(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178896
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】金属物品の選択部分を硬化させるための方法、それに関連する積層造形システム、および金属物品
(51)【国際特許分類】
B22F 10/32 20210101AFI20241218BHJP
B22F 10/64 20210101ALI20241218BHJP
B22F 10/66 20210101ALI20241218BHJP
B22F 10/50 20210101ALI20241218BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20241218BHJP
B22F 12/70 20210101ALI20241218BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20241218BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20241218BHJP
B32B 15/01 20060101ALI20241218BHJP
B23K 26/34 20140101ALI20241218BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20241218BHJP
B23K 10/02 20060101ALI20241218BHJP
B64F 5/10 20170101ALN20241218BHJP
B64F 5/40 20170101ALN20241218BHJP
B64F 5/60 20170101ALN20241218BHJP
【FI】
B22F10/32
B22F10/64
B22F10/66
B22F10/50
B22F10/28
B22F12/70
B33Y10/00
B33Y30/00
B32B15/01 K
B32B15/01 C
B23K26/34
B23K26/21 Z
B23K10/02 501A
B64F5/10
B64F5/40
B64F5/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024049765
(22)【出願日】2024-03-26
(31)【優先権主張番号】18/333,710
(32)【優先日】2023-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523043898
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】デイル・ジェイ・ウィアーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ヴェネツィア
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ケー・キンモンス
(72)【発明者】
【氏名】スコット・エム・ホルダー
【テーマコード(参考)】
4E168
4F100
4K018
【Fターム(参考)】
4E168BA35
4E168BA37
4E168BA38
4E168BA81
4E168BA83
4E168BA87
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4E168FB03
4F100AB01A
4F100AB01B
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4F100EC03B
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4F100EJ602
4K018AA06
4K018AA24
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4K018BA03
4K018BA13
4K018BA17
4K018FA06
4K018FA08
4K018KA58
(57)【要約】
【課題】金属物品の選択部分を硬化させるための方法、それに関連する積層造形システム、および金属物品を提供する。
【解決手段】金属物品の選択部分を硬化させるための方法は、積層造形システムの構築チャンバ内に非反応性雰囲気を確立するステップと、エネルギー源を使用して金属材料を溶融して溶融材料を層に堆積させて金属物品を構築するステップと、構築チャンバ内に化学反応を生じさせて複数の選択層の一部を硬化させる反応性雰囲気を確立するステップとを含む。金属物品の選択部分を硬化させるための積層造形システムは、構築チャンバと、材料ハンドリングアセンブリと、基板と、エネルギー源アセンブリと、並進アセンブリと、システム制御アセンブリとを含む。金属物品は、積層造形プロセスを介して堆積された金属材料の層を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属物品(200)の選択部分を硬化させるための方法(100)であって、前記方法(100)は、
積層造形システム(1200)の構築チャンバ(1202)内に非反応性雰囲気(1228)を確立するステップ(102)と、
溶融材料を堆積させるための所定の箇所に基づいて前記金属物品(200)およびエネルギー源(1216)の少なくとも一方の並進運動を制御することと連動して、前記金属物品(200)を構築するために複数の層(202)に前記溶融材料を堆積させるために前記エネルギー源(1216)を使用して金属材料(1208)を溶融するステップ(104)と、
溶融する前記ステップ(104)およびその後の前記溶融材料の凝固と連動して、前記複数の層(202)の複数の選択層(206)内の各層の少なくとも1つの選択部分(204)を硬化させるための化学反応を生じさせる反応性雰囲気(1230)を前記構築チャンバ(1202)内に選択的に確立するステップ(106)と、
を含む方法(100)。
【請求項2】
前記非反応性雰囲気(1228)が少なくとも1つの不活性ガス(1220)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記積層造形プロセスに関連して、前記金属材料(1208)が、金属粉末および金属ワイヤの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属材料(1208)が、チタン、チタン合金、鋼、耐食性鋼、析出硬化耐食性鋼、マルエージング鋼および鉄鋼合金のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記金属物品(200)の前記並進運動、前記エネルギー源(1216)の前記並進運動、および前記エネルギー源(1216)の動作の少なくとも1つのパラメータが、前記金属物品(200)の前記複数の選択層(206)の前記少なくとも1つの選択部分(204)を硬化させる前記化学反応を管理するように制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記金属物品(200)および/または前記エネルギー源(1216)の前記並進運動が、X軸、Y軸、およびZ軸のうちの少なくとも1つにおける直線運動の制御を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記反応性雰囲気(1230)が、少なくとも1つの不活性ガス(1220)および少なくとも1つの反応ガス(1224)の所定の反応ガス混合物(1227)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記化学反応が窒化を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記化学反応が炭化を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
硬化される前記金属物品(200)の各選択部分(204)が、硬化のために指定された前記金属物品(200)の3次元デジタルモデル(1232)内の対応する箇所に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
硬化される前記金属物品(200)の複数の選択層(206)の各層の前記少なくとも1つの選択部分(204)が、連続層の部分が硬化される1つまたは複数の領域を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記非反応性雰囲気(1228)を確立する前記ステップ(102)および前記反応性雰囲気(1230)を選択的に確立する前記ステップ(106)が、前記金属物品(200)が完成するまで前記複数の層(202)に溶融材料を堆積させるために前記金属材料(1208)を溶融する前記ステップ(104)中に繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの第1のガス供給源(1222)から少なくとも1つの不活性ガス(1220)を受け取るステップ(302)と、
前記非反応性雰囲気(1228)を確立するために前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)を前記構築チャンバ(1202)に送るステップ(304)と、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記金属材料(1208)を溶融する前記ステップ(104)が、
前記溶融材料が現在層のために基板(1212)上または前記金属物品(200)上に堆積されるときに溶融プールを形成するステップ(502)
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの第1のガス供給源(1222)から少なくとも1つの不活性ガス(1220)を、および少なくとも1つの第2のガス供給源(1226)から少なくとも1つの反応ガス(1224)を受け取るステップ(602)と、
前記反応性雰囲気(1230)を確立するために、前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの反応ガス(1224)を前記構築チャンバ(1202)に送るステップ(604)と、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの混合ガス供給源(1229)から少なくとも1つの所定の反応ガス混合物(1227)を受け取るステップ(902)と、
前記反応性雰囲気(1230)を確立するために、前記少なくとも1つの所定の反応ガス混合物(1227)を前記構築チャンバ(1202)に送るステップ(904)と、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記非反応性雰囲気(1228)の期間中に硬化しない溶融材料を堆積させ、前記反応性雰囲気(1230)の期間中に硬化する溶融材料を堆積させるために、前記金属材料(1208)を溶融する前記ステップ(104)中に、前記非反応性雰囲気(1228)を確立する前記ステップ(102)と前記反応性雰囲気(1230)を選択的に確立する前記ステップ(106)とを交互に行うステップ(1002)であって、前記金属物品(200)が、連続層の少なくとも特定の部分が硬化する第1の領域と、連続層の少なくとも他の部分が硬化しない第2の領域と、を含むようにするための、ステップ(1002)
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記積層造形プロセス中に硬化された前記金属物品の前記選択部分の硬化を最適化するために、前記積層造形プロセスの完了後に前記金属物品(200)を熱処理するステップ(1102)と、
前記金属物品(200)上に仕上げ部を生成するために前記金属物品(200)を機械加工するステップ(1104)と、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
金属物品(200)の選択部分を硬化させるための積層造形システム(1200)であって、前記積層造形システムは、
前記金属物品(200)の積層造形のための制御された環境(1204)を提供する構築チャンバ(1202)と、
積層造形プロセスと連動して前記構築チャンバ(1202)内に金属材料(1208)を供給する材料ハンドリングアセンブリ(1206)と、
前記積層造形プロセス中に前記金属物品(200)を少なくとも一時的に保持する基板(1212)と、
エネルギー源(1216)を使用して前記金属材料(1208)を溶融し、溶融材料を複数の層(202)に堆積させて前記基板(1212)上に前記金属物品(200)を構築するエネルギー源アセンブリ(1214)と、
前記積層造形プロセスと連動して前記溶融材料を堆積させるための所定の箇所に基づいて前記基板(1212)および前記エネルギー源アセンブリ(1214)の少なくとも一方の並進運動を提供する並進アセンブリ(1210)と、
前記材料ハンドリングアセンブリ(1206)、前記エネルギー源アセンブリ(1214)、および前記並進アセンブリ(1210)と動作可能に連通するシステム制御アセンブリ(1218)であって、前記構築チャンバ(1202)内の非反応性雰囲気(1228)の確立を制御し、前記材料ハンドリングアセンブリ(1206)による前記金属材料(1208)の供給を制御し、前記並進アセンブリ(1210)の制御と連動して前記エネルギー源(1216)による前記金属材料(1208)を溶融するステップ(104)を制御し、前記構築チャンバ(1202)内の反応性雰囲気(1230)を選択的に確立するステップを制御して、化学反応を生じさせ、溶融する前記ステップ(104)およびその後の前記溶融材料の凝固と併せて前記複数の層(202)の複数の選択層(206)における各層の少なくとも1つの選択部分(204)を硬化する、システム制御アセンブリ(1218)と、
を含む、積層造形システム(1200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、金属物品の正確な内部箇所を硬化させることを含む、積層造形プロセスを使用して金属物品の選択部分を硬化させることに関する。本開示はまた、金属物品の正確な表面箇所の表面硬化、および金属物品のサイズによってのみ制限される正確な硬化深さの提供に関する。金属物品の部分を硬化させるための反応性雰囲気と、金属物品の部分が硬化されない非反応性雰囲気とを切り替えるための様々な技術も考えられる。さらに、材料の取り扱い、エネルギー源、反応ガスおよび非反応ガスを制御するための様々な技術も考えられる。
【背景技術】
【0002】
表面組成を改質する現在の表面硬化方法は、熱処理機器ならびに構成要素のかなりの前処理および後処理を必要とする。チタン合金は、現在、多くの製品用途において鋼の交換を可能にするために開発された効果的な表面硬化プロセスを有していない。チタンの既存の表面硬化技術には、表面硬化された表面深さおよび部品上の表面硬化の箇所に関する制限がある。既存の表面硬化技術は、高温の炉内で長い持続時間を必要とする炉ベースの表面硬化プロセスであり、合金中に望ましくない粒成長を生じさせ、プロセス温度での長い曝露に起因する部品の歪みのリスクを生じさせる可能性がある。
【0003】
現在の積層造形技術は、溶融プールで硬化ガス組成を正確に規定するためのガス制御システムを含まない。現在の機器は、構築チャンバ内の複数のガスの分圧を許容しない。したがって、既存の機器は、信頼性の高い硬化手法を可能にしない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、当業者は、積層造形プロセス中に金属物品を正確に硬化させるための技術を改善するための研究開発努力を続けている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
金属物品の選択部分を硬化させるための方法、金属物品および金属物品の選択部分を硬化させるための積層造形システムの例が開示される。例えば、硬化された選択部分を有する金属物品は、積層造形法を使用してその全体が構築されてもよく、または他の技術を使用して製造された既存の金属物品は、積層造形法を使用して選択的に添加された硬化材料を有してもよい。以下は、本開示による主題の、特許請求されるものも、されないものもある例の非網羅的なリストである。
【0006】
一例では、金属物品の選択部分を硬化させるための開示された方法は、(1)積層造形システムの構築チャンバ内に非反応性雰囲気を確立するステップと、(2)溶融材料を堆積させるための所定の箇所に基づいて金属物品およびエネルギー源の少なくとも一方の並進運動を制御することと連動して、金属物品を構築するために複数の層に溶融材料を堆積させるためにエネルギー源を使用して金属材料を溶融するステップと、(3)溶融するステップおよびその後の溶融材料の凝固と連動して、複数の層の複数の選択層内の各層の少なくとも1つの選択部分を硬化させるための化学反応を生じさせる反応性雰囲気を構築チャンバ内に選択的に確立するステップと、を含む。
【0007】
一例では、金属物品の選択部分を硬化させるための開示された積層造形システムは、構築チャンバ、材料ハンドリングアセンブリ、基板、エネルギー源アセンブリ、並進アセンブリ、およびシステム制御アセンブリを含む。構築チャンバは、金属物品の積層造形のための制御された環境を提供するように構成される。材料ハンドリングアセンブリは、積層造形プロセスと連動して構築チャンバ内に金属材料を供給するように構成される。基板は、積層造形プロセス中に金属物品を少なくとも一時的に保持するように構成される。エネルギー源アセンブリは、エネルギー源を使用して金属材料を溶融し、溶融材料を複数の層に堆積させて基板上に金属物品を構築するように構成される。並進アセンブリは、積層造形プロセスと連動して溶融材料を堆積させるための所定の箇所に基づいて、基板およびエネルギー源アセンブリの少なくとも一方の並進運動を提供するように構成される。システム制御アセンブリは、材料ハンドリングアセンブリ、エネルギー源アセンブリ、および並進アセンブリと動作可能に連通する。システム制御アセンブリは、構築チャンバ内の非反応性雰囲気の確立を制御するように構成され、材料ハンドリングアセンブリによる金属材料の供給を制御するように構成され、並進アセンブリの制御と連動してエネルギー源による金属材料の溶融を制御するように構成され、溶融材料の溶融およびその後の凝固と連動して、複数の層の複数の選択層における各層の少なくとも1つの選択部分を化学反応により硬化させるように構築チャンバ内の反応性雰囲気の選択的確立を制御するように構成される。
【0008】
一例では、開示された金属物品は、積層造形プロセスによって層状に堆積された金属材料の複数の層を含む。複数の層の複数の選択層内の各層の少なくとも1つの選択部分は、積層造形プロセスの選択期間中に選択的に確立された反応性雰囲気によって引き起こされる化学反応によって硬化される。複数の選択層の残りの部分および複数の層の残りの層は、非反応性雰囲気が確立された積層造形プロセスの残りの期間に堆積された。
【0009】
金属物品の選択部分を硬化させるための開示された方法、金属物品および金属物品の選択部分を硬化させるための積層造形システムの他の例は、以下の詳細な説明、添付の図面および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】金属物品の選択部分を硬化させる方法の一例のフロー図である。
【
図3】
図1と組み合わせた、金属物品の選択部分を硬化させるための方法の別の例のフロー図である。
【
図4】
図1および
図3と組み合わせた、金属物品の選択部分を硬化させるための方法のさらに別の例のフロー図である。
【
図5】
図1と組み合わせた、金属物品の選択部分を硬化させるための方法のさらに別の例のフロー図である。
【
図6】
図1と組み合わせた、金属物品の選択部分を硬化させるための方法のさらに別の例のフロー図である。
【
図7】
図1および
図6と組み合わせた、金属物品の選択部分を硬化させるための方法の別の例のフロー図である。
【
図8】
図1、
図4および
図6と組み合わせた、金属物品の選択部分を硬化させるための方法のさらに別の例のフロー図である。
【
図9】
図1および
図4と組み合わせた、金属物品の選択部分を硬化させるための方法のさらに別の例のフロー図である。
【
図10】
図1と組み合わせた、金属物品の選択部分を硬化させるための方法のさらに別の例のフロー図である。
【
図11】
図1と組み合わせた、金属物品の選択部分を硬化させるための方法の別の例のフロー図である。
【
図12】金属物品の選択部分を硬化させるための積層造形システムの一例の機能ブロック図である。
【
図13】
図12の積層造形システムのためのガスマニホールドアセンブリの一例の機能ブロック図である。
【
図14】
図13のガスマニホールドアセンブリの第1の構成の一例の機能ブロック図である。
【
図15】
図13のガスマニホールドアセンブリの第2の構成の一例の機能ブロック図である。
【
図16】
図13のガスマニホールドアセンブリの第3の構成の一例の機能ブロック図である。
【
図17】
図13のガスマニホールドアセンブリの第4の構成の一例の機能ブロック図である。
【
図18】
図13のガスマニホールドアセンブリの第5の構成の一例の機能ブロック図である。
【
図19】
図12の積層造形システムの構築チャンバの一例の機能ブロック図である。
【
図20】航空機の製造および保守点検方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1~
図12を全体的に参照すると、例として、本開示は、金属物品200の選択部分を硬化させるための方法100、300、400、600、700、800、900、1000、1100に関する。
図1は、方法100の一例を開示する。
図2は、金属物品200の一例を開示する。
図1および
図3は、方法300の一例を開示する。
図1、
図3、および
図4は、方法400の一例を開示する。
図5は、方法100に関連して溶融プールを形成する一例を開示する。
図1および
図6は、方法600の一例を開示する。
図1、
図6、および
図7は、方法700の一例を開示する。
図1、
図4、
図6、および
図8は、方法800の一例を開示する。
図1、
図4、および
図9は、方法900の一例を開示する。
図1および
図10は、方法1000の一例を開示する。
図1および
図11は、方法1100の一例を開示する。
図12は、積層造形システム1200の様々な例を開示する。
【0012】
再び
図1、
図2および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、金属物品200の選択部分を硬化させるための方法100は、積層造形システム1200の構築チャンバ1202内に非反応性雰囲気1228を確立するステップ102を含む。104において、エネルギー源1216を使用して金属材料1208を溶融し、溶融材料を複数の層202に堆積させて、溶融材料の堆積のための所定の箇所に基づいて金属物品200およびエネルギー源1216の少なくとも一方の並進運動を制御することと連動して、金属物品200を構築する。106において、反応性雰囲気1230が構築チャンバ1202内に選択的に確立され、これにより化学反応が複数の層202の複数の選択層206内の各層の少なくとも1つの選択部分204を溶融するステップ104およびその後の溶融材料の凝固と連動して硬化させる。例えば、硬化された選択部分を有する金属物品は、積層造形法を使用してその全体が構築されてもよく、または他の技術を使用して製造された既存の金属物品は、積層造形法を使用して選択的に添加された硬化材料を有してもよい。他の例では、最初に真空を適用して適切な環境を確立することができる。
【0013】
方法100の別の例では、非反応性雰囲気1228は、少なくとも1つの不活性ガス1220を含む。さらなる例では、少なくとも1つの不活性ガス1220は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な不活性ガスを含む。例えば、窒素は、特定の金属材料の非反応性ガスまたは不活性ガスとして使用することができる。しかしながら、窒素は、チタンなどの他の金属材料の反応ガスであってもよい。方法100のさらに別の例では、積層造形プロセスに関して、金属材料1208は、金属粉末、金属ワイヤ、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な金属材料を含む。方法100のさらに別の例では、金属材料1208は、チタン、チタン合金、鋼、耐食鋼、析出硬化耐食鋼、マルエージング鋼、鉄鋼合金、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な金属材料を含む。方法100のさらに別の例では、エネルギー源1216は、少なくとも1つのレーザビーム、少なくとも1つの電子ビーム、少なくとも1つのプラズマアーク、または任意の適切な組合せの任意の他の適切なエネルギー源を含む。
【0014】
様々な例では、積層造形プロセス中に堆積される複数の層202の所与の層の深さは、約0.0001インチ~約0.001インチ、約0.001インチ~約0.002インチ、約0.002インチ~約0.004インチ、約0.004インチ~約0.010インチ、約0.010インチ~約0.020インチ、または積層造形プロセスのための任意の他の適切な深さ範囲である。所与の層の最小深さは、最小堆積厚さに基づく。堆積された厚さは、溶融プールを形成するために提供される金属材料原料サイズおよびエネルギーの少なくとも1つに基づいてもよい。例えば、積層造形エネルギー源を「平滑化」に使用することができ、反応性雰囲気を使用して、非常に薄い硬化層を金属物品上に堆積させることができる。様々な他の例において、反応性雰囲気1230は、反応ガスが約0.1%~約50%、約0.2%~約40%、約0.5%~約30%、約0.8%~約20%、約1.0%~約10%、または任意の他の適切な反応ガス百分率の範囲である混合物を含み得る。例えば、より高い反応ガスパーセンテージ(例えば、50%超)が所与の動作に適している場合、混合物に対してより高いパーセンテージが企図される。
【0015】
方法100の別の例では、金属物品200の並進運動、エネルギー源1216の並進運動、エネルギー源1216の動作、または任意の適切な組合せの任意の他の適切なパラメータは、金属物品200の複数の選択層206の少なくとも1つの選択部分204を硬化させる化学反応を管理するように制御される。さらなる例では、エネルギー源1216の少なくとも1つのパラメータならびに金属物品200および/またはエネルギー源1216の並進運動は、金属物品200の複数の選択層206内の各層の少なくとも1つの選択部分204の硬化に関する選択された所定の箇所のエネルギー源滞留時間、エネルギー源1216に関連するレーザ堆積滞留時間、エネルギー源(1216)に関連するプラズマアーク滞留時間、エネルギー源1216に関連する電子ビーム滞留時間、または任意の適切な組合せの任意の他の適切なパラメータを含む。並進運動の制御、エネルギー源の動作、および対応するパラメータは、金属物品200の3次元デジタルモデル1232に基づくことができる。
【0016】
方法100のさらに別の例では、金属物品200および/またはエネルギー源1216の並進運動は、X軸、Y軸、およびZ軸の少なくとも1つにおける直線運動の制御を含む。さらなる例では、金属物品200および/またはエネルギー源1216の並進運動は、X軸、Y軸、およびZ軸の少なくとも1つを基準とした回転運動の制御を含む。別のさらなる例では、金属物品200および/またはエネルギー源1216の並進運動は、X軸、Y軸、およびZ軸の少なくとも1つを基準とした角運動の制御を含む。方法100のさらに別の例では、溶融材料の堆積のための所定の箇所は、金属物品200の3次元デジタルモデル1232に基づく。
【0017】
方法100のさらに別の例では、反応性雰囲気1230は、少なくとも1つの不活性ガス1220と少なくとも1つの反応ガス1224との所定の反応ガス混合物1227を含む。さらなる例では、化学反応は窒化を含む。さらなる例では、少なくとも1つの反応ガス1224は、窒素ガス、窒素系ガス、アンモニアガス、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な反応ガスを含む。別のさらなる例では、化学反応は炭化を含む。さらなる例では、少なくとも1つの反応ガス1224は、炭素系ガス、アセチレンガス、プロパンガス、ブタンガス、メタンガス、一酸化炭素ガス、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な反応ガスを含む。反応性ガスまたは化学反応の副生成物が有害ガス混合物を生成する場合、プロセスは、真空、分圧、不活性ガスパージおよびガス安全制御システムの使用のうちの少なくとも1つによって管理される。方法100の別の例では、硬化される金属物品200の各選択部分204は、硬化のために指定された金属物品200の3次元デジタルモデル1232内の対応する箇所に基づく。
【0018】
方法100のさらに別の例では、硬化される金属物品200の複数の選択層206の各層の少なくとも1つの選択部分204は、連続層の部分が硬化される1つまたは複数の領域を含む。さらなる例では、硬化される連続層の部分は、金属物品200を通る約0.0001インチの深さ、金属物品200を通る約0.002インチの深さ、金属物品200を通る約0.004インチの深さ、金属物品200を通る約0.006インチの深さ、金属物品200を通る約0.008インチの深さ、金属物品200を通る約0.010インチの深さ、金属物品200を通る約0.020インチの深さ、金属物品200を通る約0.030インチの深さ、金属物品200を通る約0.040インチの深さの範囲の硬化深さ、または任意の他の適切な範囲の硬化深さを有する少なくとも1つの部分を含む。別のさらなる例では、1つまたは複数の領域は、金属物品200の外面まで延伸しない金属物品200の内部の少なくとも1つの領域を含む。さらに別のさらなる例では、1つまたは複数の領域は、金属物品200の第1の層から連続層まで延伸する少なくとも1つの領域を含む。上述したように、金属物品200は、堆積層レベルでの任意の設計要件に適合するように断続的に硬化した内部構造で構築することができる。例えば、金属物品200は、金属マトリックス複合材を形成する内部領域を含むことができる。さらに別のさらなる例では、1つまたは複数の領域は、金属物品200の一部が表面硬化されるように、金属物品200の内層から金属物品200の外面まで延伸する少なくとも1つの領域を含む。さらなる例では、表面硬化される金属物品200の部分は、約0.0001インチ、約0.001インチ、約0.010インチ、約0.020インチ、約0.030インチおよび約0.040インチ、または任意の他の適切な表面硬化深さのうちの少なくとも1つを超える表面硬化深さを有する少なくとも1つの部分を含む。
【0019】
方法100のさらに別の例では、反応性雰囲気1230の選択的に確立するステップ106は、非反応性雰囲気1228の確立するステップ102の前である。方法100のさらに別の例では、非反応性雰囲気1228の確立するステップ102および反応性雰囲気1230の選択的に確立するステップ106は、金属材料1208の溶融するステップ104中に繰り返され、金属物品200が完成するまで複数の層202に溶融材料を堆積させる。
【0020】
再び
図1~
図3および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、金属物品200の選択部分を硬化させるための方法300はまた、
図1の方法100を含む。方法300は、少なくとも1つの第1のガス供給源1222から少なくとも1つの不活性ガス1220を受け取るステップ302から開始する。304において、少なくとも1つの不活性ガス1220は、非反応性雰囲気1228を確立するために構築チャンバ1202に送られる。方法300は、304から方法100の102に続く。
【0021】
別の例では、方法300は、302から、少なくとも1つの不活性ガス1220を構築チャンバ1202に送るステップと連動して、構築チャンバ1202のガス状内容物1238をパージするために構築チャンバ1202から出口経路1236を開くステップ306に続く。方法300は、306から方法100の102に続く。
【0022】
方法300のさらに別の例では、構築チャンバ1202からパージされたガス状内容物1238は、空気、1つまたは複数の反応ガス、1つまたは複数の不活性ガス、または構築チャンバ1202内に任意の適切な組合せで存在し得る任意の他のガスを含む。
【0023】
方法300のさらに別の例では、構築チャンバ1202からの出口経路1236は、積層造形プロセス中に開いたままであり、少なくとも1つの不活性ガス1220の構築チャンバ1202への連続的な流れを可能にする。
【0024】
再び
図1~
図4および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、金属物品200の選択部分を硬化させるための方法400はまた、
図1および
図3の方法100、300を含む。方法400は、
図3の306から導くステップ402に続き、溶融材料の近くに存在する任意の反応ガス1224の除去を容易にするために、溶融材料が基板1212上または金属物品200上に現在層のために堆積されるとき、出口経路1236が溶融材料に近接して導かれる。例えば、基板1212は構築プレートであってもよい。方法400は、402から
図1の102に続く。
【0025】
別の例では、方法400は、
図1および
図3の方法100、300を再び含む。この例では、方法400は、
図3の306から、構築チャンバ1202のガス状内容物1238のパージを支援するために構築チャンバ1202の出口経路1236に真空を適用するステップ404に続く。406において、構築チャンバ1202の出口経路1236上の真空は、パージの予測される完了に基づいて所定の時間後に停止される。例えば、真空は、出口ポート1234、真空ポンプ1242、またはそれらの間のどこかでバルブを閉じることによって停止することができる。方法400は、406から
図1の102に続く。例えば、真空は、適切な環境を確立するために様々な時間に適用されてもよい。
【0026】
さらに別の例では、方法400はまた、
図1および
図3の方法100、300を含む。この例では、方法400は、
図3の306から続き、所定の時間後に構築チャンバ1202から出口経路1236を閉じて408、積層造形プロセス中に構築チャンバ1202を密閉する。方法400は、408から
図1の102に続く。
【0027】
再び
図1、
図2、
図5および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、方法100の別の例では、金属材料1208の溶融するステップ104は、溶融材料が基板1212上または金属物品200上に現在層のために堆積されるときに溶融プールを形成するステップ502を含む。
【0028】
方法100のさらに別の例では、溶融プールの少なくとも1つのパラメータは、金属物品200の複数の選択層206の少なくとも1つの選択部分204を硬化させる化学反応を管理するように制御される。さらなる例では、溶融プールの少なくとも1つのパラメータは、金属プールサイズ、金属プール温度、溶融材料から凝固までの遷移時間、または任意の他の適切なパラメータを含む。エネルギー源の動作および対応するパラメータの制御は、金属物品200の3次元デジタルモデル1232に基づくことができる。
【0029】
再び
図1、
図2、
図6および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、金属物品200の選択部分を硬化させるための方法600はまた、
図1の方法100を含む。方法600は、
図1の104から602に続き、少なくとも1つの不活性ガス1220が少なくとも1つの第1のガス供給源1222から受け取られ、少なくとも1つの反応ガス1224が少なくとも1つの第2のガス供給源1226から受け取られる。604において、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの反応ガス1224は、反応性雰囲気1230を確立するために構築チャンバ1202に送られる。方法600は、604から
図1の106に続く。
【0030】
別の例では、方法600はまた、溶融材料が基板1212上または金属物品200上の現在層のために堆積されるとき、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの反応ガス1224を溶融材料に近接する構築チャンバ1202内の箇所に導くステップ606を含む。例えば、専用のノズルまたはガスジェット1246を使用して、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの反応ガス1224を溶融材料に近接する箇所に導くことができる。この例では、方法600は、606から
図1の106に続く。
【0031】
再び
図1、
図2、
図6、
図7および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、金属物品200の選択部分を硬化させるための方法700は、
図1および
図6の方法100、600を含む。方法700は、
図6の602から702に続き、少なくとも1つの第1のガス供給源1222からの少なくとも1つの不活性ガス1220と、少なくとも1つの第2のガス供給源1226からの少なくとも1つの反応ガス1224と、を混合して、所定の反応ガス混合物1227を形成する。704において、所定の反応ガス混合物1227は、反応性雰囲気1230を確立するために構築チャンバ1202に送られる。方法700は、704から
図1の106に続く。
【0032】
別の例では、方法700はまた、溶融材料が基板1212上または金属物品200上の現在層のために堆積されるとき、所定の反応ガス混合物1227を溶融材料に近接する構築チャンバ1202内の箇所に導くステップ706を含む。例えば、専用のノズルまたはガスジェット1246を使用して、所定の反応ガス混合物1227を溶融材料に近接する箇所に導くことができる。この例では、方法は706から
図1の106に続く。
【0033】
再び
図1、
図2、
図4、
図6、
図8および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、金属物品200の選択部分を硬化させるための方法800は、
図1、
図4および
図6の方法100、400、600を含む。方法800は、
図6の602から
図802に続き、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの反応ガス1224を構築チャンバ1202に送るステップと連動して、出口経路1236が構築チャンバ1202から開かれて構築チャンバ1202のガス状内容物1238をパージする。方法800は、802から
図1の106に続く。方法800の別の例では、構築チャンバ1202からの出口経路1236は、積層造形プロセス中に開いたままであり、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの反応ガス1224の構築チャンバ1202への連続的な流れを可能にする。さらに別の例では、方法800は、
図4の802から404に続き、真空が出口経路1236に適用される。次に、406において、真空が停止される。例えば、真空は、出口ポート1234、真空ポンプ1242、またはそれらの間のどこかでバルブを閉じることによって停止することができる。この例では、方法800は、406から
図1の106に続く。さらに別の例では、方法800は、出口経路1236が閉じられる802から
図4の408に続く。この例では、方法800は、408から
図1の106に続く。
【0034】
再び
図1、
図2、
図4、
図9および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、金属物品200の選択部分を硬化させるための方法900は、
図1および
図4の方法100、400を含む。方法800は、
図1の104から902に続き、少なくとも1つの所定の反応ガス混合物1227が少なくとも1つの混合ガス供給源1229から受け取られる。904において、少なくとも1つの所定の反応ガス混合物1227は、反応性雰囲気1230を確立するために構築チャンバ1202に送られる。方法900は、904から
図1の106に続く。
【0035】
別の例では、方法900はまた、溶融材料が基板1212上または金属物品200上の現在層のために堆積されるとき、少なくとも1つの所定の反応ガス混合物1227を溶融材料に近接した構築チャンバ1202内の箇所に導くステップ906を含む。例えば、専用ノズルまたはガスジェット1246を使用して、少なくとも1つの所定の反応ガス混合物1227を溶融材料に近接する箇所に導くことができる。この例では、方法900は、906から
図1の106に続く。
【0036】
別の例では、方法900はまた、少なくとも1つの所定の反応ガス混合物1227を構築チャンバ1202に送るステップと連動して、構築チャンバ1202のガス状内容物1238をパージするために構築チャンバ1202からの出口経路1236を開くステップ908を含む。さらなる例では、構築チャンバ1202からの出口経路1236は、積層造形プロセス中に開いたままであり、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの所定の反応ガス混合物1227のうちの1つまたは複数の構築チャンバ1202への連続的な流れを可能にする。別のさらなる例では、方法900は
図4の908から404に続き、ここでは真空が出口経路1236に適用される。次に、406において、真空が停止される。例えば、真空は、出口ポート1234、真空ポンプ1242、またはそれらの間のどこかでバルブを閉じることによって停止することができる。この例では、方法900は、406から
図1の106に続く。さらに別のさらなる例では、方法900は、出口経路1236が閉じられる908から
図4の408に続く。この例では、方法900は、408から
図1の106に続く。
【0037】
再び
図1、
図2、
図10および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、金属物品200の選択部分を硬化させるための方法1000は、
図1の方法100を含む。方法1000は、非反応性雰囲気1228の期間中に硬化しない溶融材料を堆積させ、反応性雰囲気1230の期間中に硬化する溶融材料を堆積させるために、
図1の106から1002に続き、金属材料1208の溶融するステップ104中に非反応性雰囲気1228の確立するステップ102と反応性雰囲気1230の選択的に確立するステップ106とを交互に行うステップ1002を行い、金属物品200が、連続層の少なくとも特定の部分が硬化する第1の領域と、連続層の少なくとも他の部分が硬化しない第2の領域と、を含むようにする。方法100の他の例では、交互に行うステップ1002は、非反応性雰囲気1228を使用する積層造形専用の第1のシステムから反応性雰囲気1230を使用する積層造形専用の第2のシステムに金属物品200を移動させることによって達成され得る。第1のシステムと第2のシステムとの間の移行は、金属物品200の設計に規定された硬化領域および非硬化領域に基づいていてもよい。
【0038】
方法1000の別の例では、金属物品200を構築するために複数の層202に溶融材料を堆積させるための金属材料1208の溶融するステップ104、ならびに金属物品200および/またはエネルギー源1216の並進運動は、非反応性雰囲気1228から反応性雰囲気1230への、およびその逆の所定の遷移がある選択箇所で一時停止される。さらなる例では、選択箇所および所定の遷移は、硬化のために指定された金属物品200の3次元デジタルモデル1232に基づく。
【0039】
再び
図1、
図2、
図11および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、金属物品200の選択部分を硬化させるための方法1100は、
図1の方法100を含む。方法1100は、
図1の106から1102に続き、積層造形プロセスの完了後に金属物品200を熱処理1102して、積層造形プロセス中に硬化した金属物品の選択部分の硬化を最適化する。1104において、金属物品200は、金属物品200上に仕上げ部を生成するように機械加工される。
【0040】
図1、
図2および
図12~
図19を全体的に参照すると、例として、本開示は、金属物品200の選択部分を硬化させるための積層造形システム1200に関する。
図1は、金属物品200の選択部分を硬化させるための方法100の一例を開示している。
図2には、金属物品200の一例が開示されている。
図12は、積層造形システム1200の様々な例を開示する。
図13は、積層造形システム1200のためのガスマニホールドアセンブリ1302の様々な例を開示している。
図14~
図18は、ガスマニホールドアセンブリ1302の構成の様々な例を開示している。
図19は、積層造形システム1200の構築チャンバ1202の様々な例を開示している。
【0041】
再び
図1、
図2および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、金属物品200の選択部分を硬化させるための積層造形システム1200は、構築チャンバ1202と、材料ハンドリングアセンブリ1206と、基板1212と、エネルギー源アセンブリ1214と、並進アセンブリ1210と、システム制御アセンブリ1218と、を含む。構築チャンバ1202は、金属物品200の積層造形のための制御された環境1204を提供するように構成される。材料ハンドリングアセンブリ1206は、積層造形プロセスと連動して構築チャンバ1202の内部に金属材料1208を供給するように構成される。基板1212は、積層造形プロセス中に金属物品200を少なくとも一時的に保持するように構成される。例えば、基板1212は構築プレートであってもよい。エネルギー源アセンブリ1214は、エネルギー源1216を使用して金属材料1208を溶融し、溶融材料を複数の層202に堆積させて基板1212上に金属物品200を構築するように構成される。並進アセンブリ1210は、積層造形プロセスと連動して溶融材料を堆積させるための所定の箇所に基づいて、基板1212およびエネルギー源アセンブリ1214の少なくとも一方の並進運動を提供するように構成される。システム制御アセンブリ1218は、材料ハンドリングアセンブリ1206、エネルギー源アセンブリ1214、および並進アセンブリ1210と動作可能に連通している。システム制御アセンブリ1218は、構築チャンバ1202内の非反応性雰囲気1228の確立を制御するように構成され、材料ハンドリングアセンブリ1206による金属材料1208の供給を制御するように構成され、並進アセンブリ1210の制御と連動してエネルギー源1216による金属材料1208の溶融するステップ104を制御するように構成され、溶融するステップ104およびその後の溶融材料の凝固と連動して複数の層202の複数の選択層206における各層の少なくとも1つの選択部分204を化学反応により硬化させるように構築チャンバ1202内の反応性雰囲気1230の選択的確立を制御するように構成される。例えば、硬化された選択部分を有する金属物品は、積層造形法を使用してその全体が構築されてもよく、または他の技術を使用して製造された既存の金属物品は、積層造形法を使用して選択的に添加された硬化材料を有していてもよい。他の例では、最初に真空を適用して適切な環境を確立することができる。
【0042】
積層造形システム1200の別の例では、非反応性雰囲気1228は、少なくとも1つの不活性ガス1220を含む。さらなる例では、少なくとも1つの不活性ガス1220は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な不活性ガスを含む。例えば、窒素は、特定の金属材料の非反応性ガスまたは不活性ガスとして使用することができる。しかしながら、窒素は、チタンなどの他の金属材料の反応ガスであってもよい。積層造形システム1200のさらに別の例では、積層造形プロセスに関して、金属材料1208は、金属粉末、金属ワイヤ、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な金属材料を含む。積層造形システム1200のさらに別の例では、金属材料1208は、チタン、チタン合金、鋼、耐食鋼、析出硬化耐食鋼、マルエージング鋼、鉄合金、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な金属材料を含む。積層造形システム1200のさらに別の例では、エネルギー源1216は、少なくとも1つのレーザビーム、少なくとも1つの電子ビーム、少なくとも1つのプラズマアーク、または任意の適切な組合せの任意の他の適切なエネルギー源を含む。方法100のさらに別の例では、エネルギー源1216は、少なくとも1つのレーザビーム、少なくとも1つの電子ビーム、少なくとも1つのプラズマアーク、または任意の適切な組合せの任意の他の適切なエネルギー源を含む。
【0043】
様々な例では、積層造形プロセス中に堆積される複数の層202の所与の層の深さは、約0.0001インチ~約0.001インチ、約0.001インチ~約0.002インチ、約0.002インチ~約0.004インチ、約0.004インチ~約0.010インチ、約0.010インチ~約0.020インチ、または積層造形プロセスのための任意の他の適切な深さ範囲である。所与の層の最小深さは、最小堆積厚さに基づく。堆積された厚さは、溶融プールを形成するために提供される金属材料原料サイズおよびエネルギーの少なくとも1つに基づいてもよい。例えば、積層造形エネルギー源を「平滑化」に使用することができ、反応性雰囲気を使用して、非常に薄い硬化層を金属物品上に堆積させることができる。様々な他の例において、反応性雰囲気1230は、反応ガスが約0.1%~約50%、約0.2%~約40%、約0.5%~約30%、約0.8%~約20%、約1.0%~約10%、または任意の他の適切な反応ガス百分率の範囲である混合物を含み得る。例えば、より高い反応ガスパーセンテージ(例えば、50%超)が所与の動作に適している場合、混合物に対してより高いパーセンテージが企図される。
【0044】
積層造形システム1200の別の例では、システム制御アセンブリ1218は、エネルギー源1216および並進アセンブリ1210の少なくとも1つのパラメータを制御して、金属物品200の複数の選択層206の少なくとも1つの選択部分204を硬化させる化学反応を管理するように構成される。さらなる例では、エネルギー源1216および並進アセンブリ1210の少なくとも1つのパラメータは、金属物品200の複数の選択層206内の各層の少なくとも1つの選択部分204の硬化に関する選択された所定の箇所のエネルギー源滞留時間、エネルギー源1216に関連するレーザ堆積滞留時間、エネルギー源1216に関連するプラズマアーク滞留時間、エネルギー源1216に関連する電子ビーム滞留時間、または任意の適切な組合せの任意の他の適切なパラメータを含む。並進運動の制御、エネルギー源の動作、および対応するパラメータは、金属物品200の3次元デジタルモデル1232に基づくことができる。
【0045】
積層造形システム1200のさらに別の例では、システム制御アセンブリ1218は、X軸、Y軸、およびZ軸のうちの少なくとも1つにおける金属物品200の直線運動に関して並進アセンブリ1210を制御するように構成される。さらなる例では、システム制御アセンブリ1218は、X軸、Y軸、およびZ軸のうちの少なくとも1つを基準とした金属物品200の回転運動に関して並進アセンブリ1210を制御するように構成される。別のさらなる例では、システム制御アセンブリ1218は、X軸、Y軸、およびZ軸のうちの少なくとも1つに対する金属物品200の角運動に関して並進アセンブリ1210を制御するように構成される。積層造形システム1200のさらに別の例では、システム制御アセンブリ1218は、溶融材料の堆積のための所定の箇所の基礎となる金属物品200の3次元デジタルモデル1232を記憶またはアクセスするように構成される。
【0046】
積層造形システム1200のさらに別の例では、反応性雰囲気1230は、少なくとも1つの不活性ガス1220と少なくとも1つの反応ガス1224との所定の反応ガス混合物1227を含む。さらなる例では、化学反応は窒化を含む。さらなる例では、少なくとも1つの反応ガス1224は、窒素ガス、窒素系ガス、アンモニアガス、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な反応ガスを含む。別のさらなる例では、化学反応は炭化を含む。さらなる例では、少なくとも1つの反応ガス1224は、炭素系ガス、アセチレンガス、プロパンガス、ブタンガス、メタンガス、一酸化炭素ガス、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な反応ガスを含む。反応性ガスまたは化学反応の副生成物が有害ガス混合物を生成する場合、プロセスは、真空、分圧、不活性ガスパージおよびガス安全制御システムの使用のうちの少なくとも1つによって管理される。
【0047】
積層造形システム1200の別の例では、システム制御アセンブリ1218は、硬化される金属物品200の各選択部分204が硬化のために指定された対応する箇所に基づく金属物品200の3次元デジタルモデル1232を記憶またはアクセスするように構成される。積層造形システム1200のさらに別の例では、硬化される金属物品200の複数の選択層206の各層の少なくとも1つの選択部分204は、連続層の部分が硬化される1つまたは複数の領域を含む。さらなる例では、硬化される連続層の部分は、金属物品200を通る約0.0001インチの深さ、金属物品200を通る約0.002インチの深さ、金属物品200を通る約0.004インチの深さ、金属物品200を通る約0.006インチの深さ、金属物品200を通る約0.008インチの深さ、金属物品200を通る約0.010インチの深さ、金属物品200を通る約0.020インチの深さ、金属物品200を通る約0.030インチの深さ、金属物品200を通る約0.040インチの深さのうちの少なくとも1つの範囲の硬化深さ、または任意の他の適切な硬化深さを有する少なくとも1つの部分を含む。別のさらなる例では、1つまたは複数の領域は、金属物品200の外面まで延伸しない金属物品200の内部の少なくとも1つの領域を含む。上述したように、金属物品200は、堆積層レベルでの任意の設計要件に適合するように断続的に硬化した内部構造で構築することができる。例えば、金属物品200は、金属マトリックス複合材を形成する内部領域を含むことができる。さらに別のさらなる例では、1つまたは複数の領域は、金属物品200の第1の層から連続層まで延伸する少なくとも1つの領域を含む。さらに別のさらなる例では、1つまたは複数の領域は、金属物品200の一部が表面硬化されるように、金属物品200の内層から金属物品200の外面まで延伸する少なくとも1つの領域を含む。さらなる例では、表面硬化される金属物品200の部分は、約0.0001インチ、約0.001インチ、約0.010インチ、約0.020インチ、約0.030インチ、約0.040インチ、または任意の他の適切な表面硬化深さを超える表面硬化深さを有する少なくとも1つの部分を含む。
【0048】
積層造形システム1200のさらに別の例では、システム制御アセンブリ1218は、非反応性雰囲気1228を確立するステップ102の前に反応性雰囲気1230を選択的に確立するステップ106によって積層造形プロセスを開始するように構成される。積層造形システム1200のさらに別の例では、システム制御アセンブリ1218は、金属材料1208の溶融するステップ104中に非反応性雰囲気1228の確立するステップ102および反応性雰囲気1230の選択的に確立するステップ106を繰り返して、金属物品200が完成するまで複数の層202に溶融材料を堆積させるように構成される。
【0049】
再び
図1、
図2および
図12~
図19を参照すると、積層造形システム1200の1つまたは複数の例では、システム制御アセンブリ1218は、ガスマニホールドアセンブリ1302を含む。ガスマニホールドアセンブリ1302は、少なくとも1つの不活性ガス入口1304および少なくとも1つの不活性ガス出口1306を含む。少なくとも1つの不活性ガス入口1304は、第1の不活性ガス入口1308で少なくとも1つの第1のガス供給源1222から少なくとも1つの不活性ガス1220を受け取るように構成されている。ガスマニホールドアセンブリ1302は、第1の不活性ガス入口1308を第1の不活性ガス出口1310に導くように構成されている。ガスマニホールドアセンブリ1302は、非反応性雰囲気1228を確立するために、第1の不活性ガス出口1310を介して少なくとも1つの不活性ガス1220を構築チャンバ1202に供給するように構成されている。
【0050】
積層造形システム1200の別の例では、構築チャンバ1202は、構築チャンバ1202からの出口経路1236を開き、少なくとも1つの不活性ガス1220を構築チャンバ1202に送るステップと連動して構築チャンバ1202のガス状内容物1238をパージするように構成された出口ポート1234を含む。さらなる例では、構築チャンバ1202はまた、出口ポート1234に結合され、溶融材料の近くに存在する任意の反応ガス1224の除去を容易にするために、溶融材料が基板1212上または金属物品200上の現在層のために堆積されるときに溶融材料に近接して出口経路1236を導くように構成された排気導管1240を含む。例えば、基板1212は構築プレートであってもよい。別のさらなる例では、構築チャンバ1202からパージされたガス状内容物1238は、空気、1つまたは複数の反応ガス、1つまたは複数の不活性ガス、または任意の適切な組合せで構築チャンバ1202内に存在し得る任意の他のガスを含む。さらに別のさらなる例では、出口ポート1234は、少なくとも1つの不活性ガス1220の構築チャンバ1202への連続的な流れを可能にするために出口経路1236が開いたままであるように、積層造形プロセス中に開いたままであるように構成される。さらに別のさらなる例では、積層造形システム1200はまた、構築チャンバ1202の出口ポート1234に結合され、構築チャンバ1202のガス状内容物1238のパージを支援するために出口経路1236に真空を適用するように構成された真空ポンプ1242を含む。さらに別の例では、真空ポンプ1242は、パージの予測完了に基づいて所定の時間後に構築チャンバ1202の出口経路1236上で真空を停止するように構成される。例えば、真空は、出口ポート1234、真空ポンプ1242、またはそれらの間のどこかでバルブを閉じることによって停止することができる。さらに別のさらなる例では、出口ポート1234は、積層造形プロセス中に構築チャンバ1202を密閉するために、所定の時間後に構築チャンバ1202からの出口経路1236を閉じるように構成される。
【0051】
積層造形システム1200のさらに別の例では、ガスマニホールドアセンブリ1302はまた、少なくとも1つの反応ガス入口1312および少なくとも1つの反応ガス出口1314を含む。少なくとも1つの反応ガス入口1312は、第1の反応性ガス入口1316で少なくとも1つの第2のガス供給源1226から少なくとも1つの反応ガス1224を受け取るように構成されている。ガスマニホールドアセンブリ1302は、第1の反応性ガス入口1316を第1の反応性ガス出口1318に導くように構成されている。ガスマニホールドアセンブリ1302は、反応性雰囲気1230を確立するために、第1の反応ガス出口1318を介して少なくとも1つの反応ガス1224を構築チャンバ1202に送るように構成される。さらなる例では、構築チャンバ1202は、マニホールドアセンブリ1302の第1の反応ガス出口1318に結合された少なくとも1つの供給導管1244を含む。少なくとも1つの供給導管1244は、溶融材料が基板1212上または金属物品200上の現在層のために堆積されるときに、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの反応ガス1224を溶融材料に近接する構築チャンバ1202内の箇所に導くように構成される。例えば、専用のノズルまたはガスジェット1246を使用して、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの反応ガス1224を溶融材料に近接する箇所に導くことができる。別のさらなる例では、構築チャンバ1202は、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの反応ガス1224を構築チャンバ1202に送るステップと連動して、構築チャンバ1202のガス状内容物1238をパージするために構築チャンバ1202からの出口経路1236を開くように構成された出口ポート1234を含む。さらなる例では、出口ポート1234は、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの反応ガス1224の構築チャンバ1202への連続的な流れを可能にするために出口経路1236が開いたままであるように、積層造形プロセス中に開いたままであるように構成される。
【0052】
さらに別のさらなる例では、ガスマニホールドアセンブリ1302はまた、少なくとも1つの反応ガス入口1312および少なくとも1つの反応ガス混合物出口1320を含む。少なくとも1つの不活性ガス入口1304は、第2の不活性ガス入口1322で少なくとも1つの不活性ガス1220を受け取るように構成される。少なくとも1つの反応ガス入口1312は、第2の反応ガス入口1324で少なくとも1つの反応ガス1224を受け取るように構成される。ガスマニホールドアセンブリ1302は、第2の不活性ガス入口1322で受け取った少なくとも1つの不活性ガス1220と、第2の反応ガス入口1324で受け取った少なくとも1つの反応ガス1224と、を混合して、所定の反応ガス混合物1227を形成するように構成される。ガスマニホールドアセンブリ1302は、所定の反応ガス混合物1227を第1の反応ガス混合物出口1326に導くように構成されている。ガスマニホールドアセンブリ1302は、反応性雰囲気1230を確立するために、第1の反応ガス混合物出口1326を介して所定の反応ガス混合物1227を構築チャンバ1202に送るように構成されている。さらなる例では、構築チャンバ1202は、マニホールドアセンブリ1302の第1の反応ガス混合物出口1326に結合された少なくとも1つの供給導管1244を含む。溶融材料が基板1212上または金属物品200上の現在層のために堆積されるとき、所定の反応ガス混合物1227を溶融材料に近接する構築チャンバ1202内の箇所に導くように構成された少なくとも1つの供給導管1244。例えば、専用のノズルまたはガスジェット1246を使用して、所定の反応ガス混合物1227を溶融材料に近接する箇所に導くことができる。別のさらなる例では、構築チャンバ1202は、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの反応ガス1224を構築チャンバ1202に送るステップと連動して構築チャンバ1202のガス状内容物1238をパージするために構築チャンバ1202からの出口経路1236を開くように構成された出口ポート1234を含む。さらなる例では、出口ポート1234は、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの反応ガス1224の構築チャンバ1202への連続的な流れを可能にするために出口経路1236が開いたままであるように、積層造形プロセス中に開いたままであるように構成される。
【0053】
積層造形システム1200のさらに別の例では、ガスマニホールドアセンブリ1302はまた、少なくとも1つの反応ガス混合物入口1328および少なくとも1つの反応ガス混合物出口1320を含む。少なくとも1つの反応ガス混合物入口1328は、第1の反応ガス混合物入口1330で所定の反応ガス混合物1227を受け入れるように構成される。ガスマニホールドアセンブリ1302は、所定の反応ガス混合物1227を第2の反応ガス混合物出口1332に導くように構成される。ガスマニホールドアセンブリ1302は、反応性雰囲気1230を確立するために、第2の反応ガス混合物出口1332を介して所定の反応ガス混合物1227を構築チャンバ1202に送るように構成される。さらなる例では、構築チャンバ1202は、マニホールドアセンブリ1302の第2の反応ガス混合物出口1332に結合された少なくとも1つの供給導管1244を含む。溶融材料が基板1212上または金属物品200上の現在層のために堆積されるとき、少なくとも1つの所定の反応ガス混合物1227を溶融材料に近接する構築チャンバ1202内の箇所に導くように構成された少なくとも1つの供給導管1244。例えば、専用ノズルまたはガスジェット1246を使用して、少なくとも1つの所定の反応ガス混合物1227を溶融材料に近接する箇所に導くことができる。別のさらなる例では、構築チャンバ1202は、少なくとも1つの所定の反応ガス混合物1227を構築チャンバ1202に送るステップと連動して、構築チャンバ1202のガス状内容物1238をパージするために構築チャンバ1202からの出口経路1236を開くように構成された出口ポート1234を含む。さらなる例では、出口ポート1234は、出口経路1236が開いたままであり、少なくとも1つの不活性ガス1220および少なくとも1つの所定の反応ガス混合物1227のうちの1つまたは複数の構築チャンバ1202への連続的な流れを可能にするように、積層造形プロセス中に開いたままであるように構成される。
【0054】
再び
図1、
図2および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、積層造形システム1200の別の例では、溶融材料が基板1212上または金属物品200上の現在層のために堆積されるとき、エネルギー源1216は、金属材料1208の溶融するステップ104と連動して溶融プールを形成するように構成される。さらなる例では、システム制御アセンブリ1218は、溶融プールの少なくとも1つのパラメータを制御して、金属物品200の複数の選択層206の少なくとも1つの選択部分204を硬化させる化学反応を管理するように構成される。さらなる例では、溶融プールの少なくとも1つのパラメータは、金属プールサイズ、金属プール温度、溶融材料から凝固までの遷移時間、または任意の他の適切なパラメータを含む。並進運動の制御、エネルギー源の動作、および対応するパラメータは、金属物品200の3次元デジタルモデル1232に基づくことができる。
【0055】
積層造形システム1200のさらに別の例では、システム制御アセンブリ1218は、金属材料1208の溶融するステップ104中に非反応性雰囲気1228の確立するステップ102と反応性雰囲気1230の確立するステップ102とを交互に繰り返して、非反応性雰囲気1228の期間中に硬化しない溶融材料を堆積させ、反応性雰囲気1230の期間中に硬化する溶融材料を堆積させるように構成され、それにより、金属物品200は、連続層の少なくとも特定の部分が硬化する第1の領域と、連続層の少なくとも他の部分が硬化しない第2の領域と、を含む。さらなる例では、システム制御アセンブリ1218は、金属材料1208の溶融するステップ104を一時停止して複数の層202に溶融材料を堆積させて金属物品200を構築するように構成され、並進アセンブリ1210によって提供される並進運動は、非反応性雰囲気1228から反応性雰囲気1230への、およびその逆の所定の遷移が存在する選択箇所で提供される。別のさらなる例では、システム制御アセンブリ1218は、選択箇所および所定の遷移が硬化のために指定された対応する箇所に基づく金属物品200の3次元デジタルモデル1232を記憶またはアクセスするように構成される。他の例では、積層造形システム1200は、非反応性雰囲気1228を使用する積層造形専用の第1のシステムと、反応性雰囲気1230を使用する積層造形専用の第2のシステムとを含んでもよい。これらの例では、金属物品200における硬化領域と非硬化領域との交互は、金属物品200の設計で規定された硬化領域と非硬化領域とに基づいて、金属物品を第1のシステムと第2のシステムとの間で前後に移動させることによって達成され得る。
【0056】
図2および
図12を全体的に参照すると、例として、本開示は金属物品200を対象とする。
図2には、金属物品200の一例が開示されている。
図12は、金属物品200の選択部分を硬化させるための積層造形システム1200の様々な例を開示している。
【0057】
再び
図2および
図12を参照すると、1つまたは複数の例では、金属物品200は、積層造形プロセスを介して堆積された金属材料1208の複数の層202を含む。複数の層202の複数の選択層206の各層の少なくとも1つの選択部分204は、積層造形プロセスの選択期間中に選択的に確立された反応性雰囲気1230によって引き起こされる化学反応によって硬化される。複数の選択層206の残りの部分208および複数の層202の残りの層210は、非反応性雰囲気1228が確立された積層造形プロセスの残りの期間に堆積された。
【0058】
金属物品200の別の例では、非反応性雰囲気1228は、少なくとも1つの不活性ガス1220を含む。金属物品200のさらに別の例では、積層造形プロセスに関して、金属材料1208は、金属粉末、金属ワイヤ、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な金属材料を含む。金属物品200のさらに別の例では、金属材料1208は、チタン、チタン合金、鋼、耐食鋼、析出硬化耐食鋼、マルエージング鋼、鉄合金、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な金属材料を含む。方法100のさらに別の例では、エネルギー源1216は、少なくとも1つのレーザビーム、少なくとも1つの電子ビーム、少なくとも1つのプラズマアーク、または任意の適切な組合せの任意の他の適切なエネルギー源を含む。
【0059】
様々な例では、積層造形プロセス中に堆積される複数の層202の所与の層の深さは、約0.0001インチ~約0.001インチ、約0.001インチ~約0.002インチ、約0.002インチ~約0.004インチ、約0.004インチ~約0.010インチ、約0.010インチ~約0.020インチ、または積層造形プロセスのための任意の他の適切な深さ範囲である。所与の層の最小深さは、最小堆積厚さに基づく。堆積された厚さは、溶融プールを形成するために提供される金属材料原料サイズおよびエネルギーの少なくとも1つに基づいてもよい。例えば、積層造形エネルギー源を「平滑化」に使用することができ、反応性雰囲気を使用して、非常に薄い硬化層を金属物品上に堆積させることができる。様々な他の例において、反応性雰囲気1230は、反応ガスが約0.1%~約50%、約0.2%~約40%、約0.5%~約30%、約0.8%~約20%、約1.0%~約10%、または任意の他の適切な反応ガス百分率の範囲である混合物を含み得る。例えば、より高い反応ガスパーセンテージ(例えば、50%超)が所与の動作に適している場合、混合物に対してより高いパーセンテージが企図される。
【0060】
金属物品200のさらに別の例では、反応性雰囲気1230は、少なくとも1つの不活性ガス1220と少なくとも1つの反応ガス1224との所定の反応ガス混合物1227を含む。さらなる例では、少なくとも1つの不活性ガス1220は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な不活性ガスを含む。例えば、窒素は、特定の金属材料の非反応性ガスまたは不活性ガスとして使用することができる。しかしながら、窒素は、チタンなどの他の金属材料の反応ガスであってもよい。別のさらなる例では、化学反応は窒化を含む。さらなる例では、少なくとも1つの反応ガス1224は、窒素ガス、窒素系ガス、アンモニアガス、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な反応ガスを含む。さらに別のさらなる例では、化学反応は炭化を含む。さらなる例では、少なくとも1つの反応ガス1224は、炭素系ガス、アセチレンガス、プロパンガス、ブタンガス、メタンガス、一酸化炭素ガス、または任意の適切な組合せの任意の他の適切な反応ガスを含む。反応性ガスまたは化学反応の副生成物が有害ガス混合物を生成する場合、プロセスは、真空、分圧、不活性ガスパージおよびガス安全制御システムの使用のうちの少なくとも1つによって管理される。金属物品200の別の例では、硬化される金属物品200の各選択部分204は、硬化用に指定された金属物品200の3次元デジタルモデル1232内の対応する箇所に基づく。方法100のさらに別の例では、エネルギー源1216は、少なくとも1つのレーザビーム、少なくとも1つの電子ビーム、少なくとも1つのプラズマアーク、または任意の適切な組合せの任意の他の適切なエネルギー源を含む。
【0061】
金属物品200のさらに別の例では、金属物品200の複数の層202は、硬化を伴う複数の選択層206と硬化を伴わない複数の残りの層210との交互のグループに配置される。さらなる例では、硬化を伴う複数の選択層206の各層の少なくとも1つの選択部分204は、硬化を伴わない対応する層の他の部分よりも大きい。別のさらなる例では、硬化を伴う複数の選択層206の各層の少なくとも1つの選択部分204は、対応する層を含み、対応する層のいかなる部分も硬化しない。
【0062】
金属物品200のさらに別の例では、硬化される金属物品200の複数の選択層206の各層の少なくとも1つの選択部分204は、連続層の部分が硬化される1つまたは複数の領域を含む。さらなる例では、硬化される連続層の部分は、金属物品200を通る約0.0001インチの深さ、金属物品200を通る約0.002インチの深さ、金属物品200を通る約0.004インチの深さ、金属物品200を通る約0.006インチの深さ、金属物品200を通る約0.008インチの深さ、金属物品200を通る約0.010インチの深さ、金属物品200を通る約0.020インチの深さ、金属物品200を通る約0.030インチの深さ、金属物品200を通る約0.040インチの深さの範囲の硬化深さ、または任意の他の適切な範囲の硬化深さを有する少なくとも1つの部分を含む。別のさらなる例では、1つまたは複数の領域は、金属物品200の外面まで延伸しない金属物品200の内部の少なくとも1つの領域を含む。上述したように、金属物品200は、堆積層レベルでの任意の設計要件に適合するように断続的に硬化した内部構造で構築することができる。例えば、金属物品200は、金属マトリックス複合材を形成する内部領域を含むことができる。さらに別のさらなる例では、1つまたは複数の領域は、金属物品200の第1の層から連続層まで延伸する少なくとも1つの領域を含む。さらに別のさらなる例では、1つまたは複数の領域は、金属物品200の一部が表面硬化されるように、金属物品200の内層から金属物品200の外面まで延伸する少なくとも1つの領域を含む。さらなる例では、表面硬化される金属物品200の部分は、約0.0001インチ、約0.001インチ、約0.010インチ、約0.020インチ、約0.030インチ、約0.040インチ、または任意の他の適切な表面硬化深さを超える表面硬化深さを有する少なくとも1つの部分を含む。
【0063】
金属物品200のさらに別の例では、積層造形プロセスと併せて、非反応性雰囲気1228を確立するステップ102と、反応性雰囲気1230を選択的に確立するステップ106とが繰り返され、その結果、反応性雰囲気1230の期間中に構築された金属物品200の特定の部分が硬化され、非反応性雰囲気1228の期間中に構築された他の部分が硬化されず、金属物品200が、連続層の少なくとも特定の部分が硬化される第1の領域と、連続層の少なくとも他の部分が硬化されない第2の領域とを含む。
【0064】
金属物品200および金属物品200の選択部分を硬化させるための積層造形システム1200の例は、航空機製造の文脈に関連するか、または航空機製造の文脈において使用され得る。航空機の例が説明されているが、本明細書に開示した例および原理は、航空宇宙産業、および自動車産業、宇宙産業、建設産業、ならびに他の設計および製造産業などの他の産業の他の製品に適用することができる。したがって、航空機に加えて、本明細書で開示される例および原理は、様々なタイプのビークルの製造および様々なタイプの建物の建設における金属物品の使用に適用することができる。
【0065】
前述の詳細な説明は、本開示によって説明する具体例を示す添付の図面を参照する。異なる構造および動作を有する他の例が、本開示の範囲から逸脱することはない。同様の参照符号は、異なる図面において同じ形態、要素、または構成要素を指すことができる。本開示全体を通して、複数の項目のいずれかを個別に項目と呼ぶ場合があり、複数の項目をまとめて項目と呼ぶ場合があり、同様の参照符号で呼ぶ場合がある。さらに、本明細書で使用する場合、「ある」、または「1つの」という語に先行する形態、要素、構成要素、またはステップは、そのような除外を明示的に記載していない限り、複数の形態、要素、構成要素、またはステップを除外しないものとして理解されるべきである。
【0066】
本開示による主題の例示的で非網羅的な例は、必ずしも特許請求されているわけではないが、上記で提供している。本明細書における「例」への言及は、例に関連して記載した1つまたは複数の形態、構造、要素、構成要素、特性、および/または動作ステップが、本開示による主題の少なくとも1つの態様、実施形態、および/または実施態様に含まれることを意味する。したがって、本開示全体を通して、「一例」、「別の例」、「1つまたは複数の例」の語句、および同様の文言は、必ずしもそうである必要はないが、同じ例を指すことができる。さらに、任意の1つの例を特徴付ける主題は、必ずしもそうである必要はないが、任意の他の例を特徴付ける主題を含むことができる。また、任意の1つの例を特徴付ける主題は、必ずしもそうである必要はないが、任意の他の例を特徴付ける主題と組み合わせることができる。
【0067】
本明細書で使用される場合、指定された機能を実施する「ように構成されている」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、さらなる変更後に指定された機能を実施する可能性を単に有するのではなく、改変なしに指定された機能を実際に実施することが可能である。言い換えれば、指定された機能を実施する「ように構成されている」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、指定された機能を実施する目的で具体的に選択され、作成され、実施され、利用され、プログラムされ、および/または設計される。本明細書で使用される場合、「ように構成されている」とは、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアがさらなる変更なしに指定された機能を実施することを可能にするシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアの既存の特性を表す。本開示の目的のために、特定の機能を実施する「ように構成されている」ものとして説明されたシステム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、追加的または代替的に、その機能を実施する「ように適合された」および/または「ように動作する」ものとして説明されてもよい。
【0068】
特に明記しない限り、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用され、これらの用語が参照する項目に順序、配置、または階層の要件を課すことを意図しない。さらに、例えば、「第2の」項目への参照は、例えば、「第1の」もしくはより小さい番号の項目、および/または、例えば、「第3の」もしくはより大きい番号の項目の存在を必要とするものでも排除するものではない。
【0069】
本明細書で使用されるとき、「のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のリストと共に使用されるとき、リストされた項目のうちの1つまたは複数の様々な組合せが使用されてもよく、リスト内の各項目のうちの1つのみが必要であり得ることを意味する。例えば、「項目A、項目B、および項目Cの少なくとも1つ」は、非限定的に、項目A、または項目Aおよび項目Bを含んでもよい。この例はまた、項目A、項目B、および項目C、または項目Bおよび項目Cを含んでもよい。他の例では、「の少なくとも1つ」は、例えば、非限定的に、項目Aのうちの2個、項目Bのうちの1個、および項目Cの10個でも、項目Bの4個と項目Cの7個でも、他の適切な組合せであってもよい。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語および「/」記号は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組合せを含む。
【0070】
本明細書で使用される場合、「結合される」、「結合する」という用語、および同様の用語は、互いに接合、連結、固定、取り付け、接続、連通、または関連付けられる(例えば、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁的に)2つ以上の要素を指す。様々な例において、要素は直接的または間接的に関連付けられ得る。一例として、要素Aは、要素Bに直接関連付けられ得る。別の例として、要素Aは、例えば、別の要素Cを介して、要素Bに間接的に関連付けられ得る。開示された様々な要素間のすべての関連が必ずしも表されているわけではないことが理解されよう。したがって、図に示すもの以外の結合も存在し得る。
【0071】
本明細書で使用する場合、「ほぼ」という用語は、依然として所望の機能を実施するか、または所望の結果を達成する、記載の条件に近いが正確ではない条件を指すか、または表す。一例として、「ほぼ」という用語は、記載の条件の10%以内の条件など、許容可能な所定の許容範囲または精度内にある条件を指す。しかしながら、「ほぼ」という用語は、正確に記載の条件である条件を排除するものではない。本明細書において、「実質的に」という用語は、所望の機能を実行するか、または所望の結果を達成する、本質的に記載された状態を指す。
【0072】
上記で言及した
図1および
図3~
図11において、ブロックは、動作、ステップ、および/またはその一部を表してもよく、様々なブロックを接続する線は、動作またはその一部の特定の順序または依存関係を意味するものではない。様々な開示された動作間のすべての依存性が必ずしも表されているわけではないことが理解されよう。
図1および
図3~
図11ならびに本明細書に記載の方法の動作を説明する付随する開示は、動作が実行されるシーケンスを必ず決定するものと解釈されるべきではない。むしろ、1つの例示的な順序が示されているが、動作のシーケンスは適切な場合に修正され得ることを理解されたい。したがって、図示した動作に対して修正、追加、および/または省略が行われてもよく、ある動作は異なる順序で実施されても、同時に実施されてもよい。加えて、説明したすべての動作が必ずしも実施される必要はないことを、当業者は理解するであろう。
【0073】
上記で参照した
図2および
図12~
図19は、その機能要素、形態、または構成要素を表し得るものであり、必ずしも特定の構造を意味するものではない。したがって、例示された構造に対して、修正、追加、および/または省略が行われてもよい。加えて、当業者は、上記の
図2および
図12~
図19に説明および図示しているすべての要素、形態、および/または構成要素が、すべての例に含まれる必要はなく、本明細書に説明のすべての要素、形態、および/または構成要素が必ずしも各例示的な例に示されているわけではないことを理解するであろう。したがって、
図2および
図12~
図19に説明および図示している要素、形態、ならびに/あるいは構成要素のいくつかは、そのような1つまたは複数の組合せを本明細書に明示的に示していない場合でも、
図2および
図12~
図19に説明および図示している他の形態、ならびに/あるいは付随する開示を含む必要なしに、様々な方法で組み合わせられてもよい。同様に、提示された例に限定されない追加の形態は、本明細書に示され説明された形態の一部または全部と組み合わせられてもよい。特に明記しない限り、上記の
図2および
図12~
図19に示している例の概略図は、例示的な例に関する構造上の制限を意味するものではない。むしろ、1つの例示的な構造が示されているが、構造は、適切な場合に修正され得ることが理解されるべきである。したがって、例示された構造に対して、修正、追加、および/または省略が行われてもよい。さらに、同様の、または少なくとも実質的に同様の目的を果たす要素、形態、および/または構成要素は、
図2および
図12~
図19の各々において同様の番号でラベル付けされ、そのような要素、形態、および/または構成要素は、
図2および
図12~
図19の各々を参照して本明細書で詳細に説明しない場合がある。同様に、
図2および
図12~
図19の各々では、すべての要素、形態、および/または構成要素にラベル付けされているわけではなく、これらに関連する参照符号は、本明細書では一貫性を保つために利用されることがある。
【0074】
さらに、本明細書全体を通して、本明細書で使用される形態、利点、または同様の文言への言及は、本明細書に開示する例で実現され得るすべての形態および利点が任意の単一の例であるべきであるか、またはその中にあることを意味するものではない。むしろ、形態および利点を指す文言は、例に関連して説明された特定の形態、利点、または特性が少なくとも1つの例に含まれることを意味すると理解される。したがって、本開示全体で使用される形態、利点、および同様の文言の説明は、必ずしもそうではないが、同じ例を指す場合がある。
【0075】
本明細書に開示する主題の例は、
図20に示す航空機の製造および保守点検方法2000および
図21に示す航空機2100の文脈で説明することができる。1つまたは複数の例では、試験中の部品の試験データを最終品目座標系に関連付けるための開示された方法およびシステムは、航空機製造に使用されてもよい。生産前に、保守点検方法2000は、航空機2100の仕様および設計(ブロック2002)ならびに材料調達(ブロック2004)を含むことができる。生産中に、航空機2100の構成要素および部分組立品の製造(ブロック2006)ならびにシステム統合(ブロック2008)が行われてもよい。その後に、航空機2100は、認証および搬送(ブロック2010)を経て就航され得る(ブロック2012)。就航中、航空機2100は、定期的な整備および保守点検のためにスケジュールされ得る(ブロック2014)。日常的な整備および保守点検は、航空機2100の1つまたは複数のシステムの修正、再構成、改修などを含み得る。
【0076】
保守点検方法2000のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、および/またはオペレータ(例えば、顧客)によって実施または実行されてもよい。本明細書では、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者および主要システム下請業者を含み得るがこれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、およびサプライヤを含み得るがこれらに限定されず、また、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事機関、就航業務組織などであり得る。
【0077】
図21に示すように、保守点検方法2000によって生産された航空機2100は、複数の上位システム2104および内部2106を有する機体2102を含むことができる。上位システム2104の例は、推進システム2108、電気システム2110、油圧システム2112、および環境システム2114のうちの1つまたは複数を含む。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙の例が示されているが、本明細書に開示する原理は、自動車産業など、他の産業にも適用され得る。したがって、航空機2100に加えて、本明細書に開示する原理は、他のビークル、例えば、陸上用ビークル、海上用ビークル、宇宙用ビークルなどに適用され得る。
【0078】
試験中の部品の試験データを最終品目座標系に関連付けるための開示されたシステムおよび方法は、製造および保守点検方法2000の任意の1つまたは複数の段階中に使用されてもよい。例えば、構成要素および部分組立品の製造(ブロック2006)に対応する構成要素または部分組立品を、航空機2100の就航中(ブロック2012)に生産される構成要素または部分組立品と同様の方法で製作または製造してもよい。また、システム、方法、またはそれらの組合せの1つまたは複数の例は、例えば、航空機2100の組み立てを実質的に促進するかまたはコストを削減することによって、生産段階(ブロック2006およびブロック2008)中に利用することができる。同様に、システムもしくは方法の実現またはそれらの組合せの1つまたは複数の例は、限定ではなく例として、航空機2100の就航中(ブロック2012)および/または整備および保守点検中(ブロック2014)に利用されてもよい。
【0079】
1つの例の記載した形態、利点、および特性を、1つまたは複数の他の例において任意の適切な方法で組み合わせることができる。関連技術の当業者は、本明細書に記載の例が、特定の例の1つまたは複数の特定の形態または利点なしで実施され得ることを認識するであろう。他の例では、すべての例に存在するとは限らない特定の例で、追加の形態および利点が認識される場合がある。さらに、金属物品の選択部分を硬化させるための方法100、300、400、600、700、800、900、1000、1100、金属物品の選択部分を硬化させるための積層造形システム1200および金属物品200の様々な例が示され説明されているが、本明細書を読むと当業者には修正が思い浮かぶであろう。本出願は、そのような修正を含み、特許請求の範囲によってのみ限定される。本発明の主題は以下の項によっても提供される。
[項1]
金属物品(200)の選択部分を硬化させるための方法(100)であって、前記方法(100)は、
積層造形システム(1200)の構築チャンバ(1202)内に非反応性雰囲気(1228)を確立するステップ(102)と、
溶融材料を堆積させるための所定の箇所に基づいて前記金属物品(200)およびエネルギー源(1216)の少なくとも一方の並進運動を制御することと連動して、前記金属物品(200)を構築するために複数の層(202)に前記溶融材料を堆積させるために前記エネルギー源(1216)を使用して金属材料(1208)を溶融するステップ(104)と、
溶融する前記ステップ(104)およびその後の前記溶融材料の凝固と連動して、前記複数の層(202)の複数の選択層(206)内の各層の少なくとも1つの選択部分(204)を硬化させるための化学反応を生じさせる反応性雰囲気(1230)を前記構築チャンバ(1202)内に選択的に確立するステップ(106)と、
を含む方法(100)。
[項2]
前記非反応性雰囲気(1228)が少なくとも1つの不活性ガス(1220)を含む、項1に記載の方法。
[項3]
前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)が、アルゴン、ヘリウム、ネオンおよび窒素のうちの少なくとも1つを含む、項2に記載の方法。
[項4]
前記積層造形プロセスに関連して、前記金属材料(1208)が、金属粉末および金属ワイヤの少なくとも一方を含む、項1に記載の方法。
[項5]
前記金属材料(1208)が、チタン、チタン合金、鋼、耐食性鋼、析出硬化耐食性鋼、マルエージング鋼および鉄鋼合金のうちの少なくとも1つを含む、項1に記載の方法。
[項6]
前記エネルギー源(1216)が、少なくとも1つのレーザビーム、少なくとも1つの電子ビーム、および少なくとも1つのプラズマアークのうちの1つまたは複数を含む、項1に記載の方法。
[項7]
前記金属物品(200)の前記並進運動、前記エネルギー源(1216)の前記並進運動、および前記エネルギー源(1216)の動作の少なくとも1つのパラメータが、前記金属物品(200)の前記複数の選択層(206)の前記少なくとも1つの選択部分(204)を硬化させる前記化学反応を管理するように制御される、項1に記載の方法。
[項8]
前記エネルギー源(1216)の前記少なくとも1つのパラメータ、ならびに前記金属物品(200)および/または前記エネルギー源(1216)の前記並進運動が、前記金属物品(200)の前記複数の選択層(206)内の各層の前記少なくとも1つの選択部分(204)の硬化に関する所定の箇所を選択するためのエネルギー源滞留時間、前記エネルギー源(1216)に関連するレーザ堆積滞留時間、前記エネルギー源(1216)に関連するプラズマアーク滞留時間、および前記エネルギー源(1216)に関連する電子ビーム滞留時間のうちの少なくとも1つを含む、項7に記載の方法。
[項9]
前記金属物品(200)および/または前記エネルギー源(1216)の前記並進運動が、X軸、Y軸、およびZ軸のうちの少なくとも1つにおける直線運動の制御を含む、項1に記載の方法。
[項10]
前記金属物品(200)および/または前記エネルギー源(1216)の前記並進運動が、前記X軸、前記Y軸、および前記Z軸の少なくとも1つを基準とした回転運動の制御を含む、項9に記載の方法。
[項11]
前記金属物品(200)および/または前記エネルギー源(1216)の前記並進運動が、前記X軸、前記Y軸、および前記Z軸の少なくとも1つを基準とした角運動の制御を含む、項9に記載の方法。
[項12]
前記溶融材料の堆積のための前記所定の箇所が、前記金属物品(200)の3次元デジタルモデル(1232)に基づく、項1に記載の方法。
[項13]
前記反応性雰囲気(1230)が、少なくとも1つの不活性ガス(1220)および少なくとも1つの反応ガス(1224)の所定の反応ガス混合物(1227)を含む、項1に記載の方法。
[項14]
前記化学反応が窒化を含む、項13に記載の方法。
[項15]
前記少なくとも1つの反応ガス(1224)が、窒素ガス、窒素系ガスおよびアンモニアガスのうちの少なくとも1つを含む、項14に記載の方法。
[項16]
前記化学反応が炭化を含む、項13に記載の方法。
[項17]
前記少なくとも1つの反応ガス(1224)が、炭素系ガス、アセチレンガス、プロパンガス、ブタンガス、メタンガスおよび一酸化炭素ガスのうちの少なくとも1つを含む、項16に記載の方法。
[項18]
硬化される前記金属物品(200)の各選択部分(204)が、硬化のために指定された前記金属物品(200)の3次元デジタルモデル(1232)内の対応する箇所に基づく、項1に記載の方法。
[項19]
硬化される前記金属物品(200)の複数の選択層(206)の各層の前記少なくとも1つの選択部分(204)が、連続層の部分が硬化される1つまたは複数の領域を含む、項1に記載の方法。
[項20]
硬化される連続層の前記部分が、0.0001インチ、0.002インチ、0.004インチ、0.006インチ、0.008インチ、0.010インチ、0.020インチ、0.030インチおよび0.040インチのうちの少なくとも1つから前記金属物品(200)を通る深さまでの範囲の硬化深さを有する少なくとも1つの部分を含む、項19に記載の方法。
[項21]
前記1つまたは複数の領域が、前記金属物品(200)の外面まで延伸していない前記金属物品(200)の内部の少なくとも1つの領域を含む、項19に記載の方法。
[項22]
前記1つまたは複数の領域が、前記金属物品(200)の第1の層から連続層まで延伸する少なくとも1つの領域を含む、項19に記載の方法。
[項23]
前記1つまたは複数の領域が、前記金属物品(200)の部分が表面硬化されるように、前記金属物品(200)の内層から前記金属物品(200)の外面まで延伸する少なくとも1つの領域を含む、項19に記載の方法。
[項24]
前記金属物品(200)の前記表面硬化された部分が、0.0001インチ、0.001インチ、0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、および0.040インチのうちの少なくとも1つを超える表面硬化深さを有する少なくとも1つの部分を含む、項23に記載の方法。
[項25]
前記反応性雰囲気(1230)を選択的に確立する前記ステップ(106)が、前記非反応性雰囲気(1228)を確立する前記ステップ(102)に先立つ、項1に記載の方法。
[項26]
前記非反応性雰囲気(1228)を確立する前記ステップ(102)および前記反応性雰囲気(1230)を選択的に確立する前記ステップ(106)が、前記金属物品(200)が完成するまで前記複数の層(202)に溶融材料を堆積させるために前記金属材料(1208)を溶融する前記ステップ(104)中に繰り返される、項1に記載の方法。
[項27]
少なくとも1つの第1のガス供給源(1222)から少なくとも1つの不活性ガス(1220)を受け取るステップ(302)と、
前記非反応性雰囲気(1228)を確立するために前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)を前記構築チャンバ(1202)に送るステップ(304)と、
をさらに含む、項1に記載の方法。
[項28]
前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)を前記構築チャンバ(1202)に送る前記ステップと連動して前記構築チャンバ(1202)のガス状内容物(1238)をパージするために前記構築チャンバ(1202)からの出口経路(1236)を開くステップ(306)
をさらに含む、項27に記載の方法。
[項29]
前記構築チャンバ(1202)からパージされた前記ガス状内容物(1238)が、空気、1つもしくは複数の反応ガス、および1つもしくは複数の不活性ガスのうちの少なくとも1つを含む、項28に記載の方法。
[項30]
前記構築チャンバ(1202)からの前記出口経路(1236)が、前記積層造形プロセス中に開いたままであり、前記構築チャンバ(1202)への前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)の連続的な流れを可能にする、項28に記載の方法。
[項31]
前記溶融材料が基板(1212)上または前記金属物品(200)上に現在層のために堆積されるとき、前記溶融材料の近くに存在する任意の反応ガス(1224)の除去を容易にするために、前記溶融材料に近接して前記出口経路(1236)を導くステップ(402)
をさらに含む、項28に記載の方法。
[項32]
前記構築チャンバ(1202)の前記ガス状内容物(1238)のパージを支援するために、前記構築チャンバ(1202)の前記出口経路(1236)に真空を適用するステップ(404)
をさらに含む、項28に記載の方法。
[項33]
前記パージの予測される完了に基づいて所定の時間後に前記構築チャンバ(1202)の前記出口経路(1236)上で前記真空を停止するステップ(406)
をさらに含む、項32に記載の方法
[項34]
前記積層造形プロセス中に前記構築チャンバ(1202)を密閉するために所定の時間後に前記構築チャンバ(1202)からの前記出口経路(1236)を閉じるステップ(408)
をさらに含む、項28に記載の方法。
[項35]
前記金属材料(1208)を溶融する前記ステップ(104)が、
前記溶融材料が現在層のために基板(1212)上または前記金属物品(200)上に堆積されるときに溶融プールを形成するステップ(502)
を含む、項1に記載の方法。
[項36]
前記溶融プールの少なくとも1つのパラメータが、前記金属物品(200)の前記複数の選択層(206)の前記少なくとも1つの選択部分(204)を硬化させる前記化学反応を管理するように制御される、項35に記載の方法。
[項37]
前記溶融プールの前記少なくとも1つのパラメータが、金属プールサイズ、金属プール温度、および溶融材料から凝固までの遷移時間のうちの少なくとも1つを含む、項36に記載の方法。
[項38]
少なくとも1つの第1のガス供給源(1222)から少なくとも1つの不活性ガス(1220)を、および少なくとも1つの第2のガス供給源(1226)から少なくとも1つの反応ガス(1224)を受け取るステップ(602)と、
前記反応性雰囲気(1230)を確立するために、前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの反応ガス(1224)を前記構築チャンバ(1202)に送るステップ(604)と、
をさらに含む、項1に記載の方法。
[項39]
前記溶融材料が基板(1212)上または前記金属物品(200)上の現在層のために堆積されるときに、前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの反応ガス(1224)を前記溶融材料に近接する前記構築チャンバ(1202)内の箇所に導くステップ(606)
をさらに含む、項38に記載の方法。
[項40]
所定の反応ガス混合物(1227)を形成するために、前記少なくとも1つの第1のガス供給源(1222)からの前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)と、前記少なくとも1つの第2のガス供給源(1226)からの前記少なくとも1つの反応ガス(1224)と、を混合するステップ(702)と、
前記反応性雰囲気(1230)を確立するために、前記所定の反応ガス混合物(1227)を前記構築チャンバ(1202)に送るステップ(704)と、
をさらに含む、項38に記載の方法。
[項41]
前記溶融材料が基板(1212)上または前記金属物品(200)上の現在層のために堆積されるときに、前記所定の反応ガス混合物(1227)を前記溶融材料に近接する前記構築チャンバ(1202)内の箇所に導くステップ(706)
をさらに含む、項40に記載の方法。
[項42]
前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの反応ガス(1224)を前記構築チャンバ(1202)に送るステップと連動して、前記構築チャンバ(1202)のガス状内容物(1238)をパージするために前記構築チャンバ(1202)からの出口経路(1236)を開くステップ(802)
をさらに含む、項38に記載の方法。
[項43]
前記構築チャンバ(1202)からの前記出口経路(1236)が、前記積層造形プロセス中に開いたままであり、前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの反応ガス(1224)の前記構築チャンバ(1202)への連続的な流れを可能にする、項42に記載の方法。
[項44]
少なくとも1つの混合ガス供給源(1229)から少なくとも1つの所定の反応ガス混合物(1227)を受け取るステップ(902)と、
前記反応性雰囲気(1230)を確立するために、前記少なくとも1つの所定の反応ガス混合物(1227)を前記構築チャンバ(1202)に送るステップ(904)と、
をさらに含む、項1に記載の方法。
[項45]
前記溶融材料が基板(1212)上または前記金属物品(200)上の現在層に対して堆積されるときに、前記少なくとも1つの所定の反応ガス混合物(1227)を前記溶融材料に近接する前記構築チャンバ(1202)内の箇所に導くステップ(906)
をさらに含む、項44に記載の方法。
[項46]
前記少なくとも1つの所定の反応ガス混合物(1227)を前記構築チャンバ(1202)に送るステップと連動して、前記構築チャンバ(1202)のガス状内容物(1238)をパージするために前記構築チャンバ(1202)からの出口経路(1236)を開くステップ(908)
をさらに含む、項44に記載の方法。
[項47]
前記構築チャンバ(1202)からの前記出口経路(1236)が、前記積層造形プロセス中に開いたままであり、前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの所定の反応ガス混合物(1227)のうちの1つまたは複数の前記構築チャンバ(1202)への連続的な流れを可能にする、項46に記載の方法。
[項48]
前記非反応性雰囲気(1228)の期間中に硬化しない溶融材料を堆積させ、前記反応性雰囲気(1230)の期間中に硬化する溶融材料を堆積させるために、前記金属材料(1208)を溶融する前記ステップ(104)中に、前記非反応性雰囲気(1228)を確立する前記ステップ(102)と前記反応性雰囲気(1230)を選択的に確立する前記ステップ(106)とを交互に行うステップ(1002)であって、前記金属物品(200)が、連続層の少なくとも特定の部分が硬化する第1の領域と、連続層の少なくとも他の部分が硬化しない第2の領域と、を含むようにするための、ステップ(1002)
をさらに含む、項1に記載の方法。
[項49]
前記金属物品(200)を構築するために前記複数の層(202)に溶融材料を堆積させるための前記金属材料(1208)を溶融する前記ステップ(104)、ならびに前記金属物品(200)および/または前記エネルギー源(1216)の前記並進運動が、前記非反応性雰囲気(1228)から前記反応性雰囲気(1230)へ、およびその逆の所定の遷移が存在する選択箇所で一時停止される、項48に記載の方法。
[項50]
前記選択箇所および前記所定の遷移が、硬化のために指定された前記金属物品(200)の3次元デジタルモデル(1232)に基づく、項49に記載の方法。
[項51]
前記積層造形プロセス中に硬化された前記金属物品の前記選択部分の硬化を最適化するために、前記積層造形プロセスの完了後に前記金属物品(200)を熱処理するステップ(1102)と、
前記金属物品(200)上に仕上げ部を生成するために前記金属物品(200)を機械加工するステップ(1104)と、
をさらに含む、項1に記載の方法。
[項52]
金属物品(200)の選択部分を硬化させるための積層造形システム(1200)であって、前記積層造形システムは、
前記金属物品(200)の積層造形のための制御された環境(1204)を提供する構築チャンバ(1202)と、
積層造形プロセスと連動して前記構築チャンバ(1202)内に金属材料(1208)を供給する材料ハンドリングアセンブリ(1206)と、
前記積層造形プロセス中に前記金属物品(200)を少なくとも一時的に保持する基板(1212)と、
エネルギー源(1216)を使用して前記金属材料(1208)を溶融し、溶融材料を複数の層(202)に堆積させて前記基板(1212)上に前記金属物品(200)を構築するエネルギー源アセンブリ(1214)と、
前記積層造形プロセスと連動して前記溶融材料を堆積させるための所定の箇所に基づいて前記基板(1212)および前記エネルギー源アセンブリ(1214)の少なくとも一方の並進運動を提供する並進アセンブリ(1210)と、
前記材料ハンドリングアセンブリ(1206)、前記エネルギー源アセンブリ(1214)、および前記並進アセンブリ(1210)と動作可能に連通するシステム制御アセンブリ(1218)であって、前記構築チャンバ(1202)内の非反応性雰囲気(1228)の確立を制御し、前記材料ハンドリングアセンブリ(1206)による前記金属材料(1208)の供給を制御し、前記並進アセンブリ(1210)の制御と連動して前記エネルギー源(1216)による前記金属材料(1208)を溶融するステップ(104)を制御し、前記構築チャンバ(1202)内の反応性雰囲気(1230)を選択的に確立するステップを制御して、化学反応を生じさせ、溶融する前記ステップ(104)およびその後の前記溶融材料の凝固と併せて前記複数の層(202)の複数の選択層(206)における各層の少なくとも1つの選択部分(204)を硬化する、システム制御アセンブリ(1218)と、
を含む、積層造形システム(1200)。
[項53]
前記非反応性雰囲気(1228)が、少なくとも1つの不活性ガス(1220)を含む、項52に記載の積層造形システム。
[項54]
前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)が、アルゴン、ヘリウム、ネオンおよび窒素のうちの少なくとも1つを含む、項53に記載の積層造形システム。
[項55]
前記積層造形プロセスに関連して、前記金属材料(1208)が、金属粉末および金属ワイヤの少なくとも一方を含む、項52に記載の積層造形システム。
[項56]
前記金属材料(1208)が、チタン、チタン合金、鋼、耐食性鋼、析出硬化耐食性鋼、マルエージング鋼、および鉄鋼合金のうちの少なくとも1つを含む、項52に記載の積層造形システム。
[項57]
前記エネルギー源(1216)が、少なくとも1つのレーザビーム、少なくとも1つの電子ビーム、および少なくとも1つのプラズマアークのうちの1つまたは複数を含む、項52に記載の積層造形システム。
[項58]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、前記エネルギー源(1216)および前記並進アセンブリ(1210)の少なくとも1つのパラメータを制御して、前記金属物品(200)の前記複数の選択層(206)の前記少なくとも1つの選択部分(204)を硬化させる前記化学反応を管理するように構成されている、項52に記載の積層造形システム。
[項59]
前記エネルギー源(1216)および前記並進アセンブリ(1210)の前記少なくとも1つのパラメータが、前記金属物品(200)の前記複数の選択層(206)における各層の前記少なくとも1つの選択部分(204)の硬化に関する選択された所定の箇所のエネルギー源滞留時間、前記エネルギー源(1216)に関連するレーザ堆積滞留時間、前記エネルギー源(1216)に関連するプラズマアーク滞留時間、および前記エネルギー源(1216)に関連する電子ビーム滞留時間のうちの少なくとも1つを含む、項58に記載の積層造形システム。
[項60]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、X軸、Y軸、およびZ軸のうちの少なくとも1つにおける前記金属物品(200)の直線運動に関して前記並進アセンブリ(1210)を制御するように構成されている、項52に記載の積層造形システム。
[項61]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、前記X軸、前記Y軸、および前記Z軸のうちの少なくとも1つを基準とする前記金属物品(200)の回転運動に関して前記並進アセンブリ(1210)を制御するように構成されている、項60に記載の積層造形システム。
[項62]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、前記X軸、前記Y軸、および前記Z軸のうちの少なくとも1つを基準とする前記金属物品(200)の角運動に関して前記並進アセンブリ(1210)を制御するように構成されている、項60に記載の積層造形システム。
[項63]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、前記溶融材料の堆積のための前記所定の箇所が基づいている、前記金属物品(200)の3次元デジタルモデル(1232)を記憶またはアクセスするように構成されている、項52に記載の積層造形システム。
[項64]
前記反応性雰囲気(1230)が、少なくとも1つの不活性ガス(1220)と少なくとも1つの反応ガス(1224)との所定の反応ガス混合物(1227)を含む、項52に記載の積層造形システム。
[項65]
前記化学反応が窒化を含む、項64に記載の積層造形システム。
[項66]
前記少なくとも1つの反応ガス(1224)が、窒素ガス、窒素系ガスおよびアンモニアガスのうちの少なくとも1つを含む、項65に記載の積層造形システム。
[項67]
前記化学反応が炭化を含む、項64に記載の積層造形システム。
[項68]
前記少なくとも1つの反応ガス(1224)が、炭素系ガス、アセチレンガス、プロパンガス、ブタンガス、メタンガスおよび一酸化炭素ガスのうちの少なくとも1つを含む、項67に記載の積層造形システム。
[項69]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、前記金属物品(200)の3次元デジタルモデル(1232)を記憶またはアクセスするように構成され、硬化される前記金属物品(200)の各選択部分(204)が、硬化のために指定された対応する箇所に基づく、項52に記載の積層造形システム。
[項70]
硬化される前記金属物品(200)の複数の選択層(206)の各層の前記少なくとも1つの選択部分(204)が、連続層の部分が硬化される1つまたは複数の領域を含む、項52に記載の積層造形システム。
[項71]
硬化される連続層の前記部分が、0.0001インチ、0.002インチ、0.004インチ、0.006インチ、0.008インチ、0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、および0.040インチのうちの少なくとも1つから前記金属物品(200)を通る深さまでの範囲の硬化深さを有する少なくとも1つの部分を含む、項70に記載の積層造形システム。
[項72]
前記1つまたは複数の領域が、前記金属物品(200)の外面まで延伸していない前記金属物品(200)の内部の少なくとも1つの領域を含む、項70に記載の積層造形システム。
[項73]
前記1つまたは複数の領域が、前記金属物品(200)の第1の層から連続層まで延伸する少なくとも1つの領域を含む、項70に記載の積層造形システム。
[項74]
前記1つまたは複数の領域が、前記金属物品(200)の部分が表面硬化されるように、前記金属物品(200)の内層から前記金属物品(200)の外面まで延伸する少なくとも1つの領域を含む、項70に記載の積層造形システム。
[項75]
前記金属物品(200)の前記表面硬化された部分が、0.0001インチ、0.001インチ、0.010インチ、0.020インチ、0.030インチ、および0.040インチのうちの少なくとも1つを超える表面硬化深さを有する少なくとも1つの部分を含む、項74に記載の積層造形システム。
[項76]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、前記非反応性雰囲気(1228)を確立するステップ(102)の前に前記反応性雰囲気(1230)を選択的に確立するステップ(106)によって前記積層造形プロセスを開始するように構成されている、項52に記載の積層造形システム。
[項77]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、前記金属物品(200)が完成するまで前記複数の層(202)に溶融材料を堆積させるために、前記金属材料(1208)を溶融する前記ステップ(104)中に前記非反応性雰囲気(1228)を確立する前記ステップ(102)および前記反応性雰囲気(1230)を選択的に確立する前記ステップ(106)を繰り返すように構成されている、項52に記載の積層造形システム。
[項78]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、
少なくとも1つの不活性ガス入口(1304)および少なくとも1つの不活性ガス出口(1306)を含むガスマニホールドアセンブリ(1302)であって、前記少なくとも1つの不活性ガス入口(1304)が、第1の不活性ガス入口(1308)で前記少なくとも1つの第1のガス供給源(1222)から前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)を受け取り、前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、前記第1の不活性ガス入口(1308)を第1の不活性ガス出口(1310)に導き、前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、前記非反応性雰囲気(1228)を確立するために、前記第1の不活性ガス出口(1310)を介して前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)を前記構築チャンバ(1202)に供給する、ガスマニホールドアセンブリ(1302)
を含む、項52に記載の積層造形システム。
[項79]
前記構築チャンバ(1202)が、
前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)を前記構築チャンバ(1202)に送る前記ステップと連動して前記構築チャンバ(1202)のガス状内容物(1238)をパージするために前記構築チャンバ(1202)からの出口経路(1236)を開く出口ポート(1234)
を含む、項78に記載の積層造形システム。
[項80]
前記構築チャンバ(1202)が、
前記出口ポート(1234)に結合され、前記溶融材料の近くに存在する任意の反応ガス(1224)の除去を容易にするために、前記溶融材料が前記基板(1212)上または前記金属物品(200)上に現在層のために堆積されるときに前記溶融材料に近接して前記出口経路(1236)を導く排気導管(1240)
をさらに含む、項79に記載の積層造形システム。
[項81]
前記構築チャンバ(1202)からパージされた前記ガス状内容物(1238)が、空気、1つまたは複数の反応ガス、および1つまたは複数の不活性ガスのうちの少なくとも1つを含む、項79に記載の積層造形システム。
[項82]
前記出口ポート(1234)が、前記出口経路(1236)が開いたままであり、前記構築チャンバ(1202)への前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)の連続的な流れを可能にするように、前記積層造形プロセス中に開いたままであるように構成されている、項79に記載の積層造形システム。
[項83]
前記構築チャンバ(1202)の前記出口ポート(1234)に結合され、前記構築チャンバ(1202)の前記ガス状内容物(1238)のパージを支援するために前記出口経路(1236)に真空を適用する真空ポンプ(1242)
をさらに含む、項79に記載の積層造形システム。
[項84]
前記真空ポンプ(1242)が、前記パージの予測される完了に基づいて所定の時間後に前記構築チャンバ(1202)の前記出口経路(1236)上で前記真空を停止するように構成されている、項83に記載の積層造形システム。
[項85]
前記出口ポート(1234)が、前記積層造形プロセス中に前記構築チャンバ(1202)を密閉するために所定の時間後に前記構築チャンバ(1202)からの前記出口経路(1236)を閉じるように構成されている、項79に記載の積層造形システム。
[項86]
前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、少なくとも1つの反応ガス入口(1312)および少なくとも1つの反応ガス出口(1314)をさらに含み、前記少なくとも1つの反応ガス入口(1312)が、第1の反応性ガス入口(1316)で前記少なくとも1つの第2のガス供給源(1226)から前記少なくとも1つの反応ガス(1224)を受け取り、前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、前記第1の反応性ガス入口(1316)を第1の反応性ガス出口(1318)に導き、前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、前記反応性雰囲気(1230)を確立するために前記第1の反応ガス出口(1318)を介して前記少なくとも1つの反応ガス(1224)を前記構築チャンバ(1202)に送る、項78に記載の積層造形システム。
[項87]
前記構築チャンバ(1202)が、
前記マニホールドアセンブリ(1302)の前記第1の反応ガス出口(1318)に結合された少なくとも1つの供給導管(1244)であって、前記少なくとも1つの供給導管(1244)が、前記溶融材料が前記基板(1212)上または前記金属物品(200)上の現在層のために堆積されるときに、前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの反応ガス(1224)を前記溶融材料に近接した前記構築チャンバ(1202)内の箇所に導く、少なくとも1つの供給導管(1244)
を含む、項86に記載の積層造形システム。
[項88]
前記構築チャンバ(1202)が、
前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの反応ガス(1224)を前記構築チャンバ(1202)に送る前記ステップと連動して、前記構築チャンバ(1202)のガス状内容物(1238)をパージするために前記構築チャンバ(1202)からの出口経路(1236)を開く出口ポート(1234)
を含む、項86に記載の積層造形システム。
[項89]
前記出口ポート(1234)が、前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの反応ガス(1224)の前記構築チャンバ(1202)への連続的な流れを可能にするために前記出口経路(1236)が開いたままであるように、前記積層造形プロセス中に開いたままであるように構成されている、項88に記載の積層造形システム。
[項90]
前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、少なくとも1つの反応ガス入口(1312)および少なくとも1つの反応ガス混合物出口(1320)をさらに含み、前記少なくとも1つの不活性ガス入口(1304)が、第2の不活性ガス入口(1322)で前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)を受け取り、前記少なくとも1つの反応ガス入口(1312)が、第2の反応ガス入口(1324)で前記少なくとも1つの反応ガス(1224)を受け取り、前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、前記第2の不活性ガス入口(1322)で受け取った前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)と前記第2の反応ガス入口(1324)で受け取った前記少なくとも1つの反応ガス(1224)とを混合して所定の反応ガス混合物(1227)を形成し、前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、前記所定の反応ガス混合物(1227)を第1の反応ガス混合物出口(1326)に導き、前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、前記所定の反応ガス混合物(1227)を前記第1の反応ガス混合物出口(1326)を介して前記構築チャンバ(1202)に送って前記反応性雰囲気(1230)を確立する、項86に記載の積層造形システム。
[項91]
前記構築チャンバ(1202)が、
前記マニホールドアセンブリ(1302)の前記第1の反応ガス混合物出口(1326)に結合された少なくとも1つの供給導管(1244)であって、前記溶融材料が前記基板(1212)上または前記金属物品(200)上の現在層のために堆積されるときに、前記所定の反応ガス混合物(1227)を前記溶融材料に近接した前記構築チャンバ(1202)内の箇所に導く少なくとも1つの供給導管(1244)
を含む、項90に記載の積層造形システム。
[項92]
前記構築チャンバ(1202)が、
前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの反応ガス(1224)を前記構築チャンバ(1202)に送る前記ステップと連動して、前記構築チャンバ(1202)のガス状内容物(1238)をパージするために前記構築チャンバ(1202)からの出口経路(1236)を開く出口ポート(1234)
を含む、項90に記載の積層造形システム。
[項93]
前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの反応ガス(1224)の前記構築チャンバ(1202)への連続的な流れを可能にするために前記出口経路(1236)が開いたままであるように、前記出口ポート(1234)が前記積層造形プロセス中に開いたままであるように構成されている、項92に記載の積層造形システム。
[項94]
前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、少なくとも1つの反応ガス混合物入口(1328)および少なくとも1つの反応ガス混合物出口(1320)をさらに含み、前記少なくとも1つの反応ガス混合物入口(1328)が、第1の反応ガス混合物入口(1330)で所定の反応ガス混合物(1227)を受け取り、前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、前記所定の反応ガス混合物(1227)を第2の反応ガス混合物出口(1332)に導き、前記ガスマニホールドアセンブリ(1302)が、前記反応性雰囲気(1230)を確立するために、前記第2の反応ガス混合物出口(1332)を介して前記所定の反応ガス混合物(1227)を前記構築チャンバ(1202)に送る、項78に記載の積層造形システム。
[項95]
前記構築チャンバ(1202)が、
前記マニホールドアセンブリ(1302)の前記第2の反応ガス混合物出口(1332)に結合された少なくとも1つの供給導管(1244)であって、前記少なくとも1つの供給導管(1244)が、前記溶融材料が前記基板(1212)上または前記金属物品(200)上の現在層のために堆積されるときに、前記少なくとも1つの所定の反応ガス混合物(1227)を前記溶融材料に近接する前記構築チャンバ(1202)内の箇所に導く、少なくとも1つの供給導管(1244)
を含む、項94に記載の積層造形システム。
[項96]
前記構築チャンバ(1202)が、
前記少なくとも1つの所定の反応ガス混合物(1227)を前記構築チャンバ(1202)に送る前記ステップと連動して、前記構築チャンバ(1202)のガス状内容物(1238)をパージするために前記構築チャンバ(1202)からの出口経路(1236)を開く出口ポート(1234)
を含む、項94に記載の積層造形システム。
[項97]
前記少なくとも1つの不活性ガス(1220)および前記少なくとも1つの所定の反応ガス混合物(1227)のうちの1つまたは複数の前記構築チャンバ(1202)への連続的な流れを可能にするために前記出口経路(1236)が開いたままであるように、前記出口ポート(1234)が前記積層造形プロセス中に開いたままであるように構成されている、項96に記載の積層造形システム。
[項98]
前記エネルギー源(1216)が、前記溶融材料が前記基板(1212)上または前記金属物品(200)上に現在層のために堆積されるときに、前記金属材料(1208)を溶融する前記ステップ(104)と連動して溶融プールを形成するように構成されている、項52に記載の積層造形システム。
[項99]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、前記溶融プールの少なくとも1つのパラメータを制御して、前記金属物品(200)の前記複数の選択層(206)の前記少なくとも1つの選択部分(204)を硬化させる前記化学反応を管理するように構成されている、項98に記載の積層造形システム。
[項100]
前記溶融プールの前記少なくとも1つのパラメータが、金属プールサイズ、金属プール温度、および溶融材料から凝固までの遷移時間のうちの少なくとも1つを含む、項99に記載の積層造形システム。
[項101]
前記非反応性雰囲気(1228)の期間中に硬化しない溶融材料を堆積させ、前記反応性雰囲気(1230)の期間中に硬化する溶融材料を堆積させるために、前記システム制御アセンブリ(1218)が、前記金属材料(1208)を溶融する前記ステップ(104)中に前記非反応性雰囲気(1228)を確立する前記ステップ(102)と前記反応性雰囲気(1230)を確立する前記ステップ(102)とを交互に繰り返し、前記金属物品(200)が、連続層の少なくとも特定の部分が硬化する第1の領域と、連続層の少なくとも他の部分が硬化しない第2の領域と、を含むように構成されている、項52に記載の積層造形システム。
[項102]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、前記金属物品(200)を構築するために前記複数の層(202)に溶融材料を堆積させるための前記金属材料(1208)を溶融する前記ステップ(104)、ならびに前記非反応性雰囲気(1228)から前記反応性雰囲気(1230)へ、およびその逆の所定の遷移が存在する選択箇所で前記並進アセンブリ(1210)によって提供される前記並進運動を一時停止するように構成されている、項101に記載の積層造形システム。
[項103]
前記システム制御アセンブリ(1218)が、前記選択箇所および前記所定の遷移が硬化のために指定された対応する箇所に基づいている、前記金属物品(200)の3次元デジタルモデル(1232)を記憶またはアクセスするように構成されている、項102に記載の積層造形システム。
【符号の説明】
【0080】
100 方法
200 金属物品
202 層
204 選択部分
206 選択層
208 残りの部分
210 残りの層
300 方法
400 方法
600 方法
700 方法
800 方法
900 方法
1000 方法
1100 方法
1200 積層造形システム
1202 構築チャンバ
1204 制御された環境
1206 材料ハンドリングアセンブリ
1208 金属材料
1210 並進アセンブリ
1212 基板
1214 エネルギー源アセンブリ
1216 エネルギー源
1218 システム制御アセンブリ
1220 不活性ガス
1222 第1のガス供給源
1224 反応ガス
1226 第2のガス供給源
1227 反応ガス混合物
1228 非反応性雰囲気
1229 混合ガス供給源
1230 反応性雰囲気
1232 3次元デジタルモデル
1234 出口ポート
1236 出口経路
1238 ガス状内容物
1240 排気導管
1242 真空ポンプ
1244 供給導管
1246 ガスジェット
1302 ガスマニホールドアセンブリ
1304 不活性ガス入口
1306 不活性ガス出口
1308 第1の不活性ガス入口
1310 第1の不活性ガス出口
1312 反応ガス入口
1314 反応ガス出口
1316 第1の反応性ガス入口
1318 第1の反応性ガス出口、第1の反応ガス出口
1320 反応ガス混合物出口
1322 第2の不活性ガス入口
1324 第2の反応ガス入口
1326 第1の反応ガス混合物出口
1328 反応ガス混合物入口
1330 第1の反応ガス混合物入口
1332 第2の反応ガス混合物出口
2000 保守点検方法
2100 航空機
2102 機体
2104 上位システム
2106 内部
2108 推進システム
2110 電気システム
2112 油圧システム
2114 環境システム
【外国語明細書】