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特開2024-178910車両における安全性機能を動作させる方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178910
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】車両における安全性機能を動作させる方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241218BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024080057
(22)【出願日】2024-05-16
(31)【優先権主張番号】10 2023 115 295.5
(32)【優先日】2023-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー・ウルリヒ
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】車両における1つ又は複数の安全性機能の特に快適で確実な動作をもたらす。
【解決手段】車両の安全性機能201~204を動作させる装置が、
-車両の走行中にユーザプロフィルを特定し、該ユーザプロフィルが、安全性機能201~204についてそれぞれ1つのユーザ状態を表すように、
-車両の始動時に始動プロフィル220による安全性機能201~204を作動させ、始動プロフィル220が、安全性機能201~204についてそれぞれ1つの始動状態を表すように、
-安全性機能201~204について始動状態がユーザ状態とは異なることを特定するように、
-該特定に応答して、安全性機能201~204がユーザプロファイルとは異なって始動プロファイル220により始動されたという通知を車両のユーザへ出力するように
構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(100)のいくつかの安全性機能(201,202,203,204)を動作させる装置(101)であって、該装置(101)が、
-前記車両(100)の走行中にユーザプロフィル(210)を特定し、該ユーザプロフィル(210)が、前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)のうち1つ又は複数の安全性機能(201,202,203,204)についてそれぞれ1つのユーザ状態を表すように、
-前記車両(100)の始動時に始動プロフィル(220)による前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)を作動させ、前記始動プロフィル(220)が、前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)のうち1つ又は複数の安全性機能(201,202,203,204)についてそれぞれ1つの始動状態を表すように、
-前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)のうち少なくとも1つの安全性機能(201,202,203,204)について始動状態がユーザ状態とは異なることを特定するように、
-該特定に応答して、前記少なくとも1つの安全性機能(201,202,203,204)が前記ユーザプロファイル(210)とは異なって前記始動プロファイル(220)により始動されたという通知を前記車両(100)のユーザへ出力するように
構成されていることを特徴とする装置(101)。
【請求項2】
当該装置(101)が、通知の出力につづくユーザ入力に応答して、前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)を前記ユーザプロフィル(210)に従い動作させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置(101)。
【請求項3】
-前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)のうち複数の安全性機能(201,202,203,204)について、前記始動状態が前記ユーザ状態とは異なっており、
-当該装置(101)が、通知の出力につづく1つのみのユーザ入力により、ユーザが前記複数の安全性機能(201,202,203,204)を前記ユーザ状態に従い動作させることができるように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(101)。
【請求項4】
-前記ユーザプロフィル(210)が、ユーザの1つ又は複数のユーザ入力に基づき、前記車両(100)の動作中に特定され、及び
-前記1つ又は複数のユーザ入力が、少なくとも1つの安全性機能(201,202,203,204)の状態を変更するものである
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の装置(101)。
【請求項5】
1つの安全性機能(201,202,203,204)の状態、特に始動状態、ユーザ状態及び/又は基本状態が、
-前記安全性機能(201,202,203,204)が作動しているか、又は非作動であるか、及び/又は
-前記安全性機能(201,202,203,204)を作動させる機能規模
を表すことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の装置(101)。
【請求項6】
前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)が、
-前記車両(100)の自動化された非常ブレーキを生じさせるように構成された非常ブレーキ機能及び/又は
-前記車両(100)を現在走行している車線内に自動的に維持するように構成されたレーンキープ機能及び/又は
-前記車両(100)が現在走行している車線から逸脱するときに警告の出力を生じさせるように構成された車線変更警告機能
を含んでいることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の装置(101)。
【請求項7】
-当該装置(101)が、前記ユーザプロフィル(210)に基づき、及び規格に基づき前記始動プロフィル(220)を特定するように構成されており、
-前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)のうち1つ又は複数の安全性機能(201,202,203,204)についての規格が、それぞれ、前記車両(100)の始動時に必要な前記各安全性機能(201,202,203,204)の最小状態を表しており、及び
-安全性機能(201,202,203,204)の前記必要な最小状態が、
-前記車両(100)の始動時に前記安全性機能(201,202,203,204)が作動されている必要があるかどうか、及び/又は
-前記車両(100)の始動時に前記安全性機能(201,202,203,204)が動作されなければならない必要な最小機能規模
を表している
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の装置(101)。
【請求項8】
当該装置(101)が、前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)のうち1つの安全性機能(201,202,203,204)について、それぞれ、
-前記ユーザプロフィル(210)に基づく前記安全性機能(201,202,203,204)のユーザ状態が規格に基づく必要な最小状態を超えているか否かをチェックするように、及び
-前記ユーザ状態が必要な最小状態を超えている場合に、前記始動プロフィル(220)についての前記安全性機能(201,202,203,204)の始動状態として前記ユーザ状態を用いるように、及び/又は
-前記ユーザ状態が必要な最小状態を超えていない場合に、前記始動プロフィル(220)についての前記安全性機能(201,202,203,204)の始動状態として前記最小状態を用いるように
構成されていることを特徴とする請求項7に記載の装置(101)。
【請求項9】
-当該装置(101)が、前記車両(100)の初期作動時の始動時又は工場出荷時の設定へのリセットの後、前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)を基本プロフィル(200)に従い作動させるように構成されており、
-前記基本プロフィル(200)が、前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)のうち前記1つ又は複数の安全性機能(201,202,203,204)についてそれぞれ基本状態を表し、及び
-個々の安全性機能(201,202,203,204)の前記基本状態が、各始動状態に対応するか、又は各始動状態を超える
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の装置(101)。
【請求項10】
車両(100)のいくつかの安全性機能(201,202,203,204)を動作させる方法(300)であって、該方法(300)が、
-前記車両(100)の走行中にユーザプロフィル(210)を特定し(301)、該ユーザプロフィル(210)が、前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)のうち1つ又は複数の安全性機能(201,202,203,204)についてそれぞれ1つのユーザ状態を表すこと、
-前記車両(100)の始動時に始動プロフィル(220)による前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)を作動させ(302)、前記始動プロフィル(220)が、前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)のうち1つ又は複数の安全性機能(201,202,203,204)についてそれぞれ1つの始動状態を表すこと、
-前記いくつかの安全性機能(201,202,203,204)のうち少なくとも1つの安全性機能(201,202,203,204)について始動状態がユーザ状態とは異なることを特定すること(303)、及び
-該特定(303)に応答して、前記少なくとも1つの安全性機能(201,202,203,204)が前記ユーザプロファイル(210)とは異なって前記始動プロファイル(220)により始動されたという通知を前記車両(100)のユーザへ出力すること(304)
を含むことを特徴とする方法(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両における1つ又は複数の安全性機能を動作させる用に構成された方法及び対応する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両は、車両の安全性を向上させるように構成された1つ又は複数の安全性機能を備えることが可能である。例示的な安全性機能は、非常ブレーキアシスト、レーンキープアシスト、車線変更アシストなどである。個々の安全性機能の動作は、車両のユーザにより不快に感じられ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書は、(原動機付き)車両における1つ又は複数の安全性機能の特に快適で確実な動作をもたらすという技術的な課題に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
当該課題は、各独立請求項によって解決される。有利な実施形態は、とりわけ従属請求項に記載されている。独立請求項に従属する請求項の追加的な特徴は、独立請求項の特徴なしに、又は独立請求項の特徴の一部との組合せにおいてのみでも、固有の、及び独立請求項の全ての特徴の組合せから独立した発明を形成することができ、当該発明は、独立請求項、分割出願又は後出願の対象に対して行われ得ることを指摘しておく。このことは、独立請求項の特徴のうち1つから独立した発明を形成し得る、明細書に記載された技術的な示唆についても同様に当てはまる。
【0005】
一態様によれば、(原動機付き)車両のいくつかの安全性機能を動作させる装置が記述される。いくつかの安全性機能は、1つ又は複数の安全性機能を含むことが可能である。例示的な安全性機能は、
・車両の自動化された非常ブレーキを生じさせるように構成された非常ブレーキ機能及び/又は
・車両を現在走行している車線内に自動的に維持するように構成されたレーンキープ機能及び/又は
・車両が現在走行している車線から逸脱するときに警告の出力を生じさせるように構成された車線変更警告機能
である。
【0006】
1つ又は複数の安全性機能は、それぞれ、例えば車両の周囲における障害物及び/又は車線マークを認識するために、車両の1つ又は複数の周囲センサのセンサデータを解析するように構成されることが可能である。そして、センサデータの解析に依存して、特に認識された障害物及び/又は認識された車線マークに依存して措置を生じさせることが可能である。措置は、警告通知の出力及び/又は車両の長手方向運転(長手方向ガイド)及び/又は横方向運転(横方向ガイド)を含み得る。
【0007】
装置は、車両の始動時、最初の始動時又は工場出荷時の設定へのリセットの後、いくつかの安全性機能を基本プロフィルに従い作動させるように構成されており、基本プロフィルは、いくつかの安全性機能のうち1つ又は複数の安全性機能についてそれぞれ基本状態を表す。安全性機能についての基本状態は、例えば、安全性機能が最大限可能な機能規模(機能程度、機能範囲)で作動されるように構成されることが可能である。
【0008】
装置は、車両の走行中にユーザプロフィルを特定するように構成されており、ユーザプロフィルは、いくつかの安全性機能のうち1つ又は複数の安全性機能についてそれぞれ1つのユーザ状態を表す。1つ又は複数の安全性機能のユーザ状態は、各基本状態とは異なっていてよい。ユーザプロフィルは、(例えば車両のユーザインタフェースにおいてもたらされる)ユーザの1つ又は複数のユーザ入力に基づき車両の動作中に特定されることが可能である。1つ又は複数のユーザ入力は、(基本状態に対する)少なくとも1つの安全性機能の状態を変更するものであり得る。例えば、安全性機能を非作動とさせること、又は安全性機能の機能規模を減少させることが可能である。
【0009】
また、装置は、車両の始動時に始動プロファイルに従いいくつかの安全性機能を作動させるように構成されており、始動プロフィルは、いくつかの安全性機能のうち1つ又は複数の安全性機能についてそれぞれ1つの始動状態を表す。安全性機能の始動状態は、基本状態に対応し得る。場合によっては、安全性機能の始動状態は、(例えば安全性機能の減少された機能規模をもって、又は場合によっては非作動とされた安全性機能をもって)基本状態の下位にあり得る。
【0010】
個々の安全性機能の状態、特に始動状態及び/又はユーザ状態及び/又は基本状態は、
・安全性機能が作動されているか、又は非作動とされているか、及び/又は
・安全性機能を動作させる機能規模
を表すことが可能である。
【0011】
このとき、最大限可能な機能規模を有する作動した状態は、最大限可能な状態に対応し得る一方、非作動状態は、最小限可能な状態に対応し得る。また、機能規模に応じて、状態の「高さ」の等級付けが存在し得る。
【0012】
装置は、いくつかの安全性機能のうち少なくとも1つの安全性機能について、始動状態がユーザ状態とは異なっていることを特定するように構成されている。これは、特に、規格、例えば法的な規格及び/又は車両の製造者の規格に基づき、車両の始動時に個々の安全性機能がそれぞれ所定の最小状態(例えば所定の最小機能規模)を有していることが必要である場合であり得る。ユーザ入力により、安全性機能のユーザ状態が安全性機能の最小状態を下回ることがあり得る。
【0013】
また、装置は、特定に応答して、(車両のユーザインタフェースを介して)少なくとも1つの安全性機能がユーザプロフィルとは異なって始動プロフィルに従い始動されたという通知を車両のユーザ出力するように構成されている。
【0014】
場合によってはユーザプロフィルとは異なるとともに場合によっては所定の(安全性)規格に対応する始動プロフィルによるいくつかの安全性機能の始動によって、及びユーザプロフィルに対する差異に関する通知の出力によって、いくつかの安全性機能の特に確実かつ快適な動作をもたらすことが可能である。
【0015】
装置は、通知の出力につづくユーザ入力に応答して、いくつかの安全性機能をユーザプロフィルに従い動作させるように構成されることが可能である。
【0016】
場合によっては、いくつかの安全性機能のうち複数の安全性機能について、始動状態がユーザ状態とは異なっていることがあり得る。装置は、通知の出力につづく1つのみのユーザ入力により、ユーザが複数の安全性機能をユーザプロフィルに従い動作させることができるように構成されることが可能である。
【0017】
したがって、車両のユーザは、車両の始動後、(場合によっては車両のユーザインタフェースにおける1つのみのユーザ入力によって)始動プロフィルから再びユーザプロフィルへ快適に変更することが可能であり得る。したがって、車両のいくつかの安全性機能の動作の快適性を更に向上させることが可能である。
【0018】
装置は、ユーザプロフィルに基づき、及び(安全性)規格に基づき始動プロフィルを特定するように構成されることが可能である。規格は、いくつかの安全性機能のうち1つ又は複数の安全性機能について、それぞれ、車両の始動時に各安全性機能の必要な最小状態を表すことが可能である。安全性機能の必要な最小状態は、
・安全性機能が車両の始動時に作動されている必要があるかどうか、及び/又は
・安全性機能が車両の始動時に動作されている必要がある必要な最小機能規模
を表すことが可能である。
【0019】
いくつかの安全性機能のうち個々の安全性機能については、それぞれ、ユーザプロフィルに基づき安全性機能のユーザ状態が規格に基づく必要な最小状態を超えているか否かをチェックすることが可能である。ユーザ状態が必要な最小状態を超えている場合には、始動プロフィルについての安全性機能の始動状態として、ユーザ状態を用いることが可能である。他方、ユーザ状態が必要な最小状態を超えていない場合には、始動プロフィルについての安全性機能の始動状態として、規格に基づく必要な最小状態を用いることが可能である。したがって、安全性機能の特に確実かつ快適な動作をもたらすことが可能である。
【0020】
別の一態様によれば、本明細書で記載される装置を含む(道路車両)原動機付き車両(特に自家用車又は貨物自動車又はバス又は自動二輪車)が記載される。
【0021】
別の一態様によれば、(原動機付き)車両のいくつかの安全性機能を動作させる方法が記述される。方法は、車両の少なくとも1つの走行中にユーザプロフィルを特定することを含み、ユーザプロフィルは、いくつかの安全性機能のうち1つ又は複数の安全性機能についてそれぞれ1つのユーザ状態を表す。方法は、車両の始動時に始動プロファイルに従いいくつかの安全性機能を作動させることを更に含み、始動プロフィルは、いくつかの安全性機能のうち1つ又は複数の安全性機能についてそれぞれ1つの始動状態を表す。
【0022】
さらに、方法は、いくつかの安全性機能のうち少なくとも1つの安全性機能について始動状態がユーザ状態とは異なることを特定すること、及び特定に応答して、少なくとも1つの安全性機能がユーザプロファイルとは異なって始動プロファイルにより始動されたという通知を車両のユーザへ出力することを含む。
【0023】
別の一態様によれば、ソフトウェア(SW)プログラムが記載される。ソフトウェアプログラムは、プロセッサにおいて(例えば車両の制御装置において)実行されるように、及びこれにより本明細書で記載される方法を実行するように設置されることが可能である。
【0024】
別の一態様によれば、記憶媒体が記載される。記憶媒体は、プロセッサにおいて実行されるように、及びこれにより本明細書で記載される方法を実行するように設置されるソフトウェアプログラムを含むことが可能である。
【0025】
本明細書に記載される方法、装置及びシステムは、単独でも、また本明細書に記載される他の方法、装置及びシステムとの組合せにおいても用いられることができることに留意すべきである。さらに、本明細書に記載される方法、装置及びシステムの各態様は、様々に互いに組み合わせられることが可能である。特に、請求項の特徴を様々に組み合わせることが可能である。また、カッコ内に示す特徴は、オプションの特徴と理解されるべきである。
【0026】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】車両の例示的な構成要素を示す図である。
図2a】1つ又は複数の安全性機能の例示的な基本プロフィルを示す図である。
図2b】1つ又は複数の安全性機能の例示的なユーザプロフィルを示す図である。
図2c】1つ又は複数の安全性機能の例示的な始動プロフィルを示す図である。
図3】車両の1つ又は複数の安全性機能を動作させる例示的な方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
冒頭で説明したように、本明細書は、車両の1つ又は複数の安全性機能を確実かつ快適に動作させることに関するものである。これに関連して、図1には、それぞれ車両100の周囲に関する(周囲データとも呼ばれる)センサデータを検出するように構成された1つ又は複数の周囲センサ102を有する例示的な車両100が示されている。例示的な周囲センサ102は、カメラ、レーダセンサ、ライダセンサ、超音波センサなどである。
【0029】
車両100の(制御)装置101は、例えば車両100の周囲における1つ又は複数の物体(例えば他の車両)を認識するために、周囲データを評価する用に構成されることが可能である。また、装置101は、周囲データに基づき、特に1つ又は複数の検知された物体に基づき、車両100の自動化された長手方向運転(長手方向ガイド)及び/又は横方向運転(横方向ガイド)を生じさせるように構成されることが可能である。この目的のために、車両100の1つ又は複数の長手方向運転アクチュエータ及び/又は横方向運転アクチュエータ103(例えば駆動モータ、ブレーキ装置及び/又は操舵装置)を制御する(作動させる)ことが可能である。
【0030】
車両100の1つ又は複数の安全性機能は、(制御)装置101によって提供及び/又は動作されることが可能である。例示的な1つの安全性機能は非常ブレーキアシストであり、当該非常ブレーキアシストは、認識された障害物に応答して車両100の自動化された非常ブレーキを生じさせるように形成されている。別の1つの例示的な安全性機能はレーンキープアシストであり、当該レーンキープアシストは、車両100が自身の車線から逸脱することが認識されるときに、車両100を自動的に自身の車線へ戻るよう操舵するように形成されている。別の1つの例示的な安全性機能は、車両100が自身の車線から逸脱するとき、及び/又は障害物、例えば他の車両が隣接する車線において認識されるときに、車線変更警告を発出することである。
【0031】
車両100は、車両100のできる限り安全な動作を可能とするために、車両100の最初の始動時に、いくつかの安全性機能がデフォルトで起動されるように形成されることが可能である。図2aには、異なる安全性機能201,202,203,204の作動状態を表す基本プロフィル200が示されている。各安全性機能201,202,203,204が作動されることが分割により明示される。車両100の最初の始動は、基本プロフィル200に従い行われることができるため、いくつかの安全性機能201,202,203,204のうち全ての安全性機能201,202,203,204が作動されている。基本プロフィル200による個々の安全性機能201,202,203,204の状態は基本状態と呼ばれ得る。
【0032】
車両100のユーザが、車両100の動作中に1つ又は複数の安全性機能201,204を非作動とし、及び/又は1つ又は複数の安全性機能202,203の機能規模を変更、特に減少させることが可能となり得る。安全性機能201,202,203,204の状態の変更を、車両100のユーザインタフェース104を介して生じさせることが可能である。例えば、安全性機能201,202,203,204の聴覚的、視覚的及び/又は触覚的なアドバイスの発出は、ユーザにとって不快に感じられることがあり、ユーザが、安全性機能201,204を完全に非作動とするか、又は安全性機能202,203の機能規模を減少させることがあり得る。
【0033】
本明細書ではユーザ状態とも呼ばれる、ユーザによりもたらされる個々の安全性機能201,202,203,204の状態は、ユーザプロフィル210(図2b参照)に規定されることが可能である。このとき、個々の安全性機能について、それぞれ、各安全性機能201,202,203,204が作動しているか、若しくは非作動であるか、並びに/又は各安全性機能201,202,203,204の機能規模が減少されたか、及びどのように減少されたかを表すことが可能である。
【0034】
典型的には、安全性機能201,202,203,204の動作は、安全性の向上につながる。また、場合によっては、安全性機能201,202,203,204が車両100の走行の開始時にデフォルトで作動されることを法的に規定することがあり得る。車両100の始動のための始動プロフィル220(図2c参照)を提供することができ、始動プロフィル220は、車両100の始動時に生じる個々の安全性機能201,202,203,204の状態を表す。当該状態を、始動状態と呼ぶことができる。
【0035】
始動プロフィル220は、ユーザプロフィル210に基づき特定することが可能である。また、個々の安全性機能201,202,203,204についてそれぞれ各安全性機能201,202,203,204が車両100の始動時に作動されるべきかどうか、及び場合によっては安全性機能201,202,203,204がどの機能規模で作動されるべきかを表す、規格、例えば車両製造者の規則又は仕様書を用いることが可能である。
【0036】
始動プロフィル220における個々の安全性機能201,202,203,204の(始動)状態は、以下の規則のうち1つ又は複数により特定されることが可能である。
・安全性機能201,202,203,204の状態が基本プロフィル200の(基本)状態に対して変更されず、基本プロフィル200の状態が維持されている場合;
・安全性機能201,202,203,204の状態が基本プロフィル200の(基本)状態に対して変更され、安全性機能201,202,203,204の状態がユーザプロフィル210に基づきユーザによりもたらされる(ユーザ)状態と、規格において設定された必要な最小状態とに依存する場合;
・安全性機能201,202,203,204の状態が基本プロフィル200の(基本)状態に対して変更され、ユーザプロフィル210に基づくユーザによってもたらされる(ユーザ)状態が規格に基づく必要な最小状態を上回るときに当該(ユーザ)状態が用いられる場合;及び/又は
・安全性機能201,202,203,204の状態が基本プロフィル200の(基本)状態に対して変更され、ユーザプロフィル210に基づくユーザによってもたらされる(ユーザ)状態が規格に基づく必要な最小状態の下位にあるときに、規格に基づく必要な最小状態が用いられる場合。
【0037】
車両100の1つの始動時、特に全ての始動時に、個々の安全性機能201,202,203,204が始動プロフィル220に従い起動されるようにすることが可能である。また、ユーザは、1つ又は複数の安全性機能201,202,203,204の状態を設定するために、ユーザプロフィル210とは異なる始動プロフィル220を用いたことを車両100のユーザインタフェース104を介して知らされることが可能である。その後、ユーザは、ユーザインタフェース104を介して、始動プロフィル220に代えてユーザプロフィル210を選択すること、及び1つ又は複数の安全性機能201,202,203,204の状態の対応する変更を生じさせることを可能とすることができる。
【0038】
(例えばユーロNCAPのような)消費者保護要件に基づき、場合によっては、車両のそれぞれ新たな走行開始時に、ユーザが安全性機能201,202,203,204のうち1つ又は複数を走行中にあらかじめ非作動としたときでも、(例えば非常ブレーキアシスト、レーンキープアシスト、車線変更警告などのような)1つ又は複数の安全性機能201,202,203,204のうち所定の数が再び自動的に作動されるようにすることが必要となり得る。安全性機能がユーザにより不快なものとして、特におせっかいに感じられたことにより、及び/又は安全性機能が現在存在する(例えば降雪及び/又は雪に覆われた路面のような)周囲条件により信頼性をもって機能しないことにより、安全性機能201,202,203,204を非作動とすることが例えばもたらされ得る。
【0039】
上述したように、車両100のユーザは、1つ又は複数の安全性機能が車両始動時に再作動されるときにこれについて通知されることが可能である。また、(ユーザプロフィル210による)1つ又は複数の安全性機能のうち最後の設定状態(すなわちユーザ状態)を再び直接生じさせる可能性をユーザに提供することが可能である。
【0040】
運転者の個別の設定は、各操作時にユーザプロフィル210に記憶されることが可能である。次の走行の開始時に個別の設定のうち少なくとも1つが自動的に変更されると、運転者は、これについて、(例えばユーザインタフェース104のディスプレイにおける)通知を介して知らされることが可能である。運転者が当該通知と相互作用する場合には、運転者は、わずかな操作ステップで(例えば1つの操作ステップで)、(ユーザプロフィル210による)最後の走行の個別の設定を再設定することが可能である。
【0041】
図3には、(原動機付き)車両100のいくつかの安全性機能201,202,203,204を動作させる(場合によってはコンピュータ実装された)方法300のフローチャートが示されている。安全性機能の数は、1つ以上、2つ以上、3つ以上又は4つ以上の安全性機能を含み得る。
【0042】
方法300は、車両100の走行中にユーザプロフィル210を特定すること301を含み、ユーザプロフィル210は、いくつかの安全性機能201,202,203,204のうち1つ又は複数の安全性機能201,202,203,204についてそれぞれ1つのユーザ状態を表す。ユーザプロフィル210は、例えば車両100のユーザインタフェース104を介して検出される1つ又は複数のユーザ入力に基づき特定されることができる。このとき、ユーザは、1つ又は複数の安全性機能201,202,203,204の状態を変更すること、例えば、安全性機能201,204を非作動とし、又は安全性機能202,203の機能規模を減少させることが可能である。個々の安全性機能201,202,203,204は、最初の始動時又は工場出荷時の設定の再設定後にそれぞれ基本状態を有することが可能である。1つ又は複数のユーザ入力によって、1つ又は複数の安全性機能について、各基本状態とは異なるユーザ状態を生じさせることが可能である。
【0043】
また、方法300は、車両100の始動時に始動プロフィル220によるいくつかの安全性機能201,202,203,204を作動させること302を含み、始動プロフィル220は、いくつかの安全性機能201,202,203,204のうち1つ又は複数の安全性機能201,202,203,204についてそれぞれ1つの始動状態を表す。安全性機能201,202,203,204の始動状態は、
・(ユーザによる変更が行われなかった場合)基本状態に対応し得る;
・車両100の始動に必要な最小状態に対応し得る;又は
・(ユーザ状態が必要な最小状態を超える場合及び/又はユーザ状態が基本状態と最小状態の間にある場合)ユーザ状態に対応し得る。
【0044】
さらに、方法300は、いくつかの安全性機能201,202,203,204のうち少なくとも1つの安全性機能201,202,203,204について始動状態がユーザ状態とは異なることを特定すること300を含む。当該特定すること303に応答して、少なくとも1つの安全性機能201,202,203,204がユーザプロファイル210とは異なって始動プロファイル220により始動されたという通知を車両100のユーザへ出力するようにすることが可能である(ステップ304)。また、ユーザにより、(場合によっては1つのみの)ユーザ入力によってユーザプロフィル210によるいくつかの安全性機能201,202,203,204を生じさせることが可能となり得る。
【0045】
本明細書で説明した措置により、車両100における1つ又は複数の安全性機能201,202,203,204の特により確実かつより快適な動作をもたらすことが可能である。
【0046】
本発明は、示された実施例に限定されているものではない。特に、明細書及び図面は、提案される方法、装置及びシステムの原理を例示的にのみ説明するものとなっていることに留意すべきである。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
【外国語明細書】