(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178890
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/11 20060101AFI20241218BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
H05K1/11 H
H05K1/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024027388
(22)【出願日】2024-02-27
(31)【優先権主張番号】10-2023-0075306
(32)【優先日】2023-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 栽欣
【テーマコード(参考)】
5E317
5E338
【Fターム(参考)】
5E317AA24
5E317BB01
5E317BB11
5E317BB12
5E317BB13
5E317BB14
5E317BB15
5E317BB18
5E317CC32
5E317CC33
5E317CD12
5E317CD27
5E317GG14
5E317GG20
5E338AA18
5E338BB63
5E338EE28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ガラス層に形成される配線層を微細回路で形成することができるプリント回路基板を提供する。
【解決手段】プリント回路基板100Aは、上面及び下面の間を貫通する貫通孔を有するガラス層111と、貫通孔の壁面上に配置されたビア金属層131及び貫通孔内のビア金属層の間の少なくとも一部を充填する第1絶縁材132を含む貫通ビア130と、ガラス層の上面上に配置され、少なくとも一部が貫通ビアの上側と連結された第1配線層121と、ガラス層の下面上に配置され、少なくとも一部が貫通ビアの下側と連結された第2配線層122と、ガラス層の外側面の少なくとも一部を覆う第2絶縁材112と、を含み、第1絶縁材及び第2絶縁材は、実質的に同じ材料を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面の間を貫通する貫通孔を有するガラス層と、
前記貫通孔の壁面上に配置されたビア金属層及び前記貫通孔内の前記ビア金属層の間の少なくとも一部を充填する第1絶縁材を含む貫通ビアと、
前記ガラス層の上面上に配置され、少なくとも一部が前記貫通ビアの上側と連結された第1配線層と、
前記ガラス層の下面上に配置され、少なくとも一部が前記貫通ビアの下側と連結された第2配線層と、
前記ガラス層の外側面の少なくとも一部を覆う第2絶縁材と、を含み、
前記第1絶縁材及び前記第2絶縁材は同じ材料を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
前記ガラス層は板ガラス(plate glass)を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記ビア金属層は、前記貫通孔の壁面上に配置された第1シード層及び前記第1シード層の側面上に配置された第1金属層を含み、
前記第1配線層は、前記ガラス層の上面上に配置された第2シード層及び前記第2シード層の上面上に配置された第2金属層を含み、
前記第2配線層は、前記ガラス層の下面上に配置された第3シード層及び前記第3シード層の下面上に配置された第3金属層を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1配線層の少なくとも一部は、前記第2シード層が前記第1シード層、前記第1金属層及び前記第1絶縁材のそれぞれの上面の少なくとも一部を覆い、
前記第2配線層の少なくとも一部は、前記第3シード層が前記第1シード層、前記第1金属層及び前記第1絶縁材のそれぞれの下面の少なくとも一部を覆う、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1シード層は、前記第2シード層及び前記第3シード層とそれぞれ境界を有する、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記ガラス層、前記第1絶縁材、前記第2絶縁材、前記第1シード層及び前記第1金属層のそれぞれの上面は互いに共面をなし、
前記ガラス層、前記第1絶縁材、前記第2絶縁材、前記第1シード層及び前記第1金属層のそれぞれの下面は互いに共面をなす、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第2絶縁材の外側面の少なくとも一部を覆う第3絶縁材をさらに含み、
前記第3絶縁材は、前記第1絶縁材及び前記第2絶縁材とは異なる材料を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第3絶縁材は、前記第1絶縁材及び前記第2絶縁材より弾性モジュラスがさらに大きい、請求項7に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記ガラス層、前記ビア金属層、前記第1絶縁材、前記第2絶縁材及び前記第3絶縁材のそれぞれの上面は互いにに共面をなし、
前記ガラス層、前記ビア金属層、前記第1絶縁材、前記第2絶縁材及び前記第3絶縁材のそれぞれの下面は互いにに共面をなす、請求項7に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記ガラス層及び前記第2絶縁材のそれぞれの上面上に配置され、前記第1配線層の少なくとも一部を覆う1層以上の第1絶縁層と、
前記ガラス層及び前記第2絶縁材のそれぞれの下面上に配置され、前記第2配線層の少なくとも一部を覆う1層以上の第2絶縁層と、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記1層以上の第1絶縁層上又は内にそれぞれ配置された1層以上の第3配線層と、
前記1層以上の第1絶縁層のうち少なくとも一つをそれぞれ貫通する1層以上の第1ビア層と、
前記1層以上の第2絶縁層上又は内にそれぞれ配置された1層以上の第4配線層と、
前記1層以上の第2絶縁層のうち少なくとも一つをそれぞれ貫通する1層以上の第2ビア層と、をさらに含む、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記1層以上の第1絶縁層のうち最上側に配置された第1絶縁層の上面上に配置され、前記1層以上の第3配線層のうち最上側に配置された第3配線層の少なくとも一部を露出させる第1開口を有する第1レジスト層と、
前記1層以上の第2絶縁層のうち最下側に配置された第2絶縁層の下面上に配置され、前記1層以上の第4配線層のうち最下側に配置された第4配線層の少なくとも一部を露出させる第2開口を有する第2レジスト層と、をさらに含む、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
ビア金属層及び前記ビア金属層の間の空間の少なくとも一部を充填する第1絶縁材を含む貫通ビアと、
前記貫通ビアが配置された第1貫通部を含むガラス層と、
前記貫通ビア及び前記ガラス層が配置された第2貫通部を含む第2絶縁材と、
前記ガラス層の上面上に配置され、少なくとも一部が前記貫通ビアの上側と連結された第1配線層と、
前記ガラス層の下面上に配置され、少なくとも一部が前記貫通ビアの下側と連結された第2配線層と、
前記ガラス層及び前記第2絶縁材のそれぞれの上面上に配置され、前記第1配線層の少なくとも一部を覆う第1絶縁層と、
前記ガラス層及び前記第2絶縁材のそれぞれの下面上に配置され、前記第2配線層の少なくとも一部を覆う第2絶縁層と、を含み、
前記第1絶縁材及び前記第2絶縁材は同じ材料を含む、プリント回路基板。
【請求項14】
前記第1絶縁材及び前記第2絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)を含む、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記貫通ビア、前記ガラス層、及び前記第2絶縁材が配置された第3貫通部を含む第3絶縁材をさらに含み、
前記第3絶縁材は、前記第1絶縁材及び前記第2絶縁材とは異なる材料を含む、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記第3絶縁材は、CCL(Copper Clad Laminate)の絶縁材を含む、請求項15に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージ技術は絶えず発展しており、特に伝統的な基板作製方式である有機(organic)材料から脱却してガラス(glass)材料を使用しようとする試みが続いている。但し、従来のガラスコアを用いるプリント回路基板の場合、ガラスコアに貫通ビアを形成する工程が多少複雑であり、さらにガラスコアに直接微細線幅を実現するには限界があった。また、工程過程でガラスコアの破損可能性が高く、完成品ではガラスコアの側面露出部が衝撃に対して脆弱であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の様々な目的の一つは、ガラス層に形成される配線層を微細回路で形成することができるプリント回路基板を提供することである。
【0004】
本発明の様々な目的の他の一つは、工程単純化が可能であり、反り(warpage)制御に有利なプリント回路基板を提供することである。
【0005】
本発明の様々な目的のさらに他の一つは、ガラス層の破損を防止することができ、ガラス層の外側面を保護することができるプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち一つは、ガラス層に貫通ビアを形成した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)などを用いて平坦化してガラス層上にSAP(Semi Additive Process)で回路を形成することである。
【0007】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうち他の一つは、ガラス層の埋め込み工程とガラス層の貫通孔プラッギング工程を同時に行うことである。
【0008】
本発明を通じて提案するいくつかの解決手段のうちさらに他の一つは、CCL(Copper Clad Laminate)のような補強層を治具として利用してガラス層の埋め込み工程及び貫通孔プラッギング処理を行うことである。
【0009】
例えば、一例によるプリント回路基板は、上面及び下面の間を貫通する貫通孔を有するガラス層と、上記貫通孔の壁面上に配置されたビア金属層及び上記貫通孔内の上記ビア金属層の間の少なくとも一部を充填する第1絶縁材を含む貫通ビアと、上記ガラス層の上面上に配置され、少なくとも一部が上記貫通ビアの上側と連結された第1配線層と、上記ガラス層の下面上に配置され、少なくとも一部が上記貫通ビアの下側と連結された第2配線層と、上記ガラス層の外側面の少なくとも一部を覆う第2絶縁材と、を含み、上記第1及び第2絶縁材は実質的に同じ材料を含むものであってもよい。
【0010】
例えば、一例によるプリント回路基板は、ビア金属層及び上記ビア金属層の間の空間の少なくとも一部を充填する第1絶縁材を含む貫通ビアと、上記貫通ビアが配置された第1貫通部を含むガラス層と、上記貫通ビア及び上記ガラス層が配置された第2貫通部を含む第2絶縁材と、上記ガラス層の上面上に配置され、少なくとも一部が上記貫通ビアの上側と連結された第1配線層と、上記ガラス層の下面上に配置され、少なくとも一部が上記貫通ビアの下側と連結された第2配線層と、上記ガラス層及び上記第2絶縁材のそれぞれの上面上に配置され、上記第1配線層の少なくとも一部を覆う第1絶縁層と、上記ガラス層及び上記第2絶縁材のそれぞれの下面上に配置され、上記第2配線層の少なくとも一部を覆う第2絶縁層と、を含み、上記第1及び第2絶縁材は実質的に同じ材料を含むものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の様々な効果のうち、一効果として、ガラス層に形成される配線層を微細回路で形成することができるプリント回路基板を提供することができる。
【0012】
本発明の様々な効果のうち、他の一効果として、工程単純化が可能であり、反り制御に有利なプリント回路基板を提供することができる。
【0013】
本発明の様々な効果のうち、さらに他の一効果として、ガラス層の破損を防止することができ、ガラス層の外側面を保護することができるプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【
図4】
図3のプリント回路基板の概略的なI-I’切断平面図である。
【
図5a】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図5b】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図5c】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図5d】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図5e】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図5f】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図5g】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図5h】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図5i】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図6】プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図7】
図6のプリント回路基板の概略的なII-II’切断平面図である。
【
図8a】
図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図8b】
図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図9】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図10a】
図9のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図10b】
図9のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図11】プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図12a】
図11のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【
図12b】
図11のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。
【0016】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0017】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0018】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であってもよい。
【0019】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0020】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0021】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0022】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0023】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0024】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の部品が内部に収容されている。部品1120のうち一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されるプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0025】
プリント回路基板
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図であり、
図4は、
図3のプリント回路基板の概略的なI-I’切断平面図である。
【0026】
図面を参照すると、一例によるプリント回路基板100Aは、上面及び下面の間を貫通する貫通孔Hを有するガラス層111、貫通孔Hの壁面上に配置されたビア金属層131及び貫通孔H内のビア金属層131の間の空間Gの少なくとも一部を充填する第1絶縁材132を含む貫通ビア130、ガラス層111の上面上に配置され、少なくとも一部が貫通ビア130の上側と連結された第1配線層121、ガラス層111の下面上に配置され、少なくとも一部が貫通ビア130の下側と連結された第2配線層122、ガラス層111の外側面の少なくとも一部を覆う第2絶縁材112、第2絶縁材112の外側面の少なくとも一部を覆う第3絶縁材113、ガラス層111と第2絶縁材112と第3絶縁材113のそれぞれの上面上に配置され、第1配線層121の少なくとも一部を覆う第1絶縁層141、及びガラス層111と第2絶縁材112と第3絶縁材113のそれぞれの下面上に配置され、第2配線層122の少なくとも一部を覆う第2絶縁層151を含む。
【0027】
ガラス層111の貫通孔Hは、第1貫通部h1であってもよい。第1貫通部h1には、ビア金属層131及び第1絶縁材132を含む貫通ビア130が配置されることができる。類似の観点から、第2絶縁材112は第2貫通部h2を有することができる。第2貫通部h2には、ビア金属層131及び第1絶縁材132を含む貫通ビア130及びガラス層111が配置されることができる。類似の観点から、第3絶縁材113は第3貫通部h3を有することができる。第3貫通部h3には、ビア金属層131及び第1絶縁材132を含む貫通ビア130とガラス層111と第2絶縁材112が配置されることができる。
【0028】
第1及び第2絶縁材132、112は実質的に同じ材料を含むことができる。例えば、第1及び第2絶縁材132、112は、後述する工程で例示的に開示されるように、ABF(Ajinomoto Build-up Film)等を介してガラス層111の埋め込み工程と貫通孔Hのプラッギング工程を同時に行うことで形成されることができるため、実質的に同じ材料を含むことができる。また、実質的に同じ硬化度を有することができる。したがって、工程をより単純化することができ、さらに工程過程での反り制御においてより有利であり得る。埋め込みとプラッギングが実質的に同じ材料、例えば、ABFで同時に形成されたとは、例えば、ABF内のフィラーのサイズ及び分散度やレジン硬化度(FT-IRなどで測定)などを分析することで確認することができる。
【0029】
第3絶縁材113は、第1及び第2絶縁材132、112とは異なる材料を含むことができる。例えば、第3絶縁材113は、第1及び第2絶縁材132、112よりも弾性モジュラスが大きくてもよい。弾性モジュラスとは、応力と変形の比を意味することができ、測定方法としては、例えば、JIS C-6481、KS M 3001、KS M 527-3、ASTM D882などに明示された標準引張試験により測定することができる。例えば、第3絶縁材113は、後述する工程で例示的に開示するように、剛性に優れた材料、例えば、CCL(Copper Clad Laminate)の絶縁材などを含むことができる。この場合、第3絶縁材113を治具として用いてガラス層111の埋め込み工程及び貫通孔Hのプラッギング加工を行うことができる。したがって、工程過程でガラス層が破損することを防止することができ、第2絶縁材112と共にガラス層の外側面を保護することができる。
【0030】
ビア金属層131は、貫通孔Hの壁面上に配置された第1シード層S1と、第1シード層S1の側面上に配置された第1金属層M1とを含むことができる。第1配線層121は、ガラス層111の上面上に配置された第2シード層S2と、第2シード層S2の上面上に配置された第2金属層M2とを含むことができる。第2配線層122は、ガラス層111の下面上に配置された第3シード層S3と、第3シード層S3の下面上に配置された第3金属層M3とを含むことができる。第1配線層121の少なくとも一部は、第2シード層S2が第1シード層S1と第1金属層M1と第1絶縁材132のそれぞれの上面の少なくとも一部を覆うことができる。第2配線層122の少なくとも一部は、第3シード層S3が第1シード層S1と第1金属層M1と第1絶縁材132のそれぞれの下面の少なくとも一部を覆うことができる。第1シード層S1は、第2及び第3シード層S2、S3とそれぞれ境界を有することができる。
【0031】
ガラス層111と第1絶縁材132と第2絶縁材112と第1シード層S1と第1金属層M1のそれぞれの上面は互いに実質的に共面をなすことができる。例えば、ガラス層111とビア金属層131と第1絶縁材132と第2絶縁材112と第3絶縁材113のそれぞれの上面は互いに実質的に共面をなすことができる。ガラス層111と第1絶縁材132と第2絶縁材112と第1シード層S1と第1金属層M1のそれぞれの下面は互いに実質的に共面をなすことができる。例えば、ガラス層111とビア金属層131と第1絶縁材132と第2絶縁材112と第3絶縁材113のそれぞれの下面は互いに実質的に共面をなすことができる。例えば、後述する工程で例示的に開示するように、ガラス層111に貫通ビア130を形成した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等を用いて平坦化することができる。この場合、ガラス層の上にテンティング(Tenting)ではなく、SAP(Semi Additive Process)で回路を形成することができる。したがって、第1及び第2配線層121、122を微細回路で形成することができる。また、貫通ビア130の上に第1及び第2配線層121、122のパッドを直接形成し、デザイン的な観点から自由度を確保することができる。
【0032】
以下では、図面を参照して一例によるプリント回路基板100Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0033】
ガラス層111は、非結晶質固体であるガラスを含むことができる。ガラスは、例えば、純粋な二酸化ケイ素(約100%のSiO2)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino-silicate glass)などを含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、代替的なガラス材料である、例えば、フッ素ガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなども材料として使用することができる。また、特定の物理的特性を有するガラスを形成するために、その他の添加剤をさらに含むこともできる。このような添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)だけでなく、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモンと、これらの元素及び他の元素の炭酸塩及び/又は酸化物を含むことができる。
【0034】
ガラス層111は、ガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などを含む有機絶縁材料、例えば、CCL(Copper Clad Laminate)、PPG(Prepreg)等とは区別される層であってもよい。例えば、ガラス層111は板ガラス(plate glass)を含むことができる。ガラス層111はコア層であってもよい。例えば、ガラスコアであってもよい。
【0035】
貫通孔Hは、ガラス層111を厚さ方向に貫通することができる。例えば、貫通孔Hは、ガラス層111の上面及び下面の間を貫通することができる。貫通孔Hは一つ以上の孔を有することができる。貫通孔Hは楕円柱や円柱の形態であってもよいが、これに限定されるものではなく、砂時計状の柱形態などであってもよい。
【0036】
第1~第3シード層S1、S2、S3は、それぞれ銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができ、好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1~第3シード層S1、S2、S3は、互いに境界を有する区分された層であってもよい。第1~第3シード層S1、S2、S3は、それぞれ無電解めっき(例えば、化学銅めっき)及び/又はスパッタリングで形成されることができる。第1~第3シード層S1、S2、S3は、それぞれ第1~第3金属層M1、M2、M3より厚さが薄くてもよい。
【0037】
第1~第3金属層M1、M2、M3は、それぞれ銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができ、好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1~第3金属層M1、M2、M3は、それぞれ電解めっき(例えば、電気銅めっき)で形成されることができる。第1~第3金属層M1、M2、M3は、それぞれ第1~第3シード層S1、S2、S3より厚さが厚くてもよい。
【0038】
第1及び第2配線層121、122は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができ、これらのパターンは、それぞれライン(又はトレース)、プレーン(又はプレート)、パッド(又はランド)などの様々な形態を有することができる。第1及び第2配線層121、122は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。必要に応じて、無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、無電解めっき層(又は化学銅)とスパッタリング層の両方を含んでもよい。
【0039】
ビア金属層131は、設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。ビア金属層131は、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。必要に応じて、無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、無電解めっき層(又は化学銅)とスパッタリング層の両方を含んでもよい。
【0040】
第1~第3絶縁材132、112、113は、互いに同一又は異なる有機絶縁物質を含むことができる。有機絶縁物質は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又は樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、有機絶縁物質は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)、CCL(Copper Clad Laminate)の絶縁材などの非感光性絶縁材であってもよいが、これに限定されるものではなく、その他の高分子素材が用いられてもよい。また、有機絶縁物質は、PID(Photo Imageable Dielectric)などの感光性絶縁材であってもよい。
【0041】
第1及び第2絶縁層141、151も上述した有機絶縁物質を含むことができる。第1及び第2絶縁層141、151は、互いに実質的に同じ材料を含むことができる。必要に応じて、第1及び第2絶縁層141、151は、第1及び第2絶縁材132、112と実質的に同じ材料を含むことができる。この場合にも、第1及び第2絶縁層141、151は、第1及び第2絶縁材132、112との境界が区分されることができる。
【0042】
図5a~
図5iは、
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【0043】
図5aを参照すると、第3貫通部h3が形成された第3絶縁材113を用意する。第3絶縁材113は、上述したようにCCL(Copper Clad Laminate)の絶縁材であってもよいが、これに限定されるものではない。第3絶縁材113の上面及び下面にはそれぞれ第1及び第2マークパターンm1、m2が形成されることができ、これにより、第3貫通部h3を所望の位置により精密に形成することができる。第3絶縁材113はパネルレベルの層であってもよく、この場合、第3貫通部h3は複数個であってもよい。第3絶縁材113は治具として用いられてもよい。
【0044】
図5bを参照すると、第3絶縁材113の下側にテープ210を貼り付ける。テープ210は、第3貫通部h3の下側を塞ぐことができる。テープ210は公知の粘着剤であってもよく、例えば、エポキシ材質であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0045】
図5cを参照すると、第1貫通部h1が形成されたガラス層111を用意し、無電解めっき及び電解めっき等によってガラス層111に第1シード層S1及び第1金属層M1を順次形成する。次に、テープ210を用いて第1貫通部h1と第1シード層S1と第1金属層M1が形成されたガラス層111を第3絶縁材113の第3貫通部h3に配置する。第3貫通部h3が複数個の場合には、第1貫通部h1と第1シード層S1と第1金属層M1が形成されたガラス層111を複数個用意した後、それぞれの第3貫通部h3に配置することができる。
【0046】
図5dを参照すると、第2絶縁材112をラミネーションしてガラス層111を埋め込む工程を行い、これと同時に第1貫通部h1のプラッギング工程を行う。例えば、ラミネーション工程によって、第2絶縁材112はガラス層111及び第3絶縁材113のそれぞれの少なくとも一部を覆うことができ、第1貫通部h1内で第1金属層M1の間の空間Gの少なくとも一部を充填することができる。
【0047】
図5eを参照すると、テープ210を除去した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の平坦化工程によってガラス層111と第1シード層S1と第1金属層M1と第2絶縁材112と第3絶縁材113のそれぞれの上面及び下面を平坦化する。例えば、ガラス層111と第2絶縁材112と第3絶縁材113のそれぞれの上面及び下面上に配置された第1シード層S1と第1金属層M1と第1及び第2マークパターンm1、m2は平坦化工程によって除去されることができる。その結果、ビア金属層131と第1絶縁材132とを含む貫通ビア130が形成されることができる。また、第2絶縁材112は、事後的に第2貫通部h2を有することができる。
【0048】
図5fを参照すると、平坦化されたガラス層111と第1シード層S1と第1金属層M1と第1絶縁材132と第2絶縁材112と第3絶縁材113のそれぞれの上面及び下面上にそれぞれ無電解めっき等によって第2及び第3シード層S2、S3を形成する。
【0049】
図5gを参照すると、第2及び第3シード層S2、S3上にそれぞれ電解めっき等によって第2及び第3金属層M2、M3を形成する。例えば、SAP(Semi Additive Process)を適用することができ、その結果、微細回路を含む第1及び第2配線層121、122が形成されることができる。
【0050】
図5hを参照すると、ガラス層111と第2絶縁材112と第3絶縁材113のそれぞれの上面及び下面上に、それぞれラミネーション工程等によって第1及び第2絶縁層141、151を形成する。
【0051】
図5iを参照すると、第3絶縁材113と第1及び第2絶縁層141、151のそれぞれの少なくとも一部を切断する。一連の過程を通じて、上述した一例によるプリント回路基板100Aを製造することができる。上述したように、第3絶縁材113がパネルレベルである場合には、切断工程はシンギュレーションを含むことができ、これにより複数の基板ユニットを形成することができる。
【0052】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、重複説明は省略する。
【0053】
図6は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図であり、
図7は、
図6のプリント回路基板の概略的なII-II’切断平面図である。
【0054】
図面を参照すると、他の一例によるプリント回路基板100Bは、上述した一例によるプリント回路基板100Aにおいて、第3絶縁材113を省略する。例えば、基板の最外側に第2絶縁材112が配置されてもよい。これにより、基板をよりコンパクトに製造することができる。
【0055】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、重複説明は省略する。
【0056】
図8a及び
図8bは、
図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【0057】
図8aを参照すると、上述した
図5a~
図5hと実質的に同じ工程によって切断工程前の積層体を形成する。
【0058】
図8bを参照すると、第3絶縁材113が基板に残らないように第3絶縁材113と第1及び第2絶縁層141、151のそれぞれの少なくとも一部を切断する。一連の過程を通じて、上述した他の一例によるプリント回路基板100Bを製造することができる。上述したように、第3絶縁材113がパネルレベルである場合には、切断工程はシンギュレーションを含むことができ、これにより複数の基板ユニットを形成することができる。
【0059】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100A及びその製造の一例で説明したものと実質的に同一であるため、重複説明は省略する。
【0060】
図9は、プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【0061】
図面を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板100Cは、上述した一例によるプリント回路基板100Aにおいて、第1及び第2絶縁層141、151がそれぞれ複数層で配置される。また、複数の第1絶縁層141上又は内にそれぞれ配置された複数の第3配線層142と、複数の第2絶縁層151上又は内にそれぞれ配置された複数の第4配線層152をさらに含む。また、複数の第1絶縁層141のうち少なくとも一つをそれぞれ貫通する複数の第1ビア層143と、複数の第2絶縁層151のうち少なくとも一つをそれぞれ貫通する複数の第2ビア層153をさらに含む。また、複数の第1絶縁層141のうち最上側に配置された第1絶縁層141の上面上に配置され、複数の第3配線層142のうち最上側に配置された第3配線層142の少なくとも一部を露出させる第1開口161hを有する第1レジスト層161と、複数の第2絶縁層151のうち最上側に配置された第2絶縁層151の下面上に配置され、複数の第4配線層152のうち最下側に配置された第4配線層152の少なくとも一部を露出させる第2開口162hを有する第2レジスト層162をさらに含む。
【0062】
複数の第3及び第4配線層142、152はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数の第3及び第4配線層142、152は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれ、ライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。複数の第3及び第4配線層142、152は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。あるいは、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。あるいは、金属箔(又は銅箔)、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、両方を含んでもよい。
【0063】
複数の第1及び第2ビア層143、153はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数の第1及び第2ビア層143、153は、それぞれビアホールを充填するフィルドビア(filled VIA)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)を含むこともできる。第1及び第2ビア層143、153は、設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。複数の第1及び第2ビア層143、153は、断面上において互いに反対方向のテーパ形状を有することができる。複数の第1及び第2ビア層143、153は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、両方を含んでもよい。
【0064】
第1及び第2レジスト層161、162は、液状又はフィルム型の半田レジスト(Solder Resist)を含むことができるが、これに限定されるものではなく、他の種類の絶縁材が使用されてもよい。第1開口161h及び/又は第2開口162hに露出するパターン上には、必要に応じて表面処理層P1、P2が形成されてもよい。
【0065】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、重複説明は省略する。
【0066】
図10a及び
図10bは、
図9のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程図である。
【0067】
図10aを参照すると、上述した
図5a~
図5hと実質的に同じ工程によって切断工程前の積層体を形成する。
【0068】
図10bを参照すると、ビルドアップ工程によって複数の第1及び第2絶縁層141、151と、複数の第3及び第4配線層142、152と、複数の第1及び第2ビア層143、153と、第1及び第2レジスト層161、162を形成する。次に、第3絶縁材113と、複数の第1及び第2絶縁層141、151と、第1及び第2レジスト層161、162のそれぞれの少なくとも一部を切断する。一連の過程を通じて、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板100Cを製造することができる。上述のように、第3絶縁材113がパネルレベルである場合には、切断工程はシンギュレーションを含むことができ、これにより複数の基板ユニットを形成することができる。
【0069】
その他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100A及びその製造例で説明したものと実質的に同一であるため、重複説明は省略する。
【0070】
図11は、プリント回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【0071】
図面を参照すると、さらに他の一例によるプリント回路基板100Dは、上述した他の一例によるプリント回路基板100Bにおいて、第1及び第2絶縁層141、151がそれぞれ複数層で配置される。また、複数の第1絶縁層141上又は内にそれぞれ配置された複数の第3配線層142と、複数の第2絶縁層151上又は内にそれぞれ配置された複数の第4配線層152をさらに含む。また、複数の第1絶縁層141のうち少なくとも一つをそれぞれ貫通する複数の第1ビア層143と、複数の第2絶縁層151のうち少なくとも一つをそれぞれ貫通する複数の第2ビア層153をさらに含む。また、複数の第1絶縁層141のうち最上側に配置された第1絶縁層141の上面上に配置され、複数の第3配線層142のうち最上側に配置された第3配線層142の少なくとも一部を露出させる第1開口161hを有する第1レジスト層161と、複数の第2絶縁層151のうち最上側に配置された第2絶縁層151の下面上に配置され、複数の第4配線層152のうち最下側に配置された第4配線層152の少なくとも一部を露出させる第2開口162hを有する第2レジスト層162をさらに含む。
【0072】
その他の内容は、上述したプリント回路基板100A、100B、100Cで説明したものと実質的に同一であるため、重複説明は省略する。
【0073】
【0074】
図12aを参照すると、上述した
図5a~
図5hと実質的に同じ工程によって切断工程前の積層体を形成する。
【0075】
図12bを参照すると、ビルドアップ工程によって複数の第1及び第2絶縁層141、151と、複数の第3及び第4配線層142、152と、複数の第1及び第2ビア層143、153と、第1及び第2レジスト層161、162を形成する。次に、第3絶縁材113が基板に残らないように、第3絶縁材113と、複数の第1及び第2絶縁層141、151と、第1及び第2レジスト層161、162のそれぞれの少なくとも一部を切断する。一連の過程を通じて、上述したさらに他の一例によるプリント回路基板100Dを製造することができる。上述のように、第3絶縁材113がパネルレベルである場合には、切断工程はシンギュレーションを含むことができ、これにより複数の基板ユニットを形成することができる。
【0076】
その他の内容は、上述したプリント回路基板100A、100B、100C及びその製造の一例で説明したものと実質的に同一であるため、重複説明は省略する。
【0077】
本発明において、深さ、厚さ、幅、長さなどは、それぞれプリント回路基板を研磨又は切断した断面を基準にして走査顕微鏡や光学顕微鏡などで測定することができる。切断断面は垂直断面又は水平断面であってもよく、必要な切断断面を基準にしてそれぞれの数値を測定することができる。数値が一定でない場合には、任意の5点で測定した値の平均値で数値を決定することができる。
【0078】
本発明において、「覆う」という表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、さらに、直接覆う場合だけでなく、間接的に覆う場合も含むことができる。また、「充填する」という表現は、完全に充填する場合だけでなく、概ね充填する場合を含むことができ、例えば、一部の空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。
【0079】
本発明において、実質的に、製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含めて判断することができる。例えば、「実質的に共面をなす」とは、完全に同一平面上に存在する場合だけでなく、ほぼ同一平面上に存在する場合も含むことができる。また、「実質的に同じ材料」とは、材料の組成及び硬化度等が全く同じ場合だけでなく、ほぼ同じ場合も含むことができる。
【0080】
本発明において、断面上での意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上での意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、又は対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状を意味することができる。
【0081】
本発明において、下側、下部、下面などは、便宜上、図面の断面を基準にして下方の方向を意味するものとして使用し、上側、上部、上面などは、その反対方向を意味するものとして使用している。但し、これは説明の便宜上、方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論であり、上/下の概念はいつでも変更することができる。
【0082】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結された場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0083】
本発明で使用される「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が、他の一例に説明されていなくても、他の一例において、その事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
【0084】
本発明で使用される用語は、単に一例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0085】
1000:電子機器
1010:メインボード
1020:チップ関連部品
1030:ネットワーク関連部品
1040:その他の部品
1050:カメラ
1060:アンテナ
1070:ディスプレイ
1080:バッテリ
1090:信号ライン
1100:スマートフォン
1110:マザーボード
1120:部品
1121:部品パッケージ
1130:カメラモジュール
1140:スピーカ
100A、100B、100C、100D:プリント回路基板
111:ガラス層
112、113:絶縁材
121、122:配線層
130:貫通ビア
131:ビア金属層
132:絶縁材
S1、S2、S3:シード層
M1、M2、M3:金属層
141、151:絶縁層
142、152:配線層
143、153:ビア層
161、162:レジスト層
161h、162h:開口
P1、P2:表面処理層
H:貫通孔
G:空間
h1、h2、h4:貫通部
210:テープ
m1、m2:マークパターン