(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178913
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20241218BHJP
H01L 23/14 20060101ALI20241218BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
H01L23/12 Z
H01L23/14 R
H05K3/46 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083308
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】10-2023-0075632
(32)【優先日】2023-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】姜 哲 文
(72)【発明者】
【氏名】鄭 捧 夫
(72)【発明者】
【氏名】李 晧 ジェ
(72)【発明者】
【氏名】姜 ビョン 救
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA33
5E316AA38
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316FF07
5E316FF09
5E316FF10
5E316GG15
5E316GG28
5E316HH11
5E316HH40
(57)【要約】 (修正有)
【課題】反りのリスクを低減することができる回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の回路基板は、互いに向き合う第1面100aと第2面100bとを有する絶縁コア層100と、少なくとも一部が絶縁コア層に位置して絶縁コア層とは熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)が異なる絶縁補助部材400と、第1面に位置する第1絶縁層230及び第1絶縁層に埋め込まれた第1回路配線210を含む第1基板部200と、第2面に位置する第2絶縁層330及び第2絶縁層に埋め込まれた第2回路配線310を含む第2基板部300と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向き合う第1面と第2面とを有する絶縁コア層と、
少なくとも一部が前記絶縁コア層に位置して前記絶縁コア層とは熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)が異なる絶縁補助部材と、
前記第1面に位置する第1絶縁層と前記第1絶縁層に埋め込まれた第1回路配線とを含む第1基板部と、
前記第2面に位置する第2絶縁層と前記第2絶縁層に埋め込まれた第2回路配線とを含む第2基板部と、を備えることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記絶縁補助部材は、前記絶縁コア層よりもCTEが高いことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記絶縁補助部材の少なくとも一部は、前記絶縁コア層の中心線と前記第1面との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記絶縁コア層は、前記第1面に位置する凹部を有し、
前記絶縁補助部材は、前記凹部に位置することを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記凹部は、複数個を含み、
前記複数の凹部は、格子構造を有することを特徴とする請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記凹部は、トレンチ構造を有することを特徴とする請求項4に記載の回路基板。
【請求項7】
前記凹部は、複数個を含み、
前記複数の凹部は、互いに交差する部分を有することを特徴とする請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第1基板部のCTEと前記第2基板部のCTEとは、互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第1基板部のCTEは、前記第2基板部のCTEよりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の回路基板。
【請求項10】
前記第1基板部は、前記第1絶縁層の表面に位置する第1接続パッドを更に含み、
前記第2基板部は、前記第2絶縁層の表面に位置する第2接続パッドを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項11】
前記第1絶縁層の無機フィラー含有量は、前記第2絶縁層の無機フィラー含有量よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項12】
前記第1絶縁層の上に位置して前記第1接続パッドに重なる第1オープニングを有する第1保護層と、
前記第2絶縁層の下に位置して前記第2接続パッドに重なる第2オープニングを有する第2保護層と、を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の回路基板。
【請求項13】
互いに向き合う第1面と第2面とを有する絶縁コア層の前記第1面に凹部を形成する段階と、
前記凹部に前記絶縁コア層とは熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)が異なる絶縁補助部材を配置する段階と、
前記絶縁コア層の前記第1面に第1回路配線及び第1絶縁層を形成する段階と、
前記絶縁コア層の前記第2面に第2回路配線及び第2絶縁層を形成する段階と、を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記絶縁補助部材を配置する段階は、前記絶縁コア層よりもCTEが高い絶縁材を前記凹部内に配置する段階を含むことを特徴とする請求項13に記載の回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記絶縁コア層の前記第1面に凹部を形成する段階は、レーザーを利用して前記第1面に垂直な第1方向に測定された前記絶縁コア層の厚さの半分よりも小さいか又は同じ深さで前記絶縁コア層を穿孔する段階を含むことを特徴とする請求項13に記載の回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記絶縁コア層の前記第1面に凹部を形成する段階は、
第1サブ絶縁コア層に貫通ホールを形成する段階と、
前記第1サブ絶縁コア層を第2サブ絶縁コア層に結合する段階と、を含むことを特徴とする請求項13に記載の回路基板の製造方法。
【請求項17】
前記第1サブ絶縁コア層を第2サブ絶縁コア層に結合する段階は、前記第1サブ絶縁コア層と前記第2サブ絶縁コア層との間に接着層を配置する段階を含むことを特徴とする請求項16に記載の回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業の発展に伴い、電子機器が徐々に高性能化するにつれて、半導体パッケージは小型化・薄型化と同時に高密度化されることが求められている。パッケージの高密度化のために実装されるICの数も増加している。また、限られたサイズの回路基板に多くの機能を実装するために、ICのボールピッチはますます縮小されている。
【0003】
このように、限られたサイズの回路基板に多くの機能を実装するための技術が発達するにつれて、製品製造時に反り(Warpage)による収率低下に対するリスクはますます大きくなっている。このため、このような反りを改善するための技術開発の重要性がますます高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、反りのリスクを低減する回路基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による回路基板は、互いに向き合う第1面と第2面とを有する絶縁コア層と、少なくとも一部が前記絶縁コア層に位置して前記絶縁コア層とは熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)が異なる絶縁補助部材と、前記第1面に位置する第1絶縁層と前記第1絶縁層に埋め込まれた第1回路配線とを含む第1基板部と、前記第2面に位置する第2絶縁層と前記第2絶縁層に埋め込まれた第2回路配線とを含む第2基板部と、を備える。
【0007】
前記絶縁補助部材は、前記絶縁コア層よりもCTEが高くあり得る。
前記絶縁補助部材の少なくとも一部は、前記絶縁コア層の中心線と前記第1面との間に位置し得る。
前記絶縁コア層は、前記第1面に位置する凹部を有し、前記絶縁補助部材は、前記凹部に位置し得る。
前記凹部は、複数個を含み、前記複数の凹部は、格子構造を有し得る。
前記凹部は、トレンチ構造を有し得る。
前記凹部は、複数個を含み、前記複数の凹部は、互いに交差する部分を有し得る。
前記第1基板部のCTEと前記第2基板部のCTEとは、互いに異なり得る。
前記第1基板部のCTEは、前記第2基板部のCTEよりも小さくあり得る。
前記第1基板部は、前記第1絶縁層の表面に位置する第1接続パッドを更に含み、前記第2基板部は、前記第2絶縁層の表面に位置する第2接続パッドを更に含み得る。
前記第1絶縁層の無機フィラー含有量は、前記第2絶縁層の無機フィラー含有量よりも多くあり得る。
前記第1絶縁層上に位置して前記第1接続パッドに重なる第1オープニングを有する第1保護層と、前記第2絶縁層下に位置して前記第2接続パッドに重なる第2オープニングを有する第2保護層とを更に含み得る。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による回路基板の製造方法は、互いに向き合う第1面と第2面とを有する絶縁コア層の前記第1面に凹部を形成する段階と、前記凹部に前記絶縁コア層とは熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)が異なる絶縁補助部材を配置する段階と、前記絶縁コア層の前記第1面に第1回路配線及び第1絶縁層を形成する段階と、前記絶縁コア層の前記第2面に第2回路配線及び第2絶縁層を形成する段階と、を有する。
【0009】
前記絶縁補助部材を配置する段階は、前記絶縁コア層よりもCTEが高い絶縁材を前記凹部内に配置する段階を含み得る。
前記絶縁コア層の前記第1面に凹部を形成する段階は、レーザーを利用して前記第1面に垂直な第1方向に測定された前記絶縁コア層の厚さの半分よりも小さいか又は同じ深さで前記絶縁コア層を穿孔する段階を含み得る。
前記絶縁コア層の前記第1面に凹部を形成する段階は、第1サブ絶縁コア層に貫通ホールを形成する段階と、前記第1サブ絶縁コア層を第2サブ絶縁コア層に結合する段階と、を含み得る。
前記第1サブ絶縁コア層を第2サブ絶縁コア層に結合する段階は、前記第1サブ絶縁コア層と前記第2サブ絶縁コア層との間に接着層を配置する段階を含み得る。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、回路基板の中心線を基準に上部と下部との熱膨張係数(CTE)の不均衡を緩和して反り現象を改善することができる。
【0011】
しかし、本発明の効果は、上述した効果に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態による回路基板を示した断面図である。
【
図2A】
図1に示す絶縁補助部材が絶縁コア層に配置された多様な例を示した平面図である。
【
図2B】
図1に示す絶縁補助部材が絶縁コア層に配置された多様な例を示した平面図である。
【
図2C】
図1に示す絶縁補助部材が絶縁コア層に配置された多様な例を示した平面図である。
【
図2D】
図1に示す絶縁補助部材が絶縁コア層に配置された多様な例を示した平面図である。
【
図3】
図1に示す回路基板の変形例を示した断面図である。
【
図4】一実施形態による回路基板の製造方法を示した断面図である。
【
図5】一実施形態による回路基板の製造方法を示した断面図である。
【
図6】一実施形態による回路基板の製造方法を示した断面図である。
【
図7】一実施形態による回路基板の製造方法を示した断面図である。
【
図8】一実施形態による回路基板の製造方法を示した断面図である。
【
図9】一実施形態による回路基板の製造方法を示した断面図である。
【
図10】一実施形態による回路基板の製造方法を示した断面図である。
【
図11】一実施形態による回路基板の製造方法を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
本発明は、いくつかの異なる形態で実施することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0015】
図面において、本発明を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて同一又は類似の構成要素に対して同一の参照符号を付ける。
【0016】
また、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明は必ずしも図示したものに限定されない。図面において、複数の層及び領域を明確に表現するために、サイズ、厚さを拡大して示した。また、図面において、説明の便宜上、一部の層及び領域の厚さを誇張して示した。
【0017】
図面は、本明細書に開示した実施形態を容易に理解できるようにするためのものであり、図面によって本明細書に開示した技術的思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、又は代替物を含むものとして理解されるべきである。
【0018】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用するが、構成要素は用語によって限定されない。用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0019】
また、層、膜、領域、プレートなどの部分が他の部分の「上に」又は「の上に」ある場合、これは他の部分の「直上に」ある場合だけでなく、その間に別の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」にあると言う場合は、真ん中に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上に」又は「の上に」あるという場合は、基準となる部分の上又は下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上に」又は「の上に」位置することを意味するものではない。
【0020】
明細書全体において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数値、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数値、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素を更に含むことがあることを意味する。
【0021】
また、明細書全体において、「平面上」とは対象部分を上から見た場合を意味し、「断面上」とは対象部分を垂直に切った断面を横から見た場合を意味する。
【0022】
また、明細書全体において、「接続される」とは、2つ以上の構成要素が直接的に接続されることだけを意味するものではなく、2つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に接続されること、物理的に接続されるだけでなく電気的に接続されること、又は位置や機能に応じて異なる名称で呼ばれるが一体であることを意味する。
【0023】
明細書全体において、基板は平面上に広く断面上に薄い構造を有し、「基板の平面方向」は基板の広くて平坦な面に平行な方向であり、「基板の厚さ方向」は基板の広くて平坦な面に垂直な方向を意味する。
【0024】
以下、図面を参照して、多様な実施形態及びその変形例を詳細に説明する。
【0025】
図1は、一実施形態による回路基板を示した断面図である。
【0026】
図1を参照すると、本実施形態による回路基板は、絶縁コア層100、絶縁コア層100の上に位置する第1基板部200、絶縁コア層100の下に位置する第2基板部300、及び絶縁コア層100に位置する絶縁補助部材400を含む。
【0027】
絶縁コア層100は、予め設定された面積及び厚さを有する。絶縁コア層100は、互いに向き合う第1面100aと第2面100bとを有する。絶縁コア層100は、平面上に広く断面上に薄い構造を有する。第1面100a又は第2面100bに垂直な方向は、絶縁コア層100の広くて平坦な面に垂直な方向を意味する。
【0028】
絶縁コア層100は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などの熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などの熱可塑性樹脂を含み、これと共にガラス繊維又は無機フィラーのような補強剤を含む樹脂などを含む。例えば、絶縁コア層100は、プレプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Buildup Film)、PID(Photo Imageable Dielectric)、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂などを含む。
【0029】
絶縁コア層100は、中心線CLから第1面100aまで位置する第1絶縁コア層110と、中心線CLから第2面100bまで位置する第2絶縁コア層120を含む。絶縁コア層100は、第1面100aから絶縁コア層100の一部に形成される凹部DTを有する。凹部DTは、第1絶縁コア層110に形成される。第1面100aに垂直な第1方向に測定された凹部DTの深さは、第1方向に測定された絶縁コア層100の厚さの半分よりも小さいか又は同じである。即ち、凹部DTは、第1絶縁コア層110に形成され、第2絶縁コア層120までは延びない。
【0030】
第1基板部200は、絶縁コア層100の第1面100a上に位置する。第1基板部200は、第1回路配線210、第1絶縁層230、第1接続パッド250、及び第1保護層270を含む。
【0031】
第1回路配線210は、絶縁コア層100の第1面100a上に位置する。第1回路配線210は、電気的信号を伝達する。第1回路配線210は、多様なパターンで配置される。第1回路配線210は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0032】
図1では、第1回路配線210の一つの配線層が第1面100aに配置されるものとして示しているが、これに限定されるものではなく、第1回路配線210は、多層の配線層で構成され得る。即ち、第1回路配線210は、第1面100aに位置する配線層を含めて、その上に積層される多層の配線層で構成され得、これも本発明の範囲に属する。多層の配線層間は、ビア層で連結される。
【0033】
第1絶縁層230は、絶縁コア層100の第1面100a上に位置する。第1回路配線210は、第1絶縁層230に埋め込まれる(embedded)。第1絶縁層230は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などの熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などの熱可塑性樹脂などを含む。また、第1絶縁層230は、ガラス繊維又は無機フィラーなどの補強剤を含む樹脂などを含む。一例として、第1絶縁層230は、プレプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Buildup Film)、PID(Photo Imageable Dielectric)などを含むが、これに限定されるものではない。
【0034】
第1接続パッド250は、第1絶縁層230上に位置する。即ち、第1接続パッド250は、第1絶縁層230の表面に位置する。第1絶縁層230の表面は、第1絶縁層230が第1面100aに接触する面に対向する面を意味する。第1接続パッド250は、第1絶縁層230上に多様なパターンで配置される。第1接続パッド250は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0035】
図示していないが、第1絶縁層230に第1回路配線210と第1接続パッド250とを電気的に接続するビア層が形成される。一例として、ビアは、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタニウム(Ti)、金(Au)、白金(Pt)、又はこれらの合金などを含む。ビアは、第1回路配線210と同じ素材で形成される。
【0036】
第1保護層270は、第1絶縁層230上に位置する。第1保護層270は、ソルダーレジスト(Solder resist)などの絶縁物質を含む。第1保護層270は、第1接続パッド250に重なる第1オープニング275を有する。即ち、第1接続パッド250は、第1オープニング275によって外部に露出する。
【0037】
第2基板部300は、絶縁コア層100の第2面100bの下に位置する。第2基板部300は、第2回路配線310、第2絶縁層330、第2接続パッド350、及び第2保護層370を含む。
【0038】
第2回路配線310は、絶縁コア層100の第2面100bの下に位置する。第2回路配線310は、電気的信号を伝達する。第2回路配線310は、多様なパターンで配置される。第2回路配線310は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0039】
図1では、第2回路配線310の一つの配線層が第2面100bに配置されるものとして示しているが、これに限定されるものではなく、第2回路配線310は、多層の配線層で構成され得る。即ち、第2回路配線310は、第2面100bに位置する配線層を含めて、その下に積層される多層の配線層で構成され得、これも本発明の範囲に属する。多層の配線層間は、ビア層で連結される。
【0040】
第2絶縁層330は、絶縁コア層100の第2面100bの下に位置する。第2回路配線310は、第2絶縁層330に埋め込まれる。第2絶縁層330は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などの熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などの熱可塑性樹脂などを含む。また、第2絶縁層330は、ガラス繊維又は無機フィラーなどの補強剤を含む樹脂などを含む。一例として、第2絶縁層330は、プレプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Buildup Film)、PID(Photo Imageable Dielectric)などを含むが、これに限定されるものではない。
【0041】
第2接続パッド350は、第2絶縁層330の下に位置する。即ち、第2接続パッド350は、第2絶縁層330の表面に位置する。第2絶縁層330の表面は、第2絶縁層330が第2面100bに接触する面に対向する面を意味する。第2接続パッド350は、第2絶縁層330の下に多様なパターンで配置される。第2接続パッド350は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタニウム(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0042】
図示していないが、第2絶縁層330に第2回路配線310と第2接続パッド350とを電気的に接続するビア層が形成される。一例として、ビアは、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタニウム(Ti)、金(Au)、白金(Pt)、又はこれらの合金などを含む。ビアは、第2回路配線310と同じ素材で形成される。
【0043】
第2保護層370は、第2絶縁層330の下に位置する。第2保護層370は、ソルダーレジスト(Solder resist)などの絶縁物質を含む。第2保護層370は、第2接続パッド350に重なる第2オープニング375を有する。即ち、第2接続パッド350は、第2オープニング375によって外部に露出する。
【0044】
第1基板部200と第2基板部300とは、熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)が互いに異なる。第1基板部200及び第2基板部300のCTEは、TMA(Thermal Mechanical Analzer)、Dilatometerなどの熱膨張係数測定装置を利用して測定することができる。例えば、熱膨張係数測定装置を利用して、基板の平面方向、即ち基板の広くて平坦な面に平行な方向に第1基板部200及び第2基板部300が膨張又は収縮した長さを測定してCTEを求める。また、第1基板部200及び第2基板部300の第1回路配線210、第2回路配線310、第1絶縁層230、第2絶縁層330、第1接続パッド250、第2接続パッド350、第1保護層270、及び第2保護層370がそれぞれ膨張又は収縮した長さを基板の平面方向に測定して、それぞれのCTEを求める。第1基板部200及び第2基板部300のCTEは、各構成要素のCTEを加重平均したものとする。即ち、第1基板部200のCTEは、第1回路配線210、第1絶縁層230、第1接続パッド250、及び第1保護層270のそれぞれのCTEを加重平均したものとし、第2基板部300のCTEは、第2回路配線310、第2絶縁層330、第2接続パッド350、及び第2保護層370のそれぞれのCTEを加重平均したものとする。第1及び第2基板部(200、300)の構成により、第1回路配線210のCTEと第1絶縁層230のCTEとの加重平均を第1基板部200のCTEとして、そして第2回路配線310のCTEと第2絶縁層330のCTEとの加重平均を第2基板部300のCTEとして使用する。第1基板部200及び第2基板部300のCTEを測定するために試料を利用し、膨張(Expansion)又は圧縮(Tension)された変位(Displacement)を測定する。
【0045】
第1基板部200と第2基板部300とのCTEの差は、素材、回路配線の差、又は絶縁層の無機フィラーの含有量を含む様々な原因によって発生する。一例として、第1回路配線210よりも第2回路配線310の面積が小さく、第1基板部200よりも第2基板部300のCTEがより大きい場合がある。この時、第1回路配線210を構成する配線層よりも第2回路配線310を構成する配線層が多く、第1回路配線210よりも第2回路配線310の面積が大きい場合がある。他の例として、第1絶縁層230の無機フィラー含有量が第2絶縁層330の無機フィラー含有量よりも多く、第1基板部200のCTEが第2基板部300のCTEよりも小さい場合がある。
【0046】
絶縁補助部材400は、少なくとも一部が絶縁コア層100に位置する。絶縁補助部材400は、第1絶縁コア層110に位置する部分を含む。即ち、絶縁補助部材400は、絶縁コア層100の中心線(CL)から第1面100aの間に位置する部分を含む。
【0047】
絶縁補助部材400は、絶縁コア層100の凹部DTに位置する。絶縁補助部材400の上面400aは、第1面100aと略同じ高さで形成されるが、これに限定されるものではない。例えば、絶縁補助部材400の上面400a又は上面400aを含む一部分が絶縁コア層100から露出して、第1基板部200が露出した部分を覆う。
【0048】
絶縁補助部材400は、絶縁性素材を含み、絶縁コア層100とは異なる素材で構成される。絶縁補助部材400と絶縁コア層100とは、熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)が互いに異なる。
【0049】
一例として、絶縁補助部材400は、絶縁コア層100のCTEよりも高い絶縁性樹脂材を含む。したがって、絶縁補助部材400及び第1絶縁コア層110で形成されるCTEは、第2絶縁コア層120のCTEよりも高い。この時、絶縁補助部材400及び第1絶縁コア層110で形成されるCTEは、絶縁補助部材400のCTEと第1絶縁コア層110のCTEとを加重平均したものとする。絶縁補助部材400は、平面上で回路基板全体に配置される。
【0050】
絶縁補助部材400は、第1基板部200と第2基板部300とのCTEの不均衡を補完する。一例として、第1基板部200よりも第2基板部300のCTEが大きく、CTEの不均衡による反り(Warpage)の危険性がある場合、絶縁コア層100よりもCTEが大きい絶縁補助部材400を第1絶縁コア層110に配置することにより、CTEの不均衡を除去又は緩和することができる。即ち、第1基板部200のCTEが第2基板部300のCTEよりも低い場合、絶縁コア層100のCTEよりも高いCTEを有する絶縁補助部材400を第1絶縁コア層110に配置することにより、中心線CLを基準に上部のCTEと下部のCTEとが同一又は類似するように調整される。
【0051】
図2A~
図2Dは、
図1に示す絶縁補助部材が絶縁コア層に配置された多様な例を示した平面図である。
【0052】
絶縁補助部材400は、予め設定された面積及び厚さを有する。絶縁補助部材400は、プレート構造であり、平面状で、円形、楕円形、多角形である。
図2を参照すると、絶縁補助部材400は、一定のパターンを形成するように配置される。一例として、絶縁補助部材400は、格子構造で配置される(
図2A、
図2B参照)。また、絶縁補助部材400は、長く形成された溝状のトレンチ(trench)構造に形成される(
図2C参照)。トレンチ構造の絶縁補助部材400が交差するように配置される(
図2D参照)。但し、絶縁補助部材400の配置は、
図2A~
図2Dで示す構造に限定されるものではなく、多様なパターンで絶縁補助部材400が形成され得る。
【0053】
図3は、
図1に示す回路基板の変形例を示した断面図である。
【0054】
図3に示す回路基板は、基本的に
図1に示す回路基板と同様の積層構造を有する。即ち、変形例による回路基板は、絶縁コア層100、絶縁コア層100上に位置する第1基板部200、絶縁コア層100の下に位置する第2基板部300、及び絶縁コア層100に位置する絶縁補助部材400を含む。第1及び第2基板部(200、300)は、それぞれ第1及び第2回路配線(210、310)、第1及び第2絶縁層(230、330)、第1及び第2接続パッド(250、350)、そして第1及び第2保護層(270、370)を含む。
【0055】
絶縁補助部材400は、平面上で回路基板の一部に位置する。予め設定された第1基板部200と第2基板部300との間のCTEの不均衡を計算する。第1基板部200と第2基板部300とのCTEの差が部分的に大きい場合、該当する部分に絶縁補助部材400を配置することにより、サドル(Saddle)などの複合的な反り(Warpage)が発生することを防止することができる。第1基板部200及び第2基板部300のCTEを導出するために、ガーバー(Gerber)ファイルなどを利用する。
【0056】
一例として、
図3を参照すると、第1面100aに垂直な第1方向に重なる一部分(P1)において、第1基板部200と第2基板部300と間のCTEの不均衡が大きい場合、その一部分P1の第2絶縁コア層120に絶縁補助部材400を配置してCTEの不均衡を緩和する。
【0057】
図4~
図11は、一実施形態による回路基板の製造方法を示した断面図である。
【0058】
以下、
図1~
図3と共に
図4~
図11を参照して、一実施例による回路基板の製造方法を説明する。
【0059】
図4を参照すると、先ず、絶縁コア層100を用意する。一例として、絶縁コア層100を用意するために、絶縁コア層100を形成するプレプレグ(prepreg)の一面又は両面に薄膜金属層MSが積層された銅箔積層板(Copper Clad Laminate:CCL)を使用する。
【0060】
図5を参照すると、絶縁コア層100に凹部DTを形成する。凹部DTは、第1面100aに形成される。例えば、凹部DTは、プレート構造に平面状で、円形、楕円形、多角形に形成される。また他の例として、凹部DTは、トレンチ(trench)構造で形成される。
【0061】
図6及び
図7は、
図5の凹部DTを形成する方法を示した平面図である。
【0062】
図6に示したように、絶縁コア層100を一定の深さに穿孔して凹部DTを形成する。一例として、レーザーを利用して凹部DTを形成する。凹部DTは、第1方向に測定される深さが絶縁コア層100の厚さの半分よりも小さいか又は同一に形成される。
【0063】
他の例として、
図7に示すように、絶縁コア層100を形成するために、第1サブ絶縁コア層SC1及び第2サブ絶縁コア層SC2を用意する。第1サブ絶縁コア層SC1は、第2サブ絶縁コア層SC2よりも厚さが薄いか又は同じである。第1サブ絶縁コア層SC1を貫通する貫通ホールPHを形成する。貫通ホールPHを形成するために、ドリル又はパンチを利用する。次に、第1サブ絶縁コア層SC1と第2サブ絶縁コア層SC2とを結合する。結合のために、第1サブ絶縁コア層SC1と第2サブ絶縁コア層SC2との間に接着層ALを配置し、接着層ALを媒介として第1サブ絶縁コア層SC1と第2サブ絶縁コア層SC2とを結合して絶縁コア層100を形成する。
【0064】
図8を参照すると、凹部DTに絶縁補助部材400を配置する。絶縁補助部材400は凹部DT内に形成され、凹部DTから突出することも可能である。絶縁補助部材400は、絶縁コア層100よりもCTEが高い絶縁性素材で形成される。絶縁補助部材400は、第1基板部200と第2基板部300とのCTEの差に応じて多様な形状及び大きさを有し、多様なパターンで配置される。本実施形態では、絶縁補助部材400が第1面100aと同じ高さで形成されるものとして示しているが、これに限定されるものではない。一例として、凹部DT内に絶縁コア層100よりもCTEが高い絶縁材を挿入して絶縁補助部材400を形成する。
【0065】
図9を参照すると、絶縁コア層100の第1面100a上に第1回路配線210を形成し、第2面100bの下に第2回路配線310を形成する。第1回路配線210は、絶縁コア層100上にメッキレジストを積層し、露光及び現像して第1回路配線210が形成される部分のみに除去されたメッキレジストパターンを形成した後、メッキレジストパターンが形成されていない部分に導電性金属を積層することによって、第1回路配線210を形成する。第2回路配線310も同様な方法で形成される。
【0066】
図10を参照すると、絶縁コア層100の第1面100a上に第1回路配線210を覆う第1絶縁層230を形成し、第2面100bの下に第2回路配線310を覆う第2絶縁層330を形成する。
【0067】
図示していないが、第1絶縁層230及び第2絶縁層330にそれぞれ第1回路配線210及び第2回路配線310を露出するビアを形成する。
【0068】
図9及び
図10では、第1回路配線210、第1絶縁層230、第2回路配線310、及び第2絶縁層330がそれぞれ一つの層を積層するものとして示しているが、これに限定されるものではない。即ち、積層された絶縁層上に更に他の回路配線層と更に他の絶縁層が積層され、このような積層が繰り返し実施される。また、第1回路配線210及び第2回路配線310に含まれる回路配線層の数は、それぞれ異なるように積層することができる。
【0069】
次に、
図11に示したように、第1絶縁層230上に第1接続パッド250を形成し、第2絶縁層330の下に第2接続パッド350を形成する。第1及び第2接続パッド(250、350)は、先に第1及び第2回路配線(210、310)を形成した方法と同様の方法で形成される。
【0070】
次に、再び
図1を参照すると、第1絶縁層230上に第1保護層270を形成し、第2絶縁層330の下に第2保護層370を形成する。
【0071】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
100 絶縁コア層
100a、100b 第1、第2面
110 第1絶縁コア層
120 第2絶縁コア層
200、300 第1、第2基板部
210、310 第1、第2回路配線
230、330 第1、第2絶縁層
250、350 第1、第2接続パッド
270、370 第1、第2保護層
275、375 第1、第2オープニング
400 絶縁補助部材
400a 上面
AL 接着層
CL 中心線
DT 凹部
MS 薄膜金属層
PH 貫通ホール
P1 一部分
SC1、SC2 第1、第2サブ絶縁コア層