(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178864
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097344
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】山本 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】瀧田 哲志
(72)【発明者】
【氏名】小池 敦
(72)【発明者】
【氏名】大高 剛
(72)【発明者】
【氏名】清水 嘉允
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA08
2C333CA49
(57)【要約】
【課題】遊技者に満足感を与えることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】演出制御手段は、少なくとも第1特定遊技状態で特定の結果が得られて移行した特別遊技状態で特別遊技が実行されたこと、に基づく実績情報を、第1特定遊技状態において演出表示装置に表示させることが可能であり、特定記憶領域は、実績情報に係る情報を保持可能であり、第1特定遊技状態の終了時に表示されていた実績情報に係る情報が保持されるようになっており、演出制御手段は、第1特定遊技状態の終了後の通常遊技状態で第1の結果が得られて第1特定遊技状態へ移行する場合に、特定記憶領域に保持された情報に基づき実績情報を表示させることが可能である。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体が発射される遊技機であって、抽選手段と、状態制御手段と、特別遊技実行手段と、演出制御手段と、特定記憶領域と、を備え、
前記抽選手段は、前記遊技領域に設けられた第1領域に遊技媒体が進入したことに基づき第1抽選を行い、前記遊技領域に設けられた第2領域に遊技媒体が進入したことに基づき第2抽選を行い、
前記状態制御手段は、通常遊技状態と、第1特定遊技状態と、第2特定遊技状態と、特別遊技状態と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行い、
前記特別遊技実行手段は、前記特別遊技状態での特別遊技の実行を制御し、前記特別遊技では、前記遊技領域に設けられた所定領域に遊技媒体が進入可能となる状態に特定可動物が動作し、
前記演出制御手段は、演出表示装置における演出の実行を制御し、
前記状態制御手段は、
前記第1抽選または前記第2抽選で特定の結果が得られた場合に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させ、前記特別遊技状態の終了後に遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記第1特定遊技状態において所定の条件が成立した場合に前記第1特定遊技状態を終了させ、遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記通常遊技状態において前記第1抽選で第1の結果が得られた場合に遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記通常遊技状態において前記第1抽選で第2の結果が得られた場合に遊技状態を前記第2特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記第2特定遊技状態では、前記第1抽選で前記第1の結果が得られた場合であっても遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させず、
前記演出制御手段は、少なくとも前記第1特定遊技状態で前記特定の結果が得られて移行した前記特別遊技状態で前記特別遊技が実行されたこと、に基づく実績情報を、前記第1特定遊技状態において前記演出表示装置に表示させることが可能であり、
前記特定記憶領域は、前記実績情報に係る情報を保持可能であり、前記第1特定遊技状態の終了時に表示されていた前記実績情報に係る情報が保持されるようになっており、
前記演出制御手段は、前記第1特定遊技状態の終了後の前記通常遊技状態で前記第1の結果が得られて前記第1特定遊技状態へ移行する場合に、前記特定記憶領域に保持された情報に基づき前記実績情報を表示させることが可能である、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球(遊技価値)が移動する遊技領域や、遊技球を遊技領域に発射する発射装置等を備えた、パチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機は、遊技領域に設けられた始動口を備え、始動口への遊技球の進入が検出されると、特別図柄抽選が行われる。特別図柄抽選の結果が大当りである場合、遊技状態が特別遊技状態に移行し、特別遊技状態において複数回の特別遊技が実行される。各特別遊技では遊技領域に設けられている大入賞口が開状態に動作し、大入賞口への遊技球の進入に基づいて遊技球が払い出される。
【0003】
また、この種の遊技機には、通常状態を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態が遷移するものがあり、通常状態が所定の時短状態よりも遊技者に有利なモーニング状態となっているものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機は、遊技者に満足感を与えることが求められている。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者に満足感を与えることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
遊技媒体が移動する遊技領域(遊技領域4)を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体が発射される遊技機であって、抽選手段(特別図柄抽選手段230)と、状態制御手段(遊技状態移行制御手段250)と、特別遊技実行手段(特別遊技実行手段260)と、演出制御手段(演出制御手段300)と、特定記憶領域(特定記憶領域304)と、を備え、
前記抽選手段は、前記遊技領域に設けられた第1領域(第1始動口46)に遊技媒体が進入したことに基づき第1抽選(第1特別図柄抽選)を行い、前記遊技領域に設けられた第2領域(第2始動口49)に遊技媒体が進入したことに基づき第2抽選(第2特別図柄抽選)を行い、
前記状態制御手段は、通常遊技状態(通常状態)と、第1特定遊技状態(時短状態)と、第2特定遊技状態(微時短状態)と、特別遊技状態と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行い、
前記特別遊技実行手段は、前記特別遊技状態での特別遊技の実行を制御し、前記特別遊技では、前記遊技領域に設けられた所定領域(大入賞口50)に遊技媒体が進入可能となる状態に特定可動物(特別役物56)が動作し、
前記演出制御手段は、演出表示装置(液晶ディスプレイ32)における演出の実行を制御し、
前記状態制御手段は、
前記第1抽選または前記第2抽選で特定の結果が得られた場合に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させ、前記特別遊技状態の終了後に遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記第1特定遊技状態において所定の条件が成立した場合に前記第1特定遊技状態を終了させ、遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記通常遊技状態において前記第1抽選で第1の結果(C時短2)が得られた場合に遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記通常遊技状態において前記第1抽選で第2の結果(C時短1)が得られた場合に遊技状態を前記第2特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記第2特定遊技状態では、前記第1抽選で前記第1の結果が得られた場合であっても遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させず、
前記演出制御手段は、少なくとも前記第1特定遊技状態で前記特定の結果が得られて移行した前記特別遊技状態で前記特別遊技が実行されたこと、に基づく実績情報を、前記第1特定遊技状態において前記演出表示装置に表示させることが可能であり、
前記特定記憶領域は、前記実績情報に係る情報を保持可能であり、前記第1特定遊技状態の終了時に表示されていた前記実績情報に係る情報が保持されるようになっており、
前記演出制御手段は、前記第1特定遊技状態の終了後の前記通常遊技状態で前記第1の結果が得られて前記第1特定遊技状態へ移行する場合に、前記特定記憶領域に保持された情報に基づき前記実績情報を表示させることが可能である。
【0008】
第1特定遊技状態では、特別遊技が実行されたことに基づく実績情報が表示され得るようになっている。また、第1特定遊技状態の終了後に通常遊技状態へ移行し、通常遊技状態において第1の結果が得られた場合に、第1特定遊技状態へ移行するようになっている。また、一度、第1特定遊技状態が終了し、通常遊技状態を経由して第1特定遊技状態へ移行する場合に、特定記憶領域に記憶された情報に基づく実績情報が表示されるようになっている。当該実績情報が表示されることで、遊技者は、他の遊技状態を経由して第1特定遊技状態が繰り返し実行される一連の期間が、途切れることなく継続しているように認識し得る。また、前回の第1特定遊技状態の終了時に記憶された情報に基づく実績情報が表示される分(実績情報が引き継がれる分)、実績情報が示す値(個数)が比較的大きい値(個数)となる確率が高くなる。このため、遊技者に対し、一連の期間に、より多くの利益を獲得できたという印象を与え得る。これにより、遊技者に満足感を与えることが可能な遊技機を提供できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技者に満足感を与えることが可能な遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その外観構成を示す斜視図である。
【
図4】同、状態表示部の外観構成を示す正面図である。
【
図5】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図9】同、演出図柄および保留図柄の表示について説明するための図である。
【
図10】同、当り演出および時短演出について説明するための図である。
【
図11】同、時短終了画像について説明するための図である。
【
図12】同、準備演出について説明するための図である。
【
図13】同、特殊演出について説明するための図である。
【
図14】同、先読み演出について説明するための図である。
【
図15】同、先読み演出の制限について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技機で遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0012】
本実施形態の遊技機1は、従来のパチンコ遊技機とは異なり、遊技者が遊技球に触れることなく遊技を進行可能となっている。遊技機1は、遊技機内部で一定数の遊技球(遊技媒体)が循環する封入循環式となっている。また、遊技機1は、電子的情報としての遊技価値が用いられ、遊技によって遊技価値が消費されたり、遊技価値が払い出されたりする遊技機となっている。遊技機1において遊技価値の払い出しとは、遊技価値を電子的に払い出すこと(付与すること)を意味する。なお、本実施形態に係る発明は、遊技機1に限らず従来のパチンコ遊技機、すなわち遊技者が物理的な遊技球に触れることができ、所定の入賞口への遊技球の進入に基づき遊技球が受皿に払い出される仕様のパチンコ遊技機にも適用可能である。
【0013】
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を保持する内枠7と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10と、を備えている。内枠7は、ヒンジ機構を介して外枠2に開閉可能に取り付けられている。また、前枠10は、ヒンジ機構を介して内枠7に開閉可能に取り付けられている。そして、内枠7(および前枠10)は、外枠2の開口部を塞ぐ閉位置(閉鎖状態)と外枠2の開口部を開放する開位置(開放状態)との間で開閉可能となっている。
【0014】
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14(音出力手段)が設けられている。
【0015】
前枠10の下部右側には、グリップユニット20(ハンドル)が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0016】
前枠10には、演出ボタン26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出ボタン26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化するようになっている。
【0017】
図2に示すように、遊技機1の側方(左側方)には、遊技価値を貸し出す装置としての専用ユニット400(遊技価値貸出装置、所定の装置)が設けられ、遊技機1と接続されている。専用ユニット400の前面には、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口406、カード(遊技価値管理媒体)を挿入/排出可能なカード挿入/排出口402、貸出ボタン(貸出操作手段)403、再プレイボタン(貸出操作手段)404およびカード返却ボタン405等が設けられている。カードは、遊技者の所有する遊技価値数を管理するのに用いられる。換言すると、カードによって遊技者の所有する遊技価値数を把握可能となっている。また、カードは、プリペイド残高を記憶可能になっていてもよい。なお、カードによる遊技価値数の管理は、遊技価値数をカード自体に記憶することにより行われてもよく、遊技価値数は遊技場等に設置された所定の管理装置等に記憶しておき、当該管理装置等に記憶された遊技価値数とカードに記憶された識別情報(遊技者のIDや各カード固有の識別番号等)とを紐づけておくことなどにより行われてもよい。
【0018】
専用ユニット400では、貸出ボタン403に対する操作(押下操作)が遊技価値を遊技機1に転送する貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられる。貸出ボタン403が押下されると、紙幣挿入口406に挿入された紙幣あるいはカードにプリペイド残高として記憶されている記憶値等を消費して、所定数(例えば125個)の遊技価値が遊技機1にクレジットされるようになっている。また、専用ユニット400では、再プレイボタン404に対する操作(押下操作)が遊技価値を遊技機1に転送する貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられる。再プレイボタン404が押下されると、カードによって管理されている遊技者の所有する遊技価値(カードに紐づけられている遊技価値)を消費して、所定数(例えば125個)の遊技価値が遊技機1にクレジットされるようになっている。すなわち、本実施形態では、貸出操作手段としての貸出ボタン403または再プレイボタン404に対する操作が、貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられ、貸出操作に基づいて、専用ユニット400から遊技機1に所定数の遊技価値が転送(貸出)されるようになっている。
【0019】
図1に示すように、前枠10における左側(専用ユニット400側)には、遊技価値数表示装置(遊技球数表示装置)211および計数ボタン(計数操作手段)212が設けられている。専用ユニット400での貸出操作に基づき、遊技機1では、所定数の遊技価値に相当する値が後述する枠制御基板201の遊技価値数記憶領域に記憶される。以下、遊技価値数記憶領域が示す値(記憶値)を「持玉数」(持ち球数)と呼ぶ。持玉数は、遊技に使用可能な遊技価値数ということができる。持玉数は、遊技価値数表示装置211に表示される。遊技価値数表示装置211は、6桁の7セグメント表示器を有しており、7セグメント表示器によって持玉数が表示されるようになっている。
【0020】
遊技機1は枠制御基板201(
図5参照)を備えており、枠制御基板201は、遊技価値数記憶領域に記憶される値(持玉数)に関する制御を行う。枠制御基板201は、遊技球の発射が検出されたことに基づき持玉数を減少させる。また、枠制御基板201は、賞球の払い出しに基づき持玉数を増加させる。また、枠制御基板201は、ファール球を検出したことに基づき、持玉数を増加させる。また、枠制御基板201は、専用ユニット400から遊技機1に遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、持玉数を増加させる。また、枠制御基板201は、遊技機1から専用ユニット400に遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、持玉数を減少させる。また、枠制御基板201は、持玉数を遊技価値数表示装置211に表示させる制御を行い、持玉数の増減に従って遊技価値数表示装置211の表示内容を変化させる。
【0021】
計数ボタン212は、持玉数(遊技価値数記憶領域に記憶された遊技価値)の全部または一部を専用ユニット400へ送信(返却、転送)する際に操作されるボタンである。計数ボタン212は押圧部(操作部)を備えており、押圧部が押下操作可能に形成されている。遊技者は、遊技を終了する場合等に、計数操作(返却操作)としての計数ボタン212に対する操作(押下操作)を行う。計数ボタン212が操作されると、所定数の遊技価値が遊技機1から専用ユニット400へ転送される。遊技価値が専用ユニット400へ転送された後、専用ユニット400のカード返却ボタン405に対する操作(押下操作)が行われると、遊技者の所有する遊技価値数を把握可能とするカードが専用ユニット400(カード挿入/排出口402)から排出される。
【0022】
図3は、遊技盤6の外観構成を示す正面図である。遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0023】
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ32(演出表示装置、表示手段)と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。液晶ディスプレイ32の中央上方には、演出ユニット36を構成し、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する照明装置38(照明手段)が設けられている。
【0024】
本実施形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aまたは右側の遊技領域4bを落下するようになっている。また、遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0025】
また、ディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aを落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0026】
ステージ44の中央部の下方には、遊技球(ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球を含む)が進入可能な第1始動口46(第1領域)が設けられている。また、第1始動口46内には、第1始動口46に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ100(
図5参照)が配設されている。第1始動口スイッチ100は、遊技球(第1始動口46への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第1特別図柄抽選(第1抽選)を実行する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、賞球の払い出しを実行する。また、第1始動口46に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0027】
遊技領域4における第1始動口46の左方には、複数(3個)の一般入賞口47(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47c)が設けられている。また、遊技盤6には、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ101(
図5参照)が配設されている。一般入賞口スイッチ101は、遊技球(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cへの遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、一般入賞口スイッチ101からの検出信号の入力に基づいて、賞球の払い出しを実行する。なお、一般入賞口スイッチ101は、左上一般入賞口47aと左中一般入賞口47bと左下一般入賞口47cとのそれぞれについて1個ずつ設けてもよく、複数(例えば3個)の一般入賞口47に対して1個だけ設けてもよい。また、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47cの他にも一般入賞口47およびこの一般入賞口に対応する一般入賞口スイッチを設けてもよい。
【0028】
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48内には、遊技球が通過したことを検知するゲートスイッチ102(
図5参照)が配設されている。ゲートスイッチ102は、遊技球(遊技球の通過ゲート48の通過)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、ゲートスイッチ102からの検出信号の入力に基づいて、普通当りの当否を決定する普通図柄抽選を実行する。
【0029】
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、通過ゲート48の下方に、第2始動口49(第2領域)が設けられている。また、第2始動口49内には、第2始動口49に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ103(
図5参照)が配設されている。第2始動口スイッチ103は、遊技球(第2始動口49への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第2特別図柄抽選(第2抽選)を実行する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、賞球の払い出しを実行する。また、第2始動口49に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0030】
第2始動口49には、第2始動口49に遊技球が進入しにくい縮小状態(閉状態)(第2始動口49への遊技球の進入が困難な状態)と、遊技球が進入しやすい拡大状態(開状態)(第2始動口49への遊技球の進入が容易な状態)と、の間で動作可能な普通役物54(第1可動物)が設けられている。普通役物54は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通図柄抽選で普通当りが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。
【0031】
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、大入賞口50(第3領域、所定領域)が設けられている。また、大入賞口50内には、大入賞口50に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ104(
図5参照)が配設されている。カウントスイッチ104は、遊技球(大入賞口50への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、賞球(例えば15個)の払い出しを実行する。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、大入賞口50に入球した遊技球の数をカウントする。また、大入賞口50に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0032】
大入賞口50には、大入賞口50に遊技球が進入不可能な閉状態(進入不可状態)と遊技球が進入可能な開状態(進入可能状態)との間で動作可能な特別役物56(第2可動物、特定可動物)が設けられている。特別役物56は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)で大当りに当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。また、特別役物56は、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で小当りに当選すると開始される小当り遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。
【0033】
大入賞口50内には、特定領域(図示せず)と、排出領域(図示せず)と、大入賞口50内に入球した遊技球を特定領域および排出領域のうちのいずれかの領域へ振り分ける振分手段(図示せず)と、が設けられている。特定領域には、特定領域スイッチ107(
図5参照)が配設されている。特定領域スイッチ107は、特定領域を通過する遊技球(遊技球による特定領域の通過)の検出に基づき、検出信号を主制御基板200に対して出力する。振分手段は、大入賞口50内に入球した遊技球を特定領域へ振り分ける特定領域通過状態と、大入賞口50内に入球した遊技球を排出領域へ振り分ける非特定領域通過状態と、に変位することが可能となっている。すなわち、振分手段が特定領域通過状態に変位されている場合、大入賞口50内に入球した遊技球は、特定領域へ振り分けられる。これにより、大入賞口50内に入球した遊技球による排出領域の通過が不可能となる。一方、振分手段が非特定領域通過状態に変位されている場合、大入賞口50内に入球した遊技球は、排出領域へ振り分けられる。これにより、大入賞口50内に入球した遊技球による特定領域の通過が不可能となる。振分手段は、特定領域ソレノイドによって変位される。大入賞口50内に入球した遊技球は、まず、カウントスイッチ104により検出され、その後、振分手段によって特定領域および排出領域のうちのいずれかの領域へ振り分けられ、当該領域を通過した後に、排出路へ排出される。この際、特定領域へ振り分けられた遊技球は、特定領域スイッチ107により検出される。
【0034】
遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口46,47,49,50にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。ここで、遊技機内部には、遊技領域4から回収(排出)された遊技球が通過する排出路(図示せず)が設けられている。本遊技機では、遊技領域4に打ち出された全ての遊技球(遊技領域4から回収された全ての遊技球)が、排出路を通過するように構成されている。すなわち、遊技領域4に打ち出された遊技球は、いずれかの入賞口46,47,49,50に入球またはアウト口62を通過することによって、遊技領域4から回収され排出路へ流入する。具体的には、各入賞口46,47,49,50に入球した遊技球は、入賞口内に配設されたスイッチ100,101,103,104により検出された後に、排出路に誘導される。また、アウト口62から回収された遊技球は、排出路に誘導される。また、排出路には、アウトスイッチ106(
図5参照)が配設されている。アウトスイッチ106は、排出路を通過する遊技球(遊技領域4からの遊技球の排出)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、アウトスイッチ106からの検出信号の入力に基づいて、遊技領域4から排出された遊技球の数をカウントする。
【0035】
遊技球の発射装置は、
図1で示したグリップユニット20(ハンドル)の回転量を調整することにより遊技球の発射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4a(第1遊技領域4a、左打ち領域)を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4b(第2遊技領域4b、右打ち領域)を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0036】
遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4aを落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4bを落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動口49に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口50に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。本実施形態では、左打ちを第1遊技方法と呼び、右打ちを第2遊技方法と呼ぶ場合がある。
【0037】
本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4aを落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動口49および大入賞口50に遊技球が入球(入賞)することがないようになっている。また、遊技球が右側の遊技領域4bを落下する場合には、第1始動口46および一般入賞口47に遊技球が入球することがないようになっている。
【0038】
図3に示すように、遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。
【0039】
図4は、状態表示部70の外観構成を示す正面図である。状態表示部70には、普通図柄表示部72、普通保留表示部74、第1特別図柄表示部76、第1特別保留表示部78、第2特別図柄表示部81、第2特別保留表示部82、遊技状態表示部84が設けられている。
【0040】
普通図柄表示部72は、2つのランプにより構成され、普通図柄抽選が行われる場合に2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示し、2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示して、普通図柄抽選の結果を表示する。
【0041】
普通保留表示部74は、2つのランプにより構成され、通過ゲート48を遊技球が通過した時点で既に普通図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、普通図柄抽選用乱数値を取得しても普通図柄抽選を行うことができないことにより普通図柄抽選用乱数値が保留された場合に、保留されている普通図柄抽選用乱数値の数に対応する普通保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0042】
第1特別図柄表示部76は、7セグメントディスプレイにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入することにより第1特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示して、第1特別図柄抽選の結果を表示する。
【0043】
第1特別保留表示部78は、2つのランプにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値(抽選情報)を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第1特別乱数値として保留された場合に、保留されている第1特別乱数値の数に対応する第1特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示する。
【0044】
第2特別図柄表示部81は、7セグメントディスプレイにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入することにより第2特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示して、第2特別図柄抽選の結果を表示する。
【0045】
第2特別保留表示部82は、2つのランプにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第2特別乱数値として保留された場合に、保留されている第2特別乱数値の数に対応する第2特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示する。
【0046】
遊技状態表示部84は、6つのランプにより構成され、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、現在設定されている遊技状態の種類を表示する。詳細は後述するが、本実施形態では、
図8に示すように、通常状態と、微時短状態と、時短状態と、特別遊技状態と、を含む複数の遊技状態を設定可能となっている。時短状態は、通常状態および微時短状態と比較して、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が短縮され、特別図柄抽選の実行契機が頻繁に到来する遊技状態となっている。
【0047】
図5は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、主制御基板200(主制御手段)、副制御基板202(副制御手段)および枠制御基板201を含む制御基板によって制御される。そして、主制御基板200、副制御基板202および枠制御基板201の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0048】
主制御基板200は、ゲートスイッチ102、第1始動口スイッチ100、第2始動口スイッチ103、一般入賞口スイッチ101、カウントスイッチ104、アウトスイッチ106、特定領域スイッチ107等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、普通役物54、特別役物56等の出力手段の動作制御を行う。
【0049】
副制御基板202は、主制御基板200から送られてくる信号や、演出ボタンスイッチ150からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、前枠ランプ12、スピーカー14、液晶ディスプレイ32、照明装置38等の演出装置の動作制御を行う。
【0050】
枠制御基板201は、主制御基板200から送られてくる信号や、計数ボタン212からの入力信号を受けて、持玉(遊技球数)に関する制御を行い、遊技価値数表示装置211等の制御を行う。枠制御基板201は、主制御基板200と双方向に通信可能となっている。
【0051】
主制御基板200は、乱数発生手段210、普通図柄抽選手段220、普通表示制御手段222、普通役物制御手段224、特別図柄抽選手段230(抽選手段)、特別表示制御手段240、遊技状態移行制御手段250(状態制御手段)、特別遊技実行手段260、払出制御手段270、通信制御手段280およびメインメモリ290等を含んで構成されている。
【0052】
乱数発生手段210は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0053】
普通図柄抽選手段220は、通過ゲート48を通過する遊技球を1個ずつ検出するゲートスイッチ102から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から普通図柄抽選用乱数値を取得してメインメモリ290の普通乱数記憶手段2912に格納し、普通乱数記憶手段2912から読み出した普通図柄抽選用乱数値について普通当りの当否などを決定する普通図柄抽選を行う。
【0054】
詳細には普通乱数記憶手段2912には、取得した普通図柄抽選用乱数値を格納する記憶領域として、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4の4つの普通保留記憶領域が設けられ、普通保留記憶領域1から読み出して普通図柄抽選を行った普通図柄抽選用乱数値を普通図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの当該普通保留記憶領域が設けられている。
そして、普通図柄抽選手段220は、乱数発生手段210から普通図柄抽選用乱数値を取得すると、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4のいずれにも普通図柄抽選用乱数値が格納されていない状態では、取得した普通図柄抽選用乱数値をまずは普通保留記憶領域1に格納する。そして、普通保留記憶領域1に普通図柄抽選用乱数値が格納された時点で、普通図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち当該普通保留記憶領域に普通図柄抽選用乱数値が格納されておらず、普通役物54を開状態にする制御の実行中でない場合には、直ちに普通保留記憶領域1から普通図柄抽選用乱数値を読み出して普通図柄抽選を行い、普通図柄抽選を行った普通図柄抽選用乱数値を当該普通保留記憶領域に格納する。一方、普通図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち当該普通保留記憶領域に普通図柄抽選用乱数値が格納されているか、普通役物54を開状態にする制御の実行中である場合には、普通保留記憶領域1において普通図柄抽選用乱数値を保留する。
【0055】
そして、普通保留記憶領域1において普通図柄抽選用乱数値が保留されている状態で更にゲートスイッチ102から検出信号が入力されて普通図柄抽選用乱数値が取得された場合には、普通図柄抽選手段220は、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4において保留されている普通図柄抽選用乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち普通保留数が4個未満であることを条件に、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4のうち普通図柄抽選用乱数値が保留されていない普通保留記憶領域であって序数が最小である普通保留記憶領域に普通図柄抽選用乱数値を格納する。
【0056】
そして、普通図柄抽選手段220は、普通図柄の変動表示および停止表示が終了すると、当該普通保留記憶領域に格納されている普通図柄抽選用乱数値を消去し、普通保留記憶領域1において普通図柄抽選用乱数値が保留されている場合には、普通役物54を開状態にする制御の実行中でないことを条件に、普通保留記憶領域1から普通図柄抽選用乱数値を読み出して普通図柄抽選を行い、普通図柄抽選を行った普通図柄抽選用乱数値を当該普通保留記憶領域に格納する。ここで、普通保留記憶領域2以降に普通図柄抽選用乱数値が残存している場合には、残存している普通図柄抽選用乱数値を元の普通保留記憶領域から序数が1つ小さい普通保留記憶領域に移動させる。例えば、普通保留記憶領域2~普通保留記憶領域3に普通図柄抽選用乱数値が残存している場合には、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域2に移動させる。
【0057】
こうして普通乱数記憶手段2912では、普通図柄抽選が行われた普通図柄抽選用乱数値が当該普通保留記憶領域において1個を上限として保留され、普通図柄抽選が行われていない普通図柄抽選用乱数値が普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4において4個を上限として保留される。
【0058】
普通図柄抽選手段220は、普通図柄抽選として、普通当り決定処理などを行う。
【0059】
普通当り決定処理は、「普通当り」の当否を決定する処理である。普通当り決定処理では、普通図柄抽選手段220は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の普通図柄抽選テーブルのうち、いずれの普通図柄抽選テーブルを参照して乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて選択する。ここで、各普通図柄抽選テーブルは、0~99の100個の普通図柄抽選用乱数値のそれぞれに対して、「普通当り」または「ハズレ」が対応付けられたものである。そして、普通図柄抽選手段220は、選択した普通図柄抽選テーブルを参照して、普通乱数記憶手段2912から読み出した1つの普通図柄抽選用乱数値が普通当りに対応づけられているか否かを判定することにより、「普通当り」が当選したか否かを判定する。
【0060】
遊技状態が時短状態(微時短状態を除く、以下同様)である場合に選択される普通図柄抽選テーブルは、遊技状態が時短状態でない場合に選択される普通図柄抽選テーブルに比べ、「普通当り」が当選する確率が高く設定されている。換言すると、遊技状態が時短状態である場合に行われる普通図柄抽選は、遊技状態が時短状態でない場合に行われる普通図柄抽選に比べ、「普通当り」が当選する確率が高くなっている。
【0061】
普通表示制御手段222は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて状態表示部70の表示を制御する手段であって、普通図柄表示制御処理、普通保留表示制御処理を行う。
【0062】
普通図柄表示制御処理では、普通表示制御手段222は、所定の変動時間が経過するまで、普通図柄表示部72の2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示させ、普通当り決定処理において「普通当り」が当選したか否かに応じて、普通図柄表示部72の2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示させることにより、普通図柄表示部72に普通図柄抽選の結果を表示させる。
【0063】
本実施形態では、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態に応じて普通図柄の変動時間を決定される。具体的には、遊技状態が時短状態である場合、遊技状態が時短状態でない場合よりも、普通図柄の変動時間が短く設定される。例えば、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が時短状態でない場合、普通図柄の変動時間が第1時間(例えば20秒)に設定され、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が時短状態である場合、普通図柄の変動時間が第1時間よりも短い第2時間(例えば1秒)に設定される。よって、遊技状態が時短状態である場合の方が、普通図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0064】
普通保留表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通乱数記憶手段2912に格納されている普通図柄抽選用乱数値の数に応じて、普通保留表示部74の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0065】
普通役物制御手段224は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて普通役物54を制御する手段である。普通役物制御手段224は、遊技状態が時短状態でない場合に、普通図柄が「普通当り」の当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、時間A(例えば0.1秒)が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。また、普通役物制御手段224は、遊技状態が時短状態である場合に、普通図柄が「普通当り」の当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、時間Aよりも長い時間B(例えば6秒)が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。
【0066】
したがって、普通図柄抽選において「普通当り」となった場合に、遊技状態が時短状態でなければ、第2始動口49への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物54が動作するが、遊技状態が時短状態であれば、第2始動口49への遊技球の進入しやすさが増加するように普通役物54が動作する。本実施形態では、時短状態は、通常状態および微時短状態よりも第2始動口49への遊技球の進入が容易となるように普通役物54が動作制御される。よって、時短状態は、通常状態および微時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
【0067】
なお、本実施形態では、通常状態と微時短状態とで、普通役物54の動作に関する制御が異なっている。微時短状態では、通常状態よりも僅かに普通役物54の開放時間(拡大状態となっている時間)が長く設定されている。なお、微時短状態は、普通図柄抽選の当選確率、普通図柄の変動時間または普通役物54の開放時間のうちのいずれか1つ以上が、通常状態と異なっていればよい。例えば、微時短状態と通常状態とで、普通図柄抽選の当選確率および普通役物54の開放時間が同一であり、かつ普通図柄の変動時間が異なっていてもよく、その場合、普通図柄の変動時間は、微時短状態の方が通常状態よりも僅かに短い時間となっていてもよい。
【0068】
特別図柄抽選手段230(抽選手段)は、第1始動口46に進入する遊技球を1個ずつ検出する第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値として格納する。また、特別図柄抽選手段230は、第2始動口49に進入する遊技球を1個ずつ検出する第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、特別乱数記憶手段2914に第2特別乱数値として格納する。特別図柄抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から読み出した第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を用いて、大当りの当否などを決定する特別図柄抽選を行う。
【0069】
特別乱数記憶手段2914には、取得した第1特別乱数値を格納する記憶領域として第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4の4つの第1特別保留記憶領域が設けられ、第1特別保留記憶領域1から読み出して特別図柄抽選を行った第1特別乱数値を第1特別図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの第1当該特別保留記憶領域が設けられている。
【0070】
特別図柄抽選手段230は、第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて特別図柄抽選用乱数値を取得すると、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれにも第1特別乱数値が格納されていない状態では、取得した特別図柄抽選用乱数値をまずは第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値として格納する。そして、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納された時点で、第1特別図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち第1当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値が格納されておらず、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でない場合には、直ちに第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第1特別乱数値を第1当該特別保留記憶領域に格納する。一方、第1特別図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち第1当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値が格納されているか、または遊技状態が特別遊技状態であるか、小当り遊技の実行中である場合には、第1特別保留記憶領域1において第1特別乱数値を保留する。
【0071】
そして、第1特別保留記憶領域1において第1特別乱数値が保留されている状態で更に第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されて特別図柄抽選用乱数値が取得された場合には、特別図柄抽選手段230は、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において保留されている第1特別乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち第1特別保留数が4個未満であることを条件に、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のうち第1特別乱数値が保留されていない保留記憶領域であって序数が最小である第1特別保留記憶領域に第1特別乱数値として格納する。
【0072】
特別乱数記憶手段2914には、取得した第2特別乱数値を格納する記憶領域として第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4の4つの第2特別保留記憶領域が設けられ、第2特別保留記憶領域1から読み出して特別図柄抽選を行った第2特別乱数値を第2特別図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの第2当該特別保留記憶領域が設けられている。
【0073】
特別図柄抽選手段230は、第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて特別図柄抽選用乱数値を取得すると、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていない状態では、取得した特別図柄抽選用乱数値をまずは第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値として格納する。そして、第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値が格納された時点で、第2特別図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち第2当該特別保留記憶領域に第2特別乱数値が格納されておらず、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でない場合には、直ちに第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第2特別乱数値を第2当該特別保留記憶領域に格納する。一方、第2特別図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち第2当該特別保留記憶領域に第2特別乱数値が格納されているか、または遊技状態が特別遊技状態であるか、小当り遊技の実行中である場合には、第2特別保留記憶領域1において第2特別乱数値を保留する。
【0074】
そして、第2特別保留記憶領域1において第2特別乱数値が保留されている状態で更に第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されて特別図柄抽選用乱数値が取得された場合には、特別図柄抽選手段230は、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において保留されている第2特別乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち第2特別保留数が4個未満であることを条件に、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のうち第2特別乱数値が保留されていない第2特別保留記憶領域であって序数が最小である第2特別保留記憶領域に第2特別乱数値として格納する。
【0075】
特別図柄抽選手段230は、第1特別図柄の変動表示および停止表示が終了すると、第1当該特別保留記憶領域に格納されている第1特別乱数値を消去する。そして、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納されている場合には、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でないことを条件に、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第1特別乱数値を第1当該特別保留記憶領域に格納する。また、特別図柄抽選手段230は、第2特別図柄の変動表示および停止表示が終了すると、第2当該特別保留記憶領域に格納されている第2特別乱数値を消去する。そして、第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値が格納されている場合には、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でないことを条件に、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第2特別乱数値を第2当該特別保留記憶領域に格納する。本実施形態では、第1特別乱数値と第2特別乱数値を並行して消化するため、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の変動表示が開始されたり、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の変動表示が開始されたりすることがあるようになっている。
【0076】
なお、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納されている場合には、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていないことを条件に、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに第2特別乱数値が格納されている場合には、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに第1特別乱数値が格納されていたとしても、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行うようにしてもよい。すなわち、第1特別乱数値よりも第2特別乱数値を優先して消化するようにしてもよい。また、第1特別乱数値であるか第2特別乱数値であるかに関わらず、特別乱数記憶手段2914に格納された順序で第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行うようにしてもよい。すなわち第1始動口46あるいは第2始動口49に遊技球が進入した順序で第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を消化するようにしてもよい。
【0077】
第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出した時点で、第1特別保留記憶領域2以降に第1特別乱数値が残存している場合には、あるいは第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出した時点で、第2特別保留記憶領域2以降に第2特別乱数値が残存している場合には、残存している第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を元の特別保留記憶領域から序数が1つ小さい特別保留記憶領域に移動させる。例えば、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出した時点で、第1特別保留記憶領域2~第1特別保留記憶領域4のそれぞれに第1特別乱数値が残存している場合には、第1特別保留記憶領域2~第1特別保留記憶領域4のそれぞれに格納されている第1特別乱数値を、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3のそれぞれに移動させ、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出した時点で、第2特別保留記憶領域2~第2特別保留記憶領域3のそれぞれに第2特別乱数値が残存している場合には、第2特別保留記憶領域2~第2特別保留記憶領域3のそれぞれに格納されている第2特別乱数値を、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域2のそれぞれに移動させる。
【0078】
特別乱数記憶手段2914では、特別図柄抽選が行われていない第1特別乱数値が第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において4個を上限として保留される。また、特別図柄抽選が行われていない第2特別乱数値が第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において4個を上限として保留される。
【0079】
次に、特別図柄抽選の詳細について説明する。特別図柄抽選手段230は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、特別図柄抽選用乱数値として、大当り決定乱数値、図柄決定乱数値などの複数種類の乱数値を取得し、これらの複数種類の乱数値を特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納する。そして、特別図柄抽選手段230は、特別図柄抽選として、大当り決定処理、図柄決定処理などを行う。
【0080】
大当り決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの大当り決定乱数値を読み出して、大当りなどの当否を決定する処理である。ここで1つの大当り決定乱数値は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~65535の65536個の大当り決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0081】
大当り決定処理では、特別図柄抽選手段230は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の大当り抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの大当り決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。
【0082】
本実施形態では、抽選テーブル記憶手段2910に、
図6(a)に示す大当り抽選テーブルAと、
図6(b)に示す大当り抽選テーブルBと、が記憶されている。各大当り抽選テーブルでは、0~65535の65536個の大当り決定乱数値のそれぞれに対して、大当たりなどが対応付けられている。
【0083】
大当り抽選テーブルAは、第1特別乱数値について大当り決定処理を行う場合に選択され、「大当り」が1/350(187/65536)の確率で当選し、「C時短」が349/350(65349/65536)の確率で当選するように、各判定結果と大当り決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、大当り抽選テーブルAを参照して、第1保留記憶領域1から読み出した大当り決定乱数値が、「大当り」または「C時短」に対応付けられているか否かを判定することにより、「大当り」または「C時短」が当選したか否かを決定する。本実施形態では、第1特別図柄抽選では、「大当り」または「C時短」のいずれかに必ず当選するようになっている。なお、本実施形態では、第1特別図柄抽選において「大当り」または「C時短」に当選する確率は、遊技状態に応じて変化しないようになっている。第1特別図柄抽選では、当り(大当り)に当選する場合と、当りに当選しない場合と、があり、後者の場合(ハズレと称してもよい)に、C時短(後述するC時短1またはC時短2)に当選する場合が含まれる。なお、「当りに当選しない場合」には、時短にも当選しない場合(換言すると完全なハズレとなる場合)が含まれてもよい。
【0084】
大当り抽選テーブルBは、第2特別乱数値について大当り決定処理を行う場合に選択され、「大当り」が1/350(187/65536)の確率で当選し、「小当り」が1/139.8(469/65536)の確率で当選するように、各判定結果と大当り決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、大当り抽選テーブルBを参照して、第2保留記憶領域1から読み出した大当たり決定乱数値が、「大当り」または「小当り」に対応付けられているか否かを判定することにより、「大当り」または「小当り」が当選したか否かを決定する。なお、本実施形態では、第2特別図柄抽選において「大当り」または「小当り」に当選する確率は、遊技状態に応じて変化しないようになっている。第2特別図柄抽選では、当り(大当りまたは小当り)に当選する場合と、当りに当選しない場合と、がある。なお、後者の「当りに当選しない場合」には、当りに当選せずにC時短に当選する場合は含まれない。
【0085】
図柄決定処理は、大当り決定処理において、「大当り」、「C時短」、または「小当り」に当選した場合に行われる処理である。図柄決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの図柄決定乱数値を読み出して、「大当り」に当選した場合には、大当り図柄(大当りの種別)を複数の大当り図柄のうちのいずれにするかを決定し、「C時短」に当選した場合には、時短図柄(C時短の種別)を複数の時短図柄のうちのいずれにするかを決定し、「小当り」に当選した場合には、小当り図柄(小当りの種別)を複数の小当り図柄のうちのいずれにするかを決定する処理である。ここで、1つの図柄決定乱数値は、第1始動口スイッチ100、第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~199の200個の図柄決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0086】
図柄決定処理では、特別図柄抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の図柄抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。
【0087】
本実施形態では、抽選テーブル記憶手段2910に、
図7(a)に示す図柄抽選テーブルAと、
図7(b)に示す図柄抽選テーブルBと、
図7(c)に示す図柄抽選テーブルCと、
図7(d)に示す図柄抽選テーブルDと、が記憶されている。各図柄抽選テーブルでは、図柄決定乱数値のそれぞれに対して、所定の図柄が対応付けられている。
【0088】
図7(a)に示す図柄抽選テーブルAは、「大当り」に当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「大当り1」(10R時短10000)が0.005/100の確率で当選し、「大当り2」(7R時短110)が59.997/100の確率で当選し、「大当り3」(7R時短0)が39.998/100の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルAを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の大当り図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の大当り図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0089】
図7(b)に示す図柄抽選テーブルBは、「C時短」に当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「C時短1」(微時短1329)が80.5/100(約80%)の確率で当選し、「C時短2」(時短1329)が19.5/100(約20%)の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルBを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の時短図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の時短図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0090】
図7(c)に示す図柄抽選テーブルCは、「大当り」に当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第2特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「大当り4」(10R時短10000)が12.8/100の確率で当選し、「大当り5」(10R時短110)が87.2/100の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルCを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の大当り図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の大当り図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0091】
図7(d)に示す図柄抽選テーブルDは、「小当り」に当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第2特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「小当り1」(10R時短10000)が50/100の確率で当選し、「小当り2」が50/100(10R時短110)の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルDを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の小当り図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の小当り図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0092】
特別遊技実行手段260は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて特別遊技を実行する手段であって、特別遊技の実行処理などを行う。また、特別遊技実行手段260は、特別図柄抽選において「小当り」に当選したことに基づいて小当り遊技を実行する手段であって、小当り遊技の実行処理などを行う。なお、特別遊技という場合、小当り遊技を含むものであってもよい。
【0093】
特別遊技状態は、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選あるいは第2特別図柄抽選)において「大当り」に当選したことに基づき開始され、大当り図柄の種類(種別)に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の特別遊技が実行されると終了する。特別図柄抽選において、「大当り1」、「大当り4」または「大当り5」が当選したことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第10ラウンドの10ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。特別図柄抽選において、「大当り2」または「大当り3」が当選したことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第7ラウンドの7ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。詳細は後述するが、特別図柄抽選において「大当り」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に、大当り図柄に応じた所定の時短回数が設定されて時短状態が開始される、あるいは大当り図柄に応じた所定の微時短回数が設定されて微時短状態が開始される。
【0094】
小当り遊技状態は、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)において「小当り」に当選したことに基づき開始され、予め定められた回数(本実施形態では1回)の小当り遊技が実行されると終了する。小当り遊技では、特別役物56が、大入賞口50への遊技球の進入を可能とする開状態となり、振分手段が、非特定領域通過状態から特定領域通過状態に変位される。具体的には、小当り遊技では、当該小当り遊技の実行中に大入賞口50へ入球した遊技球による特定領域の通過が容易(可能)となるように、振分手段が、非特定領域通過状態から特定領域通過状態に変位される。これにより、第2特別図柄抽選において「小当り1」または「小当り2」のいずれかに当選した場合、小当り遊技状態において、遊技球による特定領域の通過が容易(可能)となる。そして、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合(小当り遊技の実行中に大入賞口50に入球した遊技球による特定領域の通過が検出された場合)、小当り遊技状態の終了に基づき、特別遊技状態が開始される。
【0095】
第2特別図柄抽選において「小当り1」に当選し、かつ、小当り遊技状態において遊技球の特定領域の通過が検出された場合、特別遊技(ラウンド遊技)の回数が9回に設定される。これにより、小当り遊技を1回目のラウンド遊技として10回のラウンドが実行されることになる。そして、10ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。また、第2特別図柄抽選において「小当り2」に当選し、かつ、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技(ラウンド遊技)の回数が9回に設定される。これにより、小当り遊技を1回目のラウンド遊技として10回のラウンドが実行されることになる。そして、10ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。詳細は後述するが、特別遊技状態の終了時に、小当り図柄に応じた所定の時短回数が設定され、時短状態が開始される。なお、小当り遊技状態において遊技球の特定領域の通過が検出されなかった場合(小当り遊技の実行中に大入賞口50に入球した遊技球による特定領域の通過が検出されなかった場合)には、特別遊技状態は開始されず、通常状態が開始される。
【0096】
本実施形態では、各ラウンドの特別遊技(小当り遊技を含む)において、特別役物56が開状態となってからメインメモリ290の開放タイマーが所定時間(29秒)をカウントするか、カウントスイッチ104が1個の遊技球の進入を検出すると1個分の遊技球に相当する値(例えば1)が加算されるメインメモリ290の大入賞数カウンタ(図示せず)の値が上限値(例えば10)に達すると、特別役物56が閉状態となるように特別役物駆動装置の駆動制御が行われる。
【0097】
特別表示制御手段240は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示制御処理、第2特別図柄表示制御処理、第1特別保留表示制御処理、第2特別保留表示制御処理を行う。
【0098】
第1特別図柄表示制御処理は、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、変動時間が経過するまで、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示させた後に、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させる。
【0099】
本実施形態では、各大当り図柄、時短図柄、小当り図柄のそれぞれに対応して7セグメントディスプレイの表示態様が予め定められている。
特別表示制御手段240は、大当り決定処理において、「大当り」または「C時短」に当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理において「大当り」に当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、また大当り決定処理において「C時短」に当選した場合には図柄決定処理で決定された時短図柄に応じた態様で、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させ、第1特別図柄表示部76に特別図柄抽選の結果を表示させる。
【0100】
第2特別図柄表示制御処理は、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、変動時間が経過するまで、第2特別図柄表示部81の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示させた後に、第2特別図柄表示部81の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させる。
【0101】
特別表示制御手段240は、大当り決定処理において、「大当り」または「小当り」に当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理において「大当り」に当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、また大当り決定処理において「小当り」に当選した場合には図柄決定処理で決定された小当り図柄に応じた態様で、第2特別図柄表示部81の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示部81に特別図柄抽選の結果を表示させる。
【0102】
第1特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値の数に応じて、第1特別保留表示部78の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示させる。
【0103】
第2特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第2特別乱数値の数に応じて、第2特別保留表示部82の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示させる。
【0104】
本実施形態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)において「大当り」に当選すると、大入賞口50への遊技球の入球が可能(容易)となる特別遊技状態が開始される。また、第2特別図柄抽選において「小当り」に当選すると、大入賞口50への遊技球の入球が可能(容易)となる小当り遊技状態が開始され、小当り遊技状態において大入賞口50へ入球した遊技球による特定領域の通過が検出されると、大入賞口50への遊技球の入球が可能(容易)となる特別遊技状態が開始される。遊技者は、大入賞口50へ遊技球を入球させることによって、多くの賞球を獲得することが可能となる。本実施形態では、第2特別図柄抽選に基づき特別遊技状態へ移行する確率が、第1特別図柄抽選に基づき特別遊技状態へ移行する確率に比べて高くなっている。具体的には、第1特別図柄抽選では、抽選結果として「小当り」が設定されておらず、「大当り」に当選した場合にのみ特別遊技状態に移行する。一方、第2特別図柄抽選では、抽選結果として「大当り」と「小当り」とが設定されており、「大当り」に当選した場合に特別遊技状態に移行するとともに、「小当り」に当選し、かつ、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合に、特別遊技状態へ移行する。
【0105】
本実施形態では、第1特別図柄抽選の機会を獲得するよりも、第2特別図柄抽選の機会を獲得した方が、特別遊技状態への移行が決定する確率が高くなっている。なお、上述のとおり、第2特別図柄抽選の機会を獲得するためには、普通図柄抽選において「普通当り」に当選し、かつ、普通役物54(普通電動役物)が開状態(開放状態)となっているときに第2始動口49へ遊技球を入球(進入)させる必要がある。また、第2始動口49への遊技球の進入のしやすさ(入球のさせやすさ)は遊技状態に応じて異なっている。
【0106】
遊技状態移行制御手段250は、
図8に示すように、所定の条件(移行条件)の成立に基づき各遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。
【0107】
(通常状態)
通常状態(通常遊技状態)は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態である。上述のとおり、通常状態は、普通図柄抽選において「普通当り」に当選する確率が時短状態よりも低くなっている。また、普通図柄抽選において「普通当り」に当選した場合であっても、第2始動口49への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物54が動作する。このため、通常状態は、遊技球を第2始動口49に入球させることが困難(不可能)となっている。換言すると、第2特別図柄抽選の機会を獲得することが困難(不可能)となっている。通常状態は、第1特別図柄抽選の機会を得るべく、第1始動口46に遊技球が入球するように左打ちを行う方が右打ちを行うよりも遊技者に有利となっている。換言すると、通常状態は、左打ちを行うべき遊技状態となっている。
【0108】
図8に示すように、通常状態における特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り」に当選したことに基づき特別遊技状態へ移行する。
図7(a)に示すように、当該特別図柄抽選で「大当り1」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として10000回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「大当り2」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として110回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「大当り3」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数(微時短回数)として1329回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、微時短状態へ移行する。
【0109】
また、
図7(b)に示すように、通常状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短1」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」に応じた態様で停止表示された場合(第1特別図柄が確定した場合)、その停止表示(確定)を契機として、当該時短図柄に応じた時短回数(微時短回数1329回)が設定され、微時短状態へ移行する。また、通常状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短2」に当選し、第1特別図柄が「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合(第1特別図柄が確定した場合)、その停止表示(確定)を契機として、当該時短図柄に応じた時短回数(時短回数1329回)が設定され、時短状態へ移行する。
【0110】
本実施形態では、通常状態での第1特別図柄抽選で「大当り」または「C時短」のいずれかに必ず当選し、通常状態において当該第1特別図柄抽選が実行されたことに基づき、微時短状態、時短状態または特別遊技状態のいずれかに移行するようになっている。
【0111】
時短図柄「C時短2」は、大入賞口50への遊技球の入球が容易となる遊技状態(特別遊技状態または小当り遊技状態)への移行が付与されず、特別遊技状態または小当り遊技状態を経由せずに時短状態へ移行可能な時短図柄となっている。なお、通常状態以外の遊技状態において、第1特別図柄抽選で「C時短1」または「C時短2」に当選し、第1特別図柄が停止表示された場合、当該停止表示を契機として時短状態または微時短状態へは移行しないようになっている。当該「移行しない」には、すでにその遊技状態に滞在している場合に、所定の時短回数(微時短回数)が再設定されないことが含まれる。
【0112】
(微時短状態)
上述のとおり、微時短状態(第2特定遊技状態)は、普通図柄抽選において「普通当り」に当選する確率が時短状態よりも低くなっている(または時短状態と同等となっている)。また、普通図柄抽選において「普通当り」に当選した場合であっても、第2始動口49への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物54が動作する。このため、微時短状態は、時短状態を構成する機能の少なくとも一部が作動しており、通常状態と比べるとわずかながら第2始動口49への入球は容易となっているが、遊技者が右打ちを行った場合であっても、遊技球を第2始動口49に入球させることが困難(不可能)となっている。換言すると、第2特別図柄抽選の機会を獲得することが困難(不可能)となっている。微時短状態は、第1特別図柄抽選の機会を得るべく、第1始動口46に遊技球が入球するように左打ちを行う方が、右打ちを行うよりも遊技者に有利となっている。換言すると、微時短状態は、左打ちを行うべき遊技状態となっている。
【0113】
図8に示すように、微時短状態における特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り」に当選したことに基づき特別遊技状態へ移行する。
図7(a)に示すように、当該特別図柄抽選で「大当り1」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として10000回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「大当り2」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として110回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「大当り3」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数(微時短回数)として1329回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、微時短状態へ移行する。
【0114】
遊技状態移行制御手段250は、微時短状態での第1特別図柄の変動表示回数が1329回に到達したことに基づき、微時短状態の終了条件が成立したものとし、微時短状態を終了させ、通常状態へ移行させる。本実施形態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り3」に当選したことに基づく特別遊技状態の終了時に、メインメモリ290の微時短カウンタ2916の記憶値に微時短回数が設定される。また、通常状態において特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短1」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」に応じた態様で停止表示された場合、当該停止表示を契機として微時短カウンタ2916の記憶値に微時短回数が設定される。微時短状態では、第1特別図柄の変動表示が行われるごとに、微時短カウンタ2916の記憶値から「1」が減算される。そして、微時短カウンタ2916の記憶値が「0」に達したことに基づき、微時短終了条件が成立して微時短状態が終了し、通常状態が開始される。なお、本実施形態では微時短カウンタ2916の記憶値が減算されて所定の値「0」に達した場合に微時短終了条件が成立するものとしたが、これに限らず、微時短カウンタ2916の記憶値が加算されて所定の値(例えば「1329」)に達した場合に微時短終了条件が成立するように構成されていてもよい。
【0115】
微時短状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短」(「C時短1」または「C時短2」)に当選し、第1特別図柄が「C時短1」または「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合、その停止表示を契機として、微時短状態または時短状態が開始(設定)されることはない(新たな時短回数が設定されない)。換言すると、当該当選時の遊技状態が継続される。なお、微時短状態において、第1特別図柄抽選の結果「C時短1」または「C時短2」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」または「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合、その停止表示を契機として新たな時短回数が設定され得るように構成されていてもよい。
【0116】
(時短状態)
上述のとおり、時短状態(第1特定遊技状態)は、普通図柄抽選において「普通当り」に当選する確率が通常状態や微時短状態よりも高くなっている。また、普通図柄抽選において「普通当り」に当選した場合、第2始動口49への遊技球の進入しやすさが増加するように普通役物54が動作する。このため、時短状態は、通常状態や微時短状態に比べて、遊技球を第2始動口49に入球させることが容易となっている。換言すると、第2特別図柄抽選の機会を獲得することが容易となっている。時短状態は、第2特別図柄抽選の機会を得るべく、遊技球が通過ゲート48を通過するように右打ちを行う方が、左打ちを行うよりも遊技者に有利となっている。換言すると、時短状態は、右打ちを行うべき遊技状態となっている。
【0117】
図8に示すように、時短状態における特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で「大当り」または「小当り」に当選したことに基づき特別遊技状態(小当り遊技状態経由を含む)へ移行する。
図7(c)に示すように、当該特別図柄抽選で「大当り4」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として10000回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「大当り5」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として110回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「小当り1」に当選し、かつ小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として10000回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「小当り2」に当選し、かつ小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として110回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。
【0118】
遊技状態移行制御手段250は、時短状態での第2特別図柄の変動表示回数が110回(または10000回)に到達したことに基づき、時短状態の終了条件(所定の条件)が成立したものとし、時短状態を終了させ、通常状態へ移行させる。本実施形態では、特別遊技状態の終了時に、メインメモリ290の時短カウンタ2915の記憶値に、当選図柄の種別に応じた時短回数が設定され、時短状態において第2特別図柄の変動表示が行われるごとに、時短カウンタ2915の記憶値から「1」が減算される。そして、時短カウンタ2915の値が「0」に達したことに基づき時短終了条件が成立して時短状態が終了し、通常状態が開始される。なお、本実施形態では時短カウンタ2915の記憶値が減算されて所定の値「0」に達した場合に時短終了条件が成立するものとしたが、これに限らず、時短カウンタ2915の記憶値が加算されて所定の値「110」(または「10000」)に達した場合に時短終了条件が成立するように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、時短カウンタ2915と微時短カウンタ2916とがそれぞれ設けられているものとしたが、これに限らず、いずれか1つのカウンタで管理(制御)されるようになっていてもよい。
【0119】
時短状態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短」(「C時短1」または「C時短2」)に当選し、第1特別図柄が「C時短1」または「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合、その停止表示を契機として、微時短状態または時短状態が開始(設定)されることはない(新たな時短回数が設定されない)。換言すると、当該当選時の遊技状態が継続される。なお、時短状態において、第1特別図柄抽選の結果「C時短1」または「C時短2」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」または「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合、その停止表示を契機として新たな時短回数が設定され得るように構成されていてもよい。
【0120】
図5に戻り説明する。払出制御手段270は、第1始動口スイッチ100からの検出信号、第2始動口スイッチ103からの検出信号、一般入賞口スイッチ101からの検出信号、カウントスイッチ104からの検出信号が入力されたことに基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する数の遊技球を(電子的に)払い出す制御を行う。
【0121】
通信制御手段280は、主制御基板200における各種の演算結果に応じて生成された各種のコマンドを、副制御基板202や枠制御基板201に送信する制御を行っている。なお、本実施形態では、主制御基板200と副制御基板202との間では、主制御基板200から副制御基板202への単方向通信のみが可能となっており、副制御基板202からは主制御基板200へ情報を送信することができないように通信接続されている。
【0122】
次に、副制御基板202について説明する。副制御基板202は、演出制御手段300と、サブメモリ302と、を含んで構成されている。
【0123】
演出制御手段300は、主制御基板200から送信される各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号や、サブメモリ302の演出データ記憶手段303に記憶されている演出データに基づいて演出装置を制御し、前枠ランプ12や照明装置38を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させたり、音響装置を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置を駆動して演出物を動作させたりするなど、演出装置を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置に実行させる。
【0124】
演出データ記憶手段303には、液晶ディスプレイ32に画像を表示させるための多数の演出画像データが記憶されており、演出制御手段300は、これらの演出画像データに基づいて、1フレーム(1/30秒)ごとにサブメモリ302のフレームバッファに画像を描画して、描画した画像を液晶ディスプレイ32に表示させることにより、液晶ディスプレイ32に動画を再生表示させる。
【0125】
演出制御手段300は、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて(対応させて)、あるいは第2特別図柄表示部81における第2特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて(対応させて)、演出図柄(デモ図柄)を液晶ディスプレイ32に表示させる演出を実行し、第1特別図柄抽選あるいは第2特別図柄抽選の結果を報知することが可能である。演出制御手段300は、微時短状態では、第1特別図柄の変動表示および停止表示に対応する演出図柄を液晶ディスプレイ32に表示させ、時短状態では、第2特別図柄の変動表示および停止表示に対応する演出図柄を液晶ディスプレイ32に表示させる。
【0126】
微時短状態における演出図柄の表示について説明する。
図9(a)は、第1特別図柄が変動表示を開始する前の状態を示している。液晶ディスプレイ32の表示領域32aに、演出図柄としての、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が表示されている。左演出図柄350は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける左側部に表示され、中演出図柄352は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける中央部に表示され、右演出図柄354は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける右側部に表示される。左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354はそれぞれ、「1」~「9」の数字を表す9種類の演出図柄列を構成している。なお、「1」~「9」の数字を表す各演出図柄は、数字とともにキャラクタなどの装飾部を含んで構成されていてもよい。
【0127】
図9(b)に示すように、第1特別図柄の変動表示の開始に基づき、演出図柄の変動表示(変動表示演出)が開始される。図中下向きの矢印は、演出図柄が、縦方向に高速で変動表示中(スクロール中)であることを示している。
【0128】
図9(c)に示すように、第1特別図柄の停止表示に基づき、演出図柄は停止表示される。演出図柄は、第1特別図柄抽選の結果に応じた態様で停止表示される。例えば、第1特別図柄抽選で「大当り」に当選した場合、図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で停止表示される。図示を省略するが、時短状態においても、微時短状態と同様に(
図9(a)、
図9(b)および
図9(c)に示すように)、第2特別図柄の変動表示および停止表示に応じて演出図柄を変動表示または停止表示させる。
【0129】
また、演出制御手段300は、主制御基板200における第1特別保留数(特別乱数記憶手段2914に格納(保留)されている第1特別乱数値)あるいは第2特別保留数(特別乱数記憶手段2914に格納(保留)されている第2特別乱数値)に基づき、第1特別保留数あるいは第2特別保留数を示す画像を、液晶ディスプレイ32に表示させる演出(保留演出)を実行する。
図9(a)などに示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の下部に、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4あるいは第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4に対応させて、第1保留表示領域411~第4保留表示領域414の4つの保留表示領域(表示領域)が設けられている。
【0130】
図9(a)は、微時短状態で実行された保留演出を示しており、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3に第1特別乱数値が格納され、第1保留表示領域411~第3保留表示領域413に第1保留画像420(3個の第1保留画像420)が表示されている。
図9(d)は、時短状態で実行された保留演出を示しており、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域2に第2特別乱数値が格納され、第1保留表示領域411~第2保留表示領域412に第2保留画像422(2個の第2保留画像422)が表示されている。
【0131】
また、保留演出では、液晶ディスプレイ32の表示領域32aの下部における第1保留表示領域411の左側の領域に、特別乱数記憶手段2914の当該特別保留記憶領域に対応させて、1つの当該保留表示領域430が表示される。当該保留表示領域430には、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値が読み出されて当該特別保留記憶領域に格納された場合には第1保留画像420が表示される(
図9(b))。また、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値が読み出されて当該特別保留記憶領域に格納された場合には第2保留画像422が表示される。
【0132】
本実施形態では、通常状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り1」に当選した場合と、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り2」に当選した場合と、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短2」に当選した場合とに、時短状態へ移行する。これに対し、微時短状態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り1」に当選した場合と、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り2」に当選した場合とに、時短状態へ移行する。このため、通常状態は、微時短状態よりも時短状態(遊技者に有利な遊技状態)へ移行する確率が高く、遊技者に有利となっている。換言すると、通常状態は、微時短状態に比べて「C時短2」に当選した場合に時短状態へ移行可能となっている分、時短状態へ移行する確率が高く、遊技者に有利となっている。本実施形態の遊技機は、RAMクリア(メインメモリ290のRAMにおける少なくとも一部の領域を初期化する処理)が実行された場合、遊技状態が通常状態に設定される。通常状態は、いわゆる「モーニング状態」となっている。
【0133】
上述のとおり、通常状態および微時短状態(左打ち時短状態)は、右打ちよりも左打ちが有利な遊技状態となっており、時短状態(右打ち時短状態)は、左打ちよりも右打ちが有利な遊技状態となっている。時短状態は、通常状態および微時短状態よりも、遊技球を第2始動口49に入球させることが容易となっており、第2始動口49への遊技球の入球に基づく第2特別図柄抽選は、第1特別図柄抽選よりも特別遊技状態への移行が決定する可能性が高くなっている。換言すると、時短状態は、通常状態および微時短状態よりも、特別遊技状態への移行が決定する確率が高くなっている。なお、本実施形態において、通常状態よりも第2始動口49への入球が容易となっている時短状態および微時短状態を高ベース状態と称し、通常状態を低ベース状態と称してもよい。
【0134】
図8に示すように、微時短状態(または通常状態)において第1特別図柄抽選で「大当り」に当選した場合、特別遊技状態へ移行し、所定回数の特別遊技が実行される。また、当選した「大当り」(大当り図柄)の種別が所定の種別(「大当り1」または「大当り2」)である場合、特別遊技状態の終了後に時短状態へ移行する。また、時短状態において第2特別図柄抽選で「大当り」または「小当り」に当選した場合、特別遊技状態(小当り遊技状態経由を含む)へ移行し、所定回数の特別遊技(小当り遊技を含む)が実行され、特別遊技状態の終了後に再び時短状態へ移行する。本実施形態の遊技機では、特別遊技状態と時短状態とが交互に繰り返される期間(特別遊技状態と時短状態との間で遊技状態の移行が繰り返される期間)が生じ得るようになっている。また、時短状態において時短状態の終了条件が成立した場合には通常状態へ移行するが、その通常状態において第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選した場合、再び時短状態へ移行するようになっている。換言すると、通常状態において時短状態への引き戻しが発生し得るようになっている。以下、特別遊技状態(小当り遊技状態経由を含む)と時短状態とが交互に繰り返される一連の期間を「連続期間」(連荘期間)と呼ぶ。また、時短状態終了後の通常状態において時短状態への引き戻しが決定された場合、連続期間は途切れることなく継続されるものとする。なお、時短状態終了後の通常状態とは、時短状態の終了条件が成立したことに基づき開始される通常状態を指すものとする。
【0135】
また、本実施形態において、第1特別図柄抽選において「C時短2」に当選したことを第1の結果が得られたと呼び、第1特別図柄抽選において「C時短1」に当選したことを第2の結果が得られたと呼ぶ場合がある。また、第1特別図柄抽選において「大当り」(「大当り1」~「大当り3」のいずれか)に当選したことを単に「当り」に当選したと呼び、当該「当り」の当選を第3の結果が得られたと呼ぶ場合がある。なお、第3の結果には、特定の結果(「大当り1」または「大当り2」に当選)が含まれる。また、第2特別図柄抽選において「大当り」または「小当り」に当選したことを単に「当り」に当選した(特定の結果が得られた)と呼ぶ場合がある。
【0136】
また、第1特別図柄抽選において「当り」に当選したことに基づく特別遊技状態を「第1特別遊技状態」と呼び、第2特別図柄抽選において「当り」に当選したことに基づく特別遊技状態(小当り遊技状態経由を含む)を「第2特別遊技状態」と呼ぶ場合がある。
【0137】
(第1当り演出)
演出制御手段300は、微時短状態(または通常状態)における第1特別図柄抽選で「当り」に当選したことに基づく第1特別遊技状態では、第1特別遊技状態に応じた演出(第1当り演出)を実行可能である。
図10(a)に示すように、演出制御手段300は、第1当り演出として、何回目の特別遊技(ラウンド遊技)であるかを示す表示(ラウンド数表示S1)と、遊技者に対し右打ちを促す表示(右打ち表示S2)と、を含む表示を液晶ディスプレイ32(表示領域32a)に表示させることが可能である。また、演出制御手段300は、第1当り演出として、時短状態への移行を示唆する演出(時短状態への移行を煽る演出)を、液晶ディスプレイ32等を介して実行する。なお、第1当り演出として、所定の契機で、遊技者に対し演出ボタン26の押下を促す演出(PUSH演出)が実行され、演出ボタン26が押下されたことに基づき、時短状態への移行可否が報知されるように構成されていてもよい。PUSH演出では、演出ボタン26の押下を促す画像(演出ボタン26を模した画像)が液晶ディスプレイ32に表示される。
【0138】
(第2当り演出)
演出制御手段300は、時短状態における第2特別図柄抽選で「当り」に当選したことに基づく第2特別遊技状態では、第2特別遊技状態に応じた演出(第2当り演出)を実行可能である。第2当り演出は、第1当り演出と異なる態様の演出となっており、少なくとも、液晶ディスプレイ32に表示される表示物が異なっている。
【0139】
図10(b)は、第2特別遊技状態において第2当り演出が実行された状態を示している。演出制御手段300は、第2当り演出として、何回目の特別遊技(ラウンド遊技)であるかを示す表示(ラウンド数表示S1)と、遊技者に対し右打ちを促す表示(右打ち表示S2)と、連続期間における特別遊技(小当り遊技を含む)で獲得した賞球数の合計を示す表示(累計獲得賞球数表示S4)と、当選した当りの種別(種類)を示す表示(当りアイコンS6)と、を含む表示を液晶ディスプレイ32(表示領域32a)に表示させることが可能である。
【0140】
演出制御手段300は、当選した当りの種別を示す情報を主制御基板200から受信し、当該情報に基づき第2当り演出においていずれの当りアイコンS6を表示させるかを決定する。演出制御手段300は、当選した当りが当該特別遊技状態の終了時に時短回数として10000回が設定される当り(第1当り:「大当り4」または「小当り1」)である場合、第1当りアイコンを表示させ、当選した当りが当該特別遊技状態の終了時に時短回数として110回が設定される当り(第2当り:「大当り5」または「小当り2」)である場合、第2当りアイコンを表示させる。第1当りアイコンは例えば「ABCボーナス」という文字列を含み、第2当りアイコンは例えば「DEFボーナス」という文字列を含む。
図10(b)では、当選した当りが第2当りであることに基づき、当りアイコンS6として第2当りアイコンが表示されている。なお、当りアイコンS6は、設定される時短回数ごとにアイコンの種類を異ならせるものに限らず、例えば、ラウンド数などに応じてアイコンの種類を異ならせてもよい。
【0141】
サブメモリ302には、連続期間における出玉に関する情報(連続期間における遊技の実績に関する情報)を記憶可能な記憶領域として特定記憶領域304(
図5参照)が設けられており、特定記憶領域304には、第1カウンタ(図示せず)が設けられている。副制御基板202は、賞球数を示す情報を主制御基板200から受信し、当該情報に基づき第1カウンタの記憶値を更新し、連続期間における特別遊技で払い出された賞球の総数(合計)を管理している。第1カウンタの記憶値は、連続期間における特別遊技で払い出された賞球数の合計を示す値となっており、副制御基板202は、賞球数に応じた値を第1カウンタの記憶値に加算する。なお、第1カウンタの記憶値は、連続期間の開始時に「0」となっている。演出制御手段300は、第1カウンタの記憶値に基づき、累計獲得賞球数表示S4を表示させる。
図10(b)では、第1カウンタの記憶値が「1470」となっていることに基づき、累計獲得賞球数表示S4として「TOTAL1470」という文字列が表示されている。
【0142】
本実施形態では、第2当り演出では、累計獲得賞球数表示S4および当りアイコンS6を表示されるが、第1当り演出では、累計獲得賞球数表示S4および当りアイコンS6が表示されないようになっている。
【0143】
(時短演出)
演出制御手段300は、時短状態では、時短状態に応じた演出(時短演出)を実行可能である。
図10(c)は、微時短状態における第1特別図柄抽選で「大当り2」(7R時短110)に当選したことに基づく第1特別遊技状態が終了した後、時短状態が開始された状態を示している。演出制御手段300は、時短演出として、遊技者に対し右打ちを促す表示(右打ち表示S2)と、時短状態が終了するまでの残りの第2特別図柄の変動表示の回数を示す表示(残り時短回数表示S3)と、連続期間における特別遊技で獲得した賞球数の合計を示す表示(累計獲得賞球数表示S4)と、連続期間において時短状態へ移行した回数を示す表示(連続回数アイコンS5)と、を含む表示を液晶ディスプレイ32(表示領域32a)に表示させることが可能である。また、図示を省略しているが、演出制御手段300は、時短演出として時短状態に応じた背景(時短背景)を液晶ディスプレイ32に表示させることが可能である。
図10(c)では、第1カウンタの記憶値が「1050」となっていることに基づき、累計獲得賞球数表示S4として「TOTAL1050」という文字列が表示されている
【0144】
また、演出制御手段300は、メインメモリ290における時短カウンタ2915の記憶値に基づき残り時短回数表示S3を表示させる。
図10(c)では、時短カウンタ2915の記憶値が「110」となっていることに基づき、残り時短回数表示S3として「残り110」という文字列が表示されている。なお、当選した当りの種別によっては、時短カウンタ2915の記憶値として「10000」が設定される場合がある。演出制御手段300は、時短カウンタ2915の記憶値として「10000」が設定された時短状態では(時短カウンタ2915の記憶値が所定の値(例えば「1000」)よりも大きい場合には)、残り時短回数表示S3として、所定の記号(例えば無限大を意味する記号)を表示させてもよい。
【0145】
また、サブメモリ302の特定記憶領域304には、第2カウンタ(図示せず)が設けられている。副制御基板202は、遊技状態の移行を示す情報を主制御基板200から受信し、当該情報に基づき第2カウンタの記憶値を更新し、連続期間における時短状態への移行回数を管理している。副制御基板202は、連続期間において時短状態が開始されるごとに、第2カウンタの記憶値に「1」を加算する。第2カウンタの記憶値は、連続期間において時短状態へ移行した回数を示す値となっている。なお、第2カウンタの記憶値は、連続期間の開始時に「0」となっている。演出制御手段300は、第2カウンタの記憶値に基づき、連続回数アイコンS5を表示させる。
図10(c)では、第2カウンタの記憶値が「1」となっていることに基づき、連続回数アイコンS5として「XYZタイム×1」(「XYZタイム」は時短状態の名称)という文字列を含むアイコンが表示されている。なお、例えば、第2カウンタの記憶値が「15」である場合、
図10(d)に示すように、「XYZタイム×15」という文字列を含む連続回数アイコンS5が表示される。
【0146】
また、演出制御手段300は、連続期間において当選した当りの種別および当りの回数を示す情報(連続期間において表示させた当りアイコンS6に関する情報)を、連続期間における出玉に関する情報として特定記憶領域304に記憶させることが可能である。演出制御手段300は、時短演出を開始する際に特定記憶領域304を参照し、時短演出として、
図10(d)に示すように、連続期間において表示させた当りアイコンS6(少なくとも第2特別遊技状態で表示させた当りアイコン)を並べて液晶ディスプレイ32に表示させることが可能である。時短演出として、連続期間において当選した当りに応じた当りアイコンS6が表示され、連続期間において当選した当りの種別および当りの回数が報知されるようになっている。なお、例えば、連続期間において第1当りアイコン(ABCボーナス)を4回表示させた場合に、「ABCボーナス×4」という当りアイコンS6が表示されるようになっていてもよい。また、「連続期間において表示させた当りアイコンS6」には、第2特別遊技状態に対応する当りアイコンに限らず、第1特別遊技状態(すなわち初当り)に対応する当りアイコンが含まれてもよい。
【0147】
図示を省略するが、演出制御手段300は、時短状態終了後の通常状態において時短状態への引き戻しが決定された場合(第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選した場合)、当該時短状態において時短演出として、引き戻しアイコンを表示させてもよい。引き戻しアイコンは、当該通常状態において時短状態への引き戻しが発生したことを示す(引き戻しに成功したことを報知可能な)アイコンとなっている。また、引き戻しアイコンは、当りアイコンS6と並べて表示されてもよい。そして、時短状態において、引き戻しの発生回数に応じた数の引き戻しアイコンが表示されるようになっていてもよい。
【0148】
本実施形態において、累計獲得賞球数表示S4や当りアイコンS6は、「少なくとも時短状態において第2特別図柄抽選で「当り」に当選して移行した第2特別遊技状態で特別遊技が実行されたこと」に基づく実績情報(基づいて更新される実績情報)ということができる。
累計獲得賞球数表示S4(第1カウンタの記憶値)は、「少なくとも時短状態において第2特別図柄抽選で「当り」に当選して移行した第2特別遊技状態で特別遊技が実行されたこと」(当該第2特別遊技状態での特別遊技で賞球が払い出されたこと)に基づくものであるが、第1特別図柄抽選で「当り」に当選して移行した第1特別遊技状態(初当り)で特別遊技が実行されたこと(当該第1特別遊技状態での特別遊技で賞球が払い出されたこと)にも基づくものであってもよい。また、時短状態での持ち球数の増減や微時短状態での持ち球数の増減などにも基づき更新され得るものであってもよい。
当りアイコンS6は、「少なくとも時短状態において第2特別図柄抽選で「当り」に当選して移行した第2特別遊技状態で特別遊技が実行されたこと」に基づくもの(表示されるもの)であるが、第1特別図柄抽選で「当り」に当選して移行した第1特別遊技状態(初当り)で特別遊技が実行されたことにも基づくもの(表示されるもの)であってもよい。換言すると、初当りアイコンを含むものであってもよい。
また、連続期間における時短状態への移行回数を示す連続回数アイコンS5(第2カウンタの記憶値)は、第2特別図柄抽選で「当り」に当選した回数(ただし第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選した回数を含む)に基づくものであり、「少なくとも時短状態において第2特別図柄抽選で「当り」に当選して移行した第2特別遊技状態で特別遊技が実行されたこと」に基づく実績情報ということができる。
【0149】
特定記憶領域304は、随時更新される実績情報に係る情報を保持(記憶)可能となっており、時短状態の終了条件が成立した際に(時短状態の終了時に)表示されていた実績情報に係る情報が特定記憶領域304に保持されるようになっている。本実施形態の遊技機では、時短状態の終了条件が成立したことに基づき通常状態へ移行したことを契機とし、特定記憶領域304に記憶されている情報が初期化(リセット)されないようになっている。特定記憶領域304に記憶されている情報は、時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選で「C時短2」以外に当選したこと(第1の結果以外の結果が得られたこと)を契機とし、初期化されるようになっている。このため、時短状態の終了後、特定記憶領域304に記憶されている情報が保持された状態で(クリアされずに)通常状態が開始されるようになっている。
【0150】
当該通常状態において第1特別図柄抽選で第1の結果(「C時短2」に当選)が得られた場合、特定記憶領域304に記憶されている情報が消去されることなく保持された状態で時短状態が開始される。演出制御手段300は、当該時短状態の開始に伴い時短演出を開始させるが、その際に特定記憶領域304に記憶されている情報を参照し(読み出し)、当該情報に基づく実績情報を表示させることができる。換言すると、当該通常状態において時短状態への引き戻しが発生した場合、当該時短状態において液晶ディスプレイ32に表示させる実績情報を、前回の時短状態の終了時に表示させていた実績情報(例えば、
図11を参照して後述する実績情報)の続きとなる実績情報(前回の実績情報を引き継いだ実績情報)とすることができる。
【0151】
一方、通常状態において第1特別図柄抽選で第2の結果(「C時短1」に当選)が得られた場合、特定記憶領域304に記憶されている情報が消去され、微時短状態が開始される。なお、本実施形態の遊技機では、第1特別図柄抽選では、大当りとなる場合を除いて第1の結果または第2の結果のいずれかに必ず当選するように構成されているが、第1特別図柄抽選で所定の結果に当選(「ハズレ」に当選)し得るように構成されている場合には、当該所定の結果の当選により通常状態が複数回の第1特別図柄抽選に亘って継続する。この場合、特定記憶領域304に記憶されている情報は通常状態での第1特別図柄抽選で第2の結果(「C時短1」に当選)が得られるまで保持され続けるようになっている。
【0152】
従来の遊技機のように、時短状態の終了条件が成立したことに基づき通常状態へ移行したことを契機として特定記憶領域304に記憶されている情報がリセットされる場合、当該通常状態において時短状態への引き戻しが発生した場合に、当該時短状態において表示させる実績情報を、前回の時短状態の続きとなる実績情報とすることはできない。このため、遊技者に、新たに時短状態が開始されたものと認識され得る。換言すると、連続期間は終了したもの(途切れてしまったもの)と認識され得る。
【0153】
本実施形態の遊技機では、時短状態終了後の通常状態において時短状態への引き戻しが発生した場合には、当該時短状態において表示される実績情報が、前回の時短状態において表示されていた実績情報の続きの実績情報となる。このため、遊技者に対し、一連の有利な期間(連続期間)が途切れることなく継続していると認識させることができる。また、実績情報が続きの実績情報となる分、実績情報が示す値(個数)が比較的大きい値(個数)となる確率が高くなることから、遊技者に、一連の期間で多くの利益を獲得できたという満足感を与え得る。
【0154】
(演出モードの選択)
本実施形態では、特別遊技状態において(特別図柄が当り(特定の結果)に係る停止表示をしている間の所定期間に)、当該特別遊技状態の終了後に開始される時短状態で実行させる演出モードを選択可能な複数種類のアイコンが液晶ディスプレイ32に表示される。本実施形態では、当該演出モードとしてモードAとモードBがあり、モードAに応じたアイコンAとモードBに応じたアイコンBとが表示される。なお、モードAとモードBは、演出の態様が異なっていて、例えば異なる背景や異なるキャラクタなどが表示される。遊技者は、例えば演出ボタン26を操作し、カーソルをアイコンAまたはアイコンBに合わせることで、時短状態において実行させる演出モードを選択できる。
【0155】
本実施形態では、時短状態において選択された演出モードは、実績情報として特定記憶領域304に記憶されるようになっている。また、時短状態終了後の通常状態において、第1特別図柄が第1の結果(C時短2の当選)に係る変動表示をしている間の所定期間に、演出モード選択アイコン(アイコンAおよびアイコンB)が表示されるようになっている。演出制御手段300は、当該通常状態において演出モード選択アイコンを表示させる際に、特定記憶領域304に記憶されている情報を参照し、前回の時短状態において選択されていた演出モードに基づき、カーソルを当該演出モードに対応するアイコンに合わせて表示させる。このため、時短状態終了後の通常状態において時短状態への引き戻しが発生した場合(「C時短2」に当選した場合)であって、遊技者が前回の時短状態と同じ演出モードを希望する場合、遊技者は何らの操作をしなくても(カーソルを合わせなくても)、当該演出モードが選択される。これにより、遊技者の負担を軽減できる。
【0156】
上記では、時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選し、時短状態へ移行する(引き戻す)場合について説明したが、時短状態終了後の通常状態では、第1特別図柄抽選において「大当り」(当り)に当選する(第3の結果が得られる)場合がある。当該通常状態において第1特別図柄抽選で「当り」に当選した場合、第1特別遊技状態が開始され、当該第1特別遊技状態の終了後に時短状態または微時短状態へ移行する。本実施形態では、当該第1特別遊技状態では、実績情報が表示される第2当り演出ではなく、実績情報が表示されない第1当り演出が実行されるようになっている。
【0157】
ここで、当該第1特別遊技状態において第2当り演出(
図10(b))が実行される場合を考える。換言すると、第2当り演出が実行され、当該第1特別遊技状態において、前回の時短状態の終了時に表示されていた実績情報(累計獲得賞球数表示S4)の続きとなる実績情報が表示されるものとする。第2当り演出は時短状態(右打ち時短状態)から第2特別遊技状態へ移行した場合に実行される演出であり、本実施形態では第2特別遊技状態では必ず10ラウンドの特別遊技が実行され、第2特別遊技状態の終了後には必ず時短状態へ移行するようになっている。よって、当該第1特別遊技状態において第2当り演出が実行され、続きとなる累計獲得賞球数表示S4が表示された場合、遊技者は、有利な期間(連続期間)が継続しており、当該第1特別遊技状態の終了後に時短状態へ移行すると思い込む可能性が高くなる。しかし、本実施形態では、第1特別図柄抽選における「大当り」の種別として、第1特別遊技状態の終了後に微時短状態へ移行する「大当り3」を設けており、「大当り3」に当選した場合、第1特別遊技状態の終了後に時短状態へ移行しない(微時短状態へ移行する)。よって、第2当り演出が実行されたにも関わらず時短状態へ移行しない場合に、遊技者に与える喪失感が大きいものとなり得る。
【0158】
本実施形態では、時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選で「当り」に当選したことに基づく第1特別遊技状態において、演出制御手段300は、第2当り演出ではなく第1当り演出を実行する。換言すると、当該第1特別遊技状態では、時短状態において第2特別図柄抽選で「当り」に当選した場合に実行される演出(第2当り演出)ではなく、微時短状態において第1特別図柄抽選で「当り」に当選した場合に実行される演出(第1当り演出)と同じ演出が実行され、実績情報は表示されないようになっている。このため、遊技者に対し、有利な期間(連続期間)が継続していると思わせる可能性を低減できる。これにより、第1特別遊技状態の終了後に微時短状態へ移行した場合に遊技者に与える喪失感を低減できる。
【0159】
本実施形態では、第2特別遊技状態は必ず10ラウンドの特別遊技が実行されるが、第1特別遊技状態は10ラウンドの特別遊技が実行される確率よりも7ラウンドの特別遊技が実行される確率の方が高くなっている。換言すると、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とで実行される特別遊技の回数が異なる回数となる確率が高くなっている。このため、時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選で「当り」に当選したことに基づく第1特別遊技状態では、時短状態において第2特別図柄抽選で「当り」に当選したことに基づく第2特別遊技状態で実行される演出(第2当り演出)ではなく、微時短状態において第1特別図柄抽選で「当り」に当選したことに基づく第1特別遊技状態で実行される演出(第1当り演出)と同じ演出が実行されるようにすることで、処理を簡易なものとすることができる。すなわち、第1特別遊技状態は、第2特別遊技状態では選択されることのない7ラウンドの特別遊技が選択され得るようになっており、第1特別遊技状態において第2特別遊技状態で実行される演出と同様の演出を行う場合、7ラウンドの特別遊技に合わせた時間の演出を別途用意する必要などがあるところ、本実施形態の構成によればこれを回避することができる。
【0160】
なお、主制御基板200は、特別図柄抽選の実行時の遊技状態(例えば遊技状態が時短状態であるか否か、いずれの時短状態に滞在しているかなど)に応じて、特別遊技状態の実行時間(制御時間)を制御可能(長さを変更可能)となっている。本実施形態では、主制御基板200は、第1特別図柄抽選で「当り」に当選した際の遊技状態が通常状態である場合と微時短状態である場合とで、第1特別遊技状態の実行時間の長さを同じ長さとしている。
【0161】
ここで、第1特別遊技状態の実行時間を第1当り時間とする。第1当り時間は、開始デモ時間と、特別遊技時間と、終了デモ時間と、に分けることができる。なお、開始デモ時間は、例えば、第1特別遊技状態の開始を示す表示(第1当り演出の一部)として「〇〇ボーナス」(〇〇は例えばキャラクタ名)という文字が表示される時間となっている。また、終了デモ時間は、例えば、時短状態への移行を示す表示(第1当り演出の一部)として「XYZタイムGET」という文字が表示される時間となっている。また、特別遊技時間は、開始デモ時間と終了デモ時間との間の時間であり、例えば、特別遊技の実行中(ラウンド消化中)の時間となっている。
【0162】
また、第2特別遊技状態の実行時間を第2当り時間とする。第2当り時間における開始デモ時間および終了デモ時間は、第1当り時間における開始デモ時間および終了デモ時間よりも短い時間が設定されている。なお、「短い時間が設定されている」とは「0」が設定されている場合を含むものとする。
【0163】
主制御基板200は、第1特別図柄抽選で「当り」に当選した際に、遊技状態が微時短状態である場合には第1特別遊技状態の実行時間を第1当り時間とするが、遊技状態が通常状態である場合には、第1特別遊技状態の実行時間を第2当り時間としてもよい。換言すると、時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選で「当り」に当選した場合、第1特別遊技状態における開始デモ時間および終了デモ時間の時間値を、第2特別遊技状態における開始デモ時間および終了デモ時間の時間値と同じとしてもよい。
【0164】
さらにその場合に、演出制御手段300は、時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選で「当り」に当選したことに基づく第1特別遊技状態において、第2当り演出を実行し、液晶ディスプレイ32に表示させる実績情報を、前回の時短状態の終了時に表示させていた実績情報の続きとなる実績情報としてもよい。換言すると、当該通常状態において第1特別図柄抽選で「当り」に当選したことに基づく第1特別遊技状態の実行時間を第2当り時間とした上で、当該第1特別遊技状態において第2当り演出が実行されるようになっていてもよい。第2当り時間とした上で第2当り演出が実行される場合、遊技者に与える違和感を低減し得る。なお、この場合、特定記憶領域304に記憶されている情報は、時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選で「当り」に当選したことを契機として初期化されないものとする。
【0165】
時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選で「当り」に当選したことに基づく第1特別遊技状態において第2当り演出が実行される仕様は、第1特別図柄抽選で当選し得る当りの種別に、当該第1特別遊技状態の終了後に時短状態へ移行しない当り(大当り3)が設けられていない遊技機において採用されることがより好ましい。また、当該仕様は、第1特別図柄抽選でいずれの「当り」に当選したこと基づく第1特別遊技状態であっても、第2特別遊技状態と同じ回数(例えば10ラウンド)の特別遊技が実行される遊技機において採用されることがより好ましい。換言すると、当該仕様は、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とが、ともに終了後に必ず遊技者にとって有利な特定の遊技状態(なお、当該特定の遊技状態が複数存在してもよい)に移行する遊技機や、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とで、異なるラウンド数の振り分けが存在しない遊技機等において採用されることが好ましい。
【0166】
演出制御手段300は、時短状態の終了時に時短終了画像(
図11)を液晶ディスプレイ32に表示させる。時短終了画像には、連続期間における遊技の結果(リザルト)を示す情報(実績情報)が含まれ、例えば、連続期間における特別遊技で獲得した賞球数の合計を示す表示、連続期間において時短状態へ移行した回数を示す表示、連続期間において当選した当りの種別および当りの回数を示す表示、などが含まれる。換言すると、時短状態の終了時には、特定記憶領域304で管理される上述の各種情報(実績情報)が表示される。
【0167】
(準備演出)
演出制御手段300は、通常状態において準備演出を実行可能である。準備演出は、遊技者に対し、左打ちをして第1始動口46を狙って遊技球を発射させること(第1特別図柄抽選の機会を得ること)を促す演出となっている。換言すると、準備演出は、第1始動口46への遊技球の入球(第1特別図柄抽選の実行)を待機している状況下で実行される演出となっている。
図12は、準備演出の一例を示すもので、準備演出に係る表示Sが液晶ディスプレイ32に表示された状態を示している。表示Sは、略四角形状の枠を有するウインドウ画像となっていて、遊技盤6における第1始動口46およびその周囲の部分を示す画像(拡大画像)と、左側から当該画像における第1始動口46へと向かう矢印と、「狙え!」という文字と、を含んで構成されている。なお、当該文字は例えば「スタートチャッカーを狙え!」というものであってもよい。また、図示を省略しているが、表示Sは、遊技者に左打ちを促す表示(左打ち表示)を含むものであってもよい。
【0168】
(特殊演出)
演出制御手段300は、通常状態での第1特別図柄抽選で第1の結果(C時短2に当選)または第2の結果(C時短1に当選)が得られた場合、特殊演出(シャッター演出)を実行する。
図13に示すように、特殊演出は、シャッター(扉)が出現して(表示されて)開始される演出となっている。具体的には、左右方向外側から内側に向かって左シャッターと右シャッターとが出現し、シャッターが半開きの状態で停止する。特殊演出の前半(少なくともシャッターが出現してから半開きの状態で停止するまでの間)は、第1特別図柄抽選の結果が第1の結果であっても第2の結果であっても同じ演出が実行されるようになっている。
【0169】
特殊演出の後半は、第1特別図柄抽選の結果が第1の結果である場合と第2の結果である場合と、で異なる演出が実行される。演出制御手段300は、第1特別図柄抽選の結果が第1の結果である場合、成功パターンの特殊演出を実行し、第1特別図柄抽選の結果が第2の結果である場合、失敗パターン(第1失敗パターンまたは第2失敗パターン)の特殊演出を実行する。成功パターンは、最終的に時短状態への移行が決定したことが報知される演出であり、例えば、シャッターが閉まり、次に時短状態への移行を煽る演出が実行され、次にPUSH演出が実行され、演出ボタン26が押下されたことに基づき時短状態への移行が決定したことが報知される。第1失敗パターンは、最終的に時短状態への移行が決定しなかったことが報知される演出であり、例えば、シャッターが閉まり、次に時短状態への移行を煽る演出が実行され、次にPUSH演出が実行され、演出ボタン26が押下されたことに基づき時短状態への移行が決定しなかったことが報知される。第2失敗パターンは、時短状態への移行が決定しなかったことが報知される演出であり、シャッターが閉まらずに(次の演出へ進まずに)演出が終了する。第2失敗パターンは、演出の実行時間が第1失敗パターンよりも短くなっている。
【0170】
特殊演出には、シャッターが閉じて演出が継続される場合(成功パターンまたは第1失敗パターン)と、シャッターが閉じずに演出が終了する場合(第2失敗パターン)と、がある。本実施形態では、特殊演出が開始されシャッターが閉じた場合、約50%の確率で時短状態への移行が決定するように設定されている。このため、特殊演出が開始されると、遊技者はシャッターが閉じることを願うことができる。
【0171】
(大当り演出)
演出制御手段300は、通常状態での第1特別図柄抽選で第3の結果(大当りに当選)が得られた場合、特殊演出ではなく大当り演出を実行する。大当り演出は、微時短状態において表示される背景(通常背景)が液晶ディスプレイ32に表示されるとともに、液晶ディスプレイ32において、第1特別図柄の変動表示に基づく演出図柄の変動表示(変動表示演出)が行われ、変動表示演出中にリーチ演出が実行され、リーチ演出後に、演出図柄が大当りに応じた態様で停止表示する停止表示演出が実行される演出である。なお、通常背景としては、風景を表すものや街並みを表すものなどがある。大当り演出は、微時短状態において第1特別図柄抽選で「大当り」に当選した場合に実行され得る演出と同じ演出となっている。
【0172】
本実施形態では、時短状態終了後に通常状態へ移行するが、時短状態の終了時に保留されている第1特別乱数値が存在しない場合(第1の状況)と、保留されている第1特別乱数値が存在する場合(第2の状況)と、が生じ得る。演出制御手段300は、第1の状況である場合、準備演出を実行し、第1始動口46への遊技球の進入が検出されて第1特別図柄抽選が実行されたことに基づき特殊演出または大当り演出を実行する。また、演出制御手段300は、第2の状況である場合、準備演出を実行せず、保留されている第1特別乱数値に基づき第1特別図柄抽選が実行されたことに基づき、特殊演出または大当り演出を実行する。
【0173】
本実施形態では、時短状態終了後に通常状態へ移行し、準備演出(または特殊演出)が実行されることに基づき時短終了画像(
図11)が表示されない状態となるが、次のように構成されていてもよい。例えば、時短状態の終了時に、閉じた状態のシャッター(扉)が表示される。そして、時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選が実行され、当該抽選の結果が第2の結果である場合、閉じた状態のシャッターが開かない状態が維持されて、連続期間における遊技の結果を示す情報(実績情報)(
図11に例示されるリザルト)が表示される。一方、当該抽選の結果が第1の結果である場合、閉じた状態のシャッターが開いて次の演出へ進み、最終的に時短状態への移行(引き戻し)が決定したことが報知される。時短状態終了後の通常状態において、第1特別図柄の変動表示期間の一部の期間において、連続期間における遊技の結果を示す情報(実績情報)が表示され得るように構成されていてもよい。
【0174】
本実施形態の遊技機は、
遊技媒体が移動する遊技領域(遊技領域4)を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体が発射される遊技機であって、抽選手段(特別図柄抽選手段230)と、状態制御手段(遊技状態移行制御手段250)と、特別遊技実行手段(特別遊技実行手段260)と、演出制御手段(演出制御手段300)と、特定記憶領域(特定記憶領域304)と、を備え、
前記抽選手段は、前記遊技領域に設けられた第1領域(第1始動口46)に遊技媒体が進入したことに基づき第1抽選(第1特別図柄抽選)を行い、前記遊技領域に設けられた第2領域(第2始動口49)に遊技媒体が進入したことに基づき第2抽選(第2特別図柄抽選)を行い、
前記状態制御手段は、通常遊技状態(通常状態)と、第1特定遊技状態(時短状態)と、第2特定遊技状態(微時短状態)と、特別遊技状態と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行い、
前記特別遊技実行手段は、前記特別遊技状態での特別遊技の実行を制御し、前記特別遊技では、前記遊技領域に設けられた所定領域(大入賞口50)に遊技媒体が進入可能となる状態に特定可動物(特別役物56)が動作し、
前記演出制御手段は、演出表示装置(液晶ディスプレイ32)における演出の実行を制御し、
前記状態制御手段は、
前記第1抽選または前記第2抽選で特定の結果が得られた場合に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させ、前記特別遊技状態の終了後に遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記第1特定遊技状態において所定の条件が成立した場合に前記第1特定遊技状態を終了させ、遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記通常遊技状態において前記第1抽選で第1の結果(C時短2)が得られた場合に遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記通常遊技状態において前記第1抽選で第2の結果(C時短1)が得られた場合に遊技状態を前記第2特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記第2特定遊技状態では、前記第1抽選で前記第1の結果が得られた場合であっても遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させず、
前記演出制御手段は、少なくとも前記第1特定遊技状態で前記特定の結果が得られて移行した前記特別遊技状態で前記特別遊技が実行されたこと、に基づく実績情報を、前記第1特定遊技状態において前記演出表示装置に表示させることが可能であり、
前記特定記憶領域は、前記実績情報に係る情報を保持可能であり、前記第1特定遊技状態の終了時に表示されていた前記実績情報に係る情報が保持されるようになっており、
前記演出制御手段は、前記第1特定遊技状態の終了後の前記通常遊技状態で前記第1の結果が得られて前記第1特定遊技状態へ移行する場合に、前記特定記憶領域に保持された情報に基づき前記実績情報を表示させることが可能である。
【0175】
第1特定遊技状態では、特別遊技が実行されたことに基づく実績情報が表示され得るようになっている。また、第1特定遊技状態の終了後に通常遊技状態へ移行し、通常遊技状態において第1の結果が得られた場合に、第1特定遊技状態へ移行するようになっている。また、一度、第1特定遊技状態が終了し、通常遊技状態を経由して第1特定遊技状態へ移行する場合に、特定記憶領域に記憶された情報に基づく実績情報が表示されるようになっている。当該実績情報が表示されることで、遊技者は、他の遊技状態を経由して第1特定遊技状態が繰り返し実行される一連の期間が、途切れることなく継続しているように認識し得る。また、前回の第1特定遊技状態の終了時に記憶された情報に基づく実績情報が表示される分(実績情報が引き継がれる分)、実績情報が示す値(個数)が比較的大きい値(個数)となる確率が高くなる。このため、遊技者に対し、一連の期間に、より多くの利益を獲得できたという印象を与え得る。これにより、遊技者に満足感を与えることが可能な遊技機を提供できる。
【0176】
次に、時短状態終了後の通常状態において、第1特別図柄抽選に係る第1特別図柄の変動表示が開始される前の状態、または第1特別図柄抽選に係る第1特別図柄の変動表示中の状態で電源断(遊技機の電源の遮断)が発生した場合について説明する。
【0177】
電源断(電断)の後、電源が再投入されると、電断から復帰する処理が行われる。電断からの復帰には、RAMクリアを伴わない場合と、RAMクリアを伴う場合と、がある。主制御基板200は、押下操作が可能なRAMクリアスイッチ(図示せず)を備えており、RAMクリアスイッチが押下された状態で電源が投入されると(電断から復帰すると)RAMクリア(RAMクリア処理)が実行され、主制御基板200のメインメモリ290のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部が初期化(リセット)される。なお、RAMクリア処理によって、枠制御基板201におけるメモリのRAMに記憶されている情報の少なくとも一部が初期化(リセット)されるようになっていてもよい。本実施形態では、RAMクリアが実行されると、遊技状態がリセットされ、遊技状態が通常状態に設定される。以下、単に電断から復帰(電源が再投入)という場合、RAMクリアを伴わない電断復帰を指すものとする。
【0178】
主制御基板200は、遊技に関する情報(少なくとも遊技機の遊技状態に関する情報および特別図柄の変動表示に関する情報)をメインメモリ290のRAMに記憶させ、管理している。主制御基板200は、電断が発生し、電断から復帰した場合(RAMクリアを伴わない電断復帰の場合)、当該情報を初期化する処理を実行しない。
【0179】
一方、副制御基板202は、電断が発生し、電断から復帰した場合(RAMクリアを伴う電断復帰であってもRAMクリアを伴わない電断復帰であっても)、サブメモリ302のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する(初期状態とする)処理を行い、本実施形態では、特定記憶領域304に記憶されている情報が初期化されるようになっている。したがって、電断を跨いで、特定記憶領域304に記憶されている情報(連続期間における出玉に関する情報、連続期間における遊技の実績に関する情報)が保持されない(持ち越されない)ようになっている。具体的には、例えば、上述の第1カウンタおよび第2カウンタの記憶値は初期値「0」となる。
【0180】
電断後、電源が再投入されると、主制御基板200は、メインメモリ290に記憶されている情報等に基づき遊技機を電断が発生する前の状態に復帰させる処理を行う。時短状態終了後の通常状態において、第1特別図柄抽選に係る第1特別図柄の変動表示が開始される前の状態で電断し、電断復帰した場合、再び当該状態(通常状態)が設定される。また、時短状態終了後の通常状態において、第1特別図柄抽選に係る第1特別図柄の変動表示中の状態で電断し、電断復帰した場合、再び当該状態(通常状態)が設定される。
【0181】
電断復帰後の当該通常状態における第1特別図柄抽選で第1の結果(C時短2に当選)が得られた場合、遊技状態移行制御手段250は、遊技状態を時短状態へ移行させる。また、演出制御手段300は、当該時短状態において時短演出(
図10(c))を実行する。このとき、演出制御手段300は、サブメモリ302の特定記憶領域304に記憶されている情報が初期化されていることに基づき、実績情報(累計獲得賞球数表示S4、連続回数アイコンS5、当りアイコンS6など)のうちの少なくとも一部を表示させない状態とする。換言すると、演出制御手段300は、時短状態へ移行する際に特定記憶領域304が初期状態となっている場合、実績情報のうちの少なくとも一部を表示させない状態とした時短演出を実行する。本実施形態では、電断復帰後の通常状態において第1特別図柄抽選で第1の結果が得られ、時短状態へ移行した場合であって、第1カウンタの記憶値が「0」の場合、当該時短状態では、少なくとも累計獲得賞球数表示S4が表示されないようになっている。なお、累計獲得賞球数表示S4が表示されないとは、累計獲得賞球数が「0」であることを示す累計獲得賞球数表示S4も表示されないことを含む。そして、当該時短状態における第2特別図柄抽選で「当り」に当選したことに基づく第2特別遊技状態、および当該第2特別遊技状態の終了後に移行する時短状態では、累計獲得賞球数表示S4が表示される。演出制御手段300は、当該第2特別遊技状態では、第2当り演出(
図10(b))を実行し、実績情報(累計獲得賞球数表示S4)を表示させることができる。
【0182】
本実施形態では、時短状態終了後の通常状態においてサブメモリ302の特定記憶領域304が初期化された状態で、第1特別図柄抽選で第1の結果が得られたことに基づき時短状態へ移行した場合、当該時短状態を経由しての第2特別遊技状態が開始されるまでは、実績情報(のうちの少なくとも一部)が表示されないようになっている。
【0183】
ここで、(1)時短状態終了後の通常状態と、(2)時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選に係る第1特別図柄の変動表示が開始される前の状態で電断が発生し、当該電断から復帰して設定される通常状態と、(3)RAMクリアの実行後(RAMクリアを伴う電断復帰後)に設定される通常状態と、で実行される演出について説明する。なお、上記(1)では時短状態の終了時に保留されている第1特別乱数値が存在しないものとする。
【0184】
(1)演出制御手段300は、時短状態終了後の通常状態では、当該通常状態に応じた演出(準備演出(
図12))を実行する。準備演出は、通常状態以外の遊技状態では実行されない演出となっており、通常状態に滞在していることを示唆する演出ということができる。液晶ディスプレイ32において準備演出が実行されている場合、遊技者は遊技状態が通常状態(第1の結果が得られた場合に時短状態への移行が決定する遊技状態であって、微時短状態よりも有利な遊技状態)であることを把握し得る。
【0185】
(2)演出制御手段300は、時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選に係る第1特別図柄の変動表示が開始される前の状態で電断が発生し、当該電断から復帰した場合に設定される通常状態では、準備演出ではなく低確演出を実行する。低確演出は、微時短状態において表示される背景(通常背景)が液晶ディスプレイ32に表示される演出となっていて、通常状態に滞在していることを示唆しない演出となっている。換言すると、低確演出は、微時短状態において特別図柄の変動表示が実行されていないときに実行され得る演出となっている。低確演出が実行された場合、遊技者は遊技状態が通常状態であることを把握することは困難となる。
【0186】
(3)演出制御手段300は、RAMクリア後に設定される通常状態では、準備演出ではなく低確演出(通常背景の表示)を実行する。低確演出が実行されることで、遊技者は、RAMクリアが実行されて遊技状態が通常状態となっていることを把握することが困難となる。換言すると、RAMクリアを実行したことが遊技者に把握されにくいようになっている。
【0187】
上記(2)(3)の通常状態において低確演出(通常背景の表示)が実行されている状況で、第1特別図柄抽選で第1の結果(C時短2に当選)が得られた場合、特殊演出(
図13)が実行(開始)される。この場合の特殊演出は、成功パターンが実行され、最終的に時短状態への移行が決定したことが報知される。換言すると、上記(2)、(3)の通常状態において特殊演出が実行された場合、必ず時短状態へ移行する。
なお、時短演出として、通常状態において第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選した回数を示す表示(例えば、引き戻し回数に応じた数の引き戻しアイコン。換言すると、引き戻した回数)が表示される構成において、電断復帰後(例えばRAMクリア後)の通常状態における第1特別図柄抽選での「C時短2」の当選は、当該表示に反映されないようになっていてもよい。
【0188】
また、上記(2)(3)の通常状態において低確演出(通常背景の表示)が実行されている状況で、第1特別図柄抽選で第3の結果(大当りに当選)が得られた場合、大当り演出が実行(開始)される。
【0189】
また、上記(2)(3)の通常状態において低確演出(通常背景の表示)が実行されている状況で、第1特別図柄抽選で第2の結果(C時短1に当選)が得られた場合、第1特別図柄の変動時間が時間Aに決定された場合には演出Aが実行され、第1特別図柄の変動時間が時間Aよりも長い時間Bに決定された場合には演出Bが実行される。演出Aは、通常背景が液晶ディスプレイ32に表示されるとともに、液晶ディスプレイ32において、第1特別図柄の変動表示に基づく演出図柄の変動表示(変動表示演出)が行われ、演出図柄が第2の結果に応じた態様で停止表示する停止表示演出が実行される演出である。演出Bは、通常背景が液晶ディスプレイ32に表示されるとともに、液晶ディスプレイ32において、第1特別図柄の変動表示に基づく演出図柄の変動表示(変動表示演出)が行われ、かつ変動表示演出中にリーチ演出が実行され、リーチ演出後に、演出図柄が第2の結果に応じた態様で停止表示する停止表示演出が実行される演出である。なお、当該リーチ演出は、微時短状態において第1特別図柄抽選が実行された場合に実行され得るリーチ演出と同じものとなっている。
【0190】
なお、時短状態終了後の通常状態において第1特別図柄抽選に係る第1特別図柄の変動表示が開始される前の状態で電断が発生し、当該電断から復帰した場合に設定される通常状態において(上記(2))、低確演出ではなく準備演出が実行されるように構成されていてもよい。また、RAMクリア後に設定される通常状態において(上記(3))、低確演出ではなく準備演出が実行されるように構成されていてもよい。準備演出が実行されることで、遊技者は遊技状態が通常状態であることを把握可能である。準備演出が実行されている状態は遊技者を惹き付けることができ、遊技機の稼働率を上昇させることができる。
【0191】
次に、時短状態終了後の通常状態において、第1特別図柄抽選で第1の結果(C時短2に当選)が得られ、第1特別図柄の第1の結果に係る変動表示中に電断が発生し、電源が再投入された場合について説明する。電断復帰後、副制御基板202は、第1特別図柄が変動表示中であることを示す情報と遊技状態が通常状態であることを示す情報とを、主制御基板200から受信する。演出制御手段300は、それらの情報に基づき、通常背景を液晶ディスプレイ32に表示するとともに、液晶ディスプレイ32において第1特別図柄の変動表示に基づく演出図柄の変動表示(高速変動表示演出)を実行する。なお、当該電断が発生する直前に特殊演出(
図13)が実行されていた場合、電断復帰後にその特殊演出は実行(再開)されないこととなる。
【0192】
次いで、副制御基板202は、第1特別図柄の停止表示に係る情報(図柄確定情報)を主制御基板200から受信する。ここでは、第1特別図柄を「C時短2」に応じた態様で停止表示させることを示す情報を受信する。演出制御手段300は、当該情報に基づき、液晶ディスプレイ32において、演出図柄の停止表示(停止表示演出)を実行し、演出図柄を「C時短2」に応じた態様で停止表示させる。例えば、「3」を示す左演出図柄350と、「5」を示す中演出図柄352と、「7」を示す右演出図柄354と、を表示させる。
【0193】
次いで、副制御基板202は、第1特別図柄の確定表示期間(例えば0.5秒)の経過後に遊技状態の移行に係る情報を主制御基板200から受信する。ここでは、遊技状態が時短状態へ移行することを示す情報を受信する。演出制御手段300は、当該情報に基づき、時短演出を実行(開始)し、時短状態に応じた背景を液晶ディスプレイ32に表示させる。液晶ディスプレイ32は、通常背景で演出図柄が停止表示された状態から、時短状態に応じた背景(時短背景)が表示された状態へと切り替わる。
【0194】
なお、当該電断から復帰した際に、演出制御手段300は、通常背景の表示や演出図柄の変動表示演出(停止表示演出)を実行せず、単色の背景(単色画像)および「復帰中」という文字を表示させてもよい。換言すると、電断からの復帰中であることを報知する演出(復帰演出)を実行してもよい。演出制御手段300は、時短状態へ移行することを示す情報を受信するまで復帰演出を実行し、当該情報を受信したことに基づき時短演出を実行してもよい。電断復帰後、復帰演出が実行され、その後、時短演出(時短背景)が実行されるようにすることで、上述のように通常背景から時短背景に(突然)切り替わる場合よりも、遊技者に与える違和感を低減し得る。
【0195】
また、当該電断から復帰し、第1特別図柄の変動表示中は(図柄確定情報を受信するまでは)、演出制御手段300は、「C時短2」に当選しているか否かを判定できない。このため、演出制御手段300は、時短状態での演出モードを選択させる上述のアイコンAおよびアイコンBを表示させることができない。この場合、演出制御手段300は、遊技状態が時短状態へ移行することを示す情報を受信したことに基づき時短演出を開始させるが、その時短演出では、初期設定(基本設定)として予め定められた演出モード(例えばモードA)の演出を実行する。
【0196】
本実施形態の遊技機は、
遊技媒体が移動する遊技領域(遊技領域4)を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体が発射される遊技機であって、抽選手段(特別図柄抽選手段230)と、状態制御手段(遊技状態移行制御手段250)と、特別遊技実行手段(特別遊技実行手段260)と、演出制御手段(演出制御手段300)と、を備え、
前記抽選手段は、前記遊技領域に設けられた第1領域(第1始動口46)に遊技媒体が進入したことに基づき第1抽選(第1特別図柄抽選)を行い、前記遊技領域に設けられた第2領域に遊技媒体が進入したことに基づき第2抽選(第2特別図柄抽選)を行い、
前記状態制御手段は、通常遊技状態と、第1特定遊技状態(時短状態)と、特別遊技状態と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行い、
前記特別遊技実行手段は、前記特別遊技状態での特別遊技の実行を制御し、前記特別遊技では、前記遊技領域に設けられた所定領域(大入賞口50)に遊技媒体が進入可能となる状態に特定可動物(特別役物56)が動作し、
前記演出制御手段は、演出表示装置(液晶ディスプレイ32)における演出の実行を制御し、
前記状態制御手段は、
前記第1抽選または前記第2抽選で特定の結果が得られた場合に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させ、前記特別遊技状態の終了後に遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記第1特定遊技状態において所定の条件が成立した場合に前記第1特定遊技状態を終了させ、遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記通常遊技状態において前記第1抽選で第1の結果(C時短2)が得られた場合に遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記演出制御手段は、
少なくとも前記第1特定遊技状態で前記特定の結果が得られて移行した前記特別遊技状態で前記特別遊技が実行されたこと、に基づく実績情報を、前記第1特定遊技状態において前記演出表示装置に表示させることが可能であり、
前記通常遊技状態で前記第1の結果が得られたことに基づき前記第1特定遊技状態へ移行する場合であって、前記実績情報に係る情報を記憶する特定記憶領域(特定記憶領域304)が初期状態となっている場合、当該第1特定遊技状態において、前記演出表示装置に表示させることが可能な前記実績情報のうちの少なくとも一部を表示させない状態とする。
【0197】
第1特定遊技状態では、特別遊技の実行に基づく実績情報が表示され得るようになっている。また、通常遊技状態において第1の結果が得られた場合、第1特定遊技状態へ移行するようになっている。また、当該第1特定遊技状態へ移行する場合に、実績情報に係る情報を記憶する特定記憶領域が初期状態となっている場合には、当該第1特定遊技状態において実績情報のうちの少なくとも一部が表示されないようになっている。当該第1特定遊技状態へ移行する際に実績情報に係る情報が保持されていない場合には、表示させる実績情報の数を減らすことで、遊技者にとって見やすい表示を実現できる。また、当該第1特定遊技状態(有利な状態)において、実績が「0」であることを示す実績情報が表示された場合、遊技者に、残念であるという印象を与える可能性があるが、本実施形態によればその可能性を低減できる。
【0198】
また、本実施形態の遊技機において、
前記特定記憶領域は、電源断が発生した場合に初期状態となる。
【0199】
上述のとおり、時短状態の終了条件の成立に基づき通常状態へ移行する場合であって、時短状態終了時に保留されている第1特別乱数値が存在する場合、通常状態では準備演出が実行されることなく特殊演出(シャッター演出)が実行(開始)される。また、本実施形態では、微時短状態の終了条件の成立に基づき通常状態へ移行する場合であって、微時短状態終了時に保留されている第1特別乱数値が存在する場合も同様に、通常状態では準備演出が実行されることなく特殊演出(シャッター演出)が実行(開始)される。通常状態への移行に基づき特殊演出が開始されることで、遊技者に期待感(ワクワク感、ドキドキ感)を抱かせることができる。
【0200】
ここで、演出制御手段300が実行可能な先読み演出について説明する。なお、先読み演出に関する制御は、演出制御手段300に含まれる事前判定演出制御手段(図示せず)が実行してもよい。上述のとおり、特別図柄抽選手段230は、第1始動口46に進入する遊技球を1個ずつ検出する第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得し、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値として格納する。また、特別図柄抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から第1特別乱数値を読み出して、特別図柄抽選として大当たり決定処理、図柄決定処理などを行う。
【0201】
特別図柄抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値を格納する際にも、事前判定処理として大当り決定処理、図柄決定処理などを行う。特別図柄抽選手段230(事前判定手段)は、第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得すると、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに第1特別乱数値として格納する前に、その時点における遊技状態および保留数に応じて、第1特別乱数値について事前判定処理として大当り決定処理、図柄決定処理などを行う。なお、事前判定処理では、実際に保留として記憶されている特別図柄抽選用乱数値に基づく変動が実行される際に実行される大当り決定処理や図柄決定処理と同一の処理(例えば同一のテーブルデータをもとに行う抽選処理)ではなく、事前判定用の専用処理(大当り事前判定処理、図柄事前判定処理)を有するように構成してもよい。また、事前判定処理において、特別図柄の変動時間に関する事前判定を行うように構成していてもよい。
【0202】
特別図柄抽選手段230は、事前判定処理としての大当り決定処理、図柄決定処理などのそれぞれの結果を含む事前判定結果を、副制御基板202(演出制御手段300)に対して事前判定結果情報として送信するとともに、事前判定処理の対象となった第1特別乱数値に対応付けて、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに格納する。演出制御手段300は、第1特別乱数値が取得された時点において、他の第1特別乱数値が特別乱数記憶手段2914に格納されている場合に、取得された第1特別乱数値に対応する事前判定結果情報に応じて、その第1特別乱数値が取得されてから、その第1特別乱数値について第1特別図柄の変動表示が終了するまでの間の期間において、あるいはその第1特別乱数値の前に取得された第1特別乱数値について第1特別図柄の変動表示が終了するまでの間の期間において、液晶ディスプレイ32などを介して先読み演出を実行することが可能である。
【0203】
先読み演出(特定演出)としては、例えば、事前判定処理の結果に応じて第1特別乱数値に対応する第1保留画像420(
図9(a))の表示態様(色など)を変化させ、第1特別図柄抽選の結果(大当りの期待度)を事前に示唆するものがある。換言すると、先読み演出は、第1特別図柄抽選の結果を事前に示唆する演出となっている。第1保留画像420の色は、第1特別図柄抽選の結果が遊技者にとって喜ばしいものである期待度を表しており、例えば、白、青、緑、赤、金の順に期待度が高くなっている。
【0204】
演出制御手段300は、第1特別乱数値が取得された時点において他の第1特別乱数値が特別乱数記憶手段2914に格納されている場合、当該第1特別乱数値を取得した時点において、取得した第1特別乱数値について先読み演出の実行可否を決定する先読演出抽選を行う。演出制御手段300は、先読演出抽選に当選した場合、先読み演出の実行を決定する。
【0205】
演出制御手段300は、第1特別乱数値について先読演出抽選を行い、先読み演出の実行を決定したことに基づき、当該特別保留記憶領域および第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において保留されている第1特別乱数値であって、先読み演出の実行が決定された第1特別乱数値よりも先に取得された第1特別乱数値の中に、事前判定結果に含まれる大当り決定処理の結果が大当りである第1特別乱数値が存在しない場合に、先読み演出の開始条件が満たされているとし、先読み演出を実行(開始)する。
【0206】
例えば、第1特別保留記憶領域1および第1特別保留記憶領域2に第1特別乱数値が格納されている状態で、第1特別乱数値を取得し、当該取得した時点における先読演出抽選で先読み演出の実行が決定された場合、演出制御手段300は、当該決定に基づき先読み演出を開始し、先読み演出の実行が決定された第1特別乱数値よりも前の第1特別乱数値に基づく第1特別図柄の変動中に、先読み演出の実行が決定された第1特別乱数値に対応する第1保留画像420の色を変化させる(例えば白から赤へ変化させる)。
【0207】
以下、通常状態において第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選し、時短状態への移行が決定することを「通常状態で成功」や「通常状態の成功」と呼ぶ場合がある。
【0208】
第1特別図柄抽選で「大当り3」に当選したことに基づく第1特別遊技状態が終了し、微時短状態へ移行した場合、あるいは通常状態での第1特別図柄抽選で「C時短1」に当選したことに基づき微時短状態へ移行した場合、微時短状態において第1特別図柄の変動表示の回数が所定回数(1329回)に到達し微時短状態の終了条件が成立したことに基づき通常状態へ移行する。演出制御手段300は、微時短状態において、保留されている第1特別乱数値に対応する第1保留画像420(
図9(a))を液晶ディスプレイ32に表示させる演出(第1保留演出)を実行可能である。また、演出制御手段300は、微時短状態において、第1特別乱数値についての先読み演出を実行し得る。
【0209】
RAMクリア後の通常状態では、メモリ(メインメモリ290)が初期化されていることに基づき保留されている第1特別乱数値が存在しない。RAMクリア後の通常状態では、第1特別乱数値に対応する第1保留画像420が表示されない。
【0210】
また、演出制御手段300は、時短状態において、保留されている第2特別乱数値に対応する第2保留画像422(
図9(d))を液晶ディスプレイ32に表示させる演出(第2保留演出)を実行可能である。時短状態では、第2保留演出が実行され、第1保留演出は実行されず、第1特別乱数値についての先読み演出が実行されない。時短状態の終了条件の成立に基づき通常状態へ移行するが、時短状態においては、保留されている第2特別乱数値に対応する第2保留画像422を液晶ディスプレイ32に表示させる演出を実行するため、通常状態における特殊演出の対象となりうる第1特別乱数値の第1保留画像420は表示されておらず、通常状態の成功を示唆する表示(赤保留など)は表示されない。
【0211】
微時短状態において予め定められた所定期間(第1特別図柄の変動表示の回数が1329回)が経過すると通常状態へ移行する。ここで、微時短状態において当該所定期間が経過する直前の期間において先読み演出が実行された場合について説明する。
図14は、当該先読み演出が実行された場合の表示の一例を示している。
図14では、第1特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値は先読み演出の実行が決定されなかったもので、当該第1特別保留記憶領域1に対応する第1保留表示領域411に白色(通常色)の第1保留画像420が表示されている。なお、当該第1保留画像420は微時短状態での1327回目の第1特別図柄の変動表示に対応しているものとする。また、第1特別保留記憶領域2に格納されている第1特別乱数値は先読み演出の実行が決定されなかったもので、当該第1特別保留記憶領域2に対応する第1保留表示領域412に白色(通常色)の第1保留画像420が表示されている。なお、当該第1保留画像420は微時短状態での1328回目の第1特別図柄の変動表示に対応しているものとする。また、第1特別保留記憶領域3に格納されている第1特別乱数値は先読み演出の実行が決定されなかったもので、当該第1特別保留記憶領域3に対応する第1保留表示領域413に白色(通常色)の第1保留画像420が表示されている。なお、当該第1保留画像420は微時短状態での1329回目(最後)の第1特別図柄の変動表示に対応しているものとする。また、第1特別保留記憶領域4に格納されている第1特別乱数値は先読み演出の実行が決定され、先読み演出が実行された結果、当該第1特別保留記憶領域4に対応する第1保留表示領域414に赤色の第1保留画像420が表示されている。なお、当該第1保留画像420は通常状態での第1特別図柄の変動表示に対応しているものとする。
【0212】
微時短状態において、遊技者は、液晶ディスプレイ32に表示される演出表示上の変動回数表示(不図示)や遊技機の上部に設けられたデータカウンタなどを通じて微時短状態における第1特別図柄の変動表示の回数を把握可能であり、あとどのぐらいの期間で微時短状態が終了して通常状態へ移行するかを把握し得る。したがって、微時短状態が終了する直前に先読み演出が実行され、赤色の第1保留画像420が表示された場合、遊技者は、当該先読み演出が通常状態の成功を示唆する先読み演出であると思い、通常状態に成功する確率が高いかもしれないという過度な期待感を事前に抱き得る。
【0213】
ところで、
図7(b)に示すように、通常状態に成功する確率、すなわち通常状態での第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選し、時短状態への移行が決定する確率は約20%(約1/5程度)となっている。したがって、当該抽選の前に遊技者に過度な期待感を抱かせてしまうと、通常状態に成功しなかった場合に遊技者に与える喪失感が大きいものとなり得る。
【0214】
(微時短状態)
演出制御手段300は、微時短状態において、微時短状態での最後の第1特別図柄の変動表示よりも前(微時短状態の終了の4変動前)の「1326回目」の第1特別図柄の変動表示が開始された以降に取得した第1特別乱数値については先読み演出の実行を決定しない(先読み演出の実行を制限する)。なお、「先読み演出の実行を決定しない」とは、当該第1特別乱数値に基づく先読演出抽選の当選確率が0%となっていてもよく、当該第1特別乱数値に基づく先読演出抽選が実行されないように構成されていてもよい。
【0215】
図15(a)は、微時短状態において1326回目の第1特別図柄の変動表示が開始された後、遊技球が第1始動口46に進入したことに基づき第1特別乱数値が取得された(新たに第1特別乱数値の保留が発生した)場合の一例を示し、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3に第1特別乱数値が格納されていて、新たに取得した第1特別乱数値が第1特別保留領域4に格納された場合を示している。当該第1特別乱数値は、通常状態での第1特別図柄の変動表示に対応しているが、当該第1特別乱数値について先読み演出の実行が決定されない。なお、当該第1特別乱数値およびそれ以降に取得される第1特別乱数値についても先読み演出の実行が決定されない。
図15(a)に示すように、第1特別保留記憶領域4に対応する第1保留表示領域414に、白色(通常色)の第1保留画像420が表示される。換言すると、当該第1保留画像420が赤色などに変化することはない。なお、当該第1保留画像420に対応する第1特別乱数値が、序数が1つ小さい第1特別保留記憶領域に移動する際などにも、第1保留画像420の色が変化しない(先読み演出が実行されない)。このため、微時短状態において、通常状態での第1特別図柄抽選の結果を事前に示唆する演出(先読み演出)が実行されないようになっている。
【0216】
なお、
図15(a)において、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3に格納されている第1特別乱数値は、先読み演出の実行が制限される前に取得された第1特別乱数値であり、先読み演出が実行され得るものとなっている。
【0217】
図15(b)は、微時短状態において1326回目の第1特別図柄の変動表示が開始された後、遊技球が第1始動口46に進入したことに基づき第1特別乱数値が取得された(新たに第1特別乱数値の保留が発生した)場合の別の一例を示し、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納されていて、新たに取得した第1特別乱数値が第1特別保留記憶領域2に格納された場合を示している。このとき、当該第1特別乱数値について先読み演出の実行が決定されない。なお、当該第1特別乱数値およびそれ以降に取得される第1特別乱数値についても先読み演出の実行が決定されない。
図15(b)に示すように、当該第1特別保留記憶領域2に対応する第1保留表示領域412に、白色(通常色)の第1保留画像420が表示される。当該第1特別乱数値は、微時短状態での1328回目の第1特別図柄の変動表示に対応している。この場合、当該第1特別乱数値よりも後に取得された第1特別乱数値についても先読み演出の実行が決定されないことから、通常状態での第1特別図柄の変動表示に対応する第1特別乱数値についても先読み演出の実行が決定されない。このため、微時短状態において、通常状態での第1特別図柄抽選の結果を事前に示唆する演出(先読み演出)が実行されないようになっている。
【0218】
演出制御手段300は、微時短状態において、少なくとも、通常状態での第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値について先読み演出の実行を決定しないように制御する。このため、微時短状態において、通常状態での第1特別図柄抽選の結果を事前に示唆する演出(先読み演出)が実行されない。これにより、遊技者が、通常状態の成功に対し、事前に過度な期待感を抱くのを抑制できる。また、微時短状態において、通常状態での第1特別図柄抽選の結果を事前に示唆する演出(先読み演出)が実行され、仮に当該演出によって期待度が高くない(低い)ことが示唆された場合、通常状態へ移行し特殊演出が開始された際に遊技者が抱く期待感が損なわれてしまう可能性がある。したがって、当該先読み演出が実行されないようにすることで、特殊演出が実行された場合に遊技者が抱く期待感が損なわれないようにすることができる。
【0219】
演出制御手段300が、微時短状態において、1326回目の第1特別図柄の変動表示が開始された以降に取得した第1特別乱数値については先読み演出の実行を決定しないように制御する場合、例えば
図15(a)に示したように、微時短状態における最後の所定回数の第1特別図柄の変動表示に対応する第1特別乱数値について、先読み演出が実行され得る。そこで、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4に4つの第1特別乱数値を格納可能であることを踏まえ、演出制御手段300は、微時短状態において、「1322回目」の第1特別図柄の変動表示が開始された以降に取得した第1特別乱数値について先読み演出の実行を決定しないように制御してもよい。
【0220】
図15(c)は、微時短状態において1322回目の第1特別図柄の変動表示が開始された後、遊技球が第1始動口46に進入したことに基づき第1特別乱数値が取得された(新たに第1特別乱数値の保留が発生した)場合の一例を示し、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3に第1特別乱数値が格納されていて、新たに取得した第1特別乱数値が第1特別保留領域4に格納された場合を示している。この場合、当該第1特別乱数値について先読み演出の実行が決定されない。なお、当該第1特別乱数値およびそれ以降に取得される第1特別乱数値についても先読み演出の実行が決定されない。すなわち、微時短状態での1326回目の第1特別図柄の変動表示に対応する第1特別乱数値と、当該第1特別乱数値よりも後に取得された第1特別乱数値について、先読み演出の実行が決定されない。
【0221】
図15(a)において、例えば、微時短状態での1328回目の第1特別図柄の変動表示に対応する第1特別乱数値について先読み演出が実行されたとする。遊技者は、当該第1特別乱数値に係る第1特別図柄の変動表示を通常状態での第1特別図柄の変動表示であると誤認し(勘違いし)、通常状態の成功に対し、事前に過度な期待感を抱いてしまう可能性がある。したがって、微時短状態における最後の(微時短状態が終了する直前の)所定回数(4回)の第1特別図柄の変動表示に対応する第1特別乱数値についても(確実に)先読み演出が実行されないように構成することで、遊技者が誤認し、かかる期待感を抱く可能性を低減できる。また、かかる誤認をした遊技者が、通常状態での第1特別図柄抽選を実行することなく遊技を終えてしまう可能性を低減できる。
【0222】
本実施形態では、演出制御手段300は、微時短状態において、1326回目の第1特別図柄の変動表示が開始された以降に取得した第1特別乱数値については先読み演出の実行を決定しない。このため、通常状態での第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値よりも後(直後)に取得された第1特別乱数値についても、先読み演出の実行が決定されない。
【0223】
ここで、例えば、通常状態での第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値よりも2つ後に取得(保留)された第1特別乱数値について先読み演出が実行された場合を考える。この場合、遊技者は、当該先読み演出が実行されたことに基づき、通常状態の成功に対し、事前に期待感を抱き得る。しかし、当該第1特別乱数値よりも2つ前に取得された第1特別乱数値に係る第1特別図柄の変動表示に伴い、通常状態での特殊演出が開始される。このため、遊技者は混乱するおそれがある。本実施形態によれば、通常状態での第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値よりも後に取得された第1特別乱数値についても先読み演出が実行されないため、遊技者が混乱する可能性を低減できる。
【0224】
次に、通常状態での第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値よりも後(例えば2つ後)に取得された第1特別乱数値について先読み演出が実行され、当該第1特別乱数値に対応する第1保留画像420が赤色(赤保留)となった場合(期待度が高いことが事前に示唆された場合)であって、通常状態での第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選した場合を考える。この場合、「C時短2」の当選に基づき時短状態へ移行し、時短状態と特別遊技状態の間で遊技状態の移行が繰り返される期間(連続期間)が開始され得るが、例えば、第1特別乱数値よりも第2特別乱数値を優先して消化する構成等においては、遊技者は、当該期間において所望のタイミングで、赤色の第1保留画像420が示された第1特別乱数値に係る第1特別図柄抽選を実行させて大当りに当選させるという攻略を実行し得る。したがって、通常状態での第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値よりも後に取得された第1特別乱数値についても先読み演出が実行されないようにすることで、遊技者が、事前に期待度が示唆された第1特別乱数値を用いて所定の攻略を行うことを抑制できる。
なお、上記では「通常状態での第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値よりも後に取得された第1特別乱数値について先読み演出が決定されない」としたが、「通常状態での第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値よりも後に取得された第1特別乱数値」とは、(1)通常状態での第1特別図柄の変動表示の結果が第2の結果(C時短1)となったことが報知されるタイミングまでの間に取得された第1特別乱数値であってもよい。換言すると、当該第1特別乱数値が取得されるまでの期間が、先読み演出が決定されない期間として設定され得るものであってもよい。また、(2)「通常状態での第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値」に係る第1特別図柄の変動表示中に取得され得る、新たな微時短状態での4回目の第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値(前回の微時短状態から連続して数えると1334回目の第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値)までの第1特別乱数値であってもよい。換言すると、当該第1特別乱数値が取得されるまでの期間が、先読み演出が決定されない期間として設定され得るものであってもよい。
【0225】
(通常状態)
演出制御手段300は、通常状態において、保留されている第1特別乱数値に対応する第1保留画像420(
図9(a))を液晶ディスプレイ32に表示させる演出(第1保留演出)を実行しない。また、演出制御手段300は、通常状態において、第1特別乱数値についての先読み演出を実行しない。また、演出制御手段300は、通常状態において取得した第1特別乱数値について先読み演出の実行を決定しないように制御する。通常状態では準備演出(
図12)が実行され、遊技価値が第1始動口46に進入すると第1特別図柄抽選が実行され、特殊演出(
図13)が開始されるが、その特殊演出が実行されている間に(第1特別図柄の変動表示中に)、遊技球が第1始動口46に進入し得る。すなわち、第1特別乱数値が第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに格納(保留)され得る。通常状態において第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに格納された第1特別乱数値は、取得した時点の遊技状態が通常状態であることに基づき先読み演出の実行が決定されない。このため、通常状態での第1特別図柄抽選で「C時短1」に当選したことに基づき微時短状態へ移行した場合、当該微時短状態において、通常状態で格納された第1特別乱数値については先読み演出が実行されない。なお、微時短状態への移行後に取得された第1特別乱数値については先読み演出が実行され得る。本実施形態では、通常状態において取得された第1特別乱数値について先読み演出の実行が決定されない(先読演出抽選が実行されない)が、微時短状態において取得された第1特別乱数値については先読み演出の実行が決定され得る(先読演出抽選が実行され得る)。
【0226】
次に、通常状態において第1特別図柄抽選が実行され、かつ第1特別乱数値が第1特別保留記憶領域1に格納(保留)されている場合において、当該第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選した場合について説明する。この場合、第1特別図柄が「C時短2」に応じた態様で停止表示されたことを契機として時短状態へ移行するが、当該時短状態において第2始動口49への遊技球の進入に基づき第2特別図柄抽選が実行されるよりも前に(第2特別乱数値が格納(保留)されるよりも前に)、保留されていた第1特別乱数値に基づく第1特別図柄抽選が実行(開始)されるという、特殊状況が発生する場合がある。なお、特殊状況では、遊技状態が時短状態であることに基づき、液晶ディスプレイ32に、遊技者に右打ちを促す右打ち表示が小さく表示されるようになっている。
【0227】
特殊状況において、保留されていた第1特別乱数値に基づく第1特別図柄抽選で「大当り3」に当選した場合、特別遊技状態が開始されるが、特別遊技状態の終了後に時短状態へ移行せずに微時短状態へ移行してしまうと、通常状態での第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選したにも関わらず時短状態へ移行しないこととなるため、遊技者は不満(喪失感)を抱くおそれがある。
【0228】
主制御基板200は、第1特別図柄抽選で「大当り」に当選したことに基づき設定する時短回数(
図7(a))を当該抽選時の遊技状態に応じて変更することが可能である。本実施形態では、主制御基板200は、特殊状況(時短状態)において第1特別図柄抽選で「大当り3」に当選した場合、当該当選に基づく特別遊技状態の終了時に所定の時短回数(110回)を設定する。このため、特殊状況において第1特別図柄抽選で「大当り3」に当選した場合、特別遊技状態の終了後に微時短状態へ移行せずに時短状態へ移行する。したがって、「大当り3」に当選した場合であっても時短状態へ移行することとなるため、遊技者が不満(喪失感)を抱く可能性を低減できる。
【0229】
特殊状況において第1特別図柄抽選で「大当り3」に当選した場合に、当該当選に基づく特別遊技状態の終了時に所定の時短回数(110回)を設定することができない場合(微時短状態への移行を避けられない場合)、次のように構成されていてもよい。
【0230】
通常状態において第1特別図柄抽選が実行され、かつ第1特別乱数値が第1特別保留記憶領域1に格納(保留)されている場合において、当該第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選し、かつ保留されている当該第1特別乱数値に「大当り」に当選という事前判定結果が対応付けられた場合、演出制御手段300は、当該第1特別図柄抽選に係る第1特別図柄の「C時短2」の当選に係る変動表示中に実行する特殊演出を、成功パターンではなく失敗パターンとする(成功パターンから失敗パターンへ変更する)。すなわち当該第1特別図柄抽選で「C時短2」に当選した場合であっても、時短状態への移行が決定したことを報知する演出を実行しないように制御する。
【0231】
仮に成功パターンの特殊演出が実行された場合、遊技者は時短状態へ移行すると思い込む分、その後の第1特別図柄抽選で「大当り3」に当選し、時短状態へ移行しなかった場合に大きい喪失感を抱く可能性がある。そこで、成功パターンの特殊演出ではなく失敗パターンの特殊演出を実行し、時短状態への移行の決定が報知されないようにすることで、「大当り3」に当選し時短状態へ移行しなかった場合に、遊技者に与える喪失感を低減できる。
【0232】
本実施形態では、上述のとおり、特殊演出はシャッターが出現するものとなっており、シャッターが閉じた後、最終的に時短状態への移行が決定したことが報知される成功パターンと、シャッターが閉じた後、最終的に時短状態への移行が決定しなかったことが報知される第1失敗パターンと、が用意されている。通常状態で第1特別図柄抽選が実行され、第1特別図柄が「C時短2」の当選に係る変動表示をしている間に、「大当り」が対応付けられた第1特別乱数値の保留が発生した場合、実行する特殊演出を成功パターンから第1失敗パターンへ変更する(書き換える)ことが可能となっている。
【0233】
なお、この場合、失敗パターンの特殊演出が実行されるが、第1特別図柄が「C時短2」に応じた態様で停止表示されたことを契機として、内部的には、遊技状態が一度時短状態へ移行する。したがって、この場合についても、当該時短状態では、液晶ディスプレイ32に、遊技者に右打ちを促す右打ち表示が小さく表示されるようにしてもよい。
【0234】
本実施形態では、演出制御手段300は、微時短状態において、「1326回目」の第1特別図柄の変動表示が開始された以降に取得した第1特別乱数値については先読み演出の実行を決定しないとしたが、次のように構成されていてもよい。特別図柄抽選手段230は、第1特別乱数値を取得した時点で事前判定処理を行い、当該第1特別乱数値に基づく第1特別図柄の変動表示がいずれの遊技状態において実行されるかを判定する。そして、演出制御手段300は、第1特別乱数値を取得した時点で先読演出抽選を実行可能であるが、当該時点で遊技状態が微時短状態であり、かつ取得した第1特別乱数値が通常状態での第1特別図柄の変動表示に係る第1特別乱数値である場合、当該第1特別乱数値について先読み演出の実行を決定しないように制御する。これにより、微時短状態において、通常状態での第1特別図柄抽選の結果を事前に示唆する演出(先読み演出)が実行されない。
【0235】
微時短状態は、微時短カウンタ2916の記憶値に「1329」が設定されて開始され、第1特別図柄の変動表示が行われるごとに微時短カウンタ2916の記憶値から「1」が減算される。演出制御手段300は、遊技機の電源が投入され、電断(RAMクリアを伴わない電断)から復帰した際に遊技状態が微時短状態である場合、電断復帰後に微時短状態において所定回数(例えば100回)の第1特別図柄の変動表示が実行されたことに基づき条件が成立したものとし、通常状態が開始されるまでの残り遊技回数表示を液晶ディスプレイ32に表示させてもよい。その場合、演出制御手段300は、微時短カウンタ2916の記憶値に基づき残り遊技回数表示を表示させ、残り遊技回数表示は、例えば「〇〇ジャッジまであと200G」(〇〇は例えばキャラクタ名で、〇〇ジャッジは通常状態の演出名である)という文字列を含む表示となっている。残り遊技回数表示が表示される場合、残り遊技回数表示が表示されない場合よりも、遊技者の遊技意欲を向上させ、遊技機の稼働率を上昇させ得る。
【0236】
なお、電断復帰後、すぐに残り遊技回数表示が表示される場合、遊技場の開店直後に遊技者が残り遊技回数表示を見て当該遊技機で遊技を行うか否かを判断する可能性がある。換言すると、開店直後に遊技者が残り遊技回数表示を見て当該遊技機での遊技を避け、遊技機の稼働率が低下する可能性がある。そこで、電断復帰後、所定回数(例えば100回)の第1特別図柄の変動表示が行われるまでは残り遊技回数表示が表示されないようにすることで、開店直後に遊技者が遊技を避けるのを抑え、遊技機の稼働率を上昇させることができる。
【0237】
本実施形態の遊技機は、
遊技媒体が移動する遊技領域(遊技領域4)を備え、遊技者の操作に応じて前記遊技領域に遊技媒体が発射される遊技機であって、抽選手段(特別図柄抽選手段230)と、状態制御手段(遊技状態移行制御手段250)と、特別遊技実行手段(特別遊技実行手段260)と、演出制御手段(演出制御手段300)と、を備え、
前記抽選手段は、前記遊技領域に設けられた第1領域(第1始動口46)に遊技媒体が進入したことに基づき第1抽選(第1特別図柄抽選)を行い、前記遊技領域に設けられた第2領域(第2始動口49)に遊技媒体が進入したことに基づき第2抽選(第2特別図柄抽選)を行い、
前記状態制御手段は、通常遊技状態(通常状態)と、第1特定遊技状態(時短状態)と、第2特定遊技状態(微時短状態)と、特別遊技状態と、を含む複数種類の遊技状態の間で遊技状態を移行させる制御を行い、
前記特別遊技実行手段は、前記特別遊技状態での特別遊技の実行を制御し、前記特別遊技では、前記遊技領域に設けられた所定領域(大入賞口50)に遊技媒体が進入可能となる状態に特定可動物(特別役物56)が動作し、
前記状態制御手段は、
前記第1抽選または前記第2抽選で特定の結果が得られた場合に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させ、前記特別遊技状態の終了後に遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記通常遊技状態において前記第1抽選で第1の結果(C時短2)が得られた場合に遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記通常遊技状態において前記第1抽選で第2の結果(C時短1)が得られた場合に遊技状態を前記第2特定遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記第2特定遊技状態では、前記第1抽選で前記第1の結果が得られた場合であっても遊技状態を前記第1特定遊技状態へ移行させず、
前記第2特定遊技状態において予め定められた所定期間が経過した場合に遊技状態を前記通常遊技状態へ移行させることが可能であり、
前記演出制御手段は、
前記通常遊技状態において前記第1特定遊技状態への移行可否を報知する特殊演出を実行可能であり、
前記第2特定遊技状態において、前記第1領域に遊技媒体が進入した場合に、当該遊技媒体の進入に対応する前記第1抽選の結果を事前に示唆する演出を実行可能であり、
前記第2特定遊技状態において、少なくとも、前記所定期間の経過後の前記通常遊技状態で実行される前記第1抽選の結果を事前に示唆する演出を実行しない。
【0238】
通常遊技状態は、第1抽選の結果に応じて(第1の結果が得られた場合に)第1特定遊技状態へ移行し得る遊技状態となっている。また、通常遊技状態では、第1特定遊技状態への移行可否を報知する特殊演出が実行されるようになっている。仮に、第2特定遊技状態において、通常遊技状態で実行される第1抽選の結果を事前に示唆する演出が実行された場合、遊技者が通常遊技状態で第1特定遊技状態への移行が決定すること(特殊演出で第1特定遊技状態への移行の決定が報知されること)に対して、事前に過度な期待感を抱く可能性がある。遊技者が過度な期待感を抱いた状態で通常遊技状態へ移行し、第1抽選の結果が第2の結果であって第1特定遊技状態へ移行しなかった場合、遊技者が抱く喪失感が大きいものとなり得る。また、第2特定遊技状態において、通常遊技状態で実行される第1抽選の結果が事前に示唆された場合、通常遊技状態へ移行して特殊演出が開始された際に遊技者が抱く期待感が損なわれてしまう可能性がある。そこで、第2特定遊技状態では、通常遊技状態で実行される第1抽選の結果を事前に示唆する演出が実行されないようにすることで、遊技者が事前に過度な期待感を抱くことや、通常遊技状態において遊技者が抱く期待感が損なわれるのを抑制できる。すなわち、遊技者が通常遊技状態に対して事前に抱く期待感が高くなることや低くなることを抑えることができる(期待感を安定させることができる)。これにより、遊技の興趣の低下を抑制できる。
【0239】
本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、各種制御等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、本発明はその発明の範囲内において、自由な組み合わせ、あるいは各構成要素の変形、もしくは構成要素の省略などが可能である。
【符号の説明】
【0240】
4 遊技領域
32 液晶ディスプレイ(演出表示装置)
46 第1始動口(第1領域)
49 第2始動口(第2領域)
50 大入賞口(所定領域)
56 特別役物(特定可動物)
230 特別図柄抽選手段(抽選手段)
250 遊技状態移行制御手段(状態制御手段)
260 特別遊技実行手段
300 演出制御手段
304 特定記憶領域