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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178902
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/10 20060101AFI20241218BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
F25B1/10 R
F25B1/00 304Z
F25B1/00 304F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024072913
(22)【出願日】2024-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2023097292
(32)【優先日】2023-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】小貝 善輝
(72)【発明者】
【氏名】滝口 浩司
(57)【要約】
【課題】中間熱交換器を備える冷却装置において、冷却効率をより向上させることが可能な冷却装置を提供する。
【解決手段】この冷却装置100では、二段圧縮機1と、凝縮器またはガスクーラ2と、第1膨張弁3と、第1膨張弁3において膨張された冷媒を蒸発させて、第2圧縮部1bに供給する蒸発部4aと、凝縮器またはガスクーラ2を通過した冷媒のうち残りの冷媒が冷却される冷却部4bとを含み、蒸発部4a内の冷媒と冷却部4b内の冷媒との間において熱交換を行う、中間熱交換器4と、第2膨張弁5と、蒸発器6と、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度に少なくとも基づいて、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う制御部7を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮する第1圧縮部と、前記第1圧縮部により圧縮された冷媒をさらに圧縮する第2圧縮部とを含む二段圧縮機と、
前記第2圧縮部から供給された冷媒を凝縮する凝縮器、または前記第2圧縮部から供給された冷媒を冷却するガスクーラと、
前記凝縮器で凝縮されたまたは前記ガスクーラで冷却された冷媒のうち一部が供給され、供給された冷媒を膨張する第1膨張弁と、
前記第1膨張弁において膨張された冷媒を蒸発させて、前記第2圧縮部に供給する蒸発部と、前記凝縮器または前記ガスクーラを通過した冷媒のうち残りの冷媒が冷却される冷却部とを含み、前記蒸発部内の冷媒と前記冷却部内の冷媒との間において熱交換を行う、中間熱交換器と、
前記中間熱交換器の前記冷却部の下流に配置され、冷媒を膨張する第2膨張弁と、
前記第2膨張弁の下流に配置され、冷媒を蒸発させることにより冷却対象空間を冷却する、蒸発器と、
前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度に少なくとも基づいて、前記第1膨張弁の開度を調整する制御を行う制御部とを備える、冷却装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度に少なくとも基づいて、前記中間熱交換器の冷却効率を向上させるように、前記第1膨張弁の開度を調整する制御を行う、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度と、前記中間熱交換器の前記冷却部の出口における冷媒の温度との両方に基づいて、前記第1膨張弁の開度を調整する制御を行う、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度と、前記中間熱交換器の前記冷却部の出口における冷媒の温度との差が設定値になるように、前記第1膨張弁の開度を調整する制御を行う、請求項3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度と、前記中間熱交換器の前記冷却部の出口における冷媒の温度との差の設定値に近づくように、前記制御部は、前記第1膨張弁の開度を調整する制御を行う、請求項4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度と、前記中間熱交換器の前記冷却部の出口における冷媒の温度との差が設定値近傍になり、かつ、前記中間熱交換器の前記冷却部の出口における冷媒の温度が上昇した場合に、前記第1膨張弁の開度を小さくする第1制御と、前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度と、前記中間熱交換器の前記冷却部の出口における冷媒の温度との差が設定値近傍より大きい場合に、前記第1膨張弁の開度を大きくする第2制御と、を交互に行うように構成されている、請求項4に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記蒸発器の入口における前記冷媒の温度を取得し、前記蒸発器の入口における前記冷媒の温度と前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度との関係から前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度を推定し、推定した前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度に基づいて前記第1膨張弁の開度を調整する制御を行う、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度の実測値が、推定した前記中間熱交換器の前記蒸発部の入口における冷媒の温度になるように前記第1膨張弁の開度を調整する制御を行う、請求項7に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ前記二段圧縮機の回転数が所定値以下の場合に、前記第1膨張弁を閉じる制御を行うことにより、前記冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項10】
冷媒を圧縮する第1圧縮部と、前記第1圧縮部により圧縮された冷媒をさらに圧縮する第2圧縮部とを含む二段圧縮機と、
前記第2圧縮部から供給された冷媒を凝縮する凝縮器、または前記第2圧縮部から供給された冷媒を冷却するガスクーラと、
前記凝縮器で凝縮されたまたは前記ガスクーラで冷却された冷媒のうち一部が供給され、供給された冷媒を膨張する第1膨張弁と、
前記第1膨張弁において膨張された冷媒を蒸発させて、前記第2圧縮部に供給する蒸発部と、前記凝縮器または前記ガスクーラを通過した冷媒のうち残りの冷媒が冷却される冷却部とを含み、前記蒸発部内の冷媒と前記冷却部内の冷媒との間において熱交換を行う、中間熱交換器と、
前記中間熱交換器の前記冷却部の下流に配置され、冷媒を膨張する第2膨張弁と、
前記第2膨張弁の下流に配置され、冷媒を蒸発させることにより冷却対象空間を冷却する蒸発器と、
前記冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ前記二段圧縮機の回転数が所定値以下の場合に、前記第1膨張弁の開度を小さくする制御を行うことにより、前記冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている制御部と、を備える、冷却装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ前記二段圧縮機の回転数が所定値以下の場合に、前記第1膨張弁を閉じる制御を行うことにより、前記冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている、請求項10に記載の冷却装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ前記二段圧縮機の回転数が所定値以下の場合に、前記第1膨張弁の開度を小さくする制御を行うとともに、前記第2膨張弁の開度を小さくする制御を行うことにより、前記冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている、請求項10に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷却装置に関し、特に、中間熱交換器を備える冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中間熱交換器を備える冷却装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、圧縮機と、凝縮器と、主膨張弁と、蒸発器と、中間熱交換器と、中間熱交換器に供給される冷媒を絞る電子膨張弁とを備えた冷凍装置が開示されている。特許文献1では、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮器で凝縮した後、凝縮器から中間熱交換器に冷媒を供給する。中間熱交換器は、第1部分と第2部分とを含み、凝縮器で凝縮された冷媒は、第1部分と第2部分とに各々分けて供給される。凝縮器と中間熱交換器の第1部分とが接続される流路には、電子膨張弁が設けられている。一方で、凝縮器と中間熱交換器の第2部分とが接続される流路には、電子膨張弁が設けられていない。中間熱交換器では、第1部分に供給された電子膨張弁によって減圧した冷媒と、第2部分に供給された冷媒との間において熱交換を行い、第1部分に供給された冷媒を蒸発させるとともに、第2部分に供給された冷媒を冷却する。第2部分において冷却された冷媒は、主膨張弁を介して蒸発器に供給される。また、第1部分において蒸発した冷媒は、圧縮機に供給される。さらに、特許文献1の冷凍装置は、圧縮機の入り口または出口に設定した温度検知器の検知結果と、予め定めた中間熱交換器の高圧側の入口と出口における目標温度との差に応じて、電子膨張弁の開度を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-192164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のような中間熱交換器を備える冷却装置の場合、中間熱交換器において蒸発器に供給される冷媒を冷却することにより、蒸発器に供給される冷媒の過冷却の程度を大きくし、蒸発器による冷却効率を向上させる。また、中間熱交換器の熱交換量が最大であると、冷媒の過冷却の程度が大きくなり、冷却効率を向上させることができる。しかしながら、中間熱交換器において過冷却された冷媒は、蒸発器において蒸発された後に圧縮機に供給されるため、圧縮機の入り口または出口の温度から中間熱交換器の熱交換量が最大か否かを推定することは困難であり、蒸発器による冷却効率を向上させることが困難である。
【0006】
また、蒸発器において冷却する空気が設定温度よりも低く、蒸発器において冷却を弱めたい場合でも、蒸発器に供給する冷媒を中間熱交換器において冷却するため、蒸発器における冷却が過剰になる場合がある。この場合、圧縮機の運転を停止することと、運転を再開することを繰り返すことになる。そのため、冷却にムラができるため、冷却効率が悪くなる。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、中間熱交換器を備える冷却装置において、冷却効率をより向上させることが可能な冷却装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による冷却装置は、冷媒を圧縮する第1圧縮部と、第1圧縮部により圧縮された冷媒をさらに圧縮する第2圧縮部とを含む二段圧縮機と、第2圧縮部から供給された冷媒を凝縮する凝縮器、または第2圧縮部から供給された冷媒を冷却するガスクーラと、凝縮器で凝縮されたまたはガスクーラで冷却された冷媒のうち一部が供給され、供給された冷媒を膨張する第1膨張弁と、第1膨張弁において膨張された冷媒を蒸発させて、第2圧縮部に供給する蒸発部と、凝縮器またはガスクーラを通過した冷媒のうち残りの冷媒が冷却される冷却部とを含み、蒸発部内の冷媒と冷却部内の冷媒との間において熱交換を行う、中間熱交換器と、中間熱交換器の冷却部の下流に配置され、冷媒を膨張する第2膨張弁と、第2膨張弁の下流に配置され、冷媒を蒸発させることにより冷却対象空間を冷却する、蒸発器と、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度に少なくとも基づいて、第1膨張弁の開度を調整する制御を行う制御部とを備える。
【0009】
この発明の第1の局面による冷却装置では、上記のように、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度に少なくとも基づいて、第1膨張弁の開度を調整する制御を行う制御部を備える。これにより、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度を測定することにより、中間熱交換器の熱交換量の変化量を取得することができるため、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度に基づいて、中間熱交換器の熱交換量を取得することができる。このため、蒸発部の入口における冷媒の温度に基づいて、中間熱交換器による熱交換量が最大になるように、第1膨張弁の開度を調整することができる。この結果、中間熱交換器を備える冷却装置において、冷却効率をより向上させることができる。
【0010】
上記一の局面による冷却装置において、好ましくは、制御部は、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度に少なくとも基づいて、中間熱交換器の冷却効率を向上させるように、第1膨張弁の開度を調整する制御を行う。このように構成すれば、制御部が、冷却効率を向上させるように第1膨張弁の開度を調整するため、中間熱交換器の冷却効率をより向上させることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、制御部は、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度と、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度との両方に基づいて、第1膨張弁の開度を調整する制御を行う。このように構成すれば、蒸発部の入口における冷媒の温度と、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度との温度差を取得することができる。ここで、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度と、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度との差が小さい程、蒸発部の冷媒により、冷却部の冷媒が蒸発部の冷媒の温度近傍まで冷却されたといえるため、熱交換量が大きいとみなすことができる。そのため、制御部が、蒸発部の入口における冷媒の温度と、冷却部の出口における冷媒の温度とに基づいて、両者の温度差が小さくなるように第1膨張弁の開度を調整することができるため、熱交換量を大きくして中間熱交換器の冷却効率をより向上させることができる。
【0012】
上記第1の局面による冷却装置において、好ましくは、制御部は、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度と、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度との差が設定値になるように、第1膨張弁の開度を調整する制御を行う。ここで、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度と、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度との差が最小値近傍の場合は、蒸発部の入口における冷媒の温度近傍まで、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒が冷却されたとみなすことができるため、蒸発部と冷却部との間の熱交換量が最大になったとみなすことができる。そのため、たとえば、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度と、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度との差が最小値近傍となるように設定値を設定することにより、中間熱交換器の熱交換量が最大となるように第1膨張弁の開度を精度よく調整することができるため、中間熱交換器の冷却効率をより一層向上させることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、制御部は、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度と、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度との差の設定値に近づくように、制御部は、第1膨張弁の開度を調整する制御を行う。このように構成すれば、冷却装置の運転条件に応じて中間熱交換器の熱交換量が最大となる設定値を設定しておくことにより、制御部は、中間熱交換器の熱交換量が最大となるように第1膨張弁の開度を容易に調整することができる。
【0014】
上記制御部は、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度と、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度との差が設定値になるように、第1膨張弁の開度を調整する制御を行う構成において、好ましくは、制御部は、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度と、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度との差が設定値近傍になり、かつ、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度が上昇した場合に、第1膨張弁の開度を小さくする第1制御と、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度と、中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度との差が設定値近傍より大きい場合に、第1膨張弁の開度を大きくする第2制御と、を交互に行うように構成されている。このように構成すれば、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度と中間熱交換器の冷却部の出口における冷媒の温度との差が設定値近傍になるように第1膨張弁の開度を調整することができるため、中間熱交換器による熱交換量が最大な状態を維持しながら、冷却装置を駆動させることができる。
【0015】
上記第1の局面による冷却装置において、好ましくは、制御部は、蒸発器の入口における冷媒の温度を取得し、蒸発器の入口における冷媒の温度と中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度との関係から中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度を推定し、推定した中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度に基づいて第1膨張弁の開度を調整する制御を行う。このように構成すれば、たとえば、中間熱交換器による熱交換量が最大となる蒸発器の入口における冷媒の温度と中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度との関係に基づいて、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の最適温度を推定し、最適温度になるように第1膨張弁の開度を調整することができる。この結果、蒸発器の入口における冷媒の温度を取得することにより、冷却効率をより向上させることができる。
【0016】
この場合、好ましくは、制御部は、中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度の実測値が、推定した中間熱交換器の蒸発部の入口における冷媒の温度になるように第1膨張弁の開度を調整する制御を行う。このように構成すれば、推定した温度になるように第1膨張弁の開度を調整すればよいため、冷却効率を向上させるために適した第1膨張弁の開度に調整することが容易になる。
【0017】
上記第1の局面による冷却装置において、好ましくは、制御部は、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁を閉じる制御を行うことにより、冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている。このように構成すれば、第1膨張弁を閉じることにより中間熱交換器による冷媒の冷却を停止することができるため、二段圧縮機の回転数を下げることができない場合であっても、二段圧縮機の駆動を停止せずに、冷却対象空間の冷え込みを抑制することができる。この結果、二段圧縮機の運転を停止することと、運転を再開することとを繰り返すことに起因する冷却のムラを抑制することができるため、冷却装置の冷却効率を向上させることができる。
【0018】
この発明の第2の局面による冷却装置は、冷媒を圧縮する第1圧縮部と、第1圧縮部により圧縮された冷媒をさらに圧縮する第2圧縮部とを含む二段圧縮機と、第2圧縮部から供給された冷媒を凝縮する凝縮器、または第2圧縮部から供給された冷媒を冷却するガスクーラと、凝縮器で凝縮されたまたはガスクーラで冷却された冷媒のうち一部が供給され、供給された冷媒を膨張する第1膨張弁と、第1膨張弁において膨張された冷媒を蒸発させて、第2圧縮部に供給する蒸発部と、凝縮器またはガスクーラを通過した冷媒のうち残りの冷媒が冷却される冷却部とを含み、蒸発部内の冷媒と冷却部内の冷媒との間において熱交換を行う、中間熱交換器と、中間熱交換器の冷却部の下流に配置され、冷媒を膨張する第2膨張弁と、第2膨張弁の下流に配置され、冷媒を蒸発させることにより冷却対象空間を冷却する蒸発器と、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁の開度を小さくする制御を行うことにより、冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている制御部と、を備える。
【0019】
この発明の第2の局面による冷却装置では、上記のように、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁を閉じる制御を行うことにより、冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている制御部を備える。これにより、第1膨張弁の開度を小さくすることにより中間熱交換器による冷媒の冷却を弱くすることができるため、二段圧縮機の駆動を停止せずに、冷却対象空間の冷え込みを抑制することができる。この結果、二段圧縮機の運転を停止することと、運転を再開することとを繰り返すことに起因する冷却のムラを抑制することができるため、冷却効率を向上させることができる。
【0020】
この発明の第2の局面による冷却装置では、好ましくは、制御部は、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁を閉じる制御を行うことにより、冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている。このように構成すれば、第1膨張弁を閉じることにより中間熱交換器による冷媒の冷却を停止することができるため、二段圧縮機の駆動を停止せずに、冷却対象空間の冷え込みを効果的に抑制することができる。
【0021】
この発明の第2の局面による冷却装置では、好ましくは、制御部は、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁の開度を小さくする制御を行うとともに、第2膨張弁の開度を小さくする制御を行うことにより、冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている。このように構成すれば、第2膨張弁の開度を小さくすることにより、冷媒循環量を減らすことができるため、過剰となっている冷凍能力を低下させることができる。この結果、二段圧縮機の駆動を停止せずに、冷却対象空間の冷え込みをさらに抑制することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、上記のように、中間熱交換器を備える冷却装置において、冷却効率をより向上させることが可能な冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態および第3実施形態による冷却装置の構成を示す図である。
図2】第1膨張弁の開度と、蒸発部の温度または冷却部の温度との関係を示すグラフである。
図3】第1実施形態による制御部の制御のフローチャートである。
図4】第2実施形態による冷却装置の構成を示す図である。
図5】蒸発部の入口の温度と蒸発器の入口の温度との関係を示すグラフである。
図6】第1膨張弁の開度と、蒸発部の入口の温度との関係を示すグラフである。
図7】第2実施形態による制御部の制御のフローチャートである。
図8】(A)第1膨張弁が開状態の場合の冷却能力を説明するためのP-H線図である。(B)第1膨張弁を閉状態の場合の冷却能力を説明するためのP-H線図である。
図9】第3実施形態による制御部の制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
[第1実施形態]
図1および図2を参照して、第1実施形態による冷却装置100の構成について説明する。
【0026】
図1に示すように、冷却装置100は、二段圧縮機1と、ガスクーラ2と、第1膨張弁3と、中間熱交換器4と、第2膨張弁5と、蒸発器6と、制御部7とを備える。また、冷却装置100は、内部熱交換器8と、ストレーナ9とを備える。冷却装置100は、冷媒により冷却対象空間を冷却する装置である。冷却装置100は、たとえば、ショーケースに用いられ、ショーケース内が冷却対象空間となる。冷媒は、たとえば、二酸化炭素である。
【0027】
二段圧縮機1は、第1圧縮部1aと、第2圧縮部1bとを含む。第1圧縮部1aは、蒸発器6から内部熱交換器8を経て供給された低圧状態の冷媒を圧縮し、中圧状態の冷媒にする。第2圧縮部1bは、第1圧縮部1aで圧縮された中圧状態の冷媒をさらに圧縮し、高圧状態の冷媒とする。第1圧縮部1aで圧縮された冷媒は、冷却器12に供給される。第2圧縮部1bで圧縮された冷媒は、ガスクーラ2に供給される。
【0028】
冷却器12は、第1圧縮部1aにおいて中圧状態にされた冷媒を冷却する。冷却器12で冷却された冷媒は、第2圧縮部1bに供給される。ガスクーラ2は、第2圧縮部1bにおいて高圧状態にされた冷媒を冷却し、低温の高圧状態の冷媒とする。ガスクーラ2で冷却された冷媒は、中間熱交換器4に供給される。
【0029】
第1膨張弁3は、ガスクーラ2で冷却された冷媒のうち一部が供給され、供給された冷媒を膨張する。これにより、低温低圧の冷媒となる。第1膨張弁3の開度が大きくなるほど、蒸発部4aに供給される冷媒の流量が増えるため、冷却量が増える。また、第1膨張弁3の開度が小さくなると、流量が小さくなるため、冷却量が小さくなる。
【0030】
中間熱交換器4は、蒸発部4aと冷却部4bとを含む。蒸発部4aは、第1膨張弁3において膨張された冷媒が供給される。冷却部4bは、ガスクーラ2で冷却された冷媒のうち残りの冷媒が、第1膨張弁3を通過せずに供給される。中間熱交換器4は、蒸発部4a内の冷媒と冷却部4b内の冷媒との間において熱交換を行う。蒸発部4aに供給される冷媒は、第1膨張弁3により膨張されて低圧低温状態となった冷媒である。一方、冷却部4bに供給された冷媒は、第1膨張弁3を通過しない高温の冷媒である。そのため、蒸発部4aの冷媒と、冷却部4bの冷媒との間において熱交換がされて、蒸発部4a内の冷媒が蒸発し、冷却部4b内の冷媒が冷却される。冷却部4bにおいて冷却された冷媒は、内部熱交換器8に供給される。蒸発部4aにおいて蒸発した冷媒は、第2圧縮部1bに供給される。
【0031】
内部熱交換器8は、冷却部4bから供給された冷媒と、蒸発器6を通過した冷媒との間において熱交換を行う。これにより、冷却部4bから供給された冷媒が冷却されるとともに、蒸発器6を通過した冷媒の過熱度を大きくすることができる。
【0032】
第2膨張弁5は、内部熱交換器8により冷却された冷媒を膨張させて、低圧低温の冷媒にする。第2膨張弁5の開度が大きくなるほど、蒸発器6に供給される冷媒の流量が増える。また、第2膨張弁5の開度が小さくなると、流量が小さくなる。そのため、第2膨張弁5の開度が蒸発器6の冷却能力に影響する。
【0033】
蒸発器6は、第2膨張弁5から供給された低圧低温の冷媒と、冷却対象空間内の空気との間で熱交換を行い、冷媒を蒸発させることによって、冷却対象空間内の空気を冷却する。冷却された冷却対象空間内の空気により、冷却対象空間が冷却される。蒸発器6において冷媒は、低圧過熱状態となり、内部熱交換器8においてさらに過熱された後第1圧縮部1aに供給される。蒸発器6の出口側と内部熱交換器8とを接続する流路には逆止弁10が設けられている。
【0034】
制御部7は、冷却対象空間であるショーケース内の温度が設定温度になるように冷却装置100の動作を制御する。制御部7は、二段圧縮機1の運転を制御することにより、流量を調整して、蒸発器6における冷却能力を調整する。また、制御部7は、第1膨張弁3と第2膨張弁5との開度を調整することにより、蒸発器6における冷却能力を調整する。
【0035】
ストレーナ9は、冷媒流路内に設けられるメッシュ状の網である。冷媒流路内の異物を回収するために設けられる。
【0036】
温度測定部11は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口とに設けられる。温度測定部11で計測された冷媒の温度は制御部7に送信される。温度測定部11は、たとえば、サーミスタである。
【0037】
制御部7は、CPU(Central Processing Unit)を含んでいる。制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度に少なくとも基づいて、中間熱交換器4の冷却効率を向上させるように、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。具体的には、制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との両方に基づいて、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。
【0038】
図2は、縦軸に冷媒の温度をプロットし、横軸に第1膨張弁3の開度をプロットしたグラフである。図2に示すように、第1膨張弁3の開度を閉状態から徐々に大きくすると、蒸発部4aに流入する冷媒の量が増えるとともに、冷媒の温度が上昇する。一方で、冷却部4bの出口における冷媒の温度は、蒸発部4aに流入する冷媒の量が増えることにより熱交換される冷媒の量が増えるため、低下する。しかしながら、最適ポイント(許容値)を過ぎると、冷却部4bの冷媒の温度が上がり始める。最適ポイントは、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差ΔTが設定値になる第1膨張弁3の開度を示す。設定値は、たとえば、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差ΔTの最小値である。最小値は、たとえば、シミュレーションにより得られた予測値、または過去のデータに基づく実測値であってもよい。
【0039】
制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差ΔTが設定値になるように、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。差ΔTは、二段圧縮機1の運転条件ごとに設定されている設定値である。
【0040】
制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差ΔTの設定値近傍に近づくように、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。具体的には、制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が設定値(図2の場合は、ΔTの最小値が設定値)近傍になり、かつ、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度が上昇した場合に、第1膨張弁3の開度を小さくする第1制御を行う。中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が設定値近傍になったが、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度が上昇しない場合は、外乱による影響によって設定値近傍になったと考えられるため、第1制御は行われない。制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が設定値近傍より大きくなる場合に、第1膨張弁3の開度を大きくする第2制御を行う。制御部7は、第1制御と第2制御とを交互に行うように構成されている。設定値近傍は、たとえば、設定値と同じ場合と、設定値よりも少し温度が高い場合(たとえば、設定値+5℃)と、設定値よりも少し低い場合(たとえば、設定値-5℃)を含む。
【0041】
第1膨張弁3が閉じた状態から開いていき、最適ポイントになるまでの間は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が設定値近傍より大きくなる。この場合、制御部7は、第2制御を行って、第1膨張弁3の開度を大きくする制御を行う。また、第1膨張弁3の開度を大きくしていくと、最適ポイントを超えたあたりで中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度が上昇し始める。このときに、制御部7は、第1膨張弁3の開度を小さくする制御を行う。そして、第1膨張弁3の開度を小さくしていき、温度差が設定値近傍より大きくなると、第2制御を行い、第1膨張弁3の開度を大きくする。このように、第1制御と第2制御とを繰り返すことにより、中間熱交換器4の運転を最適に保つようにする。
【0042】
図3に基づいて、第1実施形態における制御部7の制御について説明する。ステップS1では、制御部7は、冷却装置100の電源をONにする制御を受け付ける。ステップS2では、第1膨張弁3の開度を大きくする。
【0043】
ステップS3では、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が設定値に到達したか否かにより進むステップが異なる。設定値に到達した場合はステップS4に進み、設定値に到達していない場合は、ステップS2に戻って、第1膨張弁3の開度をさらに大きくする。
【0044】
ステップS4では、冷却部4bの出口温度が上昇したか否かで進むステップが異なる。冷却部4bの出口温度が上昇した場合は、ステップS5に進み、そうでなければ、ステップS2に戻って、第1膨張弁3の開度を大きくする。
【0045】
ステップS5では、制御部7は、第1膨張弁3の開度を小さくする。ステップS6では、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との温度差が設定値より大きいか否かで進むステップが異なる。設定値より大きい場合は、ステップS7に進み、設定値以下の場合はステップS5に戻る。そして、ステップS7において、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。具体的には、第1制御と第2制御とを繰り返す。
【0046】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0047】
第1実施形態では、冷媒を圧縮する第1圧縮部1aと、第1圧縮部1aにより圧縮された冷媒をさらに圧縮する第2圧縮部1bとを含む二段圧縮機1と、第2圧縮部1bから供給された冷媒を凝縮するガスクーラ2と、ガスクーラ2で冷却された冷媒のうち一部が供給され、供給された冷媒を膨張する第1膨張弁3と、第1膨張弁3において膨張された冷媒を蒸発させて、第2圧縮部1bに供給する蒸発部4aと、ガスクーラ2を通過した冷媒のうち残りの冷媒が冷却される冷却部4bとを含み、蒸発部4a内の冷媒と冷却部4b内の冷媒との間において熱交換を行う、中間熱交換器4と、中間熱交換器4の冷却部4bの下流に配置され、冷媒を膨張する第2膨張弁5と、第2膨張弁5の下流に配置され、冷媒を蒸発させることにより冷却対象空間を冷却する、蒸発器6と、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度に少なくとも基づいて、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う制御部7とを備える。これにより、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度を測定することにより、中間熱交換器4の熱交換量の変化量を取得することができるため、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度に基づいて、中間熱交換器4の熱交換量を取得することができる。このため、蒸発部4aの入口における冷媒の温度に基づいて、中間熱交換器4による熱交換量が最大になるように、第1膨張弁3の開度を調整することができる。この結果、中間熱交換器4を備える冷却装置100において、冷却効率をより向上させることができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度に少なくとも基づいて、中間熱交換器4の冷却効率を向上させるように、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。これにより、制御部7が、冷却効率を向上させるように第1膨張弁3の開度を調整するため、中間熱交換器4の冷却効率をより向上させることができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との両方に基づいて、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。これにより、蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との温度差を取得することができる。ここで、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が小さい程、蒸発部4aの冷媒により、冷却部4bの冷媒が蒸発部4aの冷媒の温度近傍まで冷却されたといえるため、熱交換量が大きいとみなすことができる。そのため、制御部7が、蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、冷却部4bの出口における冷媒の温度とに基づいて、両者の温度差が小さくなるように第1膨張弁3の開度を調整することができるため、熱交換量を大きくして中間熱交換器4の冷却効率をより向上させることができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が設定値になるように、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。ここで、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が最小値近傍の場合は、蒸発部4aの入口における冷媒の温度近傍まで、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒が冷却されたとみなすことができるため、蒸発部4aと冷却部4bとの間の熱交換量が最大になったとみなすことができる。そのため、たとえば、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が最小値近傍となるように設定値を設定することにより、中間熱交換器4の熱交換量が最大となるように第1膨張弁3の開度を精度よく調整することができるため、中間熱交換器4の冷却効率をより一層向上させることができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差の設定値に近づくように、制御部7は、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。これにより、冷却装置100の運転条件に応じて中間熱交換器4の冷却効率が最適となる設定値を設定しておくことにより、制御部7は、冷却効率が最適になるように第1膨張弁3の開度を容易に調整することができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が設定値近傍になり、かつ、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度が上昇した場合に、第1膨張弁3の開度を小さくする第1制御と、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が設定値近傍より大きい場合に、第1膨張弁3の開度を大きくする第2制御と、を交互に行うように構成されている。これにより、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差が設定値近傍になるように第1膨張弁3の開度が調整することができるため、冷却効率が最適な状態を維持しながら、冷却装置100を駆動させることができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、図4図7を参照して、本発明の第2実施形態による冷却装置200の構成について説明する。第2実施形態の冷却装置200では、制御部7は、蒸発器6の入口における冷媒の温度を取得し、蒸発器6の入口における冷媒の温度と中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度との関係から中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度を推定し、推定した中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度に基づいて第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。なお、第1実施形態と同じ構成は、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0054】
図4に示すように、第2実施形態の冷却装置200では、蒸発器6の入口に温度測定部11が配置される。蒸発器6の入口における冷媒の温度は、蒸発器6の冷却能力に影響する。
【0055】
図5は、冷房能力を消費電力で割って求められるエネルギー消費効率(COP)を最適にした場合の蒸発器6の入口温度と、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口温度との関係を示すグラフである。縦軸は、中間熱交換器4の蒸発部4aの温度をプロットし、横軸は、蒸発器6の入口温度をプロットした。このグラフは、蒸発器6の入口における冷媒の温度と中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の入口温度との関係を示すグラフである。なお、実線と、破線とのグラフは二段圧縮機1の運転条件が互いに異なっている。
【0056】
制御部7は、図5に示す蒸発器6の入口における冷媒の温度と中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度との関係において、蒸発器6の入口における冷媒の温度を取得し、蒸発器6の入口における冷媒の温度と中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度との関係から中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度を推定する。具体的には、温度測定部11により、蒸発器6の入口における冷媒の温度を取得し、図5のグラフ上で蒸発部4aの値を取得して、推定値とする。この推定値は、エネルギー消費効率が最適となる、理想の冷媒温度である。
【0057】
図6は、蒸発部4aの温度を縦軸にプロットし、第1膨張弁3の開度を横軸にプロットしたグラフである。図6に示すように、第1膨張弁3の開度が大きくなると、蒸発部4aの温度が上昇する。制御部7は、図6に示す関係の下、現在の蒸発部4aの温度が、蒸発器6の入口における冷媒の温度から推定した蒸発部4aの温度になるように、第1膨張弁3の開度を調整する。図6に示すように、現在の蒸発部4aの温度が、蒸発器6の入口における冷媒の温度から推定した蒸発部4aの温度よりも低い場合は、開度を大きくする制御を行う。また、現在の蒸発部4aの温度が、蒸発器6の入口における冷媒の温度から推定した蒸発部4aの温度よりも高い場合は、開度を小さくする制御を行う。
【0058】
図7に基づいて、第2実施形態における制御部7の制御について説明する。ステップS11では、制御部7は、冷却装置100の電源をONにする制御を受け付ける。ステップS12では、制御部7は、蒸発器6の入口の温度を取得する。ステップS13では、取得した蒸発器6の温度から蒸発部4aの入口温度を推定する。ステップS14では、ステップS13で取得した温度になるように第1膨張弁3の開度を調整する。
【0059】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0060】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記のように、冷媒を圧縮する第1圧縮部1aと、第1圧縮部1aにより圧縮された冷媒をさらに圧縮する第2圧縮部1bとを含む二段圧縮機1と、第2圧縮部1bから供給された冷媒を冷却するガスクーラ2と、ガスクーラ2で冷却された冷媒のうち一部が供給され、供給された冷媒を膨張する第1膨張弁3と、第1膨張弁3において膨張された冷媒を蒸発させて、第2圧縮部1bに供給する蒸発部4aと、ガスクーラ2を通過した冷媒のうち残りの冷媒が冷却される冷却部4bとを含み、蒸発部4a内の冷媒と冷却部4b内の冷媒との間において熱交換を行う、中間熱交換器4と、中間熱交換器4の冷却部4bの下流に配置され、冷媒を膨張する第2膨張弁5と、第2膨張弁5の下流に配置され、冷媒を蒸発させることにより冷却対象空間を冷却する、蒸発器6と、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度に少なくとも基づいて、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う制御部7とを備える。これにより、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度を測定することにより、中間熱交換器4の熱交換量の変化量を取得することができるため、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度に基づいて、中間熱交換器4の熱交換量を取得することができる。このため、蒸発部4aの入口における冷媒の温度に基づいて、中間熱交換器4による熱交換量が最大になるように、第1膨張弁3の開度を調整することができる。この結果、中間熱交換器4を備える冷却装置200において、冷却効率をより向上させることができる。
【0061】
第2実施形態では、上記のように、制御部7は、蒸発器6の入口における冷媒の温度を取得し、蒸発器6の入口における冷媒の温度と中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度との関係から中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度を推定し、推定した中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度に基づいて第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。これにより、たとえば、中間熱交換器4による熱交換量が最大となる蒸発器6の入口における冷媒の温度と中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度との関係に基づいて、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の最適温度を推定し、最適温度になるように第1膨張弁3の開度を調整することができる。この結果、蒸発器6の入口における冷媒の温度を取得することにより、冷却効率をより向上させることができる。
【0062】
第2実施形態では、上記のように、制御部7は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度の実測値が、推定した中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度になるように第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う。これにより、推定した温度になるように第1膨張弁3の開度を調整すればよいため、冷却効率を向上させるために適した第1膨張弁3の開度に調整することが容易となる。
【0063】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0064】
[第3実施形態]
次に、図1図8および図9を参照して、本発明の第3実施形態による冷却装置300の構成について説明する。第3実施形態の冷却装置300では、制御部7は、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機1の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁3の開度を小さくする制御を行うことにより、冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている。なお、第1実施形態と同じ構成は、第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。所定値は、最低回転数である。
【0065】
第3実施形態では、制御部7は、冷却対象空間であるショーケース内の温度に基づいて第1膨張弁3の開度を調整する。ショーケース内には、内部温度を測定するための温度計があり、制御部7は、温度計の測定結果を取得する。
【0066】
制御部7は、冷却装置300の駆動時は、ショーケース内を冷やし込むため、二段圧縮機1の回転数を最大回転数にする。これにより、冷媒の流量が増えるため、蒸発器6における冷却能力が向上し、ショーケース内を急激に冷やすことができる。制御部7は、ショーケース内が設定温度になった場合、設定温度近傍を保つためにPID制御を行う。この場合、制御部7は、ショーケース内の温度に基づいて二段圧縮機1の回転数の増加と、減少とを繰り返し行う。
【0067】
制御部7は、ショーケース内の温度が設定温度以下になった場合は、二段圧縮機1の回転数を下げる。これにより、蒸発器6に供給される冷媒の流量を下げることができるため、蒸発器6の冷却能力を押さえることができる。
【0068】
制御部7は、二段圧縮機1の回転数を所定値に下げても、ショーケース内の温度が設定温度を下回った場合に、第1膨張弁3の開度を小さくしていき、第1膨張弁3を閉じる制御を行う。第1膨張弁3を閉じることにより、中間熱交換器4における冷え込みが停止するため、蒸発器6に供給される冷媒の比エンタルピがさらに上昇し、蒸発器6の冷却能力をさらに抑制することができる。二段圧縮機1の回転数の所定値は、最低回転数である。第1膨張弁3を閉じるとは、第1膨張弁3の開く面積が0となる閉状態にすることである。
【0069】
図8(A)は、第1膨張弁3が開状態の場合を示し、図8(B)は、第1膨張弁3が閉状態の場合を示す。図8(B)に示すように、第1膨張弁3が閉じられているため、中間熱交換器4における冷却が起きず、比エンタルピがあまり下がらない。そのため、冷却能力を抑制することができる。
【0070】
図9に基づいて、第3実施形態における制御部7の制御について説明する。ステップS21では、制御部7は、冷却装置300の電源をONにする制御を受け付ける。ステップS22では、制御部7は、冷却装置300の起動準備を開始する。
【0071】
ステップS23では、制御部7は、ショーケース内が設定温度になるように、二段圧縮機1を最高回転数で運転する。ステップS24では、ショーケース内が設定温度以下になったか否かで進むステップが異なる。設定温度以下になった場合は、ステップS25に進み、そうでなければステップS23に戻る。
【0072】
ステップS25では、制御部7は、PID制御を開始する。ステップS26では、二段圧縮機1の回転数が最低回転数であり、かつ設定温度以下であるか否かで進むステップが異なる。二段圧縮機1の回転数が最低回転数であり、かつ設定温度以下である場合は、ステップS29に進み、そうでなければ、ステップS27に進む。
【0073】
ステップS27では、ショーケースの除霜開始時刻か否かで進むステップが異なる。除霜開始時刻であれば、ステップS28に進み、蒸発器6についた霜を除去するためにショーケース内を冷却する運転を待機する。除霜開始時刻でない場合は、ステップS25に戻る。
【0074】
ステップS29では、第1膨張弁3を閉じる制御を行う。そして、ステップS30で設定時間以内に設定温度以上になった場合は、ステップS25に戻り、設定時間が経過しても設定値温度未満の場合は、ステップS31に進んで二段圧縮機1を一時停止し、ステップS25に戻す。
【0075】
また、第3実施形態では、制御部7は、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機1の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁3に加えて、第2膨張弁5の開度を小さくしてもよい。第2膨張弁5の開度を小さくするとは、第2膨張弁5を閉状態(開く面積が0となる状態)にする場合は含まず、閉状態にはしない場合のみ含む。また、第1膨張弁3の開度と、第2膨張弁5の開度とは、状況に応じて適宜調整される。
【0076】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0077】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記のように、冷媒を圧縮する第1圧縮部1aと、第1圧縮部1aにより圧縮された冷媒をさらに圧縮する第2圧縮部1bとを含む二段圧縮機1と、第2圧縮部1bから供給された冷媒を冷却するガスクーラ2と、ガスクーラ2で冷却された冷媒のうち一部が供給され、供給された冷媒を膨張する第1膨張弁3と、第1膨張弁3において膨張された冷媒を蒸発させて、第2圧縮部1bに供給する蒸発部4aと、ガスクーラ2を通過した冷媒のうち残りの冷媒が冷却される冷却部4bとを含み、蒸発部4a内の冷媒と冷却部4b内の冷媒との間において熱交換を行う、中間熱交換器4と、中間熱交換器4の冷却部4bの下流に配置され、冷媒を膨張する第2膨張弁5と、第2膨張弁5の下流に配置され、冷媒を蒸発させることにより冷却対象空間を冷却する、蒸発器6と、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度に少なくとも基づいて、第1膨張弁3の開度を調整する制御を行う制御部7とを備える。これにより、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度を測定することにより、中間熱交換器4の熱交換量の変化量を取得することができるため、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度に基づいて、中間熱交換器4の熱交換量を取得することができる。このため、蒸発部4aの入口における冷媒の温度に基づいて、中間熱交換器4による熱交換量が最大になるように、第1膨張弁3の開度を調整することができる。この結果、中間熱交換器4を備える冷却装置300において、冷却効率をより向上させることができる。
【0078】
第3実施形態では、上記のように、制御部7は、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機1の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁3の開度を小さくする制御を行うことにより、冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている。これにより、第1膨張弁3を閉じることにより中間熱交換器4による冷媒の冷却を停止することができるため、二段圧縮機1の回転数を下げることができない場合であっても、二段圧縮機1の駆動を停止せずに、冷却対象空間の冷え込みを抑制することができる。この結果、二段圧縮機1の運転を停止することと、運転を再開することを繰り返すこととに起因する冷却のムラを抑制することができるため、冷却装置300の冷却効率を向上させることができる。
【0079】
第3実施形態では、上記のように、制御部7は、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機1の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁3を閉じる制御を行うことにより、冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている。これにより、第1膨張弁3を閉じることにより中間熱交換器4による冷媒の冷却を停止することができるため、二段圧縮機1の回転数を下げることができない場合であっても、二段圧縮機1の駆動を停止せずに、冷却対象空間の冷え込みを効果的に抑制することができる。
【0080】
第3実施形態では、上記のように、制御部7は、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁3の開度を小さくする制御を行うとともに、第2膨張弁5の開度を小さくする制御を行うことにより、冷却対象空間の冷え込みを抑制するように構成されている。これにより、第2膨張弁5の開度を小さくすることにより、冷媒循環量を減らすことができるため、過剰となっている冷凍能力を低下させることができる。この結果、二段圧縮機1の駆動を停止せずに、冷却対象空間の冷え込みをさらに抑制することができる。
【0081】
また、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0082】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0083】
たとえば、上記第1~第3実施形態では、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との両方に基づいて、第1膨張弁3の開度を調整する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度だけで第1膨張弁3の開度を調整してもよい。また、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度に代えて、別の温度と、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度とに基づいて第1膨張弁3の開度を調整してもよい。
【0084】
また、上記第1~第3実施形態では、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差の最小値が設定値として設定されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度と、中間熱交換器4の冷却部4bの出口における冷媒の温度との差の設定値を、運転条件に合わせて算出してもよい。
【0085】
また、上記第1~第3実施形態では、冷却装置100(200、300)がショーケースに用いられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、冷却装置100(200、300)は、自動販売機または室内を冷却するために用いられてもよい。
【0086】
また、上記第1~第3実施形態では、内部熱交換器8およびストレーナ9を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、内部熱交換器8およびストレーナ9を備えていなくてもよい。
【0087】
また、上記第1~第3実施形態では、冷媒は、二酸化炭素である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、冷媒は、二酸化炭素以外のプロパンなどであってもよい。
【0088】
また、上記第1~第3実施形態では、ガスクーラ2を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、冷媒が、二酸化炭素以外の場合は、凝縮器を備えてもよい。
【0089】
また、上記第1~第3実施形態では、冷却器12を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、冷却器12を備えていなくてもよい。
【0090】
また、第2実施形態では、エネルギー消費効率を最適にした場合の蒸発器6の入口温度と、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度との関係を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1膨張弁3の開度を一定にした場合の蒸発器6の入口温度と、中間熱交換器4の蒸発部4aの入口における冷媒の温度との関係を用いてもよい。
【0091】
また、第2実施形態では、冷却部4bの出口に温度測定部11が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷却部4bの出口には、温度測定部11が設けられていなくてもよい。
【0092】
また、上記第3実施形態では、二段圧縮機1の回転数の所定値が最低回転数である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、二段圧縮機1の回転数の所定値が最低回転数よりも大きくてもよい。
【0093】
また、上記第3実施形態では、制御部7は、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機1の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁3を閉じる(閉状態にする)例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷却対象空間の温度が設定温度以下であり、かつ二段圧縮機1の回転数が所定値以下の場合に、第1膨張弁3が閉状態とならないように第1膨張弁3の開度を小さくして過冷却を減らし、過剰となっている冷凍能力を低下させる制御を行ってもよい。
【0094】
また、上記第3実施形態では、第1実施形態の構成を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第3実施形態は、第1実施形態の構成を備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 二段圧縮機
1a 第1圧縮部
1b 第2圧縮部
2 ガスクーラ
3 第1膨張弁
4 中間熱交換器
4a 蒸発部
4b 冷却部
5 第2膨張弁
6 蒸発器
7 制御部
100、200、300 冷却装置
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9