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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178852
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】LiDARシステム及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/50 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
G01S17/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097320
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】安齋 信幸
(72)【発明者】
【氏名】小倉 亮太
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA04
5J084AA09
5J084AB01
5J084CA32
5J084EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】移動体の移動方向を適切に取得し得るLiDARシステム及び制御装置を提供する。
【解決手段】所定の測定領域Sにおいて物体までの距離を測定して得られる点群データに係る信号を供給するLiDAR装置20と制御装置10とを備え、前記制御装置10は所定のフレームと前記所定のフレームより前の第1先行フレームとにおいて前記点群データから移動体Vの位置を検出し検出された前記位置から前記所定のフレームにおける前記移動体Vの移動方向を算出し前記所定のフレームより前の第2先行フレーム以前の複数のフレームにおける前記移動体Vの移動方向に基づいて移動方向範囲を設定し、前記所定のフレームにおける前記移動体Vの移動方向が前記移動方向範囲から外れる場合、前記所定のフレームにおける前記移動体Vの移動方向として前記所定のフレームより前の第3先行フレームにおける前記移動体Vの移動方向を取得する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の測定領域において物体までの距離を測定して得られる点群データに係る信号を供給するLiDAR装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
所定のフレームと前記所定のフレームより前の第1先行フレームとにおいて前記点群データから移動体の位置を検出し、検出された前記位置から前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向を算出し、
前記所定のフレームより前の第2先行フレーム以前の複数のフレームにおける前記移動体の移動方向に基づいて移動方向範囲を設定し、
前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向が前記移動方向範囲から外れる場合、前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向として前記所定のフレームより前の第3先行フレームにおける前記移動体の移動方向を取得する
LiDARシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記第2先行フレーム以前の複数のフレームにおける前記移動体の移動方向の平均値及び標準偏差に基づいて前記移動方向範囲を設定する
請求項1に記載のLiDARシステム。
【請求項3】
前記移動方向範囲は、前記標準偏差に所定の係数を乗算した乗算値を前記平均値から減算した値と、前記乗算値を前記平均値に加算した値と、の間である
請求項2に記載のLiDARシステム。
【請求項4】
前記所定の係数は、前記移動体の速度が速くなるほど大きくなる
請求項3に記載のLiDARシステム。
【請求項5】
前記複数のフレームは、各フレームにおいて前記移動体の移動方向が移動方向範囲に収まっているフレームである
請求項1に記載のLiDARシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記所定のフレームにおける前記移動体の速度が第1閾値未満である場合、前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向として前記所定のフレームより前であって前記移動体の速度が第1閾値以上である第4先行フレームにおける前記移動体の移動方向を取得する
請求項1に記載のLiDARシステム。
【請求項7】
所定の測定領域において物体までの距離を測定して得られる点群データに係る信号を供給するLiDAR装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記所定の測定領域に含まれる移動体の移動方向をモニタに表示させ、
前記点群データのノイズの量が所定の量以上である前記点群データに係る信号を入力された場合、前記移動体の移動方向として過去の前記移動体のいずれかの移動方向を前記モニタに表示させる
LiDARシステム。
【請求項8】
所定の測定領域において物体までの距離を測定して得られる点群データに係る信号を供給するLiDAR装置に接続されるセンサインターフェースを備え、
所定のフレームと前記所定のフレームより前の第1先行フレームとにおいて前記点群データから移動体の位置を検出し、検出された前記位置から前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向を算出し、
前記所定のフレームより前の第2先行フレーム以前の複数のフレームにおける前記移動体の移動方向に基づいて移動方向範囲を設定し、
前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向が前記移動方向範囲から外れる場合、前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向として前記所定のフレームより前の第3先行フレームにおける前記移動体の移動方向を取得する
制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LiDARシステム及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LiDAR装置を用いて3次元的に検出された点群データを取得し、取得された点群データから移動体を検出するシステムが提供されている。そのようなシステムは、複数のフレームにおいて同一の移動体を検出した場合、複数のフレームにおける移動体の位置から当該移動体の移動方向を算出する。下記特許文献1にはそのようなシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-170241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、点群データに生じるノイズなどにより、点群データから検出される移動体の位置が現実の移動体の位置から乖離する場合がある。このような場合、点群データにノイズが不規則に生じると、点群データから検出される移動体の位置と現実の移動体の位置との乖離も不規則に変動する。そのため、システムが複数のフレームにおける移動体の位置から移動方向を算出する場合、算出される当該移動体の移動方向が不規則に変動するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、移動体の移動方向を適切に取得し得るLiDARシステム及び制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的の達成のため、本発明のLiDARシステムは、所定の測定領域において物体までの距離を測定して得られる点群データに係る信号を供給するLiDAR装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、所定のフレームと前記所定のフレームより前の第1先行フレームとにおいて前記点群データから移動体の位置を検出し、検出された前記位置から前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向を算出し、前記所定のフレームより前の第2先行フレーム以前の複数のフレームにおける前記移動体の移動方向に基づいて移動方向範囲を設定し、前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向が前記移動方向範囲から外れる場合、前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向として前記所定のフレームより前の第3先行フレームにおける前記移動体の移動方向を取得する。
【0007】
上記LiDARシステムは、所定のフレームにおいてノイズなどによって移動体の移動方向が変動し移動方向範囲から外れた場合に、所定のフレームの前のフレームにおける移動体の移動方向を当該所定のフレームにおける移動体の移動方向として取得する。よって、上記LiDARシステムは、当該所定のフレームにおける移動体の移動方向が現実の移動体の移動方向と乖離した場合であっても、当該移動方向を除外して当該所定のフレームにおける移動体の移動方向を適切に取得し得る。
【0008】
また、上記LiDARシステムにおいて、前記制御装置は、前記第2先行フレーム以前の複数のフレームにおける前記移動体の移動方向の平均値及び標準偏差に基づいて前記移動方向範囲を設定してもよい。
【0009】
また、上記LiDARシステムにおいて、前記移動方向範囲は、前記標準偏差に所定の係数を乗算した乗算値を前記平均値から減算した値と、前記乗算値を前記平均値に加算した値と、の間であってもよい。
【0010】
このような構成により、上記LiDARシステムは、所定の確率で移動方向が収まる有効区間を設定し得る。そのため、上記LiDARシステムは、統計的に外れ値である移動方向を除外し得る。したがって、上記LiDARシステムは、所定のフレームにおける移動体の移動方向をより適切に取得し得る。
【0011】
また、上記LiDARシステムにおいて、前記所定の係数は、前記移動体の速度が速くなるほど大きくなってもよい。
【0012】
また、上記LiDARシステムにおいて、前記複数のフレームは、各フレームにおいて前記移動体の移動方向が移動方向範囲に収まっているフレームであってもよい。
【0013】
このような構成により、上記LiDARシステムは、過去のフレームにおいて移動方向範囲に収まっている移動方向を用いて移動方向範囲を設定する。そのため、上記LiDARシステムは、ノイズによって変動した移動方向を除外して適切な移動方向範囲を設定し得る。したがって、上記LiDARシステムは、ノイズによって変動した移動方向を適切に除外し得、当該所定のフレームにおける移動体の移動方向を適切に取得し得る。
【0014】
上記LiDARシステムにおいて、前記制御装置は、前記所定のフレームにおける前記移動体の速度が第1閾値未満である場合、前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向として前記所定のフレームより前であって前記移動体の速度が第1閾値以上である第4先行フレームにおける前記移動体の移動方向を取得してもよい。
【0015】
移動体の速度が遅い場合、算出される移動方向にノイズが大きく影響する傾向にある。そのため、LiDARシステムは、算出される移動方向に対するノイズの影響が大きい場合には、ノイズの影響が小さいフレームで算出された移動方向を所定のフレームにおける移動体の移動方向として取得し、所定のフレームにおける移動体の移動方向を適切に取得し得る。
【0016】
本発明のLiDARシステムは、所定の測定領域において物体までの距離を測定して得られる点群データに係る信号を供給するLiDAR装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記所定の測定領域に含まれる移動体の移動方向をモニタに表示させ、前記点群データのノイズの量が所定の量以上である前記点群データに係る信号を入力された場合、前記移動体の移動方向として過去の前記移動体のいずれかの移動方向を前記モニタに表示させる。
【0017】
上記LiDARシステムは、点群データのノイズにより移動体の移動方向が現実の移動体の移動方向と乖離する場合、現実の移動体の移動方向により近い移動方向をモニタに表示させ得る。
【0018】
本発明の制御装置は、所定の測定領域において物体までの距離を測定して得られる点群データに係る信号を供給するLiDAR装置に接続されるセンサインターフェースを備え、所定のフレームと前記所定のフレームより前の第1先行フレームとにおいて前記点群データから移動体の位置を検出し、検出された前記位置から前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向を算出し、前記所定のフレームより前の第2先行フレーム以前の複数のフレームにおける前記移動体の移動方向に基づいて移動方向範囲を設定し、前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向が前記移動方向範囲から外れる場合、前記所定のフレームにおける前記移動体の移動方向として前記所定のフレームより前の第3先行フレームにおける前記移動体の移動方向を取得する。
【0019】
上記制御装置は、所定のフレームにおいてノイズなどによって移動体の移動方向が大きく変動した場合に、所定のフレームの前のフレームにおける移動体の移動方向を当該所定のフレームにおける移動体の移動方向として取得する。よって、上記制御装置は、当該所定のフレームにおける移動体の移動方向が現実の移動体の移動方向と乖離した場合であっても、当該移動方向を除外して当該所定のフレームにおける移動体の移動方向を適切に取得し得る。
【発明の効果】
【0020】
上記のように本発明によれば、移動体の移動方向を適切に取得し得るLiDARシステム及び制御装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態におけるLiDARシステムが設置状態を概略的に示す図である。
図2図1に示すLiDARシステムの構成を示すブロック図である。
図3図2に示す制御装置の動作を示すフローチャートである。
図4図2に示す制御装置が設定する移動方向範囲を示す図である。
図5図2に示す制御装置が表示する表示画面を示す図である。
図6図2に示す制御装置が表示する表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。
【0023】
実施形態に係るLiDARシステムは、連続する複数のフレームにおいてLiDAR装置を用いて所定の測定領域をスキャンし当該測定領域における物体の3次元座標を示す点群データを取得する。LiDARシステムは、点群データから移動体を検出し、複数のフレームにおいて検出された移動体を特定し追跡する。LiDARシステムは、移動体の移動方向を算出しモニタに表示させる。本実施形態では、移動体の移動方向は、所定の軸を基準とした角度である。
【0024】
図1は、本実施形態に係るLiDARシステム200の設置状態を示す。図1が示すように、本実施形態のLiDARシステム200は、道路Rの脇に固定された状態で設置されている。道路Rには、複数の車線が設けられており、移動体Vが走行している。
【0025】
LiDARシステム200は、測定領域Sをスキャンして点群データを取得する。LiDARシステム200は、測定領域Sに含まれる移動体Vを追跡し移動体Vの移動方向を算出する。本実施形態では、移動体Vの移動方向は、LiDARシステム200が向く方向に直交する水平な基準軸Aを基準とする角度である。
【0026】
図2は、本実施形態に係るLiDARシステム200の構成を示す。図2が示すように、LiDARシステム200は、制御装置10、LiDAR装置20及びモニタ30などを主な構成として備える。制御装置10は、メモリ11、センサインターフェース12及びモニタインターフェース13などを主な構成として備える。センサインターフェース12は、LiDAR装置20に電気的に接続される。モニタインターフェース13は、モニタ30に電気的に接続される。
【0027】
LiDAR装置20は、制御装置10からの制御信号に従って、測定領域Sに光を照射して測定領域Sにおいて検出される検出点の座標を取得する。本実施形態では、LiDAR装置20は、測定領域Sにおいて2次元的に光を走査して光が反射した検出点と自身との距離を測定する。LiDAR装置20は、測定された距離などに基づいて検出点の座標を算出する。LiDAR装置20は、測定領域Sを走査すると、測定結果としてフレームごとに検出点の座標を示す点群データに係る信号を生成し制御装置10に供給する。
【0028】
たとえば、LiDAR装置20は、光を出射する光源と検出点からの反射波を受光するセンサとを含む。なお、LiDAR装置20が備える光源及びセンサの個数、走査方式及び走査方向などは、特定の構成に限定されるものではない。また、LiDAR装置20は、測定領域Sの全体に一度に光を照射するものであってもよい。
【0029】
モニタ30は、制御装置10からの制御信号に従って、種々の情報を表示する。たとえば、モニタ30は、液晶モニタ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを含む。
【0030】
センサインターフェース12は、LiDAR装置20に測定を開始又は終了させる制御信号を供給する。また、センサインターフェース12は、LiDAR装置20から点群データに係る信号を入力される。
【0031】
モニタインターフェース13は、モニタ30に表示させる表示画像に係る信号をモニタ30に供給する。
【0032】
制御装置10は、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置等を用いることができる。また、制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)等を用いてもよい。また、制御装置10は、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。以下に説明するように、LiDARシステム200の幾つかの構成が制御装置10により制御される。制御装置10は、メモリ11が格納するプログラムを実行して種々の機能を実現ずる。
【0033】
メモリ11は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体記録媒体が好適であるが、光学式記録媒体や磁気記録媒体等の任意の形式の記録媒体を包含し得る。なお、「非一過性」の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く全てのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。
【0034】
メモリ11は、種々の機能を制御装置10に実現させるプログラムを予め格納する。また、メモリ11は、プログラムの実行により生じたデータ及び他の装置から取得されたデータなどを一時的に格納する。
【0035】
次に、本実施形態のLiDARシステム200の動作について説明する。
図3は、本実施形態における制御装置10の動作を示すフローチャートである。制御装置10は、メモリ11が格納するプログラムを実行することで以下の動作を実現する。図3に示すように、フローチャートは、ステップSP11からステップSP18を含んでいる。
【0036】
(ステップSP11)
本ステップは、制御装置10がLiDAR装置20から点群データに係る信号を取得するステップである。たとえば、制御装置10は、不図示の外部装置からの制御信号又はオペレータによる操作に従って、センサインターフェース12を介して測定を開始させる制御信号をLiDAR装置20に送信する。なお、制御装置10は、2回目以降のステップSP11においては当該制御信号をLiDAR装置20に送信しなくともよい。
【0037】
LiDAR装置20は、制御装置10からの制御信号に従って、測定領域Sを走査して検出点と自身との距離を測定し、検出点の座標を取得する。LiDAR装置20は、1フレームにおける検出点の座標を示す点群データに係る信号を制御装置10に供給する。
【0038】
制御装置10は、LiDAR装置20から点群データに係る信号を取得すると、ステップSP12に進む。
【0039】
(ステップSP12)
本ステップは、制御装置10が点群データから移動体のバウンディングボックス、位置、速度及び移動方向を算出するステップである。
【0040】
制御装置10は、点群データから移動体を検出する。本実施形態では、制御装置10は、測定領域Sに存在する物体が投影される所定の投影平面において、現フレームの移動体が存在するバウンディングボックスを設定する。投影平面は、測定領域Sを所定の点から視た平面である。たとえば、制御装置10は、点群データとあらかじめ用意された背景を測定して得られる点群データとの差分を計算することによって移動体のバウンディングボックスを設定する。また、制御装置10は、クラスタリング処理によって移動体のバウンディングボックスを設定してもよい。制御装置10がバウンディングボックスを設定する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0041】
制御装置10は、バウンディングボックスを設定すると、現フレームにおける移動体の位置として投影平面におけるバウンディングボックスに関する座標を取得する。本実施形態では、制御装置10は、バウンディングボックスの重心座標を移動体の位置として取得する。なお、制御装置10は、バウンディングボックスの一つの頂点座標を移動体の位置として取得してもよい。
【0042】
制御装置10は、移動体の座標を取得すると、移動体の追跡処理を行う。本実施形態では、メモリ11は、移動体の追跡情報を記憶する。追跡情報は、移動体を識別する識別情報と過去のフレームにおける当該移動体の位置とを対応付けて格納する。たとえば、識別情報は、文字、数値、記号又はこれらの組み合わせなどである。識別情報の構成は、特定の構成に限定されるものではない。また、追跡情報は、各フレームにおける移動体の速度及び移動方向を格納してもよい。
【0043】
制御装置10は、直前のフレームで検出された移動体の位置を追跡情報から取得する。制御装置10は、直前のフレームで検出された移動体の位置を取得すると、取得された移動体の位置と現フレームで検出された移動体の位置との間の距離を算出する。算出された距離が所定の閾値以下である場合、制御装置10は、直前のフレームで検出された移動体の識別情報と現フレームで検出された移動体の位置とを対応付けて追跡情報に追加する。制御装置10は、上記の動作により、現フレームで検出された移動体と直前のフレームで検出された移動体とを同定し移動体を追跡する。
【0044】
たとえば、所定の閾値は、現実の5mに対応する値である。この場合、制御装置10は、直前のフレームでの移動体の位置と現フレームでの移動体の位置との間が5m以下である場合に、直前のフレームでの移動体と現フレームの移動体とを同定し、直前のフレームでの移動体の識別情報と現フレームでの移動体の位置とを対応付けて追跡情報に追加する。
【0045】
算出された距離が所定の閾値より大きい場合、制御装置10は、新たな識別情報を移動体に設定し、当該識別情報と現フレームで検出された移動体の位置とを対応付けて追跡情報に追加する。
【0046】
なお、追跡情報が存在しない場合、制御装置10は、新たな識別情報を移動体に設定し、当該識別情報と現フレームで検出された移動体の位置とを対応付けて格納する追跡情報を生成してもよい。
【0047】
また、制御装置10は、直前のフレームで移動体を検出していない場合、さらに前のフレームで検出された移動体と現フレームで検出された移動体との距離を算出してもよい。この場合、制御装置10は、算出された距離が所定の閾値以下である場合、さらに前の当該フレームで検出された移動体の識別情報と現フレームで検出された移動体の位置とを対応付けて追跡情報に追加してもよい。
【0048】
制御装置10は、追跡処理を行うと、複数のフレームにおける移動体の位置に基づいて移動体の速度を算出する。たとえば、制御装置10は、直前のフレームにおける当該移動体の位置と現フレームにおける当該移動体の位置との間の距離をフレーム間の時間で除算して速度を算出する。なお、制御装置10は、所定の個数前のフレームから現フレームまでの各フレームにおける当該移動体の位置から当該移動体の速度を算出してもよい。
【0049】
制御装置10は、速度を算出すると、現フレームにおける移動体の位置と現フレームの前の第1先行フレームにおける移動体の位置に基づいて移動体の移動方向を算出する。たとえば、制御装置10は、第1先行フレームにおける当該移動体の位置から現フレームにおける当該移動体の位置に延びるベクトルを算出する。制御装置10は、算出されたベクトルと基準軸Aとの角度を当該移動体の移動方向として算出する。本実施形態では、第1先行フレームは、現フレームの直前のフレームである。なお、第1先行フレームは、現フレームから2以上の所定の個数前のフレームであってもよい。なお、制御装置10は、現フレームから第1先行フレームまでの各フレームにおける当該移動体の位置から当該移動体の移動方向を算出してもよい。
【0050】
制御装置10は、当該移動体の移動方向を算出すると、ステップSP13に進む。
【0051】
(ステップSP13)
本ステップは、制御装置10が当該移動体の速度と第1閾値とを比較するステップである。たとえば、第1閾値は、1km/hである。
【0052】
当該移動体の速度が第1閾値以上である場合、制御装置10は、ステップSP14に進む。当該移動体の速度が第1閾値未満である場合、制御装置10は、ステップSP18に進む。
【0053】
(ステップSP14)
本ステップは、制御装置10が現フレームより前の第2先行フレーム以前の複数のフレームにおける当該移動体の移動方向に基づいて移動方向範囲を設定するステップである。本実施形態では、第2先行フレームは、現フレームの直前のフレームである。なお、第2先行フレームは、現フレームから2以上の所定の個数前のフレームであってもよい。
【0054】
図4は、制御装置10が設定する移動方向範囲を示す。図4が示す例では、制御装置10は、第2先行フレーム以前の3つのフレームにおける当該移動体の移動方向に基づいて移動方向範囲を設定する。また、図4は、連続するフレーム1からフレーム6までにおける移動方向範囲を示す。
【0055】
制御装置10は、フレーム1からフレーム3においては、それらの直前のフレームから3つのフレームが存在しないため、移動方向範囲を設定しない。
【0056】
制御装置10は、フレーム4において、フレーム1からフレーム3における移動体の移動方向を取得し、取得された3つの移動方向から平均値及び標準偏差を算出する。制御装置10は、平均値及び標準偏差に基づいて移動方向範囲を設定する。本実施形態では、制御装置は、標準偏差に所定の係数を乗算した乗算値を算出し、平均値から乗算値を減算した値と平均値から乗算値を加算した値との間である移動方向範囲を設定する。なお、移動方向範囲は、平均値から乗算値を減算した値を含んでもよいし含まなくてもよい。また、移動方向範囲は、平均値から乗算値を加算した値を含んでもよいし含まなくてもよい。
【0057】
図4が示す例では、フレーム1から3における移動方向の平均値は、76であり、標準偏差は、10である。また、所定の係数は、1である。よって、フレーム4における移動方向範囲は、66と86との間である。
【0058】
また、第2先行フレーム以前の当該複数のフレームは、各フレームにおいて移動方向が移動方向範囲に収まっているフレームである。図4が示す例では、フレーム4において、移動体の移動方向は、移動方向範囲から外れている。そのため、制御装置10は、フレーム5において、フレーム1から3における移動体の移動方向を取得して、平均値及び標準偏差を算出する。制御装置10は、算出された平均値及び標準偏差に基づいてフレーム5における移動方向範囲を設定する。
【0059】
また、フレーム5において、移動体の移動方向は、移動方向範囲に含まれる。そのため、制御装置10は、フレーム6において、フレーム2、フレーム3及びフレーム5における移動体の移動方向を取得して、平均値及び標準偏差を算出する。制御装置10は、算出された平均値及び標準偏差に基づいてフレーム6における移動方向範囲を設定する。
【0060】
また、フレーム6において、移動体の移動方向は、移動方向範囲に含まれる。そのため、制御装置10は、フレーム7において、フレーム3、フレーム5及びフレーム6における移動体の移動方向を取得して、平均値及び標準偏差を算出する。制御装置10は、算出された平均値及び標準偏差に基づいてフレーム7における移動方向範囲を設定する。
【0061】
なお、第2先行フレーム以前の当該複数のフレームは、移動方向が移動方向範囲に収まっていないフレームを含んでもよい。制御装置10は、移動方向範囲に移動方向が収まるか否かに関わらず、第2先行フレーム以前の複数のフレームにおける移動方向から移動方向範囲を算出してもよい。
【0062】
制御装置10は、移動方向範囲を設定すると、ステップSP15に進む。
【0063】
なお、制御装置10は、移動体の速度に応じて所定の係数を変更してもよい。たとえば、制御装置10は、移動体の速度が速いほど所定の係数を大きな値に変更する。制御装置10は、移動体の速度が第1閾値よりも大きい第2閾値未満である場合、所定の係数を第1値とし、移動体の速度が第2閾値以上である場合、所定の係数を第1値よりも大きい第2値としてもよい。
【0064】
移動体の速度が速いほど、点群データにノイズが生じた場合であっても算出された移動方向と現実の移動方向との乖離が小さくなることが考えられる。そのため、移動体の速度が速いほど、移動方向のばらつきが小さくなり標準偏差も小さくなる。よって、移動体の速度が速い場合、所定の係数を大きくしても移動方向範囲が拡大しにくい。
【0065】
(ステップSP15)
本ステップは、制御装置10が当該移動体の移動方向が移動方向範囲に含まれるかを判定するステップである。
【0066】
当該移動体の移動方向が移動方向範囲に収まる場合、制御装置10は、ステップSP16に進む。当該移動体の移動方向が移動方向範囲から外れる場合、制御装置10は、ステップSP17に進む。なお、移動方向範囲が設定されていない場合、制御装置10は、ステップSP16に進む。
【0067】
(ステップSP16)
本ステップは、制御装置10が現フレームの移動体の移動方向をモニタ30に表示させるステップである。
【0068】
制御装置10は、ステップSP12で算出された移動体の移動方法を現フレームの移動体の移動方向としてモニタ30にさせる。たとえば、制御装置10は、移動体の移動方向を数値としてモニタ30に表示させてもよい。また、制御装置10は、移動体の移動方向を示す矢印などをモニタ30に表示させてもよい。
【0069】
なお、制御装置10は、移動体のバウンディングボックス、移動体の識別情報及び速度などをモニタ30に表示させてもよい。
【0070】
制御装置10は、バウンディングボックス及び識別情報などをモニタ30に表示すると、ステップSP11に戻る。なお、制御装置10は、ステップSP16を完了してから所定の時間が経過した後にステップSP11に戻ってもよい。
【0071】
(ステップSP17)
本ステップは、制御装置10が現フレームより前の第3先行フレームにおける移動体の移動方向を現フレームにおける移動体の移動方向としてモニタ30に表示させるステップである。本実施形態では、第3先行フレームは、現フレームの直前のフレームである。なお、第3先行フレームは、現フレームから2以上の所定の個数前のフレームであってもよい。
【0072】
制御装置10は、第3先行フレームにおける移動体の移動方向をメモリ11から取得する。制御装置10は、取得された移動方向を現フレームの移動体の移動方向としてモニタ30にさせる。ステップSP16と同様に、制御装置10は、移動体の移動方向を数値としてモニタ30に表示させてもよい。また、制御装置10は、移動体の移動方向を示す矢印などをモニタ30に表示させてもよい。
【0073】
なお、制御装置10は、移動体のバウンディングボックス、移動体の識別情報及び速度などをモニタ30に表示させてもよい。
【0074】
制御装置10は、バウンディングボックス及び識別情報などをモニタ30に表示すると、ステップSP11に戻る。なお、制御装置10は、ステップSP17を完了してから所定の時間が経過した後にステップSP11に戻ってもよい。
【0075】
(ステップSP18)
本ステップは、制御装置10が現フレームにおける移動体の移動方向として、当該移動体の速度が第1閾値未満となるフレームの前の第4先行フレームにおける移動体の移動方向を取得する。本実施形態では、第4先行フレームは、移動体の速度が第1閾値未満となるフレームの直前のフレームである。
【0076】
制御装置10は、第4先行フレームにおける移動体の移動方向をメモリ11から取得する。制御装置10は、取得された移動方向を現フレームの移動体の移動方向としてモニタ30にさせる。ステップSP16と同様に、制御装置10は、移動体の移動方向を数値としてモニタ30に表示させてもよい。また、制御装置10は、移動体の移動方向を示す矢印などをモニタ30に表示させてもよい。
【0077】
なお、制御装置10は、移動体のバウンディングボックス、移動体の識別情報及び速度などをモニタ30に表示させてもよい。
【0078】
制御装置10は、バウンディングボックス及び識別情報などをモニタ30に表示すると、ステップSP11に戻る。なお、制御装置10は、ステップSP18を完了してから所定の時間が経過した後にステップSP11に戻ってもよい。
【0079】
次に、制御装置10が移動体の移動方向を表示する表示画面について説明する。
まず、現フレームとしての第1フレームにおいて算出された移動方向が移動方向範囲に収まっている場合について説明する。図5は、算出された移動方向が移動方向範囲に収まっている場合にモニタ30に表示される表示画面100を示す。制御装置10は、第1フレームにおいてステップSP16を実行し表示画面100をモニタ30に表示させる。
【0080】
図5が示す例では、表示画面100は、バウンディングボックス101及び102と矢印110とを含む。
【0081】
バウンディングボックス101は、第1フレームの第1先行フレームにおける移動体のバウンディングボックスである。バウンディングボックス102は、第1フレームにおける移動体のバウンディングボックスである。矢印110は、移動体の移動方向を示す。
【0082】
制御装置10は、ステップSP12において、バウンディングボックス101の重心位置からバウンディングボックス102の重心位置に延びるベクトルと基準軸Aとの角度を移動体の移動方向として算出する。
【0083】
前述の通り、算出された移動方向は、移動方向範囲に収まる。そのため、矢印110は、ステップSP12で算出された移動体の移動方向を示す。図5が示す例では、矢印110は、バウンディングボックス101の重心位置からバウンディングボックス102の重心位置に延びるベクトルの向きと同一である。
【0084】
なお、制御装置10は、矢印110の代わりに又は矢印110と共に、移動方向を数値としてモニタ30に表示させてもよい。また、バウンディングボックス101は、破線で表示されるものであってもよいし、表示されなくもよい。
【0085】
次に、現フレームとしての第2フレームにおいて算出された移動方向が移動方向範囲から外れる場合について説明する。第2フレームは、第1フレームの直後のフレームである。第2フレームの第1先行フレームは、第1フレームである。
【0086】
図6は、算出された移動方向が移動方向範囲から外れる場合にモニタ30に表示される表示画面100を示す。図6が示す例では、たとえば、制御装置10は、ノイズの量が所定の量以上である点群データをステップSP11で取得する。たとえば、当該点群データのS/N比は、所定の閾値以下である。
たとえば、LiDAR装置20と移動体との間にノイズを生じさせるためのフィルタなどが設けられてもよい。フィルタによって、点群データのノイズ量が所定の量以上となる。また、制御装置10は、ノイズ量が所定の量以上となるように点群データにノイズを付与してもよい。
【0087】
制御装置10は、第2フレームにおいてステップSP17を実行し表示画面100をモニタ30に表示させる。表示画面100は、バウンディングボックス102及び103と矢印110とを含む。
【0088】
バウンディングボックス102は、第2フレームの第1先行フレームにおける移動体のバウンディングボックスである。バウンディングボックス103は、第2フレームにおける移動体のバウンディングボックスである。矢印110は、移動体の移動方向を示す。
【0089】
制御装置10は、ステップSP12において、バウンディングボックス102の重心位置からバウンディングボックス103の重心位置に延びるベクトルと基準軸Aとの角度を移動体の移動方向として算出する。
【0090】
前述の通り、算出された移動方向は、移動方向範囲から外れる。そのため、矢印110は、第3先行フレームにおける移動体の移動方向を示す。図6が示す例では、第3先行フレームは、第1フレームであるため、矢印110は、第1フレームにおける移動体の移動方向を示す。制御装置10は、第2フレームより過去のフレームにおける移動体の移動方向を第2フレームにおける移動体の移動方向としてモニタ30に表示させる。
【0091】
なお、制御装置10は、矢印110の代わりに又は矢印110と共に、移動方向を数値としてモニタ30に表示させてもよい。また、バウンディングボックス102は、破線で表示されるものであってもよいし、表示されなくもよい。
【0092】
また、制御装置10は、図5の例において矢印110をバウンディングボックス102に近接する位置に表示してもよい。また、制御装置10は、図6の例において矢印110をバウンディングボックス103に近接する位置に表示してもよい。
【0093】
また、制御装置10は、バウンディングボックス101、102及び103の中、近傍又は所定の位置に移動体の速度を表示してもよい。また、制御装置10は、バウンディングボックス101、102及び103の中、近傍又は所定の位置に移動体の識別情報を表示してもよい。
【0094】
また、制御装置10は、表示画面100において移動体Vの種類を示す情報をモニタ30に表示させてもよい。たとえば、制御装置10は、「セダン」、「トラック」などを示すメッセージ又は記号などをモニタ30に表示させてもよい。
【0095】
また、移動体Vは、航空機、船舶、人、動物などであってもよい。この場合、制御装置10は、移動体の種類を示す情報として、「航空機」、「船舶」、「人」、「動物」を示すメッセージ又は記号などをモニタ30に表示させてもよい。
【0096】
また、制御装置10は、ステップSP15の後にステップSP14を実行してもよい。この場合、制御装置10は、ステップSP14で次のフレームにおける移動方向範囲を設定する。
【0097】
また、第1先行フレーム、第2先行フレーム、第3先行フレーム及び第4先行フレームは、同一のフレームであってもよいし、互いに異なるフレームであってもよい。また、第1先行フレーム、第2先行フレーム、第3先行フレーム及び第4先行フレームのいくつかは、同一のフレームであり、他は、異なるフレームであってもよい。
【0098】
また、制御装置10は、複数のバウンディングボックス間の距離が所定の閾値以下である場合、複数のバウンディングボックスを1つのバウンディングボックスとして設定しなおしてもよい。
【0099】
また、制御装置10は、移動体の移動方向を示す音をスピーカなどに出力させるものであってもよい。
【0100】
また、制御装置10は、移動体の移動方向を示す情報をメモリ11に格納するものであってもよい。また、制御装置10は、移動体の移動方向に係る信号を外部装置に送信するものであってもよい。
【0101】
また、LiDARシステム200は、モニタ30を備えなくともよい。この場合、制御装置10は、表示画面100を表示させる制御信号を外部のモニタなどに送信してもよい。
【0102】
また、LiDARシステム200は、移動体に設置されるものであってもよい。
【0103】
以上の構成を有するLiDARシステム200は、現フレームにおいてノイズなどによって移動体の移動方向が大きく変動した場合、過去のフレームにおける移動体のいずれかの移動方向を現フレームにおける移動体の移動方向として取得する。よって、LiDARシステム200は、ノイズなどによって現フレームにおける移動体の移動方向が現実の移動体の移動方向と乖離した場合であっても、当該移動方向を除外して現フレームにおける移動体の移動方向を適切に取得し得る。
【0104】
また、LiDARシステム200は、移動体の速度が第1閾値未満である場合、現フレームにおける移動体の移動方向として、移動体の速度が第1閾値以上であるフレームにおける移動体の移動方向を取得する。移動体の速度が遅い場合、算出される移動方向にノイズが大きく影響する。そのため、LiDARシステム200は、算出される移動方向に対するノイズの影響が大きい場合には、ノイズの影響が小さいフレームで算出された移動方向を現フレームにおける移動体の移動方向として取得する。したがって、LiDARシステム200は、ノイズの影響が大きい場合であっても、現フレームにおける移動体の移動方向を適切に取得し得る。なお、上記の動作は、必須でない。LiDARシステム200の制御装置10は、ステップSP13及びステップSP18を実行せずに、ステップSP12からステップSP14に進んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明によれば、移動体の移動方向を適切に取得し得るLiDARシステム及び制御装置が提供され、車両などの移動体を検出する分野などにおいて利用可能である。
【符号の説明】
【0106】
10・・・制御装置
11・・・メモリ
12・・・センサインターフェース
13・・・モニタインターフェース
20・・・LiDAR装置
30・・・モニタ
100・・・表示画面
101・・・バウンディングボックス
102・・・バウンディングボックス
103・・・バウンディングボックス
110・・・矢印
200・・・LiDARシステム

図1
図2
図3
図4
図5
図6