(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178916
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】事前にトラップされたテキスト
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20241218BHJP
B41M 3/14 20060101ALI20241218BHJP
B42D 25/30 20140101ALI20241218BHJP
【FI】
H04N1/387 110
B41M3/14
B42D25/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024085954
(22)【出願日】2024-05-28
(31)【優先権主張番号】18/209,133
(32)【優先日】2023-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】エドワード エヌ.チャップマン
【テーマコード(参考)】
2C005
2H113
【Fターム(参考)】
2C005HA02
2C005HA04
2C005HA13
2C005HB01
2C005HB02
2C005HB10
2C005HB20
2C005JB22
2C005JB27
2C005JB40
2H113AA04
2H113AA05
2H113BA00
2H113BC04
2H113CA39
2H113CA40
2H113FA56
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カラー層間のカラーの位置合わせ不良によって引き起こされる、マイクロテキストをカラーで印刷する際の誤差に対処する画像処理方法、システム及びデバイスを提供する。
【解決手段】事前にトラップされたテキストを生成するための方法は、2つ以上のインクを含むカラーを提供することと、インクのうちの1つ以上を使用して、正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込むことと、新たな位置に上記カラーでキャラクタを更にn回書き込むことと、カラーを変更して、正常位置にマイクロテキストでキャラクタを書き込むことと、を伴い、結果として得られたマイクロテキストは、印刷システムを用いて記録媒体上にレンダリングすることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事前にトラップされたテキストを生成するための方法であって、
少なくとも2つのインクを含むカラーを提供することと、
前記少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して、正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込むことと、
新たな位置に前記カラーで前記キャラクタを更にn回書き込むことと、
前記カラーを変更して、前記正常位置にマイクロテキストで前記キャラクタを書き込むことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記カラーのカラーキャリブレーションを実行することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つのインクのうちの前記少なくとも1つを使用して、前記正常位置に前記マイクロテキストのキャラクタを書き込む前に、前記カラーのカラーキャリブレーションを実行することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
カラーキャリブレーションを実行した後にカラー間位置合わせ誤差を測定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ある期間後に前記カラー間位置合わせ誤差を再測定することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
カラーキャリブレーションを実行した後、かつ前記少なくとも2つのインクのうちの前記少なくとも1つを使用して、前記正常位置に前記マイクロテキストのキャラクタを書き込む前に、カラー間位置合わせ誤差を測定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ある期間後に前記カラー間位置合わせ誤差を再測定することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
事前にトラップされたテキストを記録媒体上にレンダリングするためのシステムであって、
プロセッサと、
プログラミング命令が入っているコンピュータ可読媒体と、を備え、前記プログラミング命令が、前記プロセッサに、
少なくとも2つのインクを含むカラーを提供させ、
前記少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して、正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込ませ、
新たな位置に前記カラーで前記キャラクタを更にn回書き込ませ、
前記カラーを変更させて、前記正常位置にマイクロテキストで前記キャラクタを書き込ませるように構成されている、システム。
【請求項9】
前記命令が、前記プロセッサに、前記カラーのカラーキャリブレーションを実行させるように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記命令が、前記プロセッサに、前記少なくとも2つのインクのうちの前記少なくとも1つを使用して、前記正常位置に前記マイクロテキストのキャラクタを書き込ませるように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記命令が、前記プロセッサに、カラーキャリブレーションを実行した後にカラー間位置合わせ誤差を測定させるように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記命令が、前記プロセッサに、ある期間後に前記カラー間位置合わせ誤差を再測定させるように更に構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記命令が、前記プロセッサに、カラーキャリブレーションを実行した後、かつ前記少なくとも2つのインクのうちの前記少なくとも1つを使用して、前記正常位置に前記マイクロテキストのキャラクタを書き込む前に、カラー間位置合わせ誤差を測定させるように更に構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記命令が、前記プロセッサに、ある期間後に前記カラー間位置合わせ誤差を再測定させるように更に構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
印刷システムであって、
印刷デバイスと、
プロセッサと、
プログラミング命令が入っているコンピュータ可読媒体と、を備え、前記プログラミング命令が、前記プロセッサに、
少なくとも2つのインクを含むカラーを提供させ、
前記少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して、正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込ませ、
新たな位置に前記カラーで前記キャラクタを更にn回書き込ませ、
前記カラーを変更させて、前記正常位置にマイクロテキストで前記キャラクタを書き込ませ、
前記印刷デバイスが前記マイクロテキストを記録媒体上にレンダリングすることを引き起こさせるように構成されている、システム。
【請求項16】
前記命令が、前記プロセッサに、前記カラーのカラーキャリブレーションを実行させるように更に構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記命令が、前記プロセッサに、前記少なくとも2つのインクのうちの前記少なくとも1つを使用して、前記正常位置に前記マイクロテキストのキャラクタを書き込ませるように更に構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記命令が、前記プロセッサに、カラーキャリブレーションを実行した後にカラー間位置合わせ誤差を測定させるように更に構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記命令が、前記プロセッサに、ある期間後に前記カラー間位置合わせ誤差を再測定させるように更に構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記命令が、前記プロセッサに、カラーキャリブレーションを実行した後、かつ前記少なくとも2つのインクのうちの前記少なくとも1つを使用して、前記正常位置に前記マイクロテキストのキャラクタを書き込む前に、カラー間位置合わせ誤差を測定させるように更に構成されている、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、画像処理方法、システム、及びデバイスに関する。実施形態はまた、印刷デバイス及び技術に関する。実施形態は更に、事前にトラップされたテキストをレンダリングするための方法、デバイス、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティ対策を必要とする従来の印刷プロセスでは、セキュリティ対策を提供し、印刷物の偽造を防止する際に支援するために、特殊イメージングが使用され得る。そのようなセキュリティ対策を提供するために、特殊イメージング特性を有するパターンカラー空間が使用され得る。加えて、従来の印刷プロセスでは、印刷ロゴ、シリアル番号、シート位置、又は印刷物上の他のタイプの固有の識別情報などの可変データに部分的に、パターンカラー空間が利用されてきた。
【0003】
セキュリティ用途では、改変及び偽造を防止又は妨げる情報を文書に追加することが望ましい。これらのセキュリティ要素は、文書の全体的な美観を損なう場合がある。赤外線マークテキスト及び紫外線マークテキストを含む特殊イメージングに関する情報は、このウェブページ:https://www.xerox.com/en-us/digital-printing/secure-printingで見つけることができ、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0004】
従来は、不正保護及び偽造防止手段を提供するために、印刷物において特殊イメージングが使用されてきた。いくつかの例は、処方箋、契約書、文書、クーポン、及びチケットにおいてである。典型的には、いくつかの特殊イメージング技術が、文書における様々な位置に使用され得る。しかしながら、特殊イメージングテキスト技術は、文書内のスペースを占有する。
【0005】
文書などの媒体における不動産又はスペースの問題に対処するための1つの特殊イメージングは、よく知られているセキュリティ印刷製品である特殊イメージングマイクロテキストを伴う。しかしながら、カラーテキスト(例えば、赤色又は緑色)を印刷する場合、位置合わせ誤差が、特殊イメージング製品によって提供される小さなテキストを台無しにする可能性がある。これらの問題に対処するための1つの解決策は、トラッピングを伴い、トラッピングは、医用画像の上にテキスト情報をオーバーレイするときに生じ得るアライメント不良又は位置合わせ誤差を補償することができる技法を伴う。この技法は、テキストラベルと特定の構造との正確なアライメントが重要であり得る場合に使用され得る。
【0006】
位置合わせ誤差は、画像取得デバイス、動き、又は画像処理アルゴリズムの違いなど、様々な要因によって生じ得る。これらの誤差は、画像内の実際の構造と、対応するテキストラベルとの間のアライメント不良を引き起こす可能性があり、混乱又は誤解釈につながる可能性がある。位置合わせ誤差は、複数の画像又はデータセットをアライメント又はオーバーレイしようとするときに生じ得る不正確さ又はアライメント不良を指す。これらの誤差は、イメージング、コンピュータビジョン、リモートセンシング、及びグラフィックス処理を含むイメージングを含む様々な分野で発生し得る。
【0007】
トラッピングは、位置合わせ誤差の視覚的な影響を最小限にするために、例えばテキストの外観を修正することを伴うプロセスである。主な考え方は、テキストの各キャラクタの周りに小さな境界又はハローを追加することによって、テキストの境界を拡張することである。そうすることによって、テキスト及び下にある画像が完全にアライメントされていない場合であっても、追加された境界が、アライメント不良を補償し、テキストが意図された解剖学的構造に視覚的に接続されたままであることを確実にする。
【0008】
トラッピング技術は、通常、画像を自動的に解析し、テキストラベルが存在する領域を検出するアルゴリズム又はソフトウェアツールを伴う。次いで、これらのツールは、検出されたテキストにトラッピング効果を適用し、各キャラクタの周りに必要な境界又はハローを追加する。境界のサイズ及びカラーは、通常、下にある画像細部を妨げることなく最適な可視性を確実にするように調整される。
【0009】
トラッピングを用いることによって、位置合わせ誤差を軽減することができ、画像の精度及び鮮明度を高めることができる。この技術は、画像の正確な解釈及び対応する構造の識別を容易にすることができる。トラッピングは、位置合わせ誤差に対処するためのよく知られた解決策であるが、全てのレンダリングデバイス又はシステム(例えば、印刷システム)にわたって利用可能ではなく、利用可能であっても単一のオブジェクトに対して機能しない場合がある。
【0010】
図1は、一実施形態による、ルーペ12を伴う場合と、伴わない場合のマイクロテキスト14の様々な倍率を描写する、画像10、20、30、及び40のグループを図示する。したがって、
図1は、読むことが困難な特殊イメージング効果の例を描写する。マイクロテキスト14は、文書上にレンダリングされた絵入りビュー10内に示されているが、画像10、20、及び30内に示されているルーペ12など、拡大してのみ見ることができる。
【0011】
ルーペは、小さな細部をより詳細に見るために使用することができる小型拡大デバイスであることに留意されたい。ルーペは、一般に、拡大鏡よりも高い倍率を有し、眼の近くに保持又は装着されるように設計されている。なお、このようなルーペの代わりに顕微鏡を用いることも可能である。ルーペ、顕微鏡などの拡大を可能にする任意のデバイスを使用して、マイクロテキスト14を吟味することができる。画像40において、例えば、マイクロテキスト14の細部を見るために使用され得る小型拡大デバイス16が示される。画像30は、微細ポインティングデバイス15の先端に対するマイクロテキスト14の細部を示す。
【0012】
マイクロテキスト14などのマイクロテキストは、いくつかの低解像度デバイスを除いて、概して、様々な製品ラインにわたって良好に機能する。カラー間位置合わせがほぼ完璧でない限り、2つ以上の基調カラー(CMYK+スポットカラー)で構成されるマイクロテキストの印刷は、問題がある。これは、各キャラクタの高さが6~9ピクセルという小さなサイズに起因する可能性がある。1/4ピクセルの位置合わせ誤差は、拡大なしで読み取ることが困難である可能性がある。
【0013】
いくつかのプロダクションプリンタはトラッピングをサポートすることができ、この場合に有用であり得る。この手法の欠点は、トラッピングが、蛍光テキスト及び赤外線テキストなどの他の特殊なイメージング効果を損なう可能性があることである。多くの他の製品は、トラッピングをサポートしないことを示唆する。
【0014】
図2は、カラーマイクロテキスト52の一例を描写する画像50を図示する。
図3は、
図2に示されたカラーマイクロテキスト52の拡大ビューを描写する画像60を図示する。
図2に示す画像60は、カラーマイクロテキストで100000箇所のPiを示している。
図3の画像60に示されるようなカラーマイクロテキスト52の拡大ビューは、複数のプライマリーカラー又はスポットカラーで構成されるマイクロテキストがどのように拡大し始め、判読不能になり得るか(例えば、赤色及び緑色)を示す。
【発明の概要】
【0015】
以下の概要は、開示される実施形態に特有の革新的な特徴の一部の理解を容易にするために提供されるものであり、完全な説明を意図するものではない。本明細書に開示される実施形態の様々な態様の完全な理解は、本明細書全体、特許請求の範囲、図面、及び要約書をまとめて見ることによって得ることができる。
【0016】
したがって、実施形態の一態様は、改善された画像処理方法、システム、及びデバイスを提供することである。
【0017】
実施形態の別の態様は、テキストを事前にトラップするための方法、システム、及びデバイスを提供することである。
【0018】
本実施形態の更なる態様は、カラー層間のカラーの位置合わせ不良によって引き起こされる、マイクロテキストをカラーで印刷する際の誤差に対処するための解決策を提供することである。
【0019】
上述の態様、並びに他の目的及び有益性は、ここで本明細書に記載されるように達成することができる。一実施形態では、事前にトラップされたテキストを生成するための方法は、少なくとも2つのインクを含むカラーを提供することと、少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して、正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込むことと、新たな位置に上記カラーでキャラクタを更にn回書き込むことと、カラーを変更して、正常位置にマイクロテキストでキャラクタを書き込むことと、を含み得る。結果として得られた、又は生成されたマイクロテキストは、印刷システムによって記録媒体(例えば、文書、基材など)上にレンダリングすることができる。
【0020】
一実施形態は、カラーのカラーキャリブレーションを実行することを更に伴い得る。
【0021】
一実施形態はまた、少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して正常位置にマイクロテキストでキャラクタを書き込む前に、カラーのカラーキャリブレーションを実行することを伴い得る。
【0022】
一実施形態は、カラーキャリブレーションを実行した後にカラー間位置合わせ誤差を測定することを更に伴い得る。
【0023】
一実施形態は、ある期間後にカラー間位置合わせ誤差を再測定することを更に伴い得る。
【0024】
一実施形態は、カラーキャリブレーションを実行した後、かつ少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込む前に、カラー間位置合わせ誤差を測定することを伴い得る。
【0025】
一実施形態では、事前にトラップされたテキストを記録媒体上にレンダリングするためのシステムは、プロセッサと、プログラミング命令が入っているコンピュータ可読媒体と、を含み得、プログラミング命令が、プロセッサに、少なくとも2つのインクを含むカラーを提供させ、少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して、正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込ませ、新たな位置に上記カラーでキャラクタを更にn回書き込ませ、カラーを変更して、正常位置にマイクロテキストでキャラクタを書き込ませるように構成されている。
【0026】
一実施形態では、印刷システムは、印刷デバイスと、プロセッサと、プログラミング命令が入っているコンピュータ可読媒体と、を含み得、プログラミング命令は、プロセッサに、少なくとも2つのインクを含むカラーを提供させ、少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して、正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込ませ、新たな位置に上記カラーでキャラクタを更にn回書き込ませ、カラーを変更させて、正常位置にマイクロテキストでキャラクタを書き込ませ、印刷デバイスがマイクロテキストを記録媒体上にレンダリングすることを引き起こさせるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
同様の参照番号が、別個の図全体をとおして同一又は機能的に類似した要素を指し、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成している添付図面は、本発明を更に例示し、本発明の詳細な説明とともに本発明の原理を説明する役割を果たす。
【
図1】マイクロテキストに関してルーペの様々な倍率を描写する画像のグループを示す。
【
図2】カラーマイクロテキストの一例を描写する画像を示す。
【
図3】
図2に示されたカラーマイクロテキストの拡大ビューを描写する画像を示す。
【
図4】一実施形態による、小さな位置合わせ誤差を有する単語「TEXT」の例示的なマイクロテキストを示す。
【
図5】一実施形態による、中程度の位置合わせ誤差を有する単語「TEXT」のマイクロテキストを示す。
【
図6】一実施形態による、大きな位置合わせ誤差を有する単語「TEXT」のマイクロテキストを示す。
【
図7】一実施形態による、位置合わせ誤差がトラップされた単語「TEXT」のマイクロテキストを示す。
【
図8】一実施形態による、同様に位置合わせ誤差がトラップされた単語「TEXT」のマイクロテキストを示す。
【
図9】一実施形態による位置合わせ誤差がトラップされた単語「TEXT」のマイクロテキストを示す。
【
図10】一実施形態による、トラップされていないマイクロテキストを示す画像を示す。
【
図11】一実施形態による、トラップされたマイクロテキストを示す画像を示す。
【
図12】一実施形態による、テキストを事前にトラップするための方法の論理的動作ステップを描写する動作のハイレベルフロー図を示す。
【
図13】開示された実施形態の1つ以上を実装するのに好適な印刷システムのブロック図を示す。
【
図14】開示された実施形態の1つ以上を実装するのに有用なデジタルフロントエンドコントローラのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
これらの非限定的な実施例で論じられる特定の値及び構成は、変更されてもよく、単に1つ以上の実施形態を例示するために引用されており、その範囲を限定することを意図するものではない。
【0029】
ここで、本主題は、本明細書の一部分を形成し、例示として特定の例示的実施形態を示す添付図面を参照して、以下により詳細に説明される。しかしながら、主題は、種々の異なる形態で具現化されてもよく、したがって、網羅又は請求される主題は、本明細書に記載される任意の例示的な実施形態に限定されないものとして解釈されることが意図される。例示的な実施形態は、単に例示のために提供される。同様に、請求又は言及される主題についてはかなり広い範囲が意図される。とりわけ、例えば、主題は、方法、デバイス、構成要素、又はシステムとして具現化され得る。したがって、実施形態は、例えばハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせ(ソフトウェア自体以外)の形態をとり得る。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。
【0030】
本明細書及び特許請求の範囲全体をとおして、用語は、明示的に記載された意味を超える文脈で示唆又は暗示される微妙な意味を有し得る。同様に、本明細書で使用するとき、「一実施形態では」又は「例示的実施形態では」などの語句及びその変形は、必ずしも同じ実施形態を指すものではなく、本明細書で使用するとき、「別の実施形態では」又は「別の例示的実施形態では」という語句及びその変形は、異なる実施形態を指す場合もあり、必ずしもそうでない場合もある。例えば、請求される主題は、例示的実施形態の全体又は一部の組み合わせを含むことを意図する。
【0031】
一般に、用語は、文脈における使用から少なくとも部分的に理解され得る。例えば、本明細書で使用される「及び」、「又は」、又は「及び/又は」などの用語は、そのような用語が使用される文脈に少なくとも部分的に依存し得る様々な意味を含み得る。典型的には、「又は」は、A、B、又はCなどのリストを関連付けるために使用される場合、包括的な意味で本明細書に使用されるA、B、及びC、並びに排他的な意味で本明細書に使用されるA、B、又はCを意味することを意図する。加えて、本明細書で使用するとき、用語「1つ以上」は、文脈に少なくとも部分的に依存して、単数の意味で任意の特徴、構造、若しくは特性を説明するために使用される場合があり、又は複数の意味における特徴、構造、又は特性の組み合わせを説明するために使用される場合もある。同様に、「a」、「an」、又は「the」などの用語もまた、文脈に少なくとも部分的に依存して、単数の使用を伝達するか、又は複数の使用を伝達することが理解され得る。加えて、用語「基づいて」は、必ずしも排他的な一組の要因を伝達することを意図するものではなく、代わりに、同じく文脈に少なくとも部分的に依存して、必ずしも明示的に記載されていない追加の要因の存在を見込み得るものとして理解され得る。更に、本明細書で利用される「少なくとも1つ」という用語は、「1つ以上」を指し得る。例えば、「少なくとも1つのウィジェット」は、「1つ以上のウィジェット」を指すことがある。
【0032】
「データ」という用語は、本明細書において、情報を示すか、又は含む物理的信号を指す。物理的な光のパターン又は物理的な光を表すデータの集合体としての「画像」は、キャラクタ、単語、及びテキスト、並びに図形などの他の特徴を含み得る。
【0033】
広く捉えると、「デジタル画像」は、デジタルデータの集合体によって表される画像であり得る。画像は、各々自体が画像である「区分」に分割され得る。画像の区分は、最大で画像全体となる任意のサイズであり、画像全体を含み得る。本明細書で使用するとき、「画像オブジェクト」又は「オブジェクト」という用語は、当該技術分野では一般に「区分」という用語と同等であると考えられ、本明細書では互換的に用いられるものとする。
【0034】
物理的な光を表すデータから構成されているデジタル画像では、データの各要素は、当該技術分野では一般的に使用され、写真要素を指す「ピクセル」と呼ばれ得る。各ピクセルは、位置及び値を有する。各ピクセル値は、画像の「2値形式」におけるビット、画像の「グレイスケール形式」におけるグレイスケール値、又は画像の「カラー座標形式」におけるカラー空間座標のセットであり、2値形式、グレイスケール形式、及びカラー座標形式は各々、画像を定義する二次元配列である。動作は、画像の一部に関するデータのアイテム上で動作するときに、「画像処理」を行うことができる。
【0035】
用語L*a*b(Lab又はLABとも呼ばれる)は、本明細書で利用されるとき、国際照明委員会(International Commission on Illumination、CIE)によって定義されたカラー空間であるCIELABカラー空間(L*a*b)に関連する。L*a*b、これはカラーを3つの値として表すものであり、L*は知覚明度、a*及びb*は、人間の視覚の4つの固有のカラーである、赤色、緑色、青色、及び黄色である。CIELABは、知覚的に均一な空間として意図されており、所与の数値変化は、同様に知覚されるカラーの変化に対応する。LAB空間は、真に知覚的に均一ではないが、それにもかかわらず、カラーの小さな差を検出するために産業において有用である。
【0036】
本明細書で利用されるとき、CMYKという用語は、CMYIカラーモデルに関連し、CYMKは、使用される4つのインクプレート、すなわち、シアン、マゼンタ、黄色、キー(黒色)を指す。CMYKモデルは、より明るい、通常は白色の背景上のカラーを部分的又は全体的にマスキングすることによって機能する。インクは、そうでなければ反射される光を減少させる。このようなモデルは、インクが白色光から赤色、緑色、及び青色を「差し引く」ので、減法と考えられる。白色光から赤色を差し引いたものはシアンを、白色光から緑色を差し引いたものはマゼンタを、そして白色光から青色を差し引いたものは黄色を残す。加法カラーモデルの一例は、RGBカラーモデルであり、このモデルでは、光の赤色、緑色、及び青色のプライマリーカラーが一緒に加えられて、広範囲のカラーを再現する。「RGB」は、3つのプライマリーカラー、すなわち、赤色、緑色、及び青色に関する。RGB(すなわち、RGBカラーモデル)は、テレビジョン及びコンピュータなどの電子システムにおける画像の感知、表現、及び表示に使用することができる。
【0037】
本明細書で使用するとき、「透かし」という用語は、媒体(例えば、文書、紙、写真、画像など)に適用され得る透明なテキスト、画像、ロゴ、又は他のマーキングの断片に関し得、これにより、(セキュリティ印刷によって透かしが適用される)媒体をコピー又は偽造すること、又は許可なく使用することをより困難にすることができる。「透かし」は、1ページ以上にわたって印刷され得る特殊目的のテキスト又は絵であり得る。例えば、配布前に文書にスタンプする代わりに、Copy、Draft、又はConfidentialのような単語を透かしとして追加することができる。
【0038】
以下の方法は、本開示の背景技術のセクションで概説した問題に対処するために実施することができる。
1)利用可能であればカラーキャリブレーションを実行する。
2)カラー間位置合わせ誤差を測定する。
3)ある期間後に再測定する。
4)マイクロフォントファイル(例えば、micro_f7)をコピーし、(例えば、micro_f7_greenに)リネームする。
5)緑色の1つの成分、例えば、黄色について、キャラクタを書き込み、移動してキャラクタを再度書き込む(ステップ1~3に基づいて全ての起こり得る位置合わせ誤差が考慮されるまで繰り返す)。
6)緑色の第2の成分、例えばシアンについて、元の位置にキャラクタを1回書き込む。
7)所望のカラーごとに、ステップ4~6を繰り返す。
【0039】
上記の手法は、マイクロテキストのいくつかのまれに使用される特徴を利用することができる。カラーを変えて、あるフォントのキャラクタ内で複数回書き込む機能は、ほとんどのフォントフォーマットでは利用できない。上記の方法は、2つ以上のトナー又はインクで構成されるカラー(例えば、黄色及びシアンで構成される緑色)から開始し、その後、(例えば、黄色で)その正常位置にキャラクタを書き込む。位置合わせ誤差アルゴリズムに基づいて、キャラクタは、新たな位置に同じカラーで更にn回書き込まれ得る。次に、カラーが(例えば、シアンに)変更されて、その正常位置にキャラクタを書き込むための動作が実行され得る。
【0040】
図4は、一実施形態による、小さい位置合わせ誤差を有する単語「TEXT」のマイクロテキスト62を示す。
図2~
図4は、x方向及びy方向の両方について、カラーの位置合わせにおける1/2、1/2、及び1ピクセル誤差を描写することを理解されたい。したがって、誤差が増大するにつれて、可読性及び所望の緑色の両方が劣化する。
【0041】
図5は、一実施形態による、中程度の位置合わせ誤差を有する単語「TEXT」のマイクロテキスト64を示す。本明細書で使用されるとき、「マイクロテキスト」という用語は、典型的には拡大の助けなしには裸眼では見えない非常に小さいテキストに関し得ることに留意されたい。それは、紙幣、パスポート、身分証明書、製品ラベル、及び他の機密文書などの様々なセキュリティ及び識別用途で一般に使用される。マイクロテキストの目的は、あるレベルのセキュリティを提供し、偽造又は無許可の複製を防止することである。
【0042】
マイクロテキストは、その非常に小さいサイズによって特徴付けることができ、多くの場合、読み取る又は検出するために、拡大レンズ、顕微鏡、又は光学リーダなどの特殊な機器を必要とする。このテキストは、正確に複製することが困難であるように意図的に設計されることが可能であり、文書セキュリティを強化するための効果的な特徴となる。
【0043】
マイクロテキストは、文字、数字、記号、又はパターンからなってもよく、典型的には、高解像度印刷技術を使用して印刷される。識別又は再現をより困難にするために、より大きな印刷デザイン内に組み込むことができ、又はイラスト又はグラフィックスなどの他の要素内に隠すことができる。
【0044】
マイクロテキストの使用は、文書におけるセキュリティの追加の層として機能し、真正性の検証、偽造の防止、又は文書検証プロセスの支援に役立ち得る隠れた特徴を提供する。その小さいサイズ及びしばしば複雑な設計は、標準的な印刷又はコピー方法を使用する複製に対して非常に耐性があり、セキュリティ用途におけるその有効性に寄与する。
【0045】
図6は、一実施形態による、大きな位置合わせ誤差を有する単語「TEXT」のマイクロテキスト66を示す。
【0046】
図7は、一実施形態による、位置合わせ誤差がトラップされた単語「TEXT」のマイクロテキスト68を示す。
【0047】
図8は、一実施形態による、同様に位置合わせ誤差がトラップされた単語「TEXT」のマイクロテキスト70を示す。
【0048】
図9は、一実施形態による位置合わせ誤差がトラップされた単語「TEXT」のマイクロテキスト72を示す。
【0049】
図5~
図7は、
図2~
図4に示すマイクロテキストの事前にトラップされたバージョンを描写している。ここで使用されるアルゴリズムは、カラーが上又は下及び左又は右にフルピクセルずつドリフトし得ると仮定することができる。より単純なバージョン(例えば、シアン)は、1ピクセルだけ右にドリフトすることができ、これは、各黄色キャラクタが2回書き込まれ得ることを意味する。
【0050】
図10は、一実施形態による、トラップされていないマイクロテキスト80を示す画像を示す。
図11は、一実施形態による、トラップされたマイクロテキスト90を示す画像を示す。
図10~
図11は、前述したようなルーペで見たときに事前にトラップされたテキストがなす差異を示す。これらの図は、観察者がその差異を見るために調整されたズームレベルを必要とし得る。トラップされたテキストは、トラップされていないテキストと比較してはるかに読みやすい。
【0051】
位置合わせ誤差がテキスト内で「トラップ」された場合、これは、誤差が、典型的にはその可視性又は影響を最小限にするやり方で、テキスト自体内に意図的に組み込まれるか、又はそれが考慮され得ることを意味することに留意されたい。この技法は、異なるカラー層間のカラーの位置合わせ不良の影響を軽減するために、印刷プロセスで用いられることができる。マイクロテキストをカラーで印刷する状況では、カラーの位置合わせ不良が印刷出力における誤差又は歪みにつながる可能性があり、テキストにおける位置合わせ誤差をトラップすることは、その位置合わせ不良を補償するための特定のステップを伴う場合がある。これらのステップは、マイクロフォントファイルを操作することと、特定の印刷技法を適用することと、を含み得る。
【0052】
カラーキャリブレーション、位置合わせ誤差の測定、及び検出された誤差に基づくキャラクタの反復的な再度書き込みを伴う、本明細書に記載の方法に従うことにより、目標は、異なるカラー層を可能な限り正確にアライメントを行うことである。このアライメントは、マイクロテキスト内の位置合わせ誤差の視覚的影響を低減するのに役立ち得、位置合わせ誤差を肉眼では目立たなくするか、又は見えなくする。
【0053】
テキストにおける位置合わせ誤差をトラップすることは、カラーの位置合わせ不良に関連する固有の課題にもかかわらず、最終的な印刷出力が意図されたように見えることを確実にすることができる。これは、アライメント不良のカラー層によって引き起こされる誤差を補償することによって、マイクロテキストのより正確で視覚的に心地よい表現を可能にすることができる。
【0054】
図12は、一実施形態による、テキストを事前にトラップするための方法100の論理的動作ステップを描写する動作のハイレベルフロー図を示す。ブロック102に示すように、カラーキャリブレーション(利用可能な場合)を実行するためのステップ又は動作を実施することができる。次に、ブロック104に示すように、カラー間位置合わせ誤差を測定するステップ又は動作を実施することができる。次に、ブロック106に示すように、ある期間後にカラー間位置合わせ誤差を再測定するステップ又は動作を実施することができる。その後、ブロック108に示すように、マイクロフォントファイル(例えば、micro_f7)をコピーし、そのファイルを(例えば、micro_f7_greenに)リネームするステップ又は動作を実施することができる。
【0055】
次に、ブロック110に示すように、緑色の1つの成分(例えば、黄色)について、キャラクタを書き込み、次いで、移動してキャラクタを再度書き込むステップ又は動作を実施することができる(注:ブロック102、104、及び106に関して実行された動作に基づいて、全ての起こり得る位置合わせ誤差が考慮されるまで繰り返す)。その後、ブロック112に示すように、緑色の第2の成分(例えば、シアン)について、元の位置にキャラクタを1回書き込むステップ又は動作を実施することができる。次いで、ブロック114に示すように、ブロック108、110、及び112のステップ又は動作を、所望のカラーごとに繰り返すことができる。
【0056】
図13のブロック104に関して上述したカラー間位置合わせ誤差を測定する動作は、印刷業界で使用されるようなカラーキャリブレーション及び位置合わせ分析のために設計された特殊機器及びソフトウェアを使用して実行することができることに留意されたい。このプロセスは、カラーキャリブレーション、テストパターン又は位置合わせマークの使用、測定デバイス、ソフトウェア分析、誤差定量化、反復的調整などの動作を伴い得る。これらの特徴は、以下でより詳細に説明される。
【0057】
カラーキャリブレーション:位置合わせ誤差を測定する前に、通常、カラーキャリブレーション手順を実行することができる。このキャリブレーションは、印刷システムが、正確なカラー再現を達成するために適切にアライメントが行われ、キャリブレーション処理されることを確実にすることができる。カラーキャリブレーションは、カラー設定、インク濃度、及び異なるカラーチャネル間の一貫性及びアライメントを確実にするための他のパラメータを調整することを伴い得る。
【0058】
テストパターン又は位置合わせマーク:テストパターン又は位置合わせマークは、使用される媒体又は基材上に印刷される。これらのパターンは、位置合わせ誤差を測定するための基準点を提供する特定の幾何学的形状又はターゲットからなる。マークは、通常、分析される各カラーチャネルに印刷される。
【0059】
測定デバイス:分光光度計又はカラー濃度計などの特殊デバイスは、サブピクセルレベルで測定することができるならば、いくつかの実施形態では、位置合わせ誤差を測定するために使用されてもよい。これらのデバイスは、印刷されたテストパターン又は位置合わせマークを分析し、異なるカラー層間のカラーアライメント及び位置合わせ不良の正確な測定を提供するために使用することができる。前述したように、顕微鏡が、実施形態とともに機能することができる。
【0060】
ソフトウェア分析:次いで、位置合わせマークから得られた測定データを、専用ソフトウェアを使用して処理及び分析することができる。そのようなソフトウェアは、所望のカラーアライメントを実際に測定された位置と比較し、各カラー成分について位置合わせ誤差を計算することができる。
【0061】
誤差定量化:位置合わせ誤差は、位置合わせマークの所望の位置と実際の位置との間の距離又はオフセットに関して定量化することができる。これは、マイクロメートル又はピクセルの分数などの単位で表すことができる。
【0062】
反復調整:測定された位置合わせ誤差に基づいて、印刷システム又はカラーの位置合わせ設定に対して調整を行うことができる。この反復プロセスは、アライメントを微調整することと、満足な位置合わせ精度が達成されるまで測定ステップを繰り返すことと、を伴う。
【0063】
カラー間位置合わせ誤差を測定するために使用され得る特定の方法及びツールは、用いられる印刷技術及び機器に応じて変化し得る。
【0064】
図13は、開示された実施形態の1つ以上を実装するのに好適な印刷システム200のブロック図を示す。
図14は、開示された実施形態の1つ以上を実装するのに有用なデジタルフロントエンド300のブロック図を示す。印刷システム200及び/又はデジタルフロントエンド300を使用して、本明細書で説明される、事前にトラップされたテキストを有する記録媒体(例えば、文書又は基材)をレンダリング(例えば、印刷)することができる。いくつかの実施形態では、
図14に示されるデジタルフロントエンド300は、
図13に示されるデジタルフロントエンド220を実施するために使用され得る。
【0065】
「キャラクタ」という用語は、本明細書で利用されるとき、マイクロテキストのキャラクタに関連し得、マイクロテキストは、小さなテキスト(すなわちマイクロテキスト)を構成する個々の文字、数字、記号、又は他のグラフィカル要素を指し得ることに留意されたい。これらのキャラクタは、標準テキストと比較してサイズが著しく小さくなるように設計することができ、拡大を使用しなければ裸眼では判読できないことが多い。
【0066】
マイクロテキスト内のキャラクタは、非常に微細かつ複雑で、正確に再現することが困難であるように注意深く作成され得る。それらは、細い線、複雑な形状、又は固有のパターンを使用するなど、それらのセキュリティ特徴を強化するための様々な技法を組み込むことができる。これらの設計要素は、マイクロテキストを、偽造又は無許可複製に対して耐性を有するようにするのを助ける。
【0067】
マイクロテキストキャラクタは、極めて小さい細部を達成することができるマイクロ印刷又は特殊印刷技術などの高解像度印刷方法を使用して印刷することができる。
図13に示される印刷システム200及び他の構成要素、並びに
図14に描写されるデジタルフロントエンド300は、マイクロテキストキャラクタを含むマイクロテキストを印刷するために使用され得る。キャラクタは、行、段落、又はより大きなデザインの一部として配置されてもよく、特定のセキュリティ目的を果たすために文書内に戦略的に配置されることが多い。
【0068】
セキュリティ用途では、マイクロテキストキャラクタを使用して、紙幣、パスポート、又は身分証明書などの機密文書に追加の保護層を追加することができることに留意されたい。それらは、特定のエリア内に隠されるか、セキュリティ特徴に統合されるか、又は目立たない位置に配置されることが可能であり、適切な機器又は技術なしでそれらを検出及び複製することを困難にする。全体として、マイクロテキストキャラクタは、マイクロテキストの重要な構成要素であり、文書のセキュリティ及び認証に寄与する隠れた複雑な要素を提供する。
【0069】
「マイクロフォントファイル」という用語は、本明細書で使用されるとき、マイクロテキストキャラクタを定義及び生成するのに必要な情報及びデータを含むことができるデジタルファイルに関連し得る。これは、マイクロテキスト用途のために特別に設計された特殊フォントファイルであり、キャラクタは、標準テキストと比較してサイズが著しく小さい。
【0070】
マイクロフォントファイルは、通常、文字、数字、記号、及び時にはマイクロテキスト表現のために特別に調整されたカスタマイズされたグラフィカル要素までも含むキャラクタのセットを含む。これらのキャラクタは、非常に微細かつ複雑になるように設計及び最適化されており、小さいサイズでの可読性及び再現性を確実にする。
【0071】
マイクロフォントファイルは、各キャラクタの形状、サイズ、間隔、及び位置決めに関連する様々なデータ及び命令を含み得る。マイクロフォントファイルは、印刷又はレンダリングのプロセス中にマイクロテキストキャラクタを正確にレンダリングするために必要な情報を提供することができる。これは、微細な細部、曲線、及びマイクロテキストに特有の特徴を伴うことができ、縮小されたサイズで印刷又は表示されるときにキャラクタがそれらの鮮明度及び可読性を維持することを可能にする。
【0072】
マイクロフォントファイルは、通常、フォントデータを解釈してマイクロテキスト出力を生成することができる適切なソフトウェア又は印刷システムと併せて使用される。これらは、特定のアプリケーションに特化した独自フォーマットであってもよく、又は、例えば、TrueType(.ttf)又はOpenType(.otf)などの標準フォントファイルフォーマットに基づくことができる。
【0073】
マイクロフォントファイルは、高い精度及び品質でマイクロテキストキャラクタを作成及び再現するためのデジタルリソースとして機能することができる。それらは、マイクロテキストの複雑な細部が印刷又はレンダリングのプロセス中に保存されることを確実にし、様々なセキュリティ又は識別用途における小規模テキストの正確な表現を可能にする。
【0074】
図13を参照すると、本明細書に記載される例示的な実施形態の様々な態様を実装するのに適した印刷システム(又は画像レンダリングシステム)200が示されている。印刷システム200は、スキャナを介して文書をスキャンし、プリンタを介して文書を印刷するなどのレンダリング動作を実施し得、文書は、可変データ隠蔽層を有する開示された2層相関マークを含む。
【0075】
印刷システム200を使用して、例えば、
図12に関して本明細書で説明する方法100、及び先に説明したテキストを事前にトラップするための方法も同様に実施することができる。
【0076】
本明細書で使用するとき、「スキャナ」という用語は、画像、印刷されたテキスト、手書き、又は物体を光学的に走査し得、それをデジタル画像に変換するデバイス又はシステムである画像スキャナを指し得ることに留意されたい。スキャナの一例は、画像化される文書(例えば、書式)を走査のためにガラス窓上に置くことができるフラットベッドスキャナである。スキャナは、場合によっては、多機能装置(multi-function device、MFD)に組み込まれてもよく、多機能装置はまた、印刷及び写真複写機能を有してもよい。スキャナは、例えば、
図13に示される印刷システム200などの印刷システムに組み込まれてもよい。例えば、スキャナ229は、印刷システム200の一部として
図13に示されている。印刷システム200の一部として含まれるスキャナ229の代替として、又はそれに加えて、スキャナ261及び/又はスキャナ262は、ネットワーク260を介して印刷システム200と通信してもよい。
【0077】
「プリンタ」、「印刷デバイス」、及び「印刷システム」という用語は、本明細書で使用されるとき、同じレンダリングデバイス又はシステムを指すために互換的に利用することができ、任意の装置及び/又はシステムを包含することができる。デジタル複写機、電子写真及び複写印刷システム、製本機械、ファクシミリ機械、多機能機械、インクジェット機械、連続供給、シート供給印刷デバイスなどを含むことができ、これらは、印刷コントローラ及び印刷エンジンを含み得、任意の目的のために印刷出力機能を行い得る。
【0078】
「印刷デバイス」又は「印刷システム」は、コマンド及び/又はデータを受信し、それに応答して、キャラクタ及び/又は画像を基材上に印刷することができる電子デバイスである。印刷デバイスは、ネットワークプリンタ、プロダクションプリンタ、コピー機、及びインク又はトナーを使用する他のデバイス、並びにスキャナを含むことができるが、これらに限定されない。印刷デバイスはまた、印刷及びスキャンなどの機能の組み合わせを実行することができ、その場合、そのようなデバイスは、多機能デバイスとみなすことができる。
【0079】
印刷システム200は、ユーザインターフェース210、デジタルフロントエンド(digital front-end、DFE)220、及び印刷エンジン230などの1つ以上の印刷エンジンを含むことができる。印刷エンジン230は、印刷ジョブのために様々なサイズ、及び、場合によってはコストの印刷媒体235にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、印刷システム200は、複数のカラーマーキング材料を有するカラープリンタを含み得る。
【0080】
「印刷ジョブ」又は「文書」は、普通は関連するシートのセットであり、通常、特定のユーザからの元の印刷ジョブシートのセット若しくは電子文書のページ画像から複製された1つ以上の揃えられた複製セット、又はその他の関連するシートのセットである。通常印刷ジョブ(又は顧客ジョブ)の提出のために、デジタルデータが印刷システム200に送信され得る。
【0081】
ソータ240は、切断機能を含むハードコピー出力の配置を管理するために、印刷エンジン230によってジョブが印刷された後に動作し得る。ユーザは、ユーザインターフェース210を使用して、又はワークステーション250などのデータ処理システムを介して、印刷システム200にアクセスし、これを操作することができる。ワークステーション250は、通信ネットワーク260を介して印刷システム200と双方向通信し得る。
【0082】
ユーザプロファイル、印刷用の作業成果物、メディアライブラリ、及び様々な印刷ジョブパラメータは、ネットワーク260を介して、ワークステーション250又は印刷システム200によってアクセス可能なデータベース又はメモリ270に記憶され得、若しくはそのようなデータは、印刷システム200を介して直接アクセスされ得る。当該技術分野で知られているように、1つ以上のカラーセンサ(図示せず)は、いくつかの実施形態では、プリンタ用紙経路に埋め込まれ得る。
【0083】
図14に関して、例示的なDFE(デジタルフロントエンド)300がより詳細に示されている。DFE300は、機械実行可能プログラム命令を実行することができるプロセッサ306などの1つ以上のプロセッサを含み得る。プロセッサ306は、DFEプロセッサとして機能し得る。
図14に示されるDFEは、
図23に示される印刷システム200のデジタルフロントエンド220として、又はそれとともに利用され得る。「プロセッサ」という用語は、本明細書で利用されるとき、プログラミング命令を実行する電子デバイスの構成要素に関連し得ることに留意されたい。「プロセッサ」という用語は、単一のプロセッサ、又はプロセスの様々なステップをともに実施する複数のプロセッサのいずれかを指す場合がある。文脈により、プロセッサが1つだけ必要とされるか、又は複数のプロセッサが必要とされるかが明確に示されていない限り、「プロセッサ」という用語は、単数及び複数の両方の実施形態を含む。
【0084】
図示される実施形態では、プロセッサ306は、バス302(例えば、バックプレーンインターフェースバス、クロスオーバーバー、又はデータネットワークなど)で通信することができる。デジタルフロントエンド300はまた、機械可読命令を記憶するのに使用されるメインメモリ304を含み得る。メインメモリ304は、データを記憶することもできる。メインメモリ304は、代替的に、再プログラミング及び柔軟なデータ記憶をサポートするためのランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)を含んでもよい。バッファ366は、プロセッサ306によるアクセスのためにデータを一時的に記憶するのに使用され得る。
【0085】
プログラムメモリ364は、例えば、本明細書に記載される実施形態を実施し得る実行可能プログラムを含み得る。プログラムメモリ364は、バッファに含まれるデータの少なくともサブセットを記憶し得る。デジタルフロントエンド300は、通信バス302から(又は図示されていないフレームバッファから)ディスプレイ310にデータを転送し得るディスプレイインターフェース308を含み得る。デジタルフロントエンド300はまた、例えば、ハードディスクドライブ314及び/又は取り外し可能な記憶ドライブ316を含み得る二次メモリ312を含み得、これらは、コンピュータソフトウェア及び/又はデータを記憶し得る、フロッピーディスク、磁気テープ、光ディスクなどの取り外し可能な記憶装置318に対して読み取り及び書き込みを行い得る。
【0086】
二次メモリ312は、代替的に、コンピュータプログラム又は他の命令をコンピュータシステムにロードすることを可能にするための他の同様の機構を含んでもよい。このような機構は、例えば、インターフェース320を通じてデータを交換するように適合されている取り外し可能な記憶ユニット322を含み得る。このような機構の例としては、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイスに見られるものなど)、取り外し可能なメモリチップ(EPROM又はPROMなど)及び関連するソケット、並びにソフトウェア及びデータが転送されることを可能にする、他の取り外し可能なユニット及びインターフェースが挙げられる。
【0087】
デジタルフロントエンド(DFE)コントローラ300は、入力及び出力インターフェースとして機能して、ソフトウェア及びデータが、デジタルフロントエンドコントローラ300と外部デバイスとの間で転送されることを可能にすることができる通信インターフェース324を含み得る。通信インターフェースの例としては、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、PCMCIAスロット、及びカードなどが挙げられる。
【0088】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御論理とも呼ばれる)及び1つ以上のモジュールは、メインメモリ304及び/又は二次メモリ312に記憶されてもよい。コンピュータプログラム又はモジュールはまた、通信インターフェース324を介して受信されてもよい。そのようなコンピュータプログラム又はモジュールは、実行されると、コンピュータシステムが本明細書で提供される特徴及び能力を実行することを可能にし得る。通信インターフェースを介して転送されたソフトウェア及びデータは、例えば、電子信号、電磁信号、光信号、又は通信インターフェースによって受信されることができる他の信号であり得る信号の形式とすることができる。
【0089】
これらの信号は、信号を搬送する通信経路(すなわち、チャネル)を介して通信インターフェースに提供され得、ワイヤ、ケーブル、光ファイバ、電話線、セルラリンク、RF、又は他の通信チャネルを使用して実施され得る。
【0090】
DFE動作中にアクセスするために二次メモリ312に記憶されるデータの一部は、入来カラー信号を物理的機械信号に変換し得る変換テーブルのセットであってもよい。
【0091】
このカラー信号は、カラーメトリック値、通常、L*a*b*、RGB、XYZなどの3つの成分、シアン、マゼンタ、黄色、及び黒色の4つのトナーのための物理的露光信号へのいずれかとして表現され得る。これらのテーブルは、DFEの外側で作製され、ダウンロードされ得るが、いわゆる特性評価ステップにおいてDFE内に任意選択的に作製されてもよい。二次メモリ312に記憶されたデータの一部はまた、前述の変換テーブルであってもよい。
【0092】
データ処理システムのいくつかの態様は、様々なシステム及び方法を参照してここに提示される。これらのシステム及び方法は、以下の詳細な説明に記載され、添付の図面に様々なブロック、モジュール、構成要素、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(集合的に「要素」と称され得る)によって示され得る。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせを使用して実装され得る。そのような要素がハードウェア又はソフトウェアとして実装されるか否かは、システム全体に課される特定のアプリケーション及び設計上の制約に依存する。
【0093】
例として、要素、又は要素の任意の部分、又は要素の任意の組み合わせは、1つ以上のプロセッサを含む「処理システム」とともに実装されてもよい。プロセッサの例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processors、DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate arrays、FPGA)、プログラマブル論理装置(programmable logic devices、PLD)、状態機械、ゲーテッド論理、離散的なハードウェア回路、及びこの開示全体で説明されている様々な機能を実行するように構成された他の好適なハードウェアが挙げられる。処理システム内の1つ以上のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などと称されるか否かに関わらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味すると広く解釈されるものとする。モバイル「アプリ」は、そのようなソフトウェアの一例である。
【0094】
したがって、1つ以上の例示的な実施形態では、説明されている機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードに記憶されるか、又はそれらとして符号化されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。
【0095】
開示された例示的な実施形態は、本発明の実施形態による方法、システム、並びにコンピュータプログラム製品及びデータ構造のフローチャート図及び/又はブロック図及び/又は概略図を参照して、本明細書に少なくとも部分的に記載される。図の各ブロック、及びブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は機械を製造するための他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサに提供されてもよく、その結果、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理機器を介して実行する命令は、ブロックで指定された機能/行為を実装する手段を作成する。
【0096】
明確にするために、いくつかの実施形態は、例えば、専用コンピュータ又は汎用コンピュータ、若しくは他のプログラマブルデータ処理機器又はシステムの文脈で実装され得る。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、データ処理機器又はシステムは、専用コンピュータと汎用コンピュータとの組み合わせとして実装され得る。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに実施形態の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又は媒体)を含んでもよい。
【0097】
前述のコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を特定の様式で機能させるために指示することができるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、その結果、コンピュータ可読メモリに記憶された命令(例えば、ステップ/動作)は、様々なブロック、フロー図、並びに本明細書で図示及び説明されている他のアーキテクチャで指定された機能/行為を実装する命令手段を含む製品を製造する。そのような命令の例は、
図12に示される方法100のブロック102、104、106、108、110、及び112において説明される動作を含む。
【0098】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行する命令がブロックに指定された機能/動作を実装するための工程を提供するように、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、コンピュータ実装プロセスを生成するための一連の動作工程をコンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行させ得る。
【0099】
図のフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態(例えば、優先される又は代替的な実施形態)によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この点に関して、本明細書に図示及び説明されているフロー図又はブロック図中のそれぞれのブロックは、指定された論理的機能を実施するための1つ以上の実行可能命令を含み得る、モジュール、セグメント、又は命令の部分を表し得る。
【0100】
いくつかの代替的な実装態様では、ブロック内に記載された機能は、図中に記された順序とは異なる順序で実行されてもよい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又はブロックは、伴われる機能性に応じて逆順序で実行されてもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能又は行為を実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実装され得、あるいは専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを遂行することができることに留意されたい。
【0101】
本明細書で説明される機能性は、完全かつ非抽象的に、物理的ハードウェアとして、完全に物理的な非抽象的ソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)として、又は本明細書で「回路」、「モジュール」、「エンジン」、「コンポーネント」、「ブロック」、「データベース」、「エージェント」、若しくは「システム」と称される場合がある非抽象的ソフトウェアの実装及びハードウェアの実装を組み合わせて実装され得る。更に、本開示の態様は、コンピュータ可読及び/又は実行可能プログラムコードが具現化された1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。
【0102】
以下の論述は、システム及び方法が実装され得る好適なコンピューティング環境の簡単な一般的説明を提供することを意図する。必須ではないが、開示される実施形態は、単一のコンピュータによって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令との一般的な関わりにおいて記載される。多くの場合、「モジュール」(「エンジン」とも称される)は、ソフトウェアアプリケーションを構成し得るが、ソフトウェア及びハードウェアの両方(すなわち、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ)としても実装され得る。
【0103】
一般に、プログラムモジュールとしては、特定のタスクを実行するか、又は特定のデータ型及び命令を実装するルーチン、サブルーチン、ソフトウェアアプリケーション、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などが挙げられるが、これらに限定されない。更に、当業者であれば、開示された方法及びシステムは、例えば、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、データネットワーク、マイクロプロセッサベースの又はプログラム可能な民生用電子機器、ネットワーク化PC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、サーバーなどの他のコンピュータシステム構成を用いて実施されてもよいことを理解するであろう。
【0104】
本明細書で使用するとき、用語「モジュール」は、特定のタスクを実行するか、又は特定のデータ型を実装するルーチン及びデータ構造の集合を指し得ることに留意されたい。モジュールは、他のモジュール又はルーチンによってアクセスされ得る定数、データ型、変数、及びルーチンをリストするインターフェースと、典型的にプライベート(例えば、そのモジュールにのみアクセス可能)であり得、モジュール内にルーチンを実際に実装するソースコードを含む実装との2つの部分で構成されてもよい。用語モジュールはまた、単純に、ワードプロセッシング、会計、在庫管理などの特定のタスクの実行を支援するように設計されたコンピュータプログラムなどのアプリケーションを指す場合がある。
【0105】
いくつかの例示的な実施形態では、「モジュール」という用語はまた、モジュール式ハードウェア構成要素、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせである構成要素を指し得る。本明細書で説明される手法によるそのようなモジュールの実装及び処理は、例えば、
図13に示される印刷システム200及び/又は
図14に示されるDFEコントローラ300などのデータ処理システムにおける処理速度並びにエネルギー節約及び効率の改善をもたらし得ることを理解されたい。「モジュール」は、
図12及び本明細書の他の箇所に関して本明細書で論じられるステップ又は動作など、本明細書で論じられる様々なステップ、動作、又は命令を実行し得る。
【0106】
例えば、
図12に示される方法100は、例えば、DFEコントローラ220(又は
図14のDFE300)によって実行され得るモジュールを含むコンピュータプログラム製品において部分的に実施されてもよい。コンピュータプログラム製品は、ディスク、ハードドライブなど制御プログラムが記録(記憶)され得る非一時的コンピュータ可読記録媒体を含み得る。本明細書で使用するとき、「記録媒体」という用語は、そのような非一時的コンピュータ可読記録媒体に関し得ることに留意されたい。
【0107】
非一時的コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、若しくは任意の他の磁気記憶媒体、CD-ROM、DVD、若しくは任意の他の光媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、又は他のメモリチップ若しくはカートリッジ、又は内部からコンピュータが読み出すことができ、かつ使用することができる任意の他の有形媒体が挙げられる。コンピュータプログラム製品は、DFEコントローラ220と一体であってもよく(例えば、RAMの内部ハードドライブ)、若しくは別個であってもよく(例えば、プリンタと動作可能に接続された外部ハードドライブ)、又は、別個であり、かつローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)若しくはインターネットなどのデジタルデータネットワークを介して(例えば、
図13に示されるネットワーク260などのデジタルネットワークを介して、DFEコントローラ220によって間接的にアクセスされ得る、安価な又は独立したディスクの冗長アレイ(redundant array of inexpensive or independent disk、RAID)又は他のネットワークサーバ記憶装置として)アクセスされてもよい。
【0108】
開示されたプロセス又は方法におけるステップ、動作、又は命令の特定の順序又は階層は、例示的な手法の一例であることを理解されたい。例えば、本明細書で論じられる様々なステップ、動作、又は命令は、異なる順序で実行され得る。同様に、本明細書で論じられる開示された例の様々なステップ及び動作は、異なる順序で変更及び処理され得る。設計の好みに基づいて、本明細書で論じられ、例示されるプロセス又は方法におけるそのようなステップ、動作、又は命令の特定の順序又は階層は、並べ替えられ得ることを理解されたい。添付の「特許請求の範囲」は例えば、様々なステップ、動作、又は命令の要素をサンプル順序で提示しており、提示された特定の順序又は階層に限定されることを意図していない。
【0109】
本発明者は、このようなコンピュータ技術における効率を改善することによってコンピュータ技術を改善するために、技術的問題に対する非抽象的な技術的解決策を実現した。開示された実施形態は、データ処理システムなどのコンピュータ技術に対する技術的な改善を提供し、更に、本開示の「背景技術」の節において特定された技術的問題に対する技術的解決策を介して、コンピュータ技術に対する非抽象的な改善を提供する。そのような改善は、実施形態の実装からもたらされ得る。特許請求される解決策は、コンピュータ、コンピュータネットワーク、並びに印刷及び走査の分野で特に生じる問題を克服するために、コンピュータ技術を根源とすることができる。特許請求される解決策はまた、セキュリティデバイス(例えば、透かし)がレンダリングされ得る印刷媒体(例えば、紙)などの非抽象的特徴を含むセキュリティデバイスなどの非抽象的デバイスを伴い得る。
【0110】
上記に基づいて、異なる実施形態が開示されることを理解されたい。例えば、一実施形態では、事前にトラップされたテキストを生成するための方法は、少なくとも2つのインクを含むカラーと、少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して、正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込むことと、新たな位置に上記カラーでキャラクタを更にn回書き込むことと、カラーを変更して、正常位置にキャラクタをマイクロテキストで書き込むことと、を伴い得る。
【0111】
一実施形態は、カラーのカラーキャリブレーションを実行することを更に伴い得る。
【0112】
一実施形態はまた、少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して正常位置にマイクロテキストでキャラクタを書き込む前に、カラーのカラーキャリブレーションを実行することを伴い得る。
【0113】
一実施形態は、カラーキャリブレーションを実行した後にカラー間位置合わせ誤差を測定することを更に伴い得る。
【0114】
一実施形態はまた、ある期間後にカラー間位置合わせ誤差を再測定することを更に伴い得る。
【0115】
一実施形態は、カラーキャリブレーションを実行した後、かつ少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込む前に、カラー間位置合わせ誤差を測定することを更に伴い得る。
【0116】
一実施形態では、事前にトラップされたテキストを記録媒体上にレンダリングするためのシステムは、プロセッサと、プログラミング命令が入っているコンピュータ可読媒体と、を含み得、プログラミング命令は、プロセッサに、少なくとも2つのインクを含むカラーを提供させ、少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して、正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込ませ、新たな位置に上記カラーでキャラクタを更にn回書き込ませ、カラーを変更させて、正常位置にマイクロテキストでキャラクタを書き込ませるように構成されている。
【0117】
一実施形態では、命令が、プロセッサに、カラーのカラーキャリブレーションを実行させるように更に構成され得る。
【0118】
一実施形態では、命令が、プロセッサに、少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込ませるように更に構成され得る。
【0119】
一実施形態では、命令が、プロセッサに、カラーキャリブレーションを実行した後にカラー間位置合わせ誤差を測定させるように更に構成され得る。
【0120】
一実施形態では、命令が、プロセッサに、ある期間後にカラー間位置合わせ誤差を再測定させるように更に構成され得る。
【0121】
一実施形態では、カラーキャリブレーションを実行した後、かつ少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込む前に、カラー間位置合わせ誤差を測定させるように更に構成され得る。
【0122】
一実施形態では、印刷システムは、印刷デバイスと、プロセッサと、プログラミング命令が入っているコンピュータ可読媒体と、を含み得、プログラミング命令が、プロセッサに、少なくとも2つのインクを含むカラーを提供させ、少なくとも2つのインクのうちの少なくとも1つを使用して、正常位置にマイクロテキストのキャラクタを書き込ませ、新たな位置に上記カラーでキャラクタを更にn回書き込ませ、カラーを変更させて、正常位置にマイクロテキストでキャラクタを書き込ませ、印刷デバイスがマイクロテキストを記録媒体上にレンダリングすることを引き起こさせるように構成されている。
【0123】
上に開示された特徴及び機能、並びに他の特徴及び機能、又はそれらの代替物の変形は、望ましくは多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わされ得ることが理解されるであろう。現在予期されない又は予想されない様々な代替物、修正、変形、又は改善は、後に当業者によって行われてもよく、また、以下の特許請求の範囲に包含されることを意図することも理解されるであろう。
【外国語明細書】