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特開2024-178845業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178845
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20241218BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097306
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 凌真
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB64
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】仕訳定義マスタを自動で作成可能とし、仕訳定義マスタを作成する作業者に掛かる労力を軽減可能とする。
【解決手段】パターン情報検出部が、支払が行われる金銭の項目、及び、控除される金銭の項目のうち、金銭の計算に用いられる項目を示す使用項目情報、及び、使用項目情報で示される項目に対応する、仕訳データの借方又は貸方の勘定科目を示すパターンのパターン情報を含む項目定義マスタを参照し、項目毎の勘定科目のパターン情報を検出する。勘定科目検出部は、パターン情報毎に、仕訳データに設定される借方又は貸方の勘定科目が記憶された仕訳定義ひな形マスタを参照し、各パターン情報に対応する仕訳データの勘定科目をそれぞれ検出する。そして、仕訳定義マスタ自動作成部が、検出された勘定科目に基づいて、パターン情報毎に、項目、及び、勘定科目を含む仕訳定義マスタを自動的に作成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支払が行われる金銭の項目、及び、控除される金銭の項目のうち、金銭の計算に用いられる項目を示す使用項目情報、及び、前記使用項目情報で示される項目に対応する、仕訳データの借方又は貸方の勘定科目を示すパターンのパターン情報を含む項目定義マスタを参照し、前記項目毎の勘定科目の前記パターン情報を検出するパターン情報検出部と、
前記パターン情報毎に、仕訳データに設定される借方又は貸方の勘定科目が記憶された仕訳定義ひな形マスタを参照し、各前記パターン情報に対応する仕訳データの勘定科目をそれぞれ検出する勘定科目検出部と、
前記勘定科目検出部で検出された前記勘定科目に基づいて、前記パターン情報毎に、前記項目、及び、前記勘定科目を含む仕訳定義マスタを自動的に作成する仕訳定義マスタ自動作成部と、
を有する業務支援装置。
【請求項2】
支払が行われる金銭の項目、及び、控除される金銭の項目のうち、金銭の計算に用いられる項目を選択するための項目定義マスタメンテナンス画面を表示する表示制御部と、
前記項目定義マスタメンテナンス画面で選択された項目を前記使用項目情報とした前記項目定義マスタを生成する項目定義マスタメンテナンス処理部と、をさらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
支払が行われる金銭の項目、又は、控除される金銭の項目に基づいて前記仕訳定義マスタを参照し、支払が行われる金銭に対応する勘定科目とした仕訳データ、又は、控除される金銭に対応する勘定科目とした仕訳データを生成する仕訳データ生成部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
パターン情報検出部が、支払が行われる金銭の項目、及び、控除される金銭の項目のうち、金銭の計算に用いられる項目を示す使用項目情報、及び、前記使用項目情報で示される項目に対応する、仕訳データの借方又は貸方の勘定科目を示すパターンのパターン情報を含む項目定義マスタを参照し、前記項目毎の勘定科目の前記パターン情報を検出するパターン情報検出ステップと、
勘定科目検出部が、前記パターン情報毎に、仕訳データに設定される借方又は貸方の勘定科目が記憶された仕訳定義ひな形マスタを参照し、各前記パターン情報に対応する仕訳データの勘定科目をそれぞれ検出する勘定科目検出ステップと、
仕訳定義マスタ自動作成部が、前記勘定科目検出ステップで検出された前記勘定科目に基づいて、前記パターン情報毎に、前記項目、及び、前記勘定科目を含む仕訳定義マスタを自動的に作成する仕訳定義マスタ自動作成ステップと、
を有する業務支援方法。
【請求項5】
コンピュータを、
支払が行われる金銭の項目、及び、控除される金銭の項目のうち、金銭の計算に用いられる項目を示す使用項目情報、及び、前記使用項目情報で示される項目に対応する、仕訳データの借方又は貸方の勘定科目を示すパターンのパターン情報を含む項目定義マスタを参照し、前記項目毎の勘定科目の前記パターン情報を検出するパターン情報検出部と、
前記パターン情報毎に、仕訳データに設定される借方又は貸方の勘定科目が記憶された仕訳定義ひな形マスタを参照し、各前記パターン情報に対応する仕訳データの勘定科目をそれぞれ検出する勘定科目検出部と、
前記勘定科目検出部で検出された前記勘定科目に基づいて、前記パターン情報毎に、前記項目、及び、前記勘定科目を含む仕訳定義マスタを自動的に作成する仕訳定義マスタ自動作成部として機能させること、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、例えば従業員等に支払が行われる金銭として給与支給及び賞与支給等があり、この給与支給又は賞与支給において、例えば基本給与、役職手当、残業代、通勤手当(非課税)等の項目の金銭の支払が行われる。同様に、従業員等に支払が行われる金銭から控除される金銭として、給与控除及び賞与控除等があり、この給与控除又は賞与控除において、健康保険料、所得税、雇用保険料及び年末調整不足分等の項目の金銭の控除が行われる。
【0003】
このような金銭の支払及び控除が行われるシステムの一例である給与システムでは、従業員の給与体系及び労働実績を考慮して給与又は賞与等の計算を行い、従業員に対する支払、納税又は申告等を行う。
【0004】
ここで、企業経営においては、給与及び賞与を支払えば業務が完了するわけではなく、その結果の仕訳を行い財務会計システムに反映させる必要がある。特許文献1(特開2021-121919公報)には、法人毎に異なる会計ソフトウェアを採用して法人情報及び会計情報を管理している場合、種類に関わりなく申告書類の作成を自動化して作成負担を軽減可能とした決算処理支援システムが開示されている。
【0005】
上述のように、企業経営においては、支払又は控除を行った給与又は賞与等の仕訳を行い財務会計システムに反映させる必要がある。この財務会計システムに対しては、直接仕訳登録を行う以外に、他の業務システムで発生した仕訳データも連携させて登録することが、一般的に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-121919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、他の業務システムで発生した給与を含む様々な登録内容を、財務会計システム側で正しい財務仕訳に変換して連携するには、財務会計システム側で財務仕訳の際に参照される仕訳定義マスタを事前に作成する必要がある。この仕訳定義マスタに対しては、連携元の他の業務システムと連携先の財務会計システムの仕訳を考慮した複雑な変換設定を行うことで作成する必要があり、仕訳定義マスタを作成に大きな労力を必要とする問題があった。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、仕訳定義マスタを自動で作成可能とし、仕訳定義マスタを作成する作業者に掛かる労力を軽減可能とした業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、支払が行われる金銭の項目、及び、控除される金銭の項目のうち、金銭の計算に用いられる項目を示す使用項目情報、及び、使用項目情報で示される項目に対応する、仕訳データの借方又は貸方の勘定科目を示すパターンのパターン情報を含む項目定義マスタを参照し、項目毎の勘定科目のパターン情報を検出するパターン情報検出部と、パターン情報毎に、仕訳データに設定される借方又は貸方の勘定科目が記憶された仕訳定義ひな形マスタを参照し、各パターン情報に対応する仕訳データの勘定科目をそれぞれ検出する勘定科目検出部と、勘定科目検出部で検出された勘定科目に基づいて、パターン情報毎に、項目、及び、勘定科目を含む仕訳定義マスタを自動的に作成する仕訳定義マスタ自動作成部と、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援方法は、パターン情報検出部が、支払が行われる金銭の項目、及び、控除される金銭の項目のうち、金銭の計算に用いられる項目を示す使用項目情報、及び、使用項目情報で示される項目に対応する、仕訳データの借方又は貸方の勘定科目を示すパターンのパターン情報を含む項目定義マスタを参照し、項目毎の勘定科目のパターン情報を検出するパターン情報検出ステップと、勘定科目検出部が、パターン情報毎に、仕訳データに設定される借方又は貸方の勘定科目が記憶された仕訳定義ひな形マスタを参照し、各パターン情報に対応する仕訳データの勘定科目をそれぞれ検出する勘定科目検出ステップと、仕訳定義マスタ自動作成部が、勘定科目検出ステップで検出された勘定科目に基づいて、パターン情報毎に、項目、及び、勘定科目を含む仕訳定義マスタを自動的に作成する仕訳定義マスタ自動作成ステップと、を有する。
【0011】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援プログラムは、コンピュータを、支払が行われる金銭の項目、及び、控除される金銭の項目のうち、金銭の計算に用いられる項目を示す使用項目情報、及び、使用項目情報で示される項目に対応する、仕訳データの借方又は貸方の勘定科目を示すパターンのパターン情報を含む項目定義マスタを参照し、項目毎の勘定科目のパターン情報を検出するパターン情報検出部と、パターン情報毎に、仕訳データに設定される借方又は貸方の勘定科目が記憶された仕訳定義ひな形マスタを参照し、各パターン情報に対応する仕訳データの勘定科目をそれぞれ検出する勘定科目検出部と、勘定科目検出部で検出された勘定科目に基づいて、パターン情報毎に、項目、及び、勘定科目を含む仕訳定義マスタを自動的に作成する仕訳定義マスタ自動作成部として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、仕訳定義マスタを自動で作成できる。このため、仕訳定義マスタを作成する作業者に掛かる労力を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施の形態の業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、項目定義マスタの一例を示す図である。
図3図3は、仕訳定義ひな形マスタの一例を示す図である。
図4図4は、仕訳定義マスタの一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態の業務支援装置における、仕訳定義マスタの自動作成動作及び仕訳データの計上動作の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、給与支給の各設定項目の設定を行う項目定義マスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
図7図7は、給与控除の各設定項目の設定を行う項目定義マスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
図8図8は、社員支給データの一例を示す図である。
図9図9は、社員控除データの一例を示す図である。
図10図10は、社員振込データの一例を示す図である。
図11図11は、各項目に対する仕訳例を説明するための図である。
図12図12は、項目定義メンテナンス画面に基づく項目定義マスタの設定例を示す図である。
図13図13は、基本給の仕訳定義マスタを作成する際における、仕訳定義マスタメンテナンス画面の画面例を示す図である。
図14図14は、健康保険(個人)の仕訳定義マスタを作成する際における、仕訳定義マスタメンテナンス画面の画面例を示す図である。
図15図15は、第1のパターンに対応する仕訳定義マスタの一例を示す図である。
図16図16は、第2のパターンに対応する仕訳定義マスタの一例を示す図である。
図17図17は、第3のパターンに対応する仕訳定義マスタの一例を示す図である。
図18図18は、第4のパターンに対応する仕訳定義マスタの一例を示す図である。
図19図19は、第5のパターンに対応する仕訳定義マスタの一例を示す図である。
図20図20は、社員支給データの一部及び社員控除データの一部を示す図である。
図21図21は、仕訳データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した実施の形態となる業務支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。一例ではあるが、この実施の形態は、業務支援装置で「仕訳定義マスタ」を自動で作成し、この仕訳定義マスタを用いて、従業員に対して支払及び控除を行った金銭の仕訳データを生成し会計システムに計上することで、経理担当者等の業務を支援する例である。なお、本発明は、あくまでも一例として説明する以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0015】
(ハードウェア構成)
図1に示すように、実施の形態の業務支援装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部、印刷装置、又は、スピーカ装置等が相当する。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。
【0016】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワーク50に接続される。ネットワーク50には、会計サーバ装置51が接続されている。会計サーバ装置51には、ソフトウェアである会計システム52が設けられている。実施の形態の業務支援装置1で作成された給与等の仕訳データは、会計サーバ装置51に送信され、会計システム52に計上される。なお、図1に点線のブロックで示すように、業務支援装置1の記憶部2に会計システム52を設け、この会計システム52に仕訳データを計上する構成でもよい。
【0017】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、「仕訳定義マスタ」を自動で作成し、この仕訳定義マスタに基づいて、社員に支払った給与及び控除した金銭の仕訳データを作成して会計システム52に計上する業務を支援する業務支援プログラムが記憶されている。
【0018】
また、記憶部2には、後述する項目定義マスタ11、仕訳定義ひな形マスタ12、及び、仕訳定義マスタ13が記憶されている。
【0019】
(項目定義マスタ)
図2は、項目定義マスタ11の一例を示す図である。この図2に示すように、項目定義マスタ11は、設定項目名、総支給フラグ(総支給FLG)、課税総額フラグ(課税総額FLG)、社会保険フラグ(社会保険FLG)、労働保険フラグ(労働保険FLG)、控除合計フラグ(控除合計FLG)、及び、パターン種別の各種情報を含んで構成されている。
【0020】
設定項目名は、支払が行われる金銭の項目、及び、控除される金銭の項目の項目名であり、図2の例では、例えば基本給、基本給月額、基本給調整額、役職手当、役職手当月額、役職手当調整額、残業代、通勤手当課税、通勤手当非課税、寮費、持株会、その他控除、健康保険個人、健康保険会社、所得税、差引支給額正、差引支給額負、年末調整過不足額等となっている。
【0021】
総支給額フラグは、全社員に対してそれぞれ支給した給与の総額(総支給額)の計算に、その項目の金銭を用いるか否かを示す情報である。総支給額の計算に用いる項目に対しては「TRUE」が設定され、総支給額の計算に用いない項目に対しては「FALSE」が設定される。
【0022】
換言すると、総支給額フラグは、給与明細上の総支給額に、その項目の金銭を集計するか否かを示す情報であり、「差引支給額=総支給額-控除合計額」の計算式で計算される。この図2の例では、基本給、役職手当、残業代、通勤手当(課税)及び通勤手当(非課税)の項目に対して「TRUE」が設定されている。
【0023】
課税総額フラグは、全社員に対して課税した金額の総額(課税)の計算に、その項目の金銭を用いるか否かを示す情報である。課税総額の計算に用いる項目に対しては「TRUE」が設定され、課税総額の計算に用いない項目に対しては「FALSE」が設定される。この図2の例では、基本給、役職手当、残業代、及び、通勤手当(課税)の項目に対して「TRUE」が設定されている。
【0024】
社会保険フラグは、社会保険の計算に、その項目の金銭を用いるか否かを示す情報である。社会保険の計算に用いる項目に対しては「TRUE」が設定され、社会保険の計算に用いない項目に対しては「FALSE」が設定される。この図2の例では、基本給、役職手当、残業代、通勤手当(課税)、及び、通勤手当(非課税)の項目に対して「TRUE」が設定されている。
【0025】
労働保険フラグは、労働保険の計算に、その項目の金銭を用いるか否かを示す情報である。労働保険の計算に用いる項目に対しては「TRUE」が設定され、労働保険の計算に用いない項目に対しては「FALSE」が設定される。この図2の例では、基本給、役職手当、残業代、通勤手当(課税)、及び、通勤手当(非課税)の項目に対して「TRUE」が設定されている。
【0026】
控除合計フラグは、全社員の控除額の合計額の計算に、その項目の金銭を用いるか否かを示す情報である。控除額の合計額の計算に用いる項目に対しては「TRUE」が設定され、控除額の合計額の計算に用いない項目に対しては「FALSE」が設定される。
【0027】
換言すると、控除合計フラグは、給与明細情報の控除合計額に、その項目の金銭を集計するか否かを示す情報であり、「差引支給額=総支給額-控除合計額」の計算式で計算される。この図2の例では、寮費、持株会、その他の控除、健康保険(個人)、所得税、年末調整過不足額の項目に対して「TRUE」が設定されている。
【0028】
パターン種別は、その項目の金銭の仕訳を行った場合の勘定科目をパターン化してパターン番号を付した情報となっている。この図2の例では、第1のパターンのパターン番号が、基本給、基本給月額、基本給調整額、役職手当、役職手当月額、役職手当調整額、残業代、通勤手当課税、通勤手当非課税に対する勘定科目のパターン番号として設定されている。また、図2の例は、第2のパターンのパターン番号が、寮費、持株会、その他控除、健康保険個人、及び、所得税に対する勘定科目のパターン番号として設定されている。
【0029】
また、図2の例は、第3のパターンのパターン番号が、差引支給額(正)、及び、差引支給額(負)に対する勘定科目のパターン番号として設定されている。また、図2の例は、第4のパターンのパターン番号が、健康保険(会社)に対する勘定科目のパターン番号として設定されている。また、図2の例は、第5のパターンのパターン番号が、年末調整過不足額に対する勘定科目のパターン番号として設定されている。
【0030】
このような項目定義マスタ11に対する各種フラグ、及び、パターン種別の設定は、図6及び図7を用いて説明する項目定義マスタメンテナンス画面に基づいて、予め設定される。詳しくは、後述する。
【0031】
(仕訳定義ひな形マスタ)
図3は、仕訳定義ひな形マスタ12の一例を示す図である。この図3に示すように、仕訳定義ひな形マスタ12は、パターン種別、パターン名、借方総勘定科目、借方補助科目、貸方総勘定科目、貸方補助科目、貸方取引先等の各種情報を含んで構成される。
【0032】
パターン種別は、上述の第1~第5のパターン番号である。パターン名は、各パターン番号のパターンの名称である。図3の例では、第1のパターンに対しては、「支給項目」のパターン名が設定されており、第2のパターンに対しては、「控除項目」のパターン名が設定されている。また、図3の例では、第3のパターンに対しては、「差引支給額」のパターン名が設定されており、第4のパターンに対しては、「会社負担分」のパターン名が設定されている。また、図3の例では、第5のパターンに対しては、「年末調整過不足分」のパターン名が設定されている。
【0033】
また、図3の例は、第1のパターンである支給項目に対しては、借方の総勘定科目として「給与」の勘定科目を示す「660番」の勘定科目番号が設定されており、第2のパターンである控除項目に対しては、貸方の総勘定科目として「預り金」の勘定科目を示す「710番」の勘定科目番号が設定されている。
【0034】
また、図3の例は、第3のパターンである差引支給額に対しては、貸方の総勘定科目として「預金」の勘定科目を示す「810番」の勘定科目番号が設定されており、第4のパターンである会社負担分に対しては、借方の総勘定科目として「法定福利費」の勘定科目を示す「510番」の勘定科目番号、及び、貸方の総勘定科目として「未払費用」の勘定科目を示す「400番」の勘定科目番号が設定されている。また、図3の例は、第5のパターンである年末調整過不足額に対しては、貸方の総勘定科目として「預り金」の勘定科目を示す「710番」の勘定科目番号が設定されている。
【0035】
(仕訳定義マスタ)
図4は、仕訳定義マスタ13の一例で示す図である。この図4に示すように、仕訳定義マスタ13は、定義番号、対象項目、借方総勘定科目、借方補助科目、借方取引先、貸方総勘定科目、貸方補助科目、及び、貸方取引先等の各種情報を含んで構成されている。
【0036】
上述の仕訳定義ひな形マスタ12は、支払又は控除が行われた金銭の項目に付されているパターン種別(図2の項目定義マスタのパターン種別)に基づいて参照され、パターン種別に対応する勘定科目が検出される。そして、検出された勘定科目が、その項目の仕訳に対応する勘定科目として、この仕訳定義マスタ13に設定される。これにより、仕訳定義マスタ13が自動で作成される。詳しくは、後述する。
【0037】
(業務支援装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、図1に示すように、表示制御部21、項目定義マスタメンテナンス処理部22、給与計算処理部23、振込データ作成処理部24、及び、パターン情報検出部25として機能する。また、制御部3は、業務支援プログラムを実行することで、勘定科目検出部26、仕訳定義マスタ自動作成部27、仕訳データ生成部28、及び、通信制御部29として機能する。
【0038】
表示制御部21は、項目定義マスタ11を設定するための項目定義マスタメンテナンス画面、及び、仕訳定義マスタ13を設定するための仕訳定義マスタメンテナンス画面等を、出力装置7を介して表示する。項目定義マスタメンテナンス処理部22は、仕訳定義ひな形マスタ12を参照し、項目定義マスタメンテナンス画面に入力された項目に対応するパターン種別の勘定科目等を項目定義マスタメンテナンス画面に、自動的に入力する等の処理を行う。
【0039】
給与計算処理部23は、社員に対して支給する給与、控除額及び銀行振込額等を算出する。振込データ作成処理部24は、給与計算処理部23で算出された銀行振込額に基づいて、各社員の銀行振り込みデータ(社員振込データ)を作成する。
【0040】
パターン情報検出部25は、支払が行われる金銭の項目、及び、控除される金銭の項目のうち、金銭の計算に用いられる項目を示す使用項目情報(一例として、図2の項目定義マスタ11の設定項目名に相当)、及び、使用項目情報で示される項目に対応する、仕訳データの借方又は貸方の勘定科目を示すパターンのパターン情報(一例として、図2の項目定義マスタ11のパターン種別設定項目名に相当)を含む項目定義マスタ11を参照し、項目毎の勘定科目のパターン情報を検出する。
【0041】
勘定科目検出部26は、検出されたパターン情報毎に、仕訳データに設定される借方又は貸方の勘定科目が記憶された仕訳定義ひな形マスタ12を参照し、各パターン情報に対応する仕訳データの勘定科目をそれぞれ検出する。
【0042】
仕訳定義マスタ自動作成部27は、勘定科目検出部26で検出された勘定科目に基づいて、パターン情報毎に、項目、及び、勘定科目を含む仕訳定義マスタ13を自動的に作成する。
【0043】
仕訳データ生成部28は、支払が行われる金銭の項目、又は、控除される金銭の項目に基づいて仕訳定義マスタ13を参照し、支払が行われる金銭に対応する勘定科目とした仕訳データ、又は、控除される金銭に対応する勘定科目とした仕訳データを生成する。
【0044】
通信制御部29は、生成された仕訳データを、ネットワーク50を介して会計サーバ装置51の会計システム52(又は記憶部2の会計システム52)に計上する。
【0045】
(仕訳定義マスタの自動作成動作及び仕訳データの計上動作)
次に、図5のフローチャートに、実施の形態の業務支援装置1における仕訳定義マスタ13の自動作成動作及び仕訳データの計上動作の流れを示す。業務支援装置1の制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、図5のフローチャートのステップS1~ステップS6の各処理を実行する。
【0046】
ステップS1では、項目定義マスタメンテナンス処理部22により、項目定義マスタ11を作成する項目定義マスタメンテナンス処理が行われる。具体的には、操作者により、入力装置6を介して項目定義マスタのメンテナンス処理が指定されると、表示制御部21が、図6又は図7に示す項目定義メンテナンス画面を、出力装置7を介して表示する。
【0047】
この図6及び図7に示すように、項目定義メンテナンス画面には、属性の選択欄、分類の選択欄、及び、計算に使用する項目の選択欄が設けられている。「属性」としては、会社基本、社員、給与勤怠、給与支給、給与控除、賞与勤怠、賞与支給及び賞与控除等の各種属性が選択可能となっている。「分類」としては、全項目、固定、変動又は計算の各分類が選択可能となっている。
【0048】
計算に使用する項目の選択欄は、各設定項目の列と計算種別の行が直交することで形成される選択欄となっている。操作者は、所望の選択欄にチェック(レ)を入力することで、所望の計算に用いる設定項目を選択するようになっている。
【0049】
図6は、「給与支給」の属性が選択され、「全項目」の分類が選択された例である。この選択が行われると、表示制御部21は、図6に示すように、「給与支給」の属性の「全項目」となる、基本給、基本給月額、基本給調整、役職手当、役職手当月額、役職手当調整、残業代、通勤手当(課税)及び通勤手当(非課税)の全設定項目を各列に表示する。これと共に、表示制御部21は、固定、変動、計算、総支給、課税総額、社会保険、労働保険、及び、控除合計の各計算種別の行を表示する。
【0050】
操作者は、各項目の列と、各計算種別の行とが重なる領域(=選択欄)にチェック(レ)を入力することで、所望の計算に用いる設定項目を選択する。図6の例は、「総支給」の計算には、基本給、役職手当、残業代、通勤手当(課税)及び通勤手当(非課税)の各項目の金額を用いることが選択された例である。
【0051】
これに対して、図7は、「給与控除」の属性が選択され、「全項目」の分類が選択された例である。この選択が行われると、表示制御部21は、図7に示すように、「給与控除」の属性の「全項目」となる、寮費、持株会、その他の控除、健康保険(個人)、健康保険(会社)、雇用保険(個人)、雇用保険(会社)、所得税、及び、年末調整過不足額の全設定項目を各列に表示する。これと共に、表示制御部21は、固定、変動、計算、総支給、課税総額、社会保険、労働保険、及び、控除合計の各計算種別の行を表示する。
【0052】
操作者は、各項目の列と、各計算種別の行とが重なる領域(=選択欄)にチェック(レ)を入力することで、所望の計算に用いる設定項目を選択する。図7の例は、「控除合計」の計算には、寮費、持株会、その他の控除、健康保険(個人)、雇用保険(個人)、所得税、及び、年末調整過不足額の各項目の金額を用いることが選択された例である。
【0053】
このように所望の属性(給与支給又は給与控除等)及び各種別(総支給、控除合計等)の計算に用いる項目(基本給、所得税等)が選択されると、項目定義マスタメンテナンス処理部22は、図2に示した項目定義マスタ11に対して、選択された項目の計算種別の欄に「TRUE」の情報を設定する。なお、項目定義マスタメンテナンス処理部22は、項目定義マスタ11における、項目定義マスタメンテナンス画面で設定されていない項目の欄に対しては、計算に用いない項目として「FALSE」の情報を設定する。
【0054】
図6に示した項目定義マスタメンテナンス画面では、「総支給」の計算において、基本給、役職手当、残業代、通勤手当(課税)及び通勤手当(非課税)の設定項目を用いることが設定された。このため、項目定義マスタメンテナンス処理部22は、図2に示すように、項目定義マスタ11における、「総支給フラグ」の行の、基本給、役職手当、残業代、通勤手当(課税)及び通勤手当(非課税)の設定項目の各欄に、「TRUE」の情報を設定する。
【0055】
また、図7に示した項目定義マスタメンテナンス画面では、「控除合計」の計算において、寮費、持株会、その他の控除、健康保険(個人)、雇用保険(個人)、所得税、及び、年末調整過不足額の設定項目を用いることが設定された。このため、項目定義マスタメンテナンス処理部22は、図2に示すように、項目定義マスタ11における、「控除合計給フラグ」の行の、基本給、役職手当、残業代、通勤手当(課税)及び通勤手当(非課税)の設定項目の各欄に、「TRUE」の情報を設定する。
【0056】
このように項目定義マスタ11が作成されると、図5のフローチャートのステップS2に処理が進む。ステップS2では、給与計算処理部23が、各社員の基本給、役職手当、通勤手当、寮費、持株会、その他の控除、健康保険(個人)、健康保険(会社)、年末調整過不足額等に基づいて、図8に示す社員支給データ及び図9に例示する社員控除データを生成する。
【0057】
そして、ステップS3において、振込データ作成処理部24が、社員支給データ及び社員控除データに基づいて、図10に例示するように、各社員の社員振込データを生成する。
【0058】
次に、図5のフローチャートのステップS4では、仕訳定義マスタ自動作成部27が、図4に示した仕訳定義マスタ13を自動的に作成する仕訳定義マスタメンテナンス処理を行う。
【0059】
基本的な考え方として、給与仕訳は図11(a)及び図11(b)に示すようにパターン化できる。
支給項目→借方(給与)
控除項目→貸方(預り金)
差引支給額→貸方(預金)
会社負担分→借方/貸方(法定福利費/未払費用)
年末調整過不足→貸方(預り金)
【0060】
このため、仕訳定義マスタ自動作成部27は、項目定義マスタ11の各設定内容(TRUE又はFALSE)に基づいて、各項目のパターン種別を検出し、検出したパターン種別に基づいて、図3に仕訳定義ひな形マスタ12を参照する。そして、図12に例示するように、仕訳定義ひな形マスタ12から、パターン種別に対応する貸借及び科目を検出して、各項目の仕訳定義マスタを自動作成する。
【0061】
総支給FLGがTRUE→支給項目
控除合計FLGがTRUE→控除項目
システム固定項目の差引支給額正と差引支給額負→差引支給額
システム固定項目の会社負担項目→会社負担分
システム固定項目の年末調整過不足額→年末調整過不足額
【0062】
なお、年末調整過不足額は、年末調整による還付金、又は、追加徴収金である。
【0063】
具体的には、操作者により入力装置6を介して仕訳定義マスタのメンテナンスが指定されると、表示制御部21は、図13及び図14に例示する仕訳定義マスタメンテナンス画面を、出力装置7を介して表示する。この仕訳定義マスタメンテナンス画面は、図13及び図14に示すように、対象項目の入力欄、借方の勘定科目の入力欄、及び、貸方の勘定科目の入力欄を備えている。図13の例は、このような仕訳定義マスタメンテナンス画面に対して、操作者により、「基本給」の対象項目が入力された例である。また、図14の例は、仕訳定義マスタメンテナンス画面に対して、操作者により、「健康保険(個人)」の対象項目が入力された例である。
【0064】
なお、定義番号は、仕訳定義マスタ自動作成部27により自動採番され、表示制御部21により表示される。一例として、支給項目は1000番から10番置きに自動採番され、控除項目は2000番から10番置きに自動採番され、差引支給額は3000番から10番置きに自動採番されて表示される。
【0065】
パターン情報検出部25は、仕訳定義マスタメンテナンス画面に入力された対象項目に基づいて、図2に示す項目定義マスタ11を参照する。図13の例は、対象項目として「基本給」が入力された例であるため、パターン情報検出部25は、項目定義マスタ11を参照することで、総支給フラグが「TRUE」となっている設定項目名の中に、「基本給」が存在するか否かを判別する。換言すると、パターン情報検出部25は、項目定義マスタ11を参照し、「基本給」の総支給フラグが「TRUE」となっているか否かを判別する。
【0066】
図2の例の場合、「基本給」の総支給フラグが「TRUE」となっているため、パターン情報検出部25は、この「基本給」の設定項目に関連付けされているパターン種別を検出する。図2の例の場合、「基本給」の設定項目に関連付けされているパターンとして、「第1のパターン」が検出される。
【0067】
次に、勘定科目検出部26は、パターン情報検出部25で検出されたパターン種別に基づいて仕訳定義ひな形マスタ12を参照する。そして、「第1のパターン」に関連付けされている勘定科目を検出する。図3の例の場合、「第1のパターン」に対しては、借方の総勘定科目として「給与」の勘定科目を示す「660番」の勘定科目番号が設定されている。このため、勘定科目検出部26は、「基本給」の設定項目の借方の勘定科目として、勘定科目番号が「660番」の「給与」の勘定科目を検出する。
【0068】
このように勘定科目が検出されると、表示制御部21は、図13に例示するように、仕訳定義マスタメンテナンス画面の借方の入力欄に、「基本給」の借方の勘定科目である「給与」の勘定科目を示す「660番」の勘定科目番号を入力して表示する。なお、表示制御部21は、勘定科目番号と共に、「給与」との勘定科目名も、勘定科目番号に隣接させて表示する。
【0069】
同様に、図14の例は、対象項目として「健康保険(個人)」が入力された例である。この場合も、パターン情報検出部25は、項目定義マスタ11を参照し、控除合計フラグが「TRUE」となっている設定項目名の中に、「健康保険(個人)」が存在するか否かを判別する。換言すると、パターン情報検出部25は、項目定義マスタ11を参照し、「健康保険(個人)」の控除合計フラグが「TRUE」となっているか否かを判別する。
【0070】
図2の例の場合、「健康保険(個人)」の控除合計フラグが「TRUE」となっているため、パターン情報検出部25は、この「健康保険(個人)」の設定項目に関連付けされているパターン種別を検出する。図2の例の場合、「健康保険(個人)」の設定項目に関連付けされているパターンとして、「第2のパターン」が検出される。
【0071】
次に、勘定科目検出部26は、パターン情報検出部25で検出されたパターン種別に基づいて仕訳定義ひな形マスタ12を参照する。そして、「第2のパターン」に関連付けされている勘定科目を検出する。図3の例の場合、「第2のパターン」に対しては、貸方の総勘定科目として「預り金」の勘定科目を示す「710番」の勘定科目番号の他、貸方の「10番」の貸方補助科目である、「社会保険料」の補助科目、及び、「20098番」の取引先である、「〇〇年金事務所」を取引先として検出する。
【0072】
このように勘定科目が検出されると、表示制御部21は、図14に例示するように、仕訳定義マスタメンテナンス画面の貸方の入力欄に、「健康保険(個人)」の貸方の勘定科目である「預り金」の勘定科目を示す「710番」の勘定科目番号を入力して表示する。なお、表示制御部21は、勘定科目番号と共に、「預り金」との勘定科目名も、勘定科目番号に隣接させて表示する。また、表示制御部21は、このような勘定科目と共に仕訳定義ひな形マスタ12から取得した「10番」の補助科目番号、及び、「社会保険料」の補助科目名も、仕訳定義マスタメンテナンス画面の貸方の入力欄に表示する。さらに、表示制御部21は、上述の勘定科目と共に仕訳定義ひな形マスタ12から取得した「20098番」の取引先番号、及び、「〇〇年金事務所」の取引先名も、仕訳定義マスタメンテナンス画面の貸方の入力欄に表示する。
【0073】
次に、仕訳定義マスタ自動作成部27は、仕訳定義マスタメンテナンス画面に入力された対象項目及び勘定科目等に対応する仕訳定義マスタ13を作成する。図15の例は、図2を用いて説明した仕訳定義マスタ13として、図13に示した「基本給(給与)」の項目の勘定科目、及び、「通勤手当(非課税)」の勘定科目を示す仕訳定義マスタ13が作成された例である。
【0074】
この場合、図15に示すように、「1110番」の定義番号と共に、「基本給」との対象項目が入力され、また、借方総勘定科目に「給与」の勘定科目を示す「660番」の勘定科目番号を入力した仕訳定義マスタ13が、仕訳定義マスタ自動作成部27により、自動的に作成される。また、「1990番」の定義番号と共に、「通勤手当(非課税)」との対象項目が入力され、また、借方総勘定科目に「給与」の勘定科目を示す「660番」の勘定科目番号を入力した仕訳定義マスタ13が、仕訳定義マスタ自動作成部27により、自動的に作成される。
【0075】
同様に、図16の例は、図2を用いて説明した仕訳定義マスタ13として、「寮費(預り金)」の項目の勘定科目を示す仕訳定義マスタ13が作成された例である。この場合、図16に示すように、「2110番」の定義番号と共に、「寮費」との対象項目が入力され、また、貸方総勘定科目に「預り金」の勘定科目を示す「710番」の勘定科目番号、「10番」の貸方補助科目、及び、「20098番」の取引先を入力した仕訳定義マスタ13が、仕訳定義マスタ自動作成部27により、自動的に作成される。
【0076】
同様に、図17の例は、図2を用いて説明した仕訳定義マスタ13として、「差引支給額(正)」及び「差引支給額(負)」の項目の勘定科目を示す仕訳定義マスタ13が作成された例である。この場合、図17に示すように、「3110番」の定義番号と共に、「差引支給額(正)」及び「差引支給額(負)」との対象項目が入力され、また、貸方総勘定科目に「預金」の勘定科目を示す「810番」の勘定科目番号を入力した仕訳定義マスタ13が、仕訳定義マスタ自動作成部27により、自動的に作成される。
【0077】
同様に、図18の例は、図2を用いて説明した仕訳定義マスタ13として、「健康保険(会社)」の項目の勘定科目を示す仕訳定義マスタ13が作成された例である。この場合、図18に示すように、「4110番」の定義番号と共に、「健康保険(会社)」との対象項目が入力され、また、借方総勘定科目に「法定福利費」の勘定科目を示す「510番」の勘定科目番号を、貸方総勘定科目に「未払費用」の勘定科目を示す「400番」の勘定科目番号を、それぞれ入力した仕訳定義マスタ13が、仕訳定義マスタ自動作成部27により、自動的に作成される。
【0078】
同様に、図19の例は、図2を用いて説明した仕訳定義マスタ13として、「年末調整過不足額」の項目の勘定科目を示す仕訳定義マスタ13が作成された例である。この場合、図19に示すように、「5110番」の定義番号と共に、「年末調整過不足」との対象項目が入力され、また、貸方総勘定科目に「預り金」の勘定科目を示す「710番」の勘定科目番号、「20番」の貸方補助科目、及び、「30122番」の取引先を入力した仕訳定義マスタ13が、仕訳定義マスタ自動作成部27により、自動的に作成される。
【0079】
仕訳定義マスタ自動作成部27は、このように自動的に作成した仕訳定義マスタ13を、記憶部2に記憶させる。
【0080】
次に、図5のフローチャートのステップS5に示す仕訳データ送信処理が、操作者により入力装置6を介して指定されると、仕訳データ生成部28が、図20(a)に示す社員支給データに基づいて、各社員に対して支給する基本給の合計額を算出すると共に、図20(b)に示す社員控除データに基づいて、各社員の給与から控除する健康保険(個人)の合計額を算出する。この例の場合、基本給の合計額は「30万円+6万円+31万円=67万円」となり、健康保険(個人)の合計額は、「5万円+4万円+6万円=15万円」となる。
【0081】
次に、図5のフローチャートのステップS6に示す外部データ受入処理が、操作者により入力装置6を介して指定されると、仕訳データ生成部28は、図15に示した「給与」の仕訳定義マスタ13を参照することで、図21(a)に例示するように、基本給の合計額(=給与の合計額)の勘定科目を検出する。また、仕訳データ生成部28は、仕訳定義マスタ13を参照することで、健康保険(個人)の合計額(=預り金の合計額)の勘定科目を検出する。
【0082】
そして、仕訳データ生成部28は、図21(b)に示すように、自動採番される伝票番号、この例の場合「67万円」となる借方金額、「660番」の借方勘定科目を入力した「給与」の仕訳データを生成する。また、仕訳データ生成部28は、図21(b)に示すように、自動採番される伝票番号、この例の場合「15万円」となる借方金額、「710番」の貸方勘定科目、及び、「10番」の貸方補助科目を入力した「預り金」の仕訳データを生成する。
【0083】
このように生成された仕訳データは、通信制御部29により、例えば月末又は月初等の所定のタイミングで、通信インターフェース部4及びネットワーク50を介して会計サーバ装置51の会計システム52に計上される。
【0084】
(実施の形態の効果)
財務会計システムで直接仕訳登録を行う以外に、他の業務システムで発生したデータを財務仕訳に反映するために仕訳データ連携をシステムで行うことが一般的に行われている。しかし、他の業務システムで発生した給与を含む様々な登録内容を、財務会計システム側で自動的かつ適切に判断して正しい財務仕訳に変換し連携を行うためには連携元の業務システムと連携先の仕訳を考慮した複雑な変換設定を事前に行う必要がある。
【0085】
そのような給与業務システムから財務仕訳データへの変換設定を可能とする仕訳定義マスタには、支給項目及び控除項目毎に、対応する科目を設定し、その設定に沿って仕訳データの作成を行う。加えて、振込支給額又は徴収額、社会保険又は労働保険の会社負担分、年末調整の還付又は追加徴収の仕訳を作成することが一般的である。
【0086】
また、給与又は賞与の支払いは人事部門が担当するが、仕訳については経理部門が担当する。仕訳定義マスタを設定する担当者が人事部門になる場合、会計知識がないため設定に時間がかかる。また、実際に連携すると貸借が一致せずにエラーが発生することが多い。また、年末調整の仕訳は年に一度しかないため、システム稼働時に設定漏れが発生することがある。
【0087】
一方で、経理部門が担当する場合には、人事制度や給与規定の改定を把握しておらず、給与項目が増減したときの仕訳連携時にエラーが発生することがある。
【0088】
このようなことから、実施の形態の業務支援装置1は、給与等で発生するデータの勘定科目を、データの種類に応じて体系化して、いくつかのパターンに分ける。そして、そのフラグ(総支給、控除合計、振込支給額等)に基づいて仕訳定義マスタ13を自動的に作成し、作成した仕訳定義マスタ13に基づいて、各項目の勘定科目を検出して仕訳データに反映させる。これにより、仕訳定義マスタ13を作成する作業者に掛かる労力を軽減できる。また、会計知識に乏しい経理部門担当者であっても、正しい仕訳定義設定を簡単かつ迅速に行うことを可能とすることができる。
【0089】
また、実施の形態の業務支援装置1は、支給は費用(借方)、控除は預り金(貸方)、振込支給額・徴収額は預金(貸方)と変換することをベースの考え方として、自動的に仕訳定義マスタ13を作成する。
【0090】
給与システムで給与、賞与の計算定義及び結果の格納で使用する項目情報を定義するための項目定義マスタ11において、上述のパターンに相当するフラグである総支給フラグがオンの場合は「支給」、控除合計フラグがオンの場合は「控除」、と判断できる。これらは給与計算のために必ず設定するフラグ設定であるため、経理的な視点で特別な注意を払わなくても自動的にパターン分けすることができ、漏れの無い設定を可能とすることができる。また、人事制度又は給与改定で給与項目が増減しても、漏れの無い設定を可能とすることができる。加えて、年末調整の還付又は追加徴収の設定漏れも防止できる。
【0091】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0092】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0093】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0094】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0095】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0096】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0097】
また、業務支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0098】
例えば、業務支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部2等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0099】
また、この業務支援装置1の業務支援プログラムは、業務支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0100】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための業務支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0101】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した業務支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0102】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0103】
また、業務支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0104】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、一例として給与システム等に適用することで、給与の支払業務等を支援できる。
【符号の説明】
【0106】
1 業務支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 項目定義マスタ
12 仕訳定義ひな形マスタ
13 仕訳定義マスタ
21 表示制御部
22 項目定義マスタメンテナンス処理部
23 給与計算処理部
24 振込データ作成処理部
25 パターン情報検出部
26 勘定科目検出部
27 仕訳定義マスタ自動作成部
28 仕訳データ生成部
29 通信制御部
50 ネットワーク
51 会計サーバ装置
52 会計システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21