(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178866
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】発酵品生成装置
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20241218BHJP
A23C 9/123 20060101ALI20241218BHJP
A23C 9/127 20060101ALI20241218BHJP
A23L 11/50 20210101ALI20241218BHJP
A01J 11/00 20060101ALN20241218BHJP
A23L 7/104 20160101ALN20241218BHJP
【FI】
A23L5/00 J
A23C9/123
A23C9/127
A23L11/50
A01J11/00
A23L7/104
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097346
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】西尾 賢一
(72)【発明者】
【氏名】今井 いつか
【テーマコード(参考)】
4B001
4B020
4B023
4B035
【Fターム(参考)】
4B001AC20
4B001AC31
4B001BC08
4B001BC14
4B001CC01
4B001DC01
4B001DC50
4B001EC99
4B020LB27
4B020LG05
4B020LP18
4B023LE11
4B023LE30
4B023LK18
4B023LP16
4B023LT60
4B035LC16
4B035LE03
4B035LE11
4B035LG01
4B035LG33
4B035LG34
4B035LG44
4B035LG50
4B035LP01
4B035LP06
4B035LP42
4B035LT01
4B035LT20
(57)【要約】
【課題】各種サイズ・タイプの収容容器を利用可能な発酵品生成装置を提供する。
【解決手段】発酵品生成装置は、対象物を加熱発酵させて発酵品を生成する発酵品生成装置において、対象物を収容する収容容器を収容するための収容空間11を内部に有する筐体を備え、収容空間11は、上方から見たときに、N(Nは5以上の自然数である)角形状をしている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を加熱発酵させて発酵品を生成する発酵品生成装置において、
前記対象物を収容する収容容器を収容するための収容空間を内部に有する筐体を備え、
前記収容空間は、上方から見たときに、N(Nは5以上の自然数である)角形状をしている
発酵品生成装置。
【請求項2】
前記N角形は、6角形状、少なくとも1つの角部が円弧状をした6角形に似た疑似6角形状、少なくとも1つの辺部が円弧状をした6角形に似た疑似6角形状、少なくとも1つの角部と少なくとも1つの辺部とが円弧状をした6角形に似た疑似6角形状である
請求項1に記載の発酵品生成装置。
【請求項3】
前記6角形状又は前記疑似6角形状は、距離が最大となる一対の第1辺部の対向方向と直交し且つ前記対向方向であって前記一対の第1辺部間の中点を通る仮想線に対して線対称な形状であり、
上方から見たときに正方形状の前記収容容器を収容すると、前記第1辺部と異なる4つの第2辺部が、前記収容容器の4つの角部分に当接又は近接する
請求項2に記載の発酵品生成装置。
【請求項4】
前記装置本体は、前記対象物を加熱発酵させるヒータを前記凹入部の周壁部分に備えると共に、前記ヒータを制御するため回路が実装された回路基板を前記周壁部分と前記筐体の外周壁との間に備え、
前記回路基板は、上方から見たときに、前記対向方向と平行であって、前記対向方向と直交する方向の一方側に位置する
請求項3に記載の発酵品生成装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記収容空間の下部側を形成する凹入部を有する装置本体と、前記凹入部の開口を覆い且つ前記収容空間の上部側を形成する蓋体とを備え、
前記凹入部の開口面積は、前記凹入部の底部分の面積よりも大きい
請求項1~4の何れか1項に記載の発酵品生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を加熱発酵させて発酵品を生成する発酵品生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発酵品の1つである発酵乳を生成する発酵乳生成装置として、例えば、「ヨーグルトを作る時の発酵温度を切り替えることにより、発酵温度の異なるヨーグルトの異種菌にも対応でき、ヨーグルトを作る時の容器にもパック牛乳をそのまま使う方法と付属容器を使って作る方法のどちらにも対応できる発酵温度設定切り替え式ヨーグルト製造機」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記装置では、例えば豆乳紙パックのように横長のパックをセットしてそのままヨーグルトを作ることが出来ないため、中身を専用容器に移し替える必要があり面倒である。
本発明は、上記の問題点に鑑み、各種サイズ・タイプの収容容器を利用可能な発酵品生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る発酵品生成装置は、対象物を加熱発酵させて発酵品を生成する発酵品生成装置において、前記対象物を収容する収容容器を収容するための収容空間を内部に有する筐体を備え、前記収容空間は、上方から見たときに、N(Nは5以上の自然数である)角形状をしている。
【発明の効果】
【0006】
上記の装置によれば、各種サイズ・タイプの収容容器を利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(a)は発酵品生成装置の外観を示す斜視図であり、(b)は収容容器を収容し蓋体を外した状態の斜視図である。
【
図2】発酵品生成装置の断面を右側上方から見た斜視図である。
【
図3】発酵品生成装置の断面を上方から見た図である。
【
図4】(a)は装置本体を上方から見た図であり、(b)は平面視方形状の収容容器を収容した装置本体を上方から見た図である。
【
図5】(a)は平面視横長矩形状の収容容器を収容した装置本体を上方から見た図であり、(b)は平面視円形状の収容容器を収容した装置本体を上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
一形態に係る第1発酵品生成装置は、対象物を加熱発酵させて発酵品を生成する発酵品生成装置において、前記対象物を収容する収容容器を収容するための収容空間を内部に有する筐体を備え、前記収容空間は、上方から見たときに、N(Nは5以上の自然数である)角形状をしている。
これにより、平面視横長矩形状、平面視方形状、平面視円形状の収容容器を収容できる。
【0009】
一形態に係る第2発酵品生成装置は、第1発酵品生成装置において、前記N角形は、6角形状、少なくとも1つの角部が円弧状をした6角形に似た疑似6角形状、少なくとも1つの辺部が円弧状をした6角形に似た疑似6角形状、少なくとも1つの角部と少なくとも1つの辺部とが円弧状をした6角形に似た疑似6角形状である。
これにより、平面視横長矩形状、平面視方形状、平面視円形状の収容容器を収容できる。
【0010】
一形態に係る第3発酵品生成装置は、第2発酵品生成装置において、前記6角形状又は前記疑似6角形状は、距離が最大となる一対の第1辺部の対向方向と直交し且つ前記対向方向であって前記一対の第1辺部間の中点を通る仮想線に対して線対称な形状であり、
上方から見たときに正方形状の前記収容容器を収容すると、前記第1辺部と異なる4つの第2辺部が、前記収容容器の4つの角部分に当接又は近接する。
これにより、収容容器の位置決めが可能となる。
【0011】
一形態に係る第4発酵品生成装置は、第3発酵品生成装置において、前記装置本体は、前記対象物を加熱発酵させるヒータを前記凹入部の周壁部分に備えると共に、前記ヒータを制御するため回路が実装された回路基板を前記周壁部分と前記筐体の外周壁との間に備え、前記回路基板は、上方から見たときに、前記対向方向と平行であって、前記対向方向と直交する方向の一方側に位置する。
一形態に係る第4A発酵品生成装置は、第1~第3発酵品生成装置において、前記装置本体は、前記対象物を加熱発酵させるヒータを前記凹入部の周壁部分に備えると共に、前記ヒータを制御するため回路が実装された回路基板を前記周壁部分と前記筐体の外周壁との間に備え、前記回路基板は、上方から見たときに、前記第1方向と平行であって、前記第2方向の一方側に位置する。
【0012】
一形態に係る第5発酵品生成装置は、第1~第4発酵品生成装置において、前記筐体は、前記収容空間の下部側を形成する凹入部を有する装置本体と、前記凹入部の開口を覆い且つ前記収容空間の上部側を形成する蓋体とを備え、前記凹入部の開口面積は、前記凹入部の底部分の面積よりも大きい。
これにより、凹入部に収容容器を挿入しやすくできる。
【0013】
一形態に係る第6発酵品生成装置は、第1~第5発酵品生成装置において、前記凹入部の開口周縁部は、上側に移るにしたがって外側に拡がる傾斜面となっている。
これにより、凹入部に収容容器を挿入しやすくできる。
【0014】
一形態に係る第7発酵品生成装置は、第1~第6発酵品生成装置において、前記装置本体は、前記凹入部の底部分に、凸部を複数個備える。
これにより、凹入部の底部分に溜まった液体(例えば水)に収容容器の底面が触れるのを抑制できる。
【0015】
<実施形態>
【0016】
1.発酵品生成装置
発酵品生成装置1は、対象物を加熱発酵させて発酵品を生成する。
発酵品は、例えば、発酵乳、甘酒、塩麹等がある。発酵乳は、例えば、原料乳と種菌とを加熱発酵させることにより生成される。甘酒は、例えば、ご飯に熱湯を加え、さらに水と米麹を加えて発酵させることにより生成される。塩麹は、例えば、甘酒、米麹に塩と水を加えて発酵させることにより生成される。
発酵品生成装置1は、
図1、
図2に示すように、対象物を収容する収容容器9を収容する収容空間11を内部に有する。なお、図では、収容空間11の引き出し線を、凹入部32と区別するために、矢印としている。
収容容器9は、例えば、
図4の(b)に示すような上方から見て方形状をする収容容器9A、
図5の(a)に示すように上方から見て横長の方形状をする収容容器9B、
図5の(b)に示すように上方から見た円形状をする収容容器9C等があり、区別する必要がない場合は、単に「収容容器9」とする。
例えば、収容容器9Aは例えば牛乳パック等が該当し、平面視において7cm×7cmの方形状をしている。収容容器9Bは例えば豆乳パック等が該当し、、平面視において10cm×6cmの横長矩形状をしている。収容容器9Cは専用容器が該当し、平面視において半径が5cmの円形状をしている。
なお、牛乳と乳酸菌からヨーグルトを生成でき、豆乳と乳酸菌からは豆乳ヨーグルト(発酵品)も生成できる。
【0017】
発酵品生成装置1は、収容空間11の下部側を形成する装置本体3と、収容空間11の上部側を形成する蓋体5とを備える。つまり、装置本体3と蓋体5とで筐体を構成する。
装置本体3は、本体部31と、本体部31の上面から下方に凹入する凹入部32とを備える。装置本体3は、対象物を加熱するための加熱部33(
図2参照)と、装置の電源をON・OFFしたり、生成する発酵品を選択したり、手動で対象物を加熱したりするための操作部34と、加熱部33や操作部34を制御する制御部35を備える。
ここで、操作部34のある面と直交する方向を前後方向とし、操作部34のある側を前側とし、前後方向と上下方向とに直交する方向を左右方向とする。
蓋体5は、
図1に示すように、装置本体3の上部を着脱可能に覆う。
【0018】
2.装置本体
本体部31は、柱状をし、上方から見たときに、
図3に示すように、角部と辺部とが円弧状をした方形状をしている。本体部31は、外周壁311を有し、外周壁311における前側に位置する部位に、操作部34が設けられている。本体部31は、上壁312と外周壁311との結合部分に、段差部313を有し、ドーム状の蓋体5が嵌合するように構成されている。
【0019】
凹入部32は、
図2に示すように、収容空間11の下部側を構成する。凹入部32は、断面における開口形状が上下方向で略同じ形状をしている(上下方向の任意の位置での開口形状が略一定(相似)である)。凹入部32は、周壁部分321と底部分322とを有している。周壁部分321は、底部分322から上方に移るにしたがって開口面積が大きくなっている。つまり、凹入部32の上端の開口面積が、底部分322の面積よりも大きくなっている。これにより、収容容器9の収容を容易としている。特に、収容容器9Aの場合、前後又は左右方向に対して真っ直ぐ挿入しなかった場合でも、収容容器9Aを前後及び左右方向に対向した位置(想定した位置)に配置させるよう案内することができる。
また、底部分322側の開口面積が小さくなっているため、周壁部分321の下部側と収容容器9との間の隙間が小さくなる又は当接する。これにより、収容容器9のガタツキを防止又は位置決めでき、加熱部33と収容容器9との距離のバラツキが小さくなる。したがって、収容容器9(対象物)の加熱温度のバラツキが小さくなり、発酵物の品質を高めることができる。
【0020】
凹入部32(収容空間11)は、上方から見たときに
図4の(a)に示すように、左右方向の寸法L1と前後方向の寸法L2とが略同じであり、N(Nは5以上の自然数)角形をしている。なお、略同じとは、L1は、L2に対して、0.8倍以上1.2倍以下の範囲にあることをいう。
換言すると、凹入部32を上方から見たときの開口形状の輪郭は、左右方向と交差する一対の直線状の第1領域323と、前後方向に交差し且つ円弧状の第2領域324とを含み、第2領域324は第1領域323の前後方向の両端からさらに外方側へ膨出をしているような形状をしている。これにより、
図5の(a)に示すような、横長状の収容容器9Bや、円柱状の収容容器9Cも収容できる(当然、方形状の収容容器9Aも収容できる)。
また、開口形状は、左右方向と交差(又は直交)する一対の第1領域323の中央(中心O)を通り前後方向に延伸する仮想線Lに対して左右対称な形状をしている。
【0021】
凹入部32の形状であるN角形は、ここでは、左右方向の一対の辺部(第1領域323)の距離が大きい6角形状、少なくとも1つの角部が円弧状をした6角形に似た疑似6角形状、少なくとも1つの辺部が円弧状をした6角形に似た疑似6角形状、少なくとも1つの角部と少なくとも1つの辺部とが円弧状をした6角形に似た疑似6角形状であるに似た疑似6角形状をしている。
図3に示すように、ここでの疑似6角形状は、6つの角部と、4つの辺部(左右方向に対向し且つ対向する距離が最も大きい辺部(第1領域323)以外の4つの辺部である)は円弧状をしている。
【0022】
疑似6角形は、
図5の(b)に示すように、半径rの円が、一対の第1領域323と、一対の第2領域324とに内接するような形状をし、一対の第1領域323が対向する方向(左右方向)と、一対の第2領域324が対向する方向(前後方向)とが直交する。これにより、半径がrの円柱状の収容容器9Cをガタツキの少ない状態で収容でき、加熱部33と収容容器9Cとの隙間を一定にでき、温度のバラツキを小さくできる。
なお、一対の第1領域323の間隔(
図4の(a)の「L1」)は、
図5の(a)に示すように、横長の収容容器9Bの長辺の長さに相当し、第1領域323の前後方向の長さL3は、横長の収容容器9Bの短辺の長さに相当する。これにより、横長の収容容器9Bをガタツキの少ない状態で収容できることとなり、収容容器9Bを想定した位置に配置でき、加熱対象物の品質のバラツキを小さくできる。
また、一対の第2領域324の円弧は、半径がrに対して、1.05倍以上 1.2倍以下の範囲内にある。
【0023】
第1領域323と第2領域324との間に位置する第3領域325は、
図3に示すように、直線状又は、第2領域324の円弧の半径よりも大きな円弧状をしている。4つの第3領域325は、
図4の(b)に示すように、収容容器9Aの4つの角部分と当接するように構成されている。これにより、上方から見ると方形状の収容容器9Aをガタツキの少ない状態で収容でき、加熱部33と収容容器9Aとの隙間を一定にでき、収容容器(対象物)9Aの温度のバラツキを小さくできる。
なお、第3領域325を含めると、収容空間11を上方から見たときに、
図4の(a)に示すように、直交する第1方向(左右方向)と第2方向(前後方向)とにおいて第1方向の寸法(L1)が第2方向の寸法(L3)よりも大きく、第1方向と交差する一対の短辺部(第1領域323)と、第2方向と交差し且つ短辺部よりも長い一対の長辺部(第2領域324と第3領域325)とからなり、長辺部は第2方向の外方側へ膨出をしている。
なお、膨出の仕方は、直線状の2つの第3領域325と円弧状の第2領域324との組合せであってもよいし、第2領域324に相当する部分が左右方向と平行な直線状であってもよい(この場合、疑似8角形状となる)。
【0024】
具体的には、L1は、収容容器9Bの長辺以上であり、10cmである。L3は、収容容器9Bの短辺以上であり、6cmである。L2は、L1と同じ10cmである。なお、L3は、収容容器9Bの短辺より長く、収容容器9Aの一辺より短くなっている。これにより、収容容器9A,9B,9Cを位置決め状態で収容でき、収容容器9Aの角部分が凹入部32の周壁部分321と当接する。
【0025】
凹入部32の開口周縁部326は、上側に移るにしたがって外側に拡がる傾斜面(326)となっている。これにより、収容容器9を凹入部32内に挿入しやすく、また凹入部32内へと案内されやすくできる。
凹入部32の底部分322には、凸部327を複数個有している。これにより、凹入部32の底部分322に溜まった水等に、収容容器9の底部が接触するのを抑制でき、衛生的に使用できる。また、水が収容容器9の底部の全面(大部分も含む)に接触した場合、収容容器9の側面と凹入部32の周壁との隙間のような間隔が無くなり、収容容器9底面と側面とでヒータからの伝熱に差が生じやすくなるのを凸部327によってその伝熱差の発生を抑制することができる。また、収容容器9が底部に紙容器の折目等の凹凸面のあるような容器であった場合でも、凸部327によって底部が平坦面の容器と同様に凹入部32の底部分322に安定して配置させることができる。
ここでの凸部327は、上方から見ると、円形状、方形状、矩形状、楕円形状、長円形状等をしている。凸部327は、ここでは、8個あり、
図3に示すように、第1の方形状S1の角に配された4個と、第1の方形状S1の一辺よりも小さな第2の方形状S2の角に配された4個とを含む。ここでは、第1の方形状S1の対角線の交点位置と、第2の方形状S2の対角線の交点位置とが一致し(図中の「O」である)、第2の方形状S2は、第1の方形状S1に対して交点(中心)回りを45度回転している。なお、第2の方形状S2は、第1の方形状S1の領域内に存在する。
【0026】
加熱部33は、
図2に示すように、凹入部32の周壁部分321の外周面(収容空間11に面しない側の面)に設けられている。加熱部33は、電熱線により構成され、上下方向に折り返しながら、周壁部分321の全周に亘って設けられている。電熱線は、図示しないアルミ等の金属箔(アルミテープ)により固定されている。アルミ箔は凹入部32の外周面の全周に亘って設けられ、これにより、凹入部32の周壁部分321の全周に満遍なく伝熱可能となる。なお、固定の観点からは、凹入部32の全周に設ける必要はない。
【0027】
操作部34は、
図1の(b)に示すように、電源用の電源ボタン341や、生成用プログラムを選択するための選択ボタン342を備える他、選択内容、プログラムの進行状況や温度等を表示する表示手段343を備える。これらは、外周壁311と凹入部32の周壁部分321との間に配された回路基板344に実装されている。
回路基板344は、上方から見たときに、
図3に示すように、前後方向と直交する状態(換言すると、左右方向に平行な状態)で配されている。
回路基板344には、加熱部33を制御したり、生成用のプログラムを実行したりする制御部35の電子部品が実装されている。
回路基板344は、凹入部32の周壁部分321と外周壁311との間であって前後方向の一方側(前側)に配されている。
ここで、外周壁311が左右方向の中央を通り且つ前後方向に延伸する仮想線(中心線L)に対して左右対称(仮想線で線対称である)の疑似方形状をしているため、加熱部33と回路基板344とが左右方向の中央で最も近くなるが、中央の左右両側では、加熱部33と回路基板344との距離が大きくなる。これにより、熱に弱い電子部品や背の高い電子部品を左右の両側に配置することができる。また、このように配置できるため、装置本体3の大型化を防止できる。
【0028】
3.蓋体
蓋体5は、下方が開放するカップ状をする。蓋体5は、断面形状が装置本体3の断面の外周形状と同じような形状をしている。蓋体5の開口側端部(下端部)51は、装置本体3の段差部313に嵌合する。
蓋体5は、蓋体5の装置本体3に取り付けたり、取り外したりする際に使用できるつまみ部53を天壁部52に有している。つまみ部53は、一対の凹み部分54により構成される。
【0029】
<変形例>
【0030】
以下、本発明を上記の実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されないのは勿論である。以下のような場合も本発明に含まれる。
(1)実施形態では、上方から見たときに、直交する第1方向(左右方向)と第2方向(前後方向)とにおいて第1方向の寸法が第2方向の寸法よりも大きい6角形状をしているが、第1方向の寸法が第2方向の寸法よりも大きい4角形、5角形、7角以上の多角形状であってもよい。
【0031】
(2)実施形態では、収容空間の断面形状は、疑似6角形状をしていたが、横長の収容容器9Bと方形状の収容容器9Aとを収容するという観点からは、長辺が収容容器9Bの長辺部分に相当し、短辺が収容容器9Aの一辺に相当する矩形状であってもよいし、また、一辺が収容容器9Bの長辺部分とする方形状であってもよい。
【0032】
(3)実施形態では、収容空間の断面形状は、疑似6角形状をしていたが、前後方向の前側の2つの第3領域325と1つの第2領域324とが左右方向に延伸する直線状とした、5角形状又は疑似5角形状となる。
この場合、前後方向の後側の2つの第3領域(325)で収容容器9Aの角部分に当接するように構成することで、収容容器9A,9B,9Cを位置決めした状態で収容できる。
【0033】
(4)実施形態では、凹入部32の開口面積が上側に移るにしたがって大きくなっているが、上下方向の中間部分を狭くすることで、入れ易さを維持しつつ中間部分で位置決めするようにしてもよい。また、位置決めの観点からは、下側に移るにしたがって開口面積が大きくなるようにしてもよい。
【0034】
(5)実施形態では、凹入部32の第2領域324が前後方向(前側)にあり、操作部34が前側(前後方向の一方側)に位置しているが、第2領域324又は操作部34が左右方向(左右側)にあってもよい。
【0035】
(6)実施形態では、凹入部32の底部分322に島状に凸部327を複数個有しているが、例えば、左右方向、前後方向、斜め方向等延伸する突条であってもよい。但し、突条の上面に水等が付着することから、山状の凸部が好ましい。
【0036】
(7)実施形態では、凹入部32の底部分322にはヒータ(電熱線)を設けていないが、底部分322に、ヒータ(電熱線)を設けてもよいし、周壁部分321からつながるアルミ箔やアルミテープを設けてもよい。なお、アルミ箔(金属箔)やアルミテープを周壁部分321から連続させることで、底部分322にヒータを設けなくても底部分322を加熱できる。
【符号の説明】
【0037】
1 発酵品生成装置
3 装置本体
5 蓋体
11 収容空間
31 本体部
32 凹入部