該自動車有償貸渡事業者の情報のみが分かるだけであり、利用者本人の情報を確認することができないという問題がある。そのため、有料道路事業者は、利用者本人に事後の支払いを促す文書を送付することが困難であるという問題がある。
【0006】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、自動車有償貸渡事業者から車両を貸渡された利用者が有料道路を利用し、且つ当該利用者に対して正常な処理が行えなかった場合であっても利用者を特定する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る料金中央データ処理サーバは、有料道路を通行した車両が貸渡車両であり、且つ前記車両が料金所において異常通信をした車両であることを示す異常通信発生データを受信する料金中央受信部と、前記異常通信発生データに基づいて利用者免許証問合せデータを生成する料金中央生成部と、生成した利用者免許証問合せデータに対応して前記車両の利用者の運転免許証データを含む利用者免許証問合せ回答データを取得する料金中央取得部と、前記異常通信発生データに含まれる運転者画像と、前記運転免許証データに含まれる顔データとの顔認証を行い、異常通信が発生した前記車両の利用者を特定する料金中央制御部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る異常通信処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る各サーバおよび車載器の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る有料道路を通行する貸渡車両を利用中の利用者に対して正常な処理が出来なかった場合に対する処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、利用者申請データに含まれる情報の一例を示した図である。
【
図5】
図5は、料金所制御部により生成される異常通信発生データの一例を示した図である。
【
図6】
図6は、異常通信貸渡車両DBに記憶されるデータの一例を示した図である。
【
図7】
図7は、利用者免許証問合せデータの具体的な情報の一例を示した図である。
【
図8】
図8は、ステップST110およびステップST111の処理の一例をイメージで示した図である。
【
図9】
図9は、利用者免許証問合せ回答データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、異常通信貸渡免許証マッチング結果DBの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係る異常通信処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係る有料道路を通行する貸渡車両を利用中の利用者に対して正常な処理が出来なかった場合に対する処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら料金中央データ処理サーバ、異常通信処理システム、および異常通信処理方法について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0010】
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、第1の実施形態に係る異常通信処理システムの概略構成の一例を示す図である。
異常通信処理システムは、料金中央データ処理サーバ1と、入口料金所サーバ2と、貸渡車両利用者処理サーバ3と、有料車両貸渡事業者管理サーバ4と、車両50と当該車両50に搭載された車載器5と、を備える。
【0011】
料金中央データ処理サーバ1は、いわゆる中央装置であり、有料道路を管理する管理会社の管理室等の所定の場所に設置されるサーバである。そして、料金中央データ処理サーバ1は、入口料金所サーバ2を含む各料金所等からの情報を受信する。また、料金中央データ処理サーバ1は、ETCシステムを利用している車両50が異常通信を行った場合に、通行料金を事後請求するための処理を実施する。
【0012】
ここで、車両50が異常通信を行ったとは、例えば、料金所と車載器5が正常に通信を実施することができなかった、車載器5にETCカードの挿入をしないまま、料金所を突破してしまった、車載器5の搭載していない車両50でETCレーンを通過してしまった、等、料金所を通過することにより発生する通行料金を支払っていない状態を指す。
【0013】
入口料金所サーバ2は、有料道路の入口料金所に配置されるサーバである。例えば、入口料金所サーバ2は、各料金所の路側に設置された路側機器と接続される。
【0014】
路側機器は、車両50を検知すると、車両50の車載器5と通信を確立する。そして、当該路側機器は、車載器5と各種情報を送受信する。さらに路側機器は、車両50についての情報、例えば、車両番号、車両50を運転している運転者の画像(運転者画像)、車軸、軸重量等を取得して良い。
【0015】
入口料金所サーバ2は、路側機器が取得した各種情報を管理する。さらに入口料金所サーバ2は、管理している各種情報を料金中央データ処理サーバ1に送信する。なお、
図1では、簡単化のため、入口料金所サーバ2を1つのみ示しているが、複数の入口料金所サーバ2が存在していて良いのは勿論である。
【0016】
また、通行料金は、出口料金所で算出される対距離制料金制の路線と、対応する出口に拠らず入口で料金が固定で確定する単一料金制の路線がある。単一料金制の場合、例えば、入口料金所サーバ2は、料金中央データ処理サーバ1から通行料金を算出するための料金マスタ情報を受信する。更に、入口料金所サーバ2は、接続された路側機器に対応する通行料金情報を料金中央データ処理サーバ1に送信しても良い。
【0017】
ここで、本実施形態では、説明を簡単化するため、有料道路は、単一料金制の道路であるとする。すなわち、有料道路は、入口料金所を通過することにより、通行料金が定まる有料道路であるとする。
【0018】
貸渡車両利用者処理サーバ3は、有料車両貸渡事業者から送られてくる利用者情報を管理するサーバである。なお、利用者情報の詳細は、後述する。ここで、有料車両貸渡事業者は、レンタカー、シェアカー等、利用者に一時的に車両50を貸渡している事業者である。また、以下の説明では、有料車両貸渡事業者が所持している車両を単に貸渡車両と記載する。貸渡車両は、車両番号が「わ」ナンバー、「れ」ナンバーである車両50を指す。
【0019】
ここで、中央データ処理サーバ1と貸渡車両利用者処理サーバ3とは、通信可能でない場合がある。そのため、
図1では、これらの間の線を点線で示している。
【0020】
有料車両貸渡事業者管理サーバ4は、有料車両貸渡事業者が管理する管理サーバである。例えば、有料車両貸渡事業者管理サーバ4は、貸渡車両を利用する利用者の運転免許証のデータ、貸渡車両を利用者が利用する期間、利用料金等を記憶する。なお、簡単化のため、
図1では、1つの有料車両貸渡事業者管理サーバ4が1つのみである例を示しているが、複数の有料車両貸渡事業者管理サーバ4が存在していても良いのは勿論である。
【0021】
車載器5は、有料道路を走行する車両50に配置される。車載器5は、入口料金所サーバ2に接続された路側機器等と通信可能であり、車載器5に挿入されたETCカードのカードID、カード番号、及び有効期限、車載器ID、車両番号、車種(軸数を含む)等の各種情報を送信する。また、車載器5は、入口料金所サーバ2に接続された路側機器から入口情報等を受信し、当該入口情報をETCカードに記憶させることが可能である。また、
図1では、車両50及び車載器5が1つのみある例を示しているが、車載器5を搭載した複数の車両50が有料道路を通行するのは勿論である。
【0022】
なお、本実施形態において、以下の説明では特に例示しない限り、車両50は、貸渡車両であるとする。すなわち、利用者は、レンタカーまたはカーシェアを利用している利用者であるとする。
【0023】
図2は、実施形態に係る各サーバおよび車載器5の構成の一例を示すブロック図である。
すなわち、
図2は、料金中央データ処理サーバ1、入口料金所サーバ2、貸渡車両利用者処理サーバ3、有料車両貸渡事業者管理サーバ4、車載器5それぞれの構成例を示すブロック図である。
【0024】
料金中央データ処理サーバ1は、料金中央制御部11、料金中央記憶部12、料金中央通信部13等を有する。
【0025】
料金中央制御部11は、料金中央データ処理サーバ1における制御及びデータ処理等を司る制御ユニットである。料金中央制御部11は、CPU、メモリ及びインタフェース等を有する制御部である。CPUは、プログラムを実行することにより、入口料金所サーバ2から受信した各種情報、および貸渡車両利用者処理サーバ3等から各種情報を取得し、各種処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェース等を介して料金中央データ処理サーバ1を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び設定データ等を保存する書換え可能な不揮発性メモリ等の各種のメモリを含む。すなわち、料金中央制御部11は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより各部の制御及びデータ処理を実行する。
【0026】
料金中央記憶部12は、メインメモリ等の読出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含む記憶部である。料金中央記憶部12は、HDD或いはSSD等の大容量の記憶装置で構成されても良い 。料金中央記憶部12は、当該料金中央データ処理サーバ1に関わる各種のデータを記憶する。例えば、料金中央記憶部12は、異常通信貸渡車両データベース(以下では単にDBと記載する)、異常通信貸渡車両免許証マッチング結果DB等を記憶する。なお、異常通信貸渡車両DBおよび異常通信貸渡車両免許証マッチング結果DBの詳細は、後述する。また、料金中央記憶部12は、入口料金所サーバ2から受信した各種情報および貸渡車両利用者処理サーバ3から取得した各種情報を記憶して良い。
【0027】
料金中央通信部13は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースを備える通信部である。例えば、料金所通信部である料金中央通信部13は、入口料金所サーバ2と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。さらに、料金中央データ処理サーバ1と貸渡車両利用者処理サーバ3とが通信可能である場合、利用者管理側通信部である料金中央通信部13は、貸渡車両利用者処理サーバ3と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。料金中央通信部13は、料金中央制御部11の制御の下、各装置及び各機器との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0028】
なお、料金中央データ処理サーバ1と貸渡車両利用者処理サーバ3とが通信可能でない場合もある。この場合、料金中央データ処理サーバ1と貸渡車両利用者処理サーバ3とは、各サーバの入出力インタフェース(図示せず)に挿入された記憶媒体(例えば、USBフラッシュメモリ等)を用いて情報の交換を行って良い。
【0029】
入口料金所サーバ2は、料金所制御部21、料金所記憶部22、上位通信部23、発進制御器24、路側表示器25、車両通信部26等を有する。
【0030】
料金所制御部21は、入口料金所サーバ2全体の制御及びデータ処理等を行う制御ユニットである。料金所制御部21は、CPU、メモリ、及びインタフェース等を有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェース等を介して入口料金所サーバ2を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び、設定データ等を保存する書換え可能な不揮発性メモリ等の各種のメモリを含む。
【0031】
料金所記憶部22は、メインメモリ等の読出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含む。料金所記憶部22は、HDD或いはSSD等の大容量の記憶装置で構成されても良い。料金所記憶部22は、当該入口料金所サーバ2に関わる各種のデータを記憶する。例えば、料金所記憶部22は、入口料金所を識別する入口識別情報を記憶する。さらに料金所記憶部22は、車載器5が各料金所を通行した時刻、車載器5と通信した車載器情報、車両番号、運転者画像、軸数、軸重量等を含む車両情報等を記憶する。
【0032】
上位通信部23は、上位装置としての料金中央データ処理サーバ1と通信するための、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、上位通信部23は、料金中央データ処理サーバ1と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。上位通信部23は、料金所制御部21の制御の下、各装置及び各機器との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0033】
発進制御器24は、入口料金所に入場する車両50の通行を制御する。発進制御器24は、入口料金所に入場する車両50が走行するレーンに設けた発進制御バーの開閉を制御する。例えば、発進制御器24は、車両50を一時停止させる場合、或いは車両50の通行(入場)を不可とする場合、発進制御バーを閉じて車両50の通行を物理的に阻止する。また、発進制御器24は、車両50の通行(入場)を許可する場合、発進制御バーを開放して車両50の通行を許可する。なお、入口料金所がフリーフロー(FF)料金所である場合等、料金所に発進制御バーを設けなくとも良いのは勿論である。
【0034】
路側表示器25は、入口料金所を通行する車両50に乗車する利用者に対して案内等を表示する。路側表示器25は、入口料金所に入場する車両50に向けて設置される。
【0035】
車両通信部26は、車両50に搭載される車載器5と通信するための無線通信モジュールを含む。例えば、車両通信部26は、入口料金所サーバ2に接近する車両50(すなわち有料道路に入場しようとする車両50)を検知し、車両50に搭載された車載器5との通信を確立する。そして、車両通信部26は、車載器5と無線通信することにより、車載器ID、車両50のナンバープレート情報、及び車載器5に挿入されたETCカードのカードID等の各種情報を取得する。さらに、車両通信部26は、入口料金所サーバ2の入口識別情報等を含む各種情報を車載器5に送信する。
【0036】
貸渡車両利用者処理サーバ3は、利用者処理制御部31、利用者処理記憶部32、利用者処理通信部33等を有する。
【0037】
利用者処理制御部31は、貸渡車両利用者処理サーバ3全体の制御及びデータ処理等を行う制御ユニットである。利用者処理制御部31は、CPU、メモリ、及びインタフェース等を有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェース等を介して貸渡車両利用者処理サーバ3を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び、設定データ等を保存する書換え可能な不揮発性メモリ等の各種のメモリを含む。
【0038】
利用者処理記憶部32は、メインメモリ等の読出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含む。利用者処理記憶部32は、HDD或いはSSD等の大容量の記憶装置で構成されても良い。利用者処理記憶部32は、有料車両貸渡事業者それぞれが管理する有料車両貸渡事業者管理サーバ4から送信された利用者申請データ等を含む各種のデータを記憶する。なお、利用者申請データの詳細は、後述する。
【0039】
利用者処理通信部33は、料金中央データ処理サーバ1および有料車両貸渡事業者管理サーバ4と通信するための、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。事業者通信部として動作する利用者処理通信部33は、有料車両貸渡事業者管理サーバ4と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。なお、料金中央データ処理サーバ1と通信可能である場合、中央サーバ側通信部として動作する利用者処理通信部33は、料金中央データ処理サーバ1と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。利用者処理通信部33は、利用者処理制御部31の制御の下、各装置及び各機器との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0040】
有料車両貸渡事業者管理サーバ4は、事業者制御部41、事業者記憶部42、事業者通信部43等を有する。
【0041】
事業者制御部41は、有料車両貸渡事業者管理サーバ4全体の制御及びデータ処理等を行う制御ユニットである。事業者制御部41は、CPU、メモリ、及びインタフェース等を有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェース等を介して有料車両貸渡事業者管理サーバ4を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び設定データ等を保存する書換え可能な不揮発性メモリ等の各種のメモリを含む。
【0042】
事業者記憶部42は、メインメモリ等の読み出しの読出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含む。事業者記憶部42は、HDD或いはSSD等の大容量の記憶装置で構成されても良い 。事業者記憶部42は、有料車両貸渡事業者が所持する車両を利用する利用者についての情報を含む各種のデータを記憶する。例えば、事業者記憶部42は、利用者に対してどの期間、どのような車種(車両番号)の車両50を貸渡していたのかを利用者の免許証の情報と紐付けて記憶する。
【0043】
事業者通信部43は、貸渡車両利用者処理サーバ3と通信するための、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、事業者通信部43は、貸渡車両利用者処理サーバ3と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。事業者通信部43は、事業者制御部41の制御の下、各装置及び各機器との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0044】
車載器5は、車載器制御部51、車載器記憶部52、および車載器通信部53等を有する。
【0045】
車載器制御部51は、車載器5における制御及びデータ処理等を司る制御ユニットである。車載器制御部51は、CPU、メモリ及びインタフェース等を有する。CPUは、プログラムを実行することにより、車載器5に挿入されたETCカードのカードID等を含む車載器情報を各料金所機器に送信する等の各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェース等を介して車載器5を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び設定データ等を保存する書換え可能な不揮発性メモリ等の各種のメモリを含む。すなわち、車載器制御部51は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより各部を制御及びデータ処理を実行する。
【0046】
車載器記憶部52は、メインメモリ等の読出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含む。車載器記憶部52は、HDD或いはSSD等の大容量の記憶装置で構成されても良い 。車載器記憶部52は、当該車載器5に関わる各種のデータを記憶する。例えば、車載器記憶部52は、車載器ID、車両50の車種、車両番号、車幅、車高等を含む各種情報等を記憶する。また、車載器記憶部52は、車載器制御部51の制御の下、入口料金所サーバ2が備える路側機器から受信した入口識別情報等を記憶しても良い。
【0047】
車載器通信部53は、1つ以上の無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、車載器通信部53は、入口料金所サーバ2と無線接続する通信モジュールを含む。車載器通信部53は、車載器制御部51の制御の下、各機器との間で無線通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0048】
(動作)
以下で説明する動作において、上述したように、利用者は、特に説明しない限り、貸渡車両を利用するユーザであるとする。すなわち、利用者は、レンタカーまたはカーシェアのような車両50を利用して、当該有料道路を通行するとする。
【0049】
図3は、第1の実施形態に係る有料道路を通行する貸渡車両を利用中の利用者に対して正常な処理が出来なかった場合に対する処理手順の一例を示すシーケンス図である。
料金中央データ処理サーバ1、入口料金所サーバ2、貸渡車両利用者処理サーバ3、有料車両貸渡事業者管理サーバ4、および車載器5の料金中央制御部11、料金所制御部21、利用者処理制御部31、事業者制御部41、および車載器制御部51がそれぞれ料金中央記憶部12、料金所記憶部22、利用者処理記憶部32、事業者記憶部42、および車載器記憶部52に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンスの動作が実現される。
【0050】
ステップST101で、有料車両貸渡事業者管理サーバ4の事業者制御部41は、利用者申請データを取得する。事業者制御部41は、取得したレンタカー利用者申請データを事業者記憶部42に記憶させる。
【0051】
図4は、利用者申請データに含まれる情報の一例を示した図である。
図4に示すように、利用者申請データは、車両番号(
図4ではNPとして示されている。以降の図においても、車両番号をNPと示す)、貸出期間、利用者免許証データ等を含む。なお、利用者申請データは、上記以外にも、車種、車載器ID等を含んで良い。
図4に示すように、貸渡車両を利用する利用者が複数いる場合、利用者申請データは、各ユーザの利用者免許証データを含む。また、
図4では示していないが、利用者が複数いる場合、利用者申請データは、複数の利用者免許証データのうち、どの利用者が代表者であるかを示す情報を含んで良い。
【0052】
ここで、利用者免許証データは、貸渡車両を利用する際に有償貸渡事業者が利用者の免許証をコピーした情報、或いは、利用登録の際に使用した免許証の画像情報等であって良い。なお、有料車両貸渡事業者は、利用者が利用する際、利用者申請データを含む必要な情報を入力する。これにより、事業者制御部41は、利用者申請データを取得する。
【0053】
ステップST102で、事業者制御部41は、事業者通信部43を通じて、貸渡車両利用者処理サーバ3に利用者申請データを送信する。事業者制御部41は、所定の周期で、利用者申請データを事業者記憶部42に記憶された利用者申請データを取得し、貸渡車両利用者処理サーバ3に送信する。所定の周期は、任意の周期で良く、1時間毎、1日毎等であっても良いし、レンタカー利用者申請データを取得した毎であっても良い。また、有料車両貸渡事業者自身が直接、貸渡車両利用者処理サーバ3に利用者申請データを送信しても良い。
【0054】
なお、上で説明したステップST101およびステップST102は、簡単化のため、1台の貸渡車両についてのみ説明しているが、複数の貸渡車両について同様の処理が実施されるのは勿論である。
【0055】
そして、利用者は、車両を運転し、有料道路に入場しようとして入口料金所サーバ2が管轄する入口料金所を通行しようとする。そのため、上記ステップST101およびステップST102は、以下で説明する処理とは時間的に離れていて良い。
【0056】
ステップST103で、検知部として動作する入口料金所サーバ2の料金所制御部21は、異常通信を検知する。異常通信は、例えば、規定の速度以上でレーンに進入するような速度異常、車載器5との通信が確立できない、車載器5にETCカードが挿入されていないにも関わらず車両50がETC専用レーンを通行しようとした場合等を含む。
【0057】
通常、入口料金所サーバ2の料金所制御部21は、車両通信部26を用いて、ETCレーンを通行しようとする車両50に搭載された車載器5を検知する。そして、車載器5との通信を確立しようとして、車両通信部26は、料金所制御部21の制御の下、車載器5に車両情報を送信するように要求する車両情報要求を送信する。しかしながら、車両の速度が規定値異常である場合など、通信を確立することができない。このような場合、料金所制御部21は、異常通信を検知することになる。
【0058】
また、取得部として動作する料金所制御部21は、入口料金所に配置されたカメラ、車軸センサ、軸重量センサ等により、車両50の車両番号を含む車両画像、車両50を運転している運転者画像、車軸数、軸重量等の情報を取得する。
【0059】
ステップST104で、判定部として動作する料金所制御部21は、車両50がレンタカーまたはカーシェア等のような貸渡車両であると判定する。例えば、料金所制御部21は、車両画像に含まれる車両番号が貸渡車両であることを示す、「わ」、或いは「れ」ナンバー等であるかどうかを判定する。ここで、料金所制御部21は、車載器5と通信できた場合、車載器5から取得した車両番号が貸渡車両であるかどうか判定しても良い。例えば、車両番号が「わ」ナンバーである場合、料金所制御部21は、当該車両が貸渡車両であると判定する。本実施形態では、上述したように、利用者が利用する車両は、貸渡車両であるため、料金所制御部21は、当該車両が貸渡車両であると判定する。
【0060】
一方、車両50が貸渡車両でない場合、従来の処理と同様の処理を行うため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0061】
ステップST105で、生成部として動作する料金所制御部21は、異常通信発生データを生成する。
【0062】
図5は、料金所制御部21により生成される異常通信発生データの一例を示した図である。
車両50が貸渡車両であると判定した場合、生成部として動作する料金所制御部21は、少なくとも、発生日時、発生料金所、車両番号、運転者画像を含む異常通信発生データを生成する。また、
図5では示していないが、異常通信発生データは、上記情報以外に、車軸数、軸重量、車両画像等を含んで良い。
【0063】
ステップST106で、通信部として動作する料金所制御部21は、上位通信部23を通じて、料金中央データ処理サーバ1に異常通信発生データを送信する。
【0064】
ステップST107で、料金中央データ処理サーバ1の料金中央制御部11は、異常通信貸渡車両DBを更新する。受信部として動作する料金中央制御部11は、異常通信発生データを受信する。当該異常通信発生データを受信すると、料金中央制御部11は、料金中央記憶部12に記憶された異常通信貸渡車両DBに受信した異常通信発生データを書き加える。
【0065】
図6は、異常通信貸渡車両DBに記憶されるデータの一例を示した図である。
図6に示すように、異常通信貸渡車両DBに記憶される情報は、異常通信が発生した順に異常通信発生データを並べた情報であって良い。
【0066】
ステップST108で、生成部として動作する料金中央制御部11は、利用者免許証問合せデータを生成する。料金中央データ処理サーバ1では、異常通信が発生した貸渡車両を借りている利用者の情報(免許証等の情報)が存在しない。そこで、生成部として動作する料金中央制御部11は、貸渡車両利用者処理サーバ3から利用者の情報を取得するために利用者免許証問合せデータを生成する。
【0067】
図7は、利用者免許証問合せデータの具体的な情報の一例を示した図である。
図7に示すように、利用者免許証問合せデータは、車両番号および発生日時を含む一方、利用者免許証データは、空であることを示すNULLとなっている。
【0068】
ステップST109で、料金中央データ処理サーバ1の管理者は、貸渡車両利用者処理サーバ3に利用者免許証問合せデータを読み込ませる。上述したように、料金中央データ処理サーバ1と貸渡車両利用者処理サーバ3は、ネットワークで接続されていない場合がある。そこで、管理者は、料金中央データ処理サーバ1の入出力インタフェースを通じて、記憶媒体に利用者免許証問合せデータを記憶させる。そして、貸渡車両利用者処理サーバ3の利用者処理制御部31は、貸渡車両利用者処理サーバ3の入出力インタフェースを通じて、当該記憶媒体から利用者免許証問合せデータを読み出す。なお、管理者による利用者免許証問合せデータを貸渡車両利用者処理サーバ3に読み込ませる頻度は、任意の頻度であって良く、例えば、1日毎、1週間毎、1か月毎であって良い。或いは、異常通信貸渡車両DBが更新される毎であっても良いのは勿論である。
【0069】
例えば、任意の頻度(例えば、1日毎)である場合、処理は、ステップST108に進むまで、ステップST103~ステップST107の動作を繰り返すことになる。
【0070】
なお、料金中央データ処理サーバ1と貸渡車両利用者処理サーバ3がネットワークで接続されている場合、料金中央制御部11は、料金中央通信部13を通じて、貸渡車両利用者処理サーバ3に利用者免許証問合せデータを送信して良い。
【0071】
ステップST110で、貸渡車両利用者処理サーバ3の利用者処理制御部31は、利用者申請データから該当する利用者についてのデータを検索する。
【0072】
ステップST111で、利用者処理制御部31は、該当する利用者の利用者免許証データを付与する。
【0073】
図8は、ステップST110およびステップST111の処理の一例をイメージで示した図である。
図8(a)に示すように、利用者処理制御部31は、利用者免許証データに含まれる車両番号に一致し、且つ発生時刻が貸出期間内であるデータを検索する。
【0074】
そして、
図8(b)に示すように、利用者処理制御部31は、該当するデータに紐付けされた利用者免許証データを利用者免許証問合せデータに付与した利用者免許証問合せ回答データを生成する。
【0075】
ステップST112で、料金中央データ処理サーバ1の管理者は、利用者免許証データが入れられた利用者免許証問合せ回答データを料金中央データ処理サーバ1に読み込ませる。すなわち、取得部として動作する料金中央制御部11は、利用者免許証問合せデータに対応して、貸渡車両の利用者の運転免許証データを含む利用者免許証問合せ回答データを取得する。
【0076】
管理者は、料金中央データ処理サーバ1の入出力インタフェースを通じて、記憶媒体に記憶された利用者免許証問合せデータを料金中央データ処理サーバ1に読み込ませる。
【0077】
なお、料金中央データ処理サーバ1と貸渡車両利用者処理サーバ3がネットワークで接続されている場合、利用者処理制御部31は、利用者処理通信部33を通じて、料金中央データ処理サーバ1に利用者免許証問合せ回答データを送信して良い。
【0078】
図9は、利用者免許証問合せ回答データの一例を示す図である。
図9に示すように、利用者免許証問合せ回答データの利用者免許証データには該当する利用者の免許証データが格納される。また、
図9で示すように、貸渡車両を利用する利用者が複数いる場合、利用者免許証データの1つのセルに、複数のデータが格納されることになる。また、上述したように、複数の利用者がいる場合、利用者免許証問合せ回答データは、どのデータが代表者であるかを示す情報を含んで良い。
【0079】
ステップST113で、料金中央制御部11は、マッチング処理を行う。料金中央制御部11は、利用者免許証問合せデータに含まれる利用者免許証データの顔データと、異常通信貸渡車両DBに含まれる運転者画像(顔データ)が対応するかどうかのマッチング処理を行う。マッチング処理は、一般的な顔認証方法により実施されればよい。そのため、ここでの詳細な説明は省略する。また、料金中央制御部11による顔認証の後、管理者等によって利用者免許証データの顔データと異常通信貸渡車両DBの運転者画像が対応するかどうかを判定してよい。すなわち、料金中央データ処理サーバ1による判定結果が正確であるかどうかの最終確認を管理者による目視により実施しても良い。
【0080】
ステップST114で、料金中央制御部11は、マッチング処理の結果、利用者免許証データの顔データが運転者画像に含まれる顔データに対応する、すなわち、一致する場合、利用者免許証データと異常通信貸渡車両DBをマージする。
【0081】
ステップST115で、料金中央制御部11は、異常通信貸渡車両免許証マッチング結果DBを更新する。例えば、料金中央制御部11は、マージされた情報を異常通信貸渡車両免許証マッチング結果DBに記憶させることにより、更新する。例えば、料金中央制御部11は、単一料金と特定された利用者とを紐付けて料金中央記憶部12に記憶させて良い。
【0082】
図10は、異常通信貸渡免許証マッチング結果DBの一例を示す図である。
図10に示すように、異常通信貸渡車両免許証マッチング結果DBは、発生日時、発生料金所、車両番号、運転者画像、利用者免許証データ等を含む。
【0083】
そして、この異常通信貸渡車両免許証マッチング結果DBの情報を用いて、異常通信であったにもかかわらず、有料道路を通過してしまっていないかの確認の案内、または督促状を利用者免許証データに含まれる住所に送付する等が可能となる。
【0084】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した第1の実施形態によれば、単一料金制の有料道路を利用する貸渡車両に対して通信異常が発生したとしても、有料道路事業者は、貸渡車両を利用する利用者を特定し、特定された利用者に対して通行料金の支払いを実施させることが可能となる。
【0085】
[第2の実施形態]
(構成)
図11は、第2の実施形態に係る異常通信処理システムの概略構成の一例を示す図である。
第2の実施形態では、出口料金所サーバ6を備える点で第1の実施形態と異なる。また、第2の実施形態では、有料道路の通行料金が出口料金所で算出される対距離制料金制であるとする。
【0086】
出口料金所サーバ6は、有料道路の出口料金所に配置されるサーバである。例えば、出口料金所サーバ6は、各料金所の路側に設置された路側機器と接続される。路側機器は、車両50を検知すると、車両50の車載器5と通信を確立する。そして、入口料金所サーバ2で説明したのと同様に、当該路側機器は、車載器5と各種情報を送受信する。出口料金所サーバ6は、路側機器が取得した各種情報を管理する。さらに出口料金所サーバ6は、管理している各種情報を料金中央データ処理サーバ1に送信する。なお、
図10では、簡単化のため、出口料金所サーバ6を1つのみ示しているが、複数の出口料金所サーバ6が存在していて良いのは勿論である。
【0087】
また、出口料金所サーバ6の構成は、
図2を参照して説明した入口料金所サーバ2と同様の構成で良い、例えば、出口料金所サーバ6は、料金所制御部61、料金所記憶部62、上位通信部63、発進制御器64、路側表示器65、車両通信部66等を備える。これらは、入口料金所サーバ2の料金所制御部21、料金所記憶部22、上位通信部23、発進制御器24、路側表示器25、車両通信部26それぞれと同様の機能を有する。そのため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0088】
(動作)
以下で説明する動作において、上述したように、利用者は、特に説明しない限り、貸渡車両を利用するユーザであるとする。すなわち、利用者は、レンタカーまたはカーシェアのような車両50を利用して、当該有料道路を通行するとする。
【0089】
図12は、第2の実施形態に係る有料道路を通行する貸渡車両を利用中の利用者に対して正常な処理が出来なかった場合に対する処理手順の一例を示すシーケンス図である。
料金中央データ処理サーバ1、入口料金所サーバ2、貸渡車両利用者処理サーバ3、有料車両貸渡事業者管理サーバ4、および車載器5の料金中央制御部11、料金所制御部21、利用者処理制御部31、事業者制御部41、および車載器制御部51がそれぞれ料金中央記憶部12、料金所記憶部22、利用者処理記憶部32、事業者記憶部42、および車載器記憶部52に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンスの動作が実現される。
【0090】
第2の実施形態における利用者が貸渡車両を借りて利用者申請データを生成する動作および利用者が有料道路の入口を通行する際の動作は、
図3を参照して説明したステップST101~ステップST115と同様の動作となるため、ここでの重複した説明を省略する。なお、貸渡車両が入口料金所を通行する際、異常通信をしない場合、通常の処理となる。すなわち、入口料金所サーバ2の料金所制御部21は、入口料金所についての情報(例えば入口料金所名、入口料金所ID、入場時刻等を含む)、ETCカードのカードID等を含む車載器情報、車両情報等を取得し、取得した情報を料金中央データ処理サーバ1に送信する。料金中央データ処理サーバ1は、料金中央記憶部12に当該情報を記憶する。
【0091】
ステップST201~ステップST213は、
図3を参照して説明したステップST103~ステップST115と同様の動作であるため、ここでの重複した説明を省略する。
【0092】
なお、貸渡車両が入口料金所でも異常通信をし、出口料金所でも異常通信した場合、異常通信貸渡車両DBは、入口料金所サーバ2から受信した異常通信発生データに加えて、出口料金所サーバ6から受信した異常通信発生データを備えることになる。
【0093】
ステップST214で、料金中央データ処理サーバ1の料金中央制御部11は、通行料金を算出する。例えば、料金中央制御部11は、料金中央記憶部12に記憶された入口料金所サーバ2により取得された情報に含まれる車両番号とステップST213で更新された異常通信貸渡車両免許証マッチング結果DBに記憶された車両番号と一致する番号があるかどうかを判定する。
【0094】
一致する番号がある場合、貸渡車両は、入口料金所で異常通信をしていないことになる。この場合、料金中央制御部11は、貸渡車両が通過した入口料金所から異常通信をした出口料金所までの通行料金を算出する。例えば、料金中央制御部11は、算出された通行料金と特定された利用者とを紐付けて料金中央記憶部12に記憶させて良い。そして、料金中央データ処理サーバ1の管理者は、当該算出された通行料金で異常通信貸渡車両免許証マッチング結果DBの情報を用いて、異常通信であったにもかかわらず、有料道路を通過してしまっていないかの確認の案内、または督促状を利用者免許証データに含まれる住所に送付することになる。
【0095】
一方、一致する番号がない場合、貸渡車両がどの入口料金所かから入ったのか分からない。そのため、料金中央制御部11は、有料道路における最大料金を通行料金として算出する。例えば、料金中央制御部11は、算出された通行料金と特定された利用者とを紐付けて料金中央記憶部12に記憶させて良い。そして、上記と同様に、料金中央データ処理サーバ1の管理者は、当該算出された通行料金で異常通信貸渡車両免許証マッチング結果DBの情報を用いて、異常通信であったにもかかわらず、有料道路を通過してしまっていないかの確認の案内、または督促状を利用者免許証データに含まれる住所に送付することになる。
【0096】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した第2の実施形態によれば、対距離制料金制の有料道路を利用した貸渡車両に対して通信異常が発生したとしても、有料道路事業者は、貸渡車両を利用する利用者を特定し、特定された利用者に対して通行料金の支払いを実施させることが可能となる。
【0097】
[他の実施形態]
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、利用者が複数いる場合であって、入口料金所と出口料金所で運転者画像の利用者が異なる場合、有料道路事業者は、異常通信貸渡車両免許証マッチング結果DBに記憶された代表者に対して通行料金の督促を送付して良い。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1…料金中央データ処理サーバ
11…料金中央制御部
12…料金中央記憶部
13…料金中央通信部
2…入口料金所サーバ
21…料金所制御部
22…料金所記憶部
23…上位通信部
24…発進制御器
25…路側表示器
26…車両通信部
3…貸渡車両利用者処理サーバ
31…利用者処理制御部
32…利用者処理記憶部
33…利用者処理通信部
4…有料車両貸渡事業者管理サーバ
41…事業者制御部
42…事業者記憶部
43…事業者通信部
50…車両
5…車載器
51…車載器制御部
52…車載器記憶部
53…車載器通信部
6…出口料金所サーバ
61…料金所制御部
62…料金所記憶部
63…上位通信部
64…発進制御器
65…路側表示器
66…車両通信部