(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178826
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】車両販売支援システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/332 20190101AFI20241218BHJP
【FI】
G06F16/332
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097265
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 雅聖
(72)【発明者】
【氏名】牟田 富美子
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175HA01
5B175HB03
5B175KA07
(57)【要約】
【課題】車両情報の検索精度を向上させる。
【解決手段】記憶部11には、車両に関する異なる仕様をそれぞれ示す複数の文字列が登録される。記憶部12には、入力された車両情報であって、販売車両の仕様を示す第1の文字列を含む、販売車両に関する車両情報と、複数の文字列のうち、第1の文字列と一致または類似する第2の文字列とが関連付けて登録される。検索部14は、検索文字列の入力を受け付けると、記憶部11から検索文字列と一致または類似する第3の文字列を抽出し、記憶部12に登録された第2の文字列の中から第3の文字列と一致する第4の文字列を抽出し、第4の文字列に対応する車両情報の少なくとも一部を検索結果として出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に関する異なる仕様のそれぞれを正規化表現した複数の文字列が登録された第1の記憶部と、
入力された車両情報であって、販売車両の仕様を示す第1の文字列を含む、前記販売車両に関する前記車両情報と、前記複数の文字列のうち、前記第1の文字列と一致または類似する第2の文字列とが関連付けて登録された第2の記憶部と、
検索文字列の入力を受け付けると、前記複数の文字列の中から前記検索文字列と一致または類似する第3の文字列を抽出し、前記第2の記憶部に登録された前記第2の文字列の中から前記第3の文字列と一致する第4の文字列を抽出し、前記第4の文字列に対応する前記車両情報の少なくとも一部を検索結果として出力する検索部と、
を有する車両販売支援システム。
【請求項2】
前記第1の記憶部には、前記複数の文字列のそれぞれの文字数に応じた判定閾値が、前記複数の文字列のそれぞれに対応付けて登録され、
前記第2の記憶部には、前記第1の記憶部に登録された前記複数の文字列のうち、前記第1の文字列との類似度が前記判定閾値以上の文字列が、前記第2の文字列として登録されている、
請求項1記載の車両販売支援システム。
【請求項3】
前記検索部は、前記第1の記憶部に登録された前記複数の文字列のうち、前記検索文字列との類似度が前記判定閾値以上の文字列を、前記第3の文字列として抽出する、
請求項2記載の車両販売支援システム。
【請求項4】
前記第1の記憶部に登録された複数の文字列のそれぞれを2-gram法で分割することで前記文字列ごとに生成された複数の第1分割文字列と、前記第1の文字列を2-gram法で分割した複数の第2分割文字列とを比較して、前記複数の第1分割文字列と前記複数の第2分割文字列との間で一致した分割文字列の数を示す第1の数を、前記複数の文字列のそれぞれについて算出し、
前記複数の文字列のうち、前記複数の第1分割文字列に含まれる分割文字列の数に対する前記第1の数の割合が前記判定閾値以上の文字列を、前記第2の文字列として前記第2の記憶部に登録する、登録部、
をさらに有する請求項2記載の車両販売支援システム。
【請求項5】
前記検索部は、
前記複数の文字列のそれぞれに対応する前記複数の第1分割文字列と、前記検索文字列を2-gram法で分割した複数の第3分割文字列とを比較して、前記複数の第1分割文字列と前記複数の第3分割文字列との間で一致した分割文字列の数を示す第2の数を、前記複数の文字列のそれぞれについて算出し、
前記複数の文字列のうち、前記複数の第1分割文字列に含まれる分割文字列の数に対する前記第2の数の割合が前記判定閾値以上の文字列を、前記第3の文字列として抽出する、
請求項4記載の車両販売支援システム。
【請求項6】
前記第1の記憶部に登録する文字列の候補となる第5の文字列の入力を受けると、前記第1の記憶部に登録された前記複数の文字列のそれぞれと前記第5の文字列との類似度を算出し、前記複数の文字列のすべてについて、算出された類似度が前記判定閾値以下である場合、前記第5の文字列を前記第1の記憶部に追加する追加部をさらに有する、
請求項2記載の車両販売支援システム。
【請求項7】
前記検索部は、前記第1の記憶部に登録された前記複数の文字列のすべてについて、前記検索文字列との類似度が前記判定閾値未満であった場合、前記検索文字列を第3の記憶部に登録し、
前記車両販売支援システムはさらに、前記第3の記憶部に登録された前記検索文字列を表示画面に一覧表示し、表示された前記検索文字列の中から選択された一の検索文字列を前記第1の記憶部に追加する追加部を有する、
請求項2記載の車両販売支援システム。
【請求項8】
前記追加部は、前記第3の記憶部に登録された前記検索文字列のうち、類似する複数の検索文字列をまとめた状態で前記表示画面に表示する、
請求項7記載の車両販売支援システム。
【請求項9】
コンピュータが、
検索文字列の入力を受け付けると、車両に関する異なる仕様のそれぞれを正規化表現した複数の文字列が登録された第1の記憶部を参照して、前記複数の文字列の中から前記検索文字列と一致または類似する第3の文字列を抽出し、
入力された車両情報であって、販売車両の仕様を示す第1の文字列を含む、前記販売車両に関する前記車両情報と、前記複数の文字列のうち、前記第1の文字列と一致または類似する第2の文字列とが関連付けて登録された第2の記憶部を参照して、前記第2の記憶部に登録された前記第2の文字列の中から前記第3の文字列と一致する第4の文字列を抽出し、
前記第4の文字列に対応する前記車両情報の少なくとも一部を検索結果として出力する、
車両販売支援方法。
【請求項10】
コンピュータに、
検索文字列の入力を受け付けると、車両に関する異なる仕様のそれぞれを正規化表現した複数の文字列が登録された第1の記憶部を参照して、前記複数の文字列の中から前記検索文字列と一致または類似する第3の文字列を抽出し、
入力された車両情報であって、販売車両の仕様を示す第1の文字列を含む、前記販売車両に関する前記車両情報と、前記複数の文字列のうち、前記第1の文字列と一致または類似する第2の文字列とが関連付けて登録された第2の記憶部を参照して、前記第2の記憶部に登録された前記第2の文字列の中から前記第3の文字列と一致する第4の文字列を抽出し、
前記第4の文字列に対応する前記車両情報の少なくとも一部を検索結果として出力する、
処理を実行させる車両販売支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両販売支援システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バイク(自動二輪車)や四輪の自動車などの中古車両の販売には、インターネットが広く利用されている。例えば、中古車両の情報が掲載されたWebサイトが運営されている。このようなWebサイトでは、車名や車両の仕様などを検索キーワードとして入力することで車両情報を検索可能になっているものが多い。
【0003】
また、車両の販売に関する技術としては、例えば、販売されるバイクの詳細情報を掲載したWebサイトのアドレスを含む二次元コードが記載された広告媒体が提案されている。さらに、検索に関する技術としては、例えば、入力されたかな漢字文字列を文法解析し、作成中のファイル内で検索の対象となる文字列を漢字文字列から切り出し、切り出された文字列が含まれる文字列検索用のタグを生成してタグファイルに書き込むタグファイル作成装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-58590号公報
【特許文献2】特開平7-160681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、販売される車両に関しては、同じ車名でも装備品などの仕様が異なるものが多いという特徴がある。そのため、車両情報が掲載されるWebサイトには、車名や排気量、年式などの定型的な文字列だけでなく、装備品などの車両の仕様を示す仕様情報が登録されることが多い。一方、車両情報を検索するユーザも、所望の仕様の車両を探すために検索キーワードとして仕様情報を入力して検索を行うことが多い。
【0006】
このような仕様情報は、入力者によって表記揺れが生じやすい。このため、仕様情報を検索キーワードとして用い、登録された仕様情報を検索対象として検索が行われると、検索結果が不安定になりやすく、検索精度が低下するという問題がある。
【0007】
1つの側面では、本発明は、車両情報の検索精度を向上させることが可能な車両販売支援システム、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの案では、第1の記憶部、第2の記憶部および検索部を有する車両販売支援システムが提案される。この車両販売支援システムにおいて、第1の記憶部には、車両に関する異なる仕様のそれぞれを正規化表現した複数の文字列が登録される。第2の記憶部には、入力された車両情報であって、販売車両の仕様を示す第1の文字列を含む、販売車両に関する車両情報と、複数の文字列のうち、第1の文字列と一致または類似する第2の文字列とが関連付けて登録される。検索部は、検索文字列の入力を受け付けると、複数の文字列の中から検索文字列と一致または類似する第3の文字列を抽出し、第2の記憶部に登録された第2の文字列の中から第3の文字列と一致する第4の文字列を抽出し、第4の文字列に対応する車両情報の少なくとも一部を検索結果として出力する。
【0009】
また、1つの案では、上記の車両販売支援システムと同様の処理をコンピュータが実行する車両販売支援方法が提供される。
さらに、1つの案では、上記の車両販売支援システムと同様の処理をコンピュータに実行させる車両販売支援プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面では、車両情報の検索精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施の形態に係る車両販売支援システムの構成例および処理例を示す図である。
【
図2】第2の実施の形態に係る車両販売支援システムの構成例を示す図である。
【
図3】サーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】車両情報の登録画面の表示例を示す図である。
【
図5】車両情報の検索に関する表示例を示す図である。
【
図6】サーバ装置が備える処理機能の構成例を示す図である。
【
図7】装備タグマスタテーブルのデータ構成例を示す図である。
【
図8】車両情報テーブルのデータ構成例を示す図である。
【
図9】検索用タグテーブルのデータ構成例を示す図である。
【
図10】装備タグ候補テーブルのデータ構成例を示す図である。
【
図11】車両情報登録処理の例を示すフローチャートである。
【
図12】検索用タグ登録処理の例を示すフローチャートである。
【
図13】フリーワード検索処理の例を示すフローチャートである。
【
図14】キーワード変換処理の例を示すフローチャートである。
【
図15】装備タグ登録処理の例を示すフローチャートである。
【
図16】装備タグマスタメンテナンス画面の表示例を示す図である。
【
図17】装備タグ候補リスト作成処理の例を示すフローチャートである。
【
図18】装備タグ候補リストの作成例を示す第1の図である。
【
図19】装備タグ候補リストの作成例を示す第2の図である。
【
図20】装備タグ候補リストの作成例を示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る車両販売支援システムの構成例および処理例を示す図である。
図1に示す車両販売支援システム10は、記憶部11,12、登録部13および検索部14を有する。
【0013】
記憶部11(第1の記憶部)は、図示しない記憶装置に確保される記憶領域である。記憶部11には、車両に関する異なる仕様のそれぞれを正規化表現した複数の文字列が登録される。
図1の例では、「A1」という仕様を示す文字列「A1付き」と、「A2」という仕様を示す文字列「A2搭載」とが登録されている。記憶部11に登録される文字列は、例えば、対応する仕様を統一的に表記した文字列である。例えば、文字列「A1付き」は、「A1」という仕様を統一的に表記したものである。この場合の一例として、「A1」という仕様とは、装備品「A1」が搭載されていることを示す。
【0014】
記憶部12(第2の記憶部)は、図示しない記憶装置に確保される記憶領域である。記憶部12の記憶領域と記憶部11の記憶領域とは、同一の記憶装置に確保されてもよいし、異なる記憶装置に確保されてもよい。記憶部12には、販売される車両(販売車両)に関する車両情報に対応付けて、検索時に使用される検索用文字列が登録されている。検索用文字列としては、記憶部11に登録されたいずれかの文字列が登録される。
【0015】
登録部13および検索部14の処理は、例えば、プロセッサが所定のプログラムを実行することで実現される。登録部13の処理と検索部14の処理は、同一装置内のプロセッサによって実現されてもよいし、異なる装置内プロセッサによって実現されてもよい。
【0016】
登録部13は、販売車両に関する車両情報の登録処理を実行する。例えば、登録部13は、仕様を示す文字列「A1搭載」(第1の文字列)を含む車両情報「B2」の入力を受け付けたとする。すると、登録部13は、記憶部11から文字列「A1搭載」と一致または類似する文字列を抽出する。
図1の例では、文字列「A1搭載」と類似する文字列「A1付き」(第2の文字列)が記憶部11から抽出されたとする。この場合、登録部13は、抽出された文字列「A1付き」を、車両情報「B2」に関連付けて記憶部12に登録する。
【0017】
ここで、車両情報「B2」に含まれる文字列「A1搭載」は、例えば、販売車両に装備品「A1」が搭載されていることをわかりやすく表現したものであり、販売者の自由に入力される。このため、車両情報「B2」に含まれる文字列「A1搭載」には表記揺れが生じ得る。登録部13の上記処理では、このような文字列「A1搭載」が、記憶部11に登録された文字列のうち文字列「A1搭載」と一致または類似する文字列「A1付き」に変換されて、車両情報「B2」に対応する検索用文字列として記憶部12に登録される。これにより、車両情報「B2」に対応する検索用文字列として、仕様「A1」を示し、かつ、表記揺れの影響を受けにくい文字列が登録されることになる。
【0018】
検索部14は、車両情報の検索処理を実行する。例えば、検索部14は、検索文字列「A1あり」の入力を受け付けたとする。すると、検索部14は、記憶部11から検索文字列「A1あり」と一致または類似する文字列を抽出する。
図1の例では、検索文字列「A1あり」と類似する「A1付き」(第3の文字列)が記憶部11から抽出されたとする。この場合、検索部14は、記憶部12に登録された検索用文字列の中から、抽出された文字列「A1付き」と一致する検索用文字列を抽出し、抽出された検索用文字列に対応する車両情報の少なくとも一部を検索結果として出力する。
図1の例では、記憶部12から検索文字列「A1付き」(第4の文字列)が抽出され、抽出された検索文字列「A1付き」に対応する車両情報「B2」の少なくとも一部(例えば、車両情報「B2」に含まれる、仕様を示す文字列「A1搭載」)が検索結果として出力される。
【0019】
ここで、検索のために入力される検索文字列「A1搭載」は、「A1」という仕様の販売車両を見つけるためにユーザによって自由に入力される文字列である。このため、入力される検索文字列「A1搭載」にも表記揺れが生じ得る。検索部14の上記処理では、このような検索文字列「A1あり」が、記憶部11に登録された文字列のうち文字列「A1あり」と一致または類似する文字列「A1付き」に変換されて、検索用文字列との一致判定を行うための検索キーワードとして用いられる。これにより、仕様「A1」を示し、かつ、表記揺れの影響を受けにくい文字列を用いて一致判定が行われることになる。
【0020】
一方、前述のように、検索用文字列も表記揺れの影響を受けにくい文字列である。このため、表記揺れの影響を受けにくい文字列同士で一致判定が行われることになる。その結果、車両情報に含まれる、仕様を示す文字列を検索用文字列として登録し、かつ、検索キーワードとして入力された検索用文字列をそのまま用いた場合と比較して、表記揺れに関係なく一定の検索結果を得ることが可能となる。したがって、車両情報の検索精度を向上させることができる。
【0021】
なお、前述のように、登録部13の処理と検索部14の処理は、それぞれ異なる装置内プロセッサによって実現されてもよい。例えば、第1の装置内のプロセッサにより登録部13の処理が実現され、第2の装置内のプロセッサにより検索部14の処理が実現されるとする。この場合、例えば、第1の装置は、記憶部11と登録部13を有し、登録部13によって記憶部12に対する情報登録処理を実行する。第2の装置は、記憶部11と、登録部13によって情報が登録された記憶部12と、検索部14とを有せばよい。
【0022】
〔第2の実施の形態〕
次に、車両の例として、中古バイク(自動二輪車)の販売を支援するためのシステムについて例示する。
【0023】
図2は、第2の実施の形態に係る車両販売支援システムの構成例を示す図である。
図2に示す車両販売支援システムは、サーバ装置100、店舗端末50a,50b,・・・、ユーザ端末60a,60b,・・・および管理者端末70を含む。
【0024】
サーバ装置100は、店舗で販売される中古バイクに関する情報(車両情報)を受け付け、データベースに登録する。また、サーバ装置100は、ユーザから検索キーワードの入力を受け付けてデータベースを検索し、検索キーワードに合致する車両情報を検索結果としてユーザに提示する。サーバ装置100は、車両情報の登録や車両情報の検索を行うWebサーバとして動作する。
【0025】
店舗端末50a,50b,・・・は、中古バイクが販売される店舗の店員によって操作される端末装置である。店員は、店舗端末50a,50b,・・・を操作することにより、販売される中古バイクについての車両情報をサーバ装置100に登録することができる。
【0026】
ユーザ端末60a,60b,・・・は、中古バイクを購入しようとするユーザによって操作される端末装置である。ユーザは、ユーザ端末60a,60b,・・・を操作することにより、所望の検索キーワードをサーバ装置100に送信し、検索結果の提示を受けることができる。
【0027】
管理者端末70は、車両情報の登録・検索サービスを提供するWebサイトの管理者によって操作される端末装置である。管理者は、管理者端末70を操作することにより、Webサイトを維持・管理することができる。
【0028】
図3は、サーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。サーバ装置100は、例えば、
図3に示すようなコンピュータとして実現される。
図3に示すサーバ装置100は、プロセッサ101、RAM(Random Access Memory)102、HDD(Hard Disk Drive)103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース(I/F)105、読み取り装置106およびネットワークインタフェース(I/F)107を備える。
【0029】
プロセッサ101は、サーバ装置100全体を統括的に制御する。プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはPLD(Programmable Logic Device)である。また、プロセッサ101は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0030】
RAM102は、サーバ装置100の主記憶装置として使用される。RAM102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、プロセッサ101による処理に必要な各種データが格納される。
【0031】
HDD103は、サーバ装置100の補助記憶装置として使用される。HDD103には、OSプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、SSD(Solid State Drive)などの他の種類の不揮発性記憶装置を使用することもできる。
【0032】
GPU104には、表示装置104aが接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令にしたがって、画像を表示装置104aに表示させる。表示装置104aとしては、液晶ディスプレイや有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなどがある。
【0033】
入力インタフェース105には、入力装置105aが接続されている。入力インタフェース105は、入力装置105aから出力される信号をプロセッサ101に送信する。入力装置105aとしては、キーボードやポインティングデバイスなどがある。ポインティングデバイスとしては、マウス、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0034】
読み取り装置106には、可搬型記録媒体106aが脱着される。読み取り装置106は、可搬型記録媒体106aに記録されたデータを読み取ってプロセッサ101に送信する。可搬型記録媒体106aとしては、光ディスク、半導体メモリなどがある。
【0035】
ネットワークインタフェース107は、ネットワーク107aを介して店舗端末50a,50b,・・・、ユーザ端末60a,60b,・・・、管理者端末70などの他の装置との間でデータの送受信を行う。
【0036】
以上のようなハードウェア構成によって、サーバ装置100の処理機能を実現することができる。なお、店舗端末50a,50b,・・・、ユーザ端末60a,60b,・・・、管理者端末70も、上記のようなコンピュータとして実現可能である。
【0037】
次に、サーバ装置100に対する車両情報の登録と、車両情報の検索について説明する。
図4は、車両情報の登録画面の表示例を示す図である。店舗の店員が販売する車両の車両情報をサーバ装置100に登録する際、店舗端末には、例えば
図4に示すような車両情報登録画面200が表示される。車両情報登録画面200は、入力項目として、車両ID、メーカ、車名、表示用車名、価格、排気量、年式および走行距離を含む。
【0038】
車両IDは、登録される車両情報の識別番号であり、サーバ装置100によって自動的に入力される。メーカは、販売される車両のメーカを示し、車名は、販売される車両の車名を示す。表示用車名は、検索結果画面において、車名の項目の代わりに表示される情報である。表示用車名としては、車名の他、販売される車両の仕様に関する様々な情報を入力可能になっている。価格は、販売される車両の価格を示し、排気量は、販売される車両の排気量を示し、年式は、販売される車両の排気量を示し、走行距離は、販売される車両の走行距離を示す。
【0039】
さらに、車両情報登録画面200は、登録ボタン201を含む。店員は、上記の各入力項目に情報を入力した後、登録ボタン201を押下することで情報の登録を要求する。すると、上記の各入力項目に入力された情報の組み合わせが、車両情報として後述する車両情報テーブルに登録される。
【0040】
図5は、車両情報の検索に関する表示例を示す図である。
登録された車両情報をユーザが検索する際、ユーザ端末には、例えば
図5に示すような検索画面210が表示される。検索画面210は、キーワード入力部211と検索ボタン212とを含む。キーワード入力部211には、見つけたい車両に関する検索キーワードを自由に入力可能となっている。ユーザは、キーワード入力部211に検索キーワードを入力した後、検索ボタン212を押下することで、入力された検索キーワードを用いた検索を要求する。
【0041】
検索要求を受け付けたサーバ装置100は、入力された検索キーワードを用いて車両情報テーブルを検索する。上記のようなフリーワード検索が行われる場合、サーバ装置100は例えば、車両情報に含まれる表示用車名を検索対象とし、表示用車名の登録情報に検索キーワードと一致または類似するワードを含む車両情報を抽出する。サーバ装置100は、抽出された車両情報を一覧表示するための検索結果画面220を、ユーザ端末に表示させる。
【0042】
図5に示すように、検索結果画面220には、抽出された車両情報をそれぞれ表示するための車両情報表示部221a,221b,・・・が表示される。各車両情報表示部は、メーカ表示部222、表示用車名表示部223、価格表示部224、排気量表示部225、年式表示部226および走行距離表示部227を含む。メーカ表示部222、表示用車名表示部223、価格表示部224、排気量表示部225、年式表示部226および走行距離表示部227には、対応する車両情報に含まれるメーカ、表示用車名、価格、排気量、年式、走行距離の登録情報がそれぞれ表示される。
【0043】
上記の例のように、検索結果を表示するための画面には、車名のみ表示される表示部の代わりに表示用車名の登録情報が表示される場合がある。バイクには、膨大な数の装備品があり、装備品としては、新車販売時に取り付けられるものもあれば、販売後に取り付けられるものもある。このため、バイクを購入するユーザには、車名だけでなく、装備品をキーワードとして検索したいという要望がある。このようなユーザの要望に対応するために、中古バイクの掲載サイトでは、車名以外の情報を併記することが可能な表示用車名の登録を受け付け、登録された表示用車名をフリーワード検索の際の検索対象とする傾向がある。また、検索結果の表示画面にこのような表示用車名の登録情報を表示することで、車名だけでなく装備品などの仕様の情報を知りたいというユーザの要望に応えることが可能となる。
【0044】
しかしながら、表示用車名の項目には、車名のように固有の文字列が登録されるとは限らず、入力者によって登録情報の表記揺れが生じやすい。このため、検索キーワードによって表示用車名の登録情報を検索した場合には、検索結果が不安定になりやすく、検索精度が低下しやすいという問題がある。
【0045】
そこで、本実施の形態では、表示用車名の項目に登録され得る装備品を示す「装備タグ」の一覧が登録された装備タグマスタテーブルが生成され、サーバ装置100に記憶される。装備タグは、装備品ごとに統一的な表現で表記された文字列である。
【0046】
サーバ装置100は、車両情報が登録されると、その車両情報に含まれる表示用車名を解析して、表示用車名の項目に登録された文字列を、装備タグマスタテーブルに登録された装備タグのうち最も関連性が高い装備タグに変換する。サーバ装置100は、文字列から変換された装備タグを、その車両情報に対応する検索用タグとして記憶する。
【0047】
そして、サーバ装置100は、検索キーワードが入力されると、入力された検索キーワードを、装備タグマスタテーブルに登録された装備タグのうち最も関連性(類似度)が高い装備タグに変換する。サーバ装置100は、この装備タグをキーワードとして各車両情報の検索用タグを検索し、装備タグと一致する検索用タグを有する車両情報を抽出する。
【0048】
上記処理によれば、表記揺れが生じ得る表示用車名の登録情報が、装備品ごとに統一的な文字列である装備タグに変換されて、検索用タグとして車両情報に対応付けて記憶される。また、同じく表記揺れが生じ得る検索キーワードも装備タグに変換される。そして、装備タグに変換された検索キーワードと検索用タグとの間における一致判定によって検索が行われる。これにより、入力情報の表記揺れに関係なく一定の検索結果が得られるようになり、検索精度を向上させることができる。
【0049】
図6は、サーバ装置が備える処理機能の構成例を示す図である。サーバ装置100は、記憶部110、車両登録部121、検索用タグ登録部122、車両検索部123、キーワード変換部124および装備タグ登録部125を備える。
【0050】
記憶部110は、RAM102、HDD103など、サーバ装置100が備える記憶装置に確保される記憶領域である。記憶部110には、装備タグマスタテーブル111、車名マスタテーブル112、車両情報テーブル113、検索用タグテーブル114および装備タグ候補テーブル115が記憶される。
【0051】
装備タグマスタテーブル111には、車両情報内の表示用車名の項目に登録され得る装備品を統一的に表記した装備タグが登録される。また、装備タグマスタテーブル111には、装備タグに対応付けて、装備タグの文字列を2-gram化することで得られる文字列(記号列)と、装備タグとの類似判定の際に閾値として使用されるスコアとが登録される。
【0052】
車名マスタテーブル112には、車両情報内の車名の項目に登録され得る車名が登録される。
車両情報テーブル113には、販売される車両についての車両情報が登録される。
【0053】
検索用タグテーブル114には、車両情報テーブル113に登録された各車両情報に対応する検索用タグが登録される。
装備タグ候補テーブル115には、装備タグ候補が登録される。装備タグ候補は、ユーザによって入力された検索キーワードのうち、装備タグに変換されなかった検索キーワードであり、装備タグマスタテーブル111に追加される装備タグの候補となる。
【0054】
車両登録部121、検索用タグ登録部122、車両検索部123、キーワード変換部124および装備タグ登録部125の処理は、例えば、プロセッサ101が所定のプログラムを実行することで実現される。
【0055】
車両登録部121は、店舗端末に車両情報の登録画面を表示させ、登録画面を介して車両情報の入力を受け付け、入力された車両情報を車両情報テーブル113に登録する。
検索用タグ登録部122は、車両情報テーブル113に登録された車両情報に対応する検索用タグを、車両情報内の表示用車名の登録情報に基づいて生成し、車両情報に対応付けて検索用タグテーブル114に登録する。
【0056】
車両検索部123は、ユーザ端末に検索画面を表示させ、検索画面を介して検索キーワードの入力を受け付け、該当する車両情報の検索を実行する。この検索において、車両検索部123は、入力された検索キーワードをキーワード変換部124に受け渡し、検索キーワードに一致または類似する装備タグを取得する。車両検索部123は、取得した装備タグを検索キーワードとして用い、装備タグと一致する検索用タグを有する車両情報を検索用タグテーブル114から抽出する。車両検索部123は、抽出された車両情報の登録内容を車両情報テーブル113から取得し、取得した情報を一覧表示する検索結果画面を生成してユーザ端末に表示させる。
【0057】
キーワード変換部124は、装備タグマスタテーブル111に登録された装備タグの中から、検索キーワードに一致または類似する装備タグを抽出することで、検索キーワードを装備タグに変換し、車両検索部123に受け渡す。また、キーワード変換部124は、検索キーワードに一致または類似する装備タグを抽出できなかった場合には、その検索キーワードを装備タグ候補として装備タグ候補テーブル115に登録する。
【0058】
装備タグ登録部125は、管理者端末からキーワードの入力を受け付け、入力されたキーワードと一致または類似する装備タグが装備タグマスタテーブル111に登録されていない場合には、入力されたキーワードを装備タグとして装備タグマスタテーブル111に登録する。また、装備タグ登録部125は、装備タグ候補テーブル115に登録された装備タグ候補を管理者端末に表示し、表示された装備タグ候補の中から管理者の操作によって選択された装備タグ候補を、装備タグとして装備タグマスタテーブル111に追加登録する。
【0059】
図7は、装備タグマスタテーブルのデータ構成例を示す図である。装備タグマスタテーブル111の各レコードには、装備タグID、装備タグ、2-gram文字列およびスコアが登録される。装備タグIDは、装備タグを識別する識別番号である。2-gram文字列は、装備タグの文字列を2文字単位で分割することで生成された文字列(記号列)である。装備タグがN文字である場合、(N-1)個の2-gram文字列が生成される。スコアは、検索キーワードや装備タグ候補と装備タグとの類似性を判定する際に用いられる閾値である。
【0060】
図8は、車両情報テーブルのデータ構成例を示す図である。車両情報テーブル113の各レコードには、車両ID、メーカ、車名、表示用車名、価格、排気量、年式および走行距離が登録される。車両情報テーブル113の1つのレコードが、販売される車両を示す車両情報に対応し、車両IDは、車両情報(または対応する車両)を識別する識別番号である。
【0061】
図9は、検索用タグテーブルのデータ構成例を示す図である。検索用タグテーブル114には、車両情報テーブル113に登録された車両情報を示す車両IDと、検索用タグとが対応付けて登録される。1つの車両IDには、複数の検索用タグを対応付けることが可能となっている。
図9の例では、車両ID「10302」に対して「リアボックス」「ETC付き」という2つの検索用タグが対応付けられている。
【0062】
図10は、装備タグ候補テーブルのデータ構成例を示す図である。装備タグ候補テーブル115の各レコードには、装備タグ候補と検索回数が登録される。装備タグ候補は、ユーザによって入力された検索キーワードのうち、装備タグに変換されなかった検索キーワードである。検索回数は、装備タグ候補の文字列が検索キーワードとして指定された回数を示す。
【0063】
<車両情報の登録処理>
まず、
図11、
図12を参照して、サーバ装置100に対する車両情報の登録処理について説明する。
【0064】
図11は、車両情報登録処理の例を示すフローチャートである。
[ステップS11]車両登録部121は、店舗端末に車両情報の登録画面を表示させ、登録画面を介して車両情報の入力を受け付ける。
【0065】
[ステップS12]車両登録部121は、入力された車両情報を車両情報テーブル113に登録する。
[ステップS13]車両情報に含まれる表示用車名の登録情報が検索用タグ登録部122に受け渡され、検索用タグ登録部122により、登録された車両情報に対応する検索用タグを検索用タグテーブル114に登録する登録処理が実行される。
【0066】
なお、ステップS13の処理は、ステップS11,S12とは非同期のタイミングで実行されてもよい。例えば、次のような処理が一定時間間隔で実行されてもよい。検索用タグ登録部122は、車両情報テーブル113に登録された車両情報の中から、検索用タグが登録されていない車両情報を探索する。該当する車両情報が見つかった場合、検索用タグ登録部122は、ステップS13の手順でその車両情報に対応する検索用タグを検索用タグテーブル114に登録する。
【0067】
図12は、検索用タグ登録処理の例を示すフローチャートである。
図12の処理は、
図11のステップS13の処理に対応する。
[ステップS21]検索用タグ登録部122は、車両用車名の登録情報を有意な文字列に分割する。この分割では、例えば、登録情報が全角スペース、半角スペース、中黒点、スラッシュ、句読点の各位置で分割される、一例として、車両用車名の項目に「DE-FG 1100 リアボックス/ETC装備」と登録されていた場合、「DE-FG」「1100」「リアボックス」「ETC装備」の各文字列に分割される。以下、分割された文字列を検索用タグ候補と記載する。
【0068】
[ステップS22]検索用タグ登録部122は、分割された検索用タグ候補の中から除外条件に該当するものを除外する。例えば、次のような除外条件(1)~(4)のいずれかに該当する検索用タグ候補が除外される。
【0069】
除外条件(1):車名マスタテーブル112に登録されたいずれかの車名と一致する。
除外条件(2):排気量の単位(cc,Kw)を含む。
除外条件(3):走行距離の単位(km,mile)を含む。
【0070】
除外条件(4):数字だけを含む。
次のステップS23以降の処理では、除外条件(1)~(4)のいずれにも該当しなかった検索用タグ候補が処理対象となる。
【0071】
[ステップS23]検索用タグ登録部122は、検索用タグ候補を1つ選択し、2-gram化により2文字単位の文字列(2-gram文字列)に分割する。
[ステップS24]検索用タグ登録部122は、装備タグマスタテーブル111から装備タグを1つ選択し、選択された装備タグと、ステップS23で選択された検索用タグ候補との間の関連度スコア(類似度)を算出する。
【0072】
この算出処理では、検索用タグ登録部122は、装備タグマスタテーブル111から、選択された装備タグに対応する2-gram文字列(第1分割文字列)を抽出する。検索用タグ登録部122は、装備タグに対応する2-gram文字列と、ステップS23で検索用タグ候補から生成された2-gram文字列(第2分割文字列)との間で一致する文字列数N1を計数する。また、検索用タグ登録部122は、装備タグに対応する2-gram文字列の文字列数N2を計数し、N1/N2を関連度スコアとして算出する。
【0073】
[ステップS25]検索用タグ登録部122は、装備タグマスタテーブル111から、選択された装備タグに対応するスコアを抽出する。検索用タグ登録部122は、ステップS24で算出された関連度スコアが、抽出されたスコア以上であるかを判定する。関連度スコアが抽出されたスコア以上である場合、処理がステップS26に進められ、関連度スコアが抽出されたスコア未満である場合、処理がステップS27に進められる。
【0074】
[ステップS26]検索用タグ登録部122は、選択された装備タグを、
図11の処理により登録された車両情報に対応する検索用タグとして、検索用タグテーブル114に登録する。
【0075】
[ステップS27]検索用タグ登録部122は、装備タグマスタテーブル111に登録された装備タグの中に、ステップS24で未選択の装備タグがあるかを判定する。該当する装備タグがある場合、処理がステップS24に進められ、未選択の装備タグが1つ選択される。一方、登録されたすべての装備タグが選択済みの場合、処理がステップS28に進められる。
【0076】
[ステップS28]検索用タグ登録部122は、ステップS23で未選択の検索用タグ候補があるかを判定する。該当する検索用タグ候補がある場合、処理がステップS23に進められ、未選択の検索用タグ候補が1つ選択される。一方、すべての検索用タグ候補が選択済みの場合、検索用タグ登録処理が終了する。
【0077】
以上の処理により、登録された車両情報に対応する検索用タグが、自動的に検索用タグテーブル114に登録される。
<車両情報の検索処理>
次に、
図13、
図14を参照して、登録された車両情報の検索処理について説明する。
【0078】
図13は、フリーワード検索処理の例を示すフローチャートである。
[ステップS31]車両検索部123は、フリーワード検索のための検索画面をユーザ端末に表示させ、検索画面を介して検索キーワードの入力を受け付ける。
【0079】
[ステップS32]入力された検索キーワードがキーワード変換部124に受け渡され、キーワード変換部124によって検索キーワードが装備タグに変換される。
[ステップS33]車両検索部123は、変換された装備タグを検索キーワードとして用いて検索用タグテーブル114を検索し、変換された装備タグと一致する検索用タグに対応付けられた車両IDを抽出する。
【0080】
[ステップS34]車両検索部123は、抽出された車両IDに対応する車両情報を車両情報テーブル113から抽出する。車両検索部123は、抽出された車両情報を一覧表示した検索結果画面を生成し、ユーザ端末に表示させる。
【0081】
図14は、キーワード変換処理の例を示すフローチャートである。
図14の処理は、
図13のステップS32の処理に対応する。
[ステップS41]キーワード変換部124は、
図12のステップS21と同様の手順で、検索キーワードを有意な文字列(検索用の装備タグ候補)に分割する。
【0082】
[ステップS42]キーワード変換部124は、分割された検索用の装備タグ候補の中から除外条件に該当するものを除外する。除外条件としては、例えば、上記の除外条件(1)~(4)が用いられる。次のステップS43以降の処理では、除外条件(1)~(4)のいずれも該当しなかった検索用の装備タグ候補が処理対象となる。
【0083】
[ステップS43]キーワード変換部124は、検索用の装備タグ候補を1つ選択し、2-gram化により2文字単位の文字列(2-gram文字列)に分割する。
[ステップS44]キーワード変換部124は、装備タグマスタテーブル111から装備タグを1つ選択し、選択された装備タグと、ステップS43で選択された検索用の装備タグ候補との間の関連度スコア(類似度)を算出する。
【0084】
この算出処理では、キーワード変換部124は、装備タグマスタテーブル111から、選択された装備タグに対応する2-gram文字列(第1分割文字列)を抽出する。キーワード変換部124は、装備タグに対応する2-gram文字列と、ステップS43で検索用の装備タグ候補から生成された2-gram文字列(第3分割文字列)との間で一致する文字列数N3を計数する。また、キーワード変換部124は、装備タグに対応する2-gram文字列の文字列数N4を計数し、N3/N4を関連度スコアとして算出する。
【0085】
[ステップS45]キーワード変換部124は、装備タグマスタテーブル111から、選択された装備タグに対応するスコアを抽出する。キーワード変換部124は、ステップS44で算出された関連度スコアが、抽出されたスコア以上であるかを判定する。関連度スコアが抽出されたスコア以上である場合、処理がステップS46に進められ、関連度スコアが抽出されたスコア未満である場合、処理がステップS47に進められる。
【0086】
[ステップS46]キーワード変換部124は、選択された装備タグを検索用の装備タグ(すなわち、変換後の検索キーワード)に決定し、車両検索部123に受け渡す。
[ステップS47]キーワード変換部124は、装備タグマスタテーブル111に登録された装備タグの中に、ステップS44で未選択の装備タグがあるかを判定する。該当する装備タグがある場合、処理がステップS44に進められ、未選択の装備タグが1つ選択される。一方、登録されたすべての装備タグが選択済みの場合、処理がステップS48に進められる。
【0087】
[ステップS48]キーワード変換部124は、ステップS43で選択された装備タグ候補(すなわち、検索用の装備タグに変換されなかった検索キーワード)を、装備タグ候補テーブル115に登録する。このとき、装備タグ候補に対応する検索回数として「1」が登録される。ただし、ステップS43で選択された装備タグ候補が装備タグ候補テーブル115にすでに登録済みである場合がある。この場合、キーワード変換部124は、装備タグ候補テーブル115に登録された装備タグ候補に対応する検索回数をカウントアップする。
【0088】
[ステップS49]キーワード変換部124は、ステップS43で未選択の検索用の装備タグ候補があるかを判定する。該当する装備タグ候補がある場合、処理がステップS43に進められ、未選択の装備タグ候補が1つ選択される。一方、すべての装備タグ候補が選択済みの場合、キーワード変換処理が終了する。
【0089】
以上の処理により、入力された検索キーワードが、装備タグマスタテーブル111に登録された、検索キーワードに一致または類似する装備タグに変換される。そして、
図13のステップS33,S34で、変換された装備タグと一致する検索用タグが検索用タグテーブル114から検索される。検索用タグも、表示用車名の登録情報が装備タグに変換された文字列であるので、上記の一致判定では、検索キーワードや表示用車名の表記揺れの影響を受けにくくなる。その結果、車両情報の検索精度を向上させることができる。
【0090】
なお、上記のステップS43~S48の処理では、検索用の装備タグ候補との関連度スコアが対応するスコア以上である装備タグが見つかった段階で、その装備タグが検索用の装備タグに決定された。しかし、装備タグマスタテーブル111には、検索用の装備タグ候補との関連度スコアが対応するスコア以上である装備タグが複数存在し得る。そこで、ステップS43~S48は、関連度スコアがスコア以上となる装備タグが複数抽出され得るように変形されてもよい。この場合、例えば、該当する装備タグが複数抽出されると、例えば、対応するスコアに対する関連度スコアの割合が最も大きい装備タグが、検索用の装備タグに決定されればよい。
【0091】
<装備タグの登録処理>
次に、
図15~
図20を参照して、装備タグマスタテーブル111に対する装備タグの登録処理について説明する。装備タグの登録処理としては、次の第1の登録処理と第2の登録処理とを用いることが可能である。第1の登録処理では、管理者によって入力されたキーワードが装備タグとして登録される。第2の登録処理では、入力された検索キーワードのうち、装備タグに変換されずに装備タグ候補テーブル115に登録された装備タグ候補の中から、管理者によって選択された装備タグ候補が装備タグとして登録される。
【0092】
まず、
図15を参照して、第1の登録処理について説明する。
図15は、装備タグ登録処理の例を示すフローチャートである。
[ステップS51]装備タグ登録部125は、キーワード入力のための入力画面を管理者端末に表示させ、入力画面を介してキーワード(第5の文字列)の入力を受け付ける。
【0093】
[ステップS52]装備タグ登録部125は、入力されたキーワードを、2-gram化により2文字単位の文字列(2-gram文字列)に分割する。
[ステップS53]装備タグ登録部125は、装備タグマスタテーブル111から装備タグを1つ選択し、選択された装備タグと、ステップS43で選択された検索用の装備タグ候補との間の関連度スコア(類似度)を算出する。
【0094】
この算出処理では、装備タグ登録部125は、装備タグマスタテーブル111から、選択された装備タグに対応する2-gram文字列を抽出する。装備タグ登録部125は、装備タグに対応する2-gram文字列と、ステップS52でキーワードから生成された2-gram文字列との間で一致する文字列数N5を計数する。また、装備タグ登録部125は、装備タグに対応する2-gram文字列の文字列数N6を計数し、N5/N6を関連度スコアとして算出する。
【0095】
[ステップS54]装備タグ登録部125は、装備タグマスタテーブル111から、選択された装備タグに対応するスコアを抽出する。装備タグ登録部125は、ステップS53で算出された関連度スコアが、抽出されたスコア以下であるかを判定する。関連度スコアが抽出されたスコア以下である場合、処理がステップS55に進められる。一方、関連度スコアが抽出されたスコアより大きい場合、キーワードと一致または類似する装備タグが装備タグマスタテーブル111に登録されていることから、装備タグ登録処理が終了する。
【0096】
[ステップS55]装備タグ登録部125は、装備タグマスタテーブル111に登録された装備タグの中に、ステップS53で未選択の装備タグがあるかを判定する。該当する装備タグがある場合、処理がステップS53に進められ、未選択の装備タグが1つ選択される。一方、登録されたすべての装備タグが選択済みの場合、処理がステップS56に進められる。
【0097】
[ステップS56]このケースは、装備タグマスタテーブル111の中にキーワードと一致または類似する装備タグが登録されていなかったケースである。この場合、装備タグ登録部125は、キーワードを新たな装備タグとして装備タグマスタテーブル111に追加登録する。
【0098】
以上の処理により、管理者が装備タグとして登録したいキーワードを入力すると、そのキーワードに一致または類似する装備タグが装備タグマスタテーブル111に登録されているかが判定される。そして、該当する装備タグが登録されていない場合に、キーワードが新たな装備タグとして装備タグマスタテーブル111に追加登録される。したがって、管理者は、簡単な操作によって装備タグを追加登録できるようになる。
【0099】
次に、
図16~
図20を参照して、第2の登録処理について説明する。
図16は、装備タグマスタメンテナンス画面の表示例を示す図である。装備タグ登録部125は、装備タグマスタメンテナンス画面230を管理者端末に表示させる。装備タグマスタメンテナンス画面230は、候補リスト表示部231、登録済みリスト表示部232、登録ボタン233、削除ボタン234および確認用入力部235を含む。
【0100】
候補リスト表示部231には、装備タグ候補テーブル115に登録された装備タグ候補のリストが表示される。前述のように、装備タグ候補テーブル115に登録されている装備タグ候補は、ユーザによって入力された検索キーワードのうち、検索用の装備タグに変換されなかった文字列である。管理者は、候補リスト表示部231に表示されたこのような装備タグ候補のリストの中から任意の装備タグ候補を選択し、登録ボタン233を押下することで、選択された装備タグ候補を装備タグとして装備タグマスタテーブル111に登録することができる。
【0101】
また、候補リスト表示部231には、装備タグ候補に対して、装備タグ候補の文字列が検索キーワードとして指定されて検索が行われた回数が付加されてもよい。付加される回数は、装備タグ候補テーブル115において装備タグ候補に対応付けて登録された検索回数である。検索回数が多い装備タグ候補は、装備タグとして登録することが望ましいといえる。このため、装備タグ候補の文字列に検索回数を付加して表示することで、装備タグとして登録すべき装備タグ候補を選択する管理者の作業を補助することができる。
【0102】
登録済みリスト表示部232には、装備タグマスタテーブル111に登録された装備タグのリストが表示される。管理者は、候補リスト表示部231に表示された装備タグ候補のリストと、登録済みリスト表示部232に表示された登録済みの装備タグのリストとを見比べながら、装備タグマスタテーブル111に登録する装備タグ候補を選択することができる。また、管理者は、登録済みリスト表示部232に表示された装備タグの中から任意の装備タグを選択し、削除ボタン234を押下することで、選択された装備タグを装備タグマスタテーブル111から削除することもできる。この場合、削除された装備タグは、例えば、装備タグ候補として装備タグ候補テーブル115に登録されて、候補リスト表示部231に表示されてもよい。
【0103】
確認用入力部235には、管理者によって文字列を自由に入力することが可能である。管理者は、確認用入力部235に文字列を入力し、確認ボタン235aを押下することで、入力された文字列が装備タグマスタテーブル111に登録されているか否かを確認することができる。また、装備タグ登録部125は、入力された文字列が装備タグマスタテーブル111に登録されていない場合、その文字列を装備タグとして装備タグマスタテーブル111に追加登録してもよい。
【0104】
ところで、候補リスト表示部231には、類似する装備タグ候補がまとめられた状態で表示されてもよい。
図16では、例えば、装備タグ候補「ABS」「ABS搭載」「リアABS」「CBS」が、互いに類似する装備タグ候補としてまとめられている。このように類似する装備タグ候補をまとめた状態で表示するために、次の
図17に示す手順で、装備タグ候補テーブル115に登録された装備タグ候補がソートされ、装備タグ候補リストとしてリスト化される。
【0105】
図17は、装備タグ候補リスト作成処理の例を示すフローチャートである。
[ステップS61]装備タグ登録部125は、装備タグ候補テーブル115に登録された装備タグ候補を、例えば、9文字以下の装備タグ候補と10文字以上の装備タグ候補とに分類する。
【0106】
[ステップS62]このステップでは、分類された9文字以下の装備タグ候補を処理対象として処理が実行される。装備タグ登録部125は、処理対象の各装備タグ候補をn-gram化して分割しながら、処理対象の各装備タグ候補を類似する文字列同士のグループに分類する。
【0107】
[ステップS63]装備タグ登録部125は、所定のソート条件に基づいて、分類されたグループ単位でソートするごとに、各グループ内で装備タグ候補をソートする。
[ステップS64]装備タグ登録部125は、ステップS61で分類された10文字以上の装備タグ候補を、検索回数が多い順にソートする。
【0108】
[ステップS65]装備タグ登録部125は、ソートされた装備タグ候補をリスト化して装備タグ候補リストを作成する。
[ステップS66]装備タグ登録部125は、リスト化された装備タグ候補のそれぞれに、装備タグ候補テーブル115に基づいて検索回数を付与する。
【0109】
以下、
図18~
図20を参照して、装備タグ候補リストの具体的な作成例について説明する。
図18は、装備タグ候補リストの作成例を示す第1の図である。
図19は、装備タグ候補リストの作成例を示す第2の図である。
図20は、装備タグ候補リストの作成例を示す第3の図である。
【0110】
まず、9文字以下の装備タグ候補についてのグループ化が行われる。
図18に示す状態(1)では、装備タグ候補のそれぞれが5-gram化によって5文字単位の文字列(5-gram文字列)に分割される。そして、9文字以下の装備タグ候補の間で5-gram文字列同士が比較され、共通の5-gram文字列に対応する複数の装備タグ候補がグループ化される。
図18の例では、装備タグ候補「タコメーター」「タコメータ」「タコメーター搭載」の間で5-gram文字列「タコメータ」が共通するので、状態(2)に示すようにこれらの装備タグ候補がグループ化される。
【0111】
次に、状態(2)に示すように、装備タグ候補のそれぞれが4-gram化によって4文字単位の文字列(4-gram文字列)に分割される。そして、9文字以下の装備タグ候補の間で4-gram文字列同士が比較され、共通の4-gram文字列に対応する複数の装備タグ候補がグループ化される。
図18の例では、装備タグ候補「ホットグリップ」「グリップヒーター」の間で4-gram文字列「グリップ」が共通するので、
図19の状態(3)に示すようにこれらの装備タグ候補がグループ化される。
【0112】
次に、状態(3)に示すように、装備タグ候補のそれぞれが3-gram化によって3文字単位の文字列(3-gram文字列)に分割される。そして、9文字以下の装備タグ候補の間で3-gram文字列同士が比較され、共通の3-gram文字列に対応する複数の装備タグ候補がグループ化される。
図19の例では、装備タグ候補「ABS搭載」「リアABS」「ABS」の間で3-gram文字列「ABS」が共通するので、状態(4)に示すようにこれらの装備タグ候補がグループ化される。
【0113】
次に、状態(4)に示すように、装備タグ候補のそれぞれが2-gram化によって2文字単位の文字列(2-gram文字列)に分割される。そして、9文字以下の装備タグ候補の間で2-gram文字列同士が比較され、共通の2-gram文字列に対応する複数の装備タグ候補がグループ化される。
図19の例では、装備タグ候補「ABS搭載」「リアABS」「ABS」のグループと装備タグ候補「CBS」との間で2-gram文字列「BS」が共通するので、
図20の状態(5)に示すようにこれらの装備タグ候補がグループ化される。
【0114】
次に、各グループの中で、先頭文字の文字コードが小さい順に装備タグ候補がソートされる。また、10文字以上の装備タグ候補の中でも、先頭文字の文字コードが小さい順にソートが行われる。そして、グループ、および10文字以上の各装備タグ候補を含めた全体で、先頭文字の文字コードが小さい順にソートが行われる。グループについては、グループ内の先頭の装備タグ候補の先頭文字の文字コードが、ソートの基準として用いられる。このようにしてソートされた装備タグ候補がリスト化されて、
図20に示すような装備タグ候補リスト131が作成される。装備タグ候補リスト131では、類似する装備タグのグループが明示される(
図20では太線で示されている)。さらに、各装備タグ候補に対応する検索回数が装備タグ候補テーブル115から抽出され、装備タグ候補リスト131において、抽出された検索回数が対応する装備タグ候補に付加される。
【0115】
このように作成された装備タグ候補リスト131に基づいて、
図16の候補リスト表示部231に装備タグ候補が配置される。これにより、候補リスト表示部231には、グループ化された装備タグ候補(類似する装備タグ候補)がまとめられた状態で表示されるとともに、先頭文字の文字コードが小さい順にグループが配置される。このように、類似する装備タグ候補がまとめられた状態で表示され、一定ルールにしたがって装備タグ候補が配列されることで、管理者は、装備タグとして登録すべき装備タグ候補を容易に選択できるようになる。
【0116】
なお、以上の第2の実施の形態では、検索結果画面220(
図5参照)には、車両情報テーブルにおける車名の登録情報の代わりに表示用車名の登録情報が表示される。しかし、他の例として、検索結果画面には、車名の登録情報と表示用車名の登録情報の両方が表示されてもよい。
【0117】
また、検索結果表示画面には、車名の登録情報の表示部と、装備品などの仕様情報の表示部とが分離されて表示されてもよい。この場合、車両情報には、上記の表示用車名の代わりに仕様情報が登録される。仕様情報には、上記の表示用車名の登録情報のうち車名以外の情報が登録されればよい。この場合でも、仕様情報の登録情報を処理対象として
図12の処理を実行することで、車両情報に対応する検索用タグが登録される。
【0118】
さらに、上記の各実施の形態に示した装置の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供され、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:BD、登録商標)などがある。
【0119】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CDなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0120】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【符号の説明】
【0121】
10 車両販売支援システム
11,12 記憶部
13 登録部
14 検索部