(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178914
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】複数のホスト材料及びそれを含む有機エレクトロルミネセントデバイス
(51)【国際特許分類】
H10K 50/12 20230101AFI20241218BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20241218BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
H10K50/12
H10K85/60
C09K11/06 690
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024083858
(22)【出願日】2024-05-23
(31)【優先権主張番号】10-2023-0075517
(32)【優先日】2023-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2024-0051457
(32)【優先日】2024-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】509266480
【氏名又は名称】デュポン スペシャルティ マテリアルズ コリア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DUPONT SPECIALTY MATERIALS KOREA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョジョン
(72)【発明者】
【氏名】チョン スヨン
(72)【発明者】
【氏名】カン ヒョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】カン ヒリョン
(72)【発明者】
【氏名】パク ソミ
(72)【発明者】
【氏名】ユン ジソン
(72)【発明者】
【氏名】チョ サンヒ
【テーマコード(参考)】
3K107
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB08
3K107CC04
3K107CC12
3K107CC21
3K107DD53
3K107DD59
3K107DD68
(57)【要約】
【課題】複数のホスト材料及びそれを含む有機エレクトロルミネセントデバイスを提供する。
【解決手段】本開示は、複数のホスト材料及びこれを含む有機エレクトロルミネセントデバイスに関する。複数のホスト材料として本開示による化合物の特定の組み合わせを含めることにより、従来の有機エレクトロルミネセントデバイスと比較して、改善された発光効率及び/又は寿命特性を有する有機エレクトロルミネセントデバイスを提供することが可能である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式1で表される化合物を含む第1のホスト材料と、以下の式2で表される化合物を含む第2のホスト材料とを含む複数のホスト材料:
【化1】
(式1において、
L
1は、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
Ar
1は、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルケニル、置換若しくは無置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、-N-(L
2-Ar
2)(L
3-Ar
3)、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
L
2及びL
3は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
Ar
2及びAr
3は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルケニル、置換若しくは無置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
【化2】
は、以下の式1-1又は1-2:
【化3】
で表され;
式1-1及び1-2において、
X
1~X
25は、それぞれ独立して、N又はCR
aを表し、
R
aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換モノ若しくはジ(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ若しくはジ(C6~C30)アリールアミノ、又は置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表し、或いは隣接する置換基と連結して環を形成していてもよく;
*はL
1と連結している位置を表す)
【化4】
(式2において、
Xは、O又はSを表し、
L
4及びL
5は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
Ar
4及びAr
5は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、又は-SiR
11R
12R
13を表し;
aは1~4の整数を表し、bは1~3の整数を表し、a及びbがそれぞれ2以上の整数を表す場合には、R
1のそれぞれ及びR
2のそれぞれは、互いに同じであっても異なっていてもよい)。
【請求項2】
式1-1が下記式1-1-1:
【化5】
(式1-1-1において、
R
41~R
43は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換モノ若しくはジ(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ若しくはジ(C6~C30)アリールアミノ、又は置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表し、或いは隣接する置換基と連結して環を形成していてもよく;
baは1~3の整数を表し、bbは1~4の整数を表し、bcは1~5の整数を表し、ba、bb、及びbcが2以上の整数である場合には、R
41のそれぞれ、R
42のそれぞれ、及びR
43のそれぞれは、同じであっても異なっていてもよい)で表される、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項3】
式1-2が下記式1-2-1:
【化6】
(式1-2-1において、
R
31~R
34は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C6~C30)アリールアミノ、又は置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表し、或いは隣接する置換基と連結して環を形成していてもよく;
aaは1~3の整数を表し、ab及びacはそれぞれ独立して1~4の整数を表し、adは1又は2を表し、aa、ab、ac、及びadが2以上の整数である場合には、R
31のそれぞれ、R
32のそれぞれ、R
33のそれぞれ、及びR
34のそれぞれは、同じであっても異なっていてもよい)で表される、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項4】
式1中のAr
2とAr
3のうちの少なくとも一方が下記式1-3-1~1-3-4:
【化7】
(式1-3-1~1-3-4において、
Tは、O、S、CR
5R
6、NR
7、又はSeを表し、
R
3~R
7は、請求項1のR
aと同じ定義を有し、cは1~4の整数を表し、dは1~3の整数を表し、c及びdがそれぞれ2以上の整数を表す場合には、R
3のそれぞれ及びR
4のそれぞれは、互いに同じであっても異なっていてもよい)のいずれか1つで表される、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項5】
式2が、以下の式2-1~2-4:
【化8】
(式2-1~2-4において、X、R
1、R
2、L
4、L
5、Ar
4、Ar
5、a、及びbは、請求項1で定義したものと同じ定義を有する)のうちのいずれか1つで表される、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項6】
前記式1で表される化合物が以下の化合物:
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
(上記の化合物において、Dnは、n個の水素が重水素で置き換えられていることを表す)から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項7】
前記式2で表される化合物が以下の化合物:
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の複数のホスト材料。
【請求項8】
アノード;カソード;及び前記アノードと前記カソードとの間の少なくとも1つの発光層を含む有機エレクトロルミネセントデバイスであって、前記少なくとも1つの発光層が請求項1に記載の複数のホスト材料を含む、有機エレクトロルミネセントデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のホスト材料及びこれを含む有機エレクトロルミネセントデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
1987年、Eastman KodakのTangらは、発光層と電荷輸送層とからなるTPD/Alq3二重層を使用することにより、小分子緑色有機エレクトロルミネセントデバイス(OLED)を開発した。その後、OLEDの開発は急速に進み、OLEDは商品化されている。現在、OLEDは、パネル実装において優れた発光効率を有するリン光性物質を主に使用している。しかしながら、TV及び照明などの多くの用途において、OLED寿命は不十分であり、OLEDのより高い効率が依然として必要とされる。典型的には、OLEDの輝度が高くなるのに伴い、OLEDの寿命は短くなる。そのため、長期間の使用及び高い表示解像度のためには、高い発光効率及び/又は長い寿命を有するOLEDが必要とされる。
【0003】
発光効率、駆動電圧、及び/又は寿命を向上させるために、OLEDの有機層に様々な材料又はコンセプトが提案されてきた。しかしながら、それらは実用において満足できるものではなかった。加えて、以前に開示された特定の化合物の組み合わせと比較して、より改善された性能、例えば改善された駆動電圧、発光効率、電力効率、及び/又は寿命特性を有する有機エレクトロルミネセント材料を開発する必要性が存在していた。
【0004】
一方で、(特許文献1)には、ホスト材料として、ベンゾカルバゾールとアズレンとを含む縮合構造を有する化合物、及びインドロカルバゾールとアゼピンとを含む縮合構造を有する化合物が開示されている。しかしながら、上述した参考文献は、本開示による化合物の特定の組み合わせを含む複数のホスト材料を具体的には開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2020-0014189号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第2018-0021961号明細書
【特許文献3】韓国特許出願公開第2018-0012709号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、第1には、駆動電圧が低い、且つ/又は発光効率が高い、且つ/又は寿命特性に優れた有機エレクトロルミネセントデバイスを提供することを可能にする複数のホスト材料を提供することであり、そして第2には、それらのホスト材料を含む有機エレクトロルミネセントデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
技術的課題を解決するための鋭意研究の結果として、本発明者らは、上記の目的が、以下の式1で表される化合物を含む第1のホスト材料と、以下の式2で表される化合物を含む第2のホスト材料とを含む複数のホスト材料によって達成できることを見出した。
【化1】
【0008】
式1において、
L
1は、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
Ar
1は、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルケニル、置換若しくは無置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、-N-(L
2-Ar
2)(L
3-Ar
3)、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
L
2及びL
3は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
Ar
2及びAr
3は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルケニル、置換若しくは無置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
【化2】
は、以下の式1-1又は1-2:
【化3】
で表される。
【0009】
式1-1及び1-2において、
X
1~X
25は、それぞれ独立して、N又はCR
aを表し、
R
aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換モノ若しくはジ(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ若しくはジ(C6~C30)アリールアミノ、又は置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表し、或いは隣接する置換基と連結して環を形成していてもよく;
*はL
1と連結している位置を表す。
【化4】
【0010】
式2において、
Xは、O又はSを表し、
L4及びL5は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表し;
Ar4及びAr5は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表し;
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、又は-SiR11R12R13を表し;
aは1~4の整数を表し、bは1~3の整数を表し、a及びbがそれぞれ2以上の整数を表す場合には、R1のそれぞれ及びR2のそれぞれは、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0011】
発明の有利な効果
本開示の複数のホスト材料を用いることにより、低い駆動電圧、高い発光効率、及び/又は優れた寿命特性を有する有機エレクトロルミネセントデバイスを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示が詳細に説明される。しかしながら、以下の説明は、本開示を説明することを意図し、本開示の範囲を限定することを決して意味しない。
【0013】
「有機エレクトロルミネセント化合物」という用語は、本開示では、有機エレクトロルミネセントデバイスに使用され得、且つ必要に応じて、有機エレクトロルミネセントデバイスを構成するいずれかの層に含まれ得る化合物を意味する。
【0014】
本開示における用語「有機エレクトロルミネセント材料」は、有機エレクトロルミネセントデバイスに使用され得る、少なくとも1つの化合物を含み得る材料を意味する。有機エレクトロルミネセント材料は、必要に応じて、有機エレクトロルミネセントデバイスを構成する任意の層に含まれ得る。例えば、有機エレクトロルミネセント材料は、正孔注入材料、正孔輸送材料、正孔補助材料、発光補助材料、電子阻止材料、発光材料(ホスト材料及びドーパント材料を含む)、電子緩衝材料、正孔阻止材料、電子輸送材料、電子注入材料などであり得る。
【0015】
本開示における用語「複数のホスト材料」は、有機エレクトロルミネセントデバイスを構成する任意の発光層に含まれ得る、少なくとも2種の化合物の組み合わせを含むホスト材料を意味する。それは、有機エレクトロルミネセントデバイスに含まれる前の(例えば、蒸着前の)材料及び有機エレクトロルミネセントデバイスに含まれた後の(例えば、蒸着後の)材料の両方を意味し得る。例えば、本開示の複数のホスト材料は、少なくとも2つのホスト材料の組み合わせであり、有機エレクトロルミネセント材料に含まれる従来の材料を選択的に更に含み得る。本開示の複数のホスト材料に含まれる少なくとも2種の化合物は、1つの発光層に一緒に含まれていてもよく、或いは異なる発光層にそれぞれ含まれていてもよい。例えば、少なくとも2つのホスト材料は、混合蒸発若しくは共蒸発され得るか、又は個別に蒸発され得る。
【0016】
本明細書において、用語「(C1~C30)アルキル」は、鎖を構成する1~30個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキルであることを意味し、ここで、炭素原子の数は、好ましくは、1~10個、より好ましくは1~6個である。上記アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル等を含み得る。
【0017】
本明細書では、「(C3~C30)シクロアルキル」という用語は、3~30個の環骨格炭素原子を有するモノ-又はポリ-環状炭化水素であることを意味し、ここで、炭素原子の数は、好ましくは3~20個、より好ましくは3~7個である。上記のシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルなどを含み得る。
【0018】
「(3~7員)ヘテロシクロアルキル」という用語は、3~7個の環骨格原子を有し、且つB、N、O、S、Si、及びPからなる群、好ましくはO、S、及びNからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含むシクロアルキルであることが意図される。上記のヘテロシクロアルキルには、テトラヒドロフラン、ピロリジン、チオラン、テトラヒドロピランなどが含まれ得る。
【0019】
「(C6~C30)アリール」及び「(C6~C30)アリーレン」という用語は、6~30個の環骨格炭素原子を有する芳香族炭化水素に由来する単環式又は縮合環のラジカルであることを意味する。上記アリール、及びアリーレンは、部分的に飽和であってもよい。上記アリールはスピロ構造を含み得る。上記のアリールには、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、キンクフェニル、ナフチル、ビナフチル、フェニルナフチル、ナフチルフェニル、フルオレニル、フェニルフルオレニル、ジフェニルフルオレニル、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、フェナントレニル、フェニルフェナントレニル、ベンゾフェナントレニル、アントラセニル、インデニル、トリフェニレニル、ピレニル、テトラセニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニル、スピロビフルオレニル、スピロ[フルオレン-ベンゾフルオレン]イル、スピロ[シクロペンテン-フルオレン]イル、スピロ[ジヒドロインデン-フルオレン]イル、アズレニル、テトラメチルジヒドロフェナントレニル等が含まれ得る。具体的には、上記のアリールには、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アントリル、2-アントリル、9-アントリル、ベンズアントリル、1-フェナントリル、2-フェナントリル、3-フェナントリル、4-フェナントリル、9-フェナントリル、ナフタセニル、ピレニル、1-クリセニル、2-クリセニル、3-クリセニル、4-クリセニル、5-クリセニル、6-クリセニル、ベンゾ[c]フェナントリル、ベンゾ[g]クリセニル、1-トリフェニレニル、2-トリフェニレニル、3-トリフェニレニル、4-トリフェニレニル、1-フルオレニル、2-フルオレニル、3-フルオレニル、4-フルオレニル、9-フルオレニル、ベンゾ[a]フルオレニル、ベンゾ[b]フルオレニル、ベンゾ[c]フルオレニル、ジベンゾフルオレニル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、o-テルフェニル、m-テルフェニル-4-イル、m-テルフェニル-3-イル、m-テルフェニル-2-イル、p-テルフェニル-4-イル、p-テルフェニル-3-イル、p-テルフェニル-2-イル、m-クアテルフェニル、3-フルオランテニル、4-フルオランテニル、8-フルオランテニル、9-フルオランテニル、ベンゾフルオランテニル、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,3-キシリル、3,4-キシリル、2,5-キシリル、メシチル、o-クメニル、m-クメニル、p-クメニル、p-tert-ブチルフェニル、p-(2-フェニルプロピル)フェニル、4’-メチルビフェニル、4”-tert-ブチル-p-テルフェニル-4-イル、9,9-ジメチル-1-フルオレニル、9,9-ジメチル-2-フルオレニル、9,9-ジメチル-3-フルオレニル、9,9-ジメチル-4-フルオレニル、9,9-ジフェニル-1-フルオレニル、9,9-ジフェニル-2-フルオレニル、9,9-ジフェニル-3-フルオレニル、9,9-ジフェニル-4-フルオレニル、11,11-ジメチル-1-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-2-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-3-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-4-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-5-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-6-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-7-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-8-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-9-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-10-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジメチル-1-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-2-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-3-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-4-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-5-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-6-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-7-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-8-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-9-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-10-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジメチル-1-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-2-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-3-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-4-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-5-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-6-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-7-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-8-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-9-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジメチル-10-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-1-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-2-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-3-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-4-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-5-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-6-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-7-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-8-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-9-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-10-ベンゾ[a]フルオレニル、11,11-ジフェニル-1-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-2-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-3-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-4-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-5-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-6-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-7-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-8-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-9-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-10-ベンゾ[b]フルオレニル、11,11-ジフェニル-1-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-2-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-3-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-4-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-5-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-6-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-7-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-8-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-9-ベンゾ[c]フルオレニル、11,11-ジフェニル-10-ベンゾ[c]フルオレニル、9,9,10,10-テトラメチル-9,10-ジヒドロ-1-フェナントレニル、9,9,10,10-テトラメチル-9,10-ジヒドロ-2-フェナントレニル、9,9,10,10-テトラメチル-9,10-ジヒドロ-3-フェナントレニル、9,9,10,10-テトラメチル-9,10-ジヒドロ-4-フェナントレニル等が含まれ得る。
【0020】
用語「(3~30員)ヘテロアリール」又は「(3~30員)ヘテロアリーレン」は、3~30個の環骨格原子を有し、且つB、N、O、S、Si、及びPからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含むアリール基であることを意味する。ヘテロ原子の数は、好ましくは1~4個である。上記ヘテロアリールは、単環式環、又は少なくとも1つのベンゼン環と縮合した縮合環であってよく、部分的に飽和していてもよく、単結合を介してヘテロアリール基に少なくとも1つのヘテロアリール又はアリール基を結合することにより形成されるものであってよく、スピロ構造を含み得る。上記ヘテロアリールとしては、フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、及びピリダジニル等などの単環型ヘテロアリール;並びにベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ジベンゾセレノフェニル、ナフトベンゾチオフェニル、ナフトオキサゾリル、ベンゾフロキノリニル、ベンゾフロキナゾリニル、ベンゾフロナフチリジニル、ベンゾフロピリミジニル、ナフトフロピリミジニル、ベンゾチエノキノリニル、ベンゾチエノキナゾリニル、ナフチリジニル、ベンゾチエノナフチリジニル、ベンゾチエノピリミジニル、ナフトチエノピリミジニル、ピリミドインドリル、ベンゾピリミドインドリル、ベンゾフロピラジニル、ナフトフロピラジニル、ベンゾチエノピラジニル、ナフトチエノピラジニル、ピラジノインドリル、ベンゾピラジノインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、ベンゾキナゾリニル、キノキサリニル、ベンゾキノキサリニル、カルバゾリル、ベンゾカルバゾリル、ジベンゾカルバゾリル、フェノキサジニル、フェナントリジニル、ベンゾジオキソリル、ジヒドロアクリジニル、ベンゾトリアゾリル、フェナジニル、イミダゾピリジル、クロメノキナゾリニル、チオクロメノキナゾリニル、ジメチルベンゾピリミジニル、インドロカルバゾリル、インデノカルバゾリル等などの縮合環型ヘテロアリールを挙げることができる。より具体的には、上記ヘテロアリールとしては、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、ピラジニル、2-ピリジル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、6-ピリミジニル、1,2,3-トリアジン-4-イル、1,2,4-トリアジン-3-イル、1,3,5-トリアジン-2-イル、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、1-ピラゾリル、1-インドリジジニル、2-インドリジジニル、3-インドリジジニル、5-インドリジジニル、6-インドリジジニル、7-インドリジジニル、8-インドリジジニル、2-イミダゾピリジニル、3-イミダゾピリジニル、5-イミダゾピリジニル、6-イミダゾピリジニル、7-イミダゾピリジニル、8-イミダゾピリジニル、3-ピリジル、4-ピリジル、1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル、4-インドリル、5-インドリル、6-インドリル、7-インドリル、1-イソインドリル、2-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル、2-フリル、3-フリル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、4-ベンゾフラニル、5-ベンゾフラニル、6-ベンゾフラニル、7-ベンゾフラニル、1-イソベンゾフラニル、3-イソベンゾフラニル、4-イソベンゾフラニル、5-イソベンゾフラニル、6-イソベンゾフラニル、7-イソベンゾフラニル、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、6-キノリル、7-キノリル、8-キノリル、1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル、6-イソキノリル、7-イソキノリル、8-イソキノリル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、6-キノキサリニル、1-カルバゾリル、2-カルバゾリル、3-カルバゾリル、4-カルバゾリル、9-カルバゾリル、アザカルバゾール-1-イル、アザカルバゾール-2-イル、アザカルバゾール-3-イル、アザカルバゾール-4-イル、アザカルバゾール-5-イル、アザカルバゾール-6-イル、アザカルバゾール-7-イル、アザカルバゾール-8-イル、アザカルバゾール-9-イル、1-フェナントリジニル、2-フェナントリジニル、3-フェナントリジニル、4-フェナントリジニル、6-フェナントリジニル、7-フェナントリジニル、8-フェナントリジニル、9-フェナントリジニル、10-フェナントリジニル、1-アクリジニル、2-アクリジニル、3-アクリジニル、4-アクリジニル、9-アクリジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-オキサジアゾリル、5-オキサジアゾリル、3-フラザニル、2-チエニル、3-チエニル、2-メチルピロール-1-イル、2-メチルピロール-3-イル、2-メチルピロール-4-イル、2-メチルピロール-5-イル、3-メチルピロール-1-イル、3-メチルピロール-2-イル、3-メチルピロール-4-イル、3-メチルピロール-5-イル、2-tert-ブチルピロール-4-イル、3-(2-フェニルプロピル)ピロール-1-イル、2-メチル-1-インドリル、4-メチル-1-インドリル、2-メチル-3-インドリル、4-メチル-3-インドリル、2-tert-ブチル-1-インドリル、4-tert-ブチル-1-インドリル、2-tert-ブチル-3-インドリル、4-tert-ブチル-3-インドリル、1-ジベンゾフラニル、2-ジベンゾフラニル、3-ジベンゾフラニル、4-ジベンゾフラニル、1-ジベンゾチオフェニル、2-ジベンゾチオフェニル、3-ジベンゾチオフェニル、4-ジベンゾチオフェニル、1-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、2-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、3-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、4-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、5-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、6-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、7-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、8-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、9-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、10-ナフト-[1,2-b]-ベンゾフラニル、1-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、2-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、3-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、4-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、5-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、6-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、7-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、8-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、9-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、10-ナフト-[2,3-b]-ベンゾフラニル、1-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、2-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、3-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、4-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、5-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、6-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、7-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、8-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、9-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、10-ナフト-[2,1-b]-ベンゾフラニル、1-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、2-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、3-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、4-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、5-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、6-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、7-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、8-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、9-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、10-ナフト-[1,2-b]-ベンゾチオフェニル、1-ナフト-[2,3-b]-ベンゾチオフェニル、2-ナフト-[2,3-b]-ベンゾチオフェニル、3-ナフト-[2,3-b]-ベンゾチオフェニル、4-ナフト-[2,3-b]-ベンゾチオフェニル、5-ナフト-[2,3-b]-ベンゾチオフェニル、1-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、2-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、3-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、4-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、5-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、6-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、7-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、8-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、9-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、10-ナフト-[2,1-b]-ベンゾチオフェニル、2-ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジニル、6-ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジニル、7-ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジニル、8-ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジニル、9-ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジニル、2-ベンゾチオ[3,2-d]ピリミジニル、6-ベンゾチオ[3,2-d]ピリミジニル、7-ベンゾチオ[3,2-d]ピリミジニル、8-ベンゾチオ[3,2-d]ピリミジニル、9-ベンゾチオ[3,2-d]ピリミジニル、2-ベンゾフロ[3,2-d]ピラジニル、6-ベンゾフロ[3,2-d]ピラジニル、7-ベンゾフロ[3,2-d]ピラジニル、8-ベンゾフロ[3,2-d]ピラジニル、9-ベンゾフロ[3,2-d]ピラジニル、2-ベンゾチオ[3,2-d]ピラジニル、6-ベンゾチオ[3,2-d]ピラジニル、7-ベンゾチオ[3,2-d]ピラジニル、8-ベンゾチオ[3,2-d]ピラジニル、9-ベンゾチオ[3,2-d]ピラジニル、1-シラフルオレニル、2-シラフルオレニル、3-シラフルオレニル、4-シラフルオレニル、1-ゲルマフルオレニル、2-ゲルマフルオレニル、3-ゲルマフルオレニル、4-ゲルマフルオレニル、1-ジベンゾセレノフェニル、2-ジベンゾセレノフェニル、3-ジベンゾセレノフェニル、4-ジベンゾセレノフェニル等を挙げることができる。更に、「ハロゲン」には、F、Cl、Br、及びIが含まれる。
【0021】
加えて、「オルト(o-)」、「メタ(m-)」、及び「パラ(p-)」は、それぞれ置換基の相対位置を表す接頭辞である。オルトは、2つの置換基が互いに隣接することを示し、例えば、ベンゼン誘導体の2つの置換基が1位と2位又は2位と3位を占めるとき、それはオルト位と呼ばれる。メタは、2個の置換基が1位及び3位にあることを表し、例えばベンゼン誘導体の2個の置換基が1位及び3位を占めるとき、それはメタ位と呼ばれる。パラは、2個の置換基が1位及び4位にあることを表し、例えばベンゼン誘導体の2個の置換基が1位及び4位を占めるとき、それはパラ位と呼ばれる。
【0022】
本明細書において、表現「置換又は無置換」における「置換」は、特定の官能基中の水素原子が別の原子又は別の官能基、即ち置換基で置き換えられていることを意味し、水素原子が、上記の置換基の2つ以上の置換基の結合によって形成される基で置き換えられている場合も包含する。例えば、「2個以上の置換基の連結により形成される基」は、ピリジン-トリアジンであり得る。すなわち、ピリジン-トリアジンは、1つのヘテロアリール置換基として又は2つのヘテロアリール置換基が結合している置換基として解釈され得る。本明細書において、置換(C1~C30)アルキル、置換(C6~C30)アリール(エン)、置換(3~7員)ヘテロアリール(エン)、置換(C3~C30)シクロアルキル、置換(C3~C30)シクロアルケニル、置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、置換(C1~C30)アルコキシ、置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換モノ若しくはジ(C1~C30)アルキルアミノ、置換モノ若しくはジ(C6~C30)アリールアミノ、及び置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノの置換基は、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン;シアノ;カルボキシル;ニトロ;ヒドロキシル;(C1~C30)アルキル;ハロ(C1~C30)アルキル;(C2~C30)アルケニル;(C2~C30)アルキニル;(C1~C30)アルコキシ;(C1~C30)アルキルチオ;(C3~C30)シクロアルキル;(C3~C30)シクロアルケニル;(3~7員)ヘテロシクロアルキル;(C6~C30)アリールオキシ;(C6~C30)アリールチオ;無置換であるか(C6~C30)アリールで置換された(5~30員)ヘテロアリール;無置換であるか(5~30員)ヘテロアリールで置換された(C6~C30)アリール;トリ(C1~C30)アルキルシリル;トリ(C6~C30)アリールシリル;ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル;(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル;アミノ;モノ若しくはジ(C1~C30)アルキルアミノ;無置換であるか(C1~C30)アルキルで置換されたモノ若しくはジ(C6~C30)アリールアミノ;(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノ;(C1~C30)アルキルカルボニル;(C1~C30)アルコキシカルボニル;(C6~C30)アリールカルボニル;ジ(C6~C30)アリールボロニル;ジ(C1~C30)アルキルボロニル;(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールボロニル;(C6~C30)アリール(C1~C30)アルキル;及び(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールからなる群から選択される少なくとも1つである。例えば、置換基は、それぞれ独立して、カルバゾリル、無置換であるかナフチルで置換されたフェニル、ビフェニル、ナフチル、ジベンゾフラニル、フェナントレニル、ベンゾカルバゾリル、ジメチルフルオレニル、又は無置換であるかフェニルで置換されたナフチルからなる群から選択される少なくとも1つであってよい。
【0023】
本開示の式において、隣接する置換基の結合によって環が形成される場合、環は、少なくとも2つの隣接する置換基の結合によって形成される、置換若しくは無置換の、単環式若しくは多環式の、(3~30員)脂環式環若しくは芳香族環、又はそれらの組み合わせであり得る。加えて、形成された環は、B、N、O、S、Si、及びPから選択される少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくはN、O、及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し得る。本開示の一実施形態によれば、環骨格原子の数は5~20個であり、本開示の別の実施形態によれば、環骨格原子の数は5~15個である。
【0024】
本開示の式において、ヘテロアリール又はヘテロアリーレンは、それぞれ独立して、B、N、O、S、Si、及びPから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含み得る。加えて、ヘテロ原子は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(5~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C6~C30)アリールアミノ、及び置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノからなる群から選択される少なくとも1の組み合わせであってよい。
【0025】
以降で、複数のホスト材料がより詳細に説明される。
【0026】
本開示による複数のホスト材料は、式1によって表される化合物を含む第1のホスト材料と、式2によって表される化合物を含む第2のホスト材料とを含む。複数のホスト材料は、一実施形態による有機エレクトロルミネセントデバイスの発光層に含まれ得る。
【0027】
本開示の一実施形態による第1のホスト材料は、以下の式1で表すことができる。
【化5】
【0028】
式1において、L1は、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表す。本開示の一実施形態によれば、L1は、単結合、置換若しくは無置換(C6~C25)アリーレン、又は置換若しくは無置換(5員~25員)ヘテロアリーレン、好ましくは単結合、置換若しくは無置換(C6~C18)アリーレン、又は置換若しくは無置換(5員~18員)ヘテロアリーレン、より好ましくは、単結合、置換若しくは無置換フェニレン、置換若しくは無置換ビフェニレン、置換若しくは無置換ナフチレン、置換若しくは無置換フェナントレニレン、置換若しくは無置換ジベンゾフラニレン、置換若しくは無置換カルバゾリレン、又は置換若しくは無置換ベンゾカルバゾリレンを表し得る。例えば、L1は、単結合、無置換であるかフェニル若しくは重水素で置換されたカルバゾリレン、ジベンゾフラニレン、ナフチレン、無置換であるかカルバゾリル若しくは重水素で置換されたフェニレン、ビフェニレン、フェナントレニレン、又はベンゾカルバゾリレンを表し得る。
【0029】
Ar1は、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルケニル、置換若しくは無置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、-N-(L2-Ar2)(L3-Ar3)、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表す。本開示の一実施形態によれば、Ar1は、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C25)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C3~C25)シクロアルケニル、置換若しくは無置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、-N-(L2-Ar2)(L3-Ar3)、置換若しくは無置換(C6~C25)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、好ましくは水素、置換若しくは無置換カルバゾリル、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換テルフェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換フェナントレニル、置換若しくは無置換ナフチル、置換若しくは無置換ジベンゾフラニル、置換若しくは無置換ジベンゾチオフェニル、置換若しくは無置換ベンゾカルバゾリル、置換若しくは無置換ジメチルフルオレニル、置換若しくは無置換ジフェニルアミノ、置換若しくは無置換フェニルジベンゾフラニルアミノ、又は-N-(L2-Ar2)(L3-Ar3)を表し得る。例えば、Ar1は、水素;重水素;無置換であるかフェニル、ナフチル、若しくはビフェニルで置換されたカルバゾリル;無置換であるか重水素、ジベンゾフラニル、フェナントレニル、ナフチル、ビフェニル、ベンゾカルバゾリル、若しくはジメチルフルオレニルで置換されたフェニル;テルフェニル;無置換であるかフェニル若しくは重水素で置換されたビフェニル;無置換であるかフェニルで置換されたフェナントレニル;無置換であるかフェニルで置換されたナフチル;無置換であるかフェニル、ビフェニル、若しくは重水素で置換されたジベンゾフラニル;ジベンゾチオフェニル;フェニルで置換されたベンゾカルバゾリル;ジメチルフルオレニル;ジメチルベンゾフルオレニル;スピロビフルオレニル;ジベンゾセレノフェニル;フェニルカルバゾリルアミノ;ジフェニルアミノ;又は-N-(L2-Ar2)(L3-Ar3)を表し得る。
【0030】
L2及びL3は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表す。本開示の一実施形態によれば、L2及びL3は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換(C6~C25)アリーレン、又は置換若しくは無置換(6~25員)ヘテロアリーレン、好ましくは単結合、置換若しくは無置換(C6~C18)アリーレン、又は置換若しくは無置換(6~18員)ヘテロアリーレンを表し得る。例えば、L2及びL3は、それぞれ独立して、単結合、フェニレン、又は無置換であるか重水素で置換されたカルバゾリレンを表し得る。
【0031】
Ar
2及びAr
3は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルケニル、置換若しくは無置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表す。本開示の一実施形態によれば、Ar
2及びAr
3は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C1~C25)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C25)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C3~C25)シクロアルケニル、置換若しくは無置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C25)アリール、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリール、好ましくは置換若しくは無置換(C3~C18)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C18)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C18)シクロアルケニル、置換若しくは無置換(3~7員)ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C18)アリール、又は置換若しくは無置換(3~18員)ヘテロアリール、より好ましくは置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換カルバゾリル、ジベンゾフラニル、又はジベンゾチオフェニルを表し得る。例えば、Ar
2及びAr
3は、それぞれ独立して、無置換であるか重水素で置換されたフェニル、ジベンゾフラニル、若しくはカルバゾリル;無置換であるか重水、フェニル、ビフェニル、若しくはナフチルで置換されたカルバゾリル;無置換であるか重水素で置換されたジベンゾフラニル;又はジベンゾチオフェニルを表し得る。
【化6】
は、以下の式1-1又は式1-2で表すことができる。
【化7】
【0032】
式1-1及び1-2において、X1~X25は、それぞれ独立して、N又はCRaを表し、Raは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換モノ若しくはジ(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ若しくはジ(C6~C30)アリールアミノ、又は置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表し、或いは隣接する置換基と連結して環を形成していてもよい。例えば、Raは、水素、重水素、置換若しくは無置換フェニルを表すことができ、或いは隣接する置換基と連結して置換若しくは無置換の芳香族環を形成していてもよい。
【0033】
本開示の一実施形態によれば、X1、X2、X10、X13、及びX15~X18は、それぞれ独立して、CRaを表すことができ、ここでRaは、水素又は重水素であってよく、或いは隣接する置換基と連結してベンゼン環を形成していてもよい。
【0034】
*はL1と連結している位置を表す。
【0035】
本開示の一実施形態によれば、式1は、以下の式1-1-1で表され得る。
【化8】
【0036】
式1-1-1において、R41~R43は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換モノ若しくはジ(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ若しくはジ(C6~C30)アリールアミノ、又は置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表し、或いは隣接する置換基と連結して環を形成していてもよい。例えば、R41~R43は、それぞれ独立して、水素、重水素、又は置換若しくは無置換フェニルを表すことができ、或いは互いと縮合して置換若しくは無置換の芳香族環を形成していてもよい。
【0037】
baは1~3の整数を表すことができ、bbは1~4の整数を表すことができ、bcは1~5の整数を表すことができ、ba、bb、及びbcがそれぞれ2以上の整数を表す場合には、R41のそれぞれ、R42のそれぞれ、及びR43のそれぞれは、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0038】
本開示の一実施形態によれば、式1-2は、以下の式1-2-1で表され得る。
【化9】
【0039】
式1-2-1において、R31~R34は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシ、置換若しくは無置換トリ(C1~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換ジ(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキルジ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換トリ(C6~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C1~C30)アルキルアミノ、置換若しくは無置換モノ-若しくはジ-(C6~C30)アリールアミノ、又は置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル(C6~C30)アリールアミノを表し、或いは隣接する置換基と連結して環を形成していてもよい。例えば、R31~R34は、それぞれ独立して、水素、重水素、又は置換若しくは無置換フェニルであってよく、或いは互いと縮合して置換若しくは無置換の芳香族環を形成していてもよい。
【0040】
aaは1~3の整数を表すことができ、ab及びacはそれぞれ独立して1~4の整数を表すことができ、adは1又は2の整数を表すことができaa、ab、ac、及びadがそれぞれ2以上の整数を表す場合には、R31のそれぞれ、R32のそれぞれ、R33のそれぞれ、及びR34それぞれは、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0041】
本開示の一実施形態によれば、式1におけるAr
2とAr
3のうちの少なくとも1つは、以下の式1-3-1~1-3-4のうちのいずれか1つによって表され得る。
【化10】
【0042】
式1-3-1~1-3-4において、Tは、O、S、CR5R6、NR7、又はSeを表す。R3~R7はRaと同じ定義を有し、cは1~4の整数を表し、dは1~3の整数を表し、c及びdがそれぞれ2以上の整数を表す場合には、R3のそれぞれ及びR4のそれぞれは、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0043】
例えば、Tは、O、S、CR5R6、NR7、又はSeを表すことができ、この場合、R5~R7は、それぞれ独立して、メチル、フェニル、ビフェニル、又はナフチルを表すことができる。
【0044】
本開示の一実施形態による別のホスト材料として、第2のホスト化合物は、以下の式2で表される。
【化11】
【0045】
式2において、XはO又はSを表す。
【0046】
L4及びL5は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換(C6~C30)アリーレン又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリーレンを表す。本開示の一実施形態によれば、L4及びL5は、それぞれ独立して、単結合、置換若しくは無置換(C6~C25)アリーレン、又は置換若しくは無置換(3~25員)ヘテロアリーレンを表し、好ましくは、単結合、置換若しくは無置換フェニレン、置換若しくは無置換ビフェニレン、置換若しくは無置換テルフェニレン、置換若しくは無置換フェナントレニレン、置換若しくは無置換ナフチレン、又は置換若しくは無置換ジベンゾフラニレンを表す。例えば、L4及びL5は、それぞれ独立して、単結合、無置換であるかナフチルで置換されたフェニレン、ビフェニレン、テルフェニレン、フェナントレニレン、無置換であるかフェニル若しくはナフチルで置換されたジベンゾフラニレン、無置換であるかフェニルで置換されたナフチレン、フェナントロ[3,4-d]オキサゾリル、フェナントロ[4,3-d]オキサゾリル、又はフェナントロ[3,4-d]チアゾリルを表し得る。
【0047】
Ar4及びAr5は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、又は置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリールを表す。本開示の一実施形態によれば、Ar4及びAr5は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換(C6~C25)アリール、好ましくは置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換テルフェニル、置換若しくは無置換クアテルフェニル、置換若しくは無置換ベンゾフェナントレニル、置換若しくは無置換ジベンゾフラニル、置換若しくは無置換ナフチル、置換若しくは無置換フェナントレニル、置換若しくは無置換フルオラントレニル、又は置換若しくは無置換トリフェニレニルを表し得る。例えば、Ar4及びAr5は、それぞれ独立して、無置換であるかナフチル、フェナントレニル、ビフェニル、テルフェニル、又はフェニル置換ナフチルで置換されたフェニル;無置換であるかフェニル若しくはビフェニルで置換されたビフェニル;無置換であるかフェニルで置換されたテルフェニル;クアテルフェニル;ベンゾフェナントレニル;無置換であるかフェニル、ビフェニル、フェニル置換ナフチル、ナフチル、ナフチル置換フェニル、又はフェナントレニルで置換されたジベンゾフラニル;無置換であるかフェニル、ビフェニル、ナフチルで置換されたナフチル;無置換であるかフェニル、ビフェニル、ナフチルで置換されたフェナントレニル;フルオラントレニル;トリフェニレニル;フェニルで置換されたフェナントロ[3,4-d]オキサゾリル;フェニルで置換されたフェナントロ[4,3-d]オキサゾリル;又はフェニルで置換されたフェナントロ[3,4-d]チアゾリルを表し得る。
【0048】
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3員~30員)ヘテロアリール、又は-SiR11R12R13を表す。本開示の一実施形態によれば、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換若しくは無置換(C1~C25)アルキル、置換若しくは無置換(C6~C25)アリール、置換若しくは無置換(3員~25員)ヘテロアリール、好ましくは水素、置換若しくは無置換フェニル、置換若しくは無置換ビフェニル、置換若しくは無置換ナフチル、又は置換若しくは無置換フェナントレニルを表し得る。例えば、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、無置換であるかナフチルで置換されたフェニル、ビフェニル、無置換であるかフェニルで置換されたナフチル、又はフェナントレニルを表し得る。
【0049】
aは、1~4の整数を表し、bは、1~3の整数を表し、a及びbがそれぞれ2以上の整数を表す場合には、R1のそれぞれ及びR2のそれぞれは、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0050】
本開示の一実施形態によれば、式2は、以下の式2-1~2-4のいずれか1つによって表され得る。
【化12】
【0051】
式2-1~2-4において、X、R1、R2、L4、L5、Ar4、Ar5、a、及びbは、式2で定義されたものと同じ定義を有する。
【0052】
本開示の一実施形態によれば、式1で表される化合物は、以下の化合物からなる群から選択され得るが、それらに限定されない。
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【0053】
上記化合物において、Dnは、n個の水素が重水素で置き換えられていることを表す。
【0054】
本開示の一実施形態によれば、式2で表される化合物は、以下の化合物からなる群から選択され得るが、それらに限定されない。
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【0055】
化合物H1-1~H1-151の少なくとも1つと、化合物C-1~C-397の少なくとも1つとの組み合わせは、有機エレクトロルミネセントデバイスで使用され得る。
【0056】
本開示による式1で表される化合物、具体的には、式1-1で表される化合物は、(特許文献2)(2018年2月23日出願)に開示の方法を参照することによって合成することができ、式1-2で表される化合物は、(特許文献3)(2018年2月6日公開)に開示の方法を参照することによって合成することができるが、これらに限定されず、当業者に公知の他の合成方法によって調製することもできる。
【0057】
式2によって表される化合物は、当業者に公知の合成方法によって調製することができ、例えば以下の反応スキーム1を参照して製造することができるが、これに限定されない。
[反応スキーム1]
【化40】
【0058】
反応スキーム1において、X、R1、R2、L4、L5、Ar4、Ar5、a、及びbは、式2で定義したものと同じ定義を有し、Halはハロゲンを表す。
【0059】
式1及び2によって表される化合物の例示的な合成例が上で記載されているが、当業者は、それらの全てがブックワルド-ハートウィッグクロスカップリング反応、N-アリール化反応、H-mont媒介エーテル化反応、宮浦ホウ素化反応、鈴木クロスカップリング反応、分子内酸誘発環化反応、Pd(II)触媒酸化的環化反応、グリニャール反応、ヘック反応、脱水閉環反応、SN1置換反応、SN2置換反応、及びホスフィン媒介還元的環化反応等に基づくこと、並びに式1及び2において定義されているが具体的な合成例に明記されていない置換基が結合されている場合でも、上記の反応が進行することを容易に理解することができるであろう。
【0060】
以降で、上述した複数のホスト材料を使用する有機エレクトロルミネセントデバイスについてより詳細に説明する。
【0061】
本開示は、アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間の少なくとも1つの発光層を含む有機エレクトロルミネセントデバイスであって、少なくとも1つの発光層が本開示による複数のホスト材料を含むデバイスを提供する。本開示による第1のホスト材料及び第2のホスト材料は、1つの発光層中に含まれていてもよく、或いは複数の発光層のうちの異なる発光層中にそれぞれ含まれていてもよい。本開示の複数のホスト材料は、式1で表される化合物と、式2で表される化合物とを、約1:99~約99:1、好ましくは約10:90~約90:10、より好ましくは約30:70~約70:30の比率で含み得る。加えて、所望の比率での式1で表される化合物と式2で表される化合物とは、振盪機中でそれらを混合することによって、ガラス管中で熱によりそれらを溶解させることによって、又は溶媒中にそれらを溶解させることによって、などで混ぜ合わせることができる。
【0062】
本開示の一実施形態によれば、発光層のホスト化合物に対するドーパント化合物のドーピング濃度は、20重量%未満であり得る。本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスに含まれるドーパントは、少なくとも1種のリン光性又は蛍光性ドーパントであってよく、好ましくはリン光性ドーパントである。本開示による有機エレクトロルミネセントデバイスに適用されるリン光性ドーパント材料は、特に限定されないが、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銅(Cu)、及び白金(Pt)から選択される金属原子の金属化錯体化合物、好ましくは、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銅(Cu)、及び白金(Pt)から選択される金属原子のオルト金属化錯体化合物、より好ましくはオルト金属化イリジウム錯体化合物であり得る。
【0063】
本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスに含まれるドーパントは、以下の式101によって表される化合物であり得るが、それに限定されない。
【化41】
【0064】
式101において、
L’は、以下の構造1~3:
【化42】
から選択されるいずれか1つであり、
R
100~R
103は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、無置換であるか、又は重水素及び/若しくはハロゲンで置換された(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、シアノ、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、又は置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシを表すか、或いは隣接する置換基と連結して、ピリジンと一緒に環、例えば置換若しくは無置換のキノリン、ベンゾフロピリジン、ベンゾチエノピリジン、インデノピリジン、ベンゾフロキノリン、ベンゾチエノキノリン、又はインデノキノリンを形成していてもよく;
R
104~R
107は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、無置換であるか重水素及び/若しくはハロゲンで置換された(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換(C6~C30)アリール、置換若しくは無置換(3~30員)ヘテロアリール、シアノ、又は置換若しくは無置換(C1~C30)アルコキシを表すか、或いは隣接する置換基と連結して置換若しくは無置換の環、例えば、ベンゼンと一緒に、置換若しくは無置換のナフタレン、フルオレン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、インデノピリジン、ベンゾフロピリジン、又はベンゾチエノピリジンを形成していてもよく;
R
201~R
220は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、無置換であるか重水素及び/又はハロゲンで置換された(C1~C30)アルキル、置換若しくは無置換(C3~C30)シクロアルキル、又は置換若しくは無置換(C6~C30)アリールを表し、或いは隣接する置換基と結合して、置換若しくは無置換の環を形成していてもよく、
sは、1~3の整数を表す。
【0065】
ドーパント化合物の具体的な例は、以下の通りであるが、これらに限定されない。
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【0066】
本開示による有機エレクトロルミネセントデバイスは、アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間の少なくとも1つの有機層を含む。有機層は、発光層を含み、正孔注入層、正孔輸送層、正孔補助層、発光補助層、電子輸送層、電子緩衝層、電子注入層、中間層、正孔阻止層、及び電子阻止層のいずれかから選択される少なくとも1つの層を更に含み得る。層のそれぞれは、複数の層として更に構成され得る。
【0067】
アノード及びカソードのそれぞれは、透明導電性材料から形成されていてもよく、或いは半透過性又は反射性導電性材料から形成されていてもよい。アノード及びカソードを形成する材料のタイプに応じて、有機エレクトロルミネセントデバイスは、上面発光型、下面発光型、又は両面発光型であり得る。加えて、正孔注入層は、p型ドーパントで更にドープされていてもよく、電子注入層は、n型ドーパントで更にドープされていてもよい。
【0068】
有機層には、アリールアミン系化合物及びスチリルアリールアミン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物が更に含まれていてもよい。さらに、有機材料層は、周期表の第1族の金属、第2族の金属、第4周期の遷移金属、第5周期の遷移金属、ランタニド、及びd-遷移元素の有機金属からなる群から選択される少なくとも1種の金属、又はその金属を含む少なくとも1種の錯体化合物を更に含み得る。
【0069】
加えて、本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスは、本開示の化合物に加えて、当該技術分野で公知の青色、赤色、又は緑色の発光化合物を含む少なくとも1つの発光層を更に含むことによって白色光を発し得る。加えて、必要があれば、黄色又は橙色の発光層をさらに含むこともできる。
【0070】
本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスでは、カルコゲナイド層、金属ハロゲン化物層、及び金属酸化物層から選択される少なくとも1つの層(以降「表面層」という)が、一対の電極の少なくとも一方の内表面上に配置されることが好ましい。具体的には、ケイ素及びアルミニウムのカルコゲナイド(酸化物を含む)層は、エレクトロルミネセント媒体層側のアノード表面上に好ましくは配置され、金属ハロゲン化物層又は金属酸化物層は、好ましくはエレクトロルミネセント媒体層側のカソード表面上に配置される。有機エレクトロルミネセントデバイスにおける駆動安定性は、表面層によって得ることができる。カルコゲナイドの好ましい例としては、SiOX(1≦X≦2)、AlOX(1≦X≦1.5)、SiON、SiAlON等が挙げられ;金属ハロゲン化物の好ましい例としては、LiF、MgF2、CaF2、希土類金属フッ化物等が挙げられ、金属酸化物の好ましい例としては、Cs2O、Li2O、MgO、SrO、BaO、CaO等が挙げられる。
【0071】
正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層又はそれらの組み合わせは、アノードと発光層との間に使用され得る。正孔注入層は、アノードから正孔輸送層又は電子阻止層への正孔注入障壁(又は正孔注入電圧)を低下させるために多層であってよく、2種の化合物を多層のそれぞれで同時に使用することができる。正孔輸送層又は電子阻止層は多層であってもよい。
【0072】
電子緩衝層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層又はそれらの組み合わせは、発光層とカソードとの間に使用され得る。電子緩衝層は、電子注入を制御し、且つ発光層と電子注入層との間の界面特性を改善する目的のために多層であってよく、2種の化合物が多層のそれぞれで同時に使用され得る。正孔阻止層又は電子輸送層は多層であってよく、複数の化合物が多層のそれぞれで使用され得る。
【0073】
発光補助層は、アノードと発光層との間又はカソードと発光層との間、或いはカソードと発光層との間に配置された層であり得る。アノードと発光層との間に配置される場合、発光補助層は、正孔注入及び/又は正孔輸送を促進するために、或いは電子のオーバーフローを阻止するために使用され得る。カソードと発光層との間に配置される場合、発光補助層は、電子注入及び/又は電子輸送を促進するために、或いは正孔のオーバーフローを阻止するために使用され得る。加えて、正孔補助層は、正孔輸送層(又は正孔注入層)と発光層との間に配置され、正孔の輸送速度(又は正孔注入速度)を促進又は阻止する効果を示すことができ、それによって電荷バランスを調整することができる。更に、電子阻止層は、正孔輸送層(又は正孔注入層)と発光層の間に配置され、発光層からの電子のオーバーフローを阻止し、発光層内に励起子を閉じ込めて光漏れを防止することができる。有機エレクトロルミネセントデバイスに2層以上の正孔輸送層が含まれている場合には、追加として含まれる正孔輸送層を、正孔補助層又は電子障壁層として使用することが可能である。発光補助層、正孔補助層、又は電子障壁層は、有機エレクトロルミネセントデバイスの効率及び/又は寿命を改善する効果を有し得る。
【0074】
加えて、本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスにおいて、電子輸送化合物と還元性ドーパントとの混合領域又は正孔輸送化合物と酸化性ドーパントとの混合領域は、電極対の少なくとも1つの表面に配置され得る。この場合、電子輸送化合物は、アニオンに還元され、その結果混合領域から発光媒体に電子を注入及び輸送することがより容易になる。更に、正孔輸送化合物は、カチオンに酸化され、その結果混合領域から発光媒体に正孔を注入及び輸送することがより容易になる。好ましい酸化性ドーパントには種々のルイス酸及びアクセプター化合物が含まれ、好ましい還元性ドーパントにはアルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属、及びこれらの混合物が含まれる。加えて、還元性ドーパント層を電荷発生層として使用することにより、少なくとも2つの発光層を有し、白色発光する有機エレクトロルミネセントデバイスを製造することができる。
【0075】
本開示の一実施形態による有機エレクトロルミネセント材料は、白色有機発光デバイスのための発光材料として使用され得る。白色有機発光デバイスは、R(赤色)、G(緑色)又はYG(黄緑色)、及びB(青色)発光ユニットの配置に応じて、サイドバイサイド配置方法、積層配置方法、又は色変換材料(CCM)方法等などの様々な構造を有するよう提案されてきた。加えて、本開示の一実施形態による有機エレクトロルミネセント材料は、量子ドット(QD)を含む有機エレクトロルミネセントデバイスにおいても使用され得る。
【0076】
本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスの各層を形成するために、真空蒸発、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング法等などの乾式膜形成法、又はインクジェット印刷、ノズル印刷、スロットコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、フローコーティング法等などの湿式膜形成法を使用することができる。本開示の第1のホスト化合物と第2のホスト化合物の膜が形成される場合、共蒸着又は混合蒸着が行われる。
【0077】
湿式成膜方法を用いる場合、薄膜は、各層を形成する材料をエタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の任意の好適な溶媒に溶解又は拡散させることによって形成され得る。溶媒は、各層を形成する材料が溶解又は拡散することができ、且つ膜形成能力に問題がない任意の溶媒であり得る。
【0078】
加えて、本開示の有機エレクトロルミネセントデバイスを使用して、表示システム、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートブック、PC、TV、若しくは自動車用の表示システム;又は照明システム、例えば、屋外若しくは屋内照明システムを製造することが可能である。
【0079】
本明細書では以下、本開示の化合物の調製方法及びそれらの特性、並びに本開示による複数のホスト材料を含む有機エレクトロルミネセントデバイス(OLED)の駆動電圧及び発光効率が、本開示の代表的な化合物に関して詳細に説明される。しかしながら、以下の実施例は、本開示による化合物及びそれを含むOLEDの特性について説明するにすぎず、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例0080】
実施例1:化合物H-99の調製
【化49】
フラスコ中で、化合物1(35g、120.13mmol)、2-ブロモ-9-フェニル-9H-カルバゾール(58g、180.19mmol)、CuI(11g、60.06mmol)、エチレンジアミン(8mL、120.13mmol)、及び炭酸セシウム(Cs
2CO
3)(78g、240.26mmol)を600mLのo-キシレンに溶解させ、混合物を還流下で6時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、固体の反応生成物にH
2Oを添加してこれを30分間撹拌し、濾過し、カラムクロマトグラフィーによって分離することで、化合物H-99(29.5g、収率:46.8%)を得た。
【0081】
【0082】
実施例2:化合物H-1の調製
【化50】
フラスコ中で、化合物1(10g、34.322mmol)、3-ブロモ-9-フェニル-9H-カルバゾール(16.5g、51.484mmol)、CuI(3.2g、17.162mmol)、エチレンジアミン(2.2mL、34.322mmol)、及び炭酸セシウム(Cs
2CO
3)(22.4g、68.646mmol)を171mLのo-キシレンに溶解させ、混合物を還流下で6時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、固体の反応生成物にH
2Oを添加してこれを30分間撹拌し、濾過し、カラムクロマトグラフィーによって分離することで、化合物H-1(11.4g、収率:63%)を得た。
【0083】
【0084】
実施例3:化合物H-2の調製
【化51】
フラスコ中で、化合物1(9g、30.8mmol)、4-ブロモ-9-フェニル-9H-カルバゾール(15g、46.5mmol)、Cu
2SO
4(2.5g、15.6mmol)、及び炭酸カリウム(K
2CO
3)(8.5g、61.5mmol)を200mLのo-ジクロロベンゼンに溶解させ、混合物を還流下で4時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、固体の反応生成物にH
2Oを添加してこれを30分間撹拌し、濾過し、カラムクロマトグラフィーによって分離することで、化合物H-2(4g、収率:24%)を得た。
【0085】
【0086】
実施例4:化合物H-50の調製
【化52】
フラスコ中で、化合物2(5g、15.1mmol)、3-ブロモ-9-フェニル-9H-カルバゾール(5.3g、16.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd
2dba
3)(0.69g、0.75mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos)(0.72g、1.51mmol)、及びナトリウムtert-ブトキシド(3.6g、37.8mmol)を75mLのo-キシレンに溶解させ、混合物を還流下で1.5時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、シリカを通して濾過し、カラムクロマトグラフィーで分離することで、化合物H-50(7.3g、収率:85%)を得た。
【0087】
【0088】
実施例5:化合物H-100の調製
【化53】
フラスコ中で、化合物2(7g、21.187mmol)、2-ブロモ-9-フェニル-9H-カルバゾール(7.5g、23.31mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd
2dba
3)(1.0g、1.093mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos)(1.0g、2.118mmol)、及びナトリウムtert-ブトキシド(3.0g、31.78mmol)を105mLのo-キシレンに溶解させ、混合物を還流下で1.5時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、シリカを通して濾過し、カラムクロマトグラフィーで分離することで、化合物H-100(6.5g、収率:54%)を得た。
【0089】
【0090】
実施例6:化合物H-51の調製
【化54】
フラスコ中で、化合物2(10g、30.2mmol)、4-ブロモ-9-フェニル-9H-カルバゾール(10.7g、32mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd
2dba
3)(1.4g、1.5mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos)(1.45g、3mmol)、及びナトリウムtert-ブトキシド(7.3g、75.96mmol)を150mLのo-キシレンに溶解させ、混合物を還流下で1時間撹拌した。反応終了後、混合物を酢酸エチルで抽出し、カラムクロマトグラフィーによって分離することで、化合物H-51(8g、収率:46.8%)を得た。
【0091】
【0092】
実施例7:化合物H-111の調製
【化55】
フラスコ中で、化合物3(10g、22.4mmol)、N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-1-アミン(9g、26mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd
2dba
3)(1.0g、1.1mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(SPhos)(900mg、2.2mmol)、及びナトリウムtert-ブトキシド(3.17g、33mmol)を110mLのキシレンに溶解させ、混合物を160℃で3時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、セライトを通して濾過して固体にし、その後カラムクロマトグラフィーによって分離することで、化合物H-111(7.1g、収率:45.3%)を得た。
【0093】
【0094】
実施例8:化合物H-6の調製
【化56】
フラスコ中で、化合物1(5.0g、17.213mmol)、化合物8(6.7g、18.93mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd
2dba
3)(0.78g、0.86mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(2.5g、25.819mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos)(0.82g、1.721mmol)を100mLのo-キシレン中で溶解し、混合物を還流下で1時間撹拌した。反応終了後、混合物を室温まで冷却し、セライトを通して濾過して固体にし、その後カラムクロマトグラフィーによって分離することで、化合物H-6(7.8g、収率:75%)を得た。
【0095】
デバイス実施例1~5:本開示による第1のホスト化合物と第2のホスト化合物とを共蒸着させることによるOLEDの製造
本開示に係るOLEDを作製した。最初に、OLEDのためのガラス基板上の透明電極酸化インジウムスズ(ITO)薄膜(10Ω/sq)(ジオマテック株式会社、日本)を、順次、アセトン及びイソプロピルアルコールでの超音波洗浄にかけ、次いでイソプロピルアルコール中に保存した。ITO基板は、真空蒸着装置の基板ホルダーに装着した。表2に示す化合物HI-1を真空蒸着装置の1つのセルに入れ、化合物HT-1を別のセルに入れた。2つの材料を異なる速度で蒸発させ、化合物HI-1を、化合物HI-1及び化合物HT-1の総量を基準として3重量%のドーピング量で蒸着させて、10nmの厚さを有する第1の正孔注入層を形成した。その後、化合物HT-1を第1の正孔注入層上に蒸着させて、80nmの厚さを有する第1の正孔輸送層を形成した。次に、化合物HT-2を真空蒸着装置の別のセルに導入し、セルに電流を流すことにより蒸発させ、これにより、第1の正孔輸送層上において、60nmの厚さを有する第2の正孔輸送層を蒸着させた。正孔注入層及び正孔輸送層を形成した後、以下の通り発光層をその上に蒸着させた。以下の表1に示す第1のホスト化合物と第2のホスト化合物のそれぞれを、ホストとして真空蒸着装置の2つのセルに導入し、化合物D-39をドーパントとして別のセルに導入した。2つのホスト材料を1:1の割合で蒸発させ、ドーパント材料を異なる割合で同時に蒸発させ、ドーパントをホストとドーパントとの総量に基づいて3重量%のドープ量で蒸着させて、第2の正孔輸送層上に、40nmの厚さを有する発光層を形成した。次に、電子輸送材料として50:50の重量比で化合物ET-1及び化合物EI-1を蒸発させて、発光層の上に厚さ35nmの電子輸送層を形成した。電子輸送層上に、化合物EI-1を2nmの厚さの電子注入層として蒸着させた後、Alカソードを、別の真空蒸着装置を用いることによって80nmの厚さで電子注入層の上に蒸着させ、それによってOLEDを製造した。OLEDを製造するために使用された材料は全て、10-6トールでの真空昇華によって精製した。
【0096】
比較例1~5:ホストとして比較の化合物を含むOLEDの製造
下の表1に示される第2のホスト化合物を発光層のホストとして単独で使用したことを除いて、デバイス実施例1~5と同様にOLEDを製造した。
【0097】
上記のように製造したデバイス実施例1~5、及び比較例1~5のOLEDの、5,000ニトの輝度での駆動電圧、発光効率、及び発光色、並びに10,000ニトの輝度で輝度が100%から95%に低下するのに要した時間(寿命:T95)を以下の表1に示す。
【0098】
【0099】
上の表1から、本開示による複数のホスト材料を使用するOLEDは、従来のホストの組み合わせを含む有機エレクトロルミネセントデバイスと少なくとも同等又は類似したレベルの駆動電圧及び発光効率を示すのみならず、優れた寿命特性も示すことが確認できる。
【0100】
デバイス実施例及び比較例に用いた化合物を以下の表2に示す。
【0101】
【0102】