(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178934
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】透過率可変光学積層体およびその製造方法と、これを含むスマートウィンドウ
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1335 20060101AFI20241218BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20241218BHJP
G02B 5/22 20060101ALI20241218BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20241218BHJP
G02F 1/1339 20060101ALI20241218BHJP
B60J 1/00 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
G02F1/1335 500
G02B5/30
G02B5/22
G02F1/1335 510
G02F1/13 505
G02F1/1339 500
B60J1/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095001
(22)【出願日】2024-06-12
(31)【優先権主張番号】10-2023-0075741
(32)【優先日】2023-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 東 輝
(72)【発明者】
【氏名】林 巨 山
(72)【発明者】
【氏名】ムン・ボ-ラ
【テーマコード(参考)】
2H088
2H148
2H149
2H189
2H291
【Fターム(参考)】
2H088EA34
2H088GA13
2H088HA02
2H088HA03
2H088HA18
2H088JA05
2H088JA13
2H148CA04
2H148CA13
2H148CA17
2H148CA24
2H149AA17
2H149AB14
2H149BA02
2H149BA12
2H149CA02
2H149DA02
2H149DA04
2H149DA05
2H149DA12
2H149EA02
2H149EA12
2H149EA22
2H149EA29
2H149FA02X
2H149FA02Z
2H149FA03W
2H149FA04Y
2H149FA05Y
2H149FA08X
2H149FA08Y
2H149FA08Z
2H149FA10Z
2H149FA12X
2H149FA12Z
2H149FA13Y
2H149FA13Z
2H149FA14Z
2H149FA15X
2H149FA15Z
2H149FA21W
2H149FA41Z
2H149FA54X
2H149FA62
2H149FA63
2H149FA66
2H149FA68
2H149FA69
2H149FA70
2H149FC01
2H149FC08
2H149FD09
2H149FD47
2H189DA04
2H189DA07
2H189HA05
2H189JA05
2H189JA08
2H189LA02
2H189LA03
2H189LA05
2H189LA17
2H291FA10X
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA94X
2H291FB02
2H291FB05
2H291FB22
2H291GA02
2H291GA05
2H291GA08
2H291GA11
2H291GA15
2H291HA06
2H291HA09
2H291LA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】耐光性に優れて可視光領域で透明性を維持するとともに、近紫外線を効率的に遮断して液晶層の劣化を防止することができる透過率可変光学積層体を提供する。
【解決手段】本発明は、第1偏光板と、前記第1偏光板の一面上に形成される第1透明導電層と、前記第1偏光板と対向する第2偏光板と、前記第2偏光板の一面上に形成され、前記第1透明導電層と対向する第2透明導電層と、前記第1透明導電層および第2透明導電層の間に備えられる液晶層と、を含むものであって、前記第1偏光板は、紫外線遮断基材、偏光子および近紫外線保護層が積層されたものである、透過率可変光学積層体およびその製造方法と、これを含むスマートウィンドウに関するものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1偏光板と、
前記第1偏光板の一面上に形成される第1透明導電層と、
前記第1偏光板と対向する第2偏光板と、
前記第2偏光板の一面上に形成され、前記第1透明導電層と対向する第2透明導電層と、
前記第1透明導電層および第2透明導電層の間に備えられる液晶層と、を含む、透過率可変光学積層体であって、
前記第1偏光板は、紫外線遮断基材、偏光子および近紫外線保護層を含む、透過率可変光学積層体。
【請求項2】
前記第1偏光板は、光源と向い合う外側面に形成されるものある、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項3】
前記第1偏光板は、光源と向い合う外側面から紫外線遮断基材、偏光子および近紫外線保護層が順次に積層されたことを特徴とする、請求項2に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項4】
前記紫外線遮断基材は、380nm以下波長での透過率が10%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項5】
前記紫外線遮断基材は、紫外線遮断添加剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項6】
前記紫外線遮断基材は、ポリエステル系フィルム、セルロース系フィルム、ポリイミド系フィルムおよびポリカーボネートフィルムのうち選択される1種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項7】
前記近紫外線保護層は、近紫外線吸収剤および紫外線光増減剤のうち選択される1種以上を含む、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項8】
前記近紫外線吸収剤は、最大吸収波長が390nmないし430nmであることを特徴とする、請求項7に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項9】
前記近紫外線吸収剤は、シアニン系化合物であることを特徴とする、請求項8に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項10】
前記紫外線光増減剤は、最大吸収波長が350nmないし400nmであることを特徴とする、請求項7に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項11】
前記紫外線光増減剤は、オキサゾール系化合物であることを特徴とする、請求項10に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項12】
前記第1偏光板および第2偏光板のうち少なくとも一つの偏光板は、機能性コーティング層、保護層、位相差調節層および屈折率調節層からなる群より選択される1種以上の機能層を含む、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項13】
前記第1偏光板および第2偏光板のうち少なくとも一つの偏光板は、30ないし200μmの厚さを有する、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項14】
前記第1透明導電層および第2透明導電層のうち少なくとも一つの透明導電層は、前記第1偏光板および第2偏光板のうちいずれか一つの偏光板との間に別途の基材を含まず、直接接触して形成される、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項15】
前記第1透明導電層および第2透明導電層のうち少なくとも一つの透明導電層は、前記第1偏光板および第2偏光板のうちいずれか一つの偏光板との間に易接着層をさらに含み、直接接触して形成される、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項16】
前記第1透明導電層および第2透明導電層のうち少なくとも一つの透明導電層は、透明導電性酸化物、金属、炭素系物質、導電性高分子、導電性インクおよびナノワイヤからなる群より選択される1種以上を含む、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項17】
前記液晶層は、ボールスペーサー(Ball spacer)およびコラムスペーサー(Column spacer)からなる群より選択される1種以上のスペーサー(spacer)を含む、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項18】
前記透過率可変光学積層体は、シーラント、配向膜、粘接着層および紫外線吸光層からなる群より選択される1種以上をさらに含む、請求項1に記載の透過率可変光学積層体。
【請求項19】
請求項1ないし請求項18のうちいずれか一項に記載の透過率可変光学積層体の製造方法。
【請求項20】
請求項1ないし請求項18のうちいずれか一項に記載の透過率可変光学積層体を含む、スマートウィンドウ。
【請求項21】
請求項20に記載のスマートウィンドウを含む、交通手段。
【請求項22】
請求項20に記載のスマートウィンドウを前面窓、後面窓、側面窓、サンルーフ窓および内部仕切りのうち少なくとも一つ以上に適用した、自動車。
【請求項23】
請求項20に記載のスマートウィンドウを含む、ウェアラブル装置。
【請求項24】
請求項20に記載のスマートウィンドウを含む、建築用建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過率可変光学積層体およびその製造方法と、これを含むスマートウィンドウに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両などの移動手段のガラス窓に外光遮断コーティングを施す場合が多い。しかし、従来の移動手段のガラス窓は、透過率が固定されており、外光遮断コーティングも透過率が固定されている。したがって、このような従来の移動手段のウィンドウは、全体透過率が固定されていて、事故を誘発することがある。例えば、全体的な透過率が低く設定されていたら、周辺に光量が十分な昼間には問題がないが、周辺に光量が十分ではない夜間などの場合には、運転者などが移動手段の周辺をきちんと確認するにおいて困難性があるしかないという問題点があった。または全体的な透過率が高く設定されていたら、周辺に光量が十分な昼間には運転者などに眩しさを引き起こすことがあるという問題点があった。また建築物などのガラス窓にも冷暖房の効率性およびエネルギー節約のために外光遮断コーティングを施す場合が多い。この場合、透過率が固定されていたら、移動手段の場合と同じくエネルギー節約において効率的ではないという問題点があった。
【0003】
これにより、電圧が印加されると、光の透過性を変化させることができる透過率可変光学積層体が開発された。前記透過率可変光学積層体は、電圧印加によって液晶を駆動させて透過率を可変させることによって駆動されるが、透過率可変のために電界を印加することによって位相が変化する液晶層を備えることによって目的とする透過率を達成した。しかし、近紫外線や紫外線が透過率可変光学積層体の液晶まで透過され、液晶層の劣化問題が頻繁に発生する実情であり、これによって、ディスプレイの寿命短縮に影響を及ぼしている。
【0004】
一方、韓国登録特許公報第10-0416924号は、ポリビニルアルコールフィルムを基材にする偏光フィルムに紫外線吸収性能を付与する方法およびその方法に製造される紫外線吸収性能を有する偏光フィルムに関するものであって、偏光板を含む液晶表示装置やスマートウィンドウに適用時に、電圧印加後にも紫外線による劣化を防止して透過率を制御するには限界がある。
【0005】
したがって、偏光板を含むとともに、電圧印加時に透過率を下げることによって耐光性に優れた透過率可変光学積層体およびこれを含むスマートウィンドウに対する開発が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-0416924号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述した問題点を解決するため、耐光性に優れて可視光領域で透明性を維持するとともに、近紫外線を効率的に遮断して液晶層の劣化を防止することができる透過率可変光学積層体を提供しようとする。
【0008】
また、本発明は、前記透過率可変光学積層体を含むスマートウィンドウおよびこれを適用した自動車または建物用建具を提供しようとする。
【0009】
しかし、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から通常の技術者に明確に理解できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1偏光板と、前記第1偏光板の一面上に形成される第1透明導電層と、前記第1偏光板と対向する第2偏光板と、前記第2偏光板の一面上に形成され、前記第1透明導電層と対向する第2透明導電層と、前記第1透明導電層および第2透明導電層の間に備えられる液晶層と、を含むものであって、前記第1偏光板は、紫外線遮断基材、偏光子および近紫外線保護層を含む、透過率可変光学積層体に関するものである。
【0011】
本発明は、前記第1偏光板が光源と向い合う外側面に形成されるものであってもよい。
本発明は、前記第1偏光板が光源と向い合う外側面から紫外線遮断基材、偏光子および近紫外線保護層が順次に積層されたことを特徴とするものであってもよい。
【0012】
本発明は、前記紫外線遮断基材が380nm以下波長での透過率が10%以下であることを特徴とするものであってもよい。
【0013】
本発明は、前記紫外線遮断基材が紫外線遮断添加剤を含むことを特徴とするものであってもよい。
【0014】
本発明は、前記紫外線遮断基材が、ポリエステル系フィルム、セルロース系フィルム、ポリイミド系フィルムおよびポリカーボネートフィルムのうち選択される1種以上を含むことを特徴とするものであってもよい。
【0015】
本発明は、前記近紫外線保護層が、近紫外線吸収剤および紫外線光増減剤のうち選択される1種以上を含むものであってもよい。
【0016】
本発明は、前記近紫外線吸収剤が、最大吸収波長が390nmないし430nmであることを特徴とするものであってもよい。
【0017】
本発明は、前記近紫外線吸収剤が、シアニン系化合物であることを特徴とするものであってもよい。
【0018】
本発明は、前記紫外線光増減剤が、最大吸収波長が350nmないし400nmのものであってもよい。
【0019】
本発明は、前記紫外線光増減剤が、オキサゾール系化合物であることを特徴とするものであってもよい。
【0020】
本発明は、前記第1偏光板および第2偏光板のうち少なくとも一つの偏光板が、機能性コーティング層、保護層、位相差調節層および屈折率調節層からなる群より選択される1種以上の機能層を含むものであってもよい。
【0021】
本発明は、前記第1偏光板および第2偏光板のうち少なくとも一つの偏光板が30ないし200μmの厚さを有するものであってもよい。
【0022】
本発明は、前記第1透明導電層および第2透明導電層のうち少なくとも一つの透明導電層が、前記第1偏光板および第2偏光板のうちいずれか一つの偏光板との間に別途の基材を含まず、直接接触して形成されるものであってもよい。
【0023】
本発明は、前記第1透明導電層および第2透明導電層のうち少なくとも一つの透明導電層が、前記第1偏光板および第2偏光板のうちいずれか一つの偏光板との間に易接着層をさらに含み、直接接触して形成されるものであってもよい。
【0024】
本発明は、前記第1透明導電層および第2透明導電層のうち少なくとも一つの透明導電層が、透明導電性酸化物、金属、炭素系物質、導電性高分子、導電性インクおよびナノワイヤからなる群より選択される1種以上を含むものであってもよい。
【0025】
本発明は、前記液晶層が、ボールスペーサー(Ball spacer)およびコラムスペーサー(Column spacer)からなる群より選択される1種以上のスペーサー(spacer)を含むものであってもよい。
【0026】
本発明は、前記透過率可変光学積層体が、シーラント、配向膜、粘接着層および紫外線吸光層からなる群より選択される1種以上をさらに含むものであってもよい。
【0027】
また、本発明は、前記透過率可変光学積層体の製造方法に関するものである。
また、本発明は、前記透過率可変光学積層体を含む、スマートウィンドウに関するものである。
【0028】
また、本発明は、前記スマートウィンドウを含む交通手段に関するものであってもよく、スマートウィンドウを前面窓、後面窓、側面窓、サンルーフ窓および内部仕切りのうち少なくとも一つ以上に適用した、自動車に関するものであってもよい。
【0029】
また、本発明は、前記スマートウィンドウを含むウェアラブル装置、建築用建具などに関するものであってもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る透過率可変光学積層体によると、紫外線および/または近紫外線領域での透過率が低いため、紫外線および/または近紫外線を効果的に遮蔽することによって紫外線による液晶層の劣化を防止し、ディスプレイの寿命短縮問題を改善することができる。
【0031】
また、本発明に係る透過率可変光学積層体によると、偏光板の一面上に直接導電層が形成され、導電層の形成のための別途の基材を含まないことで、従来の光学積層体に比べて厚さが顕著に減少されたものになり得る。
【0032】
また、本発明に係る透過率可変光学積層体によると、偏光板の一面上に直接導電層が形成され、導電層の形成のための別途の基材を含まないことで、従来の光学積層体に比べて透光モードでの透過率が向上したものになり得る。
【0033】
また、本発明に係る透過率可変光学積層体を含むことによって、高品質のスマートウィンドウおよびこれを適用した自動車または建物用建具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係る第1偏光板の構造を示したものである。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例に係る透過率可変光学積層体の好ましい積層構造を示したものである。
【
図3a】
図3aないし
図3cは、実験例に係る耐光性の評価観察結果をそれぞれ示したものである。具体的に、
図3aは、光漏れ現象が全く観察されず、不透明が維持される状態を示している。
【
図3b】
図3bは、一部で光漏れ現象が観察される状態を示している。
【
図3c】
図3cは、全面で光漏れ現象が観察される状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、紫外線および/または近紫外線を効果的に遮蔽することによって紫外線による液晶層の劣化を防止することができる透過率可変光学積層体およびその製造方法と、これを含むスマートウィンドウに関するものである。より詳しくは、前記透過率可変光学積層体が、第1偏光板と、前記第1偏光板の一面上に形成される第1透明導電層と、前記第1偏光板と対向する第2偏光板と、前記第2偏光板の一面上に形成され、前記第1透明導電層と対向する第2透明導電層と、前記第1透明導電層および第2透明導電層の間に備えられる液晶層と、を含むものであって、前記第1偏光板は、紫外線遮断基材、偏光子および近紫外線保護層を含むことを特徴とし、好ましくは、前記第1偏光板は、光源と向い合う外側面から紫外線遮断基材、偏光子および近紫外線保護層が順次に積層されたことを特徴とするものであってもよい。
【0036】
本発明の一実施例によると、前記積層フィルムは、360nm波長、380nm波長および/または400nm波長での透過率が10%以下で低いことを特徴とするものであってもよく、好ましくは、9%以下、より好ましくは、7%以下で低いことを特徴とするものであってもよく、この場合、紫外線および/または近紫外線を効果的に遮蔽し、これにより液晶層の劣化を防止することによって高品質のスマートウィンドウおよびこれを適用した自動車または建物用建具を提供することができる。
【0037】
本発明の透過率可変光学積層体は、電圧の印加によって光の透過性を変化させることができる技術分野に特に適しており、例えば、スマートウィンドウ(smart window)などに用いることができる。
【0038】
スマートウィンドウ(smart window)とは、電気的信号の印加によって光の透過性を変化させて通過される光または熱の量を制御する光学構造物を意味する。すなわち、スマートウィンドウ(smart window)は、電圧によって透明、不透明または半透明の状態に変化できるように備えられ、透過度可変ガラス、調光ガラスまたはスマートガラス(smart glass)などとも呼ばれる。
【0039】
スマートウィンドウ(smart window)は、車両および建築物の内部空間の区画用またはプライバシー保護用仕切りに活用するか、建築物の開口部に配置された採光窓に活用することもできる。また、高速道路表示板、掲示板、点数板、時計または広告スクリーンにも活用することができ、自動車、バス、航空機、船舶または汽車の窓(windows)またはサンルーフのような運送手段のガラスを代替して活用可能である。
【0040】
本発明の透過率可変光学積層体も、前述した多くの技術分野のスマートウィンドウ(smart window)で活用が可能であるが、導電層が偏光板に直接形成されることによって、導電層の形成のための別途の基材を含まないため、厚さが薄くて屈曲特性に有利であり、車両用または建物用スマートウィンドウ(smart window)に特に適合に用いることができる。一または複数の実施形態において、本発明の透過率可変光学積層体が適用されたスマートウィンドウ(smart window)は、自動車の前面窓、後面窓、側面窓およびサンルーフ窓、または建物用建具などに用いることができ、外光遮断用途以外にも、内部仕切りなどのように自動車または建物などの内部空間区画用またはプライバシー保護用にも用いることができる。
【0041】
以下、図面を参考にして、本発明の実施形態をより具体的に説明することにする。ただ、本明細書に添付の以下の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであって、前述の発明の内容とともに本発明の技術思想をより理解させる役目を果たすものであるので、本発明は、それらの図面に記載の事項にだけ限定されて解釈されてはならない。
【0042】
本明細書で使用される用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数形は文句で特に言及しない限り複数形も含む。例えば、本明細書で使用される「偏光板」は、第1偏光板および第2偏光板のうち少なくとも一つの偏光板を意味するものであってもよく、「透明導電層」は、第1透明導電層および第2透明導電層のうち少なくとも一つの透明導電層を意味するものであってもよい。
【0043】
本明細書で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は言及された構成要素、ステップ、動作および/または素子以外の一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作および/または素子の存在または追加を排除しない意味に使用される。明細書全体にかけて同一の参照符号は同一の構成要素を称する。
【0044】
空間的に相対的な用語である「下」、「底面」、「下部」、「上」、「上面」、「上部」などは、図面に示されているように、一つの素子または構成要素と、他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用することができる。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて、使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子を覆す場合、他の素子の「下」または「下部」と記述された素子は、他の素子の「上」に置かれることもある。したがって、例示的な用語である「下」は下と上の方向をいずれも含むことができる。素子は、他の方向にも配向することができ、これによって空間的に相対的な用語は、配向に応じて解釈することができる。
【0045】
本発明において、「透明」とは、可視光線の透過率が70%以上または80%以上のことを意味する。
【0046】
本発明で「紫外線」は、100ないし390nmの波長、「近紫外線」は、390ないし420nmの波長を意味する。
【0047】
本発明で「遮蔽」および「遮断」は、紫外線または近紫外線などの光線に対する影響を受けないようにするという意味で、実質的に区別なく使用される。
【0048】
図1ないし
図2を参照すると、本明細書内で使用された「外側面」は、光源が入射する方向(A)と向い合って対面した面を称するものであって、紫外線または近紫外線など光線の影響を直接に受ける面を意味する。
【0049】
<透過率可変光学積層体>
図1は、本発明の一実施例に係る第1偏光板の構造を示したものであり、
図2は、本発明の一実施例に係る透過率可変光学積層体の好ましい積層構造を示したものである。前記
図2を参照すると、本発明の透過率可変光学積層体100は、第1偏光板110-1と、前記第1偏光板の一面上に形成される第1透明導電層120-1と、前記第1偏光板と対向する第2偏光板110-2と、前記第2偏光板の一面上に形成され、前記第1透明導電層と対向する第2透明導電層120-2と、前記第1透明導電層および第2透明導電層の間に備えられる液晶層130と、を含む、透過率可変光学積層体に関するものである。
図1を参照すると、前記第1偏光板110-1は、紫外線遮断基材111、偏光子112および近紫外線保護層113を含むものであってもよく、保護層(保護フィルム、図示せず)をさらに含むものであってもよい。
【0050】
第1偏光板110-1
図1ないし2を参照すると、本発明の一実施例に係る透過率可変光学積層体は、光源Aと向い合う外側面に形成される第1偏光板110-1を含むものであって、前記第1偏光板110-1は、紫外線遮断基材111、偏光子112および近紫外線保護層113を含んでもよい。より具体的には、
図1のように、光源Aと向い合う外側面から紫外線遮断基材111、偏光子112および近紫外線保護層113が順次に積層されたことが紫外線硬化型接着剤を用いた偏光板の製造および吸収剤のブリードアウト(Bleed-out)による液晶層汚染の防止の両立の面で、より好ましい。
【0051】
具体的には、紫外線吸収剤と近紫外線吸収剤とを同一の基材層内にともに混入する場合、吸収剤のブリードアウト(Bleed-out)によって隣接層が汚染する恐れがあるので、別途の層に分離して添加することが好ましい。一方、紫外線からの偏光子保護の必要性とともに、偏光子保護フィルムの接合のための紫外線硬化型接着剤が用いられる場合、接着剤の硬化のために紫外線の照射が充分に行われなければならないので、偏光子を基準に少なくとも一側は紫外線透過が必要である。したがって、
図1のように、本発明の一実施例の積層順序による透過率可変光学積層体は、紫外線硬化型接着剤を用いた構成を製造するための目的とともに、偏光層と液晶層の紫外線の劣化を防止しながら、同時に吸収剤のブリードアウトを通じる汚染を防止する最適化した積層順序と見られる。
【0052】
紫外線遮断基材111
本発明の一実施例によると、第1偏光板110-1は、紫外線遮断基材111を含み、前記紫外線遮断基材は、紫外線遮蔽機能を有するものであって、光源が入射する方向(
図1ないし2のA)と向い合う外側面に形成されることが紫外線から偏光層と液晶層をいずれも保護するという面で好ましい。具体的に、前記紫外線遮断基材を含むことによって、380nm波長での透過率が10%以下であるものが、紫外線、具体的には、紫外線および近紫外線から偏光層と液晶層を効果的に保護するための面で好ましく、紫外線領域帯の波長を効果的に遮断してコーティング層の硬化度を確保することができる。本発明の紫外線遮断基材は、紫外線遮断添加剤を含み、紫外線遮断機能を有することを含む。
【0053】
前記紫外線遮断基材111は、紫外線遮断機能の他に、積層体および/またはこれを含むスマートウィンドウの前面に衝撃、スクラッチなどのようなダメージが加えられたとき、その衝撃を緩和して内部基材の破損を防止する機能を果たすものであってもよい。これによって、変形エネルギーに対する許容能が大きい材料が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチルレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリイミド系樹脂;アクリル系樹脂;ポリスチレンおよびアクリロニトリル-スチレンなどのスチレン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリラクティックアシッド樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体のようなポリオレフイン系樹脂;ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリドなどのビニル系樹脂;ポリアミド系樹脂;スルホン系樹脂;ポリエーテル-エーテルケトン系樹脂;アリレート系樹脂;トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂または前記樹脂の混合物で形成された離型フィルムなどがある。特に、ポリエステル系フィルム、セルロース系フィルム、ポリイミド系フィルムおよびポリカーボネートフィルムのうち選択される1種以上を含んでもよく、本発明の一実施例においては、光学的に透明であり、摩擦、熱および/または化学的なダメージに対する耐久力に優れるという面で、セルロース系のフィルムが最も好ましい。前記セルロース系樹脂を用いた基材の厚さは制限されることなく適用することができるが、厚いほど重くて取り扱い性が低下するため、25ないし80μmであることが保護用フィルムとして好ましい。
【0054】
本発明の一実施例によると、前記紫外線遮断基材は、紫外線遮断添加剤を含み、紫外線遮断機能を有することを含む。前記基材が紫外線遮断添加剤を含む場合、400nm以下の領域での紫外線を効果的に遮蔽し、液晶層の劣化を防止し、透過率可変光学積層体およびこれを含むスマートウィンドウの寿命短縮問題を改善させることができる。前記紫外線遮断添加剤は、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール、およびトリアジン系化合物であってもよいが、これに限定されず、基材を形成する組成物の総重量に対して、0.1%ないし10%の含有量で含まれることが好ましい。
【0055】
前記紫外線遮断基材111の厚さは特に限定されず、例えば、10ないし100μmであってもよい。厚さが前記範囲内である場合、取り扱い性に優れてスマートウィンドウ積層体の部材として好ましい。
【0056】
偏光子112
本発明の一実施例に係る透過率可変光学積層体で、第1偏光板110-1および第2偏光板110-2のうち少なくとも一つの偏光板は、従来のまたは以後に開発される偏光子を用いてもよく、好ましくは、第1偏光板110-1の場合、前記紫外線遮断基材111、偏光子112および後述する近紫外線保護層113が順次に積層されたものであってもよい。前記偏光子は、例えば、延伸型偏光子またはコーティング型偏光子などを用いてもよい。
【0057】
一実施例において、前記延伸型偏光子は、延伸されたポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol;PVA)系樹脂を含んでもよい。前記ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol;PVA)系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をせっけん化して得たポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他に、酢酸ビニルとこれと共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。前記他の単量体としては、不飽和カルボン酸系、不飽和スルホン酸系、オレフイン系、ビニルエーテル系、アンモニウム基を有するアクリルアミド系単量体などであってもよい。また、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂は変性されたものを含み、例えば、アルデヒド類に変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールであってもよい。
【0058】
一実施例において、前記コーティング型偏光子は、液晶コーティング用組成物によって形成されてもよく、このとき、前記液晶コーティング用組成物は、反応性液晶化合物および二色性染料などを含んでもよい。
【0059】
前記反応性液晶化合物は、前述した光学機能フィルムの反応性液晶化合物に関する内容を同様に適用することができる。
【0060】
前記二色性染料は、液晶コーティング用組成物に含まれて偏光特性を付与する成分であって、分子の長軸方向での吸光度と短軸方向での吸光度が異なる性質を有する。前記二色性染料は、従来のまたは以後に開発される二色性染料を用いることができ、例えば、アクリジン色素、オキサジン色素、シアニン色素、ナフタリン色素、アゾ色素、アントラキノン色素などを含んでもよく、これらを単独または組み合わせて用いてもよい。
【0061】
前記液晶コーティング用組成物は、前記反応性液晶化合物および前記二色性染料を溶解させることができる溶剤をさらに含んでもよく、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、メチルエチルケトン(MEK)、キシレン(xylene)およびクロロホルム(chloroform)などを用いることができる。また、前記液晶コーティング用組成物は、コーティング膜の偏光特性を阻害しない範囲内でレーベリング剤、重合開始剤などをさらに含んでもよい。
【0062】
前記液晶コーティング用組成物は、前記反応性液晶化合物および前記二色性染料を溶解させることができる溶剤をさらに含んでもよく、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、メチルエチルケトン(MEK)、キシレン(xylene)およびクロロホルム(chloroform)などを用いることができる。また、前記液晶コーティング用組成物は、コーティング膜の偏光特性を阻害しない範囲内でレーベリング剤、重合開始剤などをさらに含んでもよい。
【0063】
前記コーティング層は、弾性率が10MPa以上のものであってもよく、好ましくは、10ないし104MPaであってもよい。コーティング層の弾性率が前記範囲を満足する場合、優れた密着力および屈曲性などを示すことができる。
【0064】
一実施例において、前記コーティング層は、光重合性化合物および光重合開始剤を含む光硬化性コーティング層形成用組成物で形成されたものであってもよい。
【0065】
前記光重合性化合物は、コーティング層が前述の弾性率範囲を示すようにするものであれば特に限定されず、例えば、アクリル系モノマー、エポキシ系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、オキセタン系モノマーなどを用いてもよく、弾性率の向上の面で、好ましくは、エポキシ系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、オキセタン系モノマーを用いてもよい。これらは、単独または2種以上混合して用いてもよい。
【0066】
前記アクリル系モノマーは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、ウレタン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのモノε-カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのジε-カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのモノε-メチル-δ-バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコールのジβ-メチル-δ-バレロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレートなどが挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して用いてもよい。
【0067】
前記エポキシ系モノマーとしては、芳香族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などが挙げられる。
【0068】
前記芳香族エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、フェノキシグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0069】
前記脂環族エポキシ化合物としては、例えば、ジシクロペンタジエンジオキシド、リモネンジオキシド、4-ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートなどが挙げられる。
【0070】
前記脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0071】
前記ビニルエーテル系モノマーは、例えば、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルなどが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して用いてもよい。
【0072】
オキセタン系モノマーは、例えば、2-エチルヘキシルオキセタン、キシレンビスオキセタン、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、1,4-ビス[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]ベンゼン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、ビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(シクロヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタン、1,3-ビス[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]ベンゼンなどが挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して用いてもよい。
【0073】
前記光重合開始剤は、当業界で通常用いられる陽イオン開始剤、ラジカル開始剤などを用いてもよく、前記陽イオン開始剤は、例えば、オニウム塩化合物、鉄-アレン錯物などが挙げられる。
【0074】
前記オニウム塩化合物は、例えば、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボレートなどの芳香族ジアゾニウム塩;ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4-ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートなどの芳香族ヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4’-ビス[ジフェニルスルホニオ]ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’-ビス[ジ(β-ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’-ビス[ジ(β-ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、7-[ジ(p-トルイル)スルホニオ]-2-イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート、7-[ジ(p-トルイル)スルホニオ]-2-イソプロピルチオキサントンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-フェニルカルボニル-4’-ジフェニルスルホニオ-ジフェニルスルフィドヘキサフルオロホスフェート、4-(p-tert-ブチルフェニルカルボニル)-4’-ジフェニルスルホニオ-ジフェニルスルフィドヘキサフルオロアンチモネート、4-(p-tert-ブチルフェニルカルボニル)-4’-ジ(p-トルイル)スルホニオ-ジフェニルスルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムのリン酸塩などの芳香族スルホニウム塩;などが挙げられる。
【0075】
前記鉄-アレン錯物としては、例えば、キシレン-シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロアンチモネート、クメン-シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、キシレン-シクロペンタジエニル鉄(II)-トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタニドなどが挙げられる。
【0076】
前記ラジカル開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、トリアジン系化合物などが挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して用いてもよい。
【0077】
前記アセトフェノン系化合物は、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタル、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルチオフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オンおよび2-ヒドロキシ2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン-1-オンのオリゴマーなどが挙げられる。
【0078】
前記ベンゾイン系化合物は、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0079】
前記ベンゾフェノン系化合物は、例えば、ベンゾフェノン、メチルo-ベンゾインベンゾエート、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイン-4’-メチルジフェニルスルフィド、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0080】
前記チオキサントン化合物は、例えば、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0081】
前記トリアジン系化合物は、例えば、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-(4-メトキシナフチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-[2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-[2-(フラン-2-イル)エテニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-[2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(卜リクロロメチル)-6-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-1,3,5-トリアジンなどが挙げられる。
【0082】
光重合開始剤の含有量は特に限定されず、例えば、光重合性化合物100重量部に対して、0.1ないし10重量部で含まれてもよい。含有量が前記範囲内である場合、適正の水準に硬化して前記弾性率範囲を示すコーティング層を形成することができる。
【0083】
一または複数の実施形態において、コーティング層の厚さは3ないし10μmであってもよく、より好ましくは、3ないし7μmであってもよい。前記コーティング層の厚さが3μm未満であると、凝集力および弾性率が低くなるか密着力を発現させ難く、特に偏光子とコーティング層の間の密着性が低下し、偏光子保護の機能が低下することがある。また、前記コーティング層の厚さが10μm超過であると、位相差が発生して透過率制御が容易でなく、特に導電層とコーティング層の間の密着性が低下して、導電層形成が容易でないこともある。
【0084】
一実施例において、前記コーティング層は、コーティング層の硬度と密着性向上のためにナノ粒子をさらに含むものであってもよい。
【0085】
一実施例において、前記第1偏光板110-1および第2偏光板110-2のうち少なくとも一つの偏光板は、30ないし200μmの厚さを有するものであってもよく、好ましくは、30ないし170μmであってもよく、より好ましくは、50ないし150μmのものであってもよい。この場合、前記第1偏光板110-1および第2偏光板110-2のうち少なくとも一つの偏光板が光学特性を維持するとともに、薄い厚さの光学積層体の製造が可能である。
【0086】
前記第1偏光板110-1および第2偏光板110-2のうち少なくとも一つの偏光板は、曲面を有する光学積層体の製造のために湾曲された形象を含んでもよく、例えば、液晶層130の両面に積層された互いに異なる二つの偏光板110-1、110-2のうち、いずれか一つの偏光板側に湾曲された形態で形成されるものであってもよい。
【0087】
近紫外線保護層113
本発明の近紫外線保護層113は、第1偏光板110-1の偏光子112の一面に形成されることによって偏光子を保護する役目を果たすものであって、好ましくは、光源Aと直接に向い合わない内側面に位置することができ、この場合、ブリードアウト(Bleed-out)を防止するとともに、液晶層を保護するという利点がある。前記近紫外線保護層113は、最大吸収波長が390nmないし430nmである近紫外線吸収剤を含んでもよく、例えば、偏光子の上に組成物の形態で塗布され、UVの照射によって硬化して形成されてもよい。具体的には、近紫外線吸収剤および紫外線光増減剤のうち選択される1種以上を含むことによって紫外線は透過し、近紫外線を選択的に吸収するものであってもよく、その他に、光硬化性樹脂、開始剤、溶剤レーベリング剤など本発明の属する技術分野において通常用いられるハードコーティング層を形成する組成物をさらに含んでもよい。また、その含有量は、本発明に係る透過率可変光学積層体の物性を低下させない範囲内で多様に調節することができるので、特に制限しない。
【0088】
前記近紫外線吸収剤は、紫外線は透過し、近紫外線を選択的に吸収するものであって、本発明の一実施例に係る近紫外線吸収剤は、最大吸収波長が390nmないし430nmであってもよく、好ましくは、395nmないし425nm、より好ましくは、400nmないし420nmであってもよい。前記近紫外線吸収剤は、例えば、シアニン、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール、およびトリアジン系化合物のうち選択される1種以上であってもよく、シアニン系誘導体であることが390nmないし430nm領域の近紫外線を効果的に吸収する面で最も適切である。通常、ディスプレイの場合、可視光線の短波長領域(青色)を透過させるために380nmを紫外線遮断の上限境界値とする。しかし、本願発明は、スマートウィンドウ積層体として外光(太陽光)を遮断するか透過する遮蔽性が主要機能になるので、可視光線領域の一部遮断による色相変化に相対的に敏感でないので、ディスプレイでは自然色の表現という不可避な課題によって遮蔽できなかった領域をより拡張させて遮断することによって、液晶層の高分子および/または低分子の劣化を効果的に防止できるという利点がある。
【0089】
前記近紫外線吸収剤は、近紫外線保護層組成物の総重量に対して、0.01ないし5重量部、好ましくは、0.1ないし1重量部、より好ましくは、0.3ないし0.7重量部で含まれてもよい。
【0090】
前記紫外線光増減剤は、紫外線を吸収して紫外線を遮蔽しながらもハードコーティング組成物に含まれる後述する開始剤に光化学反応(photochemical reaction)を通じてエネルギーを伝達(吸収後、再び放出)してハードコーティング層の硬化を促進させる機能を果たす。このような一連の光化学反応を通じて紫外線領域の光を吸収して透過率を低く維持するとともに、紫外線硬化性材料の架橋反応を起こす開始剤の開始反応を同時に誘導する役目を果たす。本発明の一実施例に係る積層フィルムは、前記紫外線光増減剤を含む場合、基材との密着性を向上させることができる。本発明の一実施例によると、前記紫外線光増減剤は、最大吸収波長が350nmないし400nmであってもよく、好ましくは、355nmないし395nm、より好ましくは、360nmないし390nmであってもよい。
【0091】
前記のような紫外線光増減剤として、例えば、オキサゾール、アントラキノン、ナフトキノン、キノン、チオキサントン、アクリドン、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1,2-ジケトン、フェノチアジン、ケトクマリン、フルオレン、ナフチアゾリン、ビアセチル、ベンジルおよびこれらの誘導体、ペリレンおよび置換/非置換のアントラセンのうち選択される1種以上であってもよく、350ないし400nm領域の紫外線を効果的に吸収できるという面で、オキサゾール系化合物であることが適切である。
【0092】
前記紫外線光増減剤は、近紫外線保護層組成物の総重量に対して、0.01ないし5重量部、好ましくは、0.1ないし2重量部、より好ましくは、0.5ないし1.5重量部で含まれてもよい。
【0093】
第2偏光板110-2
前記第2偏光板110-2は、前記の第1偏光板110-1の内容で、紫外線遮断基材および近紫外線保護層を含むか、含まないことを除いては、前記第1偏光板110-1の内容をそのまま適用することができるので、記載を省略することにする。
【0094】
一または複数の実施例において、第1偏光板110-1および第2偏光板110-2のうち少なくとも一つの偏光板は、機能性コーティング層、保護層、位相差調節層および/または屈折率調節層からなる群より選択される1種以上の機能層をさらに含むものであってもよい。
【0095】
前記機能性コーティング層は、偏光板の硬度を向上させるために備えられるものであって、偏光板の硬度を向上できるものであれば特に制限されず、例えば、ハードコーティング層および/または低屈折率層などを含むものであってもよい。
【0096】
前記ハードコーティング層組成物は、アクリレート系またはエポキシ系化合物および無機微粒子、光開始剤などを含むハードコーティング組成物から形成されてもよい。アクリレート系化合物は、(メタ)アクリレート基を含むモノマーまたはオリゴマーを含んでもよく、本明細書で使用される用語、「(メタ)アクリル-」は「メタクリル-」,「アクリル-」または両方とも称する意味に使用される。前記アクリレート系化合物の非制限的な例として、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6-ヘクサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4-シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリトリトールヘキサトリ(メタ)アクリレート、ビス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソ-デキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートまたはイソボルネオール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、単独であるいは2以上が組合されて用いられてもよい。前記アクリレート系化 合物は、エポキシ(メタ)アクリレート化合物および/またはウレタン(メタ)アクリレート化合物を含んでもよい。また、前記エポキシ系化合物は、分子内の少なくとも一つのエポキシ基を有するモノマーあるいはオリゴマーを含んでもよい。前記エポキシ基は、脂環式エポキシ基であってもよい。前記エポキシ基に含まれた脂環式環の炭素数は、3ないし7であってもよく、例えば、シクロヘキサン環を含む脂環式エポキシ基(シクロヘキシルエポキシ)であってもよい。前記脂環式環は置換基を有してもよい。例えば、前記脂環式環は、炭素数1ないし20のアルキル置換基を含んでもよい。前記アルキル置換基の炭素数が20を超過する場合、硬化速度の面で不利なことがある。前記アルキル置換基は、直鎖型あるいは分岐型を含み、分岐型の場合、炭素数は3以上であってもよい。一方、本発明のハードコーティング層の製造方法において、前述する成分以外にも、光開始剤、界面活性剤、黄変防止剤、レーベリング剤および/または防汚剤など本発明の属する技術分野において通常用いられる添加剤をさらに含んでもよい。また、その含有量は、本発明に係るハードコーティング層組成物の物性を低下させない範囲内で多様に調節することができるので、特に制限しない。
【0097】
前記低屈折率層は、本発明の目的を損なわない範囲内で、偏光板の硬度を向上させる役目も行うために備えられるものであってもよい。前記低屈折率層は、例えば、SiO2、Al2O3、MgF2、CaFおよび氷晶石(cryloite)などからなる群より選択される1種以上の低屈折率剤を含むものであってもよく、一部の実施例において、前記ハードコーティング層で用いられた化合物、その他に、本発明の属する技術分野において通常用いられる樹脂などを含むものであってもよい。前記ハードコーティング層および低屈折率層はそれぞれ単独で用いられてもよく、一部の実施例において、複層構造として用いられてもよい。
【0098】
前記機能性コーティング層は、偏光子の一面上に直接接触して形成されてもよいが、これに限定されるものではない。例えば、偏光板が位相差調節層および/または屈折率調節層を含む場合、前記機能性コーティング層は、前記位相差調節層および屈折率調節層の一面上に形成され、機能性コーティング層、位相差調節層、屈折率調節層および偏光子が順次に積層されるものであってもよい。
【0099】
前記機能性コーティング層は、偏光子の液晶層側上、すなわち、偏光子の内側上に形成されることが好ましいが、これに限定されず、偏光子の外側上にも形成され、偏光子、機能性コーティング層および保護層が順次に積層されるものであってもよい。この場合、前記機能性コーティング層は、偏光板に透明導電層などの部材が形成されるのに適した水準の硬度を付与することによって、光学積層体の製造または加工工程過程で発生されるクラック(crack)またはスクラッチ(scratch)が最小化できるという利点がある。
【0100】
前記機能性コーティング層は、優れた耐磨耗性を有するだけでなく、光学積層体の耐屈曲性および耐久性がより向上するものであってもよく、より詳しくは、光学積層体の接合工程でのスペーサーによる圧力印加または液晶、配向膜などの化学反応によって導電層にクラック(crack)などの欠陷が発生することをより効果的に抑制するものであってもよい。
【0101】
一または複数の実施例において、前記機能性コーティング層の乾燥後の厚さは、それぞれ1ないし50μmのものであってもよく、より好ましくは、1ないし40μmであってもよいが、これに限定されない。
【0102】
前記保護層(図示せず)は、後工程および外部環境から偏光子の偏光特性を保存するためのものであって、保護フィルムなどの形態で具現することができる。前記保護層は、偏光子の一面または両面上に直接接触して形成されてもよいが、これに限定されるものではない。例えば、前記保護層は、一つ以上の保護層が連続的に積層された複層構造として用いられてもよく、位相差調節層などの他の部材上に直接接触して形成されるものであってもよい。一または複数の実施例において、前記保護層は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、ポリエチレンイソフタレート(polyethylene isophthalate;PEI)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate;PEN)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate;PBT)、ジアセチルセルロース(diacetyl cellulose)、トリアセチルセルロース(triacetyl cellulose;TAC)、ポリカーボネート(polycarbonate;PC)、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、ポリメチルアクリレート(polymethyl acrylate;PMA)、ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate;PMMA)、ポリエチルアクリレート(polyethyl acrylate;PEA)、ポリエチルメタクリレート(polyethyl methacrylate;PEMA)および環状オレフイン系ポリマー(cyclic olefin polymer;COP)からなる群より選択される1種以上を含むものであってもよい。
【0103】
また、前記保護層は、最外郭面に光学積層体の機能低下を防止するために紫外線吸収剤をさらに含んでもよい。前記紫外線吸収剤は、紫外線による光学積層体の劣化を防止するためのものであれば特に制限されず、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤(フェニルサリシレート、p-tert-ブチルサリシレートなど)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノンなど)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-(3’’,4’’,5’’,6’’-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス(4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-(1-メチル-1-フェニルエチル)-5’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(直鎖および側鎖ドデシル)-4-メチルフェノール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートと、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートの混合物など)、シアノアクリレート系紫外線吸収剤(2’-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3-(3’,4’-メチレンジオキシフェニル)-アクリレートなど)、トリアジン系紫外線吸収剤などを用いてもよく、透明性が高く、偏光板など基材の劣化を防止する効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やトリアジン系紫外線吸収剤が好ましく、分光吸収スペクトルがより適切なベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、ビス(Bis)化したものであってもよく、例えば、6,6’-メチレンビス(2-(2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-2-イル)-4-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノール)、6,6’-メチレンビス(2-(2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-2-イル)-4-(2-ヒドロキシエチル)フェノール)などであってもよい。
【0104】
前記保護層は、後工程および外部環境から偏光板の偏光特性を保護するためのものであって、保護フィルムなどの形態で具現することができる。前記保護層は、一つ以上の保護層が連続的に積層された複層構造にも用いられてもよく、他の機能層と組み合わせて用いられてもよい。
【0105】
一または複数の実施例において、前記保護層は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、ポリエチレンイソフタレート(polyethylene isophthalate;PEI)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate;PEN)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate;PBT)、ジアセチルセルロース(diacetyl cellulose)、トリアセチルセルロース(triacetyl cellulose;TAC)、ポリカーボネート(polycarbonate;PC)、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、ポリメチルアクリレート(polymethyl acrylate;PMA)、ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate;PMMA)、ポリエチルアクリレート(polyethyl acrylate;PEA)、ポリエチルメタクリレート(polyethyl methacrylate;PEMA)および環状オレフイン系ポリマー(cyclic olefin polymer;COP)からなる群より選択される1種以上を含むものであってもよい。
【0106】
前記位相差調節層は、光学積層体の光学特性を補うためのものであって、位相差フィルムなどの形態で具現することができ、従来のまたは以後に開発される位相差フィルムなどを用いてもよい。例えば、光の位相を遅延させるための四分の一波長板(1/4波長板)または半波長板(1/2波長板)などを用いてもよく、これらを単独でまたは組み合わせて用いてもよい。
【0107】
前記位相差調節層は、偏光子の一面上に直接接触して形成されてもよいが、これに限定されるものではない。例えば、前記位相差調節層は、保護層の一面上に直接接触して形成されるものであってもよく、屈折率調節層の一面上に直接接触して形成されるものであってもよい。
【0108】
前記位相差調節層は、延伸により光学異方性を付与可能な高分子フィルムを適切な方式で延伸した高分子延伸フィルムまたは液晶重合フィルムを用いてもよい。
【0109】
一実施例において、前記高分子延伸フィルムは、ポリエチレン(polyethylene;PE)またはポリプロピレン(polypropylene;PP)などのポリオレフイン、ポリノルボルネン(polynorbornene)などの環状オレフインポリマー(COP:cyclo olefin polymer)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride;PVC)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile;PAN)、ポリスルホン(polysulfone;PSU)、アクリル樹脂(acryl resin)、ポリカーボネート(polycarbonate;PC)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)などのポリエステル、ポリアクリレート(polyacrylate)、ポリビニルアルコール(polyvinyl acholol;PVA)またはトリアセチルセルロース(triacetyl cellulose;TAC)などのセルロースエステル系ポリマーや、前記ポリマーを形成する単量体の中で2種以上の単量体の共重合体などを含む高分子層を用いてもよい。
【0110】
前記高分子延伸フィルムを得る方法は特に制限されず、例えば、前記高分子材料をフィルム形態に成形した後、延伸することによって得られる。前記フィルム形態への成形方法は特に制限されるものではなく、射出成形、シート成形、ブロー成形、射出ブロー成形、インフレーション成形、圧出成形、発泡成形、キャスト成形など公知の方法でフィルムに成形することが可能であり、圧空成形、真空成形などの2次加工成形法も用いることができる。その中でも、圧出成形、キャスト成形が好ましく用いられる。このとき、例えば、Tダイ、円形ダイなどが取り付けられた圧出機などを用いて未延伸のフィルムを圧出成形することができる。圧出成形によって成形品を得る場合には、事前に各種の樹脂成分、添加剤などを溶融混錬した材料を用いることができれば、圧出成形時に溶融混錬を経って成形することもできる。また、各種の樹脂成分に共通の溶媒、例えば、クロロホルム、2塩化メチレンなどの溶媒を用いて各種の樹脂成分を溶解した後、キャスト乾燥固化することによって未延伸のフィルムをキャスト成形することもできる。
【0111】
前記高分子延伸フィルムは、前記成形されたフィルムを機械的流れ方向(MD;Mechanical Direction、縦方向または長さ方向)に1軸延伸、機械的流れ方向の横の方向(TD;Transverse Direction、横方向または幅方向)に1軸延伸することができ、またロール延伸とテンター延伸の順次二軸延伸法、テンター延伸による同時二軸延伸法、チューブラー延伸による二軸延伸法などによって延伸することによって二軸延伸フィルムを製造することもできる。
【0112】
前記液晶重合フィルムは、反応性液晶化合物を重合された状態で含んでもよい。前記反応性液晶化合物は、前述したコーティング型偏光子の反応性液晶化合物に関する内容を同様に適用することができる。
【0113】
一または複数の実施例において、前記位相差調節層の厚さは、高分子延伸フィルムの場合には、光学積層体の薄型化のために10ないし100μmであってもよく、液晶重合フィルムの場合には、0.1ないし5μmであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0114】
前記屈折率調節層は、前記透明導電層による光学積層体の屈折率差を補償するために備えられるものであって、屈折率差を減少させることによって視認特性などを改善させるための役目を果たすものであってもよい。また、前記屈折率調節層は、前記透明導電層に起因する色相を補正するために備えられるものであってもよい。一方、後述する透明導電層120-1、120-2がパターンを有する場合には、前記屈折率調節層を通じて前記パターンが形成されているパターン領域とパターンが形成されない非パターン領域の間の透過率差を補償することができる。
【0115】
具体的に、前記透明導電層は、これと屈折率が異なる他の部材に隣接して積層され、隣接した他層との屈折率差によって光透過率の差が誘発されることがある。特に透明導電層にパターンが形成された場合、パターン領域と非パターン領域を区分できるように視認されるという問題点が発生することがある。したがって、前記屈折率調節層を含むことによって、屈折率を補償するようにして光学積層体の光透過率の差を減少できるようにし、特に透明導電層にパターンが形成された場合には、パターン領域および非パターン領域が区分されて視認されないようにする。
【0116】
一実施例において、前記屈折率調節層の屈折率は、隣接した他の部材の材料によって適切に選択されてもよいが、1.4ないし2.6のものが好ましく、より好ましくは、1.4ないし2.4であってもよい。この場合、前記他の部材と透明導電層の間の急激な屈折率差による光損失を防止することができる.前記屈折率調節層は、他の部材と透明導電層の間の急激な屈折率差を防止できるものであれば特に制限されず、従来のまたは以後に開発される屈折率調節層の形成に用いられる化合物を用いることができ、例えば、重合性イソシアヌレート化合物を含む屈折率調節層形成組成物から形成されるものであってもよい。
【0117】
前記偏光板110-1、110-2は、前述した機能層以外にも偏光板の特性を補助または強化するための他の機能層をさらに含んでもよく、例えば、機械的耐久性をより向上させるために、オーバーコート層などをさらに含むものであってもよい。
【0118】
一または複数の実施例において、前記偏光板110-1、110-2は、30ないし200μmの厚さを有するものであってもよく、好ましくは、30ないし170μmであってもよく、より好ましくは、50ないし150μmのものであってもよい。この場合、前記偏光板110-1、110-2は、光学特性を維持するとともに、薄い厚さの光学積層体の製造が可能である。
【0119】
透明導電層(120-1および120-2)
前記透明導電層120-1、120-2は、後述する液晶層130の駆動のために備えられるものであって、前記偏光板に直接接触して形成されるものであってもよい。例えば、
図2に示されているように、第1透明導電層120-1および第2透明導電層120-2はそれぞれ第1偏光板110-1および第2偏光板110-2に直接接触して形成されるものであってもよい。
【0120】
従来のスマートウィンドウ(smart window)などの製造に用いられる光学積層体は、液晶の駆動のための導電層を基材の一面上に形成し、前記基材の他面を偏光板と貼り合わせることによって製造された。しかし、本発明に係る透過率可変光学積層体は、導電層の形成のための別途の基材を含まず、偏光板の一面上に導電層を直接形成することによって、積層体の厚さを減少させるとともに、透光モードでの透過率および屈曲特性を向上させることを特徴とする。
【0121】
本発明の一実施例において、前記第1透明導電層120-1および第2透明導電層120-2は、前記偏光板110-1および110-2の一面上に直接蒸着されて形成されるものであってもよい。このとき、前記透明導電層は、偏光板110-1、110-2との接着力の向上のために、偏光板の一面上にコロナ処理またはプラズマ処理などの前処理を施した後、前記偏光板の前処理を施した面と直接接触して形成されるものであってもよい。前記前処理は、コロナ処理またはプラズマ処理に限定されるものではなく、本発明の目的を損なわない範囲内で、従来のまたは以後に開発される前処理工程を用いてもよい。
【0122】
他の実施例において、前記透明導電層120-1、120-2は、偏光板との接着力の向上のために、偏光板の一面上に備えられた易接着層(図示せず)を挟んで、偏光板と直接接触して形成されるものであってもよい。前記易接着層は、後述するその他の部材のうち、粘接着層に記載された接着剤および/または粘着剤の素材を用いてもよいが、これに限定されるものではない。
【0123】
前記透明導電層120-1、120-2は、可視光に対する透過率が50%以上のものが好ましく、例えば、透明導電性酸化物、金属、炭素系物質、導電性高分子、導電性インクおよびナノワイヤからなる群より選択される1種以上を含むものであってもよいが、これに限定されるものではなく、従来のまたは以後に開発される透明導電層の材料を用いられてもよい。
【0124】
一または複数の実施例において、前記透明導電性酸化物は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム亜鉛スズ酸化物(IZTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、フローリンスズ酸化物(FTO)および亜鉛酸化物(ZnO)などからなる群より選択される1種以上を含んでもよい。また、前記金属は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)およびこれらのうち少なくとも一つを含有する合金などからなる群より選択される1種以上を含むものであってもよく、例えば、銀-パラジウム-銅(APC)合金または銅-カルシウム(CuCa)合金を含んでもよい。前記炭素系物質は、炭素ナノチューブ(CNT)およびグラフェン(graphene)などからなる群より選択される1種以上を含むものであってもよく、前記導電性高分子は、ポリピロール(polypyrrole)、ポリチオフェン(polythiophene)、ポリアセンチレン(polyacetylene)、ピードット(PEDOT)およびポリアニリン(polyaniline)などからなる群より選択される1種以上を含んでもよい。前記導電性インクは、金属パウダーと硬化性高分子バインダーとが混合したインクであってもよく、ナノワイヤは、例えば、シルバーナノワイヤ(AgNW)であってもよい。
【0125】
また、前記透明導電層110-2、120-2は、前記物質を組み合わせて、2層以上の構造に形成されてもよい。例えば、入射光の反射率を下げ、透過率を高めるように金属層および透明導電性酸化物層を含む2層構造に形成されてもよい。
【0126】
前記透明導電層110-2、120-2は、当該分野において通常用いられる方法によって形成されてもよく、例えば、スピンコート法、ローラーコート法、バーコート法、ディップコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スプレイコート法、ドクターコート法、ニーダーコート法などのコート工程;スクリーン印刷法、スプレイ印刷法、インクジェット印刷法、凸板印刷法、凹板印刷法、平板印刷法などの印刷工程;およびCVD(chemical vapor deposition)、PVD(physical vapor deposition)、PECVD(plasma enhanced chemical vapor deposition)などの蒸着工程などの方式のうち、適切な工程を選択して形成されてもよい。
【0127】
液晶層130
前記液晶層130は、電界によって一または複数の方向から入射される光の透過度を調節することによって、前記光学積層体の駆動モードを変更させることができる。
【0128】
前記液晶層130は、液晶化合物を含むものであってもよく、例えば、光制御領域で第1偏光板110-1および第2偏光板110-2の間に備えられるシーラント層(図示せず)およびスペーサー(図示せず)によって提供される空間内に位置してもよい。
【0129】
前記液晶層130は、電界によって駆動されることを特徴とする。前記液晶層130は、前記光学積層体100の光制御領域に位置する第1偏光板110-1および第2偏光板110-2の間に位置してもよい。一実施例において、前記液晶層130は、光制御領域で第1偏光板110-1および第2偏光板110-2の間に備えられるシーラント(図示せず)およびスペーサー(図示せず)によって提供される空間内に位置してもよい。また、前記液晶層130は、製1透明導電120-1または第2透明導電120-2の間に形成される電場によって外部光源から入射される光の透過度を調節することができる。
【0130】
前記液晶層130は、従来のまたは以後に開発される液晶挙動方式によって駆動されてもよく、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モードなどを用いることができる。
【0131】
本発明の他の実施例に係る前記液晶層130は、ボールスペーサー(Ball spacer)およびコラムスペーサー(Column spacer)からなる群より選択される1種以上のスペーサー(spacer)を含んでもよい。特にボールスペーサー(Ball spacer)であることが好ましい。前記ボールスペーサー(Ball spacer)は一つ以上であってもよく、直径が1ないし10μmであることが好ましい。また、平面方向から見たとき、前記ボールスペーサー(Ball spacer)が液晶層110(すなわち、光調節領域)内で占める面積は、ユーザーの視認性および透光モードでの透過率の改善の面で、液晶層130の面積に対して0.01ないし10%であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0132】
その他
一実施例において、前記液晶層130は、本発明の目的を損なわない範囲内で他の部材をさらに含むものであってもよく、例えば、シーラント、配向膜、粘接着層および/または紫外線吸光層などをさらに含むものであってもよく、これは、液晶化合物を含む液晶層130の両面上に形成されるものであってもよい。
【0133】
前記シーラントは、ベース樹脂として硬化性樹脂を含んでもよい。前記ベース樹脂としては、当業界でシーラントに用いられるものと公知された紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を用いてもよい。前記紫外線硬化性樹脂は、紫外線硬化性単量体の重合体であってもよい。前記熱硬化性樹脂は、熱硬化性単量体の重合体であってもよい。
【0134】
前記シーラントのベース樹脂としては、例えば、アクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂または前記樹脂の混合物を用いてもよい。一実施例において、前記ベース樹脂は、アクリレート系樹脂であってもよく、前記アクリレート系樹脂は、アクリル単量体の重合体であってもよい。前記アクリル単量体は、例えば、多官能性アクリレートであってもよい。他の実施例において、前記シーラントは、ベース樹脂に単量体成分をさらに含んでもよい。前記単量体成分は、例えば、単官能性アクリレートであってもよい。本明細書で、単官能性アクリレートは、アクリル基を1つ有する化合物を意味することができ、多官能性アクリレートは、アクリル基を2つ以上有する化合物を意味することができる。前記硬化性樹脂は、紫外線の照射および/または加熱によって硬化してもよい。前記紫外線の照射条件または加熱条件は、本出願の目的を損なわない範囲内で適切に行われてもよい。前記シーラントは、必要に応じて、開始剤、例えば、光開始剤または熱開始剤をさらに含んでもよい。
【0135】
前記シーラントは、当該分野において通常用いられる方法によって形成されてもよく、例えば、ノズルを備えるディスペンサーを用いてシーラントを前記液晶層の外郭(すなわち、非活性領域)にドローイングして形成されてもよい。
【0136】
前記配向膜は、液晶化合物に配向性を付加するためのものであれば特に制限されない。例えば、前記配向膜は、配向性高分子、光重合開始剤および溶剤を含む配向膜コーティング組成物を塗布および硬化することによって製作されてもよい。前記配向性高分子は、特に限定されないが、ポリアクリレート系樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリイミド系樹脂、シンナメート基を含む高分子などを用いてもよく、従来のまたは以後に開発される配向性を示すことができる高分子を用いてもよい。
【0137】
前記粘接着層は、接着剤または粘着剤を用いて形成されてもよく、光学積層体の取り扱い時に剥離、気泡などが発生しないように適切な粘接着力を有するとともに、透明性および熱安定性を有することが好ましい。
【0138】
前記接着剤は、従来のまたは以後に開発される接着剤を用いてもよく、例えば、光硬化性接着剤を用いてもよい。前記光硬化性接着剤は、紫外線(Ultraviolet、UV)、電子線(Electron Beam、EB)など活性エネルギー線を受けて、架橋および硬化して強い接着力を示すものであって、反応性オリゴマー、反応性モノマー、光重合開始剤などで構成されてもよい。
【0139】
前記反応性オリゴマーは、接着剤の特性を決める重要な成分であって、光重合反応によって高分子結合を形成して硬化被膜を形成する。使用可能な反応性オリゴマーは、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。
【0140】
前記反応性モノマーは、前述の反応性オリゴマーの架橋剤、希釈剤としての役目を果たし、接着特性に影響を及ぼす。使用可能な反応性モノマーは、単官能性モノマー、多官能性モノマー、エポキシ系モノマー、ビニルエーテル類、環状エーテル類などが挙げられる。
【0141】
前記光重合開始剤は、光エネルギーを吸収してラジカルあるいは陽イオンを生成させて光重合を開始する役目を果たすものであって、光重合樹脂によって適したものを選択して用いてもよい。
【0142】
前記粘着剤は、従来のまたは以後に開発される粘着剤を用いてもよく、一または複数の実施形態において、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤などを用いてもよい。前記粘着剤は、粘着力と粘弾性を有するものであれば特に制限されないが、入手容易性などの面で、好ましくは、アクリル系粘着剤であってもよく、例えば、(メタ)アクリレート共重合体、架橋剤および溶剤などを含むものであってもよい。
【0143】
前記架橋剤は、従来のまたは以後に開発される架橋剤を用いてもよく、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマーなどを含むものであってもよく、好ましくは、ポリイソシアネート化合物を含むものであってもよい。
【0144】
前記溶剤は、樹脂組成物分野で用いられる通常の溶媒を含んでもよく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールメトキシアルコールなどのアルコール系化合物;メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトンなどのケトン系化合物;メチルアセテート、エチルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールメトキシアセテートなどのアセテート系化合物;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブなどのセロソルブ系化合物;ヘクサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系化合物などの溶媒が用いられてもよい。これらは、単独であるいは2種以上が組合されて用いられてもよい。
【0145】
前記粘接着層の厚さは、粘接着剤の役目を果たす樹脂の種類、粘接着強度、粘接着剤が用いられる環境などによって適切に決められてもよい。一実施例において、前記粘接着層は、十分な粘接着力を確保し、光学積層体の厚さを最小化するために、0.01ないし50μmであってもよく、好ましくは、0.05ないし20μm、より好ましくは、0.1ないし10μmの厚さを有するものであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0146】
前記紫外線吸光層は、紫外線による光学積層体の劣化をさらに防止するためのものであれば特に制限されず、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤(フェニルサリシレート、p-tert-ブチルサリシレートなど)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノンなど)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-(3’’,4’’,5’’,6’’-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス(4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-(1-メチル-1-フェニルエチル)-5’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(直鎖および側鎖ドデシル)-4-メチルフェノール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(クロロ-2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)フェニル]プロピオネートと、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートの混合物など)、シアノアクリレート系紫外線吸収剤(2’-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、エチル-2-シアノ-3-(3’,4’-メチレンジオキシフェニル)-アクリレートなど)、トリアジン系紫外線吸収剤などを用いてもよく、透明性が高く、偏光板や透過率可変層の劣化を防止する効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やトリアジン系紫外線吸収剤が好ましく、分光吸収スペクトルがより適切なベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、ビス(Bis)化したものであってもよく、例えば、6,6’-メチレンビス(2-(2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-2-イル)-4-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノール)、6,6’-メチレンビス(2-(2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-2-イル)-4-(2-ヒドロキシエチル)フェノール)などであってもよい。
【0147】
<透過率可変光学積層体の製造方法>
本発明は、以上で説明した透過率可変光学積層体の製造方法を含む。前記透過率可変光学積層体を製造する方法は特に限定されず、任意の接合技術や前述したフォトリソグラフィ技術などを用いて光学積層体を製造することができる。
【0148】
例えば、前記偏光板で導電層の形成は、トリアセチルセルロースフィルムまたはシクロオレフインポリマー(COP)に機能性導電層形成用組成物をコーティングした後、ポリビニルアルコール系偏光子と接合して製作することができ、ポリビニルアルコール系偏光子(23μm、KURARAY)の両面に接着剤を通じて、それぞれトリアセチルセルロースフィルムまたはトリアセチルセルロースフィルムとシクロオレフインフィルムとを接合して製作した偏光板のトリアセチルセルロースフィルムまたはシクロオレフインフィルム面に選択的に機能性導電層組成物をコーティングして形成することができる。
【0149】
<スマートウィンドウ>
本発明は、前記光学積層体に加えて、これを含むスマートウィンドウを含む。また、本発明は、前記スマートウィンドウを前面窓、後面窓、側面窓、サンルーフ窓、および内部仕切りのうち少なくとも一つ以上に適用した自動車および前記スマートウィンドウを含む建物用建具を含む。
【0150】
本発明のスマートウィンドウを含む自動車は、液晶層および光学機能成層を含む光学積層体の両面上に粘接着剤を用いて車両用ガラスを接合したものであってもよい。例えば、光学積層体の両面上に接着フィルムおよび車両用ガラスを載せた後、Press machineを用いて温度90℃および約1barないし真空状態で10~20分加熱して製造されたものであってもよく、車両用ガラスの一面上にレジンをコーティングした後、光学積層体の両面上に車両用ガラスを真空接合してUV硬化して製造されたものであってもよい。前記接着フィルムは、EVA(エチレンビニルアセテート)フィルム、PVB(ポリビニルブチラル)フィルムなどを含むものであってもよく、前記レジンは、貯蔵弾性率(G’)が103ないし105PaであるOCRレジンなどを含むものであってもよい。
【0151】
また、前記光学積層体の一面または両面上に建物用建具(建具用ガラス)を接合したものであってもよく、光学積層体の一面上に建具用ガラスをラミネート方式で接合して建具用スマートウィンドウ製品を製造したものであってもよく、光学積層体の両面上に建具用ガラスをUV接着剤を塗布して接合した後、UV硬化して建具用スマートウィンドウ製品を製造したものであってもよい。
【実施例0152】
以下、本発明の理解を助けるために、具体的な実施例および比較例を含む実験例を提示するが、これは、本発明を例示するものであるだけで、添付された特許請求の範囲を制限するものではなく、本発明の範疇および技術思想範囲内で実施例に対する多様な変更および修正が可能であることは、当業界で通常の知識を有する者において明白なものであり、このような変形および修正が添付された特許請求の範囲に属することも当然なものである。
【0153】
製造例1:近紫外線保護層組成物の製造
50.8重量部の6官能ウレタンアクリレート(共栄社製、UA-306I)、44.6重量部のブチルアセテート、3.3重量部の1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、0.3重量部のシリコーン系レーベリング剤(BYK社製、BYK-UV3530)、近紫外線吸収剤(FDB-009(λmax=402nm)、山田社製)0.5重量部、紫外線光増減剤(NF-NA-01(λmax=379nm)、Nippon Chemical Works社製)0.5重量部を撹拌器を用いて配合し、PP材質のフィルターを用いてろ過して近紫外線保護層組成物を製造した。
【0154】
製造例2:第1偏光板の製造
以下の(1)ないし(7)の工程を順に行って、第1偏光板を製造した。
【0155】
(1)膨潤処理工程
原反フィルムとして、厚さ60μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルム(株式会社クラレ社製、クラレポバールフィルム VF-PE#6000、平均重合度2400、せっけん化度99.9モル%)を原反ロールから連続的に繰り出して搬送し、20℃の純水を含む膨潤浴に30秒間浸漬した。次いで、ニップロールの間に周速度の差をつけてロールの間延伸(縦一軸延伸)を行った。原反フィルムを基準とする延伸倍率は、2.5倍にした。
【0156】
(2)染色処理工程
前記(1)のニップロールを通過したフィルムを、純水:ヨウ化カリウム:ヨード:ホウ酸の質量比が100:2:0.01:0.3である30℃の染色浴に120秒間浸漬した。次いで、ニップロールの間に周速度の差をつけてロールの間延伸(縦一軸延伸)を行った。膨潤処理工程後のフィルムを基準とする延伸倍率は、1.1倍にした。
【0157】
(3)架橋処理工程
前記(2)のニップロールを通過したフィルムを、純水:ヨウ化カリウム:ホウ酸の質量比が100:12:4である56℃の第1架橋浴に70秒間浸漬した。ニップロールと、第1架橋浴と第2架橋浴の間に設けられたニップロールとの間に周速度の差をつけてロールの間延伸(縦一軸延伸)を行った。染色処理工程後のフィルムを基準とする延伸倍率は1.9倍にした。
【0158】
(4)補色処理工程
架橋処理したフィルムを、純水:ヨウ化カリウム:ホウ酸の質量比が100:9:2.9である40℃の第2架橋浴に10秒間浸漬した。
【0159】
(5)洗浄処理工程
第2架橋処理後のフィルムを、洗浄浴内の14℃の純水に5秒間浸漬し、シャワー量5m3/hおよびシャワー温度14℃で洗浄した。
【0160】
(6)乾燥処理工程
洗浄処理したフィルムを加熱乾燥するために、80℃で190秒間乾燥炉に通過させた。加熱乾燥を終えた偏光子フィルムの乾燥後の水分率は13.6%であり、厚さは、約21μmであった。
【0161】
(7)接合処理工程
水100質量部に対して、PVAを5質量部含む水系接着剤を調剤した。前記(6)で得られた偏光子フィルムの両側に前記水系接着剤を用いて紫外線遮断基材(80μm、TAC film、HYOSUNG社製)と保護フィルム(80μm、ZRT film、HYOSUNG社製)をそれぞれ積層した。得られた積層体をUV露光し、接着剤を硬化して第1偏光板を製作した。UV露光後の接着剤層の厚さは、約2μmであった。
【0162】
製造例3:近紫外線保護層の形成
前記製造例1の近紫外線保護層組成物を前記製造例2の偏光板上に硬化した後、厚さ6μmとなるようにコーティングして溶剤を乾燥、および窒素雰囲気下でUV積算光量500mJ/cm2を照射して近紫外線保護層を形成する。
【0163】
製造例4:第1透明導電層の蒸着-第1積層体の製造
製造例3で得られた、近紫外線保護層が形成された第1偏光板を入れ、450W DC電力を印加してスパッタガンを作動させた後、ITO(10wt% Sn doped In2O3)ターゲットにプラズマを誘導して、前記近紫外線保護層上に厚さ40nmの透明導電層(ITO層)を形成した。50W DCパワーでイオンガンを作動させ、前記透明導電層にイオン処理して第1偏光板および第1透明導電層を含む、第1積層体を製造した。このとき、常温での圧力を3mTorrに維持し、アルゴンガスおよび酸素ガスを30sccmおよび1sccmにそれぞれ供給した。
【0164】
製造例5:第2積層体の製造
紫外線遮断基材および近紫外線保護層を含まないことを除いては、前記製造例2および4と同様の方式で製造された第2偏光板および第2透明導電層を含む、第2積層体を製造した。
【0165】
製造例6:配向膜の形成
製造例4で得られた第1透明導電および製造例5で得られた第2透明導電上に配向液(RN-4662、日産化学工業製)をコーティングした後、80℃で2分間乾燥した。以後、前記乾燥された配向液にUVを照射して配向膜を形成した。
【0166】
製造例7:ボールスペーサーの散布
先ず、イソプロピルアルコール(IPA)100mlにボールスペーサー(SEKISUI社製、SPシリーズ)0.03gを混合して混合溶媒を製造した。次いで、製造例5の第2積層体をスペーサー散布器(Shindo Eng Lab社製、SDSS-KHU02)に入れ、混合溶媒を110℃で散布した後、20分間乾燥することによって、配向膜上にボールスペーサーを形成した。
【0167】
製造例8:シーラント、液晶層の形成および接合-透過率可変光学積層体の製造
製造例6の、配向膜が形成された第2積層体の第2透明導電層上に、粘度25万mPa・sのシーラント(SEKISUI社製、Photolec S)が陥没部に陥入するようにシャープニードル(PN-17G、MUSASHI社製)およびシーラントディスペンサー(MUSASHI社製、SHOTmini 200Ωx)を用いて吐出圧力200mPaで塗布した。第2積層体の配向膜上には液晶を滴下方式(One Drop Filling:ODF)で注入した。次いで、第1偏光板および第2偏光板の配向膜が互いに0゜または90゜に平行に配置し、第1積層体および第2積層体を3Kg/cm2の圧力で接合した後、シーラントラインに沿ってUV硬化(500mJ/cm2)を行って、透過率可変光学積層体を製造した。
【0168】
実施例1
前記製造例8の透過率可変光学積層体を実施例1に適用した。
【0169】
実施例2
第1偏光板において、前記保護層を液晶層との反対側に位置するようにし、透明導電を紫外線遮断基材の上に形成させたことを除いては、前記実施例1と同一の透過率可変光学積層体を製造した。
【0170】
比較例1
前記製造例2の(7)接合処理工程で、紫外線遮断基材の代わりに、保護フィルム(80μm ZRT film(UV-TAC(紫外線遮断基材)ではなく、TAC film)、HYOSUNG社製)を用いて、別途の近紫外線保護層を含まないことを除いては、実施例1と同一の構造の透過率可変光学積層体を製造した。
【0171】
前記実施例1、実施例2および比較例1の透過率可変光学積層体の構造を、下記の表1にまとめて記載した。
【0172】
【0173】
実験例
(1)耐光性の評価
実施例および比較例に係る透過率可変光学積層体を製作し、光源/2.0Tソーダライムガラス/透過率可変光学積層体の順に設け、実施例1基準の前記透過率可変光学積層体の第1偏光板の紫外線遮断基材が外側面、すなわち、光源に向かうようにし、下記の条件で光を照射する。
【0174】
-使用光源:Carbon Arc Lamp-type
-放射照度:500W/m2(波長:300nmないし700nm)
-試験時間:1500時間
-温度:70℃
前記耐光性条件後の不透明の状態(電圧on)を観察し、下記の基準に従って耐光性を評価して、前記の表1に示した。
【0175】
<評価基準>
○:不透明の状態を維持(
図3a)
△:一部の光漏れ状態を確認(
図3b)
X:全面で光漏れ状態を確認(
図3c)
前記の表1の実験データを参照すると、本発明に係る透過率可変光学積層体は、第1積層体の第1偏光板に紫外線遮断基材および近紫外線保護層を含む実施例の場合、紫外線遮断基材および近紫外線保護層を含まないため、光漏れ現象が全面で確認される比較例に比べて(
図3c参照)、耐光性の評価時に光漏れ現象がほとんど観察されなかった。特に、光源と向い合う外側面に近紫外線保護層が位置している実施例2に比べて(
図3b参照)、外側面に紫外線遮断基材が位置して紫外線遮断基材、偏光子および近紫外線保護層が順次に積層された実施例1の場合、電圧印加時にも光漏れ現象が発生せず、不透明の状態を維持して耐光性の評価で、より優れた結果を示した(
図3a参照)。
【0176】
したがって、本発明の透過率可変光学積層体は、紫外線による液晶層の劣化を防止し、前記透過率可変光学積層体を含むことによって、高品質のスマートウィンドウを提供することができる。