(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017889
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】樹脂蓋
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B65D83/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120834
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000224
【氏名又は名称】弁理士法人田治米国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白川 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】土屋 英里香
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014LB08
(57)【要約】
【課題】液体を含浸したシート材が収容されたフィルム製の袋体に取り付け易く、液体のしみ出しの起こりにくい樹脂蓋を提供する。
【解決手段】液体を含浸したシート材2が収容されたフィルム製の袋体10のシート取出口12に付け替え可能に取り付けられる樹脂蓋20が、シート取出用の開口部22を有する天面部21、天面部21に支持されて前記開口部22を開閉する蓋板23、天面部21の周囲にあって袋体10の外表面と貼着する貼着部26を有する。天面部21の裏面は、前記開口部22を囲む環状リブ28と、環状リブ28と貼着部26との間にある裏面凹部31を有する。天面部21の裏面において、環状リブ28が突出する基面が、貼着部26と袋体10との貼着面に対して天面部21の表面方向に位置する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を含浸したシート材が収容されたフィルム製の袋体のシート取出口に付け替え可能に取り付けられる樹脂蓋であって、シート取出用の開口部を有する天面部、天面部に支持されて前記開口部を開閉する蓋板、天面部の周囲にあって袋体の外表面と貼着する貼着部を有し、
天面部の裏面は、前記開口部を囲む環状リブと、環状リブと貼着部との間にある裏面凹部を有し、天面部の裏面において環状リブが突出する基面が貼着部と袋体との貼着面に対して天面部の表面方向に位置する樹脂蓋。
【請求項2】
前記基面からの前記貼着面の高さに対し、前記基面からの環状リブの高さが-0.25mm~+0.5mmである請求項1記載の樹脂蓋。
【請求項3】
樹脂蓋の開口部の外形が、袋体のシート取出口の外形よりも大きい請求項1又は2記載の樹脂蓋。
【請求項4】
請求項1記載の樹脂蓋の貼着部が、液体を含浸したシート材が収容されたフィルム製の袋体の外表面のシート取出口の外周部に貼着されている包装体。
【請求項5】
樹脂蓋の開口部内に袋体のシート取出口がある請求項4記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を含浸しているシート材が収容されているフィルム製の袋体に取り付けられる樹脂蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
メイク落とし、クレンジング、ローション等の液体化粧料や消毒液等の液体を含浸させた不織布、ティッシュペーパー等のシート材の積層体を備えたフィルム製の袋体に収容したシート材製品であって、シート取出口に蓋として再剥離性の封緘ラベルを設けたものが使用されている。
【0003】
このようなシート材製品において、シート材の取り出しを容易にすると共に、シート材の密封性を向上させるため、シート材を収容したフィルム製の袋体に樹脂蓋が固着されているものがある。しかしながら、袋体に固着されている樹脂蓋は使い捨てとなり、袋体に対して樹脂量の多い樹脂蓋を使い捨てとすることは環境適応性の観点から好ましくない。
【0004】
そこで、樹脂蓋の再利用を図るため、シート材を収容した袋体に対して付け替え可能に取り付けられるようにした樹脂蓋が提案されている(特許文献1)。この樹脂蓋は、袋体のシート取出口上に配置される開口部と、該開口部を形成する枠部と、枠部の裏面側に突出して袋体内部に挿入される挿入部と、挿入部の先端に形成されたフランジ部とを有し、枠部の裏面が袋体の天面に貼着される。この樹脂蓋では挿入部が袋体内部に挿入されることにより樹脂蓋と袋体との間に隙間ができることを防止してシート材の乾燥を防止し、また、袋体のシート取出口の縁部を、樹脂蓋の枠部とフランジ部とで挟むことにより樹脂蓋が袋体から不用意に外れることを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シート材の重量に対する、該シート材に含浸した液体の重量の割合を含浸率とした場合に、含浸率400%超という高含浸シートのシート材を収容した袋体に特許文献1に記載の樹脂蓋を取り付けると、挿入部が樹脂蓋と袋体との貼着面よりも袋体内部に挿入されるので、樹脂蓋の袋体への取り付け時にシート材が挿入部で押圧されて液体がしみ出し、その液体が樹脂蓋と袋体との貼着力を低下させる虞がある。
【0007】
また、袋体のシート取出口の縁部を樹脂蓋と枠部とフランジ部とで挟まなくてはならないため、樹脂蓋の袋体への取り付け作業が煩雑となる。さらに、特許文献1には、挿入部が袋体内部へ突出する長さを例えば3mm~30mmにするとあり、そのように挿入部を袋体内部に突出させると、枠部を袋体に押し付けても枠部の裏面を袋体の天面に強く押圧することが難しく、これらに十分な貼着力をもたせることが難しくなる。
【0008】
加えて、樹脂蓋の開口部の周りは、枠部と挿入部とフランジ部で断面がコの字状となるためこの部分に液体が付着したままになり易く、樹脂蓋の付け替え時にこの部分を洗い流すことが容易でない。そのため、樹脂蓋を新たな袋体に付け替えても、コの字状部分には付け替え前の袋体の液体が付着したままになり、衛生的に好ましくない。
【0009】
これに対し、本発明の課題は、液体を含浸したシート材が収容されたフィルム製の袋体に付け替え可能に取り付けられる樹脂蓋において、袋体への取り付けを容易にし、取り付け時にシート材からの液体のしみ出しを起こりにくくして樹脂蓋と袋体との接着力が液体によって低下することを防止し、付け替え時の洗浄が容易な構造とすることに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、樹脂蓋の裏面がシート取出用の開口部の周りに環状リブを有し、環状リブの基面を、樹脂蓋と袋体との貼着面よりも天面部の表面方向に位置させると、樹脂蓋を袋体に取り付けるときの環状リブによる袋体内のシート材の押圧量が低減して、シート材から液体がしみ出にくくなり、また、樹脂蓋の裏面の環状リブと貼着部との間に裏面凹部を設けることができ、裏面凹部がシート材からしみ出た液体の液溜めとして機能することを想到し、本発明を完成させた。
【0011】
即ち、本発明は、液体を含浸したシート材が収容されたフィルム製の袋体のシート取出口に付け替え可能に取り付けられる樹脂蓋であって、シート取出用の開口部を有する天面部、天面部に支持されて前記開口部を開閉する蓋板、天面部の周囲にあって袋体の外表面と貼着する貼着部を有し、
天面部の裏面は、前記開口部を囲む環状リブと、環状リブと貼着部との間にある裏面凹部を有し、天面部の裏面において環状リブが突出する基面が、貼着部と袋体との貼着面に対して天面部の表面方向に位置する樹脂蓋を提供する。
【0012】
また、本発明は、上述の樹脂蓋の貼着部が、液体を含浸したシート材が収容されたフィルム製の袋体の外表面のシート取出口の外周部に貼着されている包装体を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の樹脂蓋によれば、シート取出用の開口部を有する天面部の裏面に、該開口部を囲む環状リブが形成され、環状リブと貼着部との間が裏面凹部となっているので、シートが押されるなどしてシートから液体がしみ出ても裏面凹部で液体が保持される。これにより、シート材からしみ出た液体が樹脂蓋の貼着部と袋体との貼着面に浸入して貼着部と袋体との貼着力を低下させることを防止でき、またしみ出た液体が樹脂蓋の外に漏れ出ることも防止できる。
【0014】
また、環状リブの基面が、樹脂蓋の貼着部と袋体との貼着面よりも天面部の表面方向に位置しているので、その分、環状リブの先端部が樹脂蓋の天面寄りに位置する。したがって、液体を含浸したシート材が収容されたフィルム製の袋体に樹脂蓋を押圧して取り付ける際に、環状リブに押圧力が集中することなく樹脂蓋の貼着部を袋体の天面に十分に押圧することが可能となる。よって、樹脂蓋を袋体に取り付ける際にシート材から液体がしみ出ることを抑制することができ、これによってもしみ出た液体により樹脂蓋の貼着部と袋体との貼着力が低下したり、しみ出た液体が樹脂蓋の外に漏れ出たりすることを防止できる。
【0015】
このように本発明の樹脂蓋によれば、シート材からしみ出た液体によって貼着部と袋体との貼着力が低下することが防止できるので、樹脂蓋が袋体から不用意に外れないようにするために、特許文献1に記載の、袋体のシート取出口の縁部を挟むコの字状の構造を樹脂蓋に設けることは不要となり、樹脂蓋の付け替え時等において、必要に応じて樹脂蓋を洗い流すことが容易となる。よって、清潔な衛生状態を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施例の樹脂蓋と該樹脂蓋を取り付ける袋体の斜視図である。
【
図2】
図2は、蓋板が閉じている状態の実施例の樹脂蓋の裏面図である。
【
図3】
図3は、実施例の樹脂蓋を袋体に取り付けた包装体の斜視図である。
【
図6】
図6は、実施例の樹脂蓋の変形態様の部分断面図である。
【
図7】
図7は、実施例の包装体の変形態様の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0018】
図1は本発明の一実施例の樹脂蓋20とこの樹脂蓋20を取り付ける袋体10の斜視図であり、
図2はこの樹脂蓋20の裏面図であり、
図3はこの樹脂蓋20を袋体10に取り付けた実施例の包装体1の斜視図であり、
図4は包装体1のA-A図である。
【0019】
(袋体)
本実施例の袋体10は、液体を含浸している複数枚のシート材を積層状態で収容したもので、フィルムで形成されている。袋体10を構成するフィルムとしては、軟質のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂フィルム、又は樹脂フィルム、紙、アルミ箔が任意の組合せで積層された複合フィルム等を挙げることができる。樹脂フィルムは、一種の樹脂で形成された単体フィルムでもよく複数種の樹脂層で形成された積層フィルムでもよい。また、包装体を形成するフィルムは片面がヒートシール可能であることが好ましい。
【0020】
シート材2としては、不織布、ガーゼ等の織布、ティッシュペーパー等を挙げることができ、シート材に含浸させる液体としては、メイク落とし、クレンジング、ローション等を挙げることができる。シート材の重量に対する液体の重量の割合を含浸率とした場合に、含浸率が好ましくは300%以上、より好ましくは400%以上の高含浸率で液体がシート材からしみ出しやすい場合に本発明の意義が高い。含浸率の上限としては700%程度とすることができる。
【0021】
袋体10はその天面11にシート取出口12を有し、樹脂蓋20を取り付ける前のシート取出口12は封緘ラベル13で封じられている。封緘ラベル13は、再剥離性粘着層により着脱自在にシート取出口12を覆うものであって良い。一方、本発明においては樹脂蓋20の開閉によってシート材2を取り出すため、封緘ラベル13は必ずしも再剥離性粘着層により貼着する必要は無く、剥離性粘着層でも良い。
【0022】
封緘ラベル13を除去した袋体10のシート取出口12には、樹脂蓋20が付け替え可能に取り付けられる。
【0023】
(樹脂蓋)
樹脂蓋20は、その中央部にある天面部21にシート取出用の開口部22を有する。本実施例においてこの開口部22の外形は、袋体10のシート取出口12の外形よりも大きく、封緘ラベル13の外形よりも小さい。そこで、
図3に示したように、封緘ラベル13を除去した状態で、樹脂蓋20が袋体10のシート取出口12に取り付けられる。一方、本発明においては樹脂蓋20の開口部22の外形を、袋体10の封緘ラベル13の外形より大きくしてもよい。その場合には、封緘ラベル13を閉じた状態のままで樹脂蓋20を袋体10に取り付け、シートの取り出しの度に蓋板23と封緘ラベル13をそれぞれ開閉するようにしてもよい。これにより、包装体1におけるシート材2の密封状態を向上させることができる。
【0024】
天面部21は、開口部22を開閉する蓋板23を支持している。蓋板23の支持態様は特に限定されない。例えば、天面部21と蓋板23とがヒンジ24で折れ曲がるようにこれらを一体に成形してもよく、天面部21と別個に成形した蓋板23の一端を天面部21に嵌合させてもよい。
【0025】
蓋板23は、該蓋板23が開口部22を閉じたときに開口部22に嵌合するリブ状の嵌合部25を有する。
【0026】
なお、蓋板23を開くときに蓋板23の自由端23aの天面部21からの引き上げを容易にするため、図示した態様では自由端23aに対応する天面部21の外形は上面視で開口部22方向に湾曲している。一方、本発明においては天面部21の外形に対して蓋板23の自由端23aを開口部22とは逆方向に凸状に湾曲させても良い。
【0027】
樹脂蓋20は、天面部21の周囲、好ましくは全周に袋体10の外表面と貼着する貼着部26を有する。
図2に示すように、樹脂蓋20の貼着部の裏面26bには再剥離性の粘着層27が設けられており、粘着層27上には剥離シート(図示せず)が貼付されている。樹脂蓋20を袋体10に取り付けるときには、粘着層27上の剥離シートを除去し、粘着層27を袋体10の外表面に押し当て、貼着部26を押圧することにより樹脂蓋20を袋体10の外表面に付け替え可能に貼着する。
【0028】
なお、本発明において樹脂蓋20の貼着部26と袋体10の外表面とを貼着する粘着層27は、袋体10に設けられていても良い。その場合、袋体の粘着層上には剥離シートが設けられる。
【0029】
図4に示すように、樹脂蓋20の天面部21の裏面には、開口部22を囲む環状リブ28が設けられている。本実施例において環状リブ28は、樹脂蓋20の天面21aにおける開口部22の縁部22aから起立し、天面21aと反対方向に突出しているが、樹脂蓋20を袋体10に取り付けた状態で環状リブ28は袋体10の内部にまでは突出していない。
【0030】
図5に示すように、環状リブ28が突出する基面29は、貼着部26と袋体10との貼着面30よりも天面(即ち、天面部21の表面)21a側に位置している。これにより、樹脂蓋20の裏面は、環状リブ28の外周に該環状リブ28に隣接する裏面凹部31を有する。したがって、樹脂蓋20の開口部22と袋体10のシート取出口12とを合わせて樹脂蓋20の貼着部26の粘着層27を袋体10の外表面に押圧することにより樹脂蓋20を袋体10に取り付ける際に、環状リブ28がこの押圧に支障をきたすことはなく、樹脂蓋20の貼着部26を袋体10の外表面に容易に押圧することができる。また、この押圧時に環状リブ28が袋体10内のシート材2に強く押さえ付けられることはなく、シート材2の押さえ付けによる液体のしみ出しが抑制される。さらに、裏面凹部31が液体を保持する液溜め機能を有するので、
図5に矢印で示すようにシート材2から液体がしみ出た場合でも、しみ出た液体が樹脂蓋20と袋体10との貼着面30に浸出することが防止される。したがって、この樹脂蓋20によれば、シート材2からしみ出た液体によって、樹脂蓋20と袋体10との貼着力が低減することが防止される。よって、樹脂蓋20が袋体10から不用意に外れることを防止するために、特許文献1に記載のようなコの字状の断面形状を樹脂蓋に設けることは不要であり、必要に応じて樹脂蓋を洗浄し、衛生的に樹脂蓋の使用を継続することが可能となる。
【0031】
本発明において、環状リブ28の基面29からの高さhは、この基面29からの樹脂蓋と袋体との貼着面30の高さh0 の-0.25mm~+0.5mmが好ましく、言い換えると、これらの高さの差(Δh=h-h0)が上述の範囲にあることが好ましく、±0mmであること、即ち、環状リブ28の先端と貼着面30とが面一であることがより好ましい。高さhを上述の範囲とすることにより樹脂蓋20を袋体10に取り付ける際の樹脂蓋20と袋体10との押圧に環状リブ28が支障をきたさず、かつ環状リブ28により形成される裏面凹部31に液溜め機能を良好に発揮させることができる。
【0032】
環状リブ28は、開口部22の周りの全周に形成されていることが好ましいが、その高さhは、前述のΔh=-0.25mm~+0.5mmの範囲で変動してもよい。
【0033】
本発明の樹脂蓋及び包装体は種々の変形態様をとることができる。
例えば、
図6に示すように、環状リブ28は、樹脂蓋の天面21aにおける開口部の縁部22aからではなく、その近傍から起立してもよい。この場合、縁部22aと環状リブ28との水平方向の距離dは5mm以内とすることが好ましい。
【0034】
また、本発明の包装体において袋体10のシート取出口12は、
図3に示したように樹脂蓋20の開口部22内にあってもよく、
図6に示したようにシート取出口12の縁部12aが環状リブ28の直下にあってもよく、
図7に示すようにシート取出口12の縁部12aが裏面凹部31の下にあってもよい。樹脂蓋20と袋体10との貼着面30に、シート材2からしみ出た液体が浸出しにくくする点からは、袋体10のシート取出口12が樹脂蓋20の開口部22内にあることが最も好ましく、続いて袋体10のシート取出口12の縁部12aが環状リブ28の直下にある場合が、液体が浸出しにくい。
【0035】
上述した本発明の変形態様は適宜組み合わせることができる。
【0036】
(包装体の使用方法)
使用者は、製品として包装体1を入手し、樹脂蓋20の蓋板23を開閉して袋体10に収容されているシート材2を使用する。このとき、必要に応じて封緘ラベル13を剥離する。
【0037】
包装体1内のシート材2を使い切った後は、包装体1から樹脂蓋20を剥がし取り、残りの袋体10を廃棄し、剥がし取った樹脂蓋20を新たな袋体10で再利用する。即ち、再利用する樹脂蓋20を新たな袋体10の天面11に貼着して包装体1とする。この樹脂蓋20の再利用に際しては、新たな袋体10に樹脂蓋20を貼着する前に、樹脂蓋20を洗浄することが好ましい。本発明の樹脂蓋20はこの洗浄が容易である。
【0038】
使用者は、製品として包装体1を入手することに代えて、袋体10と樹脂蓋20を入手し、袋体10の天面に樹脂蓋20を貼着して包装体1を得、その包装体1からシート材2を取り出して使用してもよい。
【0039】
いずれの場合も、樹脂蓋20を再利用できるので、本発明は環境適応性が高い。また、本発明の樹脂蓋20によれば、袋体10に貼着する際にシート材からの液体のしみ出しが起こり難く、袋体10と樹脂蓋20との接着力が低下し難い。
【符号の説明】
【0040】
1 包装体
2 シート材
10 袋体
11 袋体の天面
12 シート取出口
12a シート取出口の縁部
13 封緘ラベル
20 樹脂蓋
21 天面部
21a 天面部の表面、天面
22 開口部
22a 開口部の縁部
23 蓋板
23a 蓋板の自由端
24 ヒンジ
25 嵌合部
26 貼着部
26b 貼着部の裏面
27 粘着層
28 環状リブ
29 環状リブの基面
30 樹脂蓋と袋体との貼着面
31 裏面凹部
h 環状リブの基面からの環状リブの高さ
h0 環状リブの基面からの貼着面の高さ