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特開2024-178871情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理方法、肥料を製造する方法及び水処理剤を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178871
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理方法、肥料を製造する方法及び水処理剤を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/30 20230101AFI20241218BHJP
【FI】
G06Q10/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097352
(22)【出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】盛岡 実
(72)【発明者】
【氏名】本田 一馬
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 弘樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】より有益な情報処理システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムでは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能なプロセッサを備える。第1の取得ステップでは、カイロが回収ボックスに投入されたことを示す投入情報と、カイロの識別情報とを取得する。付与ステップでは、識別情報に基づき、カイロが所定のカイロであると判定された場合には、カイロを回収ボックスに投入したユーザに報酬を付与する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
次の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能なプロセッサを備え、
第1の取得ステップでは、カイロが回収ボックスに投入されたことを示す投入情報と、前記カイロの識別情報とを取得し、
付与ステップでは、前記識別情報に基づき、前記カイロが所定のカイロであると判定された場合には、前記カイロを前記回収ボックスに投入したユーザに報酬を付与する、システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
さらに、第2の取得ステップでは、前記回収ボックスに付された認証コード又は認証タグを前記ユーザの端末が読み出すことを契機として、ユーザ情報を取得し、
さらに、特定ステップでは、前記ユーザ情報に対応するユーザアカウントを特定し、
前記付与ステップでは、前記ユーザアカウントに対して前記報酬を付与する、システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記所定のカイロが投入されてから所定時間内に前記ユーザ情報が取得された場合に、前記ユーザアカウントに前記報酬を付与する、システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記報酬は、電子マネーである、システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の取得ステップでは、前記カイロが予め設定されたサイズの範囲内である場合に、前記投入情報を取得する、システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記回収ボックスが受け付けた前記投入情報の数に応じて、前記報酬を可変に付与する、システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記識別情報に基づき、前記報酬を可変に付与する、システム。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記識別情報は、前記カイロに付されたコード又はタグから読み出される情報である、システム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理システムにおいて、
前記コード又は前記タグは、前記カイロが配布又は販売される、施設又はイベントに対応するイベント情報を含む、システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
前記報酬は、前記イベント情報と関連する、システム。
【請求項11】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記識別情報は、前記カイロの外観の情報である、システム。
【請求項12】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記識別情報は、前記回収ボックスに投入する際の前記カイロの温度の情報を含む、システム。
【請求項13】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記識別情報は、前記カイロの内容物の成分の情報を含む、システム。
【請求項14】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記識別情報は、前記カイロを使用したことにより、出現する情報を含む、システム。
【請求項15】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記報酬は、前記回収ボックスの設置場所と関連する、システム。
【請求項16】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記カイロは、施設の中で配布又は販売され、
前記回収ボックスは、前記施設の出口に向かうルート上に設置される、システム。
【請求項17】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
さらに、情報処理装置と、前記回収ボックスとを備え、
前記情報処理装置は、前記プロセッサを備える、システム。
【請求項18】
情報処理プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項17の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
【請求項19】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項17の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【請求項20】
肥料を製造する方法であって、
請求項1~請求項17の何れか1つに記載の情報処理システムの前記回収ボックスにより回収した前記カイロの内容物を前記肥料の原料として使用する、方法。
【請求項21】
水処理剤を製造する方法であって、
請求項1~請求項17の何れか1つに記載の情報処理システムの前記回収ボックスにより回収した前記カイロの内容物を前記水処理剤の原料として使用する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理方法、肥料を製造する方法及び水処理剤を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、使用済みペットボトルの回収量の把握ができる回収装置及びその管理システムを提供することが記載されている。例えば、使用済みのペットボトルを回収する回収装置であって、ペットボトルを回収するために装置本体にサイズに応じて設けた複数の投入口と、この各投入口に投入されたペットボトルの数を夫々計数するカウンタと、この各カウンタの計数値に基づいて投入口に投入されたペットボトルの総重量を算出する算出装置とを備えた使用済みペットボトルの回収装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-182805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使い捨てカイロの回収装置や回収システムは知られていない。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、より有益な情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムでは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能なプロセッサを備える。第1の取得ステップでは、カイロが回収ボックスに投入されたことを示す投入情報と、カイロの識別情報とを取得する。付与ステップでは、識別情報に基づき、カイロが所定のカイロであると判定された場合には、カイロを回収ボックスに投入したユーザに報酬を付与する。
【0007】
本発明の一つによれば、より有益な情報処理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システム1を表す構成図である。
図2】サーバ2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】決済サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】ユーザ端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】回収装置5のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】回収装置5の一例を示す概要図である。
図7】回収装置5の内部の一例を示す概要図である。
図8】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
図9】投入口56の一例を示す概要図である。
図10】使い捨てカイロCの一例を示す概要図である。
図11】この報酬Pを決定する流れの一例を示すアクティビティ図である。
図12】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの別の一例を示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<情報処理システム1>
図1は、情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、サーバ2と、決済サーバ3と、ユーザ端末4と、回収装置5とを備える。サーバ2と、決済サーバ3と、ユーザ端末4と、回収装置5とは、電気通信回線を通じて通信可能に構成されている。情報処理システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。一実施形態において、情報処理システム1は、ユーザ端末4に例示される情報処理装置と、回収装置5に例示される回収ボックスとから構成されてもよい。以下、これらの構成要素について説明する。
【0015】
<サーバ2>
図2は、サーバ2のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備え、これらの構成要素がサーバ2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0016】
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ2は、通信部21及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0017】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部23によって実行されるサーバ2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、制御部23によって実行されるサーバ2に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0018】
制御部23は、サーバ2に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0019】
<決済サーバ3>
図3は、決済サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。決済サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備え、これらの構成要素が決済サーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素の説明は、サーバ2における各部の説明と同様のため省略する。
【0020】
<ユーザ端末4>
図4は、ユーザ端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、表示部44と、入力部45とを備え、これらの構成要素がユーザ端末4の内部において通信バス40を介して電気的に接続されている。通信部41、記憶部42及び制御部43の説明は、サーバ2における各部の説明と同様のため省略する。
【0021】
表示部44は、ユーザ端末4筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部44は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末4の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0022】
入力部45は、ユーザ端末4の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部45は、表示部44と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部45がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス40を介して制御部43に転送され、制御部43が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0023】
<回収装置5>
図5は、回収装置5のハードウェア構成を示すブロック図である。回収装置5は、通信部51と、記憶部52と、制御部53と、表示部54と、センサ部55とを備え、これらの構成要素が回収装置5の内部において通信バス50を介して電気的に接続されている。通信部51、記憶部52、制御部53及び表示部54の説明は、ユーザ端末4における各部の説明と同様のため省略する。
【0024】
センサ部55は、回収装置5の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。センサ部55は、例えば、イメージセンサ、赤外線センサ、地磁気センサ、及び温度センサ等を備える。イメージセンサは、デジタルカメラやバーコードリーダ等を採用してもよい。すなわち、センサ部55は、各種センサを用いて、所定のカイロに関する情報を検出し、取得する。センサ部55が取得した情報は、通信バス50を介して制御部53に転送され、制御部53が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。詳細は後述する。
【0025】
図6は、回収装置5の一例を示す概要図である。回収装置5は、使い捨てカイロCを回収する装置である。回収装置5は、使い捨てカイロCの投入口56と、画面54aと、決済用画面54bと、投入数カウンタ54cと、バーコードリーダ55aとを備える。画面54aと、決済用画面54bと、投入数カウンタ54cとは表示部54の一例である。画面54aは、回収装置5の前面に設けられており、ユーザに対し、回収操作方法と報酬Pに関する情報を表示する。例えば、画面54aには、領域RgとボタンBtとが含まれる。制御部23は、領域Rgに、ユーザが次に行う作業を表示させることができる。また、ボタンBtには、「開始」という文字が描画され、ボタンBtが押下されることにより、制御部23がユーザからの指示を受け付ける。決済用画面54bは、報酬Pを付与する際に使用される二次元コード等を表示する画面である。投入数カウンタ54cは、回収装置5に投入された所定のカイロの合計数を表示する。バーコードリーダ55aは、センサ部55の一例であり、例えば、カイロに付されたバーコード等を読み取る。詳細は後述する。
【0026】
図7は、回収装置5の内部の一例を示す概要図である。回収装置5は、投入口56から投入された使い捨てカイロCを収納する収納容器561を備える。回収装置5の制御部53は、投入口56に置かれた使い捨てカイロCが所定のカイロであるとの判定結果を受け取ると、投入口56に置かれた使い捨てカイロCを収納容器561に収納するように制御する。具体的には、不図示のベルトコンベヤ等の駆動機構が適宜駆動することで、使い捨てカイロCが運搬され、収納容器561に収納される。
【0027】
2.サーバ2の機能構成
制御部23は、取得ステップと、付与ステップと、特定ステップとを実行するように構成される。
【0028】
第1の取得ステップは、カイロが回収ボックスに投入されたことを示す投入情報と、カイロの識別情報とを取得するステップである。第2の取得ステップは、ユーザ情報を取得するステップである。詳細は後述する。
【0029】
付与ステップは、ユーザに報酬を付与するステップである。詳細は後述する。
【0030】
特定ステップは、ユーザ情報に対応するユーザアカウントを特定するステップである。詳細は後述する。
3.情報処理の流れ
本節では、情報処理システム1が実行する情報処理方法の流れについての概要を説明する。下記に示す通り、情報処理方法は、次の各ステップ(アクティビティ)を備える。なお、処理の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、一部の処理が省略されてもよい。
【0031】
3.1 条件例示
使い捨てカイロCは、鉄粉の酸化作用を利用したカイロである。使い捨てカイロCの本体は、不織布の袋で覆われ、その内容物として、鉄粉、活性炭、保水材(例えば、バーミキュライトや高吸水性高分子等)、水、塩類等を包む。使い捨てカイロCの本体は、酸素を透過しない外袋に入れた状態で保管される。使い捨てカイロCの外袋を開けると、空気中の酸素が使い捨てカイロCの鉄分と結びつき酸化反応が起こることにより、使い捨てカイロCの本体が発熱する。一度発熱反応が終わった使い捨てカイロCは、再度発熱することはない。大半の使い捨てカイロCは、一度使用後に燃やすゴミ又は燃やさないゴミとして廃棄されており、再利用はされていない。しかしながら、使い捨てカイロCの内容物は、肥料や水処理剤等の原料として再利用することが可能である。使い捨てカイロCが回収装置5により回収されることにより、回収した使い捨てカイロCの内容物をリサイクルすることができる。
【0032】
一例として、使い捨てカイロCが多く配布又は販売される施設に回収装置5を設置し、回収装置5により使い捨てカイロCが回収される場合を想定する。ユーザが回収装置5に使い捨てカイロCを投入した場合には、ユーザに報酬Pとして電子マネーが付与される。このような態様により、使い捨てカイロCの回収が促進される。以下、使い捨てカイロCが回収装置5に投入され、ユーザに対し電子マネーが付与される流れについて説明する。
【0033】
3.2 流れの概要
図8は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明するものとする。
【0034】
まず、制御部53は、処理を開始するためのボタンBtを所定の画面54aに表示させる。ボタンBtがユーザによって押下されると、制御部53は、処理開始の指示として受け付ける(アクティビティA001)。ボタンBtは、一例であり、ユーザが操作可能な視覚情報を有するオブジェクトであれば、その態様は問わない。また、ボタンBtが回収装置5に物理的に設けられてもよい。画面54aの領域Rgにユーザへの操作指示を表示させることによって、ユーザの操作を促してもよい。例えば、領域Rgに「カイロを投入する場合には、開始ボタンを押してください」と表示させることによって、ユーザに対しボタンBtを押下させてもよい。
【0035】
次に、制御部53は、投入口56を制御し、使い捨てカイロCを投入可能とする(アクティビティA002)。具体的には、制御部53は、投入口56の蓋を開けるよう駆動させ、投入口56への使い捨てカイロCの投入を可能とする。
【0036】
図9は、投入口56の一例を示す概要図である。投入口56には、使い捨てカイロCが投入される。投入口56は、読取装置55bとセンサ55cとを備える。読取装置55bは、例えばカメラ、スキャナ又はリーダ等である。読取装置55bは、使い捨てカイロCの外観を撮像する。センサ55cは、例えば、重量センサ、温度センサ、磁気センサ等である。
【0037】
次に、制御部53は、投入口56に使い捨てカイロCが置かれたことを受け付ける(アクティビティA003)。すなわち、投入口56内に使い捨てカイロCが置かれると、センサ55cは使い捨てカイロCが置かれたことを検出する。制御部53は、センサ55cからの信号を受け付ける。
【0038】
アクティビティA003において使い捨てカイロCが置かれたことを示す信号を受け付けると、次に、制御部53は、読取装置55bに使い捨てカイロCの外観を撮像させる。制御部53は、使い捨てカイロCの外観の情報として、その撮像データをサーバ2に送信する(アクティビティA004)。換言すると、制御部53は、使い捨てカイロCの識別情報として、使い捨てカイロCの外観の情報を送信してもよい。
【0039】
ここで、図10は、使い捨てカイロCの一例を示す概要図である。使い捨てカイロCは、領域71とバーコード72とを備える。領域71には、「〇〇イベント」のようにイベント名が記載されている。これに代えてマークやキャラクタのような画像が記載されていてもよい。領域71及びバーコード72は、市販の製品に元々存在する領域やバーコードであってもよいし、施設やイベント等の主催者によって付与された領域やバーコードであってもよい。
【0040】
次に、制御部23は、外観の情報として撮像データ等を取得する(アクティビティA005)。
【0041】
次に、制御部23は、予め記憶部22に記憶された所定のカイロの外観の情報と、アクティビティA005において取得した外観の情報とを突合し、投入された使い捨てカイロCが所定のカイロであるか否かを判定する。制御部23は、判定結果を回収装置5に送信する(アクティビティA006)。
【0042】
所定のカイロでないとの判定結果を受け取った場合、次に、制御部53は、投入口56から使い捨てカイロCを返却(アクティビティA007)し、処理を終了する。
【0043】
所定のカイロであるとの判定結果を受け取った場合、次に、制御部53は、使い捨てカイロCを収納容器561内に取得する(アクティビティA008)。例えば、不図示のベルトコンベヤ等の駆動機構が適宜駆動することで、使い捨てカイロCが運搬され、収納容器561に収納される。
【0044】
使い捨てカイロCが収納容器561に収納されると、次に、制御部53は、投入情報をサーバ2に送信する(アクティビティA009)。投入情報は、使い捨てカイロCが投入されたことを示す情報である。例えば、投入口56と収納容器561の間に不図示のセンサを設け、当該センサが使い捨てカイロCの移動を検出した場合に、制御部53が投入情報を送信してもよい。
【0045】
次に、サーバ2の制御部23は、投入情報を取得する(アクティビティA010)。次に、制御部23は、予め定められたルールに基づきユーザに付与する報酬Pを決定する(アクティビティA011)。なお、アクティビティA010~A011の処理の詳細については、図11を用いて後述する。
【0046】
次に、制御部23は、決定した報酬Pに基づき二次元コードを生成する(アクティビティA012)。例えば、制御部23は、決済サーバ3に対しユーザに付与する金額の支払いを行った後、決済サーバ3から二次元コードを受信してもよい。ここで、二次元コードには、ユーザに電子マネーを付与する電子マネー付与指示が含まれる。電子マネー付与指示には、ユーザに付与する電子マネーの金額を示す金額情報と、報酬Pを付与する施設等のアカウント情報とが含まれる。なお、二次元コードとは、縦と横の二方向に情報をもつコードのことをいい、例えば、QRコード(登録商標)等である。
【0047】
次に、制御部23は、生成した二次元コードを回収装置5に送信し、制御部53は、決済用画面54bに二次元コードを表示させる(アクティビティA013)。
【0048】
次に、ユーザ端末4は、決済用画面54bに表示された二次元コードを読み取る(アクティビティA014)。例えば、ユーザ端末4には予め所定の決済用のアプリケーションがインストールされている。ユーザ端末4は、決済用のアプリケーションを起動した上で、決済用のアプリケーションを介して、決済用画面54bに表示された二次元コードを読み取る。
【0049】
次に、ユーザ端末4が決済用画面54bから二次元コードを読み取ることを契機として、決済サーバ3は、電子マネー付与指示とユーザ情報とを取得する(アクティビティA015)。すなわち、ユーザ端末4は、電子マネー付与指示とユーザ情報とを送信し、決済サーバ3がそれらを取得する。換言すると、回収装置5に付された認証コード又は認証タグをユーザ端末4が読み出すことを契機として、制御部33は、第2の取得ステップとして、ユーザ情報を取得する。
【0050】
次に、制御部33は、ユーザアカウントを特定する(アクティビティA016)。すなわち、アクティビティA015において取得したユーザ情報と記憶部32に記憶された情報とに基づき、制御部33がユーザアカウントを特定する。換言すると、制御部33は、特定ステップとして、ユーザ情報に対応するユーザアカウントを特定する。
【0051】
次に、制御部33は、ユーザアカウントに電子マネーを付与する(アクティビティA017)。すなわち、制御部33は、施設のアカウントからユーザアカウントへと電子マネー付与指示に記載された所定の金額の電子マネーを移行させる。換言すると、制御部33は、付与ステップとして、ユーザアカウントに対して報酬Pを付与する。報酬Pは、電子マネーである。このような態様により、ユーザアカウントに対して電子マネーを付与することができる。
【0052】
次に、制御部33は、ユーザ端末4に対して、ユーザアカウントに電子マネーを付与した旨の通知を通知し、ユーザ端末4が電子マネーを受け取る(アクティビティA018)。
【0053】
以上をまとめると、情報処理システムは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能なプロセッサを備える。第1の取得ステップでは、使い捨てカイロCが回収装置5に投入されたことを示す投入情報と、使い捨てカイロCの識別情報とを取得する。付与ステップでは、識別情報に基づき、使い捨てカイロCが所定のカイロであると判定された場合には、カイロを回収ボックスに投入したユーザに報酬Pを付与する。
【0054】
このような態様により、回収装置5に所定のカイロを投入したユーザに対し報酬Pが付与される。
【0055】
回収装置5により回収した使い捨てカイロCの内容物を肥料の原料として使用し、肥料が製造されてもよいし、使い捨てカイロCの内容物を水処理剤の原料として使用して水処理剤が製造されてもよい。このような態様により、回収された使い捨てカイロCの内容物は有効に再利用される。
【0056】
4.情報処理の詳細
本節では、上記概説した情報処理の詳細について補足する。
【0057】
図11は、この報酬Pを決定する流れの一例を示すアクティビティ図である。サーバ2の制御部23は、投入情報を取得した場合に、予め定められたルールに基づきユーザに付与する報酬Pを決定する。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明する。
【0058】
まず、サーバ2の制御部23は、投入情報を取得する(アクティビティA101)。ここで、投入情報は、回収装置5が所定のカイロを受け付けたことを示す情報である。
【0059】
投入情報を受け付けると、次に、制御部23は、所定のカイロに応じた報酬Pを付与する(アクティビティA102)。ここで、所定のカイロに応じた報酬Pは、報酬Pの初期値である。報酬Pの初期値は、予めサーバ2に記憶されている。
【0060】
次に、制御部23は、投入情報に応じて、報酬Pを変更するか否かを判定する(アクティビティA103)。例えば、回収装置5がこれまで受け付けた投入情報の合計数の下2桁がゼロの場合に、制御部23は、投入情報の合計数がキリ番であると判定する。
【0061】
投入情報の合計数がキリ番であると判定されると、次に、制御部23は、報酬Pを2倍に変更する(アクティビティA104)。換言すると、制御部23は、付与ステップとして、回収装置5が受け付けた投入情報の数に応じて、報酬Pを可変に付与してもよい。このような態様により、ユーザがより楽しく使い捨てカイロCの回収に協力できるようになり、使い捨てカイロCの回収が促進される。
【0062】
次に、制御部23は、回収装置5から使い捨てカイロCの温度情報を取得する(アクティビティA105)。例えば、制御部53は、センサ55cが検出した使い捨てカイロCの温度情報を受け付け、サーバ2に送信する。換言すると、識別情報は、回収ボックスに投入する際の使い捨てカイロCの温度の情報を含んでもよい。
【0063】
次に、制御部23は、識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する(アクティビティA106)。例えば、使い捨てカイロCの温度が20℃以上であるか否かを判定する。
【0064】
使い捨てカイロCの温度が20℃以上であると判定された場合に、次に、制御部23は、報酬Pを2倍に変更する(アクティビティA107)。使い捨てカイロCの温度が20℃以上ではないと判定された場合には、制御部23は、報酬Pを変更しない。換言すると、制御部23は、付与ステップとして、識別情報に基づき、報酬Pを可変に付与してもよい。このような態様により、制御部23は、使い捨てカイロCの温度の情報に基づき報酬Pを可変に付与することができる。なお、通常、使い捨てカイロCは、使い始めから5時間以上(多くの場合は10時間以上)は20℃以上(多くの場合は40℃以上)となる。使い捨てカイロCの温度が高いということは、当日使用された使い捨てカイロCである可能性が高い。そこで、制御部23は、使い捨てカイロCの温度情報に基づき、使い捨てカイロCが当日施設で使用された使い捨てカイロCであるか否かを判定することができる。
【0065】
予め定められたルールが全て適用されると、報酬Pが決定する(アクティビティA108)。ここで、報酬Pに応じてユーザに電子マネーを付与する場合には、制御部23は、報酬Pの1ポイントをいくらにするかを決定する。例えば、1ポイントを1円として報酬Pに応じた金額を決定してもよい。
【0066】
上記の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0067】
アクティビティA013において、制御部23が決済用画面54bに二次元コードを表示させてから所定時間内に、ユーザ端末4により二次元コードの読み取りがなかった場合には、制御部53は、一連の情報処理を終了してもよい。換言すると、情報処理システム1は、所定のカイロが投入されてから所定時間内にユーザ情報が取得された場合に、ユーザアカウントに報酬を付与するように構成してもよい。このような態様により、制御部33が使い捨てカイロCを投入したユーザに対して報酬を付与することができる。また、このような態様により、使い捨てカイロCを投入したユーザによりコード又はタグが所定時間内に読み出されなかった場合には、制御部53は、一連の情報処理を終了することができる。
【0068】
本実施形態においては、報酬Pとして電子マネーを付与したが、使い捨てカイロCの販売価格に保証金を上乗せして販売し、回収装置5に使い捨てカイロCが投入されると、保証金分の電子マネーがユーザに返却される仕組みであってもよい。
【0069】
使い捨てカイロCの外観の情報には、使い捨てカイロCを使用したことにより、出現する情報を含んでもよい。例えば、使い捨てカイロCの本体に熱感応性のインクでテキストやオブジェクトを印刷しておくと、使い捨てカイロCが発熱することによりテキストやオブジェクトが出現する。このように発熱すると出現するテキストやオブジェクトを識別情報としてもよい。このような態様により、使用済みの使い捨てカイロCであるか否かを判定することができる。使用済みの使い捨てカイロCであるか否かにより、報酬Pが可変に付与されてもよい。
【0070】
本実施形態においては、アクティビティA004において、投入口56の読取装置55bにより、使い捨てカイロCの外観の情報を撮像したが、読取装置55bは、RFIDリーダであってもよい。RFIDリーダにより使い捨てカイロCに付されたICタグ又はRFタグを読み取り、読み取った結果を制御部53がサーバ2に送信してもよい。
【0071】
5.変形例
上記の情報処理システム1に関して、実施形態の変形例を説明する。
【0072】
図12は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの別の一例を示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明する。
【0073】
まず、前提として使い捨てカイロCは以下のように配布されたものとする。ユーザは、ユーザ端末4に当該イベント関連のアプリケーションを予めインストールしている。ユーザ端末4は、事前に当該アプリケーション経由で、イベント会場で使い捨てカイロCを受け取れるクーポンを受信している。ユーザがイベント会場の入口でクーポンを提示すると、使い捨てカイロCが配布される。使い捨てカイロCの配布の際に、制御部23は、所定のカイロを配布したことを示すカイロ配布情報を生成し、ユーザ端末4に送信する。カイロ配布情報のバーコードは、ユーザ端末4において表示させることができる。
【0074】
まず、回収装置5のボタンBtが押下された場合、制御部53は、処理開始の指示として受け付ける(アクティビティA201)。
【0075】
次に、制御部53は、表示部44に表示されたバーコードを読み取り、サーバ2に送信する(アクティビティA202)。具体的には、ユーザは、ユーザ端末4において、当該イベント関連のアプリケーションを起動させる。制御部43は、表示部44にカイロ配布情報のバーコードを表示させる。バーコードリーダ55aは、表示部44に表示されたバーコードを読み取り、サーバ2に送信する。
【0076】
次に、サーバ2の制御部23は、制御部53から使い捨てカイロCのバーコードの情報を取得する(アクティビティA203)。
【0077】
次に、制御部23は、取得したバーコードの情報が所定のカイロに関するものであるか否かを判定する(アクティビティA204)。すなわち、予め記憶部22に記憶された所定のカイロの情報と、取得した使い捨てカイロCのバーコードから得られる情報とを突合し、取得したバーコードの情報が所定のカイロに関するものであるか否かを判定する。制御部23が所定のカイロのものではないと判定した場合には処理を終了する。制御部23が所定のカイロのものであると判定した場合、制御部23は、判定結果を回収装置5に送信する。
【0078】
回収装置5が所定のカイロのものであるとの判定結果を受け取った場合、次に、制御部53は、回収装置5の投入口56を開く(アクティビティA205)。
【0079】
次に、制御部53は、投入口56を介して使い捨てカイロCを取得する(アクティビティA206)。
【0080】
次に、制御部53は、制御部23に使い捨てカイロCが投入されたことを示す投入情報を送信する(アクティビティA207)。
【0081】
ここで、予め設定されたサイズの使い捨てカイロCが投入口56に投入されなかった場合、制御部53は、サーバ2に投入情報を送信せず、処理を終了してもよい。例えば、投入口56に使い捨てカイロCが投入されなかった場合や予め設定されたサイズのカイロ以外のものが投入された場合には、制御部53は、サーバ2に投入情報を送信しないようにすることができる。このような態様により、制御部23は、所定のカイロが物理的に投入された場合にのみ報酬Pを付与することができる。
【0082】
次に、制御部23は、投入情報を取得する(アクティビティA208)。ここで、制御部23は、第1の取得部として、使い捨てカイロCが予め設定されたサイズの範囲内である場合に、投入情報を取得してもよい。
【0083】
次に、制御部23は、予め定められたルールに基づきユーザに付与する報酬Pを決定する(アクティビティA209)。
【0084】
ここで、アクティビティA203において取得されるバーコードの情報は、使い捨てカイロCが配布又は販売される、施設又はイベントに対応するイベント情報を含んでもよい。イベント情報が含まれる場合には、制御部23は、イベント情報に関連する報酬Pを決定してもよい。例えば、報酬Pは、施設又はイベントに関連するクーポンや特典動画、特典メッセージ等であってもよい。また、イベントがスポーツの試合である場合には、試合結果に基づき、報酬Pが可変に付与されてもよい。例えば、試合の勝敗によって報酬Pの内容が変更されてもよい。このような態様により、制御部23は、イベント情報と関連した報酬Pを付与することができる。
【0085】
次に、制御部23は、決定した報酬Pに基づき二次元コードを生成する(アクティビティA210)。
【0086】
次に、制御部23は、生成した二次元コードを制御部53に送信し、画面54aに表示させる(アクティビティA211)。
【0087】
次に、ユーザ端末4は、画面54aに表示された二次元コードを読み取る(アクティビティA212)。次に、ユーザ端末4は、サーバ2にユーザ情報を送信する(アクティビティA213)。制御部23がユーザ情報を受け取る(アクティビティA214)と、制御部23は、報酬Pをユーザ端末4に送信する(アクティビティA215)。次に、ユーザ端末4は報酬Pを受け取る(アクティビティA216)。
【0088】
イベントの主催者が使い捨てカイロCを施設の中で配布又は販売し、回収装置5を施設の出口に向かうルート上に設置すると、ユーザは、施設内で出口に向かうルート上で、使い捨てカイロCを回収装置5に投入することができる。このような態様により、使い捨てカイロCの回収を促進することができる。さらに、このような場合、イベント主催者が自ら使い捨てカイロCを配布又は販売し回収するので、使い捨てカイロCの種類を自由に選択することができる。イベント主催者は、例えば、肥料や水処理剤の原料として適した使い捨てカイロCを配布し、回収してもよい。
【0089】
上記の情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0090】
さらに、制御部23は、イベント会場での滞在時間により報酬Pを可変に付与してもよい。例えば、ユーザに使い捨てカイロCを配布しカイロ配布情報が記憶部22に記憶された時刻と、アクティビティA203において、使い捨てカイロCのバーコードの情報を制御部23が取得した時刻とに基づき、制御部23は、ユーザのイベント会場における滞在時間を算出することができる。算出された滞在時間に基づき、報酬Pが可変に付与されてもよい。例えば、滞在時間が長い場合(例えば4時間以上の場合)に、高い報酬Pが付与されてもよい。
【0091】
報酬Pは、回収装置5の設置場所と関連したものであってもよい。すなわち、使い捨てカイロCに付されたコード又はタグがイベント情報を含むか否かに関わらず、回収装置5の設置場所に関連した報酬Pが付与されてもよい。例えば、回収装置5の設置場所付近の飲食店のクーポン等が報酬Pとして付与されてもよい。
【0092】
制御部23は、肥料の原料に適した使い捨てカイロCが投入された場合に、報酬Pを可変に付与してもよい。一般に、使い捨てカイロCの内容物の塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が含まれる。しかし、使い捨てカイロCの内容物を肥料の原料として使用する場合は、塩化ナトリウムの量が少ない方が好ましい。そこで、使い捨てカイロCの内容物の、塩化ナトリウムの量が所定の量以下である使い捨てカイロCに対し、報酬Pを可変に付与してもよい。また、塩化ナトリウムの一部を塩化カリウムに置き換え、塩化ナトリウムの量が少なくした使い捨てカイロCもある。そこで、塩化カリウムの量が所定の量以上である使い捨てカイロCに対し、報酬Pを可変に付与してもよい。換言すると、識別情報は、使い捨てカイロCの内容物の成分の情報を含んでもよく、制御部23は、内容物の成分の情報により、報酬Pを可変に付与してもよい。なお、塩化ナトリウムの量は、例えば、蛍光X線分析、電気伝導率法、硝酸銀滴定法、イオン電極法、屈折計方式等により測定することができる。また、塩化ナトリウムの量を減らした使い捨てカイロCの製品としては、例えば、エコポッカ(宝商株式会社製)等がある。識別情報は、製品情報を含んでもよく、制御部23は、製品の内容物の成分の情報に基づいて、塩化ナトリウムの量が所定の量以下の使い捨てカイロCであると判定してもよい。さらに、制御部23は、判定結果に基づいて報酬Pを可変に付与してもよい。
【0093】
回収した使い捨てカイロCの内容物は、水処理剤の原料として使用されてもよい。使い捨てカイロCの内容物は、粉体のまま水処理剤の原料として使用されてもよいし、ペレット状にして水処理剤の原料として使用されてもよいし、ハニカム構造に成形して水処理剤の原料として使用されてもよい。使い捨てカイロCの内容物が水の浄化に寄与する。使い捨てカイロCの内容物が塩化ナトリウム等の塩類を含むことから、製造された水処理剤は、例えば、海水や疑似海水を用いた養殖場の水処理等に用いると合理的である。もちろん、淡水の浄化を目的とした水処理剤としても利用可能である。
【0094】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0095】
図1に示す全体構成は一例であり、これに限られない。例えば、サーバ2は、2台以上の装置に分散されてもよいし、クラウドコンピューティングシステムに代替されてもよい。また、回収装置5とサーバ2が分散して行った全ての処理が回収装置5で行われてもよいし、全ての処理がサーバ2で行われてもよい。ユーザ端末4にアプリケーションをインストールし、ユーザ端末4とサーバ2とが連携して上記したような処理を実行するようにしてもよい。
【0096】
実施形態の別の一態様は、プログラムであってもよい。情報処理プログラムは、コンピュータに、情報処理方法の各ステップを実行させる。
【0097】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0098】
(1)情報処理システムであって、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能なプロセッサを備え、第1の取得ステップでは、カイロが回収ボックスに投入されたことを示す投入情報と、前記カイロの識別情報とを取得し、付与ステップでは、前記識別情報に基づき、前記カイロが所定のカイロであると判定された場合には、前記カイロを前記回収ボックスに投入したユーザに報酬を付与する、システム。
【0099】
このような態様により、所定のカイロを回収ボックスに投入したユーザに報酬を付与することができ、所定のカイロの回収を促すことができる。
【0100】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、さらに、第2の取得ステップでは、前記回収ボックスに付された認証コード又は認証タグを前記ユーザの端末が読み出すことを契機として、ユーザ情報を取得し、さらに、特定ステップでは、前記ユーザ情報に対応するユーザアカウントを特定し、前記付与ステップでは、前記ユーザアカウントに対して前記報酬を付与する、システム。
【0101】
このような態様により、ユーザアカウントに対して報酬を付与することができる。
【0102】
(3)上記(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記所定のカイロが投入されてから所定時間内に前記ユーザ情報が取得された場合に、前記ユーザアカウントに前記報酬を付与する、システム。
【0103】
このような態様により、カイロを投入したユーザ以外の他のユーザに誤って報酬を付与するリスクを低減することができる。
【0104】
(4)上記(2)又は(3)に記載の情報処理システムにおいて、前記報酬は、電子マネーである、システム。
【0105】
このような態様により、報酬として電子マネーを付与することができる。
【0106】
(5)上記(1)から(4)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記第1の取得ステップでは、前記カイロが予め設定されたサイズの範囲内である場合に、前記投入情報を取得する、システム。
【0107】
このような態様により、予め設定されたサイズの範囲内でないカイロの投入情報は取得しないようにすることができる。
【0108】
(6)上記(1)から(5)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記回収ボックスが受け付けた前記投入情報の数に応じて、前記報酬を可変に付与する、システム。
【0109】
このような態様により、ユーザがより楽しくカイロの回収に協力できるようになり、所定のカイロの回収を促すことができる。
【0110】
(7)上記(1)から(6)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記識別情報に基づき、前記報酬を可変に付与する、システム。
【0111】
このような態様により、ユーザにカイロを回収装置5に投入する動機づけを与え、所定のカイロの回収を促すことができる。
【0112】
(8)上記(1)から(7)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記識別情報は、前記カイロに付されたコード又はタグから読み出される情報である、システム。
【0113】
このような態様により、所定のコード又はタグが付されたカイロの報酬を高く設定することができる。
【0114】
(9)上記(8)に記載の情報処理システムにおいて、前記コード又は前記タグは、前記カイロが配布又は販売される、施設又はイベントに対応するイベント情報を含む、システム。
【0115】
このような態様により、施設又はイベントにおいて、配布又は販売したカイロを回収した場合に、イベント情報に関連する報酬を付与することができる。
【0116】
(10)上記(9)に記載の情報処理システムにおいて、前記報酬は、前記イベント情報と関連する、システム。
【0117】
このような態様により、施設又はイベントに対応するイベント情報と関連した報酬を付与することができる。
【0118】
(11)上記(1)から(10)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記識別情報は、前記カイロの外観の情報である、システム。
【0119】
このような態様により、カイロの外観により所定のカイロであるか否かを判定することができる。さらに、カイロの外観により報酬を可変に付与することができる。
【0120】
(12)上記(1)から(11)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記識別情報は、前記回収ボックスに投入する際の前記カイロの温度の情報を含む、システム。
【0121】
このような態様により、カイロの温度により所定のカイロであるか否かを判定することができる。さらに、カイロの温度により報酬を可変に付与することができる。
【0122】
(13)上記(1)から(12)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記識別情報は、前記カイロの内容物の成分の情報を含む、システム。
【0123】
このような態様により、カイロの内容物の成分により所定のカイロであるか否かを判定することができる。さらに、カイロの内容物の成分により報酬を可変に付与することができる。
【0124】
(14)上記(1)から(13)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記識別情報は、前記カイロを使用したことにより、出現する情報を含む、システム。
【0125】
このような態様により、使用済み使い捨てカイロであるか否かを判定することができる。さらに、使用済み使い捨てカイロであることにより報酬を可変に付与することができる。
【0126】
(15)上記(1)から(14)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記報酬は、前記回収ボックスの設置場所と関連する、システム。
【0127】
このような態様により、回収ボックスの設置場所に応じた報酬を付与することができる。
【0128】
(16)上記(1)から(15)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記カイロは、施設の中で配布又は販売され、前記回収ボックスは、前記施設の出口に向かうルート上に設置される、システム。
【0129】
このような態様により、施設内でカイロを使用したユーザが出口に向かうルート上で、カイロを投入することができる。そのため、回収率を高めることができる。
【0130】
(17)上記(1)から(16)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、さらに、情報処理装置と、前記回収ボックスとを備え、前記情報処理装置は、前記プロセッサを備える、システム。
【0131】
このような態様により、情報処理装置と回収装置5とが連携して、回収と報酬の付与を実行することができる。
【0132】
(18)情報処理プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(17)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
【0133】
このような態様により、所定のカイロを回収ボックスに投入したユーザに報酬を付与することができ、所定のカイロの回収を促すことができる。
【0134】
(19)情報処理方法であって、上記(1)~(17)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【0135】
このような態様により、所定のカイロを回収ボックスに投入したユーザに報酬を付与することができ、所定のカイロの回収を促すことができる。
【0136】
(20)肥料を製造する方法であって、上記(1)~(17)の何れか1つに記載の情報処理システムの前記回収ボックスにより回収した前記カイロの内容物を前記肥料の原料として使用する、方法。
【0137】
このような態様により、回収したカイロを有効に再利用することができる
【0138】
(21)水処理剤を製造する方法であって、上記(1)~(17)の何れか1つに記載の情報処理システムの前記回収ボックスにより回収した前記カイロの内容物を前記水処理剤の原料として使用する、方法。
【0139】
このような態様により、回収したカイロを有効に再利用することができる。
もちろん、この限りではない。
【0140】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0141】
1 :情報処理システム
2 :サーバ
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
3 :決済サーバ
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
4 :ユーザ端末
40 :通信バス
41 :通信部
42 :記憶部
43 :制御部
44 :表示部
45 :入力部
5 :回収装置
50 :通信バス
51 :通信部
52 :記憶部
53 :制御部
54 :表示部
54a :画面
54b :決済用画面
54c :投入数カウンタ
55 :センサ部
55a :バーコードリーダ
55b :読取装置
55c :センサ
56 :投入口
561 :収納容器
71 :領域
72 :バーコード
Bt :ボタン
C :使い捨てカイロ
P :報酬
Rg :領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12